『ウォーターボーイズ』、『スウィングガールズ』の矢口史靖監督の最新作『ロボジー』の公開を記念して、主演にして主題歌も担当するミッキー・カーチス(五十嵐信次郎)がかつて一世を風靡したロックの聖地“日劇”に凱旋!“新曲発表カーニバル”と銘打ってバンド「シルバー人材センター」の仲間たちと生演奏を披露した。家電メーカーの窓際3人組が社長命令で2足歩行ロボットを開発するも発表間際に大破。代わりにロボットの中に人を入れてピンチを乗り切ろうとするドタバタコメディで、カーチスさんはロボットの中に入る偏屈な老人を演じている。半世紀前に日劇ウェスタンカーニバルに出演し、平尾昌晃、山下敬二郎と共に「ロカビリー3人男」と呼ばれたカーチスさんは、久々の日劇での演奏にノリノリ。本作の主題歌で、ステイクスの1983年のヒットナンバーをカバーした「Mr.ROBOTO」に加え、往年のロックメドレーを披露し、集まった観客の歓声を浴びた。バンドメンバーはロボットのヘルメットをかぶって登場したが、その中には「ゴダイゴ」のメンバーであり、カーチスさん同様にかつて日劇の舞台に上がった経験を持つミッキー吉野、浅野孝巳ら大物ミュージシャンの姿も!観客は往年のスターたちの生演奏に酔いしれた。演奏を終えたカーチスさんは「昔は黄色い声援が飛んだけど、いまは紫っぽいかな」と笑いつつ「様子は変わったけど懐かしい」としみじみと語った。初めてカーチスさんの演奏を目の当たりにした矢口監督は「こんなにかっこよかったんですね。そうと知らずに映画の中ではしょぼくれたおじいさんを演じてもらいました。失礼しました」と語り花束を手渡した。カーチスさんは本作への主演が決定してから“五十嵐信次郎”に改名したが、矢口監督は「若い世代はミッキー・カーチスさんの名前を結構知らないので、外人が出てくるかと期待してしまう。だから73歳の新人俳優として『違う名前にしてみませんか?』と言いました」と説明した。撮影は1月に行われたが、ロボットの中に入るときは「マイナス2度だったけど、ステテコ一丁」(カーチスさん)。装備はおよそ30キロで、トイレにも行けず、関節もかなり痛かったようで監督は「ほとんど老人虐待ですよね。申し訳ありません」と平謝り。カーチスさんは主題歌も含め「『やるよ』と気楽に言ったけど大変だった」とふり返りつつ「普段のおれにないものを引き出してもらった」と監督に感謝を伝えた。オーディションのときから髪やヒゲを切ることを了承していたというが、現場ではお尻を出すことまで要求されたとか…。カーチスさんは「何回も出してます!」と明かし、豪快に笑っていた。『ロボジー』は2012年1月14日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:ロボジー 2012年1月14日より全国東宝系にて公開© FUJI TELEVISION,TOHO,DENTSU,ALTAMIRA PICTURES
2011年11月28日強盗殺人で死刑判決を受けた男と、彼の犯罪の被害者の婚約者だった女との間に育まれる“愛”を描いた究極の純愛ドラマ『真幸くあらば』(まさきくあらば)が1月9日(土)に公開を迎えた。初日の舞台挨拶に主演の尾野真千子と久保田将至をはじめ、ミッキー・カーチス、監督の御徒町凧、そして本作で自身初となる映画の音楽監督を務めた森山直太朗らが登壇した。尾野さんは「究極の純愛を演じたつもりです。クセになる、ハマってしまう作品だと思います。ぜひ 2〜3回観に来てください!」と自信の挨拶。死刑囚という難しい役どころを演じた久保田さんは「映画でしか描けない、究極の純愛映画です。観た人はそれぞれ違う、いろんな感想を持つと思います。その思いを持ち帰って、またいろんな人と話してください」と観客に向けて呼びかけた。ミッキー・カーチスさんも同じく死刑囚を演じたが「役を演じるときに、よく実際にやってみたりする…ホームレスの役のときは何日か路上で暮らしてみたりね。ただ、今回の死刑囚は体験できなかったね(笑)。この映画は本当に歪んでるから、覚悟して観ろよ!」とユーモアたっぷりに挨拶した。本作が初監督作品となる御徒町監督は「実際に満員のお客さんを見ると嬉しいですね。楽しんでください」と笑顔を見せた。そして、森山さんは「観て感じていただくことが全て。心のひだを開いて感じてください。目に見えるもの、耳に聞こえるもの全てが五感を刺激する作品です」としっかりとした言葉で作品をアピールした。『真幸くあらば』は新宿バルト9ほか全国に公開中。■関連作品:真幸くあらば 2010年1月9日より新宿バルト9ほか全国にて順次公開©2009「真幸くあらば」製作委員会■関連記事:尾野真千子インタビュー「ここで隠したら一緒になれない気がした」と“覚悟”明かす
2010年01月11日捨て身の中年レスラーを熱演し、今年のアカデミー賞主演男優賞候補にもなり、長い低迷期を抜け、奇跡の復活を遂げたミッキー・ロークが、33歳年下の恋人にプロポーズ、来春にも挙式予定だと報じられた。気になるお相手はロシア出身のモデル、イリーナ・クレツカヤ。『レスラー』の演技が高く評価され、敵役での出演が決まった『アイアンマン2』でロシア人のイヴァン(ウィップラッシュ)を演じることになったミッキーにロシア語の手ほどきをしたのがイリーナで、その後すぐに2人の交際が明らかになった。去年までのミッキーといえば、相棒はチワワの老犬・ロキだったが、ロキはご主人様の復活劇を見届けると、今年2月に息を引き取った。失意のミッキーを励ます存在となったのがイリーナだったようで、友人によれば「2人の間にはしっかりした計画はないが、ミッキーは4月に挙式したいと思っていて、ロシアの伝統的な結婚式について勉強中だ」とのこと。80年代から90年代、2人の女優と結婚・離婚を繰り返したミッキー。今度こそ3度目の正直で幸せがつかめるだろうか?(text:Yuki Tominaga)11月28日、新しいワンちゃんを買いにペットショップに訪れた際のミッキーとイリーナ。© Splash/AFLO■関連作品:アイアンマン2 2010年6月、全国にて公開レスラー 2009年6月13日よりシネマライズ、TOHOシネマズ シャンテ、シネ・リーブル池袋ほか全国にて公開© Niko Tavernese for all Wrestler photos■関連記事:スカーレット・ヨハンソンに会える権利がチャリティ・オークションに出品ミッキー・ロークが全身全霊を懸けた話題作『レスラー』試写会に5組10名様ご招待ゲイリー・オールドマン、『アイアンマン2』には出演しないグウィネスが、お気に入りばかり集めた「ロンドン・ガイド」を発表スカーレット・ヨハンソン、ミッキー・ロークが『アイアンマン』続編に出演決定!
2009年12月11日いま、最も人気のある劇作家の1人であると同時に、今年の上半期を含め2度も芥川賞にノミネートされるなど、文壇でも高い注目を集める本谷有希子(「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」)。彼女が主宰する「劇団、本谷有希子」が2005年に上演し圧倒的な支持を集め、自身の手で小説化された「乱暴と待機」が、浅野忠信、美波、小池栄子、山田孝之という豪華キャストを迎え、冨永昌敬監督の下で映画化されることが決まった。天井裏からのぞく男とのぞかせる女――。お互いに激しい好意を持ちつつも、歪んだ形でしか関係を築くことができない2人だったが、彼らの住む家の近所に一組の夫婦が引っ越してきたことでその関係に変化が…。「復讐」、「お兄ちゃん」、「2段ベッド」で構築された世界に、「復讐相手として憎まれている限り、“お兄ちゃん”が私から離れていくことはない」という屈折した愛情――。“恐るべき”本谷有希子の魅力がたっぷりと詰まった舞台に、当時、劇場は連日満員を記録した。今回の映画版で天井裏からのぞく男・山根英則を演じるのは浅野忠信。「(脚本を読んで)英則が誰にも負けない愛を示すまでの話だと感じました。彼の屈折した表現が興味深かったし、(演じる上で)難しいポイントでもあります。“夢中なところ”に期待してください」と意気込みを語る。美波さんは、“のぞかれる”そして“のぞかせる”女、緒川奈々瀬を演じる。「冨永監督、本谷有希子さんとご一緒できることが本当に嬉しかったです。作品へダイブする気持ちで演じたいと思います。(見どころは)とにかくこの世界観、4人のかみ合わないキャラクター、独特のセンス、ユーモア…それから原作にはない、奈々瀬の読経シーンは個人的に好きです」と明かしてくれた。小池さんは自身が演じる奈々瀬の元同級生・番上あずさについて「これまた濃い役だな!とワクワクしました。そしてかわいらしい女性だなと」と語る。そして演じるに当たっては「あずさが感じている苛立ちをお客さんに共感してもらえたら嬉しい」とも。山田さんはあずさの夫・番上貴男に扮するが「とことんダメな男だから演じるのが楽しみで、この『乱暴と待機』という世界観に早く入り込みたいと思った」とノリノリの様子!「(英則と奈々瀬の2人のような人物に)で会う機会はなさそうだし、番上としてそんな2人を感じてみたいと思いました。物語の展開が読みづらい作品だと思いますが、そのあたりが見どころです。あと、セリフが面白い!」とすっかり作品の世界に魅了されているよう。この4人がどのようなドロドロの化学変化をもたらすのか?『パビリヨン山椒魚』で人々を唸らせ、今年に入ってからは『パンドラの匣』で太宰治のサニーサイドを見事に映像化した冨永監督の手腕にも期待がかかる。『乱暴と待機』は2010年秋、テアトル新宿ほか全国にて公開。■関連作品:乱暴と待機 2010年秋、テアトル新宿ほか全国にて公開パンドラの匣 2009年10月10日よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開© 「パンドラの匣」製作委員会■関連記事:太宰「人間失格」が「デスノート」漫画家のデザインで映画化!堺雅人もTVに続き参戦【どちらを観る?】太宰のイメージを裏切る二作『ヴィヨンの妻』&『パンドラの匣』『パンドラの匣』仲里依紗インタビュー「時々、自分が分からなくなります(笑)」フルCGのミッキー・カーチスが見どころ?『パンドラの匣』宮城先行公開太宰原作を個性派俳優陣で映画化!『パンドラの匣』試写会に5組10名様ご招待
2009年11月30日太宰治×堺雅人×小畑健×マッドハウス=!?文豪たちの名作を人気漫画家のデザインでアニメーション化、当代一の人気俳優・堺雅人をナビゲーターに迎えて深夜枠で日本テレビにて放送中の「青い文学」。10月より本番組の第1弾として、太宰治の名作と人気漫画「DEATH NOTE」、「バクマン。」などで知られる小畑健のコラボレーションで放送され、大きな話題を呼んだ「人間失格」が『人間失格 ディレクターズカット版』として12月12日(土)より劇場公開されることが決まった。元々、太宰生誕100周年を迎え若い層を中心にした文学熱の高まりの中で、集英社が恒例の“ナツイチ文庫”で、小畑健、許斐剛(「テニスの王子様」)、久保帯人(「BLEACH」)ら人気漫画家の書き下ろしによるスペシャルカバーを展開。これが大ヒットを記録したことを受け、このスペシャルカバーで描かれたキャラクターを基に、日本屈指のクリエイター集団「マッドハウス」が文豪たちの小説をアニメーション化したのが「青い文学」シリーズである。先に挙げた「人間失格」に「桜の森の満開の下」(原作・坂口安吾×キャラクター原案・久保帯人)、「こころ」(夏目漱石×小畑健)、「走れメロス」(太宰治×許斐剛)、「蜘蛛の糸」、「地獄変」(共に芥川龍之介×久保帯人)など錚々たる作品が放送される予定。また、アニメーションの質の高さに加えて、人気俳優の堺雅人が番組のナビゲーターを務めると同時に、主人公の声優の声を演じていることも話題に。このTVシリーズでの大きな反響を受けて、このたび「人間失格」がディレクターズカット版という形で映画化される。『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』、『パンドラの匣』など次々と太宰作品が映画化される中、アニメーションという形で太宰文学の新境地を開く!新旧の才能がせめぎあい、作り上げられた『人間失格 ディレクターズカット版』。シネ・リーブル池袋にて12月12日(土)より、12月19日(土)よりテアトル梅田にて公開。■関連作品:ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜 2009年10月10日より全国東宝系にて公開© 2009 フジテレビジョンパパドゥ新潮社日本衛星放送パンドラの匣 2009年10月10日よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開© 「パンドラの匣」製作委員会■関連記事:広末の丸メガネ姿に堤真一萌え?浅野忠信は浮気願望をポロリ『ヴィヨンの妻』初日【どちらを観る?】太宰のイメージを裏切る二作『ヴィヨンの妻』&『パンドラの匣』『パンドラの匣』仲里依紗インタビュー「時々、自分が分からなくなります(笑)」フルCGのミッキー・カーチスが見どころ?『パンドラの匣』宮城先行公開変わりやすい?女心と秋の空vol.1『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』
2009年11月02日2009年は太宰治の生誕100年。この節目にちなんで今年から来年にかけて太宰作品を原作とした映画が4本立て続けに公開となる。5月に公開された『斜陽』に続き、10月10日(土)には『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』と『パンドラの匣』が、『人間失格』は来年公開予定だ。そこで、今回は同日に初日を迎える2本を紹介したい。世間一般的に知られている“太宰治”像は、自殺癖があって、暗い性格で、けれど男前…といった感じだろうか。もちろんその背景には「人間失格」が与えるイメージが大きい。しかし、主演・松たか子、共演・浅野忠信、『雪に願うこと』の根岸吉太郎監督という実力派のコラボレーションによって生まれた『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』は、ある1組の夫婦の生きざまを丁寧に描いた愛の物語。そこにあるのは前述したダークな印象ではなく、清々しさと切ない愛。見ごたえある文芸ドラマである。もちろん、そう言い切れるのは──愛人は作る、借金は作る、おまけに常に死を考えている小説家・大谷という、どうしようもないダメ男を魅力的に演じた浅野忠信、そんな大谷を大きな愛で包み込むしっかり者の妻・佐知を凛とした美しさで演じた松たか子、実力がなければ演じられない役どころを2人の俳優が見事に演じているからこそ。さらに、日本を代表する美術監督の種田陽平の率いる美術チームが創り上げた昭和20年代のセットの素晴らしいこと!原作、キャスト、スタッフ…すべて一流という贅沢な1作はファンならずとも見逃せない。そして、大人の愛を描いた『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』に対抗するのは、1945年、太平洋戦争中の日本を舞台に、結核にかかった青年・ひばりが人里離れた健康道場で病気の治療をしながら“新しい男”に生まれ変わろうとする姿を描いた青春モノ『パンドラの匣』だ。こちらのキャストはフレッシュさで勝負!オーディションで主役を勝ち取った16歳の染谷将太が主人公のひばりを演じるほか、看護師・竹さん役を2008年に著書「乳と卵」で第138回芥川龍之介賞を受賞した作家でありミュージシャンである川上未映子。意表を突いたキャスティングが見どころとなっている。演技初心者のキャストでは不安を感じるかもしれないが、「やっとるか」「やっとるぞ」「がんばれよ」「よしきた」──という小説そのままのセリフや雰囲気ある健康道場など、ファンタジックとも言える世界観を強く意識できるのは、無名の俳優だからこそ。役者に対する先入観がない分、その世界観が浮き立ってみえる。また、『パリビリオン山椒魚』で衝撃デビューを飾った冨永昌敬監督と菊地成孔(音楽)が再びタッグを組んでいる点も注目したい。複雑な大人の愛なら『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』、甘酸っぱい青春の恋なら『パンドラの匣』という、恋愛をキーワードに選ぶのもありだが、どちらを観ても太宰治がこんなにもドラマティックでポジティブな作品を残していたことに驚かされるはず。(text:Rie Shintani)■関連作品:ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜 2009年10月10日より全国東宝系にて公開© 2009 フジテレビジョンパパドゥ新潮社日本衛星放送パンドラの匣 2009年10月10日よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開© 「パンドラの匣」製作委員会■関連記事:『パンドラの匣』仲里依紗インタビュー「時々、自分が分からなくなります(笑)」フルCGのミッキー・カーチスが見どころ?『パンドラの匣』宮城先行公開変わりやすい?女心と秋の空vol.1『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』松たか子、夫婦像について意味深な感想「常識で線を引かずに自由でいいかも」『ヴィヨンの妻』モントリオール監督賞受賞で浅野忠信、松たか子からも喜びの声が到着
2009年10月09日