母子家庭で育った弁護士が語る「離婚問題で相談者のストレスを軽減させる」ことの重要性
私は文系科目があまり得意ではなく、圧倒的に理系科目が得意だったのですが、進路相談で「何か興味がある職業はないのかと」と聞かれたときに「弁護士です」と答え、文系コースを選択し法学部を目指すことになったのです。
■離婚がゴールではなく、相談の核心にある問題の解決を目指す
___このご経歴が、弁護士活動をするようになって、活かされていると感じることはありますか?
やはり離婚の案件を担当する時ですね。私は母子家庭になることに対するネガティブなイメージはありません。両親の仲が悪く家のなかがギスギスしているよりは、片親でも安定している家のほうが、子供の養育には向いているのではないかと考えています。離婚は、不幸な現状から抜け出して、幸せになるためにするものです。何がなんでも離婚しろというわけではありませんが、離婚したいという人の意志は尊重します。
ただ、離婚したいという人でも、例えば相談の核心部分が、相手方に借金があるといったケースであれば、相談者にとって離婚がゴールではなく、債務整理をしてしまえばいい訳なので、別の選択肢を促す場合もあります。目的はクライアントの利益を最大化することですから。