シンガポールの中心地から車で20分程度、イーストエリアに位置するカトン地区。カラフルなショップハウスや伝統的なニョニャ料理レストランが軒を連ねるこのエリアは「Home of Peranakans」と呼ばれ、今でもプラナカン文化を色濃く残す。民族衣装やビーズ製品を扱う雑貨店、ローカルフード「ラクサ」の名店にも足を伸ばしたい。プラナカン文化が息づくエリアかつてはココナッツ畑であったこの土地には、20世紀に入るとプラナカンやヨーロッパからの比較的裕福な層の移民たちが暮らすようになった。街を歩けば、現在も昔のまま残るプラナカンの伝統的な建物「ショップハウス」がパステルカラーに光り輝く。カトンエリアを初めて訪れるなら、East Coast Road(イースト・コースト・ロード)とJoo Chiat Road(ジョー・チアット・ロード)の交差点に位置する112Katong(Katong Mallと言う人も多い)を拠点に、周辺を散策するのもおススメ。可愛いお土産が見つかるイースト・コースト・ロードカラフルなパステルカラーが特徴のプラナカン文化。建物の外壁と同じく色使いが可愛らしいプラナカン雑貨は、乙女心をくすぐるものばかり。イースト・コースト・ロードを挟んで112Katongの向いには、こうしたプラナカン雑貨を扱う「Rumah Bebe(ルマー・ビビ)」や「Kim Choo Kueh Chang(キム・チュー・クエ・チャン)」が。ルマー・ビビでは、民族衣装のKebaya(ケバヤ)や、ビーズ細工が細かく丁寧に施されたシューズ、ピンクやレモンカラーの陶器類など、お土産にピッタリな雑貨を販売。キム・チュー・クエ・チャンは、1階が伝統的なニョニャ菓子を販売する店舗、2階がプラナカン雑貨店になっている。ローカルフード店の名店も多数ココナッツミルクの甘味とスパイシーなチリテイストが絶妙なローカルフード「Laksa(ラクサ)」。「カトンラクサ」という名称のとおり、カトンはラクサの名店が多く集まる地区としても有名。イースト・コースト・ロード沿いの「328 Katong Laksa」は、地元民からも観光客からも愛されるラクサの名店。カトンに来たならば一度は訪れたい。ジョー・チアット・ロードはペイントや装飾が一層美しいショップハウスが並び、寺院も多く見受けられ、散策におススメ。伝統的なプラナカン料理や、ニョニャ菓子の店も。このエリアは月曜日が定休のお店が多いので、訪れる際は注意しよう。Katong(カトン)・アクセス方法:MRTパヤ・レバ駅より徒歩10分。オーチャードエリアからタクシーで20分。©All photos to Singapore Tourism Board
2015年09月28日白亜の壁が眩しいビクトリア様式の建造物が目を引く美術館「The Arts House(アート・ハウス)」は、シンガポールのアートシーンを語るのに欠かせない場所。国内最古の政府機関が入っていたこの建物は、2003年に美術館として生まれ変わった。併設のレストランやカフェもユニークなので合わせてチェックしよう。役割を変えながら歴史を刻むアート・ハウス1826年にスコットランドの商人ジョン・マックスウェルの個人邸宅であったアート・ハウス。現在でも白く美しく輝くコロニアル調の建物は、後に巨大ホーカーセンター「ラオ・パ・サ」の建築に携わったGeorge Coleman(ジョージ・コールマン)によってデザインされたもの。その後Court House(裁判所)として、1954年から1999年までは国会議事堂として利用され、2003年に現在のアート・ハウスに姿を変えた。邸宅であった時代の名残を思わせるインテリアや、議場の跡地を利用したコンサートホールは、アート・ハウスの歴史的意味を感じさせる。シンガポールのアートシーンを牽引するアートイベントの数々アート・ハウスでは、常設展示に加え、ショートフィルムの上映や、演奏会、ワークショップなど、芸術的なイベントが随時行われている。建物内の部屋やスペースは、アート団体や企業などのイベント向けに有償で貸し出され、更にはウェディングパーティーの会場として利用されることも。シンガポールの国の歴史や建築様式の変遷を学べると同時に、芸術を発信するクリエイティブな場所として国民に重宝されている。※最新のイベント情報はこちら。併設のカフェでアートを感じるアート・ハウスには、5つの個性的な飲食店が併設。本屋とカフェが融合した「earshot café(イヤーショット・カフェ)」は、ゆっくりとコーヒーを飲みながらアートに浸れる絶好の空間。ランチセットのハンバーガーが人気。本格ベトナム料理が楽しめる「Viet Lang」や、生バンドが楽しめるバー「barber shop by timbre」など、魅力的な飲食店ばかり。アート・ハウスは観光スポットで有名な「ラッフルズ卿上陸地点」のすぐ近く。観光の合間にふらっと訪れて、歴史的建築と最先端アートにゆっくりと触れてみてはいかがだろうか。©All photos to Singapore Tourism BoardThe Arts House・住所:1 Old Parliament Lane, Singapore 179429・営業時間:10:00-22:00※BOX OFFICE(チケット売り場)は10:00-20:00。日曜休み。チケット購入が必要なイベント開始の1時間前にオープンする。オンライン購入はこちら・電話:(+65) 6332 6900 / (+65) 6332 6919(BOX OFFICE)・入場料金:チケット購入が必要なイベント以外は無料・アクセス方法:MRT City Hall(シティ・ホール)駅から徒歩5分。
2015年09月17日秋のロマンティック気分を先取りできる上に、観やすくて面白い!前回の「REIGN/クイーン・メアリー」に続き、今回はそんな歴史ドラマをオススメしたいと思います。まず1本目は、「THE TUDORS~背徳の王冠~」。このドラマでは、16世紀イングランドのチューダー朝を舞台に、国王ヘンリー8世の人生模様が描かれていきます。「REIGN/クイーン・メアリー」のメアリー・ステュアートは英国女王エリザベス1世のライバルですが、ヘンリー8世はそのエリザベス1世のお父さん。聡明ではあるものの冷酷かつ非情で、女性関係にも問題が多々あったヘンリー8世を、ジョナサン・リース=マイヤーズが演じています。「実際のヘンリー8世よりも多少はイケメンな男が演じた方がいいだろう?」と、ジョナサン自身も言ったとか…?とにかくジョナサンのヘンリー8世は刺激的な王様で、どこかチャーミング。そんなヘンリー8世のダークヒーローぶりが、物語を観やすくしています。史実上も6人の女性と結婚&離婚を繰り返したとされていますが、その分ロマンス濃度は高め。エロティックな描写もふんだんに盛り込まれています。ちなみに、いまや『マン・オブ・スティール』のスーパーマンとして知られるヘンリー・カビルが、このドラマではヘンリー8世の家臣を好演。美形2人の友情物語も非常に見応えのあるものでした。そして2本目は「ボルジア家愛と欲望の教皇一族」。15~16世紀のローマで暗躍した教皇アレクサンデル6世を、オスカー俳優ジェレミー・アイアンズが演じています。“史上最もスキャンダラスな教皇”の呼び名に相応しく、アレクサンデル6世の人生は権力と富、色と欲にまみれていて波乱万丈。敵を抹殺するためなら手段を選ばず、極悪非道の限りを尽くしたアレクサンデル6世はもちろん、頭脳明晰な長男チェーザレ、父の政略の駒にされた長女・ルクレツィアら、家族の物語にもドロドロと禁断の香りが漂っています。製作総指揮を務めるほか、演出や脚本も手掛けているのは映画『クライング・ゲーム』などの名匠ニール・ジョーダン。ほとんどのエピソードの脚本を執筆しているばかりか、数エピソードにわたって監督を務める熱の入りようで、「連続ドラマの利を活かし、映画では出来ないことをやり尽くす」という意気込みが感じられる作りに。壮大で、スリリングで、エロティックで、エンターテイメント性にも富んだ作品世界は、観始めたら止まらない中毒性を帯びています。また、時に恐ろしいほど狡猾に、時に見苦しいほど等身大に振る舞う主人公一家の強烈な個性も、観やすさの要因となっているのではないでしょうか。ちょっと敷居が高いな…と思っても、実は観始めたらハマってしまう人多数の歴史ドラマ。中世モンゴルの冒険家マルコ・ポーロをモデルにした「マルコ・ポーロ」(Netflixで9月2日より配信中)、ヘンリー8世の側近だった天才政治家トマス・クロムウェルが主人公の「ウルフ・ホール」(AXNミステリーで来年1月に放送)など、今後も話題作が続々と日本にやって来るのも嬉しいところです。(text:Hikaru Watanabe)
2015年09月15日●ビジネス街の隠れ家的存在! 「質屋」の歴史をもつ店で英国シェフの味をキラッキラに輝くネオンサインは香港の顔。活気に満ちあふれた街の喧騒こそがこの街のお楽しみどころ……いやいや! このところ香港で目覚ましいのが、古い建築物をリノベーションしてオシャレに生まれ変わったレトロモダンな店の数々。香港ならではでありながら洗練された雰囲気のレストランは、"ここ一番! "という時にぜひ利用したいところ。そんなとっておきの2店を紹介しよう。○元質屋の"知る人ぞ知る"レストランまずひとつは灣仔(ワンチャイ)エリアから。灣仔はコンベンションセンターや高層ビルが立ち並び、スーツに身を包んだビジネスマンが闊歩するビジネス街でありながら、ちょこっと裏手に入ると昔ながらの建物も数多い。行き交うトラムや渋滞するタクシーを見下ろして優雅なたたずまいが印象的なのが「The Pawn」。日本語に訳すと「質屋」を意味するとおり、かつては質屋だった建物だ。MTRの灣仔駅から徒歩約1分でたどり着けるこの建物は、古めかしい看板はそのままに、レトロな雰囲気をかもしだしているものの、近づいてみると1階にはインテリアショップ、2階から上には洋風のレストランが入居となかなかファッショナブル。オープンは2008年と新しくはないが、レストランの看板はないし入り口も小さく分かりづらい(正面にはなくて、横手にある)こともあって、"知る人ぞ知る店"なのである。だが中へ入ると、内装はそこここにレトロ感を漂わせているもののかなりモダン。ソファ席あり、テーブル席ありと広々としており、都心にいることを忘れさせてくれる。天井が高く、大きな窓から入るやわらかな光が照明だ。だが客層はやはり都心部らしく、ランチミーティングのビジネスマンや駐在員妻的な雰囲気の外国人女性グループなどでいっぱい。テラス席までほぼ満席というにぎわいぶりだ。○英国のミシュランシェフが監修料理は「英国西洋料理」とのことだが、これはシェフが英国人であるということでローストビーフやフィッシュ&チップスの専門店というわけではない。だが、もちろんカルテにはアンガスビーフやシェファーズパイといった英国ならではの食材や料理が並んでいるほか、英国のミシュランシェフであるトム・エイキンズ氏による監修もされているという。運ばれてくる料理も美しく、ワンランク上を感じさせる。ランチコースはスターターとメイン、デザートがついて195香港ドル(約3,020円)。ランチでこれならば、夜はさぞやぜいたくなことだろう。記念日など特別な時にもオススメだ。なお、ランチタイムという明確は区切りは設けてなさそうだ。●やっぱり点心が食べたい! 高級店でお得に食べ放題そしてもう1軒は、香港のヘリテージビル再開発の代表格「1881ヘリテージ」。読んで字のごとく、1881年に建設された元水上警察をリノベーションした商業施設で、高級ブランドやレストランが入居する。建物だけでなくその周辺もヨーロッパ調に整備されており、香港きってのオシャレゾーンである。MTRの尖沙咀(チムサアチョイ)駅から徒歩約1分という立地もうれしい。○観光地の中の穴場的なレストランまるで博物館のようなこの建物。中庭へと続く廊下のレトロな空気にうっとりしつつ、開けたその先には広東料理の「隆濤院」の入り口が。隆濤院はホテル「Hullet House Hotel」のメインダイニングで、まるで時が止まったかのような静かなたたずまいが魅力。外の喧騒もここまでは聞こえてこない。ホテルのダイニングゆえか、はたまた平日だからか、ランチタイムにもそれほど多くの客がいるわけでもない、やはり穴場的なレストランである。内装はモダンチャイニーズ。落ち着いた雰囲気で大人の空間、といった趣だが子連れでも問題なく入店可能だ。ここでのお目当てはやはり点心。アラカルトと食べ放題から選ぶことができ、メニューの内容はだいたい同じ。だが、食べ放題にはない料理もあるので、どちらにしようかおなかの具合とよく相談する必要がある。ちなみに、この店の人気メニュー「紅粉香檳蝦餃(ロゼシャンパンの海老餃子)」は食べ放題にもあるのでご心配なく。○オーダー式でいつでもできたて香港の飲茶というと点心の入ったせいろを山積みにしたカートがテーブルの間を練り歩き、呼び止めて好きなものを注文、というスタイルが多いが、こちらはオーダー式。渡された紙にチェックマークか、ほしいだけ数を書き入れる。できた順に料理が運ばれてくるが、やはりテーブルいっぱいにせいろが並ぶのを見ると気分がアガる。2皿目以降は紙に書かなくても「同じものを」と注文すればまた持ってきてもらえるので、常にできたてをいただけるようゆっくりオーダーするのもいいだろう。これだけのロケーションの良さ、高級感、そしてメニューの数々とあって平日のランチ食べ放題は大人ひとり198香港ドル(約3,070円)と、なかなかのお得感だ。ランチは、平日は11:30~14:00、土日曜日・祝日は入れ替え制で11:00~13:15、13:30~15:30までとなる。なお、土・日曜日のランチは大人ひとり248香港ドル(約3,840円)となる。香港には手軽に楽しめる下町グルメがいっぱいあるが、「たまにはゆっくりしっとりした時間を」という人は、こんなリノベーションされた空間でレトロモダンなひとときを楽しんでいただければと思う。※1香港ドル=15.5円で換算。記事中の価格・情報は2015年8月取材時のもの
2015年09月11日©ASEAN-Japan Centreアユタヤにある、木の根に埋まった仏頭が有名な「ワット・マハタート」。仏舎利が収められ、建築的にも13世紀の重要な寺院のひとつとされている。かつては塔の頂上が黄金に輝いていたここも周辺の寺院同様、ビルマ軍の侵略により廃墟と化し、今は木の根の間に眠る仏像の頭や、頭部がない仏像、崩れ落ちたレンガの壁や礼拝堂の土台が残るのみとなり、歴史を静かに物語っている。「ワット・プラ・シーサンペット」の西に位置する寺院は、1369年~70年の2代ラーメスアン王が建てたという説と、1370~88年の3代ボロムラーチャー1世が建てたという説があり、“仏舎利を祀る寺院”を意味する「ワット・マハタート」の名を持つ。クメール様式に影響された仏塔は、後にタイ全国で建てられた数々の仏塔のモデルに。1956年の修復の際、塔の跡から数々の黄金仏や宝飾品などが発見され、これらは現在「チャオ・サン・プラヤー国立博物館」に展示されている。「ワット・マハタート」を象徴するのが、仏頭が根に埋め込まれた菩提樹。一度はテレビやガイドブック等で目にしたことがある人も多いと思うが、これはビルマ軍が切り落とし放置したものが長い年月を経て、自然と木に取り囲まれたもので、その神秘的な姿は戦争の悲惨さや、時の流れについて考えさせられる。尚、この仏頭の前で写真を撮る際は、仏頭より高くならないようにしゃがむことを注意して。ワット・マハタート(Wat Phra Mahathat)・住所:Chikun Tha Wasukri Phra Nakhon Si Ayutthaya・利用時間:8:00~18:00、ライトアップは19:00~21:00・拝観料:50バーツこちらも合わせてCheck!タイの歴史を物語る古都「アユタヤ」を訪れてみようアユタヤの象徴的寺院「ワット・プラ・シーサンペット」
2015年08月20日ブリティッシュ・エアウェイズは8月19日、新しい建造物から歴史的な建造物まで21個の「21世紀のイギリスを象徴するトップランドマーク」を発表した。同ランキングは同社の機内誌「High Life」の読者を対象に、英インデペンデント誌とともに実施し、英国全土から2,000件を超える応募によって行われた。1位に選ばれのは「エデン・プロジェクト」(コーンウォール)。現在は使われなくなった陶土採掘地帯を21世紀のグローバルガーデンへと変貌を遂げたエリアで、世界中から集められた植物を収容する人工的なバイオドームを擁する複合施設となっている。2位はサー・アントニー・ゴームリーによりデザインされた彫刻「エンジェル・オブ・ザ・ノース」(ゲーツヘッド)。その名が示す通り、高さ20m、羽が横に54mに広がる天使をモチーフとしたスチール彫刻で、横幅は米国の自由の女神像よりも大きいという。そして3位には、聖ミカエル大聖堂とも称されている「コヴェントリー大聖堂」(ウエストミッドランズ)がランクインした。それ以下の18個のランドマークに関しては順位付けをせず、同列ノミネートとなっている。「21世紀のイギリスを象徴するトップランドマーク」エデン・プロジェクトエンジェル・オブ・ザ・ノースコヴェントリー大聖堂ミレニアム・ブリッジロンドン・アイセント・ポール大聖堂テート・モダンホワイトチャペル・ギャラリードゥ・ラ・ウォー・パビリオンターナーコンテンポラリーリンカン大聖堂セルフリッジズチャッツワースラベル電波望遠鏡グライズデール森林公園シンギング・リンギング・ツリーアルバート・ドックブラックプールタワーウェールズ・ミレニアム・センターエディンバラ城ビジターセンター
2015年08月19日ブラジルのモダニズム建築の父、建築家のオスカー・ニーマイヤー(Oscar Niemeyer)の日本初の大回顧展「オスカー・ニーマイヤー展 ブラジルの世界遺産をつくった男」が、10月12日まで東京都現代美術館で開催されている。同展では、オスカー・ニーマイヤーのほぼ1世紀に渡る建築デザインの活動を、図面、模型、写真、映像などによって紹介。代表作のひとつであるブラジル・イビラプエラ公園の30分の1の模型も、約500平方メートルのアトリウムの大型空間で展開している。オスカー・ニーマイヤーの日常や創造の秘密が見れる映像資料や、首都・ブラジリア建設の詳細なドキュメントも展示される。なお、会場は「SANAA」によって、ダイナミックでモダンかつ有機的な曲線でデザインされた。ブラジル国内の主要な建築の設計を手掛け、そのユニークな創造性で高い評価を受けたオスカー・ニーマイヤーは、過去にアメリカ建築家協会ゴールドメダル、プリツカー賞、高松宮殿下記念世界文化賞など数多くの賞を受賞。国民会議議事堂や大聖堂などの首都・ブラジリアの主要な建物設計を行った1950年代の国家の大プロジェクトにも参加している。【イベント情報】「オスカー・ニーマイヤー展 ブラジルの世界遺産をつくった男」会場:東京都現代美術館 企画展示室地下2階住所:東京都江東区三好4-1-1会期:7月18日~10月12日時間:10:00~18:00(7月~9月の金曜は21:00まで、入場は閉館の30分前まで)料金:一般 1,100円、:大学生・専門学生・65歳以上800円:中高生 600円:小学生以下 無料休館日:月曜日(9月21日、10月12日は開館)、9月24日
2015年08月07日日本に留学経験があり、日本語や日本事情に精通したユンさん。36歳の若さで、韓国の国立大学建築学部の教授に就任したエリートで、現在は、韓国の建築学会のために日々奮闘しています。ユーモアたっぷりに、ご自身のキャリアについて語っていただきました。■これまでのキャリアの経緯を教えてください建築分野に進んだ理由は、私が学生だった当時、韓国では国家プロジェクトとして建築学が重要視されていたことがあります。また、幼いころから美術を習っていて、漠然と建築物に興味を持つようになりました。大学卒業後、ソウルの漢陽大学建築学部にて修士課程修了後、1995年より日本の国立T工業大学に留学し、工学博士号を取得しました。当時の研究テーマは、環境共生型の都市を実現するため、「息をする壁体」という建築素材の研究と開発に取り組んでいました。博士号取得後、そのまま同大学の研究室にてリサーチアソシエーターとして勤務。勤務中に、図らずも研究室の日本人の後輩に一目ぼれをし、縁あって国際結婚をしました。結婚後、日本建築研究所で研究員として3年間勤務の後、2005年に韓国の国立大学の建築学部の助教授に就任することになり、10年ぶりに韓国に帰国しました。以来、韓国の建築学会のために日々全力を尽くしています。■現在のお給料について教えてください国家機密…というのは冗談ですが、満足しています(笑)。韓国に来る前も日本でそれなりに貰っていたのですが、当時は円安だったので、退職して韓国に帰国する際には相当損をしてしまいました。■今の仕事で気に入っているところ、満足を感じる瞬間は?やはり、自分の研究が必要とされ、その成果が認められた時が一番うれしいですね。また、自分の教え子達が卒業後に活躍している姿を目にしたり、たまに研究室に訪ねてきてくれるのも楽しみです。■逆に今の仕事で大変なこと、嫌な点は?仕事自体に不満はありませんが、韓国では仕事絡みで飲み会をすることが多く、お酒があまり飲めない私は、飲み会はいつも大変です。■日本人のイメージは? あるいは理解しがたいところなどありますか?私が日本に留学する直前の1995年3月、オウム真理教による地下鉄サリン事件が起きました。当時の私は「日本とは一体どういう国なんだろう?」と衝撃と不安を抱えたまま日本に渡りました。しかし、いざ大学の研究室に入ってみたら、今まで出会ったこともないような実に個性豊かな面白い仲間たちに出会え、すぐに打ち解けることが出来ました。例えば、私が暮らししていたアパートは1階の部屋だったのですが、夏に窓を開け放して寝ていたら、夜中に仲間たちがこっそりやってきて、部屋にロケット花火を打ち込まれたり(良い子の皆さんは危ないので、絶対に真似しないでくださいね・笑)、今は立場上、公言出来ない事も多いですが、とにかく楽しい思い出がたくさんあります。また、日本はオタクの地位が高いのも自由で良いな、という印象です。オタクっぽい趣味や行動も評価され、一定の地位を得ている。研究室には個性の強い人も多数いましたが、皆それぞれが自分の研究分野に精を出し、認められていたと思います。■最近TVやラジオ、新聞などで見た・聞いた日本のニュースは何ですか?日韓関係のニュースは、あまり見ないようにしています。日本のスポーツ中継や報道番組、お笑い番組は面白いので、今でもYouTubeなどでチェックして楽しんで見ています。すこし古いですが、私が日本に留学していた頃は、久米宏さんのニュースステーションに衝撃を受けました。韓国にはあのような報道番組はありませんでしたから、「ニュースって、こんなに面白く放送できるものなんだ!」と非常に斬新でした。また、今は日本で活躍している韓国の野球選手の試合はいつも必ずチェックしていますね。特にソフトバンクの李大浩の活躍が気になりますね…って、すみません、全然最近のニュースではないですね。■ちなみに、今日のお昼ごはんは?今日は、出張先の大学でハンバーグ定食を食べました。普段は自分の大学の近くで同僚ととることが多いです。学生街ということもあって、食べるところには困りません。ランチの後は、必ずカフェでカプチーノを一杯飲むのが私の楽しみです。■休日の過ごし方を教えてください比較的、時間の自由の効く職業ではありますが、忙しい時は、土日や時間帯関係なく、韓国各地で会議などの重要な仕事が入ります。しかし、どんなに忙しくても1カ月に一回は、週末に時間をとって家族と過ごすようにしています。どうしても時間が取れない時は、出張先に家族を連れていくこともあります。体を動かすのが好きなので、ジムに通ったり、自然の中でキャンプをして過ごしたり、映画を見に行ったりもしますね。アウトドアは学生時代から好きで、日本でもテント一式を買ってキャンプに行っていました。日本には施設の整った良いキャンプ場がいっぱいあっていいですね。最近では韓国もアトドアブームで、いろんなキャンプ場が整備されてきたので、楽しみです。■将来の仕事や生活の展望は?日本の大学との共同研究を増やして、妻のためにも韓国と日本を行き来できる生活をしたいです。
2015年08月05日シンガポール屈指の歴史的建造物に、プロジェクションマッピングが映し出されるパフォーマンスが圧巻の「Singapore Night Festival(シンガポール ナイト フェスティバル)」。シンガポール独立50周年を記念したスペシャルバージョンで2015年8月21日、22日、28日、29日の夜7時から深夜2時まで開催予定だ。Images courtesy of the National Museum of Singapore閑静な文化地区が熱狂に変わる瞬間を目撃シンガポールナイトフェスティバルの舞台の中心は、ブラスバサ駅やシティホール駅、ブギス駅近辺に立ち並ぶ美術館や博物館。シンガポール国立博物館やプラナカンミュージアムなど、芸術文化の集まるこの地区は、昼間は閑静な観光スポット。その歴史的建造物が夜7時を迎えると一変!歌やダンス、そしてプロジェクションマッピングなどの光のパフォーマンスが、音楽と共に真夏の夜に繰り広げられる。ローカル、また世界中の才能が集結し、最新技術を駆使したパフォーマンスが惜しげもなく披露され、会場は見たこともない盛り上がりに。静かな街が熱狂に包まれる瞬間を目撃しよう!Images courtesy of the National Museum of Singapore会場は多数!見どころを見逃さないポイントは?この期間、あらゆる会場で様々なイベントが行われる。街路樹までスクリーンに変身!?ハイライトを見逃さないためにも、公式Facebookページをチェックしよう。また、早めに会場ガイドを手に入れて、見たいスポットを効率よく周る計画を立てるのが吉。2015年はフリーマーケットや屋台村、バンド演奏や映画上映まで、観光客も楽しめるイベントも多数予定されている。また、この期間、舞台となるミュージアムが無料で開放されるのも嬉しいポイント。昼間とは表情を変える夜の街並みを巡れば、普段の観光地を2倍楽しめる。いつもとは一味違った特別な夜を体感しよう!© Singapore Night Festival※詳しいスケジュールは公式Facebookページにて随時発表予定
2015年07月23日5人の建築家で結成されたグループ「家をつくろう会議」は、現代の建築家が共同設計した「サザエさんの家」の模型や、建築家との家づくりの実際を一般の人向けにわかりやすく展示した「家をつくろう展4」を開催する。会期は7月3日~5日 10:00~18:00(初日のみ13:00~)。会場は東京都・文京区の文京シビックセンター内、ギャラリーシビック展示室1B。入場無料。同展の目玉となるのは、「もしもサザエさん一家から家の建て替えを依頼されたら、現代の建築家はどんな家を建てるのか?」をテーマに、5人の建築家が共同設計した「サザエさんの家」の1/20の模型。設計にあたっては、"サザエさんの町"として知られる東京都世田谷区桜新町の街並みを5人のメンバーが視察し、議論を重ねながらひとつの家のプランをつくっていったという。サザエさんの家の象徴である「縁側とちゃぶ台」を現代建築に蘇らせ、ユニークで夢のある家に仕上がっているという。また、会場には土地探しから完成までの家づくりの流れとともに、実際に使われる模型や図面が展示され、建築家と家を作るプロセスが疑似体験できる構成となっている。なお、当日はアンケートに答えると、家をつくろう会議の本「新しい住宅デザイン図鑑」が抽選で30人に進呈されるということだ。なお、「家をつくろう会議」は、石井秀樹、杉浦充、都留理子、長谷部勉、村田淳の5人の建築家が集まって結成されたグループ。イベントなどを通じて、建築家との家づくりの実際とその魅力を伝える広報活動を行っている。
2015年06月30日ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)が、日本モダニズム建築の継承と関心を高めるプロジェクトの第2弾を開始する。同プロジェクトは、ホテルオークラ東京の本館建て替えが発表され、ブランドのクリエイティブ・ディレクターを務めるトーマス・マイヤーがモダニズム建築を象徴する建造物の存続の危機を知ったことをきっかけに、昨年11月に始動したもの。第1弾では、ライフスタイルマガジン『カーサ ブルータス(CASA BRUTUS)』の日本のモダニズム建築特集号でコラボレーションを行った他、金沢21世紀美術館で解体の危機にさらされている様々な建物について語り合うシンポジウムを開催した。第2弾となる今回は、公式サイトにてモダニズム建築の流れを汲む現存する建造物の中で最高傑作のひとつとされているホテルオークラ東京の特設ページを開設。建築や美術、デザイン業界を始めとする様々な分野から集まった同ホテルのファンからのビデオメッセージを公開しており、建築家の森俊子やデザイナーのマーク・ニューソン、現代美術家の杉本博司などが、ホテルオークラ東京というモダニズム建築の至宝を賞賛している。また、第1弾から続くソーシャルメディア活動「#MyMomentAtOkura」プロジェクトを拡大。同プロジェクトは、ホテルオークラ東京の本館を思い思いに撮影し、写真にハッシュタグ「#MyMomentAtOkura」を付けて自身のインスタグラムのアカウントでシェアするというもの。今後は、投稿写真の中から選ばれた作品をユニークなイラストに描きかえるという新たな試みも実施される予定だ。
2015年06月22日兵庫の景観形成重要建造物に指定されている歴史的洋館「芦屋モノリス 旧逓信省芦屋別館」(兵庫県芦屋市大桝町5-23)の屋上を一般開放し、6月5日から9月27日まで期間限定でビアガーデン「アジアン ビア(ASIAN BEER)」がオープンする。今年で4回目を迎える同企画は、オイルランプを灯した幻想的でロマンチックな空間演出により、ワンランク上の上質な時間を楽しめる“大人のビアガーデン”として毎年人気を博している。今回、一般公開される屋上にはゆったりとしたソファ20席とテーブル80席が設けられている。フードは、タイやベトナムなど夏向けのスパイシーな8品のアジアンフードを中心とした約15種類のビュッフェ料理と、シェフ自ら炭火で焼いて提供される8種類の肉とグリル料理が食べ放題となる。同じく飲み放題となるドリンクには、ビール、ソフトドリンクはもちろん、赤白のワイン、ウイスキーや焼酎、サワー、カシスやカンパリなどリキュールを使ったカクテルなど豊富に楽しめ、女性にも嬉しい内容となっている。価格は食べ放題と飲み放題を入れて2時間制で税込5,000円だ。
2015年06月03日オートデスクは5月25日、建築業界向けパッケージ「Autodesk Revit Collaboration Suite 2016」を6月1日に発売すると発表した。「Autodesk Revit Collaboration Suite 2016」は建設業界におけるBIMワークフローに対応した設計業務をプロジェクトチームで効率的に運用するためのパッケージとなっており、BIMアプリケーション「Autodesk Revit 2016」、汎用2D/3Dアプリケーション「Autodesk AutoCAD 2016」、クラウドベースのコラボレーションサービス「Autodesk A360 Team」が同梱されている。また、ライセンス体系は使用期間を選択できる「Desktop Subscriptin」で提供される。価格(税別)は1カ月で4万8000円(同社オンラインストアのみの販売)、3カ月で14万3000円、1年で38万2000円、2年で76万4000円、3年で114万6000円となっている。
2015年05月25日斬新すぎる建築の数々を設計してきた建築家・藤本壮介さんの展示「未来の未来」がTOTOギャラリー・間で開催されている。 *** 藤本さんは、393もの応募案が出た青森県立美術館の設計コンペに無名の個人ながら応募。2位を獲得し異例のデビューを飾った。以後、住宅からタワーまでジャンルを問わず制作。今や日本を代表する建築家の一人に。 本展では、数々のプロジェクトから100以上の模型を展示。パッと見て面白いのはもちろん、藤本さんが「未来の種」と呼ぶ、革新的な建築の姿が見えてくるはず。 ◇information TOTOギャラリー・間東京都港区南青山1-24-3TOTO乃木坂ビル3F公開中~6月13日(土)11:00~18:00月曜休TEL:03・3402・1010入場無料 (C)SFA+NLA+OXO+RSI (C)Iwan Baan ※『anan』2015年5月20日号より
2015年05月19日オートデスクは5月7日、建築・土木インフラ業界向けBIM/CIMアプリケーションパッケージの新バージョン「Autodesk Building Design Suite 2016」と「Autodesk Infrastructure Design Suite 2016」を5月15日より発売すると発表した。これら2種類のパッケージは、建築・土木業界の幅広い業務ワークフローにBIM/CIMを適用しながら、企画、設計、施工、維持管理を効率的に行えるよう支援するパッケージとなっているという。また、同社のクラウドサービス「Autodesk A360」を必要に応じて組み合わることで、チームコラボレーションやシミュレーションなどの機能を利用でき、時間や場所、端末の種類を気にせずにプロジェクトに参加することができるようになる。
2015年05月08日ファッションウィーク東京2015の一環として、3月19日から22日まで「アドレッシング(AD- DRESSING):ファッションと建築における対話」が開催される。会場はライト ボックス スタジオ青山。同イベントはオーストリアの新鋭ファッションブランドを広くアピールすることを目的としたもの。会場では彼らの15SSコレクションや、15-16AWコレクションが展示される。更に、“形と機能とのアンビバレントな関係は、形そのものが機能となる方向へと変化したのか?”“現在のデザインでは、機能に添った形を創りだすのではなく、形そのものが機能によって決定されると言えるか?”などをテーマでディスカッションを行い、応用美術領域でのファッションと建築について言及していく。イベントに参加するのは全部で10ブランド。ウィメンズからは女性ファッションとアクセサリーを中心に、文化的多様性やステレオタイプを含んだハイブリッドな作品を展開する「ブラダリッチ・オーマエ(BRADARIC OHMAE)」や、“ガールス”と“レディース”の融合を打ち出す「メシット(MESHIT)」などが登場。「ディーエムエムジェイケイ(DMMJK)」は、繊細な材質とサブカルチャー、カモフラージュを融合させたカッティングが特徴のアイテムを展開。「ネイチャース オブ コンフリクト(NATURES OF CONFLICT)」は、デザインの全体と部分の構成を新たに定義することで、変則的なデザインを生み出している。その他、アクセサリーやバッグのブランドからは、「エヴァ ブルート(EVA BLUT)」や、デザイナー自らがハンドメイドしたアクセサリーをメインに扱う「ウェルクプルンク(WERKPRUNK)」、「モト・ジャリー(MOTO DJALI)」、「ゴン(GON)」、「ハウス オブ ザ ヴェリー アイランズ…(HOUSE OF THE VERY ISLAND‘S...)」、「サイト・ライン(SIGHT LINE)」などのブランドからも、最新のアイテムが展開される。20日には特別ゲストとしてファッションデザイナーのエドヴィナ・ヘアル(EDWINA HORL)とまとふ(matohu)のデザイナー等を招き、トークイベント「ファッションにおける対談」を開催。一方、21日には個人家屋をはじめ、コミュニティープロジェクトやディスプレイ、家具デザインも手掛ける安部良などによる「建築における対談」が行われる。【イベント情報】アドレッシング:ファッションと建築における対話会場:ライト ボックス スタジオ青山住所:東京都港区南青山5-16-7会期:3月19日から22日まで時間:12:00から19:00(19日は16:00から)
2015年03月18日京都の歴史的建造物や近現代建築を会場とする「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2015」が開催される。期間は4月18日から5月10日まで。今年の写真祭では全15ヶ所の会場に、9ヶ国14組の作家が作品を出展。「TRIBE:あなたはどこにいるのか?」をテーマに、様々な“TRIBE(部族)=集団”の発見を目的とした写真が展開される。そこには、先住民文化や歴史のみならず、現代ポップカルチャーなどの思想や文化などあらゆる視点が用いられ、写真を通して自分の立ち位置を再認識しようという試みだ。期間中には20世紀を代表する写真家マルク・リブーの未発表作品をフィーチャーした「Alaska展」が、老舗帯問屋「誉田屋源兵衛 黒蔵」を巡回。更に、幕末の武士を写した肖像写真などフランス国立ギメ東洋美術館のアーカイブが、「虎屋」の京都ギャラリーで一般向けでは初めて公開される。また、日本初となる展示では、ジャズの名門ブルーノート・レコードの撮影を手掛けた、フランシス・ウルフのプリントがニューヨークから初上陸。文化財にも登録された伝統的町屋「嶋臺ギャラリー」に展示される。また、人種差別や貧困テーマとする南アフリカのロジャー・バレンも、代表作「OUTLAND」シリーズの最新映像を、コム デ ギャルソン京都店で放映。更に、新作45点を加えた写真集が世界で初めて披露される。一方、日本人ではパリを拠点に活動するヨシダキミコが、グッチ(GUCCI)の支援によって今回日本では初となる作品展を開催。重要文化財に指定された杉本家住宅に、彼女のセルフポートレートが並べられる。ドライブ感溢れるスナップを撮る山谷佑介も、作品を出品する予定だ。なお、写真祭の期間中には京都府内にある35ヶ所の画廊やカフェなどで、サテライトイベント「ケージープラス(KG+)」を開催。若手を中心とした50人のアーティストによる作品が公開される。その他、ニューヨークの写真専門施設「ICP」による連続講座や、写真界の専門家による一般参加者のポートフォリオレビュー、ブルーノートレコードによる音楽イベントなどの催しも行われ、23日間にかけて京都をアーティスティックな街へと変貌させる。
2015年02月06日●建築家としての板坂氏が考える「残るデザイン」とは?UX(ユーザーエクスペリエンス)やUI(ユーザーインタフェース)のデザインやソフトウェアの企画・開発などを事業とするZEPPELIN(ツェッペリン)は、毎回迎えるゲストの専門分野やデザイン/UXとの関わりなどを、同社代表の鳥越康平氏と語るトークセッション「ZEP NIGHT」を不定期で開催している。ここでは、去る1月30日に開催された、建築家・プロダクトデザイナー板坂諭氏(the design labo代表取締役)をゲストに迎え、「残るデザイン」をテーマに語った「ZEP NIGHT vol.4」の模様をレポートする。○「魂に響く体験」をデザインする「ZEP NIGHT vol.4」は、ZEPPELIN代表取締役社長・鳥越康平氏の挨拶で幕を開けた。同社は、NTTドコモの「しゃべってコンシェル」をはじめとする、数々の美しいUIやUXのデザインを世に送り出してきた企業だ。冒頭に鳥越氏は「便利さや豊かさは確かに重要」だとしながらも、「われわれZEPPELINのテーマは、"美しさ"を追い求めること」と説明。高速道路を例に「日本中を張り巡らせている高速道路は確かに早くて便利だが、今後もわれわれはそんな豊かさや便利さを追い求めていくのか。それでわれわれの今後の幸せは来るのか」といった疑問を投げかけた上で、「"美しさ"を追求することで世界を変えたい」と強調した。同社が考える"美しさ"とは、見た目がキレイというものではなく、「魂に響く体験をデザインする」ことだという。一般道を走っているときに鳥越氏が出くわした、見渡す限りに広がる美しい小麦畑の写真をスクリーンに映し出し、小麦が風に揺れるシーンに感動した様子を伝え、「まさに魂に響く体験だった」と振り返りながら、「こんな体験をデザインしていきたい」と同社の方向性を伝えた。○「建築」も「UX/UI」もデザインの考え方は共通続いて、今回のゲストである板坂諭氏と鳥越氏との対話形式によるトークセッションへと移行した。板坂氏は、サンフランシスコ近代美術館(SFMOMA)のパーマネントコレクションとして収蔵されている、核兵器撤廃を願うメッセージの込められたランプ「Mushroom Lamp(マッシュルームランプ)」を手がけるなど、建築や家具などを題材としてそのものに込めたメッセージをもとに生まれる二次的なコミュニケーションをデザインすることを得意とする建築家であり、プロダクトデザイナーだ。最初に鳥越氏は、今回の「ZEP NIGHT」に板坂氏をゲストとして招いた理由として「"建築"と"UX/UI"は全く異なるものであると思われがちだが、"デザイン"という軸で考えれば、手法や技術の違いはあれどデザインの考え方においては共通項が多い」と説明し、「建築家の方と話をするとデザインの勉強になるし、とても参考になる」と語った。●"千年残る建築"とは?○建築家として板坂氏が考える「残るデザイン」続いて、板坂氏がこれまでに手がけてきた仕事などを簡単に紹介したのち、今回のトークセッションのテーマである「残るデザイン」についての話となった。同氏は「聖路加には古くて良い住宅が残っているが、先日お気に入りの古民家が解体されてしまった。材料もぜいたくだが、銀座から徒歩圏内にそんな住宅が残っていることがとてもぜいたくだ」としながらも、建築知識が浸透していない人たちによってそれが壊されてしまうことに衝撃を受け、「できればリノベーションして、海外のゲストを迎えたりしたかった」と惜しんだ。小学生の頃から建築に興味を抱いていたという板坂氏が「残るデザイン」に興味を抱いたのは、スペインの"サグラダファミリア教会"が、専任建築家であるアントニ・ガウディが死去して100年経つにも関わらず、なお建築が続いていることをテレビ番組で観たことがきっかけだという。その時に「残ること」の大切さを感じるとともに「建築ならそれを実現できる」と感じたという。続いて、「進化」と「残る」とではどちらが大切かというテーマでは、「コレクションは残るものとして好きだが、進化して残る方が好き」だとし、「建築は進化するもので、完成したら終わりというものではなく、夏は鉄が延びるし冬はガラスが割れたりするように、建築も"新陳代謝"させていくことが必要だ」と述べた。また、これまで手がけてきたプロダクトに関しては、「使ってくれる人とコミュニケーションをするために作っている」とし、それぞれの作品にメッセージが込められていることを明かした。鳥越氏は板坂氏が手がけた「マッシュルームランプ」について、「この作品が作られたのは震災前であり、民衆の意識の中に原発というものが今ほどなかった時期でありながらも、板坂さんはそこに意識を向けた」と説明。さらに、「ブランドは、精神が込められているとその価値があがる」と述べ、「デザインには精神を注入するのが重要で、形状や生産性ばかりを主目的にすると間違った方向に進んでしまう。建築であろうと机であろうと椅子であろうと"精神を注入する"ことが必要だ」と強調した。ここで言う「精神」とは、具体的には「おもてなし」を指しているとし、「使う人の気持ちになって考えることであり、UI/UXはまさにそれかもしれません」と語った。○百年残る建築は「ザハ」、千年残るのは「伊勢神宮」続いて、一般参加者からの質問コーナーにシフトした。「"千年残る建築"と"百年残る建築"の違いは何か?」という質問に対し板坂氏は「私が思う美しいデザインとは"自然"と"思いやり"のふたつ」だと前置きした上で、"百年残る建築"は「人間が頑張ってまねた自然のデザインで建築で言えば"ザハ・ハディド"」と回答した。一方の"千年残る建築"については「神様に対する思いが形となった"伊勢神宮"」とし、「ザハの建築は千年は残らないと思う」と述べた。ふたつ目の質問として「"進化"と"残る"はどちらが幸せか?」を取り上げ、「"進化"に興味がある」と即答。「"進化"も残っているから進化するのであって"残る"に含まれるが、どちらかを選ぶのなら"進化"です。人の体も変わっているのは進化が影響しているし、進化しつつ残るほうに興味があります」と答えた。ただし、これは建築における考えで、プロダクトに関しては「残る」ほうに重きを置いているという。また、「気になっている建築スポット」についての質問には、「建築家のフランク・ゲーリーが作ったフランスの新しい美術館」だという。ここはルイ・ヴィトンファウンデーションがコレクションしているアイテムが展示される美術館とのことだが、板坂氏が惹かれた理由として挙げたのが、「パッと見て理解できない」、「図面化できない」、「見る角度で全然違う」、「色んな線が重なって絵にできない」ことだという。航空機の設計技術やCADが建築にも取り入れられたことで線が自由になったとし、これを活用してるのがフランク・ゲーリーだという。さらに、「自分から手をあげても作ってみたいもの」については「多くの建築家が終着点と目指している"美術館"」と回答するなど、いくつかの質問に対し建築家ならではの視点で答え、トークセッションの幕を閉じた。なお、板坂氏は1978年生まれ。大学卒業後、設計事務所にて建築の作り方を徹底的に学ぶ。2010年にデザインユニット「h220430」を立ち上げ、社会へのメッセージを込めたデザイン活動を開始し、2012年に「the design labo(ザ デザインラボ)」を設立。2011年に中国メディア主催のMedia Awardで「Annual Original Products Design Award」、2012年に「Mushroom Lamp」が米国サンフランシスコMOMAのパーマネントコレクションとして収蔵。2013年にはイタリアの「A’Design Award」において「Baby,Kids and Children’s Products Design Category銀賞」を受賞するなど、日本のみならず海外でも高い評価を獲得。2014年には、4月に開催されたミラノサローネでは新作プロダクト「Balloon Chair」を出展したほか、同年8月にはこれまで手掛けてきたプロダクトデザインの作品集「New Made In Japan The works of h220430」を出版するなど、海外を中心に幅広く活動している。
2015年02月02日インテリア産業協会は、平成26年度「住まいのインテリアコーディネーションコンテスト」の結果を発表した。○時代性を取り込んだコーディネーションを表彰同協会はインテリアコーディネーターの技能の向上、トータルインテリアの普及促進を目的に活動中。「住まいのインテリアコーディネーションコンテスト」はその一環で、ライフスタイルの洞察にあふれ、時代性を上手に取り込んだインテリアコーディネーションを表彰するというもの。評価基準は「課題に即した提案力」「居住性」「独創性」「機能性」「審美性」「表現力」の6点で、審査員6名とオブザーバーが選定を行った。○大臣賞は歴史ある純和風建築に事例部門 経済産業大臣賞を受賞したのは、広島県 クラージュプラスの「三原の家~茶室のある離れ~」。同物件は依頼主の曽祖父が庭を見るために「母屋に隣接する離れ」として建てられた、築80年以上の純和風建築で、リフォーム時の要望は「一部茶室を取り入れ、リビング的に活用したい」。改装後は天井を高くし広緑と一体化した部屋とし、組み障子越しに庭が見える造りに。北欧の巨匠「ウェグナー」「モーエンセン」の椅子が美しく調和する家となったとのこと。
2015年01月26日トッズ(TOD’S)が15SSメンズコレクションの広告キャンペーンを公開した。ロケ場所は建築家であるフィリップ・ジョンソン(Philip C. Johnson)の代表作「ガラスの家」。「ガラスの家」は49年にフィリップ・ジョンソンにより建てられた、世界的にも有名な建築物。そのコンセプトは建築における実体験を概念化することで、“見られている”“見えている”という事象を、“見られていない”“見えない”という関係へと転換。ガラスと鉄を用いた建築物は、建築における可能性という概念そのものを問う作品となっている。トッズは今回の広告撮影を記念して、ミラノのヴィラ・ネッキの庭園に「ガラスの家」を再現。その際にフィーチャーしたのが、トッズのアイコンシューズ「ゴンミーニ」の進化型である「シティスパイダー」だ。象徴的なペブルのパターンに幾何学的要素が盛り込まれたソリッドなソールには、職人のクラフツマンシップとイタリアブランドの伝統が凝縮されている。1月18日にはこの場所で15-16AWコレクションの発表も行われた。なお、今回の広告撮影を第1章として、“イタリアンスタイルが世界を旅する”というコンセプトの新プロジェクト「イタリアントラベルダイアリー」がローンチされる。キャンペーンに先駆けて、フィリップ・ジョンソンが出演するティーザー動画も公開されている。
2015年01月22日○建築で対象となる3D点群の規模とその目的建築分野ではこうした建築物の3D点群データ化において、「設計」「工事中(施工)」「完成後の保守(補修工事)」「リフォーム」などの各作業段階において、それぞれ個別のメリットが存在します。撮影対象の規模としては、大きく複雑な建築物(所謂ゼネコンが請け負うような、高層ビルやプラント、橋やトンネルなど)に対して、3D点群スキャンの活用が行われることが多いです。その理由ですが、高精度で広範囲を3DスキャンできるLIDAR式スキャナーは、ゼネコンや重工業会社に土木系の測量会社など、この目的に沿った大企業でないとすぐには購入できないような高額な製品であることが普通だからです。そもそも、高精度な計測器とは、使用する人も少ないので、高額であるのが普通ですが(ちなみに筆者の前職の東陽テクニカは計測器の会社でした)。また、広範囲の3Dスキャンが活きるのは大きく複雑な建築物です。複雑な建築物ほど、設計通りのものを現場で作れているかを施工中になるべく小さなコストで確認していきたいので、3D点群データ取得して、デジタルに自動化していくことや、建築中の各途中段階で(例えば鉄骨のみの状態で)データとしてアーカイブしてゆくことが活きてきます。もちろん戸建てを建てる程度の施工でも、デジタル化して3D形状を保存することは当然メリットがありますが、戸建てを建てる程度の工事規模では、配管や、寸法のチェックなどは、人数さえかければ直接できますので、高価格のスキャナーが活きる規模ではないと言えます(注:今後、高精度もしくは中くらいの精度の広範囲3Dスキャンが低価格化してくると、規模が少ない(予算が多くない)工事でも、3D点群化の応用が伸びる可能性はあります。本連載の"第66回"で紹介したMatterportも、この低価格化を狙うものと言えます)。こうしたスキャナーで3D計測すれば、建築物の構造や寸法(各点のカラーも取れるので色合いも)をデジタルに保存することができるますので、設計図が3D CADで作成してある建築物であるものであれば、その設計図の3D CADデータとの(形状同士の)比較がそのままできます。画像での処理とは違い、点群は実スケールそのものでデータを取得できるので、なおさらこういった設計図と実際の建築物の比較が容易です。当然ながら部分的な寸法を測りたい場合も、その場で実物の長さや幅などの寸法を測るわけではなく、複雑な形をした対象でも、その形のままの形状をデジタル的にとらえていくことが可能です(この話はKinectなどの安価なデプスセンサーでも同様の話です)。点群データは対象のボリュームや形そのものを撮影できているので、丸いものでもそのままの形をデータ化して、その体積を計算することも可能です。また、撮影した3D点群をメッシュデータ化できるソフトウェアを活用すれば、スキャンしたデータから綺麗な3D CADデータを(半自動的もしくは自動的に)作成し、その3D化された街並みや環境の中を仮想的に探索することができますし、一方で、メッシュ化したデータを3Dプリンタで出力して模型の代わりに使用することもできます (注:綺麗な欠けの無いメッシュデータを点群から自動で作ることがいつもできるとは限りません。複雑な形状の場合は特にですが、3Dプリントするためにはメッシュ化して以降も手作業でプリントできる形状にまで編集する必要も発生します)。これらのソフトウェア的な処理による活用については、3Dスキャン技術の導入紹介が一通り済んで以降紹介していきます。林 昌希(はやし まさき)慶應義塾大学大学院 理工学研究科、博士課程。チームスポーツ映像解析プロジェクトにおいて、動画からの選手の姿勢の推定、およびその姿勢情報を用いた選手の行動認識の研究に取り組み中。(所属研究室が得意とする)コンピュータビジョン技術によって、人間の振る舞いや属性を機械学習・パターン認識により計算機で理解する「ヒューマンセンシング技術」全般に明るい。技術商社でエンジニアをしていたこともあり、海外のIT事情にも詳しい一方、デプスセンサ等で撮影した実世界の3D点群データの活用を推進するための「Point Cloud コンソーシアム」での活動など、3Dコンピュータビジョンのビジネスでの普及にも力を入れている。また、有料メルマガ「DERiVE メルマガ 別館」では、コンピュータビジョン・機械学習の初~中級者のエンジニア向けの、他人と大きな差がつく情報やアイデアを発信中(メルマガでは、わかりやすい理論や使いどころの解説込みの、OpenCVの初心者向け連載なども展開中)。翻訳書に「コンピュータビジョン アルゴリズムと応用 (3章前半担当)」。
2015年01月20日前回で3D点群編の導入が終了しました。今回から、その最初の応用分野として、「建築」や「地図測量」系分野での3D点群の応用をとりあげます。建物や、街並み全体、山の地形、プラント、室内などを、工事・設計などの目的で3D点群化し、その後そのデータをさまざまな目的での解析に用いる話を紹介していきます。導入の「第80回」でも述べたように、3D点群編では、3D点群データそのものを計測・解析対象とするコンピュータビジョン(および関連する分野)での応用を紹介していきます(ちなみに、建築系の話の次は、マシンビジョン系の話を展開する予定です)。まず最初に、この分野ではどのような3Dスキャナを用いてどういった対象を3D撮影するかについて、およびその活用したい場面の全体像について、紹介していきます。その紹介が終わって以降は、建築や地図測量界隈では、撮影した広範囲の3D点群がどのような解析処理やソフトウェアを通じて活用されるのかを紹介していきます。これに関しては「点群処理」という枠組みなので建築関連の応用を本連載で取り上げていくものの、CADや物理シミュレーションなどの話も関連してくるので、コンピュータビジョン以外の話も多く関連した話をしていくことになります。また、点群のコンピュータビジョン的な処理アルゴリズム群(位置合わせや、フィルタリングなど)が、どのように活きるかについても、当然ながら紹介したいと思います。今後の点群編の各応用の紹介では、「ビジョン以外まで取り上げるのは拡大解釈だ」というよりは、「技術的分野の境界なんてあってないようなもの」と捉えていただけると幸いです。実際3D点群は、実世界の物や環境をそのまま3Dで捉えられるので、機械や車、ロボットにスマートフォンなどの「動けるもの」と密接に連携していくこととなります。○LIDARによる高精度な広域の建築物3Dスキャン建築分野では、「広い空間をまるごと3D点群スキャンしデータ化する」ことが点群データ活用の一番の目的です。その場の環境の3D形状を、まさに「3D地図」として取得し、その点群データを、デザイン、工事、補修や、地図作成の目的などで使用したい、というのが、建築や地図測量などは動機となります。また、土木よりになると、地形全体を3D化しておくと道路の設計計画や、土の掘削計画など、3D地形そのものをどう変化させていくかの設計を行う為の元データとして活用することもできます。こうした目的では「LIDAR方式のレーザーセンサー」がセンサーとしてよく用いられます。以下の動画は、解説の音声は英語なのですが、映像を見ていただくだけでも、LIDAR式センサーの計測方式と、取得できる点群データの様子が、視覚的にわかると思います(筆者が光学測量そのものの技術に強いわけではないので、LIDARの計測原理そのものの解説は割愛させていただきます)。LIDARではレーザーを対象に照射して反射したものを計測することで、誤差数mm程度の非常に精度の高い点群データを数10mの範囲で撮影することができます。1回の計測では1束のレーザー光線で、1点ずつ行うので、このレーザーを照射する角度をx,y,z方向に少しずつ(モーターなどで)回転させて何点も計測していくことにより、最終的に周囲全体の3D点群化がなされます(この後紹介するFAROの動画に、そのレーザーを回転させるイメージがあります)。また隣のカメラでRGB画像を同時に撮影しておくことで、色つきの点群としてもデータ化することができます(注:LIDARによる3D計測にはカメラや画像を使用していないので、コンピュータビジョンの範疇外の技術ですが、撮影した点群の処理はコンピュータビジョンの対象ではあります。のちにソナーでの撮影の話もしますが、広範囲の3D点群データは、カメラベース以外の技術で取得するセンサーの種類も多いのが特徴です)。また、以下の動画は、そのような大規模のプラントや建築物に対して広範囲の3Dスキャンを行う製品の代表例である、「FARO」社の3Dスキャナの動画です。3D計測点群+画像撮影したカラーデータにより、広範囲の3D点群が3D地図のように手に入ります。各場所で個別に撮影された点群は、それぞれの空間的関係性がないのですが、ソフトウェア上で「レジストレーション(位置合わせ)」という処理を適用することで、それらの点群をひとつのものとして位置合わせされた綺麗な点群にすることができます(こちらの動画の後半にレジストレーショの話があります)。以降、この位置合わせ済みの点群を単純に保存しておいて閲覧したり、寸法をソフトウェア上で測ったり、解析を行ったりしていきます。位置合わせのような後処理を行っていることでもわかるように、今紹介している広い環境の3Dスキャンは(後処理にやや時間がかかろうとも)精度や密度の高い3Dマップをきちんと計測する性質や目的のものです。(後ほど、リアルタイムで周辺3D計測を行うLIDARセンサーについても触れます)。林 昌希(はやし まさき)慶應義塾大学大学院 理工学研究科、博士課程。チームスポーツ映像解析プロジェクトにおいて、動画からの選手の姿勢の推定、およびその姿勢情報を用いた選手の行動認識の研究に取り組み中。(所属研究室が得意とする)コンピュータビジョン技術によって、人間の振る舞いや属性を機械学習・パターン認識により計算機で理解する「ヒューマンセンシング技術」全般に明るい。技術商社でエンジニアをしていたこともあり、海外のIT事情にも詳しい一方、デプスセンサ等で撮影した実世界の3D点群データの活用を推進するための「Point Cloud コンソーシアム」での活動など、3Dコンピュータビジョンのビジネスでの普及にも力を入れている。また、有料メルマガ「DERiVE メルマガ 別館」では、コンピュータビジョン・機械学習の初~中級者のエンジニア向けの、他人と大きな差がつく情報やアイデアを発信中(メルマガでは、わかりやすい理論や使いどころの解説込みの、OpenCVの初心者向け連載なども展開中)。翻訳書に「コンピュータビジョン アルゴリズムと応用 (3章前半担当)」。
2014年12月24日富士通システムズ・ウエストと四電工は12月18日、建築設備CAD「CADEWAシリーズ」の新バージョンとして「FUJITSU 製造業ソリューション 建築設備CAD CADEWA Real 2015 (建築設備CAD CADEWA Real 2015)」を2015年2月12日から販売開始すると発表した。新バージョンでは、鋼材の種類や機能を追加するとともに、吊りや支持が正しくできているか確認するチェック機能などが追加された。さらに、3次元CGの表現力を強化したことで、より立体感のある分かりやすいイメージを共有でき、円滑な意思疎通に貢献する。また、ユニコード化による多言語入出力を可能とし、データ連携やマスタ編集などの基本機能も強化された。なお、「建築設備CAD CADEWA Real 2015」には電気、空調・衛星、総合、LT電気、LT空調・衛星、LT総合の6種類あり、全種類オープン価格での販売となる。
2014年12月18日「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」が、日本のモダニズム建築の傑作であり、建て替えが迫るホテルオークラ東京と共に、SNSを使った新プロジェクト「#MyMomentAtOkura」をスタートした。現在の姿のホテルオークラ東京で過ごすひとときを、ソーシャルメディアを通じて広く共有するという内容。参加方法は至ってシンプルで、ホテルオークラ東京の本館を訪ね、思い思いに写真を撮影し、投稿と写真にハッシュタグ「#MyMomentAtOkura」を追加して自身のインスタグラムのアカウントでシェアすることで完了する。写真は以前に訪問した際に撮影したものでも可能。1962年に開業したホテルオークラ東京は、日本のモダニズム建築を代表する建造物として高く評価されてきた。しかし現在、来年予定される建て替えのために、その文化遺産としての継承が危ぶまれている。ボッテガ・ヴェネタは、次の世代に文化遺産を託し、伝統に由来する技術と創造性を守るというブランド哲学に従い、消滅の危機に瀕する日本のモダニズム建築への関心を高めるための活動を行ってきた。クリエーティブディレクターのトーマス・マイヤー(Tomas Maier)の、日本のモダニズム建築とホテルオークラ東京の長年のファンであり、本プロジェクトを通じてその文化的価値を再考するよう呼びかけたいとしている。
2014年12月15日JRの目黒駅、東京メトロの白金台駅から、徒歩数分という都心にありながら、鬱蒼とした緑に囲まれた東京都庭園美術館。3年間という改修期間を経て本館が修復され、広々としたモダンな新館も増設。11月22日、リニューアルオープンしたので訪ねてみました。もともとは、朝香宮邸として1933年に建てられた建物。戦後の一時期は、外相公邸、迎賓館などに使用され、1983年、美術館として一般公開されるように。アール・デコ様式を現代に伝え、ヨーロッパの装飾美術に日本独自の感性を加えた歴史的建造物としての佇まいも、庭園の美しさとともに魅力のひとつになっています。二つの展覧会が同時開催。ゴージャスなリニューアルオープン記念12月25日まで、美術館の建物内部が公開され、通常の展覧会中は展示しない家具やオリジナルの壁紙、デザインにかかわったフランス人室内装飾家 アンリ・ラパンや、ガラス工芸家 ルネ・ラリックの作品も展覧できる「アーキテクツ/1933/Shirokane アール・デコの様式を見る」展と、彫刻家の「内藤礼 信の感情」展を同時に開催しています。内藤さんらしい静かで優しい木の彫刻「ひと」が点在している本館。小さい「ひと」なので、まるで個人宅の居間や窓辺に置かれているかのようなさりげない風景ですが、気づいた瞬間、ハッとします。10点ほど設置されているそうですが、全部気づけるかな?ガラスのアプローチが現代的な新館は、天上が高く、大型作品も楽々展示できる白い箱のような空間。こちらのギャラリー1にも内藤礼の違う作品が。本館と新館を連動させ、庭園美術館の個性を活かした展覧会を、これから年に4、5本、開催していくとか。歴史的名所でのサロンコンサートは貴重な味わいリニューアル前から人気があった、旧朝香宮邸の大広間など庭園美術館ならではの特別な空間で、一流の演奏が堪能できるコンサートも定期的に開かれます。12月20日(土)、本館大広間で藤原真理チェロ・リサイタル(この回はチケットは完売)、2015年2月13日(金)、新館ギャラリー2で松本蘭ヴァイオリン・リサイタルが、開催予定。ここでしか味わえない至福のひとときを満喫してください。「庭園美術館へようこそ 旧朝香宮邸をめぐる6つの物語」出版リニューアルを記念して、作家の朝吹真理子さん、漫画家の小林エリカさん、お菓子研究家の福田里香さん、サウンドアーティストのmamoruさんによるエッセイ、漫画家のほしよりこさんの漫画、音楽家の阿部海太郎さんの作曲作品、朝香宮家にまつわるコラムなどで重奏的に編まれた書籍が、河出書房新社から出版されました。写真も美しいです。阿部さんが作曲した「ピアノのための小組曲《三つの装飾》」の楽譜が載っているのには驚きました。組曲はそれぞれ「香水塔」「モザイク模様の昼下がり」「楕円形の食卓」とタイトルがついており、すべて旧朝香宮邸にまつわるものばかり。弾いてみると、フランスで学んだ阿部さんらしい小粋で洒落た曲。書籍でも美術館が楽しめます。こんな魅力的な庭園美術館へ、この週末あたり、ぜひ訪れてみませんか?・ 東京都庭園美術館 ・ 「庭園美術館へようこそ」
2014年12月01日虎ノ門ヒルズでは、同施設の3層吹き抜けのアトリウム空間を建築家・谷尻誠氏らが幻想的な冬の雪空のイメージに演出するクリスマスプロモーション「TORANOMON HILLS WINTER 2014」を展開する。開催期間は11月28日~来年2月15日。今回の試みは、東京の新たなランドマークとなった虎ノ門ヒルズが、オープン以来初めて迎えるクリスマスをアーティスティックな空間に演出するプロモーションだ。3層吹き抜けのアトリウム中央には、SUPPOSE DESIGN OFFICE(サポーズデザインオフィス)を率いる建築家・谷尻誠と吉田愛が企画・デザインした、高さ10mの白い森のような神秘的な空間「ToranomonWhiteForest」が登場。その内側には同施設のキャラクター「トラのもん」と「鈴」が設置されるなど、記念撮影スポットとしても活用できるという。また、同施設2階のオープンスペース「オーバル広場」には、スペインを代表する世界的アーティスト、ジャウメ・プレンサによる高さ約10mの大型彫刻「ルーツ」も登場するという。同作品は、8つの言語の文字が膝をかかえて座る人間がかたどられ、多様な文化を越えた人間の平和的な共存を象徴しているという。夜間はライトアップによって昼間とは違った独特のシルエットが浮かび上がり、幻想的な雰囲気を醸し出すということだ。
2014年11月05日金沢21世紀美術館は開館10周年を記念し、“建築”をテーマとした二つの展覧会「ジャパン・アーキテクツ 1945-2010」「3.11以後の建築」を開催する。「ジャパン・アーキテクツ 1945-2010」は、日本建築について戦後から現在までにおける一連の流れを追ったもの。復興期に始まり、高度経済成長に伴うメタボリズム運動を経て、バブル崩壊と阪神淡路大震災以降には社会や自然との関係性に迫るようになった日本建築。その中で重要な役割を果たしてきた約80人の建築家にスポットを当てて、図面や模型など250点を超える資料が出展される。なお、今回の展示はポンピドゥー・センター パリ国立近代美術館との共同主催となっており、副館長のフレデリック・ミゲルーの下で会場を六つのセクションに区分。それぞれ「絶えざる破壊と再生、陰翳あるいは闇」「都市と国土のヴィジョン」「新しい日本建築」「メタボリズム、万博、新たなヴィジョン」「消去の建築」「消失から物語へ」についての展示が行われ、各コンセプトに対応した色のコードを用いて戦後建築史を刺激的に読み解いている。11月1日にはミゲルーによる講演会も開催予定だ。一方、「3.11以後の建築」は東日本大震災によって激変した社会の意識やシステムに対応し、新たな取り組みを始めた30人の建築家を紹介するもの。「みんなの家」「災害後に活動する」「エネルギーを考える」「使い手とつくる」「地域資源を見直す」「住まいをひらく」「建築家の役割を広げる」の七つのテーマで展示を行う。同展ではゲストキュレーターとして、建築批評家の五十嵐太郎、コミュニティーデザイナーの山崎亮を招聘。2日には両者の対談が行われる。なお、展示会に先駆けて、金沢市内では様々なプロジェクトが催された。日建設計ボランティア部では、金沢市沿岸部の大野地区で津波時の避難経路を示す“逃げ道地図”を作成。さらに、高度経済成長期に金沢に建てられたビルの魅力を探る「金沢まちビル調査」も開催されており、これらの結果は展示会にて発表される予定。他にも、市民ギャラリーの利用団体と建築家のコラボレーションにより、展示空間のデザインも行われた。【イベント情報】ジャパン・アーキテクツ 1945-20103.11以後の建築会場:金沢21世紀美術館住所:石川県金沢市広坂1-2-1会期:ジャパン・アーキテクツ 1945-2010/11月1日から3月15日3.11以後の建築/11月1日から5月10日時間:10:00から18:00(金・土曜日は20:00まで)入場料:一般1,000円大学生800円小中高生400円65歳以上800円(共通観覧券は一般1,700円大学生1,400円小中高生700円65歳以上1,400円)休館日:月曜日(11月3日、11月24日、1月12日は開館翌日閉館)、12月29日から1月1日
2014年10月28日「食品添加物」というと「カラダに悪い」などのネガティブなイメージがあります。しかし、具体的にどのようにカラダに悪いのかを説明できる人は少ないでしょう。では、食品添加物とは一体なんなのでしょうか?添加物を摂らない生活なんて不可能?食品添加物は食品を作るときに加工・保存する目的で使われるものです。厚生労働省では、安全性について基準を設けており、その基準をクリアしたもののみ使用を認めています。食べものを手軽に、安く、おいしく食べるために、食品添加物は必要であるとも言えるでしょう。決してカラダに良いわけではないですが、なかったら不便な面もあって困ります。だから、私たちが食品添加物について気をつけるべきなのは「摂りすぎていないかどうか」なのではないでしょうか。「聞いたことがない」ものが多い食品添加物加工された食品の表示ラベルを見ると、原材料名が書かれています。そこに「聞いたことないぞ」と思うものが先頭に書かれていたら、摂りすぎについて考えてみるべきでしょう。最初に表示されているものは、その食品に一番多く含まれているものです。料理に詳しくない人でも、料理酒やみりん、ゼラチン、ベーキングパウダーくらいは耳にしたことがあるでしょう。もちろん、そういったものは添加物ではありません。しかし、乳化剤、酸味料、リン酸など、耳慣れない表記があったら、それが添加物である可能性が高いと言えます。自然界にあるものは「腐る」のが当たり前「腐りにくい」「味が変化しない」ものは添加物が多く入っています。そういう食品は、賞味期限はたっぷりあるし、いつ食べてもおいしいもの。しかし、自然界にあるものはすぐに「腐っていく」のが当たり前です。以前、あるテレビ番組で加工食品のマーガリンを使ったマウス実験を見たことがあります。とてもおいしそうなマーガリンでしたが、ねずみは一切口をつけません。つまり、ねずみさえ口にしないマーガリンを、私たちは毎日のように口にしているのです。それって、ちょっと怖い気がしませんか?だからといって、「加工品はすべてNG」「私、飲み物は水しか飲まないから」「コンビニ弁当とか無理だから」なんていう、めんどくさい女にはなりたくない……。じゃあ、いったいどうすればいいのでしょうか?脱・添加物はマイボトルから自炊が好きな人なら、なおさら目指したい「脱・添加物生活」。それは、ちょっとした工夫で達成できるはずです。仕事に恋に忙しくしていると、外食続きになってしまうこともありますよね。そんなときは、食事の内容に気を配りつつ、手軽にできる健康法があります。たとえば「マイボトルを持ち歩く」というのはいかがでしょう?コンビニやスーパーで手に入るドリンクには、添加物が含まれているものが意外と多いです。そこで、ドリンクを手作りして持ち歩けば安全だし、経済的にも安上がりです。保温性の高いステンレスマグなら、6時間くらいは熱を持続できるので、外が寒くても体は温まります。ただ、冷たいものならなんでもいけるマイボトルも、温かい飲み物は長時間持ち歩くと「味が変化する」とも言われ、特に紅茶などは味が落ちてしまうこともあるようです。適しているのは、ほうじ茶や麦茶、ハーブティーやコーヒーなど。1回分のコストは、飲むものにもよりますが20円~50円程度です。まずは飲み物から「食品添加物」を意識した生活を始めてみては、いかがでしょうか。毎日口にするものだからこそ、ちょっと考えてみましょう!※参考: 厚生労働省Photo by Pinterest
2014年10月24日東京都・初台の東京オペラシティ アートギャラリーでは、現代の建築界を牽引する巨匠であり、世界的に注目を集める建築家、ザハ・ハディドの個展を開催する。開催期間は10月18日~12月23日、開場時間は11:00~19:00(金・土は20:00まで)。入場料は一般1,200円、大・高生1,000円、中学生以下は無料。同展は、ザハ・ハディドのこれまでの作品から現在の仕事までを紹介するもので、日本では初の大規模個展となる。前衛的すぎる設計によって計画が途中で中止となり、なかなか実作に恵まれなかった"アンビルトの時代"に精力的に描いたペインティングやドローイング、世界各地で建てられるようになった実作の設計、スケールを横断するプロダクトデザインなどを、展示空間全体を使ったダイナミックなインスタレーションとして展開する。これまで、「新国立競技場」の建築計画をめぐってさまざまな議論が沸き起こりつつも、設計者であるザハに関する情報は限られていた。今回の個展は、鑑賞者それぞれの視点でザハの建築を体験し、その思想に触れる機会となる。なお、ザハ・ハディドは1950年バグダッド生まれ、ロンドン在住の建築家。1980年に自身の事務所を設立。1983年、「ザ・ピーク」の国際コンペティションで勝利し、そのコンセプトとともにザハの名は一躍世界に知られることになるも、このプロジェクトをはじめ、ザハの設計は当時の施工技術や建築思考に収まらない前衛的な内容だったため、独立後10年以上にわたって実際に建てられることはなく、長らく「アンビルトの女王」(アンビルト=建設されない)の異名を与えられていた。1993年、「ヴィトラ社消防所」が初めての実現プロジェクトとなって以降は大規模なコンペティションで次々に勝利を重ね、かつ実際に建てられるようになった。そして、「新国立競技場」国際デザインコンクール最優秀賞に選出され、日本でもザハ作品の建設が実現する。
2014年09月19日「日本らしい建築物」と聞いて、皆さんなら何を思い浮かべますか? 日本人と、外国人ではイメージするものが違ってくるのでしょうか。今回は、日本在住の外国人20名に「"日本らしい建築物"と聞いてまっさきに思い浮かぶもの」を聞いてみました。■神社やお寺(イタリア人/36歳/女性)■temples and shrines!(イギリス人/36歳/女性)最も多かったのは「お寺」「神社」という回答でした。宗教的な建築物には、その国の思想や美意識、建築様式が最も特徴的に現れます。海外向けの観光ガイドブックでもお寺や神社の写真が表紙になることが多いので、その影響もあるかもしれませんね。■京都の五重塔(ブラジル人/54歳/女性)■金閣寺(シリア人/30歳/男性)神社仏閣の中でも、金閣寺や五重塔といった、特定の歴史的建造物の名前をあげる人もいました。数多くあるお寺の中でも、京都の金閣寺の印象は強いようです。■舗装されていない小道などにある、小さな神社は日本らしいと思います。(ブラジル人/54歳/女性)こちらは同じ神社でも、田舎道にぽつんと佇んでいるような趣のもの。観光地化されていない場所にこそ、本当の日本らしさを感じさせる建物がありますよね。■大阪城が日本らしいと思います。(ブラジル人/54歳/女性)■大阪城(韓国人/46歳/男性)かの豊臣秀吉により、建設が開始された大阪城。空に高くそびえる天守閣は、今も堂々とした姿で戦国時代のドラマを伝えています。日本といえば「サムライ」、という海外からのイメージにも呼応する建築物かもしれません。■合掌造り(スリランカ人/58歳/男性)「合掌造り」という単語を知っていることに驚きです!世界遺産に登録された白川郷などには、海外から観光に訪れる人も増えているようです。山あいに合掌造りの集落が点在している風景は、昔ばなしの世界のような美しさです。■京都にある長屋(ベトナム人/30歳/女性)■古民家。雰囲気が大好きです。(スウェーデン人/45歳/女性)宿泊施設やカフェとしてお洒落にリノベーションされるケースも増え、その魅力に改めて注目が集まっている古民家。ツヤのある木の縁側や、畳敷きの部屋、囲炉裏、ふすまや障子など、昔ながらの木造建築はまさに「日本らしい建築物」と呼べるものです。■茶室(ポーランド人/26歳/女性)「侘び・寂び」を軸とした日本ならではの美的感覚。その精神が凝縮された茶室を選ぶ人もいました。■浅草寺(スペイン人/36歳/男性)■東京タワー(インドネシア人/33歳/女性)東京に来た外国人が必ず訪れるといっていい「浅草」、そして東京のランドマークである「東京タワー」。このように、日本を象徴するシンボリックな場所を思い浮かべた人も。いかがでしょうか。外国人といっても日本に数年以上住んでいる方たちがアンケートの対象者ということもあり、「合掌造り」「長屋」「古民家」といった具体的なワード出てきたのが印象的でした。戦後の住生活の欧風化によって、現在では昔ながらの日本家屋は減少し、畳のある家も少なくなってきています。耐震性・耐火性といった点から普段の住まいを木造建築にすることは難しいという面もありますが、古くからの建物を修復・保存することで、その魅力が後世や海外の人たちにも伝わっていくといいですね。
2014年03月03日