一線を超えていなければ不貞にならない? 弁護士の見解は…
前者は、判例がよく用いる表現である「情交関係・肉体関係」などの理解に親和します。
難しいことをいいましたが、どこまで広げるかは、難しい問題です。夫が強姦した場合にも不貞行為となる判例は存在していますが、最近の判例では、いわゆる風俗店をもちいた不貞行為に対しては、夫婦関係の在り方に影響を及ぼす事柄として特段問題とされた形跡がうかがわれないとして、不貞行為と認めなかった裁判例があります(東京地判平成25・3・22)。
これを前提とすると、特段の問題…つまり、毎日のように風俗通いになってしまったのであれば、不貞行為になりえる可能性があることを意味しています。」(齋藤弁護士)
「不貞になる・ならない」の境界線はケース・バイ・ケースで、法的に見ても見解が分かれる難しい問題のようです。
■一線を越えていなければ不貞にならない?
実例として、肉体関係がなく「会食のみ」、つまり「一線は越えていない」場合は不貞とならないのでしょうか。虎ノ門法律経済事務所池袋支店の齋藤健博弁護士にお聞きしました。
「風俗店での不貞は、ならない可能性がある判断をみました。判例を前提とすると、デートが不貞に当たる可能性はないようにも思われます。