「ぴあ」調査による2016年7月29日、30日のぴあ映画初日満足度ランキングは、老夫婦のつつましくも愛にあふれた日常を捉えたドキュメンタリー『あなた、その川を渡らないで』がトップに輝いた。2位に前人未到の挑戦を実話を基に描いたヒューマン・ドラマ『ヒマラヤ~地上8000メートルの絆~』、3位に『ヱヴァンゲリヲン』シリーズの庵野秀明が総監督を務めた『シン・ゴジラ』が入った。その他の写真1位の『あなた、その川を渡らないで』は、小さな村で暮らす98歳のおじいさんと89歳のおばあさんの愛情あふれる日々を丁寧に映し出した作品。おそろいの洋服を着て手をつなぎ、山や市場へと出かけるふたりの日常や、互いの健康や周囲の出来事に心を悩ませる姿を描き出していく。本作は2014年に韓国で公開されるとたちまち口コミが広がり、480万人を動員する大ヒットを記録。さらに世界各国の映画祭でも観客賞を多く受賞するなど注目されたが、日本の観客からも「点数を付けられないくらい感動。言葉が見つからない」「涙がおさえられなかった」「愛の素晴らしさを感じた」「自分も今後どう生きていくか考えさせられた」などの声があがった。2位の『ヒマラヤ…』は、死んだ仲間の亡骸を探すため、記録には残らない過酷な遠征を行った“ヒューマン遠征隊”の軌跡を描いたドラマ。観客は、「登山家の友情や絆を感じられた」「仲間を思う言動にぐっときた」などの声が聞かれた。また「待っている家族の辛さが伝わった」「(仲間を助けに行きたい一方で)断ってしまう人の気持ちもわかる」「仲間のために諦めなければならないことがある」といったコメントも寄せられており、極限状態に置かれた人間だけでなく、それを取り巻く人々のドラマも高い評価を集めたようだ。(本ランキングは、7/29(金)、30(土)に公開された新作映画7本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2016年08月01日9月に開催される第38回PFFぴあフィルムフェスティバルのオープニングとクロージング作品が発表になった。クロージングでは、カンヌ映画祭のある視点部門で審査員賞を受賞した深田晃司監督の『淵に立つ』が公開に先がけ先行上映される。その他の画像オープニングは大ホールで、『PFF講座シリーズ 映画のコツ~こうすればもっと映画が輝く~』と題して、『エミアビのはじまりとはじまり』でタッグを組んだ渡辺謙作監督、前野朋哉、森岡龍の3人が登壇し、映画を志す人や映画ファンに向けて、トークイベントを行う。参考作品として渡辺監督の映画初参加となった鈴木清順監督の『夢二』を上映し、“演出と演技”をテーマに3人が対談する。続いて小ホールでは、『おそいひと』『堀川中立売』で注目を集める柴田剛監督の最新作『ギ・あいうえおス 他山の石を以って己の玉を磨くべし』を日本初上映。上映後には柴田監督のトークイベントが行われる。クロージング作品『淵に立つ』の上映時には深田監督とキャストによる舞台あいさつも予定されている。なお第38回PFF最終日の9月23日(金)は、コンペティション部門“PFFアワード2016”各賞発表の表彰式と、グランプリ受賞作品の上映が行われる。チケットはチケットぴあにて、プレリザーブ(先行抽選)が8月8日(月)より受付開始。一般発売は、13日(土)から開始される。第38回PFFぴあフィルムフェスティバル9月10日(土)から23日(金)まで東京国立近代美術館フィルムセンター(月曜休館)10月29日(土)から11月4日(金) まで京都シネマ11月3日(木・祝)から6日(日) まで神戸アートビレッジセンター11月11日(金)から13日(日) まで愛知芸術文化センター2017年4月福岡市総合図書館
2016年08月01日2016年7月30日、31日の全国映画動員ランキングは、国内シリーズ12年ぶりとなる新作『シン・ゴジラ』(全国348館)が初登場で首位に立った。本作は2Dのほか、IMAX、MX4Dなどで上映されている。その他の画像『シン・ゴジラ』は、『エヴァンゲリオン』シリーズの庵野秀明が脚本・総監督を、実写版『進撃の巨人』の樋口真嗣が監督・特技監督を務め、長谷川博己、竹野内豊、石原さとみら豪華キャストが出演している。2位は先週と変わらず『ファインディング・ドリー』(全国362館)。3位は『ONE PIECE FILM GOLD』(全国346館)。初登場4位に『ターザン:REBORN』(全国306館)が入った。そのほか『それいけ!アンパンマンおもちゃの星のナンダとルンダ』(全国185館)が、順位を上げて9位につけている。全国映画動員ランキングトップ10(興行通信社調べ)1位『シン・ゴジラ』2位『ファインディング・ドリー』3位『ONE PIECE FILM GOLD』4位『ターザン:REBORN』5位『ポケモン・ザ・ムービーXY&Z「ボルケニオンと機巧(からくり)のマギアナ」』6位『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』7位『HiGH&LOW THE MOVIE』8位『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』9位『それいけ!アンパンマンおもちゃの星のナンダとルンダ』10位『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』
2016年08月01日『リトル・ミス・サンシャイン』『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』のポール・ダノが、監督デビューを果たすことになった。作品は1990年に出版された小説の映画化『Wildfire』。主人公はティーンエイジャーの男の子。家族とともにモンタナに引っ越した頃から、両親の関係が崩れ始める。その他の情報脚本は、ダノと恋人のゾーイ・カザンが共同執筆。ダノとカザンは、カザンが脚本を書いた『ルビー・スパークス』で共演したが、今作には、ダノもカザンも映画に出演はしない模様だ。ダノは最近、『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』や『グランドフィナーレ』などに出演。また、BBCが放映した4回からなるミニシリーズ『戦争と平和』にも出演している。現在は、ポン・ジュノ監督の『Okja』を撮影中。共演はリリー・コリンズ、ジェイク・ギレンホール、ティルダ・スウィントン。文:猿渡由紀
2016年08月01日8月11日(木・祝)公開の映画『ペット』と同時上映される短編アニメーション『ミニオンズ:アルバイト大作戦』の新たな予告映像が解禁になった。相変わらずマイペースすぎる彼らのハチャメチャぶりと黄色いおしりに、思わず笑みがこぼれる内容になっている。『ミニオンズ:アルバイト大作戦』』/予告映像が解禁バナナが大好きな謎の生物ミニオンは、本作でお小遣い稼ぎのためにガーデニングサービスのアルバイトに挑戦する。しかし、いつでもどこでもハプニングを起こしてきたミニオンたちは、ここでもちょっとした騒動になってしまう。新たな予告映像では、芝刈り機やホウキ、ブロワ―を使って仕事をしている(?)ミニオンたちが登場する。彼は無事にアルバイトをやり遂げることができるのか? そもそもミニオンたちがお小遣いで買いたいものとは何か? アルバイト大作戦はどんな結末を迎えるのか? 想像のふくらむ展開になっている。『ペット』同時上映『ミニオンズ:アルバイト大作戦』8月11日(木・祝)全国ロードショー
2016年07月29日90年代に放映され、人気を集めたSFドラマ『バビロン5』にレギュラー出演したジェリー・ドイルが亡くなった。60歳だった。その他の情報ラスベガスの自宅で息を失っているのが発見された。死因はまだ解明されていない。ドイルはニューヨーク生まれ。パイロット、ストックブローカーなどを経て、30代で俳優に転向。『バビロン5』に5シーズン出演したほか、ブルース・ウィリスのコメディ番組『こちらブルームーン探偵社』『ビバリーヒルズ青春白書』『NYPD BLUE~ニューヨーク市警15分署』などにゲスト出演した。1995年に『バビロン5』の共演者アンドレア・トンプソンと結婚するが、2年で離婚。その後、再婚はしていない。トンプソンの間に、子供がひとりいる。文:猿渡由紀
2016年07月29日庵野秀明が総監督を務め、12年ぶりに日本で製作された『ゴジラ』シリーズ最新作『シン・ゴジラ』が7月29日、全国441スクリーンで封切られた。同日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで初日舞台あいさつが行われ、狂言師の野村萬斎がモーションキャプチャの技術を駆使し、劇中のゴジラを“演じている”ことが明らかに。撮影は昨年夏に行われ、萬斎の出演はこれまで極秘扱いだった。その他の写真ビデオメッセージを寄せた萬斎は「狂言650年のDNAを引き継ぐ私が、ゴジラというDNAを継承しております。嬉しいですし、光栄です」とコメント。シリーズ最大となる全長118.5メートルのゴジラを演じるにあたり、「狂言や能の様式美を意識されたんだと思う。どっしりとゆっくりした動きの中で表現したいと思った」といい、「神なのか、罪(SIN)を負うものなのか、深いゴジラというものの存在感が、とても引き込まれました」と話していた。舞台あいさつには長谷川博己、竹野内豊、石原さとみ、高良健吾、樋口真嗣監督が登壇し、「霊的ともいえるゴジラは、まさに萬斎さんの動き。メイド・イン・ジャパンを再確認させてくれる」(長谷川)、「(海外では)絶対にマネできない。見ていて嬉しくなるし、興奮しました」(竹野内)、「ただいるだけ、ただ歩くだけのゴジラを見て、切なくて苦しくなった」(石原)と“萬斎ゴジラ”に興奮しきり。樋口監督は『のぼうの城』で萬斎とタッグを組んでおり、「今回のゴジラはCGだが、器に魂を入れたいと思った。やはりゴジラは人が演じることで初めてゴジラになる。まさに新しいゴジラ」と強い自信を示した。『シン・ゴジラ』公開中取材・文・写真:内田 涼
2016年07月29日ジェイン・オースティンの名作に“ゾンビ”要素を足し、200万部を越えるベストセラーとなった人気小説を映画化する『高慢と偏見とゾンビ』が、9月30日(金)に公開されることが決まり、予告映像とポスタービジュアルが解禁になった。解禁された予告映像オースティンが1813年に発表した小説『高慢と偏見』は、18世紀イギリスの片田舎を舞台に、誤解と偏見から起こる恋のすれ違いを綴った物語で、恋愛小説の金字塔と称賛され、近年ではキーラ・ナイトレイが主演した『プライドと偏見』など、これまでに何度も映像化されきた。本作は、小説の舞台を謎のウィルスに感染した終末世界に置き換えるという大胆な試みで注目を集めたオースティンとセス・グレアム=スミスによる著書を映画化するもの。予告映像では、18世紀イギリスの片田舎で暮らすベネット家の5人姉妹という設定はそのままだが、謎のウィルスが蔓延し、感染したものはゾンビとなって人々に襲いかかるという要素が加わり、得意のカンフーでゾンビと戦う日々を送りながらも裕福な人との結婚を夢見ている姉妹たちの姿が登場する。主人公のベネット家の次女エリザベスを演じるのはリリー・ジェームズ(『シンデレラ』)。エリザベスとすれ違いながらも惹かれあう大富豪の騎士ダーシー役は、サム・ライリー(『マレフィセント』)。そのほかジャック・ヒューストン、ベラ・ヒースコート、ダグラス・ブース、マット・スミスら若手から重鎮まで多彩な英国俳優が集結。『セブンティーン・アゲイン』のバー・スティアーズが監督・脚本を手がけている。中世・イギリスの紳士淑女たちが真実の愛を求めるラブロマンスに“ゾンビ”が登場するとどのような化学反応が起こるのか? 公開が楽しみになる予告映像になっている。『高慢と偏見とゾンビ』9月30日(金)よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国ロードショー
2016年07月29日テレビで、ここまで知的なことができたのか。昨年アメリカで放映が開始された『MR. ROBOT/ミスター・ロボット』は、テクノロジーや経済に触れる時事的な要素、細かいところまで考え尽くされた筋書き、新鮮で魅力的なキャスティングで、社会現象にまでなった。今年1月のゴールデン・グローブ賞は、TVドラマ部門と助演男優部門で受賞。9月のエミー賞にも6部門でノミネートされている。その他の写真このドラマの大成功で突然スターの仲間入りをしたのが、主人公エリオットを演じるラミ・マレク。昼間はサイバーセキュリティの会社に勤め、夜はハッカーとして活動する彼は、鬱に悩み、社交性が大きく欠如している。そんな彼が、ある秘密の革命運動に巻き込まれていくのだ。「脚本を読んだ時、『大胆だなあ。本当にこういうのを作ろうとしているのかな?』と思った。次に、『まさかね。やっぱり実現は無理だった、ってなるんだろう』と思ったよ。幸運にもUSAネットワーク(アメリカのケーブルチャンネル)がゴーサインを出してくれた。第1話を撮っている時にも、僕は、このドラマはすごく特別になると感じたけど、見てくれる人がいるかどうかは疑問だった。うれしいことに、人々の反響は、すぐに伝わってきたよ。そして、このドラマは、ただ娯楽を与えるだけじゃなくて、人々にさまざまなことを考えさせるものなんだと、あらためて実感したんだ」舞台はニューヨーク。外ロケも多い。番組がヒットするにつれ、街でファンに声をかけられることも多くなった。「(双子の)弟と一緒の時に誰かが声をかけてくると、弟が、『こいつはエリオットだぞ。近寄ると怖いぞ』と脅したりする(笑)。あるいは、『もしかして、今ここで、あの番組を撮影しているのかな』と、カメラやクルーがどこかにいるか、見渡す人もいるね(笑)」第1シーズンの盛り上がりに自信をもったUSAネットワークは、第2シーズンを全話いっぺんに撮るという、テレビ界ではありえない撮影をすることに決めた。経済的な効率は良いが、同じ日に第3話と第8話のシーンを撮ったりするのだから、演じるほうにとっては、かなり大変なことだ。「第2シーズンでは、いろんなことが明らかになる。この革命の発想がどこから来たのかなどね。ほかにも数々の答を見つけることができるよ」『MR.ROBOT/ミスター・ロボット』シーズン1Amazonプライム・ビデオにて見放題独占配信中シーズン2本日よりAmazonプライム・ビデオにて見放題独占配信取材・文:猿渡由紀
2016年07月29日1982年製作の名作『ブレードランナー』の続編が、来年11月に日本で公開されることが決定し、コンセプト・アートが公開になった。前作に続いてハリソン・フォードが出演し、『プリズナーズ』『ボーダーライン』のドゥニ・ヴィルヌーヴが監督を務める。その他の情報『ブレードランナー』は近未来を舞台に、過酷な労働に従事するために誕生するも、人間に反旗を翻すようになった人造人間“レプリカント”を逮捕・処刑する捜査官“ブレードランナー”のデッカードを主人公にしたSF大作。フィリップ・K・ディックの小説を基に製作され、斬新な映像や未来観、単なるアクション映画に終わらない重厚なドラマは後続の作品群に大きな影響を与えた。さらに劇中に登場する描写やセリフは、繰り返し観賞した熱狂的なファンによって検証、研究され、日本での劇場公開時のバージョンとは異なる版(ワーク・プリント版、アメリカ公開版、ディレクターズ・カット、ファイナル・カット)が登場する度に大きな話題になった。現在も熱狂的なファンを世界中にかかえる『ブレードランナー』の続編のウワサはこれまでに繰り返しのぼり、前作の続きの設定の書籍が発行されるなど、注目を集めては実現には至らないまま30余年が過ぎた。しかし、ヴィルヌーヴ監督のメガホンでついに続編の製作が本格的に始動。前作の脚色を手がけたハンプトン・ファンチャーとマイケル・グリーンが、ディックの小説の世界観を踏襲し、前作から数十年後の物語を執筆したという。前作に続いてフォードがリック・デッカードを演じるほか、ライアン・ゴズリング、ロビン・ライトが出演。前作を監督したリドリー・スコットが製作総指揮を務める。公開時にケベック州の映画館で『ブレードランナー』を観たというヴィルヌーヴ監督は「あの音楽、2019年のロサンゼルス、スモッグ、ダークな雰囲気。あの映画を見て、映画監督になりたいという思いが芽生えたんだ」とコメント。“金字塔”や“伝説的”とも称される作品の続編だけに、ファンの期待と不安は大きいが、30余年を経てついに登場する新作は、全世界から最大級の注目を集めることになりそうだ。今後、公開に向けてストーリーの概要や、新たなキャストなど、新情報が明らかになっていくことが予想される。
2016年07月29日8月10日(水)にデジタル配信がスタートし、同月24日にブルーレイやDVDが収録されたMovieNEXが発売になるディズニーの大ヒット作『ズートピア』の特別映像が公開になった。劇中に登場する魅力的なキャラクターを作り上げたスタッフが集まって、本作の製作秘話を語った貴重な映像だ。公開された特別映像『ズートピア』は、一人前の警官になることを夢見るウサギのジュディと、キツネの詐欺師ニックが、ズートピアの運命を左右する大事件の解明に挑む物語。全世界で大ヒットを飛ばし、日本でも愛らしいキャラクター、最後までワクワクできる物語、その背後にある深いメッセージが大きな反響を呼び、大ヒットを記録した。このほど公開になったのは、ジュディの声を演じたジェニファー・グッドウィンが案内役を務めるスタッフの対談映像だ。常に前向きで、夢に向かって決して諦めないウサギのジュディとグッドウィンの活き活きした声は見事にマッチしていたが、彼女は「演技の半分はアニメーターに託される」という。一方、本作に参加したアニメーターたちは対談の中で、グッドウィンや、ニックの声を演じたジェイゾン・ベイトマンの声がアニメーションを制作する上で大きな助けになったと語り、「あの声を聞けば、自然とニックの姿が浮かぶ」という。映画は、映像をつくるアニメーターたちと、声を演じるキャストが互いに良い影響を与え合いながら作られたようで、映像ではスタッフたちが本作を振り返る場面や、グッドウィンやベイトマンが声を収録している時の様子などもたっぷりと収録されている。『ズートピア』8月10日(水) デジタル先行配信開始8月24日(水) MovieNEX発売 4000円+税
2016年07月29日公開中のディズニー/ピクサー最新作『ファインディング・ドリー』では、短編『ひな鳥の冒険』が同時上映されている。なぜ、ピクサーは超大作の『…ドリー』を製作しながら、さらに短編も手がけたのだろうか?『ファインディング・ドリー』/その他の画像『ひな鳥の冒険』の主人公は、生まれて間もないシギで、初めて巣を出たひな鳥が迫ってくる波、初めての海岸線におびえながら、少しずつ環境に慣れ、成長を遂げていく姿を愛らしい表現を交えて描いている。監督を務めたアラン・バリラーロは、1997年からピクサーで活躍してきた精鋭スタッフのひとりで、アニメーターとして活躍する一方で、自分たちの映画づくりがより柔軟に進められるよう技術チームとタッグを組んで、アニメーション作製ツールの開発にも取り組んできた。そこでバリラーロは初監督作を手がけるにあたって“ストーリー”も“技術”も妥協しない映画づくりに挑んだ。しかし、新しい技術を投じて新しい短編をつくることは、手間も予算もかかる。プロデューサーのマーク・ソンドハイマーは「短編はお金が儲からないどころか、逆にお金を失うんだ」とハッキリ言う。しかし、彼は「ピクサーとジョン・ラセターは、短編を作ることにとてもコミットしている」と語る。なぜだろう? 「それはアランのような人々に、ストーリーを語り、学ぶ機会を与えるからだ。この映画の仕事をした多くの人々は、普段彼らがやっていることとは違うことをトライしてみる新しい機会を与えられた。それは、本当に僕らのためなんだ。アーティストが本当に学んで、成長するためにね」振り返れば、短編『晴れ ときどき くもり』を手がけたピーター・ソーンは後に『アーロと少年』を、短編『ワンマンバンド』を手がけたマーク・アンドリュースは後に『メリダとおそろしの森』を監督した。短編を制作する過程で彼らは多くを学び、長編映画を手がけるための“基盤”を築いたのだろう。訪れたスタジオ内には、現在もいくつかの作品の制作が進められており、まだここには書けない“あの作品”のイメージ画や、メモが飾ってあった。ピクサーの未来はいつも“映画を生み出す人”と共にあり、彼らはこれからも失敗を恐れずに挑戦し、新しい領域を開拓していくのではないだろうか。『ファインディング・ドリー』公開中
2016年07月28日ディズニーが企画中のライブアクション版『くるみ割り人形』の主演に、マッケンジー・フォイが決まった。フォイは、クリストファー・ノーランの『インターステラー』で、マシュー・マコノヒーの娘の幼い時代を演じて注目された。その他の情報正式なタイトルは『The Nutcracker and the Four Realms』。監督には、ラッセ・ハルストレム(『サイダーハウス・ルール』『ショコラ〈2000年〉』『HACHI 約束の犬』)が決まっている。フォイは『インターステラー』で放送映画批評家協会賞にノミネーションされた。最近はアニメ『リトルプリンス 星の王子さまと私』に声の出演もしている。同作品は、アメリカではもともとパラマウントが劇場公開する予定だったが、公開予定日直前に取りやめ、来月5日に、Netflixがストリームを開始する予定になっている。文:猿渡由紀
2016年07月28日「インテリアのセンスを高めるためにどうしたらいいでしょうか?」と時々聞かれることがあります。多くの人は子供時代、家族と実家に住んでいるので家具選びは親のセンスに左右されます。また学生時代や社会人になって一人暮らしを始めても、それほど住まいにお金をかけられず、実用的なものしか買わなかったという人も多いかもしれません。さらに結婚して子供ができれば、子供中心の生活とインテリアになりがちで、なかなか自分の理想の部屋について考える時間は少ないかもしれません。でも、インテリアセンスを少しずつ磨くことは、それほど難しいことではありません。意識すればお手本はそこかしこにあります。意識するかしないかだけの問題です。■映画に学ぶ、憧れのインテリア私のインテリアのお手本のお気に入りのひとつは「映画」です。映画の場合、作り手側に立って考えるとわかるのですが、とにかく背景となるインテリアは登場人物にリアリティを与えるためにとても重要なので、細心の注意をもって作り込まれています。もちろんインテリア雑誌も好きでよく読みますが、私はあまりきれい過ぎる部屋が好みではないので、新しい家具だけでコーディネートされた部屋にはいまいちピンと来ません。実際に人が住んでいるお部屋のサンプルが載っているページを見るのも好きなのですが、時々、お手本としてはリアルすぎる(生活感があふれ過ぎてしまう)場合もあります。映画はそのさじ加減が絶妙なのです。登場人物の人柄やライフスタイル、生き方をよりリアルに見せるため、架空の部屋でありながら、雑誌や写真集にはない、しっかり作り込まれたインテリアを見ることができるのが映画なのです。■マイク・ミルズ監督『人生はビギナーズ』インテリア的におすすめ映画はたくさんあるのですが、ぱっと今、私の頭に浮かぶ好みのインテリアは、マイク・ミルズ監督の「人生はビギナーズ」。マイク・ミルズという大好きなデザイナーが作った映画だけあって、主人公が父親と住んでいた家も彼の勤めるデザインオフィスの内装も、また乗っている愛車や飼っている犬種、彼が想いを寄せる女の子の服装まで、スタイリッシュで統一感があり、絶妙に力が抜けていて、とってもおしゃれ。ストーリーも感動的ですばらしく、何よりインテリアが素敵で参考になります。■ペドロ・アルモドバル監督『トーク・トゥー・ハー』またペドロ・アルモドバル監督の一連の作品のインテリアも好き。中でもお気に入りは「トーク・トゥー・ハー」。ヨーロッパのクラシックさと今どきのモダンさがミックスされた美しく理想的なインテリア。特にファブリックの使い方、窓から入る光、ベランダ、窓周りのたたずまいなど、緻密に計算されていて、いつか家を建てることになったらこんな風に窓辺にこだわったお部屋を作りたいと思わせてくれます。この映画は主人公がインテリア好きということもあり、本当にため息ものの美しさなのです。ほかにもたくさんありますが、映画はストーリーを追って観てしまう(洋画の場合、字幕を読む人が多いと思いますし)ので、背景となるインテリアにまで、意識が向かないという人は多いのではないでしょうか?私もそうなのですが、そんな人におすすめなのは、家で映画を見る時にテレビではなく、パソコンで見ること。これは気になるインテリアのシーンが映ったら一時停止ボタンを押してケータイでパソコン画面を撮ってストックするという、実にアナログな方法のためです。■インテリアの参考用に映画を選ぶ方法ケータイで撮影したパソコンの画像は決してきれいではないのですが、かなりインテリアの参考になります(もちろんテレビ画面を撮ってもいいのですが、操作と距離感がパソコンのほうが断然楽!)。インテリアの参考にする映画の選び方としては、あなたがすでに好きなお部屋のテイストがあるなら、それに合った場所や年代を舞台にした映画を選ぶこと。たとえば、70年代のLA的なインテリアやデザイナーズ家具が好きなら、そうした時代背景を持つ映画を選べばたくさん出てきます。また東海岸的、NY的なものが好きなら(マンハッタン風味かブルックリン風味かでも選ぶ映画は違ってきますが)、昔の作品も現代のものも多くの映画にあふれています。もちろんロンドンやパリを舞台にしたヨーロッパ映画もいいですし、ベトナムや香港などアジアの国を舞台にしたものも勉強になります。そして意識して見ると、映画の中にはこんなに多くの素敵なインテリアサンプルがあるのだと驚かされるはず。そんな視点で映画を楽しむのもよいものです。ストーリーを追って観るのではなく、家具や雑貨、間取り、照明に至るまで、とことんインテリアを意識して映画を観てみてください。映画の新しい楽しみ方が広がるだけでなく、自然とインテリアセンスも磨かれていくと思います。◇Asami's Answer◇理想のインテリアは「映画」に学ぶ!・『人生はビギナーズ』 ・『トーク・トゥー・ハー』
2016年07月28日怒りんぼうの鳥レッドと仲間たちが活躍する映画『アングリーバード』の日本語版で、三森すずこが人気者バードのステラの声を演じることが発表になった。その他の画像『アングリーバード』はフィンランド生まれのモバイルゲームで2009年にリリースされ、世界各地で大ヒットを記録している。映画は、ゲームに登場するキャラクターが登場するアニメーションで、怒りんぼうのレッド、チャックとボムが、いじわるなピッグたちに盗まれた大切な“たまご”を取り返すために冒険を繰り広げる。三森は、『探偵オペラ ミルキィホームズ』で結成されたミルキィホームズや、『ラブライブ!』のμ’s(ミューズ)のメンバーでもある人気声優で、本作では主人公レッドが住むバードアイランドで暮らす、明るい女の子ステラの声を演じる。三森は「可愛くてしっかり者なステラのキャラクターがよりいきいきとなるように演じてみました」と収録を振り返り、「バードアイランドの仲間たちはもちろん、侵略してくるブタさんたちもみんなとっても可愛くて、しかもとっても笑えます♪ぜひ楽しみに待っていてください♪」とコメントしている。『アングリーバード』10月1日(土)全国ロードショー
2016年07月28日先日ロンドンで開催され、大盛況のうちに閉幕した『スター・ウォーズ』公式ファンイベント“スター・ウォーズ・セレブレーション”。その初日に行われたコスプレチャンピオンシップに出場していた唯一の日本人、Yuki Shibauraさん(ペンネーム)に話を聞いた。その他の写真Yukiさんがコスプレをしているキャラクターは、ジェダイ騎士のオビ=ワン・ケノービ。アナキンとルークの二世代の主人公に師としてフォースの道を教えた、シリーズの中でも重要な人物だ。オビ=ワンの衣装は10年かけて改良を重ね、今着ているものは4代目。特にジェダイローブにこだわっているそうで、見た目や材質はもちろんのこと、アクションシーンの演技などで動いた場合の布の翻り方や、歩いた時の靡き方なども劇中と近くなるよう、DVDを何度も観て、何年も研究改良を重ねてきたという。今年のコスプレチャンピオンシップは4つのカテゴリーがあり、各カテゴリーからTOP3まで計12名の入賞者が発表に。そこから4名に絞られ、更なる審査の末、チャンピオンが決定する。Yukiさんは過去に4回コスプレ大会に出場しており、今回は惜しくも入賞を逃してしまったが、過去4回のコンテストではすべて、部門内で入賞しているそうだ。「ヨーロッパのコスプレコンテストは、キャラクター再現率を重視した方が多く、参加しているだけでもとても楽しいです。特にプリンセスの方々の衣装はドレスの刺繍やビーズ装飾など、おそらくコンテストの舞台では細かすぎて見えないような部分も丁寧に作られており、どれもすばらしかったです」と今年のコンテストを振り返った。『宇宙戦艦ヤマト』など小さい頃からどちらかというと男の子が好むものが好きだったというYukiさん。小学生の時、エピソード4を映画館で観たのをきっかけに、スター・ウォーズファンに。「小学生の自分にとって“ふつうの青年だった主人公がかっこいい騎士になってお姫様を救う”という、童話にもあるようなわかりやすいお話の中に、宇宙戦闘機と宇宙要塞のかっこいい戦闘シーンが加わったスター・ウォーズは、のめり込むには十分な作品でした。日本でも『…フォースの覚醒』が公開されてからは、親子や家族で楽しむ方が増えてきたなと感じています。子供の頃にスター・ウォーズにハマった世代が親になり、子供にもその面白さを教えることができ、同じ目線で同じように楽しむことができる。そんなところも魅力なのではないでしょうか。 “家族”が絡んでいることも、みんながそれぞれの世代で楽しめる大きな理由なのかなと思います」。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』MovieNEX発売中デジタル配信中
2016年07月28日クリント・イーストウッド監督が手がける映画『ハドソン川の奇跡』の公開前に、主演のトム・ハンクスと共演のアーロン・エッカートが9月に来日することが発表になった。予告編本作は、2009年にマンハッタンで起きた航空機事故を題材にしたC.サレンバーガーの著書『機長、究極の決断「ハドソン川」の奇跡』(静山社文庫)が原作。全エンジンが完全に停止し制御不能となった旅客機を、目の前に流れるハドソン川に着水させるという究極の決断をし、奇跡の生還を果たすも、殺人未遂の罪に問われることになった男が辿る運命が描かれる。機長を演じたハンクスの来日は約3年ぶりで、副機長を演じたエッカートの来日は約8年ぶり。ふたりは9月14日(水)に来日し、ジャパンプレミアや記者会見に出席する。また、本ニュースとあわせて本作の予告編が公開になった。映像は、サレンバーガー機長が航空機事故を回想するシーンから始る。乗客の命を救い、ニューヨーク市内に墜落するかもしれないという未曽有の危機を回避した機長は、瞬く間に国民的英雄として称賛される。だが、その裏側では機長の判断をめぐり、国家運輸安全委員会の厳しい追及が行われていた…。誰が“奇跡”を裁くのか? 奇跡の裏側に隠されたある真実を突きつける内容になっている。早くも2017年度のアカデミー賞有力候補として注目を集める本作。巨匠イーストウッドと初タッグを組んだハンクスからどのような話が聞けるのか? 来日に期待が高まる。『ハドソン川の奇跡』9月24日(土) 新宿ピカデリー 丸の内ピカデリーほか全国ロードショー『機長、究極の決断 「ハドソン川」の奇跡』発売中C.サレンバーガー著静山社文庫刊
2016年07月27日内村光良が原作・脚本・監督を務め、Hey!Say!JUMPの知念侑李とW主演する映画『金メダル男』の主題歌が、桑田佳祐の新曲『君への手紙』に決定した。かねてから内村監督と親交のあった桑田は「最後は不覚にも泣けました。その根底には、御家族や共演者を見守る、とても温かく誠実なウッチャンの目線が感じられ、御自身の自己戯画的な描き方は、まさに久しぶりの『社長漫遊記』や『無責任』シリーズと居並ぶ、喜劇の傑作だと思いました」とエールを送った。その他の写真本作は、2011年に上演された内村のひとり舞台『東京オリンピック生まれの男』をもとに、日本中が東京オリンピックに沸いた1964年、長野県塩尻市に生まれた秋田泉一が、「すべての一等賞をとる。それがボクの夢なのですっ!」と、絵画コンクール、火起こし大会と数々の大会で金メダルを獲得し、世の中のあらゆる“一等賞”を目指して奮闘するコメディ映画。内村と知念は二人一役で主人公の秋田泉一を演じる。桑田と公私に渡って長年親交を深めてきたという内村監督は「映画の主人公・秋田泉一の生き様を歌い上げてもらうには桑田さんしかいない、そう勝手に思いこんでダメもとでお願いしました。映画の元になった舞台のDVDや未完成の映画のDVDと共に手紙を添えてお願いしました」と制作中に直筆の手紙を送ったという。そして1週間後、桑田から届いた返事は描き下ろし楽曲『君への手紙』だった。「それが『君への手紙』というタイトルで贈られてきた時、男泣きしました。自分にとって一生の曲となりました。多くの方にこの曲を聴いて頂きたい心の底からそう願っています」と明かした。桑田がソロ名義で映画に主題歌を提供するのは『闇の子供たち』(2008年公開)の『現代東京奇譚』以来8年ぶり。主題歌はバラードで、内村と知念が演じる主人公と同じく全力で夢を追う者を応援する人生賛歌になっているという。『金メダル男』10月22日(土)全国ロードショー
2016年07月27日『ブライズメイズ史上最悪のウェディングプラン』のポール・フェイグが、ファッション雑誌Elleに出た記事を映画化することになった。タイトルは『Supermodel Snowpocalypse』。フェイグはプロデューサーにとどまり、監督はしないようだ。その他の情報登場人物は、高級デパートのカタログ撮影のためにチリを訪れたモデル、カメラマン、広告関係者。一行が到着した時、すでに大雪が降っていたが、彼らはスタジオで撮影することにし、1週間、電話もつながらず、外から遮断された場所に閉じ込められることになる。そのうち、ついに、アメリカ人のクルーが脱出作戦を考えつくという物語だ。フェイグの最新作は、女性キャストでリブートした『ゴーストバスターズ』。映画は公開前から相当な論議を呼んだが、北米公開初週末に、フェイグとメリッサ・マッカーシーのキャリア最高オープニング記録を打ち立てている。文:猿渡由紀
2016年07月27日映画と見まごう圧倒的な映像と世界観で、熱烈な支持を受け続けてきたゲームソフト『龍が如く』。シリーズ最新作となる6作目の全容が、シリーズ生みの親で総合監督の名越稔洋出席による26日の会見で解禁になった。正式タイトルは『龍が如く6命の詩。(いのちのうた)』。先だって公開されていたビートたけし以外の、小栗旬、藤原竜也ら、主役級が勢揃いしたキャストも発表に。また桐生一馬を主人公にした物語の“最終章”であることも明かされた。『龍が如く6命の詩。』会見の模様プレイステーション4オンリータイトルの『龍が如く6』の発売は、12月8日(木)。登壇した名越氏は「こじつけたわけではありませんが、1作目の発売日と同日に節目を迎えられるのは感慨深いです」と挨拶した。2005年にプレイステーション2のゲームソフトとして発売された『龍が如く』は、親(組長)殺しの罪をかぶり、10年の服役を終えて出所してきた桐生一馬が主人公のアクション・アドベンチャーゲーム。1作目の渡哲也、三原じゅん子に始まり、実在の俳優たちが出演し、『4』以降はフェイスキャプチャーによって出演者の顔をモデリングしたキャラクターが登場してきた。1作目を最新技術でリメイクした『龍が如く 極』が今年の1月に発売されたことも記憶に新しく、最新作の『6』に関しても、ビートたけしの出演が先行して公になり、大きな話題を集めていた。最新作のキャストとしてビートたけし、宮迫博之、藤原竜也、真木よう子、大森南朋、小栗旬の6人が発表され、「改めて言うのもあれですが、似てますね(笑)。本当に実力のある方が勢揃いしました。かつてはキャスティングひとつをとっても非常に大変でしたが、今回は逆オファーをいただいた方もいます」と名越氏も胸を張った。本シリーズは全国各地の実景をリアルに再現することも特徴。今作の舞台は、東京の歓楽街をモデルにした“神室町”のネオン街とコントラストをなす田舎町として“広島・尾道”が選ばれた。数々の映画の舞台にもなってきた広島・尾道の漁港や町並みが、最新の技術によって見事に再現されたことが、上映されたほんの一部の映像からも伝わってきた。気になるサブタイトル『命の詩。』にも名越氏が言及。「絆や血のつながりがテーマになっており、物語のひとつの区切りの意味で丸(句点)を付けました。桐生一馬という男の伝説の最終章であり、桐生を主人公にした物語はこれで1回終わらせていただきます。『龍の如く』シリーズは常にチャレンジをしてきました。今回もプレステ4専用ソフトとして新たなチャレンジをしており、革新的な進化を遂げています。まだサプライズが残っていますので、続報をお待ちください」。映画ファンも垂涎の最新作が12月にお目見えする。『龍が如く6命の詩。』12月8日(木)発売取材・文・写真:望月ふみ
2016年07月26日ルーカスフィルムのエグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターであるダグ・チャンをはじめ製作スタッフたちが“スター・ウォーズ・セレブレーション”に集結。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の悪役カイロ・レンのキャラクター作りについて、これまで公にされてこなかった初期のアイディアスケッチなどとともに製作秘話を明かした。その他の写真『…フォースの覚醒』は『スター・ウォーズ』シリーズの7作目で、現在MovieNEXが発売中。J.J.エイブラムスがメガホンを執り、“エピソード6“から30年後を舞台に、新たな物語が紡がれる。カイロ・レンのキャラクターはもともと、ダース・ベイダーのように外見的に損傷があるイメージがあったそうだが、行き過ぎだという判断になり、さらにアイディアを練ることになったという。「カイロ・レンのアートワークについては、アーカイブにフォルダが12もあるんだ。中にはすごくいいアイディアもあるんだけど、なかなかこれというものが見つからず、試行錯誤した。J.J.はとにかく今まで見たことのない、他にはない新しいものを求めていた」と振り返る。その後、シンプルだけどインパクトのあるものを考えた結果、あるアイディアに到達し、それがJ.J.の琴線に触れたという。「J.J.は何度も言っていた。子供が立ち上がりそうな勢いで『ママ、あれ何?』って叫ぶようなものが欲しいって。それで、新しく作ったものをJ.J.に見せたら『これだ!』って。ただ、黄色については『どうかな?』という感じだったけれど、アイディアは気に入ってくれた。最初のシーンでは、火が多く使われるから、火をイメージした。黄色はその反射だということになって、僕のイメージが火の重要性を高めたんだ」。この過程について、レイン・ロバーツは「ストーリー部門とアートワーク部門はそれぞれ別のものを求めていて、結局デザインがストーリー作りに貢献したというわけだからとても興味深い」と分析。「ストーリーの必然性としてデザインの過程は始まるけれど、製作しているうちに独自のロジックが生まれ、アートワークとストーリーが同時に同じところに着地する。全てが繋がっているのね」と続けた。最後に会場にいたファンから「たくさんアイディアを出しても、90パーセント以上使われないのは寂しくないですか?」という質問が飛ぶと、「そうだね、頑張るしかないよね」とスタッフたちも苦笑い。「自分の仕事の過程というのは、答えを探すようなものだと思う。でも、その答えは何であるかは全くわからない。結局アイディアやイメージを形にする鍵が何なのかを探すことが僕たちの仕事なんだ」と語った。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』MovieNEX発売中デジタル配信中
2016年07月26日エディ・レッドメインが『The Last Days of Night』に主演することがわかった。監督は『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』のモルテン・ティルドゥム。脚本は『イミテーション・ゲーム』でティルドゥムと組んだグラハム・ムーア。その他の情報今作も『イミテーション・ゲーム』同様、天才の素顔を描くものになるようだ。19世紀末のアメリカで、電気の技術を実現するにあたりトーマス・エジソンは、最後のライバルであるジョージ・ウェスティングハウスを訴訟した。ウェスティングハウスは、弁護士としてコロンビアのロースクールを出たばかりの26歳のポール・クラバスを雇う。レッドメインが演じるのは、この若手弁護士だ。撮影は来年1月スタート予定。公開は2017年秋を狙っている。レッドメインの次回作は、デヴィッド・イェーツ監督の『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』。ティルドゥムの次回作は、ジェニファー・ローレンス、クリス・プラット共演の『Passengers』。北米公開は今年12月。文:猿渡由紀
2016年07月26日毎年、コミコン会場で日本発のコンテンツで何が注目されているかもチェックポイントのひとつだ。その他の画像セーラームーンは相変わらず人気で大きなブース展開をしていた。またツムツムのブースも賑わっていた。ここはゲームというより、ぬいぐるみやグッズ販売で長蛇の列になっており、特に『スター・ウォーズ』やマーベルがツムツム化したことで、コミコンに来るファンにとってもぐっと身近なコンテンツになった。他にも日本発でアメリカで“加工”され人気となった『パワーレンジャー』、『トランスフォーマー』、『ボルトロン』(日本のアニメ百獣の王ゴライオン)。『パワーレンジャー』は来年新たに映画化、『トランスフォーマー』も新作映画が公開、『ボルトロン』はNetflixでの新作が決まり盛り上がっていた。『ボルトロン』は映画『デッドプール』でもネタにされており、『デッドプール』も好きな日本が誇るコンテンツ、キティちゃんも会場のいたるところで目にした。しかし今年1番目立っているのはポケモンの感がある。日本発のコンテンツと言えば、2014年にハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』が封切られた年は、ゴジラのTシャツやグッズを見つけたファンを多数見かけた。またゲームで言えば、2011年の『ストリートファイターII』20周年のときは、“ストII”キャラのコスプレイヤーがいっぱいだったが、今年はポケモン関係のコスプレ、コーディネートおよび雑貨(ピカチュウのぬいぐるみやモンスターボール)を身につけたファンが多い!ポケモンが20周年という記念すべき年でもあるのだ。そして新作リリースのタイミングでもあり、そして『ポケモンGO!』を楽しんでいる!なんと『ポケモンGO!』のパネルが急きょホールHで行われることになったのだ!!当初、7月22日(現地時間)に480人ほどのキャパの部屋でパネルが行われるハズだったが、あまりの人気に24日(現地時間)、13時45分からホールHで行われることになった。ゲームのパネルがホールHで行われることは史上初だという。プレゼンテーターはこのソフトを任天堂とともに開発したNianticの創設者ジョン・ハンク。これは突然の決定だったので、コミコンの印刷されたガイドブックには載っていない。今回のSDCCでは映画『ノースデン』のパネルでオリバー・ストーンがこの現象についての持論を語ったことでも話題になっているが、今年のSDCCはある意味『ポケモンGO!』で始まり『ポケモンGO!』で終わったといったも過言ではない。とにかく会場の中・外でピカチュウを見ないことはほとんどない。面白いのはポケモンの世界を自分なりにアレンジしてみな楽しんでいるということ。筆者はこの“デッドプール×ピカチュウ”、“キャプテン・アメリカ×ピカチュウ”に吹き出し、そしてポケモンのキャラをこれだけセクシーなキャラにアレンジしたこの2人組に脱帽した。取材・写真 BY 杉山すぴ豊
2016年07月26日日本でも人気を集めた『冬の小鳥』のウニー・ルコント監督の新作映画『めぐりあう日』の冒頭映像が公開になった。不安そうな表情をした女性エリザが、港町ダンケルクで“ある人”のことを知ろうとする場面が描かれる。 生みの親を知らずに育った女性が、出生の秘密を求めて港町で暮らす中で、自身の進むべき道を見つけ出していく様を描いた感動作だ。『めぐりあう日』/冒頭映像が解禁本作の主人公は、産みの親を知らずに育った理学療法士の女性エリザ。このほど公開になった映像のエルザは、列車に乗り込み、何かを想いをはせている。ナレーションやセリフはないが、彼女の顔に落ちる影が、彼女の内面と今後の展開を予感させる印象的なカットだ。続くシーンでエリザは、自身の出生の秘密について専門の機関から調査の結果を聞かされる。その機関はエリザの生みの親と思われる人物を突き止めるが、その女性は名前を公表したり、エリザに会うことを拒んでいる。エリザはただ自分の生みの母について知りたいだけだが、匿名出産をした女性は法律で守られており、エリザはそれ以上、知ることができない。やがて彼女は、息子とダンケルクの町で暮らしながら、生みの親の行方を探し始める。そんな中、エリザは息子の通う学校で働く中年女性アネットに出会い、これまでの人生や、母に対する想いを見つめなおしていく。公開された映像は冒頭部分だけだが、本作は全編に渡って、俳優の表情や風景、光の動き、音響が考え抜かれており、物語や登場人物の感情を画面から読み取りながらじっくりと楽しめる作品に仕上がっている。『めぐりあう日』7月30日(土)より 岩波ホールほかにて全国順次ロードショー
2016年07月26日ベネディクト・カンバーバッチが主演を務めるマーベル・スタジオの新作映画『ドクター・ストレンジ』が来年1月27日(金)に公開されることが決定し、映像が公開になった。魔術を駆使して戦うドクター・ストレンジが主人公の超大作で、観客の常識を覆す摩訶不思議な映像世界が描かれる。『ドクター・ストレンジ』/新映像本作でカンバーバッチが演じる主人公は、天才的な脳外科医だった。彼はすべてが完璧で、時に人を見下すような態度すらとるプライドの高い男だったが、不慮の事故に遭い、医師としての能力、信用、財産のすべてを失ってしまう。このほど公開になった映像は、すべてを失った主人公が“どんな傷でも治癒できる魔術師”に会いに行く場面から始まる。人間の常識を覆し、いま見えているものが“すべて”ではないと知った主人公は、医学を学んだのと同じように、魔術を学び、実践し、“ドクター・ストレンジ”として成長していく。これまでのマーベル作品同様、本作の主人公も驚異的な力を持ちながら、欠点があり、失敗を重ねながら自ら進むべき道を見出していく“人間らしい”ヒーローだ。さらに映像では彼の前に立ちはだかる強大な敵とのバトルも登場。魔術を駆使したバトルでは現実の世界が人間の想像を超えるレベルで変化し、天地が転倒する。しかし、医師であるドクター・ストレンジは敵を傷つけることができないため、アイアンマンやキャプテン・アメリカとはまったく違った種類の戦いを繰り広げることになる。本作にはカンバーバッチだけでなく、レイチェル・マクアダムス、マッツ・ミケルセン、ティルダ・スウィントン、キウェテル・イジョフォーら演技派俳優が集結。このほど公開になった映像では彼らの重厚な演技を捉えた映像や、緊張感高まる場面をフッとやわらげるユーモアあふれるシーンも収録されている。映像は、これまでのマーベル作品よりも謎に満ち、アッと驚かされるシーンの連続で、完成した映画はどんな内容になるのか? ドクター・ストレンジがアベンジャーズのメンバーに合流することはあるのか? など想像がふくらむ内容になっている。『ドクター・ストレンジ』1月27日(金) 全国ロードショー
2016年07月26日公開中のサバイバル・アクション映画『ロスト・バケーション』の本編映像が公開になった。凶暴なサメが、ブレイク・ライブリー演じる主人公の目の前でサーファーを襲う衝撃的な映像だ。『ロスト・バケーション』/戦慄映像が公開本作は、秘密のビーチで休暇を楽しんでいた医学生のナンシー(ブレイク・ライブリー)が突然、凶暴なサメに襲われ、足を負傷し、近くの岩場に上陸し、何とか生き延びようとする姿を描いたサバイバル・アクション。周囲に人はおらず、岸は目の前に見えているのに、海ではサメが旋回している危機的状況に立ち向かう主人公の不屈の精神が描かれる。このほど公開になったのは、負傷したナンシーが岩場に倒れていると、岸からふたりのサーファーがやってくる場面。ふたりは海にサメがいることを知らず、陽気に波に乗ろうとしており、ナンシーは岩場から声をあげて警告する。危険を感じてナンシーの隣で鳴き声をあげるカモメ、陽気なサーファー、迫る中……緊張感が高まった瞬間、海からサメが姿を現す!劇中に登場するカモメは、ナンシーの精神状態と、彼女の変化を現すための重要なキャラクターで、製作陣はあえてCGではなく本物のカモメを出演させている。『ロスト・バケーション』公開中
2016年07月26日12年ぶりに日本で製作された「ゴジラ」シリーズ最新作『シン・ゴジラ』は、ヒーローとしてのゴジラ作品と一線を画し、1954年の初代『ゴジラ』の再来といっても過言でないほどの強いメッセージの詰まった作品に仕上がった。主演を務める長谷川博己と、竹野内豊に話を聞いた。『シン・ゴジラ』/その他の画像CGのゴジラや、臨場感を出すためiPhoneによる撮影など、独特な制作手法が用いられた。長谷川は「ゴジラ映画にとどまらず、新しい日本の実写映画になったのではないでしょうか。発想も撮り方もカメラアングルも大胆で斬新でした」と振り返る。しかし、本作の魅力は映像だけではない。「脚本の発想や綿密なリサーチ、そもそもゴジラとは何か? など、すべてに意味を感じました」。淡々とした口調、しかし強い眼差しで語る長谷川からは、作品の重みが伝わってくる。竹野内もまた「とてつもなく大きくなってしまったゴジラは、鬱積していく現実の問題と重なるような気がして。人間のさまざまな欲望によって、これほどにもなってしまったのか。そんな印象を受けました」と同調する。長谷川の演じる矢口蘭堂は理想主義者の内閣官房副長官、一方、竹野内の演じる赤坂秀樹は、現実主義者の内閣総理大臣補佐。相反するキャラクターだ。竹野内は、「出来もしないのに意見を言う矢口は幼い。大人ならば、実行していかなければいけない」という庵野総監督の言葉が深く印象に残ったという。「庵野さんの中に、矢口と赤坂、両方の人物が存在しているような気がしたんです。一切媚びないで、やりたいことを貫いている理想主義の矢口的な要素と、日本や世界の現状についての庵野さんの胸中を現実的に映し出そうとする赤坂的側面。その両面が魅力ですし、庵野さんはすごい方だと改めて感じました」。「ゴジラの製作スタッフは、ゴジラはこうであるべきだ!というプライドを持って作り上げたと思うんです。ですが、今作はそういった回顧的な見方だけでなく、全世界の人類、未来に対しての純粋なメッセージとして見てもらいたいと思います。レビューや人の意見ではなく、そういうものを事前に一切見ないで、この映画を観て、ちゃんと議論してもらいたいです。それに値する映画です」(竹野内)「ストーリー自体は至ってシンプルで、巨大不明生物が日本にやって来る。それでみんながどうなるか? どうやって倒すか? を考える。エンターテイメント性もしっかりした話になっていて、日本でここまでの作品が作れるんだってことが自信にもなる気がします。ある意味問題作でもありますが、ヤバいものが観れると思いますよ」(長谷川)『シン・ゴジラ』7月29日(金)公開取材・文・写真:小杉由布子
2016年07月26日12年ぶりに日本で製作された『ゴジラ』シリーズ最新作『シン・ゴジラ』のワールドプレミアが7月25日、東京・歌舞伎町のTOHOシネマズ新宿で開催され、劇場前のセントラルロードで本作に登場するゴジラと同じ全長118.5メートルのレッドカーペットが敷かれた。また、この日『シン・ゴジラ』公開を記念し、同所が“ゴジラ・ロード”に改名されることが発表された。ゴジラの名称が地名に使用されるのは、史上初となる。『シン・ゴジラ』ワールドプレミアその他の写真記念すべきレッドカーペットには主演の長谷川博己をはじめ、竹野内豊、石原さとみ、高良健吾、松尾諭、市川実日子、大杉漣、塚本晋也、尾上克郎准監督、樋口真嗣監督、庵野秀明総監督が勢ぞろい。駆けつけたファン約3000人の熱烈歓迎を受け、長谷川は「すごい熱気で自分がトム・クルーズになった気分(笑)。ポケットに入るモンスターを追いかけるのもいいですけど、この夏は世界最大のモンスターであるゴジラを追いかけてもらえれば」とアピールにも熱が入った。さらに長谷川は「豪華なキャストと日本を代表する監督たちが揃って、すばらしい作品になりました。熱く、そして皆さんの心に訴えかける激しさがある作品。日本の伝統文化でもあるゴジラを、ぜひ大スクリーンで体感してください」と熱弁をふるった。「ぜひ女性にも楽しんでもらえれば」(竹野内)、「人それぞれ、受け取り方が違う作品。皆さんの感想を聞いてまわりたいです」(石原)、「ゴジラ対人間はもちろん、人間対人間のドラマにも、今だからこそ伝わるメッセージがこめられている」(高良)と共演陣も思い入れは格別。庵野総監督は「純粋に何の先入観も持たずに、見ていただきたい。正攻法で作っていますので、安心してください」と“世界初披露”に感無量の面持ちだった。『シン・ゴジラ』7月29日(金)公開取材・文・写真:内田 涼
2016年07月25日「ぴあ」調査による2016年7月22日、23日のぴあ映画初日満足度ランキングは、世界的大人気コミックの劇場版アニメ第13弾『ONE PIECE FILM GOLD』がトップに輝いた。2位にスペインが誇る天才ギタリストの軌跡をたどったドキュメンタリー『パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト』、3位に『ローマの休日』の脚本家ダルトン・トランボの人生を実話を基に描いたドラマ『トランボハリウッドに最も嫌われた男』が入った。その他の画像1位の『ONE PIECE FILM GOLD』は、世界最大のエンターテインメントシティ“グラン・テゾーロ”を舞台に、巨大な権力を持つギルド・テゾーロに挑むルフィと仲間たちの戦いが描かれる。出口調査では「ハラハラドキドキできた」「最初から最後までみどころ」「戦闘シーンは迫力があってずっと見ていたいほどだった」「いつもより派手で鑑賞後はスッキリした」と好評だった。今作でルフィたちが戦うギルド・テゾーロは、“黄金帝”の異名を持ち、金の力で世界政府すら容易く動かす絶対的支配者。新世界の“怪物”とも言える彼に、ルフィたちが信念を持って立ち向かっていく様が描かれており、観客からは「“あきらめない”というメッセージが伝わった」「頑張る勇気をもらえた」などの感想が寄せられた。また『ONE PIECE』シリーズには、ルフィをはじめゾロ、チョッパー、ウソップなど個性的なキャラクターが多数登場するが、「キャラのひとりひとりが大切に描かれている」「麦わらの一味それぞれが活躍するシーンがあってとにかくかっこいい」などの声が聞かれ、「今までの映画より登場人物がわかりやすく、初めての人でも楽しめそう」といった声も寄せられた。(本ランキングは、7/22(金)、23(土)に公開された新作映画9本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)『ONE PIECE FILM GOLD』公開中
2016年07月25日EXILEや三代目J Soul Brothersなどのメンバーが総出演し、ドラマ、コミック、ドームツアーなどが連動するビッグプロジェクトの映画版『HiGH&LOW THE MOVIE』。本作で共演したAKIRAと“岩ちゃん”こと岩田剛典が、壮絶な撮影とそれぞれの役を振り返った。その他の写真本作は、5つの不良チームが拮抗するSWORD地区を舞台に、男たちの友情や成長を壮絶なバトルとともに描いた青春ムービー。映画はかつてSWORD地区を支配していたAKIRA扮する琥珀が、復讐の鬼と化して帰ってくるところから始まる。それについてAKIRAは「ドラマ版も見ていた人は、“琥珀がなぜこんなに変わったんだろう?”と思うでしょうね。でも、人間はちょっとした歯車の違いで“悪”にも“善”にもなり得る。その狭間で世の中の人たちはみんな生きていると思うので、それを象徴する“塊”のような映り方ができたらと思っていました」と振り返る。琥珀の元舎弟でもある“山王連合会”の総長・コブラに扮した岩田は、そんな大先輩の言葉を受けて「アクションにしても芝居にしても、同じグループのAKIRAさんが琥珀を演じられていることが助けになりました」ときっぱり。「普段からの信頼関係があるので、胸を借りるつもりで思いっきりやれたし、役に没入しやすかったですね」それぞれのキャラクターには、AKIRAと岩田のこだわりも。「それこそ『…THE MOVIE』の俺の衣装は全部自前(笑)。シーズン2の“ムゲン”のベストや皮ジャンも私服を加工したものだったんですけど、今回は自分の中に皮のロングコートでハイネックというイメージが最初からバチッとあったから、自分の皮のコートを使わせてもらいました」(AKIRA)。すると、岩田が「僕もピアスは自分のですね」と続ける。「“こういうバトルアクションで殴り合うような奴らは、ピアスなんてしないだろう”って最初は言われたんですけど(笑)、そこはこだわりとして残させてもらいました。あの赤いマフラーはコブラがアントニオ猪木さんをリスペクトしているからですけど、最初はマフラーじゃなくて赤いタオルだったんです。でも、さすがに私服にタオルはハマらないだろうということで、急遽薄めのストールにしていただきました(笑)」『HiGH&LOW THE MOVIE』7月16日(土)全国ロードショー取材・文:イソガイマサト撮影:本多晃子
2016年07月25日