発達障害をもつ息子・よしおを育てるママ・なおにゃむさん。そんななおにゃむさんの日常には、ちょっぴり変わったエピソードが盛りだくさん。漫画を通して、よしお君の独特な世界をご紹介していきます!チーズが大好きなよしお君。好物のチーズがなくなりそうになると、ありとあらゆる手段で手に入れようとするとか!?...物がなくなりそうになるとママにおつかいを頼むよしお君ですが、日用品の補充などもお願いしてくるので、なんだかんだ助かることもあるよう。家の物の在庫状況は、まさによしお君次第だったり!?これからも、ママのパシリは続きそうですね。原案・作画:なおにゃむあわせて読みたい🌈【発達障害あるある】「ノートに名前書いてね」と伝えたら…違う名前が⁉
2022年07月22日発達障害をもつ息子・よしおを育てるママ・なおにゃむさん。そんななおにゃむさんの日常には、ちょっぴり変わったエピソードが盛りだくさん。漫画を通して、よしお君の独特な世界をご紹介していきます!今回はよしお君が中学生になった時のお話。ママが「名前書いておきなよー」とノートを渡したら、なんとそこに書かれていたのは違う名前だった!?....「ノートに名前書いておきなよ」と言われて、「大学ノート〇〇」とそれぞれの教科の名前を書いたよしお君。ママの意図とは違いましたが、それぞれの教科が分かりやすくなって結果としては良かったですね!次はどんな『あるある』が出てくるのか、お楽しみに♪原案・作画:なおにゃむあわせて読みたい🌈【珍・学童エピソード】臭いのはコレ!!ホットカーペットの下から出てきたものとは⁉
2022年07月15日通常学級で受けられる支援のノウハウが満載ーー『通常学級の発達障害児の「学び」を、どう保障するか: 学校・家庭・福祉のトライアングル・プロジェクト』文部科学省が2002年、2012年に調査した結果によると、通常学級に在籍する児童生徒のうち、発達特性を示す児童生徒の数は6%ほどといわれています。しかし、そのうちで授業時間内に個別の配慮をうけている児童生徒の割合が約45%にとどまっているという調査結果もあります。通常学級に在籍する発達特性のある子どもの学びを支えるためにはどうしたらよいのでしょうか。この本では、幼稚園などにおける支援や小学校への就学相談、小学校、中学校、高校における指導、大学や企業における支援をそれぞれ実例をあげて紹介しています。また、学校・家庭・福祉が1つのチームとなって連携する「トライアングル・プロジェクト」についても解説。多方面から子どもの学びを支えるためのヒントが満載です。「困っているけど、学校などにどう相談したらいいか分からない」と不安になっている方にもぜひ読んでほしい一冊です。発達特性のある子どもとの記録、療育とのつながりーー『発達凸凹っ子に英才療育?してみた 生後0日からの子育てバトル』発達ナビの連載ライターでもある、著者の古都コト子さんは、娘さんに発達特性があります。4歳ごろまで激しい癇癪や他害、こだわり、多動などがあり、24時間気を抜けない子育てをしてきました。2020年からSNSで子育ての過程を発信すると、SNSで話題になりフォロワーは7万人以上に。「悩んでいるのは自分だけじゃない」と誰か1人にでも届くようにと発信を続けています。この本では、娘さんが生まれたときから、娘さんの発達特性に気づき「療育」とつながる過程が全編マンガで描かれています。SNSでは発信していないエピソードも収録。古都コト子さんの心情の変化、娘さんの成長に勇気づけられる作品です。子どもの気持ちを想像し対応できるーー『発達が気になる子どもへの関わり方を教えてください』発達障害や、発達特性に関しての認知度が上がっていることを背景に、発達特性のある子どもに対する適切な関わり方を知りたいという声が年々増加しています。著者の中村敏也さんは、14の保育園と6の療育施設を運営し、のべ6万2000人の子どもたちに関わってきました。大人が困ってしまうような子どもの行動にも悪意や害意はないことが多く、その”気になる行動”をしてしまうときの子どもの気持ちにまず共感することが大切だと著者は言います。この本では、子どもと関わるときの5つの基本、子どもたちの気持ちを知るためのポイント、シーン別での困ったことへの対応方法、子どものタイプ別対応ポイントなどが丁寧に解説されています。行動だけに目を向けるのではなく、その背景にある子どもの心理を想像することが適切な声かけや接し方につながります。「みんな違って、みんないい」という思いがあふれる一冊です。また関わり方だけでなく、保護者の方が子育ての悩みを抱え込まないために、相談機関への相談の仕方なども紹介されています。発達特性のある子どもを育てる保護者だけでなく、子どもと接する全ての方々におすすめです。「食べる動作」の改善により日々の食事に笑顔をーー『気になる子どものできた!が増える食事動作指導アラカルト』食事は日々の生活に欠かせない大切な要素。しかし、箸や食器がうまく持てない、食べ物をこぼしてしまう、食べるときに姿勢が崩れてしまうなど、子どもの「食べる動作」について悩みを抱える保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。この本では、神奈川県立保健福祉大学の教授であり、作業療法士でもある、笹田哲先生により、具体的な食事動作の指導法、食事動作の基礎となる手指の動きを養う遊び、さらには食具・食器の選び方などが、実際の画像やWEB動画と共に分かりやすく紹介されています。一つひとつの食事動作が上手にできるようになることで、お子さんの自信につながるだけでなく、お子さんにとってもご家族の方にとっても日々の食事がより楽しいものになるのではないでしょうか。この本は保護者の方だけでなく、教員、栄養士、保育者など、子どもの食事に関わるさまざまなご職業の方にもおすすめの一冊です。忘れ物をしてしまったらどうする?を考えるーー『わたし、わすれものが おおいです (学校がもっとすきになるシリーズ 2022)』学校は毎日毎日いろいろなことが起こる場所。この本は、子どもたちの日常にありふれた小さな出来事を拾い上げ、その出来事を通して「少しでも学校を好きになることができたら」という思いで描かれた絵本です。今回のテーマは「忘れ物」。誰でも一度は忘れ物をしてしまったことがあるのではないでしょうか。大事なのは忘れ物をしてしまったときにどうするかを考えること。この本は、いつもうっかりしてしまう「わたし」と、わたしが忘れ物をしたとき、いつも助けてくれるしっかり者の「えみちゃん」のお話。国語の教科書を忘れてしまった日、いつものようにえみちゃんに教科書を見せてもらおうとすると、なんだかえみちゃんの様子がおかしくて——。忘れ物をたくさんしてしまうけれど、そのたびに「どうしよう?」と真剣に考える「わたし」と「えみちゃん」。お子さんと一緒にこの絵本を読んで、「忘れ物をしてしまったときは、先生になんて言おう」「明日、忘れ物をしないためにはどうしたらいいのかな」と話し合ってみてもいいかもしれません。日々の不安に寄り添ってくれる一冊ーー『リエゾン(8)ーこどものこころ診療所ー』どんなに子どもを愛していても、イライラが止まらず子どもに手を上げてしまう。私の行動って「虐待」なのではないか…。児童精神科をテーマに、現代社会を生きる子どもたちとその家族が抱えるさまざまな問題を丁寧に描く人気漫画の新作が登場。第8巻は「虐待」「母子登校」「自傷行為」がテーマです。この本では、言うことを聞かない子どもに手をあげてしまう母親、小学校入学直後に登校渋りをする子どものために毎朝母子登校を続ける母親、親からのプレッシャーに耐えられず自傷行為をしてしまう中学生の女の子が登場。傷を抱えた彼らに児童精神科医の佐山卓と遠野志保がかける言葉とは?近しいからこそ、すれ違ったりこじれたりしてしまう親子の関係性。周囲には気づかれないように明るく振舞いながら、誰にも言えない家庭での悩みを押し殺して毎日を過ごしている人はたくさんいるのではないでしょうか。この本は、時に残酷なこの現代社会を生きる私たちの心にそっと寄り添ってくれる、そんな一冊になっています。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2022年07月12日息子2歳、初めて足を踏み入れた療育の世界私の息子には、知的障害を伴う自閉スペクトラム症があります。息子に障害の診断がついたのは4歳のときでしたが、1歳半で発達の遅れに気づいたことをきっかけに、2歳から療育に通いはじめました。息子が最初に通った療育は、地域の児童発達支援センターに月に1回程度の頻度で通う、親子通園の集団療育でした。Upload By べっこうあめアマミ児童発達支援センターは、発達に不安がある子どもと家族のための総合的な支援をしている、地域の中核的な発達支援施設です。そこで受ける初めての療育は、親子ともに学びが多い内容でした。療育では、大きな遊具で身体をいっぱい動かしたり、名前呼びをしたり、手遊びや体操をしたり、紙芝居をしたりと、遊びながら発達を促していきました。息子はあまり活動に興味を示さなかったり、身体を動かすのを嫌がったりもしましたが、そういったときの先生からの声掛けの仕方なども、参考になりました。Upload By べっこうあめアマミただ、親子通園なので、私は療育の時間中ずっと息子にぴったりくっついていなければなりません。息子のあとを追い、怒ったらなだめ、精神的にも体力的にもすごく疲れました。そして、児童発達支援センターが家から非常に遠かったことも大変でした。息子を連れて15分歩いて駅まで行き、電車に乗り、電車を乗り換えて、センターの最寄駅からまた15分くらい歩くという道のり……。バスで行くこともできましたが、時間がかかり、通うだけでへとへとでした。きょうだいがいると療育に通えない⁈まさかのルールに愕然Upload By べっこうあめアマミ息子が3歳のとき、週3日で通える高頻度で時間も長い療育のクラスに、次年度からの空きが出たという連絡をもらいました。しかし、そのクラスに通うためにはいくつかの条件があることを知らされたのです。・幼稚園と並行して通うことはできない・ひき続き親子通園・子どもの給食はあるが、親は療育中は飲食できない・きょうだいを連れてきてはいけない当時、私は2人目の妊娠が分かったばかりでした。そのため、週3日の頻度で親子通園ということも大変でしたが、幼稚園に通えないということや、きょうだいを連れてきてはいけないという条件に愕然としました。交渉したところ、抱っこは不可だけれどおんぶなら許可すると言われましたが、両実家ともに県外だった私にとっては、それも難しい条件でした。まだ首が座らない赤ちゃんをどこかに預けて息子と療育に通い、おんぶができる月齢になったら赤ちゃんをおんぶしながら長い道のりを通って3人で一緒に療育を受ける…。息子の発達のために頑張ろうと思いましたが、自信がありませんでした。そして、そのことを夫に相談すると、こんな答えが返ってきました。Upload By べっこうあめアマミ私は、2人目が生まれてから通うことはかなり不安でした。でも妊娠中はギリギリまで通おうと思っていたのです。しかし…Upload By べっこうあめアマミUpload By べっこうあめアマミいつも温厚な夫から諭されて、私は改めて、妊娠中の自分の身体についてすごく甘い認識でいたことに気がつきました。そして、「息子の発達の遅れへの心配で頭がいっぱいで、お腹の子や自分の体調、家族の生活についてまるで考えていなかった」ということを反省しました。こうして、空きは出たとはいえ、あまりに家族にかかる負担が大きかったことから、この療育は辞めることになったのです。代わりに、息子は親子分離で通える別の療育に、週5日で通うことになりました。子どもの療育先を選ぶとき、無視できない「大切なこと」とは療育は確かに、子どものために行うことです。ですが、1人で通園できない子どもの場合、親の負担から目を背けることはできません。子どもを思うからこそ、多少無理をしてでも頑張って療育に通わせたいというのが親心。特に、未就学や未就園の小さいお子さんの親御さんほど、「子どものためにできる限りのことを」という思いから無理してしまいがちな気がします。ですが、療育の内容だけでなく、ぜひ次のような条件にも目を向けてみてください。Upload By べっこうあめアマミこれらの条件は、通う前は「なんとかなる」と思っても、実際に通ってみると予想以上の負担だった、ということにもなりかねません。見過ごされてしまいがちだけど、実は無視できない、非常に重要なポイントだと感じています。親子で無理なく療育に通い続けるために親も人間です。親にとっての負担があまりに大きいと、せっかく療育で良いことを教わっても、それを実践する体力が残っていない、という状況に陥ってしまうかもしれません。ストレスからイライラが募り、子どもに笑顔を向けられなくなってしまうかもしれません。最悪の場合、親が体調を崩して療育どころではなくなってしまうかもしれません。そうなってしまったら、せっかく良いと思って選んだ療育に、通い続けられなくなってしまいます。療育の結果は劇的に現れるとは限りませんし、継続して通うことで、少しずつ積み上げていくものだと思います。だからこそ、親子で無理なく続けていけるように、療育の内容だけでなく、「通わせやすさ」にも目を向けて選んでいくことをおすすめします。「子どものため」に自分や他の家族の生活全てを犠牲にする必要はないと思います。あなたはすでに、十分頑張っています。自分の都合を理由にすることに罪悪感を感じず、無理せず歩んでいきましょう。執筆/べっこうあめアマミ(監修:井上先生より)地域によって 、主に公的な機関によって療育がなされているところと、多くの民間の事業所が療育を提供しているところなどかなりの違いがあると思います。特に公的な機関の場合、制約が多いところがまだあるようですね。地元の情報を探し、民間も含めて親に負担のない通いやすいところ、お子さんに合った療育施設を探すのが良いと思います。情報源としては発達障害者支援センターなど以外に、地域の親の会などに聞いてみると親視点からのいろいろな情報を得ることができると思います。
2022年06月23日「子どもの未来を幸福に」というビジョンの下、発達障害児の将来の自立と就職に向けてトレーニングを行う教育事業者(児童福祉法に基づく児童発達支援・放課後等デイサービス)に対する開業・運営コンサルティングを提供する株式会社アイラ(本社:宮城県仙台市、代表取締役:遠藤 千尋)は、「人との繋がりの中で未来を生きる力を育む」をコンセプトに埼玉県内で児童発達支援・放課後等デイサービス「ヒトツナ」を運営する株式会社サイドアイ(本社:埼玉県越谷市)と業務提携を行い、2022年6月10日より、「ヒトツナ」フランチャイズ事業を開始しました。埼玉県のヒトツナがフランチャイズ事業を開始■児童発達支援・放課後等デイサービスの概要児童発達支援、放課後等デイサービスは、0歳から18歳までの発達に特性のあるお子様を日中や学校終了後の放課後等にお預かりし、将来の就職と自立に向けた様々なトレーニングを行う事業です。2012年の法改正により現在の児童発達支援・放課後等デイサービスの体系になってから数年で事業所数は急増し、それに比例して利用するお子様も増加しております。「発達に特性のあるお子様」とは、自閉症スペクトラム、ADHD、LD等の診断を受けているお子様や、診断名がなくても療育の必要性を認められたお子様等が対象となります。■「ヒトツナ」のコンセプト児童発達支援・放課後等デイサービスヒトツナは、2019年に埼玉県越谷市に開業しました。「人との繋がりを大切に、人との繋がりをもっと楽しく」というスローガンで、発達に特性のある子どもたちが“人と通じ合う経験”の中でたくさんの学びや発見が得られるような体験学習を重視しております。特性から、他者と通じ合う経験の乏しさや困難さを抱えている子どもたちが多かったり、自分に対する否定が強いお子様が多くみられますが、だからこそ「人と人との繋がり」が生きづらさを解消する手助けになると信じて、質の高い社会性の経験が大切に関わっています。■ヒトツナの療育の特徴ヒトツナでは、〇〇式、〇〇プログラム等、一つの療育の手段に偏らず、「子どもに関わるスタッフ一人ひとりのアセスメント力向上や、療育に向き合うマインドの形成。その上で、多様な“手段”の獲得」が何よりも大切な療育だと考えております。療育プログラムという“手段”が先行した事業所づくりでは、お子様をその手段に当てはめることが目的化してしまい、一人ひとりに合った個別性のある支援からはかけ離れていきます。最も重要なのは“一人ひとりと向き合う力”だと考え、職員に対する療育者としてのマインド、スキル両面からの育成を行うことが、ヒトツナメソッドの特徴です。■フランチャイズの特徴ヒトツナフランチャイズ加盟店様の開業にあたっては、本部のコンサルタントが物件選び、商圏調査レポート、関係法令適合の確認、事業計画書作成、資金調達支援、人材採用支援、集客、マーケティング支援、教育等、開業に必要なノウハウを以てサポート致します。【ヒトツナフランチャイズの強み】(1)開業からわずか3か月で単月黒字化を達成した実績を集約実際の教室運営に基づくサポートをいたします。(2)業界初の経過年数ごとにランニングロイヤリティを低減させる仕組みを採用フランチャイズだけど加盟店様の“自立”が目的です。高額なランニングロイヤリティで運営がひっ迫し、事業継続が困難にならないよう、ヒトツナフランチャイズはランニングロイヤリティもおさえ、さらにしました。その間に加盟店様はノウハウを内製化し、自立した運営を目指していただきたいと思っております。(3)優秀なスーパーバイザーによるリモート、巡回指導当たり前ですが、開業してからが本番です。フランチャイズや開業コンサルティングでよくあるトラブルは、「開業したら支援が手薄になる」ことです。ヒトツナフランチャイズは、本部教室の優秀な人材がスーパーバイザーとして、加盟店様の事業所運営をサポート致します。(4)WEBマーケティングに強いヒトツナフランチャイズの運営チームには、WEBマーケティングに特化した広告・制作会社も参加しています。ヒトツナ本体としてのブランディングにも力を入れ、加盟店様にとってのバリューを高め続けることは勿論の事、加盟店様の認知・訴求においてもWEBマーケティングのサポートが可能です。■当サービス立ち上げの経緯“放課後等デイサービスのフランチャイズ会社が説明している内容が施設の実態と乖離している。”当社、株式会社アイラは、児童発達支援・放課後等デイサービスに長年関わってきた実績から実際の施設運営、人材育成、障害児への教育内容の実証に基づくサービス開発等を行って参りました。実際の生きた事業所運営を行う中で感じたのは、大手フランチャイズ等の広告で表示される謳い文句は「現実とのギャップがある」ものが多いという事です。コンプライアンスを遵守した上で、人材を確保し続けながら事業所を運営していくのは、それなりの覚悟が必要ですが、短期間で高収益等の謳い文句が動機となって参入した事業者にとっては想像よりも労力の方が掛かる事です。その為、事業の早期撤退等も業界の隠れた問題であると感じておりました。放課後等デイサービスは、手軽に小資本で始められる事業ではないからこそ、「やりたい」と一念発起した起業家さんたちには必ず成功して、必ず幸せになってもらいたい。それは、結果的に地域で療育を必要とする障害児の幸せになるのだから。当社は、障害児の居場所をより質の高い環境にする事、そして、放課後等デイサービスという社会的意義の高い事業に参入した事業者様には、必ずこの事業を通じて人生を豊かにしてもらいたい。これが、私たちのビジョンです。■詳しくはこちら資料請求や個別相談にお問合せください。フランチャイズ加盟店様は、オーナー様との面談による入会審査を行わせていただいております。詳しくはこちらをご覧ください。 ■株式会社アイラについて株式会社アイラは、障害児の教育事業を開始したい事業家のスタートアップを支援するコンサルティングを行っております。中でも、クライアント企業様のスタッフ教育には力を入れており、表面的な施設運営のノウハウだけではなく人間の基本的欲求や本質を踏まえて「根本的解決」に働きかけるスタイルで、人材育成をサポートしております。特性のある子どもたちに質の高い療育を提供するためには、支援に従事する職員のマインドを高める事も、とても大切な事です。当社では、子どもたちに質の高い療育を提供する側の大人が人として満たされ、成長することにより、結果、子どもたちに還元できるものが増えるという考えのもと、事業所の教育環境の整備、研修の提供、人材育成のコンサルティングを強化しております。また、代表の遠藤自身もADHD、ASDの当事者で、不登校やうつ、適応障害等の二次障害を経験してきました。そのような経験を踏まえて、発達に特性のある子どもが今ある環境にとらわれ人生を悲観することなく、未来に向かって生きる心の器を育てていきたいと思っております。今回のヒトツナフランチャイズ事業では、フランチャイズ本部機能を受託しております。【会社概要】社名 : 株式会社アイラ所在地 : 宮城県仙台市青葉区国分町1-8-14 仙台協立第2ビル3階代表者 : 代表取締役 遠藤 千尋資本金 : 1,100万円(資本準備金含)事業内容: 障害児通所支援事業のコンサルティング事業、EC事業、人材育成事業等お問合せ: info@ayla.co.jp HP : SNS : ■株式会社サイドアイについて株式会社サイドアイは、埼玉県越谷市、春日部市で児童発達支援・放課後等デイサービスを運営する事業者です。障害や特性がある事により、自分の将来の選択肢を悲観的に考えている子どもやそのご家族に対し、自分らしく人生を充実させる事ができるよう、感性や社会性を磨き、選択肢を広げ、豊かな人生を送る事が出来るよう、障害児支援事業を通じて社会に貢献致します。【ヒトツナ創業時の思い】お読みいただき、ありがとうございます。ヒトツナ創業者の齊藤です。この事業をやるきっかけは、息子が3歳の時に受けた発達検査でした。ADHD、ASDの診断を受け、子どもの療育について学ぶうちに、「私自身も当事者なのではないか」と思い、数年前に検査を受けた所、自分自身もADHD、ASDの診断を受けました。息子の療育先を探す上で様々な施設を見学、実際に通所しましたが、親の目線で思うことが沢山ありました。障害を障害としてとらえてレールに乗った教育をするのではなく、「どうすれば生きやすくなるか」を一緒に考え伴走することこそが、療育なのではないかと思うようになり、ならば自分の理想とする施設を作ろうと思ったのがきっかけです。様々な事業所が、エビデンスや研究に基づいたカリキュラムやメソッドなどを展開されておりますが、当然、支援者としてエビデンス等から学ぶことはとても重要です。しかし、現場レベルでは子どもたち一人一人にどう向き合い、技術や知識をどう実際の支援に落とし込めるかが重要であると私たちは考えております。「何をやるか」ではなく「誰がやるか」が重要である事を、実際の教室運営の中で勉強させていただいております。私自身の診断の際に担当医に「頑張って社会適応してきたんだね、頑張ったね」と言われ、とてつもない安堵感で満たされた経験から、「誰か一人でも、世の中に自分の事をわかろうとしてくれる人がいる。」この、居場所感や大きな器こそが発達障害の支援には欠かせないと思い、人との繋がりをテーマにした施設をもっと多くの方に知っていただき、一人でも多くの親御様とお子様の手助けができたらと考え、このほど同じ志の方々とでメソッドや教室の人材、知識などの資源の共有を行うことを決意致しました。私自身が当事者でその親である事、自分自身がエビデンスになれるように。何より大切なのは、子どもたち一人一人に愛情を持って接すること、受容することです。自分自身を受け容れてくれる仲間や大人と出会えることで育まれる心の豊かさを、子どもたちにも感じてもらいましょう。【会社概要】社名 :株式会社サイドアイ所在地 :埼玉県越谷市袋山1431番4代表者 :代表取締役 齊藤 博晃資本金 :888万円事業内容:障害児通所支援事業、保護者支援、研修事業等 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年06月15日子どもの不器用さ、発達性協調運動症(発達性協調運動障害・DCD)かも?発達性協調運動症(発達性協調運動障害・DCD)とは、日常生活における協調運動が、本人の年齢や知能に応じて期待されるものよりも不正確であったり、困難であるという障害です。一つひとつの運動を関連づけたり、統合することが困難な障害ですが、運動の得意不得意はどんな子どもにも見られるため、単に不器用だから、で済まされる場合も少なくありません。そんな発達性協調運動症について、年齢別の困りごとや発達障害との関連性、支援機関や家庭でのサポート方法などを専門家の解説とともにまとめてご紹介します。発達性協調運動症(発達性協調運動障害・DCD)ってどんな障害?そもそも協調運動とは?粗大運動、微細運動の基本的な解説から、発達性協調運動症(発達性協調運動障害・DCD)のある子どもの年齢別の困りごとなどを詳しく解説します!発達性協調運動症(発達性協調運動障害・DCD)の原因は?発達性協調運動症(発達性協調運動障害・DCD)の原因や、限局性学習症(学習障害)、自閉スペクトラム症、ADHDなどの発達障害との併存の関連性などを解説。診断基準ごとの違いなどの詳しい説明も。子どもの不器用さが気になったらどこへ相談したらいい?子どもの運動や動作の不器用さが気になったら、どのような施設に相談に行けばいい?相談場所はもちろん、支援が受けられる機関を紹介します。遊びの中で取り入れられる、家庭で簡単にできるサポート方法なども!まとめ発達性協調運動症のある子どもは一見「ただの不器用」と思われがちです。しかし、見過ごされ、必要な支援を受けられないままでいると、その子どもが集団に適応することが困難になることもあります。子どもに発達性協調運動症があるのかどうか心配な場合は、早めに相談機関に相談し、必要に応じて専門家の支援を受けながら、家庭でできる工夫を行っていきましょう。
2022年06月12日遅れているのではなく、発達の仕方が異なるだけ知人で、自閉スペクトラム症がある4歳のお子さんの親御さんがいます。その親御さんも私と同じように、定型発達のクラスメートとわが子を比べては落ち込み、障害があるお子さんと比べては「わが子のほうができることがあるんだ」と感じてしまうと言っていました。お子さんは、保育園でもなかなか友達と遊べず、走り回っており、送迎時にその様子を見ては他の子どもたちとわが子を比べて落ち込んでいたそうです。ところが、療育に通い始めると、同じ4歳児でも、もっとじっとしていられない子どもや、発語がない子どももいました。「うちの子だってできること多いじゃない」と気持ちが少し軽くなったそうです。でも、翌朝、保育園に送っていくと定型発達の子どもたちを目にし、また落ち込んでしまいました。息子がまだ幼く、療育に通っていた時のこと。同じ療育を受けていたお子さんの親御さんは、小学校入学時に1年入学を遅らせる就学猶予を検討していました。そして私に「一年くらい遅れていると思えばいいんだよね」と言いました。私は「いえいえ、5歳になったとき定型発達の4歳児と同じようにできる訳ではないと思うよ、発達の仕方が違うんだと思うよ」と伝えました。参考:就学義務の猶予又は免除について | 文部科学省比べるのは仕方がないけれど他の子とついつい比べてしまうのは仕方がありません。「比べちゃうよね、それが親だよね」とかつての私を思い出し、共感しました。また、お子さんによっては一年遅らせることで、落ち着いたり指示が通るようになって、通常学級で学べる場合もあるのかもしれません。私は、自閉スペクトラム症のある子どもを定型発達の子どもと同じように成長させようとするのは子どもにとっても苦しいのではないかと思います。入学時期を一年ずらし、療育を行えば追いつくわけでもありません。療育は子どもがより暮らしやすく、学びやすくなるために行うものであって、定型発達児に近づけるために行うものではないと思います。他の子どもと比べて一喜一憂するのではなく、その子自身の成長を見守っていくことが大切なのだろうと思います。ただ、成長はします。発達はします。今のままの状態が永遠に続くわけではありません。Upload By 立石美津子息子の言葉息子は小学校に上がるまで、ほとんど言葉がありませんでした。オムツも5歳までつけていました。息子は現在、21歳です。昨日、息子が私に向かって夕食前に「もう!早く食べたい」、就寝前に「もう寝る!」と命令口調で言うので、「あんた、殿様だね」と言い返しました。すると「僕は殿様じゃない。立石○○だ」と怒りました。相変わらず比喩が通じない自閉症のある息子です。Upload By 立石美津子また…息子がカラスの声の真似ばかりして、家で「カアアアアーーーーーー、カアアアアアアアー」と大声を出すので…「カラスの写真付きのTシャツ買ってあげようか」「朝、起きたらカラスが横に寝ているかもね」と起こりもしないことを言うと、冗談であることを分かったような顔をして、少し笑いながら「いやだ~」と幼児のように叫びます。私が真顔で「でも、カラスは頭がいいから、外でカラスの声を出したら本当に突きにくるかもね!」と言いました。(外でカラスの声を出すので困ります。本当に突きにくるかもしれないので)その後、神妙な顔をしていました。6歳までほとんど言葉がなかった息子、このやりとりに成長を感じます。Upload By 立石美津子「相変わらず、字面通り受け止めて殿様という比喩が通じない、でも、冗談であることも口調や私の表情でわかる、昔に比べると、言葉が増えたし、会話も出来るようになった…ほんと、成長した。」とシミジミ思いました。親になると比べる病はなかなか改善しませんが、我が子の今と昔を比べるようにしたいものです。(監修・鈴木先生より)字面通り受け止めるのは自閉スペクトラム症の特徴です。ある子に「木」を描いてねと言ったところ、画用紙に「き」と書いていました。人それぞれです。皆とは違う自分の特性を生かせる環境のもとで育てることが重要です。最終的に自立・就職できることを目標にしていけばいいのではないでしょうか。自閉スペクトラム症は退行することはなく、少しずつ成長します。その子のレベルに沿ってゆっくりと進めばいいと思います。そのために特別支援学級で1~2年前の学習の復習をしつつSSTができるといいのです。日本にもデンマークのような自閉スペクトラム症専門の小中学校ができるといいですね。
2022年06月10日発達性協調運動症(発達性協調運動障害・DCD)の診断と発達障害の関係は?Upload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホン発達性協調運動症(発達性協調運動障害・DCD)のはっきりとした原因は、まだわかっていませんが、いくつかの原因が検討されています。また、発達性協調運動症は、限局性学習症(学習障害)、自閉スペクトラム症、ADHDと併存することがまれではないと言われています。上記との併存が多くみられるため、なんらかの共通する遺伝的要因があるのではないかと言われています。また、上記のような障害のある子どもは定型発達の子どもより、発達性協調運動症を発症する可能性が高いと言われています。参考:自閉スペクトラム症に併存しやすい疾患・障害|こころの健康情報局「すまいるナビゲーター」参考:ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について|厚生労働省e-ヘルスネットDSM-Ⅴでは発達性協調運動症は、5歳から11歳の子どもでは、5~6%が発症する、また、女児より男児のほうが発症率が高いといわれています。発達性協調運動症とADHD(注意欠如・多動性障害)との関係ADHDのある子どもがよくころんだり、物にぶつかったりしてしまうのは、ADHDによる注意散漫や衝動性に原因があるのか、それとも発達性協調運動症によってなのかを注意深く観察する必要があります。ADHDと発達性協調運動症との境界についてはDSM-5には特に記載がありませんが、ICD-11では衝動性や不注意のために物や人などにぶつかりやすい子どもを発達性協調運動症と診断しないようにとの記載があります。子どもの運動に対する困難さ、不器用さは必ずしも、ADHDだけが原因、発達性協調運動症だけが原因というわけではなく、両方が原因となっていることもあります。海外からは、ADHDがある男児の場合、発達性協調運動症との併存確率は30~50%ほどの可能性がある言う報告もあります。発達性協調運動症とADHDの、二つを併発している場合は、DAMP症候群(deficits in attention, motor control and preception/注意・運動制御認知における複合的障害)と呼ばれることもあります。参考:ICD-11における神経発達症候群の診断について|公益社団法人日本精神神経学会参考:注意欠如多動症児の協調運動機能が行為選択に及ぼす影響|J-STAGE発達性協調運動症と限局性学習症・学習障害(SLD・LD)との関係限局性学習症・学習障害(SLD・LD)は、読み書き能力や計算力などの算数機能に関する、発達障害の一つになります。限局性学習症には、読字の障害を伴うタイプ(ディスレクシア)、書字表出の障害を伴うタイプ(ディスグラフィア)、算数の障害を伴うタイプ(ディスカリキュリア)の三つがあります。日本語の読み書きに関しては発達性ディスレクシアの診断やアセスメント方法が確立され、音韻処理に基づく介入が行われている場合が多いですが、発達性協調運動症がある子どもの場合は音韻処理だけでは説明できず、診断、アセスメント、介入方法が異なるといわれています。参考:学習障害(限局性学習症)|厚生労働省 e-ヘルスネット発達性協調運動症と自閉スペクトラム症(ASD)との関係自閉スペクトラム症(ASD)がある子どもは、コミュニケーションが苦手だったり、感覚の過敏をともなったり、苦手なことでパニックになってしまう、見通しが立たないことに不安を感じてしまうなどがあります。さらに発達性協調運動症があると、うまくできないことが多くなり、遊びなども楽しむことができない可能性もあります。自閉スペクトラム症の併存症はさまざまありますが、約70%以上の人が1つ以上の精神疾患を持っているといわれています。特に知的発達症が多いですが、その他ADHDや発達性協調運動症、学習障害、不安症、抑うつ障害などがしばしば併存します。参考:発達障害の特性(代表例)|厚生労働省参考:ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について|厚生労働省 e-ヘルスネット発達性協調運動症と知的発達症(知的障害)との関係知的発達症(知的障害)のある子どもは知的能力のみならず、体力や運動能力においてもさまざまな課題を抱えている場合があります。知的発達症のある子どもは、体力・運動能力が、年齢とともに向上しないケースもあります。これは、知的発達症によくみられる自閉傾向、あるいは身体動作の障害のために運動への拒否を示す子どもでは、成長期であるにもかかわらず、本来動かすべき運動や身体を働かす機会が少ないがゆえの身体能力の低下現象とも推察されています。参考:知的障害児の発育期における運動能力について|J-stage診断基準ごとの違い現在使われている精神疾患の診断基準は、アメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神障害のための診断と統計のマニュアル』5版テキスト改訂版)と世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)(※)による診断基準があります。現在、最新の診断基準である『DSM-5』が主流になりつつありますが、医師や医療機関によってどちらの診断基準に準拠しているかは異なります。発達性協調運動症における診断基準の違いは、『ICD-10』と『DSM-5』で異なる点があります。『ICD-10』では発達性協調運動症は心理発達の障害に分類されるため、精神遅滞と知能指数が重要になります。現在DSM-5、ICD-10では診断名は「発達性協調障害」となっていますが、ICD-11では「発達性協調運動症」と名称が変更されており、神経発達症群に入っています。ですので診断基準も『ICD-10』『DSM-5』から変わってくる可能性もあります。※2019年5月、世界保健機関(WHO)の総会で、国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11)が承認されました。日本国内ではこれから、日本語訳や審議、周知などを経て数年以内に施行される見込みです。WHOでの公表・承認を受けて、各国では翻訳やICD-10/11 変換表の作成、疾病分類表、死因分類表の作成などの作業が進められ、審議、周知などを経て施行されていきます。ICD-11への改訂によって分類コードが変化すると、書類上で要求されるICDコードが変わったり、疾病概念やカテゴリー、名称や診断基準も変更になる可能性もあります。参考:ICD-11における神経発達症候群の診断について|公益社団法人日本精神神経学会参考:ICD-11 | 世界保健機関(WHO)まとめ子どもに発達性協調運動症があるのかどうか心配な場合は、早めに相談機関に相談し、必要に応じて専門家の支援を受けながら、家庭でできる工夫を行っていきましょう。また、発達障害のある子どもの場合は発達性協調運動症を伴うことも多いです。発達性協調運動症からの特性なのか、そのほかの発達障害による特性なのかを見極めることが重要です。
2022年05月31日先生から「そろそろ発達検査を受けてみましょうか」の言葉Upload By まる2歳8ヶ月ごろから通い始めた発達外来は、3ヶ月ごとに受診をしている。通い始めてから数ヶ月後、いつものようにこんなことができるようになりました!などの近況報告をしていると、先生から「そろそろ一度発達検査を受けてみましょうか?」と打診があった。発達外来に通ってはいるが、いまだにはっきりと「この子は自閉スペクトラム症があります」と言われていなかったため、私も気になっていたころだった。「ぜひお願いします」と即答。不安な気持ちも大きかったが、それ以上に早く息子の診断を出してもらってスッキリしたいという気持ちも強くなっていた。その日にそのまま検査をするわけではなく、検査日、検査結果を聞く先生との面談日、それぞれを予約した。発達検査の始まりUpload By まる発達検査を行う人は発達外来のいつもの先生とは違う先生で、診察室とは違う個室に案内された。息子はまだ「これから◯◯へ行くよ」などの声かけに対しての理解がないため事前に伝えることはしていなかったし、病院に連れて来られてもよく分かっておらずいつも通りウロウロと動き回っているだけだった。部屋に入るタイミングでは、ちょうど息子の機嫌が良くニコニコしていたのを覚えている。検査の内容は詳しく書けないが、身体を動かす検査や、椅子に座って行う検査があった。前半ではちょうど息子の得意な課題があり、なかなかご機嫌にやってくれて少し安心した。「いや~これはまだできないんじゃないかなぁ」という課題も、母の心配をよそになんと息子はクリア。「すごいじゃん!?まぐれ!?すごいすごい!」と、息子より母がはしゃいでしまうほどだった。検査の中では「こういうことも1つずつ教えていかないとダメだったのか…」と私も勉強になることもあった。やっぱり飽きるよねUpload By まる「ここまで順調に発達検査を受けられている!」と思っていたが、やはり集中力に限界が来たようで、ちょこちょこ席を立つようになっていった。ちょっと動き回っては先生の近くまで行ったり、検査で使う物が入っているバッグを開けようとしたり…。どうにか座らせて次の課題をやってもらおうとするも拒否することが多くなってきたし、出される問題も中盤あたりから息子には難しくなってきた。多分今の息子でもまだできないような課題も出てきた。そんなこんなで息子はいつの間にか全く椅子に座らずに動き回るようになってしまったのと、時間になったので検査は終了した。当日はそれでおしまい。特に先生から何を言われるでもなく帰宅した。ついに診断グレーから自閉スペクトラム症(ASD)へUpload By まるそれから数日後。検査結果を聞くだけだから息子は一緒じゃなくて大丈夫とのことだったので、保育園にお願いして私だけ発達外来に向かった。発達外来のいつもの先生と話をし、検査結果から運動や社会性など「今大体このくらいの年齢ですね」と説明を受けるだけで終わってしまった。「自閉スペクトラム症があります!」と言われることはなかった。別に診断されたから何かが変わるわけではないのだけど、気になっていたくせにはっきり言われるのが怖くて、私から「それで診断名は?」の一言が出せなかったのだ。後から知ったのだが、発達検査は発達障害の確定診断を行うための検査ではないらしい。その後、診断書を市役所に提出する機会があり、発達外来の先生に書いてもらった。用意してもらった診断書を見ていると、そこに「自閉スペクトラム症」の記載を発見。やっぱりかぁーという気持ちになったが、落ち込むことなくなんだかスッキリしたのを覚えている。※発達障害の確定診断は、生育歴や行動観察などの臨床診断と、発達検査・知能検査などの専門診断の結果を経て、総合的に診断されます。執筆/まる(監修:井上先生より)発達検査や知能検査は、お子さんが同年齢の子どもたちと比較して、発達や知能水準がどれくらいの位置にあるのかを把握したり、本人の中の凸凹を評価するために行われます。多くの実施式の発達検査や知能検査は、簡単な課題から開始され、お子さんの正答が得られなくなるまで続けられます。失敗が続くとやる気を失ってしまうお子さんの場合、休憩や気分転換を挟みながら、励ましながら行うことになります。見守っている親御さんもお子さんもよく頑張られたと思います。
2022年05月25日発達障害のある娘と環境変化Upload By 古都 コト子(koto)娘はどちらかというと新しい環境が好きです。新しいお友達や先生たちに出会えると思うとワクワクするようで、環境が変わる前はむしろ楽しみにしている様子があります。本人も「楽しみだなぁ」と、ときどき口にしたり、張り切って準備をしたり、実際に新しい環境で楽しく過ごせたと、先生や本人からも報告があります。それとは裏腹に、いつもは気にしないようなことにこだわり始めたり、うまく切り替えることができず怒りっぽくなったり…。内心は新しい環境や変化にたいして見通しが立たないことでうまく口に出せないような不安があるのだなと思います。今まで通りと違うということは、娘にとって、ルーティーンが狂うということであり見通しが立たないということでもあります。今まで守られていたその一連の流れが変わってしまうのですから、大人でも不安になることでしょう。特に春は、もともと新しい環境や変化が苦手な子どもにとっては本当に大変な時期ですよね。娘のように口では楽しみだと言っていたり、実際に楽しく過ごせているような場合でも、やはりいろいろなことに気を使ったり、変化に対応しようと本人なりに頑張っているので、想像以上に負担がかかっているようです。発達外来で医師に相談してみるとUpload By 古都 コト子(koto)当初は、このように環境の変化によって家の中で落ち着きがなくなったり荒れやすくなったりするのは、ADHDの特性からきているものだと思っていました。ですが、発達外来の先生に相談してみたところ、「自閉スペクトラム症からくる見通しの立たなさ故の不安からきているものではないか」と言われ、なるほどと思いました。なので、部屋を片づけたり、おもちゃを減らしたりなど本人がイライラする要素を減らすよりも、明日の予定や新しい環境での過ごし方をシミュレーションしてみるなど、見通しを立たせて本人の不安を取り除くことを優先することに。結果、少しずつまた落ち着いてきました。娘は幼児期から、このような傾向がありました。例えば3歳くらいまで、行ったことのない建物には入るのが難しいほど場所見知りがありました。当時はすでに療育に通っていて、療育園そのものや安心できる人たちと行く場所はどこも楽しいものだと徐々に学習していき、入り口で泣き叫んで中に入れないといった場所見知りはしなくなりました。病院や歯医者は未だに少し警戒しますが、以前のように中に入ることもできない、ということはなくなりました。事前にどういったことをするのか説明しておくと、スムーズに通えるようになってきています。声がけのポイントはUpload By 古都 コト子(koto)季節の変わり目や環境の変化以外に、園で発表会や運動会などの大きな行事があると、その練習と本番でのプレッシャーによって荒れやすい時期がやってきます。やる気はとてもあるのですが、それゆえに完璧にやらなければならない、失敗してはいけないという重圧が娘の中にかかるようです。「失敗してもいいよ」「大丈夫だよ」と伝えても、娘が納得しなければ自分で勝手にプレッシャーを抱えてしまうのです。そこで、そういう時期は家ではあれこれ急かさないようにしたり注意を減らしたりするなど、安心して過ごせる場にしてあげるよう気をつけています。進級や新しい環境でも、「分からないことがあっても大丈夫だよ」「先生やクラスの子に聞いてもいいんだよ」と、毎日本人が安心できるような声かけをしています。また、行事のときと同じように、家では伸び伸びと過ごして気力を充電することで、少しでも内心感じているプレッシャーを減らしてあげられれば良いなと思っています。大人でも緊張する「新しい環境」というものは、きっと特性のある子どもたちにとってとんでもない出来事!外で頑張っているのに、家でもあれこれ怒られたり感情を出せなくなるのは負担が大きすぎるので、家庭でしっかりリラックスできる環境をつくったり、不安な気持ちを理解して受け止めたりしてあげたいです。執筆/古都コト子(監修:井上先生より)進級や進学は環境の変化が起こることによる楽しみと同時に、変化に対する不安が加わりとても言葉で言い表せないような不安定さが現れるのかもしれませんね。さらに「うまくやらなければいけない」という完璧主義の傾向が強まると不安はさらに高まってしまいます。こういった不安に対して逃げ出さないで向き合っている娘さんは、すごいと思います。つらくなったときは、ハードルを周囲の人が少し下げてあげて、「やり過ごし体験」をしていくことで許容範囲を広げ、自信にもつながっていくと思います。
2022年05月24日埼玉県内に福祉事業所を24施設展開している株式会社SHUHARI・株式会社sopoの代表取締役:中村 敏也(なかむら・としや)が、二作目となる『発達が気になる子どもへの関わり方を教えてください!』(株式会社 かざひの文庫)を2022年4月29日に刊行しました。発達が気になる子どもへの関わり方を教えてください!文部科学省『令和元年度 通級による指導実施状況調査』によると、通級(軽度の障害の個別支援教室)で指導を受けている児童生徒数は13万4,185人。前年から10%弱増加しており、その半数が発達障害(ADHD、学習障害、自閉症)といわれています。いまは「発達障害」の認知も増えたことで、この10年で、ADHDは約6倍、学習障害は約5倍、自閉症は約3倍となっているそうです。そのため、発達障害の子どもに対し「どのように接したらいいのか?」という、適切な関わり方を求める声が、年々増えてきています。本書は、14園の保育園と6園の療育施設を運営し、のべ6万2,000人の子どもたちと関わって得た経験から、“気になる行動”をとっているときの子どもの気持ちや関わり方を、丁寧に解説しています。たとえば、小さな子どもの場合、大人が困ってしまうような行動にも悪意や害意はないことが多く、その気になる行動をしてしまうときの子どもの気持ちに共感してあげることが大切だと、中村は言います。そのほかにも、「かんしゃくを起こすときの心理」「爪を噛むときの心理」「ものを壊したり、ほかの人を傷つけたりするときの心理」…といった具体的なシーンの関わり方だけでなく、親御さんが悩みを抱え込まないために、相談支援事業所への相談の仕方なども紹介しています。子どもたちへの理解が深まり、定型発達の子どもたちも、発達に課題がある子どもたちも、一緒に生活し勉強ができるような環境を、すべての地域で実現していきたいという想いから、本書の執筆につながりました。【書籍情報】書名 :『発達が気になる子どもへの関わり方を教えてください!』著者 :中村 敏也(なかむら・としや)定価 :1,650円(税込)発売日 :2022年4月29日出版社 :株式会社かざひの文庫ページ数:208ページ本書の内容目次:1章 子どもと関わるときの基本まず5つの基本を押さえる・基本の1 時間がかかる・基本の2 「愛着」を育てる・基本の3 よいところにだけ注目する・基本の4 周囲の動きに惑わされない・基本の5 抱え込まないほか2章 子どもたちの気持ちを知ろう・なぜ子どもの気持ちを知ったほうがいいの?・子どもがどう感じているかを知ろう・子どもの「ヘルプ要求」を見逃さないようにしよう・そのままにしていいとき、改善したほうがいいとき・共依存にならないためにほか3章 シーンでわかる 困ったことへの対応方法・まず家庭で心がけたいこととは?・言葉に課題のある子には、就学前に何をすればいい?・薬を服用したほうがいいか、迷ったときにはどうする?・発達の特性を持つ子の「きょうだい」をどうケアする?・感情の起伏が激しい子にはどうすればいい?ほか4章 子どものタイプでわかる対応ポイント・療育を必要とする子どものタイプとは?・物の受け渡しがうまくできないタイプ・「自分」が強すぎるタイプ・時間軸を身につけるには?・おしゃべりで饒舌なタイプ・言葉が出にくいタイプにはさまざまな原因があるほか【著者紹介】著者 中村 敏也中村 敏也(なかむら・としや)株式会社SHUHARI 代表取締役株式会社sopo 代表取締役新座市子ども子育て会議委員朝霞市自立支援協議会委員従兄に子どもが生まれたことをきっかけに、「保育園に入りたくても入れない」という待機児童問題に驚き、保育学や児童発達支援について学ぶ。2004年9月、埼玉県志木市にて「保育園元気キッズ志木園」を開園。以後地域のニーズに対応しながら小規模保育事業、認可保育所、病児保育、学童保育、児童発達支援事業、保育所等訪問支援事業所、相談支援事業所を開設。2022年現在で、地域に根ざした福祉事業所を24施設展開。さらに2022年6月児童発達支援センター開所予定。「日本教育新聞」「埼玉新聞」「保育雑誌月刊ひろば」など、多数のメディアで保育士の離職率の低さについて取り上げられる。「プレジデントオンライン」をはじめ、教育情報メディア「リセマム」にも記事やコラムを寄稿するほか、「コドモン」「保育博」でセミナー講師を務めるなど、講演活動も多数。1977年、埼玉県朝霞市生まれ。埼玉県立川越高校、明治大学経営学部卒業後、大手通販会社へ就職。趣味はファミリーキャンプ、フットサル。古典からビジネス書、ライトノベルまで守備範囲の広い無類の読書好きでもある。著書に『保育・療育で地域オンリー1になる保育園運営の教科書』(かざひの文庫)がある。■会社概要商号 : 株式会社SHUHARI代表者 : 代表取締役 中村 敏也事業内容: 保育事業、児童発達支援事業、保育所等訪問支援事業、病児保育事業、相談支援事業、子育て支援事業、放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)、メディア対応・講演・執筆URL : 商号 : 株式会社sopo代表者 : 代表取締役 中村 敏也事業内容: 保育施設の運営URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年05月19日止まらない、娘のおしゃべり。広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)のある娘は、小学4年生ごろから反抗的で発言と行動の矛盾が多くなりました。発達検査を前に、久しぶりに発達外来を受診することになったため、私は娘の行動の原因と、その対策を聞いてみることにしました。待ちに待った発達外来の診察日。担当は、今までの先生とは違う方でした。聞きたいことが山ほどある!私は、早く聞きたくてうずうずしていたのですが…Upload By SAKURA先生と娘の話がなかなか終わらない!定期的に受診していた小学2年生のころは、先生に聞かれたことしか答えなかった娘でしたが、小学5年生になり、言葉も成長していた娘のおしゃべりは、なかなか止まりませんでした。いつもと違った診察の方法に動揺!先生と娘だけの話が始まって15分ほど経ったころ、ようやく私に話がふられました。いつもなら最初、先生と娘が話をし、それが終わると、娘の相手をする看護師さんがやってきます。娘の様子や困りごとなどの話をするときは、先生と私だけです。娘が、私たちの話を聞くことはありません。しかし今回は…Upload By SAKURAなぜか先生は、娘の相手をするために来た看護師さんを、退出させました。話を始めようにも、娘がいる…話を聞かれたくない…私が、「できれば娘のいないところで話したいのですが…」と言うと先生は、『話してどうぞ』というジェスチャーをしていました。仕方なく私は、娘がいるため、言葉を選びながら、最近の様子を話しました。Upload By SAKURA最初はなるべく、娘が分かりにくいような言い回しを選んでいたのですが、途中私が気持ちをおさえられなくなってしまい、娘の前で愚痴のような内容になってしまいました。娘は、私に悪口を言われたとショックを受け、隣で泣いてしまいました。久しぶりに近づいた、娘との心の距離。だから聞かれたくなかったのに…私は娘に対して申し訳なく思い、同時に先生に対して、疑問を持ちました。すると、先生は…Upload By SAKURA先生から直接聞いた訳ではないので、ここからは私の予想ですが…先生は話を聞き始めたとき、私と娘の間の不穏な空気を感じ取ったのかもしれません。娘の話からも、矛盾感を感じ取った…。だから、私の話をあえて娘に聞かせるため、同席させたのかもしれません。何ヶ月もピリピリした状態が続いていた私と娘の心の距離が、久しぶりに近づいた気がしました。原因は、「自立心」と「自立力」のバランス?それから先生は、娘の発言と行動の矛盾の原因を話し始めました。Upload By SAKURAこの説明には、目からうろこでした。今まで、矛盾を感じていた娘の行動すべてが、理解できました。今の娘に必要なこと。娘の行動の理由は分かった…しかし、私が知りたいのは、この状態を改善する方法があるかどうかでした。Upload By SAKURAその方法とは、娘に決めさせる…?先生の言った方法は、「あーさんに、選択も結果も全て委ねる」というものでした。Upload By SAKURA次のステップへ。私は、いつも娘がパニックにならないよう、失敗しないよう、いろんなことを先回りして声かけをしていました。「○○しないと、~になっちゃうよ」「先に○○したら?」「忘れ物ない?」など、娘がスムーズに過ごせるように、良かれと思ってしていたことでした。これは私が娘の発達に問題があると分かってから、歩んできた日々の中で、言うなれば自然と身につき、染みついて離れなくなっているような…私のスキルのようなものでした。Upload By SAKURA娘がパニックを起こさないため、私が先回りしての声かけは、今の娘には不必要な支援だったのです。私は、いつまでも娘が幼くて、パニックを起こして泣いていると、思い込んでいたのかもしれません。「次のステップへ」という言葉は私の中で、区切りのように感じたのです。Upload By SAKURA執筆/SAKURA(監修:三木先生より)ご本人を場から外さないことも含めて、ちゃんと「あなたのテーマだからね」ということを明示してくださる先生なんですね。そういうメッセージも「本人のテーマを本人が扱う」ためのステップとして、素晴らしいと思います。
2022年04月27日戦中生まれの母…発達障害なんて分からない!?私の母は戦中の生まれで、発達障害についてはほとんど知りません。普段、本を読むこともなく、テレビもほとんど見ないので、情報源といえば新聞ぐらい。発達障害がある私の2人の子どもたちのことも「ちょっと変わった子だから、いじめられないか心配」ぐらいの感覚のようです。ちなみに父は早くに亡くなりました。私は一人っ子です。子どもたちに発達障害があることを言ってみたけれど…Upload By 寺島ヒロ私の母のような人が、これから積極的に勉強して、発達障害や障害者福祉について理解し、孫たちのためになにか行動するとか、全く現実的ではないですし、期待しても仕方がないことだと思っています。あえて理解を得ないという戦略子どもたちの細かいケアを頼ることはできませんし、ときには心ない言葉で精神を削られることもありますが、子どもたちの進学先や所属する学級、支援の申請内容などを、私と子どもたちだけの判断で決められるなど、関わってこられなくて気楽という面もあるので、あまり「理解を得る」ことにリソースを使わないようにしています。そんな母ですが、孫のことはたいへん可愛がってくれ、よく観察しているなと感心することもあります。おばあちゃんの買ってきた服は嫌!いっちゃんが7~8歳ぐらいだったころ、母がこんなことを言いました。母「いっちゃんは本当にアンタに似てるねえ…」私「日がな一日絵を描いてるところとか?」母「それもあるけど、見た目が似てる」私「顔は似てないでしょ」母「服が似てる」母が言うには、いっちゃんが母の家に泊まりに行ったとき、私が持たせた服が足りなくなることがあるのだそうです。それで、予備で買っておいた服を着せるんだけど、大体すぐ脱いでしまうのだと。Upload By 寺島ヒロおそらく、いっちゃんには感覚過敏があるので、母が感じ取れないレベルの生地のケバ立ちが気になって、着られない服があったのでしょう。私も似たようなことをしていた!さらに母は「アンタも私が買ってやった服が気に入らないと、よくチクチクするってケチつけて着なかったよね」と言います。全く覚えていないのですが、幼いころの私も母が買ってくれた服を「チクチクする」と着なかったことが頻繁にあったようです。シュミが渋すぎる娘たち母「自分で選べばと思って、一緒に服を買いに行っても、地味な色のくたクタクタした服ばっかり選ぶのも一緒。なんていうか子どもらしくないのよ!」子どもがみな鮮やかな色の服が好きというのは、母の思い込みだと思いますが、たしかにそれも私と娘ではそっくりです。私たちは、明度と彩度の高い色の服が大の苦手。眩しいという感じと似ているのですが、例えばテラテラした素材のピンクのスカートなどが、視界に入ると目が「ケチャケチャ」して不快に感じてしまうのです。外に出るときは白いシャツとかも着るけど、基本家ではグレーのグラデーション。イラストにするときは、人物の区別がつかないので色を載せているんですけどね。「ちゃんとした服」を着て!と言われても…いっちゃんが15歳になった今でも、よく母に「いっちゃんに、ちゃんとした服を買ってあげなさいよ」と心配されます。というのも、いっちゃんは服が足りなくなると、私の服を「これほしい」と言っては持っていき、大抵いつも私のお古を着ているのです。新しい服を買いにお店などに行くよりは、私のチェックを通過した服から選んだ方が効率的ということらしいです。明るくて騒がしいお店での買い物が苦手ないっちゃん、賢いと言えなくもない判断です。Upload By 寺島ヒロ母に「服を買って送ってあげる!」と言われることもあるのですが、断固として断っています。気持ち的には「服を買ってあげる甲斐のない娘と孫でごめんなさい!」なのですが、ここは私たちにとってどうしても譲れないところなのです。執筆/寺島ヒロ(監修:初川先生より)祖父母や親戚の方が、発達障害のあるお子さん・孫についてどうご理解くださるかはなかなか難しい問題ですね。いつも一緒に生活しているわけではないと、発達障害のあるお子さんの多くの面をご覧になっているわけではないがゆえに、「大丈夫よ」「障害なんて気にしすぎなんじゃないの」といったことを言われることが多い気がします。そして最終的な責任のありかとしては保護者である親にかかってくるので、どこまでそうしたご意見を取り入れるのか、それ以前にどこまでお子さんの障害のさまざまな側面をご理解いただくかはとても悩ましいところではあります。ヒロさんのように、すべてを理解してもらうのは難しい、とある意味割り切って、障害についての理解はさておき、孫を可愛いと思っているその側面でお付き合いしていくのも一つの道だと思います。いっちゃんのお祖母さんは、ヒロさん(娘)を育てるときも地味な服ではなく子どもらしい色の服を着せたい(そのときにあまり肌触りは気にしない)という思いを持たれ、いっちゃんに対してもそう思っていらっしゃるのですね。鮮やかな服がきっと似合うと強く思われていらっしゃるのでしょう。ただ、実際には、ヒロさんもいっちゃんも地味な色味で肌触りや軽さが重要。いっちゃんにとってお母さん(ヒロさん)が良き理解者であることは、服をめぐるあれこれについてとても安心感を与えてくれることだろうと思います。
2022年04月06日癇癪と発達障害って関連はあるの?Upload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンたびたび癇癪が起こるからといって発達障害があるというわけではありません。ですが発達障害のある子どもに強く見られる傾向が癇癪が起こるきっかけと絡んでいる場合があります。自閉スペクトラム症、ADHDなど発達障害のある子どもによく見られる4つの傾向と癇癪の関係自閉スペクトラム症のある子どもには、感覚過敏がある場合が多くあります。周りの子が大丈夫な刺激でも過敏に反応して癇癪を起こしてしまうことがあります。また、自閉スペクトラム症のある子どものこだわりや不安の強さによって、普段と違うことが起きたり、突然の予定変更に気持ちがついていかず、癇癪に繋がってしまうこともあります。強い癇癪の背景には、言葉の理解と表出の発達に関するアンバランスさが影響している場合があります。また、知的障害を合併する場合は言葉の発達全般に遅れが見られたり、身振りや手振りなど言葉以外での表現も苦手であることで、その伝わらないもどかしさや要求を伝えるための手段として、癇癪を起こしやすくなると考えられます。このほかにも感覚の過敏性がある、決まったパターンが乱れることが苦手(同一性保持)、余暇の乏しさなどが、癇癪の背景にある場合もあります。私たちは、自分の意思と相手の意思の両方を考えながら、時には譲ったり、自分の願いを優先させるために交渉したりして、他人との関わりの中で生きていきます。発達障害のある子どもたちは、他者の意思と自分の意思を調節することが難しい傾向があります。自分と他者の意思を調整するためには、まず相手の気持ちを把握した上で、「これぐらいなら譲れる(または要求できる)」という2つのステップが必要です。自閉スペクトラム症といわれる発達障害のある子どもの場合、まず最初に必要な相手の気持ちや意図を理解するというステップを通過することが難しく、そのために自分と相手の意図を調節するための材料を持ち合わせていない状態に陥りやすいのです。こだわりがある、他人のペースに合わせるのが苦手、ということもあります。また、ADHD(注意欠如・多動性障害)がある場合は、「やりたい」という気持ちを抑えるのが難しいために、相手の気持ちが分かったとしても、その気持ちを譲ることができないことと、感情がすぐに表面化することで、爆発的に怒ってしまうことがあります。成長するにつれて人は自分のストレスを減らすために工夫を行います。発達障害のある子どもたちは、この自己調整や衝動性のコントロールを行うことが難しい傾向があります。このような行動の工夫を行うことが苦手なので、不快な状況をそのまま経験することになり、ストレスが蓄積されていきます。最後には自分の気持ちをコントロールすることができずに不満や怒りが爆発して癇癪を起こすことがあります。まとめ癇癪の原因は必ずしも子どもに発達障害があるから、というわけではありません。ですが発達障害のある子どもに強く見られる傾向を知っておくことで、子どもに癇癪が起きたときにより良い対応が取れる可能性があります。イラスト/かなしろにゃんこ。
2022年03月05日「両面すべり止めクッション&足元マット」の商品開発モニターに!発達ナビ×フェリシモコラボの、発達が気になるお子さんや保護者さまが便利で快適に過ごせるためのグッズづくり。私は『両面すべり止めクッション&足もとマット』のモニターを担当しました。※詳細ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移します「両面すべり止めクッション&足元マット」とは?座り姿勢をサポートする座面クッションと、正しい足の位置がひと目で分かる足もとマットのセットです。サンプルモニターや試作を繰り返し行い開発しました。右足と左足と、おしりの3点で体重を正しい位置で支えて、姿勢をキープしてくれます。「ちゃんと座りなさい」と曖昧に注意するのではなく、目に見えて足の位置を具体的に指摘する伝えることができます。クッションは両面すべり止めつきなので、体幹が弱い子どもでも安定感が持続します。Upload By ひらたともみ気になっていた子どもたちの座る姿勢一昨年から、私はアフタースクールの運営に携わっています。毎日の風景を見ていると、子どもたちの姿勢は決していいといえるものではありませんでした。姿勢というのは、注意してもなかなか直らないんですよね。特に低学年のお子さんは、筆記や読書も一生懸命なあまり、どんどん前屈みになってしまいがち。椅子が悪いのか、机のサイズか…など気になっていたところ、このモニターのお話がありました。Upload By ひらたともみアフタースクールの年齢、性別、体格の違う子どもたちに協力してもらい、実際に商品サンプルを使ってみることを繰り返しました。座っている画像と一緒に子どもたちの感想などお送りしたり意見交換をしたりしながらどんどん進化していく様は、子どもたちからも「おぉ!」と声があがるほど。ついに完成!Upload By ひらたともみなによりも違いを感じたのは、足を置くマットの存在。一見すると、足の置き場なんて…と思われるかもしれませんが、「ここ!」と決めておくことで、 自然と腰の位置が定まり、クッションと固定ベルトをすることで、今度は背筋がきれいに伸びるという実感が湧きました。Upload By ひらたともみマットの裏面にはすべり止めがついているので、学習中でもずれることがありません。ベルトも窮屈感のない素材なので、長時間でも使用できると実感しました。 子どもだけでなく、毎日デスクワークで、腰に負担のかかりやすい大人の私たちも、オフィスやパソコン作業時に使用すると、猫背や姿勢の改善につながって、腰への負担も減るのでは?と思います。もうひとつのおすすめポイントは、どんな椅子でも使用可能なこと(おすすめは足が床につく椅子)。私の娘いわく、とても軽いので、 持ち運べるのは便利。塾などのパイプ椅子にも使用できるので、長い時間座っているのがラク!とのことでした。確かにパイプ椅子って、落ち着きませんよね。(納得!)執筆/ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみ※詳細ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移します【NEW】LITALICO×CCP 3点で姿勢を支える! 両面すべり止めクッション&足もとマット1セット¥3,280(+10% ¥3,607)→うち5円は「CCPチャレンジド応援基金」として運用されます。(基金部分は非課税)※この商品は、お申し込みいただいた月だけお届けします
2022年02月25日「できる」「できない」のギャップが気になったら私は、発達が気になる子どもたちの幼児期や学齢期の心理的支援の仕事に長年携わってきています。1992年から在籍した横浜市総合リハビリテーションセンターでは、児童精神科医の佐々木正美先生、発達精神科医の本田秀夫先生とともに20年以上、発達障害のある子どもや大人の支援に取り組みました。その中でたくさんのご本人・ご家族との関わりから教わった、ライフステージを通じて大切にしたいことの中から、今回は幼少期の子どもに対して家庭で取り組みたいことをお伝えします。お子さんが就学を迎える際など、ライフステージの変わり目では特に、お子さんの「できる部分」と「できない部分」のギャップが気になったりしませんか?保護者のみなさんが「できるようになってほしい」「できることを増やしたい」とお感じになるのは当然のことと思います。また「できる」を増やすための働きかけは、お子さんにとってもプラスになります。そこで、働きかけにあたって、ぜひ気をつけてほしいことがあります。それは、お子さんのペースに注目することです。「マイペース」という言葉がありますね。私たちは誰もが「自分に合ったペース」を持っています。そのペースは、人によって違います。テンポよくどんどん取り組みたい人、時間をかけてじっくり取り組みたい人…みなさんも自分にとって心地よい、ゆとりを持って取り組めるペースをお持ちではないでしょうか。そのことは、お子さんも同じです。自分のペースを崩され周りに合わせてばかりの状態が続くと、どうですか?「ゆっくり過ぎて、つまらない」「急かされて、とても焦った」…おそらく、ストレスが溜まることでしょう。マイペースと聞くと、よくないイメージがあるかもしれませんが、マイペースを保障されることは、実は心の健康にとって、とても大切なことなのです。幼少期(幼児期~小学校低学年)のお子さんは、「自分に合ったペース」がどれくらいなのかを、よく分かっていません。自分のペースが乱れたときに、周囲に対して「もっと早くして」または「ちょっと待って」など、大人のようにパッと伝えることもできません。ですから、お子さんが自分のことを分かって伝えることができる年齢(おおむね小学校高学年以降)までは、周りの大人がその子の「マイペース」をよく理解して合わせてあげること、すなわち「保護的な環境」が大切です。保護的な環境の中でこそ、お子さんは安心感を持ってさまざまなことにチャレンジしたいという気持ちになります。苦手なこと、できないことでも「やってみよう!」と思えるようになるのです。幼少期に取り組みたいことUpload By 日戸由刈お子さんの発達が気になるとき、家族は何から取り組んだらよいのでしょう。言葉の発達を伸ばすための声かけ?手先を器用にするための練習?いえいえ、家庭の中でもっと簡単にできる、とても基本的なことがあります。たとえば幼少期では、家族の「ちょっとした」コミュニケーションを心がけてほしいのです。朝、起きたときに「おはよう」という言葉を交わす、物を取ってもらったときに「ありがとう」と返す、うれしいこと・楽しいことがあったときに「よかったね!」「楽しかったね」「うれしいね」と分かち合う。日常場面には、人間関係を良好に保つような「ちょっとした一言」があふれています。これらを丁寧に使ってみてはいかがでしょう。お子さんの中には、繰り返し教えても、こうした一言がパッと出てこない子もいます。教えても身につかない…と否定的に考えるのではなく、「いつか、使えるようになるだろう」という気長な構えで、保護者のみなさんがお手本を示し続けてください。「ちょっとした一言」は、魔法の言葉です。日常場面で、繰り返しこうした言葉に触れることで、お子さんの中に「人間関係って、こういうものなんだな」という土台がつくられていきます。幼少期のお子さんを育てている保護者の方には、まだピンとこないかもしれませんが、実はこの土台こそが、生涯を通じてお子さんに大きな影響を与えます。これは20年余りの現場経験の中で、たくさんの親子を見てきて感じていることです。ちなみに、「ちょっとした一言」は、家族の関係を円満にする効果や、保護者のみなさん自身のイライラした気持ちを切り替える効果もあります。ぜひ試してみてください。幼児期、学齢期、青年期…どのステージでも大切なこととは幼少期から青年期まで、多くのお子さんとその保護者を支援してきた過程の中で学んだ、ご家族とお子さんとの関わりを、このたび書籍にまとめました。新刊『発達が気になる子の子育て10か条ーー生活スキルやコミュニケーションを伸ばすコツ』では、幼少期の関わりの基本を、「ちょっとした一言」についての第1条のほか、第7条までにまとめました。また、第8条から第10条では、小学校高学年から青年期までの子育てで大切にしたいことにも触れています。高学年以降については、別のコラムでそのエッセンスをご紹介したいと思います。幼児期、学齢期、青年期のどのステージにおいても大切なことを、ギュッと詰め込んだ1冊ですので、それぞれのお子さんのペースに合った育て方のヒントとして、ご参考いただければ幸いです。執筆/日戸由刈
2022年02月08日0歳からすぐに役立つーー『新版赤ちゃんの発達障害に気づいて・育てる完全ガイド』発達障害の兆しは乳幼児から現れるともいわれています。また、発達障害の可能性がある場合、早期に適切な対応につなげることは望ましいとされています。この本は、2009年に発行した『赤ちゃんの発達障害に気づいて・育てる完全ガイド』を見直し、新しい情報を加えた新版です。困りごとの実例集や、具体的な対応方法がイラスト入りで分かりやすく解説されています。1歳6ヶ月児用、3歳児用の記入式を活かすことで子どもの傾向とその子に合った適切な接し方を知ることができます。専門家だけでなく、子育てに悩む保護者におすすめ。正しく専門家につながるために参考になる一冊です。怒りと仲良くなろうーー『子どものためのアンガーマネージメント・ワークブック:イライラ、ムカムカとうまくつきあう50のトレーニング』「アンガーマネジメント」を知っていますか? これは、1970年代にアメリカで始まった、「怒り(アンガー)」をコントロールする心理療法プログラムのことをいいます。「怒り」は、「うれしい」「悲しい」「こわい」と同じで誰もが抱く感情です。でも、その「怒り」のコントロールがむずかしくて困っているお子さんもいるかもしれません。この本は、アメリカでベストセラーになった子どものためのアンガーマネジメント・ワークブック。ワークブックにそって「怒りのなぞ」を紐解くことによって、「イライラ」「ムカムカ」と上手につきあうヒントを得られます。謎解きをするように楽しんでほしい!怒りを抱えて困っているお子さんにおすすめです。今日の気分でぬってみてーー『ガストンのきぶんをととのえるぬりえ』フランス発、子ども自身で感情をコントロールするメソッドを教える人気の絵本シリーズがぬりえになりました。主人公はユニコーンの子ども、ガストン。ガストンは「しあわせ」「おこってる」「こわい」「はずかしい」…などなど気分によってたてがみの色が変わります。「ガストンはいろいろなきぶんをもってる。それはきみとおなじだよ」ガストンのたてがみをあなたの気分の色にぬってみよう!ぬり終わったら、思わずにっこりしてしまうかも。記録文、説明文、感想文などさまざまな作文に対応ーー『これで書ける! サクサク作文サポート[小学校編]』発達障害の特性により「作文が苦手」というお子さんは少なくありません。その背景には、認知の特徴や、言語の問題があるのではないかといわれています。この本では、そのような作文が苦手な子どものサポート方法が具体的に解説されています。作文といっても、さまざまな様式があります。「記録する文」「説明する文」「感想を書く文」「物語」「紹介する文」「推薦する文」「報告する文」「提案する文」「意見を書く文」。この9つの様式それぞれの作文例、書き方のポイント、子どもにとって難しく感じるポイント、指導のコツをていねいに解説。支援者が活用しやすいだけでなく、家庭でのサポートにも役立つ一冊です。小児科医が描く発達障害のある女の子の物語ーー『ひまりのすてき時間割』主人公のひまりは、忘れ物一番、ケアレスミス一番、ケンカっぱやいの一番……困りごともたくさんあるけれど、周りを明るくするほどに元気いっぱいの女の子。ひまりが小学校6年生のとき、ある出来事が。その後、ひまりにADHDと自閉スペクトラム症があることが分かります。さまざまな出来事に落ち込むひまりでしたが、ある日幼馴染の真由に『ひまりのすてきな時間割』と書いたノートを手渡します。そのなかに書いてあったのは…?著者の井嶋敦子さんは、秋田市今村記念クリニックで小児科医として働く小児科医でもあります。医師ならではの専門的な知見と、著者が伝えたい想いが物語の中にたっぷり描かれています。主人公のひまりが「発達障害」とまっすぐに向き合う姿、友達との関わり合いに勇気をもらえることでしょう。子どもから大人まで読んでほしい一冊です。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2022年02月05日長男は4歳のときに、子ども発達支援センターで発達検査を受けました。担当の先生からは発達障害のグレーゾーンと言われ、長男への接し方や特性の話を聞きました。乳児期のころから長男のことを育てにくいと感じていたのですが、当時はなぜ育てにくいと感じてしまうのかわかりませんでした。今回は検査結果を聞いたときの私の心境をお話ししたいと思います。 子育てがつらいと感じていた日々長男は生後3カ月のころから寝つきが悪く、夜泣きもひどく、育児用ミルクは一切飲まず母乳のみでした。実家は遠く、夫は非協力的で、金銭的な余裕もなかったので、私ひとりで長男の子育てや家事を頑張るしかありません。さらに長男が1歳、2歳と成長してくると、偏食・言葉の遅れ・こだわりが目立ち始めました。 健診では問題ないと言われていましたが、長男の様子に違和感を持ち始めていた夫や義父から、私のしつけが悪いと言われるようになり、私は長男の子育てをつらいと感じるようになってしまいました。 発達検査を受けた結果長男が4歳になる1カ月前、長男の子育てと成長について子育て支援センターへ相談に行ったところ、すぐに子ども発達支援センターを紹介され、長男が4歳3カ月のときに発達検査を受けました。 担当の先生からは検査の結果、「発達障害のグレーゾーン」と言われ、知能的に高い部分と社会性の低い部分で2年半の差があるということでした。発達に凸凹があるために、長男には理解できることとできないことの差がありますが、それは性格や環境のせいで「お母さんのせいではないですよ」と言われたのです。 ショックよりホッとした気持ち夫や義父に長男へのしつけが悪いと言われていた私は、「お母さんのせいではない」と言われたとき、体の力が抜けたと同時にホッとしました。 また長男には脳機能で何かうまくいかないことがあり、感覚などの過敏があるのだとすると、育てにくいと感じていた長男の偏食やこだわりなどをすんなりと理解することができたのです。そして不思議とショックではありませんでした。むしろ、発達障害のことや長男のことを、しっかりと理解したいと思いました。 発達検査の結果が出たあとも、夫や義父は長男の発達検査の結果をなかなか受け入れてくれず、私のしつけが悪いと言っていましたが、私は気にしませんでした。発達検査の結果を聞いた日を境に、長男の子育ては「育てにくい」から「理解したい」という方向へ変わっていきました。私のせいじゃなかった、そう思った瞬間のホッとしたときの気持ちは、うまく言葉では表せませんが一生忘れることはないと思います。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 「共感した」「私の場合はこうだった」など、ぜひベビーカレンダーサイトのコメント欄にご感想をお寄せください。また、ベビーカレンダーでは皆さんから募集した体験談を記事でご紹介させていただくことも。ベビーカレンダーに会員登録すると届くメルマガから、皆さんのオリジナル体験談をご応募ください。 イラストレーター/おもち監修/助産師 松田玲子著者:川本 千華発達障害の長男、兄が大好きな次男を育てる2児の母。元ピアノ講師。自身の経験を活かし音楽・発達障害に関するライターとして活動中。
2022年01月29日長男は4歳のときに、子ども発達支援センターで発達検査を受けました。担当の先生からは発達障害のグレーゾーンと言われ、長男への接し方や特性の話を聞きました。乳児期のころから長男のことを育てにくいと感じていたのですが、当時はなぜ育てにくいと感じてしまうのかわかりませんでした。今回は検査結果を聞いたときの私の心境をお話ししたいと思います。 子育てがつらいと感じていた日々長男は生後3カ月のころから寝つきが悪く、夜泣きもひどく、育児用ミルクは一切飲まず母乳のみでした。実家は遠く、夫は非協力的で、金銭的な余裕もなかったので、私ひとりで長男の子育てや家事を頑張るしかありません。さらに長男が1歳、2歳と成長してくると、偏食・言葉の遅れ・こだわりが目立ち始めました。 健診では問題ないと言われていましたが、長男の様子に違和感を持ち始めていた夫や義父から、私のしつけが悪いと言われるようになり、私は長男の子育てをつらいと感じるようになってしまいました。 発達検査を受けた結果長男が4歳になる1カ月前、長男の子育てと成長について子育て支援センターへ相談に行ったところ、すぐに子ども発達支援センターを紹介され、長男が4歳3カ月のときに発達検査を受けました。 担当の先生からは検査の結果、「発達障害のグレーゾーン」と言われ、知能的に高い部分と社会性の低い部分で2年半の差があるということでした。発達に凸凹があるために、長男には理解できることとできないことの差がありますが、それは性格や環境のせいで「お母さんのせいではないですよ」と言われたのです。 ショックよりホッとした気持ち夫や義父に長男へのしつけが悪いと言われていた私は、「お母さんのせいではない」と言われたとき、体の力が抜けたと同時にホッとしました。 また長男には脳機能で何かうまくいかないことがあり、感覚などの過敏があるのだとすると、育てにくいと感じていた長男の偏食やこだわりなどをすんなりと理解することができたのです。そして不思議とショックではありませんでした。むしろ、発達障害のことや長男のことを、しっかりと理解したいと思いました。 発達検査の結果が出たあとも、夫や義父は長男の発達検査の結果をなかなか受け入れてくれず、私のしつけが悪いと言っていましたが、私は気にしませんでした。発達検査の結果を聞いた日を境に、長男の子育ては「育てにくい」から「理解したい」という方向へ変わっていきました。私のせいじゃなかった、そう思った瞬間のホッとしたときの気持ちは、うまく言葉では表せませんが一生忘れることはないと思います。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 「共感した」「私の場合はこうだった」など、ぜひベビーカレンダーサイトのコメント欄にご感想をお寄せください。また、ベビーカレンダーでは皆さんから募集した体験談を記事でご紹介させていただくことも。ベビーカレンダーに会員登録すると届くメルマガから、皆さんのオリジナル体験談をご応募ください。 イラストレーター/おもち著者:川本 千華発達障害の長男、兄が大好きな次男を育てる2児の母。元ピアノ講師。自身の経験を活かし音楽・発達障害に関するライターとして活動中。
2022年01月29日グローバル化や小学校の英語教育などの影響により、乳幼児期から英語に親しませたいと考える親御さんは以前よりも増えてきました。脳の発達から考えると、小さいころから英語に触れさせることにはどのような意義があるのでしょうか。親はどのようなサポートができるのでしょうか。そこで今回は、幅広い年齢層の脳画像解析を行ってきた瀧教授(東北大学加齢医学研究所)にお話を伺い、「脳の発達」という視点から考える子どもの外国語学習について、公式サイトにて記事を公開しました。瀧 靖之教授●感情と記憶には強い相関があるため、2歳~3歳の時期に遊びの一つとして英語に繰り返し触れると、英語への親しみが習得効果を高める可能性がある。●8歳~10歳は効率的に英語を習得できる時期ではあるが、英語に親しみをもたせるという観点では、学校の授業で「嫌い」、「苦手」という感情が芽生える前から英語に触れる体験をすることが大切。●学習効果を高めるために親ができることは、子どもの好奇心から生まれる主体性を大切にすること、そして、英語が将来の役に立つというポジティブなメッセージを伝えること。●英語に触れる体験が短期間であっても、親しみが生まれていれば、将来、学習への抵抗感が少なくなる。元々医師として脳の画像診断を行い、認知症予防などの分野に関わっていた瀧教授。様々な研究によって高齢者の方々にとって知的好奇心が重要であることがわかってきました。その知的好奇心は小さいころから伸ばしたほうがより幸せな人生を送ることができると考えるようになり、子どもの脳発達に関する研究により力を入れるようになったと言います。■ 脳の発達の観点から英語に「親しみ」をもたせるには小さいころから英語などの外国語に触れさせたいと考える親の多くは、「親しみをもってほしい」、「好きになってほしい」という想いがありますが、こうした観点からすると、どれくらいの年齢から英語に触れさせ始めるとよいのでしょうか。瀧教授にお話しいただきました。「小学校の授業は、やはり『勉強』になりますし、勉強はテストなどで評価されるものです。ですから、脳科学的な要因で、というよりも、このような社会的要因によって、「嫌い」、「苦手」という感情が生まれてしまうところはあると思います。英語に対する親しみを高めるという観点からは、そのようなネガティブな感情が芽生える前の未就学児のころから、『英語はコミュニケーションのツール』ということを伝えられる体験を少しずつさせることは大事なのではないかと思っています。」と瀧教授。「だいたい2〜3歳くらいから自分と他者の区別がついてきて、外の世界にあるに興味をもつようになります。このような時期に、アウトドア体験や英語など、いろいろなことを遊びとして体験させてあげると、子どもの興味・関心はどんどん広がっていくと思います。心理学的には『単純接触効果』と呼ばれるのですが、ある物事や人、場面に触れる機会が多いと、その対象にだんだんと興味が湧いてきて親しみをもつようになります。」と話します。さらに、「脳科学の分野では、『好きになるとよく覚えられる』ということが言われています。」とのこと。瀧教授によると、言語に関わる脳領域が発達のピークを迎える8歳〜10歳は効率的に英語を習得しやすい時期。ただし、「英語に親しみをもたせるという観点からすると、8歳〜10歳より早い時期から英語に触れ始めるのは良いと思いますし、あくまで「効率」という観点でのお話です。脳の可塑性、脳が変化する力は、何歳になっても保たれます。その意味では、30歳からでも70歳からでも第二言語や第三言語を習得することは可能です。ただし、加齢とともに、脳の可塑性は低くなっていくので、あるレベルに達するまでの学習時間がより多く必要となります。」と言っています。■ 親は、子どもの好奇心から生まれる主体性とポジティブなメッセージを大切にはじめは「楽しんでほしい」という気持ちで子どもに英語に触れさせ始めたのにもかかわらず、だんだんと「〜しなさい」と勉強のように考えるようになってしまう親御さんもいるようです。子どもに興味をもたせるため、子どもが自主的に学習するようになるために親ができることについて伺いました。「何かを学習するときには、主体性が高いほうが習得しやすいということはよく言われています。学習の主体性というのは、好奇心の高さが関係します。好奇心があるから、自分から『やってみたい』と思うわけですね。親から『やりなさい』と言われると、子どもの学習の主体性は下がり、ネガティブな気持ちにもつながって記憶しにくくなる、ということは言えると思います。」と瀧教授。また、「将来に役立つ、ということを伝えることが重要だと思います。『受験のため』という観点もありますが、英語をやらないと受験に受からないよ、というようなネガティブなメッセージではなく、『将来の人生のため』という観点でポジティブなメッセージが良いですね。いまの時代は、どんな仕事に就いても英語を使うことは避けて通れません。趣味の海外旅行であっても、現地の人と現地のことばで話せることはお互いの気持ちを通い合わせるためにとても重要です。」と言っています。■ 短期間の体験であっても「親しみ」が将来の学習に役立つまた、一度興味をもったものを途中でやめた場合でも、脳の発達にとって良い影響は残ると瀧教授は言います。「英語に対する親しみができている以上は、また『やろう』と思ったときに、ポジティブな感情を伴って記憶に入りやすいと思います。まったくゼロの状態から始めるよりも、圧倒的にハードルが低いです。脳の可塑性もありますから、また英語に触れたときにネットワークも変化します。」とのこと。さらに瀧教授は、「親しみをもつという観点からは、たとえ半年でも3カ月でもやったということが素晴らしいです。人間は、やはり初めて知る新規の情報は拒むということが起きる場合がありますが、元々知っている情報を聞いたときは、親しみがあるので頭に入ってきやすいです。ですから、子どものころにほんの少しずつでも豊かな経験をしておくと、中学生や高校生、大学生、大人になってもう一度それに触れたときに抵抗感が下がりますので、ものすごく素晴らしいことだと思います。」と言っています。■ 子どものころに芽生えた「英語への親しみ」は生涯の財産になる瀧教授によると、脳科学的に、何かを学習するうえで「親しみ」や「楽しい」といったポジティブな感情がとても重要であることがわかっています。英語に触れ始めるべき年齢については、言語学的にも脳科学的にも絶対的な「正解」はありません。私たちは何歳であっても新しい物事に好奇心をもつことができますし、脳を環境に合わせて変化させることができるからです。脳発達の特徴は、効率的な英語教育を考えるうえで一つのヒントになりますが、「〜歳までに必ず〜をしなければいけない」と焦って子どもに何かを強制するのではなく、英語を含む豊かな体験を親子で楽しむ時期の目安、積極的に英語に触れる環境を用意してあげる時期の目安として考えるようにしたいものです。英語を習得するためには、多くのインプットやアウトプットの機会が必要ですし、とても長い時間がかかるため、どのような英語教育が効果的なのかと途方に暮れてしまう親御さんは多いかもしれません。しかし、たとえ数年間、数カ月間、数日間であっても、英語に楽しく触れたことによる「親しみ」が生涯の財産となる、という考え方は、大きな希望の光となるのではないでしょうか。詳しい内容はIBS研究所で公開中の下記記事をご覧ください。■<医師・医学博士 東北大学加齢医学研究所 瀧靖之 教授>インタビュー〜前編: 後編: ■ワールド・ファミリー バイリンガル サイエンス研究所(World Family's Institute Of Bilingual Science)事業内容:教育に関する研究機関所 長:大井静雄(東京慈恵医科大学脳神経外科教授/医学博士)所 在 地:〒160-0023 東京都新宿区西新宿4-15-7パシフィックマークス新宿パークサイド1階設 立:2016年10 月 URL: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年01月26日6周年を迎えた発達ナビUpload By 発達ナビ編集部発達ナビは、2022年1月26日で6周年を迎えます。会員数は24万人をこえ、多くの方に訪れていただけるサイトに成長しました。保護者を中心に、支援者や当事者のみなさんも訪れるサイトに発達ナビは、発達が気になるお子さまの保護者を中心に、さまざまな方にご活用をいただいています。2021年12月から2022年1月にかけて行ったユーザーアンケートでは、約80%が保護者、約11%が支援者、6%が当事者と言う結果でした。Upload By 発達ナビ編集部お子さまの年齢については、小学生が約半数、未就学21%、中学生が17%となっています。0歳から成人まで、さまざまな年代のお子さまの保護者のみなさんに訪れていただいています。Upload By 発達ナビ編集部また、発達が気になるお子さまの特性については、ASD(自閉スペクトラム症)が449人、ADHDが260人、LDが86人、知的障害が107人などとなっています(診断されている、もしくは傾向がある場合も含む)。Upload By 発達ナビ編集部※一人のお子さまに複数の特性がある場合がある/一人の回答者が複数のお子さまについて回答しているため、合計値が回答者数を超えています※特性について、傾向がある場合も含むどんなことに困っている?ユーザーの悩みとは発達が気になるお子さんを育てる保護者の方は、どんなことに困難を感じているのでしょうか。Upload By 発達ナビ編集部アンケート結果から1、お子さまと周囲とのコミュニケーション(75.4% )2、お子さまの癇癪・パニック(50.5%)3、忘れ物・なくし物など持ち物の管理(48.9%)4、勉強の遅れ(37.7%)5、偏食(36.9%)という結果でした。周囲とのコミュニケーションや持ち物の管理、勉強など、学校や園など集団生活の中で感じている困りごとに加え、癇癪やパニックなど気持のコントロール面や、偏食など食生活での悩みなど多岐にわたっています。活用いただいているサービスこうした悩み、不安の解決のヒントを得られる場所としても、発達ナビをご活用いただいていることが、アンケートから垣間見られました。Upload By 発達ナビ編集部体験談から基礎知識まで、毎日配信しているコラムは、80%以上の方にご覧いただいています。発達が気になるお子さまの育児にまつわるさまざまな情報を、簡単に手に入れられるコンテンツとして活用いただけているのではないかと思われます。また、ユーザーのみなさま同士で質問し合えるQ&Aも、約34%の方に活用をいただけていました。悩みを書き込むと、同じように悩んだり試行錯誤をしてきた仲間から、あたたかなヒントをもらえるオンラインコミュニティの存在は、発達ナビならでは。また、2020年度にスタートした、専門家による勉強会やオンラインの特別支援教材などが利用できる有料サービス「発達ナビPLUS」をご利用いただいている方も増えています。専門家に悩みを相談できるケース相談サービスもあります。発達ナビPLUSとは「あなたにとって発達ナビとは?」ユーザーのみなさんからの声先日実施した、発達ナビのアンケートでは、ユーザーのみなさんからのコメントも寄せていただきました。Upload By 発達ナビ編集部気になる行動があった時に「同じような経験をしたことのある人がいないか」「どのように対処しているのか知りたい時」に利用しています。(MMさん)小学校の教諭です。通常級の担任をしていましたが、支援級担任を希望しました。もちろん新支援級担当教諭には研修があります。でも、「リタリコ発達ナビ」では、ご家庭の困り感を知ることができます。一緒の目線になって保護者の方とお話が出来ることがあるので、エピソードを読むことで参考にさせていただいています。(Hiromimomさん)(略)本当に心の拠り所です。仲間たちが巣立っていくのも目にしつつ、私はずっとつながったままです。離れるなんて考えられない。かきこめないときも、見るだけでも、ここを巣立つことはできないと思います。ここにたどり着いたばかりは、本当に心がボロボロで壊れてた。実社会ではやはり仲間たちって巡り合いにくいし。孤独になりがち。支援学校へ子供が通うようになって、情報や地域のことを得られるようになりました。同じ学校のお子さんを持つ保護者さんたちと出会う機会もできました。でも、やはりここが一番。実社会ではやっぱりここまで出し切れないし、仮面(アイコン)をかぶっているから?より素直になれるような?親友よりもより添えあえるし、わかりあえることもあるような。あとは、直接の個人のやり取りではないから、個々人の都合のままに書き込んでおくこともできるので、相手にもそれ以上は求めないし、いい距離感でいられる気がします。本当に救われています。支えです。ずっと続けてください!!(ちひさん)息子が小学校に入り色々悩んでいる時に主人に教えてもらいこちらに来ました。そんな息子も今年は6年生になります!!長い間居座らせてもらっています(笑)相変らず、息子の癇癪と付き合いながらやられながら日々を過ごしております。ここで色々な方と関わらせてもらい何とか乗り越えて行けています!!本当にありがとうございます!!長い間いるので色々な方と話させてもらいました。何度も何度も元気を沢山もらいました。色々な事を教えてもらえました。沢山吐かせてもらいました。もうこちらに顔を出されていない方も沢山います。お子さん、もう中学校卒業だよねとか・・・。みんなどうしているかな?元気かな?と思います。元気で頑張ってくれていたら嬉しいなと思います。(略)(HARUKAさん)年も進化する発達ナビに2022年も発達ナビはよりサービスを進化させていきたいと考えています。ぜひみなさんの居場所として、欠かせないポータルサイトとしてご活用をいただけたらうれしいです。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2022年01月26日微細運動とは、持つ・にぎるなど手指を使った動きで、身の回りのケアに必要な体の動き微細運動は手指のこまかい動きのことで、持つ・にぎるから始まり、道具を使う、操作をするといった動きのことです。立つ・歩くなどの体を移動させるための大きな動きである粗大運動に対して微細運動と呼びます。たとえばフォークを使って食べ物を刺し口元まで運ぶ動作、クレヨンを握って紙に何かを書く動作、さらに服のボタンのかけはずしや、靴を履くなど、自分の身の回りのケアに必要な動作でもあります。微細運動は、いつごろからどんなことができるようになる?目安は?Upload By 発達障害のキホン粗大運動は、脳に近い部分から体の末端に向かって順に発達していきます。一方、微細運動は背骨に近いところから指先に向かって発達していきます。新生児期にみられる原始反射に「把握反射」(はあくはんしゃ)という、手に触れたものをにぎるという動作がありますが、これは体の発達が進む間に見られなくなります。手のひらに何か触れると無条件に指関節が曲がって握るという動作は、人類の祖先が樹上生活をしていた際の、木の枝から落ちないための古い記憶からきているともいわれます。体の中心から末端に向けてだんだんにできるようになっていく微細運動は、どのような過程でできるようになっていくのでしょうか。いつごろ、どんな動きができるようになるのか目安を見てみましょう。●両手を合わせられるようになる(生後2ヶ月ごろから)赤ちゃんにとっていちばん身近にある目の前で動くものといえば、自分の手。肩関節から先を動かすことができるようになる2ヶ月ごろから、両方の手を合わせてさわることができるようになります。●手のひらを使って、にぎることができるようになる(生後5ヶ月ごろから)生後3ヶ月ごろから細い柄のついたもの(おもちゃのガラガラなど)を、手に近づけてあげればにぎっていられるようになります。ただ、このあと自分でさわろうとしたりするのは、興味があるものに手を伸ばすようになる3~4ヶ月ごろからです。また、肘関節が動かせるようになる4ヶ月ごろから、手のひらでものをにぎれるようになります。●手に持ったものを別の手に持ち替える(生後6~7ヶ月ごろから)手のひらでにぎったものを、もう一方の手に持ち替えることができるようになっていきます。また、生後8ヶ月ごろからは、両手につみきなどを持ち、持ったものをカチカチと打ち合わせたりすることができるようになっていきます。両方の手の動きを連携させることができるようになるのです。●親指と人差し指でものをつまむ(生後10ヶ月ごろから)自分の意思で動かせる範囲が、かなり末端まで広がっていきます。指の関節が動かせるようになり、こまかいものをつまむことができるようになります。手をなめるだけでなく、おやつのボーロを手指でつまみ上げて口まで運ぶという動作も可能になります。また、ボタンなどを押すのが面白くなってくるのもこのころです。●肩関節から指の関節までを組み合わせた動きが自在になる(1歳~1歳半ごろ以降)1歳を過ぎるころから、手に持ったものを、目的をもって動かす動作ができるようになっていきます。スプーンやフォークを握って、口がある場所に持っていき、道具の先端にある食べ物を口にこぼさずに入れるという一連の動作は、分解してみるとかなり複雑な動きであることが分かります。また「こうしたい」という心の発達もともなう動作でもあります。こうして体幹からだんだん末端へと、自在に動かせる範囲が広がります。道具を使う手指の動きには、筆記用具を使って「書く」という動作があります。この動きも体の中心に近いところから末端の手指の関節へと、運動神経が伝わっていくことで、こまかい動作ができるようになります。● 10ヶ月ごろ…点を打ち付けます。これは筆記用具をにぎり、肩関節を動かすだけでできます。● 1歳ごろ…線を書く、いわゆるなぐり書きです。肘関節を動かすことで、紙の上に筆記用具を滑らせて書きます。● 2~3歳ごろ…最終的にまるが描けるようになります。手首を動かすことによって、円を描きます。また、手の動きだけでなく、筆記用具の握り方も成長します。0~1歳の前半ごろは、いわゆる「にぎり持ち」、指を使わず手のひらを使って筆記用具をもちます。このころは、柄が太く短いクレヨンなど、手と一体になるようなデザインの筆記用具が使えます。だんだんに、柄が細く、握ったところから遠いペン先で書くようになっていきます。握り方も成長します。人差し指と親指で筆記用具を持ち、その他の指で支えるようになり、複雑な線を描けるようになっていきます。ほかにも、ビーズにひもを通す(1歳ごろ)、ハサミを使う(2歳ごろ)、ボタンをかける(3歳ごろ)、ふたを開ける(5歳ごろ)、ひもを結ぶ(6歳ごろ)などといった細かい動作がたくさんあります。なお、生活に必要な動きのみではなく、手芸や工作などさらに精密な動きをするようになっていくためには、「こういうものをつくりたい」という心の発達が必要であり、どんな人でもトレーニングが必要です。立つ、歩くといった粗大運動とは少し違い、自然にできるようになるものではありません。発達障害(神経発達症)がある場合に見られる微細運動の特徴(併存症として発達性協調運動症がある)それでは、発達障害(神経発達症)があった場合、微細運動の発達には何か影響があるのでしょうか。それはなぜなのでしょうか。●協調運動の課題発達障害(神経発達症)がある場合、神経伝達がうまく伝わらないことがあります。「皿の上にあるボーロを取って、口に運んで食べたい」と脳で思っても、そのとおりに体を動かせないために、ボーロをつまめない、つまめたとしても力が軽すぎて落としたり、逆に強すぎてつぶしてしまう、また、そのあと口元まで運ぶことがうまくできない、ということがあります。●感覚過敏があるため、物に触りたがらないもうひとつの発達障害(神経発達症)の特徴として、感覚過敏があります。そもそも違和感のあるものを触りたがらないために、微細運動の発達の遅れがみられる場合があります。物の温度・手触り・色・材質・形・におい・その物が発する音などについて、温度覚、触覚、視覚、嗅覚・聴覚等が関わってきます。そうしたものについて、いやな思いをしてしまうと、同じ色のものは触りたがらない、といった傾向もあらわれます。また、特に冬場の空気が乾燥しているときには静電気もあり、パチッという感覚を怖がって、物を触らないことがあります。これは、発達障害(神経発達症)がない子どもにも、あることです。こうして、発達障害(神経発達症)がある子どもの場合、微細運動の発達に遅れがみられることがあります。それぞれの動作ができるようになる時期の目安は前述の通りですが、たとえば1歳半を過ぎたころになっても、ものをつかむときに指を使わず手のひら全体でつかもうとしたり、フォークやスプーンがうまく使えなかったりといったことがあります。一般的にいわれる「不器用」というのは、感覚とこうした手指の動きがうまく連動できないということです。体の感覚統合がうまくいっていない場合に起こります。* 感覚統合とは人間の感覚には、既によく知られている五感(触覚、視覚、聴覚、味覚、嗅覚)に加えて、固有受容覚(手足の状態・筋肉の伸び縮みや関節の動きを感じる感覚)、前庭覚(身体の動きや傾き、スピードを感じる感覚)といった合計7つの感覚があります。(中略)次々と身体に入ってこようとするこの7つの感覚を整理したり分類したりするのが感覚統合です。このはたらきによって、その場その時に応じた感覚の調整や注意の向け方ができるようになり、自分の身体を把握する、道具を使いこなす、人とコミュニケーションをとるというような周囲の状況の把握とそれをふまえた行動ができるようになります。リハビリではOT(作業療法士)が感覚統合訓練を担当します。発達障害(神経発達症)がある子どもにとって一番いい療育は、感覚統合訓練が含まれている音楽療法と乗馬療法です。(「感覚統合」とは? 発達障害との関係、家庭や学校でできる手助けまとめより)参考:音楽とこころ発達障害(神経発達症)がある子どもの微細運動の発達を促すためにできること微細運動がうまくできない状態は、脳からの神経伝達が体の細部にうまく伝わらず、自分が思ったように手指を動かせないということです。生活する中で身の回りのことを自分でできるようになるためにも、感覚統合を促すようなトレーニングが必要となります。ただ、子どもが興味を示さないようなトレーニングでは、長続きはしません。道具の選び方を工夫したり、遊びの中でチャレンジする機会を増やしたりしてみましょう。うまくできたら、ほめることも大切です。0歳代から遊べる、いわゆる「知育玩具」と呼ばれるおもちゃの中には、手指の動きをトレーニングできるものがあります。ボタンを押したり、ダイヤルを回したりすると音がしたり、形の合う穴に積み木を入れたり、遊びながら手指を使う練習ができます。ユニバーサルデザインの食器類を使うことで、フォークやスプーンが使いやすくなります。通常のスプーンは柄から先端までがまっすぐで、口に入れるためには手首の動きをこまかく調節して角度を変えなくてはなりません。はじめから角度がついているものなら、そのまま口元へもっていくだけで自然と口に先端が向くようになります。自分でうまく食べられたという成功体験を積むことで、いやがらずにトレーニングを進めていくことができます。筆記用具を使う練習は、柄の部分が太く丸いクレヨンなど、手のひらで握ることができるものからスタートします。だんだんと、柄の細い鉛筆やペンに慣れていきます。鉛筆の正しい握り方を伝えるときには、ただ握り方を見せてまねをさせるのではなく、こまかいプロセスに分解して教えることが必要です。親指と人差し指でペンをはさんで持たせてみて、そこに中指・薬指を添えて、小指を紙に接するようにさせて安定した持ち方を覚えます。手指のこまかい動きが必要な、服を着たり脱いだりと言う動作。特にボタンをかけるのは両手の人差し指・親指を使う複雑な動作となります。大きなボタンからトライして、だんだんに小さなボタンも開け閉めできるようにしていきます。靴を履くときには、手指の動きだけでなく、足の動きも連動します。足首をしっかり固定する靴のほうが、歩行の成長には望ましいですが、履き口が深い靴は脱ぎはきがむずかしいこともあります。最近は、ひものないマジックテープの靴(※)もあります。靴ひものある靴は、デザインはよいですが、履くのがとても大変です。特にひもを結ぶ「蝶結び」は、手指の動きの中でもかなり高度なテクニックが必要です。 子どもが自分で脱ぎ履きできるように工夫された靴を選びましょう。※自閉スペクトラム症のある子どもは、こだわりのためマジックテープの位置が気に入るまで何回もはがすことがありますこのほかに、穴にひもを通したり、ひもを結んだり、両手を連動させるより高度な微細運動にトライしていきます。自分の身の回りのことが一通りできる微細運動よりもさらに複雑な動きは、その子がつくりたいものや、やってみたいことに合わせてトライしてみるといいでしょう。いずれにしても、繰り返しトライすることでだんだんにコツがわかったり、腕や手指の可動域が広がったりして、できることが増えていきます。そして、何度もやってみるためには、できたときに「できたね!」とほめられて、成功体験となることも大切です。楽しく遊びながらトレーニングをしていきましょう。微細運動の発達が気になったら、どこに相談する?微細運動の発達が気になったら、まずは1歳6ヶ月健診や、3~4歳児健診などの健診の機会に相談してみましょう。問診の中で指摘されることもあります。また、かかりつけの小児科医に相談してみるのもよいでしょう。リハビリや作業の訓練などをしてくれる作業療法士につなげてくれることもあります。医師の診断のもと、体の動かし方、手指の動かし方をトレーニングしてくれます。個々の骨格や関節の動き方を見ながら、その子に合った動かし方を考えて指導します。トレーニングといっても、楽しく遊びながら自然とできるような方法を教えてくれるでしょう。作業療法士は、単独での判断でリハビリを行うことはできません。医師の診断が必要となります。ケガなどが原因で手指が動かしづらい場合には、整形外科での相談もありますが、発達障害(神経発達症)による感覚統合訓練の場合は、小児科医や児童精神科医との連携となるでしょう。まとめ微細運動の発達を促すのは、何度も繰り返し練習してみること。楽しく遊びながらでなければ続かないし、やらなくなってしまいます。また、「できた!」という成功体験も大切。「訓練しなくては」ではなく、「楽しみながらできるようになる」ことを目指しましょう。(監修:鈴木先生より)かつて、発達障害(神経発達症)は微細脳機能障害(MBD/Minimal Brain Dysfunction)と言われていました。周産期に何らかの微細な損傷が脳内に起こったために多動や不注意など今でいうADHD症状、こだわりや感覚過敏など今でいう自閉スペクトラム症の症状、手先が不器用で協調運動が拙劣など今でいう発達性協調運動症の症状があったと信じられていたのです。しばらくしてそれは否定され、ICDやDSMで「軽度発達障害」という概念が生まれてきたという歴史があります。いずれ、その「軽度」もなくなり、「発達障害」となり、今の「神経発達症」に至っています。今回のテーマである微細運動における障害は、発達障害(神経発達症)のお子さんには比較的多くみられ、「発達性協調運動症」と言われています。手先が不器用でヒモを結んだりボタンをかけたりすることが苦手で、体のバランスや手足の協調運動が悪く縄跳びや球技が苦手なお子さんがこれにあてはまることが多いです。定規を使って線を引くことや字を書くことが苦手なお子さんも多くいます。ただ、根底にADHDのあるお子さんはADHDを治療することによって発達性協調運動症を多少改善することが可能です。非薬物療法としては音楽療法や乗馬療法などもあります。公園やアスレチックなどでバランスを磨き、ブロックなどを使って指先を鍛えることも重要です。トレーニングとしては作業療法士が行う感覚統合訓練が有効です。病院や療育などで行われていますが、感覚統合の講習を受けその資格を持った作業療法士のもとで行うことが重要です。
2022年01月05日「子ども発達支援拠点 こそだちきょうしつさといも園(以下、こそだちきょうしつさといも園)」を運営する株式会社創生塾(所在地:神奈川県大和市つきみ野、代表:福島哲)は、こそだちきょうしつさといも園開設のために実施したクラウドファンディングにおいて、1ヶ月半で『5,464,894円』の支援金(支援者:250名以上)を集め、当初の目標500万円を達成したことを発表します。「こそだちきょうしつさといも園」URL: 親子の交流の場にもなっています■達成までの経緯2021年5月12日より、同年7月にこそだちきょうしつさといも園を子ども発達支援拠点として開園することを目指し、クラウドファンディングを開始いたしました。「CAMPFIREサイト」URL: 企業主導型保育事業「子育てルームさといも園」(運営:一般社団法人地域創生会)における保育の現場において、発達に課題を抱える子どもたちの支援の重要性や、その保護者の孤独な子育ての現状を鑑み、子どもの発達を地域全体で支えていく環境づくりが急務であると確信し、本事業のスタートに踏み切りました。地域からの応援の声も大きく、現在進行形で子育ての悩みや不安を抱える方々からの支援だけではなく、地域経済を支える様々な企業様からも支援をいただくことができました。「支援者企業様」URL: ※支援者より、ホームページへの企業名・氏名の掲載をリターンにお選びいただいた方のみを掲載また、地域で飲食店等を営む支援者らが店舗内に募金箱を設置してくださり、さらに支援の輪を拡大してくださいました。その結果、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」を通じた支援に加え、直接支援も合わせて「5,464,894円」のご支援を集め、こそだちきょうしつさといも園の事業を開始することができました。■活動報告新生児から小学校低学年を主な対象として、以下のプログラムを実施しております。7月に開園してから4カ月の活動報告です。【延べ利用者数(11月26日時点)】子ども:375名大人 :261名*おやこのあそび場こそだちきょうしつに初めて来る方におすすめしている、親子で遊びに来ていただける時間です。こそだちきょうしつさといも園の遊び環境をお楽しみいただけます。テーマのある遊びや身体測定などのプログラムもご用意しており、毎週通ってくださる親子もいらっしゃいます。*遊びこそまなび幼児教室来園するお子さまに合わせて環境設定された遊び場で、のびのびと自らまなぶ場です。お子さまを3時間お預かりしてグループ活動を行い、生活の動作を学んだり、遊びによって発達を促すプログラムです。親子それぞれにとって充実した時間をつくることで、子育ての「ゆとりと励み」となる機会を提供しております。*個別発達支援子どもの苦手な場面に寄り添い支えながら、得意なことをさらに伸ばそうとする支援を実践しています。障がいの有無にかかわらず発達の支援について幅広く対応しています。発達のグレーゾーンといわれるお子さまも、受給者証なしでご利用いただけるので、発達の気になることを安心してご相談いただけます。子どもの発達に合わせた教材を使用して、セラピストと感性を育む場です。*自然遊び野遊びのプロ・なかちゃん(中山康夫)やパーマカルチャーデザイナー・ふなちゃん(舟橋幸代)といっしょに「つるま自然の森」に出かけます。「つるまの森保全協力会」URL: 季節ごとに変化する植物や生物の世界、空の色、雲の形、風を見る、空気の匂いを肌で感じ、虫をつかまえたり、かけまわったり、青空の下で思いっきり遊べる玩具づくりもします。多様性と変化にとんだ世界に身をゆだねて遊びます。*アートのじかん今までの「絵の描き方」「立体のつくり方」にとらわれない、自由で楽しいアートプログラムです。大人も子どもも感性を解放しながら創作活動を行います。造形とお絵描きを中心とし、多種多様な画材を使用します。*ワークショップみんなの知識をわかち合う共育の場として、参加者が主体となる体験型講座です。保育スタッフがいるので、小さなお子様もいっしょにご参加いただけます。講座実績・「発達を交えた胎内記憶」・「体を育てるわらべうた」・「ママの骨盤矯正・ベビーヨガ・まんまる抱っこ」・「小学校での学び準備講座」*寺子屋スマイル子どもたちの自己肯定感と人から感謝される喜びを育む寺子屋。子ども一人ひとりの発達や学び方に寄り添う学習支援で、学習障害のあるお子さまにも通っていただいています。■代表 福島より皆さまの応援と心からの多大なご支援のおかげをもちまして地域支援の環が広がっております。応援ご支援くださっている皆様に心より感謝しております。【事業概要】子ども発達支援拠点 こそだちきょうしつ さといも園所在地 :神奈川県大和市中央林間9-3-36 水江ビル1F(小田急江ノ島線または東急田園都市線 中央林間駅より徒歩10分)責任者 :福島哲(ふくし まさとし)営業時間:9:00~20:00定休日 :土曜・日曜・祝日■会社概要商号 :株式会社創生塾代表者:福島哲所在地:神奈川県大和市つきみ野四丁目6番地 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年12月28日好評いただいている商品をご紹介!2022年1月の発売に向けて第3弾が進行中の、「発達ナビ×フェリシモ」発達が気になるお子さんや保護者さまが便利に快適に過ごせるためのグッズづくり。今回は、第1弾、第2弾で開発した中から8商品をご紹介します。※詳細ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移します発達障害の中でも、特にADHD(注意欠如・多動症)のあるお子さんは、注意が散漫になりやすかったり、整理整頓が苦手なことが多かったりするといわれています。アンケートでは、ランドセルインナーにほしい機能として、「忘れ物を防ぐ工夫」「プリントをきれいなまま持ち帰れるようなポケットの工夫」「中身を出し入れしやすい工夫」の3つに意見が集まり、これらのご要望に応えたのが「トート&ランドセルインナー」です。ランドセルだけではなく、縦型のトートバッグにも対応。財布やポーチもすっきり立てて取り出しやすく収納できます。また、筆箱や教科書など、小学校でよく使うアイテムのアイコンカードと、忘れ物を防ぐ持ち物リストがついていて、各ポケットにセットして使えます。学校から帰って翌日の準備をする時間や、忘れ物対策として持ち物チェックの習慣を身につけるためのサポートにもおすすめです。【価格】月1個¥2,800(+10% ¥3,079)→うち10円は「CCPチャレンジド応援基金」として運用(基金部分は非課税)※毎月1回、3種類の中から、1種類ずつお届けします。(全種類届くと、以降はストップします。/ 1回だけのお届けでストップも可)Upload By 発達ナビ編集部お出かけ時の困りごとについて聞いたアンケートで最も多い回答は、「バッグの中がぐちゃぐちゃで、どこに何を入れたか分からくなる」という意見でした。そのほかに「忘れものが多い」「見つけられないとパニックを起こす」といった声もあり、これらの困りごとを解決するリュックインナーです。ポケットがメッシュ素材のため、中身がすぐに見える、付属の財布やハンカチなど持ち物の絵が描かれた「アイコンカード」をセットすれば、定位置が分かりやすくなる、自分の持ち物の写真を撮って、アイコンカードにしてカスタマイズも可能といった工夫が満載です。【価格】月1個 ¥2,950(+10% ¥3,243)→うち20円は「CCPチャレンジド応援基金」として運用(基金部分は非課税)※色違いで3種類あり※毎月1回、3種類の中から、1種類ずつお届けします。(全種類届くと、以降はストップします/1回のお届けでストップも可)Upload By 発達ナビ編集部お子さんの忘れ物に注目したアイテムです。アンケートでは、「忘れ物が多いうえに、忘れ物をしたこと自体を忘れてしまうので困る」「『失くした』と言って大騒ぎ」などの声がありました。その中でも、「なくすものは、かぎ」「いろいろなかぎをなくす」と、大切なかぎの困りごとが多く集まりました。「リール付き本革キークリップ」は、かぎの抜き忘れを防止する「キーリール」と、バッグの中での迷子を防ぐ「キークリップ」を合体させたアイテムです。大事なかぎを、場所を決めて携帯できるので、「かぎが見つからない」ということがなくなり、便利です。バッグの内側や外側のポケット、スカートなどボトムスのポケットにもセットできます。【価格】月1個¥1,500(+10% ¥1,649)→うち10円は「CCPチャレンジド応援基金」として運用(基金部分は非課税)※毎月1回、3種類の中から、1種類ずつお届けします。(全種類届くと、以降はストップします。/ 1回だけのお届けでストップも可)Upload By 発達ナビ編集部交通カードやスポーツ施設などの利用者証、外見から分かりにくい障害のある方が支援や配慮を必要としていることを周囲に知らせることができる「ヘルプマーク」については、「バッグにつけはずししにくいのが不便」「障害の情報は見せる必要がないときは隠したい」などのお悩みがアンケートから浮かび上がりました。さらに座談会では子どもが抵抗なく持てるかわいいホルダーがあれば、という意見も出ました。そこでお守りのようにさりげなくカバンにつけられるデザインで、提示も付けはずしも簡単にできるカードホルダーができました。【価格】月1個 ¥2,250(+10% ¥2,474)→うち10円は「CCPチャレンジド応援基金」として運用(基金部分は非課税)※毎月1回、デザインを変えて、1種類ずつお届けしますUpload By 発達ナビ編集部家庭学習に関するお悩みも多くいただきました。「気持ちがすぐに違うところへ飛ぶ」などのコメントに共感が集まり、「テレビや家族の様子が気になる」「周りの目に入るものに気が散って、勉強に集中できない」というお悩みに応えたのが「おうちで集中できるデスクパーテーション」です。コンパクトに四つ折りできて、さっと広げればリビングでの勉強や作業に集中できるパーテーション。A4が入るマチつきポケットやメモなどの入る小ポケット、プリントやドリルが挟めるクリップなど、要望の多かった機能に絞ったシンプルな仕様です。【価格】月1枚¥2,950(+10% ¥3,244)→うち10円は「CCPチャレンジド応援基金」として運用(基金部分は非課税)※毎月1回、3種類の中から、1種類ずつお届けします。(全種類届くと、以降はストップします。/ 1回だけのお届けでストップも可)Upload By 発達ナビ編集部出したいお金が見つけられずお会計が苦手、お会計の時に焦ってしまってなかなか取り出せない、といったお悩みが聞かれました。とくに、視覚優位と呼ばれる傾向のある方は、お札や硬貨が隠れて見えないと、お勘定を正確に出せず大きなお金を出すため、たくさんのお釣りでお財布がいっぱいになってしまうという悪循環があるようです。また、硬貨がいくらなのかを瞬時に判断するのが苦手な方もいらっしゃいました。アンケートでは、「カードポケットを見やすくしたい」という意見が多く集まりました。「メッシュ財布」は、小銭入れが2色に分かれていることでお金をマイルールで管理でき、マグネットやブックタイプの仕様にすることで不器用さがある方にも使いやすく。やさしい仕様だけれど見た目は大人っぽいエナメル風素材で、みんなのお買い物を楽しく応援してくれるお財布に仕上がりました。【価格】1個¥3,900(+10% ¥4,289)→うち10円は「CCPチャレンジド応援基金」として運用(基金部分は非課税)※この商品は、お申し込みいただいた月だけお届けしますUpload By 発達ナビ編集部文房具が見つからなくて勉強や作業がなかなか始められない、ものをどこに片付けたのか分からなくなってしまう、といったお悩みが多く聞かれました。そこで、可動仕切りやアイコンカードでじぶん専用にカスタマイズしてひと目で分かりやすく整とんできるお道具箱をつくり、「これひとつあれば作業が始められる」状態になれることを目指しました。アンケートでは、「可動仕切りで定位置を決められるボックスタイプ」と「カレンダーのように立てられるファイルタイプ」という意見が多く、置きやすくて中身が見やすいタイプが求められていることが分かりました。必要なものをまとめて収納できて、まるごと持ち運びできるお道具箱です。仕切りで見やすく整理できて、ひと目で入れるものの定位置が分かるように貼れるアイコンシートも付いているから、出し入れもらくにできます。ふたは一体型になっていて、中にはA4ファイルを挟めるゴムつきです。開けると立てたまま固定できるので場所を取らず、ふたの紛失も防げます。お薬や手芸、メイク道具の収納にもおすすめです。【価格】月1個¥2,200(+10% ¥2,419)※組み立て式→うち10円は「CCPチャレンジド応援基金」として運用(基金部分は非課税)※毎月1回、3種類の中から、1種類ずつお届けします。(全種類届くと、以降はストップします。/ 1回だけのお届けでストップも可)Upload By 発達ナビ編集部いかがでしたか。お子さまやご自身へのプレゼントに、ぜひご検討ください。2022年1月発売の新アイテムもお楽しみに!
2021年12月22日小学2年生だった次男がいじめにあう発達障害の中でもADHDとASDのほか、躁鬱病(双極性障害)がある猫ママ(仮名)さん。学生時代はまだ発達障害や躁鬱病が今ほど世の中に知られておらず、周囲の理解が乏しい中、「突然落ち込んで動けなくなる」ことが多かった。「あの子は怠け者」。夏休みの宿題もやり切れたことがなく、いつも「頑張らなきゃ」と無理をしていた。高校卒業後、1年余り会社勤めを経てすぐに結婚。3人の子宝にも恵まれた。ただ、当時小学2年の次男が日に日に元気がなくなっていくのを見て、違和感を覚えていた。すると授業参観の日、担任教師から「お子さんが友達に対して注意をすることが多く、反感を買っている。その話を本人にしたら、最近元気がなくなってしまった」と言われたという。しかし、詳しく状況を確認をしたところ、担任教師の対応がクラスのいじめを助長していたことが発覚。学校に事実を伝え、事態は収拾したものの、猫ママさんの心に引っかかったことがあった。「友達に注意をすることが多い」とは――。周囲に自閉スペクトラム症のある子どもがいたことから発達障害の勉強をしていたという猫ママさんにとって、次男の特性があてはまることに気付いた瞬間だった。Upload By 桑山 知之「勉強もできて友達だってたくさんいる、こんなにいい子なのに、発達障害だなんて有り得ないって最初は思いました。でもある日、夕飯を作っていたときに肉じゃがを見て次男が『これ、何ていう食べ物だっけ?』って言ったんですよね。何度も食卓に出している献立の名前も知らなかったのか、今まで意識したこともなかったのかと――それで次男にはなにかあるという確信に変わったというか。でも、どこか気持ちが軽くなったんですよね」(猫ママさん)その後、学校でのルールに耐えられなくなり、眠れない日々を過ごしたという次男。診断の結果、ADHDとASDがあることがわかった。「しんどいからできない」のか「甘えている」のかが分かりづらく、叱るのを躊躇した時期もあったが、特性を深く理解することで線引きがわかるようになったという。息子が苦手なことは自分も苦手――自身も発達障害の診断をUpload By 桑山 知之次男のあと、長男や三男の障害も明らかになった。そして猫ママさん本人も35歳のころ、診断を受けた。夫は診断こそ受けていないが、息子の担当医によれば「間違いない」という。こうして“発達障害一家”として歩んでいく決意を固めた猫ママさんは、子どものサポートに徹しようと仕事をせず、書類や水筒を忘れたらいつも学校まで届けた。「家族のサポートをする上で、私自身の苦手分野と彼らの苦手分野が被りすぎていることは、ハッキリ言ってかなりの負担です。誰か1人でもいいから、片づけができるといいんですが…。彼らの負担を軽くするために、彼らがどうしてもできないことはやってあげたいと思っています。ですが、私も同じようにどうしてもできません。私だってできることなら誰かに頼りたい」(猫ママさん)Upload By 桑山 知之思い返してみれば、猫ママさん自身も子どものころ、空気が読めなかった。周囲の様子をきちんと理解できていなかった。相手の表情や、何を喋っているか、あらゆる情報が今でもほとんど思い出せない。でも母親や教師からはよく怒られた。当時を知る高校の同級生からは「あのころはマシンガントークがすごくつらかった」とも言われた。どうやら、しょっちゅう友達の間に割って入って自分の話をまくしたてていたらしい。発達障害一家だからこそわかること「ゆっくりだけど、みんな学んでいる。」これはドキュメンタリーCM『見えない障害と生きる。』の中に差し込まれたコピーだ。猫ママさん一家も、決して例外ではない。Upload By 桑山 知之社会には、どうしても守らないといけないルールや、やらないといけないことがある。しかし、発達障害のある人にとって、「できないこと」や「わからないこと」があるのも事実。猫ママさんは、自分なりのペースで「誠意を持って生きる」ことが大切だと話す。「そもそも、自分が何をわかっているのか、わかっていないのか、わかっていないことがわかっていないというか。それダメだよって言ってくれれば、ダメなんだってわかるんだけど、言われなかったり酷い目に遭わなかったらわからないんです。そういう人多いんじゃないかな、ラインがわからない人。感覚としてわかんない。備わっていないんです」(猫ママ)Upload By 桑山 知之苦しんで育ってきた自分だからこそ、息子3人が一体どういったことに苦しんでいるのかがわかる。そのサポートをしながら、親がレールを敷くのではなく、本人の意思を尊重してきた。そのうえで、子育てにおいて大切なのは、「何ができるか」ではなく、「愛される人間であること」だという。「いちいち他人を敵に回すようでは、困ったときに助けてあげようと思ってもらうことはできません。逆に、できることが少なくて手がかかっても、いわゆる憎めない人には、ピンチのときに誰かが必ず助けてくれると思うんです。特性ゆえにわからないならなおのこと努力が要るのではないでしょうか。そのためには、障害を受容し、許容することが大前提になるのだと思います。まず親が一番最初に、わが子をしっかりと受け止め、許容すること。できないことを受け止め、その中で一緒に歩いていくこと。そしていつか必ず『手を離す』覚悟を持って」(猫ママさん)長男は25歳になり工場用機械を作る会社に就職。次男は21歳で名古屋のアパレルショップで働いている。三男は全日制の高校に通う1年生だ。猫ママさんは10年前から、発達障害や家族のことを知ってもらおうとブログなどを通じて発信を続けている。特性と躁鬱の症状で仕事は途切れがちだったが、現在はクローズ(※障害があることを申告せずに一般雇用で就労すること)でサポート側として2年半継続して勤務している。ゆっくりだけど、みんな学んでいる。Upload By 桑山 知之平成元年愛知県名古屋市生まれ。慶應義塾大学経済学部在学中からフリーライターとして活動。2013年に東海テレビ入社後、東京支社営業部を経て、報道部で記者/ディレクター。2018年から公共キャンペーンのプロデューサーとして「いま、テレビの現場から。」や「見えない障害と生きる。」、「この距離を忘れない。」といったドキュメンタリーCMを制作。主な受賞歴は、日本民間放送連盟賞CM部門最優秀賞、ACC TOKYO CREATIVITY AWARDSゴールド、JAA広告賞 消費者が選んだ広告コンクール経済産業大臣賞、ギャラクシー賞CM部門優秀賞、広告電通賞SDGs特別賞など。取材・文/桑山知之取材協力/若者支援ネットワーク研究会in東海(監修・三木先生より)「誠意をもって生きること」「愛される人間であること」はすごく大事ですね。どういった苦手さを持っているかももちろん人生に大きく影響するのですが、その困難に直面したときに誰かに助けてもらえたり許してもらえるようなキャラクターだったり振る舞いができたりすることは、実は何よりも強い武器なのかもしれません。
2021年12月22日発達ナビPLUSがもっと使いやすく、もっと見やすくリニューアル!Upload By 発達ナビ編集部発達ナビのプレミアムサービス「発達ナビPLUS」では、スマホ1つで発達支援の専門家とつながり、ご家庭のお悩みを解決までサポートするオンラインサービスです。「発達ナビPLUS」は、約1年半のあいだサービスをお届けする中で、たくさんいただいたユーザーのみなさまのお声をもとに、2021年12月にリニューアルしました!今回は、サービスの内容やリニューアルしたポイント、またユーザーさまからのうれしいお声も紹介していきます。満足度98%!専門家による個別アドバイスが届く。Upload By 発達ナビ編集部発達凸凹子育ての「こんなときはどうすればいいの?」に幅広くお答えします。 支援経験豊富な専門家が、保護者さまのお困り内容を整理し、お子さまの発達状況や環境情報などの分析と、分析に基づく個別最適な手立てをアドバイスします。Upload By 発達ナビ編集部■ 相談カテゴリが追加!今までも、子育てに関連するお悩みはどんなことでも受け付けていましたが、特に多くのご相談がくるカテゴリについては、新しくカテゴリとして、導入しました!■ 過去の相談と回答が一覧で見やすく!過去のご相談の流れを一覧ですぐに見返しやすくなりました。また、一覧にある過去の相談から「継続相談」を開始しやすくなりました!「相談がびっくりするぐらい丁寧で、ありがたいです。下の子が小さくなかなか相談機関に行けないので、オンラインがすごく助かります。また自分のいい時間にゆっくり相談したい内容を書いたり読んだりできるのがいいです。ありがたい支援システムをつくっていただきありがとうございます。(ASD, ADHD・小学生の保護者さま)」「学校で起こったお友達とのトラブルや、困り事を相談しています。具体的な事例を入力するだけで、専門家の先生が整理してくださり、トラブルや困り事の根本の部分をあげて、さらに具体的な対処法や練習法を教えてくださいます。(ASD, ADHD・小学生の保護者さま)」「一般的には、医師や心理士の予約には時間もかかりまた話したいこともあまり話せなかったりしますが、発達ナビPLUSだったら、文章にして相談できるのでいいです。面と向かって話さないで相談できる場所は、リアルな相談場所に行くまでの支えになります。(ASD,知的障害・未就学児の保護者さま)」その場でチャット質問もできる!ライブ配信Upload By 発達ナビ編集部ここでしか聞けない、幅広く、細かいテーマ設定で、医師・心理士など専門家が疑問を解消するライブ配信では、事前の質問に加え、その場でチャット質問も受け付け、専門家が答えていきます!リアルタイム参加できなくても、録画動画での視聴も可能です。「ライブ配信の録画は、悩んでいることの最新のものがながれることが多いので本をみるより分かりやすくいいです。(ASD, 知的障害・未就学児の保護者さま)」「主にライブ配信や録画動画を利用させていただいていますが、配信内容がカテゴリ別になっていて、子どもの状況や特性に合った内容を自分で選んで視聴できるので、知りたい情報がすぐに見つかり、とても役立っています。内容も充実していて、心理士や作業療法士など、専門の知識を持った方が講師をして下さるので、とても勉強になります。(ADHD・小学生の保護者さま)」「子供の対応の仕方で迷った時に、その時に必要な過去の配信を検索して観て、専門家の意見を学んでいます。通級指導教室、療育にも通っていますが、それぞれの先生の意見を聞いて、発達ナビPLUSの配信動画、を観て自分の意見をまとめてから対応するようにしています。(ADHD・小学生の保護者さま)」解説動画、教材・支援ツールなどがカテゴリ別に見つかる!Upload By 発達ナビ編集部さまざまなお悩み別に、5分~15分でわかる解説動画や、7,000点以上の教材・プログラム、よみもの(記事)にアクセスできます。 今の悩みに合ったコンテンツを手軽に探せます。過去に開催したライブ配信もお悩み別に探せます。Upload By 発達ナビ編集部■ おすすめ機能・お気に入り機能が追加!お子さまの年齢情報をもとにした、おすすめ機能がつき、よりご自身にあった情報が見つけやすくなりました。さらに、「あとで見たい!」と思ったコンテンツを保存♡できる、お気に入り機能も追加!■ カテゴリ検索で、今ほしいコンテンツがすぐに見つかる!画面右上の虫眼鏡マークから、お困りカテゴリを選択し、今困っていることに答えるコンテンツにすぐにアクセスできます。大きいカテゴリが12種類、小さいカテゴリが56種類あるので、あなたの今の悩みがきっと見つかります。「支援にあった教材がダウンロードし放題なので、きょうだいそれぞれ、その子に合わせて使用させていただいています。(ASD, ADHD, LD・小学生の保護者さま)」「支援教材もよくチェックしています。どんな力が身につくか、スモールステップで示されており、また、画像付きなのでとてもわかりやすいです。(LD・小学生の保護者さま)」「解説動画では、実践を含めてわかりやすく説いてくれるので親にとってはとても有難いです。(ASD, ADHD, 知的障害・小学生/高校生の保護者さま)」ライフステージマップで先の見通しまで安心にUpload By 発達ナビ編集部未就学から学齢期、思春期、成人と、ライフステージが変わるごとに、必要な情報や困りの内容も変わります。今後を見据えた情報を一目で把握できるようになりました。マップから直接、解説動画やよみものなどのコンテンツにアクセスすることもできます!入会特典で3万円分の相談がついてくる!発達ナビPLUSは、リニューアルを通して、発達が気になるご家庭の子育てに、より確かな安心を届けてまいります。入会特典として、発達ナビPLUSの相談チケット実質3万円分がついてきます!くわしくは、サイトをご覧ください。Upload By 発達ナビ編集部
2021年12月16日子どもの”発達障害がある可能性”に気づいた、私の母のケースUpload By 丸山さとこ私には発達障害のある小6の息子がいます。また私自身、大人になってから(息子が生まれる前)自分に発達障害があることが分かりました。息子のコウは、幼少期から「物を並べる・オウム返し・目線が合いにくい」などの発達障害あるあるの行動がよく見られましたが、私は3歳児健診まで息子に発達障害があることに気がつきませんでした。一方で私の母は、私の幼少期に「娘には発達障害があるかもしれない」と感じていたそうです。今回は、私自身の幼少期と母が感じていたことについて書きたいと思います。私と発達障害の関係の始まりは、私が幼児だったころにさかのぼります。今よりもずっと発達障害に関する情報が少なかった昭和50年代でしたが、私の母は「娘は何かしら発達に障害を抱えているのではないか」と感じていたそうです。幼いころの私について、母は「言葉の発達は早いものの言葉づかいが子どもらしくなかったり、力は強いのに歩く姿が不器用でよく転んだりしていたのが気になっていた」と言います。その母は、『さとこが少しでも歩きやすいように』と”少しでも軽い靴を探す”などの工夫をしていたそうです。Upload By 丸山さとこ幼いころの私に対して、コミュニケーションの遅れは特に感じたことがなかったそうです。しかし「とにかく子どもらしくないような違和感があった」「甘えない・後追いをしない・大喜びをしない・おままごとをしない、などの行動に引っかかりを感じていた」と母は振り返って言います。幼いころのコウのように「物を並べる・オウム返し・目線が合いにくい」などの、分かりやすい発達障害がある傾向は見られなくとも、母は私の”日常の中のささいな姿”に対して違和感を覚えることが増えていったそうです。Upload By 丸山さとこ健診で総合病院に行った際など、母は何度か娘の発達に関する違和感について医師に相談してみたそうです。しかし「知的にも順調に発達しているし動作にも問題は見られない」と言われ、”不安症な母親への軽い子育てアドバイス”をもらってその場は終わったそうです。私はその後、成人してから発達障害(ASD・ADHD)の診断を受け、現在ではADHD治療薬を服用しています。今になって振り返れば、幼い私に対して母が抱いていた違和感は正しかったわけです。Upload By 丸山さとこ保育園に入園してからの私は、”指示の通らなさ”や”こだわりと見られる行動”によって集団の中でも目立っていたそうです。現在の基準であれば「発達障害がある可能性」を指摘されたかもしれません。ですが、母が違和感を抱き始めたのは私が未就園児のころであり、集団の中での違和感が目立つよりも、もっと早い段階の話だったのです。『なぜ違和感に気づくことができたのだろうか?』と先日改めて母に聞いたところ、意外な…けれど、とても腑に落ちる答えが返ってきました。”自分の子ども”以外の子どもと接することで、分かることもある!?現在60代の母が若かったころは今より子どもの数が多く、近所や親戚の子どもを預かったり見かけたりすることもかなり多かったそうです。公園や広場や園で見かける姿とも少し違う、子どもたちの”家庭での素の姿”を目にする機会も多かったため、経験から漠然と『個性はいろいろあるけれど、子どもには大抵こういうところがある』という”一般的な子ども像”を持つに至っていたのだと思う…と母は言いました。Upload By 丸山さとこ「だから、さとこを育てていて『子どもなら多かれ少なかれするはずの行動をとらない』ことが引っかかったんだと思う」「発達障害の知識はなかったけれど、とにかく子どもらしくなくて妙だな~…と感じていたよ」…と続く母の話を意外に思いつつ、同時に「あ~、でも、ちょっと分かるかも! そういえばそういうことあったな!!」と思い、私はヒザを打ちました。コウが小学生になったころ、未就園児だった親戚の子を預かったことがあります。そのときに「これが定型発達とされる子どもか~!」と発達の違いに驚いた経験があったからです。私も、大人になってからコウ以外の子どもに関わった経験がなかったわけではありません。親戚の子どものお守りをしたことや、友人の子どもと遊んだ経験はありましたし、コウが産まれてからは公園でほかの子どもの様子を見ることもありました。けれども、当時の私はコウとほかの子どもを比べたり周りを見たりする発想が(今以上に)乏しかった気がします。私自身に発達障害があるから…ということも理由かもしれませんが、単純に、初めての子育てで周りを見たり比べたりする余裕がなかったからなのかもしれません。Upload By 丸山さとこそんな私であっても、3歳児健診のおかげでコウが発達障害である可能性に気づくことができたので、「今の時代でよかったな~」と思います。周囲と比べて焦らなくてもよいと考えてはいますが、その時々のコウの発達状況における"必要な手立て"が見つけられるように「『周りの様子』と『コウの現在位置』を見ることは大切なんだな~!」と思う私でした。執筆/丸山さとこ(監修:井上先生より)幼児期は女の子の場合、男の子よりコミュニケーションの発達が早い傾向があるため、発達障害の特性は目立たないケースが多く、今のお医者さんでも女の子の発達障害を早期に診断するのは難しいものです。お母さんがこの当時、さとこさんの発達の偏りに気づいていたということは、周りの人と比較するだけでなく、さとこさん自身を本当によく観察されていたのだと思います。同じ母という立場で、自分の母親と子育ての話をする中で、これからもプラスのヒントが見つかるといいですね。3世代のよい親子関係性が築けているのがすてきだと思いました。
2021年12月09日ドキドキしながら児童発達支援センターへ電話2歳になったころから本格的に気になっていた娘の発達。いつか追いつくかもしれないという淡い期待と、現実を知るのが怖いという理由から、なかなか相談をする勇気が出ませんでした。そして娘が2歳10ヶ月のころ。ついに相談する決心がつき、ドキドキしながら電話をかけました。※児童発達支援センターは、地域や種類などによって機能に違いがあります。詳しくは、お住まいの地域にお問合せください。Upload By とまぱんUpload By とまぱん相談員さんに娘の心配ごとを一通りお話しし、児童発達支援センターに出向く日にちが決まりました。自分の悩みを伝えることができてとてもスッキリしたのと、私の悩みを否定することなく明るく聞いてくれて安堵したのを覚えています。ソーシャルワーカーさんからの聞き取りいよいよ娘と児童発達支援センターへ。当日ソーシャルワーカーと呼ばれるスタッフさんから聞き取りがありました。聞き取りはこのような内容だったと思います。●出生時の様子●歩き始めた時期などの発達具合●食生活(好き嫌い)などなどソーシャルワーカーさんから聞き取りをされている間、娘はおもちゃで真剣に遊んでいました。子どもを見守るほかのスタッフさんもいましたが、スタッフさんとは遊ばずに一人で黙々と遊ぶ娘。しばらくしてスタッフさんが娘をくすぐるとキャッキャとうれしそうにしてました。スタッフさん「可愛いわね~!きっと泣いても可愛いんだろうね」スタッフさんはそう言ってくれましたが、泣いたら人一倍手に負えない娘。私は心の中で「泣いたら決して可愛くないんだよな…」と思いました。聞き取りが終わり家に帰ろうとしたとき。娘「ぎゃーーー!!」まだおもちゃで遊んでいたい娘は、大声をあげてひっくり返りました。娘の暴れように息を飲むスタッフさんたち。スタッフさんたち「これはお母さん大変だわ…!」初めて誰かにつらさを共感してもらい、危うく泣きそうになりました。医師の診察前回の聞き取りから2ヶ月後、次は医師の診察。娘、夫と私の3人で行きました。部屋に入ると医師の前にある椅子にストンと座る娘。Upload By とまぱん子どもに人気で娘も大好きなとあるアニメキャラクター。娘は、ほかのキャラクターの名前は言えるものの、なぜかこのキャラターは2歳半を過ぎても言えなかったのです。Upload By とまぱん「○○はどこ?」といった質問はすべて指差しで答えていました。いくつか娘に質問をしたあと、次は私たちに質問をしました。指差しはいつごろだったか、友達と遊んだりはするか、などなど。最近の娘のことは答えられるのですが、昔のことは覚えておらず、ほとんど感覚で答えてしまいました。あとで過去の写真を見て調べてみると、1歳前半でできてたものを2歳と言ってしまったり、たびたび誤って答えていたことが判明。診察前に、娘の発達具合を赤ちゃんのころからちゃんと振り返っておけば良かったと後悔しました。発達具合はどれくらい?発達検査と結果医師の診察からまた1、2ヶ月後、発達検査を行いました。家では椅子に長い時間座っていられないので、当日はちゃんと検査ができるか心配でした。心理士さんは娘の気がそれないよう、明るく声をかけながら進めてくれました。「これはなに?」といった言葉で答えるテストは2つしか答えられず。それ以外のテストは娘なりに頑張ってやっていました。私は娘の様子を横で見ていたのですが、これはできそうだというものが意外にできなかったり。これはできないだろうなというものが意外にできたり。娘の知らない面を見ることができました。検査から1ヶ月後、検査の結果が出ました。全体的な発達指数はやはり平均以下という結果に。娘の発達具合は平均より10ヶ月の遅れとなりました。心理士さんは関わり方のアドバイスと娘の苦手とする部分を教えてくれました。ついに医師からの診断結果発達相談の電話をしてから半年後、やっと診断結果が出る日がやってきました。ちゃんと冷静に聞ける自信がなかったので、夫と二人で行き、娘は夫の両親に預けました。緊張しながら部屋に入ると医師からはひとこと。Upload By とまぱん心理士さんからアドバイスなどはされましたが、診断名が出るのかなどの話はしませんでした。私はいくつか医師に質問をしました。私「娘は軽度知的障害ということでしょうか」医師「現在の指数的にはそうです」私「今後、指数が上がる可能性はあるのでしょうか」医師「あります」そして私はずっと気になっていたことを質問しました。私「娘は自閉スペクトラム症でしょうか?」医師「違います」医師からはこのときこう言われましたが、現在通っている療育の先生いわく、自閉スペクトラム症の特徴はいくつか見られるとのこと。診断名がつく段階ではないけど特性がある、いわゆる発達障害グレーゾーンなのかなと私は思っています。話は戻り、続けて療育の話になりました。医師「療育は希望しますか?」私「はい、やっぱり言葉がゆっくりなので通わせたいです」医師「それでは週3・1回あたり1時間、民間の個別療育を行うといいでしょう」こうして娘は週に3回、幼稚園と併用して療育に通うことになりました。4歳になった娘は今娘は今、幼稚園の先生やお友達、療育の先生に支えられながらたくさん成長しています。言葉も驚くほど増えました。入園当初は行きしぶりが激しく、時々休ませながらマイペースに行かせていました。今も幼稚園や療育に行きたくないと言う日もありますが、娘なりに気持ちを切り替えて頑張っているようです。娘の発達を一人で悩んでいましたが、あのとき勇気を出して相談して良かったと思います。周囲の力を借りて子育てしてもいいんだと気づかされました。発達のゆっくりな部分だけどうしても目に入ってしまっていましたが、気持ちにゆとりが生まれた今。娘には長所もたくさんあることに気づかされました。診断あるなしにかかわらず、これからも娘の性格や特性を尊重しながら向き合っていけたらと思います。執筆/とまぱん(監修:井上先生より)お子さんの発達が気になってから相談機関に電話をかけるまで、多くの親御さんが悩んだり不安な気持ちと葛藤したりされると思います。とまぱんさんも、電話をかけるときや医師と初めて面談をされる診察場面では、不安や緊張があったことが伝わってきました。早期の療育は子どもの発達に有効であると言われています。発達障害などの診断がなくても、地域の発達相談で療育機関につないでもらうことができますので、気になる方はお問合せされると良いと思います。
2021年12月03日発達障害のある子どもにどんな対応をすればいいのか私は児童精神科医として30年以上、発達障害のある子どもたちの診察を続けてきました。今回は、発達障害のある子どもの育て方を考えるきっかけとして、3つのクイズを用意してみました。お子さんをイメージして「うちの子の場合は」「自分だったら」と考えながら、答えを選んでみてください。Q1. 集団遊びに入ろうとしないときは、どう対応する?幼稚園に、いつも一人で遊んでいる子どもがいます。みんなで園庭に出て遊ぶとき、ほとんどの園児は自然に集まってボール遊びなどを始めますが、その子どもは一人で虫を探したり、葉っぱを集めたりします。クラスメートや先生に誘われても、集団遊びに入ろうとしません。どんな対応をすればよいでしょう?A1. 全員参加型の遊びを企画して誘うA2. その子の興味を引けるよう、いろいろな遊びに誘ってみるA3. 一人で遊びたい気持ちを尊重する出典 : 親や先生は一人遊びをしている子を見ると、「友達づき合いが苦手なのかな」「どうすれば、みんなと仲良く遊べるようになるだろう」などと考えてしまいがちです。でも、「楽しく遊ぶこと」と「仲良くすること」は分けて考えましょう。遊びの目的は「楽しむこと」です。「仲良くすること」ではありません。楽しく遊んでいるうちに、気の合う仲間と親しくなることがありますが、それはあくまでも結果です。最初から仲良くしようとして遊んだわけではありません。遊びの場面では「楽しむこと」を大事にしましょう。というわけで、正解は3です。子どもが一人で虫を探したいと思っているのなら、その思いを尊重してあげてください。ただ、2のような対応も決して悪くありません。いろいろな遊びに誘ってみると、子どもが興味を示すこともあるでしょう。そうやって遊びの幅が広がっていくこともあります。無理やり誘うのはよくありませんが、声をかけるのはよいと思います。1の全員参加型も、機会をつくること自体はよいのですが、強制参加にならないように注意しましょう。Q2. 一人だけ先に給食を食べてしまうとき、どう対応する?小学生の例です。給食のときに、ある生徒は、一人だけ先に食べ始めてしまいます。先生には「みんなの準備が終わって、全員そろって『いただきます』と言ってから食べるんだよ」と言われていますが、自分の分が準備できると、つい手が出てしまいます。どんな対応をすればよいでしょう?A1. イラストや写真で手順表をつくって、それを見せながら教えるA2. マナーを覚えていけるように、何度でも同じことを教えるA3. 別室で待機してもらい、給食の準備が終わったら呼んでくる出典 : おすすめの対応は1と3です。口頭で何度も指示をしても伝わらない場合、1のような形で別の伝え方をしてみるとうまくいくことがあります。発達障害のある子どもには、話し言葉よりも書き言葉やイラスト、写真などのほうが理解しやすい場合があります。また、暗黙の了解を察するのは苦手だけれど、しっかり説明されれば理解できるという場合もあります。いろいろな伝え方を試してみてください。2のように、じっくりと対応するのもよいのですが、話し言葉を聞き取るのが苦手だったり、聞いて覚えても時間がたつと忘れてしまったりということもあります。何度試しても難しい場合には、別の方法に切り替えたほうがよいでしょう。3は一見、教えることを放棄した対応のように見えるかもしれませんが、これもひとつの正解です。教わったことを忘れてしまう場合や、好きな食べ物が目の前にあると衝動に負けて手が出てしまうケースもあります。その場合には環境を変えるのも一つの対応法になります。発達障害のある子どもは、さまざまな困難があるから、発達障害だと診断されます。何度教えてもうまく伝わらない場合には、「この子にとってなにが難しいのだろう」「どんな伝え方をすれば理解しやすくなるのだろう」と考えることが大切です。そうやって考えていった結果、伝え方ではなく環境を変えようというのも、一つの解決策になるわけです。「環境を変える」という意味で言うと、私は「みんなで一斉に食べ始める」というルール自体を変えてしまってもいいのではないか、とも思います。Q3. 勉強が苦手で宿題に時間がかかる場合の解決策とは?勉強が苦手で、宿題にすごく時間がかかってしまう小学生がいます。親や先生にいろいろとサポートしてもらってもうまくいかず、鉛筆を持つことさえ嫌になってしまいました。子どももストレスを抱え、親や先生もイライラするようになってきています。どんな解決策があるのでしょうか?A1. 親も疲れてしまうので口出しをやめて、本人のペースを見守るA2. 難しすぎるので親が手伝うA3. 宿題が多すぎるので、親から先生に「減らしてほしい」と相談する出典 : おすすめの対応は3です。この場合、子どもはなにも悪くありません。宿題の設定の仕方に課題があります。宿題が適切な量や難易度で出ていれば、子どもは30分もかからずにパパッと済ませられるでしょう。宿題に時間がかかり、鉛筆を持つことさえ嫌になるということは、宿題の設定を見直すべき状態です。3のような形で先生に宿題を減らしてもらうか、それが難しければ、親が宿題の量を調整することも考えましょう。私はそもそも子どもたち全員に同じ量の宿題を出すことは意味がないと思っています。勉強が好きであれば、宿題がなくても自分から勉強するでしょう。勉強が嫌いならば、宿題が負担で勉強がさらに嫌いになってしまうかもしれません。「宿題はいらない」という解説を読んで、みなさんは「そうは言っても勉強はしっかりさせなくては」「宿題で学習習慣をつけることは大事」と感じたかもしれません。確かに、常識的に考えればそうでしょう。「着替えや食事のようなことはあとで学んでいけるけれど、勉強で遅れが出てしまっては将来に響く」と考える人もいるかもしれません。しかし私はそのような考え方を聞くと、「まずは身のまわりのことを教える必要がある」と思います。子どもにとってもっとも大切なのは、基本的な生活習慣です。発達障害のある子どもの場合、生活習慣は特に大事です。着替えや食事などの基本的な生活習慣を自分なりにできるようになっていかないと、それこそ将来に響くと考えています。発達障害のある子どもにとって、一番大事なことクイズと解説のなかには「給食に手が出てしまうなら別室で待機する」「宿題が嫌なら量を減らす」といった、やや極端な対応法も紹介しました。そんな極端に思える対応の根底にあるのは「子どもを主役にする」という考え方です。発達障害のある子どもには、さまざまな特性があります。大多数の子どもたちと同じやり方をしていては、うまくいかないこともあります。そんなとき、親や先生が常識的なやり方や、大人がよいと思うやり方を優先して、子どもに無理をさせていては、その子どもはいつまでたっても自分らしいやり方を見つけられないのではないでしょうか。発達障害のある子どもの個性はさまざまです。このような解説を参考にしながら、使えそうなアイデアをピックアップしてみてください。
2021年12月02日子育てをしながら、ふと思った「ほかの家庭はどうなんだろう?」Upload By スガカズ私は、4人の子どものママです。中2の長男にADHD+ASD、小5の次男にADHDがあります。子どもたちには、「自分を価値ある存在として障害を肯定的に捉えて成長してほしい」と思っています。わが家は私がメインで子育てをしているスタイルだったのですが、パパに対して「積極的に子育てに参加してほしい」「子どもたちのありのままを受け入れてほしい」と思い、いろいろと関わり方を模索したり、子どもたちとどう関わってほしいかパパと何度も話し合いをしたりしました。ですが、お互いの価値観や子育ての方針は少し違います。私は子どもの気持ちに寄り添っていきたいのですが、パパは子育てにきびしいところがあり、それがきっかけで子どもたちが癇癪を起こしたり、パパと子どもが言い合いになることもしばしば…。タイミングをみて、パパの考えを代弁するなどして子どもへのフォローをしたりしますが、まれに私自身がパパと険悪になることもあります。また、夫婦で言っていることが違ってくるという矛盾が生じることもあります。「子どもたちが親のことを信用しなくなるのではないか?」「家でも外の世界でも安らげる場所がなくなるのではないか?」そういった不安は昔からありました。ですが、今のところ子どもたちは私のことを頼ってくれますし、パパと子どもたちは共通の趣味があり、私ではできない関わり方を持っていることもあって、子どもたちが大きなストレスをためているようではなさそうです。現在は目を光らせつつも様子をみている状況です。そんなわが家での日々を送る中で、ふと、「ほかの家庭はどうなんだろう?」という疑問がありました。そこで、今回SNSを通じていろいろな立場の方にお話をうかがってみました。その中の、3人のママと1人のパパのお話を紹介させていただきます。※お話を伺った方には掲載の許可をいただいておりますYさんの場合(長男小5・ASD・ADHD・LD、次男小2・ASDのママ)Upload By スガカズわが家の小5長男と小2次男は二人とも発達に凸凹があります。長男はASDで、一日のルーティンが決まっていたり、自分が「よくない」と思ったときに相手の行動をつい指摘してしまったりと真面目でこだわりが強いという特性があります。義母に聞いたところ、そんな長男は小さいころのパパと本当にそっくり。パパにとって小5の長男は、小さいころの自分と重なるようです。自分自身が感じた生きづらさを受け入れることが難しいのかもしれません。長男に対して(特に勉強について)厳しくなりがちです。結果、長男の癇癪スイッチを押してしまい悪循環に…。一方で、私はパパの真面目で誠実な性格を素敵だなと思っています。日々頑張って働いており、私にとっては「いつかは息子もパパのような大人になるのかな?」と、希望の光に思っています。土曜日は私が仕事なので、パパはワンオペで子どもたちと一日を過ごします。「公園に連れて行かないと!」と、マイルールにしばられて、イライラしながらも不器用に頑張っているパパをかわいらしく思いますし、頼もしくも感じています。Iさんの場合(長女9歳・ASD、次女5歳・軽度知的障害・ASD、三女5歳・境界領域知能・ASDグレーゾーンのママ)Upload By スガカズ先日、長女の過剰歯を抜くために2泊の入院、手術がありました。手術の一ヶ月前にパパには、「その日は、早く帰って来てね」とお願いしたのですが、パパはスマホをいじりながら「その日は仕事~…」とそっけない返事が…。長女の入院や手術の付き添いは、義母に頼めたのでよかったのですが、私は下の子たち二人の世話をしながら「手術無事に終わったかな?泣いてないかな?」と心配でした。案の定、当日パパは早く帰ってくることも手術の様子を気にかけることもありませんでした。マイペースでやさしいパパなので、子どもたちにもいつもやさしいです。そんなパパの性格を理解はしているものの、今回のことは少しだけがっかりしてしまいました。Sさんの場合(長男5歳・ASD、長女3歳のママ)Upload By スガカズパパに子どものことを頼むときは、一から十まで言わないと後始末を私がしないといけないくらい大変です。例えば、「ちょっと子どもを見ていてね」と言ったら本当に見ているだけ、だったり。「結局私が対応したほうが効率よいな」と思ったことも多いため、私がほとんど動いています。そのため、長男の障害者手帳や受給者証も申請からフォローまで、全部私の担当です。長男には、自閉スペクトラム症(ASD)があり、こだわりが強めで、思い通りにいかないと癇癪を起こしてしまいます。そして、そんなときはだいたいパパが余計なひとことを言って火に油を注いでしまい、クールダウンさせるのがさらに難しくなることがあります。現在、長男は年中。お薬に少し助けてもらいながら本人も頑張っていることもあり、パパと長男のケンカは以前より減りました。とはいえ、まだ情緒が安定しない時期なので、長男の対応は私がほとんどしています。その間は、パパには長女の相手をお願いしています。最近になって長女の運動面に課題があることが分かり、療育に通い始めました。私の負担が増えたため、実家の母に協力してもらいながらなんとか日々こなしています。将来子どもたちが成長したころには新しい問題がたくさん出てくると思うので、パパの出番が今よりも増えることを期待しています。Gさんの場合(長男7歳、次男5歳、三男3歳のパパ)Upload By スガカズ私自身、発達障害の当事者でADHD(積極奇異型)があり、子どももある程度特性があり、発達が気になっているので様子を見ています。夫婦の子育てにおける役割は、大きく分けると「社会性」はママ担当、「創造性」は私担当です。私は好きなことは思いっきりしたいタイプで、逆にしたくないことはおざなりになりがちな特性があります。子どもたちと基本的に楽しく過ごしたいので、休日はめいっぱい遊びます。私が全力で遊びすぎるあまり、子どもたちに「気をつけてね」と言われるほどです。子どもたちに怒るポイントは夫婦で違います。私は、例えば危険な行動をしたときなど、行動そのものをやめさせる必要があるときに怒ることが多いのですが、ママは子どものミスを責めるような言い方をするときがあります。例えば子どもがお茶をこぼしたらママはイライラしながら、「何やってんの!?」と怒ります。社会性を育てる上でママが子どもたちと関わることが多いから、そのような対応になってしまうほどストレスが溜まってしまっていることもあるのだと思いますが、ママの子どもたちへの対応がきっかけで夫婦が険悪になることも…。これは逆も然りで、もちろんママが私に対してイライラすることもあります。お互い、相手の怒ってることにイライラしてしまうのです。話し合いを重ね、現在はなぜ妻がそのような態度になるか理解できるようになり、お互いを認め合うことでお互いの関わり方も変わってきました。わが家の場合、仕事の都合上夫婦の生活スタイルが違うので、最近は一緒に子育てする機会が減ってきましたが、タイプの違う両親からいろいろ学んでほしいですし、子どもたちにはたくましく育ってほしいなと思います。話を伺ったあと感じたこと今回4人のママ、パパからのお話を聞けて、「みんないろんな気持ちを抱えながら日常を過ごしているんだな」と感じました。一緒に子育てするパートナーであっても生活スタイルも価値観も立場もそれぞれ違うので、分かってはいても相手の子どもへの対応などに疑問を抱いたりすることはあると思います。私自身、理想の夫婦を見つけたときに、自分の環境と比べてしまい「同じようにできないな…」と少し落ち込んだりする経験もありました。でも、わが家のパパだからこそできる役割をお願いしてみたり、家族が少しでも穏やかに過ごせるサポートをこれからもしていこうと改めて思いました。執筆/スガカズ(監修:井上先生より)一方が相手に対して「これくらいは察してほしい」と思っても、相手の側から見ると「言ってくれなければ分からない」というギャップがあったり、一方は「共感してほしい」と思って話をしたのに、話を聞いた方が一方的なアドバイスをしてしまい相手を怒らせてしまったり、(そこまで感情的にならなくていいのに…)などと感じることもあるかもしれません。パートナー同士の子育ての方針が異なる場合もありますが、それについてお互いがコミュニケーションをとれることがまず大切だと思います。お互いの得意不得意を認め合いながらいけるといいですね。
2021年11月29日