映画『きみはいい子』のプレミア試写会が6月7日(日)に開催され、主演の高良健吾、尾野真千子舞台挨拶に出席。つい先日、第一子となる男児を出産したばかりの呉美保監督からは赤ちゃんを抱いた写真とコメントが到着した。中脇初枝の同名小説を昨年公開の映画『そこのみにて光輝く』が絶賛を呼んだ呉監督が映画化。真面目だが優柔不断で真正面から子供たちに向き合えない教師やかつて虐待された経験を持ち、我が子に手を上げてしまう母親など、苦悩を抱えて生きる人々の人生の交錯、彼らが光を見つけ、一歩を踏み出すさまを描き出していく。高良さんは本作について「役者を始めて10年目ということで気合いが入った作品です」と強い思いを口にする。初の教師役となったが「子供たちと接した時間」が撮影中の何より忘れられない大切な思い出だという。「入る前は不安で、子供たちを目の前にしてその子たちと向き合えるのか?という思いでした。教師役をやった俳優さんたちからも『子供はバケモノだよ』と聞いてたので…。でも一緒にいて素直に向き合い、ただただ楽しく、ただただ大変でした」と晴れ晴れとした表情で語る。撮影を通じて「先生になれたんだと思います」と手応えを口にする。尾野さんは、子供を虐待してしまう母親という難しい役どころだったが、娘役の子とは「凄く仲良かったです」と笑顔で語り「大丈夫です!(実際は)たたいてません(笑)!」と説明。虐待のシーンでも「自分の手を(娘の)背中に置いて、見えないようにその手をバシッとたたいたり、助監督の足をたたいたりしてました」と明かす。それでも、つらいシーンが続くこともあり「カットがかかるとハグしていました」と心のケアをしていたと語り「らせん階段があったので、そこで『アナ雪』をしてました。『Let it go~』って(笑)。らせん階段が『アナ雪』にはいいんですよ」と語り笑いを誘っていた。「抱きしめられたい。子どもだって。おとなだって。」というのが本作のコピーだが、2人とも最近、誰かを抱きしめたり、抱きしめられたりした経験は?と尋ねると、高良さんは「僕は男友達と久々に会った時に、握手して抱きしめるのは普通です」と語る。尾野さんは「奈良に戻った時、(東京に)帰る時に『またね』と母親をハグするのをここ何年も続けています。なぜかここ1年くらい、父親ともやってます。急に来まして…寂しかったのか(笑)?」と笑いながら明かす。それを聞いた高良さんは「自分も親にやってみます」と宣言した。呉監督からは5月29日に出産したばかりの赤ちゃんと一緒の写真と共にコメントが到着。「いまは、息子のおむつを交換するか、おっぱいをあげるか、共に寝ているか、泣き止まない息子をあやしているかです」「じっと見つめられると抱きしめずにはいられない」といった母の言葉に映画を見終えたばかりの客席は再び感動に包まれた。高良さんは「監督は小柄で、(出産前は)体の半分くらいがお腹で…(笑)。やっぱり生まれるんですね。嬉しいです」と笑顔。尾野さんは「(出産前は)お腹は大きいのに『まだ実感がない』と言ってたので、変化を聞きたいです。早く会いたい」と嬉しそうに語っていた。『きみはいい子』は6月27日(土)より公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:きみはいい子 2015年6月27日より、テアトル新宿ほか全国にて公開(C) 2015「きみはいい子」製作委員会
2015年06月07日リーボックはこのほど、ブランドアンバサダーとしてモデル・タレントとして活躍中の中村アンさんを起用したことを明らかにした。ブランドアンバサダーに就任した中村さんは、学生時代からチアリーディングに取り組み、現在もクロスフィットトレーニングやランニングなど日常生活のなかにフィットネスを取り入れている。フィットネスを通して理想の自分を手に入れるために努力し、進化し続ける中村さん。その強さ、美しさは、フィットネスを通じて自らの可能性を最大限に高めるという同社のブランドメッセージ「Be More Human」とも重なる。その姿を通し、フィットネスで自分の可能性を引き出して進化させる喜びを発信していきたいという思いから、アンバサダーに中村さんを起用した。中村さんはアンバサダー就任について、「フィットネスがダイエットや減量目的のためだけではなく、『新しい自分を創るための努力』として捉えてもらえるよう発信していきたいです。これから、リーボックのブランドアンバサダーとして活動することが本当に楽しみです」と意気込みを語った。
2015年05月25日俳優の高良健吾と女優の尾野真千子が主演する、呉美保監督作『きみはいい子』(6月27日公開)が、6月19日から26日まで開催される第37回モスクワ国際映画祭のコンペティション部門に、日本映画では唯一出品されることが19日、わかった。同映画祭は、カンヌ、ヴェネチア、ベルリンと並ぶ世界四大映画祭の1つとして知られ、ロシアのモスクワで開かれている。近年では、2013年に『さよなら渓谷』(大森立嗣監督)が審査員特別賞を、そして昨年は『私の男』(熊切和嘉監督)が金賞、最優秀男優賞を浅野忠信が受賞。呉監督は、前作『そこのみにて光輝く』でのモントリオール世界映画祭最優秀監督賞に続いての国際映画祭での受賞となるか、注目が集まる。呉監督は今回の選出を受け、「日本の、どこにでもある町の、どこにでもいる人を描きながら、この映画はもしかしたら、世界のどこかのだれかにも通じるのではと、その『だれか』にこそ見てもらえたらと、こっそり思っていました」と明かす。そして、「日本での公開直前に、モスクワでのコンペ上映だなんて、ワクワクさせてもらえることに心から感謝です」とコメントを寄せた。本作は、第28回坪田譲治文学賞、2013年本屋大賞4位に輝いた同名小説(著:中脇初枝)が原作。子供にまつわる現代の問題をはらみながらも人が人を愛することについて描き、高良は問題に真っ向から立ち向かえない新米教師、尾野は自身も同様の経験をしているにもかかわらず子どもに手をあげてしまう母親を演じる。(C)2015「きみはいい子」製作委員会
2015年05月19日俳優の高良健吾、女優の尾野真千子らが出演する呉美保監督映画『きみはいい子』(6月27日公開)の最新ビジュアルが6日、公開された。本作は、第28回坪田譲治文学賞、2013年本屋大賞4位に輝いた同名小説(著:中脇初枝)が原作。子供にまつわる現代の問題をはらみながらも、人が人を愛することについて描く。高良は、問題に真っ向から立ち向かえない新米教師を演じ、尾野は、自身も同様の経験をしているにもかかわらず子どもに手をあげてしまう母親に扮する。ほかにも、尾野演じる母親のママ友を『そこのみにて光輝く』で「第9回アジア・フィルム・アワード」最優秀助演女優賞を受賞した池脇千鶴が演じ、高橋和也や富田靖子などベテランの俳優陣が脇を固める。公開されたビジュアルでは、子どもに抱きしめられる高良と、池脇千鶴扮するママ友に抱きしめられる尾野が映しだされている。「どうしたらいい子になれるのかな?」という子どもの純粋な問いに戸惑う新米教師(高良)と、大声でわが子を叱責しながらもトイレでひとり涙を流す母親(尾野)の姿を捉えた、"静"を表現したビジュアルが先日公開されており、今回のものはそれに対する回答とも言えるエモーショナルなものに。「抱きしめられたい。子どもだって。おとなだって。」のコピーが指すように、さまざまな問題を超えて、人とのつながりに光を見いだしていく本作にふさわしいビジュアルに仕上がっている。(C)2015アークエンタテインメント
2015年04月06日4月2日(木)より東京・歌舞伎座で上演される「松竹創業120周年中村翫雀改め四代目中村鴈治郎襲名披露歌舞伎座四月大歌舞伎」。同公演の成功を祈願し、四代目中村鴈治郎、坂田藤十郎らが東京・浅草の浅草寺でお練りを行なった。【チケット情報はこちら】中村鴈治郎は今年の1月・2月の大阪・大阪松竹座で襲名披露公演を開催。今回、歌舞伎座で行なわれる公演で、四代目中村鴈治郎が東京に初お目見えする。お練りのあと行なわれた囲み取材には、四代目中村鴈治郎が出席。報道陣に自身の名前には慣れたかと聞かれると「なんとか(笑)。ただこれでおどおどしているようではダメですけどね。襲名してつくづく思うのは鴈治郎という名前の大きさですね。この名前はどこに行っても皆さん知っていてくださる。改めて凄いなと思っております」とコメント。さらに「初代はあまりにも伝説的な役者ですが、そこを意識しすぎるとプレッシャーにやられてしまう。二代目、三代目という自分が目に焼き付けてきた鴈治郎を、良い意味で追いかけていければと思います。どんな役をやっても光っていられるような役者になりたい」と抱負を述べた。新開場した歌舞伎座で襲名披露公演が行なわれるのは今回が初。公演に向けて意気込みを聞くと、「江戸とは違う上方の役者のにおいを出して、お客様にそれを感じていただければと思います。ただ、いかんせん歌舞伎座というのは大きな小屋。なので、お客様にはその大きさを感じさせない、空間を埋められるようなお芝居をできれば良いなと思っています」と語った。「松竹創業120周年中村翫雀改め四代目中村鴈治郎襲名披露歌舞伎座四月大歌舞伎」は4月2日(木)から26日(日)まで、東京・歌舞伎座で上演。チケットの一般発売は3月12日(木)午前10時より。なお、一般発売に先がけて、先行抽選プレリザーブを実施。受付は3月4日(水)午前11時から9日(月)午前11時まで。
2015年03月04日中村屋はこのほど、「スパイスデリ 新宿中村屋 純カリー粉」を発売した。同商品は、1927(昭和2)年に、日本で初めて純印度式カリーを発売したという中村屋本店のレストランで使用しているオリジナルブレンドのカレー粉。オリジナルブレンドのスパイスは、高温で焙煎(ばいせん)した後に、石壷でスタンピング(型押しのように上から突くこと)した。さらにスパイスを熟成させることで、深い香りとコクが引き出されるという。しっかりとした熟成感がありながら、コリアンダーとカルダモンの清涼感ある香りが楽しめるとのこと。カレーだけではなく、様々な料理にも使用可能。なお、本店のレストランではこのカリー粉以外も使用しているという。価格は430円(税別)。
2015年02月19日公開初日を迎えた映画『悼む人』の舞台あいさつが14日、東京・有楽町の丸の内TOEIで行われ、高良健吾、石田ゆり子、貫地谷しほり、椎名桔平、大竹しのぶ、井浦新、堤幸彦監督が出席した。公開初日の舞台あいさつに、主演の高良健吾をはじめキャスト陣と堤幸彦監督が勢揃い。高良は「この映画が始まるのはうれしいですね。『悼む人』は自分が10年目の1発目の主役で力が入り、やっていることは楽しいことではなかったけど、振り返るとすごく幸せな時間を過ごせていただきました」と難しい役をやり切った様子。その高良扮する静人と悼む旅を共にする奈義倖世役の石田ゆり子は「この作品の生みの親が天堂さんだとしたら、育ての親が堤監督、私は乳母ぐらいの気持ちでいます。それぐらい私はこの作品に出られて幸せでしたし、自分からどうしても参加したいと志願して大胆な行動に出ましたので、この日が来て感無量です」と充実した表情を見せた。また、亡き夫役の井浦新について石田は「新さんとの雨のシーンで、新さんが『僕はこういうシチュエーションを楽しめるんで、ストーブには当たりません』と仰っていましたが、実際は死ぬほど寒くてものすごくストーブに当たってましたよね。ストーブがあって良かったですね。なかったら死んでましたよ(笑)」と撮影エピソードを披露して共演者や観客を笑わせた。公開初日となったこの日は、2月14日のバレンタインデー。共演者からチョコレートを手渡され、最後に石田ゆり子からもらったチョコレートをその場で口にした高良は「うれしいですね~。サプライズってうれしいですよ! ドッキリとかサプライズは初めてなのでビックリしました。下手なリアクションで最悪ですけど、心のなかでは跳ねるぐらいうれしいです。本当にありがとうございます」と感激しきりだった。天童荒太が7年の歳月を費やして書き上げ、2008年の第180回直木賞を受賞したベストセラー小説『悼む人』を、堤幸彦の手によって映画化した本作。縁もゆかりもない死者を悼む旅を続ける主人公の坂築静人(さかつき しずと)に高良健吾が扮し、静人の悼む旅を通して、生と死、愛と憎しみ、罪と許しのドラマの果てに、という難しいテーマを感動的に描く。
2015年02月14日映画『悼む人』が2月14日(土)に公開され、主演の高良健吾をはじめ、石田ゆり子、井浦新、貫地谷しほり、椎名桔平、大竹しのぶ、堤幸彦監督が舞台挨拶に登壇。高良さんにサプライズで共演陣ひとりひとりからバレンタインのチョコレートがプレゼントされた。天童荒太の直木賞受賞小説を同じく堤監督による舞台化に続いて映画化。不慮の死を遂げた人々を“悼む”という行為を続けて全国を巡る青年・静人、彼の存在を通じて命に向き合っていく周囲の人々や彼の家族の姿を描く。高良さんは、ついに公開を迎え「この日が来て本当に本当に嬉しいです。(キャリア)10年目の主演1本目の作品で、力も入っていたし『どうすればいいのか?』と考える毎日で、やっている最中はつらかったですが、ふり返ってみると幸せな時間を過ごさせていただいたと実感しています」と感無量の面持ち。各地を巡った公開前のプロモーションで、観客から様々な感想を受け取ったが「観ていて安心できる映画ではないかもしれないけど、温かい映画だと思います。時間が育ててくれる映画なのではないかと、みなさんの感想を聞いて思いました」と語る。石田さんも「生みの親が天童荒太さんで、育ての親が堤監督だとしたら、私は乳母くらいの気持ち。それくらい、出られて幸せでした」と本作への思い入れの強さを口にする。その石田さんを追い詰めていく亡き夫の役を演じた井浦さんは「監督から『思い切りやっちゃって!』と言われて、それに応えようとしていました。あるシーンを終えて、ゆり子さんが『難しいな…』とつぶやいてて、その姿に心打たれまして、愛情を持って追い込んでいこうと腹を括りました」と“ドS”な自身の演技をふり返る。石田さんは、特に井浦さんとの雨の中のシーンを述懐。「新さんは現場で全く動じることがなくて、雨のシーンでも『僕はこういうシチュエーションは楽しめるからストーブにもあたらない』と仰ってたんですが、ものすごく寒い日で、実際はすごくあたってて…(笑)。ストーブがあってよかったですよね」と現場の様子を暴露しつつ、厳しい環境の中での撮影をしみじみと思い出していた。貫地谷さんは出産シーンがあり、母親役の大竹さんの存在が大きな心の拠り所になったようだが「生むシーンで、しのぶさんが『こうなんだ』と教えてくださったんですが、助産師さんに『ちょっと違います』と言われて…(笑)。経験者ですよね?」と笑いながら明かす。大竹さんは「『いまは違います』『それは昔ですね』と言われました…」と苦笑していた。椎名さんは、以外にも初共演となった大竹さんとのシーンについて「あの大竹しのぶさんですからね。普段緊張しない自分が緊張して胃が痛くなって、撮影を中断していただいて病院に行きました」と大竹さんのせいで胃痛を起こしたと主張!しかし「本当の原因は前日に食べた焼いたカキだと思います(苦笑)」と告白し、会場は笑いに包まれた。その大竹さんは、がんを患う静人の母親を演じたが「死んでいく役ですが、生きることに感謝できた不思議な1か月でした」と嬉しそうに撮影の日々を振り返っていた。そして、舞台挨拶の最後にはサプライズで、椎名さん、井浦さん、貫地谷さん、大竹さんが順番に高良さんにチョコレートをプレゼント。最後に石田さんが、桜の花びらの形のチョコレートを渡すと、高良さんはガブリと噛り付く!「サプライズっていいですね!嬉しいです。どうしていいか分からないけど、跳ねるくらい嬉しいです」と喜びをかみしめていた。『悼む人』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:悼む人 2015年2月14日より全国にて公開(C) 2015「悼む人」製作委員会/天童荒太
2015年02月14日●死ぬ役への羨望に「じゃあ、やってみろよ」今年、俳優デビュー10周年を迎えた高良健吾。テレビドラマ『ごくせん』(05年)から役者としての道を歩みはじめ、2012年に『軽蔑』で第35回日本アカデミー賞新人俳優賞、2013年に『苦役列車』で第36回日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞するなど、着実にキャリアを積み重ねてきた。演技力の高さが招いたことなのかもしれないが、彼のこれまでを振り返る上で、避けては通れないのが「死ぬ役が多い」ということ。『ノルウェイの森』(10年)では自殺、『潔く柔く』(13年)では事故死、『罪と罰 A Falsified Romance』(12年)では殺人者、現在放送中の大河ドラマ『花燃ゆ』で演じている高杉晋作は病死。『千年の愉楽』(13年)では死ぬシーンの撮影が自身の誕生日ということもあった。そんな「死」と向き合う日々を、「楽しくない毎日」と辟易していたこともあったが、思わぬ形で実を結ぶ。14日から公開される映画『悼む人』で彼が演じるのは、全国各地を巡りながら"悼みの旅"を続ける坂築静人。亡くなった人の生前「誰に愛され、愛したか、どんなことをして人に感謝されていたか」を覚えておくために最期の地に赴き、片膝をつきながら魂を拾い上げるように胸に手をあて、その人物の半生を暗唱する。赤の他人へのその行為は初めのうちは「奇行」と受け取られるが、真摯に平等に「死」と向き合う姿勢は、次第に周囲の人々に影響を与え始める。役を通してさまざまな「死」と向き合ってきた高良は、この静人をどのように演じたのか。そして、多くの死を受け入れてきた彼の職業観はどのように自身の死生観へと繋がるのか。高良の「死」と「生」を探った。――「悼む」という言葉の意味を、もう一度見直すきっかけにもなる映画だと感じました。「悼む」という行為は、きっと誰もがしたことがあると思っていて。ただ、静人のやり方だから、ちょっと特別に見えているところがあると思うんです。でも、静人がやっていることは「命に差別をしない」ということ。例えば、幼児虐待のニュースなんかを見ると「きついな」と思ってしまいます。事件が起こるとだいたいの人は加害者の方に関心がいって、被害者の方はあまり覚えていないと思うんです。でも、静人は亡くなった命に対して悼んでいる。それはすごいことだなと思いました。この役をみんなで共有しようとしたり、この人間を分かってもらおうと思ってやると、外に気持ちが向きそうな気がして。静人の悼むセリフだったり、悼む行為が映画の中では徐々に理解されていく。だから、僕が必要以上に客観性を持ちすぎると、この映画の方向性が間違っていきそうな気がしたんです。「演じる」より、「居方」。僕はただただ主観で、自分が思う静人をやるべきだと思いました。――これまで役柄を通して多くの「死」と向き合ってこられましたが、本作を通じての変化は?同じ死は1つもなくて、いろんな死がありました。殺された人、自分で死んだ人、寿命で死んだ人、事故で死んだ人。でも、なんで「死」を考えないといけないんだろうと思っている時もありました。役のおかげで成長できること、気づくことはたくさんありましたが、役のせいで考えさせられたりもした。人を殺す時の気持ちなんて考えたくないし、自分から死ぬ気持ちも考えたくない。その役をうらやましがられるのがすごく嫌で、「じゃあ、やってみろよ」と思ってしまうこともありました(笑)。この映画でいえば、静人自身の死の向き合い方が2回ほど変わっていると思っているんですよ。母の死と妹の出産。物語はその手前で終わっていますが、それは静人だけが感じることができる死と生。そういう気持ちを現場でも感じていこうと思っていました。●役者にとっての「ご褒美」とは?――ニュースを通して多くの人の「死」が伝えられていますが、その見方は変わりましたか。変わりました。被害者の方が気になるようになりました。ほとんどの人が加害者とその家族に関心がいく。被害者のことは、たぶんほとんど知らないと思うんです。そういう見方をすると、ほとんどのニュースが加害者側のことを中心に伝えられているのが分かります。役によって死の向き合い方も違いますし、生の向き合い方も違います。全部の役で感じ方は違いますけど、すべて「通ってきた」と思っています。どんなにどうしようもない生き方でも、自分がその役をやらせていただいて死に触れると…やっぱり悲しいですよね。――大変な作業ですね。それは「仕事」と思うとできます。そして、大切なことだと思っています。やっぱり、「自分がやりたいことだけ」というのもすごく大切だけど、それは与えられたものの中でもできることだなと。「仕事」と思うことでプロにならなければいけない。それを最近感じることができるので、楽しいですね。――俳優としてデビューしてから10年の節目を迎えました。どの時期からそれを実感したのでしょうか。常に考えていたと思うんです。だけど、自分の場合は「やれるかわからないけど、現場でやってみよう!」という勢いがあった。勢いだけでいく瞬間。でも、それって確かなものではない。自分がずっと目指してたことなんですけれど、今は「呼ぶ」という感じ。責任感なのかもしれませんが、それは仕事で、やらなきゃいけないこと。気持ちを作った上で奇跡を待つこともたくさんありましたが、今は気持ちを作った上で「呼ぶ」という感じです。去年やった仕事は自分の中でそれが見えた気がしました。主演という立場で客観的になって考えると、伝えるということはすごく大切になってくると思うんです。でも、それが「この人間を伝える」というとはちょっと違う。芝居としては意図してやらないといけないので、大事なのはそのバランス。主観になれば自分が正しいと思うことを迷いながらやることができる。それをやったら誰かに伝わる。そして、映画の中に静人がいる。いつもそこを目指しているんですが、特にこの作品は主観を意識してやっています。この作品の僕を「抑え気味」という人もいましたけど、僕の中での静人はこれ以上できません。これ以上、僕が静人を主張するといやらしくなる気がするんです。だから、演じるというより「居方」の方を気にしています。ただ、静人がやっている行為は批判もされるだろうなと。それは自分でも分かっていますし、迷いもあります。誠実に命と向き合いながらやればその生き方は誰も否定できない。僕はそれは最低限しないといけないなと思っています。――自分が死んだ後も出演した作品が形として残り続けることについてどう思いますか?自分が死ぬ役をたくさんやらせてもらったからかもしれませんが、「いつかは死ぬ」ということは自覚しています。それは事故のように突然なのかもしれません。高倉健さんや菅原文太さんの作品を観ると、その当時の年齢でお二人が映画の中で生きていて、僕たちはそれを観て感動したりする。それはすごいことですよね。僕がやっているのは、そういう仕事なんだなと感じます。『M』(07年)を観ると18歳の僕が死なずにずっとそこにいる。何十年経ってもその時の僕はその作品の中で生きている。相当なご褒美だなと思います。それはこの世界に入ってから気づいたこと。好きな役者さんが亡くなった時に作品を見てこう思うんです。「でも、生きてる」と。■プロフィール高良健吾1987年11月12日生まれ。熊本県出身。2006年に『ハリヨの夏』で銀幕デビュー。2007年に『M』で第19回東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門特別賞受賞以降、さまざまな話題作に出演。2011年にNHK連続テレビ小説『おひさま』で第36回エランドール賞新人賞・テレビガイド賞、2014年にブルーリボン賞主演男優賞など、数多くの映画賞を受賞した。今年は他に、主演映画『きみはいい子』が初夏に公開。
2015年02月14日天童荒太の直木賞受賞作を高良健吾、石田ゆり子の共演で映画化する『悼む人』が2月14日(土)より公開される。天童氏が7年の歳月を費やして書き上げたという原作小説は、生と死、愛と憎しみ、罪と許しをテーマに重厚な人間ドラマが展開されるが、この壮大な物語を映像化するにあたり、キャストとスタッフはどのような思いで作品に取り組んだのか? コメントが到着した。その他の写真映画は、事故や事件で亡くなった縁もゆかりもない人たちを悼みながら旅をする青年を中心に、生と死を見つめる4人のドラマが描かれる。堤幸彦監督が直々に指名した高良と、原作に惚れ込んで名乗りを上げた石田が主演を務め、井浦新、貫地谷しほり、椎名桔平、大竹しのぶらが出演する。主人公・坂築静人(さかつきしずと)を演じた高良は「身近に死がある作品を多くやってきたので、すごく死生観を考えてきた。10代後半からそういったことを思わなきゃいけなかったし感じなきゃいけなかったので、今回の死を悼む役柄、その準備は出来ていたと思う。作品を観て“誰に愛され、誰を愛していたか”を覚えていてもらえるのは、かけがえのないことだと感じた」と話し、“他人を悼む”という主人公の行為について「共感されなくても、批判もされるだろうけど、否定はされたくない。自分だけじゃなく、大竹さん、桔平さんのシーンなど、どのシーンも見ごたえがある。答えのない旅を全員で精いっぱいやりました。観ればきっと心が動く作品」と語る。また、静人と出会い、彼の旅に同行する女性、奈義倖世を演じた石田は「どの役か、ということより、この作品に参加したかった。今までやってきたこと全部捨てて、引退してもいいつもりで、崖っぷちでした。静人を高良さんが演じたことで、『この人なら救ってくれるかもしれない』と思える。自分の心の奥底に眠る何かを掘り返す作品。ぜひ感想を聞きたい」という。原作者の天童氏は「キャスト全員の方の、命を、全存在を賭けるかのような演技は、演ずることを超えている。役を丁寧に生きるという事に非常に敬意を覚え、画面からひしひしと伝わってくる」と絶賛。堤監督は「いままでの自分のやり方を一回封じて臨んだ。(スタッフ全員が)この作品に対する想いが強く、こういう形でまとまりいろいろな力がひとつにまとまることができた。いい経験が出来たし、結果に表れている。“死”という捉えることのできない不条理なものに対して、ひとつの理解の仕方がそこにあり、決して難しいことでは無い。人々に観て頂けるよう、強く訴える作りになった。静人と一緒に、日本の風景の中を旅して頂きたい」と語っている。『悼む人』2月14日(土)全国ロードショー
2015年02月13日天童荒太の直木賞受賞作を高良健吾、石田ゆり子の共演で映画化する『悼む人』のキャストと監督による初日舞台あいさつが、2月14日(土)に丸の内TOEI、新宿バルト9で開催される。その他の写真本作は、天童が7年を費やして書き上げ、2008年の直木賞に輝いた小説を、原作に惚れ込み舞台化も実現させた堤幸彦監督が映画化したもの。事故や事件で亡くなった縁もゆかりもない人たちを悼みながら旅をする青年を中心に、生と死、愛と憎しみ、罪と許しをテーマにしたドラマが描かれる。堤監督が直々に指名した高良と、原作に惚れ込んで名乗りを上げた石田が主演を務め、井浦新、貫地谷しほり、椎名桔平、大竹しのぶらが出演する。丸の内TOEIと新宿バルト9で行われる初日舞台あいさつには、高良、石田、井浦(※新宿バルト9のみ登壇)、貫地谷、椎名、大竹(※丸の内TOEIのみ登壇)、堤監督が登壇する。チケットは、2月7日(土)午前10時より一般発売がスタートする。なお本イベントは15歳以上の観客が参加できる。『悼む人』初日舞台あいさつ2月14日(土)会場:丸の内TOEI9:30の回上映後/舞台あいさつ会場:新宿バルト912:00の回上映後/舞台あいさつ登壇者(予定):高良健吾、石田ゆり子、井浦新(※新宿バルト9のみ登壇)、貫地谷しほり、椎名桔平、大竹しのぶ(※丸の内TOEIのみ登壇)、堤幸彦監督料金:大人 2000円、大学・高校生 1700円、中学生(15歳以上)1200円、シニア 1300円、障がい者手帳お持ちの方(付き添い1名様まで同額)1200円チケット発売:2月7日(土)10:00AMより
2015年02月06日俳優の中村雅俊と五十嵐淳子夫妻の三女でモデルの中村里砂が、芸能界デビュー1周年を迎えた。2010年にモデルデビューを果たし、女性誌『LARME』(徳間書店)のレギュラーモデルを務めるなど、ガーリー系女子の間で高い人気を誇っているが“2世”であることを公表したのはタレント活動を始めた1年前から。活動の場を広げたのも自らの意思で、「テレビに出演することも全部決まってから報告した」という。「最初は両親とも、すごく驚いていました」と話す中村が、芸能界デビュー後の変化や両親への思いを語った。<全身ショット>中村里砂、キュートなミニスカ&バニー風衣装2014年、両親の結婚記念日でもある2月1日から本格的にタレント活動をスタートさせた中村。1年間を振り返り「改めてデビューと言われると恥ずかしいですね」と照れ笑いを浮かべる。自身としては「モデル業に加えて、テレビという活動の場がひとつ増えた程度にしか捉えていなかった」というが、テレビ露出が増えることでファン層の変化や広がりを実感。「これまでのわたしを知らない人にも、常に新しいわたしを発信していけたら」という思いと旺盛なサービス精神から、最近ではバラエティ番組で家族とのエピソードやプライベートを明かして注目を集めている。「仕事が忙しい時には、お母さんが作るあたたかいごはんは、やっぱり嬉しいですね」と良好な親子関係を明かした中村。「すごく料理が上手なんですよ。ごはんも土鍋で炊くなどしてこだわっていて。特に和食がおいしいんです」と、母・五十嵐淳子の料理を絶賛した。また、2月1日は父・中村雅俊の誕生日だが、「プレゼントってあげたことがなくて…」とポツリ。「何をあげればいいかわからないんです。今年は渡せたらいいなと思います」と、娘としての顔ものぞかせる。家族のエピソードを語ることが増えたが、ここまで両親の力を借りることなく自らで道を切り開いてきた。“2世タレント”という言葉の裏に“親の七光り”という特権を見る視聴者は多いが、「自分のやっていることには責任を持ちたいし、やるからには1ミリも妥協したくない」と力を込める。もともと自立心は旺盛で、「(幼少の頃から)なんでも自分で決めたいタイプ。両親がダメといっても聞かない子だった」という中村。「小さい頃から舞台などは連れられて観に行く機会も多くて、役者の仕事をやってみたら、と言われたこともあった」というが、自らの意思でモデル業からスタート。「みんなでひとつのものを作り上げる作業が好き」だったこともあり、モデルの仕事を続けているうちに、俳優業にも自然と興味を抱くようになった。「両親とは進んできた道が違うから、自分はマイペースに」と語る中村。その大きな瞳からは、持ち前の自立心と、芸能生活2年目に挑む決意が感じられた。
2015年02月01日第140回直木賞を受賞した天童荒太のベストセラー小説を映画化した『悼む人』の完成披露試写会が1月26日(月)、都内で行われ、天童氏をはじめ、主演の高良健吾、共演する石田ゆり子、貫地谷しほり、大竹しのぶ、堤幸彦監督が出席した。俳優生活10年目という節目を迎える高良さんは、縁もゆかりもない死者を悼む旅を続ける主人公・坂築静人を演じ「タイトルから身構えてしまう人もいると思いますが、僕らは生や死、愛を押し付けがましくない形で描いたつもり。見終わってすぐに答えが出なくてもいいし、時間が育ててくれる作品」と熱っぽくアピールした。夫殺しの過去を背負う女性を演じた石田さんは原作に惚れ込み、「(出演を)立候補した」そうで、「チャレンジの多い役柄だったが、いまは無鉄砲だった自分を褒めたい。参加できて本当に幸せ」と感無量の面持ちだった。一方、高良さん演じる主人公・静人の妹を演じた貫地谷さんは「高良さんより年上なのに、妹役をやりました」と少々恐縮?堤監督とは天童氏の同名小説を映画化した『包帯クラブ』、映画初主演で高く評価された『くちづけ』などでタッグを組んでおり、「いままで、こんなに堤監督のパワーと気合いを感じたことはない」とふり返ったが、これには堤監督も「ちょっと…それは語弊がある(苦笑)」とタジタジだった。また、静人の母親役の大竹さんは「震災などで、いまだに誰かを悼むことさえできない人もたくさんいるはず。私自身は悼むということを、これまであまり考えてこなかったが、この映画をきっかけに誰かを思ってもらえれば、こんな嬉しいことはありません」と真摯に語っていた。『悼む人』は2月14日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年01月26日俳優の高良健吾が1月26日(月)、主演作『悼む人』の完成報告会見に共演する石田ゆり子とともに出席。クライマックスで2人が披露するラブシーンについて「パッションです」と語ると、石田さんは「私が言ったコメント、取られた(笑)」と苦情(!?)を入れた。第140回直木賞を受賞した天童荒太のベストセラー小説を映画化。日本各地を旅し、名も知らぬ死者に追悼の祈りを捧げる青年・静人(高良さん)の放浪と、彼を取り巻く人々のドラマを通して、生や死、罪と赦しを問いかける。「“悼む”という行為は、生きているからこそできること」と高良さん。俳優デビュー10周年を迎え、「正解が分からぬまま、現場にしがみついた。僕にとっては特別な作品」と誇らしげに胸を張った。一方、石田さんはかつて夫を殺してしまい、主人公の旅路に寄り添う女性を演じ、「とても重く難しい役柄なので、自分を捨てて集中することでしか演じられなかった。高良さんと同じで、私にとっても宝物のような映画」。共演した感想を聞かれると「消えそうな儚さがある、まるで少女のような方」(高良さん)、「本当に清らかで、キラキラした空気が出ている」(石田さん)と話していた。都内で行われた会見には高良さんと石田さんに加えて、共演する貫地谷しほり、椎名桔平、大竹しのぶ、堤幸彦監督が出席し、「熱意のこもった現場」(貫地谷さん)、「初めての堤組はいい緊張感に包まれながら、自由にいられた」(大竹さん)。本作が2月14日(土)のバレンタインデーに公開されるため、椎名さんは「ぜひチョコレートに映画のチケットを添えて、大切な人と観てほしい」とアピールしていた。「かれこれ40本近く映画を作ってきたが、初心に帰ったデビュー作のような存在。すでに完成はしたが、深い内容でもっともっと追究できる。もちろん、皆さんの演技も素晴らしかった」と語るのは、かつて本作の舞台版でも演出を手がけた堤監督。会見では平和への願いを込めて、キャスト陣が折鶴に挑戦していた。『悼む人』は2月14日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年01月26日天童荒太の直木賞受賞作を高良健吾、石田ゆり子の共演で映画化する『悼む人』のキャストと監督による完成披露舞台あいさつが、1月26日(月)に丸の内TOEIで開催される。当日は、原作者の天童荒太も登壇する。その他の写真本作は、天童が7年を費やして書き上げ2008年の直木賞に輝いた小説を、原作に惚れ込み舞台化も実現させた堤幸彦監督が映画化。事故や事件で亡くなった縁もゆかりもない人たちを悼みながら旅をする青年を中心に、生と死を見つめる4人のドラマを描き出す。堤監督が直々に指名した高良と、原作に惚れ込んで名乗りを上げた石田が主演を務め、井浦新、貫地谷しほり、椎名桔平、大竹しのぶらが出演する。完成披露舞台あいさつは、丸の内TOEIで行われ、高良、石田、貫地谷、大竹、天童、堤監督が登壇する。チケットは1月17日(土)午前10時より一般発売が開始される。なお本イベントは15歳以上の観客が参加できる。『悼む人』完成披露舞台あいさつ1月26日(月)会場:丸の内TOEI(東京都)開場18:00/開映18:30登壇者(予定):高良健吾、石田ゆり子、貫地谷しほり、大竹しのぶ、天童荒太、堤幸彦監督料金:大人 2000円、大学・高校生 1700円 ※当日要学生証、中学生 1200円 ※15歳以上 当日要学生証、シニア 1300円 ※60歳以上、障がい者手帳お持ちの方 1200円 ※当日要障がい者手帳チケット発売:1月17日(土)10:00AMより
2015年01月15日2012年に向井理・主演で舞台化された天童荒太の直木賞受賞作を、今度は高良健吾を主演に迎え映画化する『悼む人』。このほど、本作から2種類の予告編が到着した。地に跪き、右手を頭上に挙げて空中に漂う何かを捕らえるように自分の胸へ運ぶ。左手は地面すれすれに下ろして大地の息吹をすくうかのように胸へ運び、右手の上に重ねる。そのまま、目を閉じて、何かを唱えるように唇を動かす青年。週刊誌記者・蒔野抗太郎が出逢った坂築静人(高良健吾)は、そうして死者を“悼む”ために全国を放浪している男だった。だが、人の善意を信じられぬ、猜疑心の塊のような蒔野は、静人の不可解な行動(=悼み)に疑念を持ち、彼の身辺を調べ始める。一方、家庭内暴力を受けた女性たちをかくまい「仏様の生まれ変わり」とまで言われていた夫・甲水朔也を殺害し、4年の刑期を終えた奈義倖世(石田ゆり子)。身寄りもなく、行く宛もない彼女は、二度と足を踏み入れぬつもりだった東北の町を訪ね、その殺害現場で朔也を“悼む”静人と出会い…。「トリック」や「SPEC」シリーズなどヒット作を世に送り出してきた、堤幸彦監督がメガホンを握る本作。主演の高良さんを始め、ヒロインには石田ゆり子、ほかにも椎名桔平、貫地谷しほり、井浦新、大竹しのぶといった堤組の豪華な常連たちも出演している。このほど完成した2種類の予告編映像はどちらも、高良さん演じる“悼む人”静人に、石田さん演じる倖世が出会うシーンから始まり、椎名さん、井浦さん、貫地谷さん、大竹さんなどそれぞれの登場人物たちの捻じれて歪んだ過去が映し出される。後半になると2種類の映像でそれぞれに違いが。1本は高良さんの情感にあふれたセリフが、もう一本では「<悼む>=愛を覚えておくこと」「あなたは思い出す。誰に愛され、誰を愛していたか。」という胸が苦しくなるような本作のキャッチコピーが一気に押し寄せるという仕上がりとなっている。映画『悼む人』は2015年2月14日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年12月22日天童荒太の直木賞受賞のベストセラーを映画化した『悼む人』の完成報告会見が12月1日(月)に開催され、原作者の天童さんに堤幸彦監督、主演の高良健吾、石田ゆり子、貫地谷しほり、椎名桔平、大竹しのぶが出席した。堤監督の演出で、向井理を主演に舞台化もされた本作。日本各地を旅し、名も知らぬ死者に追悼の祈りを捧げる青年・静人の姿を描く。高良さんにとってはデビュー10年目の節目の年に撮影された本作。完成した映画、そして静人という役に対し強い思いを持っているようで「10代の後半から20代の半ばまで、人を殺したり、自ら死を選ぶような役ばかりで、楽しくない毎日でした(苦笑)。仕事の“おかげ”なのか“せい”なのか、(死や命について)考えてきたようなところがあり、この役に出会って、これまでずっとこの役の準備をしてきたのかな?と思えました。いままでやって来たこと全部、この役のために必要なことだったと思えた役でした」と語る。石田さんは以前、天童さん原作のドラマ「永遠の仔」に出演しているが、本作に関して「原作を読んで、映像化されるならぜひ参加したいと自分から立候補した」という。「それなのに『本当にできるのか?』と思うような日々でしたが(笑)、集中して演じるしかないという思いでした」と語る。高良さんとの撮影の日々の中で「静人にずっとくっついて演じていて、(自身が演じた)倖世の気持ちが分かりました」と微笑んだ。椎名さんも「永遠の仔」に出演しており、同じころには映画『溺れる魚』で堤監督とも仕事をしているが、当時、堤監督との会話で「ホテルの部屋で飲みながら『いつか、世に問う作品を作ろう』と話したんですが、それがこの作品だという実感があります」とうなずく。貫地谷さんもこれまでたびたび堤作品に出演し、今回同様に堤監督がメガホンを握り、天童さんが原作の『包帯クラブ』にも出演している。大竹さんと親子役を演じる機会も以前あったということで「初日から家族のような空気で幸せでした」とニッコリ。完成した映画について「関わった人たちの熱量を感じました。参加できて幸せです」と語った。大竹さんは、かつてバラエティ番組で一度だけ仕事をした経験のある堤監督との映画での仕事に感慨深げ。原作も以前から読んでいたそうで、オファーが来て「ぜひ!」と即決したという。高良さん演じる静人の末期がんの母親を演じたが「高良くんの撮影のシーンを初日に見せてもらい、悼む姿が美しくて『静人、好きに生きなさい』と思いました」と述懐。撮影終盤で2日半だけ実際に高良さんと一緒のシーンがあったが「スタジオの陰で、実際に『悼む姿をやって』とお願いしてやってもらったんですが、この子が生まれてきてよかったと思いました。自分だけは何があってもこの子を愛している、この子の味方だという思いを強くしました」と強い思いを語った。原作者の天童さんは、多くの映像化オファーの中で「唯一、撮影をする当人(=監督)が企画書を出してくれたのが堤さんだった」と明かし、完成した映画も絶賛。堤監督は「これまでのキャリアを横において、真摯に向き合った作品。この原作だけはどうしても作品にしたかった」と力強く語り、本作への特別な思いをうかがわせた。『悼む人』は2015年2月14日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年12月01日女優の鈴木京香、俳優の高良健吾が5日、都内で行われた、連続ドラマW『平成猿蟹合戦図』の完成披露試写会に出席した。15日からWOWOWでスタートする本作は、吉田修一の同名小説(朝日文庫刊)を、行定勲監督が実写化した復讐エンターテイメント作品。チェロ奏者の敏腕マネージャー・夕子(鈴木)、歌舞伎町のバーテンダー・純平(高良)を中心に、ホストやクラブのママ、元ヤクザらが、日本を揺るがす大騒動を繰り広げる――というストーリーで、ドラマは毎週土曜22時から放送予定(第1話は無料放送)。黒のシックな装いで登場した鈴木は、「人と人の関わりを信じて、怖がらずにいたいと思った作品」と本作をアピールし、高良も「復讐劇って言ってるけど、見終わった後、自分の中に爽やかな風が吹いた」と自信の表情。鈴木と高良は、本作が初共演だが、鈴木が「素敵な青年のイメージを裏切ることは微塵も無かった。『横道世之介』のまま、周りから愛される人」と称賛すると、高良は「京香さんはすごく可愛くて、品があって、とてもお茶目。現場で楽しそうにしているので、後輩の僕たちはすごくうれしい。京香さんのような大人になりたい」と心からの褒め言葉を並べていた。また、イベントには、鈴木、高良のほか、連続テレビドラマに初めて挑んだ行定監督、主題歌『それでも世界は美しい』を担当した歌手の塩ノ谷早耶香も出席。「僕らの気持ちを代弁しているような作品」と胸を張った行定監督は、「300分の映画を撮ったつもり。(自身が監督を務めた)映画『世界の中心で愛を叫ぶ』の時でも泣かなかったのに、6話を観た時は泣けてきて。初めてかもしれない」と熱い想いを吐露。そんな行定監督と同い年だという鈴木は、「クセになるような大変さでしたが、手応えバッチリの現場でした」と撮影を振り返って笑顔を見せた。一方、「行定監督の作品で主演を張れるのは夢だった」と言う高良は、「試されている気分になるような、でも、負けたくないとも思う」と"行定組"に刺激を受けた様子。撮影現場での高良について、行定監督は、「非常にナイーブ。いなくなったと思ったら、隅で落ち込んでいて、ドラマでも良い意味で引きずってる」と明かしつつ、「僕は複雑なフリをする俳優が嫌いだから、とても分かりやすくて良い」と高良を気に入ったようだった。
2014年11月06日「悪人」「横道世之介」の吉田修一の人気小説を原作にしたWOWOW連続ドラマW「平成猿蟹合戦図」の完成披露試写会が11月5日(水)に開催。主演の鈴木京香、高良健吾に行定勲監督が舞台挨拶に登壇した。過去に映画『パレード』、携帯用ドラマ「女たちは二度遊ぶ」で吉田作品を映像化している行定監督が初めて連続ドラマに挑戦した本作。歌舞伎町で働くバーテンダーの純平はひき逃げ事件を目撃し、犯人の有名チェロ奏者から金を脅し取ろうとするが、話は次々と奇妙な方向へと流れていき、やがて、なぜか国政選挙に立候補することに…。ひき逃げ犯のチェロ奏者の敏腕マネージャーで純平の“才能”を見出す夕子を演じた鈴木さんは、第1話を見終わった観客の反応に満面の笑み。「冬の寒さの中、みんなで頑張ったのを思い出しました」と嬉しそうに語った。高良さんとは初共演となったが「素敵な青年のイメージでしたが、それを微塵も裏切ることがなかった!周りのみんなが応援したくなる。もし本当に立候補したら応援します」と大絶賛。一方の高良さんは、同じ熊本出身の行定監督の映画『GO』を高校時代に観たことを明かし「監督の作品で主演を張るのが夢だった」と感慨深げ。鈴木さんについては「年下の自分がこういうこと言っていいのか分かりませんが、すごくかわいくて、品があってお茶目です。京香さんみたいな大人になりたいし、こういう歳の重ね方をしたいです。本当に立候補することになったら、秘書は京香さんにお願いしたい(笑)!」と語り会場を沸かせていた。行定監督は原作者の吉田さん、鈴木さんと同い年であることを明かし「京香さんも同い年ってことにすごくこだわってくれて(笑)、プレゼントで(生まれ年の)68と書かれたTシャツをもらいました(笑)」と嬉しそう。初めての連続ドラマについて「なじみのないものでしたが、吉田さんの小説を読んで吉田さんに『映画化したい』とお願いし、『してよ』と言われたんですが、なかなか企画が進まなかったのはこれだけ長くなるから。約300分(50分×全6話)の映画を撮るつもりで臨みました」とふり返る。さらに「第6話を見て自分で泣いてしまいました。初めてのことで『世界の中心で、愛をさけぶ』でも涙は落ちたことなかったんですが…。どこかで僕らを代弁しているという気持ちになったからだと思う」と手応えを明かした。この日は、主題歌「それでも世界は美しい」を歌う塩ノ谷早耶香も登壇し、舞台挨拶の終わりに生歌を披露。「緊張しましたが気持ちよく歌うことが出来ました」と笑顔で語る塩ノ谷さんに温かい拍手が送られた。WOWOW連続ドラマW「平成猿蟹合戦図」は11月15日(土)スタート(全6話) 毎週土曜夜10:00<第1話無料放送>。(text:cinemacafe.net)
2014年11月05日1世紀に渡り親しまれてきた新宿の老舗食品メーカー「中村屋」が、新宿本店ビルの建て替えにあたり、新たに「中村屋サロン美術館」を開館する。10月29日のグランドオープンに先駆けた内覧会では、開館記念特別展「中村屋サロン―ここで生まれた、ここから生まれた―」がお披露目された。新宿中村屋ビル3階に設えられた中村屋サロン美術館は、展示室と多目的スペースを備えた約240平方メートルの文化芸術施設としてオープンする。白と赤の壁、木製の什器とレトロなランプが落ち着いた雰囲気。開館記念展は、中村屋から広まった近代日本の芸術潮流であり、また館名の由来ともなった「中村屋サロン」にスポットを当てる。荻原守衛、中村彝、高村光太郎、會津八一、中原悌二郎ら関連する作家による絵画、彫刻および書など約50点を集め、明治から昭和に掛けての芸術家達の文化交流の様相を提示した。中村屋の創業者である相馬愛蔵・黒光夫妻は芸術に深い理解を示した文化人である。愛蔵と同郷の彫刻家・荻原守衛(碌山)を中心に、中村屋には多くの芸術家達が自然と集い、その様子がさながらヨーロッパのサロンのようであったことから、夫妻のもとに開花した芸術潮流は「中村屋サロン」と呼ばれた。同館の染谷省三館長は、「ここ新宿中村屋で生まれ、発信された芸術文化は中村屋のアイデンティティーである。それを後世に伝え、また人々の文化的集いの場“サロン”となる美術館にしたい」と話す。本展の目玉となる作品が、萩原守衛によるブロンズ彫像『女』だ。不安定な膝立ちのポーズに秘められた躍動感を感じる一作であり、その造形美は必見である。同館の太田美喜子学芸員は、「美術史上ではよく知られた“中村屋サロン”の一般認知度の低下を食い止めるとともに、若者にその存在をもっと知ってもらいたい」と言い、若い世代の鑑賞者に向けて、出品作の中から中村彝の油彩画『小女』を推薦した。相馬夫妻の長女・俊子をモデルに制作された本作は、肺病に侵された画家とモデルの恋のエピソードで有名。俊子の強いまなざしときりりとした太い眉、頬にさす紅色の生命感が鮮烈で、どこか現代にも通ずる魅力を持った作品だ。その他、高村光太郎の『自画像』や、鶴田吾郎の『盲目のエロシェンコ』など有名作が出展され、コンパクトながら見どころの多い展覧会にまとめられた。かつて多くの企業美術館が立ち並んだ新宿。新たな新宿の芸術サロンとしての同館の今後に注目したい。【イベント情報】中村屋サロン美術館 開館記念特別展「中村屋サロン―ここで生まれた、ここから生まれた―」会場:中村屋サロン美術館住所:東京都新宿区新宿3-26-13 新宿中村屋ビル3階会期:2014年10月29日から2015年2月15日時間:10:30から19:00休館日:火曜日、1月1日(火曜が祝祭日の場合は開館、翌日休館)入館料:300円
2014年10月22日11月15日放送のWOWOW連続ドラマW『平成猿蟹合戦図』(毎週土曜 22:00~ 全6話)に出演する俳優の高良健吾と行定勲監督がこのほど、熊本・菊池で開催された「菊池国際交流映画祭」で舞台あいさつを行った。同ドラマは、東京・歌舞伎町で起こったひき逃げ事件をきっかけに、バーテンダー・浜本純平(高良)と、世界的チェロ奏者がおこしたひき逃げ事件を目撃したことをきっかけに彼の敏腕マネージャーの園夕子(鈴木京香)と知り合い、意図しなかったその出会いによって国政選挙に挑んでいく"復讐エンタテインメント"。純平と夕子の出会いはさまざまな人々を巻き込みながら、やがて日本を揺るがす大騒動へと発展していく。映画祭では同ドラマの第1話が上映され、終了後に熊本市出身である高良と行定監督が登壇。高良は「演じた純平という青年は、自分よりも人のことを信じられる素敵なヤツで、すごく気持ちいいドラマです。行定さんとは2度目のお仕事になりますが……厳しいし、試されている気がするし、緊張もするけれど、こちらがぶつけたものをすべて受け止めてくれる」と話し、「行定組でしか味わえないもの、瞬間がありました。ドラマのクランクアップの日に、監督から『お前って、面倒くさいやつだよな』って言われてすごくうれしかった」と笑顔を見せた。行定監督は「純平はバーテンダーから政治家を目指すわけですが、純平というのは高校生の気持ちのまま漂っている人間でもあって、それが確固たる人間になっていく様は俳優・高良健吾の良さが一番光るだろうと思ったんです。何者でもない人間を演じさせると光る俳優なんですね」と高良を絶賛した。また、ステージには、挿入歌を担当するロックバンド「忘れらんねえよ」のボーカル&ギターの柴田隆浩もステージに立ち、高良と一緒に劇中歌である「ぼくらの居場所」を熱唱。劇中でも主人公の純平が同曲を歌っており、「純平が歌うシーンはドラマとしても重要なシーン、みどころです」と行定監督はアピールした。さらに、主題歌担当の歌手の塩ノ谷早耶香もゲストとして登壇し、主題歌「それでも世界は美しい」を披露し、会場は大いに盛り上がっていた。
2014年10月15日中村アン 秋冬イベント出演抜群のプロポーションにストレートな発言で人気急上昇中の中村アンさん。バラエティ番組にひっぱりだこの彼女はタレントとして活躍の幅を広げています。もちろん、本業ともいえるモデルのお仕事もノリにのっていて、彼女のオフィシャルブログによれば、8月~10月にかけて複数のファッションイベントに出演が決まっています。ヘビロテアイテムは?同ブログでは、彼女のプライベートをのぞき見ることができ、7月23日付けの記事ではヘビロテアイテムを紹介。「カシウエアの触りに病みつきです」と愛用品を大絶賛しています。また、私服も公開されており、同ブログ7月26日付け記事では、オーシャンパシフィックの水着写真が載せられています。「かわいいし 形がキレイだししっかりしてる」とモデルらしいコメントも。もう秋物ですトレンドの先取りがモデルの宿命。同ブログ7月27日付けの記事では、「and GIRL」の撮影で秋物の撮影をしたことを明かしました。スタッフが半袖のなか、長袖のトップスや厚手のパンツをスマートに着こなす姿はさすがプロ!モノトーンのシックなコーディネイトが秋らしさを誘っています。しかし、同日の私服はスイカ柄のワンピース。スタバのドリンクを片手にまだまだ夏を楽しんでいる写真がアップされています。【参考】・中村アン オフィシャルブログ
2014年07月29日資生堂ギャラリーは、昨年永眠したグラフィックデザイナー兼アートディレクターの中村真の没後初となる回顧展「中村誠の資生堂 美人を創る」を開催している。6月29日まで。本展では、資生堂のイラスト広告を写真広告へと転換させた中村の創作プロセスを、自宅に遺されていた記録写真や校正刷りポスターなどの未公開資料を交えながら展示。モデルに山口小夜子を起用した香水の広告など、数々のポスターも紹介する。デザイン評論家の柏木博、グラフィックデザイナーの佐藤卓と松永真を迎えてのトークショーも6月22日の14時より資生堂銀座ビル3階の花椿ホールにて実施(申し込み制)。中村は1926年岩手生まれ。東京美術学校(現・東京藝術大学)を卒業後し、49年に資生堂に入社。写真を用いた写真表現で頭角を表し、50年代半ばから80年代まで多くの広告を製作した。資生堂の宣伝部政策室長から顧問までを務め、国際グラフィック連盟などで幅広く活動し、93年に紫綬褒章受章。2013年6月永眠。【イベント情報】「中村誠の資生堂 美人を創る」展会場:資生堂ギャラリー住所:東京都中央区銀座8-8-3東京銀座資生堂ビル地下1階会期:6月3日から6月29日時間:11:00から19:00(日曜日は18:00まで)休館日:月曜日入場無料
2014年06月10日戦前のイラスト広告を写真へ資生堂ギャラリー(東京都中央区)で昨年永眠した中村誠氏の回顧展「中村誠の資生堂 美人を創る」が開催される。中村誠氏は資生堂の広告を数多く手がけてきたグラフィックデザイナーでアートディレクター。1949年に資生堂に入社してから戦前の資生堂のイラスト広告を写真広告へ転換させた人物として知られている。ただ単にイラストから写真へ変えただけでなく、その仕事内容は実に繊細なもの。中村氏は生前「計数に表現することのできない表情とか、雰囲気、空気感を大切にしてきた」と語っていた。資生堂が確立していた独自のイラスト広告の伝統を受け継ぎながら、製版の工夫、大胆なトリミングといった手法により広告を進化させていった。(画像はプレスリリースより)「一業、一社、一生、一広告」中村氏が築いたスタイルは他の人ではできなかったということは、こんなエピソードからうかがえる。「一業、一社、一生、一広告」、これは中村氏が企業デザイナーとして掲げていたモットー。「企業のアイデンティティーをビジュアライズするのがアートディレクターの仕事」と語っており、生涯、企業イメージの創出に力を注いだ。そんな実直な意識のもと生み出された広告だからこそ、見る人に深い印象を与えるものになったのだろう。中村氏の広告は国内だけでなく海外でも賞を得るなど世界的に高く評価されている。回顧展は2014年6月3日(火)~6月29日(日)11:00-19:00 (日曜のみ11:00-18:00) 開催される。【参考】・株式会社資生堂 プレスリリース(PRTIME)
2014年05月30日異なる道を歩んできた2人がここで運命的に交錯した。そんな印象を受ける。公開中の『武士の献立』で夫婦役を演じた上戸彩と高良健吾。互いの印象からそれぞれの歩みについてまで語り合った。その他の写真高良は上戸を当初「うわぁ“上戸彩”だ!」という視線で見ていたという。彼らしい素直な言葉に上戸は「ええ、上戸彩ですが(笑)」とおかしそうにうなずく。当然、共に過ごす中で印象は変化していく。高良は続ける。「撮影中は互いを役として見ている部分が強いんです。だから終わってからようやく、ひとりの人間として上戸さんを見られる。改めて接してみると不思議な方です。佇まいやその場にいる感じが…そういうタイプに見えないけど、実はすごく不思議なひとなんです(笑)」。上戸は高良から感じる“変化”をこう語る。「撮影の時はいま以上に殻のようなものがあって、それが劇中の2人の関係にとってすごくよかったと思います。高良くんにとっては『横道世之介』のすぐ後で、まだその空気をまとっているような気がしました。『世之介』について『素の自分に一番近い役』と言っているのを見ましたが、私自身はいま高良くんと接していて、そうは感じないんです。あのとき、高良くんが世之介という役と一体化していて、そう感じたんじゃないかと思うんです。常に役に影響されながら変わっていく人なのかなと」。上戸にとっては『あずみ2 Death or Love』以来の主演映画。映画に臨むということは、彼女にとってはある種の覚悟を要した。「今までドラマ中心でお仕事させていただく機会が多かった中で、正直、無理に映画に挑戦する必要がないのではないかって。映画は足を運んで見てもらうもの。そこまでしてお客さんが自分の映画を見に来るのか?と考えると『やめよう』と逃げてました。この『武士の献立』は、それでもやりたいと思い、春役を誰にも渡したくない!と思えた作品で台本に向き合い、役に集中できてすごく幸せな時間でした。いまは、興行収入とかランキングを気にし過ぎずやりたい役に挑戦していこうと思えるようになりました」。一方、高良はここまで映画を中心にキャリアを積んできた。歩んできた道の違いからか、2人の視点は交錯しつつも、決して同じ方向を向いているわけではないのも興味深い。「僕は逆に、以前は『分かる人に分かればいい』というワガママな意識でやってましたが、いまは出来るだけ多くの人に届けたいという気持ちが強くなったし、興行収入も若干、気にします(笑)。上戸さんを見ていて、僕のようにある意味ワガママに好きな事だけやって来た人間とは違うメンタリティの強さ、爆発力というのを感じてます」。その2人の道がいま、時代劇で交わったのは幸運にも思える。高良が最後にポツリと漏らす。「次はね、現代劇で一緒にやりたいねって話してるんです」。『武士の献立』公開中※取材・文・写真:黒豆直樹
2013年12月19日北川景子×深田恭子共演の『ルームメイト』が11月9日(土)に公開を迎え、北川さん、深田さんに共演の高良健吾、古澤健監督による舞台挨拶が都内劇場で行われた。偶然の出会いから意気投合し、ルームシェアをすることになった女性2人。だが、共に暮らす内に恐るべき内面が露わになり…。2人が辿る奇妙な運命を描いたミステリー・ホラー。2人揃って黒いワンピースで登場した北川さんと深田さんは、映画を観終わったばかりの満員の客席からの拍手にホッとした様子。北川さんが劇中、返り血を浴びる凄まじいシーンもあるが、本人は「楽しかったです!」と笑顔で述懐。「今回は暴れてやろうって思ったので。普段は崩さないようにする部分を気にせず、体当たりで服が破れても泥んこになってもいいという気持ちで新鮮で楽しかった。『血糊、もっとかけちゃって!』という感じでした(笑)」と明かす。深田さんは“女のバトル”について「そういう言われ方するんですが、実際には私ばかり、景子ちゃんに平手打ちをしたり蹴ったり、杖で突いたりで、カットがかかるたびに心配だったんですが、景子ちゃんは『全然大丈夫!思い切りやって』と言ってくれて助けられました」と申し訳なさそうにふり返る。そんな2人の様子について高良さんは「撮影の合間に仲良く喋っていたかと思ったら、急にバチバチとなって、撮影が終わったらまた『大丈夫?』という感じで怖いな…と思いました(笑)」と意外なポイントで女の怖さを思い知らされたよう?最後は“恐怖”をイメージして作られたというオリジナルのカクテル「ルームメイト」で、高良さんの音頭により「北川さんと深田さんの美しさに!そして映画の初日を祝って、一人でも多くの人に映画を観ていただけるように祈って」と乾杯が行われ、温かい祝福ムードの中で舞台挨拶は幕を閉じた。『ルームメイト』は全国にて公開中。(黒豆直樹(cinema名義))■関連作品:ルームメイト 2013年11月9日より全国にて公開(C) 2013「ルームメイト」製作委員会
2013年11月09日桜庭一樹による直木賞受賞作を原作に、浅野忠信と二階堂ふみのW主演で贈る、熊切和嘉監督の最新作『私の男』。このほど、本作のキャストに高良健吾が加わることが明らかとなり、これに併せて、高良さんから特別コメントが到着した。北海道・紋別を舞台に、孤児となった少女・花(二階堂さん)と、彼女を引き取ることになった遠縁の男・腐野淳悟(浅野さん)の禁断の愛を描き出す本作。今回発表された高良健吾は、東京に移り住んだ淳悟と花と出会い2人に翻弄される尾崎美郎役を演じ、物語の中盤に華を添える役どころ。今回のオファーを受けて、「熊切監督と初めてお会いしたのは『M』(’07)で、ロッテルダム国際映画祭に行った18歳のときでした。もともと監督の作品のファンだったので、今回『私の男』の現場に呼んでいただいて本当に嬉しいです。撮影中に監督から『いいっすね!』と言われると、“熊切組で芝居しているんだ”と実感が沸いてきました」と喜びを語っている。高良さん同様に熊切組への参加を「運命の役だと思いました。監督は運命の人です」と歓喜する二階堂さん。そんな彼女との共演を経て、高良さんは「覚悟を持って芝居をしているのが伝わってきたので、一緒に演じられて楽しかったです」と役者として共感する部分があったのだとか。彼らのほかにも、作品のキーパーソンである淳悟と花の親戚・大塩に扮する名優・藤竜也を始め、三浦誠己、安藤玉恵、三浦貴大ら個性派が顔を揃える本作。すでに先日、“春編”の撮影を無事終え一段落ついたところだが、浅野さんの「最後まで諦めず粘り強く追求して行きたいと思います」という言葉の通り、撮影はまだまだこれからのようだ。果たして、高良さんがこの豪華なキャストたちにどう絡んでいくのか?期待して続報を待ちたい。『私の男』は今年中の完成を目指し、2014年の公開を予定している。(text:cinemacafe.net)■関連作品:私の男 2014年、全国にて公開
2013年05月23日よく笑う。『横道世之介』で演じた世之介と祥子がそのまま現れたかのように、高良健吾も吉高由里子も、撮影現場の思い出を語るその表情はただただ笑顔。1987年、東京の大学に入学した九州・長崎出身の横道世之介の1年を追っていく物語は優しさと懐かしさと、圧倒的な幸福感に満ちている。高良さんと吉高さんが初めて会ったのは5年前、『蛇にピアス』で共演したときのこと。ちょうど世之介と祥子と同じ年頃だった2人だが、ヘヴィな内容の作品ということもあり、ハッピーそのものの世之介たちとはまるで違う心境だったという。「新人だった当時からその後の5年間、いろんな作品で見てました。やっぱり1回ガッツリ、しかもなかなか濃い現場を共にしてる分、気になりはしてましたね」と高良さんが吉高さんについて語ると、吉高さんも「当時はゼロからスタートした気持ちでいたから、本当に自分で調節の利かない期間を見届けたっていうか。すごい密度がある時期だったので、甘えちゃいそうなくらい寄りかかれるような、すごい信頼してる関係はずっと前からありました」と言い、「今回も、頼もしい主演の人でよかった」と笑顔になる。その信頼が、底抜けに前向きで人懐っこい世之介と浮世離れしたお嬢様育ちの祥子の、ちょっとズレたやりとりをこのうえなく愛らしく、しかもリアルに見せる芝居を生む。撮影しているその場で起きたことにその都度、反応し合いながら、シーンを作っていった。「何かしらハプニングが起きるから、そこにいる2人として対応していることをアドリブと言われるのだとしたら、全シーンにあると思うんです」(吉高さん)「壁にかけていた帽子が落ちてきたり」、「プールのシーンでは、暑くてゴーグルが曇って何も見えなくなったり」と2人して次々と例を挙げて、また楽しそうに笑う。初めて呼び捨てでお互いの名前を呼び合うシーンでは、「“ベルばら”風に呼んできたんですよね、吉高さんが。『世之介!』って。脚本にはそんなこと風には書いてないから(笑)」(高良さん)「雪のシーンは全部アフレコだったんですけど、あのキャッキャはしゃいでるテンションをスタジオで後からやるのって…」と吉高さんが言うと、思い出し笑いをしながら「恥ずかしかったね」と高良さん。「私なんて『チュッ!』っていう音まで言わされたんだからね」と吉高さんは一瞬、拗ねた表情を作って見せると、笑い出す。「普通にできたらいいなと思っています。面白おかしくじゃなく。どのシーンも、セリフの掛け合いでもっとコメディっぽくもできる。でも、それは違うなと思ったんです。世之介が経験することは普通の出来事だから、コミカルにする必要はないですし、沖田監督だから、そうしなくて良かった」と、『南極料理人』や『キツツキと雨』で組んできた沖田修一監督についても語る高良さん。「普通にやるということは、すごい意識してました」。5年ぶりの共演について「知らない高良さんもいっぱい見ましたし、懐かしい部分もあったり。根本的なものは変わってないけど、その核が変わらないままちゃんと変化していたから、嬉しいような寂しいような(笑)」と語る吉高さん。「前はそんなに喋らない人だったのに、いまは積極的に自分からスタッフさんに話しかけたり。すごく楽しそうなのが嬉しかった。5年間でこうやって成長して前進しているのをちゃんと目の前で見せてくれたというか」。高良さんは「吉高さんは、すごく動物っぽい人だと思うんです」と言う。「一緒に演じていて楽しいし、吉高さんにしかできないことをするんです。段取りっぽくなってしまわず、上手下手でもなく、その人にしかできないことでやり合えるのは、すごい楽しい時間です」。撮影前から高良さんは世之介について「自分にとても近い」と話していた。「どの役も自分に似たような部分もあるけど、世之介は特に近いなあって思うんです。どの役でも自分の人生経験の中からやってるので、自分に近いか遠いかで、やりにくさはないかもしれない。セリフも、なんか自分が言いそうなことだし。やってて楽しかったです」。一方、吉高さんは「(祥子に)近い部分もあったりするんですかね?」と考え込む。「自分がどう映って、どう見られてるのかも分からないですし。でも、周りから『急だね!』ってよく言われる点はちょっと近いものがあるかも」。映画では1987年、その16年後という2つの時代を演じている吉高さん。海外から久々に帰国し、懐かしい東京の街で世之介との思い出を噛みしめるシーンの表情が印象的だ。「あのとき、もう高良さんの撮影はアップしてたのかな。本当に懐かしむ気持ちでやってました。実際に自分たちが歩いてた道をちゃんともう一度通って撮影してくれたし。世之介が本当に嬉しそうに笑う顔を想像したら、たまに泣きそうになるときがあって」と語る表情がとても優しい。「この現場って、ノンストレスで最初から最後までずっといたんです。ああ、こんな柔らかい時間が終わっちゃうのかと思うと、何か流れ出たような気がします。自分の中から」。すごく特別な、一生に一度とも言えるほど稀有な繋がりなのに、16年後にその関係は思い出になっている。「世之介の生きてきた中に、大学生活で会った祥子ちゃんがいて。それだけっていう気もするんです」と高良さん。「いろんなタイミングが “合ってる”ことも奇跡なんだけど。だから、すごい特別なんだとも思います、出会うということ自体が」(高良さん)「春先に吹くぬるい風って、あるじゃないですか。ああいうイメージ」と吉高さん。「人が座った後の椅子の生温かさみたいな、世之介って、そういう感覚で思い返す人だなって。変なのかもしれないけど、私は変って思ってないから(笑)」(吉高さん)。心の中に居続けて、ふとした瞬間にふわりと思い出して笑顔になる。そんな無垢で優しい時間を演じるにふさわしい、あるがままに物事を受け容れて己の感覚をさらに豊かにしている、自由な2人だ。(photo:Yoshio Kumagai / text:Yuki Tominaga)■関連作品:横道世之介 2013年2月23日より新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 2013「横道世之介」製作委員会
2013年02月21日「パレード」や「悪人」など著作が次々と映画化されている吉田修一の同名小説を、高良健吾&吉高由里子をメインキャスト迎え、『キツツキと雨』の沖田修一監督が実写映画化した『横道世之介』。高良さん演じる世之介の同級生で、女性に興味を持てない加藤雄介を若手人気俳優の綾野剛が演じることでも話題を集めているが、どうやら本作には高良さん演じる世之介と綾野さん演じる加藤の胸キュン友情ポイントがたくさん詰まっているようだ。2012年は6本もの映画に出演した綾野さん。今年もその勢いは衰えることなく、さらなる活躍を見せている。主演作となる『シャニダールの花』を始め、『夏の終り』、『ガッチャマン』などの映画出演のほか、TVではNHK大河ドラマ「八重の桜」や「最高の離婚」など出演作は目白押しだ。そんな綾野さんが本作で演じる加藤は、お人よしで人懐っこく純粋な世之介とは対照的に、女性を好きになれない繊細な男子。2人の美男子の友情ぶりは女子たちの胸キュンポイントはもちろん高い!今回はその中から厳選の胸キュンエピソードをご紹介したい。初対面にも関わらず、お構いなしに世之介から意中の女性の話を延々と聞かされたり、自宅にクーラーのない世之介がたびたび加藤の部屋に入りびたったりと、ずけずけと加藤の心に侵入していく世之介。加藤はそんな世之介を迷惑がっているのかと思いきや、「最近、本気でお前のためにクーラーを買ってやろうかって考えてる自分が怖いよ…」とついつい世之介を甘やかせているあたりは、何とも微笑ましく、戸惑いながらも世之介の憎めないキャラクターをきちんと受け入れているようだ。また、そんな世之介にも仰天エピソードが。「オレさ、男の方がいいんだよ」という意を決した加藤のカミングアウトに、「あ、そうなの?」と全く動じることなく受け入れる世之介。しかし、このチグハグのようでぴったり息の合った絶妙な関係を保っているからこそ、2人の絆は固いのかもしれない。天然ながらも相手を受け入れる世之介と、繊細ながら実は世之介の人柄に救われる加藤。2人の友情に、女子は思わず胸キュン&ほっこりしてしまうはず。『横道世之介』は2月23日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:横道世之介 2013年2月23日より新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 2013「横道世之介」製作委員会
2013年02月12日吉田修一の同名人気小説の映画化した『横道世之介』が10月27日(土)、第25回東京国際映画祭にて特別招待作品としてお披露目となり、主演の高良健吾と沖田修一監督が舞台挨拶に立った。長崎生まれで大学進学のために18歳で上京した世之介。お人好しで憎めない図々しさで人の心を掴んでいく彼と、ガールフレンドの祥子を始めとする周囲の人々の青春とその後を当時の時代背景と共に描き出す。高良さんにとっては沖田監督作品出演はドラマ「青梅街道精進旅行」、『南極料理人』、『キツツキと雨』に続き4作目。「自分に撮って現場はつらいものという思いが若干あるんですが(苦笑)、沖田組は上手い下手でなく生き生きとしてられる場所」と明かす。今回、演じた世之介は厚かましさに嫌みのない不思議なパーソナリティの持ち主で観る者をクスリとさせる微笑ましさがあるが、高良さんは役づくりについて「逆に意識せずに臨みました。脚本を『面白いな』と思いながら読んでたんですが、そういう部分を狙っていやらしく見えるのが嫌だったので、狙わないことを意識しました」とふり返った。沖田監督も「それが高良くんのいいところ。僕は舞台裏でお茶飲んでるときの姿も知ってますが、そういう姿が世之介に近いと思った。『いつか高良くんを主役に』と思ってたんですが、今回思う存分やって、でも互いに肩の力を入れずにできたと思います」と強い信頼関係を伺わせた。ヒロイン役として吉高由里子も出演しており、高良さんとは『蛇にピアス』以来の共演となる。高良さんは「『蛇にピアス』のときは『暗かったね』と話したんですが、今回は明るくやれてそこが違ったかなと思います。予期せぬことが起きるのが楽しい(笑)。吉高さんじゃないとできないテンションや間がある」と絶賛。沖田監督も「爆発力があります。こっちがきちんと用意して臨むとそれに応えてくれる。見ながら『スゲーな』とつぶやいてました」とその魅力を明かした。最後に、高良さんは「素敵な原作で沖田さんと主演でやらせていただけたこと、こういう役はあまりしてこなかったけど、このタイミングでできたことはデカかったと思います」と、自らのキャリアにとっても大きな意味を持つ1作となったことを強調。「また俳優を続けていく中で、ずっと沖田さんとはやっていきたい」と笑顔を見せた。『横道世之介』は2013年2月23日(土)より公開。特集「東京国際映画祭のススメ2012」■関連作品:横道世之介 2013年2月23日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2013「横道世之介」製作委員会
2012年10月28日