「子供ができなければ結婚しないと言われました」と題する男性からの投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。
知人の紹介で知り合った38歳の男性と、交際2ヶ月になる35歳のトピ主さん。結婚に向けてブライダルチェックを受けよう、という彼の意見には賛同したものの、事前に「あなたが不妊でも結婚したい気持ちは変わらない」と伝えたところ、彼は同じように答えてくれなかったそう。その日から心が晴れない、と心境をつづっています。
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「自分の思い描く人生をかなえるために結婚」と考える人もいる
彼は最初から「俺も結婚したい。というより、子供が欲しい」「子供ができなければ結婚したくない」と、明確に自分の考えを表明していたそうですね。その後の話し合いでは「君だから結婚したいと思った」「誰でもいいなんて思ったことはない」と謝罪の弁を述べたものの、「子供ができなければ結婚しない」という発言の撤回はなかった……とのこと。
彼が結婚目的で相手を探していたとすれば、こうした考えはそう簡単に変わらない可能性も。
オブラートに包むことない発言に違和感とショックを覚えたとのことですが、
現状では「子どもが欲しいから→結婚」という考えは揺るぎない彼の本音と受け取ったほうが賢明な気がします。「もうお互い30代後半だから時間的余裕もない」といった発言を見る限り、トピ主さんが望むような「愛情が育つ時間を経てから考えよう」といった悠長な心づもりもないように感じました。
実際、彼のほうが交際や結婚に前のめりだそうですね。後の投稿には「自分も相手も不妊ではないだろう」とどこかで根拠のない自信があったのかも……という記述も見られますが、これも的確な分析だと感じます。
彼は子どもができない可能性を想定していない、あるいは「考えたくない」ために無言の返答になったのでは。検査結果の裏付けがあれば、子どもを持つ望みがかなわない可能性は考えず、勢いで結婚を決めてしまいたい!というムードなのかなと推測します。
「将来、子どもを授かる」と100%保証された結婚はない
絶対に「血の繋がった子どもに恵まれる結婚」がしたいならば、「子どもができてから結婚する」以外に、100%それをかなえる道はありません。
トピ主さんが危惧しているように、双方とも身体的に問題がなくても子供に恵まれない可能性はゼロではないでしょうが、彼は「ひさしぶりに『結婚したらお互いに素晴らしい人生が歩めそう』と感じた人」とのこと。
特別な存在だと感じているならば、今回のような状況では「うまくいく可能性に賭けて結婚してみる」のも、ひとつの選択肢ではあるかと思います。
もしかしたらトピ主さんは、「もしもの可能性」を見ようとしない彼の態度からも、不安を覚えているのかもしれませんね。彼にとって自分は「彼の子供を産んでくれるから価値がある」のであって、そうでなければ要らない存在だと暗に伝えられた気がした……という記述からも、「産む体」として見られることへの不快感や失望感、そして「人格を尊重してほしい」という強い意思を感じます。
似た者同士でも、「結婚」に求めるものが同じとは限らない
トピ主さんは今の生活に満足しており、マンションを購入して独身のまま人生を送る準備もしているとか。結婚する人生も、母になる人生も、ひとりで好きな仕事を突き詰めていく人生も、どれを選んでも最後に「これでよかった」と思えると思う、そうなるように努力していきたい――といった宣言も見られます。
つまりは、
「必ずしも世間一般的な結婚をして母親になりたいわけではなく、この先の人生を分かち合えるパートナーに出会えたら結婚したい」というのが、トピ主さんの希望なのではないでしょうか。そうであれば、彼のスタンスとはかなり違うようにも感じます。投稿には、トピ主さんが彼に感じる魅力として「仕事へのスタンスが同じ」「自立している」などが挙げられていますが、彼は結婚相手に対してはそういった共通点よりも、女性として母親として期待するものがあるのかもしれません。
長い目で先々を考えており、「人生の同志」が欲しいトピ主さんと、一日でも早く「自分たちの子どもを育める相手」が欲しい彼。この違いに折り合いがつかなければ、結婚しても違和感や衝突はずっと続くと思います。“子どもありきの結婚”がどうしても解せないならば、結婚自体を考え直すことも必要かもしれません。
誰しも、自分の思い描く人生像はあります。しかしそれをチームとしてかなえようとするならば、最初から同じ目標を持つ相手と組むほうが衝突は少ないでしょう。気持ちの繋がりでチームになる場合は、
各自の「譲れないもの」の違いが致命的でないか、そして時には与えられた運命や相手の希望に「譲る」こともできる柔軟さがあるかどうかが、関係維持には最も重要になってきます。
これはどんな人間関係にも共通することですが、今後の交際や話し合いの中で、そのあたりが明確になれば、結論も見えてくるように思いました。応援しています。
(外山ゆひら)