ジョージ・クルーニーが監督・製作・主演を務めるNetflix映画『ミッドナイト・スカイ』。この度、滅亡の危機に瀕した地球と広大な宇宙を舞台に描く本作から、北極での過酷なサバイバルや、美しい宇宙空間の描写など圧巻の映像と共に深遠な感動を予感させる壮大な予告編が解禁となった。この度解禁となった最新の予告編では、冒頭から北極で暮らすオーガスティン(ジョージ・クルーニー)と少女の姿と、宇宙に取り残されたサリー(フェリシティ・ジョーンズ)ら乗組員の姿が交互に映し出され、「レディオヘッド」の「No Surprises」に乗せ、彼らが織りなす壮大な物語の一端が垣間見える。サリーらと交信するため、少女を連れて極寒の地での過酷な移動を決意したオーガスティン。一方、宇宙船ではメンテナンス中に思わぬ大事故が発生、乗組員たちはさらなるピンチに巻き込まれることに。果たして無事交信することはできるのか?北極での厳寒サバイバルの様子や宇宙空間の美しくもスリリングな映像など、圧巻の映像にも注目の映像となっている。Netflix映画『ミッドナイト・スカイ』は12月23日(水)より独占配信開始。(text:cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ミッドナイト・スカイ 2020月12月11日より一部劇場にて公開、2020年12月23日よりNETFLIXにて配信
2020年12月11日4年ぶりに映画に出演したジョージ・クルーニーが、役作りに張り切りすぎてしまったようだ。Netflix映画『ミッドナイト・スカイ』で、がんを患う孤独な科学者を演じるため、短期間で約13キロの減量を敢行。撮影の4日前に耐えがたい腹痛を起こして病院に搬送され、膵炎との診断を受けた。数日入院することになってしまったという。「体重を早く落とすことに必死で、たぶん、身体のことは気にかけていなかったのだと思う」と「The Daily Mirror」紙とのインタビューで当時をふり返ったジョージ。今作はジョージにとって長編監督作7本目。いままでで最大のプロジェクトだったということで、かなり気合が入っていたらしい。「回復するまでに数週間かかってしまった。たやすいことではなかった。監督も務めていたものだから、すごくエネルギーを使うんだ」と苦労を語っている。「やり遂げるのは不可能かもしれない」と思ったこともあったというが、「でも、わかるでしょう?楽しかった」と満足気だ。主演を務めるにあたっては、減量以外にもヒゲをもじゃもじゃに生やすという役作りも行った。3歳の息子はジョージのヒゲにいろんなものを隠して遊んでいたというが、妻と3歳の娘はジョージがヒゲを剃り落としたとき、すごく喜んだという秘話も明かした。(Hiromi Kaku)■関連作品:【Netflix映画】ミッドナイト・スカイ 2020月12月11日より一部劇場にて公開、2020年12月23日よりNETFLIXにて配信
2020年12月11日ジョージ・ミラー監督の新作『Three Thousand Years of Longing』の撮影が開始した。ロケ地はシドニー。企画の発表から2年を経てのスタートだ。出演はティルダ・スウィントン、イドリス・エルバ。撮影は62日間の予定で、クリスマス休暇をはさみ、来年春に終了する予定だという。北米公開予定日は来年9月。今作の次に、ミラーは『マッドマックス 怒りのデスロード』のスピンオフを製作する予定。シャーリーズ・セロンが演じたフュリオサのオリジンストーリーで、主演はアニヤ・テイラー=ジョイ。クリス・ヘムズワースの出演も決まっている。文=猿渡由紀
2020年12月10日数多くの映画やドラマに出演し、近年は映画監督やプロデューサーとしても活躍している俳優のジョージ・クルーニー。確かな演技力と気さくな人柄で性別を問わず人気のジョージは、『People』誌が選ぶ『もっともセクシーな男性』に過去に2度も選ばれたことがあります。大人気俳優の髪型の秘密が明らかに!ジョージといえば白髪が混じった短髪のヘアスタイルがよく似合っていますが、その髪型の意外な秘密が明かされて話題になっています。彼ほどのビッグスターともなればきっと有名なヘアスタイリストに髪を切ってもらっているのだろう…と誰もが想像するのではないでしょうか。ところが実はジョージはもう25年間も自分でヘアカットをしているのだそうです。ジョージは自らが監督と主演を務める新作映画『The Midnight Sky』のプロモーションのため、アメリカのテレビ局『CBS』の番組に出演。新型コロナウイルス感染症による外出自粛中の過ごし方についての話になり、「自分で髪を切ったことはありますか?」と聞かれた彼はこう答えました。Actor/director George Clooney tells @thattracysmith that he's been cutting his own hair for years - by using the Flowbee haircutting machine pic.twitter.com/bKepm5LQCM — CBS Sunday Morning (@CBSSunday) November 29, 2020 もう25年間、自分で髪を切っているよ。僕の髪は藁みたいで切りやすいからね。数年前に『フロービー』っていうのを買ったんだ。まだ持ってるよ。こうやってウイーンってやるんだ。2分で終わっちゃうよ。@CBSSundayーより引用(和訳)フロービーとは掃除機の先にバリカンが付いたような散髪機で、1980年代にアメリカの深夜の通販番組で販売されて話題になった商品です。切った髪を掃除機が吸い取ってくれるので散らばりません。そのため、過去には宇宙飛行士が長期間のミッションで使用したこともあります。それを聞いたインタビュアーが思わず「やめてくださいよ。その髪型はフロービーでカットしたんですか?」と驚いていると、ジョージは「聞いてよ!これ本当にいいんだって!」と笑っていました。『Esquire』によると、このインタビューの放送直後から検索サイトでフロービーを探す人が急増し、フロービーの公式サイトはアクセスが殺到したためダウンしたのだとか!放送から1週間経った時点でも、Amazonではフロービーは在庫切れとなっています。この意外すぎる事実に世間では「信じられない!このかっこいい髪型がフロービー?」「早速フロービーを買って、夫の髪を切るわ!」「これでフロービーは爆売れするな」などの声が殺到。ハリウッドのスーパースターのジョージが通販で買った機械でセルフヘアカットをしていたなんて…誰が想像できたでしょうか。ジョージのひと言によって、2021年にはフロービーブームがやってくるかもしれませんね![文・構成/grape編集部]
2020年12月07日時折、介護士や看護師が患者を暴行したといった事件がテレビのニュースなどで取り上げられることがあります。そんな時、私たち視聴者が知ることができるのは「暴力を振るった」という事実のみです。しかし、事件が起こる背景には多くの人に伝わらないつらい現実があるかもしれません。看護師のぱれちに(paretiny)さんは、医療や介護の現場で医療従事者が追い詰められていく過程を描いた創作漫画をInstagramに投稿。反響を呼んでいます。『医療従事者が患者に暴力を振るった事件について』介護の仕事にやりがいを感じていた1人の男性。しかし、患者からの暴力や人手不足、労働に見合わない給料、不規則な勤務形態による健康悪化などさまざまな悩みから、落ち着いて仕事をする余裕を奪われてしまいます。そして徐々に追い詰められ、ついにそのストレスを患者にぶつけてしまったのです。暴力はもちろんいけないことですが、人間は完璧な存在ではありません。メンタルの健康を保てない状況が続くと、理性の糸が切れてしまうことだってあり得るでしょう。ネット上では、医療従事者からのつらい声が多数寄せられていました。・徘徊する患者が転んで家族に「訴える!」と怒鳴られたことがあります。看護師でいることが怖くなりました。寝ずに見守っていたのに。・私も悩み考えながら働いています。やりがいを感じてる人がどうかこれ以上辞めないでほしい。・共感しかありません。新人が入ると「やっと人が増えた」と嬉しく思うのと同時に、この仕事についてこれるかメンタルが心配になります。2020年は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、医療現場のひっ迫が毎日報道されています。医療従事者の奮闘を美談に終わらせるのでなく、深刻な現状に目を向け、考えを巡らせていかなければならないでしょう。[文・構成/grape編集部]
2020年12月02日ジョージ・クルーニーが主演、監督、製作を務めたNetflix映画『ミッドナイト・スカイ』が、全世界独占配信に先駆けて12月11日(金)より劇場公開されることが決定した。本作は、ある理由により人類滅亡の危機に瀕している地球と、宇宙探査ミッションを経て地球に帰還しようとする宇宙船を舞台に描く物語。地球の滅亡を目前にしてもなお、北極に残り続ける孤独な科学者オーガスティン(クルーニー)は、任務を終えて帰還しようとする宇宙船の乗組員サリー(フェリシティ・ジョーンズ)たちを何とかして止めようと奔走する。オーガスティンが地球に残り続ける衝撃の“ある理由”とは…?『マイレージ、マイライフ』『ファミリー・ツリー』ではアカデミー賞主演男優賞にノミネート、『シリアナ』ではアカデミー賞助演男優賞を受賞するなど高い演技力も兼ね備え、『スーパー・チューズデー ~正義を売った日~』『グッドナイト&グッドラック』など監督作品でも高い評価を得ている彼が、作家リリー・ブルックス=ダルトンによる小説「世界の終わりの天文台」を原作に映像化。共演には、フェリシティ・ジョーンズ、デミアン・ビチル、カイル・チャンドラー、デヴィッド・オイェロウォらが脇を固めている。Netflix映画『ミッドナイト・スカイ』はヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋、イオンシネマ系列ほか一部劇場にて12月11日(金)より公開、12月23日(水)よりNetflixにて独占配信開始。(text:cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ミッドナイト・スカイ 2020月12月11日より一部劇場にて公開、2020年12月23日よりNETFLIXにて配信
2020年12月01日ジョージ・クルーニーが監督・製作・主演を務めたNetflix映画『ミッドナイト・スカイ』の配信日が12月23日(水)に決定。初映像と無限の宇宙が広がるキービジュアルが到着した。滅亡の危機にある地球と、広大な宇宙を舞台に描く本作。ジョージ演じる北極に残り続ける孤独な科学者は、地球へ戻ろうとする宇宙船を止めようと奔走する――。公開された予告編では、孤独な科学者オーガスティン(ジョージ・クルーニー)と宇宙船の乗組員サリー(フェリシティ・ジョーンズ)が、お互いにコンタクトを取ろうとするシーンからスタート。北極に残るオーガスティンの側には共同生活を送る謎の少女の姿が。一方、サリーら宇宙船のメンバーも過酷な状況下で生き伸びるべく奮闘する。ミステリアスかつ壮大なドラマを感じさせる映像となっている。Netflix映画『ミッドナイト・スカイ』は12月23日(水)より独占配信開始。(cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ミッドナイト・スカイ
2020年10月28日「巷で流行っているのをうちの鳥で試してみたら…私のハートが爆発した」海外の掲示板『Reddit』に投稿された、こんなタイトルの動画が話題になっています。投稿者さんが試したのは『ペットをなでようとして、数センチ離れたところで手を止める』というもの。これを飼っているインコの『ジギー』で検証したところ…。Tried that trend with my own bird... Let’s just say my heart exploded from r/awwか、かわいい!!こんなことをされたら、投稿者さんのハートが爆発してしまうのも無理ありません。動画にはたくさんのコメントが寄せられています。・あああ、なんてかわいいの!・ハートがとろけちゃったわ。・鳥がこんなにハグ好きだなんて知らなかった。・我が家の鳥ならきっと突かれそうだ。投稿者さんによると、すべての鳥がジギーのようにハグされるのが好きなわけではないそうです。ジギーのガールフレンドは投稿者さんに懐いているにもかかわらず、手を近付けると噛みついてくるのだとか。犬や猫でもなでられるのが好きな子とそうでない子がいるように、鳥にもさまざまな性格の子がいるのでしょう。もし最愛のペットがジギーのようにすり寄ってきたら、愛しくて何時間でもなでてあげたくなりそうですね![文・構成/grape編集部]
2020年10月12日ジョージ王子があるテレビ番組を観てショックを受け、悲しそうに「もう観たくない」とウィリアム王子に訴えたことが明らかになった。今年1月、「アースショット賞」という今後10年で地球環境を回復させることを目的とした賞を創設したウィリアム王子。先日、地球環境について「Sky News」に語るなかで、ジョージ王子が心を痛めてしまった出来事を明かした。「ここのところ、子どもたちと一緒に(動物学者の)デヴィッド・アッテンボロー氏のドキュメンタリー番組をたくさん観ているんです。子どもたちはとても気に入っているのですが、一番最近に観た動物の絶滅に関する番組については、ジョージと私はテレビのスイッチを消すことになってしまいました。途中で悲しくなってしまったからです」と語った。「ジョージは『もう、観たくない』と私に言いました。どうしてこんなことになったのかと、7歳の子ども(ジョージ)だって心を痛めて私に尋ねてきます。どこにいる7歳でもこの問題に関心を持つことはできるのです」と訴えた。ジョージ王子は以前からアッテンボロー氏の大ファンで、先月一家で同氏と対面を果たし、巨大ザメ「メガロドン」の歯の化石をプレゼントされ大喜びしていた。また今月、同氏に「次に絶滅してしまう動物はなんだと思いますか?」と質問した動画も、ケンジントン宮殿のSNSアカウントから公開。動物に対して強い興味を示していることがうかがえる。(Hiromi Kaku)
2020年10月09日『オーシャンズ』シリーズや『シリアナ』、『ゼロ・グラビティ』などに出演するジョージ・クルーニーが監督と主演を務め、製作にも名を連ねるNetflix映画『ミッドナイト・スカイ』の配信が決定。滅びゆく地球と広大な宇宙を描く壮大な物語が展開される。ある理由により、人類滅亡の危機に瀕している地球と、宇宙探査ミッションを経て、地球に帰還しようとする宇宙船が舞台。地球の滅亡を目前にしてもなお、北極に残り続ける孤独な科学者オーガスティンは、任務を終えて帰還しようとする宇宙船の乗組員サリーらを何とかして止めようと奔走。危機が迫る中、サリーら宇宙船の面々を救うことはできるのか、オーガスティンが地球に残り続ける衝撃の理由とは――。主演のジョージが演じるのは、滅亡の危機に瀕している地球に残り続ける孤独な科学者オーガスティン。宇宙船の乗組員サリーは、『博士と彼女のセオリー』『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のフェリシティ・ジョーンズが演じているほか、デミアン・ビチル、カイル・チャンドラー、デヴィッド・オイェロウォらも参加。哀愁漂うオーガスティンと、宇宙服に身を包むサリーの姿を切り取った場面写真も到着した。原作は、作家リリー・ブルックス=ダルトンの小説「世界の終わりの天文台」。『レヴェナント:蘇えりし者』を手掛けた実力派マーク・L・スミスが脚本を担当し、壮大な物語を描く。Netflix映画『ミッドナイト・スカイ』は12月、独占配信開始予定。(cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-【Netflix映画】ミッドナイト・スカイ
2020年09月28日ジョージ・クルーニーが監督・製作・主演を務める映画『ミッドナイト・スカイ』が、12月よりNetflixで独占配信されることが決定。この度、本作の場面写真が公開された。原作は、“滅びゆく地球”と“広大な宇宙”を描く、作家リリー・ブルックス=ダルトンによる小説『世界の終わりの天文台』。クルーニーは、滅亡の危機に瀕している地球に残り続けている孤独な科学者を演じる。ある理由により、人類滅亡の危機に瀕している地球。本作では、宇宙探査ミッションを経て地球に帰還しようとする宇宙船を舞台に、地球の滅亡を目前にしてもなお、北極に残り続ける孤独な科学者オーガスティン(ジョージ・クルーニー)が、任務を終えて帰還しようとする宇宙船の乗組員サリーらを何とかして止めようと奔走する姿が映し出される。オーガスティンが地球に残り続ける衝撃の“ある理由”とは……?乗組員サリーを演じるのは、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の主演や『インフェルノ』への出演などで知られる演技派フェリシティ・ジョーンズ。さらに、『明日を継ぐために』でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされたデミアン・ビチル。『キング・コング』『ウルフ・オブ・ウォールストリート』など出演のベテラン俳優カイル・チャンドラー。『リンカーン』『アウトロー』などのデヴィッド・オイェロウォらが脇を固める。脚本は、レオナルド・ディカプリオ主演の『レヴェナント:蘇えりし者』などの脚本を務めてきたマーク・L・スミスが務めた。場面写真では、これまでに見せたことのない哀愁たっぷりなキャラクターを予感させるクルーニーの姿と、宇宙服に身を包み意味深な表情を見せるジョーンズの姿が確認できる。Netflix映画『ミッドナイト・スカイ』12月より独占配信開始
2020年09月28日「自死は悪いことでも、気持ちの悪いものでもない。亡くなる人は必死に頑張って生きて、それでも死に追いやられてしまったんです。浩介さんと生きてきた私には痛いほどわかるから」病いに倒れ自死を選んだ夫・浩介さんに後を押されるように、40歳のとき、4児を抱えながら司法試験に合格した佃祐世(さちよ)さん(48)。自死遺族の支援・訴訟に奔走する毎日だ。「彼はとてもアクティブな人でした。しかしある日、趣味のジョギングから帰ってきた夫のようすが、なんだかとてもしんどそうで。熱中症かな、と心配していたらトイレで倒れたんです。それで慌てて救急車を呼んで……」精密なMRI検査を受けた結果、脳腫瘍を発見。脳腫瘍は転移も少なく、すぐに命の危険はないとも聞いた。夫婦で話し合い「ゆっくり考えよう」と、いったん退院することに。浩介さんは一時的に仕事にも復帰したのだが。「彼は塞ぎ込んでばかり。やがて、耳鳴りがする、おなかが痛いと言い始めて。深夜、腹痛で救急車を呼んだことも。以前は体の不調を訴えたこともない健康そのものの人でしたから、心の病いを疑いました」8月初旬に精神科を受診した浩介さんは、療養型病院に入院することになる。ところが、その当日に彼は病室で失神。さらに……。「入院の翌々日かな。病室に行くと彼、オムツしてたんです。『ベッドで漏らしてしまった』って、やるせない顔をして。やがて、手がしびれ、食事もとれなくなり、常時点滴になって、高熱が出て、歩くこともままならなくなって。病室を見舞うたび、夫の容体が悪くなるんです。私のほうがパニックでした。もう怖くて怖くて」夫の様子を見た佃さんは思った。「この人は子供たちのそばで、まずは心を治さないと」と。その年の暮れ。浩介さんは3人の子供が待つ広島へ戻ってきた。しかし……。1月3日。昼前になっても起きてこない浩介さんを心配し、佃さんが寝室をのぞくと、そこにはガタガタ震える夫が。佃さんが抱きしめると、浩介さんは言った。「僕は大丈夫だから、子供たちのところに行ってあげて」と。「それで、私は彼に『じゃ、あなたの好きなラーメン、作ってくるね』と言って、寝室を出たんです」やがて、ラーメンができて夫を呼びに寝室に。ところが、そこに彼の姿はない。ふと見ると、隣の書斎の明かりがついていた。「いやな予感がしました。書斎の戸を開けると……、そこには、窓枠にネクタイで首を吊っている浩介さんの姿があったんです」茫然自失状態で、夫を見送った佃さん。このころ、ほとんど記憶がなかったという。しかし四十九日の法要のとき、僧侶の読経が終わるころ、佃さんの脳裏に半年前の出来事がよみがえってきた。「あれは、浩介さんが東京の病院に入院中のこと。2人で病院の近くの公園を散歩したんです。イチョウの黄葉がとっても奇麗だったの、覚えてます」夫の車いすを押していると、彼が不意に、こんなことを言った。「司法試験、受けてみないか?」あれは、夫との最後の約束だ。そう思った佃さんは猛勉強をし、司法試験に合格。40歳になっていたーー。弁護士となった佃さんは早々と、自死遺族支援弁護団に参加した。「団長から聞かされた自死遺族の置かれた状況というのは、私が考えていた以上につらいものでした。なかでも衝撃的だったのが『自死を気持ちが悪いとする発想が根強くある』という言葉でした」賃貸物件で誰かが自死した場合、遺族は大家から損害賠償請求をされるケースが多々ある。「気持ち悪くて物件の価値が下がったからとか、おはらいの費用まで請求される。もっとも驚いたのが、21世紀の日本で、そのおはらいを命じた判決まであったことでした。自死は悪いこと、気持ちが悪いこと、という感覚を少しでもなくしていきたい。亡くなる人は、死にたくて死んでいったわけじゃない。必死に頑張って生きてきて、それでも死に追いやられてしまったんです。それは、浩介さんと生きてきた私には痛いほどわかるから。そのことをお話しすると、多くの方は共感してくださいます」佃さんはいまも、最愛の彼を近くに感じることがあると話す。「やはり訴訟は、悩むことも多いです。煮詰まっていると、ふっとね、思い浮かぶことがあるんです。元気だったころの彼からかけられた言葉が、彼の声が、聞こえてくるんです」大粒の涙を流すと、佃さんは誰かに確認するように、何度もうなずいてみせた――。「女性自身」2020年9月15日号 掲載
2020年09月07日「ドライバーへの暴行」そんな恐ろしいひと言とともに、動画をTwitterに投稿した、しそちゃん(@tu_mi_re_cat)さん。怖い内容かと思いきや、見た人々を和ませています。その動画をご覧ください。ドライバーへの暴行 pic.twitter.com/ATmHeTDxqn — しそちゃんつみれとわさんぼん (@tu_mi_re_cat) August 14, 2020 被害者、加害者ともに、猫!投稿者さんが飼っている、猫のわさんぼんくんとつみれちゃんが、トラックを模したダンボール越しにじゃれ合っていたのです!段ボールの中に入っているわさんぼんくんは以前、トラック型の段ボール『ウォークスルーボックス』を制作する投稿者さんの夫を監視する姿が話題になりました。夫がクロネコヤマトの『段ボール箱』を買ったら…オチに、10万人がニッコリわさんぼんくんは、心待ちにしていた段ボールが完成し、ウキウキしながら中に入ったのでしょう。つみれちゃんから右フックのような猫パンチを連続で浴びせられても、まったく動かずにその場をやり過ごしたのです。投稿には、さまざまなコメントが寄せられました。・アタックがすごい!パンチが重そうですね。・こんなかわいい暴行なら幸せ…。・つみれちゃんが「お前は黒猫じゃねーだろ!降りろ!」っていってるように見えました!ちなみに、この段ボールはヤマト運輸(通称:クロネコヤマト)で取り扱われている『ウォークスルーボックス』というもの。購入した『ウォークスルーボックス』をくり抜いたり組み立てたりし、その中にペットなどを入れて写真を撮影する人が多いのだそうです。猫たちがトラック型の段ボールを頻繁に取り合う場合は、きっと投稿者さんの夫がもう1つ制作してくれることでしょう![文・構成/grape編集部]
2020年08月15日ジョージ・クルーニーが『The Tender Bar』を監督することになりそうだ。プロデューサーも兼任するが、出演もするかどうかはわかっていない。原作はJ・R・モーリンガーによる回顧録。ロングアイランドで育った彼が、叔父の経営するバーで、父のような存在になってくれる客を探す物語。当初はソニー・ピクチャーズがセオドア・メルフィ監督(『ドリーム』)で映画化する計画だったが、メルフィが降板した後、ソニーは企画を手放し、アマゾン・スタジオズが獲得している。クルーニーは、次に『Boys in the Boat』を監督するつもりでいたが、コロナで撮影条件に大きな制限がかかる中でこの映画を作るのは難しいと判断、『The Tender Bar』を優先することにしたようだ。クルーニーの次回作は、監督と主演を兼任する『The Midnight Sky』。Netflixが世界配信する。共演はフェリシティ・ジョーンズ。文=猿渡由紀
2020年07月27日22日(現地時間)に7歳の誕生日を迎えられるイギリスのジョージ王子。3人きょうだいの長男として、お兄さんらしい頼もしさも増して、すくすく成長中の7年間をプレイバック。2013年7月22日16時24分(現地時間)、ウェストミンスター・パディントンのセント・メアリーズ病院にて誕生したジョージ・アレクサンダー・ルイ・オブ・ケンブリッジ王子。体重8ポンド6オンス(3.8kg)の元気な赤ちゃんは翌日には母のキャサリン妃の腕に抱かれ、父のウィリアム王子と3人で集まった観衆にお披露目された。このとき、お包みから覗く小さな両手の動きがまるでお手ふりのようだったのが印象的。約3か月後の10月23日(現地時間)、ロンドンのセントジェームズ宮殿にあるチャペル・ロイヤルで洗礼式が行われた。従来のバッキンガム宮殿ではなく、ウィリアム王子の母・ダイアナ元皇太子妃が交通事故で亡くなった際、葬儀の前に遺体が安置されていた場所だったことで話題となった。2014年4月には生後8か月で両親と初の公式外遊に。ニュージーランドとオーストラリアを歴訪し、シドニーのタロンガ動物園では珍獣ビルビーに興味津々。現地では同年代の赤ちゃんとも交流。公の場でも物怖じしない元気いっぱいな様子が微笑ましかった。2歳の誕生日を前に妹のシャーロット王女が誕生2015年5月2日(現地時間)、妹のシャーロット王女が誕生した。ウィリアム王子と病院に来たジョージ王子は報道陣の過熱ぶりにちょっと驚きながらも、パパに抱っこされて、一緒にカメラに向かって手を振った。6月には兄妹一緒の初のポートレートが公開になった。ジョージ王子が膝の上にシャーロット王女を抱っこしているショットは自宅のアンマー・ホールでキャサリン妃が撮影した1枚。名カメラマンである妃は、家族の誕生日や記念日などのたびに、飾らない自然体の表情を引き出す写真を公開している。2016年から保育園に1月6日(現地時間)から、アンマー・ホールに近いウェストエーカー・モンテッソーリ幼稚園に通い始めた。この時もキャサリン妃が愛息の晴れ姿を撮影。4月にバラク・オバマ米大統領(当時)がケンジントン宮殿を訪問した際は、すでにおやすみタイム近くだったが、パジャマにガウン姿でご挨拶した。家族での公式外遊で2016年9月にカナダ、2017年7月にポーランドとドイツを訪問した。さすがに時差や長時間移動で疲れてしまうのか、ときどきご機嫌ななめ気味の様子もあったが、妹とともに小さなロイヤル・ファミリーの愛らしさは常に人気の的。飛行機やヘリコプターが大好きで、ハンブルグのヘリコプターメイカーを訪問した時は大喜びで見学、全身で楽しさを表現していた。同年5月にはキャサリン妃の妹、ピッパ・ミドルトンの挙式では、ページボーイという大役を務め、シャーロット王女もフラワーガールで参加した。2017年9月からはプリスクールのトーマス・バタシー・スクールに通い始めた。2018年4月23日(現地時間)に弟のルイ王子が誕生。学校の制服姿でウィリアム王子に連れられてシャーロット王女と3人で病院を訪問。お手ふりなどでギャラリーに大サービスの妹に比べて、ちょっとはにかむ表情を見せていた。5月には叔父のヘンリー王子とメーガン妃の結婚式でページボーイを務めた。パパとお揃いのブルーズ・アンド・ロイヤルズ(近衛騎兵連隊のフロックコート姿が凛々しく、その成長ぶりを印象付けた。家族のプライベートショットでは自然な表情を見せるが、公の場ではちょっと緊張気味のことも増えてきたのがこの頃。少年らしい成長とロイヤル・ファミリーの自覚の芽生えのなせる技と言えそう。昨年8月、ご両親主催のチャリティ・レガッタ観戦でワイト島を訪れた際には冒険家のベア・グリルス氏の指導で昆虫食に挑戦。果敢にお役目を果たしている。サッカーも大好きで、昨年10月にはご両親とシャーロット王女と英プレミアリーグ、アストン・ヴィラ対ノリッジ・シティの試合を観戦。ゴールが決まると、席で軽く飛び跳上がってガッツポーズで大喜びしていた。スポーツだけでなく芸術にも興味を持たれるようになり、最近ギターを習い始めたそう。12月には曽祖母のエリザベス女王、祖父のチャールズ皇太子、そしてウィリアム王子に見守られながら、クリスマス・プディング作りをお手伝い。大きなボウルいっぱいの材料を木べらで熱心に混ぜ合わせる表情が愛らしく、忙しない年の瀬を過ごす世間を和ませた。パンデミックで自主隔離生活中しかしながら、今年に入ってすぐに世界中に新型コロナウイルスが蔓延し、イギリスは3月からロックダウンに。ケンブリッジ公ご一家もアンマー・ホールで自主隔離生活を送ることになった。外に出かけての公務が無理ならば、とご一家はSNSを介して、医療の最前線で治療にあたる医療従事者への感謝を表明。ジョージ王子がシャーロット王女、ルイ王子と3人でカメラに向かって拍手する動画をアップした。4月にはシャーロット王女と一緒にウィリアム王子に伴われて、サンドリンガム・エステイトを訪問。独居の年金受給者に食料を届けるボランティア活動を行っていたことも、6月の「ボランティア・ウィーク」に合わせて公表された。今年の6月21日はウィリアム王子の38歳の誕生日と同時に父の日でもあり、アンマー・ホールの庭で撮ったファミリー・フォトが公開された。撮影はもちろんキャサリン妃。庭のブランコに父子4人で乗っている写真では、主役のパパとわんぱく盛りの弟妹と笑顔を見せている。ロックダウンは解除されたが、ご一家の拠点はいまも郊外のアンマーホール。学業も自宅学習で、夏休み前の7月までオンライン授業中心で取り組まれた。庭にきょうだい個別の菜園を作り、3月に植えたレタスやチェリートマトなどを6月に収穫。ちなみにイチゴは、摘みながらほとんど全部食べてしまわれたそう。誕生日に毎年恒例だった、ウエストミンスター寺院の鐘を鳴らすお祝いは今年は行われないという。これは女王とエディンバラ公(チャールズ皇太子)、ケンブリッジ公爵夫妻(ウィリアム王子とキャサリン妃)とそのお子さまたちが対象なのだが、新型コロナウイルス感染拡大を受けて寺院の鐘を鳴らすのは8月まで中止されているため。まだまだパンデミックの影響は続き、いつもとは違う夏を過ごされることになりそうだが、ご家族と一緒に健やかな日々を送っていただきたい。(text:Yuki Tominaga)
2020年07月22日ジョージ王子が22日に7歳の誕生日を迎える。前日の21日(現地時間)、ケンジントン宮殿が記念写真を公開した。母であるキャサリン妃が今月初めに撮影したものだという。公開されたのは、カーキ色のポロシャツを着用しているジョージ王子が、満面の笑みを見せている写真で、前歯のすきっ歯がなんともかわいらしい。7年間、成長を見守り続けてきた王室ウォッチャーたちから、「おめでとうございます」という祝福メッセージのほかに、「もう7歳だなんて信じられない。子どもの成長は、本当に早い」と感慨深げなコメントが多数寄せられている。ウィリアム王子が空軍のパイロットであったことから、ジョージ王子はかねてより飛行機やヘリコプターに興味津々。毎年恒例のエリザベス女王の誕生日パレード「トゥルーピング・ザ・カラー」で行われる空軍の航空ショーに釘付け。大興奮する姿が激写されている。今年は新型コロナウイルスの影響で、同イベントが縮小され、残念ながらジョージ王子のお出ましはなかった。来年に期待したい。(Hiromi Kaku)
2020年07月22日ジョージ・フロイドさんの死をきっかけに、人種差別問題で揺れるアメリカ。現在、2018年にヴィオラ・デイヴィスが「Women of the World」に参加し、ジャーナリストのティナ・ブラウンと対談した動画が再び注目を集めている。ヴィオラは動画の中で、ハリウッドにおける人種間のギャラの格差について批判。当時は「男性と女性のギャラが違いすぎる」ということが表面化し、問題となっていたが、ヴィオラはいち早く人種間のギャラの差に対して声を上げていた。「女性のギャラは男性の半分と言われたりもするけれど、黒人は白人の10分の1くらいしかもらえない」と指摘。「私はオスカー、エミー賞、2つのトニー賞を獲得した。ブロードウェイにもオフ・ブロードウェイにも出たし、テレビも映画もやった。本当にすべてを」とこれまでに築き上げたキャリアを語り、それでもギャラや仕事のチャンスは白人の足元にも及ばないと嘆く。オファーの電話を受けると「きみは黒人版メリル・ストリープだ。きみじゃないとダメなんだ」と言われるが、「私じゃなきゃダメと言うなら、私の価値にふさわしいギャラを払って。私の価値に合うものを与えて」と主張した。女優のガブリエル・ユニオン、ジャーナリストのティファニー・D・クロスや作家のネディ・オコラフォもリツイートし「コレ!まさにコレ!」と同意。ネディは現在Amazonが制作中のヴィオラ主演ドラマ「Wild Seed」(原題)に脚本家として参加中。「これがヴィオラと働くことに誇りを持てて、楽しめる理由の一つ。明確な発言をしてくれる」とツイートしている。(Hiromi Kaku)
2020年07月02日ミネソタ州ミネアポリスで、黒人男性ジョージ・フロイドさんの首を膝で押さえつけ死亡させたデレク・ショーヴァン元巡査。5月29日に第3級殺人罪で起訴(後に第2級殺人に変更)され、ラムジー郡刑務所に拘置されているが、この刑務所に勤める8人の看守が、ある訴えを起こした。The New York Timesなど複数のメディアが報じている。8人の代理人を務めるボニー・スミス弁護士によると、ショーヴァンが収容されたフロアから、有色人種の看守が全員締め出され、白人の看守のみがショーヴァンを担当するようになったという。原告の8人は全員が有色人種で、人種を理由として特定のフロアの警備を禁止されたとして差別訴訟を起こしたのだ。フロイドさんの死は、現在米国中を席巻している「Black Lives Matter」運動のきっかけとなった。ショーヴァンはまさに“黒人差別のシンボル”として批判を一身に受ける身。上層部が有色人種の看守による暴行を懸念したとの考えもあるが、報道によると「この決定はとても屈辱的で品位を貶めるものであり、上司に信頼されていないと感じさせた」と8人は主張している。「私のクライアントたちはその日、職務を遂行するため完璧な準備をして出勤しました。彼らは高度な訓練を受け、危険かつ不安定な状況も経験し、白人と対等な立場にある者として5月29日の業務に当たるために準備してきたのです。しかし、それは許されなかった」とスミス氏はコメント。原告は刑務所に対し金銭的補償、全ての刑務所従業員に対する人種的偏見についてのトレーニング、正式かつ公的な謝罪を求めている。
2020年06月22日ジョージ・フロイドさんの死をきっかけに、全米各地で「Black Lives Matter」(黒人の命は大切だ)というスローガンを掲げた人種差別への抗議デモが拡大。これを受け、HBO Maxが人種差別的な描写がある『風と共に去りぬ』の配信を停止したが、ほかのテレビ局やストリーミングサービスも後に続き、複数の作品の配信・放送を停止した。パラマウント・ネットワークは、警察に密着するリアリティー番組「全米警察24時 コップス」を、シーズン33の放送一週間前にキャンセル。現在のところ、番組を復活させる予定はないとのこと。A&Eネットワークも、パトカーやヘリコプターに搭載したカメラが記録した生々しい現場の映像で人気の「Live PD」(日本では現場の映像のみに再編集した「密着!アメリカ警察24時」としてHuluなどで配信されている)の打ち切りを決定。しかし、ホストを務めていたダン・エイブラムスは不服の模様。「Live PDを批判している人たちのほとんどが、1話も観たことのない人だと気がついた」、「それなのにネガティヴなコメントが一般論みたいに思われている。本当に悲しいことだ」とツイッターに綴った。イギリスのNetflixは長寿番組「フィラデルフィアは今日も晴れ」のシーズン6のエピソード1話を配信中止に。そのエピソードでは登場人物の2人が「ブラックフェイス」をかぶっているためだという。(Hiromi Kaku)■関連作品:風と共に去りぬ 1952年9月4日公開©Metro-Goldwyn-Mayer
2020年06月15日「Black Lives Matter」運動のきっかけとなったジョージ・フロイドさんの死。フロイドさんはかつてナイトクラブでガードマンとして働いていたが、彼を死に至らしめた元警官デレク・ショーヴァンも非番の日に同じクラブでガードマンのバイトをしていたことがわかっている。ナイトクラブ時代の2人をよく知るデヴィッド・ピニーさんはCBS Newsに対し、2人の関係は張り詰めたものだったと語る。「デレクは客に対してすごく攻撃的になることがよくあって、それが原因で2人は衝突していたよ。ジョージにもいつも食ってかかっていた。ジョージはプロに徹するために、デレクとコミュニケーションを取らないといけないときは俺に間に入ってくれるよう頼んできた。俺を通して話すことで、無用な衝突を避けていたんだ。(事件の時)デレクがジョージを知っていたかって?ああ、よーく知っていたはずさ」ショーヴァンは黒人に何か含むところがあったのだろうか。このクラブのオーナー、マヤ・サンタマリアさんはCBS Newsに「彼は黒人を怖がっていたし、怯えていたように見えた」と話す。ピニーさんは、今回の事件の原因を「個人的な恨み」だと断定するが、ショーヴァンは未だに容疑を認めていない。
2020年06月11日アメリカのミネソタ州ミネアポリスで、2020年5月25日に起きた白人警官による黒人男性ジョージ・フロイドさんの死亡事故。これに端を発したデモは、今や全米に広がっています。これは、アメリカの歴史に深く暗い差別の闇があるゆえのもの。現代社会に根付く『黒人差別』をテーマにした映画から、その歴史を振り返ります。現実に胸がえぐられる『人種差別』闇の歴史『黒人差別』を描いた作品①マンディンゴ最初に紹介するのは、1975年公開の映画『マンディンゴ』です。アメリカはその成長の過程で大量のアフリカ系黒人奴隷を酷使してきました。その残酷な現実を突きつけたのが本作です。主人公は、アメリカ南部ルイジアナで大農園を営む、卑劣な白人農園主とその息子。息子の婚約者が黒人奴隷と恋に落ち、息子自身も黒人奴隷の娘に惹かれてしまう様子を、シビアな描写で描いた作品です。劇中では、「我が農場では14歳を超えて処女の黒人女なんぞおらん!」などの黒人少女たちへの不当な性暴力発言や、黒人の子どもの人身売買、さらには「黒人に魂なんぞある訳ない!」など、胸をえぐられる描写が次々と出てきます。しかし、これは、当時当たり前のように横行していた現実なのです。タイトルの『マンディンゴ』とは、西アフリカに住む『マンディカ族』のことで、人権などはまったく無視され、商品として高値で取引されていました。『黒人差別』を描いた作品②ミシシッピー・バーニング次は、1988年公開の映画『ミシシッピー・バーニング』です。『マンディンゴ』で描かれた時代は、南北戦争でリンカーン大統領率いる北部が、奴隷制度が色濃く残る南部に勝利したことで、歴史上は終焉を迎えています。しかし、現実は違いました。1960年代のアメリカ南部ミシシッピ州で実際に起きた、3人の黒人公民権運動家の失踪事件が元になっている本作。2人のFBI捜査官が、黒人差別を行う秘密結社『KKK(クー・クラックス・クラン)』の闇に近付いていく、というストーリーです。『KKK』は、南北戦争終結後に南部の奴隷商人だった男が作った白人至上主義の秘密結社。白い頭巾をかぶり、無実の黒人を街頭に吊るしたり、生きたまま火あぶりにしたりするなど非道の限りを尽くしました。劇中では、『KKK』による黒人たちへのむごたらしい暴行や殺人行為、彼らと結託した地元警察の陰湿な妨害行為の実態が鮮烈に描かれています。トランプ大統領の移民排斥傾向に賛同の声を挙げるなど、現在も多くの活動家がいる『KKK』。なお、本作は歌手の氷室京介さんも好きな映画の1つと公言しているようです。『黒人差別』を描いた作品③マルコムX次は、黒人差別をテーマに映画を作り続けるスパイク・リー監督による、1992年公開の作品『マルコムX』です。参政権すらなかった黒人たちの地位向上を目指した、公民権運動の代表的指導者であるマルコムXの半生を、名優デンゼル・ワシントンが演じています。物語は、幼少期に『KKK』の嫌がらせを受けていた父親を亡くし、自身も10代の頃から服役を経験していたマルコムの人生をなぞるように進みます。その後、彼は服役中に『ネイション・オブ・イスラム(NOI)』という教団に出会い、開眼。獄中の図書館で猛勉強をし、出所後は『NOI』に所属することになります。しかし『NOI』の闇を知ったマルコムは教団とたもとを分かち、瞬く間に公民権運動の代表的指導者になりますが、彼を苦々しく思ったNOIに銃撃を受け、亡くなってしまいます。この作品は日本のヒップホッパー、Zeebraさんにも大きく影響を与えているようで、Twitterでもたびたび話題に挙げています。『黒人差別』を描いた作品④デトロイト次は、公民権運動以後、1967年に起きたデトロイト暴動事件を描いた、キャスリン・ビグロー監督による、2017年公開の映画『デトロイト』です。黒人たちの不満が爆発し、ミシガン州デトロイト市で起きた約5日間の暴動を群像劇で描いた本作。物語は3日目にモーテルに宿泊中の黒人男性たちが、おもちゃの銃を撃ったことをきっかけに、怒涛の展開になだれ込みます。無実にも関わらず尋問・暴行、果ては殺人にまで発展した白人警官の横暴を描いたシーンは強烈のひと言…。白人警官役のウィル・ポールターの怪演は必見です。なお、物語で重要な役である黒人警備員役を演じたジョン・ボイエガは、フロイドさんの死亡事故に端を発したデモにも参加しており「キャリアに影響が出ようがかまわない」と熱いスピーチを行い、正義感あふれる姿で大衆を勇気付けています。『黒人差別』を描いた作品⑤フルートベール駅で最後は、2013年の映画『フルートベール駅で』です。2009年にアメリカ・サンフランシスコで実際に起きた凄惨な事件を、当事者となったオスカー・グラントの日常を追いかける視点で描いた本作。カンヌ映画祭でも賞を受賞した作品です。2009年の元日のフルートベール駅。22歳の黒人青年オスカー・グラントは、車内で白人グループに絡まれてしまいます。そして、揉めごとを聞きつけた白人の鉄道警察官2人は、彼に不当な扱いを繰り返し…というのがあらすじ。マーベル映画『ブラックパンサー』で悪役のキルモンガーを演じたマイケル・B・ジョーダンが本作の主演を務め、話題を呼びました。ライアン・クーグラー監督は本作のインタビューで「映画で描いた状況が目の前で展開されれば、白人警察官の取る態度は映画と同様になるケースが多いと思います」とコメント。今尚続く不当な白人警官の暴力事件の危険性を訴えています。また、本作は、あの世界的歌姫ビリー・アイリッシュがインタビューで、3年連続で好きな映画として挙げていることでも有名です。こうした映画を振り返ることで、5月から起きている暴動にどのような意味、怒りが込められているのか見えてきそうですね。自分の目で映画を見て、そして現実で起きている問題をとらえ直してみてください。[文・構成/grape編集部]
2020年06月09日5月25日、アメリカ・ミネアポリス近郊で黒人男性のジョージ・フロイドさんが警察官に首を押さえつけられ死亡した。この事件をきっかけに、警察官による黒人への過剰な鎮圧に抗議を表すデモが勃発。デモ隊は”Black Lives Matter(黒人の命は大切だ)“という標語を掲げ、ツイッターでは同スローガンがトレンド入りした。SNSを使った#BlackLivesMatter運動はアメリカの枠を超え、全世界の著名人も参加。日本では渡辺直美(32)や大島優子(31)などが、インスタグラムで#BlackOutTuesdeyというハッシュタグとともに真っ黒な画像を投稿した。これには、普段のSNSの活動をやめ、事件に対し追悼と抗議の声を高めようという意味がこめられている。しかしこの運動に対抗し、差別に反対する声を覆い隠そうという勢力も出現。#WhiteLivesMatter(白人の命は大切だ)、#WhiteOutWednesday(水曜日のホワイトアウト)というハッシュタグも生まれ、デモ隊を揶揄するような投稿が相次いだ。この#WhiteLivesMatterに“抗戦”の姿勢を見せたのが、全世界のK-POPファンたち。抗議運動を揶揄する内容とは全く関係ないような“推し”のアイドルの映像や画像を#WhiteLivesMatterのハッシュタグとともに大量投稿。つまりハッシュタグを“乗っ取る”ことで、差別への抗議運動を隠そうとする勢力を追い払ってみせたのだ。「K-POPが支持を集めているのは、いまやアジアやヨーロッパにとどまりません。男性グループBTSは“セレブリティの仲間入りを果たしている”と言われるほど、米国内でも人気が高い。K-POP ファンは、SNSを通じての団結心が強いことでも知られています。差別に対する抗議の火をともし続けるために、蜂起したのではないでしょうか」(音楽ライター)ツイッターではこのことを受け、「K-POPファン、やるな!」「彼らは私たちといっしょに差別と戦ってくれている!」という声が相次いだ。
2020年06月09日ジョージ・フロイドさんの死に端を発する人種差別撲滅を訴える運動「Black Lives Matter」は米国から世界中に拡がり、大きなうねりとなっている。今年に入ってから、白人が黒人の命を奪う事件が連続して起こっている。2月にはアフマド・アーベリーさん(当時25)が、ジョギング中に白人親子に射殺された。目撃者によると、親子は倒れたアーベリーさんにひどく侮蔑的な言葉を投げかけていたという。3月には救命救急士のブレオナ・テイラーさんが、捜索先の住所を間違えて押し入ってきた白人警官に8発もの銃弾を撃ち込まれて殺された。この2件の事件で高まっていた人種差別への怒りが、ジョージ・フロイドさんの死でついに爆発した形だ。メーガン妃が哀悼の意を表する動画メッセージを公開したり、『スター・ウォーズ』に出演した俳優ジョン・ボイエガが抗議集会で声を枯らして「差別がどれほど辛いものなのかをわかってほしい。もうこんなことは終わりにしよう」と訴えたりと、各界の著名人も次々と行動を起こしている。そんな中、ラッパーのカニエ・ウェストが、フロイドさん、アーベリーさん、テイラーさんの遺族に200万ドル(約2億2千万円)を寄付したとVariety誌が報じている。ジョージ・フロイドさんの6歳になる娘ジアナちゃんが大学を卒業するまでの学費を全てカバーする他、アーベリーさんとテイラーさんの弁護士費用などに充てられるという。ウェストは自身のホームタウンであるシカゴで行われた抗議デモに参加。同市で資金繰りに困っている黒人経営の企業にも援助金を出すと表明している。
2020年06月05日黒人男性ジョージ・フロイドさんが白人警察官に首を押さえつけられて亡くなった事件を発端に、アメリカのみならず世界中で広がりを見せる、黒人に対する暴力や構造的な人種差別への抗議運動「Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター=黒人の命は大切だ)」。日本でも高い関心が寄せられている中、この度、2018年に日本公開されたドキュメンタリー映画『私はあなたのニグロではない』の緊急再上映が決定した。2017年初頭、オバマ大統領に代わりトランプ政権がスタートしたアメリカで、1本のドキュメンタリー映画が異例のヒットを記録した。アメリカ黒人文学を代表する作家、ジェームズ・ボールドウィン(1924-1987)の原作を映画化した『私はあなたのニグロではない』。本作は、黒人が奴隷として扱われていた20世紀初頭から、ボールドウィンの盟友だった公民権運動のリーダー、キング牧師やマルコムXらが登場する60年代、そして未だ差別が続く現代の「ブラック・ライブズ・マター」に至るまで、連綿と続くアメリカ人種差別と暗殺の歴史に迫ってゆく――。日本でも連日のように、世界各地で人種差別に反対する人々の姿が報道され、アメリカの音楽業界が実施したストライキ「#BlackoutTuesday(ブラックアウト・チューズデー)」に賛同したセレブたちがSNSに黒く塗られた画像を投稿するなど、いま強い関心が寄せられている中、今回の再上映が決定。差別はどうやって作られたのか。誰が差別を必要としたのか監督のラウル・ペックは、映画で語られる言葉のひとつひとつをジェームズ・ボールドウィンの本、エッセイ、インタビュー、講演など、彼が実際に発言した言葉を使って構成した。60年代と現在を交互に映し出す映像に、アメリカの現状を嘆き、鋭く批判するボールドウィンの言葉が重なり、キング牧師の暗殺から50年経ったいまでも人種差別を巡る状況が変わらないことが明るみにされる。テレビCMやハリウッド映画が大衆に刷り込む「正しく美しい」白人の姿と歪められた黒人のイメージ。証言や豊富な記録映像を交え、強制的に作られた黒人への偏見の歴史、無知や先入観が引き起こす"差別の正体"を解き明かす様は衝撃的だ。人々はどのように声を上げ、世界を変えていったのか?映画のラスト、「差別とは何か」を語るボールドウィンの、火のように熱く激しく、知性的で明瞭な名スピーチは、オバマ前大統領やマドンナらが演説で引用するなど、いまなお困難と闘う人々の心を揺るがせ、深い感銘を与えている。不寛容が広がり、分断が危険なまでに深まる時代。本作は、よりよい未来へと歩む道しるべを与えてくれる、こそ必見の映画だ。バラク・オバマ(前アメリカ合衆国大統領)ボールドウィンはこう言ったのです。「向き合っても変わらないこともある。だが向き合わずに変えることはできない」マドンナ(歌手)今すぐこの映画を観に行って!傑作。詩的。痛烈。そして刺激的!この映画に取り組んだ全ての人に感謝します。ボールドウィンに祝福を!「ニューヨーク・タイムズ」『私はあなたのニグロではない』このたった90分ほどの簡潔な映画は、10時間分のドキュメンタリーシリーズや分厚い本に匹敵するほどの知識量と衝撃を与えてくれる。『私はあなたのニグロではない』は6月12日(金)~25日(木)アップリンク吉祥寺、6月19日(金)~25(木)アップリンク京都、6月26日(金)~愛知・刈谷日劇にて再上映。(text:cinemacafe.net)
2020年06月05日2020年5月25日、アメリカのミネソタ州ミネアポリスで黒人男性のジョージ・フロイドさんが、白人警察官に首をヒザで数分間押さえ付けられ、「息ができない」と訴えた後に亡くなりました。この事件を発端に黒人への人種差別を抗議するデモが全米で広がっています。同年6月4日、ジョージ・フロイドさんの追悼式が行われ、遺族らおよそ500人が出席。人種差別や警察による暴力の根絶を訴えました。アメリカの大手メディア『ワシントン・ポスト』によると、黒人運動の指導者アル・シャープトン氏は弔辞で「私たちが望みや夢を叶えることができなかったのは、首をヒザで押さえ続けられていたからです」と語り、次のように付け加えています。彼に起こったことは、この国で生活のあらゆる分野で毎日起こっています。ジョージの名のもとに立ち上がり、「ヒザを首からはずして」という時が来ました。The Washington Postーより引用(和訳)その後、シャープトン氏は出席者に、ジョージさんを抑えつけた警察官が、彼の首にヒザをつけていた時間、黙とうをするよう求めました。8分46秒にもおよぶ沈黙の間、会場では人々の泣く声が響き渡ったといいます。この追悼式を皮切りに、全米各地で追悼のイベントが開かれ、ニューヨークではジョージさんの弟のテレンスさんがイベントに参加。テレンスさんは「抗議活動は誇りに思うけれど、破壊活動は誇りではない」と、暴力に頼らない平和的な抗議活動を行うよう訴えました。【ネットの声】・こんなに長い時間。なぜ「息ができない」という彼の声を聞き入れなかったんだ。・人種差別は絶対に許してはいけない。アメリカだけの問題じゃない。・スピーチに感動した。今こそ変化の時。もう二度と、こんな悲劇を起こしてはだめだ。この事件で浮き彫りになった人種差別は、アメリカだけに限らず、世界中で起こっている身近な問題です。理不尽な形で命が奪われることのない社会を目指して、一人ひとりが自分ごととして差別問題を考えていく必要があるでしょう。[文・構成/grape編集部]
2020年06月05日米ミネソタ州ミネアポリスで、白人警官に膝で首を押さえつけられ亡くなった黒人男性ジョージ・フロイドさんの事件を受け、人種差別抗議運動「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」がかつてない高まりを見せている。ビヨンセ、リアーナ、レディー・ガガ、アリアナ・グランデ、セレーナ・ゴメス、ビリー・アイリッシュら数多くのセレブが声を上げ、Netflix、Amazon、A24からディズニーなども次々に抗議を表明し、現地時間6月2日(火)には「#BlackOutTuesday」としてSNSが漆黒に染まるかつてない規模のムーブメントに発展。マイケル・B・ジョーダン主演『黒い司法 0%からの奇跡』が、アメリカ国内の全デジタル・プラットフォームで無料レンタル可能になるなど、エンタメ界も次々に賛同の声を上げている。6月3日、イギリス・ロンドンで行われた抗議デモには『スター・ウォーズ』シリーズの若きスター、ジョン・ボイエガの姿もあり、「今後自分のキャリアがどうなってもいい」と時に言葉を詰ませながらパワフルに訴える姿が話題となっている。ボイエガは、『ゼロ・ダーク・サーティ』のキャスリン・ビグロー監督が1967年のデトロイト暴動の中で起きた白人警官による黒人青年たちへの理不尽な暴行や殺人を描いた『デトロイト』にも出演しており、根深い人種差別への強い思いがうかがえる。これまでにも数々の映画やドラマで描かれてきた人種差別とその抗議活動。その理解の手助けになる、“いま観るべき”映画を5作品をピックアップした。『ドゥ・ザ・ライト・シング』ラブ&ヘイトが交錯するブルックリンそもそも「Black Lives Matter」と名づけられた抗議活動は、2013年フロリダ州で起こった黒人の高校生射殺事件をきっかけに生まれ、広がったもの。だが、“決して”そこが始まりではない。今回の事件で名だたるセレブたちが次々にSNSでコメントを述べる中、スパイク・リー監督は自身が初めてアカデミー賞脚本賞の候補となり、注目を集めるきっかけとなった1989年の映画『ドゥ・ザ・ライト・シング』のシーンを使用した短い動画「3 Brothers-Radio Raheem, Eric Garner And George Floyd.」をSNSにアップした(※注:当該映像には実際の事件の様子が含まれる)。“3 Brothers”の最初の人物Radio Raheem/ラジオ・ラヒームは、『ドゥ・ザ・ライト・シング』で白人警官によって警棒で窒息させられたキャラクターだ。うだるような暑さが続くブルックリンの黒人街を舞台に、リー監督自らピザ屋で働くアルバイトのムーキーを演じた本作は、住人たちの日常の姿を生々しく描きつつ、街に暮らす黒人たちとイタリア系、ヒスパニック系、韓国系それぞれに鬱屈したヘイト感情が表面化していく様もつぶさに捉えた。そのヘイトのベクトルは人種的なものだけでなく、老人や知的障がいを抱える者にも向かっていた。そしてある日、巨大なラジカセで「パブリック・エネミー」の「ファイト・ザ・パワー(権威と闘え)」を大音量で流し、アイデンティティーを主張していたラジオ・ラヒーム(ビル・ナン)が、そのピザ屋で悲劇に巻き込まれてしまう…。ヘイト渦巻く街で、サミュエル・L・ジャクソンが“愛”を語るラジオDJを演じているほか、マーティン・ローレンス、ジョン・タトゥーロ、ジャンカルロ・エスポジート、ロージー・ペレスらの若き日の姿にも注目。『ブラック・クランズマン』で第91回アカデミー賞脚色賞を受賞した際も「レッツ・ドゥ・ザ・ライト・シング!(正しいことをしよう)」と叫んでいたスパイク・リー監督。Netflixで6月12日より配信される『ザ・ファイブ・ブラッズ』では、『ブラックパンサー』のチャドウィック・ボーズマンらを迎え、ベトナム戦争の視点から人種差別を描いていく。Netflix、U-NEXTなどで配信中『ビール・ストリートの恋人たち』家族を守りたいだけなのに…『ドゥ・ザ・ライト・シング』のエンドロールは、キング牧師とマルコムXという2大活動家の言葉で幕を閉じるが、今作は、彼らと同時代の作家・詩人・活動家であるジェームズ・ボールドウィンの小説「ビール・ストリートに口あらば」をアカデミー賞受賞『ムーンライト』のバリー・ジェンキンス監督が映画化。ボールドウィンは、キング牧師とマルコムX、そしてNAACP(全米黒人地位向上協会)ミシシッピ州支部のメドガー・エバースという、いずれも暗殺された3人から人種差別を紐解いたドキュメンタリー『私はあなたのニグロではない』(サミュエル・L・ジャクソンがナレーション)の原作者でもある。今作では1970年代のニューヨーク、ハーレムが舞台。デパートの香水売り場で働く唯一の黒人女性19歳のティッシュは妊娠が分かるが、22歳の恋人ファニーは無実の罪で刑務所の中にいた。もとはといえば、ファニーがティッシュの身を守るために白人警官ベル巡査と揉めたことがきっかけ。後日、その巡査の偽りの証言により、彼がレイプ事件の犯人にされてしまったのだ。被害を訴えたシングルマザーの女性は故郷プエルトリコに帰ってしまったことから、ティッシュや家族はファニーを救うために手を尽くそうとするが…。『ムーンライト』と同じ撮影監督による映像や、音楽、オードリー・ヘプバーンを意識したというレトロファッションに包まれた恋人たちの、幸せに溢れた日々があまりにも対照的で、儚く、切ない。また、プエルトリコへ“闘い”に向かう母を演じてアカデミー賞を受賞したレジーナ・キングは、アメコミで人種問題を真っ向から描いた「ウォッチメン」の主演も記憶に新しい。ビール・ストリートとはルイジアナ州ニューオリンズにある通りで、ボールドウィンの言葉によれば、彼の父やルイ・アームストロングが生まれた「アメリカのすべての黒人の故郷」だという。このカップルだけでなく、幾多の黒人たちの歴史を見てきた象徴=ビール・ストリートに“口あらば”、いまのこの状況に何を語るだろうか。各種配信サイトにてレンタル配信中『ディア・ホワイト・ピープル』“差別などありません”を痛烈批判大ヒット作『クリード チャンプを継ぐ男』やマーベル作品『マイティ・ソー バトルロイヤル』に抜擢される以前に、テッサ・トンプソンが主演を務めた2014年の作品。その後、「親愛なる白人様」としてドラマ化もされた青春社会派コメディ。今回の事件が起きたミネアポリスに位置するミネソタ大学がロケ地となっている。アメリカ有数の名門ウィンチェスター大学(架空)は、多様性の名のもとに人種に関係なく学生寮を振り分ける試みを行っていた。「人種差別はない、あるとしてもメキシコ系」という白人の総長。そして、学生であるその息子も「今アメリカで一番苦労しているのは高学歴の白人男性だ」などと言い放つ。「親愛なる白人の皆さんへ」と学内ラジオで語りかける“サム”ことサマンサ・ホワイトは、そんな建前にツッコミを入れ、断固抗議し、ついには選挙で寮長に選ばれる。だが、それに端を発し、白人学生たちが“均質化された黒人のイメージ”を表現した仮装パーティを開催したことで、混乱が起き…。日本でも少し前に話題となった“ブラックフェイス”問題を想い起こさせるパーティは、決してフィクションではなく、その実態がエンドロールでも紹介されている。また、“スパイク・リーとオプラ(・ウィンフリー)の怒れる子どもみたい”と揶揄される主人公サムが配布する冊子のタイトルが、スティービー・ワンダーとポール・マッカートニーのコラボ曲「エボニー&アイボリー」をパロディした「エボニー&アイビー」だったり、ようやく日本公開される『ハリエット』の黒人奴隷解放者ハリエット・タブマンのことなど「白人は気にかけない」というセリフがあったりと、たっぷりの皮肉に満ちながら、黒人たちもまた様々な志向を持つことを示唆する。加えて、サンダンス映画祭やインディペンデント・スピリット賞で高い評価を受けた今作や、劇中でも言及されたタイラー・ペリーが女装する人気シリーズ『マデアおばさん』など、黒人が主人公の映画はよほどのスターでない限り日本にはなかなか上陸しない理由も思わずにはいられない。Netflixにて配信中『ブラインドスポッティング』立場によって見えるものは違うカリフォルニア州オークランドを舞台に、黒人青年のコリンと幼なじみのヒスパニック系白人のマイルズの関係を通じて、今回のように繰り返され続ける事件を描く。オークランドといえば、『ブラックパンサー』の冒頭とラストに象徴的に登場し、かつてマイケル・B・ジョーダンが主人公を演じた『フルートベール駅で』の射殺事件は目と鼻の先で起こった。この街で生まれ育った引越会社で働くコリンは、1年間の保護観察期間の残り3日間を無事に乗り切ることだけを考えていた。だがある夜、白人警官に追われた黒人男性が背後から撃たれ死亡する現場を目撃。時を同じくして相棒のマイルズは、“妻と子どもを守るため”との名目で銃を購入した。その日以来、銃撃された見ず知らずの男性のことが頭から離れなくなってしまったコリン。刑務所には二度と戻りたくないし、恋人とも仲直りしたい、人生を立て直したい彼はあと2日、1日と保護観察が終わるまで怯えながら待つことに。その一方で、急進的組織“ブラックパンサー党”結成の地としても知られる街は急速に変わりつつあり、近隣のシリコンバレーから流れる富裕層に合わせてバーガーショップがヴィーガンバーガーを売り始めたり、ブラックカルチャーに憧れる“ヨソ者”たちが増えたりすることにマイルズは苛立っており、危なっかしくて仕方がない。同じ出来事に直面しても、見えているものはそれぞれに違うことを示すタイトル「ブラインドスポッティング=盲点」のごとく、この2人の立場の違いが次第に顕在化していく。実際に高校からの友人である、コリン役ダヴィード・ディグスとマイルズ役ラファエル・カザルはさすがのコンビ力で、脚本も共に手掛けている。2人が書いたクライマックスに吐露されるコリンの心情は、いまこそ直視すべきもの。各種配信サイトにてレンタル配信中『ヘイト・ユー・ギヴ』友の死に声を上げる女子高生『フルートベール駅で』の事件をヒントした「ザ・ヘイト・ユー・ギヴ あなたがくれた憎しみ」を、『しあわせの隠れ場所』の製作陣により映画化。今作も劇場未公開作品ながら、いま改めて高い関心が寄せられている1作。主人公は私立学校に通う、スターという名の黒人の女子高生。白人のボーイフレンドや白人の友人たちの前では、地元にいるときとは別人のように振る舞っている。父は元ギャングで、スターや兄弟は白人社会を生き抜いていく術を教え込まれてきた。しかし、地元でのあるパーティの帰り、幼なじみのカリル(『デトロイト』のアルジー・スミス)に車で送り届けてもらう途中、目の前で彼が白人警官に射殺されてしまう。警察はカリルがドラッグの売人だったことを問題視し、警官の行為を正当化しようとしていた。真実の“目撃者”であるスターは、抗議活動を行うという黒人女性弁護士(イッサ・レイ)に賛同していくが…。今作でも理不尽な暴力によって植え付けられたヘイトは、その次の世代にも脈々と受け継がれてしまう負の連鎖を浮き彫りにする。とはいえ、今作が現代的なアップデートともいえるのは、ひとりの女子高生スターがその負の連鎖に待ったをかける存在となること。スターとカリル、そしてもう一人の幼なじみを繋いでいたのは、「ハリー・ポッター」というグローバルに支持された白人の文化であることも新しい。ハリーの得意技は「武器よ去れ」だ。前述のジョン・ボイエガも、スピーチで「平和的な、組織的な抗議を」と強調している。そして、カリスマ性を感じさせるスター役アマンドル・ステンバーグの好演もさることながら、ギャングのボスに扮したアンソニー・マッキーにも注目したい。マーベル作品のヒーロー、ファルコンとしてもお馴染みの彼は、ボイエガと同様『デトロイト』にも出演していた。名声を手にしてなお、彼らがこうした作品にも出演し、声を上げ続ける意義こそ“重要”なのだ。(text:Reiko Uehara)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミングビール・ストリートの恋人たち 2019年2月22日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開©2018 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.ブラインドスポッティング 2019年8月30日新宿武蔵野館、渋谷シネクイントほかにて公開©2018 OAKLAND MOVING PICTURES LLC ALL RIGHTS RESERVED
2020年06月05日ジョージ・フロイドさんの死をきっかけに世界各地で広がっている、人種差別に対する抗議デモ。水曜日(現地時間)、ロンドンのハイド・パークで行われた平和的な抗議デモに『スター・ウォーズ』のジョン・ボイエガが参加し、メガホンを持って聴衆に熱く語りかけた。「黒人の命はいつだって大切です。黒人の命はいつだって重要です。黒人の命はいつだって意味があるものなのです」と涙ながらに訴えた。「抗議デモはきちんとコントロールされていることが本当に大切で、できるかぎり平和的に行われるべき。混乱させたいという輩もいるだろうけど、今日は絶対にさせない」と主張した。「この後、自分のキャリアがどうなってしまうかわからないけれど、そんなことはどうでもいい」と言い切ったジョンの動画は瞬く間にSNSで拡散された。『スター・ウォーズ』の公式ツイッターアカウントは、「あなたを支持し、サポートします」「ジョン・ボイエガ、あなたはヒーローだ」と称えた。今年アカデミー賞で『Hair Love』で短編アニメ賞を受賞した黒人のマシュー・A・チェリー監督は、「ジョン・ボイエガと働きたいと思う。ほかの非黒人のクリエイターたちにも、ぜひ彼を支持すると表明してほしい」とツイッターで呼びかけた。これに『アス』のジョーダン・ピール監督や『スパイダーマン:スパイダーバース』のクリス・ミラー監督も賛同している。(Hiromi Kaku)
2020年06月04日5月25日、ミネソタ州ミネアポリスで黒人男性のジョージ・フロイドさんが白人警察に首を膝で押さえつけられ、窒息死した。この事件以降、全米で人種差別に対する抗議デモが拡大している。レディー・ガガ、ビヨンセなど影響力の大きいセレブが声を上げ、ライアン・レイノルズ&ブレイク・ライヴリー夫妻が全米黒人地位向上協会に20万ドルを寄付するなど、金銭的な支援を表明するセレブも少なくない。2日の火曜日には音楽業界が「仕事から離れて私たちのコミュニティーとつながろう」という趣旨のストライキ「ブラックアウト・チューズデー」キャンペーンを呼び掛け実施。賛同したリアーナやアリアナ・グランデらがSNSに「真っ黒な画面」を投稿した。映画業界は、2019年公開の『黒い司法 0%からの奇跡』をアメリカ国内で全てのデジタル・プラットフォームで無料レンタルできるようにした。同作の公式ツイッターは「私たちは物語の持つ力を信じています。『黒い司法 0%からの奇跡』は、私たちの社会を悩ます制度化された人種差別を学びたいという人たちにとって、手助けとなるはずです」とつづり、今月中は無料でレンタルできることを伝えた。同作は黒人弁護士のブライアン・スティーヴンソンが書いたノンフィクション「黒い司法-黒人死刑大国アメリカの冤罪と闘う」を映画化したもの。ブライアンが冤罪で死刑宣告を受けた黒人被告人のために奮闘するという物語で、マイケル・B・ジョーダンが主演を務めた。(Hiromi Kaku)■関連作品:黒い司法 0%からの奇跡 2020年2月28日より公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
2020年06月03日米ミネソタ州ミネアポリスでアフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイドさんが白人警官デレク・ショーヴァン(45)により殺害されてから約1週間。人種差別への抗議デモは全米に拡がり、暴動にまで発展するケースが多発している。首都ワシントンD.C.におけるデモの激化を受け、トランプ大統領は軍を派遣すると表明。まさに一触即発の状態が続いている。そんな中、ショーヴァンの妻、ケリー・メイ・ショーヴァン(44)さんが離婚を申請したことがわかった。NBC NEWSなど複数のメディアが報じている。ショーヴァンは手錠をかけたフロイドさんを地面に押し付け、ポケットに手を入れたまま膝でフロイドさんの頸部を8分以上に渡り強く圧迫。「息ができません」と何度も訴えるフロイドさんを死に至らしめ、第3級殺人罪及び、第2級過失致死罪に問われている。ミネアポリス警察は、フロイドさんの死に関わったとされる、ショーヴァンを含む4人の警察官を既に解雇。TMZによると、ケリー・メイさんは「ミセス・ミネソタ」にも選ばれた才媛で、過去には不動産業を営む実業家でもあったという。離婚申請の理由は「修復しがたい夫婦関係の破綻」とし、配偶者手当の受け取りも支払いも拒否。また、ショーヴァン姓から旧姓に戻すことも望んでいる。
2020年06月02日黒人男性ジョージ・フロイドさんが白人警察官に喉を膝で押さえつけられて死亡。この事件をきっかけに、全米で人種差別に対する抗議デモが拡大しており、多くのセレブたちもデモに参加したり、自身の意見をSNSで述べたりしている。そのうちの1人、コール・スプラウスは、サンタモニカで平和的なデモに参加したところ逮捕されたことをインスタグラムで明らかにした。警察官に退去を命じられ、応じない場合は逮捕すると言われたコール。周りの人たちが帰りだした頃に、道を遮る新たな警察官たちの列が出現し、結局逮捕されてしまったのだという。「ストレートの白人男性であり、公的な人物でもあるぼくだけど、この運動においてはだれとも変わらず、制度に基づいた結果になったよ。これはまったく作られた話じゃないんだ。メディアがでっち上げないように願うよ」とつづった。投稿した写真は「Black Lives Matter」(黒人の命は大切だ)というスローガンのもの。ジョン・キューザックは暴動によって燃やされた車を撮影していたところ、警棒を持った警察が近づいてきて「あっちへ行け。早く!」と怒鳴りつけられた。警官がジョンの自転車を強く叩く様子も映っている。ジェイミー・フォックス、ニック・キャノンらも抗議デモに参加した。(Hiromi Kaku)
2020年06月02日