ヒューマンサウンド代表、「琉球かれん」開発者 米須清二郎氏のインタビュー記事を『人民日報海外版日本月刊』にて公開
とりわけ心の琴線に触れたこととして、この楽器は障害者たちにとっても使いやすく考案されているという点が挙げられる。米須先生は力強くおっしゃった。「たとえ重度の脳性麻痺をもつお子さんであっても、棒で叩いてリズムを取るだけで音楽の楽しみを体験できるのです。」その設計思想は簡便性と普遍性に十分配慮されたもので、そのため「琉球かれん」はきわめて包容力があり、この世に生を享けた人々がともに楽しめる楽器なのである。
これまでの20年間において、米須先生は幾度となく「琉球かれん」が人々に感動をもたらし、変化を及ぼすのを見てきた。たとえば、脳梗塞によって右手の機能を失ったある男性患者は、これまで社会的に活躍していたこともあって、自分のなかで発症後の落差を受け入れられず、長らくのあいだ落ち込んでいた。そこで米須先生は、その彼が自暴自棄に陥ることのないように、そしてまた元気を奮い起こしてもらえるようにと考え、「琉球かれん」を勧めてみた。その後、彼が左手だけで沖縄の民謡「てぃんさぐぬ花」を演奏すると、会場は大きな歓声と拍手に包まれ、彼の顔に久しぶりの笑みが浮かんだだけでなく、感動の涙までこぼれ落ちたという。