恋愛情報『【小説】向こう側の彼女/恋愛部長』

2019年8月29日 22:00

【小説】向こう側の彼女/恋愛部長

金と時間を費やしたい。そして、自分のものだと、周りに自慢したいのだ。

祐二と付き合い始めてから、3か月が経っていた。そろそろ恋の初めの新鮮な時期も過ぎ、やや会う頻度も落ちてくる頃だ。これが仕事で忙しい男だと、恋愛に関しては一息入れて、多忙な日常に戻って行くのがつねだ。

事実、祐二とのデートの約束も、ここ2週間何もなかった。それはいつもと同じこと。想定内だ。


ただ、少しだけ気になっていることがある。

先週何気なく、土曜夜に何をしているのか聞こうとしたら、はぐらかされたのだ。そして、次に会った時、明らかに祐二の様子がおかしかった。変だな、と思い、あれこれ聞いたら、初めはごまかそうとしていたが、最後に、元カノと会っていたことを白状した。

「彼女と、1か月前から約束してたんだ。それで、ちょっと食事したんだよ。別に何もないよ。仕事の話して、お茶飲んで別れただけ」

祐二は、しどろもどろになりながら言い訳した。
行った場所を問い詰めると、2人が付き合っている時によく行っていた、近所の洋食屋だという。スマホで調べると、出てきたのは本当にしょぼくれた街の洋食屋で、口コミもついていないような店だった。

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