恋愛情報『【小説】向こう側の彼女/恋愛部長』

【小説】向こう側の彼女/恋愛部長

「別れ」の2文字は、禁断の蜜だ。この言葉で、大概男は取り乱す。

祐二は、少しだけめんどくさそうに、夏花のそばにやってきた。そして、頭をポンポンと叩く。

「そんなこと言ってないだろ。夏花と別れたいなんて言ってないよ」「じゃあ、約束して」

夏花は、キッとして手を振り払う。

「もう彼女とは会わないって」「それは・・・・・・」

祐二は言いよどんだ。

「今度、話してみるよ・・・・・・」

「ダメだよ、もう会わないで!メールして。
それから彼女の連絡先を消して。私の目の前で!」

夏花は、わめきたてた。祐二は、自分のスマホを握りしめ、ちょっと考えていた。

「夏花、・・・・・・俺のこと、信じられないの?」

祐二は、少し情けなさそうな声を出した。

「信じてほしいなら、まずは彼女を切ってからにして」

夏花は冷徹に言い放った。祐二は、信じられない、という目で夏花を見た。

「・・・・・・彼女は、・・・何1つ文句言わずに別れてくれた。彼女のせいじゃないのに。


そのあとも、俺のことを気遣ってくれて、会っても何ひとつ要求しなかった。会うだけでいいって・・・・・・。そんな彼女を、これ以上傷つけろって言うのか・・・・・・?」

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