タレントで歌手の吉木りさ(よしき・りさ)さんが、2020年8月26日にブログを更新。夫である俳優・和田正人さんの、41回目の誕生日を祝福しています。吉木りさ、夫を「心から尊敬している」2017年11月に和田正人さんと結婚した吉木りささん。2019年10月には長女も生まれ、家族3人で仲よく暮らしています。吉木りささんはブログで「昨日は夫の誕生日でした」と報告し、自宅でパーティーを楽しむ様子を公開。子供が生まれたため、お祝いの仕方も変わったことを明かしています。昨日は夫の誕生日でした毎年私達が出逢ったバーでお祝いしていたのですが…今年からは我が子もいるので我が家でゆったりお祝い吉木りさオフィシャルブログーより引用続けて、吉木りささんは夫のことを「41歳に見えない若々しい見た目」とコメント。※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る 和田正人(@daaaaaawaaaaaa)がシェアした投稿 - 2020年 1月月23日午前1時06分PST内面については「とにかく熱くて家族や仲間との絆を大事にする」「ONE PIECEのルフィみたい」などと記し、「心から尊敬しています」と語っています。夫は今年で41歳…妻の私から見ても夫は41歳に見えませんめったに伝えない夫の凄いところをつづると…とにかく熱くて家族や仲間との絆を大事にする感謝の気持ちを行動で示す有言実行常にアクティブ努力を惜しまないなんでも楽しむバイタリティーを持っているとにかくONE PIECEのルフィみたいな人とひっそり思ってます私にはないものをたくさん持っていて、心から尊敬しています吉木りさオフィシャルブログーより引用投稿を見たファンは「おめでとうございます」と祝福。「いい奥さんを持って幸せですね」と、吉木りささんの良妻ぶりを称賛する声も寄せています。・おめでとうございます!これからも家族で仲よく過ごしてください。・妻と子供にこんな風にお祝いされるなんてうらやましい…。・和田さんがもう41歳ということにびっくりしました!おめでとうございます。最後に見た目は若くとも、年齢を考えると健康面には注意してほしいというメッセージを添えている吉木りささん。夫を誰よりも愛していることが伝わってきますね。吉木りさのインスタに「かわいい!」の声が殺到夫・和田正人との結婚の馴れ初めは?[文・構成/grape編集部]
2020年08月27日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「コロナ禍の災害支援」です。被災地と離れていながらできる、新しい支援に注目。今年も豪雨災害が続いています。7月には熊本を中心に、九州やその他の地域が大きな被害に見舞われました。しかし、このコロナ禍では感染リスクもあり、自由に移動ができません。現地ではやはり人手が足りていないとのこと。とはいえ、県外の方が来ると地元から一斉に不安の声があがり、疑心暗鬼も招いてしまうそうです。そんななか、新しい支援の形が2つ見られました。一つは、被災した当事者がAmazonの「ほしい物リスト」で必要物資を公開し、支援を募るというもの。八代市の水没した保育園では、園児の帽子からフェルトペン、シーツに至るまで具体的に必要なモノと数をリストアップしました。これまでは、被災地で何が必要なのかの情報をリアルタイムに得るのが難しく、物資を送っても自治体の倉庫で管理されて適切に届かないというような問題がありました。その点、この方法は明快で合理的です。もう一つは、熊本地震をきっかけに結成された支援団体「BRIDGE KUMAMOTO」の働きです。広告を手掛けるデザイナーや映像クリエイターらが中心メンバーで、7月の豪雨災害を受け、いち早く基金を創設。これはクラウドファンディングで支援金を募り、被災地支援を行う組織や団体はBRIDGE KUMAMOTOに申請して、助成金を受け取れるというシステムです。全国のクリエイターたちに呼びかけて動画メッセージ集を作るなど、お金以外の支援も行っており、僕もナレーターとして参加しました。このように中間支援団体がSNSを展開して支援に入るというのは新しい動きです。行政では手の回りにくいところを細やかにサポートしています。豪雨や台風災害は今後も起きるでしょう。地震や富士山の噴火の危険もはらんでいます。コロナ禍の複合災害では、外に出られない、外からの支援が得られない状況が続く恐れがありますから、食糧や水、常備薬に加え、マスクや消毒液も適量、備蓄しておいたほうがよいでしょう。これまで避難所ではたびたび、食中毒や感染症の問題が起きていました。コロナにより、衛生面の危機意識が一般的に高まったのは、良かったことかもしれません。堀 潤ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。3月に監督2作目となる映画『わたしは分断を許さない』が公開された。※『anan』2020年8月26日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年08月19日のんと林遣都が初共演、綿矢りさの原作小説を『勝手にふるえてろ』の大九明子監督が実写映画化した『私をくいとめて』が、今冬、公開されることが決定した。原作は、高校在学中の2001年「インストール」で第38回文藝賞を受賞しデビュー後、芥川賞、大江健三郎賞など数々の賞を受賞してきた綿矢さんによる同名小説。30歳を越え、おひとりさまもすっかり板についてきた黒田みつ子が、ひとりきりでも楽しく生活できているのには訳がある。脳内に相談役「A」がいるのだ。人間関係や身の振り方に迷ったときはもう一人の自分「A」がいつも正しいアンサーをくれる。「A」と一緒に平和なおひとりさまライフがずっと続くと思っていたそんなある日、みつ子は年下の営業マン・多田くんに恋をしてしまう。きっと多田くんと自分は両思いだと信じて、ひとりの生活に慣れきってしまったみつ子は20代の頃のように勇敢になれない自分に戸惑いながらも、一歩前へふみだすことに…。脳内に相談役「A」をもつ31歳おひとりさま・黒田みつ子を演じるのは、『この世界の片隅に』で主人公すずの声を演じて高い評価を獲得、500万回以上再生されたYouTubeドキュメンタリー企画「のんたれ」内の映画『おちをつけなんせ』の脚本・監督・編集・主演などを担当した女優・創作あーちすと、のん。そして、みつ子が恋をする多田くんには、映画『バッテリー』(07)でデビューし、第31回日本アカデミー賞新人俳優賞をはじめとした数多くの新人賞を受賞、近年はNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」や連続テレビ小説「スカーレット」、ソーシャルディスタンスドラマ「世界は3で出来ている」など話題作に引っ張りだこの実力派俳優・林遣都。監督・脚本は、『恋するマドリ』で劇場長編デビュー、第30回東京国際映画祭コンペティション部門・観客賞をはじめ数々の賞を受賞した『勝手にふるえてろ』や、ドラマ「捨ててよ、安達さん」、映画『甘いお酒でうがい』などを手掛け、女性の生き方や恋愛にスポットを当てつづけてきた大九明子。31歳おひとりさまと年下男子による、あと1歩近づけないむずがゆい恋模様を描き、わかりみが深すぎる!!(=共感度が高めの)崖っぷちロマンスを誕生させた。林遣都、初共演・のんは「よーいスタートで目の色が変わる」のんさんは林さんに対し、「肌が白くて羨ましかったです。羨ましすぎて、いつも以上に念入りにお肌のお手入れをしてました」とコメント。「林さんの役に対するアプローチも、とても魅力的だったので負けられない、と気合が入りました」と初共演に臨んだ様子。大九監督の脚本では「みつ子が大切にしているおひとりさま」に最も心打たれたと語り、「おひとりさまって、一つの生き方として結構普通になってきている気がします。脳内に相談役としてAの存在を作り出す事も、楽しく生きていけるならありだなって思える。世の中の幸せは多様化している、そんな風に感じました。触れられない相手と触れられる相手の間でどう揺れ動いていくか、演じていてとても楽しかった」と振り返り、「考えすぎて自分で行き詰まっていく不器用なみつ子が、とても愛おしい」と表現する。また、林さんはのんさんについて「お芝居をしてる時と普段のギャップが大きい方という印象」と語り、「よーいスタートで目の色が変わり、極めて繊細な表情で相手を引き込む力がある方で、お芝居の中で驚かされた瞬間が沢山ありました」と振り返ってコメント。「お芝居をしている時は常に役を通してお互いの心を探り合い、心地良い会話をさせていただけたと思ってます」と手応えをのぞかせる。「綿矢りささん、大九監督お二人の世界観を演じることを楽しみに」していたそうで、「大九監督の人間の弱い部分に寄り添った心理描写、苦しいシーンもどこか温かく微笑ましい空間に変えてしまう演出をもっと味わいたいと思いながら気付いたら撮影を終えていました」と、どこか名残惜しそう。大九監督はそんな2人それぞれに、「のんさんは怒りの表現が見事で、あんなに柔らかい空気を漂わせていながら、内側に高温のマグマみたいなものを持ってる人だと思います。のんさんはいっぱい質問してくれます。その対話の中でこの映画の核を再確認できたように思います」「林遣都さんは以前からご一緒してみたかった方です。振り幅が素晴らしく、少し話すと芝居がどんどん変わるので、とても楽しかったです。急に変なことお願いしてもすぐに『はい』と言ってやって下さって素敵」と絶賛を惜しまない。さらに実写化に際し、「綿矢文学の醍醐味である切れ味のいい言葉たちの間を、さまざまな色が漂い、ある時はスパークする。色に溢れた読書体験を終えた時には、この色と言葉をどう映像で描こうか、と考え始めていました。私、これ撮らなくちゃ。とすぐシナリオにして、プロデューサーに売り込んだ次第です」と打ち明けた。そして、以前も小説が映画化(『勝手にふるえてろ』)された原作者の綿矢さんは、今作でも「大九監督の魔法によって、どれだけキャラクターが生き生きとよみがえるんだろう、とまず最初に思いました」と言う。「映画化の台本を読むと、彼女の実は色鮮やかな内面が、イイ味出してる周囲の人たちとのふれあいにより、より濃く輝いてるなと感じました。現実ではさりげなく過ぎていくけど、実は心は激しく動いている。こんな場面を、のんさんと林遣都さんという、最高の方々に演じていただけると思うと、もう喜びを隠せません」と、2人が演じたみつ子さんと多田くんに期待を込めている。『私をくいとめて』は今冬、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2020年07月22日綿矢りさの小説『私をくいとめて』を、のんと林遣都で実写化した同名映画が、2020年冬に公開されることが決定した。高校在学中の2001年『インストール』で第38回文藝賞を受賞し、デビュー後も芥川賞、大江健三郎賞など数々の賞を受賞してきた小説家・綿矢りさ。『私をくいとめて』は、30歳を越え、おひとりさまもすっかり板についてきた黒田みつ子が主人公。彼女には脳内に相談役「A」がいるという設定で、みつこは人間関係や身の振り方に迷った時はいつも、もうひとりの自分「A」に相談していた。そんなある日みつこは年下の営業マン多田くんに恋心を抱き、ひとりきりの生活から抜け出して、一歩前に踏み出す。そんな31歳おひとりさまと年下男性によるラブロマンスを、『恋するマドリ』で劇場長編デビュー以降、第30回東京国際映画祭コンペティション部門・観客賞をはじめ数々の賞を受賞した『勝手にふるえてろ』などで、女性の生き方や恋愛にスポットを当てつづけてきた大九明子監督が描く。脳内に相談役「A」を持つ31歳おひとりさまの黒田みつ子を演じるのは、劇場アニメ『この世界の片隅に』で第38回ヨコハマ映画祭「審査員特別賞」を受賞した女優兼、“創作あーちすと”のん。みつ子が恋をする多田くんには、映画『バッテリー』でデビューし、第31回日本アカデミー賞新人俳優賞をはじめとした数多くの新人賞を受賞、近年ではNHK大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』や、ソーシャルディスタンスドラマ『世界は3で出来ている』など、話題作に出演する実力派俳優・林遣都が務める。本作は2020年冬に公開予定。主演を務めるのんは、「考えすぎて自分で行き詰まっていく不器用なみつ子が、とても愛おしい。早く皆さんに観ていただきたいです」とコメントしている。●のん(みつ子役)・林遣都との初共演について肌が白くて羨ましかったです。羨ましすぎて、いつも以上に念入りにお肌のお手入れをしてました。林さんの役に対するアプローチも、とても魅力的だったので負けられない、と気合が入りました。あと、林さん直々に並んで買ってきてくださったおすすめのクッキーサンドを現場で配っていらっしゃって、すごく優しい方なんだなと思いました。クッキーサンド、美味しかったです。・脚本を読んだ時の感想面白かった。楽しいセリフが沢山で、シリアスなシーンでも皮肉なユーモアが滲んでいて、どうやって解釈しようか……と嬉しくてニヤニヤしながら読みました。一番胸を打たれたのは、この作品のテーマであり、みつ子が大切にしているおひとりさま。おひとりさまって、一つの生き方として結構普通になってきている気がします。脳内に相談役としてAの存在を作り出す事も、楽しく生きていけるならありだなって思える。世の中の幸せは多様化している、そんな風に感じました。触れられない相手と触れられる相手の間でどう揺れ動いていくか、演じていてとても楽しかったです。考えすぎて自分で行き詰まっていく不器用なみつ子が、とても愛おしい。早く皆さんに観ていただきたいです。●林遣都(多田くん役)・のんとの初共演についてお芝居をしてる時と普段のギャップが大きい方という印象でした。人との距離の縮め方がきっと自分に近く、短い撮影期間ではあまりお話することはできませんでしたが、お芝居をしている時は常に役を通してお互いの心を探り合い、心地良い会話をさせていただけたと思ってます。よーいスタートで目の色が変わり、極めて繊細な表情で相手を引き込む力がある方で、お芝居の中で驚かされた瞬間が沢山ありました。ご一緒できて楽しかったです。・脚本を読んだ時の感想綿矢りささん、大九監督お二人の世界観を演じることを楽しみにしていました。不器用な人間同士のピュアな心の模様を大九さんがどのような演出で繋げていくのか。あまり特徴が多いとは言えない自分の役どころにどのような膨らみが生まれるのか、楽しみな要素が沢山ありました。大九監督の人間の弱い部分に寄り添った心理描写、苦しいシーンもどこか温かく微笑ましい空間に変えてしまう演出をもっと味わいたいと思いながら気付いたら撮影を終えていました。完成を心待ちにしています。●監督:大九明子・『私をくいとめて』を実写化しようと思ったきっかけ読んでみてびっくり。主人公がもうしっかりと脳内で会話してるじゃないですか!Aとか名付けちゃって!「私をくいとめて」は、綿矢文学の醍醐味である切れ味のいい言葉たちの間を、さまざまな色が漂い、ある時はスパークする。色に溢れた読書体験を終えた時には、この色と言葉をどう映像で描こうか、と考え始めていました。私、これ撮らなくちゃ。とすぐシナリオにして、プロデューサーに売り込んだ次第です。・初タッグののん、林遣都の芝居の印象についてのんさんは怒りの表現が見事で、あんなに柔らかい空気を漂わせていながら、内側に高温のマグマみたいなものを持ってる人だと思います。のんさんはいっぱい質問してくれます。その対話の中でこの映画の核を再確認できたように思います。林遣都さんは以前からご一緒してみたかった方です。振り幅が素晴らしく、少し話すと芝居がどんどん変わるので、とても楽しかったです。急に変なことお願いしてもすぐに「はい」と言ってやって下さって素敵。●原作:綿矢りさ・実写映画化の話を聞いて映画化のお話を伺ったときは、大九監督の魔法によって、どれだけキャラクターが生き生きとよみがえるんだろう、とまず最初に思いました。以前に自著を映画化していただいたとき、主人公だけでなく、物語上のすべてのキャラクターたちが、本当に実在するようにリアルで、それでいてコミカルに描かれていたのが、驚いて忘れられなかったからです。本作は想像力のたくましい女性が主人公の話で、彼女はたくさんの人と関わることを無意識に恐れています。映画化の台本を読むと、彼女の実は色鮮やかな内面が、イイ味出してる周囲の人たちとのふれあいにより、より濃く輝いてるなと感じました。現実ではさりげなく過ぎていくけど、実は心は激しく動いている。こんな場面を、のんさんと林遣都さんという、最高の方々に演じていただけると思うと、もう喜びを隠せません。お二方の過去の出演作品を見ながら「こんな素敵な方々が、あのけっこう地味な、いやかなり地味な、みつ子さんと多田くんになるなんて」と信じられない気持ちでいます。映画『私をくいとめて』2020年冬ロードショー
2020年07月22日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「9月入学」です。コロナ禍では無理。じっくりと時間をかけて再考を求む。学校の入学・始業時期を4月から9月にする案は「今年度・来年度のような直近の導入は困難」と、見送られることになりました。9月入学制度はこれまでにも何度も議題にのぼっています。世界ではアメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ベルギー、トルコ、モンゴル、ロシア、中国などの国が9月入学制度を導入しています。日本も明治維新後、西洋の教育を導入した当初は9月始業でした。ところが、国の会計を4月~3月を一年とする年度制を採用したこと、徴兵制の始まりなどから4月始業に変わり、今に至ります。今年、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために学校の休校が続き、授業の遅れが問題になりました。そんななか、高校生のツイートをきっかけに、全国知事会から国へ9月入学の検討要請があり、安倍首相も「有力な選択肢の一つ」とコメント。いったん検討し始めたのですが、実際に導入するとなると、初年度の入学生徒数が半年分増加し、大量の教員不足が生じてしまうこと、また、保育所の入学待機児童数が増大すること、システムやカリュキュラムの再編など、拙速な対応は無理と判断されたのです。このコロナ禍で、ただでさえ問題が山積するなか、大きな改変をしようとしたのは現場の声を無視した行動だったと思います。授業の遅れを取り戻すことが目的なら、感染者数は地域によって差がありますし、全国一律にすること自体がナンセンスなのではないでしょうか。4月でも9月でも、いつ学校が始まっても継続してきちんと教育を提供できる仕組み作りを議論するべきなのではないかと思います。日本は会社も年度ベースなので、学校の始業時期をずらせば就職にも影響が及びます。会社を通年採用に変え、大学も途中入学を許すなど、個々のスタイルに合わせた社会設計が必要になるでしょう。世界の学校制度はもっと柔軟です。イギリスは年に3回、入学の機会がありますし、フランスでは家庭での義務教育の就学も可能になっています。また、海外は飛び級制度も広く採用されていますね。日本もこれを機に時間をかけて議論し、右に倣えではない、多様な学校制度へと見直してみてはいかがでしょうか。堀 潤ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。3月に監督2作目となる映画『わたしは分断を許さない』が公開された。※『anan』2020年7月15日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年07月09日女子プロレスラー・木村花さん(享年22)が23日に亡くなったことを受け、タレントの吉木りさが24日、オフィシャルブログを更新し、心境をつづった。木村さんの死因は今のところ不明だが、恋愛リアリティ番組『テラスハウス』に出演していた木村さんのもとには、SNS上で誹謗中傷のコメントが多数寄せられていた。同様の経験をしている著名人が木村さんの死後、続々と警鐘を鳴らしている。「昨日は色々と考えさせられました」と吉木もその一人。「沢山の方が訴えているのを見て私自身も学生時代いじめられた経験があるのとSNSでの誹謗中傷の経験も沢山あるので何か私も思いを吐露したいと思いつつ」「また誹謗中傷がきたらどうしようという恐怖も湧いて何も書けませんでした」と正直な思いを記した。また、「無視すればいい、SNSやめればいい、気にしなければいい」という声には、「その言葉は沢山の人達にリンチ、暴行されて立つこともできない人に『こんなの気にしなければいいんだよ』と肩にポンと手を置いて言っているのと一緒だと思って欲しい」と訴える。「ああいった番組では、どうしてもヒール役が必要で台本がなかったにせよ、番組を盛り上げなければと思って頑張って演じていただろう花さん」と木村さんが置かれた状況を察し、「真面目な人ほどしっかり演じてしっかりファンの方のコメントを受け止める」「スマホを通してでしか物事を見れない人、発言できない人は多分花さんが亡くなられてもなんとも思ってないんだろうな」と落胆。そして、「どんなにモラルのことを話してもわからない人がごまんといるしこれからも増えてしまうと思うので、SNS側の規制をちゃんと作るべきだと思う」と求め、「テラスハウスを全て一気見したファンの1人として感じたのは、時代と共にどんどんSNSの影響力が強くなっていってるのが目に見えて分かりました」「出演者もSNSで誹謗中傷されないように上手く演じている人も増えてきて」「でもそれだと番組が面白くならないから、真面目な人は盛り上げようと頑張ってしまう」「その狭間で苦しい思いをしていたんだろうなと推測します」と同番組ファンとしての見解も示した。「私もまとまりのないことを書いてしまっているけどとにかく誹謗中傷される人が我慢すべきことは何もないです」と結論付ける吉木。「いつもこうやってショックなことが起きてからでないと発言できないのもまた悔しいですが…」と吐露し、「木村花さんのご冥福をお祈り申し上げます」と追悼している。
2020年05月24日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「通常国会」です。テレビ中継が審議のすべてではありません。国会には、通常国会(常会)、臨時国会、特別国会、参議院の緊急集会があります。常会は毎年1月に召集され、150日間開催。審議が長引けば、会期を延長します。国会では翌年度の予算を決めたあとに、様々な法案を審議します。令和2年の常会は約50本の法案が提出されました。夏に東京五輪を控えていたため、会期延長は難しいだろうと法案の数が過去最少に抑えられました。多い年は100近い法案があがることもあります。国会というと、テレビで中継されるものがすべてと思われるかもしれませんが、そうではありません。テーマごとに少人数の「委員会」で議論を交わし、そのあとに「本会議」で採決をとります。内閣委員会、総務委員会などの「常任委員会」と、会期ごとに編成される「特別委員会」があり、国会議員は各々専門分野の委員会に割り振られます。委員会ではしっかり内容を揉み、法案の8割以上が与野党全会一致で可決しています。テレビで取り上げられる本会議は、派手な動きがあったり、政府の疑惑や不祥事を追及する場面が多いので、揉めてばかりいる印象ですが、その他の場所で建設的な議論が着々と進められているのです。新型コロナウイルス対策以外に現常会で注目されているのは「年金制度改革関連法案」。定年の延長も推進されることになりました。その他「デジタル・プラットフォーマー取引透明化法案」。巨大IT企業に、運営状況の報告や企業内情報の提出を求めることができる法律です。たとえばアマゾンなどが突然大きな規約変更を行い、取引業者や消費者が不利益を被ったときに、メスを入れられる体制をとるためのものです。また、高齢ドライバーの交通事故対策を盛り込んだ「道路交通法改正案」も審議されています。近年、高齢者ドライバーによる交通事故が多発していることを受けて提案されました。運転技能検査の基準に達しない場合には75歳以上の免許更新を認めないという法案です。私たちの暮らしにかかわる法律が日々作られているのが国会。衆議院、参議院のHPでは、審議中継をインターネットで見ることができるので注目してみてください。ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。『わたしは分断を許さない』(監督・撮影・編集・ナレーション)公開中。※『anan』2020年4月22日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年04月20日全世界で社会現象を巻き起こす“奇跡”を成し遂げたディズニーの金字塔『アナと雪の女王』。その続編として、さらなる大ヒットを記録した『アナと雪の女王2』が、早くも5月13日(水)にMovieNEXと4K UHD MovieNEXで発売。それに先駆け、4月22日(水)より先行デジタル配信の購入とレンタルが開始される。この度、前作に引き続き、本作でも監督を務めたクリス・バック、ジェニファー・リー、そして、製作のピーター・デル・ヴェッコのインタビューが公開された。インタビューでは、劇場公開時には明かされなかった、制作時の貴重なエピソードが語られた。「続編を作るにあたり、あえて新たに挑戦したことは?」とインタビュアーに聞かれると、バックは「登場人物たちが前作から少し成長したという設定が、リスク要因でもありました。外見も前作より大人びていたので、基本的に全キャラクターの衣装を一新しました。技術的な多くの難題のなかでも、特にハイリスクの挑戦だったのは、風、火、水、地の四つの精霊です。四つの精霊をCGで創る技術がなかった、つまり、風の精や馬の形をした水の精霊をCGで創る既存の技術がなかったので、CGアーティストが自ら、新たな技術を開発することになりました」と回答。少し時間が経過した続編で物語を完結させた理由について、リーは「“なぜエルサに力が与えられたのか?”の答えは、過去の出来事だけでなく、エルサが将来果たすべき役割にも関連しているので、まず原因となる過去の出来事を説明し、それを将来の彼女の決断につなげていく必要がありました。そしてこの流れに沿って、各キャラクターの物語は進んで行きます」と説明した。続けてリーは、本作で新たに登場したキャラクターたちについて、「水と氷を操るエルサの宮殿は自然界だと我々は考えていましたが、今回、風、火、地という、残りの自然の元素をさらに深く堀りさげる過程で、北欧ではサラマンダーが火、そして火の精霊だという興味深い事実を知りました。森の木を切って燃やすと、森に住んでいるサラマンダーが炎になって姿を表し、まるで火の精霊にみえたからです。小さく愛らしいサラマンダーが、途方もない力を持っていることに深く感動し、物語に取り入れることを決めました。自然の四元素の精霊の性格を決めていくのは楽しい作業でしたが、サラマンダーはとくに楽しかったです」と述べた。そしてデル・ヴェッコは「我々が常に互いに問いかけているポイントです。物語、音楽、そしてその根本にある、強い意志を持つふたりの姉妹の関係、ふたりが助け合う姿とふたりをつなぐ愛情です。ふたりは決して完璧ではなく、欠点もあるけれど、だからこそ、観客は感情移入ができ、ふたりに憧れ、ふたりのようになりたい!と思うのです」と、『アナと雪の女王2』が世界中の子どもたちの心を掴んだ理由を語った。5月13日(水)に発売となるMovieNEXには、さらに本作を深く楽しめる、製作の裏側を解説した「精霊たちが生まれるまで」や、本編に隠された“イースター・エッグ”を探す「このトリビア、知ってた?」、そして、貴重な未公開シーンや未発表曲が収録される他、世界的に有名なアーティスト、パニック!アット・ザ・ディスコの『イントゥ・ジ・アンノウン(エンドソング)』やウィーザーの『恋の迷い子(エンドソング)』などのカバー曲のミュージックビデオをはじめ、みんなで一緒に歌いながら楽しめる全8曲のソング・セレクションなど、豪華ボーナス・コンテンツが多数収録(デジタル配信購入版にも一部収録)される。『アナと雪の女王2』4月22日(水)先行デジタル配信開始5月13日(水)発売『アナと雪の女王2 MovieNEX』(4,000円+税)『アナと雪の女王2 4K UHD MovieNEX』(5,800円+税)『アナと雪の女王2 MovieNEX コンプリート・ケース付き(数量限定)』(4,000円+税)『アナと雪の女王2(数量限定)』DVD(2,800円+税)
2020年03月25日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「指定感染症」です。過度に怖がらず、みんなで、変わらぬ日常を送る訓練を。昨年12月に中国の武漢から発生した、新型コロナウイルスによる感染症。日本政府は1月28日に政令を出し、「指定感染症」に定めました。感染症は、感染症法により、危険度によって5つに分類されています。風しんやインフルエンザは五類。マラリア、デング熱は四類、コレラ、細菌性赤痢は三類、SARS、MERS、結核が二類。深刻な被害をもたらすエボラ出血熱、ペストは一類です。新しい感染症に関しては、検証するまでに時間がかかります。そのため、国が患者に対して入院勧告などができるよう、暫定的に「指定感染症」に定めるのです。今回の新型肺炎は、最初にリスクはそれほど高くないといった情報が流れ、WHOも緊急事態宣言を一度見送ってしまい対応が遅れました。実際には、潜伏期間が予想以上に長く、保菌者でも症状が出ない場合があり、そこから感染が広がることがわかりました。感染者はいま(3月6日現在)南極を除く全大陸で見つかっています。中国は強硬策をとり、武漢を封じ込めました。僕は2月末に、元医療ジャーナリストの武漢市民に、ネットを通じて直接話を聞きました。武漢では隔離生活が続いており、粉ミルクなどのモノの調達が厳しくなってきているとのこと。その方の親戚は5人が感染。そのうちガンの持病があった50代の女性1人が死亡しましたが、健康だった30代のいとこ2人は、入院もせず、薬の投与もなく回復しているそうです。WHOと中国の専門家は、2月20日までに感染した患者5万5924人を対象に共同で調査を行いました。それによると、死亡した患者は2114人で致死率は3.8%。ただし、重症化するのは60代以上の持病のある人で、約8割の人の症状は比較的軽く、肺炎の症状が出ない場合もあると報告されました。手洗いをしっかり行い、よく食べよく寝て、免疫をつけておけば必要以上に怖がることはないと思います。今回、多くの企業がテレワークなどを実施しました。これを機に普段から、家にいながら仕事ができる訓練をしておくとよいと思います。日本は災害国ですから、何が起きても日常を過ごせる強い社会を作りましょう。ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。『わたしは分断を許さない』(監督・撮影・編集・ナレーション)公開中。※『anan』2020年3月25日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年03月18日本誌連載「社会のじかん」でもお馴染み。NHKを退局後、フリージャーナリストとして、世界を飛び回りニュースを届けている堀潤さん。素顔は現場が大好きな生粋のテレビマンでした。朝の報道番組の放送直後に即刻成田に向かい、香港日帰り取材なんていうのもお手のもの。市民投稿型ニュースサイト「8bitNews」をベースに、あらゆるメディアを使い、独自のニュースを発信し続けているジャーナリストの堀潤さん。このたび、2本目の映画『わたしは分断を許さない』が公開された。シリア、パレスチナ、朝鮮半島、香港、福島、沖縄を5年かけて追ったドキュメンタリーである。――進行中の社会問題を映画にしようと思ったのはなぜですか?いま起きている社会課題の根本には「分断」があると気づいたんです。映画ならば、尺も潤沢に使えますし、刹那的なわかりやすさを追求しなくてもいい。また、映画をもとに観客のみなさんと対話をしたいと思ったんですね。――堀さんは、去年から全国のギャラリーで、取材してきた写真や映像を公開して、観客と積極的に交流の場を作っておられますね。みなさん、「本当のことが知りたい」と思っていらっしゃるようで、とくに若い方がたくさん来てくださいました。これまでのニュースは、誰がどういう意図で出しているのかわからないのが当たり前でした。でも、いまはどういう思考を持った人が切り取ったニュースなのか、そういうトレーサビリティ(追跡可能性)のあるものが求められているのではないか。誰もがどこでも発信できる時代だからこそ、ものすごく泥くさいリアルな現場を、目の前で握るお寿司のように直接手渡す方法に価値があるんじゃないかと思いました。――『わたしは分断を許さない』は、香港の民主化デモ、沖縄の基地問題、ガザ地区の難民、原発後の福島など、それぞれでも一本の映画が撮れるくらい濃い内容が、ランダムに構成されているのが斬新でした。たいていのドキュメンタリーはひとつの現場に迫りますが、そうでなければいけない理由はありませんよね?ニュースも、日本のものと海外ニュースを分けがちですが、どちらも同時代に起きている。個人にフォーカスしてみれば、異なる環境の出来事も共感できます。「別のもの」という思い込みが分断を生み、そこから差別や排斥が生まれて、自分には関係のない問題と放置されてしまいます。映画をきっかけに、そういうことに気づける場を作りたいと思いました。時間も場所もバラバラな事柄が並ぶSNSのタイムラインのような感覚で編集したんです。――堀さんはNHKの採用試験でも、これからはメディア発信のニュースと個人発信の双方向が大事になると提案なさったそうですね。20年前ですね(笑)。デジタル放送時代は、放送局と個人が双方向にやりとりすれば、プロパガンダに加担することなく、誠実な報道ができると主張しました。僕はいま、『モーニングCROSS』(TOKYO MX)や『JAM THE WORLD』(J‐WAVE)などの自分の番組では、スタジオに対して異を唱えるような意見がSNSに上がれば、積極的に紹介するようにしています。――否定されることに怖さはないのですか?ないですね。メディアのなかに個人の意見が流れたら楽しいじゃないですか。小さいころに漫画誌やラジオ番組に投稿した原体験もベースになっています。誰かに何か言われて心がざわつくのは、その意見に核心を突かれているからなんですよね(笑)。被害者側にいることには敏感でいられるけれど、加害者側にいる感覚は自分では気づくことが難しい。自分も誰かの脅威になっているかもしれないという目線がない限り、分断は生まれ続けるだろうと、世界各地を訪ね歩いて気づきました。何事も、両極端の意見を比べてみないと真実は認識できないと思います。――堀さんはジャーナリストとして活躍される一方で、ワークショップや著書を通して、発信者の育成も積極的になさっています。それは単純に、僕一人ですべての現場をカバーするのが無理だからです。仲間を増やしたいんです。災害取材などは顕著ですが、写真1枚、たった一言でもいいので、SOSの出し方を知っておけば、きっと誰かが助けに来てくれます。そういう信頼感を作ることが現代の報道の役割なんじゃないかと考えています。――堀さんは、「使命」を感じて、活動をなさっているのですか?使命感はないですね(笑)。ただ、受信料で育てていただいたので、世に還元したいという思いはあります。NHKは視聴率や営業利益を気にせず必要な現場に駆けつけることができました。いまでも自分のことを「フリーの公共放送人」と言っています。僕の取材スタンスは何も変わっていません。――災害や貧困、弾圧など、目を覆いたくなるような現場にたくさん行かれています。しかも、「(国や地域など)大きな主語ではなく、小さな主語で真実を捉えよう」と、堀さんは渦中の個人に迫った取材をしています。悲惨な現実にしんどくなることはないのでしょうか。もちろん、なりますよ。映画も泣きながら編集していました。辛いから、「もっと何かいい解決法があるんじゃないか」と、次の現場に出かけているのだと思います。でも、どこの現場でも、課題解決を模索し奮闘している人がいらっしゃいます。映画に出てくる、北朝鮮やパレスチナも地域に根ざしたNGOの方々と一緒だったから入ることができました。ジャーナリストでは入れてもらえなかったと思います。僕は「GARDEN」という会社でNGOの発信を支援する活動を行っているので、一緒に行くことができました。――なるほど!テレビマンとして、まだ誰も見たことのない、最前線の映像を見せたいという思いもあります。内戦の映像や、アフリカの開発途上国で起きていることなどは日本のニュース番組では、なかなか取り上げられません。でも、それは作り手がそこに価値を見出していないだけ。それならば僕が腕まくりして、みんなが関心ないと思われている映像をクローズアップしてやろう!と思いました。実際に訪ねて回ると、ニュースの宝庫なんですよ。――ニュースのネタを見つけたときが一番高揚しますか?はい。「オレの現場、キター!」と思いながらやっています(笑)。月~金曜は朝7時から『モーニングCROSS』のMCを務めながら、映画『わたしは分断を許さない』の編集直前まで、激化する香港の民主化デモの取材に日帰りで出かけていた。「日帰りで行けるとわかったら行かないわけにはいかないですよね。魚がいると知っているのに漁に出かけない漁師さんと同じですから」。映画はポレポレ東中野にて公開中。3月14日以降、全国順次公開。公開を支援するクラウドファンディングは3月25日まで受付中。最新刊『わたしは分断を許さない 香港、朝鮮半島、シリア、パレスチナ、福島、沖縄。「ファクトなき固定観念」は何を奪うのか?』(実業之日本社)では、映画に出てくる分断問題にも触れている。ほり・じゅん1977年生まれ、兵庫県出身。2001年にNHKに入局。’12年にドキュメンタリー映画『変身 Metamorphosis』を製作したのち、’13年に独立。自ら立ち上げた市民投稿型ニュースサイト「8bitNews」を拠点に報道活動を行う。’17年に株式会社「GARDEN」を設立。著書に『SNSで一目置かれる 堀潤の伝える人になろう講座』など。※『anan』2020年3月18日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年03月16日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「ニュースとアンアン」。『anan』50周年を記念して、連載でイラストを担当してくださっている五月女ケイ子さんと一緒に国会議事堂見学へ行ってきました。国会議事堂見学に行ってきました!五月女:生きているうちに、国会議事堂に来られてよかったです(笑)。堀:ここで様々なことが決まります。でも、本当に物事が動くのは控室や廊下のほう(笑)。議場は、事前に提出した議案に対して用意していた答弁を読み上げる、いわば「セレモニー」のようなものですからね。五月女:そうなんですか!?それはちょっと悲しい。その場で思いついたことは話しちゃいけないんですか?堀:無責任な発言はできないので、仕方ないですよね。大臣の読む答弁書を作るために、各省庁の官僚は国会が始まると毎日深夜まで働いています。五月女:事前に用意しているはずなのに失言が出るのはなぜ?政治家ってよく失言するイメージがあります(笑)。堀:(笑)。失言は、国会よりも、オフレコの会見や、支持者向けの講演会場で起きることが多いですね。五月女:普段、国会で我慢をしているぶん、支持者の前では気が緩んじゃうんですかね(笑)。「社会のじかん」で毎号イラストを描くようになって、政治の世界って意外に人間的なんだなと思うようになりました。堀:そうですよ!五月女:最初はTPPかPPTかもわからないくらい、時事に興味なかったけれど、堀さんのおかげで面白いと思うようになりました。国同士のいざこざも、家族や身近な社会と同じ、人間関係の縮図なんだなって。喧嘩したり仲直りしたり。喧嘩しているように見えて、世界に向けたアピールだったり。堀:外交は交渉術ですからね。五月女:前は、ニュースを聞くたびに、いちいち怖がっていたけれど…。堀:何もわからない暗闇にいると不安になりますが、全体の構造がわかると、不安も軽減しますよね。僕は『anan』では、普段のニュースでは届かないところに言葉を届けられている感触があります。報道の狭い世界にいると、どうしてもニュース好きの人にだけ向けてしまうところもあるので。五月女:わかります。ニュース番組はよくわからない単語の羅列で、「私には向けられてないんだな」と寂しい気持ちになることも(笑)。堀さんは、どのテーマでも中立で、良い面/悪い面、賛成派/反対派の両方を教えてくださるのがすごくいいなと思います。社会の出来事って、批判的な意見ばかりが聞こえてきて、私はそういうところが好きじゃなかったんです。堀:敵味方に分かれて撃ち合い、それに飽きたら、内輪で叩き合って何も成し遂げられないということは多々ありますね。本気で解決しようとすると、どちらの言い分もあるので簡単にはいきません。でも、僕は両方の意見を知りたいというのが、取材のモチベーションになっています。時代の変化に柔軟に。楽しいをモットーに50年。堀:『anan』は50周年だそうですが、時代ごとに若者もカルチャーも次々入れ替わるのに、先を読み変化し続けているところがすごいですね。五月女:50年って相当な重みですよね。堀:雑誌も年数を重ねると、作り手も一緒に年を取るので、意識していないと若い読者とのギャップに気づけなくなると思います。「社会のじかん」も、上から目線ではなく、僕の経験から知ることを参考までにシェアします、くらいのスタンスでいたいですね。五月女:『anan』は「こうしなさい!」という、高圧的なところがない。そこが、私には居心地がいいです。堀:権威にならないようにしているのでしょうね。国際貢献などの記事をさらりと取り上げてみたり、ニュース解説も、「効率良く生きるための武器としての教養」ではなく、「役に立つかはわからないけど、考えてみると面白いんじゃない?」という軽やかな印象。五月女:根本に、「楽しいこと、面白いことをいちばん最初に見つけて伝えたい!」という姿勢がある気がします。私は、「たかが一票で社会なんか変わらない」と思っていたタイプなんですけど、この連載に関わるようになって、自分のできることをやってみたり、考えたりすることが、社会につながっていくんだなあと思うようになりました。堀:どんな問題も、たどっていくと自分の生活につながります。この連載が、少しでも何かを考えるきっかけになる、楽しい場でいられたらと思います。堀 潤ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。映画『わたしは分断を許さない』(監督・撮影・編集・ナレーション)が3/7公開に。五月女ケイ子イラストレーター。楽しいグッズが買える「五月女百貨店」が評判。エッセイ『親バカ本』、作品集『五月女ケイ子ランド』も発売中。LINEスタンプも好評!※『anan』2020年3月11日号より。写真・大澤千尋題字&イラスト・五月女ケイ子取材、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年03月05日夕刊フジのイメージガール「初代ミス夕刊フジ子」の表彰式が27日、東京・大手町の産経新聞東京本社で行われ、グランプリのねむいりさ、準グランプリの堀このみ、特別賞の林加奈子がお披露目された。産経新聞社発行の夕刊フジは、創刊50周年を記念したイメージガール「初代ミス夕刊フジ子」の選考オーディションを実施。ライブ配信スタジオ、マシュバラ、撮影会、居酒屋酔っ手羽イベントを通じて、グランプリにねむいりさ、準グランプリに堀このみ、特別賞に林加奈子を選出した。この日はその表彰式が行われ、グランプリのねむいりさたちが水着姿で登場。これまでミスコンやオーディションはもちろん、幼い頃から夢中になっていた卓球の大会でも1位になったことがないというねむいは「今回は初代ということもあり、歴史にも残るものだと思います。ファンの皆さんと一緒になってグランプリを掴むことができて本当に良かったです」と笑顔を見せ、「一筋縄では行かないオーディションでしたが、応援してくれたファンの方はもちろん、新しく知ってくださった方にも感謝の気持ちを忘れずこれからも活動していきたいです」と決意新たにした。今後の活動については「グランプリを獲得してから1番最初の仕事が競馬場での予想とトークイベントでした。初めてだったので緊張したし難しかったんですがとても楽しかったです。これからもそのようなお仕事をしたいし、雑誌や新聞、テレビなどのメディアに露出する機会があればうれしいですね」と抱負を語った。準グランプリに輝いた堀このみは、昨年の目標としてミスコンでグランプリを獲ることが目標だっただけに、喜びもひとしお。「周りの子たちが頑張っている中、私は何も出来てないと思ったので、オーディションを受けました。予選はギリギリでしたが、最後の決勝で頑張ってミス夕刊フジ子の冠が獲れてすごくうれしいです」と笑顔を見せて、「NGが基本ないので、何でもやらせていただきたいと思っています」と気合十分。女優志望からグラビアの世界に飛び込んだ林加奈子は、イベント中に綾瀬はるかのモノマネを披露するなど芸達者なところも見せたが、「特別賞ということで、皆さんにとって特別な存在になれるように頑張りたいと思います」とアピールしていた。
2020年01月28日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「民主主義の歪(ひず)み」です。歪みが生まれたもとにあるのは、果てなき欲望。香港をはじめ、世界中で政府に抗議をするデモが行われています。フランスの黄色いベスト運動は1年以上続いていますし、南米チリでは地下鉄の値上げを発端に、抗議運動が暴徒化しました。昨年、ベルリンの壁崩壊から30年がたちましたが、せっかく自由を得たというのに、旧東欧諸国には民主主義を否定する声も上がっています。なぜ、民主主義にこのような歪みが生じてしまったのか。理由のひとつには、グローバル化により、世界における経済の回る速度がものすごく速くなったことが挙げられるでしょう。ベルリンの壁崩壊のころに比べ、金融の仕組みも変わり、インターネットを使ったサービス、流通網が世界に広がりました。人も情報もお金もスピードを増して行き交います。そんななか、多くの民の意見をぶつけあいながら物事を地道に進めていく民主主義は、決定までに時間がかかる。それよりも強い決断力を持つ国家元首の存在が、国民生活の向上には必要だという空気を生み、アメリカンファーストのトランプ大統領や、EUからの離脱を目指す英国のボリス・ジョンソン首相が生まれ、中国の習近平国家主席やロシアのプーチン大統領が盤石の体制を築きました。しかし、それはあくまで経済発展を基準にした価値観です。独裁的なトップのスピーディな決定により、開発のために個人の土地が強制的に奪われるようなことが、カンボジアやアフリカや南米で起きています。個人の尊厳に価値を置いて世界を見渡せば、個人が国家に弾圧されている状態。それは、民主主義が欲望に耐えられなかった結果なのだと思います。賃金格差が広がり、教育格差が固定されてしまうと、階層社会の下層に追いやられてしまった人は、這い上がることができなくなります。生活の安定を求めて共産主義的なものを求める貧困層と、資本を持ち、大きな力で帝国を築こうとする国家主義がぶつかりあう。これは、第一次世界大戦、第二次世界大戦の始まるころの構図とよく似ているのです。いま個人に最も必要なのは、自分の尊厳を維持できるかどうか。「仕方がない」と魂を売らずに、誇りを持って自分を大切にしてほしいなと思います。ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。映画『わたしは分断を許さない』(監督・撮影・編集・ナレーション)が3月7日公開。※『anan』2020年1月22日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年01月15日タレントの堀ちえみ(52)が1月7日、「徹子の部屋」(テレビ朝日系)に登場した。昨年2月に舌がんの手術を受けた堀にとって、復帰後初となるテレビ出演。その奇跡の復活に司会・黒柳徹子(86)も思わず涙ぐんでいた。黒柳は冒頭で「お帰りなさい!」と堀を迎え入れると、涙を堪えながら「よかったね、元気でね」と口にした。「大変でしたけど、無事戻ってきました」と話した堀は、舌の6割以上を切除したため話し方がたどたどしくなっていた。しかし、黒柳は「これは堀さんの個性」と言葉をかけていた。また番組では闘病のさなか、黒柳から手紙をもらったという堀が涙を流しながら「素敵なお手紙を頂きまして、すごく心の支えになって……」と感謝するシーンも。さらに今後の目標について訊ねられると「2年後にデビュー40周年になるんで、そのときにはライブができるようになれば」と意気込んでいた。手術から1年も経たないうちに復帰し、「病気に負けないということをお伝えしたくて」とも話した堀。その姿は大きな話題となり、Twitterでは「堀ちえみ」「徹子の部屋」といった関連ワードがトレンド入りを果たした。さらに、過酷な試練を乗り越えた堀の姿に感動したという声が上がっている。《ステージ4のがんだからボロボロになると思ってたら、がんになる前と変わらない顔立ちで嬉しかった。堀さんも、医療の進歩は進んでるって言ってたし、完全復活してほしい》《舌がんから復帰した堀ちえみさんの肉声を聞いて涙が出た。ここまでくるのにどれだけの苦難があったろうか。想像を絶する。並大抵なことではないと思う》《また歌が歌いたいという強い決意。涙が止まりません》番組で「お聞き苦しい点もたくさんあったと思いますけれども……」と申し訳なさそうにしていた堀。しかし、30分弱の番組でトークできるようになるまでには大変な努力があったようだ。昨年3月、静岡県立静岡がんセンターリハビリテーション科の言語聴覚士・神田亨さんは本誌で堀のように舌を6割ほど切除し再建手術後も行った後の患者のリハビリについて「『食事』と『発音』の訓練が必要」とコメント。続けて、こう明かしていた。「『食事』は、食べること自体がリハビリです。たとえ歯が全部あっても、舌がないと咀嚼できません。まず、とろみのついた水やどろどろとしたミキサー食をのみ込む訓練を行います。そこから徐々に粒のあるものへと移行していきます。『発音』は、構音訓練というリハビリを行います。舌は再建しても自由に動かせないので、『た』や『か』などの音が発音しづらくなる場合があります。まずはそうした出にくい音が入った文章を音読したりすることになります」以前は普通にできていたことを、こうした訓練によって地道に取り戻していかなければならないという。そんな自身のことだけでも手一杯であるはずの堀だが手術の1ヵ月後から、82歳になる義母の介護に奔走する“病老介護”の日々も送っていた。「堀さんは“おおまま”と呼ぶほどお義母さんのことを慕っており、連日診察に付き添っていました。お義母さんは『1人で大丈夫だから』と断ったそうですが、『心配だから』と堀さんは自ら率先して介護を行なっていたようです。お義母さんの自宅の近くに住んでいるとはいえ、頻繁に行き来もしていました。お義母さんは堀さんの最も尊敬する女性であり、さらに堀さんが手術を受ける際にも付き添ってくれた。その感謝の気持ちが介護の原動力だったようです」(堀の知人)ときに共倒れにもなりかねない病老介護を経験しながらも、見事復活した堀。番組の終盤では「ガンは素晴らしいことを教えてくれた。生きててよかったって心から思います」と語り、その笑顔は輝いていた――。
2020年01月07日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「日本人の英語力」です。国費を投じても、グローバルな人材を育成すべきです。2020年度から始まる大学入学共通テストで活用される予定だった、英語民間試験の導入が延期になりました。従来の試験では「読む・聞く」能力を問いますが、実践的な英語を身につけるには、「読む・聞く・話す・書く」が必須。この4技能を測るテストを一から作るには技術もコストもかかるため、7種類の民間試験の導入が提案されていました。しかし、受験生の家庭の経済力や、都市部と地方でも受験機会に差が出て、公平性に欠けると問題になり、延期が決まりました。スイスの国際語学教育機関の調べによると、日本の英語力は非英語圏の中では100か国中53位。中国や韓国を大きく下回り、‘18年より4位順位を下げています。日本の英語教育が遅れたのは、日本語だけで事足りる、非グローバル社会だったからだと思います。かつて日本が一流の消費国だった時代は、貿易が盛んでした。しかし、経済が下降し日本は世界から、商売相手として認められなくなりました。かつての日本は長い間、人件費の高い国でしたが、今は円安政策を行っており、人件費も物価も安くなっています。今後、世界の労働産業で、日本は使う側から、使われる側に回らざるを得なくなるでしょう。今、日本人にとって英語教育はとても重要なのに、英語民間試験の問題が起きました。国策にグローバル感覚がないことが明らかになったと思います。国力の低下を正面から受け止められず、格差の現状から目をそらし、一部の業界への利益誘導に終始した結果です。本来ならば、海外で勉強したい学生は、国費を投入してでもどんどん送り出していくべきなのだと思います。そうして、海外との競争力をつけ、日本市場以外でも生きていける日本人を育てることが、多くの問題を抱える日本の打開策でもあり、国の役割なんじゃないかと思います。英語はあくまでコミュニケーションツール。日本人は発音や文法の正確さにこだわりますが、移民の多いアメリカなどでは、訛りや誤りなど気にせず自由に話しています。語学力以上に問われるのが自分の意見です。考えを言語化して伝える習慣を、まずは日本語でつける教育改革が必要でしょう。堀潤ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。映画『わたしは分断を許さない』(監督・撮影・編集・ナレーション)が’20年3月7日公開。※『anan』2019年1月1日-8日合併号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年01月06日日々のニュースや暮らしのなかで、ふと気になることをジャーナリストの堀潤さんにあれこれ聞いてみました!Q. 「結婚=幸せ」とは限りませんが、未婚者が増えることで、社会はどのように変わっていくのでしょうか?(30歳・ライター)A. 基本的には変わらない。少子化対策のために制度変更は必要でしょう。未婚者の増加により社会が変わるということはないと思います。統計によると、結婚しない主な理由は、結婚に興味がないというより、経済面など、結婚後の生活不安からメリットが感じられないためのようですね。ただ、本気で少子化対策を打つのであれば、里親制度を充実させて、同性婚カップルや未婚であっても子供が育てられる社会にしたほうがいいのではないでしょうか。これだけ子供の虐待件数が減らないのは、既存の家族制度に何か無理があるのだと思います。「未(いま)(だ)」婚と書くくらい、結婚することを前提にした家族構成の社会づくりは少々寂しい気がします。Q. 東京五輪が始まっても、都内の交通網はパンクしないのでしょうか?いままで通り通勤できるか不安です。(28歳・会社員)A. 大混雑します。国は休暇取得かテレワークを推奨しています。2020年、国は五輪開会式の前後を4連休、閉会式の前後を3連休にしました。また、五輪期間中は会社を休みにするようにも推進しています。予想来訪者は、選手1万1000人、観客780万人、メディア関係者2万5000人。選手やメディア関係者が1日5万~6万台の車を利用。780万人(パラリンピックと合わせて、約1000万人)の観客が鉄道を利用すると予想されています。ラグビーW杯のときが180万人なので、桁違いですね。交通量を減らすために、企業には、休暇の取得と従業員の50%をテレワークにするよう推奨。普通の通勤はできなそうですし、物流にも影響が出そうです。Q. ネットで見かける情報について正しい情報なのか判断がつきません。堀さんはどういうふうにデータを読み解きますか?(32歳・主婦)A. 自分で見聞きしたもの以外の情報は、すべて疑ってかかりましょう。基本的に、すべての情報を「本当かな?」と疑ってかかったほうがよいと思います。どのような意図、仕掛けで発信しているかはわかりません。参考までに僕も読みますが、真実とは限らないと思っています。先日「若い世代でテレビ離れ進む約1割『見ていない』」という時事通信の世論調査の記事を読みました。テレビ離れが進むと言いつつ、9割は見ているんです。このようにタイトルのつけ方次第でバイアスがかかり、違う印象を受けます。アンケートなども、設問の仕方で結果は異なる。インターネットでは出どころ不明な情報がいくらでも仕掛けられますから、注意が必要です。Q. ふるさと納税をしたいのですが、こんなに災害が多いと自分の自治体に納税しないのは被災時に困りませんか?(29歳・PR)A. 災害で大被害を受けるのは地方。自分の住む地域と同じように考えたいですね。世田谷区や杉並区はふるさと納税の制度により、税収が減って困っていると声かけをしています。ただ、もともと東京に税収が集中しているのを分散させようと始まった制度なので、それは東京目線の意見かなと思います。災害が起きて、圧倒的な被害を被るのは地方です。地方は日本の生命線。農業にしても水源にしても、首都圏の暮らしは地方に支えられています。また、自治体同士で災害時応援協定を結んでいますから、災害被害に遭えば、遭わなかった地域が助けてくれます。困ったときにはお互いさま。自分の地域だけでなく、広い視野で考えていただけたらなと思います。堀 潤さんジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」主宰。シリア、朝鮮半島、香港、沖縄などを取材した映画『わたしは分断を許さない』が3月7日に全国公開。※『anan』2020年1月1日‐8日合併号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子取材、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年01月05日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回はスペシャル版として、堀潤さんが“異常気象”についてイラストレーター・五月女ケイ子さんにレクチャー!想定外の異常気象は今後も起こるでしょう。10年後の気象変動を抑える行動を。五月女:2019年は台風15号や19号があり、大きな被害も出て怖かったです。台風の進路が昔と変わったんですか?堀:そうなんです。気温や海水温の上昇で、最近の台風は勢いを失わないまま本州を直撃するようになりました。千葉など、被害を受けた地域の停電があれほど長引くとは想像していませんでしたよね。五月女:今後、住むところも考えないといけないなと思いました。あの時期、たまたま小学生の娘の学校の授業の一環で、1970年代に起きた多摩川の狛江水害のことを調べていたんです。また、私は2005年の集中豪雨で事務所のマンションの1階が浸水した経験もしていたので、少し覚悟ができていたのかな?と思います。堀:知識や経験を持っていると対処しやすいというのはありますね。どの災害現場に行っても、みなさん「まさか自分が被災者になるとは」とおっしゃいます。避難指示が出ていても、なかなか避難所に行こうとしない。それは災害を経験していないからなんです。正常性バイアスがかかり、大丈夫だと思い込んでしまう。強度のストレスから脳が情報をシャットダウンして、サイレンの音が聞こえなくなってしまうこともあるそうです。五月女:それは怖い…。堀:渦中にいると、正しい判断ができなくなる可能性があることは知っておいたほうがいいですね。五月女:警報も、あまり頻繁に鳴ると、慣れてしまいそうです。堀:今年は「数十年に一度」といわれる大雨警報が毎日のように出ました。気象庁にとっても想定外の出来事。今後も未体験の異常気象が起き得るでしょうから、お役所の言うことに従っていれば大丈夫、とは限らないと思います。五月女:100年単位くらい、長い目で対策を考えることもきっと必要なんでしょうね?堀:はい。都市に人が集中しすぎなのも問題だと思います。都市に人が集まるほど、地方が犠牲になってしまう。2019年の台風も、多摩川は氾濫しましたが、利根川や荒川はギリギリのところで止まりました。それだけ自治体が東京23区を守ろうと事前に投資していたからです。ところが、インフラ投資がなされていない東北や北関東は毎回水害被害が出てしまう。消費者の価値観が変われば、企業も環境対策を積極的に。堀:気候変動は、10~20年前といまを比較すると実感できます。異常気象の原因は諸説ありますが、地球温暖化も大きな要因の一つ。しかし、グレタ・トゥーンベリさんが国連で泣きながら温暖化対策を訴えても、トランプ大統領は冷ややかなコメントをするなど、産業の敵のように捉えています。でも、放置していたら、本当に手遅れになってしまいます。五月女:私たちはどうしたらいいんですか?堀:環境を破壊しているのは圧倒的に企業活動。ビジネスの世界では、環境や人権を脅かす企業には出資しないというESG投資が出てきています。個人では、フェアトレード商品や、生産から消費までの物流の流通経路が追跡できるものを選ぶといいでしょう。五月女:「さんが作った××」と顔写真入りで売られているお米や野菜みたいなものですか?堀:はい。すると自然と近くで生産されているものになり、配送にかかるCO2排出も減らせるかもしれません。いままでは環境よりも安さが優先されていました。でも、私たち消費者が、環境を考えた生産者のものを積極的に選ぶようになれば、企業も環境を考えざるを得なくなります。それと脱プラスチックですね。マイバッグやマイタンブラー、マイストローを持ち歩くとか。五月女:マイストロー?堀:シリコン製でハサミで切れるので、好きな長さに調節できます。洗うのが面倒くさいという意見はありますが、そもそも「面倒」という思いが、効率・合理主義を加速させるすべての元凶でしょう?五月女:そうだ!その通りです。堀:これからは「手間のかかることにこそ価値がある」と思えるようになるといいですね。その価値観が多数派になれば社会は一気に変わると思います。堀 潤さんジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」主宰。シリア、朝鮮半島、香港、沖縄などを取材した映画『わたしは分断を許さない』が3月7日に全国公開。五月女ケイ子さんイラストレーター。オンラインストア「五月女百貨店」では、新年にふさわしいおめでたいアイテムを多数とりそろえ。作品集『五月女ケイ子 ランド』が好評発売中。※『anan』2020年1月1日‐8日合併号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子取材、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年01月03日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。そのスペシャル版として今回は、堀潤さんが“多様化する社会”について解説!イラストレーター・五月女ケイ子さんの疑問に答えます!「みんな仲良く一緒に」というのは夢物語。違いを尊重し、分断しないあり方を。堀:多様性やダイバーシティという言葉が浸透して、いまは次の段階にきている気がします。当初は「国籍やジェンダーなど違う者同士、手を取り合おう」という、キラキラした共存体制を思い描いていたと思うんです。しかし、お互いの違いが明確になるにつれ、摩擦が積み重なり、「よくわからないから距離を置こう」「私とは違うから関わるのはやめておこう」と、表面的には秩序を保っていても、内実は分断が起き始めているように思います。五月女:え!そうなんですか。堀:SNSなどでも、「賛成」「反対」と二極化して、価値観の多様性は受け入れられにくいですよね。五月女:出来事に対して、みんな感情的になりすぎなのでは?とちょっと思いますね。堀:問題は、違う考えの人とどう付き合っていくか。五月女:距離感なのかな。ママ友は距離感が大事です!(笑)堀:そうなんですね(笑)。ただ、「理解できない人とは関わらない」というふうになってしまうと、多様性が進むにつれ無関心が増えてしまいます。五月女:身近な人だったら、関心を持って考えられるんですけど。堀:いいポイントです。大きな主語より、小さな主語を使うことが大事なんですよね。分断や排斥には必ず大きな主語がつきまとう。「日本人は~」「女性は~」と大きく括るから衝突します。実際にはいろんな人がいるので、一括りにはできません。五月女:相手を知る、というのも大事ですよね?先日近所で、パラリンピック関連のイベントがあって、スポーツ義足を装着する体験をさせてもらったんです。想像していたよりずっと重くて立ち上がれない。義足を操るのにすごい筋力が必要なのだとわかりました。パラアスリートの方ともお話ができて、娘にもいい体験でした。マジョリティというだけで脅威になるという自覚を。堀:一般に、新しいもの、知らないものに対しては恐怖が先立って、保守的な選択をしがちなのだそうです。違いを知るには勇気がいる。五月女:私はお酒があんまり飲めないのですが、飲む人たちからの「飲まないの?」という声にいつも圧を感じています(笑)。みんながビールを頼むなか、勇気を出してノンアルコールを頼みます。堀:マジョリティの意見は本人の気づかないところで脅威になりやすいんですよね。この数か月、僕は香港を取材していますが、これまでの香港区議会では民主派は2割と少数派でした。ところが11月の選挙で8割以上に。すると、それまでデモ隊を強く弾圧していた警官が、自分たちがマイノリティに変わったとわかった途端におびえ始めたんです。五月女:立場が逆転したんですね。堀:多様性といっても、何もせずに「対等」はありえない。そのことは自覚しておいたほうがいいでしょう。日本では、これまでは会社員がマジョリティでしたが、2020年以降、雇用の流動が進めば、フリーランスが多数派に変わるかもしれません。家族の形も変化して、いまは夫婦別姓に反対する保守派がマジョリティですが、選択的夫婦別姓の議案が再び持ち上がるかもしれません。五月女:フリーランスの私は、常にマイノリティの意識でいました。でも、マジョリティに変わったら威張ってしまうんでしょうか?堀:マジョリティがマイノリティにすり替わったとき、マジョリティだった人たちは防衛本能から「(立場を)奪われた」という意識になり、嫌悪や暴力につながることはよく起きます。欧米で移民政策に反対する人たちにもそういう意識があったと思いますね。五月女:複雑なんですね…。堀:だから、「みんな違うんだから仲良くしよう」という多様性の声かけは失敗します。そんな簡単じゃない。知らない者同士、恐る恐る近づいて、ストレスのかからない付き合い方を模索するしかない。いつも一緒でなくていいと思います。多様性のある社会とは、全員が手をにぎり合う状態ではなく、普段はそれぞれの世界があり、何かのときに協力し合うというのが理想じゃないでしょうか。堀 潤さんジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」主宰。シリア、朝鮮半島、香港、沖縄などを取材した映画『わたしは分断を許さない』が3月7日に全国公開。五月女ケイ子さんイラストレーター。オンラインストア「五月女百貨店」では、新年にふさわしいおめでたいアイテムを多数とりそろえ。作品集『五月女ケイ子 ランド』が好評発売中。※『anan』2020年1月1日‐8日合併号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子取材、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年01月01日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回はスペシャル版として、イラストレーター・五月女ケイ子さんが堀潤さんに“経済・お金”についてレクチャーを受けました!東京五輪景気に期待!その後の落ち込みに警戒を。堀:お金に関することでは、老後の資金問題が大きなニュースになりました。金融庁の報告書にあった、「年金だけでは約2000万円不足する」という話だけが先行してしまい、年金制度に批判が殺到してしまったのですが…。五月女:老後にどれくらいお金が必要かわからなかったので、そういう話が聞けて私はよかったなーと思っていました。堀:あの報告書は実はよくできていて、将来お金が必要になるから、若いときから投資をするなど、お金を賢く増やそう、そのために金融教育にも力を入れようという提言がなされていたんです。投資と貯金の違いなど、ちゃんと教えてほしかったですよね(笑)。五月女:教えてほしかったです!投資とか全くわからなくて。儲かるんですか?堀:投資は、例えば証券会社にお金を預け、彼らが今後成長しそうな企業や国に投資をして運用利益を得るシステムです。途中、多少の上がり下がりがあっても、長期的には世界経済は成長し続けますから、ある程度は増えていきます。五月女:ちょっと博打みたいなイメージもある気が…。堀:「投資」という、お金を投げるみたいな言葉が良くないのでは、という意見も(笑)。日本は資本主義の国。投資、運用するという仕組みのなかで私たちは生きているのに、そういうことを教えてもらえる機会がなかった。「お金儲けは悪いこと」という思い込みがまだ残っているので、意識を変える必要があると思います。五月女:投資について勉強するには、どこへ行けばいいんですか?堀:基本的には証券会社や銀行の窓口です。いまは少額で始められるNISAやiDeCoなどの制度もできています。大手証券会社やメガバンク系であれば、ポートフォリオといって、いっぺんに全額失うような損をしないように、様々な商品を組み合わせて運用しているので安心です。いまは株取引にも人工知能が入ってますから、素人がFXを始めようとしても太刀打ちできないと思います。消費するだけではなく、生産する側にもなってみる。五月女:投資以外にしておくべきことは何かありますか?堀:「自分の手で何かを生み出してみる」ことじゃないでしょうか。そうすれば、消費するだけの側ではなくなります。絵を描く、文章を書く、歌を歌う、雑貨を作る、何でも構いません。自分の趣味や得意なことをお金に換えてみる。いまはインターネットで個人のショッピングモールを開くことができますし、シェアリングエコノミーのインフラも整っています。五月女:私の若いときは、やりたいことがお金につながらなくて表現の世界から離れた人が大勢いました。でも、いまはいろんなところにチャンスがありそうですね。どこからがプロなのか、境界線がわからなくなったけど。堀:必ずしも生業にしなくていいと思います。月に1万でも、「ランチ代10日分、ちょっとしたアイデアで賄う」くらいの感覚でいいんじゃないでしょうか。市場に素人が増えるほど、プロの価値も高まり、再評価されています。五月女:2020年には東京五輪がありますが、オリンピックによって経済って変わるんですか?堀:オリンピックの経済効果は大きいですから、景気は良くなるでしょうね。ただ、五輪後は東京も人口減少が進みますし、景気には陰りが出てくると思います。五月女:わーそれは心配ですね。堀:でも、2025年には大阪・関西万博がありますし、2027年には東京(品川)―名古屋間のリニアモーターカーが開業。IR事業も積極的に計画を進めています。五月女:カジノですね!堀:いま大阪と横浜に開設の審議がなされています。ただ、いずれにせよ、「ハコ頼み」「イベント頼み」の景気刺激策にすぎません。自分の手でお金を作り出すことをしていかないと、いつか行き詰まると思います。例えばパラリンピックに向けて、各メーカーが選手の器具の技術開発を進めてきました。そういうものづくり精神を、2020年の東京オリパラから学んでいけたらいいですね。堀 潤さんジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」主宰。シリア、朝鮮半島、香港、沖縄などを取材した映画『わたしは分断を許さない』が3月7日に全国公開。五月女ケイ子さんイラストレーター。オンラインストア「五月女百貨店」では、新年にふさわしいおめでたいアイテムを多数とりそろえ。作品集『五月女ケイ子 ランド』が好評発売中。※『anan』2020年1月1日‐8日合併号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子取材、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年12月31日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「2019年を振り返る」です。グローバル化が進む一方で、分断は避けられず。今年、最も印象的だった出来事は令和への改元ではないでしょうか。生前退位により、これまでと違い、お祝いムードでしたし、これほど多くの式典に国民が参加できた改元はほかにありません。また、今年はラグビーのワールドカップや、野球の「WBSCプレミア12」など、国際的なスポーツイベントが日本で開催され、外国人サポーターの方が大勢訪れました。これまではグローバル化というと、日本人が海外に出て活躍することが主でしたが、日本にいながら様々な国の方々と交流が深まる「内なるグローバル化」がようやく進んだ印象です。これは、インバウンド政策により、ビザ要件を緩和し、外国人観光客を増やしたこと。そして、少子高齢化により労働者が不足し、コンビニでも居酒屋でも外国人の方が働くことが当たり前になってきたという背景があります。今年の4月には、改正出入国管理法が施行され、農業や建設、介護などの分野で、「特定技能」の在留資格を得ることもできるようになりました。外国人労働者の数はこれからますます増えていくでしょう。ただその一方で、台風や大雨が昨年に続いて多発し、外国人の方に災害報道が的確に伝わらないという問題も浮き彫りになりました。来年の東京オリンピックを控え、駅や電車などのアナウンス同様、報道でも多言語対応の必要性を強く感じます。政治に関することでは、安倍晋三総理の通算在任期間が、憲政史上最長になりました。しかし、豊かになったのはある特定の層のみで、不満や貧困、格差は広がりました。7月の参議院選挙で、「N国(NHKから国民を守る党)」や消費税廃止を謳った「れいわ新選組」のような、極論を主張する政党が想像以上に多くの支持を集めたのも、印象深い出来事でした。人々の不満が政治に直結していることが顕在化した一例だと思います。外交面では、北方領土や、北朝鮮問題は棚上げ状態。日韓関係は悪化したままで、日米貿易交渉も核心部分は先送りになっています。世界的に分断が進みつつあり、残念ながら、先行きは明るいとは言い難い状況なんですね。堀 潤ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。映画『わたしは分断を許さない』(監督・撮影・編集・ナレーション)が来年3月7日公開。※『anan』2019年12月25日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年12月20日タレントの吉木りさが23日、オフィシャルブログを更新し、夫で俳優の和田正人への感謝の思いをつづった。吉木は、2017年11月22日の「いい夫婦の日」に和田と結婚。先月27日には、第1子となる女児を出産した。「いい夫婦の日」と題した記事は、「実はギリギリまですっかり忘れてたのですが、昨日は結婚記念日でした」の書き出しから、「さすがにまだ我が子が小さいので、普通に家で過ごそうね~と話していて」と昨日の出来事を振り返る内容。「じゃあご飯は俺が作る」と買い物に出掛けた和田は、12本のバラを手に帰宅したという。去年は赤で、今年はピンクだった。吉木は、「今年も12本のバラをサプライズでプレゼントしてくれました」「ダズンローズと言って、一本一本相手への様々な想いが込められた12本のバラ」と説明し、「もらった時は授乳中&ボッサボサの髪の毛&へたりきったパジャマだったからロマンチックのかけらもなかったけど」「本当に嬉しかった」と感激。さらに、「わたしがずーっと食べたかった…」「焼肉を盛り沢山用意してくれました」と食事でもサプライズが待っていた。「本当にありがとう」「仕事で忙しくても家事も育児もたくさん頑張ってくれて…本当に自慢の夫です」と感謝の思いを記す吉木。「夜間授乳だけは全く気づかずスヤスヤ眠ってますが笑」「なんとか眠れてるみたいで良かった」「夜中くらいはぐっすり眠ってね~と思いながらひっそり授乳してます」と明かしつつ、「これからも親子3人で頑張ろうね」「私のことは気にせずたまには息抜きしてね」と和田に向けてメッセージを送っている。
2019年11月23日タレントの吉木りさ(32)と夫で俳優の和田正人(40)が27日、それぞれのブログを更新し、第1子女児が誕生したことを報告した。吉木は「この度、我が家に第一子となる、元気な女の子が誕生致しました。おかげさまで母子ともに健康です」と報告。「私が辛い時は常に笑顔でサポートしてくれた夫、そしてすくすく元気にお腹の中で成長してくれた我が子に感謝の想いです」とつづった。そして、「無事出産を迎えられたこの日まで、沢山のご協力、ご指導を頂き、支えてくださった皆様に、この場をお借りして心より感謝と御礼を申し上げます」とメッセージ。「感謝の気持ちを忘れずに、これから出会うであろう大切な人達と支え合える素晴らしい人生を歩めますよう、全力でこの子のサポートをしながら家族3人で一生懸命努めて参りたいと思います」と決意を新たにし、「これからも、温かく見守って頂けますと幸いです。そして、今後も変わらぬご指導の程、宜しくお願い致します」と呼びかけた。和田も「私事で恐縮ですが、先日、我が家に第一子となる、元気な女の子が誕生致しました。おかげさまで母子ともに健康です」と報告。「この10ヶ月のあいだ、お腹の中の命を一生懸命に育み続けてくれた妻には、本当に感謝の想いです。そして、元気いっぱいの泣き声で、僕たちのもとに産まれてきてくれた赤ちゃんには、心からの『ありがとう』を伝えたく思います」と感謝の思いを記した。さらに、「何より、この日を無事に迎えられましたのは、私たち夫婦を、日頃から支えてくださる皆さまあっての事だと思っています。この場をお借りして、心より感謝と御礼を申し上げます」と続け、「私自身の夢でもあった『家族』という居場所を、今まで以上に大切に想い、今後も表現者として、社会の一員として、より一層、精進して参ります。また、3人で力を合わせ、僅かながらも世の中に貢献できる人生を、家族全員で歩めますよう、一生懸命に努めて参ります」と決意をつづった。和田と吉木は2016年6月に双方のブログを通じて交際中であることを報告し、2017年11月22日に結婚。今年6月3日にそれぞれのブログで吉木の第1子妊娠を発表していた。
2019年10月27日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「幼児教育・保育の無償化」です。無償化が先か全入化が先か。親が働ける環境を。10月より消費税が10%となり、増えた税収は、未来への投資として、「幼児教育・保育の無償化」が始まることになりました。対象になるのは、すべての3~5歳児と、住民税非課税世帯の0~2歳児。認可外の保育施設やベビーシッターもこれに含まれます。歓迎すべきことですが、いくつか問題もあります。まず、保育所などに入っていない子供たちは対象外。都市部ではまだ、待機児童問題が根強くあり、入園を諦めていた家庭が、無償になるのならと、新たに申請が増える可能性があります。そのため、無償化よりも、全員が入園できるように、待機児童問題を先に解決するべきではないかという声もあがっています。ただ、全入化のために保育所の数を増やす、というのも容易にはいきません。なぜなら、今後子供の数は減っていきます。保育所を新設したものの、利用者が減り、将来、保育所が余ってしまう心配もあるからです。保育所設置の規制を緩和して、会社のなかに保育所を置く、「企業主導型保育」を増やす案もあります。しかし、満員電車に小さな子供を連れて通勤できるものでしょうか?最も不安視されているのは保育の質です。保育士の数は慢性的に不足しており、待遇もよくありません。数が足りていないと、保育士1人当たりの面倒をみる子供の数が多くなり、安心して預けることができません。これだけ働き方改革、一億総活躍が謳われるのであれば、安心して子供を預けられるよう、保育士の待遇や保育環境の改善をしっかりやらないといけないのではと問題提起もされています。長期的な計画になりますが、雇用の流動性を高めて、在宅ワークやワークシェアリングをもっと進め、働きながら、家で子供も育てられるようにする、というのも一つの解決策になるのかもしれません。子育ては日本の将来に関わる問題です。自分に子供がいる、いないにかかわらず、社会全体で子供を育てるという姿勢は必要だと思います。無理して保育所などに預けなくても、必死に働かなくても、安心して子供を産める、子育てだけはできる、そんな国であってほしいと思います。堀潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げる。9月、3つ目の新会社「わたしをことばにする研究所」を設立。※『anan』2019年10月9日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年10月07日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「8050問題」です。100万人以上の人がひきこもりになっている時代。ひきこもり状態が長期化し、50代のひきこもりの子供を80代前後の親が養い続ける事態が起きています。子供だけでなく、高齢になり、精神的・経済的に限界を迎えた親も孤立。これを称したのが「8050問題」です。5月に起きた川崎市登戸通り魔事件や、元官僚がひきこもりの息子を刺殺した練馬の事件をきっかけに、世間で広く注目されるようになりました。ひきこもりの定義は「自宅にひきこもり、社会参加をしない状態が6か月以上持続し、精神障がいが、その第一の原因とは考えにくいもの」です。ひきこもりは、2000年代から継続的に調査されていたのですが、調査対象が15~34歳だったため、若年層の問題のように捉えられていました。しかし、近年の調査で、中高年層のひきこもりの実態が明るみになり、2019年3月時点で、40~64歳の中高年のひきこもり人口は61万3000人。若年層も合わせると日本には100万人以上のひきこもりがいる計算になります。親が健在なうちは、50代の子供も働かなくても、実家暮らしで生活は成り立ちますが、将来、親が他界したあとが問題です。ひきこもりの支援団体の中には、「精神の問題だ」と、恫喝して強制的に外に連れ出し、立ち直らせようとするところもあります。しかし、そのやり方は当人の尊厳を傷つけますし、間違った行為だと思います。いまの社会慣習の枠に無理やり当てはめることは正しい解決法とは思えません。もう一つ大きな問題は、5月の事件もそうですが、報道で「加害者はひきこもりでした」「8050問題です」と言われることで、ひきこもりが犯罪者の予備軍かのようなレッテルを貼られてしまうことです。そのことが余計に、ひきこもりやその家族を孤立化させ、問題を深刻化させてしまいます。家から出なくても、オンライン上で仕事をしたり、社会活動に参加できるかもしれません。また、定義からすれば、職場になじめず退職し、半年ほど実家で休養するうちに働く気力がなくなり家にこもった状態にある人も、「ひきこもり」になります。本人の自覚がなくても、多くの人がひきこもりになり得る時代になってきているんです。ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2019年9月25日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年09月20日惹かれ合う女性同士が味わう歓びと、試練の先にたどり着く決断とは。綿矢りささんによる、小説『生(き)のみ生(き)のままで』。最初に浮かんだのは、タイトルだったという。「“着のみ着のまま”という言葉の漢字を“生”にしたタイトルで、それが恋愛小説だったら読みたくなるし、書きたくなるなと思いました」綿矢りささんにとってこれまでの最長となる小説『生のみ生のままで』は、女性同士の恋愛を、長い時間が流れるなかで追っていく。「以前、男の人1人、女の人2人の三角関係を書いた時(『ひらいて』)、もっと深く女の人同士が向き合う話を書いてみたいなと思って。それやったら短いよりも長いほうが、話の尺に合うかなとも考えました」同い年の逢衣(あい)と彩夏(さいか)が出会ったのは25歳の夏。互いに彼氏もおり、友人として親しくなっていった二人。ある時、逢衣は彩夏に恋心を打ち明けられる。だが、折しも彩夏は女優として人気急上昇中で…。「逢衣はもともと自分が何をしたいか曖昧で人に影響されやすいんですが、彩夏に出会ったことで、どう生きていきたいかを見つけていく。大変な時でも考えすぎずに行動できる人で、そういう健やかさは私の理想でもありますね。彩夏はエネルギーがある人だけれど、全力投球するあまり燃え尽きそうになっていく」彩夏について頭にあったのは香港の俳優、故レスリー・チャン。「俳優として天才で、カミングアウトして、鬱病の噂もあって、2003年に飛び降り自殺をして。私は、精神的に演じてきた役の影響もあったかもしれないという気がしていて。カミングアウトした当時バッシングもあったそうですが、現代だったらどうなるのかなとも思いました」恋に落ちた二人が影響を与え合い、関係を育んでいく。互いが触れ合う場面が、どれも鮮烈。「自分をむき出しにしなくちゃいけない緊張感と、ロマンティックな感情という正反対なものを持ちながら裸で接していく。そうしたシーンは書いていて楽しかったですね」さまざまな困難に直面するなかで、二人の関係はどこにたどり着くのか。「今の時代のなかで、素直に生きたい気持ちを選択したらどうなるかを真剣に考えて、ああいう結末になりました。少し前だったら小説も“禁断の恋”などと言われそうですが、そうした触れ込みは見かけない。時代が変わっているなと感じます」わたや・りさ作家。1984年生まれ。2001年に『インストール』で文藝賞受賞。’04年『蹴りたい背中』で芥川賞、’12年『かわいそうだね?』で大江健三郎賞を受賞。『生のみ生のままで』25歳で知り合い、親友同士となった彩夏に突然恋愛感情を打ち明けられた逢衣。最初は戸惑うが、次第に心と体が揺れていく…。集英社上下巻各1300円※『anan』2019年8月14日‐21日合併号より。写真・土佐麻理子(綿矢さん)中島慶子(本)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2019年08月19日3月に「おかあさんといっしょ」(NHK Eテレ)を卒業した“りさお姉さん”こと上原りさ(27)が7月31日、「ホリプロ」に所属することを発表した。Instagramも合わせて開始。さらに活動の幅が広がりそうだ。各メディアによると「7月からホリプロに所属することになりました」と報告した上原は「大学時代に憧れでもあったミュージカルに出演できるよう頑張りたいと思っているので、今後とも応援よろしくお願いします」とコメントしたという。12年、大学の在学中に「おかあさんといっしょ」のオーディションを受けたという上原。同番組では身体表現のおねえさん「パント!のおねえさん」として今年3月まで7年間活動した。明るい笑顔で人気を博し、卒業を発表した当時はママたちから惜しむ声が多数上がっていた。今回の発表は大きな反響を呼び、Twitterではエールが上がっている。《りさお姉さんは、大きな笑顔で明るく、ファミリーコンサートでも親への労りを忘れない気遣いの人と言うイメージなので、所属が決まってホッとしました。また笑顔で活動する姿を見られるのを楽しみにしています!》《子供が小さいころファミリーコンサートを二回観ましたが、ステージ上でのオーラというか存在感、ダンスのキレ、表情などメンバー4人の中で一段上の物を感じました。応援してます》《りさお姉さんは、笑顔もスタイルも健康的で、とても好感が持てます!夢のミュージカル頑張ってくださいね!》また上原はホリプロに所属することに合わせてInstgramも始動した。31日に《Instagramはじめました。不慣れなので更新頻度まちまちになるかもですが、お付き合い頂けると幸いです 趣味や私生活ちょこちょこ載せちゃいます》と投稿すると、多くの返信が。上原は続けて《こんなにたくさんのメッセージ頂けるとは、、、!みなさんありがとうございます》と投稿し、自作のヘアアクセサリー画像をアップ。すると《すてきですね!アクセサリー好きなのですが、なかなか自分で作れないので、憧れちゃいます》《可愛い りさお姉さんは器用だなあ》といった声も上がっている。
2019年08月01日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「政党の広告戦略」です。SNSを使った政党の広告手法。気軽に流されないで。今年は選挙イヤー。春に統一地方選挙があり、夏には参議院議員通常選挙が予定されています。投票可能な年齢が20歳から18歳に下がり、いずれ行われるかもしれない国民投票も視野に入れながら、各政党は若年層をとりこもうと広告戦略に余念がありません。まず3月に共産党がTikTokに公式アカウントを開設したことがニュースになりました。自民党は令和が始まると同時に「#自民党2019」プロジェクトの特設サイトをオープン。安倍首相ら自民党の7人を描いた屋外広告を街中に展開。動画CMでは10代のアーティストらを登場させ、話題を呼びました。与党の自民党は予算があるため、クオリティの高い広告を大量に作っていますが、どの政党も様々な手法で宣伝しています。皆が話題にあげ、SNSで拡散されることを狙っているのです。ただ、イメージの良い政党=自分の希望する社会を作る政党、とは限りません。広告では具体的な政策は語られず、スローガンを謳うだけです。「現実的な政策を広告で述べたところで、国民は耳を傾けてはくれないだろう」というのが政党側の意見です。イデオロギーを人の心に植え付けるとき、声高にメッセージを掲げるのではなく、美しい、かっこいい、悲しいなど、感情に訴え、知らず知らずにそう思わせるのがプロパガンダ(大衆操作)です。戦時中、ナチスはワーグナーの音楽やかっこいい映像を使い、ドイツが特別な国家だと国民に思わせましたし、アメリカはディズニーのドナルドダックを反ナチス映画に使いました。政治家がアートやスポーツをプロパガンダに利用する歴史は連綿と続いています。ですから、「なんとなくいいな」と思ったときには、誰かがそう思うように感情に訴えたのかもしれないと肝に銘じてください。そして、「なぜ、自分はよいと思ったのだろう?」と冷静に自問することが大事です。10年後20年後、どんな社会であってほしいですか?自分はどうありたいですか?具体的なビジョンを描けなければ、政策の是非も判断できません。イメージで選んだ政治の、その先の民主主義は足元が脆いと思います。ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2019年7月10日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年07月08日ひらり、ひらりとギンガムチェックのワンピースが初夏の風に踊る。まもなく公開の映画『ホットギミック ガールミーツボーイ』で、映画初出演ながらヒロインに抜擢された堀未央奈さんだ。乃木坂46きっての映画好き。その軽やかな身のこなしには、念願を叶えた彼女の高揚感があふれていた。――これまでのアンアンの取材でも「女優が目標」と語っていた堀さん、今はどんな気持ちですか。素直にうれしいです。山戸結希監督には乃木坂46のミュージックビデオでもお世話になったのですが、そこで私を見てオファーしてくださったそうなんです。日頃から目標を口に出すようにしてきたんですけど、それが実を結んだのかな。――初めての映画の現場はいかがでしたか。最初は緊張したけれど、日を追うごとに楽しくなって。やっぱりお芝居が好きだと実感しました。――劇中では、清水尋也さん演じるクールな秀才、板垣瑞生さん演じるキラキラ男子、間宮祥太朗さん演じるやさしいお兄ちゃんに同時に想われる羨ましい役で。ですよね。私もこんなシチュエーションはもちろん未体験なので、ヒロインの初(はつみ)ちゃんそのままに、どきどきしっぱなしでしたよ。――注目の若手俳優陣との共演で刺激になった部分はありますか。皆さんのプロフェッショナルな姿勢に圧倒されました。清水さんは普段はみんなを巻き込んでふざけているのに、本番になると瞬時に変わるんです。あの切り替え力は見習いたい!板垣さんは歌もお芝居もこなす同世代で、負けていられないぞと思ったり。間宮さんとは…家具やお店の情報交換とか、おもに主婦トーク仲間(笑)。――堀さん演じるヒロインの初は、自分に自信のない高校生。快活で行動的な堀さんとは…?真逆ですね(笑)。でも私も10代の頃は、お仕事がうまくいかなくて初ちゃんみたいに自信のない子でした。だから演じる上で一番参考になったのは、過去の私かも。山戸監督は乃木坂46の撮影を通して当時の私をよくご存じだったので、一緒にその時の感情を掘り起こしてくださって。だからこそリアルに演じられました。――一番思い出したのは、いつのことですか。「別れ際、もっと好きになる」という曲でアンダーのセンターをさせてもらった時のことですね。あの時は自分の“立ち位置”がわからなくて、このまま続けていいのか悩んで…。でも「続けると決めたなら、気を引き締めてやりなおす!」と覚悟を決めた時。あの経験は今回の演技にすごく生きたんじゃないかな。――そんなことが…。まさに「堀未央奈は一日にしてならず」?あはは。今の堀は、わりと最近できあがりました(笑)。――でもそういう青春の不安定さって誰しも通る道ですよね。だからこの作品は若い方だけでなく大人にも観てほしいと思っています。10代のあやふやな自分を受け入れて、初めて大人になれる。私は乃木坂46に入ったから、こんなに自分に対して悩めたし、その経験をこの作品に生かせた。それってありがたいことです。――なんと大人な…。ちなみに今回、作中に出てくる男子の中で、堀さんなら誰を選びますか?うーん、現在リアルの「堀さん」は、お兄ちゃんタイプ。私は今お仕事をすごく大事にしているし、やりたいこともたくさんある。それを制限せずにやさしく見守ってくれる包容力は必要です(笑)。ほり・みおな1996年10月15日生まれ、岐阜県出身。乃木坂46の2期生。黒髪ボブがトレードマークの清楚なルックスと、映画鑑賞や茶道など多趣味な内的魅力の両面で人気を集める、グループの中核メンバー。ファッションなど、トレンドへのアンテナの高さもグループ屈指で、女性誌のレギュラーモデルも務める。愛称ほりちゃん、みおな。伝説の人気少女漫画を原作とした映画『ホットギミック ガールミーツボーイ』。2019年の東京らしい景色の中で、堀さん演じる奥手な女子高生・初と3人の男子の切ない恋が繰り広げられる。みずみずしい恋模様と同時に、大人になることの切なさに胸が締め付けられる作品。6月28日、東映系全国ロードショー。※『anan』2019年7月3日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・菅野 悠ヘア&メイク・吉田真佐美インタビュー、文・大澤千穂(by anan編集部)
2019年06月30日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「米中貿易摩擦」です。アメリカも中国も譲らない状態がまだまだ続きそう。先日福岡で開催されたG20財務大臣・中央銀行総裁会議で、多くの国から、アメリカと中国の貿易摩擦が激化すれば、世界経済に大きなリスクを負わせるのではという意見が出ました。関税を巡る米中の貿易摩擦が表面化したのは昨年からです。トランプ大統領は就任前から、アメリカの貿易赤字を問題視しており、輸入品に高い関税をかけ、自国製品が売れるようにしたいと考えていました。昨年7月、中国製品に高い関税をかけ始めたところ、中国は反発。アメリカからの大豆や牛肉などに高い関税をかけ、対立が加速したのです。今年になり、アメリカは、「中国製の携帯電話はアメリカの技術を盗み取ったもの」と、中国の特定企業との取引を停止させました。対する中国は、半導体の元となる「レアアース」のアメリカへの輸出制限を示唆。アメリカは中国からの輸入品のほとんどの関税を引き上げましたが、さらに3000億ドルに相当する品目も、最大で25%まで引き上げるかどうか、6月末に決めると発表しました。『ウォール・ストリート・ジャーナル』の記者は、両者の勝負はしばらく膠着状態だろうと見立てており、中国研究の第一人者・遠藤誉さんは、「GDPで世界1位になるまで中国は退かないだろう」と話していました。中国外務省は先日、「米国が貿易摩擦を激化させたいのであれば、断固たる決意で対応する」と強い態度を示しました。いま中国は一帯一路構想により、アジア、中東、ヨーロッパ、アフリカまでの巨大貿易ルートを確保しようとしています。各国に巨額の支援や融資を施し、中国側に引き入れようと画策。例えばカンボジアのフンセン政権は、中国の支援に対し、プノンペンに中国人のための街を建設。強制退去させられた地元の人々の不満が募っています。アメリカもまた、中東地域の戦争や、自国内でも不法移民問題で人権を抑圧。人々の不満が積もれば、いつかほころびを見せるのではないでしょうか。いまこそ日本には、目先の利益にとらわれず、人権を守る協調体制が求められます。アメリカや中国、その他の国々との橋渡し役になることが、長期的には自国を守る術にもなるでしょう。堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2019年7月3日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年06月28日第1子妊娠を発表したタレントの吉木りさ(31)が6月5日、自身のブログを更新。妊活中に言われて「辛かったある言葉」について明かした。’17年11月に俳優の和田正人(39)と結婚した吉木は、「入籍してから約1年は自分なりに頑張りながらも中々上手くいかず、あっという間に時間が経ってしまい、最後の半年間は不妊治療に特化した産婦人科に通院していました」と妊娠までの日々を振り返った。「トータルで言えば入籍してからの1年半、モヤモヤ不安がよぎる日々……そんな中、地味に辛かったことが何気ない会話の中でありました」と切り出し、「『お子さんの予定は?』『なんで作らないの?』『子供はいいよ~!!早く作った方がいいよ!!』この会話、私の場合はほとんどが上の世代の男性から頂いた言葉でした」と明かした。吉木は「そんな傷つく会話?と思われる方もいらっしゃるかもしれないんですけど『言われなくてもわかってるよ!!』と大声で言いたくなるほど私は辛かった」と吐露。「妊娠するまでどれだけ大変で、奇跡的なことなのかを認識している方が多い女性からはこのような言葉をかけられることが全くありませんでした」とつづった。そして「おもむろに上から目線で『早く作らないとダメだよ~』『早く作った方がいいよ~』と何度も言われた時は、苦笑いするしかありませんでした。その度にプレッシャーになり、落ち込み……母親に泣きながら電話することも」と告白。妊活中の何気ない言葉のトゲに悩まされたという吉木。「今の時代、様々な形で夫婦の絆を築いているご夫婦、ご家庭に、自分の価値観を押し付けることは絶対にしてはいけないなと勉強になりました」とブログを結んでいる。今月3日に妊娠を発表した吉木は安定期に入り、今秋に出産予定だという。
2019年06月05日