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東方神起が本日10月16日、ニューアルバム『XV』をリリースする。日本や韓国のみならず世界的な人気を誇る東方神起。この夏「a-nation2019」の大阪公演にヘッドライナーとして出演し、観客を魅了したことも記憶に新しい。今年は2004年11月にシングル『HUG』とアルバム『TRI-ANGLE』のリリースによる日本デビューから15周年。それを記念したアルバムが本日発売する『XV』だ。新録された12曲を含む全15曲を収録した本作は、初回生産限定盤はMVとメイキング映像集を収録したDVD/Blu-rayと豪華フォトブックが付属した、3面折りメモリアルパッケージ仕様。さらにGIFT盤という新形態も準備されている。収録曲の『Hello』は第35回東日本女子駅伝の大会応援ソングに決定するなど、今後も当アルバムは話題になるだろう。ぜひ手に取ってチェックしてほしい。■リリース情報東方神起『XV』10月16日発売<収録曲>01.Hello02.Manipulate03.Hot Sauce04.Six in the morning05.Hot Hot Hot06.Master07.目隠し08.Everyday09.ホタルの涙10.Crimson Saga11.Guilty12.ミラーズ13.Jealous14.雪降る夜のバラード15.Pay it forward
2019年10月16日EXILE HIRO、SSFF & ASIA 代表の別所哲也、作詞家小竹正人の3人によって打ち出された『CINEMA FIGHTERS project』第3弾となる、『その瞬間、僕は泣きたくなった-CINEMA FIGHTERS project-』は、5人の監督たちによって紡がれる、詩と音楽、映像をひとつに融合したプロジェクト。この度、完成披露上映会舞台挨拶が行われ、それぞれの作品に出演する小林直己、今市隆二、佐野玲於、佐藤大樹、そして行定勲監督、洞内広樹監督、井上博貴監督らが登壇、司会者からの様々な質問に答えた。役柄へのアプローチについて聞かれた小林は、主演した『海風』について、「脚本の段階で、蓮というキャラクターに共感する部分がたくさんありました。撮影前に、監督と食事をする機会があり、そこで蓮のバックボーンについてたくさんお話しすることができました。短い撮影でしたが撮影現場はセッションしているような感覚でした。行定組の船の上で暴れさせてもらった感じがしております」と答えた。『海風』の行定監督は、劇中で灰を食べるシーンは小林のアイデアだったことに触れた。「突然、現場で『灰を食べたい!』と言うので、脚本に加えました。物語のキーになっているシーンだし、小林さんのなかから生まれた熱いものを感じました。現場では、むせてたけどね(笑)」。小林は、「思った以上に食べてしまって、気管に入ってむせてしまいました」と苦笑いを浮かべた。『On The Way』で初演技を披露した今市は、撮影を行ったメキシコの印象について、「演技も初めてですし、メキシコも行ったことがありませんでした。作中のように銃を突きつけられた経験もない。どれも初めてだらけで、演技前にイメージしようにもできなかったというのが正直あります」と振り返る。撮影では観光で行かないようなローカルな場所に数カ所行ったという今市。「街の人、スタッフの方たち、みなさんが生きることに前向きで、明るくて、優しかったです。また行きたいと思った街でした」と笑顔でコメント。『魔女に焦がれて』に主演した佐藤は、「僕自身、雅人のようなもの静かな役は初めだったので『大変そうだな』と思いました。自分の周りにいる、なよなよした人や、ちょっぴり暗いタイプの子を観察して参考にしました」と説明。自身との共通点については「全くないです!僕は告白とかできないタイプなので」と笑顔で回答した。そして、『GHOSTING』に主演した佐野は、脚本を読んだときの感想について、「この作品はワクワクの中にも、大切なメッセージや本人が抱えているトラウマが描かれていました。ノスタルジックな雰囲気の中で、バクという役に共感しながら撮影に臨むことができました」と笑顔で振り返る。しかし自分自身は「過去には絶対戻りたくないです」とコメント。その理由は、「楽しい過去には戻りたいけれど、『過ぎちゃったことはしょうがねぇ』という精神だし、何より、辛かったり苦しかった気持ちは二度と味わいたくないです。戻るなら、いいとこ取りで戻りたい(笑)」と語った。これに小林から「結局戻るんかい!」とツッコミが入ると、佐野は「怒られているところには戻りたくないですからね」と笑顔で切り返し、会場の笑いを誘っていた。『その瞬間、僕は泣きたくなった-CINEMA FIGHTERS project-』11月8日(金)全国公開
2019年10月15日「ぴあ」調査による2019年10月11日、12日公開のぴあ映画初日満足度ランキングは、『あの花』『ここさけ』のクリエイターチームが手がけたオリジナルアニメーション『空の青さを知る人よ』が第1位になった。劇場には20代の観客の姿が目立ったが、出口調査を行ったところ10代から40代まで幅広い層から熱い支持を集めている。本作は、長井龍雪監督、岡田麿里(脚本)、田中将賀(キャラクターデザイン・総作画監督)ら“超平和バスターズ”が再集結した作品で、両親を失いふたりで暮らす姉妹、姉の元・恋人、過去からやって来たもうひとりの“彼”の不思議な四角関係が描かれる。劇場には“あの花”や“ここさけ”のファンも多く集まっていたが、本作も過去の映画に負けない完成度のようで、観客からは「音楽、映像、ストーリー、声優、どれをとっても最高!」「ひとりひとりの心情が繊細に表現されていた」「独特の世界観だけど共感しながらストーリーを追っていけた」など絶賛コメントが続出。また、小学生、年配の観客など幅広い層が集まっており「周りは大人が多かったけど感動したので小学校の友達にもオススメしたいです」(12歳)、「過去を思い出し切ない気持ちにもなった。30~40代の人に“刺さる”作品だと思う」(35歳)、「登場人物の年齢や視点が様々で、どんな年代の方でも楽しめると思う」(40代)など好評。ある観客が「切なかったり、前向きだったり……いろいろな感情の涙が流れた」と語る通り、年齢やそれぞれの状況によって“感動ポイント”が異なる作品になったことが高い満足度につながったようだ。1位『空の青さを知る人よ』91.9点2位『最高の人生の見つけ方』91.6点3位『イエスタデイ』90.6点4位『トスカーナの幸せレシピ』88.0点5位『真実』85.5点6位『クロール ―凶暴領域―』82.4点7位『第三夫人と髪飾り』80.4点8位『ブルーアワーにぶっ飛ばす』79.5点9位『天才たちの頭の中~世界を面白くする107のヒント~』77.4点10位『英雄は嘘がお好き』76.8点(本ランキングは、10/11(金)、12(土)に公開された新作映画11本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2019年10月15日10月12日、13日の全国映画動員ランキングは、『ジョーカー』(全国326館)が公開2週目も首位をキープした。ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンが共演した同名映画を原案に、吉永小百合と天海祐希が共演した感動作『最高の人生の見つけ方』(全国348館)は初登場2位。公開5週目の『記憶にございません!』(全国353館)は、先週2位から3位になった。『あの花』『ここさけ』のクリエイターチームが手がけた劇場オリジナルアニメーション『空の青さを知る人よ』(全国318館)は初登場4位に入った。公開2週目の『HiGH&LOW THE WORST』(全国322館)は先週3位から5位になった。そのほか新作からは、ダニー・ボイルが監督し、『ラブ・アクチュアリー』のリチャード・カーティスが脚本を務めた『イエスタデイ』(全国106館)が初登場7位に。主人公が極限状況下で決死のサバイバル劇を繰り広げる『クロール ―凶暴領域―』(全国194館)は初登場11位につけている。そのほか、公開13週目の『天気の子』(全国367館)は先週7位から8位になった。次週は『映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて』『スペシャルアクターズ』『世界から希望が消えたなら。』『フッド:ザ・ビギニング』『マレフィセント2』『楽園』などが封切られる。全国映画動員ランキングトップ10(興行通信社調べ)1位『ジョーカー』2位『最高の人生の見つけ方』3位『記憶にございません!』4位『空の青さを知る人よ』5位『HiGH&LOW THE WORST』6位『蜜蜂と遠雷』7位『イエスタデイ』8位『天気の子』9位『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』10位『ジョン・ウィック:パラベラム』
2019年10月15日スズキ拓朗率いるダンスカンパニー、CHAiroiPLINの公演『AZUKI』が10月17日(木)に開幕する。「おどる童話」というシリーズ名が冠されたこの作品は、宮沢賢治の『ざしき童子のはなし』を原作にしたもので、今回で3度目の上演となる。「元号が変わって、オリンピックもあって、いろんなことが新しくなって未来に向かうという大きな流れがありますよね。もちろんそれもいいことだけれど、同時に忘れたくないものもいっぱいあるなと思ったんです。そこで、この作品をいま再び上演しようと思いました」とスズキ。原作は数ページ程度のごく短いもの。その物語に初めて触れたとき、スズキは自分の家族を重ね合わせたのだという。「僕、3人兄弟なんですけど、じつはもうひとり、生まれて3カ月くらいで亡くなったお姉ちゃんがいたらしいんです。顔も知らなければ記憶もないお姉ちゃんは、ぼくにとっては座敷わらしのような存在なんですよね。会ったことがなくても忘れたくない、確かにいたということをずっと思っていたい。そんなことを考えながら作品をつくっていきました」。CHAiroiPLINはダンスカンパニーでありながら、いわゆる一般的なコンテンポラリーダンスのイメージとは異なる部分がある。たとえば、セリフがふつうにあること。「雑な言い方をしてしまえば、面白ければなんでもいいと思っているんです。喋った方が面白ければしゃべるし、ものを使った方がいいときは使う。僕はもともと俳優からはじまってその後ダンスに出会ったので、ストーリーを伝えるのにセリフを使うのは全然抵抗がないんです」『AZUKI』も例外ではない。しかも同じ単語が繰り返されたり、リズムのいい言葉が続いたりと、聞いているだけで気持ちいい、楽しいセリフがたくさんある。「子供にも楽しんでもらいたいから、0歳児が入れる回をつくりました。それから、昼と夜の公演で演出が変わります」。また、ダンサーではないキャストたちが多数キャスティングされているのもCHAiroiPLINの特徴だ。スズキのキャリアが、蜷川幸雄主宰の「さいたまネクスト・シアター」で俳優としてスタートしたことと無縁でない。「僕の演劇の先生は蜷川さんで、ダンスの先生は、直接お会いしたことはないですけど、ピナ・バウシュだと思っています。だから、ピナのように、踊る技術よりもその人自身の存在を重視したい。今回出演してくれるジョディって、すごく体が大きいので、ジャンプひとつとってもすごく大変そうなんですよ。でも僕はその、必死で舞台に立っている姿が見たい。むしろ踊れない人のほうが好きなんです。まあ、ピナのダンスカンパニーの方はめちゃくちゃ踊れるんですけど、僕はそこをうまいこと履き違えて実践しているんです(笑)」今回も大人計画の宮崎吐夢をはじめとして俳優たちが複数参加している。「吐夢さんはお客さんに近い存在、ツッコミ役を担ってもらいます。吐夢さんは本当にいろんなものを見てらっしゃるので、稽古場でも助かることばかりです。劇団桟敷童子の大手忍さんには、座敷童子をやってもらいます。桟敷童子の役者さんって肌で感じるスピードが速くて、迫力がある。異質感のある役柄が合うんですよ」。セリフ、歌、衣裳、セット。ダンサーとは違う動きのキャストたち。スズキの手がける作品は、ダンスを見慣れていない人も楽しめる要素がふんだんに詰まっている。「コンテンポラリーダンスというジャンルが、このままだとなくなってしまう可能性もある、という危機感は感じています。難しい、独特なその人だけの世界観に入っていけない……。でも僕は、ダンスはいろんなことに展開できるものだと思っているんですよ。発想、表現、コミュニケーションって、すべての仕事に必要なものじゃないですか。だから本当にいろんな人に見に来てほしい」『AZUKI』でも、セットを通じてうれしい出会いがあったという。「舞台に使う畳を借りに、畳屋さんに行ったんです。“ダンスに畳?”って不思議がられたので“蚊帳とかちゃぶ台とかも置いて、日本家屋のような空間で踊るんです”と説明したら畳屋さんが“じゃあ時間あったら観に行くよ”って言ってくれたんですよ」。ダンスを単なるパフォーマンスとしてではなく、あらゆる人に関係する実用的なものとして捉えて広げようとしているスズキ。CHAiroiPLINの公演をハイペースで行いながら、ダンスカンパニー・コンドルズにも所属。外部の作品に振付家として参加することも多い。「ふつう演出家同士って一緒に仕事することはないじゃないですか。僕、振付家としていろんな演出家の仕事を間近で見られるし、知らなかった俳優さんと出会うこともできる。すごくラッキーだなと思います」さまざまな活動がすべてダンスに還元していくのだという。「何を踊ろうかな、って常に考えています。いまは古事記にも興味があるし、絵も題材にしてみたい。本当になんでもダンスになるんですよ」。CHAiroiPLIN『おどる童話 AZUKI』は、10月17日(木)から20日(日)まで神奈川県立青少年センタースタジオHIKARIにて上演。取材・文:釣木文恵
2019年10月15日この週末、北米では、先週に続き、『ジョーカー』がボックスオフィスを圧巻した。興行成績は5,500万ドルで、10月の公開2週目の成績としては史上最高。これまでの北米興行収入総額は1億9,200万ドル。全世界では5億4,400万ドルに達した。2位は今週末デビューの『Adams Family』。声の出演はシャーリーズ・セロン、オスカー・アイザック、クロエ・グレース・モレッツら。3位はやはり今週末デビューの『ジェミニマン』。ウィル・スミス主演、アン・リー監督の今作は、1億4,000万ドルの予算をかけた大型映画だが、北米成績は2,000万ドルと、期待を下回った。4位はアニメーション『Abominable』、5位は『ダウントン・アビー』だった。文=猿渡由紀『ジョーカー』全国公開中
2019年10月15日1900年にロシアの劇作家アントン・チェーホフにより発表され、『かもめ』『ワーニャ伯父さん』『桜の園』とともに“チェーホフ4大戯曲”として広く知られる『三人姉妹』。その名作を全編手話で演じるという、ロシアはノヴォシビルスクのレッドトーチ・シアターによる実験的な舞台が、10月18日(金)に東京芸術劇場 プレイハウスで開幕する(ロシア手話上演/日本語・英語字幕付き)。声のない演技がチェーホフの人間ドラマの核心をかえって際立たせると、本国のみならずヨーロッパ各国の芸術祭でも話題となった作品だ。演出を手がけたのは、まだ30代に入ったばかりだった2015年に同劇団の芸術監督に就任して以来、数々の話題作を生み出してきたティモフェイ・クリャービン。街でろう者が手話で話しているのを見かけ、「何について話されているのかは分からなかった一方で、彼らを完全に理解しているという感覚を得た」ことが、本作の出発点だったと言う。『三人姉妹』が日本でも人気があることに触れ、「日本の観客の皆さまも、私たちの『三人姉妹』に出会い、新しいチェーホフ劇の側面を発見できるものと確信しています」と自信を見せるクリャービン。チェーホフの国だから生まれた舞台を日本で味わえる、貴重なチャンスの到来だ。文:町田麻子
2019年10月15日天皇陛下の御即位を記念し、正倉院宝物を中心とした飛鳥・奈良時代の国際色豊かな造形文化に焦点を当てた特別展『正倉院の世界ー皇室がまもり伝えた美ー』 が、10月14日(月・祝)より開幕。11月24日(日)まで開催される。同展は、皇室が守り伝えた正倉院宝物と法隆寺献納宝物の代表作を中心とした作品約110件を紹介するもの。正倉院宝物は、奈良県奈良市の東大寺敷地内に建てられた正倉、西宝庫・東宝庫に収められた品々で、8世紀に東大寺を創建した聖武天皇の遺品をはじめ、美術工芸品や文書類など約9千点の宝物を1260年以上にわたり守り伝えてきた。明治8(1875)年にはその所管が東大寺から内務省、その後、宮内庁に移行して現在に至っている。また、法隆寺献納宝物は、奈良県斑鳩市にある法隆寺に伝来する、聖徳太子ゆかりの品々や小金銅仏群をはじめ染織品や伎楽面など、約300件におよぶ文化財。明治11(1878)年に皇室に献納され、昭和22(1947)年に国へ移管、現在は東京国立博物館が所管している。今回の特別展では、日本の7世紀美術を代表する法隆寺献納宝物と、8世紀美術を代表する正倉院宝物が、同時に公開される貴重な機会となる。会場は、「聖武天皇と光明皇后ゆかりの宝物」「華麗なる染織美術」「名香の世界」「正倉院の琵琶」「工芸美の共演」「宝物を守る」の全6章で構成。聖徳太子の命日に光明皇后が奉納した国宝の鏡や、鮮やかな草花と水鳥が染織された敷物、仏教儀礼で用いられ、足利義政や織田信長らが一部を切り取ったことでも知られる香木、聖武天皇が愛用し、美しい装飾が施された五弦琵琶など、さまざまな至宝が並ぶ。水瓶(すいびょう)と呼ばれる水差しや、仮面舞踏劇で用いられた伎楽面などは、正倉院伝来の品と法隆寺伝来の品を並べて展示。飛鳥・奈良と時代の異なる造形美の特色を比較することができる。また、最終章では、明治以降に本格化した正倉院宝物の調査と修復作業に焦点を当て、今なお行われる保存・修理・模造の取り組みを紹介する。会場内には正倉院の宝庫を一部原寸大で再現したスペースも登場。その雄大なスケールを体感しながら、千年以上にわたり受け継がれてきた古代の日本の国際色豊かな文化を堪能してほしい。【開催情報】『御即位記念特別展「正倉院の世界 ー皇室がまもり伝えた美ー」』10月14日(月・祝)〜11月24日(日)まで東京国立博物館 平成館にて開催(会期中展示替えあり)【関連リンク】 東京国立博物館()《紺夾纈絁几褥》 奈良時代・8世紀 正倉院宝物【後期展示11月6日~24日】《平螺鈿背八角鏡》 唐時代・8世紀 正倉院宝物【後期展示11月6日〜24日】国宝 《海磯鏡》 唐または奈良時代・8世紀 東京国立博物館(法隆寺献納宝物)【通期展示】《漆胡瓶》 唐または奈良時代・8世紀 正倉院宝物【後期展示11月6日〜24日】国宝 《竜首水瓶》 飛鳥時代・7世紀 東京国立博物館(法隆寺献納宝物)【後期展示11月6日〜24日】《紫檀木画槽琵琶》 唐または奈良時代・8世紀 正倉院宝物【後期展示11月6日〜24日】《黄熟香(蘭奢待)》東南アジア 正倉院宝物 【通期展示】《国家珍宝帳(部分) 》 奈良時代・天平勝宝8年(756) 正倉院宝物 【前期展示10 月14日〜11月4日】
2019年10月15日作・佃典彦、演出・松本祐子のタッグによる、文学座10月公演『一銭陶貨』が10月18日(金)から東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAで上演される。日本中が金属不足にあえいでいた第2次世界大戦末期、窮余の策として「せともの」で作られた「一銭陶貨」。あらゆる職人技を結集させて生まれた「陶貨」だったが、お上にさんざん振り回されるうちに終戦を迎え、結局、世に出ることはなかった。そこに透けて見えるのは、日本が誇る技術の高みと、それにまつわる人々の揺れる思い。それは時に気高く、時に滑稽で愛おしい。生活の中のユーモアを細やかにすくい上げることに定評のある佃典彦が、この題材をひとつのストーリーへと織りあげた。時は昭和18年。瀬戸の町に長く暮らす陶芸家の家系にある加藤家の物語。長男の和雄は陶芸の才能豊かで超エリート。母の愛を一身に受けてきたが、ある日、赤紙が届く。次男の昭二は足が不自由で徴兵不合格の身。陶芸の才能にも乏しく、母に疎ましがられて育った。そんな加藤家に、京都・有田・瀬戸で、金属貨幣に替えて陶器貨幣を製造するという話がもたらされた。昭二は、今までの鬱積のすべてを陶貨作りにぶつけようと心に決める……。演出を手がけるのは劇団内外で高い評価を受ける松本祐子。佃とのコンビは2007年の『ぬけがら』以来で、同作で佃は岸田國士戯曲賞を、松本は千田是也賞を受賞している。技術や才能、嫉妬や欲望。「ものづくり」の周辺で人間を葛藤させるあれこれを、ふたりの「芝居づくり」師がどう描くか。文:小川志津子
2019年10月15日小西康陽によるPIZZICATO ONEが本日10月15日、ビルボードライブ大阪で公演を行う。90年代に一世を風靡した「渋谷系」の先駆的存在といえば、小西と野宮真貴によるピチカート・ファイヴ。1984年の結成から2001年までの活動は、今もなお時代の1ページとして語り継がれている。リーダーであった小西は現在も作詞・作曲・編曲・プロデュース、DJや文筆家としても活躍。PIZZICATO ONE名義では、これまでアルバム『11のとても悲しい歌』と『わたくしの二十世紀』の2作を発表し、好評を得てきた。本日のバンド編成はピアノ、ダブルベース、ギター、ドラムス、ヴィブラフォン。客演ボーカルは呼ばずに、小西自身が歌を担当するという。ライブレコーディングも予定されているとのことで、ほどよい緊張感がただようライブとなるだろう。ぜひ現在の小西康陽を目撃してほしい。■公演情報PIZZICATO ONE日時:10月15日(火)1st Stage 開場17:30/開演18:302nd Stage 開場20:30/開演21:30場所:ビルボードライブ大阪
2019年10月15日おとな向け映画ガイド今週のオススメはこの4作品。ぴあ編集部 坂口英明19/10/14(月)イラストレーション:高松啓二今週末に公開の作品は16本。全国100スクリーン以上で拡大上映されるのは『マレフィセント2』『楽園』の2本。ミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品が14本です。この中から厳選して、おとなの映画ファンにオススメしたい4作をご紹介します。『アダムズ・アップル』このタイトルで教会が舞台、というと難しい宗教的なテーマの映画かと思うかもしれませんが、そうシリアスではありません。イブも出てきません。アダムはネオナチで、犯罪者で、スキンヘッドです。現代のデンマーク。港町にある小さな教会へアダムがやってきます。仮釈放中に、ここで更生プログラムを受けるのです。教会には敬虔な牧師と、居ついてしまった前科のあるふたり。アルコール依存症で盗みやレイプ常習犯のメタボなデンマーク人と、ガソリンスタンドの強盗を繰り返した中東系。彼らとの共同生活が始まります。アダムのここでの目標は、庭のりんごを育て、アップルケーキを作るという牧歌的なものですが……。「悪魔が我々を試している」という牧師イヴァン、客にだすビスケットの数に異常にこだわるような細かいところもありますが、極端なポジティブ・シンキング。アダムにボコられてもケロッとしていたりします。演じているのはマッツ・ミケルセン。この秋、日本公開の出演作が3本、いま人気のデンマーク男優です。試練は続きます。教会に起きるさまざまなトラブル、謎の訪問者。庭に植えられたりんごの大木には、虫がつき、カラスが襲い…。全篇不気味で不思議なテイストがおおいます。登場人物も怪しげなのばかり。最初は悪漢だったアダムが、気づけば、一番まともに見えてきます。さて、この話、どう落ちをつけるのかと心配になりますが。これがなかなかのエンディング。どこかとぼけた味の、北欧ブラックコメディ仕立て。実は、聖書をバックボーンとしたヒューマン・ドラマの傑作です。このところ北欧映画がよく公開されます。このブームの火付け役ともいえるのが、「トーキョーノーザンライツフェスティバル」という映画祭。毎年冬に渋谷で開催され、ことしの2月で10年目でした。その2017年のフェスで上映され、大人気だったのがこの作品です。製作は2005年。映画祭の有志たちが、直接買い付けて、今回公開にこぎつけたといいます。東京は10/19(土)から新宿シネマカリテほか、名古屋はシネマテークで近日公開、関西は11/23(土)から京都・出町座、大阪・第七藝術劇場ほかで近日公開。『楽園』逢魔が辻、といいますか、夕暮れ時のY字路、限界集落にちかい農村のこの分かれ道で、学校帰りの少女が行方不明になります。事件は解決されないまま12年がたち、再び少女の失踪事件がおきます。映画は、この事件にからみ、犯人扱いされて集団リンチに遭う移民の青年と、同じ村の村八分にあう養蜂家、ふたりをそれぞれ主人公にした2部構成で、日本の農村に潜む闇の部分を描いています。吉田修一の『犯罪小説集』を『64ーロクヨン』や『菊とギロチン』でいまや日本を代表する監督のひとりとなった瀬々敬久が映画化。『青田Y字路』を元にした前半は少女失踪事件。犯人と擬せられる青年を綾野剛が演じています。綾野に好意を持つ、失踪した少女の同級生役が杉咲花。『万屋善次郎』を原作とした物語の後半は佐藤浩市が中心となります。養蜂の傍ら、便利屋のような仕事もする好人物で、よかれと思ってやったことがどんどん裏目にでてしまう悲劇の主人公。彼に想いを寄せる片岡礼子との大人のラブシーンがせつなくて心に残ります。ほかに、失踪した少女の祖父母役に柄本明と根岸季衣、杉咲の幼馴染役に村上虹郎など、個性的な役者もそろい、その演技がぶつかりあいながら、サスペンスタッチでドラマが展開し、ぐいぐい引っ張られます。『楽園』というタイトルは、アイロニーともとれるのですが、観終わったあと、「なるほど」とも思えます。『駅までの道をおしえて』子役と犬に、つい泣いてしまいます。特にわんちゃんは、スチールではそんなにわかりませんが、大変かわいいです。それと京急線が大活躍でして、鉄オタにもたまらない映画になっております。かわいがっていた犬のルーがいなくなったことを理解できず、ひとり必死で探しているとき、犬が縁で不思議なおじいさんと出会った、8歳の少女サヤカの、ある夏のお話です。古びた小さな喫茶店を営むその老人も、数十年前に亡くなった息子の死を受け入れられずにいました。ふたりは次第に仲の良い友だちになりますが…。サヤカを演じる新津ちせが素晴らしい演技です。新海誠監督のお嬢さんだそうです。1年半にわたった撮影で、彼女の成長がそのままカメラに収められています。映画では普通、よく似た犬をスタンバイさせて撮影されますが、愛犬ルー役は同じ柴犬だけが演じています。本名も同じそのルーを、ちせちゃんが自宅で散歩など世話をしたといいます。絶妙のコンビです。おじいさん役は笈田ヨシ。ピーター・ブルックの国際演劇研究センターに参加した国際演劇人。『沈黙ーサイレンスー』では村人を演じていました。ことし86歳の名優です。神奈川の海沿いを走る京浜急行沿線の街。ルーは赤い電車が好き。サヤカと駆け回る、海の近くの緑地のシーンが印象的です。この緑地は、ドラマの後半、ファンタジックな夢のシーンにも登場します。おじいさんの喫茶店は、野毛のジャズ喫茶ちぐさで撮影されています。『ドリーミング 村上春樹』村上春樹の小説はこれまで50言語に翻訳されているといいます。この映画は、そのデンマーク語版を20年近く手がける女性翻訳家を描いたドキュメンタリーです。監督もデンマークの二テーシュ・アンジャーン。撮影は、村上がアンデルセン文学賞を受賞し、デンマークを訪れた2016年に行われています。が、村上春樹自身のインタビューはありませんし、村上さんは登場しません。翻訳家のメッテ・ホルムさんをストイックに追っています。『風の歌を聴け』を訳しているホルムさんは、「完璧な文章などといったものは存在しない。」という文の「完璧な文章」をどう訳すか自問します。ポーランドやドイツの翻訳者ともこの訳語について議論します。ドイツのウルズラ・グレーフェさんは、「日本語には曖昧さが含まれていて、翻訳者は自分の裁量で解釈する自由がある」といいます。ホルムさんはなるべく原作に忠実に、という派ですが、この場合、どの訳語をあてたらよいか、悩みます。インタビューだけでなく、ホルムさんが日本を旅行し、村上春樹ゆかりの地を訪れた映像もインサートされています。かえるくんも登場します。村上ファンは必見の映画です。ところで、ノーベル賞、残念!東京は10/19(土)から新宿武蔵野館ほか、名古屋は11/9(土)からセンチュリーシネマ、大阪は10/19(土)からシネ・リーブル梅田ほかで上映。
2019年10月14日細野晴臣の音楽活動50周年を祝して行われた「祝!細野晴臣 音楽活動50周年 × 恵比寿ガーデンプレイス25周年『細野さん みんな集まりました!』」が本日10月14日に最終日を向かえる。日本語ロックの先駆であるはっぴぃえんどやYMOのメンバーとして、ソロアーティストとして、プロデューサーとして今なお第一線で活動し続ける細野晴臣。特に最近、彼のこれまでの仕事に対し日本国内に留まらず、世界中から賛辞が贈られている。イベントは11日から4日間にわたって行われ、各日「Day1 細野さんを歌おう!」「Day2 細野さんと観よう! Presented by 映画ナタリー」「Day3 細野さんで踊ろう! Presented by 音楽ナタリー」と各日テーマが設定されてきた。最終日となる本日は「Day4 細野さんと語ろう! ~デイジーワールドの集い~」と題して行われる。細野がホストを務め、川添象郎や原田知世、いとうせいこうをゲストにイベントが展開される予定だ。■公演情報「祝!細野晴臣 音楽活動50周年 × 恵比寿ガーデンプレイス25周年『細野さん みんな集まりました!』」日時:10月14日(月・祝)開場16:00/開演17:00場所:東京都 恵比寿 ザ・ガーデンホール<出演者>細野晴臣ゲスト:いとうせいこう / 川添象郎 / 原田知世 / and more
2019年10月14日『万引き家族』で第71回カンヌ国際映画祭・最高賞パルム・ドールを受賞した是枝裕和監督。その次作となったのは、カトリーヌ・ドヌーヴ、ジュリエット・ビノシュ、イーサン・ホークらをキャストに迎えた『真実』だ。パリを舞台にした本作は、実際に監督自身がフランスに渡り、海外のスタッフとともに手がけている。ドヌーヴが演じるのは、自身のイメージに近い大女優ファビエンヌ。物語は、自伝『真実』の出版を控えたファビエンヌのもとに、ビノシュ演じる娘と、ホーク演じる、その夫がアメリカからやってくるという状況が描かれる。だが、自伝出版を祝うために来た娘は、その自伝に“真実”が書かれていないと主張。それを発端に、長年わだかまっていた家族たちの想いと軋轢とが表面化していく。ドヌーヴ、ビノシュといえば、それぞれの世代でフランスを代表する俳優。そのふたりが母娘を演じ、さらに是枝演出と混じることでどのような化学変化が起きるかが、本作の大きな注目ポイントだろう。カンヌでの受賞によって、是枝監督作品は観られる機会が増え、海外の著名な俳優が出演したいと思うような状況が生まれている。フランス・日本共同制作となり、フランスで撮られた本作だが、監督は今回フランス映画だということを強く意識はせずに撮影に臨んだのだという。カンヌで最優秀主演男優賞を受賞した『誰も知らない』や、『万引き家族』に代表されるように、社会における様々な問題をテーマに、シリアスでナチュラルな雰囲気の作品を手がけることが多い是枝監督。本作でも愛憎渦巻く家族の問題を描きながら、「自分の中でも最も明るい方へ振ろうと決めて現場に入りました」とインタビューで語っているように、その軽快なアプローチにも期待だ。『真実』公開中
2019年10月13日さかいゆうがプロデュースする「さかいゆう10th Anniversary Special Live “SAKAIのJYU”」が本日10月13日、東京・日比谷野外大音楽堂で開催される。さかいは2009年10月に『ストーリー』でデビュー。今年はそれから10周年となる節目となり、それを記念した連続配信の第5弾である『Dreaming of You』も先日リリースされたばかりだ。本日のステージも彼のアニバーサリー公演。ステージはリハーサルなしで挑むジャムセッションパート、ゲストを招いたコラボパート、さかいの10年を凝縮したワンマンライブの3部構成となっている。前もって発表されたバックバンドのメンバーはギター・石成正人、キーボード・Pochi、ベース・種子田健、ドラムス・Tomo Kanno、コーラス・吉岡悠歩、横沢ローラ。さらにJAY’ED、土岐麻子、冨田ラボ(冨田恵一)、秦 基博、佐藤竹善(SING LIKE TALKING)、竹内朋康(マボロシ/ex.SUPER BUTTER DOG)、ジャズトランペッター・日野皓正、西寺郷太(NONA REEVES)、DJ MUROといった豪華なゲストも発表されている。また当日最後のゲスト1名が発表されるという。さかいゆうの活動10年分の音楽が詰め込まれた、特別な夜をお見逃しなく。■公演情報「さかいゆう10th Anniversary Special Live “SAKAIのJYU”」日時:10月13日開場16:00/開演17:00場所:日比谷野外音楽堂
2019年10月13日蜷川幸雄がこの世を去って早3年。2016年には、マームとジプシーの藤田貴大が蜷川の半生を描いた戯曲を、蜷川、藤田両者が演出する公演『蜷の綿 -Nina’s Cotton-』が予定されていた。蜷川の体調不良によって延期されたこの作品が、本日10月13日より彩の国さいたま芸術劇場 大ホールにてリーディングという形で披露される。その舞台に立つのは、さいたまゴールドシアターとさいたまネクストシアターの面々。主宰の蜷川と共に長い年月を過ごしてきたふたつの団体から総勢44人が彼の半生を紡ぐ。演出は、こちらも長く蜷川の片腕として演出助手を務めてきた井上尊晶が担当する。蜷川はその最晩年、50歳年下の藤田に新作戯曲を依頼した。藤田はその要請を受け、蜷川自身を描くことに決めた。彼の少年時代から俳優をやっていた頃、アングラ時代、そして誰もが認める日本トップの演出家として活躍する姿……。彼の死によって一度は途切れたそのバトンを受け取り、蜷川に対する並々ならぬ思いをもったメンバーが、彼のベースであった彩の国さいたま芸術劇場で上演をする。ここはかつて、蜷川のライフワークとも言えるシェイクスピアシリーズをはじめとして、彼の演出作が数え切れないほど生まれた場所だ。わずか3日間の公演だが、改めて蜷川幸雄という演出家の遺したもの、失った存在の大きさに気づく作品になることだろう。同時期にこの公演の関連企画として、藤田自らが演出を手がける『まなざし』も上演される。こちらは蜷川が演出家として見つめ続けてきたもの、その「まなざし」を藤田が探る作品となりそうだ。出演者にはマームとジプシーの俳優である成田亜佑美、吉田聡子のふたりがクレジットされている。その名もNINAGAWA STUDIOと名付けられた大稽古場で上演されるこの作品で、藤田から見た演出家・蜷川の姿が垣間見えるだろう。文:釣木文恵
2019年10月13日その名も「鉄工島フェス」。東京都から工業専用地域に指定されている大田区の人工島、京浜島にオープンアクセス型アート・ファクトリーとして2016年に設立されたBUCKLE KÔBÔを起点に、島内を回遊しながらアートと音楽を生体験できる異色のイベントの3回目が、11月3日(日・祝)に開催される。レコード会社出身で「鉄工島フェス」の事務局統括を務める桜井葉子さんに話を聞いた。「『鉄工島フェス』は、いろんな要素がインスピレーション源になっています。そもそもBUCKLE KÔBÔに関しては、たとえばニューヨークのブルックリンのように、倉庫や工場跡地を文化・観光資源化するという構想がベースにありますし、フェスということで言えば、「サウス・バイ・サウスウェスト」とかですね。ブロック・パーティーみたいに、島全体を会場にしたいという案が出たり、島を訪れるさまざまな人たちのアイディアで肉付けされて、開催が実現した感じです」お申込みはこちら(dpia-app://marupi?isLocked=0&marupiId=922ce686-2365-4430-aa9e-57769f957a7f)【開催概要】■日時:2019年11月3日(日・祝)10:00~20:00■会場:大田区・京浜島内(須田鉄工所 / 北嶋絞製作所 / BUCKLE KÔBÔ ほか)【関連リンク】鉄工島フェス2019
2019年10月12日日本でも人気の高い英国の天才コメディ作家、レイ・クーニー。特に上演機会の多い『It Runs in the Family』は、宝塚歌劇団を含むさまざまな団体がレパートリーとしているが、その日本初演は加藤健一事務所によるものだった。『パパ、I LOVE YOU!』という邦題の名付け親でもある同事務所が、1994年・2009年に続き10年ぶりに本作に挑む公演が、10月11日に東京・本多劇場で開幕した。舞台は、クリスマス直前のセント・アンドルーズ病院の医師談話室。デーヴィッド(加藤健一)は講演に向けて準備を進めているが、同僚ヒューバート(清水明彦)が邪魔をしてくるせいでまったく集中できない。そこに、かつて秘密の関係を持った元ナースのジェーン(加藤忍)が、とんでもない報せを持ってきたからさあ大変!妻ローズマリー(日下由美)にこのことがばれないよう、“口から出まかせ”で乗り切ろうとするデーヴィッドだが……?デタラメな展開に大笑いしているうちにまさかの結末へと導かれる傑作コメディを演出するのは、主演も務める加藤健一。2009年以来となる“二役”に、「主役を演じながらの演出は非常に大変だった。お客様は笑ってくれたが、いつか出演と演出の両面で100%以上の力を出したいと思っていた。今回その機会を得たので、これまで以上に舞台上を駆け回りたい」と気合十分だ。満を持して“本家”が再演する舞台に期待が高まる。加藤健一事務所『「パパ、I LOVE YOU!」~It Runs in the Family~by Ray Cooney』は、本多劇場で10月20日(日)まで。文:町田麻子
2019年10月12日主演・吉永小百合、共演に天海祐希という日本映画界珠玉の大女優ふたりを迎えた『最高の人生の見つけ方』が公開中。本作は、人生のすべてを家庭に捧げてきた“大真面目な主婦”と、人生のすべてを仕事に捧げてきた“大金持ちの女社長”という、価値観が絶対的に違う、出会うはずのないふたりが病院で出会い、今まで気がつかなかった生きる楽しさや幸せを見出していくというもの。“大真面目な主婦”・幸枝を吉永が演じ、“大金持ちの女社長”・マ子に天海が扮する。余命宣告を受けているこのふたりは、同じ病院に入院する12歳の少女の“死ぬまでにやりたいことリスト”をたまたま手にする。そしてふたりは、このリストすべてを実行するというありえない決断をすることになるのだ。本作は、ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンの二大アカデミー俳優主演で映画化された、余命6カ月のふたりの男が棺おけに入る前にやっておきたいことを記した“棺おけリスト”を携えて、生涯最後の冒険旅行に出るハートフルストーリー『最高の人生の見つけ方』を原案にしたもの。この2019年の日本で、同名タイトルでありながら、新たな感動の物語として生まれ変わった。今までの自分だったら絶対にやらないことも、自らの殻を破って初体験。いくつになっても、どんなことがあっても、自分自身の人生は幸せに変えられる。本作はそんな、観れば人生が楽しく変わる“チェンジングムービー”だ。ほかの出演者として、ムロツヨシ、満島ひかり、賀来賢人に鈴木梨央、さらにはももいろクローバーZまでもが登場し、ふたりの女性が体現する人生讃歌に彩りを添える。メガホンを取ったのは、今年『引っ越し大名!』も公開された犬童一心監督。時代劇であった前作とはまた異なるアプローチで、すべての世代の人々の胸に響く作品に仕上げている。幸枝とマ子がチャレンジするのは、エジプトのスフィンクスの前で写真を撮ったり、京都で見たことのない大きさのパフェを食べたり、幸枝がウエディングドレス姿になったり……。さらにはスカイダイビングにも挑戦。彼女らふたりの冒険の数々の最後は、竹内まりやの『旅のつづき』が華を添える。観れば人生が楽しく変わる、そんな時間を、ぜひ劇場で味わってもらいたい。『最高の人生の見つけ方』公開中
2019年10月12日世代を超えて愛され続ける名作『アラジン』を、ディズニーが圧巻の映像と音楽で実写映画化し、大ヒットを記録したエンタテイメント大作『アラジン』が、MovieNEXと4K UHD MovieNEXが発売中だ。MovieNEXの発売を記念して、HMV&BOOKS HIBIYA COTTAGEにてイベントが行われ、アラジン役の日本版ボイスキャストを演じた中村倫也と、アニメーション版に続き大人気キャラクター・ジーニーの声を担当した山寺宏一が登壇。本作の見どころや、令和元年を代表する大ヒットとなった『アラジン』にちなみ、ひと足早く“令和元年”を振り返った。イベントには、2700人を超える応募者の中から抽選で選ばれた観客の大きな拍手が起こる中、ふたりはそれぞれ「アラジンです!」「ジーニーです!」とハイテンションで自己紹介。『アラジン』が令和元年を代表する大ヒット作となったことを受けて、中村は「おったまげですよね(笑)。僕はこの作品で初めて吹替をやったんです。令和初の100億円突破という、歴史に残る大ヒットということで嬉しいですし、やる前より公開後の方がこの作品の偉大さを改めて発見できました。周りの反響もすさまじくて、ドラマなどの現場では、僕の後 ろで共演者たちがジャスミンパートを口ずさむぐらい(笑)」と、その影響力を実感したと語った。劇場公開時から数多くのプロモーション活動を行ってきたふたりだが、印象に残った思い出や出来事について、山寺は 「僕はなんといっても、ウィル・スミスさんとアラン・メンケンさんとイベントでご一緒させてもらったのは、忘れられない衝撃でした!まさか会えるとは!ウィル・スミスさんがヒューマンビートボックスを始めて、アラン・メンケンさんがピアノを弾いて、『歌え』って言われたときは、ある意味「人生終わった」と思いました(笑)」と、夢の共演を振り返った。一方、中村は「ジャスミン役の木下晴香さんが真面目で素朴な子なんですけど、取材を重ねるごとにしっかりしていくのが印象的で……。ひな鳥の成長を見守っているような心境になりました(笑)」と、ジャスミン役の日本版ボイスキャストである木下晴香とのエピソードを披露。映像にスポットを当てて見どころや好きなシーンについて聞くと、山寺は魔法のじゅうたんが砂遊びをしているシーンを挙げ、「これシンデレラ城っぽいお城を作っているんですよ!まるでディズニー作品のオープニングみたいな。MovieNEXだからこそ、こういう細かいところに気付けるんですよね!」、中村は、パーティーのシーンで見せる、アラジンと侍女ダリアの掛け合いと少しマニアックな回答。「僕、ダリアが結構ツボなんですよね。ここのシーンは、吹替しているときも笑っちゃいました。『ハハハ~』ってダリアの嘘が下手(笑)。僕、ウソつくのが下手な人が好きなんですよね。あと、アラジンの『水の温度を確かめてるんだ』は名言!(笑)」とコメント。そして、レコーディング時の話になると山寺は、『フレンド・ライク・ミー』のシーンを挙げ、「今回のウィル・スミスさんはノリを大事に歌っていたので、そこを意識していました。ウィル・スミスさんが歌っているように聞こえたらいいなと思って頑張りました!スタッフの方と確認しながら何度も何度も歌ったのですが、こういうときに生きがいを感じますね。歌いながら、『こういうことがやりたくて声優になったんだ』とかみしめて泣きそうになっていました」と振り返っていた。『アラジン』発売中先行デジタル配信中、MovieNEX(4,200円+税)と4K UHD MovieNEX(6,000円+税)実写版とアニメーション版の両方を豪華デジパック仕様に収めたセット商品『アラジン MovieNEXコレクション(期間限定)』(8,000円+税)、アニメーション版をより高画質・高音質で楽しめる『アラジン 4K UHD』(5,800円+税)
2019年10月11日ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンが共演した同名ハリウッド映画を原案にした感動のヒューマンドラマ『最高の人生の見つけ方』の初日舞台挨拶が10月11日、東京・丸の内ピカデリーで行われ、共演する吉永小百合と天海祐希が出席した。主婦として人生のほとんどを家庭のために捧げてきた幸枝(吉永)と、仕事だけに駆け抜けたセレブ社長・マ子(天海)。余命宣告を受けたふたりが、同じ病院で出会った少女の「死ぬまでにやりたいことリスト」を代理で実行しようと珍道中を繰り広げ、“生きる喜び”に目覚めていく。海外ロケを含む撮影はもちろん、全国のキャンペーン行脚を通して、すっかり意気投合した吉永と天海。それだけに本作への思い入れは格別で「ぜひぜひもう1度、舞台挨拶をしましょうと話している。特に思い出深いのは、道後温泉でのキャンペーン。以前出演した『青春の風』を思い出し、懐かしかったです」(吉永)、「はい、同じ気持ちです。わたしにとっては宝物ですし、皆さんの背中を押せる作品になっていれば」(天海)と熱いメッセージとともに、映画のヒットに期待を寄せていた。初日舞台挨拶には共演するムロツヨシ、満島ひかり、ももいろクローバーZ、 前川清、犬童一心監督(『引っ越し大名!』)が出席した。映画本編の台本には、吉永がムロに膝枕されるシーンがあったというが「天海さんが飛んできて『ノー膝枕!』って(笑)。結局、膝枕してもらえず、それが唯一の心残り」(ムロ)、「甘えている姿が許せなくて(笑)」(天海)。このやりとりに、犬童監督も「僕も同じ気持ちだった」と天海に賛同していた。吉永の娘を演じた満島は「座長が花開いているすばらしさを目の当たりにした。わたしも現場で花を咲かせられる女優になりたい」と大女優との共演に刺激を受けた様子だ。本作はハリウッド映画のリメイクだが、犬童監督は「その点は気にせず、生き方や環境が違う女性2人、そして満島さんを含めた3世代の女性の物語になればいいなと思った」と話していた。取材・文・写真=内田涼『最高の人生の見つけ方』公開中
2019年10月11日台風19号の影響で10月12日(土)に開催予定だったライブおよびイベントの中止が発表されている。すでに13日(日)の休館・休止を発表している施設もあれば、明日の台風の推移を判断してから13日の有無を決める施設もある。これまでも雨天や荒天などでイベントや公演が中止になることはあったが、首都圏だけでこれだけの数の公演が中止になり、施設が休館するのは異例の事態。しかし、事前に休止や休館が発表されたことで、観客は安全を最優先に行動できそうだ。10月11日18時段階で中止を発表している首都圏の映画館、公演の一部を掲載する。■12日に休館を発表している映画館TOHOシネマズ、イオンシネマ、松竹マルチプレックスシアター、109シネマズ、ティ・ジョイ、ユナイテッドシネマ、シネマサンシャイン、HUMAXシネマズは各劇場公式ホームページに詳細を掲載中岩波ホールkinocinema立川高島屋S.C.館(13日の営業は未定)K’s cinemaシアター・イメージフォーラムシネスイッチ銀座シネマヴェーラ渋谷シネマート新宿新宿武蔵野館シネマカリテ池袋シネマ・ロサ(13日も休館)角川シネマ有楽町(13日も休館)シネクイント神保町シアター新文芸坐(13日は22:15開場のオールナイトから上映再開)ヒューマントラストシネマ有楽町ヒューマントラストシネマ渋谷テアトル新宿シネ・リーブル池袋キネカ大森新所沢レッツシネパーク丸の内TOEI渋谷TOEI下北沢tollywoodポレポレ東中野目黒シネマユーロスペースユジク阿佐ヶ谷早稲田松竹Bunkamuraル・シネマ鎌倉市川喜多映画記念館(13日も休館)国立映画アーカイブ(13日も休館)など■12日の公演を休止するステージスーパー歌舞伎II『新版オグリ』NODA・MAP第23回公演『Q』『渦が森団地の眠れない子たち』『組曲虐殺』『ストーリー・オブ・マイ・ライフ』劇団スーパー・エキセントリック・シアター 『ピースフルタウンへようこそ』宝塚歌劇星組 『GOD OF STARS-食聖-』『Eclair Brillant(エクレール ブリアン)』宝塚歌劇雪組 『ハリウッド・ゴシップ』ABC座『ジャニーズ伝説2019』舞台芸術学院創立70周年記念特別公演『この道はいつか来た道』別冊「根本宗子」第7号『墓場、女子高生』シアターコクーン・オンレパートリー2019『オイディプス』劇団チョコレートケーキ『治天ノ君』など■12日の公演を休止する音楽&クラシック公演朝霧JAM幕張メッセ×bayfm 30th ANNIVERSARY SPECIAL THANKS PARTYテレビ朝日ドリームフェスティバル2019/幕張メッセ国際展示場9~11ホールBACKSTREET BOYS/さいたまスーパーアリーナジャミーラ・ウッズ/WWW X佐野元春&THE COYOTE BAND/CLUB CITTA辻仁成/オーチャードホールALI PROJECT/チームスマイル・豊洲PITTRUE NORTH FESTIVAL/新木場STUDIO COAST(14日にTSUTAYA O-EASTにて振替公演)全感覚祭/ヘビーデューティー秘密基地東京交響楽団定期演奏会/サントリーホールメトロポリス・クラシックス/東京芸術劇場など■12日に休館する展覧会ゴッホ展/上野の森美術館ハプスブルク展/国立西洋美術館(13日も休館)バスキア展/森アーツセンターギャラリー塩田千春展/森美術館コートールド美術館展/東京都美術館(13日も休館)カルティエ、時の結晶/国立新美術館(13日も休館)話しているのは誰? 現代美術に潜む文学/国立新美術館(13日も休館)ヨーロッパの宝石箱リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展/Bunkamuraザ・ミュージアム没後90年記念岸田劉生展/東京ステーションギャラリーなど※上記のほかにも休止・公演中止/延期、休館があります。安全を最優先に事前に公式サイトで最新情報をご確認ください。※13日(日)は通常よりも遅れて営業を開始する劇場や施設が多くあります。あらかじめ公式サイトで最新情報をご確認ください。
2019年10月11日映画『ジョーカー』が先ごろから公開をスタートし、全世界的で驚異的なヒットを記録している。北米では10月公開作品の歴代記録を更新し、日本でも公開から5日で興行収入10億円を突破。日本を含む世界66か国でナンバー1ヒットになった。本作は名優ホアキン・フェニックスが主演を務めているが、監督から手渡された“手帳”を手に演じ方を模索したという。本作は大都市の過酷な環境で、老いた母と暮らす男アーサーが自らを“ジョーカー”と名乗る希代のカリスマへ変貌していくまでが描かれるが、ホアキン・フェニックスはこの役を演じることを了承するまでに長い時間をかけ、トッド・フィリップス監督と作品について、アーサーの詳細な設定、過去、内面について何度も何度も意見を交換した後に出演を決めた。さらにフェニックスは役のために減量し、アーサーの“見た目”をつくりあげ、さらに準備期間中に劇中でアーサーがつけている“日記”を自ら綴った。彼は「アーサーをどのように演じるのかハッキリしていなかった時に(監督の)トッドから空白の手帳を渡されたんだ。“何を書けばいい?”とたずねたら、いくつか案を送ってくれたけど、数日経つと突如書くことがどんどん湧いてきて、彼の案を無視して書き続けたんだ(笑)」と振り返る。映画に登場するフェニックス直筆の手帳=日記は、ページの中で文字が行き場をなくしてうごめいているような状態で、小さな文字でビッシリと書かれているページもあれば、謎の空白地帯や、同じフレーズが何度も繰り返されている箇所があるという。「監督は僕の日記にひらめきを与えようと足のステップについて送ってきてくれたんだ。そして、いくつかのシーンで使うアーサーが長い階段を登るときのステップについて教えてくれた。僕が書いた日記のなかには“ステップ、ステップ、ステップ、ステップ、ステップ”とページを埋め尽くすように書かれたものが数枚かある」これまでも名優と呼ばれる俳優たちが役のために日記を書いてきた。日記を書いたことのある人ならわかると思うが、日記は“日々の記録”だけでなく“自分自身との対話”でもある。自分はいま何を思っているのか? 何に怒っているのか? 誰も言えない不安は何か? 本当は何をしたいのか?『ジョーカー』は、フェニックス曰く“どのようにして人とコミュニケートしていいのかわからない人間”アーサーが、様々な事件に巻き込まれる中で自分自身と向き合い「認められたいとか、パワフルに感じたいなどの圧倒的な要求」を表現するために自らをジョーカーと呼ぶようになるまでを描いている。つまり、本作においてフェニックスが直筆で書き連ねた日記は、単なる小道具ではなく“完成した脚本”に匹敵するほど需要なテキストではないだろうか。映画の中に登場する日記に何が書かれているのか? 映画には登場しない部分にフェニックスは何を書いたのか? 想像しながら『ジョーカー』を観ると、より深くキャラクターを理解できるはずだ。『ジョーカー』公開中
2019年10月11日世代を超え、世界中で社会現象を巻き起こす”奇跡“を成し遂げたディズニーの大ヒット映画『アナと雪の女王』の最新作『アナと雪の女王2』が、11月22日(金)に全国公開される。この度、日本オリジナルとなるキャラクターポスターが公開された。前作で、雪と氷に覆われたアレンデール王国に暖かな陽光を取り戻し、深い絆で結ばれた姉のエルサと妹のアナ。“ありのままの自分”を受け入れたエルサと、明るいキャラクターが持ち前のアナは、王国の仲間たちと幸せに暮らしていた。だが、エルサだけが聞こえる“不思議な歌声”によって、姉妹は未知なる世界へ導かれる。この度発表された、キャラクターポスターは5種。前作には描かれなかった“秋”を感じさせる落ち葉が舞う中、新たな衣装に包まれたエルサとアナ、そして絶大な人気を誇るオラフにクリストフとスヴェンなど、おなじみのキャラクターがそれぞれ並ぶ。目を引くのは、大きな瞳と愛らしい表情が特徴的な、新キャラクター“サラマンダー”の姿。このサラマンダーは、エルサとアナが訪れる魔法の森に登場するキャラクターだという。果たしてサラマンダーは、本作で描かれるという、エルサに与えられた“力”の謎を解き明かす“鍵”となるのか?このポスターは、10月12日(土)より全国の劇場で張り出される予定。キャラクターたちの表情はもちろん、皮膚や髪の毛、衣装の質感など、細部にまでこだわり繊細に表現されているところにも注目だ。監督のクリス・バックは「本作では、キャラクターたちが前作から成長しているのを目の当たりにすることになる。彼らは人生を変える壮大な旅に出かけることになるんだ」と、彼女たちの人生をも揺るがす壮大な冒険になると語っている。前作で深い絆で結ばれたエルサやアナを中心に、新たなキャラクターが加わり、より深い物語が紡がれていくことに期待したい。『アナと雪の女王2』11月22日(金)全国公開
2019年10月11日タイカ・ワイティティの次回監督作が判明した。『Next Goal Wins』というスポーツドラマ。元ネタは、弱小サッカーチームを追う、イギリスの同名ドキュメンタリーだ。チームのコーチ役には、マイケル・ファスベンダーが決まっている。ほかにエリザベス・モスも出演を交渉しているようだ。製作配給はフォックス・サーチライト。ワイティティの最新作『ジョジョ・ラビット』は、先月のトロント映画祭でプレミアされ、見事、観客賞に輝いた。昨年の『グリーンブック』もトロントの観客賞からオスカー作品賞受賞につながったが、同様の例は多数あり、『ジョジョ・ラビット』も、このアワードシーズンに大健闘が期待されている。出演はスカーレット・ヨハンソン、サム・ロックウェルら。文=猿渡由紀
2019年10月11日PR(#)『MANIFEST/マニフェスト』公式サイト/SNS公式サイト() Twitter() Facebook()(c) Warner Bros. Entertainment Inc.ロバート・ゼメキスら豪華製作陣がおくる話題作が「スーパー!ドラマTV」にて10月15日(火)独占日本初放送!乗員乗客191名を乗せて突如消息を絶った旅客機が辿り着いた先は5年半後の未来だった……。人気ドラマ『LOST』を彷彿とさせる不可思議な出来事が次々に起こり、回を追ごとに驚きの展開が待ち受ける2018年アメリカ新作ドラマ視聴率No.1を獲得した(※米ニールセン調べ)『MANIFEST/マニフェスト』が、ついに日本初上陸!製作陣に『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『フォレスト・ガンプ/一期一会』などの名作を手掛けたロバート・ゼメキスらヒットメーカーが名を連ねており、アメリカでは高視聴率を記録。既にシーズン2の継続も決まっている。次々と予想外の展開が待ち受けるSFミステリーの要素に加え、空白の5年半の間に起こった登場人物たちの“悩み”や“葛藤”など 一筋縄ではいかない人間ドラマにも注目したい。赤ペン瀧川先生の5分で分かる『MANIFEST/マニフェスト』映画ライター・村山章氏が解説! ぴあ独占試写会レポート タイムカプセル郵便とのコラボレーション() が実現! 会場には投函ポストが設置され、参加者各々が5年後の自分や大切な人への手紙を宛てた。ただ、5年半後の人間関係がいろいろと変化している本作を見ると、誰に送るかは慎重に考えたほうがいいかも⁉■タイムカプセル郵便とは?お客様ご自身が自分・大切な人に手紙を書いていただき、未来の指定する日に、未来の指定する場所に届くよう、お手紙を管理・差し出すサービスです。お手紙は、内閣総理大臣認定の公益財団法人日本郵趣協会が大切に保管し、お届けの指定日に合わせ、差し出します。配達は、日本郵便株式会社が行います。第1話をひと足早く観た映画ファンたちの声をお届け!試写会後のアンケートでは、なんと98%が「早く続きが観たい!」と回答。5年半という歳月によって変化してしまう家族や恋人との人間関係も気になる本作だが、特に参加者たちの注目を集めたのが、NY市警刑事でいろいろ訳アリの過去がありそうなミカエラ!元恋人との関係性や不可解な出来事の真相など気になる“その後”はぜひ、10月15日から始まるスーパー!ドラマTVでの放送をチェックしていただきたい。試写会参加者たちの声をPICK UP!個々の環境の変化がとてもリアル!共感する部分が多かった登場人物たちのそれぞれの今後が気になりますし、個々の環境の変化がとてもリアルに感じ取れました。個人的には、物凄くいろいろと考えさせられるストーリーでした。自分の生い立ちの中で発生してきた(形成された心理等)感情が刺激され、共感する部分も多かった。そして、不思議な感覚でしたが、癒されて涙が出てくるシーンもありました。毎週(火)!絶対見ます!楽しみです。(48歳・女性)伏線がどう回収されていくか楽しみ!森川智之さんの吹替えにも期待!!家族の秘密を知ることになる展開、各々問題を抱えた妹や息子との関係がとても楽しみです。モンテゴ航空828便の“828”の数字や全てが伏線になっているような1話で、大きな時間の謎、個々の人生の物語、これからどう回収されていくのか楽しみです。個人的にはベン役の森川智之さんの吹替にとても期待しているので放送が待ち遠しいです!(女性)登場人物の今後に注目! 続きが気になった!全体的に続きが気になった!救われてほしい白血病のカル、医学生のサンビには頑張ってほしい!“声”が聞こえるベン、ミカエラの今後にも注目したい!(26歳・男性)不思議な力は何なのか?続きが楽しみです!これからも同じ不思議な力で事件を解決していくんだろうということと、この不思議な力は何なのか楽しみ。タイムトラベルもの大好きなのでとても面白かったです。結末もちゃんとあるということで続きが楽しみです。(55歳・女性)ドキドキしっぱなしで本当に面白かった!本当に先が読めず、ドキドキしっぱなしで本当に面白かった。あと、5年いない間に環境が変わっていくというのが、本当に恐ろしく人間って弱いものだというのを思い知らされた気がする。COCCOの歌を思い出した。とにかく続きが見たい。(49歳・男性)1話1話丁寧に作られていて早く続きが観たい!1話1話ていねいに作られているのかなと、今回観て思ったので続きを早く観たいと思いました。トークもとても面白かったです!(25歳・男性)5年半経つと人の気持ちも変わってしまう⁉ 続きが気になる!とっても面白かったです。続きが気になります!5年半も経つと人の気持ちは変わってしまうんだなと思いました。今現在とても大切な愛している人でもその人がいなくなると愛も薄れてしまうんですね…。(44歳・女性)
2019年10月11日“現代最高のベートーヴェン弾き”の称号がこれほどふさわしい男は他にいないだろう。近年のシフの充実した活動ぶりはまさに飛ぶ鳥を落とすような勢いだ。特に近年心血を注いで取り組んできたベートーヴェン演奏に於いては、多くのジャーナリストやファンを納得させる圧倒的な説得力がここにある。そのシフが、自ら創設した「カペラ・アンドレア・バルカ」を率いてベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲演奏会を2日間に渡って開催するとなればこれは聴き逃がせない。シフの演奏はもちろんだが、彼が弾き振りを行うオーケストラの顔ぶれが凄い。かつてザルツブルク・「モーツァルト週間」で行われたモーツァルト・ピアノ協奏曲全曲演奏会での成功をきっかけに、シフの想いに共感して集まった腕利き軍団の演奏とはいったいどれほどのものなのか。その気概が炸裂するベートーヴェンには大いに期待したいところだ。公演は、プログラムA:1番&5番「皇帝」(11月8日:東京オペラシティ/11月10日:いずみホール)。そしてプログラムB:2番3番4番(11月7日:東京オペラシティ/11月9日:いずみホール)。どちらにするか実に悩ましい選択になりそうだ。●公演概要11月7日(木)、8日(金)東京オペラシティコンサートホール:タケミツメモリアル11月9日(土)、10日(日) いずみホール●サー・アンドラーシュ・シフ(ピアノ/指揮)1953年、ハンガリーのブダペスト生まれ。5歳からエリザベス・ヴァダスの下でピアノを始め、その後フランツ・リスト音楽院でパール・カドシャ、ジェルジ・クルターク、フェレンツ・ラードシュらに学び、さらにロンドンでジョージ・マルコムに師事した。シフの活動の大半はJ. S. バッハ、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、ショパン、シューマン、バルトークなどの主要な鍵盤作品によるリサイタルや全曲演奏会である。ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全32曲によるリサイタルは2004年から行っており、今では20都市にのぼる。チューリヒ・トーンハレで行われた同プログラムはライヴ・レコーディングされている。最新盤は、ECMレーベルから2015年4月にリリースされたシューベルトの後期ピアノ作品集。このディスクは、シフが所蔵する1820年ウィーン製のフランツ・ブロードマンのフォルテピアノを弾いて録音したもので、ICMA賞(国際クラシック音楽賞)の独奏器楽部門においてレコーディング・オブ・ザ・イヤーを受賞した。シフが同賞を授与されたのは、2012年リリースのアルバム『シューマン:精霊の主題による変奏曲』(ECM)以来、二度目となる。世界の一流オーケストラや指揮者の大多数と共演してきたが、近年はピアノを弾きながら自らオーケストラを指揮する弾き振りの活動に力点を置いている。1999年には自身の室内楽オーケストラ、カペラ・アンドレア・バルカを創設、メンバーには国際的なソリストや室内楽奏者、友人たちが加わっている。このほかに毎年ヨーロッパ室内管弦楽団も弾き振りしている。幼少の頃から室内楽に親しみ、1989年から1998年まで、ザルツブルク近郊の、国際的にも評価の高いモントゼー音楽週間の芸術監督を務めた。また1995年にハインツ・ホリガーとともに、スイスのカルタウス・イッティンゲンでイッティンガー聖霊降臨祭音楽祭を創設。1998年にも「パラディオへのオマージュ」と名づけた同様のシリーズをヴィチェンツァのテアトロ・オリンピコでスタートさせた。受賞歴も数多い。2006年、ベートーヴェン作品の演奏における業績を称えられ、ボンのベートーヴェン・ハウスの名誉会員に選ばれた。2008年にはウィグモア・ホールでの30年にわたる音楽活動が評価され、ウィグモア・ホール・メダルを贈られた。2009年、オックスフォード大学のベリオール・カレッジの特別研究員に選出されている。2011年、ツヴィッカウ市よりシューマン賞を受賞。2012年、国際モーツァルテウム財団よりゴールデン・モーツァルト・メダルを授与され、プール・ル・メリット勲章ならびにドイツ連邦共和国功労勲章大功労十字星章を受章。同年、ウィーン・コンツェルトハウスの名誉会員にも選ばれた。2013年12月、ロイヤル・ フィルハーモニック協会よりゴールド・メダルを贈られた。2014年7月にはリーズ大学より名誉音楽博士号を授与されている。2011年の春、シフは近年のハンガリー政府のメディア法に反対を表明して注目を集め、ハンガリーのナショナリストたちから相次いで攻撃を受けたことから、今後、祖国では演奏を行わないと表明している。2014年6月、エリザベス女王の公式誕生日を記念する叙勲名簿の発表に際し、英国よりナイト爵位を授与された。●カペラ・アンドレア・バルカ室内オーケストラ「カペラ・アンドレア・バルカ」のメンバーは、普段はソリスト・室内楽奏者として世界的に活躍している音楽家たちであり、いかなる常設オーケストラにも所属していない。彼らは、ザルツブルクの音楽祭「モーツァルト週間」で1999年から2005年にかけて行われたモーツァルトのピアノ協奏曲全曲演奏会のために、サー・アンドラーシュ・シフが直々に出演を依頼した者たちである。以来、カペラ・アンドレア・バルカは、モーツァルト週間から定期的に招かれ演奏している。シフの指揮のもと、カペラ・アンドレア・バルカは徐々にその活動の場を広げてきた。1999年からはイタリアのヴィチェンツァにあるオリンピコ劇場でオマッジョ・ア・パッラーディオ音楽祭を主宰しており、2001年には同地でモーツァルトのオペラ《コジ・ファン・トゥッテ》の公演にも3度参加した。並行して2004年から2007年まで、ワイマール芸術祭にも客演している。ヨーロッパ・ツアーにも積極的にのぞみ、ウィーン、インスブルック、チューリッヒ、バーゼル、ジュネーヴ、アテネ、ブリュッセル、ルクセンブルク、ケルン、エッセン、フランクフルト、ブレーメン、バーデン=バーデン、ブダペスト、リスボンなどを訪れている。モーツァルトの生誕250年にあたる2006年には2度のツアーを実現させ、ニューヨークのカーネギー・ホール(3公演)、リンカーン・センター、ワシントンD.C.のジョン・F・ケネディ・センターで公演を行った。さらに2008年と2010年には、ボン・ベートーヴェン音楽祭(ベートーヴェン・フェスト)にも出演している。2012年、ルツェルン・フェスティバルにてJ.S.バッハの《ミサ曲 ロ短調》を演奏し絶賛された。2014年春には、シフの指揮、バルタザール=ノイマン合唱団との共演で、ベートーヴェンの《ミサ・ソレムニス》を演奏。2014年と2015年には、シュヴァルツェンベルク(オーストリア)のシューベルティアーデでシューベルト・ツィクルスに参加。2016年にはシュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭とラインガウ音楽祭、2017年にはソメ・ミュジコ・ド・グシュタード音楽祭から招かれている。カペラ・アンドレア・バルカを率いるサー・アンドラーシュ・シフが志向しているのは、メンバーたちがソリスト・室内楽奏者としての能力を最大限に発揮できるアンサンブルであるが、それは多くの一流オーケストラが直面している課題である。「私が指揮者として目指しているのは、“室内楽の延長”です。カペラは室内楽に長けた卓越したソリストたちから成る室内アンサンブルです。カペラには、弦楽四重奏団のメンバーたちが多数参加していますが、弦楽四重奏こそ、演奏芸術の極みに至ることのできるジャンルです。」さらにサー・アンドラーシュ・シフは、メンバーたちの人間性も重視している。「ここには自分本位な者のための居場所はありません。このアンサンブルの土台は、友情、相互理解、平等、そして美学的・音楽的・人間的な理想なのです。」
2019年10月11日是枝裕和監督の最新作『真実』が公開になる。本作は是枝監督がフランスに渡り、カトリーヌ・ドヌーヴ、ジュリエット・ビノシュ、イーサン・ホークらをキャストに迎え、初めて組む外国のスタッフと制作にあたった作品で、是枝監督がおし進めてきた“自身をオープンにして、壊して、さらに先へ進む”映画づくりの延長線上にある1作になった。1995年に映画監督として歩きだした是枝監督はある時期から自分ひとりで緻密に考えて創作にあたるのではなく、自分を開いて、予期せぬ出会いや、不安定な要素を意図的に作品に取り込んできた。そのきっかけのひとつは、2011年公開の『奇跡』だという。「あの時に“新幹線で何か映画を”って依頼を受けて(『奇跡』は同年春に九州新幹線が全線開通したことを機に企画された)、最初はこういうのもひとつの手かな、ぐらいの感覚だったんですけど、実際にやってみたらとても面白かったんですよ。もちろん惰性でつくってきたわけではないですけど、どうすれば自分が新鮮でいられるかは考えますし、ずっとオリジナルでやっていると自分が描ける人間や世界が何となくわかってくる。その状況を壊すにはどうしよう? と思ったりはします」偶然か必然か『奇跡』が完成した後に是枝監督はフランス人女優ジュリエット・ビノシュから“何か一緒に映画を撮りませんか?”と提案を受けた。「社交辞令よりはもう少し強い感じで、その頃(彼女には)日本で撮りたい企画があったみたいなんだけど、それには乗っからずにかわしつつ(笑)どうせやるならフランスに行って撮りたかった。自分の制作の環境を変えてみようかなという気持ちがありました」その後も是枝監督の“意図的な変化”は続いていった。福山雅治をキャストに迎えた『そして父になる』、吉田秋生のコミックを原作にした『海街diary』、名優・役所広司と対峙しながら完成直前まで苦しみ抜いて制作にあたった『三度目の殺人』、そして女優・安藤サクラ、撮影監督・近藤龍人から多大な刺激を受けた『万引き家族』……その間もフランスで新作を撮る構想が消えることはなかったようだ。是枝監督は「いつだったか忘れてしまいましたけど、フランス映画祭で来日していたフランソワ・オゾンに“君はフランスで撮っても成功すると思うよ”って言われて……真に受けちゃったって感じです」と笑みを浮かべる。映画『真実』の舞台はパリ。自伝『真実』の出版を控える大女優ファビエンヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)のもとに、アメリカで脚本家として活動している娘リュミール(ジュリエット・ビノシュ)、その夫でテレビ俳優のハンク(イーサン・ホーク)、ふたりの娘シャルロット(クレモンティーヌ・グルニエ)がやってくる。3人は自伝出版を祝うためにやってきたが、本を読んだリュミールはそこに“真実”が書かれていないことから母と衝突。さらにファビエンヌを支えていた秘書が職を辞してしまい、母と娘はいつも行動を共にすることに。長年に渡ってそれぞれが蓄積してきた不満、言えなかった想い、ウソ、演技、秘密、そして真実が家族の間を行き交う。「最初からこの映画をフランス映画にしなきゃという強迫観念はなかったので“いつもやっている形をフランスで”が基本」と是枝監督は振り返る。しかし、完成した映画はこれまでの是枝作品とリズム、語り口、映像的な視点が大きく変化している。「今回の映画ではこれまでの作品よりは人間と人間を“衝突”させているんです。日本人なら語らずに“…”だろうなという場面でも今回はセリフの数を少し多くして衝突させた方が自然だろうと考えて脚本を書いてます。それに日本語だと主語を省略したりしますけど、日本語からフランス語に翻訳する際に主語を戻して、時制も統一して……すごく言葉の数が増えるんですよ。ただ、カトリーヌ・ドヌーヴはすごく早口で、他の女優よりも同じ秒数で多くの言葉をリズミカルに音楽的にしゃべることができる。だからこのリズムは生かそうと思って撮影していきました。大変だったのは編集で、撮影中に“これがOKテイクだな”というのはほぼ間違えずにジャッジできたと思いますし、ドヌーヴとビノシュは演技の組み立て方も、どのテイクで演技のピークがくるかも違うのでその見極めは丁寧にやったつもりですけど、そのテイクを編集で切り取っていくと、これが本当にベストだったのか、カットが変わるのは本当にこのタイミングでいいのか……編集の段階で改めて全部ジャッジしなおすことになりました。日本語でも“この言葉の途中でカットが変わると気持ち悪い”ってことがあると思うんですけど、僕はフランスの文法がわからないから、監督助手と通訳の方に観てもらいながら修正していって……そこでも映画のリズムは変化したんだと思います」そして何よりも大きな変化は撮影に名手エリック・ゴーティエを招いたことだ。オリヴィエ・アサイヤス、アルノー・デプレシャン、レオス・カラックスらの作品を手がけ、近年はジャ・ジャンクーやアモス・ギタイなど海外の映画作家ともタッグを組む現代の映画界を代表する撮影監督のひとりだ。「エリック・ゴーティエの力は大きいですよね。言葉が通じないので、こちらの意図を伝えるために事前に画コンテを描いて渡してあって、彼はコピーを台本に貼って現場に来てくれたんですけど、芝居を見た後に“カメラをこうやって動かすと、この3カットはひと続きに撮れる”って。確かに日本家屋でそこまでカメラを動かしたら少し気になりそうなところが、まったくそんなことはなくて、カメラを切り返していないのに、ワンカットの中でカメラを切り返しているような画になっていて……これはすごいなと(笑)。だから、ある段階からそこは任せてしまいましたし、結果としてカット数がどんどん減っていったんです。だから今回は画家で言うなら“筆”を変えてみようという感覚ですよね」国が変わり、俳優が変わり、言語が変わって編集のリズムが変わり、撮影監督によって“映画の語り”も変わった。「自分としては変わらない自分なんてなくてもいいと思ってやっていますし、カメラマンが変わるだけでこんなにも文体が変わるのか、など新しい出会いを新鮮に受け止めている感じです。だからこの先、どうやっていくかですよね。この映画もまだ“ファミリードラマ”の枠組みはあるわけで、それをとっぱらった時に何が残るのか? どこまで行けるだろう……ってほどの道を歩いているとは思わないですけど(笑)、次に一体、何を壊したら何が残るんだろう? それでも壊しきれないものは一体、何なのだろう? ってことは考えますよね」映画監督の中にはキャリアをかけて、自覚的にひとつのテーマを追求する人もいるが、是枝監督は意図的に“縛り”や“固定化”を避け、変化し、スクラップ&ビルドを繰り返して“変化し尽くしても変化しないもの”を見つけようとしており、その流れの中に本作もある。この映画は海外で撮った“特別編”でも、外国で活動するための“足がかり”でもないのだ。「そうです。僕の中ではこの映画は『万引き家族』よりも“真ん中”にある映画で、何年か経って振り返った時に“あそこで変化があったんだな”と思えるのはこの映画なんじゃないかと思っています。次へ向かう方向性を決めている作品。でも、それがどちらに向かっているかは……まだわからないんです(笑)」『真実』公開中
2019年10月11日アジア初のドキュメンタリー映画祭としてスタートした<山形国際ドキュメンタリー映画祭2019>(以後ヤマガタ)が10日開幕した。1989年から2年に1度の隔年で開催され、いまでは世界の映画人と人とが集うドキュメンタリー映画の祭典に。昨年8月には、米国アカデミー賞の公認映画祭に認定された。16回目となる今回は記念すべき30周年となる。この日の開会式は、世界から集まった来日ゲストや映画関係者、観客を合わせ、400人を超える人々が集まり会場は大盛況。まず、山形交響楽団金管8重奏の演奏とともに、これまでヤマガタに来場した監督たちの映像をスライドショーで上映。レナード・バーンスタインの『ウエストサイド物語』やエンニオ・モリコーネの『ニュー・シネマ・パラダイス』などの演奏にのせながら、フレデリック・ワイズマン、ペドロ・コスタ、原一男ら名だたる映画作家たちの姿が次々と映し出され、映画祭30年の歩みを振り返った。そして迎えたオープニング上映は、今年1月に死去した詩人で伝説の映画監督であるジョナス・メカスの作品『富士山への道すがら、わたしが見たものは…』の16ミリフィルムを追悼上映。本作には、1991年にメカス監督が山形を訪れた際の映像が収められている。上映前に、メカス監督が山形を訪れた際、案内役を務めた農業詩人の木村迪夫さんが登壇。当時、行われたシンポジウムでのメカス監督とのエピソードを語った。木村さんはメカス監督との対話で印象に残っていることが3点あるとのこと。1つ目は故郷についてのことで、「メカスさんはリトアニアの小さな村で暮らしていたが、悪いことがひとつもなかったという。愉しいこと、美しいことでいっぱいだったと言っていた。対して、自分は戦争で父と叔父をなくし、貧困の中で育った。周囲からは貧しいということで蔑まれたりと、悲しい思い出しかない。いつか村の人たちを見返してやると反逆の精神があった。だから、故郷をそう思えるメカスさんがうらやましかった」と明かした。2つ目は、自身の出身地ということだったそう。「メカスさんは、『地方性』ということを強調されていた。メカスさんはリトアニアからニューヨークへ移ってからも、リトアニア語で詩を書き、それをリトアニアの言葉で朗読していた。ルーツを大切にしていた。対して、私はさきほどの反骨心もあって、山形弁はぜったいに使わないと決めていた」とこちらも正反対であったことを明かした。最後の3つ目は創作について。メカス監督は「詞は内側から発する言葉で、映像は外側から発する言葉。したがって、とても近い存在ではないか」と語っていたという。木村さんはこれらが原点にあり「メカスさんの牧歌的で、美しく叙情的でロマンチックな作品の魅力は、これらの点が原点にあるのではないか」とメカス作品の魅力を紐解き、「今日、久々に映像を見れることを楽しみにしている」とメカス監督に思いを寄せた。こうして開会式は終了。本日11日から本格的に映画祭はスタートする。今回の応募作は130の国と地域から過去最多の2371作品。目玉となる「インターナショナル・コンペティション部門」には15作品が選ばれている。ドキュメンタリー映画の巨匠、フレデリック・ワイズマン監督の新作『インディアナ州モンロヴィア』や『鉄西区』『苦い銭』のワン・ビン監督の8時間を超える長編『死霊魂』といった話題作から、若い新鋭監督の作品まで、世界で起きているさまざまな事象や問題をとらえたドキュメンタリー映画が並ぶ。アジアの新鋭作家に開かれた「アジア千波万波部門」では、長編第1作『鉱ARAGANE』が本映画祭で特別賞を受賞した小田香監督の『セノーテ』、巨匠、アッバス・キアロスタミ監督を父に持つバフマン・キアロスタミ監督の『エクソダス』など、注目の新鋭監督たちの顔が揃う。また、いろいろな意味で、いまはアジアをめぐる状況が変化しているとき。隣国でいまなにが起きているのかを知る機会にもなるに違いない。世界中を魅了する映画と映画作家を生み出し続けるイラン映画の魅力の根源に迫る「リアリティとリアリズム:イラン60s-80s」といった映画ファンとしては見逃せない特集や、日本のいまがみえる「日本プログラム」など、多種多様な企画や特別上映も組まれている。会期は17日(木)まで。映画と出合い、人と出会い、うまいものと出会えるのが本映画祭。興味をもったらぜひ足を運んでほしい。取材・文・写真:水上賢治
2019年10月11日ディズニー不朽の名作を空前のスケールで実写化し、国内興収120億円越えの大ヒットを記録した『アラジン』のMovieNEXが10月9日に発売。これを記念し、読売新聞社との協力で“『アラジン』があなたの学校にやってくる!”全国ツアーと題し、全国約15の大学、高校、中学校で、『アラジン』本編をMovieNEXにて上映。その中から今回、聖心女子大学で行われた上映会に、アラジン役の吹替え声優を担当した中村倫也がスペシャルゲストとして登壇した。イベントに登壇した中村は、大ヒットした作品への想いやエピソード、新たに描かれたジャスミンのような強い意志を持つ女性の魅力について語った。また、今回のトークショーには学生たちも一緒に登壇。中村が大学生の夢や悩みへエールを送る場面も見られる貴重な機会となった。中村がサプライズで登場すると、会場からは大歓声が。彼は今回の女子大訪問に、「緊張というより、アラジンのように“胸躍る冒険!”という感じですね。わくわくしています。みなさんにも楽しんでもらえたらと思います!」と、笑顔で学生たちの歓声に応えた。まず、一緒に登壇した学生たちが『アラジン』を見た感想をそれぞれ話すと中村も、「この作品はアニメーション版から、音楽はもちろん、物語も含めてすごい力を持っていて、世界中でファンも多いと思います。今回、実写版ということで、新曲『スピーチレス~心の声』もそうですし、『ホール・ニュー・ワールド』や『フレンド・ライク・ミー』もアレンジが加えられたりして、一層パワーアップしていると感じていました。オーディションのとき、初めて映像を見て、こんなにもアニメーション版のたくましさや力強さ、繊細さが残されていてびっくりしたんです!オーディションでそれが見られたから受からなくてもいいや、って思ったほどです(笑)」と振り返り、最新鋭のVFXを駆使した圧巻の映像にも魅了されたらしい。アラジンとヒロインのジャスミンは、お互いに出会ったことで運命が変わり、惹かれ合う中でそれぞれの魅力が増していくが、この“人としての輝き”について中村は、「アラジンとジーニーの関係もそうですけど、このふたりはとても高め合える関係で、それぞれの目標に向かって、ぶつかったり、情けない自分を自覚したりしながら、まっすぐに、それでも頑張るんです。“それを横で支えてね”という純粋さが、人としての輝きじゃないかなあ。アラジンとジャスミンは出会えてよかったですよね」と、持論を展開。さらに今回は、学生からの悩み相談に中村が答えるスペシャル企画も行われた。学生が「部活の実行委員長を務めることになって、人を率いることの難しさに悩んでいます。今回主演を務めたり、舞台で座長を務めたりする経験を通して、リーダーシップを得るヒントはありますか?」と相談すると、「人によってやりかたがあると思います。僕は誰よりも先に恥をかく、失敗するのを心がけています。僕の仕事は部活とは少し違うかもしれないけど、いろんな性格の人がいる中で、僕もまとめたりするのは得意じゃないので、まず失敗して、笑って、それが恥ずかしくないことという空気を作るようにしています。今日ここで、それに悩んでいるって言えたからもう大丈夫だよ。僕はうまく答えられないけど、周りの人が助けてくれるよ!」と真摯に答える姿が印象的だった。また、「就活の自己分析で、自分の短所ばかり目が言って、長所が思いつきません。ジャスミンのように、自信を持つには?」と学生ならではの質問も。これに中村は、「自分のことって一番わからないですよね。僕は就活をしたことがないので、適した答えか分からないんですけど、若い頃仕事で悩んだときは、先輩に“俺ってどんな人ですか?”って聞いていました。自分で見えないなら人に聞くしかないし、自分っていうものは周りが決めるような気もするんですよね。だから、友達に聞いて“ここがいいよ”って言われたときに“いやいや”ってならずに、“そうなんだ”って認めてみればいいんじゃないかな」と、自身の経験を踏まえてアドバイス。そして、集まったたくさんの学生に向けて、「僕はいつも、“うまくいくはずない”と思ってやっています。うまくいかないからこそ成長を実感できるし楽しいというか。うまくいかないほうが好きなんです。いっぱい失敗できることが若者の特権です。世界は広くて人生は長いので、今のうちに失敗の仕方、正しい転び方を学ぶといいと思います!」とエールを送った。『アラジン』発売中『アラジン MovieNEX』 4,200 円+税『アラジン 4K UHD MovieNEX』 6,000 円+税『アラジン MovieNEX コレクション(期間限定)』 8,000 円+税『アラジン 4K UHD』 5,800 円+税デジタル配信中
2019年10月11日シリーズ累計45万部超の織守きょうやの小説『記憶屋』を原作に、山田涼介(Hey!Say!JUMP)を主演に迎え、『記憶屋 あなたを忘れない』のタイトルで映画化した本作。メガホンを握ったのは、『ツナグ』『天皇の料理番』『義母と娘のブルース』の平川雄一朗監督だ。大学生の遼一(山田涼介)は、年上の恋人・杏子(蓮佛美沙子)にプロポーズするも、翌日から彼女と連絡が取れなくなってしまう。数日後、再会した彼女は遼一の記憶だけを失っていた。信じられない遼一は、大学の先輩で弁護士の高原(佐々木蔵之介)と共に人の記憶を消せるという都市伝説的な存在「記憶屋」について探り始める……。公開された予告映像では、山田演じる遼一が「記憶屋に俺との記憶を消されたんじゃ」と、記憶屋を探して奔走する姿が収められている。人々の中にある忘れたい記憶、その奥にある愛。涙を流し、雨に打たれながら絶叫する遼一は何を想い、何を知ったのか。“永遠に残る感動の結末”への期待が高まる仕上がりだ。同時に「愛する人のため あなたは何ができますか?」という印象的なコピーがあしらわれた本ポスターも到着。杉本哲太、泉里香、田中泯、佐々木すみ江、櫻井淳子、戸田菜穂、ブラザートム、須藤理彩、濱田龍臣、佐生雪、稲垣来泉など、豪華キャスト陣が脇を固める。『記憶屋 あなたを忘れない』2020年1月17日(金)全国ロードショー
2019年10月11日