『キャッツ』『オペラ座の怪人』『ジーザス・クライスト・スーパースター』などの大ヒットミュージカルの作曲家として知られるアンドリュー・ロイド・ウェバー(@OfficialALW)氏がTwitterの公式アカウントでピアノ演奏の動画を配信し、世界中で話題になっています。For this Sunday's Singalong, it's the song from Cats that you've all been asking for, Memory - ALW #HomeIsWhereTheMusicIs #HomeHappy pic.twitter.com/g41pINckSt — Andrew Lloyd Webber (@OfficialALW) April 12, 2020 演奏している曲は、ブロードウェイミュージカル『キャッツ』の『メモリー』。ミュージカルに詳しくない人でも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。この曲を、作曲したアンドリュー・ロイド・ウェバー氏自らがロックダウン(都市封鎖)中のイギリス・ロンドンの自宅で演奏してています。ミュージカルの作曲家自身が演奏するところを見られるなんて「滅多にないこと!」と、この動画にはたくさんのコメントが投稿されました。・夢が叶いました!この曲を作った人の手による『メモリー』を聴けるなんて。感謝しかありません。・この困難な時期に、世界中の人々に幸せな瞬間を届けてくれてありがとう。また、コメントだけでなく、たくさんの歌手や演奏家がアンドリュー・ロイド・ウェバー氏とのコラボ演奏を披露。その動きは日本にも伝わっています。アンドリュー・ロイド・ウェバー氏が動画をアップしたきっかけは、2020年3月19日のツイートでした。With us all spending a bit more time at home, which ALW musical number would you like to see Andrew play? - #TeamALW pic.twitter.com/OcIuE27hk9 — Andrew Lloyd Webber (@OfficialALW) March 18, 2020 「私の演奏で聞いてみたいミュージカルナンバーは何ですか?」新型コロナウイルス感染症の感染拡大が深刻さを増すロックダウン直前のイギリス・ロンドンの自宅から、自身が手掛けたミュージカルナンバーのリクエストを募ったのです。この素晴らしい企画に、世界中のミュージカルファンがリクエストを寄せました。次の日、アンドリュー・ロイド・ウェバー氏は「この小さなトライアウトにこんなに反応してくれるとは思いもしませんでした」と、最初の一曲『All I Ask Of You』(オペラ座の怪人)の演奏を投稿。以来、たくさんのリクエストに応える形で次々と彼のミュージカルナンバーをピアノ演奏してくれています。ぜひ一度、アンドリュー・ロイド・ウェバー氏のツイートを覗いてみてください。『メモリー』のほかにも名曲の演奏が聴けますよ。[文・構成/grape編集部]
2020年04月30日シャネル(CHANEL)は、作曲家でもあるヤコポ バボーニ スキリンジの写真展「ヤコポ バボーニ スキリンジ展」をシャネル・ネクサス・ホールにて開催。会期は、2020年1月15日(水)から2月16日(日)まで。ヤコポ バボーニ スキリンジは、パリを拠点にソロやオーケストラ、映画の音楽まで多岐にわたる作曲を手掛ける現代音楽作曲家。また、作曲だけでなく、分野を超えた新たなアプローチのアート表現にも積極的に挑戦していることでも知られている。今回開催される「ヤコポ バボーニ スキリンジ展」は、自身にとって日本初となる個展。人体に楽譜を書く新たな作曲法を写真に収めた「Bodyscore」シリーズを展示する。大胆なポーズをとるモデルの指先から顔、足の裏には、楽譜がぎっしりと記されている。作曲家であるヤコポ バボーニ スキリンジが、音楽ではなく創作という形で感情を表現する姿を是非会場で感じてみて。【詳細】会期:2020年1月15日(水)~2月16日(日)会場:シャネル・ネクサス・ホール住所:中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F時間:12:00~19:30料金:入場無料【問い合わせ先】シャネル・ネクサス・ホール事務局TEL:03-3779-4001
2019年10月26日作曲家・林晶彦がデビュー30周年記念コンサートを開く(11月13日(水)・東京オペラシティ・コンサートホール)。なかなかにたくましい、波乱の音楽人生を歩んできた人だ。【チケット情報はこちら】1989年に、京都・丹波高地の山村で行なわれた京北国際芸術祭というイベントで自作曲を弾いたのがデビュー。「世界的打楽器奏者のツトム・ヤマシタさんがプロデュースした音楽祭です。無名の僕にヤマシタさんは45分のステージを与えてくれました」その前年、面識もなかったヤマシタを突然訪ねて交流が生まれたのがきっかけだった。残念ながら詳述する余裕はないのだけれど、そのバイタリティや、まるで奇跡のような出会いのエピソードはちょっとドラマティックだ。林は1955年生まれだから、当時すでに34歳。かなり遅咲きのデビューだ。それまで何をしていたのか。「管弦楽組曲だったと思うんですよ」ロックバンドでベースを弾いていた林少年が、ある日突然クラシックに目覚めたのは、ラジオから聴こえてきたバッハだった。そこから2年間ピアノを猛練習。しかし日本の音楽大学を目指すことなく、いきなり高校を中退して17歳で単身パリへ。アカデミズムとは無縁で、往年の名ピアニスト・作曲家のミロシュ・マギンにプライベートで師事した。「黒板の前で勉強するのは僕の音楽ではないと思った。体験したことが音になるから。ただ、僕は体験したことがはちゃめちゃなんですけどね(笑)。ある音楽家の方に、どんなシステムで作曲しているのかと聞かれたことがあったのですが、システムはないんです。出会った人にインスパイアされて作るので。理論では作っていないんです」20歳のとき、今度は突然イスラエルへ。中東に一触即発の空気が漂っていた1970年代半ばだ。「パリで病気で入院して死にかけて、しんどくてどんな音楽も聴けなくなってしまったときに、ガールフレンドがくれた、イスラエルの歌の入ったテープだけは聴くことができたんです。それでどうしても行ってみたくなった。何のツテもなくテルアビブへ行きました」そこでも音楽は独学。イスラエル・フィルのリハーサルを覗き、楽旅で当地を訪れたピアノのウラディーミル・アシュケナージに飛び込みでレッスンを受けるなど、さまざまな武勇伝。1年後に帰国。芦屋のライヴハウスでピアノを弾いたり、新婚旅行で訪れたインドで2か月暮らしたり。「いろいろやってたけど、思い出せません」と笑う。10年以上フリーランスの音楽家として食いつないだのちに訪れたのが上述のデビューの機会だった。コンサートも、そんな彼の音楽人生の中で、さまざまな縁で出会った仲間たちが集う。ヴァイオリン、チェロ、オーボエ、ソプラノ、能管、打楽器、そしてジャズ・ベース。新曲も3曲。「やったことないようなことばかりで大変なんですけど、僕もワクワクしてます」彼の作品を初めて聴く人にも楽しい、多彩なコンサートになりそうだ。取材・文:宮本明
2019年09月11日作曲家・編曲家のシド・ラミンが、7月1日(現地時間)にニューヨークの自宅で亡くなった。死因は自然死。100歳だった。「Variety」誌が報じた。ラミンは第二次世界大戦中、軍で働いていたときに編曲やバンドの指揮を始めた。終戦後も同様に、「ザ・スリー・サンズ」やトランペット奏者のロイ・エルドリッジの曲に関わった。1953年、幼なじみだったレナード・バーンスタインに声を掛けられ、ブロードウェイ・ミュージカル「ワンダフル・タウン」の管弦楽作曲(オーケストレーション)を担当。以降バーンスタインのパートナーとして様々な音楽に携わった。ミュージカル版の「ウエスト・サイド物語」(1957)の編曲も、バーンスタインからの強い要望により引き受けたという。この作品ではアーウィン・コスタルとオーケストレーターを務め、5年後には映画版『ウエスト・サイド物語』でアーウィンらと4人で、アカデミー賞のミュージカル音楽賞を獲得している。同作でグラミー賞も受賞した。私生活では1949年に歌手でモデルのグロリア・ブレイトと結婚。息子のロン・ラミンも作曲家として活躍しており、テレビ、映画、コンサート向けの音楽を作っている。(Hiromi Kaku)■関連作品:ウエスト・サイド物語 1961年12月より公開© 1961 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.
2019年07月04日ディズニー・レジェンドの作曲家、アラン・メンケン。『リトル・マーメイド』(89)や『美女と野獣』(91)の名曲など、この人なくして、ディズニー・アニメーション映画の音楽は語れない。そして今、実写映画『アラジン』(公開中)で、再びフィーチャーされている主題歌「ホール・ニュー・ワールド」の生みの親でもある。来日したアラン・メンケンを直撃し、曲作りの舞台裏について話を聞いた。『アラジン』は、映画「シャーロック・ホームズ」シリーズのガイ・リッチー監督がメガホンをとった冒険ファンタジー。自分の人生を変えようとする貧しい青年アラジン(メナ・マスード)と、自ら運命を切り開いていく美しい王女ジャスミン(ナオミ・スコット)のロマンスを描く。アラジンの願いを叶えていく愉快なランプの魔人、ジーニー役をウィル・スミスが演じたことでも話題となった。――まず、完成した映画を観た感想から聞かせてください。観ていてワクワクしたし、音楽も美しくて感動できた。最初は、あのガイ・リッチー監督がミュージカルを撮るの? と意外に思ったんだけど、映画は本当に素晴らしい出来だった。――ジーニー役のウィル・スミスのヒップホップ調の歌唱シーンも楽しかったです。最高にアメイジングだった。ヒップホップ調の曲がより楽しさを与えてくれたよね。オリジナル版のロビン・ウィリアムズもそうだったけど、ウィルも同様に、彼ならではの個性を作品にもたらせてくれた。アラジンとの関係性も笑えるだけではなく、とても感動できたよ。――ウィルとはどのようにコラボレートしていったのですか?僕の仕事は家のデザインをする建築家みたいなものだ。最初の『アラジン』は100%僕が作っていたけど、それは建築の青写真みたいなものだったから、今回は1歩下がって、ウィルに自由にアレンジをしてもらった感じだ。デモは作ったけど、そこからみんなが自分のものにしてくれていったよ。――アニメーション版にはなかった、ジャスミンのソロ曲「スピーチレス」をナオミ・スコットが熱唱するシーンにも圧倒されました。本当に素晴らしかった。今回表現したかったのは、「自分の声が誰かに届いてほしい」という情熱だった。口をつぐむことを強いられてきたけど、そうはさせないという意志の強さ、黙らせられることの痛みを表現したいと思った。――名曲「ホール・ニュー・ワールド」は、前作に続き本作でも名シーンで流れます。これまで、いろいろなアーティストにもカバーされてきましたが、特別な思い入れはありますか?そうだね。グラミー賞やソングオブザイヤー、オスカーなどを受賞したし、ポップチャートでも1位も獲ったから、僕の手掛けた楽曲のなかでも特別な1曲だ。自分でもけっこうイケてる曲だとは思っている(笑)。――やはり作った時から「これはイケる!」という手応えはあったのですか?その可能性はあるんじゃないかと思ってはいたよ。――作詞家ハワード・アッシュマンと初のアカデミー賞歌曲賞を受賞されたのは『リトル・マーメイド』の主題歌「アンダー・ザ・シー」ですが、その時も何か特別な手応えはあったのでしょうか?その時もこれだ! という手応えはあったし、周りの人たちから「この曲は特別だね」と言ってもらえた。でも、僕にとっては自分が作るすべての楽曲が、自分の子どもみたいなものなんだ。僕の姿勢としては、どの曲でも、自分がすべきことはやり切って、あとは世に送り出すだけで、その後どうなるかはみなさんにおまかせしている。だから、正直、カットされて、みなさんの耳に届くことがなかった最高の曲だってあるよ。逆に、すごく成功した曲でも、自分としてはまーまーだなと思う曲もある。もちろんどれだかは言えないけど(笑)。――今までスランプなどはなかったのですか?たとえば依頼された仕事の内容があまり良いと思えなければ、立ち往生してしまうこともある。でも、そうでなければ、その仕事は解決すべきパズルに過ぎない。いい企画であれば、その糸口を見つけるのみだ。どうやって曲が生まれるかは、本当にミステリーと言えるかもしれない。よく噴水みたいに湧き出てくるね、と言われたりするけど、そういうことを言うと調子にのってしまう(笑)。常に自分に言い聞かせているのは、自分の曲に惚れこみすぎないことだ。みなさんが愛してくれるのならいいけど、作り手の自分がそうなってしまってはいけないと、常に自分を戒めている。自分としては、その水が尽きないといいなあと思うよ。■プロフィールアラン・メンケン1949年7月22日生まれ、アメリカ出身のミュージカル音楽および映画音楽の作曲家、ピアニスト。『リトル・マーメイド』(89)、『美女と野獣』(91)、『アラジン』(92)、『ポカホンタス』(95)で、それぞれアカデミー賞2部門を受賞。2014年に開幕したブロードウェイ版ミュージカル『アラジン』も、トニー賞作曲賞にノミネートされた。
2019年06月10日「リストは自分にとって特別な作曲家。音楽人生の重要な軸です」多彩なレパートリーで旺盛にコンサート活動を繰り広げるピアニスト阪田知樹が、「リストへの誘い」と題した、オール・リスト・リサイタルを開く(2019年2月11日(月)・横浜みなとみらいホール)。【チケット情報はこちら】2016年、作曲家の祖国であるハンガリーのブダペストで開催されている「フランツ・リスト国際ピアノ・コンクール」を、アジア人男性として初制覇した阪田のライフワークだ。「リストというと、どうしても一部の有名曲や、超絶技巧というイメージにスポットが当たってしまいがちです。でも、彼は約75年の長い生涯の間に、大きく作風を変えていった作曲家。そのさまざまな面をお聴きかせできるプログラム。リストの魅力を知っていただくためのきっかけになるコンサートです」プログラムは3部構成。《ラ・カンパネッラ》《ハンガリー狂詩曲第2番》《ピアノ・ソナタ ロ短調》といった人気曲を組み込みながら、リストの多面性を聴かせてくれる。2種類の《ラ・カンパネッラ》が聴けるのは面白い趣向。実はリストは同じ《ラ・カンパネッラ》の素材を使って4種類の曲を作曲しており、今回は、1番よく弾かれる『パガニーニによる大練習曲』第3曲と、27歳の初期作品『パガニーニによる超絶技巧練習曲』第3曲のふたつの版を聴き比べることができる。後者は、弾きこなせるピアニストが数えるほどしかいないという超難曲だ。「若き日のリストがいかにとてつもない難曲を書いたか。技巧をクリアした先に見える風景があります。それを無理なくこなせる人が技巧を追求してこそ初めて、本質が聴こえてくる。そういう演奏をお届けするのが私の理想です」有名な《ハンガリー狂詩曲第2番》の、任意に挿入が指定されているカデンツァ(即興的な自由な独奏部分)を自身のオリジナルで弾くのは、作曲家でもある阪田ならでは。「200年の時を超えて、リストと音楽で対話できるのが楽しみ」と語る。会場のみなとみらいホールのある横浜は、阪田の生まれ育った街でもある。「リストは音数も多いので、空間の大きさでかなり印象が違います。みなとみらいホールは響きが良いので、すごく楽しみです」阪田の音楽の懐の深さを示してくれそうなのが、先輩ピアニスト中野翔太と、ジャズ・ピアニストの松永貴志との共演で贈る「ピアノ・トリオ・スペクタクル」(3月8日(金)・東京オペラシティ)。「中野さんと松永さんは何度も共演しているから、僕は新参者(笑)。ビル・エヴァンスやアート・テイタム、キース・ジャレット。ジャズはよく聴くので、どんなことになるのか、自分でも楽しみにしています」プログラム後半は、なんと3人が3台のピアノでガーシュウィンの《ラプソディ・イン・ブルー》を、即興的なセッションで弾き切る「お楽しみヴァージョン」。2月のリストとはまったく違う世界だが、阪田の魅力を間違いなく味わえるはず。聴き逃せない貴重な機会!取材・文:宮本明
2018年12月07日幅広い作風による個性豊かな作品を世に送り続けているアメリカの作曲家ジョン・コリリアーノからメッセージが届いた。ボブ・ディランの有名な楽曲の歌詞にコリリアーノがまったく新しく作曲した歌曲集《ミスター・タンブリンマン(ボブ・ディランの7つの詩)》が、5月の東京都交響楽団定期演奏会で日本初演を迎える。以下はコリリアーノからのメッセージ。東京都交響楽団 チケット情報「このたび、東京都交響楽団が私の《ミスター・タンブリンマン:ボブ・ディランの7つの詩》を演奏してくださることを光栄に思います。マエストロ下野竜也はいくつもの私の作品を演奏してくれている長年の友人です。下野氏自身も、また彼が指揮するオーケストラも卓越した音楽家たちであり、常に驚異的な演奏を聴かせてくれます。そしてヒラ・プリットマンも偉大なアーティストです。音楽とテキストを理解する彼女の才能は見事としか言いようがありません」「ボブ・ディランは偶像的なソングライターであり、彼が書く詩は私たちの時代の最も偉大な詩の数々に比肩します。多くの人々が彼の歌詞を知っていると同時に、これらの詩によってディランにノーベル文学賞が与えられたということを高く評価しています。傑出した文学作品でありつつ優れて民衆的。彼の詩は稀有なコンビネーションの体現なのです。私は、私の(ディランとはまったく異なるジャンルの)音楽を聴衆に聴いてもらうために彼の詩に作曲できたことを本当にうれしく思っています。そして、このまったく異なる方法で仕立てられたディランの詩を、それらをよくご存知であろう日本の聴衆のみなさまにも聴いていただけるのは素晴らしいことだと思っています。お楽しみいただけますよう」本作品は『ミスター・タンブリンマン』『物干しづな』『風に吹かれて』『戦争の親玉』『見張塔からずっと』『自由の鐘』『いつまでも若く』の7曲からなり、ディランがノーベル文学賞を受賞したことで再び注目を集めている。今年80歳を迎えたコリリアーノの話題作に期待が膨らむ。
2018年05月11日『博士と彼女のセオリー』でゴールデン・グローブ賞作曲賞を受賞したヨハン・ヨハンソンが9日(現地時間)、ベルリンの自宅アパートで亡くなっているのが発見された。死因は14日現在、明らかにされていない。48歳という若さでこの世を去ったヨハンソンはアイスランド出身。クラシックと電子音楽を合わせたサウンドで知られ、最近は『メッセージ』(16)、『マザー!』(17)などを手がけた。ヨハンソンは『プリズナーズ』(13)、『ボーダーライン』(15)、『メッセージ』でドゥニ・ヴィルヌーヴ監督と組み、『ボーダーライン』ではアカデミー賞作曲賞候補になった。タッグを組んだ監督から追悼の言葉が続々と…『博士と彼女のセオリー』(14)でもオスカーにノミネートされたが、同作のジェームズ・マーシュ監督は「打ちのめされています」「私は大切な友人を失いました。私たちは、彼が内に抱えていた美しい音楽を失ったのです。ヨハンは素晴らしく、そしてユニークなアーティストでした。彼の人柄はその音楽の中に生きています。思慮深く、知りたがりで、優しく、風変わりで、ときどき憂うつで、ときどき軽妙。そして何より、純粋なのです」と、映画サイト「IndieWire」にメールで追悼の言葉を寄せた。ヨハンソンが音楽を担当した『マザー!』のダーレン・アロノフスキー監督は「ヨハンは紳士でした。彼は音響や音楽に対して、全くユニークなアプローチをする素晴らしいコラボレーターでした。大変な喪失です」と突然の死を悼む声明を発表した。より良い作品づくりを第一に!“芸術家”としての姿勢実は『マザー!』ではヨハンソン作曲のスコアは使用されていないそうだ。同郷の作曲家で友人のオーラフル・アルナルズのツイートによると、ヨハンソンは1年かけて作曲したが、作品に音楽は必要ないと気づき、自らアロノフスキー監督に進言して楽曲を全て取り下げたという。同作にヨハンソンは、音楽と音響コンサルタントとしてクレジットされている。ヴィルヌーヴ監督の『ブレードランナー 2049』(17)にも参加したが、映画完成直前に降板が発表された。ヴィルヌーヴ監督はアル=アラビーヤ(アラビア語国際ニュース衛星放送)のインタビューで、2人で話し合ったうえで違う方向性を目指し、降板が決定したと明かしている。また『メッセージ』では、マックス・リヒター作曲の既存曲がクライマックスで使われていたためにアカデミー賞候補になれなかったが、リヒターの楽曲を残したヴィルヌーヴ監督の決断について、ヨハンソンは「とてもいい判断だと思う。全面的に支持する」と「slashfilm.com」のインタビューで語った。自分の手柄よりも、作品をより良いものにすることを第一に考える姿勢は真の芸術家のものだ。1月にサンダンス映画祭で上映されたニコラス・ケイジ主演の『Mandy』(原題)、先述のマーシュ監督の新作でコリン・ファースとレイチェル・ワイズ出演の『The Mercy』(原題)、ルーニー・マーラとホアキン・フェニックス出演の『Mary Magdalene』(原題)と今後も立て続けに音楽を手がけた映画が公開され、確実に彼の時代が来ると期待が高まり始めた矢先の早すぎる死は、あまりに惜しい。(text:Yuki Tominaga)
2018年02月14日女優で歌手・大原櫻子が、秦基博の作詞作曲・プロデュースで7thシングル「マイ フェイバリット ジュエル」を8月9日にリリースすることが22日、発表された。大原がアーティストとコラボレーションするのは、今回が初となる。もともと秦の楽曲「ひまわりの約束」が好きで番組共演時には同曲でコラボ。その後も共演機会があり、密かに縁を感じていたという。秦のライブパフォーマンスを生で観たいと思い、昨年6月に東京国際フォーラムで行われたワンマンライブ、数カ月後の横浜アリーナ公演にも足を運んだ。そうした交流がきっかけとなり、秦の書き下ろしによる楽曲制作がスタートする。メロディーが届いたのは昨年末。今年に入って大原の仮歌入りの音源が秦に送られ、タイトルやサビの部分で象徴的なキーワードとなっている「ジュエル」は、2人で直前まで意見交換を重ねた。歌入れ最終日には秦も駆けつけ、細かなニュアンスを伝えながら録り直す場面もあったという。大原は、「今回このような形でコラボさせていただけること、大変嬉しく思います。初めてメロディを聴いた時、爽やかで優しさに溢れている曲だなぁと感じていました。二度、秦さんのライブにお邪魔させていただいたことがあり、その時、しばしば感じた空気感をこの曲からも感じました。私の歌の成分から、その要素を出したいと思い、レコーディングに臨みました。聴いてもらったとき、その要素を匂わせられていたら嬉しいなと思います」とコメント。一方の秦は今回の楽曲について、「大原さんの歌声にあるポジティブで明朗な響きと憂いや寂しさの滲む情感をイメージしながら『マイ フェイバリット ジュエル』を書きました」と説明し、「大胆さと繊細さを綯い交ぜにしながら、日常に息づく大原さんの歌を楽しんで頂ければと思います」と呼び掛けている。
2017年06月22日テレビ東京の狩野恵里アナウンサー(29)が、16日に放送された同局系バラエティ番組『モヤモヤさまぁ~ず2 狩野アナ卒業SP inハワイ』(18:30~)で、作詞作曲のオリジナルソング「THANK YOU」を弾き語りで披露した。狩野アナは、16日の放送を最後に同番組を卒業。2013年4月に大江麻理子アナウンサー(37)の後を受け、2代目アシスタントを務めた。この日は、10年連続10回目のハワイロケ。序盤で訪れた教会にはピアノが置かれていて、狩野アナは「いつか、お2人に聴かせたいなと思って作った曲があって」と切り出した。様々な場所でピアノの腕前を披露してきた狩野アナ。スマホに歌詞を書き留めて、その機会をうかがっていたという。「では聴いてください。『THANK YOU』」とあいさつし、演奏をスタート。「THANK YOU~♪」の歌い出しに、さまぁ~ずの2人は「歌うの?」と戸惑いながらも笑顔で聴いていた。「THANK YOU」作詞:狩野恵里作曲:狩野恵里2013年北新宿ここからはじまる全てが新鮮全てに戸惑い迷惑かけた初めての出張北は函館カレーを食べた北島三郎さん記念館バンダナ警備THANK YOU思い出してみたらたくさんの人と場所との思い出数えてみたけど130回くらいのロケ忘れられないTHANK YOUTHANK YOU
2016年10月17日●マイナビニュースのために書き下ろした曲とミュージックビデオさまざまなアーティストの作品を手がける作曲家/音楽プロデューサーのJeff Miyahara氏と映像作家のSHOWMOV氏がiPad Pro/iPhone 6s PlusとGarageBand/iMovieを使ってマイナビニュースのために創り上げたオリジナルの楽曲とそのMVを公開! "No Cables"をコンセプトにしたスペシャルクリップの制作過程がこれだ!!***前回から大分間隔が空いてしまいましたが、その時間を使って、iPad Proと新バージョンのGarageBandで実際に曲を作ってみました。さらに、曲にはiMovieで制作されたMVをつけています。MVの撮影はiPhone 6s Plusのみ、編集はiPad Proのみで行いました。MVの撮影と編集には、前回、僕がiPad Proを操作しているところを写真に収めてくれた映像作家のSHOWMOVさんがあたっています。それでは、早速出来上がったMVをご覧ください。タイトルは"No Cables"です。いかがでしたでしょう? 作品の冒頭、iPad Proに覆い被さったケーブルをどかすカットがあったと思いますが、曲の制作にも、映像の制作にも、実はケーブル類を一切使っていません。通常、楽器やボーカルの録音には外部デバイスを利用して、iPad Proにオーディオを取り込む必要があるのですが、今回はマイクもiPad Pro内蔵のものを使っています(MVの23秒で僕が"No Cables"と歌っているカットで確認できます)。また、ドラムやベース、シンセサイザーの音は、GarageBandに入っているものを使っているのですが、バージョン2.1で搭載されたLive Loopsを活用すべく、予め収録されている1,000種類以上ものApple Loopsのライブラリからセレクトして並べています。全部で12トラックを使ってます。比較的シンプルな仕上がりになっているのではないかと思います。Live Loopsは、グリッド状になったセルと列をタップするだけで音楽のループを鳴らすことができ、DJがプレイするような感覚で簡単に作曲できるという新機能です。特別な知識やハードウェアも必要なく、自分が気に入ったループを並べていくだけでOK。EDM、ハウス、ヒップホップなど、GarageBandに用意されたテンプレートから作曲をスタートできます。テンプレートのLive Loopsのセルには、ブルー、ベージュ、グリーンの3色で分けられた素材が並んでいます(注:曲によって使われているセルが異なります)。この中で、ブルーはオーディオ素材であるApple Loopsが鳴るようになっています。例えば、テンプレートで、A、B、C、D、E、Fというブルーのセルが配置されているとします。まずAをGというループに差し替えてみましょう。このGにあたるループは先ほどお伝えした1,000種類以上も用意されているというApple Loopsのライブラリから選びます。同じ要領で、今度はBをHに、CをIに差し替えます。この作業を続けると、A、B、C、D、E、Fという並びはG、H、I、J、K、L、Mに置き換わっているはずです。置き換えたところで、試しにベージュ、グリーンのセルの再生を止めてみてください。これでもし、OKなら、テンプレートの楽曲とは全く異なる、あなた自身が作った曲になっています。自分で気に入った仕上がりになったら名前をつけて保存しましょう。これであなたのオリジナル曲が完成しましたね。ベージュ、グリーンのセルの再生を止めてみて気に入らなかったら新しいループを加えてみてください。ベージュは打楽器が鳴っているループに差し替えるのが良いでしょう。このベージュのセルは、新しいGarageBandの新機能であるDrummerが叩いているドラムやパーカッションなどのループが鳴っています(注:ベージュのセルに直接Apple Loopsを置き換えることはできません。楽器のアイコンが並んでいる一番下にある「+」ボタンを押し、表示された「ループ」を選ぶとApple Loopsを並べられる新しいパートが作成されます。グリーンのセルも同様で、直接Apple Loopsを置き換えることはできません。こちらはピアノやギターなどさまざまな楽器が鳴っているかと思いますが、先ほどと同様に、「+」ボタンを押して別なApple Loopsを配置してみてください)。といった具合に、どんな人でも1、2分以内に音楽の楽しさをそのまま体験できるのが新しいGarageBandなのです。これには感動を覚えるのではないでしょうか。ひとつひとつの音源、ひとつひとつのループのクオリティも非常に高く、このままリリースできるレベルと言って過言ではないです。一プロデューサーとして危機感を覚えるくらいでした。一言で言うなら、新しいGarageBandは「野獣(beast)」ですよ。こういうアプリって、まずは習わないといけなかっったりしますけど、これは本能の赴くままに操作すれば良いってところに「野生」を感じましたね。●音も映像もシームレスに扱えるアップル製品の強みループを並べるタイプの音楽制作ツールは、他にも沢山あるんですけど、GarageBandはその精度の高さも特筆すべきだと思います。洗練された、使いやすい、見やすい、遊びやすい、クリエイテヴィティが湧くようなプラットフォームとしては、何よりも優れているのではないかと。フィルタ、リピーター、エコー、レコードスクラッチなどの効果が得られるRemix FXはシアトリカルでありながら、これもまた「野生」を感じる機能です。ジャイロセンサーを利用して、iPad Proを傾けるとエフェクトの量が変わるなんていうアイディアは最高です。体の延長としてiPadを感じられるというか。MVでも僕がiPad Proを高く掲げて踊りながら操作しているカットを確認できますが、こんな風にフィジカルなコントロールができるのも大きな特徴です。皆さんも恐らく、同じような体験が得られると思いますが、興奮しすぎてiPad Proを投げ飛ばさないよう、くれぐれもご注意を!iPad Proでっていうことも指摘しておくと、まず、ユーザーインターフェイスが最適化されており、キーボードには約3オクターブ分の鍵盤が表示されるようになってます。それに、Live Loopsのグリッドではより多くのセルをタップことができます。個人的には、Apple Pencilを使って、Remix FXの効果の量を変化させてみたりとか、前回も紹介しましたが、ドラムのパートを打ち込むのに、スティックに見立てて画面を叩いてみたりするのがおススメです。Apple Pencilでは繊細なコントロールが可能で、微細な動きも捉えてくれるので、細かいニュアンスを表現するのに非常に向いています。そもそも、リアルタイムでこれだけの作業をさせるには相当なCPUのパワーが必要なはずなんですが、感度のよさ、レスポンスの早さも驚異的です。これはデスクトップクラスの64ビットアーキテクチャを搭載したA9Xチップに依るところが大きいのでしょう。ユーザーインターフェイスからのビジュアルフィードバックも興味深いです。Remix FXを操作すると表示されるパーティクルのアニメーションは見ていてとても楽しいのですが、GarageBandをリアルタイムで操作しているところを大きなスクリーンに投影するといったパフォーマンスが生まれてきても不思議ではないですね。映像作家のSHOWMOVさんにも、ちょっとGarageBandを触ってもらったのですが、初めて使った感想として「どこにでも持って行けて、すぐカッコいい音楽が出てくるからワクワクする」というコメント頂きました。タイトルにもなった"No Cables"というコンセプトですが、今回、データの受け渡しもAirDropで行っています。曲のデータを書き出して、SHOWMOVさんのiMovieで利用できる形式で受け渡します。1分くらいの曲なので、あっという間に転送が終わりますね。SHOWMOVさんがiPhone 6s Plusで撮った4Kの映像素材もAirDrop経由でiPad Proに流し込んでいます。4Kの素材がiMovieでそのまま利用できるのも便利とSHOWMOVさん。音も映像もシームレスに扱えるというのは大きなアドバンテージなのではないでしょうか。今回の制作ではAirDropを利用しましたが、離れた場所に居る者同士だったらiCloudを使うのが良いです。これまた便利で、共有するのも簡単です。世界中どこでも誰とでも創作に取りかかれるってスゴいと思いません?ケーブルをもし使うとしても、これからはLightningケーブル1本のみで、全てのデータを送出できるような状況も生まれてくるんじゃないでしょうか? フェスティバルの大きなステージで、這っているケーブルがLightningケーブル1本だけって、状況を想像するとちょっと面白くないですか?映像のほうもサクサクiMovieで編集できます。ご覧頂いたとおり、その場で映像を取り込んでガンガン編集を進められるというのもiPad Pro+iMovieならではです。トランジションやフィルタも装備しているのはもちろん、iPhone 6sシリーズで撮った4K映像をすぐ編集できるので、これから映像制作をはじめたいという方にはとても良いアプリなのではないかと思います。ただ、歌っている口の動きと後から取り込んだオーディオの歌をあわせるという、いわゆる「リップシンク」を行うのは難しいです。iOS版のiMovieではフレーム単位(詳細は省きますが1/30秒と思ってください)での編集はできないので、どちらかというと、ざっくりしたイメージ中心の映像制作向きかもしれません(SHOWMOVさん談)。***いかがだったでしょうか? 本プロジェクト、ケーブル無しにして、予算も無し、制作期間も殆ど無しの状態で進めてきました。無い無いづくしでも、これくらいまでは追い込めるので、皆さんも是非トライしてみてください。iPad ProでなくてもiPad Air 2やiPad mini 4などのiPadファミリーでも同じことができるので、この春から何か新しいことを始めたいと考えてらっしゃる皆さんに、強力にプッシュしたいですね!!小川翔平(おがわ・しょうへい) a.k.a. SHOWMOV1988年広島県福山市生まれ。16歳でダンスをはじめ18歳から渋谷のCLUBに拠点を移し、22歳までの6年間ダンサーとして活動。23歳から独学で映像制作に取り掛かり、"SHOWMOV"(ショウモブ)としてキャリアをスタート。映像に関しては、興味があることや楽しい事は何でもするというチャレンジ精神の持ち主でもある。現在はミュージックビデオや動画公告の制作などディレクターとして幅広く活躍中。ダンスを通じて得た"動きで感情を表現する"作風を身上としている。2015年に株式会社SHOWMOVを設立。主なクライアントは「UNIVERSAL MUSIC」「avex」「BEAST MUSIC」「CyberAgent」など。ウェブサイトはこちらJeff Miyahara(じぇふ・みやはら)1977年ロサンゼルス生まれ。日本と韓国のハーフという多文化・多言語的なバックグラウンドを持つ。少女時代、東方神起、SOL(BIGBANG)、シェネル、Boyz II Menなど海外アーティストの作品を手がけつつ、日本では SMAP, JUJU, J-Soul Brothers, 西野カナ、安室奈美恵、山下智久、ONE OK ROCK等の数多くのアーティストのプロデュース/クリエーションに携わる。2013年にはクリス・ハートを新人発掘、初アルバム「HeartSong」はロングセラー作品となり、「第55回日本レコード大賞 企画賞」を受賞している。アップルに関する知識、造詣も深く、Macintosh 512Kを手にして以来、さまざまなアップル製品を使用しており、サウンドプロダクトの現場でもMac ProやMacBook Proなどを広く活用している。ウェブサイトはこちら
2016年03月15日カシオ計算機は12月10日、iPhone向けの無料アプリとして、ダンスミュージックを1曲まるごと自動作曲できる「CHORDANA TRACKFORMER」(コーダナ トラックフォーマー)を公開した。App Storeから無料でダウンロードできる。対応OSはiOS 8.0以降。CHORDANA TRACKFORMERは、EDM(Electronic Dance Music)とヒップホップの創作に特化した無料アプリ。iPhoneのマイクを使って口笛や歌声を数秒間入力すると、65小節~110小節程度からなる楽曲を自動作曲してくれる。自動作曲する曲のジャンルは、EDM(3種類)、EDM BASS、Hip hopの5種類から選ぶ。もととなるメロディーは、口笛や鼻歌のほかにも、画面上のドレミボタンや鍵盤、五線譜に音符を配置といった方法でも入力できる。入力した短いメロディーのパーツは、曲のなかで使う場所、小節単位のメインメロディー変化幅、サブメロディーの有無といった設定にも対応。完成した曲は、メールで送信したり、静止画のスライドショーを付加してYouTubeで公開したりできる。また、カシオのデジタルダンスミュージックギア「TRACKFORMER」(XW-PD1/ XW-DJ1)と連携させることも可能。
2015年12月14日『ジキル&ハイド』『デスノート』など、人気ミュージカルを手掛ける米国の作曲家、フランク・ワイルドホーン。彼がピアノを奏で、ブロードウェイやヨーロッパのスターと自身の珠玉のナンバーを披露するコンサート『フランク・ワイルドホーン&フレンズ ジャパンツアー』が開かれる。日本を代表して今回参加するのは、宝塚歌劇団の元宙組トップスターで、ワイルドホーンと今年結婚した和央ようか。二人に話を聞いた。「フランク・ワイルドホーン&フレンズ」のチケット情報ドラマティックかつ繊細なメロディが、聞き手の心を捉えて離さない。そんな楽曲がワイルドホーンの魅力だ。「文学や歴史、映画、ニュースなどからインスピレーションを得ていて、今までアイデアが枯渇したことはない。逆にアイデアがありすぎて、時間が足りないぐらい(笑)。僕の心に一番近いものを作品にし、音楽で物語を伝えたいと思っているんだ。今回、一番愛する人と舞台に立てて本当に幸運な男だよ」とワイルドホーン。一方、和央も「彼はスポーツ中継を見ながら、突然ピアノを弾いて作曲し始める。『曲ができない』と悩んでいる姿を一度も見たことがないんです。グラミー賞授賞式を一緒に見ていたときに、『今思い付いた』と、ピアノに向かって素敵なメロディを弾いてくれて。温かくて人間の器も大きい彼のそばで、一流の音楽を聞き続けている毎日です。この幸せな気持ちを音楽に乗せ、記念になるような日にしたい」と意気込む。公演では、和央の退団公演『「NEVER SAY GOODBYE」』からの同名曲も演奏する。ワイルドホーンが宝塚歌劇団に作曲し二人の出会いのきっかけとなった曲だ。ワイルドホーンは、ポピュラー音楽の作曲家としても知られている。中でもホイットニー・ヒューストンのために書き、今回演奏予定の「ブロークン・ハーツ」は世界中で大ヒットした。「ほかにもケニー・ロジャースら、素晴らしいアーティストのために作曲してきた。ポップミュージックの作曲はすごく自由で、アーティストにフレームをつけてあげるような感覚だね。劇場音楽はそれとは全く違い、脚本家や演出家と共に、物語にServeする(仕える)のが僕の仕事。キャラクターや場面に僕の音楽で生を与え、物語を語ることなんだ」和央は、「歌った後は、アスリートがゴールしたときみたいに爽快ですが、レンジの広さとエネルギーで喉の筋肉と体力を大多いに使い、歌手泣かせなのも彼の作品の特徴」だという。「偉大なアーティストやスポーツ選手は、困難なことに立ち向かい、それをいとも簡単にできるように見せてくれる。僕たちは彼らが陰でいかに努力しているかを知っているからこそ、好きになれる。TAKAKO(和央)のようにね」とワイルドホーン。これに和央は「では一回、自分で歌ってみてよ」と返し、周囲の笑いを誘っていた。二人で世界中を旅し「Music Like Love No Borders(愛と同じで音楽に国境はない)のが哲学」だと語るワイルドホーン。その音楽と世界観に浸ってほしい。チケットは発売中。取材・文米満ゆうこ
2015年12月10日カシオ計算機は29日、Android 4.4以上に対応した作曲アプリ「Chordana Composer for Android」を発表した。同日からGoogle Playで販売を開始しており、価格は500円(税込)。すでにiOS版の「Chordana Composer」をリリース済みだが、Android版が登場した。Androidスマートフォン/タブレットの内蔵マイクを利用し、短いメロディーを鼻歌で入力すると、イントロとエンディングも付いた伴奏入りのオリジナル曲を自動的に創作してくれる。画面上の鍵盤を使った入力も可能だが、音楽や楽器の知識がなくても作曲を楽しめるのが特徴だ。なお、画面デザインや操作性、機能などは、iOS版とまったく同じではない。自動作曲の際は、曲のジャンル(10種類)、曲調(3種類)が選べる。曲のジャンルは、ポップス1、ポップス2、ポップロック、ロック、ジャズ、ジャズバラード、ダンス系、クラシカル、ラテン(以上の9種類はiOS版と同じ)に加えて、今回のAndroid版では新たに「演歌」を搭載した。曲調の選択肢は、楽しげな、バラード調、ノリの良い、という3種類だ。また、小節単位のメロディー変化幅、メロディーの動きの大きさ、助奏(オブリガート)の有無なども指定できる。音楽の知識がある人向けに、自動作成した曲を五線譜で編集する機能を持たせた。作成した曲はMIDIデータに変換でき、このMIDIデータをメール添付などでPCへ送信し、MIDIデータに対応した音楽ソフトで扱うといった使い方も可能だ。
2015年10月29日カシオ計算機は10月9日、録音した鼻歌のメロディをもとに自動作曲するiPhone向けアプリ「Chordana Composer(コーダナ コンポーザー)」を用いたオリジナル曲コンテストの結果発表を行った。コンテストで募集したのは、Chordana Composer Ver.2.0で作曲したもの。このたび、Basic部門54曲、編集部門17曲の合計71曲の中から、受賞作品が決定した。Basic部門で1位となったのは「たった一度の」、編集部門で1位となったのは「(ニコ生の)延長をしたした」。そのほか、カシオ審査員賞として、Basic部門からは「メクルメク」、編集部門からは「遅刻の歌」が選ばれている。
2015年10月09日エムアイセブンジャパンは、作曲/録音/編集、楽譜作成、オンライン配信に必要なソフトウェア/ハードウェアを集約したDTMパッケージ「Music Creation Suite」を発売した。価格はオープンプライスで、同社オンラインストア価格は4万9,680円。同製品では、プロ仕様のコンパクトなUBSオーディオ/MIDIインタフェース「AudioBox USB」、エントリーレベルのレコーディング/プロダクション・ソフトウェア「Studio One Artist日本語版」、楽譜作成&作曲ソフトウェア「Notion日本語版」、49鍵盤USB MIDIキーボード「PS-49」、セミオープン・ヘッドフォン「HD7」、大型ダイヤフラムのコンデンサー・マイクロフォン「M7」、オンライン配信用のNimbitアカウント、4つのUSB 2.0ポートと専用電源アダプター付属したパワードUSBハブ、さらに必要なケーブルおよび卓上スタンドまでを1パッケージに同梱。そのため、パッケージを入手したその日から、音楽制作が行えるようになっている。
2015年09月08日フロンティアファクトリーは、カナダPG Music社の自動作曲/伴奏作成ソフトウェアの最新バージョン「Band-in-a-Box 23 for Windows」を発売する。発売日は9月4日。価格は、BasicPAKが税別1万2,500円、MegaPAKが税別2万6,000円、EverythingPAKが税別4万5,000円。最新版では、世界中のユーザーから高い評価を得ているという自動作曲、伴奏作成・自動編曲、メロディーやソロ、コードの自動生成などの機能をそのままに、ミキサーウィンドウ、ノーテーションウィンドウ、イベントリストダイアログ、スタイルピックフィルターダイアログといったユーザーインタフェースの改善、ループ素材の拡張などの各種機能強化が行われている。また、動画のインポートが可能になり、コードシートの動画保存もサポートされた。さらに、jBridgeを使用しての64 ビットVSTへの対応も行われた(ただし、別途jBridgeの購入が必要)。約850種類の伴奏スタイルを収録したBasicPAK(DVD-ROM3枚)、約2,700種類の伴奏スタイルを収録したMegaPAK(DVD-ROM6枚)、約5,200種類の伴奏スタイルを収録したEverythingPAK(2.5インチHDD)など、搭載されるスタイルセットなどのコンテンツ数量の違う3種類のパッケージが用意される。
2015年08月12日ディズニーの名作アニメ『リトル・マーメイド』のブルーレイやDVDがおさめられたMovieNEXが本日リリースされたのを記念して、本作の音楽を手がけた名作曲家アラン・メンケンのインタビューが公開になった。彼が当時を振り返った貴重なコメントだ。その他の画像『リトル・マーメイド』は、アンデルセンの世界的な名作『人魚姫』を、ディズニーならではのストーリー展開で描き、幅広い層からの人気を誇る不朽の名作で、劇中で歌われる『アンダー・ザ・シー』や『パート・オブ・ユア・ワールド』は今も人気を集めている。『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』など舞台で活躍してきたメンケンが初めて手がけた映画音楽が『リトル・マーメイド』だった。彼は「経験がないので、何が正解なのかよくわからず不安でした」と振り返る。「最初の演奏ではまだ形にならないこともあって、この曲は失敗だと感じました。横にいる作詞家ハワード・アシュマンと監督のジョン・マスカーとロン・クレメンツの方を見ると、下を向いてスタジオの機器を触っています。きっと『クビだ』とどうやって言い渡そうか考えているんだと思いました。するとハワードが立ち上がり、私が『曲が失敗なのはわかってる』と言うと『そうじゃなくて、アリエルが顔を上げるところを少し強調してくれないか』と言うんです。その時私は『それだけ?』と思って、『わかった』と返事しました」。その後のメンケンは本作でアカデミー作曲賞をはじめ、数々の映画賞を受賞し、『美女と野獣』『アラジン』などディズニー作品には欠かせない音楽家のひとりになった。中でも初めて手がけた本作への想いは特別なようでメンケンは「今、劇場に行くと、若いファンに話しかけられることがありますが、みな、不思議なくらい同じことを言います。『私の子供時代のサウンドトラックを作ってくれた』と。もちろん作曲家として仕事をほめてもらえることは嬉しいですが、経験を共有できた感じがします。また、娘と同じ世代のファンにそう言ってもらえることは、親としても嬉しいですね」と語る。MovieNexを入手すると、劇中の様々な楽曲やミュージカルシーンを、自宅のテレビだけでなく、コンピュータやスマートフォン、タブレットでも美しい映像で気軽に楽しむことができる。『リトル・マーメイド』ダイヤモンド・コレクション MovieNEX 4000円+税トリロジー MovieNEX 10000円+税※2015年12月31日までの限定出荷デジタルも配信中発売・販売:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
2015年07月17日カシオ計算機は16日、録音した鼻歌のメロディをもとに自動で作曲するiPhone向けアプリ「Chordana Composer」をアップデートし、作った曲をYouTubeで公開する機能などを追加した。アプリの価格は税込600円。すでに購入済みのユーザーは無償でアップデートできる。Chordana Composerは、1~8小節のメロディを口笛、音声、鍵盤などで入力し、ジャンルと曲調を選択すると、イントロとエンディングが付いたオリジナル曲を自動で作成してくれるアプリ。アプリの対応OSはiOS 8.0以降。今回のアップデートでは、作った曲をYouTubeで公開する機能や音声データに変換してメールで送信する機能を追加したほか、新たな曲ジャンル4種類と、メロディ入力用にドレミ表記のボタンを導入した。同社の光ナビゲーションキーボードとの連携も強化されている。従来はアプリ(iOS端末)をキーボードと有線接続すると、キーボード上に曲のメロディ(右手パート)のガイドのみが表示されたが、アップデート版では和音(左手パート)のガイドも表示されるようになった。なお、iOS端末と光ナビゲーションキーボードの接続には、iOS対応MIDIインタフェースなどが別途必要。また、Chordana Composer Ver.2.0で作ったオリジナル曲のコンテストを開催する。1位入賞者には1万円分のiTunesコードを贈呈。募集期間は7月16日~8月31日だ。詳細は同社のWebサイトを参照いただきたい。
2015年07月16日東京都・渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムは、20世紀への転換期に活躍したフランスの作曲家、エリック・サティの展覧会「エリック・サティとその次代展」を開催する。会期は7月8日~8月30日。開館時間は10:00~19:00(金・土は21:00まで)。入館料は一般1,400円、大学・高校生1,000円、中学・小学生は700円。同展は、「眼を持った唯一の音楽家」と評されたサティの活動を芸術家との交流のなかで捉え、刺激を与え合った芸術家たちの作品を通して、作曲家サティの新たな側面を浮かび上がらせるもの。サティは芸術家たちが集い自由な雰囲気をたたえるモンマルトルで作曲家としての活動を開始し、その後生涯を通じて芸術家との交流を続けたという。第一次大戦中より大規模な舞台作品にも関与し、パブロ・ピカソとはバレエ・リュスの公演「パラード」を、フランシス・ピカビアとはスウェーデン・バレエ団の「本日休演」を成功させる。また一方でアンドレ・ドラン、ジョルジュ・ブラック、コンスタンティン・ブランクーシ、マン・レイ、そして数々のダダイストたちがサティとの交流から作品を生み出していった。同展では、5つの章に分けて、サティとその時代を解説する。第一章は「モンマルトルでの第一歩」として、世紀末モンマルトルのキャバレー文化を紹介し、自由で芸術的刺激に溢れた環境に焦点を当てる。第二章では「秘教的なサティ」と題し、薔薇十字展に関連する作品、資料のほか、メトロポリタン芸術教会におけるサティの活動に焦点を当てる。第三章では「アルクイユにて」として、サティに対する評価の確立と、その時期の多岐に渡る活動に焦点を当てる。また、「スポーツと気晴らし」を音楽と美術、詩が交差する作品として注目し、映像化して紹介する。第四章は「モンパルナスのモダニズムのなかで」と題し、サティが関わった舞台作品に関する下絵やデッサン、ノート、書簡、公演を記録した写真やプログラムから作品を読み解く。第五章は「サティの受容」として、没後間もない頃から現代に至るまでの、サティへのオマージュと呼べる作品が紹介される。また会期中、展示室内にて、サティと同時代に製造されたベヒシュタインのピアノの生演奏が実施される。演奏の実施時間は各日15:00より15分程度。奏者は7月10・11日が島田彩乃、7月24・25日が丹原要、8月7・8日が佐野隆哉/前田健治(連弾)、8月21・22日が宮崎明香となっている。そのほか、パリ2区に本店を構えるフラワーショップ・エルベ シャトランによる、エリック・サティの世界観を花で表現するフラワーレッスンが開催される。開催日時は7月13日14:00~16:00。参加費は8,640円。申込み方法は、決まり次第BunkamuraHPにて案内されるということだ。
2015年06月16日カシオ計算機が提供するiOS向け自動作曲アプリ「Chordana Composer」(コーダナ コンポーザー)が人気だ。App Storeの「ミュージックカテゴリ」における有料アプリランキング(日本)で1位を獲得するなど、今年1月の発売以来、幅広いユーザー層から高い評価を得ている。そこで今回、マイナビニュースではChordana Composerの開発者に話を聞く機会を得た。本稿で紹介しよう。Chordana Composerは、思いついた2小節~8小節のメロディーをもとに、一曲まるごと自動作曲してくれるiOS向けアプリ。同アプリを使えば、作曲の知識や楽器経験がなくても自分だけのオリジナル曲を簡単に創作できる。オリジナリティに優れた本アプリは、どのような経緯で開発されたものなのだろうか。Chordana Composerを開発したコンシューマ事業部の南高純一氏に話を聞いた。―― どういった経緯で開発されたのでしょうか?話は25年ほど前までさかのぼります。当時はカシオ計算機が楽器事業を始めて間もない頃で、電子楽器の音を良くしよう、新しいことを始めようというチャレンジ精神にあふれていました。音を良くすると同時に、電子楽器の新しい使い方を提案していこう、という気運があったのです。ちょうどその頃、世の中では”人工知能”が話題を集めていました。そこで、人工知能という方向性で、何か新しいことができないか。簡単なきっかけを与えたら曲ができあがるような、そんなものが作れないかと何人かで話していました。それが大元になっています。ただ社外発表などもしましたが、商品として提案するまでには至りませんでした。話題性はあったけれど、完成度に問題が残っていたんです。―― 研究論文も発表されたとお聞きました。はい、情報処理学会の全国大会に提出しました。論文は商品化を前提としたものではなく、純粋にポピュラーミュージックを自動作曲することを目指したものです。その頃、欧米でも新しいアプローチで作曲を行う試みがありました。それは乱数を使って前衛的な曲を作れないか、といったものだったと記憶しています。―― 当時のアイデアは、時代を先取りしすぎていたと言えそうですね。そうですね。当時のハードウェアとインフラでは、どの程度の計算量で、どの程度のクオリティのものができるかも不明でした。なので、自動作曲の試みは25年間、自分の中で”封印”したんです。ですが、この25年間でハードウェアもインフラも様変わりしました。シンセサイザーが登場し、電子楽器の音色がPCM音源になり、鍵盤演奏強度に自然な音色変化をするタッチレスポンスに対応しました。インターネット全盛の時代が訪れ、ポータビリティ、取り扱いに優れたスマートフォン、タブレット端末が登場しました。―― 自動作曲アプリに再挑戦できる土壌が整ったわけですね。はい。2013年にChordana Tap(コーダナ タップ)、Chordana Viewer(コーダナ ビュワー)をリリースして開発が一段落した際に、今後の話として、ほかの開発メンバーから作曲アプリの話が出ました。そこで昔やっていたものをもう一度やってみよう、と思い立ったわけです。―― 開発に苦労した点などを聞かせてください。どこまで機能を盛り込めば良いのか苦慮しました。曲ができ上がるにつれて、ユーザーさんもできた曲に感情移入してくるはず。だとすると、音色やテンポなどを修正したいという欲も出てくる。そこで、作曲した後でもジャンル変更できるなどの柔軟性を持たせるように工夫しました。――利用者の反応はどうですか?App Storeにおけるレビューや、Twitterにおける意見などは海外のものも含め全て確認して真剣に受け止めています。いまMIDIファイルのエクスポートへの要望を多くいただいています。マイク入力がうまく入らないというご意見もありました。今後できる限り対応していきたいと思っています。ご意見やご感想から、どういう方がどんな風にアプリを使おうとしているかを想像しています。最近では、比較的ご年配と思われる方からのお問い合わせもいただきました。非常に嬉しく思います。――どのような人に使ってほしいですか?楽器はやらないけど音楽は好き、という方の中で、潜在的に作曲願望をお持ちの方もいらっしゃると思います。そういった方に試していただきたいです。一方すでに楽器をやられている方、作曲に取り組んでおられる方にも使っていただいて、厳しい意見を頂戴したい。どちらの方にも使っていただければ幸いです。―― 南高さんのお気に入りの使い方はありますか?単純なモチーフでも、偶然良い曲ができることがあります。モチーフを2小節入れるのさえ難しいときは、ドシラソファミレドでも良いんです。深く考え過ぎず、まずは試してみるというのもひとつのやり方だと思います。ドー、ドドー、ドラー、ドーという2音しか使っていないようなメロディーでも、良い曲ができ上がることがあります。慣れてきたら、モチーフに小節をまたぐ長音符(2分音符など)を使ってみてください。すると動きのあるメロディーになります。シンコペーションなどを取り入れてリズムを工夫することで、メロディーが雄弁になります。あとは、曲が気に入ったらタイトルをつけてください。それによって曲のイメージがさらに膨らみます。愛着も沸くでしょう。音色も選べるので、そのあたりにもこだわっていただければと思います。―― 個人的な趣味でお聞きします。南高さんの音楽的な嗜好を教えて下さい以前、「あなたの人生を変えた1曲は」と聞かれたとき、ビートルズのLet it beと答えました。ラジオで聞いた瞬間にハッと思い、それから世界が変わりました。アーティストとしては、ジョン・レノンが好きです。音楽には、何回か聞いて初めて良いなと思うものと、聞いた瞬間に魂に響くものと2種類あります。ジョン・レノンの場合は後者で、瞬間的に心が虜になってしまうんですよね。ビートルズの解散時、私は中学生で、それまでは歌謡曲なども好んで聞いていました。小5の時に買ってもらったギターを練習しつつ、タイガースなど流行りのグループサウンズを聞く少年でした。いまではギターでビートルズのカバーをしたり、ジャズピアノに挑戦したりしています。でも根っこの部分ではクラシック音楽が好きで、最近は演歌も良いな、と思っています。仕事で疲れているときなんか、演歌が良いんですよ。―― 今後の展開などをお聞かせてくださいできた曲を個人が拡散できる要素を加えていけたらと思っています。現バージョンでも、できたオーディオファイルをメールで送信することは可能ですが、曲のシェアという側面をさらに活発化させていきたいです。例えば、作曲したものを楽器ができる人に弾いてもらいたい、という需要があるかも知れない。その逆もあり得ます。作曲したい人、演奏したい人が別々に存在するのではなく、相互が影響しあえるようなものにしていけたら理想的ですね。アプリの拡散方法はまだ模索中です。SNSが良いのか、動画サイトが良いのか。現在、Chordana Composerで作曲した楽曲をYouTubeにアップロードしていただいている方もいらっしゃいます。単発で終わらない、楽しみが持続するような環境を整えていけたら良いなと思っているところです。***ユニークでオリジナリティにあふれる自動作曲アプリChordana Composerを世に送り出した南高純一氏。インタビューを通じて、同氏の音楽にかける情熱がこちらにも伝わってきた次第だ。印象的だったのは、音楽のジャンルに垣根をもうけず、クラシックもロックも歌謡曲もジャズも演歌でさえも好んで聞くという話。その柔軟性と視野の広さが、アプリ開発にも存分に活かされているのではないだろうか。最近ではジャズピアノの即興演奏に熱心だという南高氏。演奏中に"アボイドノート"と呼ばれる、ほかの音と一緒に弾いてはいけない音を弾いてしまうことがあるという。「仲間からはアボイドを恐れちゃいけない、とアドバイスされます。プログラムの世界では、バグを恐れてはいけないというのが私の持論。バグは期限内に直せば良い。バグを恐れてチャレンジを避けると、こじんまりとしたものしか作れないからです。ジャズピアノではアボイドを恐れてはいけない。同じですね」と笑いながら話していた。
2015年04月08日エムアイセブンジャパンは、PreSonusの楽譜作成&作曲ソフトウェア「Notion 5 日本語版」を発売した。価格はオープンプライスで、市場予想価格はパッケージ版が1万7,500円前後、ダウンロード版が1万6,500円。同製品では、楽器数/ページ数無制限、TAB譜/コードネーム/歌詞入力、鍵盤/フレット/ドラムパッドなどのインタラクティブな入力ツールをはじめ、一流プレイヤーによる8GB以上の音源、MIDI/MusicXML/ WAV/VST/ReWireサポート、64Bitネイティブ、最新のビデオ・フォーマットに対応したフィル ム・スコアリング、Windows 8のタッチスクリーン、MacのRetina ディスプレイ表示への対応など、多彩かつ最新の楽譜作成および作曲機能を実装した。また、音楽制作ソフトウェア「Studio One」のプラグインおよびミキシング機能に加え、Studio Oneへのダイレクト・エクスポートもサポートする。さらに、iPad用Notionアプリ(1,500円)もラインナップされており、Mac/Windows/iOSなど各種デバイスでスコアを作成、送信、編集、再生することが可能となっている
2015年03月09日昨年、“現代のベートーベン”と言われた作曲家の佐村河内守氏の“嘘”を告発し、自らが彼のゴーストライターであると名乗り出た音楽家で、最近はバラエティ番組にも引っ張りだこの新垣隆が、“嘘”が重要な要素となる映画『ソロモンの偽証』の応援大使に就任し、3月5日(木)に会見に出席した。本作は宮部みゆきのベストセラーの映画化。ある男子中学生の死に伴い、クラスメイトたちが真犯人を探すべく、校内裁判を行なう様を「前篇 事件」「後篇 裁判」の二部作で描いており、「嘘つきは、大人のはじまり。」というセンセーショナルなコピーが、ポスターなどにも踊っている。新垣さんは配給会社である「松竹」の宣伝部長から応援大使就任の任命状を受け取ったが、そこには“嘘から逃げない男”といった文言が並ぶ。続いて新垣さんは大使のたすきを肩にかけ、応援大使の名刺を集まった報道陣に配布したが「実は、名刺を初めて持ちました」と明かす。今回、“嘘”や“偽証”という昨年の事件を踏まえての応援大使就任のオファーとなったが「仕事を選ばないのか?」という司会者の遠慮のない問いかけに、新垣さんは「そうですね。『頂いた仕事こそが仕事である』と思ってます」となんとも深~い言葉を口にする。さらに、「ここ数年でついた嘘は?」というミエミエの質問にも「…はい。みなさんご存知の通り、非常に大きな嘘をつきまして…。そういう人間がこのような役割を務めることができるのか?といった(自問をしている)ところですが、それを含めてみなさんに(映画を)知っていただき、役目を務めたい」と意気込みを口にした。また、この“ゴースト問題”以外での最近ついた嘘を尋ねると「今年は婚活すると宣言したんですが、いまだに全くしてません」と告白。結婚願望は「ないと言えば嘘になる。ですが、いまはお仕事をいただいて一生懸命頑張ってます」と語り、好きな女性のタイプについては「この映画に出ている女優さんはみなさん素敵な方で。校長先生役の余貴美子さんが素敵ですね」と映画に出ている女優の中でも尾野真千子でも夏川結衣でも、黒木華でもなく、余貴美子が一番好きだという嘘偽りのない思いを吐露した。この日は会見に現役の中学生も出席し、新垣大使に質問をぶつけた。「友達に嘘がばれました。謝罪会見を開くべきでしょうか?」という相談には「会見は開かなくていいと思います(笑)。謝って『ごめんなさい』と言ってください。そのひと言が大事です」とアドバイス。「今日1日を漢字一字で表すなら?」という質問には「『ソロモン偽証』から“偽”をとって“証”。応援大使に就任して、その証としてみなさんの前に立っています」と語っていた。最近、バラエティ番組にも引っ張りだこで、ドラマにも出演するなど多方面での活躍が目立ち、ゴースト騒動のケガの功名とも言えるが、本人はあくまでも「音楽家で作曲家でピアニスト」と語り、「(ゴースト告白により)音楽家として活動できるようになったので、それを続けていきたいです」といま現在の“夢”を明かした。『ソロモンの偽証』【前篇・事件】3月7日(土)より【後篇・裁判】4月11日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ソロモンの偽証前篇・事件 2015年3月7日より全国東宝系にて公開(C) 2015「ソロモンの偽証」製作委員会ソロモンの偽証後篇・裁判 2015年4月11日より全国にて公開(C) 2015「ソロモンの偽証」製作委員会
2015年03月05日カシオ計算機は、思いついたメロディを鼻唄で吹き込むだけで自動作曲してくれるiPhoneアプリ「Chordana Composer(コーダナ コンポーザー)」の提供を1月30日より開始する。価格は通常500円だが、2月5日までは特別価格の300円となる。Chordana Composerの発売に先立ちプレス向けに説明会が開催されたので、その模様をお伝えしよう。Chordana Composerは、頭に思い浮かんだ数小節のメロディーをもとに、イントロからAメロ、Bメロ、サビ、エンディングまで1曲まるごと自動で作曲してくれるアプリ。Chordana Composerの開発を担当したコンシューマ事業部の南高純一氏は、同アプリについて「嬉しいときなど、頭の中にメロディが浮かぶことがある。一方で、作曲は専門家の仕事という認識がある。誰でも簡単に、オリジナル曲を作曲できるアプリがあったら。そんな思いで、開発をスタートさせた」と経緯を説明した。鍵盤を弾く、音符を書いていくということは、誰にもできることではない。そこで歌声、および口笛といった音声入力に対応した。このほか、鍵盤(17鍵)を使って音を入力することも可能だ。「与えられたモチーフを変形、発展させてゆく技術に関して試行錯誤を繰り返してきた」と南高氏は説明する。モチーフに合うサビ、Bメロ、イントロ、エンディングなどが自然な形で出てくるように、音と音のつながり、AメロとBメロのつながりといったものを定式化したという。自動作曲にはポップス、ダンス系、ロック、ジャズ、ラテンなどの「ジャンル」や、楽しげな、バラード調、ノリの良いといった「曲調」を選択できる。メロディーの動きの大きさ、テンション(大胆な音使い)といった要素で、曲に変化をつけることも可能だ。壇上では、実際に作曲のデモが披露された。南高氏が冒頭の2小節を口笛で吹くと、それだけでリズミカルで明るい曲ができあがった。説明会の最後に、質疑応答の時間がもうけられた。曲の著作権は、アプリを使って曲を作ったユーザーに帰属するとのこと。データはAAC形式のファイル(m4a)で書き出しでき、容量は数MB程度となるので、メールに添付することも可能だという。曲全体の長さをユーザーが指定することはできない。テンポの変更は、60~280の間で作曲可能。拍子は現在のところ4/4拍子のみの対応で、今後ユーザーの要望に応じて対応するそうだ。SNSへの対応については、「社内の企画には上がっている。今後の対応を検討していきたい」(南高氏)とのこと。このほか、他の作曲アプリとの差別化要素については「モチーフを入れて、1曲まるごと作れるのはChordana Composerのみ」と南高氏はアピールする。対応OSは、現在のところiPhone 5s/5c/5、iPhone 6/6 Plus、iPod touch(第5世代)のみ。これについて南高氏は「Androidの対応も進めていきたいが、仕様に大きな違いがあり、技術的な課題が残っている。要望に応じて対応していきたい」とした。
2015年01月30日カシオ計算機は30日、思いついた2小節のメロディーをもとに、一曲まるごと自動作曲してくれるiPhone用アプリ「Chordana Composer」(コーダナ コンポーザー)を、アップルのApp Storeにて発売した。対応機種は、iOS 8.0以降のiPhone、iPad、iPod touch。 iPhone 5、iPhone 6、iPhone 6 Plusに最適化されている。価格は500円(2015年2月5日までは特別価格の300円)。Chordana Composerは、作曲や楽器の知識がなくても、自分だけのオリジナル曲を簡単に創作できるアプリ。口笛や歌声を録音した2小節のメロディーをもとに、Chordana Composerが一曲まるごと自動作曲。できあがった曲は再生だけでなく、メールで送ることも可能だ。自動作曲のジャンルは5種類、曲調は3種類を用意。曲内でのモチーフの使い方はAメロ・Bメロ・サビから選べて、イントロとエンディングも付いたオリジナル曲ができあがる。また、ユーザーの音楽スキルを生かす機能も搭載した。画面の鍵盤を弾く方法や、画面の五線譜上に音符を配置する方法によっても、モチーフを入力できる。完成した曲のメロディーは、五線譜上で修正可能。コードに合う音、テンションあげる音など、音符を5種類に色分けする「ヒント機能」を使った修正も行える。MIDI対応の電子楽器とも連携可能だ(市販のMIDIインタフェースまたはアダプタが必要)。カシオ計算機の「光ナビゲーションキーボード」と連携させれば、Chordana Composerで創作した曲のメロディーを光る鍵盤でガイドしてくれる。
2015年01月30日来年のオスカーで最有力作品のひとつと考えられている『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』が、作曲部門で資格がないと判断された。作曲家アントニオ・サンチェス、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督、フォックス・サーチライトは、アカデミーに再考をお願いしたが、かなわなかった。『バードマン…』の曲は、サンチェスによるドラムが斬新で印象的だが、映画の中で使われているその他のクラシック音楽が、アカデミーの作曲部門のルールに引っかかった。また、アカデミーの音楽部門に所属する244人の会員の多くはオーケストラを使うことが多く、ドラムだけの曲を、本当の曲ではないと感じたのかもしれないという説もある。本作は、来月のゴールデン・グローブでは、オリジナル作曲部門にノミネートされている。文:猿渡由紀
2014年12月24日ラフォーレ原宿は、日本を代表する電子音楽作曲家であり、アーティストとして国際的に活躍する池田亮司の東京公演「HARAJUKU PERFORMANCE + 2014 RYOJI IKEDA ONE DAY LIVE」を開催する。開催日時は12月21日 17:00~(シアタースタイル、開場16:30)と19:30~(スタンディング、開場19:00)。会場は東京都・原宿のラフォーレミュージアム原宿。入場料は1プログラムのみ前売り3,000円/当日3,500円、2プログラム通し券が前売り・当日ともに5,000円。「HARAJUKU PERFORMANCE+」は、ラフォーレ原宿が2007年から毎年開催している、クリエイティブ・シーンの最前線を紹介するパフォーマンス・イベント。8回目となる今年は、池田亮司がここ数年間育ててきた代表的な2作品である『datamatics [ver. 2.0]』と『supercodex [live set]』を、一夜限りで連続上演する。なお、池田亮司は1966年岐阜県生まれの電子音楽作曲家、ビジュアルアーティスト。現在はパリを拠点に活動している。彼のオーディオ・ビジュアルパフォーマンスやインスタレーションは、バルセロナで開催される電子音楽の祭典「ソナー」やオーストリアのリンツで開催される先端芸術祭「アルス・エレクトロニカ」など、世界中のアートフェスティバルやクラブで開催され続け、視覚メディアとサウンドメディアの領域を横断して活動する数少ないアーティストとして世界中から注目を集めている。
2014年10月14日ラフォーレミュージアム原宿は今年で第8回を迎えるパフォーマンスイベント「HARAJUKU PERFORMANCE+」を開催する。今回は電子音楽作曲家の池田亮司が登場する。演目は、現代社会に広がる不可視なデータを知覚することをテーマとしたアートプロジェクト「datamatics」の集大成と位置づけられる「datamatics[ver2.0]」と、0と1という最小単位に還元された世界から0と1の重ね合わせの状態が存在する量子的な世界へと思考の対象を広げ表現の進化を遂げる「supercodex[live set]」の代表的パフォーマンス作品の二つ。12月21日の17時よりシアタースタイルの「datamatics[ver2.0]」、19時よりスタンディングの「supercodex[live set]」を上演する。1プログラムのみは前売り2,778円、当日3,241円、2プログラム通し券は前売り・当日共に4,630円。池田は1966年岐阜生まれ、パリ在住の電子音楽作曲家兼アーティスト。音の本質的な特性と映像の本質的な特性としての光を、数学的精度と美学の両面から追求し、音響、映像、物質、物理現象、数学的概念の精緻な構成を用いたライブパフォーマンスやインスタレーションを発表している。強力な白色光を用いた大規模インスタレーションにより公共空間を変容させる「spectra」シリーズはアムステルダム、パリ、愛知トリエンナーレ、ロンドン等で実施され話題を呼んだ。
2014年10月08日20世紀のフランスを代表する作曲家のひとり、フランシス・プーランクの没後50年を記念したコンサートが、10月23日(水)に東京オペラシティで開催される。「没後50年記念 フランシス・プーランクの夕べ」の公演情報1899年生まれの生粋のパリジャンであり、軽妙でフランス風のユーモアとアイロニーが混在した“エスプリの作曲家”プーランク。同時代に活躍した作曲家たち―ルイ・デュレ、アルテュール・オネゲル、ダリウス・ミヨー、ジェルメーヌ・タイユフェール、ジョルジュ・オーリックらとともに「フランス6人組」と呼ばれ、1963年に心臓麻痺で亡くなるまで、ピアノ曲、声楽曲、室内楽曲、宗教曲、管弦楽曲、バレエ音楽、オペラなど幅広いジャンルの作品を発表。その作風は、軽やかさと重々しさ、憂鬱さと陽気さ、世俗性と宗教性など、相反する要素を併せ持ち、当時のパリのプレス紙で「ガキ大将と聖職者が同居している」と評された。今回のプロジェクトでは、エスプリに富んだ室内楽から敬虔な祈りに満ちた宗教曲まで、プーランクの初期から晩年までの様々な編成の作品が一度に取り上げられるという、非常に稀な機会だ。プログラムの前半は室内楽が中心。初期の「3つの小品」、第二次大戦中に書かれた「メランコリー」、20世紀初頭にフランスで活躍した詩人アポリネールの詩に曲をつけた「モンパルナス」、ジャン=ピエール・ランパルが初演した「フルート・ソナタ」、最晩年の「クラリネット・ソナタ」、そして、室内楽の最高傑作「六重奏曲」が披露される。後半はオーケストラ作品2曲。オルガンの多様な音色で描かれ、宗教的厳粛さと通俗性が混在する「オルガン、弦楽とティンパニのための協奏曲」。そして、ニューヨーク音楽批評家賞を受賞した20世紀最高の宗教曲のひとつ「スターバト・マーテル」だ。プログラム同様、出演者も多彩。ソリストには、国内オーケストラの主要メンバーやソリストなどで活躍する旬の若手演奏家たちを起用。指揮はバッハ・コレギウム・ジャパンを主宰し、「バッハ演奏の権威」として世界的な評価を得ている鈴木雅明が務める。「没後50年記念 フランシス・プーランクの夕べ」は、10月23日(水)に東京オペラシティ コンサートホール:タケミツメモリアルで開催。チケットは発売中。●没後50年記念 フランシス・プーランクの夕べ[日程・会場]2013年10月23日(水) 19:00開演東京オペラシティ コンサートホール:タケミツメモリアル[出演]鈴木雅明(指揮)、菊地裕介(ピアノ)、臼木あい(ソプラノ)、上野由恵(フルート)、大島弥州夫(オーボエ)、伊藤圭(クラリネット)、黒木綾子(ファゴット)、福川伸陽(ホルン)、鈴木優人(オルガン)、新国立劇場合唱団、東京フィルハーモニー交響楽団
2013年10月17日