三菱レイヨン・クリンスイは、プロダクトデザイナー・柴田文江がデザインした蛇口直結型浄水器「クリンスイ CSP801」を発表した。発売日は2月20日。価格はオープン。販売は全国のスーパー、カメラ・家電量販店、ホームセンター、同社Webページなどで行われる。同製品は、液晶画面を搭載し、高い浄水性能を持つ蛇口直結型浄水器。これまで同「CSPシリーズ」は男性向けに近未来感のあるデザインを中心に採用してきたが、同製品は「台所で料理をする機会が多い女性」をターゲットとし、やわらかくシンプルなデザインが特徴となっている。また、同製品のデザインは、これまでグッドデザイン賞など多数の賞を獲得しているプロダクトデザイナーの柴田文江氏が行い、同製品について「やわらかくシンプルなデザインの浄水器です。複雑な要素を整理して、お料理の邪魔にならないように使いやすさをカタチにしました」というコメントを寄せている。そのほか、蛇口から出る水が浄水に適した水量になっている時は緑色のランプが点滅し、適切な水量で浄水されていることを知らせる"しっかり浄水サイン"を搭載。これにより、15種の物質の除去が可能なハイクラスな浄水能力を最大限に引き出すことができるということだ。さらに、カートリッジの使用残量を液晶でカウントダウン表示し、オレンジランプが点滅して交換時期を知らせる。シャワーモード時は同社の従来品に比べて約30%の節水が可能となっており、3カ月の長寿命カートリッジとあわせて経済的に使用することができるモデルとなっている。
2015年02月06日舘ひろしと柴田恭兵の刑事コンビでおなじみの人気シリーズ『あぶない刑事』が、約10年ぶりに劇場公開作品『さらば あぶない刑事 ―long good-bye―』(2016年正月公開予定)として復活することが2日、都内で行われた「2015年東映ラインナップ発表会」で発表された。『あぶない刑事』は、1986年に日本テレビ系のテレビドラマとして誕生した刑事物語。横浜を舞台に、港警察署捜査課の"タカ"こと鷹山敏樹(舘ひろし)、"ユージ"こと大下勇次(柴田恭兵)の破天荒な活躍をコメディタッチで描いている。1987年に劇場版第1作となる『あぶない刑事』が公開された後、1988年に『またまたあぶない刑事』、1989年に『もっともあぶない刑事』、1996年に『あぶない刑事リターンズ』、1998年に『あぶない刑事フォーエヴァーTHE MOVIE』、2005年に『まだまだあぶない刑事』とこれまで6作の劇場版が公開された。シリーズを通して広域暴力団「銀星会」との抗争も描いてきたが、最新作ではタカとユージが最後の事件としてその銀星会の残党を叩いたことで、背後に"最強の敵"の影が浮かび上がる。果たして2人は、「夢見る優雅な年金生活」を無事に送ることができるのか。おなじみの仲村トオル演じる町田透、浅野温子演じる真山薫も登場。劇場版の3作目と4作目のコンビ、村川透監督と脚本・柏原寛司が再びタッグを組む。この日の発表に際し、主演の2人からコメントが寄せられた。舘は「タカ・ユージと共に時代を駆け抜け"オトナ"になった皆さんとスクリーンで再会できる日が今から楽しみです」と早くも公開が待ち遠しい様子。「私、恭様、そしてオンコとトオル、4人のあぶない顔ぶれがお茶目に軽やかに大奮闘する最後のあぶない刑事を是非ご高覧ください」と呼びかけ、「足腰は多少パワーダウンしましたが…いまでも特技はバイクアクション!」とアピールした。一方の柴田は「『さらば』です。ファイナルです。大下勇次を演じるのはこれで本当に最後です」と断言し、「これまで30年応援してくださった方々に、感謝の気持ちを込めて、愛を込めて『さらば あぶない刑事』を贈ります」とシリーズを支えたファンにメッセージ。「いつもどおりジョークも添えてスクリーンで派手なお別れパーティーを開きたいと思います。ご参加ください。参加料は劇場窓口でお支払いください。お待ちしています」と冗談を交えて劇場への来場を呼びかけた。そのほか、出演者や主題歌についてなどの詳しい情報は明かされなかったが、当日配られた資料にはタカとユージのこんなやりとりが掲載されていた。大下「俺たちがバケーションを楽しんでる間に港署も変わっちまったらしいな」 鷹山「薫は?」 大下「結婚するみたいよ」 鷹山「え!? 相手はもしかして愚かな動物か?」 大下「トオルのこと? あいつは県警本部にゴマすって出世一筋」 鷹山「ハマもまた悪党どもがのさばってるってよ」 大下「最高だぜ、復帰のタイミングとしちゃ」 鷹山「休み明けのデカの恐ろしさを見せてやるか、たっぷりとな」「東映ラインナップ発表会」は、東映がその年に配給する作品を発表する目的で、毎年この時期に行われている。今年は『悼む人』『ドラゴンボールZ 復活の「F」』『王妃の館』『海難1890』『幕が上がる』など20作品。多田憲之社長は冒頭のあいさつで、今年のテーマを「娯楽度1000%」と掲げた上で、『さらば あぶない刑事 ―long good-bye―』について「大変な大人なエンターテイメントになるのでは」と期待を寄せていた。■2015年の東映配給作品(公開予定順)1.『悼む人』2月14日公開2.『花とアリス殺人事件』2月20日公開(※)3.『さいはてにて~やさしい香りと待ちながら~』2月28日公開4.『幕が上がる』2月28日公開(※)5.『映画プリキュアオールスターズ 春のカーニバル♪』3月14日公開6.『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』3月21日公開7.『ドラゴンボールZ 復活の「F」』4月18日公開8.『王妃の館』4月25日公開9.『ズタボロ』5月9日公開10.『天才バカヴォン~蘇るフランダースの犬~』5月23日公開11.『おかあさんの木』6月6日公開12.『白魔女学園 オワリトハジマリ』6月13日公開(※)13.『アリのままでいたい』夏公開予定14.『劇場版 仮面ライダードライブ(仮)』『手裏剣戦隊ニンニンジャーTHE MOVIE(仮)』夏公開予定15.『ガールズ・ステップ』秋公開予定16.『映画Go!プリンセスプリキュア(仮)』秋公開予定17.『起終点駅 ターミナル』秋公開予定18.『海難1890』12月公開予定19.『仮面ライダー×仮面ライダーMOVIE大戦2016(仮)』冬公開予定20.『さらば あぶない刑事―long good-bye―』2016年正月公開予定※配給協力作品およびODS作品
2015年02月03日舘ひろし&柴田恭兵主演の人気刑事ドラマ「あぶない刑事」シリーズの10年ぶりとなる新作にして、完結編となる『さらば あぶない刑事 -long good-bye-』の製作が2月2日(月)に開催された東映のラインナップ発表会で明らかになった。「あぶない刑事」は1986年にTVシリーズがスタートし、その後も「もっとあぶない刑事」(’88~’89)が放送されているのに加え、1998年にはスペシャルドラマとして「あぶない刑事フォーエヴァー」も放送。劇場版もTV放送直後の1987年の第1作から計6作が製作されており、もっとも最近では2005年に『まだまだあぶない刑事』が公開されている。横浜を舞台に港署の“タカ”こと鷹山敏樹と“ユージ”こと大下勇次の破天荒な刑事コンビが暴れ回る姿を描き高い支持を集め、舘さんと柴田さんに加え、仲村トオル、浅野温子らレギュラー共演陣も人気を誇った。今回の最新作は誕生から30年目の2016年公開予定で、実に10年ぶりの新作となる。現時点で、配布された資料により明らかになっているのは、2人にとって最後の事件となるのは、暴力団「銀星会」の残党を叩いたことに端を発し、タカとユージは「銀星会」の裏にいる最強の敵との対決を余儀なくされるということ。第1シーズンから演出陣に名を連ねており、劇場版3作目『もっともあぶない刑事』、4作目『あぶない刑事リターンズ』でもメガホンを握った村川透が監督を務め、同じく第1シーズンから劇場版に至るまでずっと、本シリーズの脚本を担ってきた柏原寛司が本作でも脚本を執筆している。撮影はこれからだが、今回の発表に際し、舘さんと柴田さんからコメントも到着。<以下、コメント全文>■舘ひろし「タカ・ユージと共に時代を駆け抜け“オトナ”になった皆さんとスクリーンで再会できる日が今から楽しみです。私、恭様、そしてオンコとトオル、4人のあぶない顔ぶれがお茶目に軽やかに大興奮する最後のあぶない刑事を是非ご高覧下さい。足腰は多少パワーダウンしましたが…いまでも特技はバイクアクション!」■柴田恭兵「『さらば』です。ファイナルです。大下勇次を演じるのはこれで本当に最後です。これまで30年応援してくださった方々に、感謝の気持ちを込めて、愛を込めて『さらば あぶない刑事』を贈ります。いつもどおりジョークを添えてスクリーンで派手なお別れパーティを開きたいと思います。ご参加ください。参加料は劇場窓口でお支払いください。お待ちしています」舘さんは今年の3月の誕生日で65歳、柴田さんは8月で64歳を迎える。2人合わせて130歳に届こうかという2人が最後の「あぶ刑事」でどんな走りとアクションを見せてくれるのか?期待が高まる。『さらば あぶない刑事 -long good-bye-』は2016年正月、全国にて公開予定。(text:cinemacafe.net)
2015年02月03日NTTぷららは1月28日より、4K画質のビデオオンデマンド(VOD)サービス「ひかりTV 4K」に対応したチューナーの提供を開始した。これにより、ひかりTV 4Kに対応していない4Kテレビでも、ひかりTV 4KのVODサービスを利用できるようになる。チューナーの機種名は「ST-400」。提供方法はレンタルのみで、初期費用は1,080円、レンタル料金が1,944円/月(以下すべて税込)となっている。ひかりTV 4Kを視聴するには、NTT東日本・NTT西日本の光回線「フレッツ 光ネクスト」「Bフレッツ」、またはNTT西日本の「フレッツ・光プレミアム」に加入が必要だ。ひかりTVの契約は、「お値打ちプラン(3,780円/月)」「テレビおすすめプラン(2,700円/月)」「ビデオざんまいプラン(2,700円/月)」「基本放送プラン(1,080円/月)」の4種類が用意されている。ST-400は、ひかりTV 4KのVODサービスに加えて、HD画質の「ひかりTV」にも対応。視聴用のチューナー1基と、USB HDDへの録画用チューナー2基を搭載している。なお、録画が可能なのは、ひかりTVの「テレビサービス」で提供される番組のみで、ひかりTV 4Kを含んだ「ビデオサービス(VOD)」の番組を録画することはできない。
2015年01月29日○高速大容量のキャッシュサーバーとしてOSSベースのNginxを活用株式会社NTTぷららが提供する「ひかりTV」は、2014年内にも300万会員を突破する勢いの成長著しいサービスだ。テレビ放送、ビデオ(VOD)、ゲーム、ミュージック、ショッピング、ブック、カラオケ、アプリなどを包括したエンターテインメントのマルチサービスに発展。また、2014年10月より商用サービスとしては世界初となる、秒間60フレーム(60p)の高品質4K映像のVODサービスを開始した。進化を続けているこのサービスを支えているのが、商用版NGINX Plusである。OSS(オープンソース・ソフトウェア)ベースのWebサーバー、キャッシュサーバーとして運用してきたNginxの経験と実績も活かしつつ、ロードバランサーとしての活用によるサービス基盤の高度化を目指す。○高速大容量のキャッシュサーバーとしてOSSベースのNginxを活用インターネット黎明期の1996年より、個人向け・法人向けのISPサービス「plala(ぷらら)」を提供してきたNTTぷらら。現在、そのビジネスはIP電話の「ぷららフォン for フレッツ」や映像配信サービスの「ひかりTV」へと多角化している。中でもひかりTVは著しい成長を遂げており、テレビ放送(全98チャンネル)やビデオ(約3万本)の配信のみならず、ゲームやミュージック、ショッピング、ブック、カラオケ、アプリなどを包括した、エンターテインメントのマルチサービスに発展。会員数は約293万人(2014年11月末現在)へと拡大している。このNTTぷららの事業をITインフラの側面から支えてきたのが、OSSベースのWebサーバー「Nginx」である。同社 技術本部 ネットワーク管理部 プラットフォーム担当のチーフエンジニアである嶋寺克彰氏は、次のように語る。「2008年にひかりTVのサービスを開始した当初、100万人程度の会員を収容できることを想定し、インフラを設計していました。ところが2010年度に早くも100万会員を超え、2012年度には200万会員を突破。もはやサーバーのスケールアウト増設による対応は限界に近づいていました。この課題解決のため、フラッシュストレージとの組み合わせで高速大容量のキャッシュサーバーとしても活用できるNginxを採用しました」○高価なロードバランサー専用装置をNGINX Plusで代替できるNginxは期待どおりの性能を発揮した。同社 技術本部 ネットワーク管理部 プラットフォーム担当のチーフエンジニアである大橋峰延氏は、このように評価する。「ひかりTVのバックエンドでは、HTTPベースで会員向けサービスを提供しているのですが、この処理が非常に複雑なのです。たとえば、会員ごとのメニュー画面を表示するためには、それぞれの契約内容やセットトップボックスの種別に応じて、コンテンツストレージから番組情報や画像を取得する必要があり、多岐にわたるパラメーターを付加した検索処理を実行しなければなりません。そこでPOSTリクエストをNginxでキャッシュしているわけですが、会員数が300万人に迫りつつある現在も、ストレスを感じさせない快適なレスポンスを確保できています」こうした実績を重ねる中でNTTぷららが新たに直面したのが、システムライフサイクルにおけるロードバランサーの更新に関する問題である。「当社はこれまで専用アプライアンス型のロードバランサーを利用してきたのですが、この装置のリプレースには数百万円規模の投資が必要とされました」と嶋寺氏は語る。まさにその時、サイオスが国内販売を開始したのが、商用版Nginxの「NGINX Plus」だった。以前からNGINX Plusの動向を注目していたという大橋氏は、すぐにサイオスとコンタクトを取り、その評価版を入手。アプリケーションのヘルスチェック機能やオンザフライのコンフィグレーション機能などの検証を実施した。「その結果として、近年における汎用サーバーの飛躍的な性能向上も踏まえ、アプリケーションに求められる機能的な要件が合えば、高価なロードバランサー専用装置をNGINX Plusで十分に代替できると判断しました」と語る。なお、ネットワーク機器であるロードバランサーについては、サーバー製品よりも一段高いレベルのSLAが求められるが、「商用版であるNGINX Plusであれば、万一の事態でもサイオスのサポートを受けられる安心感がありました」と嶋寺氏は語る。○今後もますます進化していくひかりTVのサービスを支え続ける2014年8月にNTTぷららに導入されたNGINX Plusは、ネットワーク配下の複数の物理サーバーをGUI上でコントロールできる独自開発ツールと組み合わせて運用を開始。動画配信をはじめとする、ひかりTVのさまざまなサービスを支えている。「NGINX Plusは大きなトラブルを起こすことなく、安定稼働を続けています。従来のロードバランサー専用装置に比べると、今回のリプレースに投じた費用は大幅に削減でき、非常に高いROI(投資対効果)を発揮しています」と嶋寺氏は評価する。そして2014年10月、ひかりTVは従来のハイビジョン映像の4倍の画素数(3,840×2,160画素)を持つ4K映像によるVODサービスを国内で初めて開始した。秒間60フレーム(60p)の高品質4K映像を配信する商用サービスとしては世界初の取り組みだ。こうして今後も進化していくひかりTVのサービスを、NGINXPlusが支えていくことになる。そうした中で大橋氏は、「PaceMakerとの連携やコンフィグ同期などの冗長化機能の強化、ロードバランサーとしての運用機能の充実、REST APIへの対応など、さらなるエンハンスを待ち望んでいます」と、NGINX Plusならびにサイオスに対する期待を寄せる。一方でNTTぷららとしても、今回の成果を含めたNginxならびにNGINX Plusの活用ノウハウやベストプラクティスを、最近活動を開始した「Nginxユーザー会」などのコミュニティに向けて積極的に公開していく考えだ。ユーザー企業同士の情報共有や協力を通じて、共に成長していくことを目指すという。
2015年01月19日●ラインナップ続々 - NTTぷららの4K映像配信サービス「ひかりTV 4K」シャープの4K対応テレビ「AQUOS(アクオス)」が、10月27日から「ひかりTV 4K」のVOD(ビデオ・オンデマンド)サービスに対応し、国内初の商用4K映像配信サービスがスタートしている。12月3日にシャープは、ひかりTV 4Kをアピールする説明会を開催。4K映像のVODサービスの詳細を紹介した。NTTぷららが提供するひかりTV 4Kは、NTT東西のフレッツ回線を利用した映像サービスで、会員数は293万人に達し、年度内に300万人を目指している。サービスの1つとしてビデオ・オン・デマンドサービスがあり、3万タイトル以上の映像を配信しているが、10月27日から国内初の商用サービスとして4K映像サービスを提供。映画やドラマ、ドキュメンタリーなど120タイトルを提供し、2014年度内に200タイトル以上に拡充する。映像はH.265/HEVC・60pのエンコードされ、ビットレートは25Mbps。フレッツ光の閉域網で配信するため、インターネット経由の配信に比べて安定した映像配信が可能になっており、ISPに縛られずに受信できる。今回、4K映像配信にあたっては、まず4Kの普及を目指し、特別な追加料金不要で視聴できるようにしており、既存のプラン利用者は、そのまま4KのVODを利用できる。国内では、総務省を初め、放送・通信・メーカーといった業界が4K/8Kの推進をしており、テレビ自体はプレミアムモデルを中心に4K対応モデルが増えてきた。4K放送はまだ開始されていないが、ぷららでは4Kが「光ブロードバンドの優位性をいかせるキラーサービス」と見ており、いち早くVODとしてサービスの提供を開始した。●ひかりTV 4Kはどんな機器を揃えれば見られる?今回、シャープの4K対応AQUOSは、フラッグシップの「UD20」シリーズの70/60V型、52V型、10月発売の「US20」シリーズ(60/52V型)、9月発売の「U20」シリーズ(50V/40V型)の7機種が、ソフトウェアアップデートによってひかりTV 4Kに対応。初めての対応機種として4K映像の配信を受信できるようになった。基本的にはHEVCデコーダーを内蔵したひかりTV対応テレビであれば利用でき、2015年前半から春以降に、ソニーのBRAVIA、東芝のREGZA、パナソニックのVIERA、LGの各社テレビ22機種以上が対応していく。また、12月下旬にはぷららからひかりTV 4K対応STBをレンタル提供する予定だ。4K映像は、新しいHEVCコーデックを採用したことで実用的な容量で高画質配信が可能になっており、ひかりTV 4Kでも100MbpsのBフレッツなどでも視聴可能になった。水しぶきなどのブロックノイズが出やすい細かい被写体も高画質で表示でき、従来のフルHD映像に比べて解像度以上の高画質を実現した。ぷららでは、自社内に4K映像の制作舞台も抱えてコンテンツの拡充を図っていくとともに、順次コンテンツを追加していく。今後は映像品質を極力維持しつつ、ビットレートを10Mbps台後半まで下げて容量を削減していき、2番組同時録画もできるような環境を目指していく。シャープでは、いち早く4KのVODサービスに対応することで、4K映像の高画質をアピール。テレビCMや交通広告なども積極的に展開して、4K環境の訴求を図っていきたい考えだ。
2014年12月04日橘画廊は、12月5日から「柴田謙司展Locked in the ether」を開催する。20日まで。柴田謙司は、閉じ込められる、時間が過ぎていく、といった「ありさま」を「もの」の姿を借りた比喩で表現する写真家。今回の個展では、ラナンキュラスなどの花とそれらを閉じ込める氷で時間をテーマにした新作十数点を発表。花が氷に閉じ込められている「ありさま」は永遠の現在の比喩という。紫、ピンク、赤の濃厚な色彩は華やかかつ幻想的。輪郭はシャープで生命力を感じさせる。一方、氷が溶けていくさまは時間の経過の比喩。氷が溶けることによって花は氷の拘束から解き放たれるが、刻々と朽ちていく。写真には両比喩が同居し、鑑賞者に時間と人のかかわりを問い掛ける。【イベント情報】「柴田謙司展Locked in the ether」会場:橘画廊住所:大阪市西区西本町1-3-4大阪陶磁器会館地下1階会期:12月5日から12月20日時間:12:00から19:00(最終日は17:00まで)休廊日:日・月曜日
2014年11月26日女優の満島ひかりと石原さとみが10月23日(木)に開催された「東京ドラマアウォード2014」において、それぞれ「主演女優賞」「助演女優賞」に輝いた。昨年7月から今年6月の1年に放送されたTVドラマを対象に、優れた作品、個人を表彰するもので、満島さんは夫を亡くし、2人の子どもを抱えたシングルマザーとして生きる女性を力強く演じたドラマ「Woman」、石原さんは魔性のヒロインを演じた月9ドラマ「失恋ショコラティエ」における演技が評価されての受賞となった。満島さんと共に、娘役を演じた鈴木梨央、息子役を演じた高橋來も登場し「おめでとうございます」と満島さんを祝福。満島さんは満面の笑みを浮かべ、子どもたちと手をつなぎ「1年ちょっとぶりに会ったけど、すぐに(母子の関係に)戻れました」と語った。初の母親役に関しても「2人の母親になれるのか?最初は不安でしたが監督が『あの2人が“お母さん”と呼んだり、甘えてきたりすることで母親にさせてもらえるから大丈夫』とおっしゃって下さって、本当に2人のおかげで母親になれたと思います」とふり返る。また、母親役を経験したことでの変化を問われると「誰かのために生きるってすごくいいことだなと改めて実感しました。2人が現場にいてくれてすごく楽しかったです」と愛情たっぷりの表情で語っていた。石原さんは「失恋ショコラティエ」で人妻でありながら松本潤演じる主人公を魅了し、惑わすヒロインを演じ、大きな話題を呼んだ。「オンエアのとき、オンタイムで見てくれる友達が多くてリアクションも大きかったです」と当時から手応えや反響を感じていたよう。小悪魔的な役柄に関しては「そういう役をやったことがなくて新鮮でした。事前に勉強で女性誌を読んだり、活躍しているかわいらしい女性タレントの方はアナウンサーの方のメイクや仕種、ファッションを観察しました」と明かす。撮影に入って「最初は難しくて『もっとブリッコで!』『もっとキャピキャピと!』『もっと声を高く』と言われ続けていました」とふり返るが、演じながら「楽しめるようになりました」と充実した表情を見せていた。(text:cinemacafe.net)
2014年10月23日NTTぷららは同社が運営する「ひかりTV」において、4K映像のVOD(ビデオオンデマンド)サービスを10月27日より開始すると発表した。提供する4K映像コンテンツにはNHKオンデマンドのドキュメンタリーや、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントの映画などが含まれる。同サービスを利用するには、ひかりTVとの契約、NTT東日本の光回線「フレッツ、光ネクスト」「B フレッツ」もしくはNTT西日本の光回線「フレッツ・光プレミアム」、ひかりTVチューナーを内蔵した4Kテレビが必要となる。ひかりTVチューナーを持たない4Kテレビでも、12月下旬より同社がレンタル提供を開始する「ひかりTV」4Kチューナーや、ソニーの4Kメディアプレーヤー「FMP-X7」を利用すれば視聴できる(要HDMI2.0/HDCP2.2対応)。ひかりTVチューナーを内蔵した4Kテレビは、シャープのアクオス UD20/US20/U20シリーズが10月27日から対応するほか、2015年春には東芝のレグザ Z10X/J10Xシリーズ、ソニーのBRAVIA X9500B/X9200B/X8500Bシリーズなどが対応する予定となっている。サービス開始時の4K映像コンテンツとして、NHKオンデマンドなどテレビ局が制作したドキュメンタリーのほか、映画、ドラマ、スポーツ、音楽など110本以上のラインアップを提供する。4K映像の商用サービス提供は国内初、4K/60pの商用VOD提供は世界初となる(2014年10月2日時点、同社調べ)。(c) 2014 Columbia Pictures Industries, Inc. and LSC Film Corporation. All Rights Reserved. Marvel, Spider-Man and all related character names and their distinctive likenesses & (c) 2014 Marvel Entertainment, LLC and its subsidiaries. All Rights Reserved.(c) BBC Earth Productions (Africa) Limited and Reliance Prodco EK LLC 2014
2014年10月03日――昨年8月末にポップアップショップを行った時の感触はどうでした?柴田:ファッションというのはやはり伊勢丹なんだな、と思いました。上から下までそれぞれのフロアにファンがいて、百貨店というのは何度も足を運んでお互いの関係が築かれてから購入するというイメージがあったのですが、伊勢丹のお客様が多くの商品から自由に選ばれているのはすごく驚きで、ここで是非やりたいと思いました。実際に今回の本格的な売り場のスタートは、私達にとってはチャレンジで、多くを学ぶ場所。激戦区で価格、素材など様々に勉強していかなければと思ってます。井辻:昨年8月のポップアップショップは40%が34歳以下のお客様で、普段の我々のお買場の平均年齢よりかなり若く、新規のお客さまも多かったようです。今回の導入でその時のお客様にまた戻って来ていただいています。――ルシェルブルーは東京ブランドと呼んで良いのですか?柴田:目指すのはいつも言っているのですが“世界標準の女”。東京から発信しているブランドですが、いつかは世界中の女性に着て欲しいですね。井辻:ルシェルブルーには突っ走って欲しい。今の時代に必要なのは“個性”。世の中からこれってルシェルブルーらしいね、と言われるようになるためには続けなきゃいけない。妥協せず、それが“世界標準の女”になるブランドになるのではと思います。――今春、デビューするベーシックライン「ルシェルブルー・エッセンシャルズ」は、柴田さんのこだわりが詰まっているようですね。柴田:(企画では)コンスタントに使っていきたいアイテムは数えられないほどボツを出します。インナーとか普通に見えるモノほどこだわりたいんです。そのこだわりはバイヤーとしての経験もありますが、着用して襟の伸びや静電気など自分自身が気になる箇所はずっとボツを出し続けます。「ルシェルブルー・エッセンシャルズ」は我々が目指す究極のベーシックのラインです。今まで私がずっと探していた理想のサイズ感とフィット感を形にしたTシャツやパンツなど、モード過ぎるアイテムをうまく引き算していったアイテム。コーディネートに絶対に欠かせないアイライナーのようなラインで、ゴールデンウィーク中にTシャツとデニムパンツ、ジャケットがデビューするので、ご期待ください。――こだわりの強さは店作りまで徹底されているとか。柴田:そうですね。2年前のリブランディングでは、ロゴのフォントから、壁紙の色、ショッパーまですべて変更しました。フォントのこだわりは強いんです(笑)。商品だけではなく、それを包むいろいろがあってブランドなんで、そこにはこだわりたいですね。――リステアとルシェルブルーの関係性は?柴田:セレクトショップのリステアとルシェルブルーは別人格。まったく自分の中では切り離して考えています。ルシェルブルーを卒業したらリステアというような関係性とは全く違います。ルシェルブルーはデイリーなアイテムですね。友だちに会う時とか、普段着る服。シンプルだけど、どこかお洒落。リステアは非日常ですね。パーティーとか(笑)。これどこに着ていくのですか?とか良く聞かれますけれど、「さぁ、どこかじゃないですか?」って、答えています(笑)。――来秋冬、注目しているトレンドを少し教えて頂けますか?柴田:大人の女性が楽しむプレッピースタイルを我々らしくモードに解釈して提案していきたいと思ってます。今回の海外コレクションでも60年代とのミックスしたプレッピールックやブリティッシュぽいものなどクラシカルな要素は、ビッグトレンドとして注目されていますから。1/2に戻る。
2014年03月28日リモデルから1周年を迎えた伊勢丹新宿店の2階「TOKYOクローゼット」に「ルシェルブルー(LE CIEL BLEU)」が導入された。東京基準の最旬ブランドが集積された同売り場のキーワードは「モードエントリー」。2年前にリブランディングして東京のリアルクローズを再提案したルシェルブルーのコンサルティングを手掛けるリステアの柴田麻衣子クリエーティブディレクターと伊勢丹新宿店TOKYOクローゼット担当・井辻康明バイヤーに話を聞いた。――2年前にリブランディングする際に考えた、柴田さんが思い描いた新しいルシェルブルーというのは?柴田:あまりカテゴライズしてファッションを考えたことはないのですが、内なる強さと上品さを兼ね備えた日本の女性に向けて、日常を彩る新デイリーというか、ニュースタンダードというべきアイテムをスタイリングで提案するトレンド発信型ブランドを目指しました。――実際にそれまでのお客さんに比べて、この2年間で客層は変化しましたか?柴田:以前は日本の雑誌などで紹介されたスタイリングやトレンドをそのまま取り入れるような層が中心だったのが、普段から海外のコンテンポラリーブランドのトレンドに注目している女性が増えたのでは、と感じています。そういう意味で、年齢は少し上がったのかもしれません。――少し抽象的な質問になりますが、柴田さんが考えるファッションというのは?柴田:うーん、難しいですね。個人的な考えですが、ファッションは自己表現の一つ。着飾っても、着飾らなくてもその人の人生は変わらないのかも知れないけれど、私達は表現の一つとして、それは変えられると思っている。お化粧や、物を食べるのと一緒ですね。――柴田さん自身はいつからファッションのバイヤーを目指したのですか?柴田:ずっと小さいころから着飾ることは好きだったんですが、バイヤーを最初から目指したわけではありません。欲しい服が買えれば最初はそれで良かったのが、だんだんエスカレートしてバイヤーになりました。バイヤーになったのは、2000年頃からです。――リモデルから1周年を迎え、伊勢丹新宿店がルシェルブルーを2階に導入した背景は?井辻:若い層のファッションで、誰かと同じファッションが良いという価値観だったのが変化してきているという背景があります。リモデルから1年が経ち、分析してみると、モードに非常に興味を持った若いお客様が増えているという実感があります。ファッションが好きで、今何を着るべきかを理解しているお客様ですね。――その理由は何なんでしょうね?柴田:あまりにも服屋さんが多く、ファストファッションが増えて、トレンドが安易に取り入れられるようになりました。そこに疑問を持ったファッション好きな女性達が、少々高くても意味のある洋服や、メッセージ性のあるものにお金を出そう、という気持ちが芽生えているのではないでしょうか。井辻:自分で良いと思うモノを着たいという思いであったり、誰かが良いと言ったから着ると言うのではなくて、自分自身で体感しないと分からない、というか……。柴田:食べてみないと分からない、っていう感じ(笑)。井辻:そうそう。――伊勢丹新宿店では、モードエントリーのゾーンとしてルシェルブルーを位置づけていますが、その意図は?井辻:お金にもゆとりが出てきた20代後半から30代前半の女性が海外の有名メゾンなどの商品も見て、知ってはいるけれど、価格も高いしシーズンに何着も買えない。自分自身が社会に出て、経験を積んで世の中を知ってきた時に見えてきた“モードのエントリーとしての部分”がルシェルブルーなのでは、と考えています。モードというのは確かに格好いいのだけれど、普段の一般生活の中に取り入れにくいものだと思います、ただ、それをうまく日常に取り入れられている女性は素敵ですよね。今回2階のTOKYOクローゼットが2月26日にリニューアルオープンして、ルシェルブルーのお客さんは定番のものではなくどこか尖ったものを望んでいらっしゃいます。――モードな要素をリアルファッションに取り入れるためのルシェルブルーのMDとは具体的に?柴田:(ルシェルブルーの商品は)コレクション的な強い要素とメッセージ性を持つライン、少し尖ったトレンド性の強いコマーシャルライン、シンプルで洗練された、トレンドに左右されないアイテムがそろうライン、その三つのラインで構成されいて、それぞれをどう組み合わせてもうまく引き算出来るようになっています。ファッションが上手な女性というのはどれだけ引き算ができるかだと思いますね。井辻:柴田さんと初めてお会いしたとき印象的だったのは「今の子は楽しすぎなのでは」と話されていたこと。雑誌や誰かの真似で良い、というファッション感覚も然り。そのとき柴田さんが「1日中、ハイヒール履いていれば脚が痛くなって当たり前」と言われていたのは覚えてらっしゃいますか?今後日本の若い女性達がもっとグローバルな感覚を持って世界に出ていくのであれば、場と目的にあったスタイリングをしていくのは当たり前で、そういう意味で今の若い子は楽しすぎているのかもと思いますね。柴田:海外ではあり得ないことだけれど、日本では汚い格好でもフレンチに行けたりするし、スペシャルなデートの時に着飾ることが逆に変に思われたり、疎ましく思われたりすることがあり、そういう点で寂しかったりするんです。それと、日本では異性に受けるか受けないかということが、若い子の洋服を選ぶ基準のナンバー1なのでは。勿論、それも洋服を選ぶ一つの基準ではあるのですが、同時にそうじゃない女性もいるはずで、そういう女性が実は仕事がすごく出来て、海外に出て活躍されているシーンをよく見ます。そういう女性に向けてのブランドがあっても良いのではと思っています。井辻:ファッショニスタをターゲットとしている伊勢丹新宿店のお客様は確かに、洋服をよく知っていらっしゃって、ルシェルブルーの洋服もコレクションラインを中心に選ばれるお客さまが多いのですが、確かに僕から見ると、 “モテ服”という基準で洋服を選ばれている女性ではないですね。2/2に続く。
2014年03月28日映画やドラマなどの映像配信サービス「ひかりTV」が初めて制作したオリジナルドラマ「24時間女優」が、10月25日(金)よりビデオ・オン・デマンドで配信されることが決定。夏帆や橋本愛といった若手実力派女優たちが、気鋭の映像監督とそれぞれタッグを組み、わずか24時間で1本の短編ドラマを撮影する。ドラマ「24時間女優」は、毎回キャスティングが異なる女優と監督が、「待つ女」という与えられたテーマに沿って、24時間以内に短編ドラマを撮りきるという、かつてない試みだ。女優たちが現場に入ってから撮影終了するまでに完全密着したメイキング・ドキュメンタリー(前編)と、完成した約8分の短編ドラマ(後編)の2部構成とし、ドラマだけではなく、限られたわずかな時間の中で苦悩しながら役に入り込む、彼女たちの素顔も垣間見ることができる。初回は、『箱入り息子の恋』など数多くの映画やテレビドラマで活躍する夏帆と、『男子高校生の日常』『アフロ田中』の松井大悟監督が初タッグ。そして、第2回は長澤まさみ&岡田将生主演の『潔く柔く きよくやわく』に出演する波瑠、第3回は『シャニダールの花』『中学生円山』など話題作への出演が続く刈谷友衣子、第4回以降にはNHK「あまちゃん」でさらにブレイクした橋本愛ほか、いまをときめく若手女優が続く。「おはようございます」から「お疲れさまでした」まで、一瞬たりとも気が抜けない異色ドラマとその舞台裏。彼女たちが「待つ女」でどんな素顔を見せてくれるのか、楽しみだ。「24時間女優」(全8回)は10月25日(金)より「ひかりTV」のビデオサービスおよびテレビサービスにて配信。第1回~第8回の前編は無料。第1回前編を無料で先行配信中。(上原礼子(cinema名義))
2013年10月17日森山未來と満島ひかりが共演するミュージカル『100万回生きたねこ』の制作発表会見が8月14日行われ、森山と満島と共に、演出・振付・美術を手がけるインバル・ピントとアブシャロム・ポラックが登壇した。『100万回生きたねこ』チケット情報佐野洋子のベストセラー絵本『100万回生きたねこ』を基に、2013年1月にミュージカルとして上演する本作。1996年に『DORA~100万回生きたねこ』のタイトルで上演されたものをリメイクする。今回は、イスラエルでの活動をベースに世界で活躍しているインバル・ピントとアブシャロム・ポラックが、原作絵本の圧倒的な美しさに共鳴し、演出・振付・美術を担当。また、戯曲は演劇界で注目を集めている若き劇作家、FUKAIPRODUCE羽衣の糸井幸之介、鉄割アルバトロスケットの戌井昭人、柿喰う客の中屋敷法仁の3名が執筆し、これを東京芸術劇場の芸術監督・野田秀樹の監修により1本の戯曲にまとめる。森山はタイトルロールの100万回生き返るトラ猫を、満島はトラ猫が初めて愛する白猫を演じる。会見で森山は「みなさんがイメージするミュージカルではないかもしれませんが、間違いなく楽しんでもらえる作品になると思う」と自信を見せる。ミュージカル初挑戦の満島は「小さいころからこの絵本が大好きで、何度も読んだ記憶があります。(出演者として)こういう形でこの絵本にまた出会えたのは嬉しいです」と本作に参加できる喜びを語った。既に4度目の共演となるふたり。お互いの印象を訊かれると森山は「映画、ドラマ、ストレートの芝居、ミュージカルを一緒にやる人は初めて!すごく信頼している人です」と話し、「本の中では“100万回生きた”とは言わない“死んだんだ”と言うんですよ。最後に、白猫と一緒にやっと死ぬことができる。どういう風に満島に殺してもらえるのか楽しみ」と期待を寄せる。これを受けて満島は「最近森山さんの顔が変わったなって思うんですよ。最初に出会った頃と違うんですね。久しぶりに会ったら素敵な男性になられていて。舞台は大先輩なので頼っていきたい。最終的には白猫になってこうできる感じになれればいいな」と抱きかかえるゼスチャーを交えつつ抱負を語った。既にワークショップを行っているアブシャロム・ポラックは「とても大きなチャレンジになると思っています。インバルと私は科学者がとても難しい実験を試みるような立場にあると思います。作品を創るレシピはまだ決まっていませんが、素晴らしい俳優とダンサー、ミュージシャンたちと一緒に創った作品をご覧いただいて、(観客を)あっと驚かせたい」とコメント。インバル・ピントは「原作を初めて読んだ時、感銘を受けました。この絵本の中には人生の中で非常に重要なメッセージが書いてあります。愛が何よりも大切であり、愛にたどり着くことが大切であると。直感を大事にして創っていきたい」と語った。公演は2013年1月8日(火)から27日(日)まで東京芸術劇場・プレイハウスにて上演。その後、大阪、北九州、広島で巡演する。チケットは9月1日(土)より一般発売開始。
2012年08月15日いまや老舗劇団として、また久本雅美や柴田理恵、佐藤正宏、梅垣義明など人気者が多数所属することでも知られるWAHAHA本舗。4月14日に東京・日本青年館で開幕した舞台『ミラクル』は、結成28年を経てなお攻め続けるWAHAHA本舗の底力を見せつけるものだった。WAHAHA本舗全体公演「ミラクル」チケット情報2006年の『NHK紅白歌合戦』で話題になった裸タイツをはじめ、梅ちゃん(梅垣)のシャンソンコーナーや、2009年入団の正司歌江、2010年入団のアジャ・コングが華を添えるネタもの、久本と柴田のここでしか見られない漫才など、その内容はバカバカしさとシモネタ満載。頭をカラッポにして思いきり笑えるステージだ。そして今回、『ミラクル』と銘打たれた公演のテーマは、なんと「祈り」。あの“大物歌手”のナレーションで幕が上がると、白いエンビ服を着た劇団員がズラリと登場。いつもなら、平均年齢45歳という彼らが必死に踊るダンスに笑うのだが、今回はなにやら違う様子だ。静かに流れ出す曲は、60年代のヒット曲『アクエリアス~レット・ザ・サンシャイン・イン』。全身で想いを表すような激しいダンスに笑顔はない。途中から座長・大久保ノブオが東日本大震災での記憶を、叫ぶように曲に重ねてゆく。元は若者たちの葛藤を描いた名作ミュージカル『ヘアー』のナンバー。思いがけず胸が詰まるような気持ちになるなか、オープニングが終わった。あえてストレートにこのシーンで始めたかったという、作・演出の喰始の言葉が大久保から紹介された後は、久本と柴田のMCも加わっていつもの“最高にくだらない”ステージに突入!その一発目が10年ぶりの復活演目だという「ハダカ影絵」なのだから、改めて振り幅の広さに笑ってしまった。全裸になった男性陣が、巨大な布の向こうで下半身(前張りナシ)を存分に利用した影絵を披露。プリミティブアートのような大らかさに、恥ずかしそうにしていた女性客も思わず爆笑。その後も趣向を凝らしたコーナーが20種ほど、10分の休憩を挟んで3時間たっぷり続く。意外にも本公演では初めてという、梅ちゃんが豆を鼻から飛ばしながら歌う『ろくでなし』や、久本のツッコミと柴田のボケが冴え渡るヘビメタ漫才、裸タイツの女性キャストと女装着物姿で日舞を舞う男性キャストのコラボなど、笑いの連打に客席も大喜び。中でも“綾小路ひさまろ”(久本)の独り身女性漫談は、テレビで見かけるそれ以上にひねりが効いて秀逸。お客様のリアルな不幸エピソードを読み上げ、客席まで行って励ますミニコーナーと共に、“バカでもダメでもいいじゃない”という弱者への共感とエールが、ひしひしと伝わってきた。公演は4月21日(土)の東京・オリンパスホール八王子、6月15日(金)から24日(日)まで東京・天王洲銀河劇場ほか、全国各地で7月8日(日)まで開催。チケットは一部を除き発売中。取材・文:佐藤さくら
2012年04月19日25歳の女優を指すのに適切かどうか分からないが、満島ひかりには“怪演”という言葉がしっくりくる。コミカルなヒロインから観る者の共感を得難いアクの強い役柄まで、人格ごと入れ替わったかのような変身を遂げ、その全てで強烈な感情をさらけ出す。そんな彼女が清水崇監督の『ラビット・ホラー3D』でホラー映画に初挑戦!いったいどんな“恐怖”を見せてくれるのか?といやがうえにも期待が高まるが、実は本人曰く「ホラーは苦手」。そのくせ「私って血しぶきが、似合いますよね?」と嬉しそうに笑みを浮かべるなど“ホラー適性”をしっかりと自覚している。失声症のヒロインとしての恐怖体験を通じて彼女は何を感じ、何を表現したのか――?「怖いけど見たくなる」不思議な物語本作の撮影中、清水監督を前に「『呪怨』とか信じられない!何であんなの観るの?」と言っていたほどホラーが苦手という満島さんだが、ならばなぜ怖いと分かりきっている清水監督の最新作に出演するに至ったのか?「脚本を読んで、グッとくるものがあった」とは本人の弁。「特に日本のホラー映画は、じめじめした感じが怖くて苦手なんですが(苦笑)、この作品には、子供の頃に読んだ奇妙な絵本や熱が高いときに見た夢のような、そんな不思議な物語が描かれていて、白昼夢のような映画になるのなら面白そうだなと思ったんです。お化けはダメなんですけど、人間の想像で起こりうる、もしかしたら想像ではないかもしれないと思えるような不思議なことには、心惹かれるんです。怖くても見たくなるんです(笑)。それから、登場人物が少ないのも面白いなあと思いました。ほとんどが『恐怖の国』に迷い込んだ姉と弟の話で。その分、感覚的な場面でも集中して観てもらえるかな、と」。そして撮影のさなか、ひとりのスタッフとの出会いが満島さんに強い刺激を与えることになる。今回、撮影監督を担当したのは『恋する惑星』などウォン・カーウァイ作品でおなじみの世界的カメラマン、クリストファー・ドイル。彼との仕事の“衝撃”を満島さんはこう語る。「映画のラスト近くでらせん階段を上る場面があるんですが、上を見上げたキリコ(満島さん)の口からよだれが垂れているのがきれいで、とても印象に残っています。クリスの映す画はとにかく美しい。人間には血が通っていて、体内には水が流れているんだってことに気づかされます。本番中もライティングが面白いんです。『何でこんなことするの?』、『どうしてこんなに時間かけるの?』って思うんですけど、光をあてられてみるとこれまで経験したものと全然違うんです。らせん階段の場面では、点滅する光が鼓動を打っているように見える。光で“生き物”を表現しているんですよ、きっと。ライティングやそれが生み出す影に、感情を揺さぶられました」。声が出せないことで「研ぎ澄まされた」翻って彼女自身について。“満島ひかり+ホラー”と聞いて、彼女の大絶叫シーンを思い浮かべる人も多いかもしれないが、本作で彼女が演じたキリコは、失声症で声が出せない。これまで強く感情を露わにする役柄が多かったが、今回は感情を相手にぶつけられずに内面に恐怖を貯めていくような演技を見せている。「これまでの作品でも、感情をぶつけているものだけだとは思っていないですが、確かに開放するというのは多かったです。ためて、ためて、解放する。“皮”をむかなくちゃいけないような役柄が多かったのは、ありますね。この物語のキリコは言葉を発しないから、ほかの部分がぐんと研ぎ澄まされていく感覚があって、それがとても心地よくって。ただ私自身よく『感覚、感覚』と口にするんですが、この映画の話の流れや撮影はシンプルではなかったので、頭の中で細かくきちんと整理することが必要でした。本番中はすごく研ぎ澄まされているんですけど、それ以外のときは考えて、考えて、と変な感じで」。まさに、毎回全く違う人格を表現する女優ならではの“感覚”といったところだが、「研ぎ澄まされる」ということを彼女はこんな言葉で表現してくれた。「以前舞台をやったとき、のどがつぶれて声が出なくなったことがあったんです。小さな劇場だったのですが、本番ではどうにか空気みたいな声でセリフを届けたんです、そのときに『お芝居ってこんなに心が動くんだ』、お芝居なのに『こんなに自分の心が痛くなったり悲しくなったりするものなんだ』ってはじめて感じて。声が出なくなったことでほかのところが、感覚がいつもより動くのを感じられたんです。今作でも、自分で『研ぎ澄まそう』とはしていなくても、声を発しないのを補うように、ほかの感覚が長けてくることを日々感じていました。例えば目をつむって歩いてみると、真っくらで何も見えなくてものすごく音がおおきく聞こえてきたり――そういう感覚です」。「そんな感じってどんな感じだよ(笑)!」と自らにツッコミを入れつつも、ひたすらに考え、そして感覚で本番に臨むという彼女の表現の神髄がそこにあるのかもしれない。さて、冒頭「血しぶきが似合う」という彼女自身の言葉を紹介したが、決してホラー映画を“許容”したわけではなさそう。「はじめは『ウサギじゃーん』って感じでただのかわいい着ぐるみだと思っていましたが、最終的には『ウサギ、怖い』って…。ある場面でウサギの新生児を持たなきゃいけなくて、何かもう泣きそうになって…我慢できずに泣きました。美しい作品ですがやりたくない場面は結構ありましたよね(苦笑)」。絶叫なき恐怖を体感してほしい。(photo/text:Naoki Kurozu)特集「“涼む”映画でこの暑さ、乗り切る?」■関連作品:ラビット・ホラー3D 2011年9月17日より全国にて公開© 「ラビット・ホラー」製作委員会2011■関連記事:【シネマモード】『ラビット・ホラー3D』クリストファー・ドイル インタビュー渡辺直美、バニー姿で1分半踊り狂う!紳助関連の質問はスタッフがシャットアウトヴェネチア、モントリオールにトロント…世界の映画祭での邦画の奮闘に期待!シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第17回)あなたのベスト“ホラー”映画は?『呪怨』の真っ白な少年が舞台に乱入満島ひかりは怖くて「あんなの観られない!」
2011年09月14日市川海老蔵主演の映画『一命』で、初めて“母親”の役に挑戦した満島ひかりが劇中、赤ん坊を抱っこしている写真がシネマカフェ独占で到着した。滝口康彦による「異聞浪人記」を三池崇史監督が3Dで映画化。主家の断絶で食い詰めた浪人の姿を通じて、メンツにこだわって生きる武士という階級の虚しさを描き出す。満島さんが演じたのは、海老蔵さん演じる津雲半四郎の娘で、瑛太扮する千々岩求女の妻である美穂。本作が初の時代劇出演であり、出演決定後に能を学び、自身の祖母の下で裁縫を習うなど準備に時間を費やした。かつて同じ原作小説が『切腹』という名で仲代達也主演で映画化されているが、このとき半四郎の娘を演じた岩下志麻を満島さんは以前から尊敬していたという。『切腹』も撮影前に観て研究したとのことだが、憧れの女優と同じ役柄を演じ、満島さんにとっても忘れ難い一作となった。今回、解禁となったのは美穂が息子の金吾を抱いている写真。初の母親役ということで、赤ちゃんを相手にさぞや苦労があったかと思いきや、聞くところによると現場で赤ちゃんの扱いが一番上手だったのは、意外にも(?)三池監督。また、赤ちゃんが泣いてしまった際には、海老蔵さんが歌舞伎を舞ってあやそうとする一幕もあったとか。写真からは満島さんの母性がしっかりと伝わってくる。満島さんの母親っぷりに加え、息子の誕生を喜ぶ“父親”瑛太さん、さらに孫を溺愛する海老蔵さんという、赤ちゃんにメロメロの男2人にも注目!『一命』は10月15日(土)より全国にて公開。■関連作品:一命 2011年10月15日より全国にて公開© 2011映画「一命」製作委員会■関連記事:【カンヌレポート番外編】カンヌに華をそえる!スターたちのファッションチェック【カンヌレポート7】瑛太、初カンヌに緊張監督は時代劇に3D起用理由を説明海老蔵&瑛太出演の『一命』カンヌ出品!ブラピ主演作ほか強敵とコンペで激突海老蔵、「七月大歌舞伎」で復帰!三池監督作の主演映画『一命』も10月公開決定
2011年08月22日映画『ラビット・ホラー3D』の完成披露試写会が7月20日(水)、都内劇場で開催され、主演の満島ひかりに共演の子役・澁谷武尊、清水崇監督が舞台挨拶に登壇した。清水監督が3Dで新たなホラーの限界に挑んだ本作。失踪した弟を探して、“恐怖の国”に足を踏み入れたキリコ(満島さん)を衝撃の真実が待ち受ける。パナソニックが開発した3Dカメラを駆使し、魅惑の映像世界が展開。ウォン・カーウァイ作品などで知られる世界的カメラマン、クリストファー・ドイルが撮影監督として参加している。元々、怖い映画は苦手という満島さん。本作で初のホラー作品出演となったが「台本を読んですぐに『やろう』と思いました。私が苦手としている部類のホラーではなかったので…。中学生の頃、ホラー映画を観て、夢に出てきて1週間くらい眠れない夜が続いたことがあったんですが、この作品は心に来るものがありました。“恐怖の国のアリス”と銘打たれてますが、子供の頃に見た夢や、奇妙な絵本を読んだような感じで『うわぁー、キャーッ』というよりもポーッと夢を見ているような心地で観られる映画です」とアピールした。キリコの弟を演じた武尊くんは、満島さんとの共演について「最初は話すこともあんまりなかったんですが、やってるうちに話すようになって、(撮影の)合間に満島さんの昔の話とかも聞かせてもらって楽しく過ごせました」とニッコリ。今回、ホラー初出演となる満島さんの起用について清水監督は「いつも僕はホラーが多いですが、そのたびにホラーのイメージのない方が脚本を読んでOKしてくれるのが良いな、と思ってます」と説明。実際の現場での満島さんについては「ホラーが苦手と聞いてましたが、現場でも『「呪怨」とか信じられない』とか『何であんなの観るの?』とか言ってて、どういうつもりでそういう話を僕に振ってくるのかと思ってました(笑)」と少し複雑そう。また、撮影監督のクリストファー・ドイルの映像が話題を呼んでいるが、監督は「彼にしか取れない感性の画です。いままでの僕の映画にはなかった」と称賛を送りつつ「人間的にはすごく面倒くさくて、天敵と言ってもいいくらいだった」と苦笑を浮かべていた。日本はおろか、世界中を恐怖に陥れた『呪怨』を世に送り出して10年。いまなお「清水監督と言えば『呪怨』」というファンも多いが、本作ではかわいらしいウサギが新たな恐怖のシンボルに!ということで、この日は『呪怨』でおなじみの真っ白い肌とブリーフがトレードマークの少年・俊雄くんと本作のウサギが揃って舞台に登場!恐怖のバトンタッチということで、俊雄くんからウサギに花束が贈呈された。貴重なツーショットに会場からは大きな拍手が。『呪怨』を自らの“壁”と語る清水監督は「(本作を)また新たな代表作にできればと思います!」と決意を語った。『ラビット・ホラー3D』は9月17日(土)より全国にて公開。■関連作品:ラビット・ホラー3D 2011年9月17日より全国にて公開© 「ラビット・ホラー」製作委員会2011■関連記事:満島ひかりほか登壇『ラビット・ホラー3D』完成披露試写会に10組20名様ご招待清水崇がウサギの被り物でヴェネチア参上!3D映画部門は『アバター』&『ヒック』『ラビット・ホラー3D』撮影終了!「怖いのは苦手」な満島ひかり、リアル恐怖体現清水崇が満島ひかり×香川照之×大森南朋で3Dホラー再挑戦!ヴェネチアで一部を上映
2011年07月20日先日発表された第34回日本アカデミー賞で優秀助演女優賞(『悪人』)を受賞した満島ひかりが12月19日(日)、東京・タワーレコード新宿店で行われた「モテキ」DVDボックスの発売イベントに、脚本と演出を手掛けた大根仁監督と共に出席した。満島さんは今年10月、主演作『川の底からこんにちは』のメガホンをとった石井裕也監督との結婚を発表したばかり。結婚後、公の場に登場するのはこれが初めてで、会場もどこか祝福ムード。さらに、実弟で俳優の満島真之介がサプライズ登場し、ファンを沸かせた。金なし夢なし彼女なし…そんな29歳派遣社員の藤本(森山未來)が突然訪れた“モテ期”に浮かれ、やがて現実の厳しさと向き合う姿を描いた本ドラマ。原作は販売部数150万部を突破する久保ミツロウの同名コミックで、野波麻帆、松本莉緒、リリー・フランキー、菊地凛子ら共演陣も豪華な作品だ。満島さんが演じるのは、恋愛にあきらめを覚え始めているサブカル系女子の中柴いつか。ドラマの中では人気バンド「神聖かまってちゃん」の楽曲をカラオケで熱唱するシーンがあり、ファンの間では語り草になっている。「あのシーンは本当に大変だった。4〜5回は撮り直して、声が出なくなった」と満島さん。その熱い姿に、現場で見守っていたリリーさんは「若い子の本気っていいねぇ」と号泣していたんだとか。一方、大根監督にとってもこのシーンはかなり重要だったといい、「あの熱唱シーンを狂ったように歌える人がいいなと思って、満島さんにお願いした」。初めて向き合った“女優・満島ひかり”に「もう動物なんですよ。点取り屋のフォワードみたいに、いい意味で現場をかき回してくれた。おかげで、いつかちゃんは原作を超えたキャラになった」と最敬礼だった。会場の男性ファンからは「男は結婚してもモテたいと思う。女性はどうなんですか?」と質問が。満島さんは「あんまりモテようとしない方がいいですよ。好きな人に愛された方が幸せだと思います。私?私は一人で十分」と満面の笑みで幸せのおすそ分け。そして、タワーレコードでお買い物中(?)だった弟の真之介さんをステージに呼び寄せ、自己紹介させると「うちの弟です。ぜひよろしくお願いします」と深々と頭を下げながら、ちゃっかり弟をPRしていた。「モテキ」DVDボックスは発売中。<レンタル>Vol.1〜Vol.4レンタル中<セル>「モテキ」DVD-BOX発売元・販売元:東宝価格:15,960円(税込)発売中■関連作品:川の底からこんにちは 2010年5月1日よりユーロスペースほか全国にて順次公開悪人 2010年9月11日より全国東宝系にて公開© 2010「悪人」製作委員会■関連記事:釜山の観客の熱烈歓迎に深津絵里「クセになりそう!」『悪人』凱旋初日深津「妻夫木さんの賞でもある」妻夫木は感涙深津絵里、モントリオール映画祭で最優秀女優賞!「全てのスタッフにいただいた賞」『悪人』にモントリオール喝采!妻夫木聡&深津絵里も現地の反応に感激『悪人』の李相日監督がハンディカムCMを演出!真夏の大騎馬戦を珠玉のドラマに
2010年12月20日女優・満島ひかりを突き動かすものは何なのか――?一条ゆかりの漫画を原作にした『プライド』では、のし上がるために手段を選ばない音大生を見事に演じきり“少女漫画”に映像作品としての息吹を与え、園子温監督の『愛のむきだし』ではタイトルそのままに、愛憎をむき出しにしたヒロインを体現。スクリーンから、凄まじいまでのエネルギーを発散させている。最新主演作『川の底からこんにちは』では「しょうがない」を口癖に生きていたものの、どうしようもない状況に追い込まれた末に、見事に“ケツをまくり”、生きる道を切り拓く主人公・佐和子を演じている。「本来の私自身に一番近い役」とは演じた満島さんの佐和子評。詳しく話を聞いた。“個性的”などという言葉では括れない、濃厚な役柄を演じ続けているが、毎回、どのように役柄に向き合い、キャラクターを生み出すのか?「苦しいですよ…毎回(笑)。論理的に物事を考えたり、説明したりするのがすごく苦手で、唯一、他人よりも優れているかもしれないと思えるのが何かを“感じ取る”ということなんです。台本から感じた空気や匂い、監督の話やスタッフの顔、共演者の方々から感じるモノ…目に見えない“何か”を感じながら役と向き合っています」。サエないOL生活に区切りをつけ、子連れの婚約者(元上司)と共に田舎に帰り、父のシジミ工場を継ぐが会社は倒産寸前。婚約者は連れ子を残して別の女と逃亡…。そこから“開き直り”を見せる佐和子という主人公を満島さんは「憧れの女性像に近い」とまで言う。「自分をちゃんと見て、自分をちゃんと解って『だから、こうやって生きていく』という答えを出せる女性って同世代であまり見たことがなくて、素敵だと思いました。母や祖母の持っている強さ…守るものがあって、何があっても生きていかなくちゃいけない、佐和子もきっと、母性のような強さにあふれているんです」。だが、演じる上では今回も当然、一筋縄ではいかなかった。「プライドや、これまで生きていく上で身につけてきたズル賢い智恵なんかを捨てなきゃできない役でしたね。“作る”のではなくダメなところも含めて自分を“壊して”全てでぶつからないと…。だから、最初に監督にお会いしたときも、私の人生にこの役が、この作品が必要で、どうしてもやりたい、という思いを、何の計算もなくぶつけたんです。『私を選ばなきゃ損しますよ』って感じで、言いたい放題に(笑)。まず、私自身が開き直らなきゃいけなかった」。だからこそ、と言うべきか、満島さん自身の人格、人柄について、演技と知りつつ映画の中のキャラクターと重ねて『役柄そのままの人なのでは?』と考えてしまう人も多いのでは?と言うと「かなり、そう言われます」と苦笑を浮かべた。「身近な人ですらそう言うんですよ。『台本あるから!』って毎回きちんと答えています。でも、それって嬉しいことだと思っています。“生っぽい”モノを目指しているので。『この人、本当にいるだろうな。でも身近にいたら嫌だな』なんて思えるような(笑)佐和子はなんだか自分に近いということもありましたが、現場もまるで実家にいるような雰囲気だったんです。監督が何か言っていても、親に何かを言われているような、そんな…。そのままの自分で向き合える空気を周りが自然に作ってくれましたね」。冒頭の質問に戻ろう。時に全てをさらけ出し、目を背けたくなる苦しみや痛みと向き合い役に臨む。満島さんが“女優”としてそこまでできるのはなぜなのか?「そう。最近考えるんですよ、何でいま、自分はこういう仕事してるのか?って。子供の頃から、大人や周囲の人間に自分の気持ちが伝わらないことがいっぱいあって。多分、昔から感じていたそういう『誰かに何かを伝えたい、誰かに何かを解ってほしい』という気持ちからだと…そう思っています。11歳の頃に映画『モスラ2 海底の大決戦』に出演して、相当ワガママな子役で、いまだにそのときのスタッフには『お前、ちゃんと仕事してるか?』とか言われますが、はは(笑)。その撮影の半年後に完成した作品を、スクリーンに映った自分を初めて観ました。私、自分の姿に感動しちゃったんです。セリフはなく、ただジッとスクリーンに映った自分の姿に。まだまだクソガキだったので深く考えてはいなかったですが、『あ、ここだ、私』って。その感動が原点で、己の姿と深く向き合いだしたきっかけです」。では最後に、いま、やってみたい役は?そう尋ねるとこのインタビューを通して幾度となく出てきた“生っぽさ”というキーワードを挙げ、こんな答えが…。「きれいなヒロイン役、やりたいですね(笑)。生きていくために本来持っている生っぽさを一生懸命隠しているような。昔の日本映画(白黒の時代)の奥ゆかしいマドンナのような役がやってみたいです、ふふ」。■関連作品:川の底からこんにちは 2010年5月1日よりユーロスペースほか全国にて順次公開■関連記事:満島ひかりが白ずくめ防菌服で“中の下の人生”を歌い上げる特別映像が到着
2010年05月12日