映画大好き芸人として知られる、こがけんが12月1日にオンエアされた特別番組「ホラー好き大注目!海外ドラマ『チャペルウェイト 呪われた系譜』徹底ガイド」のMCを担当した。同作はスティーヴン・キングの原作小説に基づいた話題のゴシック・ホラー(全10話)。キングが大学時代に執筆し、1978年出版の短編集「深夜勤務」に収録された短編小説「呪われた村〈ジェルサレムズ・ロット〉」をベースに、新たなキャラクター設定と脚色でドラマ化した。舞台は19世紀のニューイングランド。幼い頃、父親に殺されかけたトラウマに苦しむ主人公スティーヴン・ブーン(エイドリアン・ブロディ)が、親族の屋敷を相続したことで一族の秘密を知り、代々受け継がれた呪いから家族を解放するために戦う姿を描く。特別番組には、数々のキング小説の翻訳を手掛ける英米文学翻訳家、幻想文学研究家の風間賢二氏、万物評論家の丸屋九兵衛氏、映画パーソナリティの伊藤さとり氏が出演。収録を終えたばかりのこがけんと丸屋氏が取材に応じ、『チャペルウェイト 呪われた系譜』の魅力を語った。――長時間の番組収録、お疲れ様でした。収録を終えてみて、いかがですか?こがけん丸屋さんがドラマのことはもちろん、そこから派生するいろんなお話をしてくださるんですが……気づけば、とんでもない尺を使って、全然関係ない話をしているので(笑)、ぶった切ることもありました。MCの役割がなければ「面白い話だな」って聞いていられるんですけど。だから、丸屋さん、怒っていないかなと内心気にはしているんです。そこは理解していただければと(笑)。丸屋確かにかなり関係ない話もぶち込んでしまったので(笑)。こがけんそれが丸屋さんの持ち味ですから。ドラマのバックボーンや根底に流れるものを説明してくださるのは、とても重要なことですけど、横道にそれ過ぎじゃないかなということも……(笑)。丸屋僕はハヤカワ文庫で育った人間なので、隣に早川書房の元社員であり、ハヤカワ文庫のファンタジー部門(ハヤカワ文庫FT)を作った風間先輩がいらっしゃったのが、とてつもないことでしたね。原作から確実にアップデートされたドラマ版全10話『チャペルウェイト 呪われた系譜』(c)2021 Sony Pictures Entertainment. All Rights Reserved.――『チャペルウェイト 呪われた系譜』全10話を通して、どのような魅力を感じましたか?こがけんキングはこれまでも「自分だけが社会に馴染まない」とか「理由は分からないけど、なぜか周りから疎まれてしまう」といった“疎外感”をホラーという形で読者に与えてきたと思いますが、このドラマもまさにそういう恐怖を繊細に描いていますよね。番組でも話題にあがりましたが、例えば人種差別といった現代的な問題が、目に見えない恐怖として盛り込まれていたり、とても普遍的な作品だなと感じました。丸屋ドラマの中で、呪われた屋敷に移り住むブーン家のことを町中が疫病神扱いするシーンがありますが、これはコロナ時代の写し絵になっている。今回、映像化するにあたって、そういった現代性を盛り込んでいるのは印象的ですね。こがけんそう、原作から確実にアップデートされていますね。――原作はそもそも、キングが敬愛する怪奇小説家ハワード・フィリップス・ラヴクラフトのクトゥルフ神話がモチーフになっていて、ドラマの中でも非常に重要な役割を果たしています。丸屋それで言うと、クトゥルフ神話もロバート・アルバート・ブロック(映画『サイコ』の原作者としても知られるSF・ホラー作家)の著書から引用している部分があって。つまり、キングの原作は、引用の引用の引用というか。ヒップホップに置き換えると、サンプリングですね。何がサンプリングされているか突き止めることが、現代の鑑賞者の醍醐味でもあると思います。こがけん普通、短編を全10話のドラマにすると内容が薄まってしまうんじゃないかと思うんですが、実際はそんなこと全然なくて。エイドリアン・ブロディは製作総指揮も務めていて、キングのことも大好きらしいですし。後半の畳みかけが素晴らしいので、途中で挫折するのは損!『チャペルウェイト 呪われた系譜』(c)2021 Sony Pictures Entertainment. All Rights Reserved.――キングは自身の小説が映像化されても、気に入らなければ酷評することで有名ですよね。『チャペルウェイト 呪われた系譜』に関しては脚本を気に入り、製作することを承認し、初回放送後には「私が大学時代に書いた小説を素晴らしい形で、より不気味に脚色してくれた」と自身のツイッターで絶賛しています。こがけん例えば『IT』を小説で読むと見開きを使ってどんな墓なのかを描写することも。細部へのこだわりがすごいんですよね。そこをどう映像化するか、作り手は問われるわけです。結論から言えば、『チャペルウェイト 呪われた系譜』は映像、美術、音楽、すべてにおいてめちゃくちゃこだわっている!没入しちゃって抜け出せない恐怖を味わえるんです。丸屋それに単純に考えて、キングほど著書が映像化された作家はいないですよね。キングの意思には沿っているけど、それが面白いとは限らない……ということもあるでしょうし、原作の再現度、作者本人の納得度、観客の満足度がまったく違うのが、キング作品の映像化における微妙な問題といえると思います。『チャペルウェイト 呪われた系譜』について言えば、先ほど、こがけんさんも言っていましたが、むっちゃ短い原作をよくここまで濃密な全10話のドラマにしたなと思いますね。――ありがとうございます。放送がとても楽しみです!丸屋前半は物語の進行がスローに感じるかもしれませんが、「その緩やかさに騙されるな!」と言いたいですね。話数が進むうちに、とんでもない急展開が待っていますから。こがけん確かに。最初の3話くらいまで、低温でことこと火を通してくるんですよ。りんごのコンポートを作るくらい弱火で(笑)。でも、後半の畳みかけが素晴らしくて、めちゃくちゃ盛り上がっていきます。だから、途中で挫折するのは損だと思いますね。1話1話にメリハリもあるし、最後にはおいしいりんごのコンポートが仕上がりますから。■ホラー好き大注目!海外ドラマ『チャペルウェイト 呪われた系譜』徹底ガイド(全4回)配信:「スターチャンネルEX」12月1日(水)より第1話先行配信12月24日(金)より全話配信【放送】BS10 スターチャンネル12月14日(火)他■海外ドラマ『チャペルウェイト 呪われた系譜』 (全10話)配信:「スターチャンネルEX」12月1日~12月23日は第1話字幕版を先行配信、12月24日~字幕版/吹替版とも全話配信放送:BS10 スターチャンネル【STAR1 字幕版】12月21日スタート、毎週火曜後11:00ほか※12月19日後5:00~字幕版第1話先行無料放送【STAR3 吹替版】12月24日スタート、毎週金曜後10:00ほか■特設サイト取材・文:内田涼
2021年12月06日オスカー俳優エイドリアン・ブロディ主演&製作総指揮、スティーヴン・キング原作の小説に基づいたドラマ『チャペルウェイト 呪われた系譜』(全10話)がAmazon Prime Videoチャンネル「スターチャンネルEX -DRAMA & CLASSICS-」で、12月1日(水)より独占配信される。それに合わせて特別番組『ホラー好き大注目!海外ドラマ「チャペルウェイト 呪われた系譜」徹底ガイド』(全4回)が配信されることが決定した。『チャペルウェイト 呪われた系譜』はスティーヴン・キングが大学時代に執筆し、1978年出版の短編集『深夜勤務』に収録された短編小説『呪われた村<ジェルサレムズ・ロット>』に基づいて、新たなキャラクター設定と脚色でドラマ化したゴシックホラーである。放送が決定した特別番組には、こがけん(お笑い芸人)や風間賢二(翻訳家)、丸屋九兵衛(万物評論家)、伊藤さとり(映画パーソナリティ)、森瀬繚(ライター、翻訳家)が出演。スティーヴン・キングやクトゥルフ神話の話等を交えながら作品の魅力がたっぷり語られる。第1回は本作を観る前の方向け、2回目は1話を観た方、3回目は5話まで観た方、4回目は全話観た方向けとなっており、作品を観ながら合間合間に楽しめる内容となるはずだ。また、約2分30秒のロングバージョンの予告映像も公開。エイドリアン・ブロディ演じるチャールズ・ブーンの幼い頃の記憶、大人になって自身の家族を連れて住み始める屋敷“チャペルウェイト”と、町に住む人々からブーン家が疎まれる様子が伺える。「この家は病の源と思われています」や「不幸に取り巻かれている」という不穏な言葉と、チャールズの息子、テインが「ここは安全?」と不安げに聞く様子に謎が深まるばかり。これまでのスティーヴン・キング作品にも共通する不穏さにホラーファンの期待を誘う予告映像だ。■配信情報『ホラー好き大注目!海外ドラマ「チャペルウェイト 呪われた系譜」徹底ガイド』12月1日(水)よりAmazon Prime Videoチャンネル「スターチャンネルEX -DRAMA & CLASSICS-」で第1話配信12月24日(金)より全話配信12月14日(火)~BS10スターチャンネルで放送『チャペルウェイト 呪われた系譜』(全10話)12月1日(水)より、Amazon Prime Videoチャンネル「スターチャンネルEX -DRAMA & CLASSICS-」にて第1話配信12月24日(金)より全話配信<BS10 スターチャンネル>※12月19日(日)17:00~字幕版 第1話 先行無料放送【STAR1 字幕版】12月21日(火)より 毎週火曜23:00 ほか【STAR3 吹替版】12月24日(金)より 毎週金曜22:00 ほか特設サイト:
2021年11月16日エイドリアン・ブロディ主演&製作総指揮、スティーヴン・キング原作の小説に基づいたゴシックホラー「チャペルウェイト 呪われた系譜」が、12月1日(水)よりAmazon Prime Videoチャンネル「スターチャンネルEX -DRAMA & CLASSICS-」にて独占配信が決定(「BS10 スターチャンネル」でも12月21日より放送開始)。予告映像が初公開された。1850年、捕鯨船の船長チャールズ・ブーンは、最愛の妻を病で亡くしたのを機に、陸に戻り子育てをすることを決意。いとこのスティーヴンがメーン州の小さな町に遺した屋敷「チャペルウェイト」に移り住むが、スティーヴンらを知る町の住民からは、ブーン家は疫病神だと冷たく迎えられる。一方、幼少時のトラウマからウジ虫の幻覚に悩まされているチャールズは、いとこらのことを調べるうち、一族のある秘密を知る…。本作は、スティーヴン・キングが大学時代に執筆、1978年出版の短編集「深夜勤務」に収録された「呪われた村〈ジェルサレムズ・ロット〉」に基づいて、新たなキャラクター設定と脚色でドラマ化。『死霊伝説』シリーズの前日譚に当たるストーリーとなっている。また、自身の小説の映像化で酷評することも多いスティーヴンだが、本作に関してはプロデューサーのドナルド・デ・ラインが事前に共有した脚本を気に入って制作を承認し、初回放送後には「私が大学時代に書いた小説を素晴らしい形で、より不気味に脚色してくれた」とツイッターで絶賛した。幼い頃、父親に殺されかけたトラウマに苦しむ主人公が、親族の屋敷を相続したことで一族の秘密を知り、代々受け継がれた呪いから家族を解放するため戦う本作。前半は、新天地で苦悩する主人公とその家族をじわじわと描きスローに物語が進行するが、第4話で一転、死んだはずのある人物が衝撃の姿で現れると、そこからドラマは急展開を迎える。そして、繰り返される一族の悲劇の裏にはある書物の存在があったことが明らかになるが、その書物こそがスティーヴンの敬愛する怪奇小説家H・P・ラヴクラフトのクトゥルフ神話に出てくる魔道書「妖蛆の秘密」。スティーヴンのホラーや超自然現象もの作品が好きな人はもちろん、ラヴクラフトファンにも堪らない作品となっている。キャストには、『戦場のピアニスト』のエイドリアンが、シングルファーザーの主役を務めるほか、エミリー・ハンプシャーがブーン家の住み込み家庭教師になる新人作家レベッカ・モーガンを演じている。そして、エイドリアン演じるチャールズ・ブーンとその家族が住み始める屋敷「チャペルウェイト」の怪しげな様子が映し出された映像も公開された。「チャペルウェイト 呪われた系譜」予告編「チャペルウェイト 呪われた系譜」はAmazon Prime Videoチャンネル「スターチャンネルEX -DRAMA & CLASSICS-」にて配信、BS10 スターチャンネルにて放送。(cinemacafe.net)
2021年10月19日辛さ・香り・旨みが引き立て合うメニューをアラカルトでマニアックな品揃えの中国酒がグラスでも楽しめますワンオペならではのカジュアルさと個性が魅力です辛さ・香り・旨みが引き立て合うメニューをアラカルトで最寄りの江戸川橋駅から徒歩7、8分、早大通り沿いにある【中華 汀】。オフィスとマンションが入り混じり、地域密着型の飲食店が点在している落ち着いたエリアです。店内が見通せるガラス戸の外観からは、どんなジャンルの料理店かわからないかもしれません。けれども店内に一歩入れば、厨房から広がる香りに「これぞ中華!」と食欲をかき立てられるはず。元はカフェだった空間はほぼそのまま。カジュアルな雰囲気の店内はカウンターとテーブルからなる全13席カウンターとテーブルを合わせて全13席の空間を切り盛りするのは、神楽坂【芝蘭】で料理長を務めた江崎祐弥さん。四川料理の名店を経て、新たな魅力を持つ一軒を構えました。鮮烈な香りと軽やかな味わいがスターターにぴったり。『北海道産水タコ、青ネギ山椒ソース』770円まず嬉しいのは、カジュアルに楽しめるアラカルトメニュー。15品以上ある前菜は、軽くつまみたいひとりご飯にもぴったりなポーションです。『北海道産水タコ、青ネギ山椒ソース』は、食感よい水タコに爽やかなソースを添えて。Vむほどに広がる水タコの旨みを、万能ねぎ・生姜・山椒の香気が引き立てています。口当たりよく、具材とタレの好バランスが食欲を喚起する。『茹でワンタン』330円点心は、水餃子や焼売、春巻などがラインナップ。つるりといけるワンタンの具はあっさりとした鶏ミンチをベースにしています。自家製辣油を加えた甘辛いタレとの相性は抜群! 早くも胃袋を掴まれますが、メインディッシュはこれからです。鼻腔をくすぐる香りとともにテーブルに供される一品。『名物! 鶏手羽の燻製、山椒唐辛子炒め』1,320円中華鍋がダイナミックに振られると、香気が厨房からあふれ出す名物と掲げた一品は、真っ赤な唐辛子とともに登場する鶏手羽。塩漬けにして味を染み渡らせた鶏手羽はジャスミン茶で燻製にしています。それから油でさっと揚げて芳ばしさを出し、唐辛子2種類と花椒と炒め合わせることで香りを纏わせて。柔らかくほぐれる鶏肉の旨みに薫香というベクトルがぐっと深みを与えます。際立つ香りと旨みに、ご飯を追加オーダーしても手が止まらなくなる。『麻婆豆腐』1,100円四川料理ならば外せないのは麻婆豆腐。豚肉と豆鼓のコクと旨みを土台に、唐辛子と花椒の風味がしっかりと立っています。豆腐に餡がしっかりと絡んでいるけれど、とろみや油分の重たさがなく、さらりといただけるからあれこれと食べた後の〆にもおすすめです。辛みもあるけれど決してヒリヒリした刺激ではなく、旨みや香りと調和する味わいのメニューばかり。ランチには麻婆豆腐や週替わり主菜の定食、麺類を揃えてオール1,000円。昼でも夜でも、普段着のごはん処として通いたくなります。マニアックな品揃えの中国酒がグラスでも楽しめます旨辛メニューのおともに欲しくなるのは、やっぱりお酒です。独立にあたって江崎さんが充実させた中国酒は、特筆すべきラインナップ。通好みの『黄中皇』(ボトル4,070円、グラス660円)、牛乳の醸造酒『百吉納』(ボトル6,200円、グラス900円)など個性豊かな品揃え生産地方から熟成年数までさまざまな紹興酒・黄酒は、グラスでオーダーできるものがほとんど。一杯ずつ飲み比べたり、料理ごとに合わせたりができます。もちろんボトルで頼んでもOK。どんな味わいなのか好奇心をくすぐられる、個性豊かなボトルをテーブルに据えても楽しいもの。他にも、ビール各種、ハイボール、サワー、ワイン、日本酒も揃えているから、アルコールが堪能できるときには心ゆくまでどうぞ。ワンオペならではのカジュアルさと個性が魅力です料理とお酒、さらに江崎さんがつくりだした独自の色も【中華 汀】の魅力です。自店を構えるときに、念頭に置いたのは〝一人でも入りやすい〟こと。江崎さんが孤軍奮闘するオープンキッチンを目の当たりにするカウンターは全5席。ふらりと一人で訪れても気兼ねなく食事ができます。家族や気の置けない友人と利用できるテーブル席は4人掛けが2卓。多彩な料理を取り分けて楽しむ、中華ならではのディナーが楽しめます。ガラス戸から店内が見通せるオープンさ。一人でも臆せず訪れることができる食器には元々好きだったという和食器も使用。プレーンな白皿が中心の中華料理店とは趣が異なり、アンティークな染付やラーメンどんぶりが正統派メニューに新たな表情を与えています。どこか景徳鎮を思わせる絵皿もある和食器は、中華料理にも違和感なく馴染むオープン時のお礼の品としてお客さんに贈っていたという『食べる辣油』は好評を博して商品化に。ごぼうやしめじを加えてザクザクと芳ばしく仕上げた一品は、そのままおつまみにしても、ご飯や、さっと焼いただけの肉や魚にかけても美味しい!自宅でも【中華 汀】のエッセンスが楽しめる自家製調味料。『食べる辣油』800円中華の料理人として【峨眉山】【芝蘭】という王道を歩んできた江崎さん。聞けば、ご実家も四川料理店を営んでいたそう。それが腑に落ちるような安定感ある料理を供しつつも、気取りない空間で一人晩酌からしっかりディナーまで応えてくれる柔軟さ。「こんなお店があれば通いたい!」という願望に叶う新店です。気負うことなく自然体な江崎さんによって、肩ひじ張らずに食事を楽しめる空気が生まれているよう。中華汀【エリア】神楽坂【ジャンル】中華料理【ランチ平均予算】1000円【ディナー平均予算】4000円【アクセス】江戸川橋駅 徒歩8分
2021年09月02日19世紀のフランスでは、都市の近代化が進み、人々の生活も大きく変化します。市民は自由に郊外や地方に出かけて、旅行を楽しむことができるようになりました。そのような社会の変化が芸術家にも大きな影響を及ぼします。実際に経験する身の周りの自然や生活、現実をありのままに描き出そうとするコローやクールベといった画家たちがあらわれたのです。パリ郊外のバルビゾン村に移り住み、風景や田園生活を描いたバルビゾン派を代表するジャン=フランソワ・ミレーは、大地に根づいた農民の日々の営みを描き出します。明治時代の初期に日本で紹介されて以来、ミレーの描く真摯に働く人々の姿は私たちに深い感銘を与えました。歴史画が正統派絵画とされていた時代に風景を主題として描いたバルビゾン派の画家たちの革新的な試みは、モネ、ルノワールなど光や色彩を追求した印象派の画家たちに引き継がれました。印象主義のスタイルが広く普及した19世紀末、ポスト印象主義の時代に絵画は多彩な広がりをみせました。ドニやボナールなど印象派以降の画家たちは、20世紀絵画への道筋を切り拓いてゆきます。本展では、自然主義や写実主義から印象派やポスト印象派を経て、ナビ派へといたる19世紀のフランス絵画の系譜を、フランスとイギリスの美術館から出品された珠玉のコレクションを中心に辿ります。ジャン=フランソワ・ミレー《冬、薪集め》1868-75年(C)Amgueddfa Cymru – National Museum Wales開催概要会 期 2020年12月19日(土)~2021年1月24日(日)*会期中無休会 場 そごう美術館(横浜駅東口・そごう横浜店6階)開館時間 午前10時~午後8時*12月31日(木)は午後6時閉館 *1月1日(金・祝)は午前9時―午後7時*入館は閉館の30分前まで *そごう横浜店の営業時間に準じます。料 金 一般 1,300(1,100)円、大学・高校生 800(600)円、中学生以下無料*消費税含む。*( )内は前売料金。*ミレニアム/クラブ・オンカード、セブンカード・プラス、セブンカードのいずれかをお持ちの方はカード提示で( )内の料金にてご入館いただけます。*障がい者手帳各種をお持ちの方、およびご同伴者1名さまは無料でご入館いただけます。*前売券は、12月18日までそごう美術館またはセブンチケット、ローソンチケット、イープラス、チケットぴあにてお取り扱いしております。*新型コロナウィルス感染予防に関する対応につきましてご理解・ご協力を賜わりますようお願い申しあげます。*展覧会の中止や延期、一部内容が変更になる場合がございます。*最新情報は、そごう横浜店・そごう美術館ホームページをご覧ください。作品紹介ジャン=フランソワ・ミレー《慈愛》1858-59年(C)Musée Thomas Henry, Cherbourg-en-Cotentinジャン=フランソワ・ミレー《雷雨》1847年頃(C)Musée Thomas Henry, Cherbourg-en-Cotentinジャン=バティスト・カミーユ・コロー《カステル・ガンドルフォ、アルバーノ湖畔で踊るチロルの羊飼い》1855-60年(C)Amgueddfa Cymru – National Museum Walesポール・セザンヌ《プロヴァンスの風景》制作年不詳(C)Amgueddfa Cymru – National Museum Walesクロード・モネ 《睡蓮》 1906年(C)Amgueddfa Cymru – National Museum Wales 企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2020年12月14日バレンシアガ(BALENCIAGA)は、アイコンスニーカー「スピードトレーナー」の系譜を継ぐ新作「スピード 2.0(Speed 2.0)」を2020年7月17日(金)よりバレンシアガ直営シューズ取扱い店舗および公式オンラインストアにて発売する。バレンシアガのアイコンスニーカー「スピードトレーナー」は、3Dニットのアッパーソックと軽量ソールが生み出す快適な履き心地と実用性、そしてスリークなデザインで、シューズの概念を覆す1足として人気を博してきた。新たに登場する「スピード 2.0」は、より快適性と敏捷性に配慮したモデル。多関節なモールドソールは、強度と耐性そのままに、高い柔軟性も兼ね備えている。また、「スピードトレーナー」と同じくアッパーは、着用者の足と足首を柔らかく包み込むデザインとなっている。【詳細】バレンシアガ スピード 2.0発売日:2020年7月17日(金)取り扱い:バレンシアガ直営シューズ取扱い店舗および公式オンラインストア価格:・BLACK/WHITE/BLACKカラー 89,000円+税(メンズ、ウィメンズで展開)・WHITE/WHITE/BLACK 89,000円+税(メンズのみ展開)・BALENCIAGA GREY 95,000円+税(メンズ、ウィメンズで展開)・FLUO YELLOW 95,000円+税(メンズ、ウィメンズで展開)【問い合わせ先】バレンシアガ クライアントサービスTEL:0120-992-136
2020年07月20日府中市美術館では、敦賀市立博物館所蔵の江戸絵画を紹介する『春の江戸絵画まつりふつうの系譜京の絵画と敦賀コレクション』が5月10日(日)まで開催されている。府中市美術館で毎年恒例の「春の江戸絵画まつり」。今回は、江戸時代から近代にかけて300点を超える絵画コレクションを誇る敦賀市立博物館の協力を得て、選りすぐりの作品およそ100点が展示される。近年は、伊藤若冲や曽我蕭白など「奇想の画家」が話題になることが多い江戸絵画だが、同展で焦点を当てるのは、メインストリームで「きれいなものづくり」に情熱を傾けた画家たち。平安時代に生まれた「やまと絵」を受け継ぐ土佐派や住吉派、中国伝来の水墨画を展開させた狩野派、そして、西洋画の影響を受けた円山応挙をはじめとする円山四条派といった、江戸絵画を牽引した画家たちの仕事が紹介される。奇想の作品のようにあっけにとられるような衝撃はないけれど、「ふつう」の作品からは、きらきらした美しさや穏やかな夢心地が味わえるはず。日本絵画特有の絵の具の鮮やかさ、墨による表現の雄弁さ、豊かな表情を捉えた動物絵画など、江戸絵画が到達した「きれいなもの」を堪能してほしい。【開催情報】『春の江戸絵画まつりふつうの系譜京の絵画と敦賀コレクション』5月10日(日)まで府中市美術館にて開催【関連リンク】府中市美術館()円山応挙《狗子図》(前期展示) 敦賀市立博物館岸駒《猛虎図》(後期展示) 敦賀市立博物館松村景文《月・山桜小禽・山茶花鴛鴦図》(前期展示) 敦賀市立博物館
2020年03月25日東京富士美術館にて、『上村松園・松篁・淳之 三代展 〜近代が誇る女流画家とそれに連なる美の系譜』が2月29日(土)に開幕。4月12日(日)まで開催されている。明治後期から昭和初期にかけて、美人画の傑作を生み出した日本画家、上村松園(うえむらしょうえん)(1875〜1949)。明治8年に京都で生まれ、鈴木松年、幸野楳嶺、竹内栖鳳らに師事した松園は、京都の風俗、歴史、謡曲の物語等に取材した気品ある格調高い女性像を描き、1948年には女性として初めての文化勲章を受章。彼女の息子である上村松篁(しょうこう)、孫の上村淳之(あつし)もまた日本画家として活躍した。同展は、そんな松園から三代にわたって続く美の系譜を辿るもの。奈良県奈良市にある松伯美術館(上村松園・松篁・淳之の作品を収集・保管・展示する美術館)所蔵の作品を中心に、約80点におよぶ作品や資料が紹介される。展示は「第1部:上村松園」「第2部:上村松篁」「第3部:上村淳之」の3部構成。中でも「第1部」では、上村松園の生涯を大きく「建設期(=明治期)」「模索期(=大正期)」「大成期(=昭和期)」の3つの章に分け、折々のエピソードや松園自身の言葉、遺品なども交えて代表的な作品が並ぶ。明治・大正・昭和と時代が劇的に変化を遂げる中で、女流画家としての矜持を持って生き抜いた松園。その作品に込められた思いと、彼女が貫いた信念、人間性に迫っていく。「一点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香高い珠玉のような絵こそ私の念願とするところのものである」(『青眉抄』より)松園が残したこの言葉のように、時代に流されない敬虔な眼差しで突き詰めた理想の女性の美、そしてそれに連なる美の系譜を堪能してほしい。なお、3月2日~3月16日は新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡散防止のため休館となる。【開催情報】『上村松園・松篁・淳之 三代展 〜近代が誇る女流画家とそれに連なる美の系譜』2月29日(土)〜4月12日(日)まで東京富士美術館にて開催※3月2日~3月16日は新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡散防止のため休館【関連リンク】 東京富士美術館()上村松園《楊貴妃》大正11年(1922)松伯美術館上村松篁《万葉の春(右)》昭和45年(1970)近鉄グループホールディングス株式会社上村松篁《万葉の春(中)》昭和45年(1970)近鉄グループホールディングス株式会社上村松園《わか葉》昭和15年(1940)名都美術館上村松園《青眉》昭和9年(1934)松伯美術館上村淳之《四季花鳥図(左)》平成 22年(2010)近鉄グループホールディングス株式会社上村淳之《四季花鳥図(右)》平成 22年(2010)近鉄グループホールディングス株式会社上村松篁《万葉の春(左)》昭和45年(1970)近鉄グループホールディングス株式会社
2020年02月29日話題のスポットやエンタメに本誌記者が“おでかけ”し、その魅力を紹介するこの企画。今回は、「奇想の系譜展江戸絵画ミラクルワールド」のご紹介です!■「奇想の系譜展江戸絵画ミラクルワールド」東京都美術館にて4月7日まで開催中美術史家・辻惟雄氏が’70年に記した書『奇想の系譜』をもとに、江戸時代を中心に活躍した画家たち(岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曽我蕭白、長沢芦雪、歌川国芳)に白隠慧鶴、鈴木其一を加えた8人の代表作が会したのが本展。自由かつ斬新な発想に満ちた江戸絵画の知られざる魅力にふれることができます。なんでもこの「奇想の系譜」で取り上げられた6人は、葛飾北斎など江戸時代のそうそうたる画家と比べ“その他大勢”として語られていたのだとか。辻氏の本が出版されてからはそれぞれが注目され、徐々に評価が高まり、その結果のひとつとして’16年に開催された「若冲展」につながったというわけです。このときは待ち時間が最大4時間とその人気ぶりが話題になりました。さて、肝心の本展。平日に訪れたものの混雑していて「若冲ブーム」「江戸絵画ブーム」「日本美術ブーム」を実感することになりました。8人もの画家のそれぞれの筆使い、色使い、画風などが楽しめて、見どころ満載。写実的で緻密な描写の若冲作品、ポップで遊び心のある芦雪作品、極太の線でユーモラスな白隠作品……など、自分なりの解釈と楽しみ方ができます。奇想天外な発想で現代人をも驚かせてしまう江戸の職人たちの技をぜひご堪能ください!
2019年03月25日150年以上の歴史を誇る、画家一族 16世紀のフランドル地方(現在のベルギーに相当する地域)を代表する画家、ピーテル・ブリューゲル1世にはじまり、150年以上にわたって画家を生み出してきたブリューゲル一族。東京都美術館で開催中の『ブリューゲル展画家一家 150年の系譜』は、2人の息子や孫、さらにひ孫の世代まで、一族に連なる9人の画家の作品を見比べられることはもちろん、個性的な一族の全体像を見ることができる貴重な展覧会だ。その系譜を巡りながら、風景画、風俗画、花の静物画、通常見ることはできない個人コレクションの絵画など、約100点を鑑賞することができる。 一族の祖、ピーテル・ブリューゲル1世画像:ピーテル・ブリューゲル1 世 [下絵] ピーテル・ファン・デル・ヘイデン [彫版]《最後の審判》 1558年 Private Collection 150年以上の歴史を誇るブリューゲル一族は、ピーテル・ブリューゲル1世からはじまった。彼は雄大な風景や、悪魔や怪物が略動する作品で知られるヒエロニムス・ボス風の幻想世界を描き、「第2のボス」との名声を確立した画家である。ピーテル1世が下絵を手掛けた作品のひとつ「最後の審判」(画像上)は、ボスと同じように悪魔や怪物たちが描かれている。しかしボスとは違って、道徳的なメッセージ性が薄く、現実の世界を忠実に描こうとする姿勢が映し出されている。宗教画が中心だった時代にも関わらず、人生の最後の6年間には同時期の農民たちを描き、“農民画”とでも呼ぶべき風景画を描いた革新的な人物だった。 子、ピーテル・ブリューゲル2世とヤン・ブリューゲル1世 ピーテル・ブリューゲル1世の2人の息子、ピーテル・ブリューゲル2世とヤン・ブリューゲル1世もまた画家になった。長男のピーテル・ブリューゲル2世は、生涯にわたり父の作品の模倣作を作り続け、父の作風を世に広めた画家である。現在の感覚では“コピー”は否定的な印象が持たれがちだが、当時では優れた画家によるコピーにそれなりの評価が与えられていた。ただ、ブリューゲル2世の作品は人気が高かったものの、高値で売れることはなく、家賃の支払いが滞ってしまうこともあったそうだ。一方、次男のヤン・ブリューゲル1世は独自の作風を確立させていった。父譲りの風景画をはじめとし様々な作品を描いたが、花の静物画で有名になり、“花のブリューゲル”とも呼ばれた。自身の息子であるヤン・ブリューゲル2世とともに描いた「机の上の花瓶に入ったチューリップと薔薇」(写真上)は、チューリップの縞模様が描かれており、実はモザイク病というウイルス性の病気にかかったためだったが、当時はそれが分からず希少なものとして珍重されたそうだ。そんなヤン・ブリューゲル1世は貴族や聖職者を顧客に持ち、6軒もの家を所有するなど経済的に大きな成功を収めた。 孫、ひ孫と続いていく才能 ヤン・ブリューゲル2世は父と似た作風で、風景画や花の静物画を描いたほか、父ヤン1世の作品のコピーはもちろんだが、父ヤン1世が急に亡くなった後にその工房を引き継ぎ、派生作品なども描いていった。人間の五感を表した「聴覚の寓意」も、父であるヤン1世とその友人パーテル・バウル・ルーベンスの共作をもとにしている。ヤン1世の孫にあたるヤン・ファン・ケッセル1世は、昆虫や小さな生き物を写実的に描いた習作が有名。本展覧会でも「蝶、カブトムシ、コウモリの習作」、「蝶、コウモリ、カマキリの習作」が展示されている。この作品は、大理石に描かれた非常に珍しい作品で、大理石が蝶の羽の透明感を際立たせている。 代々受け継がれていく描写 上記で紹介した画家以外にも、ピーテル1世のひ孫世代で、故郷を離れたアブラハム・ブリューゲルや、ダーフィット・テニールス2世など、ブリューゲル一族の個性的な画家たちの作品が多数展示されている。現実世界を冷静に見つめ、人間の日常生活を何の偏見もなく、ありのままに表現した観察眼は、子から孫、ひ孫へと受け継がれ、一族の絵画様式と伝統を築き上げていく。代々受け継がれた細密な描写は必見!そして、展示作品の多くが普段公開されることのない個人コレクションなので、ほとんどが日本初出展という貴重な機会である。また、会場ではデジタルコンテンツとともに観る、ピーテル2世の「野外での婚礼の踊り」がスクリーンに映し出され、当時の農民が生き生きと踊る様子がとても感動的。父親の世界観を受け継いだ息子の心意気に、親子の絆を感じに足を運んでみてはいかがだろうか。 【情報】 『ブリューゲル展画家一家 150年の系譜』 会期:2018年1月23日(火)~4月1日(日)会場:東京都美術館台東区上野公園8-36休室日:月曜日時間:9:30~17:30金曜日は9:30~20:00※入室は各閉室30分前まで 【プレゼント応募】本展覧会の無料鑑賞券をプレゼント致します。件名に【『ブリューゲル展画家一家 150年の系譜』チケットプレゼント】に加え、下記の情報を記入の上、info@pelulu.jp宛にメールにてご応募下さいませ。●名前(漢字/カナ)●郵便番号●住所●電話番号●Q1:pelulu.jp内で今までで面白かった記事3つをあげるとしたら?●Q2:今後pelulu.jpで取り上げて欲しい記事を3つあげるとしたら?応募締切日:3月10日プレゼント当選者は発送をもって代えさせていただきます。
2018年03月04日「ベルギー 奇想の系譜 ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで」展が、渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムにて開催されます。会期は2017年7月15日(土)~9月24日(日)まで。ボス派や、ブリューゲル、マグリットやヤンファーブルなど、ベルギー・フランドルとその周辺地域で発展した「幻想絵画」とその伝統を受け継いだ現代までの秀作が一堂に会します。アートファンの方はお見逃しのないようにしてくださいね。「ベルギー 奇想の系譜ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで」展が渋谷で開催ピーテル・ブリューゲル(父)[原画]、ピーテル・ファン・デル・ヘイデン[彫版] 《大食》1558年 エングレーヴィング・紙 神奈川県立近代美術館現在のベルギーとその周辺地域では、中世末期に発達した写実的描写のもと、独自の幻想的な絵画が発達していきました。しかし、18世紀、自然科学の発達と啓蒙思想がヨーロッパを席巻する中、不可解なものは解明されてゆき、次第に心の闇に光が当てられるようになります。かつての幻想美術の伝統が引き継がれるのは、産業革命後の19世紀。人間疎外、逃避願望を背景とした象徴主義ににおいてでした。画家たちは夢や無意識の世界にも価値を見出し、今日もこの地域の芸術に強い個性と独自性を与えつづけています。ジェームズ・アンソール 《オルガンに向かうアンソール》 1933年 油彩・キャンヴァス メナード美術館「ベルギー 奇想の系譜」は、ベルギーとその周辺地域において、幻想的な世界を作り出したこの一連の流れを、約500年にわたる「奇想の系譜」ととらえ、紹介するもの。15、16世紀を代表するボスやブリューゲルの流れをくむ作品から、19世紀のベルギー象徴派のクノップフ、アンソール、さらには、シュルレアリストのマグリット、デルヴォーなどや、現代のヤン・ファーブルまで、約120点の作品を通して、ベルギー美術の歴史を辿っていきます。注目ポイントはココ!●中世から現代まで、ベルギー美術の500年を辿る!15、16世紀のフランドル絵画から、19世紀のベルギー象徴派、そしてコンテンポラリー・アートの作品まで、約120点の作品が登場。ベルギー美術の500年の旅へと鑑賞者を誘います。●古今のスター作家が勢揃い!ボス派やブリューゲル、ルーベンス、クノップフ、アンソール、さらに、マグリットやデルヴォー、ヤン・ファーブルなど、ベルギーとその周辺地域を代表する総勢30名の作家の作品が一堂に集合します。●様々な表現で、ベルギー美術の魅力を堪能!絵画や版画はもちろんのこと、彫刻、音、インスタレーションなどの様々な表現で、幻想と耽美、皮肉とユーモアなど、ベルギー美術の魅力である自由で独創性あふれる世界を楽しめます。各章の見どころと注目作品をご紹介!●第1章 15~17世紀のフランドル美術ぺーテル・パウル・ルーベンス[原画]、リュカス・フォルステルマン(父)[彫版] 《反逆天使と戦う大天使聖ミカエル》1621年 エングレーヴィング・紙 ベルギー王立図書館本章ではボス派の画家やブリューゲル、ルーベンスらの作品をご紹介します。ベルギー絵画の「奇想」のルーツは、現在のベルギーとの国境に近いオランダ南部の都市・セルトーヘンボスに生まれた奇才・ヒエロニムス・ボスとされます。ボスは「地獄」を鮮烈なイメージで描き、闇をうごめく異形で埋め尽くしました。ボスの死後も、ボス派の画家たちは、豊かなバリエーションで高まる需要に応え、中でも、「第二のボス」と呼ばれたピーテル・ブリューゲル(父)が描いた、ボス風の悪魔や怪物は、ブリューゲルの鋭い観察眼によって、親しみやすさや日常性が増し、次世代にも継承されていきます。そして、17世紀バロック美術の巨匠・ルーベンスは、リアリティと深い感情表現を追及。恐れや怒りなど激しい感情表現の表出としての「奇想」の表現を生み出しました。●日本初公開!異界めぐりの逸話を描いたボス工房の作品が登場ヒエロニムス・ボス工房 《トゥヌグダルスの幻視》 1490-1500年頃 油彩・板 ラサロ・ガルディアーノ財団© Fundación Lázaro Galdiano異界めぐりの逸話を描いたボス工房の作品《トゥヌグダルスの幻視》が初来日。《トゥヌグダルスの幻視》とは、アイルランドの修道士が語ったとされる逸話です。主人公の騎士トゥヌグダルスは、3日間の仮死状態に陥っている間に天使によって天国と地獄に導かれ、そこで恐ろしい懲罰を目にし、目覚めた後に悔悛します。本作は、左下に主人公と天使、さらには大罪とそれに関連づけられた懲罰が各所に散りばめられています。●ヤン・マンデイン《パノラマ風景の中の聖アントニウスの誘惑》聖アントニウスとは砂漠での修行で知られるキリスト教の聖人です。当時、「聖アントニウスの火」と呼ばれた奇病の治癒の奇跡をもたらす聖人と考えられていました。画面中央の黒いマントを着て、跪く人物が聖アントニウス。そして、彼の後ろには様々な怪物たちが列をなしています。また、画面手前にみられる卵の殻やムール貝、水に浮かぶイチゴのような果物はボスの作品から引用されているものです。●ピーテル・ブリューゲル(父)「大きな魚は小さな魚を食う」 ブリューゲルの作品は、鋭い観察眼でとらえられた自然や民衆の暮らしが描かれるとともに、ボス的な趣向ともいえる「異界・非日常」的な要素が日常的な枠組の中で描き出されています。なお、会場ではブリューゲル作品のアニメーション映像も展示。動き出す空飛ぶ魚や歩く魚、大きな魚のお腹の中から小さな魚が飛び出てくる臨場感も楽しめますよ。●19世紀~20世紀のベルギー象徴派・表現主義ジャン・デルヴィル 《レテ河の水を飲むダンテ》1919年 油彩・キャンヴァス 姫路市立美術館1830年、ベルギーは国家として独立を果たします。工業化と都市化が進む1880年代後半、科学の世紀に背を向けて、言葉で言いがたいもの、目には見えないものを追求し、想像力と夢の世界に沈潜する象徴派と呼ばれる芸術家が現れます。ボードレールの敬愛された画家・ロップスは、中世からルネッサンスにかけて北方美術が好んで取り上げてきた骸骨たちの舞台を近年に蘇らせました。一方、クノップフの暗示に満ちた静寂な世界は、溶けない謎へと鑑賞者を引き込んでいきます。そして、画家が抱えていた孤独や怯えが不穏なうねりとなって、ついに叫びだす自我を描いたのがアンソールでした。アンソールが描いた骸骨と仮面は、隠されるもの、隠すもの、暴かれるものの性質を内包しています。この関心は、次世代のマグリットから現代に続く、「言葉とイメージ」の問題へと展開していきます。●フェリシアン・ロップス《舞踏会の死神》死神として骸骨となった女が、カトリックの司祭がミサで着るガウンを身にまとい、恍惚のダンスを舞っています。教会を風刺する本作は大型の画面に描かれており、作者の深い思い入れが感じられます。作者は、反カトリック的、反ブルジョワ的強迫観念を持ったフェリシアン・ロップス。版画、挿絵を中心に、油彩画、水彩画、著述など様々な分野で才能を発揮しました。●フェリシアン・ロップス「娼婦政治家」 フェリシアン・ロップス[原画]、アルベール・ベルトラン[彫版] 《娼婦政治家》1896年 多色刷銅版画・紙 フェリシアン・ロップス美術館娼婦の女性と豚の足元には、彫刻、音楽、詩、絵画と書かれた擬人像があり、女性と豚はこれらの芸術を理解せずに踏みにじっています。作者は現代の政治家には私利私欲に目がくらみ、盲目となった者がいることをこの娼婦で表しており、メッセージ性の強い作品となっています。●ジェームズ・アンソール《ゴルゴダの丘》本作の図像は、ゴルゴダの丘で2人の罪人とともに十字架につけられたキリストを描く、宗教画の伝統的な約束事に基づいたものです。しかし、よく見てみると十字架上部の罪標には「ENSOR(アンソール)」と記され、キリストの脇腹を刺す人物の槍には「FÉTIS(フェティス)」という美術批評家の名前の旗がついています。●20世紀のシュルレアリスムから現代まで現代に受け継がれた「奇想」の表現はオブジェ、音、インスタレーションへと領域を広げ、今もなお創造活動の豊かな源泉であり続けています。この章では、マグリットやデルヴォーらシュルレアリスムの芸術家たち、またヤン・ファーブルをはじめとする現代作家らの作品をご紹介します。●レオ・コーペルス「ティンパニー」筆を咥えた骸骨が、ドラムにリズミカルに打ち付けられています。数多くの戦地となってきたベルギー芸術には死の表象が絶えず見え隠れするのが特徴の1つですが、この根深く厳粛な難題にユーモアで答えるコーペルスの表現は、ベルギーの芸術家が培ったアイデンティティの1つといえるでしょう。●パトリック・ファン・カーケンベルグ「2007-2014年、冬の日の古木」一見すると変哲のない老木のデッサンのように見えますが、作家が想像を自由にめぐらせて描いたものであり、この世のどこにも存在しない木になっています。作家・パトリック・ファン・カーケンベルグは、このような古木を数多く描き、その幹にはしばしば扉や窓をとりつけています。●トマス・ルルイ「生き残るには脳が足らない」トマス・ルルイ 《生き残るには脳が足らない》 2009年 ブロンズ ロドルフ・ヤンセン画廊© Studio Thomas Lerooy, Brussels, courtesy rodolphe janssen, Brussels /Photo: Philippe D. Hoeilaart古代ギリシア時代から続けられてきた、理想の人体への飽くなき探求。それは、現代の過剰なモデル崇拝やダイエットの日常化にも現れています。本作では、傍目から見れば十分なほど持っているはずのものでもまだ飽き足らない姿、大きすぎる頭で自滅している現代の人間像が物語られています。イベント詳細名称:ベルギー 奇想の系譜ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで会場:Bunkamura ザ・ミュージアム住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1会期:2017年7月15日(土)~9月24日(日)開館時間:10:00〜18:00 (入館は17:30まで)※毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)休館日:7月18日(火)、8月22日(火)Bunkamura ザ・ミュージアム 公式サイト:展覧会特設サイト:
2017年06月09日「ベルギー 奇想の系譜ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで」展を、渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムにて開催。会期は2017年7月15日(土)から9月24日(日)まで。長い歴史にわたり数々の「奇想」と呼べる作品を生み出してきたベルギー美術。美しく不思議な想像の世界は、ミステリアスな魅力で現代に生きる私たちをも虜にする。その歴史は、幻想的なテーマを持った絵画の伝統、そして事物の外面に現れる内面の残酷さまでを描き出すような、緻密な写実表現といった北方独自の伝統に裏打ちされている。本展では、500年にわたるベルギー美術の「奇想」の系譜を辿っていく。15世紀のヒエロニムス・ボスから20世紀のルネ・マグリット、そして現代のヤン・ファーブルに至るまで、その優れた発想と技術で美術史に功績を残しながら、同時に”謎”をも残していった芸術家たちの作品を1つの空間に集めたユニークな試みだ。「奇想」のルーツを語るには、15世紀の画家ヒエロニムス・ボスを欠かすことはできないだろう。同時代の画家たちが、明るい色彩で聖母を描いている時、ボスが描いていたのは「地獄」だ。現実離れした幻想的な色彩で描かれた豊かでどこか不気味な空想の世界は、何時間もその前で眺めてしまいそうな複雑な示唆を孕んでいる。また、《バベルの塔》でも知られるピーテル・ブリューゲル(父)は、「第二のボス」とも称される奇想の画家だ。彼の作品には、虫眼鏡で見たくなるような神経質なほどに細かな描写で、寓話的な物語が広がっている。その他に20世紀の作品としては、絵それ自体が謎かけをしているような不思議な世界を、手に触れられそうなリアルな描写で表したルネ・マグリットなども出品される。登場するのは一度は耳にしたことのある有名な画家の作品ばかり。それぞれの時代を辿りながら、一貫して複雑で奇妙な想像の世界を持った作品たちを一度に見られるこの機会は、記憶に残る美術体験となるだろう。【詳細】ベルギー 奇想の系譜ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで会期:2017年7月15日(土)〜9月24日(日)会場:Bunkamura ザ・ミュージアム住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1休館日:7月18日(火)、8月22日(火)開館時間:10:00〜18:00 (入館は17:30まで)※毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)
2017年02月13日東京都渋谷区神宮前の太田記念美術館で、日本のポップカルチャーを代表するkawaiiのルーツを探る展覧会「江戸ッ娘-Kawaiiの系譜」が行われる。日時は3月1日~26日、10時30分~17時30分。入場料は一般700円、大学・高校生500円(税込)、中学生以下は無料。○浮世絵の遊女、町娘、姫君から原点を探る同展では浮世絵に登場する江戸の女性たちを通して、日本のポップカルチャーを代表する「kawaii」のルーツを探ろうと企画されたもの。豪華な髪飾りやカラフルで大胆なデザインの着物や小物で個性を競うなど、遊女はゴージャスに、町娘は愛らしく、武家の姫君は華やかに、それぞれのスタイルに合ったファッションを楽しんでいた江戸時代の様子を見ることができる。展示作品は、着物や帯には立体的な飾りを縫いつけている、溪斎英泉「新吉原年中行事九月后の月重陽 松葉屋内代々山」、朝顔柄の日傘がポイントの歌川国貞(三代豊国)「今世斗計十二時 未の刻」、豪華な花模様の着物や髮飾りをつけた大名の姫君を描いた「江戸名所百人美女霞ヶ関」など。また、3月7日、13日、18日の14時から40分程度、同館B1視聴覚室において学芸員が展覧会のみどころを解説する「スライドトーク」も開催する。参加は無料(入場券必要)。
2015年02月27日