2021年3月18日 21:30
私、三股かけてます…「本命を決められない」独身女性の悲惨な末路
ある日、律子は聖也に仕事の相談をした。
「今の仕事ね、嫌なところがあるってわけじゃないけれど、毎日変わりばえがしなくて。転職しようかな」
「そっかあ。律子は3年後とか5年後、どうなっていたいの?一緒に考えてみようよ」
律子は、うーん…と煮え切らない。聖也と違って、律子には将来のビジョンなどまったくない。
「律子、そろそろおなかすかない?桜丘にできたバル行こうよ」
聖也の提案で、夜は少し歩いて話題の店へ。歩く時、律子は地図を見ない。聖也の腕を掴んで、ついていくだけ。
「劇場」がコンセプトのバルは天井が高く、夜景も申し分なく美しい。メニューもずらりと豊富。迷ってしまう。律子は昔から決めることが苦手なのだ。
何かを決めると、何かを捨てることになりそうで不安。手にしているメニュー、律子が選んだものがおいしくなかったら?責任を負うのも嫌だ。
結局その日も聖也が決めた。タコとセロリのセビーチェ、じゃがいものニョッキ、トリュフソースがかかった牛フィレ肉。
スラスラ食べるものを決める聖也を見つめて「やっぱ頼るとラク…」と微笑む。
1週間後の夜。再び渋谷、今度はホテルの40階のレストラン。