戦後70年を迎える2015年の夏、終戦前夜の日本で何が起こったのかを、主演・役所広司、7年ぶりの映画出演となる本木雅弘、今年も大活躍を見せた松坂桃李、「マッサン」が好評の堤真一、さらにベテランの山崎努という豪華キャスト共演で描く映画『日本のいちばん長い日』が製作されることが決まった。1945年7月、太平洋戦争末期。連合国は日本にポツダム宣言受諾を要求。降伏か、それとも本土決戦か。連日連夜、閣議が開かれるが議論は紛糾する。8月、広島、長崎に相次いで原爆が投下され、事態はますます悪化の一途に。“一億玉砕論”が渦巻く中、決断に苦悩する陸軍大臣・阿南惟幾(役所広司)と、国民を案ずる昭和天皇(本木雅弘)、聖断を拝し閣議を動かしてゆく首相の鈴木貫太郎(山崎努)、ただ閣議を見守るしかない書記官の迫水久常(堤真一)。一方、終戦に反対する畑中少佐(松坂桃李)ら若手将校たちはクーデターを計画、日本の降伏を国民に伝える玉音放送を中止すべく、皇居やラジオ局への占拠へと動き始めるが…。原作は、昭和史研究の第一人者である半藤一利の傑作ノンフィクション「日本のいちばん長い日 決定版」。さらに、昭和天皇とともに戦争終結に導いた鈴木貫太郎首相の姿も映し出すべく、同じく半藤氏著の「聖断」の内容も取り込まれるという。主人公となる、苦悩する阿南惟幾(あなみ・これちか)陸軍大臣を演じるのは、深みのある演技で圧倒的な存在感を放つ役所さん。7年ぶりの本格的なスクリーン復帰となる本木さんは、登場人物のひとりとして描かれる昭和天皇役に。また、時の内閣総理大臣・鈴木貫太郎には山崎さん、内閣書記官長・迫水久常(さこみず・ひさつね)に堤さんと、主演級の実力派俳優たちが集結。そして、終戦に反対し、狂気に駆られていく若手将校には松坂さんが扮し、戦後70年という節目の夏に、日本映画界を代表する豪華キャストが競演を果たした歴史超大作が実現する。かつてないキャスト陣を迎え、日本の歴史観に踏み込む本作をまとめ上げるのは、『金融腐食列島〔呪縛〕』『クライマーズ・ハイ』といった社会派ドラマのみならず、役所さん主演で井上靖の私小説を描いた『わが母の記』、2015年5月公開の大泉洋主演『駆込み女と駆込み男』など、ヒューマン・ドラマにも定評がある原田眞人監督だ。<役所さんコメント>原田監督作品への久しぶりの参加となりました。今回演じさせていただいた、阿南という人物は、戦時下の陸軍トップとして部下を愛し、部下にも慕われ、天皇への一途な忠誠心も持つ一方、家族も大切にした魅力的な人でした。各個人それぞれの「家族」、そして天皇を中心とした日本という「家族」、その「家族」というテーマに重きを置いて描かれていることが、この作品の最大の魅力ではないでしょうか。山崎努さんとの共演は長年の夢が実現しました。本木雅弘さん、堤真一さん、松坂桃李さん、原田組常連の俳優さんに加え、多くのフレッシュな俳優さんが、ドキュメンタリーの如くリアリティをもって魅力的に演じています。完成がとても楽しみです。<原田監督コメント>今回は「THE EMPEROR IN AUGUST」という英語タイトルをつけました。1945年8月に昭和天皇が語られたひと言ひと言が、いまを生きる自分の心に深く突き刺さるからです。あの8月、天皇が自分の言葉で語り始めなければ、若き日の両親は国土防衛戦に巻き込まれ、命を落としていたでしょう。半藤先生の幾多の終戦にまつわる著作を何回も読み、天皇の勇気を支えたのが終戦内閣の鈴木貫太郎首相と阿南惟幾陸相のふたりであるとも確信しました。昭和天皇はあの8月まですべての家族の「家長」でありました。年齢的には、この三人は貫太郎さんを家長とする長男と次男の家族でもあり、そこに映画の根っこを置きました。映画「日本のいちばん長い日」は、幾重にも交錯する家族の、存亡を賭けた4か月のドラマです。映画『日本のいちばん長い日』は2015年8月、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年12月09日「KAT-TUN」の亀梨和也を主演に迎え、大人気スパイ・ミステリー小説を映画化する『ジョーカー・ゲーム』。この度、「KAT-TUN」の新曲が本作の主題歌に決定し、その主題歌が使用された予告編が公式サイトにて解禁となった。舞台は、第二次世界大戦前夜。上官の命に背き、極刑を言い渡された青年(亀梨和也)は刑の執行直前、謎の男・結城(伊勢谷友介)から救いの手を差し伸べられる。男は秘密組織“D機関”の司令官。その青年には“嘉藤(かとう)”という偽名と、世界を揺るがす機密文書“ブラックノート”を奪取するというミッションが与えられた――。現在シリーズ累計80万部のセールスを記録する柳広司によるミステリー小説の金字塔を、『日々ロック』の新鋭・入江悠監督が映画化する本作。主演の亀梨さんを始め、秘密組織“D機関”を創り上げた謎の男・結城に伊勢谷友介、“嘉藤”たちを翻弄することとなる米国大使の愛人・リンに深田恭子が好演するほか、小澤征悦、小出恵介、山本浩司、渋川清彦、田口浩正、嶋田久作ら実力派俳優が脇を固める。今回公開された予告編では、“魔の都”を舞台に、それを手にした者は歴史を変えると言われる“ブラックノート”を巡ってアメリカ、ドイツ、イギリス、ソ連の世界各国との争奪戦が繰り広げられ、誰が敵で誰が味方か分からない、極限のスパイゲームが展開されている。「KAT-TUN」の新曲「Dead or Alive」に乗せて、亀梨さんがスタントを立てず挑んだ大規模な爆破シーンや、銃撃戦のほかに、深田さんが鞭を討たれながらも耐える衝撃的シーンも盛り込まれており、迫力満載の映像となっている。なお、この予告編は第2弾ポスターと共に11月29日(土)から全国の劇場でお披露目される。『ジョーカー・ゲーム』は2015年1月31日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年11月25日作家・中村文則の同名小説を柳楽優弥主演で映画化する『最後の命』が11月8日(土)より公開されるのを記念して、キャストと監督による初日舞台あいさつが横浜、新宿、渋谷で開催される。その他の写真本作は、ウォール・ストリート・ジャーナル選出“年間ベスト10ミステリー”に、日本人として初めて2年連続で選出された作家・中村文則の初映像化作品。幼少期に巻き込まれた凄惨な事件の記憶を抱えて生きる男たちが罪や死を背負いながら生きる希望に向かう姿を描いている。初日舞台あいさつは、横浜ブルク13、新宿バルト9、ヒューマントラストシネマ渋谷で行われ、柳楽、矢野聖人、比留川游、松本准平監督が登壇する。チケットは、プレリザーブ(先行抽選)が受付中。なお本イベントは15歳以上の観客が参加できる。『最後の命』初日舞台あいさつ11月8日(土)■会場:横浜ブルク1310:30の回上映後/舞台あいさつ■会場:新宿バルト913:00の回上映後/舞台あいさつ■会場:ヒューマントラストシネマ渋谷14:40の回上映後/舞台あいさつ登壇者(予定):柳楽優弥、矢野聖人、比留川游、松本准平監督料金:2000円(税込)プレリザーブ:受付中~11月4日(火)11:00AM
2014年10月29日「KAT-TUN」の亀梨和也、深田恭子、そして伊勢谷友介という豪華キャストで、大人気スパイ・ミステリー小説を映画化する『ジョーカー・ゲーム』。このほど、原作のイメージにもぴったりの伊勢谷さん、妖艶で意味深な深田さんの劇中ビジュアルとともに、メガホンをとった入江悠監督から、目下、編集作業中の本作についてコメントが到着した。舞台は、第二次世界大戦前夜。上官の命に背き、極刑を言い渡された青年(亀梨和也)は刑の執行直前、謎の男・結城(伊勢谷友介)から救いの手を差し伸べられる。男は秘密組織“D機関”の司令官。その青年には“嘉藤(かとう)”という偽名と、世界を揺るがす機密文書“ブラックノート”を奪取するというミッションが与えられた――。日本最高峰のスパイサスペンスものとして絶大な人気を獲得し、各賞を受賞した累計70万部突破の柳広司によるミステリー小説の金字塔を、『SRサイタマノラッパー』シリーズなどで注目を集め、『日々ロック』の公開も控えている入江監督が映画化。まず、原作ファンの中でも高い人気を誇る、秘密組織“D機関”の司令塔・“結城中佐”を演じた伊勢谷さんについて、入江監督は、「物事の見方が広い。すごく自由な方だなと思いました。芝居するときも『いま、やりすぎたかな?』と気軽に相談してくれるので、かなり細かいところまで話し合うことができました」と撮影でのやりとりをふり返る。「衣装も“D機関”の司令塔ということで、組織のトップらしい衣装など制作サイドのニュアンスをすごく汲んでくれて『じゃあ、こうゆう風に着たらいいかな』と言ってくれる。良い兄貴という感じで、とても頼もしい存在でしたね」と、グローバルな感覚を有する伊勢谷さんに絶大な信頼を置いていた様子だ。また、到着したビジュアルからも分かるように、髪も服も乱れ、手を縛られるという衝撃的なシーンに挑んだ深田さんについては、本作が初のアクションということもあり、「アクションを練習している姿がすごく可愛らしかった」と言う。「でも、大人の女性の妖艶な感じというか妖しい感じもあって、撮影していても時々はっとする表情をされるので、現場ですごくドキッとしました」と告白。深田さんの見せる妖しさに、監督自身も魅せられてしまったようだ。そして、天才的スパイを演じた主演の亀梨さんについては、「スパイの魅力って影があるところだと思うんです。人間として陽気でハッピーな人はスパイにならない。亀梨くんの過去の出演作品を観ていて、寂しげな表情や孤独な姿とかがいいなと思っていたので、嘉藤というキャラクターに反映されていると思います」と、その印象を語る。「撮影後半の現場で、アクションの量を当初の予定の2倍に増やし、練習期間なしで亀梨くんにやってもらうという、すごくハードルの高い要求をしたんですけど、亀梨くんはやりきってくれましたね。やはり呑み込みの早さはすごいですよ」と太鼓判を押した。生と死が紙一重の“究極のスパイゲーム”を描き、海外での大規模な撮影を始め、監督にとっても初めてのメジャー作品となる本作。「こうゆうジャンルがもっと増えたらいいなと思うし、若いお客さんに観てもらえたら嬉しい、僕が『ミッション:インポッシブル』にはまったように」と、明かす入江監督。さらに、見事に主演をやり切った亀梨さんにとっても「代表作になってほしいです。この映画が、いままでで一番かっこいい亀梨さんが観られるようにと思って撮っていましたから」と、本作に賭ける思いを熱く語ってくれた。『ジョーカー・ゲーム』は2015年1月31日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年10月27日直木賞受賞小説を『雨あがる』の小泉堯史監督が映画化した『蜩ノ記〈ひぐらしのき〉』。役所広司が演じたのは、ある罪による切腹が3年後に迫った郡奉行・戸田秋谷だ。その他の画像その運命の日までに藩の歴史「家譜」を完成させることを命じられた秋谷と、彼の監視役になる青年武士・檀野庄三郎との絆の物語を軸に展開。「秋谷にはとても3年後に腹を斬って死ぬ人とは思えない普通さがありますよね」。そう語った役所に「その境地は理解できましたか?」 と聞くと、「できません」という素直な答えが返ってきた。「だから自分なりに研究するわけですよね。秋谷はどんな人なんだろう? どんな話し方をし、仕事にどう取り組んでいたのだろう? って」。その助けになったのが「小笠原流」の作法や所作だ。「これまで出演した時代劇は浪人の役ばかりで、城務めをしているような役は初めてだったんですけど、小笠原流から背筋が伸びるようなものを教わりましたね」。だが、その作法を覚えるのが大変だった。「特に食事のシーンですね。食べる順番が決まっていて、食べるものによって箸の持ち方も変わるんです。おかずを取るときにほかの食べ物の上を通過させてはいけない、お吸い物を飲むときにお椀から箸の先を出してはいけないという、細かい決まりもある。でも、その統一された作法が登場人物を美しく見せていると思います」。庄三郎役の岡田准一とは意外にも今回初共演だが、「岡田くんは時代劇が似合いますよね」と絶賛。「彼は武士の扮装をしても刀を振っても様になる。武道の先生で、踊りを長年やっているから身体で覚えるようなことは吸収するのが速いんでしょうね」。そんな役所も、本作ではその血を受け継ぐ小泉組の現場で黒澤明監督の映画作りの極意を学んだ。「準備の仕方が違いますよね。スタッフが画に映らないことも勉強し、周到に準備をしているからあり得ないと思うような装飾品はひとつもない。逆に役者がめくるかもしれないから、本の中身も結構書いてあるんです」。「黒澤さんの映画作りは宝物だし、大変な教科書じゃないですか!」と言葉に力が入る。「若い俳優さんたちもこういう映画作り方を知れば、日本映画がもっと豊かになると思いますね」。役所広司という俳優が面白いのは、『蜩ノ記』のような格調高い作品に出演したかと思えば、『渇き。』のような気鋭監督の作品で破天荒な役にも挑戦するところ。「面白そうなことをやっているらしいって聞いたら行ってみたいじゃないですか(笑)。それに、この歳になると立派な人の役が増えてきますけど、ひと色には染まりたくない。映画もお客さんの希望を叶えるものと、お客さんが知らない世界を見せて楽しんでもらえるものの両方があっていいと思います」。そうなると、『ガマの油』に続く2本目の監督作が気になる。「監督はまたやりたいですよ。短い人生、やりたいことをやりたいですよね(笑)」。『蜩ノ記〈ひぐらしのき〉』10月4日(土)より全国公開取材・文:イソガイマサト
2014年10月06日映画『蜩の記』の東日本大震災復興支援チャリティー試写会が9月10日(水)に開催され、美智子皇后陛下が一般の観客と共に映画をご高覧になった。主演の役所広司を始め、岡田准一、堀北真希、原田美枝子、小泉尭史監督が美智子さまのご退席後に報道陣の取材に応じた。葉室麟の直木賞受賞小説を映画化。江戸時代、ある事件で10年後の切腹を申し付けられ、その日まで藩の歴史を記した家譜の編纂を続ける戸田秋谷と、その見張りとして彼とその家族と生活を共にすることになった若き藩士の交流を静かに描き出す。岩手県遠野市で撮影が行われた縁もあって、この日のチャリティ試写会が行われる運びとなり、美智子さまがご臨席。役所さんらは劇場で美智子さまを出迎え、映画を一緒に鑑賞した。美智子さまのご退席後、役所さんらは報道陣が待つロビーへと姿を現したが、一様に「緊張しました…」と語る。役所さんは「こんなに不動の姿勢で映画を観たのは初めてです(笑)」と語り、「皇后さまがこちらに歩いてこられた時は、不思議な風が吹いているかのように感じました。座られると『大きな画面ですね』と仰られたのですが、こちらは緊張でしどろもどろになって、わけの分からないことを…」と苦笑を浮かべる。映画の上映後の様子については「(エンドロールで)小泉監督の名前が出るとみなさんと一緒に拍手をしてくださり『おめでとうございます』と仰って下さいました」と明かした。小泉監督は、上映後のご歓談の中で美智子さまから「素晴らしい映画をありがとうございました」とお言葉をかけていただいたそうで、「優しいとしか言いようがないです。慈愛と優しさに満ちていらっしゃいました」と感激の面持ち。監督が故・黒澤明監督の下で助監督を務めていたことや、キャスト陣一人一人についても美智子さまはご存じだったようで、小泉監督は「一人一人のことを見てくださったことが嬉しいです」と語った。岡田さんは「名前を呼んでいただいて、(自分の存在が)知られているということに戸惑いまして、なんと話していいか分からず…(笑)」と語り、「出ているドラマや映画のこと、武術のことも褒めていただき光栄で、幸せな日だなと思いました」と笑顔を見せる。また、美智子さまは本作が被災地の岩手で撮影されたことについてもとても気にされていたそうで、岡田さんはその姿に「日本の母であり、日本で一番愛されている女性でいらっしゃるということを感じました」と深く感銘を受けたようだった。着物姿の堀北さんをご覧になり、美智子さまは「華やかですね」と仰ったそうで、堀北さんは恐縮しきり。美智子さまがこうして人々と一緒に映画を観る機会はなかなかないが、そこで自身が出演する映画が上映され、一緒に鑑賞することが出来たことに「幸せです」と微笑んだ。原田さんは、劇中の戸田一家の様子について美智子さまから「『いい家族ですね』と褒めていただきました」と嬉しそうに明かした。なお、この日の上映には遠野市の仮設住宅「穀町団地」に暮らす人々を始め、遠野市から15名の被災者が招待された。『蜩の記』は10月4日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:蜩ノ記 2014年、全国東宝系にて公開
2014年09月11日前回のストック食材 に続いて、今回も「働く母にとっての台所」について考えてみる。いやいや。キレイ事は言うまい。今回は、柳宗理について熱く語らせて下さい!■結婚祝いには、柳宗理のボールとザルを結婚祝いを贈る時は、柳宗理のボールとザルを選ぶことが多い。先方に既に買ってないかどうか確認し、買っていない場合は、これ幸いと「ボールとザル、贈るから」と宣言する。それくらいの勢いで、家財道具として推奨したい品が、柳宗理デザインのボールとザルなのである。贈った年若い友人達の評判は、「洗いやすくて、びっくりした」「デザインが美しいから、食卓にそのまま出しても違和感がない」と、上々である。そう、柳宗理のボールとザルの特徴は、この2点に集約されるのかもしれない。ザルは外枠と本体の繋ぎ目が平らなデザインなので、ゴミがたまりづらく、洗いやすい。ボールが描く曲線は、手で触りたくなる優しさがある。そのまま食器として食卓に出しても、遜色がないので、夏、このボールでそうめんを出すこともある。お酒が飲めないので我が家では出番はないが、ボールをワインクーラーにしても楽しそう。■柳宗理は、柳宗悦の息子私の柳宗理コト始めは、前述のボール&ザルだった。もう10年以上前だろうか、暮らし上手な方々が雑誌で何度も紹介していた(例:大橋歩さんも長年愛用されているようだ)、ある種のブランド品なので、「おお、これが例のボールとザルか」と手にとったら最後、思わず買ってしまった。自宅に帰ってから柳宗理の公式ページを見て、より一層、ラブになった。だって柳宗悦の息子なんだもの! 柳宗悦とは、ウィキペディアによれば、「民芸運動の創立者。日常的な暮らしの中で使われてきた手仕事の日用品の中に用の美を見出した人である」。日々の暮らしを大切にし、そこに美を見出す。そんな父の下で育まれた美意識とセンス、ひいては生き方が生み出すデザインは、サラブレッド的なお墨ツキがあるような気がしてしまう。■ミルクパン、私の失敗談次なる我柳宗理は、ミルクパンだった。以下は、ある日の私のブログ。「今日、柳宗理のミルクパンが届いた。その美しさに唸る。う~ん完璧。グリップは手に馴染むし、両方にある注ぎグチのカーブの自然なカタチは、造形美の極み。もちろん道具としても優秀で、注いだ時の汁きれの良さは最高! これで作るロイヤルミルクティが、ただ今のマイブームです)」実は、今現在、使っているミルクパンは二代目である。上記の如くウハウハと使い出したものの、すぐにグリップの一部が溶けてしまった。小ぶりな鍋なので、コンロの火を小さくしておかないと、グリップに火が届いてしまうのである。すぐさま二代目を買ったが、グリップ溶けが怖くて何年もお蔵入りしていた。最近、知ったことだが、柳宗理のキッチン用品は部品交換ができる。部品は柳宗理のキッチン用品を扱っている店で取り寄せができ、たとえばミルクパンのグリップを日本橋三越本店で取り寄せた場合、2週間程度かかり、費用は650円(税抜き)。 取り扱いサイト を見てみると、ステンレス製品の汚れ落としや焦げとり、黒柄カトラリーのハンドル交換などのサービスなどもあり、長く使い続けることが前提の商品なのがわかる。メーカーからの直接取り寄せも可能だが、その場合は別途送料が必要。ミルクパンの場合、グリップの取り付け金具が破損してないか要確認(そこが破損している場合は、部品交換がNG。■カトラリーも柳宗理結婚した時に揃えたカトラリーはDANSKだった。だが、使っているうちに大きい方のスプーンがよろしくないことに気付いた。アメリカで買ってきたせいか、口に入れる部分が広すぎなのだ。毎回のことだからストレスに感じて、ある日、柳宗理のスプーンを、ひとつだけ買ってみた。口に入れた時のすんなりした感じは、外国旅行から帰った直後に食べる日本食のよう。口の中の感覚って、大切だ。なので思い切って、柳宗理のスプーンを5つ買い、次に対になるフォークもエイっと5つ買ってしまった。これが、正解! 何となく違和感を感じながら使っていたカトラリーだが、買い換えをしてからは、不満が湧かない。時々、布巾でフォークやスプーンを拭きあげながら、「何て美しいデザインなのだろう!」と、ウットリするのは何とも楽しい時間だ。働く母にとって、納得のいく生活道具に囲まれていることは大切なことだ。その点、甘すぎず、機能性も兼ね備えている美しい柳宗理の台所道具は、どれをとっても、オススメなのだ!
2014年05月16日柳楽優弥主演の舞台『金閣寺』が4月5日(土)、東京・赤坂ACTシアターで開幕する。本番を翌日に控えた4日、柳楽はじめ水橋研二、水田航生、市川由衣らメインキャストと演出の宮本亜門が同劇場で会見を行った。「金閣寺-TheTempleofTheGoldenPavilion-」チケット情報同作は宮本が三島由紀夫の名作を舞台化したもので、2011年にKAAT神奈川芸術劇場で初演。同年にNY公演も行い好評を博している。今回はメインキャストを一新しての上演。生来の吃音から疎外感に苛まれる主人公・溝口役を柳楽優弥、彼をめぐるふたりの友人を水橋研二と水田航生、溝口の初恋の女性と女師匠のふた役を市川由衣が演じる。「当初は吃音症を強く意識した。稽古に入ってからは、溝口の内面や感情を大事にしなければと考え、亜門さんの指導を受けながら役に近づけていきました」と柳楽。宮本を優しい演出家と聞いていたが「(実際は)とても厳しい人でした」と笑った。宮本は「誰に聞いたんだよ」と苦笑いしながらも「柳楽さんの溝口は内面を露骨に出す」と話す。「柳楽さんが生で出す役者さんということもあって、キャスト全員が舞台に生で存在してほしいと考えた。それがエネルギーとして凝縮され大きな竜巻になるように、細かいところを変えたりしてシーンを作っていった。生の役者の汗とにおいが、それぞれの役から香り立つように怒涛の稽古をしてきました」と自信をのぞかせた。一方ふた役の市川は役作りに悩んだという。「特に女師匠はキリッとした女性。演じたことのない役で難しかったが、まさか亜門さんが実際にやってくれるとは思わなかった。それがすごく格好よくて、参考にさせていただきました」と笑顔。宮本も「僕は(稽古場で)全役やってますよね」と笑う。最後に柳楽が「周りのキャストに支えられながら、この舞台を代表作にするという強い気持ちで本番に挑みたい」と気合を入れると「代表作になりますよ」と宮本が太鼓判を押した。公演は4月5日(土)から19日(土)まで東京・赤坂ACTシアターにて。チケットは発売中。
2014年04月04日映画配給・ギャガの2014年度ラインナップ発表会が3月6日(木)、東京・イイノホールにて行われ、今年7月の公開が決定している『渇き。』で主演を務める役所広司、共演の小松菜々、メガホンを握った中島哲也監督が登壇した。「第3回このミステリーがすごい!」大賞を受賞した深町秋生のデビュー作「果てしなき渇き」を基に映画化される本作。優等生の娘・加奈子(小松菜奈)が失踪し、元刑事の父親・藤島昭和が捜索に乗り出すが、娘の跡をたどるうち父親は驚愕の事態に巻き込まれていくというサスペンスフルな物語が展開する。先日、ロケの様子を「血まみれで撮影中です」と語っていた役所さん。この日、上映された約2分間のプロモーション映像でも、多くのシーンで血まみれの状態の役所さんが映し出された。そんな自身が演じた主人公・藤島を、中島監督が「ここ最近の日本映画でこれほどひどい男はいないと思います。史上最低です(笑)」と語ると、「役者冥利に尽きますね」と笑顔を浮かべた。一方、そんな極悪な藤島の娘を演じたのがモデル出身の新人・小松さん。劇中ではその美しい容姿をもって、天使なのか悪魔なのか…というミステリアスな女子高生を演じている。「オーディションのときもふらっと来て、堂々としてた」(中島監督談)というが、この日の舞台挨拶でも「緊張しています」と語るも、そんな素振りを見せず堂々と撮影当時をふり返っていた。そんな堂にいった佇まいに心奪われたという中島監督。普段の撮影では、『嫌われ松子の一生』で主演を務めた中谷美紀が撮影中に逃亡したという逸話が残るほどのスパルタぶりを発揮するそうだが、小松さんに対しては「相当優しかったと思います」と何故か照れ笑い。撮影中には新人の小松さんが逃げ出さないようにと、「バナナマン・日村(勇紀)さんのフィギアをあげたりして、“映画は楽しいんだよ”と媚びを売ってました」という丁重なおもてなしだったとか。しかし、それもそのはず。小松さんは劇中、「出演者の半分とキスシーンがある」(中島監督談)そうで、「新人女優にとっては大変な撮影だったと思います。國村隼さんとまで(キス)してますから」と相変わらずの壮絶な撮影現場を楽しげに語っていた。映画『渇き。』は7月、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年03月06日2009年に第30回吉川英治文学新人賞受賞を始め、数々のエンタテインメント書籍ランキングを席巻し日本最高峰のスパイ・サスペンスものとして絶大な人気を獲得した柳広司の「ジョーカー・ゲーム」(角川文庫)を、『SR サイタマノラッパー』シリーズで注目を集める新鋭・入江悠監督によって映画化されることが決定。メインキャストに「KAT-TUN」の亀梨和也、伊勢谷友介、深田恭子が出演することが明らかとなった。現在シリーズ累計70万部のセールスを記録する大人気小説を原作に描かれる本作。舞台は架空の第二次世界大戦前夜、陸軍士官学校。嘉藤(亀梨和也)は上官の命に背き、規律違反で極刑となる直前に中佐の階級章を付けた謎の男に助けられる。結城(伊勢谷友介)と名乗るその上官は、かつて国際諜報員として活躍し、今後の軍事外交のためには国際諜報員=スパイの存在が不可欠として陸軍内に諜報組織“D機関”を設立した人物であった。嘉藤が諜報員としての初めてする任務は、米国大使・グラハムが本国へ帰国する前に彼から「ブラックノート」と呼ばれる機密文書を奪取すること。その文書には人類の歴史を変えることができるある開発の秘密が隠されていた。“魔の都”と呼ばれる国際都市に潜入した嘉藤の前にグラハムの愛人・リン(深田恭子)が大きな障害となって立ちふさがる――。本作で天才スパイとして本格アクションに挑むことになった亀梨さんは、「もともと原作を読んでいて映像化するならぜひ参加したいと思っていたので、本当に嬉しかったです。スパイ役ということで学ぶことは沢山あるのですが、しっかり準備して撮影に挑みたいと思います。海外での撮影や、海外の方とのアクションシーンが初めてなのでとても楽しみにしています」と意気込みを語った。グラハムの愛人・リンに抜擢された深田さんは、今回のアクションシーンについて新たな発見もあったよう。「こんなに動くアクションを私は経験したことがないのでリハーサルをしたときの自分の画を見たときに、いままでの自分にはないテンポで動いていたので驚きました。セクシーさやアクションを全身で表現できたらと思います」。さらに「亀梨さんは私がお芝居やアクションで飛び込んで行っても力強く受け止めてくれる方だという印象を受けました」と共演者との息もぴったりのようだ。そして結城役に抜擢された伊勢谷さんは、役柄に合わせて「今回は杖を使う役どころなので、役作りで杖を使って街を歩いたりもしています」と結城に近づくように私生活でも取り入れているそうだ。また、「亀梨さん演じる嘉藤をカッコよく見せるためにも、私も脇でしっかり頑張っていきたいですね」とコメントした。撮影は国内だけでなくシンガポールや、インドネシアのバタム島など国外でもロケが行われ、今秋に完成を予定している。生と死が紙一重で隣り合う「究極のスパイゲーム」に亀梨さん、深田さん、伊勢谷さんがどう絡んでいくのだろうか。期待が高まる。『ジョーカー・ゲーム』は2015年、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年01月06日フィンエアー日本支社はこのほど、同社のイメージキャラクター「Mr.ヨーロッパ」を演じる俳優・役所広司さんがフィンランドの現地でお出迎えする特別ツアー「役所広司さんが贈るオーロラの旅」を企画し、主催旅行会社各社での販売を開始した。同ツアーは、2013年1月14日に成田・名古屋・関西の各空港を出発する6泊8日の特別ツアーとなっている。東京、名古屋、大阪の各空港からヨーロッパの玄関口であるフィンランド・ヘルシンキまでは約9時間30分。ヘルシンキを経由しフィンランド北部のロヴァニエミ、サーリセルカ2都市に滞在。現地では役所広司さんがお迎えし、サンタクロースとの記念撮影や、フェアウェルパーティーにも出席し、オーロラの夜を盛り上げるという。オーロラ観測の機会は計4回以上あり、サーリセルカでは、オプショナルツアーでトナカイぞりやスノーモービル体験など、様々なアクティビティを楽しめるとのこと。なお、今冬は11年に一度のオーロラ極大期にあたり、例年よりダイナミックなオーロラを観賞することが期待できるという。役所広司さんは「みなさんにお会いすることを楽しみにしております。フィンランドで神々しいオーロラを見ましょう! 人生観が変わるかもしれません」とコメントしている。旅行代金(エイチ・アイ・エス、フィンコーポレーション)は、エコノミークラス利用で29万8,000円、ビジネスクラス利用で64万8,000円。1人部屋追加料金は4万6,000円。燃油サーチャージ込み、国内空港施設使用料・空港保安料および海外空港諸税は別途必要。その他の主催旅行会社料金は問い合わせ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月18日映画『わが母の記』の完成披露試写会が3月19日(月)に都内で開催され、主演の役所広司を始め、樹木希林、宮崎あおい、ミムラ、菊池亜希子、原田眞人監督が舞台挨拶に登壇した。井上靖の自伝的小説を実写化し、第35回モントリオール世界映画祭で審査員特別グランプリに輝いた本作。母に捨てられたという思いを抱きながら生きてきた小説家の伊上は、父が亡くなったことで残された母を引き取ることになる。妻や3人の娘に支えられながら母と向き合うことで50年の時を経て、母と息子の思いがつながっていく――。役所さんは「刺激的でかわいい母と出来のいい娘たちに囲まれて幸せな時間を過ごすことが出来ました」とニンマリ。とはいえ、家族で唯一の男性ということで「ポツンとしてました(笑)。娘たちの部屋に行くとどうも落ち着かなくて…」と年頃の娘を持つ世のお父さんたちと同じ気持ちを味わったよう?役所さんからの「かわいい母」という言葉に樹木さんは「どれくらい憎らしいか見てください」とおどける。司会者から樹木さんは若い頃から祖母役をこなしてきたことを指摘されると「同じ世代の女優がやりたがらないから回って来ちゃう」と苦笑いを浮かべつつ「(先日公開された)『サッチャー』に負けないように!」と意気込み。途中、樹木さんがしゃべっている最中にマイクの不具合のアクシデントもあったが「これ以上しゃべるなということかしら?」とユーモアたっぷりに語り、笑いを誘った。昨年末の俳優・高岡蒼佑との離婚以来、初めての公の場となった宮崎さんはチェックのワンピース姿で登場し、ファンからの「あおいちゃん!」という声援に微笑み元気な姿を見せた。樹木さんとの初共演については「(役の)年齢によって樹木さんのサイズが日々変わるんです。すごいことだなと思い、近くで見させていただけたのはいい経験でした」と述懐。役所さんとは『EUREKA』で共演経験があるが「(共演した)11、12年前は子供だったので分からなかったところがいっぱいあって、すごく色気を感じることが多かったです」と語り、これには隣りの役所さんも照れくさそうに笑みを浮かべていた。三姉妹の長女を演じたミムラさんは「ずっと3人でキャッキャと楽しく過ごしてました」と和気あいあいとした現場の様子を明かす。次女役の菊池さんは昨年、祖母を亡くしたそうで「自分の人生の中でもすごく大事に思いたい作品になりました」と強い思い入れを語った。10年ほど前から本作の製作を考えていたという原田監督は、映画の完成に感慨深げ。特にクランクインが去年の3月10日で東日本大震災の前日だったこともあり、「家族の絆について考えながら仕上げや編集の作業をしてました」と真摯に語るとともに、撮影場所として自宅や別荘を提供した井上靖さんの家族への感謝の思いを改めて口にした。『わが母の記』は4月28日(土)より全国にて公開。■関連作品:わが母の記 2012年4月28日より全国にて公開© 2012「わが母の記」製作委員会■関連記事:シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第24回)理想の“尽くす男”俳優は?豪華キャストで描く家族愛『わが母の記』完成披露試写会に50組100名様をご招待日本の家族の絆に、海外も涙『わが母の記』独占試写会に35組70名様をご招待『わが母の記』でミムラ、菊池亜希子が宮崎あおいと3姉妹に三國連太郎は役所の父役中越典子、役所広司との“年の差”ロマンスはあり?「そりゃ思いますよ」
2012年03月19日「ぴあ」調査による2月10日、11日公開の映画・満足度ランキングは、役所広司と小栗旬が初共演作『キツツキと雨』がトップに輝いた。2位に小惑星探査機“はやぶさ”プロジェクト・チームの偉業を映画化した『はやぶさ 遥かなる帰還』が、3位にロック・バンドに挑戦するアラフォー女性の奮闘を描いた『ウタヒメ彼女たちのスモーク・オン・ザ・ウォーター』が入った。その他の写真1位の『キツツキと雨』は、映画撮影のために山村にやって来た新人監督と、そこに暮らす木こりの男性とのふれあいを描いた人間ドラマ。出口調査では「親と子や監督と木こりの関係など、つながりの大切さが伝わってきた」「派手さはないが笑えて温かい気持ちになれた」「ゆったりと流れる時間の中でじんわりと優しい気持ちになった」「役所広司がとてもいい味を出していた。続編が作られたらぜひ観たい」「少しカッコ悪い役を演じる小栗旬は新鮮だった」など世代を超えて高い満足度を集めた。2位の『はやぶさ…』は、渡辺謙、夏川結衣、江口洋介ら豪華キャストで、“はやぶさ”に夢をたくした科学者や技術者たちの姿を描いた作品。アンケート調査では「トラブルや事件を巡って起きる人間同士の葛藤がリアルでのめり込んだ」「表舞台に立つ人だけでなく、裏で支える人にも焦点を当てていてよかった」「私たちの知らないところでいろいろな人の努力によって“はやぶさ”が帰ってきたことを思うとすごい。夢を与えてくれる映画」など、家族連れや年配者から好評だった。(本ランキングは、2012年2月10日(金)、11日(土)に公開された新作映画11本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2012年02月13日役所広司、小栗旬出演の映画『キツツキと雨』が11日(土)から公開されるのを前に、役所と小栗のふたりがインタビューに応じ、映画の撮影現場を舞台にした本作ならではのエピソードを語ってくれた。その他の写真『キツツキと雨』は、無骨な木こりの克彦(役所)と、ゾンビ映画撮影のために山村にやって来た気弱な新人監督・幸一(小栗)が偶然出会い、奇妙な友情が生まれる過程をコミカルに描いたヒューマン・ドラマだ。本作を手がけたのは『南極料理人』が話題を呼んだ新鋭・沖田修一監督。鋭い人物描写と、俳優の魅力を見事に引き出す演出が魅力の新鋭監督だが、役所は沖田監督を“懐かしいスタイルの映画監督”と評する。「沖田さんは現場でテストをして、“どうやって撮っていくか?”についてスタッフたちが監督を囲んで相談していくんです。とにかくたくさん“映像素材”を撮って、どのテイクが本番だったのかわからない撮影現場が主流になる中で、沖田監督は、ほしいカットとほしいお芝居のために時間を費やす。『こうやってしっかりと映画を撮っていこうとする人がまだいるんだ』と思いましたね」。さらに役所は「沖田監督は“わからない”ことは“わからない”と言うんです。それが沖田さんの正直で男らしいところ」という。映画監督は撮影現場の統括者。彼の下にスタッフとキャストが集い、監督の指示ひとつで動く。ちなみに本作の新人監督・幸一は、多くのキャスト・スタッフを前に“わからない”と言えずに悩む男だ。小栗は「僕も自分で監督したときに“わからない”って言えなくて苦しかったので、沖田さんが“わからない”と言い、悩んで撮影が止まっても『すいません』と言いながら自分を通そうとする姿はスゴいと思いましたね」と振り返り、「でも、監督がそう言えば言うほど、僕らは『監督のために何をすればいいんだろう?』と思いますし、役者もスタッフもいろんなことを試して映画が出来上がっていくので、役所さんが前におっしゃいましたけど、いい意味での “自主製作感”がある作品でした」と笑顔を見せる。映画はそこに関わる俳優やスタッフが1カットずつ悩んだり、試行錯誤しながら撮影されていく。本作に登場する新人監督の幸一も、いつの間にか映画の現場に巻き込まれてしまった木こりの克彦も、悩んだり立ち止まったりしながら“映画をつくる”行為を通して、友情を育み、自らを見つめなおしていく。ふたりが「撮影現場の空気感が作品に出ていた」と語る本作。そこにはこれまでの友情ドラマにはない“映画の撮影現場を舞台にした作品ならでは”の、人間ドラマが描かれているのではないだろうか。『キツツキと雨』2月11日(土) 角川シネマ有楽町ほか全国ロードショー
2012年02月10日映画『聯合艦隊司令長官山本五十六 ―太平洋戦争70年目の真実―』が12月23日(祝・木)に公開を迎え、主演の役所広司を始め、玉木宏、柳葉敏郎、吉田栄作、椎名桔平、原田美枝子、瀬戸朝香、田中麗奈、五十嵐隼士、成島出監督が舞台挨拶に登壇した。日米開戦に誰よりも反対しつつも自ら聯合艦隊司令長官として戦いの火蓋を切った山本五十六の姿を通じてあの戦争の姿を描き出す。戦闘機を模した舞台に立った役所さんは公開を迎え感慨深げ。来場した観客に向けて感謝の思いを伝えた。共演陣からは役所さん=山本長官へのラブコールが続出!瀬戸さんが「山本さんと役所さん(のイメージ)が重なって、役所さんのことが好きかもって思えてきました(笑)」と語ったのを皮切りに、柳葉さんも「山本さんのような人が近くにいたら好きになっちゃいます」、吉田さんも「一番近くにいたので好きになっちゃいました!」、若き零戦パイロット役の五十嵐さんも「好きになってました」と告白。椎名さんも「僕の中ではロバート・デ・ニーロを超えてます。大好きなあまり、結婚式の仲人を押し付けましたから」と“役所愛”を大喧伝。役所さんは「来年もこうやってみんなに『好き好き』って言われる年になれば」と笑みを浮かべていた。五十六の妻を演じた原田さんは「私の両親は戦争には行ってませんが、軍需工場などで働いていて、好きなことが出来なかった世代。そういう時代があって、いま、私は好きなことをやらせてもらっていることの幸せをつくづく感じます」とあの時代を生き抜いた人々への感謝の思いを語った。五十嵐さんも「当時は若い世代が戦争の最前線に立ってました。いまの戦争のない日本があるのはその人たちのおかげ。若い人にも観て何かを感じてもらえたら」と訴えた。撮影は東日本大震災から2か月後の5月に始まったが、吉田さんは「いま、自分たちに何ができるのか?と考えて臨みました」と真摯に語る。玉木さんは「震災があり、また世界でもいろんなことがありました。観終わって、今後を担う人たちがどう受け止めてくれるのか?何かを考えていただけたら」と訴え、役所さんも「まだまだこれから子孫の代まで復興に向けて進んでいかないといけない」と力強く呼びかけた。『聯合艦隊司令長官山本五十六 ―太平洋戦争70年目の真実―』は全国にて公開中。■関連作品:聯合艦隊司令長官山本五十六 ―太平洋戦争70年目の真実― 2011年12月23日より全国にて公開© 2011「山本五十六」製作委員会■関連記事:玉木宏&袴田吉彦インタビュー歴史に向き合い、歩み続ける2人が感じた“時代”役所広司、同郷の故・市川森一の思い出を語る役所広司「魂安らかになれば」五十六の故郷・長岡“冬花火”に感激役所広司、山本五十六を演じ「どうして戦争が起こったのか考えるきっかけになれば」
2011年12月24日映画『聯合艦隊司令長官 山本五十六 −太平洋戦争70年目の真実−』が日本外国人特派員協会(東京・有楽町)にて12月10日(土)に上映され、主演の役所広司と成島出監督、プロデューサーの小滝祥平が記者会見に臨んだ。戦争に反対する立場でありながら司令長官として日米開戦の口火を切ることになった山本五十六。彼の葛藤や苦悩、そしてブーゲンビル上空に散るまでの半生を描きつつ、新たな視点で太平洋戦争の姿を綴る。「恥ずかしながら山本五十六についてこれまでほとんど知らなかった。子供の頃に、三船敏郎さんが演じている映画を観て、三船さんのイメージでした」と明かす役所さん。今回演じるにあたって「日本が間違った方向に行かないようにと、ずっと考えていた軍人。どういう喋り方をして、どういう顔で部下の話を聞いていたのか?そういうことを1カット1カット注意して演じました」と真摯に語り、「映画の力は下手な外交よりも良いものだと信じています。世界中の人々にこういう戦争があったと知ってもらいたい」と呼びかけた。外国人記者からは日本の戦争における加害責任を問う声もあったが、小滝プロデューサーは「歴史は球体であり、光の当て方によって見方が変わる。いろんな意見があることは分かっていますが、大事なのはお互いに違うということを認識すること」と訴え、成島監督も「話し合い、語り合うことで戦争のない未来に繋げることができれば嬉しい」と語った。同日の早朝、脚本家の市川森一さんが肺がんで逝去したことが発表されたが、役所さんと市川さんは同じ長崎県の諫早市の出身。しかも、役所さんの兄が市川さんと同級生で子供の頃から親交があったという。会見前に訃報を聞いたという役所さんは「作家としても同郷の先輩としても尊敬できる方でした」と沈痛な表情。市川さんは、先ごろNHKで放送されたドラマ「蝶々さん」など、故郷の長崎を舞台にした作品を数多く手掛けおり、役所さんは「お会いして長崎の歴史についてお伺いしたかった…。残念、がっかりです。『親戚たち』で初めて現代劇の連続ドラマに出演させていただき、代表作と言える作品ばかり書いていただきました。東京での兄代わりの存在でした」と静かに語った。『聯合艦隊司令長官山本五十六 ―太平洋戦争70年目の真実―』は12月23日(祝・金)より全国にて公開。■関連作品:聯合艦隊司令長官山本五十六 ―太平洋戦争70年目の真実― 2011年12月23日より全国にて公開© 2011「山本五十六」製作委員会■関連記事:役所広司「魂安らかになれば」五十六の故郷・長岡“冬花火”に感激役所広司、山本五十六を演じ「どうして戦争が起こったのか考えるきっかけになれば」
2011年12月12日この冬公開の映画『聯合艦隊司令長官 山本五十六』のクランクアップ会見が7月18日(月・祝)に都内で開催され、主演の役所広司をはじめ、玉木宏、柄本明、柳葉敏郎、吉田栄作、椎名桔平、中村育二、五十嵐隼士、伊武雅刀、原田美枝子、瀬戸朝香、田中麗奈、宮本信子、香川照之、成島出監督という総勢15名が出席した。日独伊三国軍事同盟、日米開戦に対して最後まで強硬に反対を唱えつつ、時流に抗しきれず、運命の皮肉か自らの手で戦端を切ることを余儀なくされた司令長官・山本五十六の姿を描く。役所広司をはじめ、日本映画界を代表する俳優陣が集結。『孤高のメス』、『ミッドナイト イーグル』の成島出がメガホンを握る。キャスト陣14名は劇中の衣裳で登場。ちょうどこの日の明け方、女子サッカーのワールドカップで日本が“日米決戦”を制して世界一の座についたばかりだが、役所さんもTV観戦していたそうで「とにかく、感動しました。日本の女性は強いとつくづく思いました」と笑顔。ちょうど70年前に、日米開戦の戦いの火ぶたを切って落とした山本を演じる上で「とにかく、監督、スタッフに助けられ、全てのキャストの方のエネルギーに支えられながら、『この国を守るんだ』という思いで演じました」と真摯な表情で語った。山本と出会い、その人柄や信念に惹かれていく新聞記者・真藤を演じた玉木さんは「真藤は誇りを持った人物。記者として、真実を伝えているつもりが、だんだん事実とずれていってしまうんですが、山本五十六との出会いで世に真実を伝えようという使命感を持つようになります。セリフが少ないので思いと表情で演じました」とふり返った。柳葉さんは、山本と共に戦争に反対する海軍軍人・井上成美を演じたが、柳葉さんの祖父も海軍で出征した経験があるそう。「小さい頃、戦争の話が聞きたくて祖父に問いかけても、なかなか口を開いてくれなかった記憶があります。そんな中で祖父が語ってくれたのが『あんな戦争、やるもんじゃない』、『勝てるわけがない』と思いながら戦場にいた、ということ。(自身が演じた)井上さんと同じ思いだったんだと。(祖父の)DNAで、もっと役に近づければという思いで演じた」と明かした。若き特攻隊員役の五十嵐さんは「若い世代を代表して参加した」と強い思いを語る。「戦争の知識がなかったので勉強になりましたし、若い人たちが死と隣り合わせにいるという感覚は難しかったです」と述懐した。宮本さんが演じたのは五十六と18歳離れた姉。「五十六は姉に対して甘えているところもあり、時々、厳しいことを言う姉の気持ちを受け止めていた。短いシーンでしたが、五十六を思い、(気持ちを)込めました」と家族の側から見た山本五十六像に言及。妻を演じた原田さんも「五十六さんは懐が深く人間として温かい人。仕事をする上ではそれではいけないのかもしれないですが、信念を貫いて生きたと思います」と“夫”五十六の心情を慮った。香川さんは新聞社の主幹を務める男・宗像を演じているが、当時のマスメディアの扇動的な報道が戦争を導く一因となったとも言われている。「それが事実だったのかどうか、当時を生きていた人にしか分かりませんが、マスメディアの力は大きく、怖いものであり、マスメディアの力そのものが、何かを動かしていると思います」と厳粛に語った。成島監督はこの豪華キャストに「素晴らしいキャストのみなさんと仕事ができて幸せ。夢のような時間でした」と満足げ。この日の会見には報道陣に加え、都内の女子高の生徒が学習の一環として招かれていたが、「戦争を知らない私たちに、映画をどう受け取ってほしいか?」という高校生の質問に役所さんは「僕も戦争を知らない子です(笑)」とユーモアたっぷりに語りつつ「どうして戦争が起こってしまったのか?映画を通して若い人も実際に戦争を体験した人も考えるきっかけになればと思います。国を守るためにこれだけの人が命を懸けて戦ったのは事実です。それを感じていただければと思います」と言葉に力を込めた。『聯合艦隊司令長官 山本五十六』は12月23日(祝・金)より全国にて公開。■関連作品:聯合艦隊司令長官 山本五十六 2011年12月23日より全国にて公開
2011年07月19日佐藤江梨子と柳楽優弥主演の『すべては海になる』が1月23日(土)に公開初日を迎えた。佐藤さん、柳楽さん、そして山田あかね監督による舞台挨拶が都内劇場で行われ、先日結婚式を挙げたばかりの柳楽さんへの祝福ムードで大きな盛り上がりを見せた。どこかで寂しさを感じている書店員の夏樹(佐藤さん)と崩壊した家庭を一人、立て直そうとする高校生の光治(柳楽さん)の「本」を介してのつながりを描いた本作。佐藤さんは、公開初日を迎えての気持ちを尋ねられ「昨日、生まれて初めて流れ星を見たんですよ!まあ…ただのコバエだったんですけど(苦笑)。そのときに『願いごとしなきゃ!』と思って、『たくさんの人が来てくれますように』とお願いしました」と語り、満席の客席を見て喜びの表情を浮かべた。そして「うちの姉と弟は2人とも書店で働いた経験があって、私も働いてみたかったので、夢がかないました!」とニッコリ。実際の本屋での撮影について「貸し切り状態で、本が読み放題だったので、雑誌から芸能人本まで読みました」と語ったが、司会者からの「じゃあ、撮影中にそこのあった本は全部読んだんですか?」という珍妙な質問に思わず「そりゃ無理だろ!」と怒気を含んだツッコミを入れ、次の瞬間ハッと正気に返って「それはムリでしょう?」と優しい笑顔を浮かべて言い直し、会場は笑いに包まれた。柳楽さんが挨拶しようとすると、すかさず客席から「結婚おめでとう!」という祝福の声が。柳楽さんは「ありがとうございます」と笑顔で返した。今回の役について「僕は本を読まないし、2年ぶりの演技ということで、監督に『本読みをやりたい』とメールしました。でも、監督と2人で本読みをやると、監督が相手役を演じるので僕の芝居を見れないんです(苦笑)。監督はそれに気づいて『助監督呼んでいいですか?』って。それから佐藤さんや白井晃さんとかいろんな人が入ってきて、結果オーライでした」とふり返った。監督は柳楽さんについて、というか柳楽さんの結婚について「ウブな少年の役になりきっていて、ガールフレンドの気配を全く見せなかった」と証言。佐藤さんもこれにすかさず「(事前に何も言わなかったことを)責めてない。責めてないよ。でもびっくり!触ったら壊れそうな少年を演じてたので、少し距離を置いて接してたら…『あれー?』って感じ」とやっぱり責めてる?さらに、この映画をどんな人に観てほしいか?という質問に柳楽さんが「ヨメに…」と答えると、佐藤さんは「オー!!」と歓声を上げ、「私も(柳楽さんの奥さんと同じ)エリーだよ!」と興奮した様子でよく分からないアピール。会場には拍手と笑いがわき起こった。『すべては海になる』は新宿バルト9、梅田ブルク7ほか全国にて公開中。■関連作品:すべては海になる 2010年1月23日より新宿バルト9、梅田ブルク7ほか全国にて公開©「すべては海になる」パートナーズ■関連記事:サトエリ&柳楽優弥、カンヌで「運命の出会いをした」『すべては海になる』完成披露世界最大のお化け屋敷“戦慄迷宮”が、清水崇監督&柳楽優弥主演で映画化
2010年01月23日池宮彰一郎の小説「最後の忠臣蔵」が、役所広司と佐藤浩市を主演に迎え映画化されることが発表された。池宮作品ではすでに「四十七人の刺客」が1994年に高倉健、中井貴一、宮沢りえらを配して映画化されているが、本作は「四十七人の刺客」の後に出版された「四十七人目の浪士」(※のちに「最後の忠臣蔵」に改題)が原作。大石内蔵助を始めとする浪士たちが吉良邸に討ち入り主君に殉じて切腹したのち、密かに生き残った2人の男たちの姿を描いた物語となっている。役所さんが演じるのは、赤穂浪士・瀬尾左孫衛門(せのお・まござえもん)。討ち入りの直前に仲間たちの元から逃亡、討ち入り後に志士たちが英雄視される中で、“裏切り者”“臆病者”という罵り、蔑みを浴びながら生きる。一方の佐藤さんの演じる寺坂吉右衛門(てらさかきちえもん)は、討ち入りを果たした四十七士の一人であり、「忠臣蔵」ファンの間でも名の知られた人気の志士。討ち入りには参加したもののその直後、討ち入りの事実を後世に伝えることを目的に、大石内蔵助の命で隊から離脱した浪士であり、2人が吉良邸討ち入り後の時代を生きる姿、そして瀬尾の逃亡の真の理由が描かれる。これまで幾度となく時代劇で名演を見せてきた役所さんと佐藤さん。近年では、三谷幸喜監督作『THE 有頂天ホテル』に共に出演しているものの、本格的な共演は今回が初めて。果たしてどのような絡みを見せてくれるのか?メガホンを握るのは、長年にわたりTVドラマ「北の国から」シリーズの演出を担当してきた杉田成道。これまでに舞台で手塚治虫原作の「陽だまりの樹」やつかこうへい作の「幕末純情伝」といった時代劇の演出を手掛けている。共演者には安田成美、笈田ヨシ、山本耕史、伊武雅刀ら演技派の俳優陣が名を連ねる。『ラスト サムライ』、『硫黄島からの手紙』といったヒット作を世に送り出してきたワーナー・ブラザースが日本発の大作として日本人の心に深く刻まれた「忠臣蔵」で世界に勝負を賭ける!『最後の忠臣蔵』は2011年正月第二弾として全国公開予定。■関連作品:最後の忠臣蔵 2011年正月第2弾として全国公開
2009年11月04日