タイムマネジメントにも「個性」があり、それが日々の行動にあらわれます。ということで、タイムマネジメントについて読者が自分自身をどう見ているか、20代~30代にアンケート調査をしてみました。調査期間:2012/02/24~2012/02/27アンケート対象:マイナビニュース20~30代会員有効回答数 男性:428件、女性572件、合計1,000件(ウェブログイン式)Q. あなたの時間管理は次のどのタイプに近いですか?1位:マルチタスクで仕事を並行しながらバランスを取るタイプ(357人男性141人、女性216人)2位:周到に計画を立て、きっちりと進めるタイプ(187人男性88人、女性99人)3位:優柔不断タイプ(144人男性64人、女性80人)4位:柔軟に流れの中で判断するタイプ(131人男性42人、女性89人)5位:1点集中、これだけタイプ(100人男性57人、女性43人)6位:いつもバタバタ超忙しいタイプ(77人男性33人、女性44人)・そのほか(自由記入)「いろいろな仕事に同時に手をつけながら、よりやりやすいものからやっていくタイプ」、「決まっていない」、「取りあえず目先の仕事はちゃんとやりますタイプ」、「どれにも当てはまらない」上記のタイプの特徴と陥りやすい落とし穴について順に解説していきます。■時間管理タイプごとの特徴と落とし穴●マルチタスクで仕事を並行しながらバランスを取るタイプ:このタイプは全体の約35%いる。まずまず無難な線を歩くタイプ。高度なレベルで実践できているとすれば、プロジェクトマネジャーのような人かもしれません。ただし、自分ではそのつもりでも周囲から見ると集中力が足りないと映る場合もあるので要注意。このタイプが陥りやすい落とし穴は、頼まれた仕事を何でも引き受けて、時間が不足するため、いつも心に余裕がないということが多いです。このタイプへのアドバイスは、まず目標をしっかり立てること。そして仕事の優先順位をつけることです。1日はどう頑張っても24時間しかないのだから。●周到に計画を立て、きっちりと進めるタイプ:このタイプも全体の約2割が該当します。特徴は、ロジカルな考え方と強い意志を持った人が多いようです。ただし、計画の内容によって周囲からの評価は二分されるでしょう。自分の仕事の守備範囲を広く認識している人であれば、次の工程や上司、顧客や会社全体を意識して計画を作成するでしょうし、余裕時間も組み込みます。また、長期的に取り組むことも細分化して、毎日のタスクに組み込むでしょう。守備範囲を狭くしか把握していない人の場合は、絶えず周囲に「私はこれだけしかやりません」というオーラを発しているため、まったく頼りにされません。いずれの場合でも落とし穴は、計画に狂いが生じた時。何らかの事情で上司から計画や優先順位を変えるように伝えられた時に、露骨にいやな顔をしたり、感情的になったりしがち。実行力はあるので計画を組み直せばよいだけと開き直りましょう。●優柔不断タイプ:このタイプは約14%とそれほど多くはないが第3位に君臨。オリンピックでいえばブロンズメダルといったところ。本人も認める優柔不断ですので、絶えず悩んでいる様子がうかがえます。人生上の一大事、あるいは経営戦略の勘どころといった悩みならばまだしも、何につけてもどうしようか悩むことは精神衛生上、あまりプラスには作用しません。高いレベルで迷っている人は、複雑な仕事をかかえて奮闘しているからでしょう。もしルーティンワーク中心であっても判断ができない人はただ怠けているだけかもしれません。いずれの場合も、落とし穴としては、心理的に不安定になりやすいこと。いつも切羽詰まった感じがあり、熟睡できていない場合が多いです。アドバイスとしては、ズバリ決断力を身につけましょう。そのためには、自分の抱える仕事(タスク)を相対的に重要さで序列づけすること。あとは実行あるのみ。●柔軟に流れの中で判断するタイプ:このタイプはマルチタスクタイプと類似していますが、異なる点は「並行」、「バランス」といったキーワードがないことです。つまり並行、バランスといった要素は時間管理の得意な人に特徴的な特性ですので、その点を再確認したいところ。仕事の流れとは本来、外部環境と内部環境(経営資源ともいう)とを対比させながら考えるものなので、もし広い視野を持った方であれば、ズバリ経営陣などに最適。狭い視野いという場合は、あまり明確な目標を持たずに周囲に流されながら仕事をしているという可能性もあります。一般的にこのタイプの落とし穴は、ズバリ自己実現ができづらいこと。アドバイスは、目標を持ち、仕事の優先順位も明確にした上で予想外のことがおきた場合に柔軟性を発揮するといったところか。●1点集中、これだけタイプ:このタイプは、恐らく明確な目標を持っていて集中力の高い人、あるいはマルチタスクで仕事を並行して進めるのが苦手な人かのどちらか。落とし穴は、周囲がよく見えない場合があること。集中し過ぎて、多面的なものごとの見方ができず、次工程や顧客の立場が理解できづらい場合があります。アドバイスとしては、自分と異なるタイプの人とのコミュニケーション量を増やすこと。多面的な見方を身につけたいです。●いつもバタバタ超忙しいタイプ:忙しいイコール生産性が高い、であればよいのですが、忙しくてももうからないという会社や職場もあります。人員不足の部署や、システム化が進んでいない会社などによく見受けられます。どういう部署へ行ってもこのタイプという人は、もしかしたらワーカホリック(仕事中毒)かもしれません。落とし穴は、忙しいことで安心してしまうこと。成果を上げるには、忙しさよりも冷静な判断力が必要であることを肝に銘じましょう。●そのほかのタイプ:記述している人がどういうことを背景に書いているかによりますが、もしかしたらこの解説を読んでどこかのタイプに含まれるかもしれませんね。■著者プロフィール深山敏郎。高級ホテル、外車ディーラー、フィットネスクラブ等の覆面調査、接客マニュアル作りから工場の作業効率アップまでデータを用いた各種コンサルティングに20年の実績あり。ダイナミックラーニングという、5感をフル活用したトレーニング手法を用いて企業や政府のトレーニングを担当。延べ4万人あまりを直接指導してきた。夢は、英国でシェイクスピア芝居を英語で上演すること。お問合せ先:info@miyamacg.com執筆協力:石井公一(いしいきみかず中小企業診断士)
2012年06月05日社会人になるとタイムマネジメントは気になるところ。特に仕事の優先順位をどうつけたらよいのでしょうか?ということで、タイムマネジメント、そして仕事の優先順位のつけ方について読者がどう思っているか、20代~30代にアンケート調査をしてみました。調査期間:2012/02/24~2012/02/27アンケート対象:マイナビニュース20~30代会員有効回答数 男性:428件、女性572件、合計1,000件(ウェブログイン式)Q.あなたは仕事の優先順位をつけるのが得意ですか?得意:144人(男性61人、女性83人)どちらかといえば得意:431人(男性189人、女性242人)どちらかといえば苦手:234人(男性139人、女性95人)苦手:191人(男性39人、女性152人)全体では「どちらかといえば得意」という比率が43.1%でトップ。男女別の傾向は、男性が4段階でいえば中央値付近に集中しているのに対して女性は、「どちらかといえば得意」と「苦手」に二分されています■仕事の優先順位はどうつける?一般的に仕事の優先順位はパレートの80:20の法則(2割の仕事が8割の成果に、残り8割の仕事が2割の成果に結びつくという説)に代表されるように、仕事の生産性と深く結びつけられて考えられています。具体的には、重要な仕事かどうか、期日は迫っているかどうかの2軸で、Aゾーン(重要で期日が迫っている)、Bゾーン(重要で期日は迫っていない)、Cゾーン(重要ではないが期日が迫っている)、Dゾーン(重要でなく期日も迫っていない)のマトリックスを作り、仕事を分解して相対的に評価し、対処法の定石を踏まえます。Aゾーンは突発的なことを含めた重要事項ですから、とにかく手をつけます。また、予防も必須。タイムマネジメントのコツは、Bゾーンにあります。放っておくとAゾーンに突入することもあるので、Bゾーンのうちに細切れにして確実に実施しましょう。Cゾーンは、雑用ですから、なるべく細切れ時間にすることで、Dゾーンは、思い切って上司などに相談して仕事自体を中止するか、簡易にすることを検討してみるのもよいでしょう。なぜなら、より生産性の高い仕事を抱えているのだから。ここまでは分かっている人も多いはず。■Bゾーンは細切れにして心理的な負担を軽くするBゾーンは、「やらなきゃいけないのは分かっているがなかなか手をつけられない」ことがほとんど。これには心理面も考えて対処します。かつて「たけし・逸見の平成教育委員会」にセミレギュラーで出演していた故糸川英夫さん(ロケット博士として有名)は、「驚異の時間活用術」(PHP文庫)という本の中で面白いことを言っています。バイオリン等のけいこをする時、仮に100小節あるとすると、曲の冒頭からではなく、だいたい後ろの方にある簡単な小節から始めて徐々に難しい小節へ向かい、すべての小節を例えば100時間でけいこすると言います。あくまでも段階的に進めて最後は一曲を弾き切ってしまう。この原理はビジネスでも使えるでしょう。例えばマーケティング・リサーチの学習をしておくといったことが仕事上必要になった場合、簡単な雑誌などから始めて徐々に難しい専門書や実務に到達するイメージです。細切れにすることと、簡単なことから始めて徐々に難しいことに移行するのがポイント。■定石を使いこなすデジタルとアナログなワザこうした定石を使いこなすには、大きくデジタルな方法とアナログな方法の2つがある。デジタルには、To Do Listもよいですが、筆者のお薦めは四角を4つワープロソフトで上下左右といった形で並べて描き、タスクと期限を書き込むシンプルな方法。例えば、「○○会社営業フォロー(5月15日)」のように書く。A5サイズに印刷をしておくと便利。A,B,C,Dそれぞれのゾーン7つ以内のタスクに絞ります。合計28種類以内。それを超えると煩雑になります。アナログには付せんにタスクを書き出して手帳やA4の紙にはりだし、絶えず確認できるようにしましょう。付せんは2.5cmX7.5cmが使いやすいです。重要度で2色にすると良いでしょう。■著者プロフィール深山敏郎。高級ホテル、外車ディーラー、フィットネスクラブ等の覆面調査、接客マニュアル作りから工場の作業効率アップまでデータを用いた各種コンサルティングに20年の実績あり。ダイナミックラーニングという、5感をフル活用したトレーニング手法を用いて企業や政府のトレーニングを担当。延べ4万人あまりを直接指導してきた。夢は、英国でシェイクスピア芝居を英語で上演すること。お問合せ先:info@miyamacg.com執筆協力:石井公一(いしいきみかず中小企業診断士)
2012年06月05日