現在大ヒット公開中の映画『カツベン!』の公開を記念して、テレビ朝日では12月29日(日)の深夜に、同作の周防正行監督の世界的ヒット作『Shall We ダンス?』をオンエアする。周防監督が監督、脚本を手掛け1996年に公開された本作は、日本アカデミー賞作品賞、監督賞、脚本賞など13部門を総なめにしたほか、日本のみならず世界各国で公開され、2004年にはハリウッドでリチャード・ギア主演でリメイク版も製作された日本映画界を代表する名作。真面目なごく普通のサラリーマン・杉山正平はある日、通勤電車から見かけたダンス教室の窓辺に佇む美しい女性に惹かれる。家庭にも会社にも何の不満もなかったが、どこか空しさを感じていた彼が扉をたたいたダンス教室。そこには「社交ダンス」の摩訶不思議な世界が広がっていた…という物語。主演の正平には『三度目の殺人』『孤狼の血』大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」などで常に一線で活躍し続ける役所広司。正平が惹かれる岸川舞には『舞妓はレディ』などの映画から「大恋愛~僕を忘れる君と」といったドラマまで存在感ある演技で見る者を魅了し続ける草刈民代。正平の同僚の青木富夫には『翔んで埼玉』『麻雀放浪記2020』「あなたの番です」などでインパクトのある演技をみせる竹中直人。また、正平の社交ダンスのパートナーとなる高橋豊子には渡辺えり。そのほか柄本明、原日出子、森山周一郎らが出演する。周防監督の5年ぶりとなるオリジナル作品『カツベン!』は現在全国公開中。およそ100年前、「映画(活動写真)」がまだサイレントでモノクロだった時代、楽士の奏でる音楽とともに独自のしゃべりで物語をつくりあげた活動弁士、通称“カツベン”を主人公にしたストーリー。主人公の活動弁士を夢見る青年・俊太郎に成田凌。女優を夢見る俊太郎の初恋相手、栗原梅子には黒島結菜が扮する。『Shall We ダンス?』は12月29日(日)24時15分~テレビ朝日でオンエア。(笠緒)
2019年12月29日残すところあと少しとなった’19年。5月1日に天皇陛下が即位され、元号も「平成」から「令和」へと変わり、皇室にとっても激動の1年だった。本誌が目撃した驚きのスクープから、とくに反響の大きかったものを今一度お届けしたい。スウェットパンツにカラフルなブルゾンといういでたちでステージに登場した女性ダンサーたち。軽快なHIPHOPミュージックに乗せて踊る7人の中で、ひときわキレのあるダンスを披露していたのは、秋篠宮家の次女・佳子さまだった。(以下、2019年1月15・22日号掲載記事)昨年の12月中旬、授業を終えた佳子さまは車に乗り、郊外の小さな公民館へ。佳子さまは密かに、この公民館でダンススクールのレッスンを受けていらっしゃったのだ。本誌はさらに、スクールが主催する公演のDVDを入手。’18年9月のダンス公演を収録したそのDVDには、佳子さまの意外な姿も収められていた。HIPHOPダンスのチームでは、ご公務での清楚な装いとは打って変わってストリートファッションでご登場。マイケル・ジャクソンの楽曲『ハートブレイカー』のビートに合わせて、軽快なステップを披露された。映画『グレイテスト・ショーマン』の主題歌『This Is Me』のダンスにも参加。総勢20人以上が登場するなか、佳子さまがセンターに躍り出る場面も。レースのスカートをまとい、周囲を鼓舞するように力強く踊られていた。100人以上の観客の前で合計6曲を踊られた佳子さま。フィナーレでは満面の笑みを見せられていた。佳子さまは舞台用のやや濃いメークをされていただけだったが、公演を見た女性も気づかなかったようだ。「佳子さまがいらっしゃったなんて、まったく知りませんでした。でも、たしかに7人組のチームなのに、メンバー紹介で6人しか名前がないことがありました。不思議に思いましたが、あのメンバーの1人が佳子さまだったのですね」皇室ジャーナリストも驚いた様子で語る。「6月にイギリス留学から帰国されてから公演本番まで、たったの3カ月しかありませんでした。しかも公演前日に、佳子さまは祭祀に参列されています。学業やご公務でお忙しいなか、猛練習を積まれたのです。その熱意には驚かされます」過酷な練習の証拠に、佳子さまは右足に何重にもテーピングをなさっていた。そして9月の公演を終えてからも、前述の通り佳子さまはレッスンを続けられている。紀子さまは佳子さまの今後について「大学を卒業してからは、宮中行事に出席することも多くなると思います。これからも、公的な仕事を心を込めて大切に果たしていけるように願っております」と、’18年11月の会見で話されている。「今年5月には新天皇の即位に伴い、秋篠宮家は皇嗣家となります。佳子さまがご公務で果たされる役割もより大きくなるのです。紀子さまとしては、佳子さまにも大学や研究機関といったご公務と両立可能なご就職先を望んでいらっしゃると思われます。しかし佳子さまは、ダンスを単なる趣味にとどまらず、ライフワークとして追究したいとお考えのようです」(前出・皇室ジャーナリスト)
2019年12月29日残すところあと少しとなった2019年。5月1日に天皇陛下が即位され、元号も「平成」から「令和」へと変わり、皇室にとっても激動の1年だった。本誌が目撃した驚きのスクープから、とくに反響の大きかったものを今一度お届けしたい。今年3月にICU(国際基督教大学)を卒業された佳子さま。ご公務での活躍の一方で、プライベートでのダンス活動も大きな話題を呼んだ。本誌は今年1月、いち早く佳子さまの“お忍びレッスン”を報じている。(以下、2019年1月15・22日号掲載記事)秋篠宮さまは昨年11月の会見で、当時4年生だった佳子さまについて「現在は卒業論文の作成に忙しくしているところのようです」と述べられた。しかし佳子さまには、卒論と同じくらい熱心に取り組まれていることがあった。昨年の12月中旬、授業を終えた佳子さまは車に乗り、ICUを出発された。しかし秋篠宮邸のある都心方面には戻らず、別方向へ向かったのだ。1時間ほどかけてたどり着いたのは、郊外の小さな公民館。周囲には地元署の警察官が配置についており、厳戒態勢になっている。しばらくすると小学生くらいの男の子や、女子高生が集まってきた。実はこの公民館で開かれていたのは、ダンススクールのレッスン。佳子さまは密かに、このレッスンに通っていらっしゃったのだ。午後5時ごろに到着された佳子さまは、4時間以上も練習に打ち込まれたのだった。「佳子さまは高校生のころ、同級生とチームを組み、ダンスに熱中されました。ただ、大学ではダンスサークル入会を断念され、ダンサーの夢は諦められたとばかり思っていましたが……」(皇室ジャーナリスト)紀子さまも、佳子さまの極秘レッスンをご存じだったのだろうか。皇室担当記者が語る。「佳子さまは大学に入られてからも、個人的にダンスを続けられているという噂は耳にしたことがありました。秋篠宮ご夫妻もお子さまの個性を伸ばす教育方針ですから、佳子さまの意向を了承され、警備の要請もされていたのでしょう。ただ、大学卒業を間近に控える時期まで、こんなにも熱中なさるとは予想外だったかもしれません」ICUで授業を受けられてからではなく、秋篠宮邸から往復3時間かけて公民館へ通われる日もあった。「佳子さまはイギリスのリーズ大学で、パフォーマンス・文化産業学科の講義を受けられました。この学科では、演劇やダンスの公演を共同制作する実践的な授業もあります。留学中に、佳子さまの『ダンサーになりたい』という情熱が再燃したのではないでしょうか。大学卒業後もダンスレッスンは続けられるおつもりなのでしょう」(前出・皇室担当記者)
2019年12月29日俳優の吉沢亮と女優の中村アンが27日、東京・赤坂のマイナビBLITZ赤坂で行われた「第7回 全国小・中学校リズムダンスふれあいコンクール」全国大会 中学生部門に審査員・プレゼンターとして登場した。2012年度より全国の小・中学校で必修となったダンスの授業“現代的なリズムダンス”をクラス単位で発表する同コンクール。全国大会は12月26・27日の2日間にわたって開催。27日の午前に行われた中学生部門の自由曲部門には10チームが参加した。オープニングで審査員として吉沢と中村がステージに登場すると、会場から歓声が沸き起こり、思わず2人とも笑顔に。会場後方の審査員席に移動する際にも、中学生たちから熱い視線を浴びていた。その後、1チームずつ熱いパフォーマンスを披露。三重県・津市立東橋内中学校のチーム「Let’s enjoy starting the 東中☆」のパフォーマンス後に、吉沢は「本当に素晴らしかったと思います。振り付けのキレもすごかったし、可愛らしいものからダイナミックなものまですごい振り幅もあって、空間の使い方も上手だった」と称賛し、「何よりみんなで歌詞を歌いながら踊っているのが印象的で、元気いっぱいで見ていてすごく楽しかったです」と話した。中村は、東日本大震災復興支援に対する感謝の思いを胸に踊った宮城県・仙台市立高砂中学校のチーム「Blue Soul’19」のパフォーマンス後に「みなさんが伝えたかった思いが伝わっていたと思います」と温かいコメント。「大人数ということを利用してラインがきれいだったり、すごい工夫されているなと。ずっと笑顔で踊るのは大変だと思いますが、みんな前向きで明るく、すごい元気をもらいました」と称えた。TBSでは、来年1月2日(6:00~)に『第7回 全国小・中学校リズムダンスふれあいコンクール』を放送。今年の全国大会の模様を届ける。
2019年12月27日ダンス&ボーカルグループの超特急が25日、結成8周年を記念したスペシャルライブを、大阪・此花区のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)で行った。パーク内の特設会場には、メンバーそれぞれに号車ナンバーが振り分けられていることにちなんで“8号車”と呼ばれるファン5,000人がギッシリ。大声援に迎えられて登場した5人は、最新シングル「Revival Love」をはじめ、クリスマスムードの「Sweet Bell」など13曲を全力のパフォーマンスで披露した。また、ライブ中盤には、セサミストリートやピーナッツのキャラクターがステージに登場し、人気曲の「バッタマン」で競演。あいくるしいダンスに、メンバーも「かわいい~!」とメロメロになっていた。終演後、人気キャラクターとのコラボの感想を語ったタクヤは「あまりにも振り付けが完ぺきで。サビだけ踊ってくれるのかなと思ってたら、振りを1曲全部覚えていてビックリ」とパーフェクトなダンスを絶賛。カイも「ダンススキルがすばらしい!」と舌を巻いていた。また、ユーキは結成8周年を迎えた心境を語り、「こうして8年経って、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでライブをさせてもらえるようなグループになれたことはうれしいし、すごく光栄なこと」と感慨深げ。「あと2年で10周年。すごい節目だと思うし、東京ドームでライブをやりたいという大きな夢もあるので、それを目指してがんばっていきたい」とさらなる飛躍を誓っていた。(C)2019 Peanuts(C)2019 Sesame Workshop
2019年12月25日『Shall we ダンス?』(96)や『それでもボクはやってない』(07)で知られる周防正行監督が、『舞妓はレディ』以来5年ぶりとなるオリジナル作品に挑んだ。成田凌が初主演を務める『カツベン!』は、今から100年前に映画が「活動写真」と称されていた時代、無声映画の上映中にその内容を解説しながら登場人物の声色までを演じる「活動弁士」にスポットを当てている。これまで数々のオリジナル作品を手掛けてきた周防監督は、なぜ本作を通して「活動弁士」に注目することになったのか。そこには日本古来より受け継がれている「語り」の文化が関係していた。漫画や小説をもとに実写化される「原作モノ」が全盛の中、オリジナル映画に果敢に挑んだ人々を取材する連載「オリジナル映画の担い手たち」。第11回は、周防正行監督にとって映画化の動機となっている「驚き」を掘り下げる。○■「珍プレー」「神田松之丞」にも通底する“語り”文化――片島章三さんの脚本を読んだことが、映画化のきっかけになったそうですね。『舞妓はレディ』の撮影現場で片島さんから「読んでみてください」と脚本を渡されたのがきっかけです。たぶん、僕の意見を聞きたかっただけだと思いますが(笑)。僕も、片島さんが撮るものとして、「これは面白いね」と感想を伝えて。それからしばらくしてプロデューサーから監督をお願いされたので、「片島さんさえ良ければ」を条件に受けることになりました。自分以外が書いた(脚)本で、初めて「撮りたい」と思った本でした。――これまでそういう機会はなかったのでしょうか?ありましたよ。「この本で監督してくれませんか?」ということが何度かありましたが、なぜか撮りたいという気持ちになれなかったんですよね。「周防は自分で書かないと撮らない」と思われてる節があるみたいですが、全然そんなことないんですよ。「本が面白ければ撮る」がポリシーです。――「面白い」というのは、感覚的なものなんですか?僕自身の「驚き」です。その驚きを世界中の人に伝えたいかどうか。僕の映画で、共通しているのは「驚き」がスタートです。『変態家族 兄貴の嫁さん』(84)は、小津安二郎という人への「驚き」。ワンカットだけで「これって小津さん?」と分かるような映画監督は、世界中でも稀です。ファンとして「何なんだこれは」という驚きがずっとあったので、小津さんについての映画を撮ろうと思いました。大好きな小津さんに対する驚きが始まりです。『ファンシイダンス』(89)は、昨日まで渋谷のセンター街で遊んでいたような若者が禅寺の修行で入山するという現実が実際にあるんだという「驚き」。山に入った若者たちの目は、センター街にいるた若者の目とは違うんですよね。岡野玲子さんの漫画が原作なんですが、それまでのお坊さんのイメージが変わった作品でした。『シコふんじゃった。』(92)は、その日初めて廻しを締めた大学生が、いきなり国技館の土俵に上がるという「驚き」。初めて見た学生相撲の大会で、小手投げをされまいと頑張っている学生がいました。土俵に上がるのは初めての子でしたが、なんと骨折してしまって! 土俵下にいた関係者が「あっ、折れたな……」とつぶやいたんですよ。「なんだこの世界は!」「強豪校ではない学生たちは、こういう相撲を取ってたのか!」という驚きがありました。『Shall we ダンス?』(96)は、本当に映画の主人公のように駅からふと見上げた雑居ビルの窓に「ダンス教室 見学自由」と書いてあって。「そういえば、雑居ビルのダンス教室ってよく見るよなぁ。だけど、そこに通っている人を一人も知らない」と気づいたんです。そんな世間話をしていた時、東宝の方が「一度、東宝ダンスホールに見に来ませんか?」と誘ってくださって。仕事帰りのサラリーマンと思しき人がそそくさと更衣室に消えて出てくると、ピンと背筋を伸ばして、まるで外国人のように女性をエスコートしながら優雅に踊り始めるんです。取材をすると、あのダンス教室の向こうには、ボールルームダンスの聖地、イギリスのブラックプールがあるんだと知り、驚きました。刑事裁判がテーマの『それでもボクはやってない』(07)は、「刑事裁判ってこんなことになっているのか」「嘘だろ?」という衝撃。証拠は全部見ることはできないとか、もう驚きの連続でした。たぶんみんなも知らないことだろうから、映画にしてみんなに知ってほしいという思いがありました。――今回は、活動弁士に驚かれたわけですね。片島さんの本を読んで、僕は活動弁士を無視していたことに気づきました。学生の頃にサイレント映画をよく観ていたんですが、サイレント映画は「サイレント」で観るのが正しい観方だと思っていました。サイレントで観ない限り、その監督の意図は分からないと。以来、活動弁士や生演奏の存在を無視して生きてきました。でも、片島さんの本を読んで、はたと気づくわけです。明治、大正、昭和を通して、サイレント映画をサイレントのまま観ていた人はこの世にいなかった。洋画でいえば、例えばアメリカには音楽の生演奏があったので、やっぱりサイレントではないんですよね。日本ではそこに活動弁士の語りが入る。当時の日本の映画監督は、生演奏や誰がやるか分からない語りを想定して撮っていたという事実に気づかされました。活動弁士を知らなければ、日本映画を観てきたとは言えないのではないか。日本映画の初期、サイレント映画時代を支えたのは間違いなく活動弁士でした。ちなみに、黒澤明監督のお兄さんも活動弁士です。ポール・アンドラさんの著書(『黒澤明の羅生門 :フィルムに籠めた告白と鎮魂』)には、黒澤監督が活動弁士であるお兄さんの影響を受けたことが書かれています。小津安二郎も溝口健二も、どの活動弁士に語られるか分からないことを踏まえて撮っていたんです。稲垣浩監督は当初、「監督になってみると、活動弁士がこれほど邪魔な存在だと思わなかった」と言っていたそうですが、トーキー(発声映画)の時代になると、自分が書くセリフがどれほど活動弁士から影響を受けているかを痛感したそうです。初期の日本映画の監督はそれぞれ違った形で活動弁士に影響を受けたので、それが後の日本映画のスタイルにも大きな影響を与えたのではないか。それがこの映画を撮ってみて、あらためて分かりました。ヨーロッパやアメリカでも、最初の頃はスクリーンの前に人が立って、映画の説明をしていた時期があったそうです。でも職業として確立することなく、字幕と音楽だけで上映されるようになりますが、日本はトーキー全盛になるまで活動弁士がいて発展していきました。世界でも本当に珍しい映画史です。「物語」という言葉からも分かるように、日本人は語りでストーリーを楽しむ人種とも言えると思います。――最近では、講談師の神田松之丞さんや応援上映などが人気なのも、こうした日本人の感性に響いているからでしょうか?日本の「語り芸」の文化を強く感じます。例えば、これは活動弁士ではなくて「語り芸文化」の影響だと思いますが、古舘伊知郎さんのプロレス実況はまさに現代の活動弁士。それから、みのもんたさんの『珍プレー好プレー』のアテレコも。浄瑠璃、能や歌舞伎も「語り」によって人々に受け入れられてきたところがあります。『平家物語』を語る琵琶法師。講談、落語、浪曲、紙芝居……全部「語り」なんですよね。日本にはそうした豊かな「語りの文化」があって、それが活動弁士を生み出した。声色弁士という仕事もあって、スクリーンの横に複数人立って登場人物のキャラクターに合わせて声を演じていました。それはまさにアニメーションのアテレコ。今の声優さんの人気は、実は日本特有の語りの文化の影響を強く受けているからかもしれません。脈々と受け継がれている語りの文化が、今は神田松之丞さんに光が当たっています。そう考えると、日本の語りの文化が腑に落ちるというか。この映画は、語りについての作品なんです。――今回の『カツベン!』は、前作『舞妓はレディ』(14)後にすぐ製作に入ったのでしょうか?いえ。『舞妓はレディ』の後に2年間、別企画の準備を進めていたのですが、流れてしまいました。準備期間は作品やテーマによって違いますが、『Shall we ダンス?』は1年、『それでもボクはやってない』は多くの取材が必要だったので3年ほどかかりました。今回は、活動弁士の語りで映画を観た経験が少なかったので、とにかく活弁付きの無声映画作品を観ることから始めました。○■原作は映画の出来を保証するものではない――周防監督は本作含め、数多くのオリジナル作品を手掛けてこられました。オリジナル作品とは、監督にとってどういう位置付けですか?なるべく、「オリジナルで作りたい」という思いはあります。原作モノがあまりにも多いのは、お金を出しやすいからでしょうか。出資者側の事情もよく分かるんですよ。僕が一般劇場用映画で最初に撮った『ファンシイダンス』は原作漫画がありました。出資者は、どんな映画になるのか、原作があると予測しやすいわけです。「こういうものができるんだ」と想像がつく。『シコふんじゃった。』はオリジナルだったんですが、立教大学はどんな映画になるか不安があったのか、キャンパスを貸してくれませんでした。出資者の判断や撮影許可が取りやすいのが、原作モノの大きなメリットです。でも、そうなると原作モノしかこの世になくなってしまいます。だからこそ、オリジナルを作れる人は、積極的に作るべきです。漫画家は、「漫画として面白いものを」という発想のもと描いています。原作モノは、どんな映画になるのかある程度想像できるので、一定の安心材料にはなりますが、映画の出来を保証するものではありません。だから、オリジナルにお金を出すのも、原作モノにお金を出すのも実は同じなんです。そう思ってもらいたいから、オリジナルで撮れる人……つまり、それだけの説得力を持っている監督はできるだけオリジナルで撮ってほしいと思っています。――監督もその一人ですね。まぁ、今回はお金を出してくれましたからね(笑)。『それでもボクはやってない』なんて、『Shall we ダンス?』があったから撮らせてくれたと思うんですよ。脚本渡してるのに、「とはいえ、監督だからどこかで笑わせてくれるんだろう」とOKする方もいたみたいで。全然、そんなことないんですけど(笑)。シナリオはこうですと伝わっているはずなのに、みんな僕の過去作品にとらわれてしまう。――ということは、『Shall we ダンス?』までが大変だったということですか。そうですね。『シコふんじゃった。』や『Shall we ダンス?』の企画を通す時、「誰がこんなの観るの?」と散々言われましたからね。『シコふんじゃった。』なんて、スタッフも口にするのが恥ずかしそうでしたし(笑)。ある人からは、「ウンコふんじゃった? そんなの受けられない」と断られたこともありました。『Shall we ダンス?』がヒットしたおかげで、その後の話しは通しやすくなりましたよ。出資する側は、何かしらの保険が欲しいんですよね。■プロフィール周防正行1956年10月29日生まれ。東京都出身。1989年、本木雅弘主演の『ファンシイダンス』で一般映画監督デビュー。本木との再タッグとなる1992年公開『シコふんじゃった。』では、第16回日本アカデミー賞最優秀作品賞をはじめ、数々の映画賞を受賞し、1996年公開の『Shall we ダンス?』では、第20回日本アカデミー賞13部門を独占。その後も、『それでもボクはやってない』(07)、『ダンシング・チャップリン』(11)、『終の信託』(12)、『舞妓はレディ』(14)などの話題作を手掛けている。
2019年12月21日12月13日(金)、東京国際フォーラム・ホールCにてミュージカル『サタデー・ナイト・フィーバー』の日本公演が遂に開幕!直前に行われたゲネプロのカーテンコールには、公式サポーターのDJ KOOとアン ミカも登場。主演のリチャード・ウィンザー、ヒロインのオリヴィア・ファインズらに混ざって、観劇の興奮を熱いダンスで爆発させた。ミュージカル「サタデー・ナイト・フィーバー」 のチケット情報公演後の記者会見に現れたDJ KOOは「いや~、もう踊っちゃったよ」と照れくさそうにポロリ。アン ミカも「あぁ~、すごい経験させていただいた~」とため息交じりで心境を語った。さて、改めてミュージカル『サタデー・ナイト・フィーバー』とは、70年代にディスコブームを巻き起こした同名映画のミュージカル版。今回上演されるのは、2018年に開幕した英国ツアーからの流れで初上陸した最新版だ。主演のトニー・マネロ役にはマシュー・ボーン版『白鳥の湖』で主演を果たしたリチャード・ウィンザー。ヒロインのステファニー役には、舞台『雨に唄えば』で注目のオリヴィア・ファインズが務める。熱気あふれるダンスシーンをふんだんに盛り込んだ第一幕。ドラマティックな展開にホロリと胸がうずく第2幕。どちらも映画の名シーンを忠実に再現してあり、サポーターの両名も感動と興奮をあらわに。カーテンコールでは観客も一緒にディスコダンスを踊れるというイキな計らいに乗っかって、ふたりも熱いダンスを披露したというわけだ。「もうね、興奮がそのままカーテンコールで出ちゃったよ。見てて踊りたくなるし、自然に体が動いちゃうもん」(DJ KOO)「手をグルグル回したりだとかお子さんもできる踊りなので、みんなで踊って欲しいですね!」(アン ミカ)内容に関しても絶賛が止まらない。「映画をリアルタイムで観た世代にとっては忠実さに感動。シリアスな場面、身近な生活の場面、非日常的なことも含めて、生で観られたのが嬉しい!」(DJ KOO)「贅沢ですよね~! 目の前で観たことで、日本でもアメリカでも悩んでいることは同じなんだと実感しました。職場の問題、地域格差、青年の葛藤とか。その中にディスコという存在があって、自分の居場所があるという話は時代を超えて共感できます!」(アン ミカ)最後にふたりは、家族とのプライベート観劇の予定があることも打ち明けた。公演は12月29日(日)まで。チケットは発売中。取材・文:浅水 美保
2019年12月16日学ラン姿でコンテンポラリーダンスや楽器演奏、コント、人形劇などを展開するダンス集団のコンドルズが、コンドルズ大阪限定 クリスマス会×忘年会公演2019『SMILE』を開催する。主宰の近藤良平に話を聞いた。コンドルズ大阪限定 クリスマス会×忘年会公演2019「SMILE」チケット情報結成23年を迎えた今、メンバーは30代から50代までの19人。昨年から、スピーディーでキレのある若手ダンサーを前に出した踊りが多くなってきた。世代交代に一抹の寂しさを感じないかと聞くと、「まったくないですね(笑)。僕も50代だけど、おじさんメンバーが出るときには『一丁やってやるか』と、若手に負けじとする気合が入るんです。長年のメンバーでダラダラとなりかけた時期もあったけど、若手を活躍させると全体が締まってきた。おじさんたちは物忘れが多くなってきたけど(笑)、相互作用で頑張っています」と飄々と語る。近藤ら本職のダンサー以外は、会社の社長やバーのマスターなど個性派が揃う。「先月の兵庫公演では、鎌倉道彦君がふんどし一丁になって、ダンスを交えて神戸タワーに行くシーンがあったんですが、今回はその“超大阪版”をやります(笑)」。また、個性的な風貌ながら実は大学の准教授で、その摩訶不思議なダンスで観客の笑いを誘う石渕聡が中心となるダンスを構成中で、稽古場では「石渕さんを若者が支えまくっている状態(笑)」だという。さらに、体重120キロの巨漢をいかしたオクダサトシの踊りも面白い。「世界各国を回っていて、どの国でもオクダさんは大人気でズルいんですよ(笑)。でも、南アフリカだけは彼よりもふくよかな女性が多くて、あまりウケなかった(笑)」。そんな濃い面々がコンドルズを支えてきた。人形劇や映像など笑えるシーンが多いが、ほかのダンスはもちろん、近藤が最後に見せるソロも格好よくて圧巻。「19年前のニューヨーク公演で初めてソロを踊った時に、『いろんなことをやっても、君のソロでコンドルズのやりたいことがまとまる。絶対にソロはやったほうがいい』と現地のプロデューサーに言われたのが始まりです」。静寂に包まれ、近藤の吐く息や身体を動かす音が場を支配する。「武士が全員、刀に手をかけているけれど誰も動かないみたいな、緊張した研ぎ澄まされた瞬間。僕にとっても贅沢な時間です」。今年で18回目を迎える年末の大阪公演。「毎年、大阪で踊り納めができるのは本当にうれしい。メンバーによる恒例の大喜利もやりますし、タイトル通り、笑顔の未来へという意味を込めたい」。それぞれが好きなことをして生き、踊り続けるコンドルズ。その捉われない自由な姿はうらやましくすらある。年末は彼らと共に楽しい締め括りを。コンドルズ大阪限定 クリスマス会×忘年会公演2019『SMILE』は、12月21日(土)・22日(日)、グランフロント大阪 北館4階 ナレッジシアターにて上演。チケット発売中。取材・文:米満ゆうこ
2019年12月16日芸能界には「歩くパワースポット」と呼ばれる湘南乃風 SHOCK EYEさんがいますが、みなさんの身近にも、周りに幸せをもたらす「存在自体がパワースポットのような人」っていたりしませんか?今回、そういう人物のエピソードを集めたところ、そのパワーは思っていたより強力らしいことが判明。なぜか本人はしばらくご縁に恵まれていないという共通点も気になるところです。■恋愛を成就させる友人A子さん(29歳・広告)は、地元に住む高校時代の友達から何度もご利益を受けているそう。「1回目は彼女が東京へ遊びに来たときのことです。縁結びで有名な神社に参拝したいというので、ついて行きました」当時、彼氏がいたA子さんは特別お願いすることもないと、少しのお賽銭で軽く手を合わせた程度。一方、友達はお守りやおみくじまで購入していたとか。「ところが、その翌日、突然彼にフラれたんです。付き合い始めて間もない時期だったけど、確かに私も合わない気がしていたので、どこかスッキリした気持ちになれたのを覚えています」悪縁を断ち切ってくれた友達は、A子さんにさらなる幸運をもたらしました。「2回目も彼女が東京に遊びに来たときに起こりました。私は日中仕事、彼女はこれまた恋愛成就で有名な神社へ。夜は合流して、他の友達主催の飲み会に参加する予定でした」飲み会の前に落ち合ったカフェで、お守りをもらったA子さん。そして、その後の飲み会でA子さんは今の旦那さまと知り合うのです!「飲み会で話が弾んで、次の日に2対2で食事に行くことになりました。ゆっくり話してみて、ますます彼に魅力を感じ、その後トントン拍子で結婚!完全に彼女のおかげだと思っています」そのお友達は今も婚活中なのだそう。いいご縁がありますように!■生徒の恋愛運を上げるダンス講師B子さん(38歳・ベリーダンス講師)はいつの間にか “パワースポット”というあだ名がついたのだそう。というのも、「私のスタジオに通う生徒さんたち、続々と恋人ができるんです」通い始めて3ヶ月もすれば、みんな目に見えて垢抜けるとのこと。さらに、半年経つ頃には2人に1人の確率で交際の報告を受けるというB子さん。おかげでスタジオには生徒たちからのお礼の品や、彼との旅行のお土産が絶えないのだとか。「話を聞くたびに“どうしてあなたたちに恋人ができて私にはできないのっ?”と冗談まじりに嘆くのですが、あまりにそのパターンが続くから、自分の恋愛運をばらまいてしまってるようで不安になってきました……」B子さんの気持ちもわかる気がしますが、それだけ魅力を引き出してくれるということの証明かもしれませんね!■大人気のあの人も!共演者が続々と結婚することから、「櫻井神社」と呼ばれているのが嵐の櫻井翔さん。メンバーの二宮和也さんもつい先日、結婚を発表しましたね。これまでには桐谷美玲さんや堀北真希さん、また最近話題になった、壇蜜さんと漫画家の清野とおるさんご夫婦は、櫻井さんが司会を務める番組が出会いの場だったみたいです…確かにすごいパワー。ちなみに、大阪府堺市、福岡県糸島市に同名の神社があるそうですよ!ご利益があるかも?■パワースポットな女たちに幸あれ!一緒にいるだけで運気が上がるってすごいですよね。不思議なエピソードに筆者も驚きました。周りの女性たちを幸せにしている分、本人たちにも大きな幸せがもたらされますように!
2019年12月14日5人組音楽グループ・BILLIE IDLEのメンバーでタレントのファーストサマーウイカとシンガーソングライターの岡崎体育が13日、都内で行われた映画『ジュマンジ/ネクスト・レベル』の初日舞台挨拶に登場した。本作は、『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』の続編。ゲームの中へ戻ってしまった主人公スペンサーを連れ戻すために、大学生になったおなじみのメンバー、マーサ、フリッジ、ベサニーが、呪われたゲーム“ジュマンジ”の世界で大胆な救出作戦に挑む。主人公のスペンサーがゲームの中で入れ替わるキャラクターのミン・フリートフット役で声優に初挑戦したファーストサマーウイカは、「今日はもう感極まりまして、ミン・フリートフットのコスプレでやって参りました!」とあいさつ。先日開催されたLAプレミアでキャスト陣と対面したことも報告し、「みなさん優しく接してくれて、温かく迎えてくださって。あとみなさん、すごくいい匂いがする!」と伝えた。日本語吹替版の主題歌「Merry Merry Christmas Night」を歌う岡崎体育は、「公開の時期がクリスマスに近いということで、クリスマス気分を味わってもらえたらなと思いまして、あと主人公がちょっとさえない男の子ということで、さえないタイプのクリスマスを曲にしてみようと思って書いた曲です」と説明。ファーストサマーウイカは、「今までの岡崎体育さんのイメージとは違ってぐっとくる。うるっときてしまう。とってもエンディングとマッチしている」と絶賛し、「最後まで絶対に帰らないで見ないといけないですよ!」と観客に呼びかけた。そして、岡崎体育が主題歌をサプライズ生披露。ファーストサマーウイカも岡崎の生歌を楽しみながら、TIKTOKで挑戦した“指ダンス”を交えてノリノリで踊り、「楽しいですね」と大満足。2人のコラボレーションに観客からも拍手が送られた。
2019年12月13日『Shall we ダンス?』『それでもボクはやってない』『舞妓はレディ』などの周防正行監督による最新作、『カツベン!』が本日より公開。映画がサイレントだった時代を舞台に、一流活動弁士になることを夢見る青年を主人公としたドタバタコメディだ。活動弁士とは、今からおよそ100年前、“映画(活動写真)”がまだサイレントでモノクロだった頃に活躍した職業。日本では楽士の奏でる音楽と共に独自の“しゃべり”で物語を作り上げ、観客たちを映画の世界に誘い、そして、熱狂させていたのだ。通称“活弁(カツベン)”と呼ばれ、現在のようなトーキー(発声映画)が主流となると、衰退の一途を辿ることになってしまった職業でもある。現在でも、この活動弁士を迎えた“活弁上映”がいくつかの映画館で行われ、通常の映画体験とはまた異なる映画体験を求め、多くの観客たちが詰めかけている、日本特有の貴重な映画文化だ。本作の舞台となるのは、この活動弁士が人気職業であった頃。活動弁士を夢見る俊太郎は、小さな町の映画館・青木館に流れ着く。隣町にあるライバル館に人材も取られた青木館に残っているのは、人使いの荒い館主夫婦や、自意識過剰な弁士、さらには飲んだくれの弁士に、気難しい映写技師など、あまりにクセの強すぎる面々。そんな青木館で雑用に身を粉にする俊太郎の前に、初恋の相手や、大金を狙う泥棒、泥棒と“ニセ活動弁士”を追う警察などが入り乱れ、大騒動に発展していく。本作で一流の活動弁士を夢見る青年の俊太郎役を演じるのは、出演作の絶えない成田凌。出演作が立て続けに公開される彼が、満を持して本作で初主演を務めている。さらに、“カツベン”を実際にも披露。一度でも活弁上映を体験したことがある方ならば、成田の語りの巧さと表現力の高さに、思わず唸ってしまうことは間違いない。そんな成田演じる俊太郎の初恋の相手役に扮するのは黒島結菜だ。クラシックな佇まいと柔らかな声とで、周防監督作品の新たなヒロイン像を体現している。さらに永瀬正敏、高良健吾、井上真央、音尾琢真、竹野内豊といった豪華な面々が集結。もちろん、竹中直人、渡辺えり、小日向文世をはじめとする、周防監督作品お馴染みのキャストも登場。彼らがあまりにクセの強すぎるキャラクターたちを好演し、観客を笑いの渦に巻き込んでくれる。本作を観た方は、日本映画の黎明期に思いを馳せ、目頭が熱くなること必至だろう。“活弁上映”が注目され、大きく盛り上がることとなれば、これほど嬉しいことはない。未体験の方はまずこの『カツベン!』で、新たな映画体験を楽しんで欲しい。『カツベン!』本日より公開※青木館の「青」は正式には旧字体の「青」
2019年12月13日Mr.Childrenや桑田佳祐(63)のコンサートや、ジャニーズの舞台の振付などでも活躍してきたダンサーで振付師の川崎悦子さん(63)。彼女が世に知られるようになったきっかけは、哀川翔(58)や柳葉敏郎(58)らを輩出した一世風靡セピアのダンスだった。だが、その裏には知られざるドラマがあったーー。「歌って、踊って、演じる。ミュージカルざんまいで過ごせたら、最高だと思いました」高校時代、テレビでミュージカル『雨に唄えば』を見てそう思った川崎さん。女優になりたいという強い意志と夢が生まれた。その思いを胸に、オーディションを受けまくっていた頃。「受かる秘訣は特技だよ」とアドバイスをもらった。幼少期からやっていたバレエのおかげで、得意だったダンスを磨こうと訪ねたスタジオで『ウチで教えない?』と逆スカウトされたという。夢を追いかけて三畳一間の生活を送っていた20代の川崎さんにとって、ダンス講師の仕事は1つの収入源となった。そんなときだった。ダンス仲間のひとりが『役者の集団が振付師を探しているんだけど、見に行かない?』と、誘ってくれたのだ。団地の集会所で稽古しているという。最寄り駅まで迎えにきてくれた男性は、アロハシャツに髪はアフロ。ヤンキーにしか見えない。「第一印象は『この人たち、汚い』だったんです(笑)。でも彼らの芝居を見た瞬間、『面白い、吸収したい』って直感しました」それが、劇男一世風靡の前身、「劇男零心会」だった。川崎さんに託されたのは、強面の男たちへのダンス指導だ。だが、全員がダンスを踊ることに納得していた訳ではなく、稽古の途中で椅子を蹴るなどの妨害をしてきたメンバーもいたという。川崎さんはそんな“不良たち”が輝ける振付を考えた。メンチを切ったり不良のポーズを入れ込むなど、彼らが輝ける振付を考えたのだ。今でも川崎さんを「先生」と呼ぶ哀川翔は、こう振り返る。「先生は、俺らが何が嫌なのかをいつも考えてくれました。すごく熱くて、覇気がある。この人にぶつけると、形になって返ってくる。指導者としての確固たる存在感があったからこそ、俺らも信頼するようになったのです」その後、選抜メンバーは一世風靡セピアとして『前略、道の上より』でシングルデビュー。一気に有名になっていった彼らと対照的に、当時の川崎さんはノーギャラ。しかも、スタッフによって、彼女の存在は隠されたという。「毎日のようにお稽古に通うのが楽しくて、お金をもらおうという発想がそもそもなかったんです。でも影どころか、形も無いような扱いは屈辱だった。はしごを外されたような気がしました」一世風靡は、素人の男たちがどこからともなく集まって週に一度路上パフォーマンスをするというコンセプト。「プロのダンサーで、女性の私の存在は、違和感となったんでしょう」と川崎さんは振り返る。これまで「川崎先生」と呼んでいたスタッフが「川崎さん」と呼び方を改め、取材時には席をはずすよう促される。そんな扱いを受け、川崎さんは一世風靡から離れたーー。すると、メンバーから電話が入ったのだ。「もう失礼なことは俺たちがさせないから、これからも振付をやってもらえないかな」彼らは『先生が辞めたら僕らも辞めます』という内容の文章にそれぞれの名前とハンコを押した、まるで小学生の作文のような手紙を持ってきたという。一世風靡メンバーから手紙をもらったとき、少しぶっきらぼうに「じゃあ、やってもいいけど」と応じた。けれど内心では、踊り出しそうなほどに嬉しかった。この騒動の後から、仕事に応じて振付料が支払われていくように。一世風靡セピアの振付がきっかけで、広く知られるようになった川崎さん。大好きだった演劇の世界からもオファーが殺到するように。さらに“武富士ダンス”をはじめとするCMや、「ドラマ女王の教室」でのエンディングのダンスなど、ジャンルを選ばず、幅広い世界で活躍する日本を代表する振付師として知られるようになった。それでも、戦友である一世風靡セピアの元メンバーたちは特別だ。いまも集えば、昔話に花を咲かせる仲だという。
2019年12月09日今年4月、新橋演舞場で『滝沢歌舞伎ZERO』の最終通し稽古が行われていた。舞台に立つジャニーズJr.のダンスを、プロデューサーの滝沢秀明(37)とともに真剣な眼差しで見つめるのは、振付師でダンサー、舞台演出も手がける川崎悦子さん(63)だ。ジャニーズ事務所の仕事を、20年近くも手がけている。稽古が白熱してきたころ、ふらっと小柄な男性が入ってきた。生前のジャニー喜多川(享年87)さんだった。振付師が職業として認知されていなかった時代から活躍してきた川崎さん。一世風靡セピアのダンスでスターダムに駆け上がり、Mr.Childrenや渡辺美里(53)、桑田佳祐(63)などのコンサートの振付や、多くの舞台、ドラマでのダンスの振付を担当してきたプロフェッショナル。それでも、ジャニーズという“大ブランド”での振付は大きなプレッシャーになるという。「新しい振付をジャニーさんに披露するときは毎回ドキドキ。反応がすごく気になるんです」ジャニーさんの姿に気が付いた川崎さん。会うのが久しぶりだったため、「覚えていらっしゃいますか?川崎悦子です」と冗談交じりに挨拶をすると、ジャニーさんは「おーっ!えっちゃん!」と声を弾ませた。「すごくお元気だったんです。その日ジャニーさんは、演出サポートをしている先生と別の作品の打ち合わせもされていたのですが、私にも『えっちゃんも、そう思うだろう?』って、意見を求められて……」担当外の作品に首をつっこむのがはばかられ答えに窮していると、ジャニーさんは優しい眼差しで彼女を見つめ、そっと言った。「えっちゃんの振りは、いつ見ても、本当に男っぽくてかっこいいよね」川崎さんの背骨に電気が走った。「ジャニーさんには、『すごくいいよ』と言われたことはありましたが、こんなにハッキリ褒められたのはあの時が初めてで……」振付師という仕事の先駆者として、活躍の場を自ら開拓していった川崎さん。そんな彼女にとっても、稀代のプロデューサーからの褒め言葉は特別なもので、大きな自信を与えたのだ。ジャニーさんが倒れたのは、その2カ月ほど後のこと。7月9日に逝去したジャニーさんから、もう、「えっちゃん」と呼ばれることはない。手放しの賛辞が川崎さんへの遺言となった。「最後に大きな勲章を贈っていただいたように思っています」そう話す川崎さんの目元には、光るものがあった。ジャニーさん亡きあとの舞台『DREAM BOYS』の振付にも関わった川崎さん。演出に携わった堂本光一(40)とはこんなやり取りがあったという。「光一くんは、過去の上映映像を見て、一部、振付を変更したかったようでした。そのシーンは、ジャニーさんのオーダーで作って、すごく気に入ってくださった部分。そのことを彼に伝え『ここを生かしてここを変えよう』と、やりとりを重ね、アレンジしました」偉大な先人が残した作品に、若い世代が新たな発想を加えて、次の世代に残していく。生き物のように進化する表現の世界に、川崎さんは身を置き続けているーー。
2019年12月09日伊藤万理華の展覧会「伊藤万理華EXHIBITION “HOMESICK”」が、東京・渋谷パルコ、大阪・梅田ロフト、愛知・名古屋パルコで開催。渋谷パルコは2020年1月24日(金)から2月11日(火・祝)まで、梅田ロフトは2月28日(金)から3月17日(火)まで、名古屋パルコは3月31日(火)から4月19日(日)までの期間で開催される。元乃木坂46・伊藤万理華の展覧会が再び人気アイドルグループ乃木坂46の卒業生であり、ファッションやアートにとどまらず、鉱物や苔までをも愛する独自の世界観から、現代のカルチャーアイコンの一人として注目を集めている伊藤万理華。2017年にはその“脳内”に迫る初の展覧会「伊藤万理華の脳内博覧会」が渋谷・福岡・京都の全国3箇所で開催され、累計3万人以上を動員。特に初開催地の渋谷では、展示ギャラリーに入りきれない観客が日に日に増えるという人気ぶりを見せていた。4人のクリエイターとコラボ、写真・漫画・映像・ファッション&ダンスを展示今回の展覧会では、彼女のクリエイター・キュレーターとしての観点に着目し、4人のクリエイターおよび3つのブランドとコラボレーション。彼らと共に製作した作品を会場に展示する。展示エリアは、写真家・前康輔が伊藤万理華のファッションとプライベートを映し出す「写真ゾーン」、漫画家・椎名うみが本展のために描き下ろした短編新作を展示する「漫画ゾーン」、その漫画をベースに監督・柳沢翔が撮影したショートムービーを上映する「ショートムービーゾーン」、振付師・菅尾なぎさが制作した伊藤万理華のファッション×ダンスの映像を衣装と共に披露する「ファッション×ダンスゾーン」の4つ。「ファッション×ダンスゾーン」では、振付師・菅尾なぎさだけではなく、ボディソング(bodysong.)、パーミニット(PERMINUTE)、Tanaka Daisukeの3ブランドとコラボレーション。これに伊藤の母との共作を加えた4つのオートクチュール衣装が映像内で着用されており、会場でも映像と合わせて展示される。ZINEやアパレルグッズなど記念商品も発売また、会場では自身がディレクションに関わったZINEを販売。ZINEにはオートクチュールの衣装や自宅で撮影したフォトグラフィックなど、ファッションとプライベートの魅力を掛け合わせた写真や、椎名うみの新作書き下ろし漫画『おかえり』を収録する。なお、スペシャルエディションにはステッカー・ポスター・パラパラブックの3点を同封する。その他にも、アパレルグッズ、ポストカードといった展覧会記念グッズも発売予定。アパレルグッズでは、ロゴやグラフィックTシャツ、フーディーほかトートバッグなどをラインナップする。ボディソングとのコラボレーショングッズは、タイダイスウェット、ジャガードハット、ジャガードサコッシュ、ソックスを展開。いずれも本展でしか手に入れることの出来ないスペシャルなアイテムとなっている。開催概要展覧会「伊藤万理華EXHIBITION “HOMESICK”」■大阪会場開催期間:2020年2月28日(金)~3月17日(火)開催時間:11:00~21:00会場:梅田ロフト 4階 イベントスペース住所:大阪府大阪市北区茶屋町16-7入場料:一般 500円(税込)■名古屋会場開催期間:3月31日(火)~4月19日(日)開催時間:10:00~21:00会場:名古屋パルコ 東館 地下1階 イベントスペース住所:愛知県名古屋市中区栄3-29-1入場料:一般 500円(税込)■東京会場(終了)開催期間:1月24日(金)〜2月11日(火・祝)開催時間:11:00〜21:00会場:渋谷パルコ 地下1階「GALLERY X」住所:東京都渋谷区宇田川町15-1入場料:一般 500円※いずれの会場も最終日は18:00閉場。入場は閉場の30分前まで<グッズ価格例>・展覧会記念商品Tシャツ 4,200円+税、ロングスリーブTシャツ 6,000円+税、フーディー 8,800円+税、巾着 1,000円、トートバッグ 2,000円+税、椎名うみコラボトートバッグ 1,500円+税、ピンバッジセット(3個入) 1,800円+税、ポストカードセット(5枚入) 1,000円+税、ZINE ノーマルエディション 1,500円+税/スペシャルエディション 3,500円+税・ボディソング×マリカイトウタイダイスウェット 20,000円+税、ジャガードハット 12,000円+税、ジャガードサコッシュ 12,000円+税、ソックス 2,700円+税
2019年12月08日ゆっくりとしなやかな動作で体幹を鍛える太極拳は、血の巡りを促しつつ代謝も上げる効果が。深い呼吸をしながら行う軸のぶれない体づくりに、ダンスに定評のある欅坂46の齋藤冬優花さんと武元唯衣さんが挑戦!じわじわと温まるボディワーク、太極拳とは?古来、中国に伝わる武術の一つとして知られる太極拳。ゆっくりとした動きが特徴ながら、実は、体を温めるエッセンスが満載!「太極拳をする時は、東洋医学で体の中心といわれる、おへその下にある丹田というツボを意識し、逆腹式呼吸(※)を続けながら行うことが大切です。深い呼吸をし、体幹を鍛えることにより、代謝が上がります。また、手足をゆっくりと大きく動かすことで、寒くて縮こまっていた体が伸び、巡りがよくなりますよ」(「タイチスタジオ」講師・劉燕さん)※ 吸う時にお腹がへこみ、吐く時に膨らむ呼吸。挑戦したのは、「末端冷え症が悩み。寝起きのエクササイズと湯船に浸かることが欠かせません」と言う齋藤冬優花さんと、「脚のマッサージをして体を温めます」と話す武元唯衣さん。初めての太極拳は、「すごく難しかった!絶妙な肘の曲げ方や手首の角度とか、いろいろ意識するのが大変」(武元さん)と慣れない動きに戸惑いながらも、真剣に、楽しく挑んだ。終わった後には、「体がポカポカ!ポーズを覚えたので、家でもやりたいです」(齋藤さん)と、効果を実感できたよう。ふたりの動きを参考に、トライ!双手托天理三焦(ソウシュタクテンリサンショウ)中国で800年余りの歴史を持つ、ストレッチ要素の強い太極拳として知られる「八段錦」の一つ。まずは、心と体の緊張を解き、体のバランスを整えて集中力を高める「起勢(チーシー)」からスタートを。「双手托天理三焦」は、組んだ両腕を上方向に伸ばし、下ろす時にしっかりと横へ伸ばすところがポイントに。肩甲骨をしっかりと動かすことで代謝がアップし、さらに、リンパの巡りをよくし、免疫力を高める効果も期待できるという。まずは起勢をマスター!丹田への意識がポイントに。両足を肩幅に開き、足裏~丹田~百会(頭のてっぺん)までがまっすぐであることを感じて立つ。息を吸いながら、両腕を正面に肩の高さまで上げる。膝を少し曲げ、息を吐きながら腰を落とし、腕を下ろす。双手托天理三焦【2回繰り返す】1.上の3の姿勢から、両手の指を組む。2.息を吸いながら膝を伸ばし、肘を曲げる。3.手のひらを外に向けながら、肘を伸ばし斜め上に腕を上げる。4.そのまま両腕を頭の真上へ。5.息を吐きながら手を左右へ下ろし、肩の横でまっすぐ伸ばす。6.円を描くように手を下ろし、丹田の前へ。1~6を2回繰り返す。リュウエン「タイチスタジオ」講師。太極拳をベースにした「メディカルタイチ」を教える。2010年「中国太極拳選手権」武式太極拳部門1位。さいとう・ふゆか1998年2月15 日生まれ、東京都出身。一期生。「一緒に撮影した武元ちゃんは赤ちゃんみたい(笑)。可愛いので寒い時に温めてあげたいです」たけもと・ゆい2002年3月23日生まれ、滋賀県出身。二期生。温めてあげたいメンバーは「山崎天。唯一の年下メンバーだから、つい甘やかしたくなります!」。チャイナシャツ¥28,000(ア ピューピル/UTS PR TEL:03・6427・1030)パンツ¥18,000(オリジナル ジャムス/UTS PR)武元さん・チャイナシャツ¥28,000(ア ピューピル/UTS PR)パンツ¥18,000(オリジナル ジャムス/UTS PR)シューズ、ソックスはスタイリスト私物※『anan』2019年12月11日号より。写真・天日恵美子スタイリスト・白男川清美ヘア&メイク・George野口由佳(ROI)取材、文・重信 綾(by anan編集部)
2019年12月07日自身初となる5大ドームツアー「GENERATIONS LIVE TOUR 2019 “少年クロニクル”」を開催中のダンス&ボーカルグループ・GENERATIONS from EXILE TRIBEが6日、大阪・京セラドーム大阪で行われた同ツアーの大阪公演で、2020年に「GENERATIONS PERFECT LIVE 2012→2020」を行うことを発表した。4月18日の大阪・京セラドーム大阪を皮切りに愛知、福岡の全6公演が明らかになった。同ライブは、GENERATIONSが所属するLDHが6年に一度の総合エンタテインメントの祭典として、2020年に開催する「LDH PERFECT YEAR 2020」の公演として実施。今年デビュー7周年を迎え、念願のNHK紅白歌合戦への初出場が決定するなど勢いに乗るGENERATIONSのデビュー曲から最新曲まで、これまでのヒットシングル曲を中心に構成されるベストライブとなる。LDH史上最大規模となる年間300万人以上の興行動員を予定している「LDH PERFECT YEAR 2020」は、シーズンごとに「IGNITION」「IMAGINATION」「INFINITY」「BEYOND THE BORDER」と、4つのシーズンテーマでエンタテインメントを展開する。祭典の開幕となるシーズン1の「IGNITION」では、EXILEや三代目 J SOUL BROTHERSのボーカル・今市隆二と登坂広臣によるドーム公演や、E-girls、THE RAMPAGEのアリーナ公演およびライブツアーなどが決定。シーズン2となる「IMAGINATION」で登場するGENERATIONSは、7年分の歴史や想いを込めたベストライブで、すでにツアーの開催を発表しているFANTASTICSやDOBERMAN INFINITYらと共にPERFECT YEARを熱く盛り上げる。チケット販売は、12月13日からオフィシャルファンクラブ「EXILE TRIBE FAMILY」で先行販売がスタート。一般販売は2020年2月1日より開始される。■「GENERATIONS PERFECT LIVE 2012→2020」公演スケジュール2020年4月18日(土) 大阪・京セラドーム大阪2020年4月19日(日) 大阪・京セラドーム大阪2020年6月12日(金) 愛知・ナゴヤドーム2020年6月13日(土) 愛知・ナゴヤドーム2020年7月4日(土) 福岡・福岡ヤフオク!ドーム2020年7月5日(日) 福岡・福岡ヤフオク!ドーム
2019年12月06日新垣結衣主演で2016年に火曜ドラマ枠にて放送され、物語はもちろん、主題歌「恋」やキャスト陣がこれに合わせて踊る“恋ダンス”が大きな話題となった「逃げるは恥だが役に立つ」。この度、本作が年末の12月28日&29日の2日間で一挙放送決定。ディレクターズカットが追加された特別版で放送される。海野つなみによる同名コミックを、「空飛ぶ広報室」「重版出来!」の野木亜紀子が脚本を担当しドラマ化した本作は、夫を雇用主、妻を従業員という仕事としての契約結婚をすることになった夫婦の姿を描き、新しい「結婚」の形、そして「仕事」について考えさせられると共に、個性豊かな登場人物たちとの人間関係も交え、笑って泣いてキュンとする新感覚の社会派ラブコメディー。彼氏なし、院卒だけど内定ゼロ、派遣社員になるも派遣切りにあい休職中の主人公・森山みくりを新垣さんが、みくりが父親のはからいで家事代行を務めることになる独身の会社員・津崎平匡を星野源が演じ、初共演。「就職という意味で結婚するのはどうですか?」と提案した結果、周囲には秘密にして「雇用主=夫」「従業員=妻」として結婚することになる2人。周囲にバレずに新婚生活を過ごせるのか?みくりと平匡の2人の恋愛がなかなか進展しない、“ムズキュン”ストーリーが、今回特別版で放送される。ほかにも、大谷亮平、古田新太、石田ゆり子、藤井隆、宇梶剛士、成田凌、真野恵里菜らが魅力的なキャラクターを演じ物語を盛り上げる。「逃げるは恥だが役に立つ」一挙放送は12月28日(土)9時30分~、29日(日)13時~TBSにて放送。(cinemacafe.net)
2019年12月05日ダンサー、振付家として幅広く活躍する北尾亘。ソロワークはもちろん、近年では小劇場の注目カンパニーの振付を手掛けることも多い彼が主宰するダンスカンパニー、Baobabの最新公演『ジャングル・コンクリート・ジャングル』が12月5日(木)よりKAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオでスタートする。北尾に話を聞いた。実は今作の構想は、KAAT公演が決まった頃……2年近く前から温めていたものだという。「劇場によって、その時に作るもののイメージが変わっていくスタイルなんです。ダンスというもの自体が抽象的ですし、僕らの公演はステージ上に建て込みをするタイプでもない。劇場の中に流れる空気や、特性を想像しながら作品コンセプトを考えていくんですよ。KAATでの公演は初めてですが、僕自身が神奈川県出身ということもあり、馴染みを感じている場所で。海も近いし、少し自然に近づいていくような感覚がある場所なんですよね。ここだったらBaobabの真骨頂的なものと言いますか、大地のイメージ、あるいは土着的な身体……そういったものを遺憾なくやらせてもらえる空気があるのでは、と」近年のBaobabの作品は、社会的なテーマをはっきりと表したものが多かった。今作は旗揚げ当初の作品への“原点回帰”的なところも意識しつつ、タイトルが象徴するように自然と文明や環境問題、生命と自然の関わりなど、彼が今感じている社会問題は表現として盛り込まれていくという。劇場という空間でどうやってそれらを表現するか?彼が今考えているアプローチは、なんともユニーク。「今回は対面の客席に加え“方角”を大切にしてます。例えば、風水に則って動線を決めてみたり、東西南北で振りを分けてみたり。ずっとバレエで言う“8つの方向”(注・バレエにおける基本的な身体の向きのこと)ではない、別のものがないかと探してたんですよね。これ、ちょっと発見なのでは!?と思ってます(笑)」公演チラシには「いのちが、おどりたがっている。」という言葉が大きく打ち出されているが、今作の内容に関しては、近年彼が関わってきた演劇界の才能たちが大きく影響しているという。「“生命讃歌”と大きく言ってみたんですけれども、自分の作品性がそういう方向に向かっていくとはあまりイメージしていなかったんですよ。おそらくこれは、木ノ下歌舞伎の木ノ下裕一さんや杉原邦生さん、ロロの三浦直之さんや範宙遊泳の山本卓卓さん……彼らからの影響がかなりあると思います。特に昨年、まつもと市民芸術館で上演した木ノ下歌舞伎の『三番叟』、あれは大きかったですね。舞踊は祝祭であり、そして祈りでもある。もしかしたら、生贄的なものもあるのかもしれない。そういうことにもっとピュアに向かって行ってもいいのでは、そう思える勇気をもらえたんです」それぞれの現場で得た刺激を自分の中に蓄積し、変換して、ホームグラウンドであるBaobabで表現する。北尾が今考えていることを具現化するため、出演するダンサーはカンパニー史上最多の21人。北尾いわく「それぞれの身体の特性やシルエットにもこだわった」というダンサーは、体格はもちろん、プロフィールもバラバラ。特に年齢は上は40代、下はなんと小学校5年生(!)と、バラエティーに富んだメンバーが揃った。ここにもまた、北尾が抱える“ダンス”というものへの思いが込められている。「舞台作品としてのダンスというものが、お客さんとどう関わりを持てるのか。これが僕の中ではずっとテーマだったんです。これは多分演劇を経験しているのも強いんですけれども、どうしても非日常である“踊る”という行為は、舞台上と客席に境界線が生まれる感覚……美術作品をガラス越しに眺めるような、そういう関係性に近くなってしまう。でも僕はそれを、もう少しつなげて行きたいんですよ。旗揚げ当初からセリフを使ったりしていたのは、それもあると思います。コンテンポラリーダンスにも色々なスタイルがありますけど、僕たちの踊ってる肉体はもしかしたら観客の人に“自分と少し近いのでは?”と感じてもらえる可能性があるんじゃないか、と。そう感じてほしいからこその今回のキャストですし、ダンスをもっとポピュラーにしていく、そのための大事な一歩かなと思うんですよね」出演者たちとは、今年の6月頃からワークショップを重ねてきたという。「劇場から遠く離れた地で起きているかもしれない、人間でもない生き物の営み。そういうことまで僕たちは手を伸ばしたい」と語る北尾。舞台上に立ち上るのはきっと、そういったものまで濃密に感じられるような“いのち”の躍動だ。さまざまな刺激を得て、進化し続ける北尾亘の、Baobabの現在を目撃しようではないか。Baobab『ジャングル・コンクリート・ジャングル』は12月8日(日)まで。取材・文:川口有紀
2019年12月03日1991年から99年まで名門ネザーランド・ダンス・シアターに所属するなど、ヨーロッパで長らく活躍後、2007年に日本に拠点を移してからもダンサー・振付家として精力的に活動している中村恩恵。彼女が2017年、新国立劇場バレエ団のダンサーたちと首藤康之に振付けた『ベートーヴェン・ソナタ』が、本日11月30日(土)と12月1日(日)の2日間にわたって東京・新国立劇場 中劇場にて再演される。ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンという大作曲家の音楽と生き方にインスピレーションを得て創作され、「世界に発信できる高い水準」との高評価を得た作品だ。「ベートーヴェン」と「ルートヴィヒ」というふたつの役柄でひとりの人物を表す本作で、前者を演じるのが福岡雄大、後者が首藤。ふたりをはじめ、失恋相手ジュリエッタ役の米沢唯、恋人アントニエ役の小野絢子、甥カール役の井澤駿、その母ヨハンナ役の本島美和と、主要キャスト全員が初演からの続投となる。新国立劇場バレエ団と首藤康之が初めて共演することも話題を呼んだ初演から2年半、深みを増した舞台が期待できそうだ。文:町田麻子
2019年11月30日唯一無二のダンススタイルを持つダンスカンパニーDAZZLE(ダズル)の最新作『NORA(ノラ)』が2020年3月5日(木)から8日(日)まで東京建物Brillia HALL (豊島区立芸術文化劇場)にて上演が決定した。【チケット情報はこちら】観客が物語の行く末を選択し、刻々と未来が変化していくマルチストーリー。2年前から建物一棟全てを舞台に行う「イマーシブシアター」に挑戦するなど常に独自の世界観を追求するDAZZLEは、来年、東京での活動24年目を迎える。最新作は、東京を舞台とし、身体能力を誇る男子新体操チームBLUE TOKYO(ブルートーキョー)と共に新しい舞台体験を構築する。演出、脚本は、DAZZLEの舞台としては今まで計9本のオリジナル作品を生み出してきた長谷川達也(DAZZLE主宰)、音楽は、「僕のヒーローアカデミア」「ハイキュー!!」「リーガルハイ」等話題のドラマ、映画、アニメの音楽を手がける作曲家、林ゆうきが担当する。チケットぴあでは12月9日(月)午前11時よりプリセールを実施。■「NORA(ノラ)」公演日時:2020年3月5日(木)~8日(日)全6回公演会場:東京建物Brillia HALL (豊島区立芸術文化劇場)演出・脚本:長谷川達也振付:DAZZLE音楽:林ゆうき出演:DAZZLE(長谷川達也、宮川一彦、金田健宏、荒井信治、飯塚浩一郎、南雲篤史、渡邉勇樹、高田秀文、三宅一輝)、BLUE TOKYO(石塚智司、大舌恭平、佐藤喬也、椎野健人、石井侑佑、植野洵)
2019年11月28日元プロ野球選手の桑田真澄氏と息子でモデルのMattが、29日から放送されるソフトバンク“ワイモバイル”の新テレビCM「親子 de ダンス」篇で、CM初共演を果たした。「おトクなる一族」シリーズに引き続き、出川哲朗、芦田愛菜、横浜流星が登場。さらに今回は、CM初共演となる桑田氏と、桑田氏の息子でさまざまなアプリを駆使して顔写真を美しく加工する“Matt化”がSNSを中心に話題のMattが親子役で登場する。そしてワイモバ学園を舞台に、2人もワイモバメンバーと共にお馴染みのワイモバダンスを披露。ダンス初挑戦の桑田氏とMattが仲良く肩を組みながら踊る姿は必見だ。「Mattお前の道をゆけ!」「はーい!」と、リアル親子のやりとりも見られる。仲良し親子と言えば! ということで、同CMでは、人気アニメ『クレヨンしんちゃん』から“野原しんのすけ”と“野原ひろし・みさえ”親子も登場。さらに、ふてニャンの子ども役としてキュートな子ふてニャンも登場する。また、生徒会長役の横浜は、学ラン姿でキレキレなダンスを披露している。桑田氏は、今回ダンスがあるということを撮影当日まで知らなかったそう。企画を知っていたMattは「言ったら来ないっていうと思って…」とにっこり。野球以外は自信がない、と言いながらも挑戦する桑田氏に「パパがダンスしてるところ初めて見た!」と優しく振り付けを教えるMatt。2人で何度もモニターを見て確認しながら調整し、撮影中も仲の良い姿を見せていた。(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK (C)U/F・S・A・A
2019年11月28日俳優の横浜流星が、29日から放送されるソフトバンク“ワイモバイル”の新テレビCM「親子 de ダンス」篇で、学ラン姿でキレキレダンスを披露している。「おトクなる一族」シリーズに引き続き、出川哲朗、芦田愛菜、横浜流星が登場。さらに今回は、CM初共演となる元プロ野球選手の桑田真澄氏と息子でモデルのMattが親子役で登場し、ワイモバ学園を舞台に2人もワイモバメンバーと共にお馴染みのワイモバダンスを踊っている。生徒会長役の横浜は、学ラン姿でキレキレなダンスを披露。スタジオに入り、短時間で懸命に練習して臨み、何度も積極的にワイモバダンスに挑戦した。気合が入りすぎてセリフが裏返ってしまい「すみません、裏返っちゃった」とさわやかに可愛く笑う姿も。最後は完璧なキレキレのダンスでスタジオ中に拍手が起こった。同CMでは、仲良し親子と言えば! ということで、人気アニメ『クレヨンしんちゃん』から“野原しんのすけ”と“野原ひろし・みさえ”親子も登場。さらに、ふてニャンの子ども役としてキュートな子ふてニャンも登場する。(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK (C)U/F・S・A・A
2019年11月28日ダンス&ボーカルグループ・GENERATIONS from EXILE TRIBEとデザイナーの田名網敬一氏がコラボレーションした「少年クロニクル POP-UP STORE」が、21日~24日の期間限定で東京・表参道のエスポワール表参道 B1にオープンする。19日にメンバー全員そろって、田名網氏とともに同所にてマスコミ向け発表会を行い、それぞれお気に入りのアイテムを紹介した。同ストアは、現在開催中の5大ドームツアー「GENERATIONS LIVE TOUR 2019 “少年クロニクル”」と連動したコンセプトストア。ツアーロゴやグッズなどのアートワークを手掛けた田名網氏とコラボレーションした、ツアーグッズとは異なる限定コレクションを展開する。また、店舗内装も田名網氏がデザインを手がけ、ツアーの世界観を表現している。佐野玲於と関口メンディーは、アイテムのラインナップ、ウェア素材、プロモーションなどのディレクションを担当。佐野は「自分たちが着たいものと田名網先生が手掛けられる作品が融合したときの整合性とか、これとこれをかけ合わせたら面白いんじゃないかっていうものを提案させていただいた」と説明し、「僕らが100で先生にぶつかるんですけど、先生は1000で返してくるので、ぐうの音も出ない。先生の仕事が早さやディテールの細かさたるや、勉強になったというかすごいなと感じました」と話した。メンディーは「LDHのアーティストの中でもアート界の方と取り組みをされている方はあんまりいなかったので、自分たちがこういうプロジェクトをやらせていただくのはすごいありがたいですし、田名網先生が快く引き受けてくださってありがたいの一言に尽きる。自分たちが好きなアイテムができあがってうれしい限りです」と喜びを語った。販売するのは、アパレル商品を中心とする16種類20アイテム。それぞれお気に入りのアイテムを挙げ、片寄涼太は「撮影のときに着させてもらったパジャマが好き。最近パジャマシャツも流行っていて、その中でコラボレーションでパジャマが作られるのはすごい素敵だなと思って気に入っています」と話し、数原龍友は「カタカナで“クロニクル”と書いているパーカーがかわいい」とパーカーをおすすめ。小森隼は、パーカーのインナーに着ていたTシャツを見せながら「Tシャツは冬でもジャケットの下に着たり、時期も問わずに着られる。みんなに着ていただきたい」とアピールした。白濱亜嵐は「スケートボードのデッキがいいなと思っていて、2人がディレクションをやっているときにスタジオにサンプルがあって『これ何?』ってなって、そのときから惹かれています。スケボーやらないんですけど欲しい」と言い、「これを機に始めてみようかな。でも使うのはもったいない。飾りたいです」と笑顔でコメント。メンディーは「今はいているパンツ。このグラフィックがすごい好きでめちゃめちゃ気に入っています」と見せながら話した。中務裕太は「今はいているチノパン。グラフィックが入ることによって個性的に表現できるのでお気に入りです」と紹介。佐野は、片寄と同じくパジャマを挙げ、「すごいパジャマが好きで、絶対パジャマを着て寝るんです。昔、カート・コバーンがオシャレなパジャマを着ていて、起きてパジャマのまま飛行機に乗ったり、ライブツアーに出たりしていて、すごいパジャマが好き。先生が若さやストリートカルチャーが見えるグラフィックを作ってくださったので、それをパジャマに落とし込んで着たいなと思った」とパジャマを作った理由も明かした。■「少年クロニクル POP-UP STORE」概要開催期間:11月21日~24日(12:00~20:00)場所:東京都渋谷区神宮前4-25-15 エスポワール表参道B1※入店電子整理券を11月18日17:00より発売開始。詳細は公式サイトにて要確認
2019年11月20日ダンス&ボーカルグループ・GENERATIONS from EXILE TRIBEが19日、東京・表参道のエスポワール表参道 B1で行われた「少年クロニクル POP-UP STORE」マスコミ向け発表会に、デザイナーの田名網敬一氏とともに出席。『NHK紅白歌合戦』初出場が決まった反響を明かした。リーダーの白濱亜嵐は「毎年、家族から『GENERATIONS紅白どうなの?』って聞かれていたので、良い報告ができてうれしいですし、いろんな方に会うたびに『紅白おめでとうございます』っていう言葉をいただいて、それだけ影響力のある番組なんだなと毎日感じています」と反響を実感している様子。片寄涼太は「父親が高校教師なんですけど、同僚の方から『紅白おめでとうございます』と言われると。言ってくださる方も『自分の人生の中で紅白おめでとうございますって人に言うことがあるのが不思議だ』と言っているみたいです」と父親のエピソードを明かし、「ある意味、違う形で親孝行できたかなと思います」と笑顔で話した。小森隼は「先輩方からも(お祝いの言葉を)直接も言っていただきましたし、連絡もいただきましたし、一丸となって喜んでくださってありがたいです。EXILEの先輩方も、三代目のみなさんも、『おめでとう』と言っていただけてすごくうれしいです」と先輩たちからの祝福に感謝。関口メンディーは「自分たちの一つの目標でもあった紅白という場所。自分たちだけの力ではないですし、スタッフのみなさんやファンのみなさんとかいろんな方々の思いの上で立たせていただくステージなので、全力で取り組むだけなんですけど、思いを込めて見ている方の心に残せるようなパフォーマンスにしたい」と意気込みを語った。11月21日~24日の期間限定で同所にオープンする「少年クロニクル POP-UP」は、現在開催中の5大ドームツアー「GENERATIONS LIVE TOUR 2019 “少年クロニクル”」と連動したコンセプトストア。ツアーロゴやグッズなどのアートワークを手掛けたデザイナー・田名網氏とコラボレーションした、ツアーグッズとは異なる限定コレクション16種類20アイテムを展開する。また、店舗内装も田名網氏がデザインを手がけ、ツアーの世界観を表現している。メンバーもアイテムの制作に参加。田名網氏がデザインしたアートワークを、佐野と関口メンディーの2人が中心となって、アイテムのラインナップ、ウェア素材、プロモーションなどのディレクションを手掛けた。■「少年クロニクル POP-UP STORE」概要開催期間:11月21日~24日(12:00~20:00)場所:東京都渋谷区神宮前4-25-15 エスポワール表参道B1※入店電子整理券を11月18日17:00より発売開始。詳細は公式サイトにて要確認
2019年11月19日ダンス&ボーカルグループ・GENERATIONS from EXILE TRIBEとデザイナーの田名網敬一氏が19日、東京・表参道のエスポワール表参道 B1で行われた「少年クロニクル POP-UP STORE」マスコミ向け発表会に出席。佐野玲於は、14日に開催された『第70回NHK紅白歌合戦』出場歌手発表会見で、メンバー全員で着た自身制作のTシャツに込めた思いを語った。佐野は「もし出られるってなったらスーツを持ってきてくださいっていう感じだったんですけど、思い出に残したいなと思ったんです」と説明。Tシャツには“DREAMERS”という文字がデザインされていたが、「『DREAMERS』という曲をちょうど出した年でもあったので、夢を持って…紅白に出ることも自分たちとしては夢というか目標に掲げていたので、そういう言葉を入れたTシャツをダメ元で作ってみんなで着て思い出にしたいなって。マネージャーとかお世話になっているスタッフさんとかにお渡しして」と語った。さらに、「『DREAMERS』っていうグラフィックをやってくれた人も、自分たちがデビューする前に、グループを結成して一番最初のロゴを作ってくれた方。そういうヒストリーも大事にしたいなと思って」と明かし、「ただ、出られなかったらお蔵入りだった。勝手にテンション上がって出ると思ってTシャツ作った痛いヤツになりかけていたので、本当に着られて良かったです。マジであぶねーと。段ボールに入れて倉庫にしまうところでした」と笑った。11月21日~24日の期間限定で同所にオープンする「少年クロニクル POP-UP」は、現在開催中の5大ドームツアー「GENERATIONS LIVE TOUR 2019 “少年クロニクル”」と連動したコンセプトストア。ツアーロゴやグッズなどのアートワークを手掛けたデザイナー・田名網氏とコラボレーションした、ツアーグッズとは異なる限定コレクション16種類20アイテムを展開する。また、店舗内装も田名網氏がデザインを手がけ、ツアーの世界観を表現している。メンバーもアイテムの制作に参加。田名網氏がデザインしたアートワークを、佐野と関口メンディーの2人が中心となって、アイテムのラインナップ、ウェア素材、プロモーションなどのディレクションを手掛けた。販売するのは、アパレル商品を中心とする16種類20アイテム。トップスは、コーチジャケット、パジャマ、パーカー、ロングTシャツ、Tシャツ。パンツは、総柄パンツ、チノパン、パジャマ。そのほか、キャップ、ソックス、デッキ、iphoneケース、サコッシュ、キーホルダー、バッジ、ステッカー、バンダナとなっている。■「少年クロニクル POP-UP STORE」概要開催期間:11月21日~24日(12:00~20:00)場所:東京都渋谷区神宮前4-25-15 エスポワール表参道B1※入店電子整理券を11月18日17:00より発売開始。詳細は公式サイトにて確認を
2019年11月19日音楽界を牽引するシンガーソングライターの山崎まさよしさんと、ダンスロックバンドで活躍しながら、俳優としても映画やドラマにひっぱりだこの北村匠海さんが、映画『影踏み』で兄弟役に挑戦。啓二(北村さん)が「修兄ィ」と慕うのは、プロの窃盗犯として生きる真壁修一(山崎さん)。刑期を終えて出所した修一は、啓二とともに気がかりな疑問について調べ始めますが…。ネタバレ厳禁の“異色の犯罪ミステリー”、その見どころを伺いました。――初共演だそうですが、お互いの印象について教えてください。山崎:初対面からしっかりした…いや、しっかりしすぎた若者で、兄弟役で逆に申し訳ないと思いました。北村:まさよしさんは、僕の両親が大ファンで。だからこの話がきた時は、まず両親が大喜びでした。山崎:今度ご両親と飲みたいわ(笑)。北村:あはは(笑)。音楽をやっている身としては大先輩なので、緊張しましたけど、初対面からとてもフランクに接してくださいました。とてもありがたかったです。――人間関係が複雑で、難しい題材ですが、どんなところを意識して演じられましたか?山崎:どこにフォーカスしていいかわからないぐらい話が入り組んでいるんですが、最後までずっと絶えずあるのが兄弟の関係性。だからそこを大事にしました。まったく似てませんが、兄弟ということにしてもらって観ていただければ(笑)。北村:あまり多くは語れないのですが、僕は啓二がより異質な感じに映ればいいかなって思って演じました。このミステリーは修兄ィと啓二の人間性が織りなすもの。最後に流れるまさよしさんが作った主題歌には、物語で描かれない二人の人間性まで表現されていて、余韻に浸れました。山崎:ありがとう。複雑だからこそエンドロールに流れる音楽をもって、話を集結させたいという思いはありましたね。――山崎さんはもともと原作の横山秀夫さんのファンだそうですが、犯罪者側を演じることで、横山作品の新たな魅力が見えたりしましたか?山崎:横山さんの作品はいつも、“民”と“官”の明快なせめぎ合いが面白くて、“官”の中でも人間の葛藤が色濃く描かれているところが好きなんです。「泥棒にしちゃってすみません」って横山さんから言われましたけど、でも僕は“官”の人間を演じるのはムリなんで(笑)。新たな…というよりも、横山作品の魅力を再確認した感じです。――お芝居をするうえで、ミュージシャン同士のあ・うんの呼吸みたいなものがあったりするのでしょうか。山崎:そういえば竹原(ピストル)も出演してるんだけど、北村くんは高校時代におっかけしてたらしいね。北村:そうなんです。東高円寺のライブハウスで、周りはお酒を飲んでる中、僕だけジュースで(笑)。山崎:撮影期間中は宿舎でみんなで酒飲んだりしたよね。あ・うんじゃないけど共通点は、みんな酒好き。北村:音楽の話もしましたね!山崎:でも北村くんは、芝居経験の少ない僕にちゃんと空気を作ってくれるし、歩み寄ってくれたりして。それは音楽やるもの同士なのかな。安心して悪党になりきれました。北村:僕なんて一番下っ端なんで、必死でしたよ。その必死こいてた感じが、空気を作ったとしたなら、食らいついてよかったなって。それにしても、まさよしさんのかっこよさは、ライブでも映画でも“山崎まさよし”を貫いているところ。近くでたくさん学ばせてもらいました。山崎:あとでなにかあげるね(笑)。映画『影踏み』真壁修一は、深夜、人のいる住宅に忍び込んで現金を持ち去る凄腕の“ノビ師”。ある日逮捕されて収監されるが、出所すると若者の啓二とともに、自分の逮捕にまつわる疑問について調べ始めるのだった。11月15日より全国ロードショー。©2019「影踏み」製作委員会やまざき・まさよし1971年12月23日生まれ。‘95年にシングル『月明かりに照らされて』でメジャーデビューし、翌年には主演映画『月とキャベツ』で俳優デビューを果たす。今作では音楽も担当した。シャツ¥16,000(Johnbull/ジョンブルカスタマーセンター TEL:050・3000。1038)Tシャツ¥18,000パンツ¥36,000(共にFACTOTUM/FACTOTUM LAB STORE TEL:03・5428・3434)ネックレス¥14,000(HARIM/STUDIO FABWORK TEL:03・6438・9575)バングル¥12,000(NORTH WORKS TEL:042・513・0927)靴はスタイリスト私物きたむら・たくみ1997年11月3日生まれ。ダンスロックバンドDISH//のリーダーでギター&ボーカルを担当。主演映画『サヨナラまでの30分』『さくら』『思い、思われ、ふり、ふられ』が来年公開予定。シャツ¥150,000カットソー¥45,000パンツ 参考商品シューズ¥74,000(以上ヨウジヤマモト/ヨウジヤマモト プレスルーム TEL:03・5463・1500)※『anan』2019年11月20日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・宮崎まどか(山崎さん)鴇田晋哉(北村さん)ヘア&メイク・三原結花(山崎さん)深見真也(Y’s C/北村さん)インタビュー、文・若山あや(by anan編集部)
2019年11月17日パフューム(Perfume)のファッションプロジェクト「パフューム クローゼット(Perfume Closet)」から、新作「Perfume ショートブーツ」が登場。2019年11月20日(水)より、伊勢丹新宿本店などで販売される。初のベストアルバム『Perfume The Best “P Cubed”(パフューム ザ ベスト ピー キューブド)』を2019年9月にリリースし、2020年には結成20周年、メジャーデビュー15周年の節目を迎えるパフューム。そんな彼女たちによるファッションプロジェクト「パフューム クローゼット」の第4弾として発売される「Perfume ショートブーツ」は、「パフューム クローゼット」の中でも高い人気を誇る「Perfume ダンスヒール」に続いて誕生するシューズ。素材やシルエット、足へのフィット感など、メンバーが細部までこだわって監修している。カラーは秋から冬、春先まで履けるようにと黒1色で展開。ヒールの高さは7㎝とバランスが良く、どんなスタイルにも合わせやすい。ソールにはダンスヒールと同様に、歩きやすく、滑りにくい“Vibram”ソールを採用した。また「Perfumeダンスヒール」にも、インソール部分に新たに“Perfume Closet”ロゴが入った、ラウンドトゥタイプがラインナップ。ボディのシルエットも、よりすっきりとした印象にアップデートしている。新タイプのカラーは、ブラックスエード、グレースエード、ベージュガラスの3種類を取り揃えた。【詳細】パフューム クローゼット 新作ショートブーツ・ダンスヒール発売日:2019年11月20日(水)販売店舗:伊勢丹新宿本店2F=婦人靴(東京都新宿区新宿3-14-1)、ジェイアール京都伊勢丹2F=婦人靴(ダンスヒールのみ)(京都府京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町)、伊勢丹オンライン、アーティストオンラインショップ「A!SMART(アスマート)」価格:・「Perfume ショートブーツ」33,000円+税サイズ:21~26cm(0.5cm刻み)・「Perfumeダンスヒール」19,000円+税サイズ:21~26cm(0.5cm刻み)
2019年11月16日女性のみのダンスカンパニー、プロジェクト大山。彼女たちの作品をなんと男性のみで踊るという公演『プロジェクト男山』が11月17日(日)に東京・神楽坂セッションハウスにて上演される。プロジェクト大山は、『みいつけた!』(Eテレ)のダツイージョ役としてもおなじみの古家優里が主宰している。今回の男性バージョンでもいつもと同様、古家が構成・演出・振付をする。今回踊る男性メンバーは、「ふんどしダンサー」として注目を集めている五十嵐結也や大学生ダンサーの岡本五ら6人。ふだん女性のみで活動しているとはいえ、プロジェクト大山のダンスには力強さもあり、セクシャリティを感じさせない振りもたくさんある。しかしやはり一方で女性ならではのパートも、女性ならではのやわらかさを感じさせるシーンも同様にあるのは確か。それを男性が演じたとき、果たしてどんなものができあがるのか。性差が生み出すものと、性差に関わらず魅力的なもの、両方が観られる公演になるのかもしれない。また、Twitter等で公開されている稽古の様子を見るにつけ、プロジェクト大山のダンスを観たことがない人にとっても楽しめるポップなものになることは、期待できそうだ。文:釣木文恵
2019年11月16日今秋池袋に誕生した、東京建物ブリリアホールのこけら落としシリーズに、ダンスカンパニー・コンドルズが登場。そこで新作『Bridges to Babylon』について、主宰で構成・映像・振付・出演を兼ねる近藤良平に話を聞いた。未来への架け橋になるような作品にと、ザ・ローリング・ストーンズのアルバム名をそのままタイトルにした本作。だがその本題の前には、“コンドルズ×豊島区民”の文字が。そう、本作は公募による出演者がステージを彩る、参加型舞台なのだ。「コンドルズは毎年夏に『にゅ~盆踊り』というイベントをやっているので、ワークショップを開いて市民と一緒に踊る、という点では同じなんですよね。だから参加型にすること自体は可能だと思っていて。ただ最終的に200人近い応募があったので、さてどうしようかと。まぁこの企画自体コンドルズ的ですし、テーマが“祝祭”でもあるので、落とす理由があまりにもない。いろんな人に“ダンスをやろう!”って門を広げちゃったのは僕たち自身でもありますし(笑)。だから全員、結局180人くらいかな。それを90人ずつに分けて出てもらうことにしたんです」公募による出演者は、小学生から70代までの男女と非常に幅広い。「みんなやる気ありますよ。だから当初はオープニングアクトのみの参加予定だったんですけど、どうせだからと本編にも出てもらう作戦を立てていて。要はコンドルズのメンバーと一緒に本編でも踊ってもらう。これはコンドルズ史上初めての試みだと思いますね。内容としてはいわゆる群舞です。それはやっぱりダンスのいいところですし、せっかく会場も大きいですから。こけら落としシリーズということで、劇場を知って欲しいという意味合いもあって。まぁ90人も、しかも初めて踊るような人もいるので、全員がそろうわけはない。ただ僕のダンスはそろっているから云々というものでもないですからね。気持ちさえそろっていればいいので。きっと群舞ならではのマンパワー、みたいなものを感じてもらえると思いますよ」豊島区長の働きかけもあり、今池袋は“演劇の街”という色合いを強めてきている。そんな中で近藤は、どんなことを期待しているのだろうか。「豊島区の高野区長は、ずっと“豊島区を文化都市にする”と言い続けてきた人で、文化でまちづくりをすることに対してものすごく愛がある人なんですよね。だから劇場までの足にもなるIKEBUS(イケバス)っていう周回バスを走らせていたり、このブリリアホールの前の歩道は広くしてあって、大道芸とかも出来るようなスペースが取られていたり。つまり考え方がすごく広いんですよね。それをさらに広げていけるかっていうのは、僕らつくり手側次第で。ここ池袋でどんなことを仕かけていけるのか。いろいろ考えられるのは面白いですよね」コンドルズは結成からすでに23年。十分ベテランの域に達しつつも、常に新たなチャレンジを重ね、新メンバーの加入などを経ながら、コンドルズらしさを失わない発展を遂げてきた。「やっぱり長くやっていると年齢層が上がってきますから。そこは若い人を入れないと回っていかないところもあって。かといってイケメンを入れる気はないんですけど(笑)。ただ長いメンバーはメンバーで、続けてきたっていう意地、プライドがある。この間地方の公演で小学生と踊る機会があったんですけど、その子供たちがすごく頑張っていたんですよ。そうしたらうちの最年長の山本光二郎も超頑張っちゃって、本番びっくりするほど動いていて(笑)。なんかそういう意味では違う領域に入ってきた感じもありますし、やっぱり続けていると面白いことがあるなって思いますね」コンドルズ×豊島区民『Bridges to Babylon-ブリッジズ・トゥ・バビロン-』は、11月20日(水)から23日(土)まで東京建物ブリリアホールにて上演。取材・文:野上瑠美子
2019年11月15日皇居前広場で11月9日に開かれた、天皇陛下の即位を祝う「国民祭典」。天皇皇后両陛下は笑顔で祝福に応えられたが、長女の愛子さまもお忍びでいらっしゃっていたという。奉祝曲「Ray of Water」の演奏と嵐による歌唱に、雅子さまが涙を浮かべられる場面もあったこの日の国民祭典。皇居の正門付近から一部始終を見守っていたという愛子さまにとっても、忘れられない1日となったことだろう。この前週となる11月3日・4日には、愛子さまにとって高校最後の文化祭となる、学習院女子中・高等科「八重桜祭」が開催されていた。両陛下もいらっしゃったという。「3日の午後1時半ごろ、両陛下はいらっしゃいました。この日は午前中に皇居で文化勲章の親授式もあり、パレードや大嘗祭の準備などご多忙な中ですが、学校関係者と1時間以上もお話しになられていました。そのあと2時間ほど会場を回られ、家庭科教室では愛子さまの手芸作品をご覧になっていました」(学習院関係者)愛子さまはこの日、同級生の応援に使われたキラキラしたモールをつけた団扇を手にされて、にこやかにおしゃべりを楽しまれていたという。さらに4日も愛子さまはダンスを披露され、両陛下もご覧になったという。昨年の八重桜祭では同級生数人とダンスチームを結成され、初めてダンスを披露された。あまりの“愛子さま人気”に開演が30分遅れるほどのパニックとなったが、今年も会場は凄まじい熱気となった。「愛子さまのチーム『BLOOM』は、体育館のステージでの“大トリ”を務められました。在校生はもとより、保護者の人気もすごく、体育館の入口がごった返して収拾がつかないほどでした。メンバーとおそろいの衣装で登場された愛子さまは、洋楽の曲を3曲、Jポップを2曲の合計5曲でチアダンスを披露。両陛下もほほ笑みながら見守られていました」(前出・学習院関係者)愛子さまは出演者としてだけでなく、裏方としても文化祭に関わられていたという。「3日は作品展の受付係をされました。また、両日ともに美化委員としてゴミの分別回収なども担当されています」(宮内庁関係者)
2019年11月13日