「任意の交渉段階が大事…」弁護士が教える「男女問題」を円滑に解決する方法とは
離婚問題や男女問題などは、“ある人はこれが許せるけど、ある人はこれが許せない”という状況が起こりがちです。例えば、離婚できるのは、民法第770条第1項第5号で「婚姻を継続し難い重大な事由(離婚原因)があるとき」と規定されています。従って、当事者間で問題とされていることが、離婚原因に当たるかどうかを裁判所が最終的に判断を下すわけです。
判断の根拠は、常識や倫理観などに依ります。その背景は、世間では何を普通と考えているかということを、裁判官が、どう読むかということも含まれます。しかし、“裁判官は世論にはなかなか流されない”というのが、私個人の印象です。
___最近では「不倫」に対して厳しい世論が多い印象ですが裁判への影響はないですか?
確かにネットなどでは特に不倫に対して厳しい意見が出されることが多いですが、日本は判例主義ですので、それまで起こった同様の事例を考慮するという縦軸においても公平を図るという考えが根強いのです。そうすると、今までの判断を変えるようなドラスティックな判決というのは、なかなか生まれないのです。
従って、慰謝料などの相場も、だいたい決まっています。不倫に関していうと、例えば、夫が不倫して、妻が慰謝料請求するというケースでは、離婚をする方向であれば約200万円、離婚しない方向であれば約100万円あたりで、多くても300万円です。