『美女と野獣』のエマ・トンプソンと、『未来を花束にして』のブレンダン・グリーソンが、ペンと葉書だけを武器にヒトラー政権に抵抗した実在の夫婦を演じる『ヒトラーへの285枚の葉書』。このほど、その夫婦をとらえたポスタービジュアルが解禁、さらに彼らを追い詰める秘密国家警察(ゲシュタポ)の警部を演じた、ドイツを代表する実力派イケメン俳優ダニエル・ブリュールの場面写真も解禁となった。フランスがドイツに降伏した1940年6月、ベルリンの古めかしいアパートで暮らすオットー(ブレンダン・グリーソン)とアンナ(エマ・トンプソン)のクヴァンゲル夫妻のもとに1通の封書が届く。それは最愛のひとり息子ハンスが戦死したという残酷な知らせだった。心のよりどころを失った夫婦は悲しみのどん底に沈むが、ペンを握り締めたオットーは「総統は私の息子を殺した。あなたの息子も殺されるだろう」とヒトラーへの怒りをポストカードに記し、アンナとともにそれを街中にこっそりと置く、というささやかな活動を繰り返すようになる。だが、それをかぎつけたゲシュタポのエッシェリヒ警部(ダニエル・ブリュール)の捜査が夫婦に迫りつつあった――。イギリスを代表する名優2人が、ナチス政権に抵抗した平凡な労働者夫婦を演じる本作。監督を務めるのは、『インドシナ』(’92)で大女優カトリーヌ・ドヌーヴ、『王妃マルゴ』(’94)ではイザベル・アジャーニの相手役を務め、カルラ・ブルーニ(サルコジ前仏大統領の妻)らと浮名を流した90年代フランス映画界きってのフェロモン俳優、ヴァンサン・ペレーズ。フランスの美男俳優として知られたペレーズ監督の長編3作目となる。原作は、ドイツの小説家ハンス・ファラダが、わずか4週間足らずで書き上げたという600ページを越す大著「ベルリンに一人死す」。ドイツでは戦後すぐの1947年に出版されたが、ペレーズ監督は2007年に出版されたフランス語版で初めて読み、その内容に感銘を受けた。やがて映画化へと動き出すが、資金繰りに難航。その後、2010年にアメリカ、イギリスで英語版が発売されるやベストセラーとなり、状況が好転し、英語での映画製作が進みはじめる。本作が英語映画になったことに対し、ペレーズ監督は「どこの国、いつの時代でも極端な人間が急に現れる可能性がある、大切なのは、あらゆる場所に住む人たちにこの話を伝えることだ。そして、誰でも闘うことができる、そして闘うには勇気が必要になると示すことが大切だった。だったら、英語の作品にするほうがよいだろうと感じた。そうすることでみんなの計画が進むし、この話はいろいろな人に知ってもらうべきだからね」と、前向きな姿勢を語る。しかも、母親がドイツ人であるペレーズ監督は本作の製作過程で、本作の主人公クヴァンゲル夫妻との共通点を知ることになった。クヴァンゲル夫妻は、まだ若いひとり息子をロシア戦線で失ったことで、戦争とヒトラーの政策に疑問を持ち、葉書にメッセージを書いて世間の人々へと訴え始める。ペレーズ監督の叔父も、同じくロシア戦線で当時17歳で亡くなったという。そして、もう1人の叔父は戦時中、精神病院に収容されており、後にガス室に送られて亡くなったそうだ。また、監督の父親はスペイン人であり、祖父は25歳のときに、右翼政党党員に射殺されている。それらのことが重なり、本作の映画製作に使命を感じた監督は、長い年月をかけ完成を実現させた。さらに注目は、『グッバイ、レーニン!』で一躍注目され、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』などハリウッド作品にも出演しているドイツの美男俳優ダニエル・ブリュールの出演だ。ブリュールが演じるのは、夫妻を追い詰めていく頭脳明晰なエッシェリヒ警部役。彼は父親がドイツ人、母親がスペイン人でバルセロナ生まれだが、生後すぐに移ったドイツのケルンで育っている。『イングロリアス・バスターズ』ではナチスの兵士を演じていたブリュールは、本作でも渾身の演技で魅せてくれそうだ。『ヒトラーへの285枚の葉書』は7月8日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年04月04日遺伝子操作によって、アサシン(暗殺者)として活躍した祖先の記憶を呼び覚まされた男が歴史に隠された真実に挑む『アサシン クリード』。このほど、その最新予告編が到着し、「人間を完全に服従させられる」という“エデンの果実”をめぐるストーリーがより明らかになった。本作は、全世界でシリーズ累計9,600万本以上を売り上げた人気ゲームと世界観は共有しているものの、新しいキャラクター、新しいストーリーで描き出すミステリー・アクション。キャストには、マイケル・ファスベンダーをはじめ、マリオン・コティヤール、ジェレミー・アイアンズ、ブレンダン・グリーソン、昨年アカデミー賞主演女優賞に初ノミネートされた英国の大女優シャーロット・ランプリングなど、そうそうたる実力派俳優が顔をそろえる。2016年、記憶をなくした死刑囚のカラム・リンチは信じがたい運命に導かれる。遺伝子操作(アニムス)によって、DNAに眠る祖先の記憶を呼び覚まされた彼は、祖先の経験を追体験することに。そんな彼が身を持って知ったのは、自分の祖先はルネサンス期スペインで、テンプル騎士団から“エデンの果実”の秘密を守るアサシン教団の伝説のアサシン:アギラールだったこと。アダムとイブで知られる“エデンの果実”には、人間の自由意思をコントロールする秘密が隠されていると考えられてきたのだ。アニムスを使って、何度も祖先アギラールの視点に入り込むカラム。肉体の限界が近づくと同時に、彼の精神はどんどんアギラールとシンクロしていく。しかし、“エデンの果実”にたどり着くことは、テンプル騎士団の思惑どおりになることを意味していた…。届いた予告編でも、マリオン・コティヤール演じるソフィア・リッキン博士によって、カラムはアニムスの装置を取り付けられている。その場所は、アブスターゴ・インダストリー。15世紀からアサシン教団と戦い続けてきたテンプル騎士団が、現代に創り上げた企業だ。彼らが開発したアニムスによって“エデンの果実”の場所が判明することになるが、主人公カラムと祖先のアギラールを演じるマイケル・ファスベンダーは、「アサシン教団とテンプル騎士団がいて、戦いが続いているという考えがある。これは、例えば闇と光というものではない。その道徳原理はかなりあいまいで、ある点ではかなり偽善的だ。道徳部分がとてもあいまいなところは、かえって面白みがあるように思う」と語る。どうやら、アサシン教団が完全なる善で、テンプル騎士団が完全なる悪というわけではないらしい。映像では、ジェレミー・アイアンズ演じるアラン・リッキンが、「人間を完全に服従させる」ためにエデンの果実を狙っていると豪語しているが…。現在と過去を行き来し、歴史の裏に隠された多くのミステリーと格闘しながら、祖先の持つアサシンとしての能力を手に入れていくカラム。彼は、自身の遺伝子に隠された人類の未来を変える“禁断の秘密”を知ることになるという。圧倒的アクションが炸裂する驚異の映像とともに、さらに明らかになってきたストーリー。“エデンの果実”の秘密を求める主人公カラムの行く末を、見守っていて。『アサシン クリード』は2017年3月3日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年12月21日会計士と殺し屋というギャップの主人公を演じる主演作『ザ・コンサルタント』も控えるベン・アフレックが、『アルゴ』以来5年ぶりに監督&主演をつとめた『夜に生きる』(原題:Live By Night)が、2017年5月に日本公開されることが決まった。舞台は、禁酒法時代のボストン。野心と度胸さえあれば権力と金を手に入れられる狂騒の時代に、厳格な家庭に育ったジョーは警官幹部である父に反発し、やがてギャングの世界に入りこんでいく。ある日、ジョーは強盗に入った賭博場でエマと出逢い恋仲となるが、彼女は対立組織のボスの娼婦。それは裏社会においては絶対に越えてはいけない一線であり、ジョーの運命は大きく狂っていく…。本作は、俳優兼監督として充実のキャリアを重ね、クリント・イーストウッドに続く存在として一目置かれるベンが、『アルゴ』以来5年ぶりに監督・主演を務めた入魂の一作。原作は、『ミスティック・リバー』『シャッター・アイランド』などの映像化作品でも知られるデニス・ルヘインによる傑作ノワール小説。ベンは長編初監督作『ゴーン・ベイビー・ゴーン』以来二度目となるルヘイン原作で、エドガー賞(MWA賞)最優秀長編賞を受賞した同小説の脚色にも関わり、監督・主演・脚本の3役に挑む。また、共演には、『ネオン・デーモン』のエル・ファニング、『ハリー・ポッター』シリーズや『白鯨との闘い』のブレンダン・グリーソン、『アルゴ』のクリス・メッシーナ、『アメリカン・スナイパー』のシエナ・ミラー、『スター・トレック BEYOND』のゾーイ・サルダナ、『カンパニー・メン』でもベンと組んだクリス・クーパーら、個性豊かな豪華俳優がずらり。復讐と野心と裏切り、そして悲しくも切ない愛…。激動の時代を生き抜こうとする、ギャングたちの生きざまを描いたクライムドラマの続報に注目していて。『夜に生きる』は2017年5月、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年12月13日日本では今年1月に公開され、松坂桃李が主役のクマ・パディントンの声優を務めて話題になった『パディントン』。『ハリー・ポッター』や『ファンタスティック・ビースト』シリーズでプロデューサーを務めるデヴィッド・ヘイマンが製作し、全世界で320億円超えの大ヒット作となった。「Variety」誌によると現在『パディントン』の続編が製作中で、パディントンの声を担当するベン・ウィショーをはじめ、主要キャストは引き続き続投。新たにヒュー・グラントとブレンダン・グリーソンが加わることになった。前作ではロンドンで迷子になっていたところをブラウン一家に助けられ一緒に暮らし始めたパディントンだったが、続編ではブラウン家の一員としてすっかりなじみ、近所でも人気者になった姿を描く。ある日グルーバーさんのお店でユニークな“飛び出す”絵本を見つけたパディントンは、ルーシーおばさんの100歳の誕生日プレゼントに買うことを決意。お金を貯めるためにさまざまなアルバイトに精を出すが、その絵本が何者かに盗まれてしまう…というストーリー。ヒューはいまは落ちぶれてしまっているうぬぼれやでチャーミングな俳優、ブレンダンは悪名高き金庫破りではあるが、思いがけずパディントンと手を組むことになる強靭な男を演じる。(Hiromi Kaku)
2016年10月19日9月2日(金)今夜放送の「金曜ロードSHOW!」ではトム・クルーズ主演のSFアクション『オール・ユー・ニード・イズ・キル』を地上波初放送。先週放送された『オブリビオン』に続いて2週連続でトム・クルーズ主演作がオンエアされる。本作は2004年に発行された桜坂洋氏の小説が原作。日本の小説がハリウッドで映画化され、それが国内で公開されたため公開当時は“日本逆輸入SF超大作”として大きな注目を集めた。そのため元から“親日家”だったトムだが2014年6月に本作のプロモーションで20回目の来日を果たした際には、自身の発案で大阪~福岡~東京の3大都市を1日で訪問するという弾丸PRツアーを展開したのは記憶に新しい。“ギタイ”という最強のエイリアンとの戦争が繰り広げられている地球。広告業界出身で実戦経験がない軍の広報担当のケイジ(トム・クルーズ)は、戦場に行けとの命令を拒否したことでブリガム将軍の逆鱗に触れ降格させられた上に戦場の最前線に送られることに。翌日強制的に出撃させられたケイジは初めて着る機動スーツの安全装置の外し方も知らないままあっという間に敵に攻撃され死亡…したはずが、なぜか出撃前日の状態で再び目覚める。その日から出撃しては死に、再び生き返るという1日を繰りかえすことになったケイジ。そこに“戦場の女神”と呼ばれる無敵の戦士・リタ(エミリー・ブラント)が現れる。実はリタも“ループ”経験者だった…という物語。監督は『ボーン・アイデンティティー』『Mr.& Mrs. スミス』などのダグ・ライマン。トム演じる同じ日を無限に繰りかえす“時のループ”に巻き込まれたケイジをトレーニングする最強の女性兵士リタを『プラダを着た悪魔』や『アジャストメント』のエミリー・ブラントが演じるほか、ビル・パクストン、ブレンダン・グリーソン、ジョナス・アームストロング、トニー・ウェイ、キック・ガリー、フランツ・ドラメー、ドラゴミール・ムルジッチ、シャーロット・ライリーらが出演。日本で人気の“ループもの”をハリウッドがSFアクションとして仕上げた本作。1日を繰りかえすたびに戦い方を覚え、さらに敵の本拠に近づいていくというゲーム的な要素も持ち合わせた個性派SFをぜひ今夜はTVで堪能してほしい。金曜ロードSHOW!『オール・ユー・ニード・イズ・キル』は9月2日(金)今夜21時~日本テレビ系で放送。(笠緒)■関連作品:オール・ユー・ニード・イズ・キル 2014年7月4日より全国にて公開(C) 2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS(BMI)LIMITED
2016年09月02日19世紀に実際に起きた巨大鯨との遭遇による海難事故と、そこから生還を果たした男たちの奇跡を描く『白鯨との闘い』。このほど、1月16日(土)の公開直前に、『アベンジャーズ』のクリス・ヘムズワースや『ダークナイト』3部作のキリアン・マーフィー、新生スパイダーマンに決定したトム・ホランド、『007 スペクター』『パディントン』のベン・ウィショーら豪華キャストたちが次々に登場する特別映像が到着。大迫力で描かれる鯨との壮絶な戦いを軸に、乗組員たちの人間ドラマが読み取れる見応えたっぷりの映像となっていることが分かった。1820年、太平洋のど真ん中で体長30mの巨大な鯨と遭遇し、難破した捕鯨船“エセックス号”。その乗組員たちは、水も食料も尽きていく中、その後3か月にも及ぶ漂流生活を強いられることになる――。今回到着した映像は、未公開の本編シーンも大幅に追加され、主人公オーウェン・チェイス(クリス・ヘムズワース)と、ストーリーテラーの役割を担うトマス・ニカーソンの若かりし姿(トム・ホランド)を中心に、圧倒的な巨体を持つ鯨との戦いと、海で起こったさまざまなドラマが次々と描かれる印象深いものとなっている。まずは、オーウェン・チェイスとマシュー・ジョイ(キリアン・マーフィー)の固い友情が写し出されたかと思えば、鯨の攻撃によって宙を舞う錨を間一髪で避ける、アクション映画さながらのスリリングな場面も登場。銛1つで人知を超えた巨大鯨に立ち向かう、チェイスの姿は必見だ。また、本作のストーリーは、この海難事故から30年後、奇跡の生還を果たした乗組員の最後の1人、老いたトマス・ニカーソン(ブレンダン・グリーソン)が、執筆のために彼の元を訪れた作家ハーマン・メルヴィル(ベン・ウィショー)に、事故の真相を語る形で進行する。食料も水もなく、90日の漂流生活を生き延びたと語る老人が、「実際に起きたこと?」というメルヴィルの質問に対し、「紛れもなくね」と応える表情からは、地獄を味わった男の悲痛な叫びが聞こえてくるかよう。奇跡の生還を遂げたはずの彼の苦渋に満ちた表情の陰には、誰にも語りたくない出来事があったのかもしれない。さらに、日本でも多くのファンを持つ主演のクリスは、「鯨との闘いはもちろん気に入っている。でも一番興味深いシーンは、僕たちがボートで漂流する、最も絶望的な境遇に陥ったときだ。エゴや、社会的なルールや、エチケット、境界、そんなものが全て脇に寄せられて、とにかく“生き残ること”が唯一の目的となる。そんな境遇の中で力強く前進できる人がいることを目にするんだ。きっと見ている人を引きつける、一番の見どころだよ」と明かし、本作への自信を見せている。『白鯨との闘い』は1月16日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて2D/3D公開。(text:cinemacafe.net)
2016年01月15日2016年初めの週末興行収入&動員で“妖怪”を抑えて第1位を記録、世界的にも記録的大ヒットとなっている『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』。改めてその底力を示した本作で、物語とともに成長していく女性主人公・レイを文字通りの“新星” デイジー・リドリーが好演しているが、彼女をはじめとする若手キャストを本作に大抜擢した理由を、J.J.エイブラムス監督は、「優れた演技力はもちろん、あらゆることに挑戦できる柔軟性を持ち、キャラクターに命を吹き込み、現場で(ほかのキャストと)いい関係を築けるユーモアのセンスや人間性、ハートといった部分が決め手になった」と来日記者会見で明かしていた。そこで今回は、レイ役のデイジーとともに注目度急上昇中、新たなる“伝説”の担い手であり、ルーク役のマーク・ハミルやハン・ソロ役のハリソン・フォードらと同様、これから“伝説”の一部となっていくであろう(否、もうなっている?)男性キャスト陣に注目してみた。■レイやBB-8と出会い、正義に目覚めるフィン:ジョン・ボイエガ一昨年11月、本作待望の初映像(特報)が解禁された際、どこか砂漠の星でストームトルーパーらしき若者がマスクを外し、息を切らす姿に誰もが「???」となったはず。その若者こそ、戦うことに葛藤を覚え、脱走を図るストームトルーパー、フィン。演じているのは、1992年3月17日英国生まれのジョン・ボイエガだ。彼は『アントマン』の脚本を手がけたエドガー・ライト製作総指揮&ジョー・コーニッシュ監督の『アタック・ザ・ブロック』(’11)でエイリアンと戦う不良少年のリーダーを演じて本国でブレイク!ロンドンを舞台にした「24 -TWENTY FOUR-リブ・アナザー・デイ」にも出演した。自前のハン・ソロ人形にハリソンから直接サインをもらってはしゃいだり、来日時には“アキバ”で買い物を楽しんだりと現代っ子の素顔を覗かせつつも、劇中ではレイ役のデイジーとともに新たな運命の嵐に巻き込まれ、壮大な物語を牽引していくフィンを、時に勇ましく、時に軽妙に演じている。次回作は、トム・ハンクス、エマ・ワトソン共演のSF作『The Circle』(原題)と、これまた大きな注目を集めそうだ。■BB-8の持ち主にして名パイロット、ポー・ダメロン:オスカー・アイザックまた、元はFN-2187という“記号”に過ぎなかったフィンの“名づけ親”であり、彼とあっという間に意気投合する“レジスタンス”の名パイロット、ポー・ダメロンを演じるのは、若手というにはもはや忍びない実力派オスカー・アイザック。1980年3月9日生まれ、グアテマラ出身の彼は、コーエン兄弟監督・脚本『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』(’13)で歌声も披露し、ゴールデン・グローブ賞にノミネートされた。名門ジュリアード学院の出身で、同窓生だったジェシカ・チャステインと夫婦役で初共演した『アメリカン・ドリーマー 理想の代償』も高い評価を受け、日本でも多くの映画ファンを唸らせている。劇中では、フィンに対しては警戒心むきだしの大人気ドロイド“BB-8”が従順に“なついている”様子が微笑ましく、その名コンビぶりや、宇宙一といわれる名パイロットぶりが「カッコイイ!」と評判。だが、今年は、あの『X-MEN』最新作『X-MEN:Apocalypse』(原題)でなんと悪役のミュータントに!正義を体現する本作との対極の姿は必見だ。■ダース・ベイダーに心酔する仮面の男カイロ・レン:アダム・ドライバー悪役といえば、十字型の赤いライトセーバーを操り、強力なフォースの使い手で、暗黒卿ダース・ベイダーにただならぬ執着を見せるのが、カイロ・レン。演じるのは、1983年11月19日アメリカ生まれ、189cmの長身に個性的な顔立ちのハンサム、アダム・ドライバー。彼もまたジュリアード学院の出身で、かつては海軍に所属していたこともある。『J・エドガー』(’11)で長編映画デビュー後、TVシリーズ「GIRLS/ガールズ」で主人公のちょっぴりヘンな彼氏を演じてブレイク。等身大女子映画『フランシス・ハ』やミア・ワシコウスカ共演『奇跡の2000マイル』に出演し、『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』ではポー・ダメロン役のオスカー・アイザックとも共演。第27回東京国際映画祭でも上映された『ハングリー・ハーツ』では、第71回ベネチア国際映画祭「最優秀男優賞」を受賞。演技力はお墨付きだ。2016年は、ベン・スティラー、ナオミ・ワッツ、アマンダ・セイフライド共演『While We’re Young』(原題)ほか、マーティン・スコセッシが遠藤周作の小説「沈黙」を映画化する『Silence』(原題)などが控えている。同作にはアンドリュー・ガーフィールド、リーアム・ニーソン(『エピソード1』のクワイ=ガン・ジン)や、浅野忠信、窪塚洋介、小松菜奈ら話題性に富む日本人キャストが登場しており、注目度大。■さまざまな“顔”を持つ策略家? ハックス将軍:ドーナル・グリーソン一方、悪役ながらカイロ・レンのようにフォースという“武器”は持たず、策略家といった雰囲気の“ファースト・オーダー”のハックス将軍を演じているのは、1983年5月12日生まれのアイルランド俳優ドーナル・グリーソン。『アバウト・タイム愛おしい時間について』の心優しい青年や『ハリー・ポッター』シリーズの勇敢なビル・ウィーズリーなど、さまざまな役柄をこなすその演技派ぶりは、いまや引く手あまた。『不屈の男 アンブロークン』では、ジャック・オコンネル演じる主人公と太平洋を漂流することになる兵士・フィル役で強い印象を残し、目下、賞レースを騒がせているレオナルド・ディカプリオ主演『レヴェナント:蘇えりし者』やシアーシャ・ローナン主演『Brooklyn』(原題)にも出演。先日の英国インディペンデント映画賞では『Brooklyn』で「助演男優賞」にノミネートされたが、俳優の実父ブレンダン・グリーソンに同賞を奪われ、代わりにトロフィーを受け取る…というトホホな一面も。また、巨大IT企業のプログラマー役で主演した『EX MACHINA/エクス・マキナ』(原題)は、オスカー・アイザックがまるで別人のような風貌でそのIT企業の社長を怪演、『リリーのすべて』のアリシア・ヴィキャンデルが美しくリアルな“人間型AI”を演じており、日本公開が待たれている。『スター・ウォーズ』の役柄とはまた違う、彼らの新たな姿に出会うことは今後の楽しみの1つとなりそうだ。(text:cinemacafe.net)■関連作品:スター・ウォーズ/フォースの覚醒 2015年12月18日より全国にて公開(C) 2015 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights
2016年01月07日