母子家庭で育った弁護士が語る「離婚問題で相談者のストレスを軽減させる」ことの重要性
父方の祖母には多少遺産があり、相続人は、父の兄と姉(つまり私と弟にとっての伯父と伯母)と、私たち兄弟でした。ですが父は先に亡くなり、母も仕事や家事に追われ、相続などを考える余裕はなかったので、遺産の管理は伯父にお任せし、預かってもらう形にしていたのです。
しかし、当時バブル期だったので、伯父が預かっているお金を投資に使ってしまい、私たち兄弟の相続分を払えないということになりました。そこで、遺産相続分を、私たちの進学費用にと考えていた母は、裁判で争う決意をしたのです。
これは母から聞いた話になってしまうのですが、最初にお願いした弁護士の方は、正直あまりよろしくなかったようです。その後、弁護士が変わったのですが、その方がとても優秀で、非常に話をよく聞いてくれた上で、何故それができるのか、できないのかということをしっかり説明してくださる方だったそうです。弁護士が変わってからは、母のストレスが軽減されたということが、子供ながらにも見て取れました。その時、裁判で争うという状況下で、ストレスを軽減できるのは、家族以外に弁護士という職業があるということを知ったのです。
具体的に弁護士になりたいと進路を決定したのは、高校2年生の文系コース・理系コース選択のときでした。