6月19日は故・太宰治(享年38)の誕生日であり、彼を偲ぶ「桜桃忌」。そんななか、9月13日に公開される映画「人間失格 太宰治と3人の女たち」の予告動画が公開された。主演の太宰治役に小栗旬(36)が抜擢され、監督は蜷川実花氏(46)が務める。ファンの間では《桜桃忌に予告するのに何ともなく愛を感じた》《小栗旬さんが太宰治を演じる映画の発表があったのこれに合わせたのかな?》《太宰治の誕生日に予告編出すの最高にエモい》と話題にあがっている。ストーリーは3人の女性をめぐる恋模様を通じて、太宰の人生が描かれる。太宰の正妻役に宮沢りえ(46)で愛人役に沢尻エリカ(33)、そして若き未亡人役に二階堂ふみ(24)が選ばれた。小栗といえば、2018年にも映画「響-HIBIKI-」に出演。芥川賞受賞候補に選ばれるも受賞を逃し、自殺に追い込まれた青年役を演じた。また小栗演じる太宰自身も芥川賞候補に選ばれたものの、落選したエピソードがある。そして様々な女性と恋愛をし、自殺未遂を繰り返した小説家でもあった。公式サイトの出演者コメントによると、蜷川氏は「この役を出来るのは絶対に小栗旬しかいない」と小栗の出演を熱望していたという。これに対して小栗は役を演じられるかどうか悩んだというが、蜷川監督から「僕でなければ、というお言葉を頂き、脚本に魅了され、決断いたしました」とコメントしている。そんな小栗に《小栗旬が太宰治は完璧すぎん?》《太宰治が小栗旬とかまじで好き》《久しぶりに楽しみすぎる映画》《これは観たい》と期待の声があがっている。
2019年06月20日日本文学史上最大級のベストセラー『人間失格』誕生秘話を、作者の太宰治と彼を愛した3人の女たちの視点から描く、蜷川実花監督、小栗旬主演作品『人間失格 太宰治と3人の女たち』が、9月13日(金)より全国公開される。この度、脇を固める豪華な男性キャスト陣5人の顔ぶれが明らかになった。本作の主人公は、小栗演じるトップスター作家・太宰治。身重の妻・津島美知子とふたりの子どもがいながら恋の噂が絶えず、自殺未遂を繰り返すという破天荒な生活を送った人物だ。弟子でもある作家志望の太田静子と、未亡人の山崎富栄。ふたりの愛人と正妻をめぐり、当時日本中を騒がせた“文学史上最大のスキャンダル”が描かれる。太宰の正妻・美知子役には宮沢りえ、弟子・静子役に沢尻エリカ、さらに、太宰の愛人で“最後の女”となった富栄役を二階堂ふみ、3人の女優が“3人の女たち”を演じることが、すでに発表されている。この度追加発表されたキャストは、成田凌、千葉雄大、瀬戸康史、高良健吾、藤原竜也の5人だ。成田凌が演じるのは、当時太宰に関わったとされる編集者数名の要素をひとりに集約した映画オリジナルのキャラクターで、太宰に『人間失格』の執筆を依頼することになる、老舗出版社の若手編集者・佐倉潤一。太宰には煙たがられているが、やがて太宰が巻き起こす様々な女性問題に巻き込まれ翻弄されていく。太宰の弟子であり愛人でもある静子(沢尻)の弟・太田薫を演じるのは、千葉雄大。太宰の子どもを身ごもった姉・静子に対して、世間体を気にして苦言を呈するも音信不通となった太宰に本気で怒りをぶつける、姉想いの弟役だ。また、太宰が心を許す親友であり、脚本家としてラジオやテレビ等を中心に活躍した気鋭の作家・伊馬春部の役には瀬戸康史。自身と同じ福岡出身の伊馬を演じるにあたり、劇中で流暢な九州弁を披露し、明るく人懐こい役どころをコミカルに表現する。太宰を批判する若き日の三島由紀夫役には高良健吾。後に日本文学界を代表する世界的作家となる三島は、無名時代に太宰と直接対面し真っ向から批判したという知られざる逸話が残っている。そして、『堕落論』など過激な思想で戦後に一躍時代の寵児となった、無頼派(ぶらいは)を代表する作家であり、実際に太宰の友人でもあった坂口安吾を演じるのは藤原竜也。本作での坂口は、決して酒と薬を手放さない破天荒で強烈な作家であり、太宰を堕落へと誘う悪魔的な魅力を持つ人物として描かれる。■コメント・成田凌蜷川実花さんの作品で、主演は小栗旬さんと聞いた時点で、迷いは全くなく、そのような作品に自分も参加できることが嬉しかったです。何よりもまず学生時代からの太宰の大ファンで敬意が前提にあるということを大切に演じました。驚くほど映像が綺麗で、どのシーンも凄く印象的で鮮明に残っています。・千葉雄大(自分の演じる)薫はある意味堅物だと思いますが、常に姉のことを思っている。それを根底にもって演じました。蜷川監督作品は、お客さんとしてファンだったので、自分が出演させて頂きすごく嬉しいですし、もっとこの世界観に浸っていたかったです。・瀬戸康史初共演の小栗さんに非常に優しく接して頂いて、楽しく演じることができました。また、伊馬が北九州出身ということ、僕も福岡で生まれ育ったので、福岡弁をやらせてもらっています。とても大切な印象に残るシーンになったと思います。・高良健吾三島由紀夫さんの本には個人的にも影響を受けているので、プレッシャーはもちろんありましたが、演じられて光栄でした。蜷川監督の三島への思い、演出も非常に的確で分かりやすく、若い時に鍛えていただいた小栗さんとの共演も、緊張感がありつつも本当に楽しかったです。・藤原竜也小栗くん主演の本作に出演できるということは、非常に光栄で嬉しかったです。坂口安吾という重要な役どころを頂き、実際に太宰と安吾が通っていたバー“ルパン”での撮影はまるでタイムスリップしたようにすごく素敵で、大変貴重な経験をさせて頂きました。『人間失格 太宰治と3人の女たち』9月13日(金)全国公開
2019年05月23日『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』の原恵一監督最新作『バースデー・ワンダーランド』から、声優の藤原啓治と矢島晶子が担当するキャラクターが登場するちょっと怖い本編シーンが到着した。女優・松岡茉優が主人公の声を務めるほか、杏、麻生久美子、市村正親ら豪華俳優陣が参加することでも話題の本作。今回到着した映像は、「クレヨンしんちゃん」の初代“ひろし”と“しんのすけ”の声でお馴染みの藤原さんと矢島さんが演じるワンダーランドの世界を荒らす“悪役コンビ”、ザン・グとドロポのシーン。アカネが泊っている宿で、食料を奪おうとするザン・グとドロポ。食料が減り、水不足の危機に陥っているワンダーランドだが、「食い物を出せ」と店主を脅し、むりやり食べ物を奪ってしまう。さらに睨みつけて水も要求、怒った勢いでテーブルを破壊してしまう。ひろしとしんのすけとは全く違うキャラクターのザン・グとドロポだが、2人には本当の目的もあるようで…。「クレヨンしんちゃん」をはじめ、『河童のクゥと夏休み』『カラフル』『百日紅 ~Miss HOKUSAI~』にも出演するなど、原監督作品には欠かせない存在となっている藤原さんと矢島さん。原監督は2人に絶大な信頼を寄せており、「敵役のザン・グとドロポの悪役コンビは、藤原さんと矢島さんにぴったりだと思ったので演じてもらうことにしました」とコメント。また「藤原さんにはワンダーランドの誰もが恐れているザン・グの怖さを表現してもらい、矢島さんは悪役だけどどこか憎めないドロポを演じてもらいました。ひろしとしんのすけとは真逆の悪役キャラを楽しみにしてほしいです」と呼びかけている。『バースデー・ワンダーランド』は4月26日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:バースデー・ワンダーランド 2019年4月26日より全国にて公開©柏葉幸子・講談社/2019「バースデー・ワンダーランド」製作委員会
2019年04月04日太宰治の『人間失格』をダイナミックにリメイクした劇場アニメーション映画『HUMAN LOST 人間失格』が、2019年11月29日(金)公開。太宰治の『人間失格』"SFエンタテイメント作品"に破滅に至った一人の男の生涯を描いた太宰治の『人間失格』は、深い死生観・文学性から今なお高い人気を誇る不朽の名作。太宰治生誕110周年を記念し、日本文化の代表作が、日本最高峰のクリエイター陣によってアニメーション映画化される。試みたのは、日本の古典文学をSFアクション化させ、近未来の物語を描いた"SFエンタテイメント作品"として再構築すること。ストーリー物語の舞台となるのは、医療革命により“死”を克服した昭和111年の東京。人々は体内の“ナノマシン”とそれらをネットワークにより管理する“S.H.E.L.L.”体制の支配により、無病長寿を保証されていたが、その究極的な社会システムは国家にやがて歪みをもたらしていった。そんな世界の中で、薬物に溺れ怠惰な暮らしをおくる主人公・大庭葉藏は、ある日暴走集団とともに行動する謎の男・堀木正雄と共に、激しい闘争に巻き込まれてしまう。そこで遭遇したのは、“S.H.E.L.L.”体制から外れ異形化(ヒューマン・ロスト)してしまった“ロスト体”。間一髪のところで、不思議な少女・柊美子に命を救われた葉藏は、自らもまたヒトとは違う力を持つことを知るのだったー。怒り。悲しみ。憐れみ――絶望に呑みこまれ、血の涙とともに大庭葉藏は“鬼”と化す。 無病長寿を実現した究極の社会システムと生きる人間たちは、失格か、合格かーー。キャラクター紹介主人公・大庭葉藏(声:宮野真守)死を克服した社会で、生きる意味を見いだせない男。アトリエ兼住居のバアの2階に引きこもって絵を描き、薬物・酒・女に溺れる自堕落な生活を送っている。友人の竹一に流されるまま、暴走集団の“インサイド”突貫に参加し、未来を巡る闘争に巻き込まれる。柊美子(声:花澤香菜)ヒューマン・ロストに対抗する隠れた国家機関“ヒラメ”の女隊員。健康保障機関“S.H.E.L.L.”の広報官も兼務し、その組織によって明るい未来が来ることを信じている。また、ヒューマン・ロスト現象を感知し、抑え込む不思議な力を持っている。堀木正雄(声:櫻井孝宏)貧困エリア“イチロク”の暴走集団に出入りし薬物をばら撒く謎の男。“S.H.E.L.L.”に反発する竹一の助言者として周囲に一目置かれている。葉藏は心から信用できないものの、自分の内面を見透かされるような視線を無視できずにいる。竹一(声:福山潤)貧困エリア“イチロク”の暴走集団のリーダー。主人公・葉藏の唯一の友であり、生き方に惑う彼に絵を描くきっかけを与えた男でもある。“S.H.E.L.L.”による健康管理を不快に思い、その意志を示すべく“インサイド”突貫を試みている。そうした自分の考えを言語化してくれる正雄を尊敬している。厚木(声: 小山力也)ヒューマン・ロストに対抗する隠れた国家機関“ヒラメ”の実行部隊長。実直さと信念がある屈強な老兵。美子の親代わりで、彼女が“ヒラメ”に保護されてからずっと面倒をみている。澁田(声:松田健一郎)ヒューマン・ロストに対抗する隠れた国家機関“ヒラメ”の所長。“S.H.E.L.L.(シェル)”の信奉者で、現体制の維持継続を最優先に命令を下す。医療革命がもたらしたアンチエイジングによって見た目こそ中年だが、実際は厚木よりも年長者。本広克行×木﨑文智×冲方丁×ポリゴン・ピクチュアズスーパーバイザーには「踊る大捜査線」「PSYCHO-PASS サイコパス」などを手掛けてきた本広克行。監督は「アフロサムライ」「バジリスク 〜甲賀忍法帖〜」『ベヨネッタ ブラッディフェイト(BAYONETTA BLOODYFATE)』などのヒット作を飛ばしてきた木﨑文智が担当する。コンセプトアートは、「ファイナルファンタジーXI」や「メタルギア ライジング リベンジェンス」を生み出した富安健一郎。そして、アニメーション制作は『スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ』『トランスフォーマー プライム』などで多数のアワードを受賞しているポリゴン・ピクチュアズが担当する。脚本は「天地明察」で吉川英治文学新人賞ほか数々の賞を受賞した小説家・冲方丁が、キャラクターデザインは「PokemonGO」や「ファイアーエムブレム」などでゲームやアニメーションの登場人物を生み出したコザキユースケが手掛ける。音楽は「PSYCHO-PASS サイコパス」シリーズなど実写・アニメともに活躍する菅野祐悟。音響監督には海外でも活躍する岩浪美和が参加。m-floが主題歌を担当主題歌はm-floがグラミーアーティスト、J. バルヴィンをフィーチャリングに迎えた「HUMAN LOST feat. J. Balvin」に決まっている。<あらすじ>昭和111年――医療革命により死を克服し、環境に配慮しない経済活動と19時間労働政策の末、GDP世界1位、年金支給額1億円を実現した無病長寿大国・日本、東京。 大気汚染と貧困の広がる環状16号線外“アウトサイド”で薬物に溺れ怠惰な暮らしをおくる“大庭葉藏”は、ある日、暴走集団とともに特権階級が住まう環状7号線内”インサイド”へ突貫し、激しい闘争に巻き込まれる。そこで”ロスト体”と呼ばれる異形体に遭遇した葉藏は、 不思議な力をもった女性“柊美子”に命を救われ、自分もまた人とは違う力をもつことを知る。 暴走集団に薬をばらまき、ロスト体を生み出していたのは、葉藏や美子と同じ力をもつ男“堀木正雄”。正雄はいう。進み過ぎた社会システ ムにすべての人間は「失格」した、と。文明崩壊にむけ自らのために行動する堀木正雄、文明再生にむけ誰かのために行動する柊美子。平 均寿命120歳を祝う人類初のイベント“人間合格式”を100日後にひかえ、死への逃避を奪われ、人ならざる者となった大庭葉藏が、その果てに選択するものとは――【作品情報】『HUMAN LOST 人間失格』公開時期:2019年11月29日(金)原案:太宰治「人間失格」より監督:木﨑文智スーパーバイザー:本広克行ストーリー原案・脚本:冲方 丁キャラクターデザイン:コザキユースケコンセプトアート:富安健一郎グラフィックデザイン:桑原竜也CGスーパーバイザー:石橋拓馬アニメーションディレクター:大竹広志美術監督:池田繁美、丸山由紀子色彩設計:野地弘納撮影監督:平林 章音響監督:岩浪美和音楽:菅野祐悟キャスト:宮野真守、花澤香菜、櫻井孝宏、福山潤、小山力也、沢城みゆき、千菅春香アニメーション制作:ポリゴン・ピクチュアズ企画・プロデュース:MAGNET/スロウカーブ主題歌:m-flo「HUMAN LOST feat. J. Balvin」配給:東宝映像事業部■ムビチケ情報発売日:9月20日(金)価格:1,500 円(税込)※ムビチケのみ特典:キャラクターボイス付メタリックステッカー(全4種・ランダム)キャラクターボイス:大庭葉藏、柊美子、 堀木正雄、竹一※販売劇場は公式 HP参照。 ※前売券1枚につき特典は1枚。※ボイスの種類は選べない。
2019年03月26日2月25日、錦戸亮(34)主演ドラマ『トレース~科捜研の男~』(フジテレビ系)の第8話が放送された。科捜研の法医研究員・真野礼二(錦戸)と新人研究員・沢口ノンナ(新木優子)が、捜査一課の虎丸良平(船越英一郎)と共に事件の“トレース”(痕跡)から真相を追求するドラマ。ある刺殺事件が発生。犯人は「同居している友達を殺害した」と自ら通報し、自首した御手洗治(渋谷謙人)。殺害されたのは御手洗と幼なじみの根岸秀司(落合モトキ)。自供により事件は解決かと思われるも鑑定の結果、御手洗は嘘の殺害時刻を供述しており空白の時間があったことが判明。さらに殺害現場から珍しい猫の毛が見つかり、購入したフリーライターの益山英彰(弓削智久)の家を訪れるもすでに殺害されていた。そこには御手洗、根岸と同じ養護施設で育ち、女優として活躍中の橋本梨央(石井杏奈)にまつわる悲しい真相が隠されていた……というのが8話のあらすじ。今まで以上の悲しい展開に多くの視聴者が息を飲んだ8話。今回の事件は全て、根岸と御手洗が梨央を守るため。女優として輝く梨央は、2人にとって希望そのものだった。だが、梨央は性的虐待を加えていた父親を10歳の時に殺害しており、その父親が益山の叔父。真相を知った益山は幼なじみの御手洗と根岸に真相を脅し、公表しない代わりに毎月多額の金を要求していた。梨央が有名になるにつれ要求もエスカレートし、耐えかねた根岸はついに益山を殺害してしまう。だが死に際に益山が連絡した実弟によって、根岸も自宅で刺され瀕死の傷を負う。遅れた帰宅した御手洗は通報しようとするが、根岸は止める。弟が逮捕されることによって、梨央の過去が明らかになってしまうからだ。全てを隠すため根岸は御手洗に自身にとどめを刺すよう依頼し、御手洗も受け入れたのだった。この悲しい結末に、心を痛めた視聴者は多かったことだろう。真相を知り悲しみに暮れる梨央に、「たとえ姿が見えなくてもどれだけ離れていても心はつながっている。それが家族というものなんだと思います」と真野がかけた言葉は優しく響いた。そんななか何よりの救いとなったのが、虎丸だ。過去が明らかになることを恐れる御手洗だが、虎丸は動機不明で送検し真相をうやむやにする。そして去り際に「1人でよく頑張ったな」と御手洗に言葉をかけて立ち去った。粋な優しさを見せた虎丸の存在は《虎丸さんの取り調べで号泣した》《回を重ねるごとに虎丸さんのイケメン度が上がっている》と視聴者の心を軽くした。そして次回からは遂に最終章に突入。真野の家族が殺害された事件の真相が明らかになったとき、真野は果たして――。
2019年02月27日還暦及び噺家生活40周年を迎えた桂米團治が2019年、記念の独演会を全国で開催、30公演を行う。その皮切りとなるのが1月4日(金)に行われる大阪・サンケイホールブリーゼ公演だ。還暦&噺家生活40周年記念「桂米團治独演会」チケット情報米朝一門のホームグラウンドであるホールで、お正月から独演会ができてうれしいと顔をほころばせる。メインの演目は「高津の富」を選んだ。ある男が、大見得を切って買った1枚の富くじが大当たりをするという噺だ。「お正月に笑いに来てくれはるお客さんには絶対『高津の富』だと。ハッピーエンドだし、おめでたい噺なのでこれやと思いました」。還暦を迎えた心境を改めて尋ねると、「まさかこの年で会社経営に携わることになるとは思ってもみなかった。思えば人生は思ってもみないことの連続でしたね」と振り返った。2015年3月には師匠であり父でもある米朝が亡くなった。「米朝が他界して3年、あとは好きなことをしよう、やっと吹っ切れるぞと思った矢先、米朝事務所の代表になるという重荷がのしかかってきました。多分、天上界で米朝・中川絹子夫妻がニヤニヤ笑いながら、僕にやらしているような気がする。これを天命と受け止めて、この圧力に倒されることなく、バネにして楽しく演じようと思っています!」。米團治の名跡を継いで10年。まだまだ世間一般には認知されていないと話す。「これからの10年は米團治という名前を認知してもらうように一生けん命、頑張ります。ただ、60代ということで元気なだけではない、ある種枯れていく時代にも入ります。7割ぐらいの力で楽しんでいる米團治を見ていただければと思います」。「還暦&噺家生活40周年記念『桂米團治独演会』」ではほかに「稽古屋」を披露。また、2018年に上方落語協会会長に就任した笑福亭仁智がゲスト出演。弟子の桂米輝が開口一番を務めるほか、桂米紫、桂吉の丞による『スライドショー』も行われる。チケットは発売中。取材・文:岩本和子
2018年12月21日恒例のリサイタル・ツアーを昨年、「名曲の花束」として衣替えしたピアニスト及川浩治。その2年目が、来年2月23日(土)サントリーホールの東京公演で大詰めを迎える。「動画配信サイトでなんでも見れちゃう時代。特に若い層のクラシック離れは深刻です。だからこそ、ちっちゃい頃から大好きだった名曲の数々を、ぜひ生のコンサートで聴いてほしい。自分自身がクラシックへの憧れや愛情を忘れないためにも。広く愛されている名曲はやはり完成度が高いと思います」【チケット情報はこちら】《愛のあいさつ》《ラ・カンパネラ》《トルコ行進曲》《別れの曲》《愛の夢第3番》……。誰もが1度は聴いたことのある名曲ばかりを並べるのは勇気がいるはずだ。ハードルが高くなるし、実力派ピアニストとして、もっと手垢にまみれていない作品で勝負したいという気持ちもあるだろう。「でも、これがいま自分のやりたいことなんです。若い頃は、自分の世界で、弾きたい曲だけを弾いて、それが嫌な人は聴きに来なくてもいいと思ってました。B型なんで(笑)。でもね、お客さんがいなかったら練習と変わらない。客席の雰囲気も含めてコンサート。ぜひ私と一緒にしんみりしたり、感動したりしながら楽しんでください」とはいえ、プログラムにはさまざまな仕掛けも。バッハのオルガン・コラール《目覚めよと呼ぶ声あり》から上記のような曲へ。オルガンやヴァイオリン曲、歌曲や管弦楽曲が原曲の作品が並ぶのは、19世紀に「リサイタル」という形を創始したリストに倣っての、ガラ・コンサート的なラインナップだ。そして、小品ばかりではなく、ベートーヴェン《月光》やストラヴィンスキー《ペトルーシュカからの3楽章》など、骨太の作品も。「《ペトルーシュカ》は久しぶり。若い頃よく弾いていたので、ずっと入れたかったんですけど、難しい作品だと受け取られたくなくて避けていました。でもこのプログラムに放り込んでみたら、スタッフからも異論なく賛成してもらえた。たとえばもしロシア・プログラムとして組んだら、きっともっと難しい印象でしたよね。見せ方が大事なんです」派手な演奏パフォーマンスも彼の人気の要因のひとつだ。「見られる」ことは意識しているのだろうか。「まったく意識してません。なんでだろう。音楽に没入している時に自然に出るんだと思います。指のコントロールを考えながら弾いている練習の時は動きませんから。子供の頃から、レコードを聴きながら歌ったり指揮したりしていたのがそのまま出てるんじゃないですかね。もしパフォーマンスに見えるとしても、それが自分のスタイルなので、音楽のためにも、無駄ではないと思います」自然体の真っ向勝負で聴かせる珠玉の名曲の数々。演奏の合間にはトークも交える。その場で感じたことを正直に話すことで自身もリラックスして弾けるのだという。「長く喋りすぎたらごめんなさい」と笑う。いえいえ。このコンサートには、きっとそれも似合う!公演は2019年2月23日(土)サントリーホール 大ホールにて。チケット発売中。取材・文:宮本明
2018年12月04日ギタリスト村治佳織がデビュー25周年を迎えた。コアなクラシックファンに認められ、一般のファンからも愛される村治佳織は、クラシック界においてとても稀有な存在だ。しかも15歳でのデビュー以来、常にトップランナーとしてクラシック界を牽引してきたその輝きは、デビューから25年を経た現在も少しも変わっていない。記念アルバム『シネマ』の発売と同時に、アプリ版ぴあでの「ライフストーリー:映画のような私の人生〜いつもギターが一緒だった〜」も連載開始。読んでから聴くか、聴いてから読むか。いずれにしても中身は濃いぞ。
2018年09月19日人を恐れるが故に道化を演じ続けてきた男を描いた『人間失格』に、失敗作の植物たちが自らの不遇を嘆く『失敗園』。太宰治の2作が“踊る小説”として『ERROR ~踊る小説4~』というダンス作品になる。オモシロをこれでもかと詰め込んで、太宰治の『人間失格』をダンスに!?「失敗作の植物たちが、太宰の有名な『生まれて、すみません』という言葉を発して始まり、『人間失格』を演る。この作品で、太宰さんはかなり人間について考えているわけで、その人間のことをわかるには、人間じゃない客観的な視点を入れた方がいいんじゃないかと思ったんです」そう話すのは、本作を手がけるCHAiroiPLIN主宰のスズキ拓朗さん。蜷川幸雄さんの元で俳優として活動していた時にコンテンポラリーダンスの魅力に触れ、現在は、学ランダンスカンパニー・コンドルズのメンバーとしても活躍する。「蜷川さんの元でいろんな文学を学びましたが、難解でわからないものが多いんです。僕は絵本が好きだし、チャップリンの『モダン・タイムス』に影響を受けていることもあり、文学もあんなふうに見てわかりやすくできたらいい。太宰さんの傑作といわれる『人間失格』の面白さを僕自身があまり理解できていないからこそ、ちゃんとわかりたくて挑戦するんです」これまでも、シェイクスピアや芥川龍之介などの小説を題材にしてきた。作中のモチーフやオノマトペを、リズムに乗せて言葉遊びにしたり。ふたつの家の対立を、紅白の運動会に模してみたり。さまざまな趣向がこれでもかとてんこ盛り。音楽や演劇、パントマイムの要素も加え、ダンス作品の枠を超えた、賑やかで無条件に楽しい舞台を生み出している。「思い付いたアイデアも現場の意見も、面白いと思ったら何でも盛り込む。全部入れ込んで、持ち上げた時に溢れ出たら、それは多分必要のないものだと思うから。小道具も過剰な数を登場させるし、出し惜しみナシ。だって、過剰なものって、それだけでも面白くないですか?(笑)」すずき・たくろう1985年生まれ。演劇的要素を取り入れたダンス作品が高く評価され、舞踊批評家協会新人賞など数々の賞を受賞。現在、舞台や映像作品で振付家としても活躍する。4月21日(土)~30日(月)三鷹市芸術文化センター 星のホール振付・構成・演出/スズキ拓朗一般前売り3000円(当日3300円)、学生2000円、高校生以下1000円(すべて税込み)※早期観劇・平日マチネ割引あり三鷹市スポーツ文化財団TEL:0422・47・5122※『anan』2018年4月18日号より。写真・内山めぐみインタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2018年04月13日漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の作者・秋本治氏が、4日に放送されたフジテレビ系トーク番組『ワイドナショー』『ワイドナB面』(毎週日曜10:00~10:55/10:55~11:15)にゲスト出演し、連載が終了することについて心境を語った。連載40周年となる『週刊少年ジャンプ』42号(9月17日発売)をもって、終了することを3日に発表した秋本氏。単行本の最終巻が200巻になることに触れ、「1作1作書くのが精いっぱいで、気がついたらという感じですよね」と淡々と振り返りながら、「『こち亀』が40週年の42号で終了します」と報告した。スタジオが騒然となる中、松本人志は「最終回はゴルゴを捕まえてほしいなぁ」と『こち亀』と同じく長期連載が続いている『ゴルゴ13』の主人公・デューク東郷の逮捕を提案して笑いを誘い、秋本氏も「あー!いいアイデアですね!」「ちょっと書きたかった」とまんざらでもない様子。「ゴルゴを追って巻数を争ってた時期もありましたから」「(負けないように)がんばりたいと思っていました」とライバル作品だったことを打ち明けた。気になる最終話は「これから」で、すでに内容は決めているという。40周年の節目で終えることについては、「今もずっと楽しんで描いています。でも、長編作品はどこかで終わりにしないといけない。200巻というのも大きな節目になりました」と説明。「ちょうど40周年のお祝いの時。両さんはお祝いごとやお祭りがすごく好きだから、その時にお祭りをワーッとやって姿を消すのが、キャラ的にもエンディングかな」と主人公・両津勘吉への思いも口にした。また、「やっぱり止められました。続けてほしいということで」と編集サイドから説得されたことも明かす。『こち亀』終了後はしばらく休むが、秋本氏が「大きいポイント」と前置きして伝えたのが、「漫画家を辞めるつもりはなくて。両さんと同時並行で描いていた作品もあるのでそっちを続けようかなとも考えています」という衰えることのない創作意欲だった。番組の締めくくりにコメントを求められると、「40年と200巻ということなんですが、やっぱり読んでくれる人たちがいるからで。少年漫画で40年書かせてもらえるのはすごく幸せなこと。200巻ということは200冊。200冊まで出してくれるということは、漫画家にとってはすごくうれしいこと。決して悲しいことではなく、支えてもらったことにすごく僕はお礼を言いたいです。本当に」と読者や関係者に感謝。「1話完結の作品。続き物だと最終章で盛り上がっていくんですけど。極端に言うと"いつ終わってもおかしくない"状態の作品なので、なるべくだったらいつも通り自然のまま、最終回を迎えられた方がいいかなと思っています」と国民的長寿漫画の重みをうかがわせた。
2016年09月04日●BL同人誌が出ても別に怒るようなことはない1981年に処女作『占星術殺人事件』が発表されてから、35年にわたって50作を数える本格ミステリー『御手洗潔』シリーズ。IQ300以上と言われる探偵役、脳科学者・御手洗潔は、和製シャーロック・ホームズとも言われ、相棒の石岡和己とともに数々の難事件を解決、他の作品にも大きな影響を与えた。そんな御手洗潔シリーズが、2015年にスペシャルドラマとして初の映像化となり、更に2016年6月には映画『探偵ミタライの事件簿 星籠の海』が公開される。主演・玉木宏、共演に広瀬アリスというキャスト陣で、映画化に踏み切ったのはなぜなのか。映画化の経緯や印象について、原作者の島田荘司氏に話を伺った。○高度経済成長期の空気があった――御手洗シリーズが世に出てから35年、これまで映像化されなかったことに理由はあるのでしょうか?私が「映像化をいやがっていた」という話が広まっていますが、それは初期の話なんです。もしもひどい出来の映像になった場合、編集者がしらけてしまって「他のヒーローを作りましょうよ」と言われたら困ると思いました。御手洗潔というエキセントリックな性格の探偵でないと成立しないアイディアがたくさんありましたし、石岡くんとの関わりによって大河ドラマ的な構想もありました。――映像化したときに、ひどい出来になりそうだという予感があったのでしょうか?時代というものがありましたから。高度経済成長期で社会が殺伐としていて、御手洗のようなキャラクターは「威張り屋」と誤解されるのではないかと思いました。皮肉的なありようや楽しいジョークの感覚を、あの頃の日本人は理解できないだろうと。例えば御手洗が石岡くんや警官に横柄な態度をとったり、内容が演歌的になったりするのではないかという恐怖がありました。当時は乱暴な空気で、原作を読まないで映像化するなんて朝飯前という調子だったんです(笑)。ここ10年くらいは映像化してもいいかなと思っていたのですが、今度は役者を探すのに時間がかかりました。――今は時代が変わりましたか?時代の空気が柔らかくなりました。今回はプロデューサーも旧知の人ですし、監督も信頼できました。玉木さんをはじめとしたいい役者とも出会えたし、仕上がった脚本も見せていただけたので、安心しています。――今回はもともと、映画化を視野に入れていたと伺いました。最初から映像化ありきで考えていました。私の出身地である広島県福山市の市政施行100周年に、映画をやりましょうと市長に持ちかけたんです。自分でサンプルの脚本を書き、小説も書きました。そして小説が出てからプロデューサーが脚本家を決め、新たなストーリーを作ってくれました。――サンプル脚本から、小説と映画にストーリーが分岐したのでしょうか。映像は監督やプロデューサーのものですし、そこは別物として楽しんでいます。ある程度変えてもらわないと、面白くないと思うくらいです。○なぜ世の中にバディものが多いのか?――探偵ものではワトソン役が欠かせないイメージがありますし、最近の映画・ドラマでもバディものが多いと思いますが、その良さはどのような点にありますか。男2人のコンビを超えるものがないんですよね。ホームズとワトソンも、その原型は『モルグ街の殺人』(エドガー・アラン・ポー)のデュパンという名探偵にありますが、これもやはり男2人です。男3人も面白いかもしれないけど、なかなか傑作はないでしょう。今回の映画は女性とのコンビになりますけど、もしも第2弾があった場合に、石岡くんも入れて3人にしたら面白いかもしれませんね。――今回、原作のワトソン役の石岡くんは出張中という設定で、電話での出演でした。男女バディになったのは新しい部分でしょうか。男女コンビも、最近は多いですよね。コアなファンから少々ブーイングされても、一般的映画ファンにはこの方がなじむという計算があるんじゃないかと思います。今回の映画では、広瀬アリスさんの役が「石岡先生は来なくていいです」なんて言うから、原作の石岡ファンは怒髪天をつくんじゃないかと心配はしましたけど、いいんじゃないでしょうか(笑)。――島田先生はファンの方の意見をよく見ているのかなという印象があります。ファンの方のことはもちろん好きですよ。原作を大事にするあまり、BL同人誌が出て怒り出すようなことはないです(笑)。別物ですから。それによって原作が影響を受けたり、だめになったりしたら、こちらの力が足りないのだと思います。●主演・玉木宏の良いところ○玉木さんは全てが良い――今回、主役である玉木さんの印象について改めて教えて下さい。大河ドラマ『篤姫』を見てぜひ御手洗に、というお話でしたが。実は玉木さんについては、『篤姫』で坂本龍馬が縁側に腰かけて革靴を脱ぐ場面を見るまでは、全然記憶にないんです(笑)。あそこでビビっときたのですが、それまで彼のことを何も知らなかったのが、かえって良かったですよね。頬に一本筋が入った感じが、白人のようにうまく影になっていて、外国人に混じってもうまくなじめるだろうなと思い、自分のイメージする御手洗さんの、いいところが形になったようでした。――撮影中にもお話などはされましたか?人柄が良くて、撮影を見に行ったときも帰るときにわざわざ挨拶に来てくれて、礼儀正しい。真面目で頭も良いし、声も良い。全部良いということになりますが(笑)。――広瀬アリスさんや、他の役者の方についてはいかがでしょうか。広瀬アリスさんは、すごく自然な演技でかわいかったし、上手ですよね。谷村美月さんも相変わらずシリアスな演技が上手ですし、要潤さんも、『タイムスクープハンター』をずっと見てたのですが、会えるとは思わなかったですね。――映画を見て、おすすめのシーンを教えて下さい。最後のシーンと、冒頭のシーンが好きですね。映像的にもすごくきれいだし、冒頭は、いったい何が起こるのかわくわくします。ドローンが上昇し島を次第に俯瞰に見せるシーンも好きです。今回は、本格ミステリーとしても素晴らしい出来になっています。玉木さんもアリスさんも綺麗で、海もいいし音楽もいいし、すべてのバランスが良いので安心してオススメできます。○アイディアのリストで書き続ける――35年間、これだけの大作をコンスタントに書き続けていられる作家さんはなかなかいらっしゃらないと思うのですが、何かコツはありますか?アイディアのリストを作っているんです。それがまだたくさん残っています。さすがに大きなものは使ってしまいましたが、小粒になったとしても、2つ3つ合わせると、良いものができたりします。驚きがある作品を30年も40年も作り続けるには、やはりリストがないと無理ですね。デビューしたときの仲間はだんだん書かなくなっているし、「リストを作らないとダメだ」と新人には言うんですけど、なかなか作ってくれないですね(笑)。最初の頃はそれがなくても書けるんですが、それは頭のなかにリストがあるんです。でも時間が経てば、どんなに良いアイディアでも忘れます。――リストがあれば、これからの作品も期待できますね。一生書ききれないくらいの量があります(笑)。でも映画がヒットしてくれたら、しばらく小説を書くのを休んで、海外へ日本の本格ミステリーを紹介するとか、他にやらなければならない無数の仕事に専念したいですね。だってぼくにしかできない仕事がたくさんあるんです。読者と編集者に怒られそうですが(笑)。『探偵ミタライの事件簿 星籠の海』探偵・御手洗潔(玉木宏)は、編集者・小川みゆき(広瀬アリス)から、瀬戸内海・愛媛県の小さな島に、身元不明の死体が半年間で6体流れ着くという難事件について話を聞く。調査に赴き、福山で捨てられた死体が瀬戸内の複雑な海流で入江に流れ着いたことを突き止めた御手洗は、福山へ移動。すると、外国人女性の変死体や、口と目を縫い合わされた居比夫婦が赤子を殺され滝つぼで発見されるなど、奇妙な事件が立て続けに発生する。(C) 2016 映画「星籠の海」製作委員会
2016年05月06日キヤノンは1月27日、同日の取締役会にて決定した社長人事を発表した。現・代表取締役会長兼社長CEOの御手洗冨士夫(みたらいふじお)氏が代表取締役会長CEOに、現・専務取締役イメージコミュニケーション事業本部長の眞榮田雅也(まえだまさや)氏が代表取締役社長COOにそれぞれ就任する見込み。今回の人事は3月30日の株主総会後に行われる取締役会にて正式決定する。都内で開いた記者会見には、御手洗氏と眞榮田氏が登壇。代表取締役社長COOとして眞榮田氏を選任した理由や、今後のキヤノンの成長戦略について説明があった。○新社長にはカメラ技術者だった眞榮田氏眞榮田氏は1975年にキヤノンへ入社。その後、カメラ開発にかかわるエンジニアとしての経歴が長く、2007年にはイメージコミュニケーション事業本部長に就任した。御手洗氏は眞榮田氏のことを「カメラのデジタル化において、指揮官として活躍し、キヤノンが市場でトップを獲得するのに貢献した人物」と評価。生産体制を見直し、自動化していくことでコスト削減を実現した実績を持つ。また、カメラで培った光学技術を応用して開発した映画製作機器「CINEMA EOS SYSTEM」を手がけ、映画産業に新風を送り込んだことにも触れられた。眞榮田氏は今回の社長人事を受け、「強いプロダクトを継続的に投入し、最先端の技術で作り続ける。また、原価の低減も並行して行う。カメラだけでなく全社的に生産改善をしていけば、キヤノン全体の事業強化につながっていく。既存の事業も新規の事業も同じように取り掛かりたい」とコメントした。今後は、眞榮田氏が開発・生産・販売を中心に担当し、御手洗氏が人事や総務、経理といった管理部門、海外関係の営業などを重点的に見ていく。特に営業については、眞榮田氏が生産側の立場から、御手洗氏がマーケティング的な見地から、両面で働きかけて強化していく方針だ。○今後のキヤノン「BtoCからBtoBへ」キヤノンは2016年に「グローバル優良企業グループ構想」という経営計画のフェーズVに入る。再び成長戦略をとっていく、その5カ年計画のスタートとなる2016年に、社長交代を決意したと御手洗氏は述べた。これまでは「カメラ・光学」「複写機など事務機」の2つの大きな流れがあった。この2つにも開発投資はしていくが、それだけでなく新たな事業3つにも注力していく。1つめがオランダのオセ社買収などによって強化してきた商業印刷分野。2つめが監視カメラ分野。これは2015年5月にスウェーデンのアクシスを子会社化したことからもうかがえる。3つめは半導体事業。傘下に収めたアメリカのモレキュラーインプリント社とともに、ナノインプリントと呼ばれる新しい方式の次世代半導体露光装置によって、産業機器分野の強化を目指す。御手洗氏はこれら3つを柱にしていくとしたうえで、もっと大枠の戦略として「カメラやプリンターといったBtoC事業からBtoB事業へ。フェーズVはその転換のための5年間となる」と述べた。
2016年01月27日「現代の名工」と称される職人達がいる。これは国が認めた「卓越技能者」に送られる表彰制度の通称であり、そのうちの一人がジュエリークラフトマンの首藤治氏だ。首藤氏は名古屋に店舗兼工房を構えながら、日本の名だたるジュエリーブランドのハイジュエリー作品を製作し続ける、まさしくジャパニーズジュエリー界における最高峰の技術を擁する一人。七宝や金、プラチナ、そして数々の宝石が織り成す美しい世界に思わず息を飲み、吸い込まれて目が離せなくなる不思議な魅力を持つ首藤氏の作品の数々。七宝で再現された葉の透き通るような瑞々しさ、葉脈までも表現する繊細な地金のライン。あるいは、まるで息遣いを感じるような動物達の愛らしいフォルムや瞳。作品はすべて表も裏も同じように緻密に細工が施され、どの角度から見ても優美な趣を感じられる構造となっている。どうしてここまで巧緻を極められるのだろうか。作品を生み出す首藤氏のジュエリーへの想いとは? またその発想を生み続ける首藤氏のルーツとは? 初の個展を行ったばかりの首藤氏に話を伺った。ー技術の素晴らしさはもちろん、一つのジュエリーにこれだけの力を注ぎ、美を追求する首藤さんの情熱はどこから生まれたものなのでしょうか?私は幼少時代から絵を描くことが大好きで、いつかは絵描きになりたいと思っていた程です。ただ、家業の都合もあり日々猛然と働くうちに、夢から遠のいていました。20歳になったときに「やはり美術の仕事に就きたい、自分の作りたいものを作れる道に進むしかない」と決意し、金属装身具制作の仕事に就きました。電話帳をめくっては電話をかけ、ようやく師となる岡村光也氏に出会えた。どうしてもここで働きたいとお願いして採用されました。鉛筆を削るテストなんかもありましたね(笑)。ー美術を一時は離れ、再び美術に立ち返った首藤さんがジュエリーに魅了されたのは何故でしょう?やはりジュエリーしかないと感じたのは、師匠である岡村氏の仕事ぶりや作品を見た時です。ー師との出会い、貴金属装身具制作の仕事は現在に大きな影響をもたらしているのですね。では、首藤さんの考えるジュエリーとは?流行に押されて同じようなものが大量生産され消費されてゆく、ジュエリーというのはそのような商業的なものではないと思っています。大切なのは身につける人の「その人らしさ」を表現すること。師である岡村氏から学んだことは「最後に笑顔になることをイメージしてつくる」という、作品に思いを込める大切さです。ジュエリーには、その人らしさを発揮させる力があると学びました。ーまさしく笑顔を引き出す作品ばかりです。これらを生み出すインスピレーションというのはどこからくるのでしょうか?生まれ育った熊本県阿蘇の大自然が原風景でしょうか。子どもの頃の景色を思い出して湧いてきたイメージを描きとめています。細かく見すぎないほうが思ったままを容にできる。たとえば動物なら、しぐさや表情は頭の中のイメージから直接デッサンに起こし制作しています。心がけているのは「優しさ」「品のよさ」「おしとやかさ」などが漂うようにということでしょうか。ー植物や動物の自然の営みを表した「ピクチャーシリーズ」や、貴石が煌めく「デコラティヴジュエリー」、アンティークな魅力の「クラシックジュエリー」など、趣向は違えどもすべての作品に通じる美しさがあります。首藤さんが考える美しさとは?どの作品でも根底にあるテーマは「静から動へ」。静止しているものが動き出すときの躍動感、放たれるエネルギーを表現し、見た人にそれを感じてもらう作品を作りたいと思っています。古くから使われる伝統技巧も用いますが、それは宝石をいかに美しく見せるかという方法を追求していくと自然と古代の技法に戻ってしまうから。やはり数千年にも渡り続いてきた技法は理にかなっているのだと思います。ただ、現代ならではの制約もあり、たとえば「プリカジュール」の葉の透け感を表すための七宝は、薄さを追求すると気泡が目立ち濁って見えてしまう。なのに、どうしてルネ・ラリックの作品はあんなに透き通って美しいのかと調べたら、現在では使用できない薬品が使われていました。そんな制約のある中で現代の技術、技巧を最大に生かした作品づくりに挑戦することも大切にしています。ー先日、生涯に一度だという個展「首藤治展~静から動への軌跡~」がイセタンサローネで開催されました(現在は終了)。いま、このタイミングで個展を行った気持ちはどんなものでしたか?いつかは個展を開きたいという気持ちでいました。ただ、商業的な個展を何度もやるものではないという考えもあり、一生に一度、自分の道が定まったときに行いたいという思いもありました。20歳でこの道に入って40年、還暦という区切りもありましたね。昔の作品を振り返ると、それぞれ満足ではありますが、今ならこうするとか、やりすぎたところや足りないところが見えてくるものです。ー首藤さんの工房では若手職人の育成にも力を注がれています。どのような思いでお弟子さん達と向き合っているのでしょう?若手育成というと大仰ですが、「全てを隠さず教えよう」というのが私の考えです。見て覚える昔の時代なら習得まで10年かかったことも、いまのように説明しながら教えれば3年でできるようになるでしょう。しかし、何より大切なのは技術と同時に「心」も教えることです。技術が成熟していても、心のないジュエリーは、“作っては売る商業的なジュエリー”と同じで人の心にも手元にも残りません。「心」を教えることを意識しながら、弟子達の目線にまで降りて一緒に「どう感じるか」を考えています。優しく、時には厳しく「飴、飴、鞭」で接しています(笑)。ー最高峰の技術を持ちながら、次の世代の職人に技や心を伝えようという熱意はどこから湧いて来るのでしょう?私自身、師の教えから現在の基礎をつくり、その後2代目の元から独立していつか認められるまで頑張ろうとしてきました。続けるうちにようやく、師匠がやりたかったこと、言いたかったことが分かるようになった。若い職人達も育ってきて、今はチームでスクラムを組んで作品作りに向き合っている状態です。私が彼らと共に、世に作品を出すことでその教えを繋いでいけると思っています。そして、若い職人達にも技術と心が生み出す「これだ!」という表現を身につけてほしいと願っています。【プロフィール】首藤 治(しゅどう おさむ)1955年熊本県生まれ。1975年より故・岡村光也氏に従事。1984年に国家技能検定一級技能士を取得し1986年名古屋にジュエリークラフトシュドウ開業。その後も第12回一級技能士全国大会「技能グランプリ」金メダル及び労働大臣賞受賞や卓越技能者表彰(現代の名工)など数々の受賞歴がある。2015年秋の黄綬褒章受章。アイビーファッションVANのコレクターという一面のほか、幼少期から犬や鳩、カエルなどを飼う動物好き。現在の愛犬はペコちゃんとゴマちゃん
2015年12月16日この秋、黄綬褒章を受章した現代の名工・首藤治氏が自身の還暦を記念し、六本木・東京ミッドタウン内にあるイセタンサローネで2日から8日まで個展を行う。「還暦の年に生涯に一度の個展をしたいと長年考えていた」という首藤氏。この個展を「首藤治展ー静から動への軌跡ー」と題し、新作17点に加え、個人蔵の作品も含めたアーカイブ作品29点を展示及び一部販売する。首藤氏は日本のハイジュエリーブランドの逸品を多く手がける、知る人ぞ知る現代の名工であり、作品を長年待ち続けるファンも多い。国家技能検定一級技能士でもあり、「技能グランプリ」全国大会での金メダル・大臣賞受賞という圧倒的な技術力を誇る。その作品は、流れるような葉のモチーフなど自然の営みをモチーフにした「ピクチャーシリーズ」、細かなパーツを一つ一つ組み立てる楽器シリーズ、愛らしい表情の動物をモチーフにしたものなど多岐に渡る。宝石や地金といった素材のもつ輝きを引き出しつつ、細やかな表情を導く精巧なつくりは、首藤氏以外では実現できないといわれるほど。緻密で技術が詰まる崇高な美術品でありながらもどこか優しく、首藤氏の想いや人柄が伝わる。同展では、実際に購入できる作品の他、個人蔵の作品もオーナーから借り受けて展示。約50点が一同に会する初の大型展示会であり、首藤氏が還暦を迎えた節目となる今、これまでの軌跡を辿るという趣向。首藤氏が美意識をつきつめたコレクションの数々は、一見する価値あり。ジャパニーズジュエリーの細やかな手仕事の魅力を存分に味わえるこの機会にぜひ足を運んでほしい。同時期イセタンサローネでは、フランク ミュラー(FRANCK MULLER)が手がけるテーブルウェアコレクション「フランク ミュラー フューチャーホーム」や、クロエ(Chloe)のクリスマスエクスクルーシブコレクションなど、ホリデーシーズンを華やかに彩る企画が目白押し。美しいものに包まれた空間で贅沢な気分に浸るのはいかがだろう。【イベント情報】「首藤治展ー静から動への軌跡ー」会場:東京ミッドタウンイセタンサローネ2階住所:東京都港区赤坂9丁目7番4号 東京ミッドタウン・ガレリア1階・2階会期:12月2日から8日営業時間:11:00~21:00
2015年12月01日オサムグッズを生み出したイラストレーターの原田治によるエキシビジョン「OSAMU GOODS TRIBUTE」が、8月28日から9月16日まで東京・原宿のトーキョー カルチャート by ビームスにて開催される。80年代から90年代に日本中のティーンエイジャーから絶大な人気を集めたオサムグッズ。弁当箱やマグカップ、バッグ、傘、キーリングなど、シンプルな線で描かれたユーモラスなキャラクターが描かれた様々なアイテムが展開されていた。同イベントでは、古き良きアメリカへの憧憬が反映されたレトロなデザインの空間に、過去のアーカイブからピックアップされた貴重なオサムグッズの数々を紹介。同時に、イラストレーションなど平面作品も展示される。また、原田治に影響を受けた、または原田作品のファンであったデザイナーやイラストレーターによる“原田治リスペクトTシャツ”も販売される。その他、8月28日の18時から20時までは、作家を招いたレセプションパーティーを開催。9月13日の15時から17時までは、原田治本人に加え、「Groovisions」の伊藤弘と「OVERHEAT MUSIC」の石井志津男を交えたトークセッションも行われる。【イベント情報】「OSAMU GOODS TRIBUTE」会場:トーキョー カルチャート by ビームス住所:東京都渋谷区神宮前3-24-7 3階会期:8月28日~9月16日時間:11:00~20:00(最終日は18:00まで)休館日:木曜日入場無料
2015年08月17日ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)によるプロデュース企画「KERA・MAP」が7年ぶりに始動、太宰治の未完小説『グッド・バイ』を舞台化する。入水自殺によって絶筆となってしまった太宰の作品のその先を、KERAはいかに綴っていくのか。また、主人公の田島を演じる仲村トオルと、彼の妻を偽るキヌ子役の小池栄子は、KERAにどう応えていくのか。ビジュアル撮影の現場に潜入して、舞台『グッドバイ』の構想を探った。KERA・MAP『グッドバイ』チケット情報物語の舞台は戦後の昭和。雑誌編集の傍ら闇商売で儲け、10人もの愛人を抱える田島が、田舎に暮らす妻子を呼び寄せるため、キヌ子を偽の妻に仕立てて、愛人たちと別れようとするところから話は始まる。ビジュアル撮影では和服姿で登場した仲村。どこか色っぽさが漂うその姿に、小池は「愛人がいるのも納得(笑)」と絶賛する。一方、小池が演じるキヌ子は、絶世の美女でありながら怪力で強欲で大食漢という役どころ。底力を感じさせるモンペ姿の小池に、仲村もまた、「キヌ子のイメージ通り」と太鼓判を押す。KERAがイメージしたビジュアルは、昭和を静かにリアルに切り取った植田正治のモノクロ写真。仲村と小池はその世界に違和感なく溶け込んでいた。KERAが『グッド・バイ』の舞台化を思いついたのは、「小説で描かれているのは、これから愛人一人ひとりと別れていくという冒頭の部分のみ。これはまさに秀逸なシチュエーション・コメディの設定だと思った」からだという。実際この小説には、退廃的な匂いのするそれまでの作品とは異なり、ユーモラスな描写も多い。「『人間失格』のあとでこんな軽やかな作品を書き、途中でやめて死んだという不可解さも、書いていくうちに深く追求したくなるかもしれませんけど、とにかく今回は、このお膳立ての上で、スピード感ある軽いコメディをやりたいと思っているんです」。そのコメディの真ん中に立つ仲村は、女たちに振り回されることになる。「KERAさんが僕のなかに、愚かで、振り回されるという部分を見ているんだと思いますが(笑)。今回も、僕という素材の新しい使い方を発見してもらえたらいいなと思っています」。そして、振り回す女を演じる小池。「キヌ子っていう名前がまずいいし(笑)、本音をズバッと言える面白い女なんです。きっとみんな舞台上でのたうち回ることになると思うので、面白おかしく見ていただければ」。太宰が、KERAが、味わい深い役者たちが見せる喜劇。軽やかさのなかにこそ真実が見えるかもしれない。公演は9月12日(土)から27日(日)まで東京・世田谷パブリックシアター、10月10日(土)・11日(日)大阪・シアターBRAVA!、10月17日(土)・18日(日)KAAT 神奈川芸術劇場 ホールにて。チケットの一般発売は東京・大阪公演が7月5日(日)午前10時より。なお、チケットぴあでは大阪公演のインターネット先行を実施中、神奈川公演のインターネット先行は7月4日(土)午前11時より。取材・文:大内弓子
2015年07月03日ストラタシスはこのほど、Volvo Trucksがフランス・リヨンのエンジン生産工場に同社のFortus 3Dプロダクションシステムを導入し、生産用治具の製造時間を短縮することに成功したと発表した。Volvo Trucksではこれまで、金属製の治具の設計と製造に36日間要していたが、Fortus 3Dプロダクションシステムで熱可塑性プラスチックABSplusを用いることで、それを2日間まで短縮した。これにより、工場全体の効率性と融通性も向上しただけでなく、設計変更が容易となったことによる廃棄物量の減少、コストの削減などの効果が得られた。コストについては、同じ品目を金属で製造した場合100ユーロ/cm3かかっていたのに対し、ABSplusの場合最小で1ユーロ/cm3で済む計算だという。また、信頼性についてVolvo Trucksは「我々は重工業部門なので、当然、信頼性が重要です。現在までのところ、我々が3Dプリンティングで製造した部品はすべて、100%目的にかなっています」としている。ストラタシスは「Volvo Trucksの例で分かるように、治具やワークサポート装置の製造に積層造形技術を採用することは、生産プロセスの効率を向上させる信頼性の高いソリューションです」とコメントしている。
2015年03月30日映画『クレヨンしんちゃん』シリーズの傑作を集めたオールナイト上映会が、3月28日に東京・池袋の新文芸坐で開催され、野原ひろし役の藤原啓治と原恵一監督が出演することが明らかになった。新文芸坐では、定期的にアニメ雑誌『アニメスタイル』との共同企画でアニメ作品をセレクトしたオールナイト上映会を開催。上映前にはクリエイターや出演者によるトークイベントも実施され、合わせて見どころとなっている。3月28日のオールナイト上映は、映画『クレヨンしんちゃん』の傑作選で、主人公の野原しんのすけの父親である野原ひろしにスポットをあてたプログラム。上映作品は、野原一家の活躍を描いた娯楽大作の第5作『クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡』(1997年公開)、名作として高く評価されている第9作『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』(2001年公開)、昨年公開の最新作でひろしがロボットになってしまう第22作『クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』(2014年公開)の3本。さらに歴代映画『クレヨンしんちゃん』の予告編大会も予定されている。トークの出演者は、野原ひろし役の藤原啓治と、上映作品の「暗黒タマタマ大追跡」「オトナ帝国の逆襲」を手がけ、新作アニメ映画『百日紅』の公開を控えた原恵一監督。トークは藤原がメインとなり、原監督が藤原啓治に質問をする形で進んでいくという。上映会の前売り券は3月4日よりチケットぴあ、新文芸坐窓口で発売開始。(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2014
2015年03月03日CLASKA Gallery & Shop "DO" 本店では1月25日まで、企画展「西川治が世界で集めた食器バザール」を開催している。○西川治氏が収集した、古今東西の食器が集合同展は、写真家、文筆家、画家、そして料理人として、テレビ・雑誌などで活躍する西川治氏が、これまで50年に渡り世界各地で集めてきた食器を一大放出する、期間限定の大食器バザール。会場には、古伊万里の大皿から現代作家もの、アジア、ヨーロッパの食器まで、白磁あり、色絵あり、塗りモノありと古今東西の食器が集合。器好きならずとも楽しめること間違いなしの企画展となっているという。開催日時は、1月21日~25日 11時~19時。会場は、CLASKA Gallery & Shop "DO" 本店(東京都目黒区中央町1-3-18)。また、1月24日 15時~16時には、トークイベント・西川治×日野明子「世界で集めた大皿と料理」を開催。参加無料で、定員は30名となる。
2015年01月23日エードットはこのほど、MUGENと共同で、東京都千代田区の新東京ビルに"もったいない"魚を活用した飲食店「魚治」をオープンした。○"もったいない"を"おいしい"にするプロジェクトが始動同店は、「もったいないアクション」の第1弾。同プロジェクトでは、世の中に存在する、まだ食べられるのに捨てられてしまう"もったいない"食材を活用。同店は、東京中央卸売市場「築地市場」の"もったいない"を解決する飲食店となる。2012年度、同市場で、まだ食べることができる一般廃棄物は2万629トンとなっている。「規定より小さい・大きい、形が少し悪い」「漁や運送でついたほんの小さなキズがある」「獲れすぎ・旬から少しずれている」等の理由で、おいしく食べられる魚が年間数10億円の量で廃棄されているという。同店では同市場の仲卸、山治の全面協力を得て、"もったいない"魚の仕入れを行っていく、としている。所在地は、東京都千代田区丸の内3-3-1 新東京ビル地下1階。営業時間は、昼が11時~14時30分、夜は17時~23時30分となる。
2015年01月08日12月20日から2015年2月23日まで、森山大道写真展「Dazai」が開催される。展覧会タイトルの「ダザイ」とは、小説家・太宰治のこと。太宰は青森の富裕な一家に生まれ、小説家として活動したのは1933年から48年のわずか15年間。玉川上水に入水自殺して38年の一生を閉じた。この短い期間に歴史に刻む名作を生み出している。代表作は『人間失格』『斜陽』『津軽』『晩年』など。女性の告白体を得意とし、短編の名手として知られる。誕生日である6月19日には太宰が眠る三鷹・禅林寺にて彼を悼む「桜桃忌」が未だに開かれており、現代においてもその作品は色褪せない。写真家・森山大道も、彼に魅了された1人という。森山が太宰の小説と出合ったのは、中学生時代という。学校を厭い、ストリートを学び舎としていた多感な時期に、作品から受けた影響の大きさは計り知れない。時を経た今、森山は、「太宰の小説は、僕が嗅覚や視覚によって感知し、記憶した戦後のイメージとぴたり符号する」と語っている。結果、最新作となる写真集『Daido Moriyama: DAZAI』(マッチアンドカンパニー・MMMレーベル no.5、太宰治『ヴィヨンの妻』収録/5,000円)を刊行するに至り、同時にまた、森山が太宰へのオマージュとしてセレクトした、70年代から現在に至るまでのモノクローム作品約50点を展示する今回の企画が実現した。会場は、原宿のアートスペース「AM」。1月10日の15時から16時まで、森山大道のサイン会も予定されている。【イベント情報】森山大道写真展『DAZAI』会場:AM住所:東京都渋谷区神宮前6-33-14神宮ハイツ301/302会期:12月20日から2015年2月23日時間:13:00から19:00休廊日:月(最終日除く)・火曜日12月29日から1月6日入場無料
2014年12月15日太宰治の絶筆となった未完の小説『グッド・バイ』を、劇作家・演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下KERA)が脚本・演出を担当し舞台化することが決まった。KERA・MAP チケット情報太宰の遺作『グッド・バイ』は新聞連載を予定し13回分まで書いた時点で、自身が玉川上水での入水自殺を遂げ絶筆となった作品。その遺作をKERAが、7年ぶりに再始動する自身のプロデュース企画「KERA・MAP」の第6回公演『グッドバイ』として舞台化。仲村トオル、小池栄子の出演で2015年9月、東京・世田谷パブリックシアターで上演する。妻子を田舎に残し、単身東京に暮らす男、田島周二が主人公。雑誌編集者という体裁の裏で、闇商売でしこたま儲け、10人もの愛人を抱えているという不埒な男。しかし一転、田舎の妻子を呼び寄せて…という里心に近い気持ちが起こり、女たちと別れようと試みる…。小説の文体は軽やかでシニカル、ユーモラスな会話や描写が、その後の物語の展開を大きく期待させる。この未完の作品を、絶妙な会話劇の名手と言われるKERAがどのように舞台化するのか。KERAは舞台化にあたり、次のようなコメントを寄せている。「第二期KERA・MAP」の始動である。似た名前のユニットがあるらしいが、きっと偶然に違いない。第二期第一弾として、太宰治未完の絶筆「グッド・バイ」を、ナカグロ抜きの「グッドバイ」として舞台化する。「未完」といっても、ほとんど物語の導入しか書かれていない小説だ。太宰にさほど興味のない私だが、どうしてあんなペシミストが、最期にこんな軽くユーモラスな作品に取り組んだのかが、ずっと興味深かった。導入部のあとは私が書く。「ヘナチョコな色男田島(仲村)と怪力傲慢な美女キヌ子(小池)。そして沢山の田島の愛人」。軽妙酒脱な喜劇には格好の御膳立てと思われ、今回私はこれを、スクリューボールコメディとして成立させようと試みる。どうか御期待頂きたい」キャストには仲村、小池をはじめ、水野美紀、夏帆、門脇麦、町田マリー、緒川たまき、 萩原聖人、池谷のぶえ、野間口徹、山崎一といった実力派強力キャストが勢揃い。仲村のKERA作品への参加は、『黴菌』(2010年)、『夕空はれて ~よくかきくうきゃく~』(2014年12月)に続き、舞台では今作品が3作目。また来年1月からスタートする、KERA脚本・監督のTVドラマ『怪奇恋愛作戦』の出演も控えるなど、近年、KERA主宰の劇団「ナイロン100℃」の劇団員並のハイペースでKERA作品に出演を重ねており、KERAの信頼度が伺える。その信頼に応えて仲村は「「夏はドラマ(『怪奇恋愛作戦』)の撮影、そして今は舞台(『夕空はれて~よくかきくうきゃく』)の本番中。今年の大半は KERAさんの演出を受けていました。つまり夏以降は、俺、ほぼナイロン?のような…。来年の『グッドバイ』はまだかなり遠い話のような気がしますが、KERAさんに『これでさよなら』と言われないように、千秋楽の幕が降りる前にお客さんからは 『グッドバイと言わないで!』と言われるように頑張ります」とコメントしている。
2014年12月01日青森県五所川原市金木町の芦野公園で、太宰治の誕生日を記念する「太宰治生誕祭」が、6月19日(水)に開催される。同イベントは、五所川原市金木町出身の作家・太宰治(本名・津島修治)が文学界に残した業績をたたえるとともに、その生誕を「太宰文学」の愛好者とともに祝うため毎年行われている。当日の午前中には、太宰作品の朗読が行われるほか、太宰の好物”サクランボ”の献上、五所川原市内の団体による「太宰碑」、「太宰治鎮魂歌」、「走れメロス」の合唱などを実施。午後からは「太宰治を語る昼食会」を行うとのこと。開催時間は10時30分~13時まで。代表的な作品には、処刑されるのを承知の上で、命をかけて友情を守ったメロスの物語「走れメロス」のほか、津軽の地理や人々を描いた「津軽」、没落貴族を描いた「斜陽」、太宰最後の完結作「人間失格」などがある。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年06月18日作家志望の青年と、文豪の幽霊たちが繰り広げる騒動を描いた公開中の映画『ゴーストライターホテル』。本作に太宰治役で出演したお笑いコンビのフルーツポンチ・村上健志からコメント動画が届いた。本作は、一度も小説を書き上げたことのない作家志望の青年が、アルバイト先のホテルに住みつく夏目漱石や太宰治など、文豪の幽霊たちと協力しあって文学賞を目指す物語。主演は阿部力で、世界のナベアツをはじめ、ケンドーコバヤシ、カンニング竹山などのお笑い芸人が文豪になりきって登場する。太宰役といえば、これまでに映画や舞台、ドラマで名だたる俳優が演じてきたが、本作で村上は映画初出演にして太宰役に大抜擢。コメント動画で村上は、太宰役を演じるにあたり、「ピースの又吉さんが太宰のことめっちゃ好きなんで、演じる前に又吉さんにちゃんとあいさつしに行きました」と振り返り、役の仕上がりについて「いい感じのキャスティングだったんじゃないかな。風貌とか似てますしね」と自身の演技に自信たっぷりの様子。しかし、撮影現場ではキャストに芸人が多かったため、演技をするのが恥ずかしかったそうで「これを機にまた映画に出たい。自分が主演の恋愛映画がいいな」と次回作出演への意欲を見せている。
2012年03月19日1991年、大阪・東海大仰星高校1年1組のクラスメイトだった3名のトップアスリート、上原浩治(MLBテキサス・レンジャーズ)、大畑大介(元ラグビー日本代表)、建山義紀(MLBテキサス・レンジャーズ)が1月12日、東京・なかのZERO大ホールに集結。「ぴあトークバトルスポーツ快楽主義vol.74新春スペシャル~僕らがラグビー、ベースボールから学んだこと~」の開催に先立ってプレス懇親会が行われ、2012年への意気込みを語った。上原、建山、大畑の写真昨年現役を引退し、現在「神戸製鋼コベルコスティーラーズ・アンバサダー」を務める大畑が、「メディア、講演などさまざまな機会でラグビーを広めるために尽力します。メジャーで活躍する同級生二人の応援、あるいは取材という形でぜひ渡米したい」と口火を切ると、現役メジャーリーガーの建山、上原も今シーズンに賭ける思いを表明。建山は「野球に100パーセント力を注ぎます。大畑にアメリカで取材してもらえるよう、何が何でもメジャーにしがみつく」。上原は「昨年のプレーオフのことは振り返らず、完全に気持ちを入れ替えて4月から飛ばしていきたい」と語った。記者から「3人でやってみたい仕事は?」との質問には、そろって「いっしょにコマーシャルに出てみたい」と返答。建山が「あきらめの悪い男が泥まみれになってやっているシーンなんかいいのでは」と言うと、上原は「ビールやドリンク系がええやん」、大畑は「3人ともケガが多かったので、医療器具とか湿布薬も」と加えた。スポーツライター&キャスターの青島健太をホストに迎え、予定の2時間を超える熱き闘いとなった今回の「ぴあトークバトルスポーツ快楽主義」の模様は、日テレG+(CS放送)で2月10日(金)放送予定。なお、チケットぴあトークバトル特設ページでも2月24日(金)に公開予定。取材・文:宮崎俊哉(クルー)
2012年01月13日