黒澤明監督の名作『七人の侍』をアニメ化し、高い評価を得た『SAMURAI 7』(2004年、GONZO制作)。2008年には舞台化もされ、2010年にはキャストを一部変えて再演されている。生身の役者たちならではの息遣いやスピード感あふれる殺陣などで人気を得た同作が、メインキャストを一新して3度目の上演を迎える。演出はつかこうへい作品なども手がけ、客席にダイレクトな熱量を伝える手腕に定評のある岡村俊一が担当。メインキャストには馬場徹や中河内雅貴、磯貝龍虎ら成長著しい若手役者がそろった。中川晃教と加藤雅也という前回からの続投組も健在で、娯楽作でありつつ、芝居の面でも厚みのある舞台が楽しめることは間違いない。11月某日、都内のスタジオでチラシ撮影に挑む馬場の姿を追った。『SAMURAI 7』チケット情報スタジオに入ると、擦り切れた着物に乱れた長髪を無造作に後ろにしばった馬場が、日本刀を携えて撮影の最中だ。馬場の演じるカツシロウは剣の腕はあるものの、一見すると物腰の柔らかい武家の青年という役どころ。美しさと共に鍛えられた体も必要となるが、馬場はまさにハマり役で刀の構え方も堂に入ったもの。それは昨年出演した『飛龍伝2010 ラストプリンセス』で晩年のつかこうへいから厳しい指導を受け、その後2本のつか作品で揉まれた経験が馬場の中にきちんと生きているからだろう。風の中を行くビジュアルイメージのために前と横からサーキュレーターの風を受けている間、重い刀を振りかざすポーズを繰り返し求められても集中力が途切れる様子はない。撮影終了の瞬間、思わずカメラマンはじめスタッフから拍手が起こった。「殺陣やダンスもふんだんに盛り込まれているアグレッシブな舞台」。撮影後、取材の席についた馬場に本作の印象を聞くと、そんな答えが返ってきた。カツシロウ役については「素直でどこか頼りないけれど、ここぞというときには強い面を発揮する男。劇中で成長も見せますし、演じる者としてはやりがいがありますね。ただ、これまでのカツシロウ役の方と比べて肉体派になってしまうかも……」。と笑う馬場は、現在23歳。18歳で注目を浴びたミュージカル『テニスの王子様』への出演から5年の間に先述のつか作品を始め、海外ミュージカル作品やストレートプレイなどでも着実に経験を積んできた。少年から青年への変遷は、そのまま役者としての馬場を形づくっている。「芝居を芝居としてやらない、という感覚が段々分かってきました。『テニス~』の時にコンビを組んでいた中河内くんとも久しぶりの共演なので、新しい気持ちで取り組みたい」。彼らが全力で“今”を駆け抜ける本作。見逃す手はないだろう。取材・文佐藤さくら公演は3月31日(土)にプレビュー公演後、4月1日(日)から4月8日(日)まで東京・青山劇場にて上演。チケットは1月22日(日)より発売。
2011年12月19日スーパー・ポップ・グループABBAのベニー・アンダーソンとビョルン・ウルヴァースが作曲し、『エビータ』『ジーザス・クライスト・スーパースター』のティム・ライスが原案・作詞を手がけた伝説のミュージカル『CHESS』。2012年、その日本初演が、コンサート・バージョン『CHESS in Concert』として実現する。もとは、1984年にリリースされ大ヒットを記録したコンセプトアルバムから発進した舞台ゆえ、オペラ、ポップス、ロックと幅広いメロディで構成された楽曲が多くのファンを魅了。1986年ロンドン初演の後は世界各国で上演され、続々と"チェス・マニア"を生み出している。「宝塚歌劇団時代にナンバーを耳にした」と語る安蘭けいも、『CHESS』の音楽に惹きつけられたひとりだ。安蘭けいの写真「『I know him so well』(リリース時、全英1位にチャートイン)を聴いた時に、なんて良い曲だろう!と思ったんです。まさかこうして自分が『CHESS』に向き合うことになるとは……、しかもこの曲を歌える。すごい巡り合わせだなと感じています。とにかく曲が素晴らしいので、この音楽に触れられることがとても幸せですね」東西冷戦の時代を背景に、アメリカとソビエト、西と東のチェス世界チャンピオンの対決から物語は始まる。安蘭が演じるのは、アメリカチャンピオンのフレディ(中川晃教)にアシスタントとして付き添うフローレンスだ。ゲームを通じて敵側チャンピオンのアナトリー(石井一孝)に好意を抱き、やがて恋に落ちるフローレンス。国家の思惑に翻弄されながら、それぞれの人生がチェスの駒のように動き出す。「暗い過去を持ち、フレディを支えながらアナトリーに惹かれていくという複雑な心理を抱える女性です。でも絶対に曲がらない、凛とした芯も感じとれる。そんなフローレンスに自分がどうアプローチしていくかが楽しみですね。また石井さんや浦井さん、中川さんといった素晴らしい歌声を持つ方々にいろんな刺激を受けることで、きっと成長できるだろうと。私が惚れ込んだ歌声を持つ人と共鳴し合った時に何を感じるのか……、ホントに待ち遠しいくらい楽しみにしています」ABBAが生んだ伝説のナンバーの数々が、豪華キャストの歌声で日本バージョンとして甦る。新たなチェス・マニアとなってこの絶好の機会をぜひ見届けてほしい。『CHESS in Concert』は2012年1月26日(木)から29日(日)まで東京・青山劇場、2月10日(金)から12日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて上演。チケットは12月3日(土)より一般発売される。取材・文:上野紀子
2011年11月28日中川晃教、白羽ゆり、神田沙也加、米倉利紀が出演するオフ・ブロードウェイミュージカル『I LOVE YOU,YOU’RE PERFECT,NOW CHANGE』が10月8日に東京グローブ座にて開幕した。開幕前日の7日には舞台稽古が公開され、出演者が会見にも応じ意気込みを語った。作品はオフ・ブロードウェイで12年間・5003回のロングラン記録を打ち立てた伝説のミュージカル。今回の日本公演では、オリジナル版の演出家であるジョエル・ビショッフが来日し演出、オフ・ブロードウェイ版の魅力を残しつつ新たな舞台を作り上げた。物語は、全18話からなるオムニバス・ストーリー。男女の愛をテーマに、恋愛未満、恋愛中、そして結婚後と様々な形の愛を紡ぎ出していく。アメリカ産らしい毒の効いたジョークやセクシー・ジョークもありつつも、全体的にポップで愛らしい印象を受ける舞台に仕上がった。シーンタイトルも「しゃべる男たちと聞いてるふりをする女たち」や「ラザニア事件」など、それだけでクスリとさせられる。それぞれの話に繋がりはないものの、男女が出会い、恋愛をし、結婚をし、子どもが生まれ……と人生のイベントに沿う形で18話が展開していくのも、お洒落だ。4人の俳優はシーンごとにまったく違う役を演じ分けていくが、それぞれはっきりとわかりやすいキャラクター造形で、しかも楽しそうに演じていたのが印象的。実力者揃いの4人が織り成すハーモニーも、聴き応えがある。舞台稽古後の会見で中川は、4人芝居の良さを「ケータリングのおいしいものがなかなかなくならなくて、そこが良い所」と笑いながらも、「4人で楽しくはじけて、最後はお客さんも『観てよかったな』、僕らも『やってよかったな』と一体感を感じられるミュージカル。最高です」とアピール。神田も「4人は年齢も経歴もこの世界に入った入り口も違う。その分自分が見たことのない景色や経験を持っているので、普段のおしゃべりでもすごく刺激を受けます。しかも性格や声の質などのバランスも奇跡的」と話した。公演は10月23日(日)まで同所にて。その後10月27日(木)には宮城・電力ホール、11月3日(木・祝)には兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール、11月5日(土)には福岡・キャナルシティ劇場でも上演される。チケットは発売中。
2011年10月11日1996年夏より、12年間に渡って5003回ものロングラン上演を記録した伝説のオフ・ブロードウェイ・ミュージカル「I LOVE YOU,YOU’RE PERFECT,NOW CHANGE」が今秋ついに東京で上演される。この舞台は、出会ってから恋愛に至るまで、結婚を決意する時、結婚後の生活……と人生の中で起こりうる恋愛のエピソードが赤裸々に描かれ、その様々なストーリーを4人の役者だけで演じ分ける。「ILOVEYOU,YOU’REPERFECT,NOWCHANGE」のチケット情報キャストは中川晃教、白羽ゆり、神田沙也加、米倉利紀という、歌唱力、表現力ともに高い評価を得ている4名。9月12日より稽古が始まったが、稽古直前にそれぞれが意気込みを語った。「この4人でタッグを組んで精一杯取り組んでいきます」(中川)。「宝塚時代には決してなかったような役に挑戦しますので、ファンの方は驚くかもしれませんね。でもいい意味で裏切りたいです」(白羽)。「ひとりで14から15人もの役を演じなければならないので、しっかり演じ分けたい」(神田)。「出演者が多い、少ない、それぞれに楽しさ、辛さがある。4人芝居は初めてなので、それを感じたい」(米倉)。また、今回の演出を担当するのは、オリジナルの演出家であり、ミュージカル『アニー』の演出家として11年間日本で仕事をしていた経験をもつ、ジョエル・ビショッフ。「ニューヨークで大成功した作品をもう一度上演できること、そして、上演されるのがアメリカの次に僕が大好きな国、“日本”だということ、この2つが大きな喜びだ」と上演できる喜びと、「この作品はアメリカのリメイクではなく、日本人スタッフとまったく新しい『I LOVE YOU,YOU’RE PERFECT,NOW CHANGE』をつくりたい」と作品づくりへの意欲を語った。初日の稽古では、音楽をつけず歌の歌詞も台詞として読むところからスタートした。動きもなく、台本を手にまだ「声」と「表情」だけだが、早くも小さな子供から老人まで幅広い年齢の演じ分けがはじまっている。「今、その手にあるのは最低限の本。ここからみんなで磨き上げていく」とジョエル。磨き上げられた舞台で、どんな「LOVE」がみられるのか楽しみである。公演は10月8日(土)から23日(日)まで東京グローブ座での上演を皮切りに、全国4都市で行われる。チケットは発売中。なお、10月11日(火)19:00と18日(火)19:00の公演終了後に、愛の伝道師のふたり(中川晃教・米倉利紀)による「恋のお悩み相談室」の開催が決定した。女性の視点から、白羽ゆり、神田沙也加からのアドバイスもあり。当日のチケットが持参で参加ができる。
2011年09月16日パンとお菓子のレシピ投稿サイト「キッチン」では、料理家の中川たまさんの特集がスタートした。季節の野菜やフルーツの素材を活かしたレシピを提案している、料理家の中川たまさん。さまざまなハーブが育つ広い庭のあるご自宅に伺い、食へのこだわりと、今おすすめのスイーツレシピを教えていただいた。今回中川さんがご提案してくれたのは、「桃とトマトのビネガーコンポートとグラニテ」と「黒糖寒天とパイナップルのジンジャーマリネ」のレシピ。まだまだ続きそうな蒸し暑い日には、こんなひんやりデザートはいかがだろうか。 中川たまさんのすてきな暮らし方、オリジナルのデザートレシピはこちら!「キッチン」中川たまさんインタビューへ ≫ 【お知らせ】 中川たまさん イベント情報 日常展日時:2011年8月27日(土)~9月4日(日) 営業日:木・金・土・日 11:00~17:00場所:12月(じゅうにつき) 横浜市青葉区鉄町1265 5周年展 日時:2011年9月9日(金)~17日(木)営業日:金・土 13:00~17:00場所:aterier303 横浜市中区北仲通4-49万国ビル303 取材/キッチン編集部
2011年09月05日「古き良き遊びごころ」をコンセプトに、手紡ぎ手織り麻をベースとした商品を展開している和の生活雑貨ブランド“遊 中川”。その商品を、ものづくりの産地に焦点をあてて品揃えしているのが“遊 中川 日本市”というお店だ。ecute東京店に続き、この“遊 中川 日本市”2号店目となる“遊 中川 日本市 羽田空港第2ターミナル店”が、7月24日(日)にオープンとなる。オープンを記念し、“日本市”のオリジナルロゴを配した「遊 中川 日本市 オリジナルエコバッグ」が同日より発売。また、オープニングキャンペーンとして、オープン当日より7月31日(日)までの期間に税込5,250円以上お買い上げのお客様に、奈良特産の蚊帳生地を用いた「花ふきん」がプレゼントされる。 「都会に出て自分の地元のモノを見ると、とても懐かしい気持ちになります。自分の地元の産業が日本一であったり、特別なものだったりと、その歴史を知ることでちょっと誇らしく胸をはった気持ちになってほしい。そして、日本の産業・工芸に興味を持っていただきたい。そんな思いで店づくりをしています」という、“遊 中川 日本市”の店舗コンセプト。日本の古き良き習慣を、現代の暮らしに取り入れるヒントを探しにお出かけしてみては?遊 中川 日本市 羽田空港第2ターミナル店東京都大田区羽田空港3丁目4番2号 羽田空港第2ターミナルビル駅地下1階営業時間:8:00~20:00TEL:03-3747-0460 取材/おうちスタイル編集部
2011年07月20日同名の人気アニメーションを舞台化した『SAMURAI 7』が11月から青山劇場で開幕する。公演をひと月後に控えた10月21日、舞台の製作発表が都内で行われ、主演の三浦翔平をはじめ西島隆弘(AAA)、相葉弘樹、加藤雅也、中川晃教、住谷正樹(レイザーラモン)、演出家の岡村俊一らが会見した。『SAMURAI 7』の公演情報同作は、黒澤明の名画『七人の侍』を原作にしたフルデジタルアニメ『SAMURAI7』を舞台化したもので、2008年に岡村俊一の演出で初演。今回は一部キャストを入れ替えて再演する。舞台ははるか未来。機械化されたサムライのなれの果て、野伏(のぶ)せりの襲撃から農民たちの村を守るため集められた7人のサムライたち、カンベエ、カツシロウ、キクチヨらの活躍を描くアクション活劇だ。初舞台で主役カツシロウを演じる三浦は、「共演の方々のお力をお借りして精一杯頑張りたい」と決意表明すると、西島の「三浦君とはプライベートでも仲良くさせてもらっているので、全力でフォローします」と頼もしいコメントも。役柄について聞かれると、「カツシロウはビビリだけれど、真面目。僕はそこまで真面目じゃないけど、まっすぐなところは似ているかも」と自身との共通点を上げながら、「ひと芝居ごとに殺陣がある。鬼気迫る殺陣を見てほしい」と見どころを語った。一方、初演から続いての参加となるのが、加藤雅也と住谷正樹。キクチヨ役の住谷は「出てくるのは超カッコイイ人ばかり。ハードゲイだから言うわけではないが、男が男にほれる作品」。カンベエ役の加藤は「3D映画がはやっているが、舞台では生の翔平が飛び出します」と舞台をアピールした。公演は11月20日(土)から12月5日(日)まで、東京・青山劇場にて。チケットは現在発売中。
2010年10月22日