ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』の製作発表記者会見が5日、都内で行われ、ロミオ役の古川雄大&大野拓朗、ジュリエット役の生田絵梨花(乃木坂46)&木下晴香、ベンヴォーリオ役の馬場徹&矢崎広、マーキューシオ役の平間壮一&小野賢章、ティボルト役の渡辺大輔&広瀬友祐、死のダンサー役の大貫勇輔&宮尾俊太郎、演出家の小池修一郎が登壇した。同作はシェイクスピアによる名作を2001年にパリでミュージカル化。全世界でのCD・DVD売上が700万枚にわたるヒットを記録し、日本では2010年に宝塚歌劇団星組が初演を行った。その後、2011年に日本オリジナルバージョンを上演、2013年に再演を行い、今回が4年ぶりの公演となる。会見では「世界の王」「本当の俺じゃない」「バルコニー」「僕は怖い」「エメ」の5曲を披露。男性陣の華やかなダンス、ロミオとジュリエットのロマンチックなナンバーが続いた。また、トークでは潤色・演出を務める小池による「小池修一郎の部屋」状態に。演者たちへの叱咤激励が降り注いだ。小池は古川に「今日ちゃんと歌ってるな、と思いました。前、稽古の途中で喉痛めちゃったから心配して」と安心した様子を見せると、古川も「そうですね、喉鍛えました」と苦笑。また、前回の公演での役作りについて語る古川に、小池は「ずいぶんちゃんとしゃべれるようになったね」としみじみした様子で頷いていた。古川は、ジュリエットとの年齢差について聞かれ「29歳の俺がどう純粋さを出すのか。目の前に起こってくることに真正面から新鮮な反応をして、結果的にピュアに見えたら」と意気込みを語った。2012年に『エリザベート』にルドルフ役で出演したのち、映像でも活躍、NHK Eテレ『Let’s天才てれびくん』の出演も話題となった大野に対して、小池は「ユニークなキャラクターで、あっち(バラエティ)いったかと思い、一緒にやることはないかなと思ってた」と心境を語った。しかし大野がオーディションで歌う姿は、小池が「吹き替えじゃないの? 本当にこれ大野?」と驚くほどに上達していたという。ミュージカルに出ていない間も歌の勉強をしていた大野は、『ロミオ&ジュリエット』も「お金を払って3回観に行った」と語り、作品への思いの強さを表した。また小池は、日本オリジナルバージョン初演時に「近未来的、崩壊した世界での『ロミオ&ジュリエット』」という演出プランを用意していたことを明かした。東日本大震災の発生によりプランを変更したが、今回は当初の計画に立ち返る。小池は「時代とは移るもので、テロの時代になってしまいました。シェイクスピアのすごいところは、どの時代でも人々が感動したり共感したりすることを描いているということだと思います」と語り、「時事ネタを入れるということではなく、どこか現代と共通することを感じていただけるようにと思っています」とメッセージを送った。東京公演は赤坂ACTシアターで2017年1月15日~2月14日、大阪公演は梅田芸術劇場で2017年2月22日~3月5日。
2016年09月06日俳優・古川雄輝が、福士蒼汰の主演映画『曇天に笑う』(2017年公開)に出演することが18日、発表された。古川は同作で、本格時代劇アクションに初挑戦する。原作は、唐々煙氏が漫画誌『月刊コミックアヴァルス』(マッグガーデン)で連載している同名コミック。物語の舞台は、明治維新後の滋賀・大津。人に災いをもたらす大蛇(オロチ)の復活の年、曇(くもう)家の曇天三兄弟と、明治政府右大臣・岩倉具視の直属部隊・犲(やまいぬ)は、それぞれ別の方法で大蛇を再び封印し、平和をもたらそうとしていた。しかし、大蛇の力を手に入れ、明治政府の転覆をもくろむ忍者集団・風魔一族の暗躍により、行く手が阻まれてしまう。曇天三兄弟、犲、風魔一族、三つどもえの様相を呈した戦いを描く。古川が演じるのは、大蛇の発見と破壊を目的に結成された犲のチームリーダー・安倍蒼世。隊長として常に自分に厳しく頑固な性格で、曇天三兄弟の長男・天火(福士)とは幼なじみであるものの、隊を抜けた彼を許していないというクールな役どころだ。強く美しい出立に原作ファンにも人気の高いキャラクターだが、古川はこの蒼世役で、初めて刀を使ったアクションにも挑む。6月21日にクランクインし、撮影も終盤を迎えており、「良い物ができていると思いますので、原作ファンの方々にも楽しんでいただける」と自信を見せる古川。「同世代の若手の役者さんが多いので、とても楽しい撮影現場です」とも報告している。蒼世を演じるにあたって「とにかく強く! かっこ良く!」と心がけたようだが、苦労したのは、「とにかくアクション」。「犲の中でも一番強いキャラクターなので、強く、華麗に蒼世のような動きでアクションをするのが難しかった」とその理由を話しながらも、「苦戦していますが、かっこ良く撮れていると思うので楽しみにしていただきたい」と呼びかけた。
2016年08月18日美しく重厚なゴシックの世界に、ダークなミステリーとコメディの要素を加えたミュージカル『黒執事』。昨年に引き続き、優秀な執事にして悪魔セバスチャンを演じる古川雄大さん。「もともとミステリーは好きなジャンルではあるんですが、そこにポップだったり笑える描写もあって、最後に心にメッセージ的なものを残してくれる、とても面白い原作でした。とはいえ、セバスチャンは悪魔で、感情を見せない存在。自分が演じるにあたって、どこからキャラクターを構築していくか、自分は役としてどう居たらいいのか、最初はかなり悩みました。でもその試行錯誤も含めて楽しかったですね」台本と原作を何度も読み返したそう。「セバスチャンの立場で読んでいると、いつしか共感する部分が生まれてきて、そこを取っ掛かりに、自然にすっと役が入ってくるんです。だから、仕草を忠実に真似ようとは考えなかったですね。ただ、ファンの目線で読みながら、ぐっとくるポイントだけは、敢えて意識して取り入れましたけど」コミカルな場面もある作品ながら、古川さんの演技はあくまでも冷静で、異界の者としての存在感を感じさせた。「以前にも悪魔を演じたことがあるんですが、こういう役、似合うよねって言われるんです。たぶんそれ、褒められていないと思うんですけど(笑)」秋に上演される新作は、子供の失踪事件をめぐって、真相を突き止めるべくサーカス団に潜入する物語だ。「前作は以前にも上演された作品でしたから、今回、自分で一から作れるのは楽しみです。背景にあるテーマが重い作品ですから、そこの重厚感を僕が担えたらと思っています」◇ふるかわ・ゆうた1987年7月9日生まれ。ミュージカル『テニスの王子様』などを経て、'12年にミュージカル『エリザベート』のルドルフ役に抜擢。高い歌唱力で注目され、『ロミオ&ジュリエット』『レディ・ベス』『1789』などにも出演。◇ミュージカル『黒執事 ~NOAH’S ARK CIRCUS~』19世紀の英国。ファントムハイヴ家の若き当主・シエルは、女王の命を受け、執事のセバスチャンとともに、裏社会で起きる血生臭い事件の解決に奔走していた。そんななか、立て続けに子供の失踪事件が起き…。11月18日(金)~27日(日)水道橋・TOKYO DOME CITY HALL福岡、兵庫、愛知公演あり原作/枢やな脚本/竜崎だいち、毛利亘宏演出/毛利亘宏出演/古川雄大、内田蓮生、玉城裕規、田野アサミ、三津谷亮、小手伸也、姜暢雄、三浦涼介ほかゴーチ・ブラザーズTEL:03・6809・7125(C)2016 枢やな/ミュージカル黒執事プロジェクト※『anan』2016年7月20日号より。写真・小笠原真紀取材、文・望月リサ
2016年07月18日俳優・古川雄輝や女優・高橋メアリージュンらが、広瀬アリスが主演し下山天監督がメガホンを取る映画『L-エル-』(今秋公開)に出演することが13日、発表された。原作は、ビジュアル系ロックバンド・Janne Da Arcのボーカル・yasuのソロプロジェクト・Acid Black Cherryが、2015年にリリースした4枚目の同名アルバム。これは、愛を探し求め続けた1人の女性"エル"の孤独で壮絶な人生をつづった物語と音楽が絡み合うコンセプト盤で、昨年秋には物語部分が書籍化されるなど多様な展開をみせてきた。古川が演じるのは、エルを生涯かけて愛し続けるオヴェス。悲哀と波乱に満ちた人生を歩む、エルという1人の女性を支え続ける男という役どころだ。古川は、今回の映画化企画を「とても斬新なアイデア」と称賛。書籍を読んで曲を聴くと、「すんなり自分のイメージした『L-エル-』の世界に引き込まれ、役作りする過程で何度も聴きました」と振り返る。また、「幼少期から老人まで演じる役柄をファンタジーの世界観でどう生きるか、主人公エルに対してのオヴェスの思いをどう表現するのかなどを考え、監督と現場で相談しながらじっくり時間をかけることができたので、とても楽しい撮影となりました」と報告。「僕自身、CGが加わった映像を楽しみにしています」と期待を話した。一方、高橋メアリージュンが演じるのは、エルと同じキャバレーで働く親友・アンナ。その「アンナという、人間味と幅があって、情熱的で魅力的な女性を演じられた事、そして昔から大好きだったダンスを踊れた事がすごく幸せでした」と感激してみせる高橋メアリージュンが、下山監督と仕事を共にするのは3度目となるが、「アンナのような芝居力が求められる役を任せてくださったことが本当にうれしい」と歓喜している。そんな2人のほか、発表された新たなキャストは、劇団青年役の平岡祐太、キャバレーオーナー役の前川泰之、パン屋の主人役の高畑裕太。加えて、弥尋、FAKY・Mikako、古畑星夏、田中要次、高橋ひとみといった面々も登場する。(C)2016映画「L-エル-」製作委員会
2016年07月13日古川雄輝さんの2年ぶりの主演舞台『イニシュマン島のビリー』は、アイルランドの島に暮らす手足の不自由な少年を描くブラックコメディ。「舞台自体がハードルが高いうえ、日本とは笑いの質が違う海外のコメディだけにどうなるか…。ただ、いまはビリーのことを考えたいんです。どうしてもハンディキャップの部分がクローズアップされる役ですけれど、閉鎖的な田舎の島で映画俳優になる夢を見ている心優しい17歳の少年という、内面の部分に真摯に向き合えたら、と思っています」ビリーとして「どう動いたらいいかを大事に」。彼の優しさを「行動で表現していけたら、自然とそう見えるのかもしれない」。取材が行われたのが稽古初日を目前にしたタイミングだったこともあり、役についてあれこれ考えを巡らせていた。ただ、稽古しながら変わってくることも多いだけに、「いまはとにかく早く森(新太郎)さんの演出を受けて、自分の考えていることが正しいか、一回答え合わせをしたい」とも。「演技ってどれが正解かわからないんで、わりとテクニカルなことから考えちゃうんです。自分なりに準備して、現場で急に方向性が変わったときに対応できるようにしておくと、戸惑わずに済みますから」発言の端々に理系男子の片鱗が。「理系脳だとよく言われます。物事を組み立てて考えたいんですよね」客観性のある人かと思えば、「客観性はある方だと…いや、ないな(笑)」。在学中にミスター慶應に選出。その後、合格していた大学院への進学をやめ、芸能界入りした経緯からしても、意外と直感型の人?「ミスター慶應に選ばれた後、オーディションを受けたのですが、必死ながらもやっていて楽しかったんです。ただ、やればやるほど俳優という仕事は難しい。舞台は、稽古期間が長いぶん挑戦ができる場なので、怯んでしまう自分を奮い立たせて臨みたいです。少しでも自分の引き出しを増やしていけたらいいですね」◇ふるかわ・ゆうき1987年生まれ。2010年芸能界デビュー。出演作にドラマ『5→9~私に恋したお坊さん~』、映画『脳内ポイズンベリー』など。出演映画『太陽』が4月23日公開。◇心優しく理知的ながら、ハンディキャップゆえに周囲からは馬鹿にされている少年・ビリー(古川)。ある日、彼の住む小さな町のすぐそばに、ハリウッドの撮影隊がやって来る。3月25日(金)~4月10日(日)三軒茶屋・世田谷パブリックシアター作/マーティン・マクドナー翻訳/目黒条演出/森新太郎出演/古川雄輝、鈴木杏、柄本時生、山西惇、峯村リエ、平田敦子、小林正寛、藤木孝、江波杏子S席8500円A席6500円(共に税込み)ホリプロチケットセンターTEL:03・3490・4949※『anan』2016年3月30日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・望月リサ
2016年03月25日世界初のライブホログラフィック専用エンターテインメント常設劇場「DMM VR THEATER」で行われるVR朗読劇『その日のまえに』『ヒア・カムズ・ザ・サン』の公演に、追加キャストとして、女優で声優の平田裕香と、声優の大橋彩香、田辺留依、坂口候一が出演することがわかった。本公演は、直木賞作家・重松清の短編小説集『その日のまえに』『ヒア・カムズ・ザ・サン』をVR朗読劇化したもの。最新のサイネージ技術を駆使したライブホログラフィック演出をストーリーに盛り込んだ、新しい形の朗読劇になっているという。今回、追加キャストとして発表があった平田と坂口は『その日のまえに』に、大橋と田辺は『ヒア・カムズ・ザ・サン』に出演。大橋と田辺は、同じ役を日によって別々の役者が演じるダブルキャストで、カオル役を務める。なお、本公演には家中宏・東地宏樹、古川慎・増田俊樹、日高のり子・井上喜久子など、さまざまな人気声優も出演する。○公演情報公演タイトル朗読劇『その日のまえに』『ヒア・カムズ・ザ・サン』公演日2016年4月16日・17日・23日・24日(全日2回の計8公演)公演時間16日・23日…15時開演(開場14時)/19時開演(開場18時)17日…14時開演(開場13時)/18時開演(17時開場)24日…13時開演(開場12時)/17時開演(16時開場)チケット料金4,300円(税込)+ドリンク代500円チケット予約ローチケで販売中○出演者情報『その日のまえに』僕(ダブルキャスト)…家中宏(4月16日・23日)、東地宏樹(4月17日・24日)和美…平田裕香健哉…三輪建太大輔…真坂美帆店長…草摩そうすけ永原先生…坂口候一『ヒア・カムズ・ザ・サン』トシくん(ダブルキャスト)…古川慎(4月16日・23日)、増田俊樹(4月17日・24日)トシの母(ダブルキャスト)…日高のり子(4月17日・23日)、井上喜久子(4月16日・24日)カオル(ダブルキャスト)…大橋彩香(4月16日・17日)、田辺留依(4月23日・24日)
2016年03月24日3月25日(金)から東京・世田谷パブリックシアターで上演される森新太郎演出の舞台『イニシュマン島のビリー』。その製作発表会が都内で行われ、演出の森、主演の古川雄輝、鈴木杏、柄本時生、山西惇、江波杏子が出席した。舞台『イニシュマン島のビリー』チケット情報原作は、アイルランドの鬼才と言われるマーティン・マクドナー作のブラック・コメディ『THE CRIPPLE OF INISHMAAN』。2013年にはダニエル・ラドクリフ主演でロンドンにて上演、翌年ブロードウェイに進出し、絶賛を浴びた作品だ。演出の森は「今回の芝居はダークコメディ。単純なハッピーエンドで終わるのではなく、観に来てくださった皆さんにほろ苦い、ビターなものを残すであろう作品です。マクドナーの作品ですので全編暴力に満ち溢れていますが、同時にマクドナーらしいとんでもなくピュアな愛の物語も描かれています。登場人物は感情むき出しのとんでもない連中ばかりですが、今作ではとてもアニマルなキャスティングが実現しました」と紹介。赤ん坊の頃に両親を亡くしたビリー(古川)はふたりの中年女性を親代わりに暮らす17歳の青年。ハンディキャップのせいでバカにされながら毎日を送るビリー。そこに、隣の島でハリウッド映画の撮影が行われるというニュースが届く。船で隣の島まで行こうとするヘレン(鈴木)とその弟(柄本)に、ビリーは一緒に連れて行ってくれと言うが――。主演の古川は「舞台が2年ぶりで、かつ主演ということで非常にプレッシャーを感じているんですけど、本当に素晴らしいキャスト、スタッフの皆さんと舞台ができるということでうれしく思っています」、ビリーの幼馴染で恋の相手でもあるヘレン役の鈴木は「もともと好きで憧れだったマーティン・マクドナー作品に森新太郎さん演出で挑戦できるのはなんて幸運なことなんだろうと思っています。俳優のみなさんが特別な才能の塊みたいな人たちが集まっていて、埋もれないようにひるまずぶつかっていきたい」と語った。個性派俳優が揃った会見はMCからの質問にも独特の回答が続出。さらに、古川、鈴木、柄本が作品の1シーンを朗読劇で披露する時間も。森から「敢えて言うならジャイアン」と言われたという乱暴な役を演じる鈴木は、朗読マイクから離れ柄本を殴る仕草をするなど臨場感たっぷりに演じ、約100名の観客を圧倒した。舞台『イニシュマン島のビリー』は、3月25日(金)から4月10日(日)まで東京・世田谷パブリックシアターにて。取材・文:中川實穗
2016年02月23日既存のイメージを壊す役と出会いたい──俳優なら誰もが抱いている願望だろう。古川雄輝と間宮祥太朗は『ライチ☆光クラブ』でそれを叶えているが、「ファンの方を含め、好意を持って観てくれる方たちが、この人憎いな、嫌なヤツだなって思ってもらえること、ショックを受けてもらうのが狙いです」と古川さんが言うように、9人の少年たちの裏切りと愛憎、罪と罰、絶望と理想を描いたダークファンタジーの世界にただただ驚く。原作は古屋兎丸による同名ロングセラーコミック。伝説の舞台に衝撃を受けた古屋兎丸は、20年の歳月を経て漫画として「ライチ☆光クラブ」を刊行。舞台から漫画へ、その漫画を元にした舞台へ、そして遂に映画化となる。古川さんが演じるのは、大人のいない世界を理想とする「光クラブ」を支配するゼラ。舞台ファンも漫画ファンも多い作品であるからこそ、キャラクターのイメージを大切にした。「原作と脚本を読み込むほどに、どうしてこの漫画が人気なのかが分かってきました。BL(ボーイズラブ)要素があるので腐女子人気が高いのも理由のひとつだと思いますが、それ以上に内容が詰まっている。読み込んでいくとすごく深い。でも、最初に台本を読んだときは、冒頭のドイツ語のセリフとか後半の“バラが必要だ…”とかワケの分からないセリフも多くて、俺の役、どんだけ喋るんだよ…って軽くパニックでしたね(苦笑)」。深いからこそ、時間のゆるす限り台本を読み込みたい、自分のなかに染み込ませたいという欲望にかられ、ほかの共演者は撮影が終わると毎日のように飲んで親睦を深めていたそうだが、古川さんは敢えてそこに参加せず、ひとりホテルの部屋に戻って台本と向かい合った。そんな古川さんが作り出すゼラの圧倒的存在感は間宮さんを刺激した。彼が演じるのはゼラを崇拝し、ねじれた感情を抱く美少年ジャイボ。「ジャイボにとってはゼラが絶対であるように、古川くんの演技が素晴らしくて絶対だったので、現場に入って古川くんと対峙すると自然とジャイボになれました。ただ、ジャイボの美しさを体現するのは悩みましたね。僕自身はわりと体格がいい。ジャイボを表現する“少女のような細い体”ではないので、ごつすぎるのではないか?と不安もありましたが、本当に少女のようだと後半に登場するヒゲが生えてきたとか成長の悲しさを出す説得力が出ない…とにかく生々しさを意識しました」。ゼラやジャイボ、14歳の少年たちが暮らすのは黒い煙と油にまみれた町・螢光町。その町の廃工場に作られた秘密基地で、彼らは「光クラブ」を結成。醜い大人を排除するための兵器(ロボット)“ライチ”を開発していた。古川さんと間宮さんが「素晴らしい!」と絶賛する光クラブの基地は、実際の巨大な廃工場のなかにセットが作られた。手掛けたのは『るろうに剣心』シリーズのビジュアルスタッフたち。古川さんは語る。「あのセットに初めて足を踏み入れたときに、ライチの世界観そのものを感じました。ひとりひとりに任された役作りももちろんありますが、セットとか衣装とかメイクとか、ビジュアル面で助けられた部分はとても大きい。それぞれのキャラクターごとに学生服のデザインも違って──ゼラは学生服のボタンを上までしっかりとめていたり、他の人よりも星のスタッズが多かったりしますが、光クラブの創設者でリーダーのタミヤ(野村周平)は敢えて第一ボタンを締めずにいる。それはゼラに刃向かう役を見た目で表現しているんです」。美少年ジャイボに関しては、髪はブルー系の色にする、カラーコンタクトを入れるなどの工夫によって美しく艶っぽい姿がスクリーンに映し出されるわけだが「間宮くんは普段から色気がある」と古川さん。「女性から見た色気と男性から見た色気は違うものかもしれないけれど、間宮くんは男性から見ても格好いい。だからジャイボ役がぴったりなんです。光クラブのメンバーを演じるキャストのなかで断然色気があるし、そこに居るだけでジャイボの雰囲気が出ていました」。その言葉に照れながら間宮さんは「それはもうヘアメイクさんやスタイリストさんのおかげですね。毎日『ジャイボ、今日もきれいだよ!すごくきれいだよ!』って、ものすごくおだててもらって、そうやってカメラの前に送り出してもらっていました。そのおかげです(笑)」。ジャイボの美しさにゼラも惹かれ、2人が絡むシーンは多くの女性をドキッとさせるだろう。これまでの出演作で何かとキスシーンが多い古川さんだが、男性とのキスは初。間宮さんに至っては映像作品でのキスシーン初挑戦となった。「間宮くんの演技としてのファーストキスを奪ってしまいましたが、あのキスシーンはもっと激しくてもよかったかなぁと、ちょっと反省しているんです。美しくしすぎたかなと。舌を入れるとかもっとグロくてもよかったなって(笑)」。また、間宮さんいわく「緊張はぜんぜんしなくて案外サラッと撮影を終えました。僕らより周りのスタッフが緊張していたみたいです(笑)。注目して見てほしいのは、耳元でささやく古川くんの声。ゼラのあの声は格別な色気がありました。難しかったのは唇へのキスから下腹部に下がっていくシーンですね。動きによってR-18になっちゃうので苦労しました」。そんな2人のラブシーンも古川さんの言う「ショックを受ける」シーンのひとつではあるが、それ以上に打撃を与えてくるのは「気づきの大切さ」だと間宮さん。「ゼラという絶対的な指導者がいて、絶対的な存在ゆえに光クラブのメンバーたちはゼラの意見が自分たちの意見になって、あらがうことすら忘れてしまっている。そのなかでタミヤひとりが何かがおかしいと気づく。気づかない恐さと気づきの大切さを描いています。判断することを失ってしまった光クラブのメンバーたちの話は、痛烈なメッセージだと感じました」。当たり前のように正しいと思っていたこと、正義だと思っていたこと、優しさだと思っていたことは本当にそうなのか?と、大きな気づきを突きつけてくる『ライチ☆光クラブ』。古川さんが「読み込むほどに深い」と言うように、観るほどに深くもある。何度も観たくなる、何度観ても新しい発見がある映画だ。(text:Rie Shintani/photo:Nahoko Suzuki)
2016年02月19日東京都・日比谷の千代田区立日比谷図書文化館は、フィジカルな「本」の魅力を探る特別展「祖父江慎+コズフィッシュ展:ブックデザイ」の後編「ish編」を開催している。会期は3月23日まで(3月21日休館)。開場時間は10:00~20:00(土曜日は19:00まで、日・祝日は17:00まで、入室は閉室の30分前まで)。一般300円、大学・高校生200円、千代田区民・中学生以下無料。同展は、祖父江氏と同氏が主宰するコズフィッシュのブックデザインを通して、フィジカルな「本」の魅力を探るもの。前期の「cozf編」に続き、後期「ish編」では、"21世紀の書庫"として、祖父江慎+コズフィッシュによる2,000冊を超える全装丁本のうち、2001年以降に出版された本が展示されている。金属活字から写真植字、そしてDTPへと、1980年代以降印刷技術がどんどん変化する中で、技術の発展に伴い変化するデザイン、変わらないデザインと、さまざまな顔を見ることができるということだ。中でも、コズフィッシュが数多く手がける楳図作品からは「恐怖」「漂流教室」などが展示されている。また、「心」新装版の創作過程を漱石自筆原画などを基に紹介する漱石部屋では、後期では現在制作途中にある「吾輩ハ猫デアル」の新装版に関連した展示が行われてる。祖父江氏による新装版は、橋口五葉による斬新で心ときめく装丁の初版本・袖珍本の意をくんだものになり、五葉のデザインと、これまでに出版された数々の「吾輩は猫である」を研究しつくした結果が反映されたユニークな展示になっている。また、カナモジカイ(仮名文字専用論を唱える日本の民間団体)の金属活字「ツル5号」を基に、祖父江氏によりフォント化されたかな書体「ツルコズ」の部屋も登場するということだ。
2016年02月19日俳優の古川雄輝らが1日、映画『ライチ☆光クラブ』(2月13日公開)のプレミア上映イベントに出席し、"廃墟の帝王"こと光クラブのカリスマ的存在・ゼラを演じた古川が存在感を示した。本作は、廃工場の秘密基地「光クラブ」を舞台に、9人の少年たちによる裏切りと愛憎の物語。大人になる前のもろく、残酷で多感な思春期が描かれる。この日は主要キャストが一堂に会し、古川をはじめ、野村周平、中条あやみ、間宮祥太朗、池田純矢、松田凌、戸塚純貴、柾木玲弥、藤原季節、岡山天音、内藤瑛亮監督が集結した。中でも最も黄色い歓声を浴びたのが、ゼラ役の古川。役になりきり、低めのトーンで「おはよう……」とあいさつすると、客席からは一斉に「キャー!」と声が上がり、「廃虚の恋人たち……」と続けてファンはメロメロ。一転して爽やかなトーンで、「みたいな感じでゼラ役を演じています!」と切り替え、その場を器用に温めた。イベントでは司会者の質問に「◯」「×」札で回答するコーナーが設けられた。撮影は廃校を使って主に深夜帯に行われたことから、"こんな撮影は二度としたくない!"のお題が出されたが、古川は迷わず「×」を選択。古川にとってのゼラは、「僕が今までで本当に演じたいと思っていた役の1つ」。過酷な撮影だったことは認めながらも、「きつかったんですけど、撮影自体は非常に楽しくやらせていただきました」と充実感をうかがわせた。役柄としっかり向き合っていた様子の古川。"自分が演じたキャラクターと友達になれそう?"の質問には「◯」。ファンにとっては「えー!?」と意外な答えだったようだが、「丸ですね。個人的に一対一でしっかり話せばいいやつなんじゃないかな」と一番の理解者であることをアピール。会場が笑いで包まれる中、「仲良くなれます。一緒にチェスとかしてみたい」と真面目に締めて、今度は観客を納得させる。間宮演じるジャイボとゼラの妖艶なシーンも話題の本作。"いい意味でヤバイ?"という不可解な質問に、古川は「×」の札を掲げ、「やってる本人としてはそんなにヤバくないというか。シーン的にはほかのシーンと変わらない感覚」と俳優然とした感想を語った。コメントに物足りなさを感じたファンからの「えー!?」に後押しされるように、野村が「あんなことやこんなことしてたのに!? いろんなところ、舐めたりしてたのに!?」と追及。それでも古川は「まぁ、あの……撮影ですから」「ラブシーンいろいろやってきたので、ただそれが男性になったという(だけ)」と乱されることはなかったが、"初体験"だったと嘆く間宮には「申し訳ない」と笑いながら謝っていた。(C)2016「ライチ☆光クラブ」製作委員会
2016年02月01日東京都・日比谷の千代田区立日比谷図書文化館にて、フィジカルな「本」の魅力を探る特別展「祖父江慎+コズフィッシュ展:ブックデザイ」を開催している。会期は3月23日まで(2月15日、3月21日休館)。開場時間は10:00~20:00(土曜日は19:00まで、日・祝日は17:00まで)。一般300円、大学・高校生200円、千代田区民・中学生以下無料。同展は、祖父江氏と同氏が主宰するコズフィッシュのブックデザインを通して、フィジカルな「本」の魅力を探るもの。館内改装のため閉館中のギンザ・グラフィック・ギャラリーにより開催される。ブックデザインの第一人者である祖父江慎は、その独特な感性と鍛え抜かれたデザイン力により、常に意表を突く作品を世に送り出してきた。本の中身・内容をいかに伝え、読者に訴え得るか、あるいはそこに意図的なデザインを感じさせることなく自然に読み進めることができるかが装丁やブックデザインの基本だが、創造力あふれるデザインがその本の世界をより魅力的に語ることがある。同展では、アイデア・プラン出しから始まってそれらを実現するための試行錯誤を、本に使われる紙や本の構造、印刷方法から製本まで、実際にデザインした本を例に紹介されるということだ。また、夏目漱石の「心」、「吾輩ハ猫デアル」新装版の制作プロセスを細かく紹介。「心」装丁のために漱石自身が描いた装画や初版本のゲラなど、貴重な漱石自筆作品も展示される。なお、期間中展示替が行われる。前期「cozf編」は2月14日まで、後期「ish編」は2月16日~3月23日。漱石「心」の自筆装画は前期公開、「吾輩ハ猫デアル」の制作プロセスは後期公開となっている。そのほか、関連企画として対談「漱石本制作の舞台裏」が開催される。出演は祖父江慎、渡部朝香(岩波書店単行本編集部)、前田耕作(同製作部)。開催日時は3月10日18:30~20:00。会場は日比谷図書文化館地下1階コンベンションホール(大ホール)。参加費は500円、要予約。申込など詳細はギンザ・グラフィック・ギャラリーWebページにて。
2016年01月26日本がつくられるまでの過程が学べる「祖父江慎+コズフィッシュ展:ブックデザイ」が、16年1月23日から3月23日まで東京の日比谷図書文化館1階の特別展示室にて開催される。同展では、松本大洋の『GOGOモンスター』、吉田戦車の『伝染るんです。』などで知られる日本が誇るグラフィックデザイナー・祖父江慎がデザインした本を用いて、本に使われる紙や本の構造、印刷方法、製本など、アイデア・プラン出しから本が完成するまでの過程を紹介。全3部構成となっており「コズフィッシュの書庫」では、祖父江慎+コズフィッシュによる2,000冊以上に及ぶ全装丁本を展開。20世紀の書籍を展開する前期「cozf編」と、21世紀の書籍を集めた後期「ish編」に分けて展示される。「漱石室」では、多くの日本人に馴染みのある夏目漱石の『こゝろ』や『吾輩ハ猫デアル』の新装版の制作プロセスを紹介。初版本の装丁のために漱石自身が描いた装画や、漱石が手を入れたゲラなども展示される予定だ。「本の実験室」では、アイデア、紙、書体、本の構造、色と網点、加工、本の寿命などのコーナーに分けて本づくりの様々な工程を紹介していく。また、2月18日の18時30分から20時には祖父江慎と、グラフィックデザイナーで武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科教授の白井敬尚による対談「造本あれこれそれ話」を開催。3月10日の18時30分から20時までは祖父江に加え、岩波書店単行本編集部の渡辺朝香と岩波書店製作部の前田耕作を交えた3人によるトークセッション「漱石本制作の舞台裏」が行われる。【イベント情報】「祖父江慎+コズフィッシュ展:ブックデザイ」会場:日比谷図書文化館1階の特別展示室住所:東京都千代田区日比谷公園1-4会期:16年1月23日~3月23日(前期「cozf編」1月23日~2月14日、後期「 ish編」2月16日~3月23日)時間:10:00~20:00(土曜日は19:00まで、日曜日・祝日は17:00まで)料金:一般300円、高大学生200円、千代田区民・中学生以下・障碍手帳所持者と付き添い1名は無料休館日:2月15日、3月21日
2016年01月07日2016年1月より放送開始予定のTVアニメ『おしえて! ギャル子ちゃん』よりキービジュアル第2弾やメインキャラクターの別ver.服装の設定画、サブキャラクターの色設定&キャストなどの最新情報が公開された。○メインキャラクターの別ver.服装の設定画■ギャル子■オタ子■お嬢○サブキャラクターの色設定&キャスト公開■担当キャストチャラ男 …… cv. 櫻井孝宏スポ男 …… cv. 小野大輔オタ男 …… cv. 松岡禎丞肉子 …… cv. 木村珠莉オカ子 …… cv. 飯田友子委員長 …… cv. 諏訪彩花アゲ美 …… cv. 石上静香ヤバ菜 …… cv. 本渡楓王子 …… cv. 芳野由奈メタ子 …… cv. 加隈亜衣不思議ちゃん …… cv. 久保ユリカボム男 …… cv. 古川慎アベセン …… cv. 中村悠一クセ太 …… cv. 藤井ゆきよツン乃 …… cv. 千本木彩花キバ美 …… cv. 大西沙織ブド子 …… cv. 鈴木絵里ノリ介 …… cv. 八代拓コン太 …… cv. 天﨑滉平ハカセ …… cv. 熊谷健太郎フツ男 …… cv. 小林裕介ネト郎 …… cv. 村田太志ナレーション …… cv. 能登麻美子○TVアニメ「おしえて! ギャル子ちゃん」番宣CM 15秒ver.○AKIHABARAゲーマーズ本店でクリアファイル無料配布会TVアニメ『おしえて! ギャル子ちゃん』の放送開始を記念して、2016年1月8日(金)に東京・秋葉原のAKIHABARAゲーマーズ本店にて、キャストによる特製クリアファイルの配布会が実施される。■特製クリアファイル配布会【開催日時】2016年1月8日(金) 18時00分より30分間を予定【配布場所】AKIHABARAゲーマーズ本店1F店頭【登壇者】和氣あず未(ギャル子役)、富田美憂(オタ子役)、高橋未奈美(お嬢)※配布会は参加無料。※クリアファイルが無くなり次第終了となる。TVアニメ『おしえて! ギャル子ちゃん』は2016年1月よりTOKYO MX、BS11、AT-Xにて放送開始予定。詳細についてはアニメ公式サイトをチェックしてほしい。(C)2015 鈴木健也/KADOKAWA刊/ギャル子ちゃん製作委員会
2015年12月30日12月20日に最終回を迎えるTVアニメ『ワンパンマン』の直前企画として、『TVアニメ「ワンパンマン」最終回もうすぐ特番』がニコニコ生放送にて同日19時より放送される。『ワンパンマン』は、3年間の特訓により無敵のパワーを手にした主人公サイタマが、あまりにも強くなりすぎてしまったため、どんな敵でもワンパンチで決着がついてしまうことにつまらなさを感じながらも、日々現れる新しい敵に"趣味"で立ち向かっていく姿が描かれる。そんなサイタマに憧れて弟子入りするサイボーグのジェノスや、個性的なヒーローたちの迫力あふれる戦闘シーンも話題になっている。放送直前特番には、サイタマ役の声優・古川慎、ジェノス役の石川界人、音速のソニック役の梶裕貴、アトミック侍役の津田健次郎ら人気声優が参加。番組では#11までの振り返りのほか、最終回の見どころ紹介などが行われる。また、翌日の12月21日からは本編映像を多数使用した映像広告も展開。27日までの期間ではTOKYO MARU-VISION(東京駅丸の内南北ドーム広告ビジョン)、恵比寿駅大型LEDビジョン(山手線外回りホーム向かい広告ビジョン)、そして山手線、中央線快速、埼京線、京浜東北線・根岸線、 京葉線、横浜線、南武線のトレインチャンネル(車内モニター)で放映する。さらに2016年1月3日までの期間では、新宿、渋谷、東京、秋葉原、品川、恵比寿、上野、池袋、赤羽、巣鴨、吉祥寺、八王子、三鷹、国分寺、横浜、桜木町、浦和、大宮、船橋の計19駅・216面にて駅構内広告ビジョンで上映される。(C)ONE・村田雄介/集英社・ヒーロー協会本部
2015年12月19日現在TVアニメ放送中の『ワンパンマン』のBlu-ray&DVD発売直前イベントが、12月13日に都内・新宿ステーションスクエアにて開催される。同イベントは、『ワンパンマン』Blu-ray&DVD第1巻が12月24日に発売されることを記念して実施。現在展開中のSNS企画「ワンパンくらってみたキャンペーン」と連動した吹っ飛び写真を撮影できるスポットのほか、劇中のワンパンチシーンの場面カットを使用した顔ハメパネルが登場する。撮影参加者には先着限定でプレゼントも配布されるという。また、TVシリーズ最終話のアフレコ収録を終えたキャスト陣からのコメントも到着。"無敵のパワーを手に入れた男"サイタマを演じた古川慎は、「『終わってしまったなぁ……』と。お祭りのようなにぎやかさと、その中にあるキャストスタッフ一丸となった本気の雰囲気を毎回楽しみにしていたので、終わった直後は寂しい気持ちでいっぱいになりました」と振り返るとともに、「同時に、アニメシリーズをここで終わらせたくない!と、強く思いました!」と早くも続編への期待を熱く語った。サイタマに憧れ弟子入りするサイボーグ・ジェノス役を演じる石川界人は、一番心に残ったセリフについて「『先生っ!!』です。何度も呼んできましたし、状況や関係値の変化によって、そのニュアンスも変えられたらと思いながら演じさせていただいていたので強く印象に残っています」と回答。回を重ねるごとに変わっていく師弟関係を表現した工夫を明かした。また、最終回の見どころとして、「クロビカリは活躍するのか!最後まで目を離さず見ていただけると幸いです」と、劇中でも気になるヒーロー・クロビカリの活躍ぶりを案じていた。最終回でサイタマと激闘を繰り広げるボロスを演じた森川智之は、「全力で戦ったので悔いはありません」と戦闘シーン収録を振り返る。しかし一方で「でもサイタマはあまりカロリーを消費しないヒーローなのでズルいですよ」と、"無敵のパワーを手に入れた男"に恨み節もちらり。なお、12月20日の19時からはニコニコ生放送にて「TVアニメ『ワンパンマン』最終回もうすぐ特番」を放送。古川慎、石川界人らが登場し、#11までの振り返りや、最終回の見どころ紹介などが行われる。(C)ONE・村田雄介/集英社・ヒーロー協会本部
2015年12月03日コンビニエンスストアを中心に展開している"ハズレなしのキャラクターくじ"「一番くじ」より、「一番くじ ワンパンマン ~先生! 俺たちのヒーローグッズができました!~」が、11月14日より全国の書店、ホビーショップ、ゲームセンターなどで販売される(一部店舗を除く)。価格は1回620円(税込)。今回の「一番くじ」は、10月より放送がスタートしたTVアニメ『ワンパンマン』を題材に、作中に登場するヒーローたちをモチーフにしたアイテムなど、A賞~H賞の8等級全25種類+ラストワン賞をラインナップ。A賞には、無敵のパワーを手にした主人公・サイタマの顔を、これまで「一番くじ」に登場した皿系商品史上最大級の28cmのビッグサイズの皿に描いた「大皿」(全1種)が登場。B賞は、サイタマの強さにあこがれて弟子入りするサイボーグの青年・ジェノスをモチーフにした「ブランケット」(全1種)、C賞はヒーロー勢ぞろいのオリジナルデザインの「トランプ」(全1種)を用意している。D賞は、さまざまな表情のサイタマたちが描かれた「湯のみ」(全3種)。E賞はサイタマ、ジュノス、タツマキ、ソニックそれぞれをモチーフにした「トレーニングタオル」(全4種)。F賞は、押印したところにメッセージが書き残せる「メッセージスタンプ」(全4種)。そのほかにも、ヒーローたちがデザインされたクリアファイルが2枚1セットになった「クリアファイルセット」(全4種)や、キャラクターたちを「きゅんキャラいらすとれーしょんず」で再現した「アクリルストラップ」(全5種+シークレット2種)などのアイテムがラインナップされている。お店で最後のくじ券を引くとその場でもらえるラストワン賞には、サイタマ役の声優・古川慎とジェノス役の石川界人の録り下ろし音声を収録した「目覚まし時計」(全1種)。なお、くじの半券を使って応募するダブルチャンスキャンペーンも同時に展開され、これらのヒーローグッズを開発中のサイタマとジュノスが描かれた「クリアポスター」(B3サイズ)が50名に当たる。(C)ONE・村田雄介/集英社・ヒーロー協会本部
2015年10月26日宇宙飛行士の古川聡氏が代表を務める研究プロジェクト「宇宙からひも解く新たな生命制御機構の統合的理解(宇宙に生きる)」のキックオフミーティングが10月6日に都内で開催された。宇宙空間では無重力による骨格筋の萎縮、体液シフト、閉鎖環境による体内リズムの不調、宇宙放射線被ばくなど、人間の身体にとってさまざなリスクがある。古川宇宙飛行士は2011年に約5カ月半、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在し、宇宙酔いや地球帰還後の平衡感覚の喪失などさまざまな身体の変化を実際に体験した。その経験を通じて宇宙における生物学的リスクが「相乗的に作用するのでは?地上でも関連する問題があるのでは?」と感じたことが、同プロジェクトの発足を決意した理由だという。キックオフミーティングで登壇した古川宇宙飛行士は「これまで人類は宇宙に挑戦するためにさまざまな物理的障害を克服してきました。今、宇宙滞在最大のテーマは、無重力などの生物学的障害の克服です。宇宙という極限環境で地球生命体はどこまで恒常性を維持できるのか、それは"人類コスモ化"への挑戦、そして地上での問題へもつながっていると考えられます。」とプロジェクトの意義を語った。同プロジェクトの期間は2015年度から2019年度までの5年間で、宇宙という極限環境での生命制御機構の解明を目指し、無重力、閉鎖環境、放射線という3つの要素が生命体に与える影響について研究を行うほか、これら3つの要素を横断的につなぐ研究テーマを公募する。
2015年10月06日2015年10月よりテレビ東京ほかにて放送がスタートするTVアニメ『ワンパンマン』の追加キャストが発表された。今回発表されたキャストは、イケメン仮面アマイマスク役の宮野真守と地獄のフブキ役の早見沙織の2名。「アマイマスク」というヒーローらしからぬ名前のキャラクターを演じる宮野は「どんなキャラクターなのかなと思っていたら、本当にとびっきり"甘いマスク"でびっくりしました(笑)」と役どころに驚いたようで、「タレント業もこなしている上、人気だけでなくかなり高い戦闘能力を持つ『アマイマスク』。そんな彼の魅力をしっかり出していけるように、お芝居に臨んでいきます」と意気込みを語っている。対する早見が演じるのは、Bランクヒーローの派閥「フブキ組」を束ね、超能力で戦う地獄のフブキ。役柄について早見は、「フブキのかっこいい部分やかわいらしい部分などいろいろな側面をお見せすることができればと思っております」とコメントを寄せている。なお、アニメの主題歌はJAM Projectが担当し、エンディングテーマは歌手でタレントの森口博子が務めることも明らかに。1985年~1986年に放送されたTVアニメ『機動戦士Zガンダム』の主題歌「水の星へ愛をこめて」や、劇場アニメ『機動戦士ガンダムF91』(1991年)の主題歌「ETERNAL WIND~ほほえみは光る風の中~」で知られる森口は、久々のアニメソング復帰となる。オープニング曲は10月21日に、エンディング曲は11月18日にそれぞれCD発売される。さらに、9月6日にはさいたま市文化センターにて、アニメの先行上映会を実施。イベントでは1話と2話の上映に加え、サイタマ役の古川慎、ジェノス役の石川界人、ソニック役の梶裕貴、戦慄のタツマキ役の悠木碧によるキャストトークも行われるという。チケットは3,000円で、8月23日10時より一般販売。本作の原作は、WEBサイト『となりのヤングジャンプ』(集英社)にて連載中のONEと村田雄介氏による同名コミック作品。3年間の特訓により無敵のパワーを手にした主人公サイタマが、あまりにも強くなりすぎてしまったため、どんな敵でもワンパンチで決着がついてしまうことにつまらなさを感じながらも、日々現れる新しい敵に"趣味"で立ち向かっていく姿が描かれる。(C)ONE・村田雄介/集英社・ヒーロー協会本部
2015年08月07日野村周平や古川雄輝、間宮祥太朗といった次世代を担う若手俳優たちが結集し、思春期の葛藤をテーマにしたカリスマ的人気コミック「ライチ☆光クラブ」が待望の実写映画化。<ダークサイド版イケメンパラダイス>ともいえる少年たちの愛憎劇を描く本作から、超特報映像とキャスト陣のコメントが到着した。独創的な世界観と圧倒的な画力で支持される鬼才漫画家・古屋兎丸のロングセラーコミック「ライチ☆光クラブ」。舞台は、黒い煙と油に塗れた町“蛍光町”と、“光クラブ”と呼ばれる廃工場の秘密基地。9人の少年たちの青春残酷劇を徹底して精緻に美しく描写した物語は、2012年、2013年と立て続けに舞台化され、全公演が即完売となるほど人気となった。舞台版DVDも異例の販売数を誇り、12月にも舞台公演が決まっている。今年、コミック発売から10周年を迎えるにあたり、満を持しての映画化となった。美しい少年同士の愛も描かれるセンセーショナルな作品であることから、映画化がアナウンスされたときから出演キャストに注目が集まっていた本作。大人になることを拒んだ、9人の少年たちを演じるのは、若手の中でも演技派の筆頭株として、『ビリギャル』『愛を積むひと』「恋仲」(フジテレビ)など出演作が目白押しの野村周平(21)を始め、漫画から飛び出したような9頭身の超ハイスペック俳優、『脳内ポイズンベリー』の古川雄輝(27)、ファースト写真集が異例の販売部数を誇り、人気急上昇中の「水球ヤンキース」の間宮祥太朗(22)。さらに、殺陣やアクロバットなアクションを得意とし、近年では舞台でも絶大な人気を博す池田純矢(22)、「仮面ライダー鎧武/ガイム」に出演し、主演舞台は即完売の動員力を誇る松田凌(23)、「仮面ライダーウィザード」で知られ、多くのドラマ、映画で活躍する戸塚純貴(22)、放送中のドラマ「デスノート」ほか『みんな!エスパーだよ!』と出演作がつづく柾木玲弥(20)、マーティン・スコセッシ監督『Silence』(原題)に出演が決まっている藤原季節(22)、そして『合葬』の公開を控える岡山天音(21)という、今後期待される20代の若手俳優たちばかりが揃った。メガホンをとったのは、衝撃作『先生を流産させる会』で脚光を浴び、オムニバスドラマ「リアル鬼ごっこ ライジング」にも参加、野村さんとは夏帆主演の『パズル』でもタッグを組んだ新進気鋭・内藤瑛亮。実存する廃工場で敢行された撮影により、独創的な世界観を実現させている。アミューズオーディションで3万5千人の頂点となった野村さん、ミスター慶応の古川さん、間宮さんを含む4名の「イケメン☆パラダイス」出演者に、ジュノン・スーパーボーイ・コンテストの受賞者である池田さん、戸塚さん、柾木さんら、まさにイケメンの精鋭が揃ったダークな愛憎劇。今後の続報にも、引き続き注目していて。<以下、キャスト・原作者・監督コメント>野村周平現場では、若手キャストやスタッフの全員の仲がよかったので、それがいい形で映画に現れていると思います。 原作もそうですが、いま、こういった形で描かれることのない思春期の様子を描いて、とても刺激的な作品です。 普段の生活をしていたら絶対に交わることがない世界が描かれているので、いままで体験したことがない経験が必ずできると思います。古川雄輝舞台版を拝見したことがあり、とても好きな作品なので出演することができ嬉しく思っています。同世代の役者さんが多く、皆さんとのお芝居は刺激的で面白かったです。原作ファンの方々、そして初めてご覧になる方々にも映画化した「ライチ☆光クラブ」の独特な世界観を楽しんでいただきたいです。間宮祥太朗閉鎖的な街の中で、鋭角で狭い視野の中で、やみくもに自身にとっての光を探した少年達の狂気じみた思春期をぜひ観てください。この作品に関われたことを深く感謝しています。原作者:古屋兎丸映画企画が走り出してから数年、紆余曲折がありましたが、キャスト、スタッフ共に一流の方が集結してくれたことを嬉しく思います。内藤監督はその物腰の柔らかさからは想像のできないほどのマグマを内に秘めた監督さんで、その感性が本作で爆発しています。何度も脚本を書き直し、「ライチ☆光クラブ」と「ぼくらのひかりクラブ」を合わせた本を作ってくださったので、原作ファンの方々を裏切らない内容になっていると思います。この映画で光クラブのメンバーを演じられた役者さんたちは、皆さんそれぞれ個性を生かし、役に没入してくれました。富士の真冬の廃工場で連日連夜、熱い演技をしてくれた彼らの鬼気迫る姿はまさに光クラブでした。いままで見たことのない彼らの意外な面が見られると思います。監督・内藤瑛亮同士愛のシーンでは、昔読んだ「風と木の詩」を思い出しながら、歪んだ内面を抱えた者同士の哀しい繋がりであることを意識しました。キャスティングでは今回、キャラクターがもつ感情の核を体現してくれる俳優の方々に集まっていただき、彼らが演じる狂気に溺れ破滅していく少年たちを、一人一人抱きしめるようにスクリーンに映すことに務めました。『ライチ☆光クラブ』は今冬、新宿バルト9ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年07月30日TVアニメ化が発表されていた、ONEと村田雄介氏原作の『ワンパンマン』が、2015年10月よりテレビ東京ほかにて放送されることが明らかになった。本作の原作は、WEBサイト『となりのヤングジャンプ』(集英社)にて連載中の同名コミック。3年間の特訓により無敵のパワーを手にした主人公サイタマが、あまりにも強くなりすぎてしまったため、どんな敵でもワンパンチで決着がついてしまうことにつまらなさを感じながらも、日々現れる新しい敵に"趣味"で立ち向かっていく姿が描かれる。キャストはすでに発表されているとおり、サイタマ役を『ハイキュー!!』の金田一勇太郎役などで知られる声優の古川慎、サイタマの強さにあこがれて弟子入りするサイボーグの青年・ジェノスを、『ワールドトリガー』出水公平役の石川界人が担当。また、少女のような見た目が特徴のヒーロー・戦慄のタツマキ役を『魔法少女まどか☆マギカ』の鹿目まどか役・悠木碧が務め、暗殺から用心棒まで何でも請け負う自称「最強の忍者」ソニックを、『進撃の巨人』でエレン・イェーガーを演じた梶裕貴が演じる。そのほかにも、無免ライダー役を中村悠一、シルバーファング役を山路和弘、キング役を安元洋貴、ゾンビマン役を櫻井孝宏、タンクトップマスター役を小西克幸、タンクトップタイガー役を宮崎寛務と、豪華声優陣が名を連ねている。さらに、8月4日に発売されるコミックス第9巻では、アニメと同じ声優キャストが声を担当したドラマCD同梱版も同時発売。アフレコを終えたキャストのコメントも到着し、「収録ではサイタマ、ジェノスのほか、力強い先輩方とご一緒できるとのことで前日から緊張しっぱなしでした」とサイタマ役の古川がほっと息をつく一方で、ジェノス役の石川は「すでに盛り上がっている『ワンパンマン』ですが、音声化、映像化にあたり、さらに盛り上がっていくと思います」とアニメ化への期待をにじませた。また、今回初めてタツマキを演じたという悠木は、「最初、大人っぽい最強のツンデレというイメージで演じていたら、かわいいツンデレ幼女という感じにしてくださいと言われ、『タツマキ、ごめん! すごい勘違いしてたよ…』という気持ちになりました」とまだ手探りの状態。ソニック役の梶も「ソニックとして最初の音声収録がいきなりの番外編で少しとまどいました」と語るなど、アニメ完成前の貴重な演技ぶりにも注目が集まる。『ワンパンマン』第9巻は、8月4日発売で「単行本のみ」の価格は432円(税込)、「ドラマCD同梱版」は2,138円(税込)。(C)ONE・村田雄介/集英社・ヒーロー協会本部
2015年07月23日その格好良さ、その知的さ、その色っぽさ、イケメンという表現では足りないほどの魅力を持った俳優・古川雄輝。その類い稀なる魅力を活かし、すでに「イタズラなKiss~Love in TOKYO」(ドラマシリーズ)などで人気を博している彼が、新作映画『脳内ポイズンベリー』でこれまでとは少し違うイケメン役に挑んだ。演じるのはヒロイン・いちこ(真木よう子)が恋する相手、年下のアーティスト、早乙女23歳。似ているけど似ていない!?早乙女を通して見えてくる古川さんの素顔──。「台本を読んで感じた早乙女像は、子供っぽいところがある、つき合うにはいいけど結婚には向いてない、すぐに感情を表に出してムスッとしてしまう、連絡がテキトーなどですが、実はキャラクターとして共感できる部分もあるんです(笑)。僕もすごく子供っぽいところがあって…たとえば、ホイコーローを食べるシーンで早乙女はキャベツをよけて食べるんですけど、僕も20歳までまったく野菜が食べられなかった。ああ、一緒だなぁって(苦笑)。あとは、大人の男性なら顔に出さずにスマートに振る舞うところで感情を出しちゃったりするし、マイペースだし。そういうところは自分と一緒だったのでそのまま活かして演じています」。クールなイメージが強いだけに早乙女的な一面はかなり意外。けれど、好きな女性にすべてを“合わせる”ことは「ないですね」ときっぱり言えるのは何だか格好いい。「僕は僕なので、すべてを相手に合わせることはしないです。この映画でもいちこさんは早乙女に合わせすぎて、けっきょく疲れ果ててしまって、2人の関係は悪い方へ行ってしまう。だから無理矢理自分を変えることはしたくない。でも、もしも僕がいちこさんだったとしたら、早乙女ではなく断然、(恋敵である)越智さんを選びますね」。その理由を聞くと、子供っぽいと言うのはやはり謙遜で、いやいやどうして素敵な大人にしか見えない。そこから古川さんの恋愛観、結婚観が見えてきた。「女性の年齢によって付きあい方って変わってくると思うんです。いちこさんは30歳。一般的に30歳前後の女性とつき合うなら結婚を意識するべきだと僕は考えていて。というのも、僕がいちこさんと1年間つき合ったとすると、いちこさんの30歳から31歳までの時間を奪ってしまうわけですから、つき合うときにちゃんと将来を考えて責任を持つべき。だから、越智さんがおすすめなんです(笑)」。古川さんが「絶対、越智さん」というように、観客はいちこを通して、自由な年下アーティストの早乙女か、それとも頼れる年上の編集者の越智さんか、2人の男を天秤にかける。そんないちこの恋愛模様が描かれるのが現実パート、いちこの頭の中を描くのが脳内パート。面白いのは、原作から引き継いで描く脳内会議──理性、ポジティブ、ネガティブ、記憶、衝動、5つの思考=キャラクターたちがいちこの頭のなかに存在し会議をする。とても斬新な設定がみどころだ。「僕は現実パートだったので、脳内パートの撮影風景は見ていなかったんですが、完成した映画を観てものすごく面白いなぁと驚きました。あと、女性って…と思ったのは、思ったことを相手に言わずに脳内会議してしまう心理ですね。女性のみなさんは「察してほしい」と言うけれど、男はバカだから察することはできない。僕は無理ですね(苦笑)。早乙女のセリフにもありましたけど、言ってくれないと分からないんです…」。男は女の生態を、女は男の生態を垣間見るという意味でも、この映画は実に面白い。それが色濃く表れているとてもユニークなシーンがある。30歳になったいちこに向かって早乙女が、「ないわ~」と言うシーン。早乙女的には「30歳にはぜんぜん見えないね」という、いい意味の「ないわ~」であるのに、いちこは勝手にネガティブな意味として捉え、あれこれ妄想してショックを受ける。コメディ要素の強いシーンでもある。古川さんに課せられたのは「ないわ~」のセリフをアドリブで演じること。「あのシーンはアドリブも含め20テイク以上撮りました。実際の早乙女じゃない、いちこさんの妄想のなかでの早乙女を演じるので、不思議な感覚でしたね。そのシーンは僕ひとりでの撮影。真木さんはその日の撮影を終えていたので、てっきり帰られたと思っていたら、実はモニター脇でずっと見ていたらしくて…。“古川くん、あんな(にヒドイ)こと思っていたんだね…”って。もう、なにも言い返せなかったです(苦笑)」。そんな見たことのない古川さんの演技を引き出したのは、佐藤祐市監督。「いつか仕事をしてみたかった」と喜ぶ反面「今までやったことのない挑戦もあった」と苦労を語る。「今回は演技プランを考えずに現場に入ったんです。それは初めてのこと。いつもは、こうきたらこう、この動きならこう、このセリフなら…とあれこれ考えてプランを練っていくんですが、僕が演じるのは現実パート、自然体で演じなくてはならない。加えて、監督からの指示がものすごく多くて、かつ細かかったんです。目線、手の動き、身体の角度、仕草…監督の細かい演出にひとつひとつ応えていくことで早乙女になっていきました。正直、決して楽しいとは言えなかったけれど、完成した映画を観ると、ちゃんとスクリーンの中に早乙女がいる。新しい演じ方を経験させてもらいました」。演技の幅を広げた古川さんは現在、中国、アメリカ、イギリスなど海外にも活躍の場を広げている。彼がこの先に目指すものは何なのか──。「引き出しの多い俳優になりたいというのがひとつ。あと、帰国子女なので英語を活かした仕事もどんどんやっていきたいんです。海外に住んでいるときに思ったのは、洋画に登場する日本人役をなぜ中国系の役者さんがカタコトの日本語で演じているんだろう?どうして日本人の俳優が演じないんだろう?という疑問。なので、そういう場でも活躍していきたいです」。(text:Rie Shintani/photo:Nahoko Suzuki)
2015年05月07日2戦2勝と最高のスタートを切った新生日本代表。新体制における第1号ゴールを含めた2得点をあげ、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督から厚い信頼を勝ち取ったFW岡崎慎司(マインツ)は、ゴールに対する独特の美学を貫きながらさらなる成長を誓う。○いまも岡崎の心に色濃く残る通算7ゴール目日本代表として初めてキャップを獲得してから6年半あまり。その間に出場した91試合で積み重ねてきた日本歴代3位の「43」ゴールすべてに重みがあり、それぞれにドラマが凝縮されている。そのなかから、あえてベストゴールを選ぶとすれば――。岡崎は迷うことなく、2009年6月6日にあげた通算7ゴール目をあげる。敵地タシケントで行われた、ウズベキスタン代表とのワールドカップ・アジア最終予選。その前半9分に岡崎をいま現在に至るまで支え、未来永劫(えいごう)に心のなかで神聖化されていくゴールが生まれている。MF中村憲剛(川崎フロンターレ)が放った縦パスに、右サイドからゴール前へ飛び込む。左足によるボレーは相手GKにセーブされたが、直後に岡崎の真骨頂が発揮される。こぼれ球に誰よりも素早く反応し、体勢を崩しながら低空飛行のダイビングヘッドを見舞う。ピッチすれすれで首を必死に伸ばした、お世辞にも美しいとは形容できない姿勢から放たれた一撃はゴールネットを揺らし、岡田ジャパンを南アフリカ大会出場に導く決勝弾となった。○座右の銘「一生、ダイビングヘッド」の起源岡崎はワールドカップの大舞台でもゴールを決めている。それでも、ピッチが荒れ放題で、照明も薄暗かったタシケントのスタジアムでマークした一撃を大事にしている理由は何なのか。「自分に対して自信をもつことができたゴールだったんです」。兵庫県の強豪・滝川第二高校から清水エスパルスに入団した2005年。岡崎は中学時代に所属した宝塚ジュニアFCの山村俊一コーチから、いまも座右の銘としている言葉を贈られている。「一生、ダイビングヘッド」。山村コーチは基本を徹底的に反復させ、そのなかでもシュート練習に大半の時間を割いた。コーチが放つクロスに対してヘディングを見舞い続けた日々を、岡崎は苦笑いしながら振り返ったことがある。「カッコつけてボレーなんてしようものなら、ホントに怒鳴られましたからね」。当時は砂利混じりの土のグラウンドで練習することも少なくなかった。それでもダイビングヘッド中心のメニューは変わらない。地面にこすりつけた額に血をにじませながら、無我夢中で空中遊泳を繰り返した。○ストライカーの矜持を貫かせた絶対的な武器プロ入りに際しては母校の黒田和生監督(当時)から反対され、実際にエスパルスの1年目は8人いたFWで8番目にランクされた。長谷川健太監督(現ガンバ大阪監督)から右サイドバック転向を打診されたこともある。それでも「自分には絶対的な武器がある」という自負が、岡崎にストライカーとしての矜持(きょうじ)を貫かせた。中学時代から磨きあげてきたダイビングヘッドで日本代表を勝利に導き、ワールドカップ切符を手繰り寄せたという点で、通算7点目は原点にもなっているのだろう。ブンデスリーガに戦いの場を移して5シーズン目。不断の努力を積み重ねながらマインツのエースストライカーとして2シーズン連続で2桁ゴールをマークし、プレミアリーグのレスターからオファーが届くまでの存在に成長しても、間もなく29歳になる岡崎のプレースタイルの根本的な部分は変わらない。174cm、76kgと小柄なストライカーが生き残っていくためには、屈強な大男たちが壁を築くゴール前へ怯(ひる)むことなく飛び込んでいく勇気が何よりも求められる。岡崎からはこんな言葉を聞いたこともある。「恐怖を感じる前に飛び込んでいくんです」。○柴崎のゴールを体を張って“アシスト”した理由3月31日に味の素スタジアムで行われたウズベキスタン代表との国際親善試合。後半9分に十八番のダイビングヘッドで2点目を決めた岡崎は、同35分には体を張って味方のゴールを“アシスト”している。相手のFKが壁に当たり、こぼれ球がピッチ中央に弾む。飛び出した22歳のMF柴崎岳(鹿島アントラーズ)が、前に出てきた相手GKの頭越しにループシュートを放つ。距離にして約40m。3回バウンドしてゴールに吸い込まれるまで、岡崎は追走してくる相手DFを抑え、それでいてボールには触れずに、最後は笑いながらボールとともにゴール内へ転がり込んだ。「ゴールというものは、一人の選手にとって大きなものになる。自分はそれを知っているから、ああいうプレーができたんだと思う」。自己犠牲を厭(いと)わない岡崎の献身的な姿に、就任2戦目を5対1の大勝で飾ったヴァイッド・ハリルホジッチ監督も賛辞を惜しまなかった。「素晴らしいことだし、珍しいことだし、(世界中の)どこにも存在しないことだ。(5つのゴールのなかで)実は一番スペクタクルなのかもしれない」。○2戦2発で射止めた新生日本代表のエースの座ボールをかき出そうとした相手DFの足につまずくなど、件(くだん)のシーンではけがに見舞われる恐れもあった。サッカーを愛する子どもたちにはまねをしてほしくないという願いを込めて、岡崎は4月2日に更新したブログにこう綴(つづ)っている。「あの場面で迷わずガムシャラにボールをゴールへ押し込んで欲しいなって思います。まずはガムシャラにサッカーをすることが、みんなには大事だと思うから」。自分自身にリスクを生じさせた点は反省しているが、柴崎のゴールを優先させた選択は後悔していない。2戦2発でハリルジャパンでもエースを拝命し、日本歴代2位の三浦知良(横浜FC)の「55」得点を視界にとらえた岡崎はさらなるレベルアップを誓う。「奪った後に縦への速いボールが自分に入ってくるので、それをどうやってさばけるか。そういうプレーの質を高めてもっとゴールを奪いたいし、チャンスメークもできるようにしたい。まだまだ気が抜けないし、もっと上を目指したい」。原点を貫き通すいい意味での頑固さと、際限なく湧きあがってくる貪欲な向上心。そして、前線で放つ大きな存在感とフォア・ザ・チームの精神。ハリルホジッチ氏を含めた歴代の日本代表監督が、岡崎に魅せられてきた理由がここにある。写真と本文は関係ありません○筆者プロフィール: 藤江直人(ふじえ なおと)日本代表やJリーグなどのサッカーをメインとして、各種スポーツを鋭意取材中のフリーランスのノンフィクションライター。1964年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒。スポーツ新聞記者時代は日本リーグ時代からカバーしたサッカーをはじめ、バルセロナ、アトランタの両夏季五輪、米ニューヨーク駐在員としてMLBを中心とするアメリカスポーツを幅広く取材。スポーツ雑誌編集などを経て2007年に独立し、現在に至る。Twitterのアカウントは「@GammoGooGoo」。
2015年04月04日ONEと村田雄介氏による漫画作品『ワンパンマン』のTVアニメ化が決定し、メインキャストが発表された。コミックの累計発行部数500万部を突破している本作は、WEBサイト『となりのヤングジャンプ』(集英社)にて現在連載中。3年間の特訓により無敵のパワーを手にした主人公サイタマは、あまりにも強くなりすぎてしまったため、どんな敵でもワンパンチで決着がついてしまうことにつまらなさを感じながらも、彼は日々現れる新しい敵に"趣味"で立ち向かっていく姿が描かれる。発表されたメインキャストは、主人公のサイタマ役を『ハイキュー!!』の金田一勇太郎役などで知られる声優の古川慎、サイタマの強さにあこがれて弟子入りするサイボーグの青年・ジェノスを、『ワールドトリガー』の出水公平役などで知られる石川界人が担当する。出演について古川は、「サイタマの一撃必殺と日常のぼけっとした感じとのギャップを大切にしながらがんばっていきます」とコメント。一方の石川は「ジェノスは、たまに天然で切れ味の鋭いことを言っちゃうところも、なぜか許せちゃうキャラクター。そんなところがみなさんに伝わるように演じられれば」と意気込みを語っている。アニメ化が決定した当初、Twitterで喜びを爆発させたい衝動をなんとか我慢したという原作の村田氏は「すばらしいスタッフさんたちに恵まれ、毎週丁寧に打ち合わせを重ねて内容、ビジュアルともにトコトンねりこんでいただきました」とアニメへの自信を見せており、ONEも「僕も微力ながら制作会議に参加させていただき、制作陣の方々の気合をヒシヒシと感じています。完成が楽しみでなりません」と期待をにじませた。なお、原作の単行本最新8巻は4月3日発売。8巻をセブンネットにて注文し、セブン-イレブン店舗で受け取った場合は、村田がイラストを描き下ろした「コミック着せ替えカバー」(数量限定)がプレゼントされる。ほかにも、4月3日9:00~30日8:59の期間にはセブン-イレブンの無料Wi-Fi「セブンスポット」と連動したキャンペーンも実施。「サイン入りポスター」(3名)や「ヒーロー協会トートバッグ」(100名)などが当たるという。(C)ONE・村田雄介/集英社・ヒーロー協会本部
2015年03月26日サッカーワールドカップ ブラジル大会日本代表の岡崎慎司(ドイツ・マインツ)が5月27日の代表戦で使用したシューズが、7月12日にミズノから発売される。イエロー×ブラックの存在感が際立つ同シューズは、ミズノの新スピード系サッカーシューズ「バサラ(BASARA )001 TC」(1万9,000円)。直線方向の加速や、高速でのターンがしやすい設計の最新モデルだ。R-ファイバーコントロールという特殊繊維新素材が、ダッシュ時やターン時の横ブレを軽減する。実際に27日のキプロス戦でも、岡崎は右MFとしてキレのある動きで好機を演出し、先制点のきっかけとなるプレーも見せている。岡崎は、同シューズについて「初めて履いた時から僕の足に馴染んでくれて、世界で戦うために最大限のサポートをしてくれるシューズだと感じた。このシューズが裏への動き出し、相手より先にボールに触るための一瞬のスピードというプレーの特徴を最大限に引き出してくれる。僕自身、海外に来て感じた課題を克服し、このシューズと共に新しい自分へ進化していきたいと思う」と語る。「バサラ 001 TC」を含む「バサラ」シリーズ9種類は、全国のミズノサッカー品取扱い店で7月12日より順次発売予定。
2014年05月30日三浦春馬主演の『東京公園』で第64回ロカルノ国際映画祭・金豹賞(グランプリ)と審査員特別賞を受賞するなど国内外から圧倒的な支持を得る青山真治監督が、田中慎弥の芥川賞受賞作品「共喰い」を映画化することが決定した。原作は、芥川賞受賞会見での「もらっといてやる」発言が物議を醸した作家・田中慎弥の同名小説。昭和63年を舞台に、父とその愛人と暮らす高校2年生の遠馬を主人公に、人間の性と暴力を描き出す。主演の遠馬役に、史上最年少の「仮面ライダー」としてデビューし、現在TBSドラマ「サマーレスキュー~天空の診療所~」に出演するなど、いまジワジワと注目度が高まっている若手俳優・菅田将暉。さらにヒロイン・千種を新鋭・木下美咲、父親の愛人役に篠原友希子、乱暴な父親を日本映画界に欠かすことのできない名バイプレ―ヤ―・光石研、実母役に圧倒的な存在感を持つ実力派女優・田中裕子を迎えての映画化となる本作。今回の映画化に際し、原作者の田中さんは「決して万人受けするストーリーではないと思いますが、そのように限定された世界が映画によってどのように広がってゆくのか、原作者として、読者として、観客として、楽しみにしています」と喜びを露にしたかと思えば、「小説の『共喰い』こそが一番だと私は思っています。映画に携わる人たちは、『共喰い』は映画のための物語じゃないか、と考えていることでしょう。勝負です」と挑戦的なコメント。青山監督も「原作が田中氏にしか書けない小説だったように、本作も自分にしか作れない映画になってほしい。こんなことを願うのは久しぶりです」と田中さんからの挑戦状を喜んで受けて立つといった様子。そして主演を務める菅田さんからは「いままでの菅田将暉を知ってくださってる方には想像もつかない、イメージがガラッと変わる作品になると予感していますが、こういった濃厚で生々しい世界観を持つ作品への挑戦が役者として、男として深さをもたらしてくれる転機だと信じ、命を懸けて遠馬を演じたいと思います」と気合十分のコメントが寄せられた。いまなお故郷・山口県下関にこだわり、創作を続けている田中さん。また下関と関門海峡を挟んで対岸に位置する福岡の北九州市門司出身の青山監督も北九州を舞台にした『Helpless』、『EUREKA ユリイカ』、『サッドヴァケイション』の“北九州サーガ3部作”を完成させ、本作も北九州での撮影を敢行。9月にクランクインし、来年夏に公開予定とのことだが、2人の共通点といえる土着的な世界観の中でどのような作品に仕上るのか楽しみに待ちたい。『共喰い』は2013年夏、新宿ピカデリーほか全国にて公開■関連作品:共喰い 2013年夏、新宿ピカデリーほか全国にて公開
2012年08月29日俳優として活躍する傍ら、ミュージシャンとしてもキャリアを重ねる古川雄大。多数の映画出演と並行して、舞台経験もミュージカル『ファントム』『深説・八犬伝~村雨恋奇譚~』他と豊富だ。その彼が初めて出演したミュージカルは『テニスの王子様』。それまでもダンサーとしての舞台出演はあったが、「テニミュがほぼデビュー。(この人気作への出演は)恵まれたデビューでした」と語る。その彼が今年、ウィーン初演から20年目を迎える『エリザベート』の皇太子ルドルフ役に挑む。“大ヒットミュージカル”という共通点はあるとはいえ、今度は歴史あるグランドミュージカル。「プレッシャーは、あります。プレッシャーだらけです」。そう語る横顔は、整った顔立ちにクールな雰囲気と、すでに“孤高の王子様”の趣きだ。『エリザベート』チケット情報はこちら作品は、落日のオーストリア・ハプスブルク家の皇后エリザベートが窮屈な宮廷生活の中、葛藤しながらも自由を求めて生きていく物語。今回の公演期間中に、上演回数1000回を迎えるほどの人気作だ。古川も、以前から『エリザベート』という作品の存在はもちろん知っていた。「作品のパワーが強い、という印象です。時代の最先端で、社会に囚われず生きた女性。そこに登場人物が巻き込まれていく。ナンバーも素晴らしくて、魅力がいっぱいです」。その彼が演じるのは、主人公エリザベートの息子、ルドルフ。皇太子でありながら父である皇帝と政治的に対立し、革命運動に身を投じ、破れていく。その崇高さと悲劇性でとても人気の高いキャラクターだ。日本初演では井上芳雄がこの役でデビューし、ほかにも浦井健治、伊礼彼方らこの役を演じた俳優たちはその後日本ミュージカル界の重要な位置を占めている。いわば“ミュージカル・スターの登竜門”。だが、その注目度、人気と相反し、ルドルフの出演時間は20分弱と意外にも短い。「出番は短いんですが、その中にドラマが凝縮されていて、それをきちんと伝えなければいけない。難しいです。でもルドルフって強い男だと思うんですよ。心も強いですし、行動力もあるし。自分とは……追い込まれて追い込まれて、それでも歩く一歩が似ています。僕も、もがきながら進むんです」。言葉を選びながら、真摯に語る。控えめだがきちんと前を見据える視線は、確かに自らの信じる道を進んだルドルフに似合っている。「言葉で着飾っても、自分は全然、未熟なんです。だから、今回はすべてにおいて挑戦です。プレッシャーはもちろんありますが、プレッシャーを受けられる立場に自分がいることを幸せに思わなくちゃいけないですし、プレッシャーに強くなりたい」。そう話す古川に好きなナンバーを訊いた。「全部好きなんですが…『僕はママの鏡だから』が好き、かな。母であるエリザベートとの関係性がわかるし、悲しいけれど、優しさがある曲だと思うので」。そのセレクトにも古川らしさが見てとれた。公演は5月9日(水)から6月27日(水)まで東京・帝国劇場にて。チケットは発売中。その後福岡、愛知、大阪でも上演される。なおルドルフ役は古川のほか、大野拓朗、平方元基のトリプルキャスト。
2012年03月28日