『スモーク』のウェイン・ワン監督がビートたけし、西島秀俊、忽那汐里らオール日本人キャストで邦画制作に挑んだ『女が眠る時』が、第66回ベルリン国際映画祭パノラマ部門へ正式出品されることがこのほど決定。あわせてワン監督、西島さん、忽那さんがベルリンに渡航し、同映画祭に参加することが明らかとなった。作家の清水健二(西島さん)は1週間の休暇を取り、妻の綾(小山田サユリ)と共に郊外のリゾートホテルを訪れる。初めて書いた小説がヒットしたもののスランプに陥り、今後就職することが決まっていた健二は、妻との関係も倦怠期を迎え、無気力な時間を過ごしていた。滞在初日、彼はプールサイドで異様な存在感を放つ、初老の男・佐原(たけしさん)と若く美しい女性・美樹(忽那さん)のカップルに目を奪われる。その日以来、健二はホテル内で彼らを見かけるたびに後をつけ、部屋を覗き見るようになっていく。スペイン人作家ハビエル・マリアスによる短編小説「While the Woman Are Sleeping」を、『メイド・イン・マンハッタン』などの巨匠ウェイン・ワン監督が自ら日本で撮影することを提案し、初のオール日本人キャストで映画化した本作。主演を『血と骨』以来12年ぶりに自作以外での映画主演を果たすたけしさん、共演に『CUT』がヴェネチア国際映画祭にて絶賛された西島さん、オーストラリア出身で、2015年カンヌ国際映画祭にて監督賞を受賞した『黒衣の刺客』への出演など国際派女優としての期待も高い忽那さん、現在ニューヨークにて活動中の小山田サユリらが務め、予告編のイメージソングを中森明菜が担当している。そしてこのほど、本作の第66回ベルリン国際映画祭パノラマ部門への正式出品が決定。ベルリン国際映画祭は、ドイツ・ベルリンで毎年2月に開催され、カンヌ、ヴェネチアと並ぶ世界三大の映画祭のひとつ。第66回目の開催となる今年は、日本からは他にも桃井かおり監督作『火 Hee』や、黒沢清監督作であり本作と同じく西島さん出演の『クリーピー』の出品が決定している。さらにワン監督、西島さん、忽那さんの3人は現地ベルリンへ渡航し、映画祭に出席する事が決定。たけしさんはスケジュールの都合上欠席となっており、記者会見やレッドカーペットイベントなどの公式行事は2月14日、15日(現地時間)に行われる予定だ。ワン監督は過去に『スモーク』でベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞しており、本作の国際的な評価に注目が集まりそうだ。『女が眠る時』は、2月27日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年02月04日昨年10月に行われた東京国際映画祭で話題を集めた本物のアンドロイドと人間が共演する世界初の映画『さようなら』が、1月27日(現地時間)より開催される「ロッテルダム国際映画祭」に出品されることが明らかとなった。さらに、「ジュネーブ・ブラック・ムービー・フェスティバル」「ヨーテボリ映画祭」などへの出品も決定した。日本で稼働する原子力発電施設の爆発によって放射能に侵された近未来の日本。日本の国土のおよそ8割が深刻な放射能汚染に晒され、政府は「棄国」を宣言。各国と提携して敷かれた計画的避難体制のもと国民は、国外へと次々と避難していく。その光景をよそに、避難優先順位下位の為に取り残された南アフリカの難民、ターニャ(ブライアリー・ロング)。そして幼いころから病弱な彼女をサポートするアンドロイド、レオナ(ジェミノイドF)。彼女たちのもとを過ぎていく多くの人々。そしてそれぞれの生と死。やがて、ほとんどの人々が消えていく中、遂にターニャとレオナは最期の時を迎えることになる――。日本を代表する劇作家・平田オリザとロボット研究の世界的な第一人者・石黒浩が共同ですすめる演劇プロジェクトを映画化した本作。世界で初めて本物のアンドロイドと人間が共演した映画として、昨年の東京国際映画祭での上映で話題となり、海外の映画祭のプログラマーから出品要請が殺到し、今回の海外映画祭への出品が決定した。監督の深田晃司は、社会問題を取り入れた作家性のある作品を数々生み出し、海外からも高い評価を得る気鋭の映画監督。『歓待』で東京国際映画祭日本映画「ある視点」部門作品賞、プチョン国際映画祭最優秀アジア映画賞を受賞したほか、二階堂ふみ主演の『ほとりの朔子』でナント三大陸映画祭グランプリと若い審査員賞のダブル受賞、タリン・ブラックナイト映画祭最優秀監督賞を受賞しており、最新作である本作の受賞にも期待が高まっている。キャストには、深田監督作『歓待』にも出演し、ロボット演劇「さようなら」でも同じ役を務めたブライアリー・ロングがターニャ役を演じ、『永遠の0』『バクマン。』や『女が眠る時』の公開も控える新井浩文、『ディストラクション・ベイビーズ』の公開を控える村上虹郎などが出演している。また、本作に出演しているアンドロイド“ジェミノイドF”が映画を語る動画が配信されると世界各国で再生され、日本のロボット工学のレベルの高さが世界中からの注目を集めた。今回出品が決定した「ロッテルダム国際映画祭」は、カンヌ、ベネチア、ベルリンと並ぶ大規模な国際映画祭で、45回を迎える今年も1月27日から2月7日(現地時間)で行われる。また、現在1月22日から31日(現地時間)まで開催中の「ブラック・ムービー・フェスティバル」は、2001年よりスイス・ジュネーブで開催されており、ヨーロッパではなかなか観る機会のないアフリカ・アジア・ラテンアメリカの気鋭監督の作品を集めている。さらに「ヨーテボリ映画祭」は1979年よりスウェーデン・ヨーテボリで開催されている北欧最大級の映画祭であり、今年も1月29日から2月8日(現地時間)まで開催され、毎年20万人以上の来場者が訪れている。また、「ロッテルダム国際映画祭」および「ジュネーブ・ブラック・ムービー・フェスティバル」への深田監督の現地参加が決定。今回の出品決定に関して深田監督は、「スタッフ、俳優の技術の結晶たる映画『さようなら』が海を越えていくことを誇らしく思います。いつも思うことですが、映画は完成してしまった瞬間、監督の手を離れていきます。親離れした子供が社会に揉まれて育っていくように、映画もまた観客に育てられます。ヨーロッパの国々での出会いがこのちょっとひねくれた子供をどんなオトナに仕立てるか、楽しみにしています」と語っている。『さようなら』は全国にて公開中。(cinemacafe.net)
2016年01月29日関西が全国に誇る映画の一大イベント《第11回 大阪アジアン映画祭》が、今年も3月4日(金)から13日(日)まで大阪市内の映画館やホールにて開催される。本映画祭は、良質なアジア映画の最新作や話題作を多数紹介するだけでなく、国内外から多くのゲストを招くことでも知られており、そのラインナップの発表を待っているファンも多い。そんな中、本日、オープニング作品とクロージング作品がついに決定した。《第11回 大阪アジアン映画祭》公演情報オープニング作品は、台湾で異例の大ヒットを記録した『湾生回家』(原題:湾生回家/英題:WANSEI BACK HOME)。日本統治時代の台湾で生まれ育ち、日本の敗戦後、強制的に日本に送還された日本人(=湾生)たちが、故郷である台湾に里帰りし、懐かしい人々を訪ねる姿を映し出すドキュメンタリーで、当事者たちやその時代を知る年配の方だけでなく、一昨年の『KANO~1931海の向こうの甲子園~』に続き、台湾の若者たちの間でも高い評価を得ている作品だ。クロージング作品は、『横道世之介』などで知られる沖田修一監督が人気俳優、松田龍平を主演に迎えて描くハートフルコメディ『モヒカン故郷に帰る』。数年ぶりに帰郷した、モヒカン頭の売れないバンドマンの息子(松田龍平)が、妊娠した恋人(前田敦子)を連れて、昔堅気の頑固おやじ(柄本明)のもとで奮闘する姿を描く注目作だ。その他は昨年同様、コンペティション部門、特別招待作品部門、特集企画、インディ・フォーラム部門を柱に、日本初上映となるアジア映画最新作を多数上映。ゲストを交えてのウエルカム・パーティや交流イベント、ティーチイン、トークイベントなどを開催する予定。また、特集企画の内容を含む映画祭の概要、全作品ラインアップについては2月上旬に発表予定。チケットは、2月20日(土)より発売する。《第11回 大阪アジアン映画祭》会期:2016年3月4日(金)~13日(日)会場:梅田ブルク7、ABCホール、シネ・リーブル梅田、第七藝術劇場、他主催:大阪映像文化振興事業実行委員会(大阪市、一般社団法人大阪アジアン映画祭、大阪商工会議所、公益財団法人大阪観光局、朝日放送株式会社、生活衛生同業組合大阪興行協会)
2016年01月29日Rev.from DVLの橋本環奈が、自身が初主演する映画『セーラー服と機関銃 -卒業-』(3月5日公開)を引っさげ「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2016」に初参加することが28日、発表された。2月25日から29日まで開催される同映画祭は、今年で26回目。1990年の第1回以降、"参加して楽しい映画祭"の理念と映画の普遍的な魅力を伝えることをコンセプトに、北海道・夕張市で25年にわたって多くの映画スタッフやファンを集めてきた。初めての参加を前に、「四代目組長・星泉として全力で取り組みました私の初主演映画『セーラー服と機関銃 -卒業-』で、多くの皆さまに出会えることを、今から楽しみにしております」と期待を寄せる橋本。そのほか、俳優・長谷川初範が"フォアキャスト"部門のラインナップ作品『アルビノの木』(今年公開)で3年ぶりに登壇し、劇団EXILEの秋山真太郎がシチュエーションホラー『ドクムシ』(4月9日公開)での参加が決まっている。橋本主演の『セーラー服と機関銃 -卒業-』は、小説家・赤川次郎氏によるシリーズ累計260万部突破の原作をもとに、1982年に邦画興収第1位となる47億円を記録した薬師丸ひろ子主演『セーラー服と機関銃』の後が描かれる。メガホンを取るのは、『婚前特急』(11年)、『夫婦フーフー日記』(15年)を手がけた前田弘二監督。橋本のほか、安藤政信、長谷川博己、武田鉄矢、長谷川博己らも出演している。
2016年01月29日毎年大きな賑わいをみせる「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」。26回目を迎える今年も2月25日(木)より開催されるが、この度、橋本環奈が自身映画初主演作となる『セーラー服と機関銃-卒業-』を引っさげ、映画祭に参加することが分かった。18歳、高校三年生の星泉には、組員わずか4名の弱小ヤクザ・目高組の組長という驚きの過去があった。伯父を殺した敵を機関銃で襲撃する大事件を起こしたあと、組は解散。いまは、シャッター商店街の中で「メダカカフェ」を経営し、「組長」あらため「店長」として活躍する日々。卒業を間近に、普通の女子高生としての日常を取り戻していた。そんなある日、ニセモデル詐欺に巻き込まれた友達の相談から、泉の周辺には、ふたたび危ない影が忍び寄ってきて…。北海道・夕張市で毎年行われる本映画祭は、1990年より開催され、ハリウッドからインディーズまで幅広い作品が集められ、日本国内でも有数の歴史を持ち世界も注目する映画祭。今年も2月25日から29日の5日間にわたって開催され、開催まで残り1か月を切ったいま、続々とイベント情報などが発表されますます盛り上がりをみせている。先日報じられた本映画祭のラインナップでは、クロージング作品のレオナルド・ディカプリオ主演『レヴェナント:蘇えりし者』をはじめ、『ルーム』や『アーロと少年』、『セーラー服と機関銃-卒業-』など話題作が発表。新たに作品ゲストとして決定したのは、“1000年に1人の逸材”と称され、今回『セーラー服と機関銃 -卒業-』で組長・星泉役を熱演している橋本さん。初めての参加となる橋本さんは「四代目組長・星泉として全力で取り組みました私の初主演映画『セーラー服と機関銃 -卒業-』で、多くの皆様に出会えることを、いまから楽しみにしております」とコメント。ほかにも俳優・長谷川初範がフォアキャスト部門のライナップ作品『アルビノの木』を引っさげ参加。また電子コミックより大ヒットしたコミックが原作のソリッド・シチュエーションホラー『ドクムシ』に出演の「劇団EXILE」秋山真太郎も参戦する。2013年の本映画祭以来、3年ぶりの参加となる長谷川さんは「ゆうばり映画祭に参加出来るのを楽しみにしています。今回の出演作品は三年前のゆうばり映画祭で金子監督と出会い実現いたしました。是非多くの皆様に観ていただきたい作品です。会場でお待ちしています!」と喜びのコメントを寄せた。「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2016」は2月25日(木)~29日(月)開催。『セーラー服と機関銃-卒業-』は3月5日(土)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年01月28日深田晃司監督が平田オリザが作・演出を手がけた舞台を映画化した『さようなら』がロッテルダム映画祭をはじめ、世界各地の映画祭で上映されることが決定した。本作は現在も日本でロングラン上映中で、今月末からは東京での再上映も決定している。その他の画像本作は、放射能に侵され、日本国民が“棄国”を選択した近未来を舞台に、難民として日本に来た女性ターニャ(ブライアリー・ロング)と、病弱な彼女をサポートするアンドロイドのレオナ(ジェミノイドF)の日々が、虫や植物、空などの自然の時間と平行して描かれる作品。深田監督は『歓待』でプチョン映画祭の最優秀アジア映画賞を、『ほとりの朔子』でナント三大陸映画祭のグランプリと若い審査員賞を受賞するなど、海外の映画ファン、批評家も注目する存在で、人間とアンドロイドが“共演”する本作も海外の映画祭の作品選定者から出品依頼が殺到している。まずはロッテルダム映画祭、ジュネーブ・ブラック・ムービー・フェスティバル、ヨーテボリ映画祭への出品が決まり、これを機に各地での公開や、他の映画祭への出品が期待されている。深田監督は「スタッフ、俳優の技術の結晶たる映画『さようなら』が海を越えていくことを誇らしく思います。いつも思うことですが、映画は完成してしまった瞬間、監督の手を離れていきます。親離れした子供が社会に揉まれて育っていくように、映画もまた観客に育てられます。ヨーロッパの国々での出会いがこのちょっとひねくれた子供をどんなオトナに仕立てるか、楽しみにしています」とコメント。監督は、ロッテルダム映画祭、ブラック・ムービー・フェスティバルに出席する予定だ。なお、本作は現在も日本各地で上映を続けており、30日(土)からは東京・渋谷のアップリンクで上映される。『さようなら』公開中
2016年01月28日「第28回東京国際映画祭」でワールドプレミア上映され、大きな話題を呼んだ『下衆の愛』。この度、今月27日(水)より開催される「第45回ロッテルダム国際映画祭」に本作の正式出品が決定し、映画監督の園子温からのコメントが到着した。映画監督のテツオは40歳を目前にしながらも夢を諦めきれないパラサイトニート。映画祭での受賞経歴が唯一の自慢。監督とは名ばかりで、女優を自宅に連れ込む自堕落な毎日を送っていた。しかしある日、才能あふれる新人女優・ミナミとの出会いにより新たな希望が生まれ、新作映画の実現に奔走する。「裸と動物」にこだわる団塊世代のプロデューサー貴田や、枕営業に全てをかける売れない女優・響子、自らのハメ撮りで生計を立てる助監督のマモルなど、映画界の底辺に巣くう仲間たちと最後の賭けに出ようとする――。どん底のインディーズ映画業界を舞台にした本作。40歳を目前に夢を追い続けるパラサイトニートのゲス監督役を『ゴールデンスランバー』の渋川清彦が演じ、ヒロインの才能溢れる新人女優役に『図書館戦争THE LAST MISSION』に出演し注目を集めた岡野真也、ゲスプロデューサー役を園子温作品でもおなじみのでんでんが演じている。また、『きみはいい子』『恋人たち』の内田慈をはじめ、木下ほうか、津田寛治、忍成修吾ら個性豊かな俳優陣が脇を固め、監督を『グレイトフルデッド』『家族ごっこ』の内田英治が務めている。今回正式出品されることとなった「ロッテルダム国際映画祭」は、オランダ・ロッテルダムにて毎年1月下旬から開催され、「カンヌ国際映画祭」や「ベルリン国際映画祭」と並んで重要視されている国際映画祭。今年も現地時間1月27日(水)~2月7日(日)にかけて開催され、内田監督とプロデューサーのアダムがレッドカーペットに登場し、上映後ゲストとして壇上する予定だ。また今回の正式出品について内田監督は「下衆、屑、滓どもの愛と夢のお話。こんなゲス映画がなぜか伝統あるロッテルダム国際映画祭に選出された。びっくり」と驚きを語った。そして今回レッドカーペットに登場する2人と親交の深い園子温監督も「映画は地獄だ!ビターで切なく哀しくて。でもあっけらかんと明るい映画!必見だ!」と個性あふれるコメントを寄せている。昨年は三池崇史監督の『神さまの言うとおり』や、三澤拓哉監督の『3泊4日、5時の鐘』、塚本晋也監督の『野火』などが正式出品された本映画祭。世界が本作へどんな反応を示すのか、大きな注目を集めそう。『下衆の愛』は4月2日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)
2016年01月26日2月11日に開幕する第66回ベルリン映画祭のフォーラム部門で、杉本大地監督の『あるみち』が上映されることが決定した。杉本監督は現在22歳で、ベルリン映画祭に正式出品された長編映画の監督として史上最年少になる。その他の画像『あるみち』は、杉本監督が主人公も演じて、浪人生から大学生へと変化した自身の日々を描いた作品。本作は世界最大の自主映画のコンペティション“PFFアワード2015”でグランプリに輝いており、杉本監督はベルリン映画祭での一般上映に立ち会う予定だ。また本映画祭では8ミリフィルムで作られた日本映画の特集“Hachimiri Madness: Japanese Indies from the Punk Years”も開催。ベルリン映画祭、香港映画祭、PFFの共同プロジェクトで、最新作『野火』が観客から圧倒的な支持を集めている塚本晋也監督の『電柱小僧の冒険』や、矢口史靖監督の『雨女』、園子温監督の『男の花道』など、日本映画界で活躍する監督たちがキャリアの初期に8ミリフィルムで製作した作品を、デジタルバージョンで上映する。
2016年01月23日日米合作でつくられたリリー・フランキー15年ぶりの単独主演最新作『シェル・コレクター』がこのほど「第45回ロッテルダム国際映画祭」Bright Future部門に正式出品されることが決定。さらに主演のリリーさん、共演の橋本愛、そして監督の坪田義史、抽象映像監督の牧野貴が同映画祭へ参加することが明らかとなった。貝の美しさと謎に魅了され、その世界で名を成した盲目の学者(リリー・フランキー)は妻子と離れ、沖縄の孤島で厭世的生活を送っていた。しかし、島に流れ着いた女・いづみ(寺島しのぶ)の奇病を偶然にも貝の毒で治したために、それを知った人々が貝による奇跡的な治療を求めて次々と島に押し寄せるようになる。その中には息子・光(池松壮亮)や、同じく奇病を患う娘・嶌子(橋本愛)を助けようとする地元の有力者・弓場の姿もあった。本作は、ピューリッツァー賞受賞作家アンソニー・ドーアの同名小説を原作に、ニューヨークでも活躍してきた坪田監督が、舞台を沖縄に置き換え、オール沖縄ロケで撮影。原作に始まり、音楽、劇中絵画、プロデューサーなど日米の才能が集結、さらにリリーさんを含め、多くの美大出身者が勢揃いしているからこそ創り出せた映像美も大きな魅力となっている。今回正式招待された「ロッテルダム国際映画祭」は、オランダのロッテルダムで開催される映画祭で、世界各国からインディペンデント映画や実験映画、視覚芸術分野における新たな才能を発掘し次々と世に輩出する、国際映画祭の中でも権威ある映画祭のひとつ。毎年1月終わりに開催され、今年も現地時間1月27日~2月7日に開催。本作が出品されるのは、映像的に革新的かつ固有の個性を持つ映画作家の作品をセレクションする「Bright Future部門」で、今後の活躍が期待される才能豊かな監督の作品が例年上映されている部門だ。そして、1月31日 (現地時間)、日本に先駆けてのワールドプレミア上映に、本映画祭初参加となるリリーさんと橋本さん、前作『美代子阿佐ヶ谷気分』がコンペティション部門に出品された経験を持つ坪田監督、本作で抽象映像監督を務め、最高賞であるタイガーアワードも受賞している実力者た牧野監督が登壇。さらに牧野監督は「cinema concret」が、短編部門のタイガーアワードコンペに出品されることも決定している。また本作の出品について坪田監督は「日本の公開に先駆けてワールドプレミア上映出来ることを大変嬉しく思っています」と喜びを語り、「ロッテルダム映画祭は、前作で招待されていてご縁を感じます。アメリカの原作小説を日本に置き換えて脚色したこの映画は、リリー・フランキーさんはじめ日本を代表する名優の皆さんが彩ってくれました。海外の皆さんがどのように反応するか楽しみです」と期待に胸膨らませている様子だ。『シェル・コレクター』は2月27日(土)よりテアトル新宿、桜坂劇場(沖縄)ほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)
2016年01月22日女優で監督の顔を持つ桃井かおりの監督作第2弾『火 Hee』が、2月11日(現地時間)より行われる第66回ベルリン国際映画祭で上映されることが決定した。これに次いで、本作で監督・主演を務めた桃井さんのコメントも到着した。アメリカでクリニックに勤める精神科医の真田。ある日、家族とショッピングに出かけた際に一人の女性とエレベーターで遭遇する。彼女の声が脳裏に響き渡り、真田は彼女とクリニックで問診している様を妄想する。しかし彼女の話は、真田の想像を超える、壮絶なものだった。幼い頃に家が火事になり両親を亡くし、学校ではイジメを受け、結婚相手からは浮気をされる。離婚してからは、アメリカで売春をしながら借金生活で過ごす毎日。彼女の話を聞く内に、次々に登場する男と自分を重ね合わせ、彼女の話に引き込まれていく真田。彼女の話はさらにエスカレートして行き、思いもよらない方向へと向かっていく――。原作は、芥川賞や大江健三郎賞をはじめ数々の賞を受賞し、世界的にも評価されている作家・中村文則の「銃」に収録される傑作短編小説「火」(河出文庫版)。今回上映されることが決定したのは、ドイツのベルリンで毎年2月に開催されるベルリン国際映画祭。カンヌ国際映画祭、ヴェネツィア国際映画祭と並び世界三大映画祭のひとつに数えられ、全世界が注目する映画祭だ。今年も、2月11日~21日に開催され、本作はフォーラム部門でワールドプレミア上映される。脚本執筆と監督業に加えて、本作品で主演も務める桃井さん。本映画祭では、本作品のほかにパノラマ部門に出品されるドイツ人ドリス・デリエ監督作品『Fukushima, mon Amour』にも出演している。また、監督デビュー作品『無花果の顔』は、2007年のベルリン国際映画祭にてNETPAC賞を受賞したほか、11の映画祭で上映され、4つの賞を受賞。本作にも大いなる注目を集めている。<桃井かおりコメント>原作を読んだ時、一番に浮かんだのは何故か、刑務所の檻の中で壁に描いた絵に、ただただ話しかけ続けている死刑囚の姿だった。映画の女は、ただただ喋り続ける。誰かを信じた訳でも、話さなければ成らない理由もなく、話すべき価値も無いことを…そして一人、勝手に真実に近づいていくこの女が、哀れだ。哀れだが何処か羨ましく、戦士の様でもある。“あなたと私は同罪なのに…だってあなたが見てるから、私は見られてるんでしょ?見てる人間と、見られてる人間は、同じ重さで向かい合ってなきゃいけないはずなのに!!”女優は喋り続けるこの膨大な言葉をただ食べ尽くす、食べながらますます食欲が湧いて、そのまま行ければ、どんなモノになって行くのか?10日間の撮影中、私が眺めていたのはそんなモノだった。私たちは彼女の言葉どうり、同じ重さで向かい合った。『火 Hee』は初夏、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2016年01月21日西島秀俊を主演にサスペンス・スリラーの名手・黒沢清監督が贈る最新作『クリーピー』がこの度、第66回ベルリン国際映画祭に正式出品されることが決定。併せて「ベルリナーレ・スペシャル」部門で行われるワールド・プレミア上映に西島さんと黒沢監督が参加することが明らかになった。元刑事でいまは犯罪心理学者の高倉(西島さん)は、かつて同僚だった刑事・野上(東出昌大)から、6年前に発生した一家失踪事件の分析を依頼される。しかし、事件の唯一の生き残りである長女・早紀(川口春奈)の記憶をたどるも、核心にはたどりつけずにいた。一方、高倉が妻・康子(竹内結子)と共に最近引っ越した新居の隣人は、どこかつかみどころのない家族。病弱な妻と中学生の娘・澪をもつ人の良さそうな主人・西野(香川照之)との何気ない会話に翻弄され、困惑するばかり。そしてある日、澪が告げた言葉に、高倉は衝撃を受ける…。日本ミステリー文学大賞「新人賞」を受賞した前川裕の小説を原作とし、不気味な隣人との接触をきっかけに、日常から深い闇へとひきずりこまれていく夫婦の姿を描いた本作。西島さんを始め竹内結子、川口春奈、東出昌大、藤野涼子、香川照之ら演技派俳優が集結している。黒沢監督にとってベルリン国際映画祭は、1999年のフォーラム部門に出品した『ニンゲン合格』(’99)以来。同作でも主演だった西島さんと共に、『クリーピー』で17 年ぶりのベルリン参加となる。同部門には過去に『レ・ミゼラブル』、『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』などの話題作が過去に上映されており、日本映画は木下惠介監督の『二十四の瞳』(’05)や大島渚監督の『儀式』(’10)、山田洋次監督の『東京家族』(’13)などが上映されている。本作は、同部門の中でも特に期待された作品を上映するGala(ガラ・スクリーニング)枠となり、欧州最大規模のキャパシティ1,750席と最新の機器を備えた、世界中の国際映画祭の中でも最大級の劇場である「Friedrichstadt-Palast フリードリッヒシュタット・パラスト」で上映される予定だという。出品決定を聞いた黒沢監督は「たいへん驚いています。荒々しいスリラー映画をよくぞ選んでくれました。ベルリン映画祭ってフトコロが深いですね」と喜びを語っている。「第66回ベルリン国際映画祭」は2月11日~21日(現地時間)まで開催。『クリーピー』は6月18日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年01月19日東出昌大主演、石井隆監督最新作『GONIN サーガ』が3月25日(金)にBlu-ray&DVD発売を迎えるが、このほど「第45回ロッテルダム国際映画祭」の正式招待・上映が決定した。1972年から始まったロッテルダム国際映画祭は、毎年1月下旬~2月上旬にオランダのロッテルダムにて開催。世界中から集まったインディペンデント映画、実験映画、視覚芸術分野に優れた映画を輩出している。毎年約30万の来場者を誇り、近年ではカンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭などと比肩する重要な国際映画祭のひとつとして知られている。石井隆監督作品では前作の『GONIN』が1995年に、『黒の天使 vol.2』が1999年、『フリーズ・ミー』が2000年に、それぞれ本映画祭にて上映されていて、ゆかりのある映画祭。正式出品される“Genre:DNA”という部門は、昔のジャンル映画を彷彿とさせつつも、現代の新しいスタイルを確立しているジャンルシネマを特集するもので、受賞の行方に注目だ。日本映画では過去に、『冬の河童』(’95/風間志織監督)、『まぶだち』(’01/古厩知之監督)、『山守クリップ工場の辺り』(’13/池田暁監督)が最優秀作品賞の“タイガーアワード”を受賞。また、2016年は本作のほか、『恋人たち』(’15/橋口亮輔監督)、『シェル・コレクター』(’16/坪田義史監督)などが部門違いで出品が決定。現地時間1月27日~2月7日に開催予定。<『GONIN サーガ』リリース情報>GONINサーガ ディレクターズ・ロングバージョン Blu-ray BOX価格:10,800円(税抜)GONINサーガ ディレクターズ・ロングバージョン DVD BOX価格:10,800円(税抜)GONINサーガ 通常版 ブルーレイ価格:4,700円(税抜)GONINサーガ 通常版 DVD価格:3,800円(税抜)発売日:3月25日(金)※レンタル開始:4月2日(土)セル発売・販売:KADOKAWAレンタル発売・販売:ポニーキャニオン(C) 2015『GONIN サーガ』製作委員会(text:cinemacafe.net)■関連作品:GONIN サーガ 2015年9月26日よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開(C) 2015『GONIN サーガ』製作委員会
2016年01月14日直木賞受賞作家・小池真理子の小説を、成海璃子、池松壮亮、斎藤工で映画化する『無伴奏』が、1月29日(金)から開催される「第39回ヨーテボリ国際映画祭」に正式出品されることが決定した。日本中が混沌としていた 1969年、杜の都・仙台。多感な女子高生・響子(成海さん)は、制服廃止闘争委員会を結成し、学園紛争を行っていた。そんな中、同級生のレイコに連れられ、初めてクラシック音楽の流れる喫茶店「無伴奏」へ足を運ぶ響子。そこで偶然に出会ったのは、大学生の渉(池松さん)、祐之介(斎藤さん)、エマ(遠藤新菜)。この喫茶店では、好きな音楽をリクエストできるのか、バッヘルベルのカノンをリクエストする渉。響子は席が隣り合わせになったそんな渉に興味を抱き、逢うたびに強く惹かれていく。時に嫉妬や不安に駆られ、それでも熱い想いを渉に傾けていく響子。だが、いつしか見えない糸が絡み始め、想像すらできない出来事により、どうすることもできない衝撃的な結末に巻き込まれていく…。今回本作の出品が決定した「ヨーテボリ国際映画祭」は、フィルムマーケットも併設されている北欧最大の映画祭。昨年の来場者数は13万人を記録し、23の映画館及び試写室で、塚本晋也監督の『野火』や河瀬直美監督の『二つ目の窓』など450本の長編及び短編の映画が合計1000回上映された。35のセミナーには約8000人が出席し、1600人の監督、プロデューサー、ジャーナリスト、業界関係者が映画祭に出席。また、併設されているノルディックフィルムマーケットでは、150人の海外のバイヤーや映画祭のプログラマーが新作を鑑賞し、世界的に注目を集める映画祭だ。今回の出品は、プログラマーのフレディ・オルソンが作品を鑑賞し、「その美しく、非常に素晴らしいドラマにとても感銘を受けた」ため決定したという。外国映画のコンペはデビュー作のみが対象となるため、本作は「Five Continents部門」での正式出品となっている。また、そのほかにも同部門の日本からの正式出品には、『ハッピーアワー』『さようなら』『俳優 亀岡拓次』が決定。その他の部門には、『岸辺の旅』『天の茶助』『BLANKA』(仮題)『春子超常現象研究所』が出品される。また、今年のオープニング作品はモンス・モーンソン監督の『Yarden』で、クロージング作品は『パーフェクト・プラン』のヘンリク・ルーベン・ゲンツ監督の新作『Satisfaction 1720』に決定した。本作の監督を務める矢崎仁司は、今回の出品決定について「今の日本を代表する若い俳優たちの素晴らしい演技を世界の皆さまにお届けするチャンスを頂きありがとうございます。愛と死とエロスは国境を越えるパスポートだと信じています。ヨーテボリ国際映画祭で私の作品が上映されるのは『三月のライオン』以来で、だからこそ、この愛のかたちを描いた映画が招待されたことが凄くうれしいです」と喜びを語った。『無伴奏』は3月26日(土)より新宿シネマカリテほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年01月13日今年で26回目を迎える「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」。この度、来月25日(木)より行われる本映画祭において、2016年注目すべき各部門の上映作品が決定した。本映画祭は、1990年より北海道夕張市において開催され、ハリウッド大作からインディーズ作品まで幅広く上映作品が集められ、日本国内でも有数の歴史を持つ映画祭。1月12日(火)、札幌第二水産ビルの会議室にて行われた本映画祭のラインナップ会見では、招待作品に特別上映を含めた9作品が選出。オープニング作品に夢枕獏原作の「神々の山嶺」を映画化した『エヴェレスト 神々の山嶺』、クロージング作品には先日のゴールデン・グローブ賞にて作品賞・監督賞・主演男優賞の3冠を達成したレオナルド・ディカプリオ主演の『レヴェナント:蘇えりし者』が上映されることが明らかとなった。そのほかには、同じくゴールデン・グローブ主演女優賞を受賞した『ルーム』や、同部門ノミネートの『ブルックリン』(仮題)、アニメーション映画賞ノミネートの『アーロと少年』、『Mr.ホームズ名探偵最後の事件』、『セーラー服と機関銃-卒業-』、『幸せをつかむ歌』と世界的に話題を集める作品の日本最速上映が決定。アカデミー賞の前哨戦と言われるゴールデン・グローブ賞で話題となっている2016年の注目作品が集まり、国際色豊かな豪華なラインナップが名を連ねている。さらに今回は、公開35周年記念の特別上映として、薬師丸ひろ子主演の『セーラー服と機関銃』も再びスクリーンに登場する。毎年大きな賑わいをみせているゆうばり国際ファンタスティック映画祭。今年はどんな作品が盛り上がりを見せるのか、いち早く話題作を楽しめるのみならず、多数イベントも催す本映画祭に足を運んでみて。「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2016」は2月25日(木)~29日(月)開催。(cinemacafe.net)
2016年01月13日第8回恵比寿映像祭「動いている庭」が16年2月11日から20日まで、恵比寿ガーデンプレイスのザ・ガーデンホール他にて開催される。恵比寿映像祭は、現代美術や映画、ダンス、演劇、音楽など、幅広いジャンルを横断的に紹介するアートと映像のフェスティバル。第8回目となる今回はザ・ガーデンホールや恵比寿ガーデンシネマを始め、ザ・ガーデンルーム、ガーデンプレイスタワー棟38階のアートスペースSTUDIO 38、日仏会館などの複数会場にて、「動いている庭」をテーマにした様々な作品を展開する。ザ・ガーデンルームでは、「動いている庭」というコンセプトを提唱した庭師で修景家、小説家のジル・クレマンの思想と活動をパネル展示で紹介する他、一見無人と思われるような地表に隠された現実を作品で表現するジャナーン・アル=アーニの「グラウンド・ワークス III」、インターネットやゲームの属性や記号的意味を解体してその抽象性や物質性を顕在化させるジョディの「GEOGOO」、虫の足音を爆音で聴く「Bug’s Beat」、アリジゴクの中で砂と岩絵の具が移動していく様を見る「シルトの岸辺~動く絵」などの作品が展示される。恵比寿ガーデンシネマでは、ヨーロッパ実験映画の先駆者として知られるシャンタル・アケルマンの遺作『No Home Movie』や、フランスで見つかり、ベルリン国際映画祭で上映された、20年に渡る内戦の中生き残った数少ないカンボジア映画黄金期の映画『12人姉妹』などが上映。また、パリのポンピドゥーセンターやロッテルダム映画祭など数多くの美術館や映画祭で展示、上映されるベン・ラッセルの3部作及び、作家による一夜限りの音と映像によるパフォーマンスも注目プログラムだ。その他の会場では、1970年の大阪万博でペプシ館パビリオンを人工霧で覆ったプロジェクトなど、“霧”を用いた作品を発表している中谷芙二子の「霧の庭“ルイジアナのために”」や、光のない部屋の床にならべられたバケツや鉛筆などの間を、LEDライトをつけた鉄道模型に走らせ、まるで車窓から外の景色を眺めているかのように町並みや自然が動き出す様子を表現するインスタレーションで知られるクワクボリョウタによる「風景と映像」などの作品が出展される予定だ。【イベント情報】第8回恵比寿映像祭「動いている庭」会場:ザ・ガーデンホール、ザ・ガーデンルーム、恵比寿ガーデンシネマ、日仏会館、STUDIO38、恵比寿ガーデンプレイスセンター広場他会期:16年2月11日~20日時間:10:00~20:00入場無料(一部の上映プログラム、イベントは有料)会期中無休
2016年01月05日モロッコで行われた第15回マラケシュ映画祭で、鶴岡慧子監督の『過ぐる日のやまねこ』が審査員賞を受賞し、審査委員長のフランシス・F・コッポラが鶴岡監督にトロフィーを手渡した。その他の写真映画祭の審査員はコッポラをはじめ、ジャン=ピエール・ジュネ、アントン・コービン、女優のオルガ・キュリレンコ、河瀬直美が務め、コッポラは「日本映画の偉大な歴史の中で“幽霊譚”の系譜にある鶴岡慧子監督の『過ぐる日のやまねこ』は、寄る辺ない少年と少女の出会いを心震える物語に昇華した」とコメント。鶴岡監督は「映画を一緒につくった皆さん、故郷・長野県上田市の皆さん、映画を観てくれた皆さん、マラケシュ国際映画祭に『過ぐる日のやまねこ』をお招きくださった皆さん、そしてフランシス・F・コッポラ監督に、心から感謝を伝えたいです。ありがとうございました」と感謝のコメントを寄せている。本作は現在、全国で順次公開中で、19日(土)から富山・フォルツァ総曲輪で、年明けから京都シネマで公開になる。『過ぐる日のやまねこ』公開中
2015年12月15日『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』シリーズのキャラクターデザインを手がけたコンセプトアーティスト・田島光二氏による「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2016」のキービジュアルが7日、公開された。2016年2月25日から29日まで開催される本映画祭は、1990年に第1回を開催。以降、25年にわたり"参加して楽しい映画祭"の理念のもと、映画の普遍的な魅力を伝えることをコンセプトに北海道・夕張市で多くの映画スタッフやファンを集めてきた。発表されたキービジュアルは、2016年度の映画祭に向けて、描き下ろされた1枚。田島氏は『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』のほか、『ハンガー・ゲーム2』(13年)や『GODZILLA ゴジラ』 (14年)といったハリウッド超大作から、『寄生獣』シリーズにも関わるなど多様な活躍の場を持つコンセプトアーティストとして知られている。田島氏によると、同映画祭のマスコットキャラクター・シネガーが中央に大きく描かれた本ビジュアルは、シューパロ湖にかかっていた三弦橋(旧森林鉄道の鉄橋橋で、昨年3月のダムの試験湛水開始によって水没)と凍ったダム湖の過去の写真を見た際に、最初に湧いたイメージをイラストにしたもので、「一瞬でも『おっ』と思ってもらえたらうれしい」と話している。なお、これまでメイン会場だったゆうばり市民会館は、老朽化により閉館。新たな会場の移設を余儀なくされており、財政破綻前にメイン会場として機能し多くのスタッフやキャストが登壇してきたゆうばり文化・スポーツセンターを復活させることが計画されている。これに際して、「ゆうばり映画祭サポーターズクラブ」が設立。センター再生のほか、映画業界と地域創生をリードし続けるための礎の構築、映画祭を通した若手作家の輩出を目指した組織作りに取り組む。
2015年12月07日ヴェネチア国際映画祭での観客賞をはじめ、世界各国の映画祭で拍手喝采を浴びた感動作『ハッピーエンドの選び方』がいよいよ日本でも公開!「人には自分らしい人生の最期を選ぶ自由はあるのか?」という観た人それぞれの心のなかに大きな論争を巻き起こしそうな話題作です。イスラエルのエルサレムにある老人ホームに、妻のレバ―ナとともに暮らすヨヘスケル。発明が趣味のヨヘスケルは、ユニークなアイディアで発明品を作っては周りの人々の生活を少しだけ楽にしたり、小さな希望を与えたりしながら幸せな日々を過ごしていた。ところがある日、望まない延命治療により苦しんでいる親友から「安らかに死ねる発明をして欲しい」と依頼されてしまう。妻から猛反対されつつも、お人よしのヨヘスケルは親友のために“ある装置”を発明し、同じホームの友人たちと共に計画を実行する。秘密のうちに行われた計画だったにも関わらず、その噂は瞬く間に広がってしまい、彼らのもとへ依頼が次々と舞い込んでくることに。そんななか、愛する妻レバ―ナに認知症の症状が出始め、ヨヘスケルも自らの問題と向き合うことになる。ヨヘスケルとレバ―ナの2人が下した決断とは……?本作の監督・脚本を務めたのは、イスラエル出身の新進気鋭監督として注目されているシャロン・マイモンとタル・グラニット。実際に終末医療を目の当たりにした経験をもとに着想され、『おくりびと』などの日本映画からも影響を受けているという。いずれ誰もが迎える人生の最期を描くことで、今を生きる大切さや幸せに生きることとは何かを私たちに教えてくれるのです。「死」という重いテーマを取り上げつつも、ブラックユーモアと愛情が絶妙なバランスで織り交ぜられたヨヘスケル夫婦と友人たちのやりとりには、思わず笑いと涙が込み上げてきます。老いていくことは、決して輝きを失っていくことではなく、幸せな最期を迎えるその瞬間まで、人生は輝き続けているのです。普段は無意識のうちに考えることを避けてしまいがちな“人生の終わり”。自分だけでなく、家族や友人なども必ず直面する「死」という問題と向き合うことは辛いことではあるけれど、それによって自分がどう生きていきたいのかを改めて考えさせられはず。「自分らしい生き方とは何か?」と考えることは、きっと「自分らしい“ハッピーエンド”を迎えること」にもつながっているのかもしれません。イベントデータ:『ハッピーエンドの選び方』公開表記:11月28日(土)、シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー配給:アスミック・エース(C) 2014 PIE FILMS/2-TEAM PRODUCTIONS/PALLAS FILM/TWENTY TWENTY VISION.
2015年12月06日女優の樋口可南子(56)が、ベルギーで開催された「第40回ブリュッセル国際映画祭」で、"最優秀女優賞(Prix de la meilleure ACTRICE)"を受賞した。ブリュッセル国際映画祭は1976年に創設された。これまではインディペンデント映画を中心に上映する映画祭として知られたが、40回目となる2015年からはチームやテーマを一新。規模が拡大され、17日のオープニングには、先のパリ同時多発テロの影響を受けて厳戒態勢となっていた中、劇場・Grand Eldoradoに600人以上もの観客が集まった。同映画祭には、樋口が佐藤浩市と夫婦役で共演した映画『愛を積むひと』(公開中)がコンペティション部門に出品された。メガホンを取った朝原雄三監督の作品で同部門に出品されたのは本作が初。さらに、今年唯一のコンペティション部門に選ばれた日本映画ともなった。最優秀女優賞を受けた理由としては、樋口演じる良子の全てを許して包み込む演技が素晴らしかったこと、テーマが人間関係の構成を使って表現されていたこと、監督の演出の繊細さ、希望があるメッセージ性など。なお会期中はテロの余波から、渡航の最高警戒レベル4に引き上げられていたが、上映および授賞式には、日本からプロデューサーの1人が出席した。21日に予定されていたクロージングセレモニーは中止。関係者のみの夕食会の場で、各賞の発表と授与式が行われた。樋口は、「思いがけない受賞に、ただただ驚いています」「この心優しい映画が海外へ渡ってくれたことが本当にうれしい」としながらも、当日を「受賞の喜びと同時に警戒厳しい国からプロデューサーが無事に帰国してくれることを祈った一日でした」とも回顧。「ベルギーからプロデューサーがトロフィーを抱えた写真が届いて初めて知りました」とも明かしつつ、ねぎらいの気持ちも強いようで「今は、スタッフと一緒にお祝いしたい気持ちでいっぱい」と話す。一方の朝原監督は「難しい役をためらいやおじけを振り払って演じてくれた勇気が、結果として演技を超えた存在感をもって登場人物として映画に実を結びました」とし、樋口に対して「これからも時々で構いません、その芯の通った凛とした姿をスクリーンに現してください」と大きな期待を寄せた。また、樋口同様に海を越えて評価されたことにも感動。「ややこしい政治情勢のただ中にあるブリュッセルで寛容をテーマにしたこの映画が上映されたことに深い感慨を覚えます」と語った。『愛を積むひと』は、長年連れ添ってきた夫婦が連れ合いを亡くした時、どのように立ち直り、一歩前に進んでいくのか、お互いを思いやる夫婦の絆を描く。(C)2015「愛を積むひと」製作委員会
2015年11月26日女優の広末涼子が、アメリカ・ホノルルにて開催中の「第35回ハワイ国際映画祭」で、日本人の女優初となる"キャリア功労賞"を受賞した。"キャリア功労賞"は、これまでのキャリアを総括して評価された俳優に贈られる賞。日本人では渡辺謙や役所広司、海外ではサミュエル・L・ジャクソンらが受賞した。広末は10代から活躍していたキャリアが評価されたとみられ、15日(日本時間16日)に行われた授賞式では、英語で「この場にこうして立てることをうれしく思っています。とても興奮していて幸せな気持ちです。ありがとうございます!」と喜びを伝えた。同映画祭には、広末の主演映画『はなちゃんのみそ汁』(12月19日よりテアトル新宿と福岡県内で先行、2016年1月9日より全国公開)が長編部門に出品された。広末は、自身が出演した『おくりびと』(2008年)がかつて同映画祭で観客賞受賞を経て、その後もアカデミー賞外国語映画賞など国内外を席巻したことに触れ、「本当に自分にとってはこの映画祭は思い出深く、幸運なイメージのある場所です」としみじみ。「この場に足を運ばせていただき、本当に光栄でうれしく思います」とあらためて喜びを表現し、「『はなちゃんのみそ汁』も世界に羽ばたくことを夢見て、たくさんの方に愛される映画となるといいなと思います」と期待を寄せた。本作の原作は、ガンによって33歳の若さで亡くなった安武千恵さんが、自身と夫の信吾さん、そして娘のはなちゃんの日々をつづったブログ「早寝早起き玄米生活」を基とした同名のエッセイ。千恵さん役を広末が務めるほか、信吾さん役を滝藤賢一、はなちゃん役を1,000人超の応募者から選ばれた子役の赤松えみなが担当する。メガホンを取るのは、『ペコロスの母に会いに行く』(2013年)の脚本を手がけてきた阿久根知昭監督。本作で長編作品監督デビューすると同時に、脚本も担っている。現地時間14日にはワールドプレミアが実施され、広末も参加した。会場前には長蛇の列ができるほどの大盛況で場内は満席。上映中は、物語に涙する人が続出し、上映が終わると割れんばかりの拍手が送られた。観客の様子を見ていた広末も、「観客の皆さまがたくさん笑っていてくださり、安心しました」と思わず安堵。「この作品を通して、千恵さんに感謝したいです。そして、安武信吾さん、はなちゃんに出会えたことが何よりの幸せ」と笑顔を浮かべた。(C)2015「はなちゃんのみそ汁」フィルムパートナーズ
2015年11月17日「第2回広島国際映画祭」が11月20日(土)から23日(月・祝)までの4日間、広島県広島市内4会場で開催される。広島国際映画祭 チケット情報若手からベテランまで世界各国から集められた作品を上映する本映画祭。特別招待作品として、カンヌ映画祭で話題となったポルトガルのミゲル・ゴメス監督による新作『アラビアン・ナイト』、フランスの新鋭映画監督ダミアン・マニヴェル監督の『若き詩人』、そして地元・広島出身のPerfumeのドキュメンタリー映画『WE ARE Perfume -WORLD TOUR 3rd DOCUMENT-』の上映も追加決定している。さらに、30代女性の結婚や恋愛模様を描いた濱口竜介監督の『ハッピーアワー』を12月の全国公開に先駆けて上映。ワークショップで選出した一般女性4人を主役に抜擢し、ロカルノ国際映画祭最優秀女優賞を獲得した本作品のジャパンプレミアにも注目が集まる。コンペティション部門では、ロカルノ国際映画祭2014にて映画『若き詩人』で特別大賞を受賞したダミアン・マニヴェルが審査員として参加。出品作には、俳優としても活躍する染谷将太の最新監督作『清澄』も名を連ねる。舞台挨拶やトークショーも充実。ゲストとして『あん』の俳優・永瀬正敏、先述の染谷将太やミゲル・ゴメス監督が登壇予定。前売チケット発売中。■広島国際映画祭11月20日(金)~23日(月・祝) NTTクレドホール(広島県)ほか※11月20日(金)は前夜祭。3日通し券もしくは1日券をお持ちの方は入場無料前売チケット:3日通し券 3000円 / 1日券 1500円
2015年11月17日猫好きの、猫好きによる、猫好きのための大人気コミックを実写で映像化した『猫なんかよんでもこない。』の最速お披露目上映が、ちちぶ映画祭2015の最終日となる15日に行われ、主人公(風間俊介)の兄役を演じるつるの剛士、原作者の杉作氏、山本透監督が出席した。ちちぶ映画祭2015/その他の写真原作は、実話を基に猫2匹とダメボクサーの交流を描いた杉作の人気コミック。映画は、風間がボクシングに人生を捧げる三十路寸前の男・ミツオを演じ、兄が突然ひろってきた子猫の兄弟“超やんちゃなチン”と“超気ままなクロ”と生活することになった“猫初心者”ミツオのかけがえのない日々が描かれる。この作品にふさわしく大の猫好きな3人。中でも芸能界随一の猫好きとして知られているつるのが、「猫好きだからキャスティングされたって噂があるんですが……」と監督に問い詰めると、監督は「それだけじゃないけど、それも理由の一つ。猫の抱き方からして普通の人と違うから素晴らしかった!」と猫好き俳優としての演技を絶賛。また、杉作氏もつるのに対して、「バッチリの演技で、かつての自分の生活を色々思い出しましたね。画を描くのもとても上手で、ハッキリ言って、僕より上手い(笑)」と漫画家としても太鼓判を押した。「呼んでもこなかった(笑)!」と、主役の猫不在となった映画祭クロージング・セレモニーに残念そうな様子を見せた面々だったが、杉作氏は「原作者が言っても説得力がないかもしれませんが、本当に心に刺さる良い作品にして頂けたと思います。映画化して頂けて、素直に嬉しいです。」と話し、つるのは「僕の子供たちも作品を先に見ているんですけど、食い入るように画面に引き込まれていました。チンとクロの成長物語でもあり、日常生活を描いたふんわりとした作品になっているので、ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです。」と、本作をアピールしつつ、「僕にとって貴重な俳優業なので……。監督、ありがとうございます(笑)!僕、犬も飼っているので、『犬なんかよんでもこない。』の時はまたぜひ、杉作先生に犬の漫画を描いていただいて……(笑)」と自身もしっかりPRし、会場の笑いを誘った。『猫なんかよんでもこない。』2016年1月30日(土)全国公開
2015年11月16日「第28回東京国際映画祭」が10月31日(土)に閉幕を迎え、クロージング作品『起終点駅 ターミナル』の佐藤浩市、本田翼、尾野真千子、篠原哲雄監督がクロージングセレモニーの最後に舞台挨拶に臨んだ。直木賞作家・桜木紫乃の小説の映画化で、法では償えない“罪”を背負い、自らに罰を課した男と、そんな彼に人生を変えられた2人の女のドラマが、雪深い北の街で紡ぎ出される。グランプリの結果発表を含む授賞式直後の登壇となったが、佐藤さんは「おめでとうございます」と受賞者たちを祝福。自身、東京国際映画祭への参加は6回目となり、特に第18回東京国際映画祭に『雪に願うこと』で参加した際は、作品は最高賞のグランプリを含む4冠に輝き、自らも最優秀主演男優賞を受賞した。佐藤さんは改めて映画祭への参加について「参加するたびに映画祭が華やかになっていくのを感じます。映画が話題の中心にあり、その輪が大きくなっていくことほど嬉しいことはありません。今回、日本映画らしい映画を持ってこれて、光栄に思います」と語った。佐藤さん演じる完治によって、人生を大きく左右される女性を演じた本田さんと尾野さん。佐藤さんとの共演について本田さんは「ほとんど2人での芝居で毎日緊張しましたが、浩市さんの仕事への姿勢を目の前で見られて充実の日々でした」と述懐。尾野さんは「映画と同じように、人生を変えていただいたのではないかと思います(笑)」と意味深に(?)語っていた。また、完治という男性についての個人的な見解を尋ねると本田さんは「静かに物事を捉え、ただひとつ、料理に熱中してますが、ひとつのことに集中する姿はステキです」と語る。尾野さんは「ひとりの人を長く想う、そういう男性が世の中には多いのではないでしょうか?私の周りには多いです」とニッコリ。演じた佐藤さん自身は会場を見渡し「ここにいる男性の全員が、男の愚かさ、優しさのはき違えがどういうところにあるか、(本作を見て)分かってもらえると思います」と“男”の目線で語っていた。篠原監督は海外のメディア、映画人を含め、これから映画を見る観客へのメッセージを求められ「人はもう一度、生き直すことができるということをしみじみと描いたつもりです」と呼びかけた。『起終点駅 ターミナル』は年11月7日(土)より公開。(text:cinemacafe.net)
2015年11月01日第28回東京国際映画祭のクロージングセレモニーが31日、東京・六本木のTOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われ、今年新設された"ARIGATO(ありがとう)賞"を受賞した女優の樹木希林、広瀬すず、俳優のリリー・フランキー、アニメーション映画監督の細田守監督、レベルファイブの日野晃博社長が表彰された。"ARIGATO(ありがとう)賞"は、映画界に貢献している人たちに「ありがとう」の意を伝える賞。トロフィーを受け取った広瀬は「日本でこのような賞をもらうのは初めてなので、少し気恥ずかしい」と照れつつ、「この恩を…支えてくださったたくさんの方に感謝の気持ちを込めて、一生懸命頑張りたい」と飛躍を誓った。樹木は「昨日、高齢者のための免許証取得の事前の講習会に、3時間行って参りました。年をとるということは大変なことだと思います」と笑わせ、「にも関わらず、人さまから『ありがとう』などと言ってもらえる…いえいえ、こちらこそありがとうございます!」と感謝。リリー・フランキーは「映画の世界から『ありがとう』と言われるほど、樹木さんのように長く貢献したわけでもなく、なぜ僕がいただけたのかわからない」と謙遜し、「どっちかというと、広瀬すず枠としてさわやかな風を吹かせたと思っています」と笑いを誘った。また、細田監督は「いつもスタッフやキャストに『この作品に参加してくれてありがとう』、『いい絵を描いてくれてありがとう』などと言っていますが、本日は『ありがとう』と逆に声をかけられた感じがします」と喜び、日野社長は「映画業界でいただけるような賞をいただくというのは光栄なこと。これからも家族みんなで楽しめるものを作り続けるということを心がけてやっていきたい。映画も作り、いろんなコンテンツをやっていきたい」と語った。なお、樹木は長年にわたり数々の映画に出演してきた功績をたたえられ、広瀬は今後の映画界になくてはならない存在になるという期待を込めて選出、リリー・フランキーはさまざまなジャンルでの活躍や話題作に多数出演していることから選ばれた。そして、細田守監督は『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』などの大ヒットアニメ映画を生み出した功績を評価され、レベルファイブの日野社長は『妖怪ウォッチ』シリーズの劇場版で映画界に一大旋風を巻き起こしたとして選出された。
2015年10月31日「第28回東京国際映画祭」が10月31日(土)に閉幕し、最高賞「東京グランプリ」は実在の女医を題材にしたブラジル映画『ニーゼ』が受賞し、同作主演のグロリア・ピレスは最優秀女優賞にも輝いた。日本から出品された3作品は、いずれも受賞はならなかった。『ニーゼ』はブラジルで、精神病院に着任し、ショック療法が正しいとされていた時代にユングの理論を実践し、芸術療法を含む画期的な治療を導入しようと男社会の熱い壁に立ち向かっていった実在の女医ニーゼの姿を描いている。先にグロリア・ピレスの最優秀女優賞受賞が発表されたが、審査員を務めたスザンヌ・ビアによると「評議はわずか5分だった」とのこと。グロリア本人は欠席のため、ホベルト・ベリネール監督が代理でトロフィーを受け取り「彼女は女優としてはもちろん、ひとりの人間として素晴らしい」と称賛を送った。審査委員長のブライアン・シンガーによって発表される最高賞「東京グランプリ」の発表でも『ニーゼ』の名が読み上げられ、見事に2冠を達成。ブライアン・シンガーは「ファンタジーであれ実話であれ、観客にとって『これは本当だ』と思わせられることが映画にとっては大事なことです。この映画はその要素を満たしており、寂しさがあり、ユーモアがあり、そして勝利が描かれていました」と語り、最終的に満場一致での受賞であったと明かした。再び壇上に上がったベリネール監督は「この映画が完成するまでには長いプロセスと苦労がありました。私の人生の13年を費やしました。主人公のニーゼは非常に重要な人物であり、偉大な革命家でありますが、彼女を知っている人は多くはなく、その存在を世に紹介するのが、この映画を監督する私の責任でもありました。5~6か月を実際に精神を患った患者たちと過ごし、彼らはこの映画のスタッフとなりキャストとなってくれました。そして彼らの存在は我々の人生をも変えました」とここまでの道のりを振り返ると共に感謝の言葉を口にした。コンペティション部門のこの他の賞では、最優秀男優賞を戦後にデンマークに残った地雷除去を敗残のドイツの少年兵が行った実話を元にした『地雷と少年兵』のローラン・モラーとルイス・ホフマンの2人が揃って受賞(※受賞者は欠席)。芸術貢献賞は、ひと足先に両親がバカンスに行き、留守番を任された姉弟の身に起こる思わぬ事態を描いた『家族の映画』に輝いた。最優秀監督賞は、厳しい自然の中で生きる家族のドラマを描いた『カランダールの雪』のムスタファ・カラ監督が受賞。なお、この『カランダールの雪』は、映画祭のスポンサーでもあるWOWOWの視聴者が選ぶ「WOWOW賞」にも選出された。また、フランスのコメディアンであるケイロンが監督、脚本、主演を務め、アラブ世界からのフランスへと渡ったッ自らの父親の姿を題材に紡いだ『スリー・オブ・アス』が審査員特別賞を受賞。会期中に劇場に足を運び、コンペティション部門作品を見た観客の投票で決定する「観客賞」は、イタリアのヒューマン・コメディ『神の思し召し』に授けられた。コンペティション部門外の作品では、インディペンデント系の日本映画を上映する「日本映画スプラッシュ」部門では、小路紘史監督の長編初監督作品『ケンとカズ』が作品賞を受賞した。日本からコンペティション部門に出品された『残穢【ざんえ】-住んではいけない部屋-』『FOUJITA』『さようなら』の3作品は残念ながら受賞はならなかった。【受賞一覧】<コンペティション部門>東京グランプリ:『ニーゼ』(ホベルト・ベリネール監督)審査員特別賞:『スリー・オブ・アス』(ケイロン監督)最優秀監督賞:ムスタファ・カラ監督(『カランダールの雪』)最優秀女優賞:グロリア・ピレス(『ニーゼ』)最優秀男優賞:ローラン・モラー&ルイス・ホフマン(『地雷と少年兵』)最優秀芸術貢献賞:『家族の映画』(オルモ・オメルズ監督)観客賞:『神様の思し召し』(エドアルド・ファルコーネ監督)WOWOW賞:『カランダールの雪』<日本映画スプラッシュ部門>作品賞:『ケンとカズ』小路紘史監督<アジアの未来部門>作品賞:『孤島の葬列』(タイ/ピムパカー・トーウィラ監督)国際交流基金アジアセンター特別賞:『告別』(中国/デグナー監督)(text:cinemacafe.net)
2015年10月31日第28回東京国際映画祭のクロージングセレモニーが31日、東京・六本木のTOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われ、最高賞である東京グランプリにブラジル映画の『ニーゼ』が輝いた。東京グランプリの発表は、審査委員長を務めたブライアン・シンガー監督が担当。「作品がファンタジーであろうと実話に基づくものであろうと、見た観客が本当だと思うことがとても大事。今回のこの作品はその要素が全部含まれた」と説明した後、『ニーゼ』と発表した。『ニーゼ』は、リオデジャネイロ郊外の精神病院に着任した女医ニーゼ・ダ・シルヴェイラの苦闘を描いた実話。ステージに登壇し、トロフィーや表彰状、麒麟像を受け取ったホベルト・ベリネール監督は「13年間をこの映画にささげてきました。脚本を書き直し書き直し作りました」と明かし、「ニーゼ・ダ・シルヴェイラは非常に重要な人物で偉大な革命家ですが、彼女を知っている人は少ない。彼女を世界に紹介したいという気持ちが強かったので、これだけ長い時間がかかってしまいました」と語った。また、「病院の精神科の患者たちと5、6カ月一緒に過ごし、彼らは撮影にも参加し、スタッフにもなりキャストの一員にもなった。その体験が私たちの人生を変えました」と話し「それは映画の中に全部出ています。見ていただけたら、いろいろ感じとっていただけると思います」と自信。再び「サンキュー!」とトロフィーを掲げて喜ぶ監督に、大きな拍手が送られた。なお、最優秀女優賞も『ニーゼ』のグロリア・ピレスが受賞し、二冠を達成した。すべての賞の発表後、ブライアン・シンガー監督は「グランプリに『ニーゼ』が満場一致で決まったことは個人的にうれしかった。実は身体障害者の子供、精神にも異常のある子供たちのバスドライバーをした経験があり、そういう意味でも心を打つ作品になった」と感慨深げにコメント。「最終的に和やかに最終決断を下すまでは、かなりいろんな意見がありました」と選考過程を振り返り、「みんなと一緒に映画を見て、ランチを共にし、この舞台でこの友人たちとすばらしい仕事ができた」と達成感に満ちた表情を見せた。今年のコンペティション部門には、86の国と地域の応募の中から選ばれた16作品が参加。日本からは、竹内結子主演『残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―』、オダギリジョー主演『FOUJITA』、ブライアリー・ロング主演『さようなら』の3作品がノミネートされていたが、受賞はならなかった。第28回東京国際映画祭 受賞作品・受賞者【コンペティション部門】東京グランプリ:『ニーゼ』審査員特別賞:『スリー・オブ・アス』最優秀監督賞:ムスタファ・カラ(『カランダールの雪』)最優秀女優賞:グロリア・ピレス(『ニーゼ』)最優秀男優賞:ローラン・モラー/ルイス・ホフマン(『地雷と少年兵』)最優秀芸術貢献賞:『家族の映画』観客賞:『神様の思し召し』WOWOW賞:『カランダールの雪』【アジアの未来】作品賞:『孤島の葬列』国際交流基金アジアセンター 特別賞:『告別』【日本映画スプラッシュ】作品賞:『ケンとカズ』【ARIGATO(ありがとう)賞】樹木希林、広瀬すず、リリー・フランキー、細田守、日野晃博【SAMURAI(サムライ)賞】山田洋次監督、ジョン・ウー監督
2015年10月31日第28回東京国際映画祭の最終日となった31日、コンペティション観客賞が発表され、イタリアのコメディ映画『神様の思し召し』が受賞。東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて授賞式が行われ、エドアルド・ファルコーネ監督が登壇した。コンペティション出品作品の中から、観客の投票によって決定する観客賞。このたび、クロージングセレモニーに先駆けて同賞の授賞式が行われ、エドアルド・ファルコーネが監督を務めたイタリアのコメディ映画『神様の思し召し』が選ばれた。トロフィーや花束、賞金、そしてハッピを贈られたエドアルド・ファルコーネ監督は「とてもうれしい。この映画を気に入ってもらえてうれしい」と感激。「人生の中でとてもうれしい時を過ごしています」と喜んだ。『神様の思し召し』は、腕はピカイチだが、自信過剰で傲慢な外科医の物語。ある日、医大に通う息子に意外な告白をされたことで、彼の人生観に狂いが生じてくるというストーリーで、巧みな展開に笑わされ、また、人間の心の奥深さに感動する大人のコメディドラマだ。なお、今年のコンペティション部門ノミネート作品は、86の国と地域の応募の中から選ばれた16作品で、日本からは竹内結子主演『残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―』、オダギリジョー主演『FOUJITA』、ブライアリー・ロング主演『さようなら』の3作品が参加。いよいよ本日、グランプリが決定する。
2015年10月31日スズキのインド子会社マルチ・スズキは26日、新型小型車「バレーノ(Baleno)」をインド国内向けに販売開始するとともに、世界各国へ輸出するとを発表した。バレーノは、スズキが2015年9月のドイツ・フランクフルトモーターショーに出品した、ダイナミックでエレガントなスタイリング、最適なパッケージング、高いパフォーマンスを調和させた新しい小型車。インド国内向けモデルには、1.2Lガソリンエンジンと1.3Lディーゼルエンジンを搭載している。マルチ・スズキでは、同車をプレミアムハッチバック車として、プレミアム車の新販売網「NEXA」にて26日より販売を開始した。「NEXA」で取り扱うプレミアム車としては新型クロスオーバー「S-CROSS(エスクロス)」に次いで2車種目となり、バレーノの投入によりインド市場でのさらなる拡販を図っていく。なお、2015年4月から9月の上半期におけるマルチ・スズキのインド市場における卸販売台数は628,963台(前年比113%、乗用車市場のシェアは47.3%)となった。スズキは、このバレーノをグローバルカーとしてマルチ・スズキのマネサール工場で生産し、欧州をはじめとする世界各国へ順次輸出していく計画。
2015年10月27日歌舞伎役者の片岡愛之助が10月26日(月)、開催中の「第28回東京国際映画祭」の中の注目プログラム「歌舞伎座スペシャルナイト」に登場!歌舞伎座で舞踊「雨の五郎」 を披露し喝采を浴びた。外国人の記者やミス・インターナショナルの各国代表も見守る中で愛之助さんは華やかさと力強さにあふれた舞踊「雨の五郎」 を披露し、豪快な立ち回りなどで観客を魅了した。上演後に行われた報道陣向けの取材では、今回の国際映画祭の場での舞踊披露という大役について「役者冥利に尽きます」と喜びを口にした。今回「雨の五郎」という演目を選んだ理由については「外国人の方が多いので、これぞ歌舞伎という演目で、見てわかりやすいものにしました」と説明。これから歌舞伎に初めて触れる人々に対しては「歌舞伎って難しいものと思われがちですが、そんなことはないんです。外国人の方には言葉の壁がありますが、ここ(歌舞伎座)にはイヤホンガイド(英語での解説)があります。1回見て、今度はイヤホンガイドなしで踊りをじっくりと見てほしいですし、1階席だけが歌舞伎ではなく、上から見た方が美しく見える場合もあります。僕は(屋号は)松嶋屋で銀杏の定紋ですが、上から見て人が銀杏の形を作っていたりもするので、次に見る時は違う階からも見てほしい」と歌舞伎の楽しみ方を熱く語った。そして「片岡愛之助、歌舞伎役者ですが、歌舞伎をはじめ、ドラマや映画にも精進していきます」と今後も他分野を含め、幅広く活動していくことを宣言した。去り際に、結婚間近と報じられている女優の藤原紀香と行ったとされる旅行についての質問が報道陣から飛び、紀香さんのブログのタイトルに絡めて「ノリノリノリカですか?」と問いかけられると、コメントは発しなかったものの、報道陣の方を笑顔で振り向き、頭をペコリと下げた。(text:cinemacafe.net)
2015年10月27日第28回東京国際映画祭の特別招待作品『エベレスト3D』と、岡田准一が主演する来年公開の『エヴェレスト 神々の山嶺』の2作品が10月25日(日)、都内で合同記者会見を行い、各スタッフと関係者が一堂に会した。ヒマラヤ山脈に位置する世界最高峰・エベレストで繰り広げられた実話を基に映画化した『エベレスト3D』からは、バルダザール・コルマウクル監督と、唯一の日本人キャストとして実在の女性登山家を演じた女優・森尚子が出席した。ネパールで過酷な高地ロケが敢行され、「クルーが高山病の症状や体調不良を訴えるなか、出演者自らが重い荷物を背負って現場に向かった。限界に挑む毎日でしたが、こうして皆が無事に戻ってこられたのが何よりうれしい」(コルマウクル監督)、「まつ毛も髪の毛も凍りましたね。監督は人間と自然の戦いにこだわっていて、私たちにも常にacting(演技)ではなく、reaction(反応)しろと言っていました」(森さん)とふり返った。片や、岡田准一、阿部寛、尾野真千子という豪華キャストが出演する『エヴェレスト 神々の山嶺』からは、製作代表を手がける角川歴彦氏、平山秀幸監督、原作者の夢枕獏氏が出席し、同作を国際舞台でアピールした。今年3月にネパールでのロケを行った直後、同地で震災が起こり、「映画化にはエベレストに匹敵する壁があったが、現地の皆さんに支えられた。来年3月の日本公開を前に、ネパールの皆さんにご覧いただく機会を作れれば」(角川氏)、「震災が起こったのがちょうど半年前。現地スタッフやコーディネーターの方々に支えられたおかげで、僕らも仕事できた」(平山監督)と感謝とエールを送り、マダン クマール バッタライ特命全権大使(在日本ネパール国大使)に義援金を手渡した。また、夢枕氏は「何度も映像化のオファーがあったが、やはり現地ロケ抜きには成立せず、何度も頓挫した」と明かし、「今回は、皆さんの本気度が映画化を実現させた」と感慨しきり。「いまは感謝でいっぱいで、原作を書いて良かったという思い。一観客として完成が楽しみ」と期待を示した。第28回東京国際映画祭は10月31日(土)まで、メイン会場となる六本木ヒルズをはじめ、TOHOシネマズ新宿などで開催。『エベレスト3D』は11月6日(金)よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開。『エヴェレスト 神々の山嶺』は2016年3月12日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:エベレスト 3D 2015年11月6日よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開(C) Universal Pictures
2015年10月25日