「第44回ぴあフィルムフェスティバル in 京都 2022」が11月19日(土)から27日(日)まで、京都文化博物館フィルムシアターにて開催されることが発表された。「ぴあフィルムフェスティバル」(PFF)は、1977年に東京でスタートし、全国各地で開催されてきた。メインプログラムは、第1回から続く自主映画のコンペティション「PFFアワード」。入選者の中から、これまでに黒沢清、塚本晋也、李相日、荻上直子、石井裕也監督など170名を超えるプロの映画監督を輩出し、新しい才能が集う場所として広く認知されている。京都での開催は、4年間途切れていたが、前回の「第43回ぴあフィルムフェスティバル」から復活。11月19日(土)から27日(日)までの8日間、京都文化博物館フィルムシアターにて「第44回ぴあフィルムフェスティバルin京都 2022」が開催されることが決定した。期間中は、さまざまな企画が予定されている。まずは、伝統のコンペティション「PFF アワード 2022」。昨年より増えた520作品の応募の中から、長い時間と幾度もの議論を重ねた末に決定した入選作品16本が上映される。また、京都の観客が選ぶ、「京都観客賞」も設置される。現在京都大学・大学院に在籍している『ポラン』の中村洸太監督や大阪在住で今回審査員特別賞を受賞した『the Memory Lane』の 宇治田峻監督など関西ゆかりの監督たちにも注目だ。さらに会場には13名の監督たちが集結。ぜひ未来の巨匠を“発見”して欲しい。PFFが企画、製作、公開までトータルで映画をプロデュースする「PFF スカラシップ」からは、清原惟監督による最新作『すべての夜を思いだす』を関西初上映。さらに、「PFF アワード 2017」でグランプリに輝いた『わたしたちの家』も特別上映される。他にも、イタリアの名匠ピエル・パオロ・パゾリーニ監督特集「ようこそ、はじめてのパゾリーニ体験へ」が開催。詩人、小説家、脚本家、評論家、俳優、活動家など多くの顔を持ち、映像表現の最先端を、人間の深淵を、激しく、そして純粋に追及し続け、センセーショナルな話題にまみれた比類なきイタリアの知と行動の人ピエル・パオロ・パゾリーニ。生誕100年を記念してアジア初の大特集が実現し、京都会場では、11作品がすべて35mmフィルムで上映される。また、今年3月に急逝した青山真治監督の初期の作品より、『私立探偵濱マイク 名前のない森』の映画版ロングバージョンと、貴重な『赤ずきん』&『路地へ 中上健次が残したフィルム』を上映する「青山真治監督特集」も実施。アフタートークのゲストとして映画プロデューサーの仙頭武則、『赤ずきん』の撮影時にその現場を活写した写真家・田村尚子が来場予定だ。ピーター・バラカンのセレクションと解説でシリーズ展開している、人気プログラム「ブラック&ブラック」も見逃せない。京都では2回目の開催となる今回は、“ロックンロール”を生み出したファッツ・ドミノを捉えた、日本未公開のドキュメンタリー『ザ・ビッグ・ビート:ファッツ・ドミノとロックンロールの誕生』(2016年ジョー・ローロ監督)が関西初上映される。バラカンは解説とともに、客席からの質問にも回答する予定だという。盛り上がり必至の本映画祭チケットは、10月22日(土)午前10時より、チケットぴあにて発売される。【開催概要】「第44回ぴあフィルムフェスティバル in 京都 2022」会期:2022年11月19日(土)~27日(日)※21日(月)休館会場:京都文化博物館3階フィルムシアター公式サイト:
2022年10月15日10月30日に神奈川・ぴあアリーナMMで開催される『ぴあ・tvk 50th Anniversary STAY ROCK! 2022』のタイムテーブルが発表された。『STAY ROCK!』は、昨年10月に兵庫・神戸国際会館こくさいホールで発足したライブイベントで、今年はぴあとtvkの50周年を記念し、両社の主催で行われる。銀杏BOYZ、Ken Yokoyama、ザ・クロマニヨンズ、ハルカミライというロックな4組のバンドに加え、『キングオブコント2021』王者であり、銀杏BOYZやザ・クロマニヨンズと縁のあるお笑い芸人・空気階段が出演する。各出演者はそれぞれ50分の持ち時間が用意されているほか、空気階段の出番は3回となっている。チケットは現在一般発売中。<イベント情報>ぴあ・tvk 50th Anniversary STAY ROCK! 202210月30日(日) 神奈川・ぴあアリーナMM開場13:30 / 開演14:30『ぴあ・tvk 50th Anniversary STAY ROCK! 2022』出演者『ぴあ・tvk 50th Anniversary STAY ROCK! 2022』タイムテーブル出演:銀杏BOYZ / Ken Yokoyama / ザ・クロマニヨンズ / ハルカミライ / 空気階段【チケット情報】全席指定:8,800円(税込)※お1人様4枚まで※3歳以上有料チケット一般発売中オフィシャルサイト:
2022年10月14日「ショートショートフィルムフェスティバル & アジア」(SSFF & ASIA)がセレクトした世界のショートフィルムを、毎週配信している「Brillia SHORTSHORTS THEATER OINLINE」(BSSTO)では、現在開催中のSSFF & ASIA 2022秋の国際短編映画祭と連動し、ホラーサテライト会場をスタートさせた。本日より期間限定で配信されるのは、ハロウィンシーズンにぴったりの「ホラー・ショートフィルム特集」。注目は、ティモシー・シャラメが8歳のときに出演した衝撃の日本初公開作品『ブッチャーズヒル:甘い罠』。お腹を空かせた兄妹は、ブッチャーズヒルの森の中の家に忍び込むが、その家には黒い影が潜んでおり…というメルヘン・ホラー。『ブッチャーズヒル:甘い罠』また、「SSFF & ASIA 2022」ノミネート作品の中でも、「Filmarks」ユーザーから最も人気の高かった韓国発のゾッとする都市伝説ホラー『自分の部屋で迷子になるには』および、完成度の高さから長編化が噂されるスリラー&ホラー『ナイトブレーカーズ』。『ナイトブレーカーズ』2021年の映画祭でオーディエンスアワードを受賞、サンダンス映画祭でも審査員賞を受賞するなど高い評価を得ている台湾の『夜行バス』がラインアップされている。『夜行バス』ブリリア ショートショートシアター オンラインホラー・ショート特集は10月31日(月)までホラーサテライト会場 ブリリアショートショートシアターオンライン(BSSTO)にて開催中。(cinemacafe.net)
2022年10月05日ぴあ創業メンバーのひとり、『ぴあ』の元編集長 林和男さんが創刊時の想い出を綴った『ハヤシくん 団塊のぴあニスト』(講談社エディトリアル)の刊行を記念した特集上映が、東京の名画座・目黒シネマで10月15日(土)から21日(金)まで開催される。林さんとPFF(ぴあフィルムフェスティバル)を通じて親交のある、映画監督の犬童一心さんと映画監督で映画評論家の樋口尚文さんが企画に協力。「ぴあ創刊50周年 名画座の時代を振り返る」と題し、『ぴあ』が産声を上げた1970年代に名画座で繰り返し掛けられていた人気作品5本を厳選して上映、連日最終回上映後に多彩なゲストによるトークイベントが予定されている。上映される作品は、アメリカ映画『卒業』と『イージー・ライダー』、日本映画『八月の濡れた砂』『けんかえれじい』『旅の重さ』。トークイベントのゲストが豪華だ。初日の10月15日(土) は、『卒業』の最終上映後、『ぴあ』の表紙をを手掛け、現在もぴあアプリで活躍するイラストレーター 及川正通さんと林さん。16日(日)は、当時の映画ファンが『ぴあ』と併読していた雑誌『キネマ旬報』の元編集長 植草信和さんと林さん。17日(月)は、情報誌『ぴあ』の愛読者だったというフリーアナウンサー 笠井信輔さんと林さん。18日(火)は、『八月の濡れた砂』の最終上映終了後、同作に主演した俳優の村野武範さんと犬童一心監督。19日(水)は、イラストレーターで映画評論家でもある三留まゆみさんと樋口尚文さん。20日(木)は、『旅の重さ』上映終了後、ミュージシャンのサエキけんぞうさんと林さん。最終日21日(金)は、『旅の重さ』の最終上映終了後、同作に主演した俳優高橋洋子さんと林さんが登壇する。高橋さんは、ぴあの創刊年1972年にこの作品でデビュー、ことしで俳優生活50年になる。卒業 (C)1967 STUDIOCANAL. All Rights reserved.主題歌はサイモンとガーファンクル「サウンド・オブ・サイレンス」イージーライダー主題歌はステッペンウルフ「ワイルドでいこう! 」八月の濡れた砂(C)日活主題歌は石川セリ「八月の濡れた砂」旅の重さ(C)1972-松竹株式会社主題歌はよしだたくろう「今日までそして明日から」けんかえれじい(C)日活企画協力: 犬童一心監督のコメント『ハヤシくん 団塊のぴあニスト』 では、当事者である元編集長 林和男さんによってぴあの創世記が熱く綴られています。『ぴあ』の誕生は、 若い力が産んだ「映画の革命」でした。映画について小難しく語ることが蔓延していた70年代初頭、まず街に出て、 面白い、新しい、自分だけの映画を探そう!という呼びかけはほんとうに新鮮でした。十代の私は 「ぴあ」 を宝の地図に名画座巡りをして「映画」と「東京」 の街を知って行きました。あの若かりし日の数々の名画座の思い出と共に、『ぴあ』 の成し遂げたことはなんだったのか、振り返れたらと思うのです。その場所が今もイキイキとある名画座目黒シネマであることがとても嬉しい。●「『ハヤシくん団塊のぴあ二スト』刊行記念上映企画―ぴあ創刊50周年 名画座の時代を振り返る―」2022年10月15日(土)〜21日(金)会場:目黒シネマ【トークゲスト】15日(土) イラストレーター 及川正通/林和男16日(日) 『キネマ旬報』元編集長 植草信和/林和男17日(月) フリーアナウンサー 笠井信輔/林和男18日(火) 俳優 村野武範/映画監督 犬童一心19日(水) イラストレーター・映画評論家 三留まゆみ/映画評論家・映画監督 樋口尚文20日(木) ミュージシャンのサエキけんぞう/林和男21日(金) 俳優 高橋洋子/林和男●関連イベントトークイベント「『ぴあ』とその時代」『ハヤシくん団塊のぴあニスト』刊行記念2022年10月6日(木) 20:00〜会場:下北沢 本屋B&Bこちらも『ハヤシくん団塊のぴあニスト』刊行を記念して開催されるトークイベント。会場は下北沢の、個性的な書店 B&B。クリエイティブディレクターで、B&Bの創業者でもある嶋浩一郎さんと林和男さんが、『ぴあ』とその時代を語る。リアルイベントの他に、配信も予定されている。●書籍『ハヤシくん団塊のぴあ二スト』著者:林和男出版社:講談社エディトリアル定価:2200円(税込)
2022年10月05日記念すべき30回目を迎える今年のフランス映画祭のフェスティバル・ミューズに、女優の石田ゆり子が決定。キービジュアルも公開された。クリスマスシーズンの祝祭感溢れる冬の横浜にて開催される今年のフランス映画祭。記念回ということもあり、これまで以上の華やかさが演出される予定だ。また、今年で3回目の実施となるドライブインシアターも、電気自動車(EV)だけを集めた日本で唯一のイベントとして実施予定。本映画祭のハイライトであるフランス人アーティストの来日は、今年こそ実現するべく目下調整中だという。今回、日仏の架け橋になるフェスティバル・ミューズに就任することとなった石田さんは、記者会見及びオープニング・セレモニーに登場し、映画祭を華やかに彩る予定。「節目の年に呼んでいただき、たいへん光栄であると共に、深い幸せを感じております」と喜んだ石田さんは、「映画は、人と人を繋ぐ幸せな芸術です。その架け橋のひとかけらになるべく私も日々精進したいと思います。12月を楽しみにしております」とコメント。映画祭主催のユニフランス会長セルジュ・トゥビアナは「フランス映画の最高の作品群を日本の観客にお観せできることを心待ちにしております。そしてこの機会にフランスと日本を結ぶ貴重な友情関係を祝うことができるのを心から楽しみにしております」と開催に向けてメッセージを寄せている。「フランス映画祭2022 横浜」は12月1日(木)~4日(日)みなとみらい21地区を中心に開催。(cinemacafe.net)
2022年10月05日長きにわたって多くの人に愛され続けている『森永ミルクキャラメル』。2022年に登場した新パッケージが、SNSなどで話題になっているのをご存知でしょうか。なぜ、話題になっているのかというと…。パッケージに描かれたイラストがかわいすぎるからです!こちらは、イラストレーター・デザイナーの、しんたにともこさんが描いたイラスト。動物や子供たちが優しいタッチで描かれていて、見ているだけで心が和みます。イラストは、箱ではなく外側のフィルムに描かれているのですが、これには理由がありました!『森永ミルクキャラメル』で3Dアートを作ろう!キャラメルの箱を開けてみると、内側にも、しんたにともこさんによるイラストが描かれています。この中箱を外側のフィルムに入れなおすと…なんと奥行きを楽しむことができる、3Dアートが完成するのです!中箱の裏側に作り方が記載されているので、誰でも簡単に3Dアートを作ることができます。フィルムの種類は全部で4つ、中箱は全6種類のイラストがあるとのこと。いろいろな組み合わせで楽しむことができますよ。ミルクキャラメルで3Dアートを作ろう! #しんたにともこ さんのかわいいイラストの新パッケージ。フィルムと中箱を組み合わせるだけで、24種類の3Dアートが完成!お口いっぱい広がる優しい甘さとミルクの味わい。ココロのそばに、ミルクキャラメル♥詳しくは pic.twitter.com/D36dtCMmCx — 森永製菓 (@morinaga_angel) February 8, 2022 遊び心満載な仕掛けに、ワクワクしてしまいます!【ネットの声】・パッケージがかわいすぎて、思わず買っちゃったんだよね!・今こうなってるなんて知らなかった。・空き箱、かわいくて捨てられない…。・3Dアート作ってみたら、予想以上にかわいかった。仕事中に癒やされた!かわいいイラストと楽しい仕掛けで、多くの人の心をつかんでいる『森永ミルクキャラメル』の新パッケージ。お店で見かけた際には、ぜひ手に取ってみて、3Dアートを楽しんでみてください![文・構成/grape編集部]
2022年10月03日1996年にぴあ関西10周年を機に催された「ぴあ演劇学校」。ちょっと硬派なものもあれば楽しく笑えるものもある“授業”が人気を博し、伝説のイベントとなった。その「ぴあ演劇学校」が、ぴあ創業50周年を記念して復活! 豪華講師陣を迎えて10月1日(土)、2日(日)と、2日間にわたって行われる。今回、講座「2.5次元演劇学~漫画と舞台のステキな関係~」に登壇するのが、舞台制作会社であるネルケプランニング(以下ネルケ)の代表取締役社長・野上祥子氏と、集英社「週刊少年ジャンプ」で編集長を務める中野博之氏だ(聞き手は2.5次元ミュージカルに多数出演の俳優、阿久津仁愛)。‘00年代前半、漫画原作を舞台化する際に「演劇」と「漫画」両方のコアファンを満足させるのは“難しい”と思われていた頃に、ミュージカル『テニスの王子様』(通称テニミュ)を立ち上げて演劇界に新たなフィールドを切り拓いたネルケプランニング。講座本番への導入部として、授業内容や業界への想い、ビジネスの視点について、野上氏に聞いた。舞台ファンに衝撃を与えたテニミュの初演が2003年。今では演劇界のみならず、「舞台を観たことがない」という若い層にまで2.5次元ミュージカルの存在は広く知られるようになった。その先駆けとなり、現在も先頭を走り続けるのがネルケプランニングであり、多くの作品のプロデューサーを務める野上氏だ。メガヒットコンテンツを生み出した彼女の“授業”にも注目が集まる。「来てくださる方に楽しみにしていてほしいポイントは3つありまして(笑)。まず1つめは、原作側(中野氏)、俳優側(阿久津氏)、そして演劇側(野上氏)という立場の異なる3人が揃った講義ということ。意外とこういう機会ってほとんどなくて、“お客様に良いものを届けたい”という共通の目的を持ちつつ、それぞれの立場で頑張っている三者三様の発言に注目してください。2つめとしては、『2.5次元とはなんぞや』ということに、改めて触れようと思っていること。今ではたくさんの方が“舞台”というものに足を運んでくれるようになり、“2.5次元”がそのきっかけになったという自負はあるのですが、『いやいや! まだ2.5次元ってよく分からないという人は多いのでは?』ということで、基本に立ち返ろうと(笑)。せっかく中野さんにもお越しいただくので、長年の集英社さんとネルケとのタッグについて、これは映像も交えてお話しできたらと思っています。やはり漫画原作を舞台化することって簡単なことではなくて、もちろん他にはない大きな喜びもあるのですが、苦労や魅力なども含めて、これから業界を目指す人たちにも分かるように、具体的にお伝えしようと思っています。そして3つめは、やはりコロナ禍と、演劇界への影響について。弊社でも第7波の影響を受けてたくさんの公演を中止せざるを得ない状況となりました。世の中が元通りの経済活動に戻ろうとしているなか、演劇業界はいまだダイレクトに影響を受けています。それはそのまま、お客様が舞台を観られないということに繋がっているわけで、私は作り手として、また阿久津さんは俳優として、今の状況をどう考えているかということについてもお話ししたいですね」原作を『好きになっちゃった』瞬間の感覚を忘れないようにざっくりと「テニミュ以前/テニミュ以降」に分けるとするなら、テニミュ以前にも漫画をベースにした舞台化作品は存在した。それでも「テニミュ以降」は2.5次元の舞台しかり、他社が制作する舞台しかり、原作物の舞台化について“制作の作法”が激変したのは確かである。野上氏の作る舞台が原作の漫画ファンにも、演劇しか知らないファンにも“刺さった”のは、なぜだろう。「私は10代で松田さん(ネルケプランニングファウンダー松田誠氏)に出会い、1998年にネルケに入ったんですが、ネルケもいわゆる一般的な舞台制作の会社だったし、その頃は演劇のことばかり考えていて、漫画に対しては『漫画?好きだけど...』という認識だったんです。それがガラッと変わったのは、アニメ『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』のキャスティングに携わった時。仕事のために読んだ原作が本当に面白くて、心が震えたんですよ。大げさではなく、打ち震えたといってもいいくらい。それは私にとって、演劇に魅入られた時と同じくらいの衝撃だったんです。その時に、『“演劇”にも“漫画”にも同じように心を震わせる観客・読者がいる。漫画原作で舞台を作るなら、私はそのどちらにも喜んでもらえるものを作らないといけないんだ』と気が付いたんですね。それ以降、漫画を舞台化するときは原作を『好きになっちゃった』瞬間、その感覚を忘れないようにしています。そうすれば、原作をリスペクトして、理解して、読み込んでいくことが当たり前のことになる。そういった想いがあって初めて、私たち制作側が演劇に落とし込むことができるのだと思います。その姿勢が、もしかしたら両方のファンの方に伝わったのかなと感じています」とはいえ、漫画そのものが巨大なコンテンツ産業を形成している現在、原作側との密なすり合わせが必要になればなるほど、原作者側の意図や担当編集者、掲載媒体、出版社の方向性、さらにIPビジネスへの細かな目配りも必要になってくる。「権利関係を管理している出版社側が大切にしているポイントというのは当然あって、一方ネルケとしても舞台のプロとして、立ち上げる際にどうしても譲れないポイントというのはあるわけです。他にも出演者やお客様にも大切なポイントがあって、それをよくある多角形を線で結んだグラフで表したときに、私はどこかの指数が大きくてどこかの指数が低い、いびつな多角形ではなくて、限りなく○(丸)、輪に近づけたいと心に留めています。最後に、これから業界を目指す人に向けてメッセージをお願いしてみると。「おかげさまでここ数年は、ネルケに入社したいという方のほとんどが、『2.5次元ミュージカルを観ました』と言ってくださるようになり、本当にありがたい限り。ただ一方で、舞台制作は必ずしも舞台をたくさん観ている人でなくてもいいと思っていて……。たとえば映画ファンや相撲ファン、テーマパークが好きなど、“心が震える”ものをひとつ持っている人、そういう経験をしたことがある人なら、きっと幅広いエンタテイメントにつながると信じています。講義本番ではさらにビジネスのシビアな面などもお話しする予定なので、これからこの業界を目指したい人やクリエイター志望の人など、幅広い方にぜひこの講義を観ていただいて、参考にしてもらえればと思っています」取材・文:藤野さくら撮影:源賀津己<イベント情報>ぴあ 50th Anniversary 「ぴあ演劇学校」2022年秋期特別講座『ぴあ 50th Anniversary「ぴあ演劇学校」2022秋期特別講座』ロゴ■10月2日(日) 16:002.5次元演劇学/マンガと舞台のステキな関係講師:野上祥子(ネルケプランニング代表取締役社長)、中野博之(集英社「週刊少年ジャンプ」編集長)聞き手:阿久津仁愛2.5次元というジャンルを確立した舞台制作会社であるネルケプランニング。その代表取締役社長であり、プロデューサーでもある野上祥子。今回はヒットマンガを連発する集英社『少年ジャンプ』編集長中野博之と注目の対談。『テニスの王子様』、『NARUTO-ナルト-』『ハイキュー!!』、『僕のヒーローアカデミア』、『鬼滅の刃』、『Dr.STONE』、『呪術廻戦』などジャンプ作品からの舞台化は数多い。その舞台化の過程や苦労話をマンガと舞台のそれぞれの視点で語り尽くす。聞き手は注目の俳優、阿久津仁愛。自身の舞台参加経験も含めて楽しい授業になること間違いなし。入場券、及び視聴券もチケットぴあにて販売中!公式サイト:公式Twitter:チケット情報はこちら:
2022年09月29日現在開催中の「第44回ぴあフィルムフェスティバル2022」で9月24日、スペシャル映画講座「『PLAN 75』短編版&長編版 日本に少ない、短編を長編にする試み」が開催され、講師として早川千絵監督、プロデューサーの水野詠子氏、ジェイソン・グレイ氏が登壇した。『PLAN 75』は、是枝裕和監督が総合監修を務めたオムニバス映画『十年 Ten Years Japan』の一編として発表された短編映画を長編として新たに作り上げた作品。少子高齢化が一層進んで近い将来の日本を舞台に、75歳以上が自らの生死を選択できる<プラン 75>という制度が国で可決された世界で、人々が「生きる」という究極のテーマにどう答えを出していくかを描いた物語。第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品され、カメラドールのスペシャルメンションに選出された。もともと早川監督は、2017年ごろに長編映画の企画として考えていたという本作。しかしプロデューサーもまだ決まっていないという状況のなか、水野プロデューサーから『十年 Ten Years Japan』の企画の話を聞いて、長編作品のままプロットを送ったという。そこから短編へとプロットを練り直すなか、早川監督が行ったのが、登場人物を絞ること。「もともと長編では5~6人が出る群像劇だったのですが、3人に絞ってプロットを提出したのですが、20分弱の長さでは、それでも多いと。最終的に、誰を選んだら『PLAN 75』というシステムを端的に表現できるのかを考えて1人絞ったんです」と過程を説明する。早川千絵監督水野プロデューサーも「短編映画というのは、伝えたいことを盛り込みすぎると、本当に伝えたいことが伝わらなく危険性がある。どれだけテーマにフォーカスできるか」とポイントを挙げると、早川監督も「削っていけばいくほど、研ぎ澄まされるというか、本質が見えてきて良くなる実感がありました。『削ってください』という作業は決してネガティブなことではないと思えました」と収穫が多かった作業だったという。短編として作成した映画から、長編まではコロナ禍の影響もあり、約4年という歳月が流れた。早川監督は「長編の脚本を書くとき、最初のプロットから3人に絞って、それぞれの人物をチャプターで分けていたんです。でもある方から『それだと短編の寄せ集めで、長編にする意味がないのでは?』という意見をいただき、実際の映画のような形になるまで、何十回も脚本を書き直しました」と語ると「最初は早く作らないと時代が変わってしまうかも……という焦りがあったのですが、コロナになって世の中が作品の世界に近づいてきてしまった。現実がフィクションを超えてしまったと感じで恐ろしくなって、脚本をまた練り直したんです。当初は問題を提起して不安をあおるような感じだったのですが、コロナを経験して、これ以上不安を作りたくないと、希望を見出す形にしました」と試行錯誤の連続だったという。本作は、日本・フランス・フィリピン・カタール合作映画となった。この点について水野プロデューサーは「最初から合作を想定していた」と語ると「この作品はユニバーサルなテーマだと思ったので、海外のパートナーにも興味を持ってもらえるのでは」と作品の持つ可能性には自信があったという。実際、早川監督が作っていた短編映画は、海外パートナーを探すためには大きな助けになったようだ。プロデューサーの水野詠子主人公となる角谷ミチを演じた倍賞千恵子について、早川監督は「新人監督の一本目に出てくださって本当にありがたかったです」としみじみ語ると「でも私がビビってしまうことは分かっていたようで、とても気さくに接して緊張しないように配慮してくださいました。私も遠慮しては失礼だと思い、本気でぶつかっていきました」と撮影を振り返る。さらに脚本を読んだ段階で早川監督に倍賞が「会いたい」と言ったというと、早川監督の人となりを知りたいことに加えて、倍賞自身のいまの姿をしっかりと監督に見てもらい、判断してほしいという意図があったという。「本当に素敵な方でした」と貴重な経験だったことを明かしていた。取材・文・写真=磯部正和
2022年09月24日9月23日、現在開催中の「第44回ぴあフィルムフェスティバル2022」で、青山真治監督特集として『月の砂漠』が上映。本作に出演した女優のとよた真帆がゲストとして登壇し、作品の裏話や青山監督との思い出を振り返った。2001年公開の『月の砂漠』は、学生時代にITベンチャーとして大成功収め、時代の寵児となった男・永井恭二(三上博史)が、崩壊してしまった家庭を取り戻すために、あることを男娼のキーチ(柏原収史)に頼むことから起こる騒動を描く。永井の妻・アキラ役として出演しているとよたは、本作がきっかけで青山監督と出会い、のちに結婚をしている。最初の出会いについて「監督の作品はこれまで観ていたのですが、容姿を知らなかった」と語ると「初めて顔合わせをしたとき、腰まで髪の毛があって、まずびっくりしました」と当時を振り返る。続けてとよたは「若いころは、少し変わった人に惹かれるところがあって、もうその髪型を見ただけで、つかみはOKみたいな」と笑うと「そんな奇抜な感じなのに、家族の崩壊と再生みたいなテーマを当時30代で描くということで、どんな人なんだろうという興味が沸いたんです」と語る。とよたが初めて経験した青山組は、スタッフ一人一人がプロフェッショナルな現場だったという。「皆さんが青山の求めているものを作ろうと、完璧を目指している。その意味でとても緊張感があるんです」と述べると「とても尊敬できるスタッフさんとの仕事、自分もしっかり整えて臨まなければと意識が高くなるんです」と独特の雰囲気だったことを明かす。青山監督の演出面について、とよたは「とても間合いを大切にする監督。私は性格的にせっかちで、芝居もせっかちになりがちなのですが、青山監督は音楽のようにシーンを撮っている人なので、間については結構細かく言われました」と回顧する。今年3月21日に逝去した青山監督。2002年の結婚後、20年という歳月を共に過ごしてきたとよたは「家ではアイデアレベルで、企画の話などもしていました。ただ青山って自分の頭のなかにたくさん思いがあっても、軽く言葉にしない人。彼が亡くなったあと、パソコンのなかに企画がたくさん入っていて、いまスタッフと形にしている最中なのですが、知らない作品の企画もたくさんありました」と語る。常に青山監督は、映画のことを考えているような人だったというとよた。自身もものすごく観察されていたという意識があったようで「結婚してからの作品では、私たち親族の話が取り入れられているなというシーンも見受けられました」と述べると「でもそういったところを含めて面白がらないと。20年、飲んだくれて道端で寝ていて近所から『まほさん、大変だよ』と言われようが、それも楽しむような夫婦生活でした」と笑っていた。とにかく“映画”という文化に熱い思いを持っていたという青山監督。とよたは「私の口から言っていいのか分かりませんが、これまで青山が撮りたいと思っていた映画が、何本もダメになっている。20年間の間には、本当に撮ってもらいたい作品もありました」と苦難も多かったことを明かすと「青山の作品では、私は『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』が好きでした。見えない音や波動が、人の精神や病を治していく表現がとてもいい。作品が完成したとき、嬉しかったと同時に『ちょっとでいいから出たかったな』と言ったのを覚えています」と裏話を披露する。そのとき無言だったという青山監督。とよたは「そういう意味でとても潔い人でありシビアな人。この映画には『真帆の役がない』ということなんですよね」と、すべては作品のためにという人柄だったことを明かす。現在、青山監督が最後に撮ろうとしていた作品でキャスティングプロデューサーを務めているというとよた。青山監督の脚本のもと、新しい監督で作品は進んでいく予定だという。取材・文・写真:磯部正和■「第44回ぴあフィルムフェスティバル2022」最終日9月25日(日) に、PFFアワード受賞5作品を国立映画アーカイブで上映!国立映画アーカイブにて■「PFFアワード 2022」入選16作品を10月31日(月) までオンライン配信中DOKUSO 映画館
2022年09月23日第44回『PFF(ぴあフィルムフェスティバル)』のメインイベントで、新人監督の登竜門として名高い自主映画のコンペティション「PFFアワード2022」表彰式が9月22日、都内で行われ、河野宏紀監督の『J005311』がグランプリを受賞。峰尾宝・髙橋直広の両監督による『スケアリーフレンド』が準グランプリと観客賞に輝いた。新しい才能の発見と育成、新しい映画の環境づくりをテーマに1977年にスタートした自主映画のコンペティションをメインプログラムとした映画祭。第44回を迎える今年は、PFF アワードに520本の応募があり、16作品が入選。最終審査員として、菊地健雄(映画監督)、玉川奈々福(浪曲師・曲師)、とよた真帆(俳優)、光石研(俳優)、三島有紀子(映画監督)が審査にあたった。『J005311』は生きることに絶望したサラリーマン・神崎が、同じく人生を諦めている青年・山本のひったくり現場を目撃したことから、正反対の男二人の静かなる衝突が生まれるスリリングなロードムービー。神崎は高額報酬で、山本にある場所への運転を依頼されるが、重苦しく奇妙な旅路の先に、思わぬ奇跡が待っていた。河野監督とは俳優養成所の同期にあたる野村一瑛が主演を務めた。グランプリに輝いた河野監督は、「野村とは8年くらい前に出会って、当初から映画を作ろうと話していたが、何もできずにいた」と振り返り、「仕事も人生もどん底の二人に光をあて、自分自身、野村自身を救いたかったという気持ちがあった。そういうものを評価してくださった皆さんに感謝します」と思いの丈を吐露。野村は「映画の中でもそうだったんですけど、河野には実際の生きてきた人生でも、本当に一番救ってもらった人物。そういう人の強さが、この映画に表現されている」と語り、「おめでとうございます」と受賞を祝していた。なお、タイトルの『J005311』は天体現象に由来しているといい、河野監督は「すでに死んでいる星二つが、ものすごい奇跡的な確率で衝突したら、再び光り出したという話を知って。それを人間に当てはめた」と説明していた。プレゼンターを務めた三島監督は、「この作品にグランプリをとってもらうために、審査員に呼んでいただいたんだなと思いました。人間に絶対的に寄り添うという、監督の優しさがあふれていた」と強い思い入れ。「審査では、この作品の良さをただひたすらに話していたんですけど、実は満場一致だったんです」とグランプリ受賞の経緯を明かした。第44回を迎えた今年は、コンペティション「PFFアワード2022」をはじめ、今年3月21日に亡くなった映画監督・青山真治氏を回顧する「青山真治特集」として、『WiLd LIFe』『月の砂漠』など個性あふれる初期の35mmフィルム5作品を緊急特集。また、今年生誕100周年を迎えたピエル・パオロ・パゾリーニ監督を特集する「ようこそ、はじめてのパゾリーニ体験へ」、ピーター・バラカン氏がナビゲートする映画と音楽シリーズ「ブラック&ブラック」といった多彩なプログラムで映画ファンを魅了した。<グランプリ>『J005311』監督:河野宏紀<準グランプリ>『スケアリーフレンド』監督:峰尾宝、髙橋直広<審査員特別賞>『MAHOROBA』監督:鈴木竜也『the Memory Lane』監督:宇治田峻『幽霊がいる家』監督:南香好<エンタテインメント賞(ホリプロ賞)>『水槽』監督:中里有希<映画ファン賞(ぴあニスト賞)>『瀉血』監督:金子優太<観客賞>『スケアリーフレンド』監督:峰尾宝、髙橋直広<入選作18作品>※作品名50音順。敬称略。年齢は応募時のもの。『アクト』監督:田中 夢(38歳/千葉県出身/俳優・立教大学 映像身体学科卒)『石川君、行け!!』監督:高階 匠(32歳/東京都出身/映像制作会社勤務)『彼は誰時(かわたれどき)』監督:谷本桃子(21歳/青森県出身/名古屋学芸大学メディア造形学部映像メディア学科)『暮れる』監督:竹田優哉(25歳/広島県出身/神戸大学大学院 国際文化学研究科)『J005311』監督:河野宏紀(26歳/神奈川県出身/フリーター)『瀉血』監督:金子優太(20歳/東京都出身/青山学院大学 理工学部物理学科)『水槽』監督:中里有希(20歳/山形県出身/東北芸術工科大学 デザイン工学部映像学科)『スケアリーフレンド』監督:峰尾 宝(23歳/東京都出身/会社員)髙橋直広(23歳/神奈川県出身/無職)『バンド』監督:河村 陸(24歳/千葉県出身/フリーランス)『ふちしすこ』監督:亀井史興(40歳/新潟県出身/フリーター)『ポラン』監督:中村洸太(23歳/東京都出身/立教大学 社会学部)『MAHOROBA』監督:鈴木竜也(27歳/宮城県出身/飲食店勤務)『the Memory Lane』監督:宇治田 峻(27歳/和歌山県出身/フリーター)『最も無害で、あまりにも攻撃的』監督:中田江玲(23歳/東京都出身/慶應義塾 大学環境情報学部)『幽霊がいる家』監督:南 香好(31歳/神奈川県出身/フリーター)『Lock Up and Down』監督:Minami(27歳/北海道出身/東京大学大学院 総合文化研究科)映画祭「第44回ぴあフィルムフェスティバル2022」開催概要<東京>日程:2022年9月10日(土)~25日(日)※月曜休館会場:国立映画アーカイブ(東京都中央区京橋3-7-6)<京都>日程:2022年11月19日(土)~27日(日)※月曜休館会場:京都文化博物館(京都市中京区三条高倉)取材・文・写真=内田涼【公式サイト】
2022年09月22日「下北沢カレーフェスティバル2022」が、2022年9月30日(金)から10月31日(月)までの期間で開催されます。「下北沢カレーフェスティバル2022」開催決定演劇や古着、音楽の街としてはもちろん、多くの名店が軒を連ねるカレーの街でもある下北沢。今年で11回目を迎える「下北沢カレーフェスティバル」は、下北沢周辺の店舗が提供するカレーメニューが楽しめる、関東3大カレー祭りの1つです。下北沢周辺から全117の店舗が参加期間中は、下北沢駅周辺に店を構える参加117店舗で、食べ歩きにも最適なミニカレーやテイクアウトメニュー、カレーをテーマにした限定メニューなどを提供。日本人に馴染み深い定番カレーから、スープカレー、スパイスカレー、インドカレー、タイカレーまで、各店自慢の一品が用意されています。毎年恒例のスタンプラリーもまた、各参加店舗でスタンプを集めるスタンプラリーも開催。参加するだけでもらえる先着プレゼントや、カレーを食べて集めたスタンプでもらえるプレゼント、抽選でもらえる豪華プレゼントなど、参加すればするほど楽しめる毎年恒例の企画です。開催概要「下北沢カレーフェスティバル2022」開催期間:2022年9月30日(金)~2022年10月31日(月)※時間は参加店舗の営業時間に準ずる。場所:下北沢駅周辺の117のカレー提供店、17(スイーツ、アパレル、脱出ゲーム)の店舗、下北沢駅周辺の広場
2022年09月20日ジュエリー京都(Jewelry Kyoto)“ピアスのようなイヤリング”「ぴあり」から、『源氏物語』の登場人物“玉鬘”をイメージした新作「源氏物語~玉鬘~ぴあり」が登場。2022年9月16日(金)より発売される。『源氏物語』“玉鬘”イメージした「ぴあり」紫式部による世界最古の長編恋愛小説『源氏物語』を題材に、主人公・光源氏をとりまく9人の登場人物にスポットをあてた、「ぴあり」の人気ジュエリーシリーズ「源氏物語シリーズ」。2022年3月から毎月新作を1点ずつ発表してきたが、第7弾となる今回は“玉鬘(たまかずら)”を新たなモチーフとして起用した。“山吹色の花”をあしらった華やかなデザイン光源氏のライバル・頭中将と夕顔の間に生まれた玉鬘は、求婚してくる若者が後を絶たないほどの美女。のちに、夕顔を忘れられずにいる光源氏に引き取られることとなる女性だ。新作「ぴあり」では、様々な困難に見舞われながらも強くしなやかに生きる玉鬘のいきいきとしたイメージを、大ぶりの黄色い花で表現している。また、歳暮の衣配りの衣装から着想した山吹色のカラーに加えて、父・頭中将と母・夕顔の「ぴあり」から華やかなデザインと色を汲んでいるのも特徴。下部にはオーロラのような輝きのヴェネチアンガラスをセットし、晴れ晴れしい雰囲気に仕上げた。型染め和紙の限定パッケージでなお「ぴあり」は、“まるでピアス”のようなスマートな見た目をもちながら、“耳たぶが痛い”“落ちやすい”といったイヤリング特有の悩みをカバーしているのもポイント。「源氏物語シリーズ」の「ぴあり」に限り、作品の登場人物をイメージした型染め和紙の限定パッケージで展開される。【詳細】ジュエリー京都「源氏物語~玉鬘~ぴあり」発売日:2022年9月16日(金)展開場所:清水坂ガラス館-ぴあり-、ジュエリー京都オンラインストア価格:13,200円■店舗詳細清水坂ガラス館-ぴあり-住所:京都府京都市東山区五条坂白糸町569-3TEL:070-2286-9493営業時間:11:00~17:00 通常年中無休※営業日や営業時間は変更する場合あり
2022年09月17日9月10日(土)から開催中の「第44回ぴあフィルムフェスティバル2022」(PFF)。PFFでは毎年、映画を志す人たちに観てほしい映画、対話してほしい人をテーマとした特集上映を行っているが、今年は生誕100周年を迎えるイタリアの鬼才ピエル・パオロ・パゾリーニ監督が登場。この稀有な才能がもたらす、唯一無二の映画体験をぜひとも多くの若い人たちに体験してもらいたい。そこで今回は若手映画ライターのSYOさんにパゾリーニを初体験していただいた。SYOさんが選んだパゾリーニ作品とは?パゾリーニ作品を通じてSYOさんが感じたこととは?PFFの荒木ディレクターとともに、その魅力を語りあっていただいた。“パゾリーニ初体験”のSYOが気になる作品は?荒木SYOさんは普段はどういったジャンルの映画をご覧になっているんですか?SYO特にジャンルで映画を観ているわけではないですが、仕事柄、どうしても最新の映画を観る機会が多くなってしまうんです。そういう意味ではパゾリーニも名前は知っていたけれど、今まできちんと観たことがなくて。だから今回はいい機会をいただけたと思っています。――今回は“パゾリーニ初体験”ということで、SYOさんに気になるパゾリーニ作品を選んでいただいたわけですが、どの作品が気になりました?SYO『豚小屋』と『ソドムの市』ですね。荒木それは極端かも(笑)。割とこの辺の『アッカトーネ』とか『奇跡の丘』とかもいいですよ。SYOそうですよね。でもその2作品がどうしても気になってしまって(笑)。実は、大学で映画を勉強する機会があって。そこで先生から『ソドムの市』の一部を抜粋して見せてもらった記憶があるんです。ただそのときはパゾリーニというよりも『ソドムの市』という作品が中心で、「ヤバい映画があるぞ!」という形で紹介されていました。『豚小屋』――『豚小屋』はどこが気になったんですか?SYOタイトルですね。『豚小屋』って、明らかに不穏な話っぽいじゃないですか。不穏な映画が個人的に好きで……(笑)。荒木『豚小屋』は傑作ですよ。パゾリーニって知れば知るほど深みが増してくるような映画が多いんで、そこが面白いんですよね。特に初期の2作品(『アッカトーネ』『マンマ・ローマ』)は完全に文学なんですよ。だからこの2作品を観てから他の作品を観ると、また違う印象があるんで。それは組み合わせとしておすすめですね。SYOそうなんですよね。今回は結構どぎつい2本をチョイスしちゃったかなと思っているので、パゾリーニ体験をした今は、彼がいかにして『ソドムの市』にたどり着いたのかが気になっています。荒木パゾリーニは映画つくりに関しては素人というところから始まっていますからね。特に映画の現場で訓練を受けたわけではないのに、デビュー作の『アッカトーネ』があのクオリティーですから。本当にすごい人ですよ。しかも映画監督としては14年しか活動していない。それであれだけのものを生み出し続けたというのは、どれだけなのかと思いますよ。「『ソドムの市』を観て感じた“エグ味”は強烈だった」(SYO)SYO荒木PFFは大島渚監督と縁が深いんですけど、人を褒めるということのあまりない大島監督が、なぜかパゾリーニのことは面白がっていた。それはなんでだろうと思っていたんですけど、今回いろいろと調べていくうちに、ふたりが似ているからなのかと思いました。大島渚に比べて高い映画教育を受けているわけではないですし、キャリアも長いわけではないですが、それでもあの短い時間を駆け抜けたパゾリーニという人は、知れば知るほどカッコいいなと思います。SYOうちは母親が映画好きなので、母親にパゾリーニのことを聞いてみたのですが、けっこうリアルタイムで観ていたみたいで。そのときに言っていたのが、ある種のエグ味はあるけどやっぱり面白いし、笑える部分もある。なんだか残るんだよねということでした。ピエル・パオロ・パゾリーニ監督荒木いいですね、身近に聞ける人がいるのは。SYO僕の映画の師匠はオカンなんです。実家が田舎だったので、映画館が近くに全然なくて。だから小さい頃は昔の作品を含めて、オカンが薦めてくれる映画を観ていました。それこそ『自転車泥棒』とか『モンパルナスの灯』とかも薦められて観ましたし。うちの両親はふたりともクリエーターなので、「こうなりたいな」みたいな憧れもあって。自分と感性は全く別ですが、両親がいいというものは今でも基本観るようにしています。荒木映画関係の人って、ご両親のどちらかが映画が好きという人が多いんですよね。SYOそういう意味ではすごく環境に恵まれていたなと思います。荒木それで『ソドムの市』を観たときはどうだったんですか?SYO最近だと『哭悲 THE SADNESS』という強烈な台湾映画があって。ここ数年で、久しぶりに途中で観るのをやめたくなるような映画だったのですが、観始めた最初はその感覚を少し思い出しました。でも、映画を観て感じたエグ味は『ソドムの市』の方が比べ物にならないくらい強くて(笑)。それはきっと画がすごく美しくて、しかも引きの画で撮られている分、異常性に引いた目線――客観性を感じたから。「怖いものですよ」と見せ物にするのではなく、異常性を当たり前のように描いている。話は通じるけど理解は絶対にできないような、真の意味で怖い人たちに出会ってしまった……と震えました。「なにかをする度に反発が起きるというのはすごい才能」(荒木)荒木啓子ディレクター荒木『ソドムの市』はわたしにとっても、もう1回観たいような、観たくないような、ある種のタブーの映画だったんですよ。ただ今回の上映に合わせてプリントチェックをするために、あらためてスクリーンで観たんですけど、やっぱりパゾリーニの深い絶望のようなもの、だけど絶対に希望は捨てないではいられないというようなものがあって。この引きかれたような、生まれながらの表現者としての魂みたいなものにいつも感動するんですよね。SYOやはり今回、僕が『ソドムの市』を観たいなと思ったのは、やっぱり体験として受け継がれていく作品だから、ということもありますよね。だからといって教授が学生たちにそれを薦めるのもすごいことだと思いますが(笑)、でもそういう力があると思うんです。「俺、『ソドムの市』観たんだぜ!」と言いたくなるような。それは本当に映画の力だと思いますね。『ソドムの市』荒木とにかくパゾリーニは、誰もやらないようなことをやろう、究極のことをやってやろうとしていたんですよね。そういうことを常に思っている作家がいるというだけで、60年代の映画の芳醇(ほうじゅん)さがあると思うんです。パゾリーニは作品を発表する度に、常に訴訟を起こされたり、上映中止を命じられたりしてきたわけですが、なにかをする度に反発が起きるってすごい才能だと思う。SYO一生懸命作っているのに、事件が起こってしまう……。荒木ある種の人たちにとって、彼がやることは恐怖を感じさせるんでしょうね。でもそういう人がボコボコ出てきた時代って、やはり戦争の傷跡みたいなものがあって。めちゃくちゃになった世界の傷を回復させようとしていたからだと思うんです。あの時代の表現欲ってすごかったなと思うんで。だから、むしろこれからの日本映画が面白くなっていくんじゃないかと期待しているんですけどね。とにかくパゾリーニを通して、映画ってなにやってもいいんだよ、ということが伝わったらなと思っているんです。今の人たちの視点でパゾリーニを語ってほしいSYOこれだけエグいものを見せられてるのに、終わった後に「観てよかった」と思うのはなぜなんだろう?と思います。荒木『豚小屋』とか大笑いしませんでした?SYOそうですね。すごいシニカルだなと思いました。『ソドムの市』のように直接的な描写があるのかなと覚悟していた部分もあったんですけど、そうではなく伝聞形式に近い。あえてそこを描かないがゆえのエグさというか、想像力に訴えかけてくる怖さでした。豚が出てくるだけでゾッとしますもんね。荒木『豚小屋』って本当に爆笑に次ぐ爆笑だったんですよね。だから本当に上映のときも真剣に観ないでほしいなと思っているんです。結構、ばかなこともやっていますからね。SYOそれってすごく大事だなと思います。パゾリーニについて語られているものって、どうしてもちょっとアカデミックになりすぎている気がしていて。そうなってくるとこちらも「知識なしに観ちゃいけないのかな」という気持ちになってしまう。だから真剣に観なくていいと言っていただけると、すごくありがたいです。荒木映画の書籍は、研究者のものが多くなりますしね。でも普通に映画を観てどう思ったかといった感想はネットにあふれていますから、こちらも重要。今の人たちの視点で、パゾリーニを体験してどう思ったか、どんどん語ってほしいです。今回の特集を共催しているイタリア文化会館の人は『アラビアンナイト』がすごく好きだとおっしゃってて、それは「パゾリーニの中でも一番美しい映画だから」なんだと。そういうときは「美しい」という言葉だけで伝わるんだなと思いましたね。『アラビアンナイト』それと今回の上映作品で『愛の集会』という、イタリア中をインタビューして歩いているドキュメンタリーがあるんですけど、これを観ていると、みんなうれしそうにパゾリーニに話しかけているんですよね。子どもとかもスッゴイ喜んで寄ってきているし。やっぱり人間的にすごく魅力的な人だったんじゃないかなと思います。『愛の集会』SYO今回、パゾリーニ作品を体験することができて良かったなと思います。ある種、一番強烈なものを最初に観たからこそ、他の作品を観たいなという気持ちになりましたし。今のままだと、自分の中で「強烈な映画を撮る人」のイメージが固まってしまいそうなので(笑)、他の作品も観たいなと思っています。パゾリーニを一気に観て、人生で得がたい体験を!短編では『「奇跡の丘」のためのパレスチナ訪問』(写真右)ほか3本立て上映© Cristina D’Osualdo. Tutti i diritti riservati.Pubblicato per gentile concessione della VIGGO Srl.荒木わたしもまさかPFFでパゾリーニの特集をやるとは思ってもみなかったんですけど、誰もやらなそうだと分かり、2年前から準備しました。PFFは誰もやらないことをやりたいんです(笑)。SYO今回、短編プログラムを入れたら相当な数の映画を上映するんですよね。荒木これを一気に観たらすごいですよ。自分の人生の中でも得がたい体験になります。おそらくスクリーンで、これだけの規模で上映される機会はもうないでしょうしね。――今回の特集で気になった作品はありますか?SYO今回、上映作品のチラシを拝見して。面白そうな作品が多いなと思ったのですが、『大きな鳥と小さな鳥』は観たいなと思いました。『大きな鳥と小さな鳥』荒木興味を持ったのはどういうポイントで?SYOあらすじを読んだだけでもう面白そうだなと思ったというのもありますし、言葉を話すカラスってどんなだろう?というところも気になります。これなら笑えそうな気もしますしね。荒木お時間あるときに、ぜひ映画祭に遊びに来てください。取材・文・撮影:壬生智裕【第44回ぴあフィルムフェスティバル2022】会期:9/10(土)~25(日)※月曜休館会場:国立映画アーカイブ第44回ぴあフィルムフェスティバル2022 特別企画「ようこそ、はじめてのパゾリーニ体験へ」特設サイト: 上映劇場:【東京】京橋・国立映画アーカイブ9月11日(日)~22日(木)渋谷・ユーロスペース10月22日(土)~11月3日(木・祝)【京都】三条高倉・京都文化博物館11月19日(土)~26日(土)<「ようこそ、はじめてのパゾリーニ体験へ」上映作品>『アッカトーネ』1961年『マンマ・ローマ』1962年『ロゴパグ』1963年『愛の集会』1964年『奇跡の丘』1964年『大きな鳥と小さな鳥』1966年『華やかな魔女たち』1967年『アポロンの地獄』1967年『イタリア式奇想曲』日本初上映 1968年『テオレマ4Kスキャン版』1968年
2022年09月12日「下北沢カレーフェスティバル2022」が、2022年9月30日(金)から10月31日(月)までの期間で開催される。「下北沢カレーフェスティバル2022」開催決定演劇や古着、音楽の街としてはもちろん、多くの名店が軒を連ねるカレーの街でもある下北沢。今年で11回目を迎える「下北沢カレーフェスティバル」は、下北沢周辺の店舗が提供するカレーメニューが楽しめる、関東3大カレー祭りの1つだ。下北沢周辺から全117の店舗が参加期間中は、下北沢駅周辺に店を構える参加117店舗で、食べ歩きにも最適なミニカレーやテイクアウトメニュー、カレーをテーマにした限定メニューなどを提供。日本人に馴染み深い定番カレーから、スープカレー、スパイスカレー、インドカレー、タイカレーまで、各店自慢の一品が用意されている。毎年恒例のスタンプラリーもまた、各参加店舗でスタンプを集めるスタンプラリーも開催。参加するだけでもらえる先着プレゼントや、カレーを食べて集めたスタンプでもらえるプレゼント、抽選でもらえる豪華プレゼントなど、参加すればするほど楽しめる毎年恒例の企画だ。開催概要「下北沢カレーフェスティバル2022」開催期間:2022年9月30日(金)~2022年10月31日(月)※時間は参加店舗の営業時間に準ずる。場所:下北沢駅周辺の117のカレー提供店、17(スイーツ、アパレル、脱出ゲーム)の店舗、下北沢駅周辺の広場
2022年09月11日「映画の新しい才能の発見と育成」をテーマに、現在日本映画界の第一線で活躍する映画監督を多数輩出している映画祭「第44回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」が9月10日より開幕。初日にPFFスカラシップ最新作『すべての夜を思いだす』の完成披露上映会が国立映画アーカイブで行われ、清原惟監督、キャストの大場みなみ、見上愛、内田紅甘が登壇し、それぞれ本作への熱い想いを語った。左から)清原惟監督、大場みなみ、見上愛、内田紅甘「PFFスカラシップ」は自主制作映画のコンペティション「PFFアワード」の受賞監督からオリジナル企画を募り、毎年1名を選出して企画・製作から劇場公開までをプロデュースする“映画製作体験プロジェクト”で、これまで李相日、荻上直子、内田けんじ、石井裕也ら錚々たる監督たちの商業映画デビュー作を世に送り出してきた。清原惟監督は東京藝術大学大学院映像研究科の修了作品として製作した『わたしたちの家』で見事PFFアワード2017グランプリに輝き、今回のPFFスカラシップ作品の製作につながった。監督にとっては5年ぶりの長編となる『すべての夜を思いだす』は、東京・多摩ニュータウンですれ違う、世代が異なる3人の女性たちの断片的に響き合う1日が描かれる。清原監督は「約5年という長い時間をかけて作った作品で、トラブルなど大変なこともありましたが、素晴らしいキャストとスタッフの方と作り上げられたこと、こうやって無事に完成できたことをうれしく思います」と挨拶。『すべての夜を思いだす』(C)PFFパートナーズ=ぴあ、ホリプロ、日活/一般社団法人PFF撮影はコロナによる影響が大きかったようで、企画が2回ほど変わってこの形になったという。それについて大場は「この話を最初に頂いたときは、3人がキッチンカーで出会う話だったんですが、スケジュールの都合で撮影が延びて、教習所で出会う3人がキッチンカーを始めるというお話に変わったんです。教習所の話だから車を運転できた方がいいと思って免許を取ったんですけど、最終的にガスの検針員役で……(笑)。おかげさまで車に乗れるようになって楽しませていただいてます!」と笑いを誘った。大場みなみ一方監督は、「撮影を延期したことで、映画をよりシンプルにしていこうと思うようになったときに、3人それぞれの時間をじっくり描き、3人それぞれがこの世界に生きているということが見せられたらよいかなと思って再出発しました。3人の物語を描いてはいるんですが、街に住んでいるほかの人たちのことも想像できるような作品になればと思って、このようなタイトルにしています。5年という長い時間はかかってしまったけど、今思えば必要な時間でした」とコメント。清原惟監督舞台となっている多摩ニュータウンは、約50年前に開発された東京の郊外にあるベッドタウンで、団地と公園が永遠と続く、どこまで行ってもこの景色から抜け出せないように感じる独特の風景。「街をたくさん歩いている中で見つけたいい場所をどうやったら映画にしていけるかを考えていった」と監督が語るよう、場所からインスパイアされたシーンも多くあるそうだ。また、「困ったことがあってもその都度、キャストみんなが相談に乗ってくれたので、そこまで困ったことはなかった」と語る監督。一方、大場は「監督はリハーサルを結構入念にやるんですが、本番では1回でOKのことが多くて。何回もテイクを重ねないのが印象的だった」と回顧。片や、ダンスをやっている大学生・萩野夏を演じた見上は、「逆に私はテイクを重ねた気がします(笑)」と打ち明けると、夏の友人・吉田文を演じた内田も「私もそんな気がします(笑)」と続く。それについて、内田は「特に見上さんが演じた夏は、感情的に難しい繊細なシーンが多かったのでは」と分析した。見上愛内田紅甘最後にPFF2017で審査員を務めた渡部眞撮影監督が登場し、清原監督に花束を贈呈。「5年前グランプリを授賞された時、李相日監督が“監督は映画の匂いを感じてくれたんじゃないか”みたいなことをコメントされていましたがその通りだなと思いました。今日観て、私もプロながら心から感動しました。企画としていろいろ迷った5年間が結実した作品だったのではないかと思います」と監督へエールを送った。なお、「第44回ぴあフィルムフェスティバル2022」は25日まで国立映画アーカイブ、11月19日から27日にかけて京都・京都文化博物館で開催。PFFアワード入選作品はDOKUSO映画館、U-NEXTにて配信も行われる。<イベント情報>「第44回ぴあフィルムフェスティバル2022」■東京日程:2022年9月10日(土)~25日(日) ※月曜休館会場:国立映画アーカイブ■京都日程:2022年11月19日(土)~27日(日) ※月曜休館会場:京都文化博物館公式サイト:
2022年09月11日今年で44回目を迎えた「ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」。多彩なプログラムで、映画ファンを魅了し続ける同映画祭の中核をなすのが、自主映画を対象にしたコンペティションで、新人監督の登竜門として多くの才能を世に送り出す「PFFアワード」だ。今年は520本の応募作品の中から入選した、16作品が上映され、最終審査員らにより各賞が決定する。このたび、独自の切り口の映画感想で、絶大な支持を集めるTikTokクリエイター・しんのすけさんと、PFFディレクターの荒木啓子氏の対談が実現。実は2007年に創設された京都造形芸術大学の映画学科(現在の京都芸術大学)一期生だったしんのすけさんは、在学中にPFFアワードへの応募をひとつの目標にしていたのだとか。そんなしんのすけさんが考えるPFFアワードのすごさとは?卒業制作が完成も、応募はせず。その理由は?TikTokクリエイター・しんのすけしんのすけPFFアワードは、映像を作っている人間なら誰もが知っている賞ですから、いつか応募したいという思いはありましたね。受賞すれば、次のステップが見えてくるような現実的なコンペが、PFFアワード以外ありそうで実はあまりないですから。実際、卒業制作は完成させたんですが、応募はしませんでした。荒木あら、残念。なんで?しんのすけはっきりした理由は思い出せませんが、ひとつは当時自信がなかったということですね。PFFアワードという、めちゃくちゃ大きなブランドに応募するハードルの高さを感じていたんだと思います。長い歴史もありますし、権威性というか……。荒木やってる側としては、権威にはなりたくないですよ。例えば、いわゆる世界三大映画祭みたいな、歴史と権威を誇るような場所ではない。自主映画の祭典ですから、常にフレッシュ、常にリニューアルの気持ちです。そうでなければ、存在する意味もないですし。権威って言われると、チェってなる(笑)。しんのすけもちろんそうですが、僕が学生だった10年前に比べても、映像祭と呼ばれるものが、尋常じゃないくらい増えた今だからこそ、よりPFFアワードは不動の位置にあるというか。PFFアワードを受賞すれば、劇場公開作品が撮れたり、そういう部分は、やはり揺るがない印象がありますね。実際に後輩の工藤監督(『オーファンズ・ブルース』でグランプリを受賞し、PFFスカラシップ作品『裸足で鳴らしてみせろ』で商業映画デビューした工藤梨穂監督)の授賞は、学科内に留まらず、大学全体の大きなニュースとして扱われていましたし。荒木去年グランプリを受賞した『ばちらぬん』の東盛あいか監督も、京都芸術大学の後輩にあたりますよね。実は『ばちらぬん』がグランプリをとって「やったな」って思ったんですよ。こういうタイプの作品って見たことある人は少ないだろうし、劇場公開も決まりましたから。PFFアワードは“才能に出会える”場今年のPFFアワード全16作品しんのすけまさに“才能に出会える”場としての魅力が、PFFアワードにはありますよね。数多くの監督を輩出した歴史もあるし、会場に足を運ぶファンの中にも「自分も新しい才能を応援したい」という、ある種の“推し活”が楽しみ方のジャンルにもなっている。そうやって、映画祭を支えるファンの存在は確かにありますよね。荒木去年、エンタテインメント賞(ホリプロ賞)と映画ファン賞(ぴあニスト賞)をダブル受賞した『愛ちゃん物語♥』や、観客賞の『距ててて』は、まさにそうかも。しんのすけそういう出会いって、一般的な商業映画ではなかなか生まれない感覚ですよね。荒木でも、今は映画制作を取り巻く環境もどんどん厳しくなっているでしょ?どういう映画祭でなければいけないのか。それを考えることが、いつの間にか仕事になっている面もあって。映画って、音楽や小説と違って、成果が見えづらいし、成功したと認められるプロセスも違う。いわば、最も不安な仕事なんですよ、映画監督って。それでも「映画を作っていいんだ」と思ってもらえるよう、監督たちにどうやって寄与できるか。なにか力を貸せないかと考える。それ以外のこと……、例えば、映画祭を大きくするとか、そういうことは目標ではないし、考えてもいないんです。強いて言えば、作ったものを、ちゃんと誰かに観てもらえるということだけが役割なのかなって。しんのすけコロナ禍もあって、みんなが同じ空間に集まるということの価値が、今まで以上に大きなものにもなっていますもんね。スクリーンで上映されて、誰かの反応が返ってくるという感覚は、確実に作家のテンションに直結するし、次回作を作ろうと思えるはず。PFFアワードに応募すれば、その可能性があるわけですから。大切なきっかけ作り。でも「選ぶのって、本当に難しい」荒木啓子ディレクターしんのすけTikTokで映画を紹介していて思うんですが、今はある種のお墨付きというか、レコメンドがないと、お客さんも映画を観ようって気持ちにならない。きっかけ作りがすごく大切で。荒木映画祭で言えば、(賞に)選ばれた作品の方が、観る側にとっても安心感がある。PFFアワードという形でコンペが始まったのは、1988年のこと。それまでは、例えば、大島渚や寺山修司、大林宣彦といった人たちが「おれはこれを推す」という作品をただ上映していたけど、応募者から「コンペにしてほしい」という声があがり、始まったそうです。ただ、大切にしないといけないのは、応募者全員に「参加して良かった」と思ってもらうことで。賞を受賞すれば注目を浴びるのはもちろんだけど、じゃあ、賞に漏れた作品がダメなのかって言えば、もちろん、そんなことはなくて。しんのすけ僕も毎週、どの作品を紹介するのか?そのチョイスによって、もしかすると、動画を見てくれている人が、出会うはずだった作品に出会えないこともあるんじゃないかって考えることはよくあります。コンペもそれに近いのかなと。荒木それを考えたら、寝られないですよ。(審査する側として)選ぶのって、本当に難しい。受賞作品よりも、選考のボーダーラインにいた作品のことをずっとよく覚えている。そういった作品、そして作った監督たちにチャンスをつかんでもらうためになにができるのかは大きな課題で。PFFアワードであれば、長編映画の製作を援助する「PFFスカラシップ」というシステムがあって、理想に近づけるように、今も試行錯誤をしているところなんですけどね。それって、映画祭がやることなのかなって、ふと思うこともあるけど(笑)。多様化する視聴スタイルスクリーン上映の価値は?しんのすけ技術面でいうと、今、スマホで撮る作品も増えています。異常に高画質だったりするので。荒木スマホ、すばらしいよ!本当にスマホでどんどん撮ってほしいと思います。おっしゃる通り、カメラの性能がすごくいいもん。問題は音ですよね。音もちゃんと計算しないと、映像が活きないよって。しんのすけそうなんです。音をちゃんときれいに調整しないと、なにが描かれているか分からない。音のリテラシーは、映像制作の大きな課題だなって思います。それと今は、自宅で映画を観るにしても、4Kのプロジェクターとか、いい機材が手頃な値段で手に入るんですけど、やっぱり音響には限界があって。映画館も今まで以上に音響へのこだわりが強くなっていますし、スクリーンで観る価値もそこにあるのかなって。荒木だからこそ、PFFアワードも、スクリーンでの上映は絶対に捨てないという気持ちがありますね。音のこともそうだし、同じ空間でいろんな反応に触れることって、作り手にも、お客さんにもすごく刺激的な体験になるはずなので。しんのすけ先ほどPFFアワードは“才能に出会える”場だという話をしたんですが、特にクオリティに縛られない初期衝動や、いい意味での粗さがある作品に奇跡的に出会えるのがいいんですよ。普通じゃ観られないもの(笑)。技術は後からついてくるとして、ちゃんと作りたいものがあって、どこか突き抜けている感覚というか。荒木自分でも自分がなにを作っているのか分からない。それくらい極端な冒険もしてほしいですよね。そういう自由さも含めて、PFFアワードは「いろいろあっていいんだ」っていう多様性を示す場所でありたいと思っていますね。しんのすけこれだけSNSが浸透した時代なので、作り手には自分で発信することの大切さも知ってほしい。作るだけで終わるのではなく、作品をどうアピールするかを意識するのがすごく大事で。それは商業映画も自主映画も同じで、未来の作り手に求められることだと思いますね。その上で、PFFアワードが道を切り開くサポートをしてくれる。そういう意義があるんだと知ってほしいですね。取材・文・写真:内田涼PFFアワードとは?“映画の新しい才能の発見と育成”をテーマに、1977年に活動がスタートした「ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」。その中心的な役割を果たす「PFFアワード」は、世界でも類を見ない自主映画を対象としたコンペティションで、入選者の中からは、後にプロとして活躍する映画監督を約170名輩出している。上映時間やジャンル、年齢、性別などは不問。新しい才能が集う場所として、広く認知されている。また、1984年から映画祭がトータルプロデュースする長編映画製作システムとして、「PFFスカラシップ」が実施され、新人監督のデビューを支援している。【第44回ぴあフィルムフェスティバル2022】会期:9/10(土)~25(日)※月曜休館会場:国立映画アーカイブ■映画祭公式サイト■映画祭公式Twitter■チケット購入はこちら※会場での当日券販売はありません。
2022年09月09日「BTS」のコンサートフィルム『BTS: PERMISSION TO DANCE ON STAGE -LA』が、9月8日(木)より「Disney+」にて独占配信がスタート。予告編映像とキービジュアルも到着した。本作は、2021年に約2年ぶりにロサンゼルスのSoFiスタジアムで有観客&オンライン開催した「PERMISSION TO DANCE ON STAGE」のステージ中心の映像。「Butter」「Dynamite」「Permission to Dance」はもちろん、過去の名曲を多数披露した。今回、サプライズ告知映像が公開され、7人のメンバーから「みんなの熱気にあふれて歓声が響き渡ったロサンゼルス公演、その感動をもう一度味わいたくありませんか?」「今すぐディズニープラスで会いましょう!」などといったコメントが寄せられている。Billboard調べによると、4日間に渡って開催されたコンサートは、21万枚以上のチケットを販売し、北米では2013年に行われたブルース・スプリングスティーンのライブに次ぐ、歴代2位の興行成績を記録。SoFi Stadiumに参加した21万人、YouTube Theaterで視聴した18,000人、最終日のオンライン・ストリーミングを通じて視聴した581,000人を足すと観客は80万人を超えている。『BTS: PERMISSION TO DANCE ON STAGE -LA』はDisney+にて独占配信。(cinemacafe.net)
2022年09月08日「第44回ぴあフィルムフェスティバル2022」が9月10日(土)より国立映画アーカイブにて開催となる。このなかで行われる特集上映「ようこそ、はじめてのパゾリーニ体験へ」に著名人からの推薦コメントが届いた。さらに『豚小屋』(1969年)の字幕付き予告編も初公開となっている。詩人、小説家、脚本家、評論家、俳優、活動家、多くの顔を持ち、映像表現の最先端を、人間の深淵を、激しく、そして純粋に追及し続け、センセーショナルな話題にまみれた比類なきイタリアの知と行動の人ピエル・パオロ・パゾリーニ(1922-1975)。生誕100年を迎えた本年、その軌跡を未体験世代に伝える「ようこそ、はじめてのパゾリーニ体験へ」は、21作品を揃えたアジア初の大特集だ。本企画は若手映画作家の登竜門と呼ばれる自主映画コンペティション「PFFアワード」をメインとした「第44回ぴあフィルムフェスティバル2022」の招待企画として、開催期間中に上映。その後、渋谷ユーロスペースや京都文化博物館「第44回ぴあフィルムフェスティバル2022 in 京都」にて引き続き特集上映を実施する。この特集上映を記念して、パゾリーニ作品に精通し、かつて「はじめてのパゾリーニ体験」をした時の衝撃や感動を著名人たちが若い世代に伝えるべくコメントが到着。フィレンツェの美術学校生時代にパゾリーニ作品に出会ったというヤマザキマリ、現在『ビリーバーズ』公開中で『テオレマ』が一番のお気に入り作品だという城定秀夫監督らから熱いメッセージに加え、それぞれが推薦作品を挙げた。また字幕付きの予告編が公開されたパゾリーニ中期の傑作『豚小屋』(1969年)は、ヴェネチア映画祭で賛否両論を巻き起こした作品である。中世の戦闘の最中、飢えをしのぐために人間を襲ってしまう若者、そして人間の女性を愛せず足しげく豚小屋に通う現代ブルジョア階級に暮らす青年。ふたつの物語を交互に進行させるユニークな構成の寓話にして衝撃作だ。主演は『昼顔』(1967年)、『ベルトルッチの分身』(1968年)などのピエール・クレマンティ、『大人は判ってくれない』のジャン=ピエール・レオが務める。ジャン=ピエール・レオは『夜霧の恋人たち』(1968年)や『家庭』(1970年)の『アントワーヌ・ドワネルの冒険』3~4作目の最中に出演した作品としても注目に値する。この予告編を見て、ぜひ特集上映に足を運んでほしい。<ヤマザキマリ(漫画家・文筆家)・コメント>私がパゾリーニの作品と初めて出会ったのは17歳の時でしたが、その時に得た衝撃は私の中にあらゆる実情を受け入れる受容体を作り上げました。映像を世界共通の新たな言語であると称し、我々を拘束する倫理を客観視することで、人間の生の真意を繊細かつアグレッシヴな表現によって暴き出そうとした詩人パゾリーニは、満身創痍になりつつも立ち上がり続けた孤独な闘士だったと捉えています。パゾリーニの作品を知るのと知らないのとでは、私の人生も確実に違っていた。これだけは間違いありません。#はじめましてパゾリーニ:『マンマ・ローマ』<城定秀夫(映画監督)・コメント>パゾリーニ全作品上映なんてチャンスはそうそうないですよ!映画を志すすべての人に観てもらいたいです。「なんだこれー、よくわかんないけど面白い!」となるかもしれませんし、ならないかもしれません。高校生の頃の自分はなりました。#はじめましてパゾリーニ:『テオレマ』神が宿っているような美しい物語、美しい映画。実のところ意味とか大して分かっていないのですが、そんなのはどうでもいいのです。圧倒的な美の前ではあらゆることが無意味になると、この映画が語っていますから。<小野寺系(映画評論家)・コメント>若い時代に体験したパゾリーニ作品は、閃光のように心を貫き、いまでも衝撃の余韻が身体のなかに燻っている。彼が“謎の死”を遂げる直前に撮りあげた『ソドムの市』が到達したのは、人がどれほど悪辣になり得るかという極限の表現だった。悪逆の限りを尽くした狂宴の果てに姿を現すのは、人間の正体であり、我々の内面の鏡像でもある。その姿から目を逸らさない者だけが、人間を、世界を理解することができる。#はじめましてパゾリーニ:『豚小屋』、『ソドムの市』かつて人間の真実を探求し、イタリアから世界を席巻した巨匠監督たち。なかでも『豚小屋』『ソドムの市』を撮ったパゾリーニは、その深部に最も迫った。いまだこれらの作品は、現在の我々の姿を描く“最新の映画”であり、豚小屋の豚として生きる日常から脱出する武器である。<宮代大嗣(maplecat-eve / 映画批評)・コメント>パゾリーニの映画には人物を撮ることのプリミティブな喜びが溢れている。ニネット・ダヴォリがストリートをスキップする『造花の情景』のような喜劇性。パゾリーニの映画においては、喜劇のすぐ隣にすべての終わりと始まりがある。束の間の生は花火のよう咲き乱れ、体ごと砕け散ってしまう。しかしその残香は、なんと馨しいことだろう!※『造花の情景』:オムニバス映画『愛と怒り』のパゾリーニ監督作#はじめましてパゾリーニ:『大きな鳥と小さな鳥』喜劇俳優へのリスペクトとパッション!パゾリーニの覚悟が刻まれた記念碑的傑作!<四方田犬彦(批評家)・コメント>世界は根底を失ってしまった。神々は零落して放浪し、時間は廻りくることを忘れてしまった。この疲れきった現代にあって、神聖なるものはどこにあるのだろうか。聖女は本当に実在して、奇跡を起こしてくれるのだろうか。これが『テオレマ』を通してパゾリーニの差し出した問いである。半世紀前、彼が非業の死を遂げたとき、答えられる者はひとりもいなかった。イタリアにも、日本にも。いや、全世界にも。世界映画史のなかで突出する鬼才監督の全貌が、今、明らかにされようとしている。■イベント情報「第44回ぴあフィルムフェスティバル2022」9月10日(土)より国立映画アーカイブにて開催第44回ぴあフィルムフェスティバル2022 特別企画「ようこそ、はじめてのパゾリーニ体験へ」特設サイト: 上映劇場:【東京】京橋・国立映画アーカイブ9月11日(日)~22日(木)渋谷・ユーロスペース10月22日(土)~11月3日(木・祝)【京都】三条高倉・京都文化博物館11月19日(土)~26日(土)<「ようこそ、はじめてのパゾリーニ体験へ」上映作品>『アッカトーネ』1961年『マンマ・ローマ』1962年『ロゴパグ』1963年『愛の集会』1964年『奇跡の丘』1964年『大きな鳥と小さな鳥』1966年『華やかな魔女たち』1967年『アポロンの地獄』1967年『イタリア式奇想曲』日本初上映 1968年『テオレマ4Kスキャン版』1968年
2022年09月02日ぴあとtvk(テレビ神奈川)が主催するライブイベント『ぴあ・tvk 50th Anniversary STAY ROCK! 2022』が、10月30日に神奈川・ぴあアリーナMMで開催されることが決定した。今年創業50周年・開局50周年をそれぞれ迎えたぴあとtvk。『STAY ROCK!』は、昨年10月に兵庫・神戸国際会館こくさいホールで発足したライブイベントで、今年はぴあとtvkの50周年を記念し、両社の主催で行われる。今回は、銀杏BOYZ、Ken Yokoyama、ザ・クロマニヨンズ、ハルカミライというロックな4組のバンドに加え、『キングオブコント2021』王者であり、銀杏BOYZやザ・クロマニヨンズと縁のあるお笑い芸人・空気階段が出演する。チケットは本日8月18日より先行受付がスタートしている。なお前日の10月29日には、両社の50周年を記念するライブイベント『tvk・ぴあ 50th anniversary LIVE 2022 〜感謝のカタチ〜』がぴあアリーナMMで開催される。同イベントには木村カエラ、湘南乃風、私立恵比寿中学、SPECIAL OTHERS、聖飢魔II、DISH//、PIFFYが出演する予定だ。<イベント情報>ぴあ・tvk 50th Anniversary STAY ROCK! 202210月30日(日) 神奈川・ぴあアリーナMM開場13:30 / 開演14:30『ぴあ・tvk 50th Anniversary STAY ROCK! 2022』出演者出演:銀杏BOYZ / Ken Yokoyama / ザ・クロマニヨンズ / ハルカミライ / 空気階段【チケット情報】全席指定:8,800円■オフィシャル抽選先行受付期間:8月28日(日) 23:59まで受付URL:一般発売:9月17日(土) 10:00~※お1人様4枚まで※3歳以上有料オフィシャルサイト:
2022年08月18日『ぴあ 50th Anniversary「ぴあ演劇学校」2022秋期特別講座』が、10月1日・2日に開講されることが決定。併せて講師と聞き手が発表された。「ぴあ演劇学校」は、ぴあ関西10周年を記念して1996年2月24日・25日に大阪・扇町ミュージアムスクエアフォーラムで行われたイベント。演劇関係の多彩な講師陣が講義を受け持ち、ちょっと硬派なものや楽しく笑えるものなど様々な授業が展開された。今回はぴあ創業50周年を記念して、初日はオンライン配信、2日目は東京・TOKYO FMホールで行われる。10月1日21時より配信される歴史学「劇団☆新感線42年の激闘とこれから」には、講師としていのうえひでのり(劇団☆新感線主宰)、古田新太(劇団☆新感線)、聞き手として笠井信輔が出演。また10月2日13時30分からの共同幻想学「共同幻想の物語と、共同幻想としての演劇」は講師を末満健一、聞き手を鞘師里保、16時からの2.5次元演劇学「マンガと舞台のステキな関係」は、講師を野上祥子(ネルケプランニング代表取締役社長)、中野博之(集英社『週刊少年ジャンプ』編集長)、聞き手を阿久津仁愛、18時30分からの表現学「松尾スズキ、その原点と創作の秘密」は講師を松尾スズキ、(大人計画主宰、シアターコクーン芸術監督)、聞き手を安藤善隆(京都芸術大学教授)が担当する。なお各授業すべて約60分の講義を予定している。入場券のチケット先行受付は、8月19日12時よりスタート。入場券と視聴券の一般発売は9月10日10時より開始される。<イベント情報>ぴあ 50th Anniversary「ぴあ演劇学校」2022秋期特別講座10月1日(土) オンライン配信10月2日(日) 東京・TOKYO FMホール(オンライン配信もあり)『ぴあ 50th Anniversary「ぴあ演劇学校」2022秋期特別講座』ロゴ■10月1日(土) 21:00科目:歴史学講義内容:劇団☆新感線42年の激闘とこれから講師:いのうえひでのり(劇団☆新感線主宰)、古田新太(劇団☆新感線)聞き手:笠井信輔(フリーアナウンサー)※事前に収録した講義の配信となります。■10月2日(日) 13:30科目:共同幻想学講義内容:共同幻想の物語と、共同幻想としての演劇講師:末満健一聞き手:鞘師里保■10月2日(日) 16:00科目:2.5次元演劇学講義内容:マンガと舞台のステキな関係講師:野上祥子(ネルケプランニング代表取締役社長)、中野博之(集英社『週刊少年ジャンプ』編集長)聞き手:阿久津仁愛■10月2日(日) 18:30科目:表現学講義内容:松尾スズキ、その原点と創作の秘密講師:松尾スズキ(大人計画主宰、シアターコクーン芸術監督)聞き手:安藤善隆(京都芸術大学教授)【チケット料金】■入場券 ※10月2日(日) 講義のみ販売全席指定:3,900円全席指定(教科書付):5,900円※1講義ごとにチケット必要■視聴券視聴券:2,200円視聴券(教科書付):4,200円(送料別)※1講義ごとにチケット必要※視聴券通し券、視聴券通し券(教科書付)も一般発売から販売を予定しています。※視聴券販売に関する詳細は後日、「ぴあ演劇学校」オフィシャルサイトで発表いたします。※アーカイブあり。講義の開演時間~10月15日(月) 23:59まで。※教科書とはパンフレットのことを指します(各回共通の1種類を販売)。教科書は必ずしも授業を受ける際に必要なものではございません。受講の記念としてお買い求めください。教科書は当日に会場でも販売いたします。教科書付のチケットをお買い求めの方は教科書が売り切れた場合でもお取り置きしておきます。■チケットぴあいち早プレリザーブ先行(ぴあプレミアム会員対象)受付期間:8月19日(金) 12:00~8月26日(金) 23:59受付席種:入場券(全席指定)■チケットぴあプレリザーブ先行受付期間:8月27日(土) 11:00~9月1日(木) 23:59受付席種:入場券(全席指定)■一般発売:9月10日(土) 10:00~受付URL:※出演者変更に伴う払戻し不可。※チケット購入はお一人様4枚まで。※未就学児の入場は不可。【お問い合わせ】チケットぴあMail: information2@pia.co.jp(mailto:information2@pia.co.jp)オフィシャルサイト:
2022年08月17日SXSWフィルムフェスティバル2019にて観客賞、審査員特別賞を受賞、アメリカン・フィルム・フェスティバル2019にて観客賞を受賞するなど高い評価を受けた『セイント・フランシス』。主演・脚本を担うケリー・オサリヴァンは、これまでタブー視されることの多かった生理、避妊、中絶といった女性の身体にのしかかる様々な負担や精神的プレッシャー、セクシャルマイノリティーの人々が直面する社会的な差別といったリアルを、自身の実体験を基にユーモアと軽やかさ、そして見事なバランスをもって表現した。本作の公開を記念し、この夏ぜひスクリーンで観たい新世代の女性クリエイターたちが手掛けた作品をピックアップ!自ら脚本も手掛ける彼女たちは常識やタブーにとらわれず、自分が本当に観たいもの・描きたいものを出発点に、新しい感覚でスクリーンに映し出し、リアルで辛辣ながらもユーモアや希望の視点もけっして忘れてはいない。★長編作が今年日本初公開!A24期待の新人監督『Zola ゾラ』監督・脚本:ジャニクサ・ブラヴォーデトロイトのウェイトレス兼ストリッパーのゾラは、電撃的に出会ったダンサーのステファニから、“フロリダへの出稼ぎ旅”に誘われるが…。2015年、アザイア“ゾラ”キングが自らの実体験をTwitterに投稿し、大きな話題となったスリリングな148のツイートをスタジオ「A24」が映画化。全米では1,500スクリーンで公開されスマッシュヒットを記録、サンダンス映画祭でも大喝采を浴び、若者を中心に熱狂的なファンを生み出したSNS時代の青春ロードムービー。「私がゾラに惹かれたのは、常に主体的であることでした」とジャニクサ・ブラヴォー監督は言う。「自分を認めてくれない、守ってくれない環境の中で、主体性を構築すること。ゾラはアメリカで働きながら暮らす若い黒人女性です。彼女が声を上げる余地のない世界で、どのようにコミュニケーションを取ればいいのでしょう? そこは成功するよりも、転落していくほうが多いような世界です」と、マイノリティーに寄りそうクリエイトが特徴的。本作の成功により一躍脚光を浴び、人気ブランド「miu miu」の女性監督シリーズに抜擢され、待機作も多数。現在、ハリウッドで最も注目される若手監督である。世界のファッションアイコンが集結し、コロナウイルスによるパンデミック以降2年ぶりにスケジュール通りに開催、大いに賑わった2022年のMETガラでもそのファッショニスタぶりが注目された。★初監督作でベルリン国際映画祭スペシャルメンションを授与『マイスモールランド』監督・脚本:川和田恵真是枝裕和監督が率いる「分福」気鋭の新人監督・川和田恵真監督による商業映画デビュー作。日本に住む難民申請中のクルド人の家族をめぐる過酷な現実を17歳の主人公サーリャの視点で描き、彼女が理不尽な社会と向き合いながら、自分の居場所を探し、成長していく物語が描かれる様子が世代を問わず共感を呼んだ。本年度のベルリン国際映画祭でも、アムネスティ国際映画賞特別表彰を受けた。日本での公開後も続々と海外映画祭での招待も決まり、今後、国際的に活躍していくことが期待されている。★カンヌ映画祭「ある視点」部門正式出品カメラドール特別表彰『PLAN 75』監督・脚本:早川千絵超高齢化社会に対応すべく、75歳以上が自らの生死を選択できる<プラン75>が施行された近未来。この架空の制度を媒介に、「生きる」という究極のテーマを全世代に問いかける衝撃作は、第75回カンヌ国際映画祭にて新人監督に与えられるカメラドール特別表彰に選出された。手掛けたのは、N.Y.の美術大学School of VisualArtsで写真を専攻し、独学で映像作品の制作を始めた早川千絵監督。公開から1か月で興行収入2.8億円を突破するなど、反響を呼び続けている。★タブー視されてきた女性のリアルにユーモアとともに向き合う『セイント・フランシス』主演・初脚本:ケリー・オサリヴァンSNSでシェアされる、充実したように見える他人の人生。それに比べて「自分なんて」と落ちこむ主人公ブリジット。でも、人の人生なんてそんなに完ぺきじゃない――。グレタ・ガーウィグ監督の『レディ・バード』(17)の女性の描き方に触発され、俳優として多くの脚本を読んできた経験を生かして自伝的要素を織りこんだ本作のオリジナル脚本を手掛けた主演・脚本のケリー・オサリヴァン。「女性に生理がなかったら地球には誰も存在しないのに、若い頃から生理のことは隠すように教育されている」と語り、世界の女性が毎月向き合う日常の当たり前を公に語ることがタブーとされ、キレイな部分だけが美化されている現状に疑問を感じ、女性の心身の本音を見せたかったのだという。また、大げさなドラマに仕立てられがちな中絶経験についても捉え方は様々。いまを生きる人たちの本音をユーモアと感動を交えてナチュラルに伝える手腕は、まさにグレタ・ガーウィグを彷彿とさせ、今後の活躍にも大きな注目が集まっている。『セイント・フランシス』は8月19日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、シネクイントほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:マイスモールランド 2022年5月6日より新宿ピカデリーほか全国にて公開予定©2022「マイスモールランド」製作委員会PLAN75 2022年6月17日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2022『PLAN75』製作委員会 / Urban Factory / Fuseeセイント・フランシス 2022年8月19日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、シネクイントほか全国にて公開© 2019 SAINT FRANCES LLC ALL RIGHTS RESERVEDZola ゾラ 2022年8月26日より新宿ピカデリー、渋谷ホワイトシネクイントほか全国にて公開© 2021 Bird of Paradise. All Rights Reserved
2022年08月07日『忘れ物探偵と放課後のショートフィルム』発売記念企画株式会社SCRAP(本社:東京都渋谷区、代表:加藤隆生)は、『忘れ物探偵と放課後のショートフィルム』の発売を記念して、映画館やリアル脱出ゲーム常設店など全国各地で謎付きの映画フィルムを無料配布する企画『映画フィルムに隠された謎を暴け!』を実施いたします。■『忘れ物探偵と放課後のショートフィルム』特設サイト 『忘れ物探偵と放課後のショートフィルム』は、あなたの手元に届く“事件の証拠品”とゲーム専用ページや映像を見ながら自宅で謎解きを楽しめるリアル脱出ゲームです。プレイヤーは、依頼人から送られてくる証拠品から持ち主の行動を推理して事件を解決する「忘れ物探偵」として、消えた少年の行方や町で相次ぐ放火事件の謎に挑みます。今回依頼人から送られてくるのは、映画好きな少年が残した「カチンコ」や「映画フィルムの切れ端」など! 五感を駆使して手元の証拠品を使ったり、登場人物とやりとりしながら、あなた自身の手でこの事件の真相を解き明かしていきます。この度、本ゲームの発売記念企画『映画フィルムに隠された謎を暴け!』の開催が決定! 映画館やリアル脱出ゲーム常設店など全国各地で、ある少年が残した「謎付き映画フィルム」を無料配布いたします。この映画フィルムは、少年が「ある事件のアリバイ」を証明するために残したもの。参加者は手元の映画フィルムと、登場人物たちの会話が見られるWEBサイトを使って、事件の謎を解き明かします。参加方法は簡単! まずは、映画館やリアル脱出ゲーム常設店で配布される「謎付き映画フィルム」と同封のチラシをゲット。チラシに記載された二次元コードからSCRAPメールマガジンに登録すると、謎を解くために必要なWEBサイトのURLが届きます。想定プレイ時間は約15分となっており、さくっと手軽に遊ぶことが可能。ぜひ、友人と近くのカフェで話しながら遊んだり、自宅で家族と相談しながらプレイしてみてください。本企画は、2022年8月4日(木)〜8月21日(日)の期間限定開催。『忘れ物探偵と放課後のショートフィルム』挑戦前の腕試しとして、手元の映画フィルムを使った謎解きをお楽しみください。<『忘れ物探偵と放課後のショートフィルム』プレイイメージ写真>+++【『映画フィルムに隠された謎を暴け!』キャンペーン概要】+++■キャンペーン名『映画フィルムに隠された謎を暴け!』■キャンペーン詳細 ■キャンペーン内容映画館やリアル脱出ゲーム常設店など全国各地で「謎付き映画フィルム」をプレゼント!店舗に設置された映画フィルムとチラシをゲットして、謎解きに挑戦しよう!■キャンペーン参加方法①映画館やリアル脱出ゲーム常設店で配布される「謎付き映画フィルム」をゲット!②同封されたチラシに記載されている二次元コードを読み取り、SCRAPメールマガジンに登録。③フォームに入力したメールアドレス宛に届くURLから、謎を解くために必要なWEBサイトにアクセス。④手元の映画フィルムを使って、事件の謎を暴こう!■配布場所<リアル脱出ゲーム常設店>・東京ミステリーサーカス・リアル脱出ゲーム札幌店・リアル脱出ゲーム仙台店・リアル脱出ゲーム原宿店・リアル脱出ゲーム吉祥寺店・リアル脱出ゲーム浅草店・リアル脱出ゲーム下北沢店・リアル脱出ゲーム東新宿店・リアル脱出ゲーム横浜店・リアル脱出ゲーム名古屋店・リアル脱出ゲーム京都店・リアル脱出ゲーム大阪心斎橋店・リアル脱出ゲーム大阪恵美須町店・リアル脱出ゲーム岡山店・リアル脱出ゲーム福岡店※配布時間は各店舗の営業時間に準じます。■「謎付き映画フィルム」配布期間・リアル脱出ゲーム常設店:2022年8月4日(木)〜8月21日(日)※在庫がなくなり次第、配布終了いたします。■特設サイト ■ストーリー平和な町から一人の少年が消え、そして町では事件が起こり始めた。相次ぐ放火事件。その事件現場は少年が失踪前に撮影していたフィルムとまったく同じ場所だった……!あなたは、現場に残された物から持ち主の特徴や行方を推理する「忘れ物探偵」。少年が残したのは、フィルムの切れ端やトランプ。薄汚れたカチンコなど、ガラクタばかり。そんな「忘れ物」を手がかりに捜査を進めるとやがてあなたは、少年が仲間たちと作った秘密基地にたどり着くが……。少年に何が起きたのか?町で起こっている放火事件と消えた少年の関係は?様々な証拠品を実際に手に取り、五感を駆使して失踪事件の真相に迫れ!■遊び方①まずはゲームキットを購入SCRAP GOODS SHOP(ECサイト)、またはリアル脱出ゲーム常設店でゲームキットを購入!②ゲーム専用ページにアクセススマートフォンまたはパソコン、タブレットからゲーム専用ページにアクセス!登場人物たちと通信しながら、少年が残した映画フィルムの切れ端やカチンコ等を手に取り、五感を駆使して事件の真相を解き明かそう!③果たして事件の真相は…あなたの推理で事件を解決に導く事が出来ればゲームクリア! 最後に感想をSNSで拡散しよう!■プレイ形式制限時間:なし(想定所要時間約180分)人数制限:なし(推奨プレイ人数:1~2人)■販売スケジュール少年探偵SCRAP団(FC)団員先行:2022年8月1日(月)11:00〜2022年8月3日(水)23:59一般:2022年8月4日(木)11:00〜■販売価格:3,300円■販売場所・SCRAP GOOD SHOP(通販サイト)購入はこちら: ・全国のリアル脱出ゲーム常設店常設店の一覧はこちら: ■企画制作:SCRAP※本ゲームは『忘れ物探偵と消えた少女』を遊んでいない方でも、十分にお楽しみいただけます。+++【以下補足情報】+++■「リアル脱出ゲーム」とは2004年に発表された「クリムゾンルーム」というネットの無料ゲームを発端に、爆発的に盛り上がった「脱出ゲーム」。そのフォーマットをそのままに現実世界に移し替えた大胆な遊びが「リアル脱出ゲーム」。マンションの1室や廃校、廃病院、そして東京ドームや六本木ヒルズなど、様々な場所で開催されている。07年に初開催して以降、現在までで940万人以上を動員している。日本のみならず上海、台湾、シンガポールやサンフランシスコなど全世界で参加者を興奮の渦に巻き込み、男女問わずあらゆる世代を取り込む、今大注目の体験型エンターテインメントである。※「リアル脱出ゲーム」は株式会社SCRAPの登録商標です。★公式サイト: ★Twitterアカウント:@realdgame 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年08月03日俳優の宮﨑あおいが8月3日、都内で行われた「第44回ぴあフィルムフェスティバル2022」ラインナップ発表会見にビデオメッセージを寄せ、「こうしてお仕事を続けて、今の私があるのは、青山監督に出会ったから。私にとって本当に大切な人です」と今年3月21日に亡くなった映画監督・青山真治氏への思いを語った。宮崎は青山監督が手掛けた『EUREKA/ユリイカ』『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』『サッド ヴァケイション』に出演している。同映画祭では「青山真治特集」として、『WiLd LIFe』『月の砂漠』など個性あふれる初期の35mmフィルム5作品を緊急特集。また、現在、劇場では“北九州サーガ”のリバイバル上映も行われており、宮崎は「私もとても楽しみにしている。ぜひ若い世代の方にも見ていただきたい」と話していた。なお、映画祭期間中には、『WiLd LIFe』で映画初主演を果たし「この作品に出演して自分自身が変わった」と語る俳優の豊原功補、『月の砂漠』への出演をきっかけに青山監督と出会い、結婚した、俳優のとよた真帆が登壇し、トークイベントを行う予定になっている。ラインナップ発表会見には、コンペティション部門「第44回PFFアワード2022」最終審査員を務める映画監督の三島有紀子、今年生誕100周年を迎えたピエル・パオロ・パゾリーニ監督を特集する「ようこそ、はじめてのパゾリーニ体験へ」に共催するイタリア文化会館の文化担当官であるアルベルト・マナイ氏、PFFディレクターの荒木啓子が出席した。「第44回PFFアワード2022」には520作品がエントリーし、16作品が入選。審査にあたる三島監督は、「その人自身の特別な眼差しで見ているものがある、それが何か分かる。そんなその人らしい、オリジナルな表現方法を持っているかを大事にしたい」と意気込みを語り、自身の経験を踏まえながら「どんな監督にも初めての一作がある。撮らないと後悔すると思うし、とにかく撮ってほしい」と未来のクリエーターにエールを送った。また、「ようこそ、はじめてのパゾリーニ体験へ」では、青山監督と同じく50代でこの世を去った奇才・パゾリーニ監督の作品が、ほぼコンプリートに近いラインナップで上映されることになり、マナイ氏は「芸術的な功績と政治的な論争を残した、20世紀のイタリア文化を語る上でも、特異な存在。現在でも多くの研究がなされ、文化的財産であると認められている」とし、日本の若い世代にもぜひ触れてほしいとアピールしていた。映画祭「第44回ぴあフィルムフェスティバル2022」開催概要<東京>日程:2022年9月10日(土)~25日(日)※月曜休館会場:国立映画アーカイブ(東京都中央区京橋3-7-6)<京都>日程:2022年11月19日(土)~27日(日)※月曜休館会場:京都文化博物館(京都市中京区三条高倉)【公式サイト】
2022年08月03日米国アカデミー賞公認、アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)」は、8月1日(月)より25回目となる2023年度の開催に向けた作品募集を開始した。2004年よりアカデミー賞公認の映画祭となり、映画祭グランプリ作品を翌年のアカデミー賞ノミネート候補として推薦してきたSSFF & ASIAは、2019年にはインターナショナル部門、アジア インターナショナル部門、ジャパン部門からなるライブアクション部門およびノンフィクション部門の4部門、そして2021年には新たにアニメーション部門の推薦枠が認められ、サンダンス映画祭やパームスプリングス映画祭と並ぶ合計5つの部門優秀賞に翌年のアカデミー賞へのパスポートを授与できる映画祭として展開してきた。映画祭では、東京をテーマにした作品を募集する「Cinematic Tokyo部門」、クリエイターの表現の幅とチャレンジの機会をさらに広げ、スマートフォンならではの新しい映像クリエイティブの創出を目的にソニーがサポートする「スマートフォン 映画作品部門 supported by Sony's Xperia TM」、国内の25歳までの監督が制作した作品を対象に5分以下のショートフィルムを募集する「U-25プロジェクト」、企業・行政によるブランデッドムービーを特集する「BRANDED SHORTS」といった多岐にわたる作品公募も同時スタート。なお、映画祭全上映作品の中から、「Be HAPPY with HOPPY」を掲げるホッピーの思いを体現する作品に「HOPPY HAPPY AWARD」を授与。さらに、本年より、出版社「講談社」と映画祭による「シネマクリエイターズ・ラボ」プロジェクトも始動。映像作品の企画を国内外から募集する。(text:cinemacafe.net)
2022年08月01日9月10日(土)より東京・国立映画アーカイブにてスタートする「第44回ぴあフィルムフェスティバル2022」。この度、コンペティション部門 「PFFアワード」の最終審査員を菊地健雄監督、浪曲師の玉川奈々福、俳優のとよた真帆、俳優の光石 研、三島有紀子監督が務めることが決定した。映画祭のメインプログラムであるコンペティション部門 「PFFアワード」は、1977年にスタートした世界最大の自主映画のコンペティションで、世界で活躍する黒沢清、塚本晋也、佐藤信介、李相日、荻上直子、石井裕也など、これまでに170名を超えるプロの映画監督を送り出してきた。本年は520本の応募から入選を果たした16作品が、映画祭でグランプリ他各賞を競いあう。その最終審査員は映画監督を含むクリエイターで構成され、本年は菊地健雄監督、浪曲師の玉川奈々福、三島有紀子監督のほか、映画祭で特集上映が決定した青山真治監督と縁の深い、俳優のとよた真帆、光石研も名を連ねることが決定した。各賞は数時間にわたる討議の末に決定、9月22日(木)の表彰式にて、最終審査員により、グランプリ・1作品、準グランプリ・1作品、審査員特別賞・3作品が発表される予定となっている。映画祭「第44回ぴあフィルムフェスティバル2022」開催概要<東京>日程:2022年9月10日(土)~25日(日)※月曜休館会場:国立映画アーカイブ(東京都中央区京橋3-7-6)<京都>日程:2022年11月19日(土)~27日(日)※月曜休館会場:京都文化博物館(京都市中京区三条高倉)【公式サイト】
2022年07月25日ぴあフィルムフェスティバルの映画製作プロジェクト「PFFスカラシップ」の新作2本『猫と塩、または砂糖』、『裸足で鳴らしてみせろ』の連続公開を記念し、これまでのPFFスカラシップ作品を振り返る特集上映「 35mmフィルムで蘇る! PFFスカラシップ傑作選」が渋谷・ユーロスペースで開催中。7月21日には、第13回PFFスカラシップ作品である『バーバー吉野』(2004年公開)が上映され、脚本も手がけた荻上直子監督、出演者の石田法嗣がトークイベントを行った。荻上監督は南カリフォルニア大学大学院映画学科で映画製作を学び、自主製作映画『星ノくん・夢ノくん』が第23回ぴあフィルムフェスティバルの音楽賞を受賞。スカラシップ作品の権利を得て製作された長編劇場デビュー作『バーバー吉野』は第54回ベルリン国際映画祭の児童映画部門「キンダーフィルムフェスティバル」にて、スペシャル・メンションを受賞した。町の男の子が全員同じ髪型をしている。そんな田舎町を舞台に、子どもたちばかりでなく、大人たちも成長していく姿を描いたコメディタッチの本作。荻上監督は「初めての(商業)映画だったので、何も分かっておらず、周りのプロの方々が持ち上げてくださって、やっと撮っていた感じ。『よーい、スタート』と『カット!』だけはデカイ声でと意気込んでいた。緊張の毎日でした」と当時を振り返った。この日、荻上監督と石田が再会したのは、なんと18年ぶり。公開時の舞台挨拶以来だといい、「当時は私より背がちっちゃかったんですけど。この映画を撮ったのが30歳で、石田君はその年齢も超えてしまった。時が経つのが早くてビックリ」(荻上監督)。現在、32歳で映画、テレビで活躍する実力派俳優に成長した石田も「僕のほうが、背が大きくなっちゃって(笑)。久しぶりにお会いできて、うれしいです。当時は小学6年生で、楽しい記憶が残っています」と再会を喜んでいた。石田が演じたのは東京からやって来た、茶髪でモダンな髪型の転校生・坂上洋介。荻上監督は「飛びぬけてイケメンでした」とオーディションを回想し、「また、一緒に映画を作りましょうね。同志として映画の道を歩んでいきましょう」と再タッグの誓い。「もたいまさこさんに、子どもたちがお小遣いをもらっていましたよね」(荻上監督)、「えっ、そうでしたっけ?(笑)共演したみんなとは合宿みたいに、朝から晩まで一緒だったので、仲良くなりました。撮影が終わった後で、みんなでバーベキューもした」(石田)と思い出話に花を咲かせた。取材・文・写真=内田涼「<<ミニシアターセレクション>>35mmフィルムで蘇る! PFFスカラシップ傑作選」日程:7月16日(土)~22日(金)※連日18:30からの上映会場:ユーロスペース7月16日(土) 『二十才の微熱』7月17日(日) 『BORDER LINE』7月18日(月・祝) 『二十才の微熱』7月19日(火) 『運命じゃない人』7月20日(水) 『川の底からこんにちは』7月21日(木) 『バーバー吉野』7月22日(金) 『二十才の微熱』【イベント詳細ページ】 【チケット購入:ユーロスペース】 企画制作:マジックアワー企画協力:一般社団法人PFF『猫と塩、または砂糖』(小松孝監督)7月23日~公開『裸足で鳴らしてみせろ』(工藤梨穂監督)8月6日~公開
2022年07月22日2022年9月10日(土)より国立映画アーカイブで開催される「第44回ぴあフィルムフェスティバル2022」(PFF)にて、青山真治監督の特集上映が実施されることが決定した。『EUREKA/ユリイカ』『東京公園』など数多くの傑作を生みだし、今年3月21日に逝去した青山真治監督。本特集は、今までの監督作品のなかから、フランスで製作され、未ソフト化&未配信の『赤ずきん』や、『私立探偵濱マイク 名前のない森』の71分の映画版ロングバージョンなど、上映される機会の少なかった5作品をセレクトしすべて35mmフィルムで上映する。加えて、豪華ゲストによるトークイベントも決定。『WiLd LIFe』では、本作で映画初主演を果たし「この作品に出演して自分自身が変わった」と語る俳優の豊原功補、『月の砂漠』では、出演をきっかけに青山監督と出会い、結婚した、俳優のとよた真帆が登壇。また、『私立探偵濱マイク 名前のない森』の上映では、PFFスペシャル映画講座「青山真治の音響、そして音楽」を開催。青山作品にとって重要な位置を占める「音」の設計を担当してきた録音技師の菊池信之と、音楽家の長嶌寛幸が登壇する。長年にわたり青山監督と共に歩んできたゲストが「青山真治にとって映画とは何か」を語る、またとない機会となる。この青山真治監督特集上映は、映画ファンならば見逃すことのできない、そして若い映画ファンにとっては、興奮に満ちた新たな発見の場所となるだろう。「青山真治監督特集」上映作品『WiLd LIFe』1997年 / 102分出演:豊原功補、ミッキー・カーチス、夏生ゆうなゲスト(予定):豊原功補(俳優)『月の砂漠』2001年 / 131分出演:三上博史、とよた真帆、柏原収史ゲスト(予定):とよた真帆(俳優)『私立探偵濱マイク名前のない森』2002年 / 71分出演:永瀬正敏、鈴木京香、大塚寧々PFFスペシャル映画講座「青山真治の音響、そして音楽」同時開催講師(予定):菊池信之(録音技師)、長嶌寛幸(音楽家)進行:松井茂(詩人)『赤ずきん』&『路地へ 中上健次が残したフィルム』(2本立て上映)2008年 / 35分、2001年 / 64分映画祭「第44回ぴあフィルムフェスティバル2022」開催概要<東京>日程:2022年9月10日(土)~25日(日)※月曜休館会場:国立映画アーカイブ(東京都中央区京橋3-7-6)<京都>日程:2022年11月19日(土)~27日(日)※月曜休館会場:京都文化博物館(京都市中京区三条高倉)【公式サイト】
2022年07月20日ぴあフィルムフェスティバルの映画製作プロジェクト「PFFスカラシップ」の新作2本『猫と塩、または砂糖』、『裸足で鳴らしてみせろ』の連続公開を記念し、これまでのPFFスカラシップ作品を振り返る特集上映「 35mmフィルムで蘇る! PFFスカラシップ傑作選」が渋谷・ユーロスペースで開催中。7月17日には、李相日監督が来場し、自身が手掛けた『BORDER LINE』(2002年/第12回PFFスカラシップ作品)について語るトークイベントを行った。大学卒業後、日本映画学校の卒業制作として監督した『青~chong~』がPFFアワード2000で、グランプリを含む4賞を獲得した李監督。長編映画デビューを飾った『BORDER LINE』は実際に起きた事件をモチーフに、やる気のないタクシー運転手、事件の容疑者として自転車で逃走中の高校生、幹部に追われるチンピラ、夫のリストラや息子のいじめ問題に頭を悩ませる主婦らを通して、家族のあり方を問いかけるヒューマンドラマだ。「自分の映画としてやりたいこと、考えていること、思いのすべてを注ぎ込んだ。非常に不器用で不格好な映画だなと思ったりしますけど、表現したいことの原点が詰まっていて、技術的に及ばない中で、思いの丈だけがはみ出ている」と李監督。東京から青森、北海道・函館までロケーションを敢行し、ロードムービーに相応しい心象風景を描いており、「予算とかはまったく考えていなかった(笑)。若さゆえ、状況に左右されず『やってみないとわからない』と抗うことが映画作りの原動力だと信じ込んでいた」と初期衝動を振り返った。村上淳、光石研、麻生祐未らが出演し「プロの俳優さんとの仕事は初めて。内面から何か引き出せないかと真剣に始めた」と今に至る俳優への演出方法の原点にも言及。「当事者にしかわかりえない真実」というテーマはその後に続く『悪人』『怒り』、最新作『流浪の月』にも通じており、「狙ったわけではないが、『BORDER LINE』で欲張って描いたことがつながっている。映画が終わった先、登場人物や土地の匂いがスクリーンの枠からはみ出し、こぼれ落ちることを求めている」と話していた。取材・文・写真=内田涼「<<ミニシアターセレクション>>35mmフィルムで蘇る! PFFスカラシップ傑作選」日程:7月16日(土)~22日(金)※連日18:30からの上映会場:ユーロスペース7月16日(土) 『二十才の微熱』初日来場者限定 特別プレゼントあり7月17日(日) 『BORDER LINE』李相日監督 来場予定7月18日(月・祝) 『二十才の微熱』橋口亮輔監督 来場予定7月19日(火) 『運命じゃない人』内田けんじ監督 来場予定7月20日(水) 『川の底からこんにちは』7月21日(木) 『バーバー吉野』荻上直子監督 来場予定7月22日(金) 『二十才の微熱』【イベント詳細ページ】 【チケット購入:ユーロスペース】 企画制作:マジックアワー企画協力:一般社団法人PFF『猫と塩、または砂糖』(小松孝監督)7月23日~公開『裸足で鳴らしてみせろ』(工藤梨穂監督)8月6日~公開
2022年07月18日ジュエリー京都(Jewelry Kyoto)“ピアスのようなイヤリング”「ぴあり」から、『源氏物語』の登場人物“夕顔”をイメージした新作「源氏物語~夕顔~ぴあり」が登場。2022年7月15日(金)より発売される。『源氏物語』“夕顔”着想のぴあり紫式部による世界最古の長編恋愛小説『源氏物語』を題材に、主人公・光源氏をとりまく9人の登場人物にスポットをあてた、「ぴあり」の人気ジュエリーシリーズ「源氏物語シリーズ」。2022年3月から毎月新作を1点ずつ発表してきたが、第5弾を迎える今回は“夕顔”を新たなモチーフとして起用した。光源氏のライバルである頭中将の元妻であり、下町に暮らす素直で可憐な夕顔は、気位の高い女人との恋愛に疲れた光源氏にとって癒しとなる存在。新作「ぴあり」では、光源氏と夕顔の出会いのもとになった“夕顔の花”と、香を焚きしめた扇をモチーフに、夕顔のやわらかな雰囲気を連想させる上品なヴェネチアンガラスをコンビネーション。柔らかな光を放つ淡いブルーや、まろやかなクリーム色のガラスが、耳元にさり気ないアクセントをもたらしてくれる。特別なパッケージに包まれてなお「ぴあり」は、“まるでピアス”のようなスマートな見た目をもちながら、“耳たぶが痛い”“落ちやすい”といったイヤリング特有の悩みをカバーしているのもポイント。「源氏物語シリーズ」の「ぴあり」に限り、作品の登場人物をイメージした型染め和紙の限定パッケージで展開される。【詳細】ジュエリー京都「源氏物語~夕顔~ぴあり」16,500円発売日:2022年7月15日(金)展開店舗:清水坂ガラス館-ぴあり-、ジュエリー京都オンラインストア■店舗詳細清水坂ガラス館-ぴあり-住所:京都府京都市東山区五条坂白糸町569-3TEL:070-2286-9493営業時間:11:00~17:00 通常年中無休※営業日や営業時間は変更する場合あり
2022年07月16日7月9日、ぴあ創業50周年を記念して行われたイベント『ぴあ 50th Anniversary MUSIC COMPLEX SPECIAL EDITION』。会場となった横浜みなとみらい地区にある、ぴあアリーナMMのエントランスでは情報誌「ぴあ」の表紙を飾ってきた及川正通氏のイラストがタッチパネルで見られるようになっているなど随所に“らしい”演出が施されていた。今回、この記念すべきイベントに出演するのは、ゆずとSaucy Dog。さらにオープニングアクトにはユアネスがラインナップされ、世代やジャンルを超えた組み合わせが開催前から話題となっていた。美しい旋律のなか登場したのはユアネス。Vo&G、G、B、Dsといった4ピースバンドの基本形でありながら、同期を巧みにアンサンブルに織り込み、ただのギターロックバンドではないサウンド的な深さと広がりに驚かされた。特に2曲目に披露した「日照雨」は、打ち込みのリズムとシンセが絡み、生音とプログラミングされた音の融合が視覚までも刺激する際立ったパフォーマンスだった。黒川侑司(ユアネス)古閑翔平(ユアネス)そして何より、ユアネスの最大の強みは黒川侑司のボーカルだ。最後の2曲を飾ったミディアムバラード『「私の最後の日」』「籠の中に鳥」で見せたボーカルの感情表現は何にも増して雄弁に彼らの音楽の軸にあるものを示していたように思う。ど真ん中に歌があること――それが何より今回のイベントに集まった3組の特徴であり、邦楽シーンにおいては欠かせない要素のひとつであることをユアネスのこの日のパフォーマンスで改めて深く納得させられたような気がした。田中雄大(ユアネス)小野貴寛(ユアネス)「煙」を1曲目に選んだのはどういうことだろう、と考えながらSaucy Dogの練り上げられた3ピースバンドのグルーヴに身を委ねていた。2017年5月にリリースされた彼らの初の全国流通盤となった1stミニアルバム『カントリーロード』の1曲目が同曲だったということから想像すれば、バンドとしての本格的な始まりをここで一度再確認するというような意識があったのかもしれない――というのはいささか都合の良すぎる解釈かなと思っていたら、2曲目が「シンデレラボーイ」で、発表から1年ほどが経ってもなおサブスクリプションサービスの再生回数上位にランクインするバンドの代表曲とも言えるこの曲と「煙」との間にある充実した足跡を感じずにはいられなかった。Saucy Dog「ゆずと対バンさせてくれてありがとうございます!」とせとゆいか(Ds)が主催者への感謝を示し、さらにこう続けた。「すごく難しい時代が長々と続いていますが、今日一日が終わって、みんなの明日の朝が今日の朝より少しでも明るい気持ちになっていたらいいなと思います」せとゆいか(Saucy Dog)秋澤和貴(Saucy Dog)最新アルバム『サニーボトル』から「Be yourself」を披露した後は「雷に打たれて」「バンドワゴンに乗って」といった曲で一気に畳み掛ける。ラスト2曲は「いつか」と「優しさに溢れた世界で」。「いつか」の前のMCで石原慎也(Vo&G)がこう言った。「僕らが結成した年に作っていた曲で『いつか』という曲がありまして。そこから6年くらい経って、ゆずさんと一緒にライブができて、ようやくご本人に直接言えたわけです。本当に奇跡みたいなことって起こるんですね」石原慎也(Saucy Dog)これまでのバンドの歩みと今の時代に立っている実感をリアルに詰め込んだ全10曲、Saucy Dogの全てをぶつけたようなステージだった。「夏色」のSE、「サヨナラバス」「少年」でスタートしたゆずのライブ。一瞬で有無も言わせないエンタテインメント空間に会場を染め上げる手腕はもう、さすがとしか言いようがない。オーディエンスの煽り方の多彩さ、曲間に挟まれるMCでのコミュニケーション、そして何より誰もが知っている大ヒット曲の数々といった最強のカードを惜しげもなく繰り出していけるのは、25年にわたってシーンのトップを走り続けている証だ。ゆず「Saucy Dogの『いつか』は2016年に出した曲で、我々ゆずの『いつか』は1999年に出したものです。最初に言っておきます。『いつか』というタイトルの曲は、みんないい曲です(笑)」(北川悠仁)北川悠仁(ゆず)「いつか」「虹」を続けて披露した前半最後のブロックが、いわばベスト盤的なセレクトだとすれば、中盤の2曲「君を想う」「RAKUEN」は、現在進行形のゆずを表す曲だ。どちらも6月29日にリリースした最新アルバム『SEES』に収録されているナンバーで、前者はゆずのスタンダードとして、後者はゆずが持つ音楽性の幅広さを実感できる曲として今のゆずを代表するものだ。岩沢厚治(ゆず)さらに、この2曲の前には情報誌「ぴあ」との思い出を語り、自らが表紙になったイラストをビジョンに映し出した。ちなみにゆずが表紙となった「ぴあ」は1999年4月5日号で、「いつか」が発表されたのと同じ年だ。「タッタ」「夏色」と続き、「明日からまたみんなの日々が素晴らしいものでありますように」という想いを込めて「栄光の架橋」を披露してライブを締めた。最後に、Saucy Dogとユアネスを呼び込み、北川悠仁が作詞作曲してSaucy Dogの石原がボーカルで参加したFM802のキャンペーンソング「AOZORA」を共にパフォーマンスした。この日、それぞれのミュージシャンが「バトン」という言葉をよく口にしていたのが印象的だった。ユアネスからSaucy Dog、そしてゆずへ確かに託されていった音楽のバトンは、最終的にこのステージにいる全員の手で、この先の未来へ向けて手渡された。Text:谷岡正浩Photo:加藤千絵(CAPS)
2022年07月14日