現役ネイリストが知るあのコの恋愛事情ーネイルサロンのないしょ話
の存在の全てを受け入れていく。
親でも子でもない赤の他人に、「自分」という存在を丸ごとさらけ出して、否定しながらも他人を受け入れて、自分も受け入れられてゆく。そこに「恋心」を残す努力も不可欠だ。そう考えると結婚って難しい。自分を着飾って、より良く見せて結婚相手を探すのに、結婚した途端「素」の他人を受け入れる生活になるのだから、衝突も幻滅も免れないのは当然な気もする。
白馬に乗った王子様も、家では屁もこくし鼻毛も切るのだ。ガラスの靴を履いていた王女様も、家では尻もかくしヨダレを垂らして眠るのだ。とりあえず今後は、夫のうんこが臭いくらいで喧嘩するのは止めようと思った。
恋の熱病にかかった私が知らなかっただけで、生まれつき猛烈に臭かったのかもしれないし。
(川上あいこ/ハウコレ)