カツセマサヒコさんによる『anan』連載、ショートショート「傷と雨傘」。しんどい人生の中にある「捨てたもんじゃない」と思える瞬間を切り取ります。今回は『anan』本誌の特集に合わせて、ちょっぴり官能的なお話。あなたはいらない。指だけ欲しい(32歳・ライター・雨音 さんの話)テレビを見ていたらハンバーガーのCMが流れてきて、無性にそれが食べたくなった。正確には、ハンバーガーよりもその横に映っていた、大量のポテトに惹かれた。ポテト。ファストフード。デート。元恋人。ふと頭の中で連想ゲームが始まって、すぐに元恋人に辿り着く。別れて間もないから、仕方ない。といえばそれまでだけど、もう三十を過ぎたのに未だに失恋で心乱されていることが恥ずかしい。この部屋のせいかもしれない。彼女の私物は全てなくなったとはいえ、広くもない1LDKの至るところで、その気配を感じる。たとえば、灰色のベッドカバーは彼女が選んだものだった。好きな映画に出てくるベッドが灰色だったからと、ある日会社から帰ったら、俺のベッドは灰色になっていた。クイーンサイズのベッドは一人で寝るには広すぎる。マットレスの真ん中に横たわり、大きく手を広げて、やっと端に届く。深く静かに息を吸い込む。またうっすらと、過去に接続される。何度も、ここでセックスをした。彼女の吐息を感じるのが好きだった。その声や感触が、まだ布団の繊維の奥の奥、小さなシミのように染み付いている気がする。その記憶で、勃起する。頭で考えるより早く、下半身が反応してしまう。撫でるつもりで手を添えて、彼女をまた思い出す。何の相性も、良くなかった。彼女がとびきり好きな映画は、俺が一番嫌いな映画だった。辛いものが好きな俺を、人じゃないような目で見ていた。俺の好きなお笑い芸人を、例外なくつまらないと言い切った。三年半付き合って、後半一年はずっと、うまくいっていなかった。部屋の中に爆弾低気圧が生まれて、ずっと俺たちを覆っているようだった。会話は弾まず、そもそも何を話せばいいかわからず、沈黙だけが雄弁だった。それでも、セックスだけはした。それ以外、俺たちを繋いでおく方法を見つけられなかった。互いの無関心を性に化けさせて快楽にした。少しずつ何かをすり減らしながら、それに気付かぬフリをして抱き合って暮らした。「ポテトには、硬くて短いものと、長くて柔らかいものがあるね」ある日、二人でファストフード店にいた。Lサイズのポテトの群れから、硬くて短いそれと、長くて柔らかいそれを一本ずつ並べて、彼女は言った。「どっちが好き?」「ああ、こっち」俺は迷わず、硬くて短い方を指差した。ふにゃふにゃと長く柔らかいポテトでは、食べ応えが感じられないから。その答えを予測していたのか、「やっぱりね」と、彼女はため息まじりに返した。それから、「私はこっち」と、長くて柔らかい方を指差す。「私たち、本当に合わないね」「相性診断か。心理テストかと思った」「ポテトで心理テストは無理でしょ」「いや、硬くて短い方を選んだあなたは芯がしっかりしているでしょう、みたいな」「長くて柔らかい方を選んだあなたは心が柔軟で寛容でしょう、とか?」「お前が柔軟なわけないだろ」「そっちに言われたくないよ」長くて柔らかいポテトが、端から少しずつ彼女の口内に消えていく。その唇や指先は、ポテトの油でヌルヌルと光っていて、妙にエロかった。あれが、彼女と行った最後のファストフード店だった。それから二ヶ月もしないうちに、俺たちはまた些細なこと(たとえば玄関の靴は揃えて置けとか、汚れるから立って小便をするなとか、食器のしまい方が雑だとか、コンセント挿しっぱなしをやめろとか、ゴミ出しの日を覚えろとか、電気つけっぱなしで寝るなとか、服を畳んでからしまえとか、最初に説明書を読めとか、そういう本当に些細なことだ)を発端に大喧嘩をして、勢い余って飛び出してしまった俺の暴言を決め手に、彼女はこの部屋を出ていった。さすがに、もう終わりだろう。そう思いながら、俺が会社から帰るたびに少しずつ減っていく彼女の私物を眺めていたら、一度だけ、彼女とはち合わせたことがあった。風のない土曜の昼下がりだった。今更話すこともなく、引き止めたところでこれまでの繰り返しになるだけだと、割り切ってベッドに横たわっていた。すると、しばらくして、彼女が俺の上に、ゆっくりと乗っかった。「何?」「もう、この部屋には来ないよ」「うん」「うん」そこから、沈黙が続いて、代わりに、彼女の指先だけが落ち着きなく、俺の体の上を、行ったり来たりした。それで、俺もその背中に指を沿わせて、いつもどおり、彼女が求めている部分を的確になぞっては、互いの体温を上げるようにした。何度も喧嘩をした。しょっちゅう怒鳴り、涙を流し、不貞腐れていた。それでも俺たちが続いていたのは、やはり、体の相性が良かったからだろうか。互いに隔てるものをなくそうと、服が一枚また一枚と、ベッドからずり落ちていく。そうしている間にも、彼女の吐息は強くなり、俺もそれに委ねる。快楽。という言葉が本当に似合う瞬間が、二人の間にだけある。それが、おそらく最後のセックスだった。そう頭で理解したとしても、体は忘れてくれないだろう。「あなたはいらない。指だけ欲しい」彼女はベッドの上で、俺の人差し指と中指を甘く噛みながら言った。その言葉のおかげで、その言葉のせいで、俺は、この部屋で唯一、自分の指だけが今も愛おしい。次回は、2315号(9月14日発売)に掲載予定です。profileカツセマサヒコ1986 年生まれ。Web ライターを経て、2020年に小説家デビュー。『明け方の若者たち』(幻冬舎)がベストセラーとなり映画化。ファッション誌での連載やラジオなど幅広く活躍中。Twitterは@katsuse_mイラスト・chii(SMALL WEST GARDEN)※『anan』2022年8月17日号より。イラスト・chii(SMALL WEST GARDEN)(by anan編集部)文・カツセマサヒコ イラスト・chii(SMALL WEST GARDEN)
2022年08月10日カツセマサヒコさんによる『anan』新連載、ショートショート「傷と雨傘」の第1回目。しんどい人生の中にある「捨てたもんじゃない」と思える瞬間とは――。笑わせてくれて、ありがと(32歳・会社員・家に帰りたくない さんの話)人生最大級の恥をかいた。職場に好きな人がいて、その男がまあ格好良いのだ。彼がコピー機の前に立つたび、私はその長身細身のスーツ姿に見惚れて悶え苦しみ、たちまち心を溶かしてしまう。同じフロアにいるだけで空気が浄化される気がするが、しかし、恋、とは違うのだ。彼には手が届くわけがないし、そもそも五つも歳上の地味な女なんて視界にも入らないだろう。だから、推し。佐藤くんが幸せでいてくれれば私はそれだけで嬉しいし、佐藤くんを好きな人間として恥ずかしくない行動をしようと毎日背筋を伸ばして生きることができる。ありがとう、佐藤くん。そんなふうに日々同じ職場で働けることに感謝しながら、個人的にはややブラックではないかと思う仕事をその日もこなしていた。事件が起きたのは、昼休み。社食に入って、いつもどおり大して味のしない野菜定食を頬張っていた時である。『社食でいっつも同じ野菜定食食べてる人おるけど、なんかそういうの、良い。ころころ変えないところに、人間が詰まってる感じがして、良い』佐藤くんの、インスタグラムのストーリーズである。佐藤くんだけをフォローしているアカウント(これをサト垢と呼んでいる)から今日も覗き見ていた彼の投稿。それに突然、心臓を鋭く撃ち抜かれた。これ、間違いなく私のことじゃん!いつも視界に入らないように食堂の隅から佐藤くんを観察していたはずだし、佐藤くんはほぼ毎日、同期の重松(体格がやたらデカくいかにも営業職って感じの雰囲気なのになぜか経理部)とご飯を食べるから、その重松の視界にすら入らないように最適な距離・角度を見出してテーブルに着くようにしていたのに、どうしてバレた!?佐藤くんが食器をさげるタイミングでたまたま私が視界に入ってしまっていたとか!?そんなことありえる!?認知された喜びよりも、私が佐藤くんの目を汚していたことに対する申し訳なさが勝った。しかし、こんな私を「良い」って言ってくれるなんて、何事?これは、夢?いやいや、待て。舞い上がりすぎだ。毎日野菜定食を頼む人なんて、ほかにもいるだろ。考えてみれば、いつも佐藤くんをおかずにして白米を食べる勢いでその姿をガン見しているせいで、ほかの人が何を食べているかなんて一ミリも興味を持ったことがなかった。いつも日替わり定食を頼んで魚の種類に一喜一憂する佐藤くんは可愛い。しかし、その佐藤くんが私の野菜定食を毎日見ているなんて、流石にそんな都合の良いことは起きない。はい、考えすぎ。ここは忘れよう。いきますよ、一、二、ポカン!と、脳内で一人首脳会議を開いていて、気付かなかった。いま、目の前に、あの佐藤くんがいる。「あの、降りないんすか?」そう声をかけられた。佐藤くんが、エレベーターの開くボタンを押したまま、私に向かって話しかけたのだ。だふぇwhふぉあじゃfじゃおふぁ。言葉にできなかった。佐藤くんが、私が同じフロアの人間であることを、知ってくれていたのだ!なんで!どうして!ああ!いい匂い!そうして舞い上がった私は、やってしまったのだ。本当に、なんでそんなことを、と思うのだけれど、その時は佐藤くんの匂いにあてられて、もう何も冷静な判断がつかなくなっていたのだ。「この中に!野菜定食を毎日食べてる方は!いらっしゃいますかー!」私は、六十人はいるフロアに向かって、思いきりそう叫んでいた。*「流石にウケすぎるんだけど、それ、本当の話?」私の全てが無事に崩壊したあと、一人で家に帰るのが耐えきれなくなって、カヨコを居酒屋に呼び出した。カヨコとは大学時代から、お互いに何かあるとこうして連絡を取り合い、愚痴を吐き出す仲である。そして、やはり今、向かいの席に座るカヨコが、私の過去最大クラスの恥辱を聞いて楽しそうに笑っている。「あのさ、こっちは本当に死にたくなってんのよ。なんか励ましてよ」「いや、だってもうアホすぎて。あー無理、ほんとほっぺた痛い。ほら、涙出てきちゃったじゃん」冗談かと思ったら、本当に目尻に涙を浮かべている。人の不幸を食い物にしよって!「ああーもう呼び出さなきゃよかった。ひたすら死にたいとしか思えない。嘘であってほしい夢であってほしいー!消えてくれー!」両手で顔を覆いながら叫ぶ。現実は何も変わらない。「アンタ、こんなに笑わせられるネタ手に入れたんだから最高だよ、最高」「いや、私、お笑い芸人じゃないから」そう言いながら、まあ、カヨコとだったらコンビを組んでもいいなとは思う。どっちがボケとかツッコミとかじゃなくて、片方が言ったことに対して、もう片方がゲラゲラと笑ってくれる。そんな関係のコンビは、なんとなくいいよなって、思う。「人生の黒歴史とか、他人からしたら喜劇でしかないよね。それをすぐに披露してもらえたんだから、私は幸せだわ」「採れたてすぎてしんどいんだけど」そう返した後、なんとなく付け足す。「でもまあ、笑ってくれてありがと」「おう。笑わせてくれて、ありがと」そうしてまた、乾杯をした。人生で一番恥ずかしかった経験を、すぐに大声で笑い飛ばしてくれる。そういう友人がひとりでもいるのだから、もうちょっとやってみようって私は思えるのかもしれない。カツセマサヒコ1986年生まれ。Webライターを経て、2020年に小説家デビュー。『明け方の若者たち』(幻冬舎)がベストセラーとなり映画化。ファッション誌での連載やラジオなど幅広く活躍中。Twitterは@katsuse_m※『anan』2022年3月16日号より。イラスト・chii(SMALL WEST GARDEN)(by anan編集部)
2022年03月16日Twitterのフォロワー数は14.6万人。人気webライターとしての地位を築いた後、2020年に長編小説『明け方の若者たち』で小説家デビューを果たしたカツセマサヒコさん。同作は実写映画化もされ、大きな話題を集めました。小説家デビュー3年目となる今年は、カツセさん曰く「勝負の年」。さまざまなチャレンジを予定されていますが、そのひとつが雑誌『anan』での連載です。一体どんな連載になるのか、『anan』にまつわる思い出とともにお話をうかがいます。『anan』との出合いは、高校生時代!――いよいよ『anan』で連載がスタートします。1年以上前から「なにか書きませんか」とオファーをいただいていて、何度も打ち合わせをしてきたんです。そのなかで、「雑誌連載をした後に、それをまとめて一冊の書籍にしたい」という話が出てきて。これまでは書き下ろしの作品ばかりでしたし、ここでチャレンジしたいと思いました。そうしたら、担当者から「『anan』での連載に決まりました!」と報告を受けて、これはすごいことになってしまったぞ、と。高校生の頃の自分が知ったら、驚くと思います。――高校生時代、『anan』を読んでいたんですか?ぼくが高校1年生の頃、Mr.Childrenの桜井和寿さんが『anan』の表紙を飾ったことがあったんです。『IT’S A WONDERFUL WORLD』というアルバムのプロモーションで、誌面にはインタビューも載っていて。それがとにかく読みたくて、恥ずかしかったんですが、『anan』を手に取ってレジに向かいました。それがぼくと『anan』の出合いですね。でも振り返ってみれば、日常生活の至るところで『anan』を見かけることは多かった気がします。セックス特集号が出るたびにみんなが話題にしていたし、サラリーマン時代の同僚がそれを読みながら盛り上がっていたこともありましたね。――第一話で描かれる物語はまさに「この人生、マシかも」と思えるような読後感でした。なによりも些細な日常の描写がとてもリアルで、カツセさんならではの作風だなと感じます。そもそも、ぼくの人生って派手なことが起きないんですよ。たとえば「家に鷹が飛び込んできて、ルンバと戦っていた」みたいな事件があれば面白いんですけど、身の回りで起きるのは、せいぜい「2日連続でスマホの充電を忘れた」レベルのことばかり。だからそういった些細な出来事を記憶するしかなくて、創作でもそういった日常の出来事を描いてしまうんだと思います。その分、「自分に近しい物語」と思ってもらえるのではないかな、と。でも、日常を描くとすぐに「エモい」と評価されてしまうので、そんな便利な言葉ではすまないようなものを書きたいという気持ちもあります。胸にあるのは「小説家」として生きる覚悟――小説家デビューして、今年で3年目です。長編小説や連作短編を出し、今回は雑誌連載にチャレンジしますが、「小説家」という肩書はなじんできましたか?なじむというか、覚悟した、に近いかもしれません。一度、「小説家」という肩書だけでどこまでやれるか試してみたいんです。そういう意味でも、今年はチャレンジの年だと思っています。もともとweb出身でしたが、いまは雑誌や文芸誌の仕事をメインにしたくて。それでは食えないかもしれない。でも、創作の仕事でどこまで行けるのか、怖いけど、本気で向き合ってみたいと思っています。――カツセさんにとって挑戦でもあるこの連載が、読者にとってどんな存在であってほしいと思いますか?高校時代、とにかくモテたくてファッション誌を読んでいたんです。だけど、特集が組まれているカラーページよりも、後ろの方にある白黒のコラムコーナーが好きでした。ぼくの連載も、そうあってほしい。『anan』を買ったら、まずは特集をしっかり読んでもらって、最後に「そういえば、カツセの連載があったな」と思い出してもらって、読む。そんな感じが理想ですね。『anan』のメインディッシュはあくまでも巻頭特集であって、ぼくの連載はそれを支えるようなもの。読み心地がよくて胃もたれせず、メインを楽しむために存在するような立ち位置を目指したいと思います。ーー自分の心の声に耳を傾けるよう、一つひとつの質問に真摯に答えてくれたカツセさん。かと思えば、ときに冗談を口にし、その場を和ませることも忘れない。そんな真剣さとやさしさを持ち合わせているからこそ、カツセさんが紡ぐ物語は、読み手の心にじんわり沁み入るのかもしれません。いよいよスタートする新連載『傷と雨傘』もきっと、疲れた心をそっと解してくれるような作品になるはずです。カツセマサヒコ1986年生まれ。Webライターを経て、2020年に小説家デビュー。『明け方の若者たち』(幻冬舎)がベストセラーとなり映画化。ファッション誌での連載やラジオなど幅広く活躍中。Information新連載『傷と雨傘』カツセマサヒコ3月9日発売(anan2290号)よりスタートする、小説家・カツセマサヒコの月1連載。「人生って捨てたもんじゃないな」と思えるような言葉をフックに、ふつうの“ワタシ”に起こる、半径5メートル以内の小さな奇跡を描く。SNSからスタートし、人気webライター、そして小説家と、言葉とともに常にキャリアアップしてきたカツセさんによる、“言葉のギフト”をお楽しみに!文・五十嵐 大
2022年03月09日カツセマサヒコ著『明け方の若者たち』が北村匠海主演で映画化され、2022年に公開されることが決定した。原作は安達祐実、村山由佳、尾崎世界観、紗倉まな、今泉力哉、長谷川朗など各界の著名人や書店員から推薦の声が集まり、Amazon日本文芸ランキング1位(2020年5月18日調べ)、王様のブランチのランキング2位(2020年6月27日放送)、Apple Books新人賞受賞など、大ヒットを記録した青春恋愛小説。著者はTwitterの140字で人々を魅了し続け、10~20代の圧倒的な支持を獲得したウェブライター・カツセマサヒコ。『明け方の若者たち』は彼の長編小説デビュー作だ。物語は主人公が下北沢、明大前、高円寺……退屈な飲み会で出会った“彼女”に、一瞬で恋をするところから始まる。世界が“彼女”で満たされる一方で、社会人になった“僕”は「こんなはずじゃなかった人生」に打ちのめされ……。大都会・東京に生きる若者が突然出会った人生最大の恋と、何者にもなれないまま大人になっていくことへの葛藤を描き、現代でしか表現できない「エモさ」に共感者が続出した。主人公の“僕”役を務めるのは、ダンスロックバンド・DISH//のリーダーで『君の膵臓をたべたい』で第41回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し『東京リベンジャーズ』、『とんび』など数々の公開予定作品でも主演を務める北村匠海。近くて遠い2010年代のリアリティ溢れる青春劇の映像化に挑戦するのは、23歳新進気鋭の松本花奈監督だ。映画、TV、MV、広告、写真と幅広いジャンルで活動をしており、今年公開された映画、実写版『ホリミヤ』でも監督を務めた若手の旗手がメガホンをとる。脚本は『デイアンドナイト』、Netflixオリジナルドラマ『全裸監督2』などで知られ、『愛はどこにも消えない』(「21世紀の女の子内)一篇)」、『過ぎて行け、延滞10代』でも松本花奈監督とタッグを組んだ脚本家・小寺和久が担当した。作中では「フジロック」や「RADWIMPS」、「ヴィレッジヴァンガード」などの固有名詞が散りばめられ、人生でもかけがえのない「若者だった時間」を描く作品となる見込みだ。主演:北村匠海・コメント『明け方の若者たち』で主演を務めさせて頂ける事になりました。松本監督とは10年前、共演者として学園ドラマで出会い、そして今お互いの道を進んでやっと再会できました。映画に登場する、街や音楽が偶然にも僕の「本物の青春」と重なっていて、もう2度と帰ってこない人生のマジックアワーをまた味わえたような、切なくてじんわりあったかくて、笑ってるのか泣いてるのかよくわからないあの頃を、皆さんも思い出せるかもしれません。お楽しみに。監督:松本花奈・コメントカツセさんの紡ぐ言葉の、笑顔でいるけれど本当は少し寂しかったりとか、夢を追いかけることをやめたけれど本当はどこかで希望を捨てきれていなかったりとか、決して単純ではない、濁りのある感情の描写がとても好きです。そんな繊細でリアルなこの物語を、北村さんと共につくれることが楽しみです。1カット1カットを大切に、撮影していきたいと思います。原作:カツセマサヒコ・コメント初めて書いた小説が、発売して一年も経たないうちに映画化発表されて、しかも、その主演が北村匠海さん?どこからがドッキリですか。まだ実感が沸かず、フワフワとした気持ちでいます。小説を子供とするならば、映画は可愛い甥っ子といったところでしょうか。松本監督と素晴らしいキャスト・スタッフ陣に全て委ねて、温かく見守ろうと思っています。本当に楽しみです!『明け方の若者たち』2022年公開
2021年02月22日