婚前契約は必要? 弁護士が教える“結婚前にしておくべきこと”<財産編>
結婚する前に、お互いに結婚前から持っている財産は何があるのか明確にしておき、自分が結婚前からその財産を持っていたことを証明できる書類は大切に保管しておきましょう。
ただし、結婚前から持っていたものであっても、結婚後に夫婦の協力により価値が維持・増加したものは、財産分与の対象となります。また、形式的にどちらかの名義になっていても、生活費を貯めた預貯金、マイホーム、マイカー、家財道具、生命保険解約返戻金、有価証券、退職金など、実質的に結婚後に夫婦の協力で築き上げたと評価できる財産は共有財産となり、財産分与の対象になります。
幸せな結婚生活を夢見ていても、小さい不満や価値観の相違が積み重なれば、お互いに信頼や愛情をなくすきっかけになることもあります。相手に言いにくいこともありますが、万一、離婚することになってしまったときのトラブル防止としてだけでなく、円満な結婚生活を送るためにも、結婚前に夫婦間での約束をしっかり話し合っておくことが何より大切ですね」
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プロフィール/正木 裕美(まさき ひろみ)
愛知県出身。愛知県弁護士会所属。
男女トラブルをはじめ、ストーカー被害や薬物問題、ネット犯罪などの刑事事件、労働トラブルなどを得意分野として多く扱う。