肌のハリやシワ、髪、身のこなしなどから想像した年齢と、実年齢があまりに違ってビックリ…なんていう経験、誰にでもあるのでは? 同じアラフォー女子なのに、20代に負けない若さを保っている人もいれば、早くも老化を感じさせる人もいます。その差はどこから来るのでしょう? 「それはズバリ 『卵巣の働き』 の差です!」と答えてくださったのは、大人の女性の健康に詳しい婦人科医の小山嵩夫先生。見た目の若さと卵巣の関係について、より詳しく伺いました。小山嵩夫先生 プロフィール婦人科医。専門は生殖内分泌学、女性の健康増進。日本のHRT(女性ホルモン補充療法)の第一人者として知られる。1996年、女性の健康管理を目的としたクリニック「小山嵩夫クリニック」を銀座に開業。「NPO法人 更年期と加齢のヘルスケア」および「一般社団法人 日本サプリメント学会」理事長として、更年期前後から元気に生きるための啓発活動を行っている。著書に『遺伝子を調べて選ぶサプリメント』『女性ホルモンでしなやか美人』(ともに保健同人社)、『40歳であわてない! 50歳で迷わない!もっと知りたい「女性ホルモン」』(角川学芸出版)など。 見た目の若さは、「卵巣」の若さに比例する!「女性美はもちろんですが、若さを保つのは女性ホルモンに他なりません。これこそ最大の要。生殖に関わる器官だけでなく、皮膚や髪、骨、脳など全身に作用して、女性らしさと同時に健康と若さをキープする役目を担っています。でも、女性ホルモンはどこから来るか知っていますか? 勝手に湧いてくるわけでもどこかで作られるわけでもなく、卵巣から分泌されるものなんですよ。そう、元締めは卵巣です。卵巣が若くバリバリ働いてくれなければ、女性ホルモンを正しく分泌することはできません」と小山先生。最近「30代で子宮力が落ちる」などという言葉を耳にしますが、これは正しい言い方ではありません。「子宮力」とは、脳の指令に従って卵巣が女性ホルモンを出し、これよって子宮が妊娠の準備をしたり月経を起こしたりする、一連の動きのことを指しています。若く保つべきは、子宮ではなく卵巣なのです。閉経する年齢にかなりバラツキがあることからわかるように、卵巣の老化にも個人差があります。卵巣が老化し始めの頃は自覚症状が出ないため、うっかりしていると水面下で老化がどんどん進んでしまうことになります。まずは、あなたの卵巣がどれくらい若いかをセルフチェックしてみましょう。卵巣の老化が加速するターニングポイントは、37歳!女性の約9割は45〜55歳までの間に閉経を迎えます。そのため、一般的にこの時期を「更年期(閉経周辺期)」と呼ぶようになりました。それは卵巣の機能が目に見えて衰える時期です。ただし、更年期になって突然老化するわけではなく、30代から早くも始まっていると考えられています。さて、あなたの卵巣は元気にバリバリ働いていますか?▼若さのバロメータ「卵巣機能」をセルフチェック!以下の項目のうち、当てはまる点数を合計してください。さあ、どの程度当てはまりますか?*程度の目安 ◎=確実に当てはまる ○=なんとなく当てはまる △=ときに当てはまる ×=当てはまらない【合計点による評価】0~25点:卵巣機能は良好です。40歳を過ぎたら年1回は婦人科検診を。26~50点:卵巣機能に不安があります。生活習慣を見直してみましょう。51~65点:卵巣機能が落ち、更年期の状態です。婦人科の受診をおすすめ。66~80点:更年期症状があります。他に何らかの疾病が隠れている可能性があるので、婦人科で相談しましょう。81~100点:更年期症状の他に、心身症的な疾病の可能性もあります。長期的な対応が必要です。 「40歳前後の女性が、20代のように卵巣が若いということはほとんどありません。卵巣は肌や器官などと同じように、年相応に老けていくんですよ。どちらかと言えば、卵巣は他の器官より早めに老化現象が始まるといってもいいくらいです」小山先生によれば、卵巣はだいたい次のような段階を経て老化していき、閉経を迎えると考えられているそうです。●第1段階:31歳頃から、卵子の質が低下し始める。●第2段階:35歳頃から、活動的な卵胞の数が減少し、妊娠しにくくなる。●第3段階:41歳頃から、活動的な卵胞が30歳代の10分の1以下になり、妊娠率が著しく低下する。●第4段階:45〜55歳頃、月経不順になり、やがて閉経する(更年期)。第2~第3段階にいるアラフォー女子は、更年期のすぐ手前にいます。ルックス的にも肉体的な若さにも影響が出てもおかしくない時期。卵巣の状態が気になり始めたら、そろそろ更年期へ向けての準備を始めましょう。自分の卵巣年齢、体内年齢を知ることがとても大切さて、誰にでも訪れる更年期を前にして、アラフォー女子がしておきたいことはなんでしょう? 小山先生が教えてくれます。「大きなテーマは『健康評価』です。卵巣の老化は自然現象とも取れますが、良くない生活習慣や栄養不良などにより、老化のスピードは確実に速くなります。特に、ストレスや過度なダイエット、体脂肪過多、血液循環の不良、ストレス、喫煙は、卵巣の老化の直接の原因に。ですから、自分の体にきちんと目を向ける習慣をつけることですね。病気を見つけるためでなく、若さや健康の度合いを把握するためです。体組成計を購入して、体重、体脂肪率、それに筋肉量や水分量、内臓脂肪レベルなどを記録するだけでも大きな進歩。スポーツクラブやエステサロンなどに精密な体組成計があれば、進んで利用するようにしましょう」そして、アラフォーからは婦人科検診を受けることは必須。小山先生のクリニックのように、さらに抗加齢的な検査を加えたスペシャルなレディースドックやエイジングケアドック(老化度測定検査)を受けられる医療機関も増えているので、上手に利用したいものです。【ベーシックな婦人科検診(女性検診)の主な内容】●乳がん検査(マンモグラフィ、乳腺エコー、乳房視触診など)●子宮がん検査(子宮頸部細胞診、子宮体部細胞診、経腟エコーなど)【老化度測定検査(エイジングケアドック)のオススメ検査】加齢マーカー(IGF-1、DHEAS)、AGEリーダー(糖化度測定)、抗ミュラー管ホルモン(AMH)値測定、女性ホルモン値検査、抗酸化ストレス度測定、体組成分析老化度測定検査のうち、抗ミュラー管ホルモン(AMH)の値は、不妊治療の分野ではずばり「卵巣年齢」と呼ばれている数値。これは卵巣の中にある「卵子のもと」から分泌されるホルモンで、濃度を測定することで卵巣が何歳くらいの状態か推定することができます。専門的に知りたい人は、こういった検査を受けてみるのも手。実年齢以上に若い卵巣を目指して、そろそろ本気で自分の体と向き合いましょう。
2015年02月10日「へうげもの 古田織部400年忌 その方も乙よのう」が日本橋三越本店本館5階スペース#5で開催される。10月29日から11月11日まで。同展において「激陶者集団・へうげ十作」を始めとする作品を披露してくれる作家は20名。1点ものの作品も出品されるため、同原作ファンも陶芸ファンも早めに足を運ぶのがおすすめだ。「増上寺現代コレクション」グランプリ作品シリーズである「壺中天アリ」(作:かのうたかお/4万円)、流麗なフォルムの「単 お化けの役割」(作:田村一/2万5,000円)、メタリックな質感の「茶入」(作:金理有/3万円)など、ユニークな作品も多数並ぶので、陶器に一家言ある人からアート好きまで楽しめる。また、このようなラインアップにしたことで、「最上級の“甲”もいいけど、格付けにおいてはその下ながら、なんともいえない味わいのある“乙”もいいじゃない」という織部の思想に触れることができるのもポイント。おかしみのあるデザインによって、心がほっと和んでいく時間を堪能してほしい。11月7日には同店会場にて、横浜で茶の湯「SHUHALLY(守破離/しゅはり)」を主催する現代へうげ茶人・松村宗亮によるうす茶のふるまいが行われる。サービスを受けることができるのは、10月29日から11月7日までの間に、同展で税込み1万800円以上の購入者、先着20名。原作漫画の世界観を現代に伝える茶人はこの人しかいない!と言われる数奇者による呈茶の機会をお見逃しなく。
2014年10月27日(画像はイメージです)リコピンが卵巣癌のリスク減少リコピンが抗酸化作用を持つことから、さまざまな癌のリスクを減らすということが、いくつもの臨床結果から示唆されています。しかし、今まで公開された臨床試験すべてが癌に効果ありという結果となったわけではありません。今回、Soochow大学のリー氏らがメタアナリシスの手法を用いて今までの文献を総合的に分析しました。その結果、リコピンの摂取量が多くなると、卵巣癌のリスクは低下することがすることが分かったといいます。卵巣癌のリスクが高くなる閉経後の女性では、リコピンを摂取することは有益ということが統計学的に証明されました。リコピンと癌米国国立がん研究所のPDQ(R)でリコピンの効果について記載。また、疫学研究でもリコピンの摂取量と前立腺癌の発生率の間に関連がある可能性があると記載されています。リコピンの効果抗酸化作用が効いているといわれていますが、男性ホルモンに対して影響を与えるために前立腺癌や卵巣癌に効果を示しているという説もあります。【参考】・Nature Scientific Reports 4, Article number 4885・米国国立癌研究所リコペン
2014年05月25日岡山大学は、正常な黄体細胞がリンパ管を通じて卵巣外へ流出することによって黄体が卵巣から消失することを発見したと発表した。同成果は、同大大学院環境生命科学研究科 動物生殖生理学分野の奥田潔教授らによるもの。詳細は米国オンライン科学雑誌「PLOS ONE」に掲載された。多くの哺乳類において排卵後の卵巣に形成される黄体は、黄体ホルモンを分泌することで雌の体を妊娠できるようにするが、妊娠に至らなかった場合、黄体は卵巣から消滅し(黄体退行)、妊娠可能な状態が解除され、次の排卵を待つこととなる(ヒトでは月経が生じる)。これまで黄体退行は、黄体を構成する黄体細胞がプログラムされた細胞死(アポトーシス)ならびに黄体へ侵入したマクロファージによる貪食作用(死細胞の除去)によると考えられていた。しかし、研究グループでは、アポトーシスと貪食による卵巣からの黄体細胞除去には5日程度掛かる健康なウシに、薬剤(プロスタグランジン F2α)を用いて人為的に黄体退行を誘導した場合、約24時間で黄体が卵巣から消えるが、黄体細胞除去に働くマクロファージの数は生理的な黄体退行時と変わらなかったことから、従来の説に疑問を感じ、新たなメカニズムの探索を行ったという。その結果、卵巣から採取されたリンパ液中に多数の生きた黄体細胞を発見したほか、リンパ液中の黄体細胞の数は黄体退行時に急激に増加し、特に黄体が卵巣上から完全に消滅する際に黄体細胞の流出が重要であることが判明したという。今回の「黄体細胞がリンパ管を通じて卵巣から流出する」という成果について研究グループでは、リンパ管を通じて細胞が流出する現象はがん転移の際に観察されていたが、そうした細胞流出が生理的な器官の消失に関与するという報告はなく、今回の発見は生物学的に重要なものとなると説明するほか、ウシの人工授精では排卵のタイミングをコントロールする必要があるが、排卵には前の排卵時に形成された黄体の消失が必須条件となるため、今後、大量の黄体細胞を任意のタイミングでリンパ管へ流出させる技術を開発することで黄体退行を人為的に制御できるようになれば、効率的に排卵を促し人工授精を行うことが可能になるとコメントしている。
2014年03月24日下手な調理をすれば、たちまち人を死出の旅路に誘う毒魚・フグ。毒の正体・テトロドトキシンはフグの体内に蓄積されるのだが、特に卵巣や肝臓は含有量が多い。加熱しても消えないというこの猛毒が含まれる卵巣を、珍味に変身させてしまう食品加工技術が石川県に伝承されている。石川県の伝統食品「フグの子の糠漬け」がそれである。原料は、日本海で水揚げされるゴマフグの卵巣。このままでは猛毒だが、たっぷりの塩に1年間ほど漬け込んだ後、米糠で漬け直し、イワシの魚醤を適宜注ぎながら熟成を重ねること3年間。乳酸菌や酵母などが作用して、さしもの毒素も完全に分解され、風味豊かな石川県名物「フグの子の糠漬け」となる。1個1,000円程度で購入でき、多くのサイトでネット販売もしている。「石川県ふぐ加工協会 検査済之証」の赤いシールが貼られたパッケージの封を開ければ、まず豊かな香りが鼻腔をくすぐる。米糠と魚醤が醸し出す香気は、あたかも上等なチーズのよう。まず表面の米糠をぬぐい落として表面の膜をはがせば、濃い琥珀色に染まった卵がパラパラにほぐれる。これをごはんにかけるか、箸先につけて舐めながら日本酒を味わうのが基本の楽しみ方。かなり塩がきいているので、厚さ5mmほどの小片で碗に一杯分の飯を食べられる。飯にのせて熱い茶を注ぎかけた「フグの子茶漬け」も、澄んだ茶の中で黄金色に輝く卵の一粒一粒が目に美しく、すすり込めば喉の奥で薫る。もちろん、フグの子の糠漬けは和風のみならず洋風にもアレンジできる。茹でて潰したジャガイモに混ぜ込み、酢やオリーブ油で和えれば、「タラモサラダ」風に。ほぐしたフグの子をニンニクや唐辛子とともにオリーブ油で炒め、パスタを和えれば「フグの子スパゲティ」が楽しめる。さて、乳酸菌や酵母が毒素・テトロドトキシンを分解するメカニズムは現代科学でも十分には解明されていないといい、素人が真似をするのは危険きわまりないことである。くれぐれも釣ってきたフグの卵巣を糠味噌樽や塩麹に放り込み、フグの子の糠漬けの「自作」などされないように。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月02日