セイコーネクステージの「ISSEY MIYAKE WATCHプロジェクト」から、デザイナーの吉岡徳仁氏がデザインした時計「O(オー)」の新色、グリーン・モデルが登場する。ラインナップは、ライトグリーンとグリーンの2種類で、税別価格はともに18,000円、3月11日の発売予定だ。2016年で5年目を迎える「O(オー)」は、フランス語の「水(eau)」から名付けられたシリーズ。コンセプトを「水のかたち。透明な時を刻む時計」として、透明な素材を得意とする吉岡氏がデザインしている。今回の新作は、濃淡が美しい新緑のグリーンを表現した。ケース素材はステンレススチール、バングル素材は強化プラスチック、サイズは幅33×厚さ12.1mm、重さは25g、防水性能は日常生活用防水となっている。
2016年02月13日セイコーネクステージは、同社の販売するブランドISSEY MIYAKE(イッセイ ミヤケ) ウオッチから、吉岡徳仁デザインによるシリーズ"O"(オー)の新色を発表した。発売日は3月11日。希望小売価格は1万8,000円(税別)。"O"(仏語の水=eau オー)は、「水のかたち。透明な時を刻む時計」をコンセプトに、吉岡氏が得意とする透明な素材を用い、水のように「かたち」がなく、光のように瞬間の輝きを持つバングル・ウオッチ。2011年に発売開始し、今年で5年目を迎える。強弾性のプラスチック素材を採用し、重さはわずか25gと軽量で、発売以来ジェンダーレスな提案を続けている。今回の新色は、吉岡氏のアプローチから、春にふさわしい、新緑のグリーンをイメージ。カラーはライトグリーンとグリーンの2色。吉岡氏は国内外でプロダクト、建築、空間、インスタレーションなど、幅広いデザイン分野で活躍。特に独自のデザインの手法として、素材を活かしシンプル且つ透明感あるデザインでも有名で、昨年4月の京都市街を一望する青蓮院門跡・将軍塚での「全面ガラス張りの茶室」作りで話題を呼んだ。
2016年02月08日映画『アドバンスト・スタイルそのファッションが、人生』の公開にあわせて下北沢B&Bで行われた、BEAMSクリエイティブディレクター・青野賢一さん×『東京を生きる』を執筆されたライター・雨宮まみさんのトークイベントのレポート記事をお送りします。第一回の対談記事<人の言いなりになっていたら明日死ぬかもしれない>第二回の対談記事<人は歳をとると自分自身を受け入れる。私は私どうにもならない>はこちら上質なものを長く使うのは無理…かもしれない雨宮まみさん(以下敬称略):上質なものを一生使う、という傾向が最近はありますよね。でも、クローゼットの中が上質で飽きがこないものだけで構成されてたら、私はちょっと息苦しいんです。これをずっと大切に、ずっと使わないとっていうプレッシャーを感じてしまって。いくつかは、飽きたら捨ててもいい、買い換えてもいい、というものもあって欲しいなって気持ちがあります。そのときの気分で、着たいものも変わりますし。青野賢一さん(以下敬称略):僕もお店で販売スタッフやってた頃、お客さんによく言ってたのが、「一生モノなんてほんとないですから」で(笑)ほんとにないんですよ。年齢も変わるし、メンタルもかわるし、環境も変わるし。そういうことを考えると口がさけてもいえない。でもメディアはそういうこといっていかなきゃいけないのでね。でも一生モノなんてないなってずっと思ってました。雨宮:誠実に言うとしたら、5~6年は着れますよ、ってくらいですよね(笑)。青野:そうですね(笑)結果的に一生だったらいいんですけどね。気がついたらそのくらい長く使ってるって位がちょうどいいかなと。スタイルを持つという到達点雨宮:この映画では、スタイルを持つということが一つの到達点となっていますよね。それってずっとみんなが目指していることのような気がするんです。自己啓発書を読んでも「スタイルを持つことが重要だ」と何百回も言われるけど、なかなか持てないなと感じます。青野:そもそもスタイルってどういうものなんでしょうね?流行という意味でファッションを考えるとその時その時とっかえひっかえしても、ファッショナブルだけど、それはあなたが着なくても、トレンドが担保されている状態ってことですよね。それを繰り返していくと疲れていくだけじゃない?ってことはわかるんですけどね。雨宮:そうすると、逆に「この服は私が着なかったら誰が着るんだろう?」っていうのを選ぶのはありですね。青野:なんか、服に呼ばれることってないですか?お店に行って、あれ?って。雨宮:あります。パッと見かけて「あれだ!」と思うこともありますし、プレセールで見て、さらにセールの終わりかけの頃に、何回も値札を貼り直されて70%offとかになってるどうしようもない服を、「これは私が着ないと誰も着ないかもしれない」と思って買ってきちゃうこともあります(笑)。妙に愛おしくなっちゃったりして。青野:ありますよね!お店に入って見回したら、なんかあの色のあれが気になるなって。あるんですよね。で着てみたら、やっぱりよかったって。この人しか着られないとか、着てあげないと…というのはいわゆる流行、ファッションとは違うレベルの感覚ですよね。お直しして着る服青野:あと、今年は着られなさそうな、前シーズンのものを直して着ることはありますか?雨宮:祖母が洋裁ができるので、袖を切ってもらったり、ワンピースを巻きスカートに直してもらったりはありますね。でも身近にできる人がいなければ、なかなか難しいかもしれません。自分ではせいぜい裾上げ程度かな。青野:でも、それ、すごくいいなあと思うんですよね。『アドバンスト~』のなかでもカスタマイズする人も結構いて。自分の髪の毛でつけまつげを作ったりする人とか。自分でどんどん手を入れて、ちょっと形を直せば今シーズンも着られる、服って直せるんだよってことはもっと知ってほしいですね。雨宮:そうですね、丈は直しやすいですし、ボタンを変えるのも簡単ですね。青野:ボタンは効果ありますね!雨宮:あと、アクセサリーも簡単なものなら、今はすごく作りやすくなってますね。パーツ屋さんが増えて、イメージに近いものを作りやすい。そういう工夫はしやすいですね。青野:それが、既製服をより自分の方に引き寄せることになりますよね。それこそがファッションがスタイルになっていく、一つの契機だってことはあると思います。正解が狭まる怖さ青野:これってどういうふうに着るんですか、何に使うんですか?っていう質問はお店でもよくあるんですが、そんなの好きにやればいいじゃん、って僕は思ってしまうんです。どう使えるかっていうよりは、これこういう風に使えるじゃんとか、柄が気に入った布があったとしたら、シャツ、ワンピ、カーテン、テーブルクロスでも、色々できるんですよね。でも、「これはどういうもの?」と聞いてしまうと、物の可能性をどんどん消していってしまってもったいないなって。雨宮:正解が欲しいんですよね。「あの人、テーブルクロス巻いてるんじゃない?」とか「後ろ前を逆に着てるんじゃない?」と思われたくないって気持ちが強い(笑)。誰が見ても、「あの着方で正しいんだな」っていう答えが欲しいなという気持ちは、私にもあります。青野:なるほど。今親切な世の中だから、これはこうしてください、とだまってても何でも進んでいくということはすごく多いと思うんですけど、そこで失ってきてしまった視点の多様性っていうものも復権するとよさそうだなと思います。雨宮:そうですね、自分にとって少し謎なものに挑戦したりするのも重要ですね。私、最近大きい花瓶を買ったんですけど、ハイビスカスの模様がついてるんですよ。 これ、どうしようと思って。ハイビスカスを活けるのも変な気がするし、ハイビスカス以外は合うのかな?とも思うし。どうしろっていうんだろうと(笑)。でも意外に使うのが楽しいんです。私の場合はこうやって使った、ということでいいんだろうなと。うまくいくと嬉しいんですよ。失敗しても、部屋の中のことですし。青野:服の着方も結構似ていますね。僕、よくやるのが、家から近所のスーパーにいくときに、この組み合わせやってないけどやってみようって10分だけその恰好でいくんです。それで、歩いてて嫌な気分じゃなければ、これいけんのかな?ってなります。電車乗っちゃうと最後って感じするじゃないですか。雨宮:(笑)。そうですね、気心の知れてる人がいるときに着ていったりするのもいいですね。変だったら容赦なくツッコまれるような関係の人たちとの飲み会とか、実験の場にはちょうどいい。人との関係性の中で楽しむ服雨宮:私は、すごく派手な格好をすることに少し怖さを感じてるところがあるんです。でも、私のように「できない」と感じてる人が多いからこそ、こういう本(『アドバンスト・スタイル』)が何度でも世の中に出てきてくれるんだなと思います。青野:特に日本だとロールモデルみたいなのが求められるじゃないですか。だから、単純に憧れをもって、めざすものがあるのは必ずしも悪いことじゃないなって。最後にですが、今、せっかく服が好きで好きなように着られるんだったら、憧れを持つのもいいし、シンプルに楽しんで制約なく服を着れたらいいなあって思います。僕は誰と会うとかってことを大事にしているので、派手な方向に振り切ることは中々ないんですが、人との関係性の中でファッションを楽しみたいですね。雨宮:コミュニケーションとしての服ですよね。私もそういう風にも楽しんでいけたらいいなと思っています。―それでは、今日はありがとうございました。
2015年09月02日映画『アドバンスト・スタイルそのファッションが、人生』の公開にあわせて下北沢B&Bで行われた、BEAMSクリエイティブディレクター・青野賢一さん×『東京を生きる』を執筆されたライター・雨宮まみさんのトークイベントのレポート記事をお送りします。第一回の対談記事<人の言いなりになっていたら明日死ぬかもしれない>はこちら路上で知らない者同士がとるコミュニケーション青野賢一さん(以下敬称略):東京は、全然知らないもの同士が路上でコミュニケーションすることって、スナップ撮らせてください、位しかないですよね。雨宮まみさん(以下敬称略):海外だと、すれ違うときに普通に「その服素敵ね」とか言う人、いますよね。日本ではあんまりないですが、たまにお歳を召した方に「その帽子いいわね、どこで買ったの?」とか、普通に訊かれることもあったりして。そういうの、言えるといいなあと思うんです。自分も素敵な人に「素敵ですね」とただ言いたいときがあるんですが、不審者と思われるのが怖くて。青野:ガードが固い感じですよね。街を歩いている時でも、なるべくそういうものを遠ざけたいというか、面倒くさいものを避けたい気持ちは確実にありますよね。雨宮:ただ一言、賞賛したいだけなんですけどね。でも、そういう声のかけ方に慣れてないので、どうしても不自然になりそうです…。青野:そこで、うまく伝わればいいんですけどね。なんて一言目にしようとか考えちゃう(笑)。『東京を生きる』著者:雨宮まみ(大和書房)雨宮:『東京を生きる』でも書いてるんですけど、たまに本当に素敵な人を見かけることがあって、そのコーディネートやその人の佇まいをしっかり見たくて、しばらくそっと追いかけちゃったりすることがあります。ほんとは写真撮りたいくらいなんですけど…。我慢して、目に焼き付けてます。青野:本の話が出ましたね。今、雨宮さんが目に焼き付けるといいましたが、ぼくは『東京を生きる』を読んで、あなたの目線の強さというか、見る力がすごいなと思って読んでいたんです。なんでもない景色に関するディテールの言及の仕方とか、人の姿を見る視点がすごいなと。だから僕も今日気が抜けない感じで(笑)。それは自意識過剰かもしれないけど、そう思ってしまうほど、目の力が凝縮されている本だなって。雨宮:見るのは確かに好きなんですよね。でも、自分の見たものの中からいいものを選べるかというとそうでもなくて、たくさん見ていると、どれもいいと思ってしまうんです。東京って、本当に色んなスタイルがあって、家具や服、全てにいい物があるから、高いものも安いものも、北欧もアンティークもいいなとか思っちゃって。でも、それぞれはセンスのいいものでも、ごちゃごちゃに置いて合うわけじゃないんですよね。ふと振り返ると、だいたいごちゃごちゃになっているので、『人生ががときめく片付けの魔法』を再読しては、捨てに捨てまくったりしてます(笑)。そういう人、すごく多いと思います。日本の褒め言葉「かわいい」の相容れなさ雨宮:『アドバンスト・スタイル』のような世界観が、東京で成立しない理由のひとつとして、『女の子よ銃を取れ』という本でも書いたんですが、日本では「かわいい」っていう褒め言葉がすごく強いんですよね。「かわいい」って、年齢を重ねていくこととは相容れないじゃないですか。「かわいいおばあちゃん」みたいな言い方もあるけど、ちょっとバカにしてるところがある気がして、私はあまり好きじゃないんです。かわいいかかわいくないかしかないのかな、と思ってたときに、「ティムガンのファッションチェック」という、素人が変身していく番組を見たんです。そしたら褒め言葉がすごく豊富で。「存在感がある」「すごくシックだね」「ゴージャスだよ」とか…。「かわいい」とか「きれいだね」はほとんどなかった。こんなにたくさんの褒め言葉があるのに、なぜ「かわいい」だけになってしまうんだろうって、褒め言葉の貧しさを感じてしまいました。「かわいい」以外にも、自信を持たせてくれる言葉はたくさんあるのに。青野:かわいいといっときゃ、何か伝わっている気がするみたいなのはありますね。雨宮:どんなに褒められても、「かわいい」と言われないと不安になる気持ちも正直あります。「かわいい」と言われることが好意の証、みたいに思っちゃうんですよね。青野:すごくレンジが広い言葉ですよね。なので、便利な言葉というところはあるかもしれません。雨宮:ちょっと褒める時に、ほとんどその言葉でまかなえるので、豊かな言葉ではあるんですけど、歳を取るとやっぱりかわいいと縁を切らなきゃならなくなるっていうことがすごく恐怖で。でも『アドバンスト~』のこういう形で美しく着飾っている人を見ると、かわいいとかにこだわってる場合じゃないよなって。元気付けられます。力強いですね。青野:パワフルですよね。白いフリルのついた傘が映画に出てくるんですけど、可愛いという言葉で表現されるような小物でも、たとえば違うスタイリングをしたら、また違う存在感や価値を与えられる。どういう風に組み合わせるか、ということで「かわいい」ではなく、スタイルが生まれるってことはありますね。必ず読み返す『エレガンス』という本雨宮:『エレガンス』というイギリスの小説があるんですが、美から遠ざかっていたアメリカの女性がイギリスに移住して変わっていくというお話なんです。元気がないとき、必ず読み返す本で。ある時、彼女がアスコット競馬に行くための帽子を買うことになって、他の人たちと同じような、ツバの大きい派手なものを買おうとするんですけど、そこへ通りがかった素敵なマダムが「あなたにはそれお似合いにならないわ。もっと小さくてベールのついた帽子が似合うわ」と言うんです。彼女には本当にその帽子が似合ってしまう。でも、「周りから自分は浮くのではないか?」と不安を口にすると、「溶け込むのは女学生まで。人と違うことは罪ではないのよ、財産です」と言われる。まるで日本のようなシチュエーションだなと思ったんですが、イギリスでもこういうことはあるんだなと。文化の違いはあるでしょうけど、特に『アドバンスト~』の映画を観ていると、ニューヨークだからみんなが自由に生きてるって訳ではなくて、やっぱり戦って得てきた自由であり、個性なんだなと感じました。青野:素敵な本ですね。似合うでいうと、歳を重ねたからこそ似合ってきたものってあったりしますか?雨宮:シンプルな服ですかね。似合うというか、昔はとにかく飾りがついているものがおしゃれだと信じてたので、シンプルなのが着れなかったんです(笑)。あと、失敗を繰り返してきた分、似合うものはわかってきたのですが、似合うものも少しずつ変わっていくので、安全圏から半歩出るようなものを選びたいなと。青野:やっぱりそういう積み重ねみたいなものがありますよね。映画に出てくる方々って私たちよりもっと積み重ねがある方ですから、ただ、自分が着心地が良いとか似合うだけじゃなくて、さっきおっしゃったように半歩でて、少しづつアップグレードしてこられた感じが、服だけじゃなく、発言からも感じられますよね。雨宮:そうですね、センスは別に最初からあるものじゃなくて、磨いていけるものだっていうセリフも映画内でありましたもんね。青野:やっぱり突然変異でここにはやってこないですよね。僕は今47歳なんですけど、昔はベージュが似合わなくて全然着られなかったんです。でも今は髪が結構白くなってきて、そうなってくると、突然着られるようになってくる。そういう体験があるので、この歳になってから着られないものって当然あるんですけど、この歳になったから、着られるものもあるんだなぁって。雨宮:歳をとって自分の見た目がフレッシュさを失った時こそ、派手な服を着ると、明るさが足されていい感じになったりしますよね。若い頃に着たら過剰だった服が、歳を取ると以外に似合ったり。青野:若い人がパンとしてて派手なのは、まぶしくて見てられないことはありますね。雨宮:まぶしくて見てられないって(笑)。私、「人は歳をとると自分自身を受け入れるようになるわ、私は私、どうにもならないでしょ」っていうセリフがすごく好きで。私自身、自分を受け入れるのに時間がかかったタイプで、やっと受け入れることができても「今朝のこのほうれい線は受け入れられない…」とか思ったりして(笑)。受け入れないといけないものはどんどん増えていくんですよね、でも同時に、受け入れるとどんどん軽くなる気がしています。【次回に続きます。お楽しみに!】
2015年08月27日今回は、映画『アドバンスト・スタイルそのファッションが、人生』の公開にあわせて下北沢B&Bで行われた、BEAMSクリエイティブディレクター・青野賢一さん×『東京を生きる』を執筆されたライター・雨宮まみさんのトークイベントのレポート記事をお送りします。映画『アドバンスト・スタイルそのファッションが、人生』とは?NYの街角を闊歩する、over 60のおしゃれな女性たちを紹介したファッション・ブログ「Advanced Style」。このブログからはじまった写真集は世界中でベストセラーとなり、ついには映画公開となりました。ブログにも登場するエレガントな七人を四年間にわたって密着した、素敵なドキュメンタリー映画です。人のいいなりになっていたら明日死ぬかもしれない青野賢一さん(以下敬称略):そもそも僕らはなぜここにいるのか、の話からしましょうか。雨宮まみさん(以下敬称略):私は、Numéroという雑誌で、『アドバンスト・スタイルそのファッションが、人生』に関して、一ページ映画評を書かせていただいたんですよね。青野:僕は、劇場用パンフレットにエッセイを書いたり、雑誌『装苑』でやはり映画にまつわるエッセイを書かせていただいたり。そういうことで私たちは座ってます。まずは、『アドバンスト・スタイル』に対する率直な感想としては、「いくつになってもファッションっていいよね」っていう当たり前の話は大前提として、出演者が歳を取っていくことに関するシークエンスが印象的でした。雨宮:そうですね。本当に生きること、装うことが戦いというか、今、人のいいなりになっていたら明日死ぬかもしれない、という切実さが感じられました。そういうことが老いを通じて伝わってくるように描かれていましたね。青野:舞台であるニューヨークと日本を置き換えるとまた違うところがあるかもしれませんね。ファッションと自分の関係性というか、ニューヨークだからこそ成立することもあります。雨宮:ありますね。出演者の有名ファッションブロガーが歩いているときに、「あなた有名人でしょ!知ってる!一緒に写真撮ってー!」って気軽に声かけるノリは、東京じゃあまりないなと。あと、『アドバンスト・スタイル』はブログから出発していますが、そういう新しいものが出てきたときに、認められるスピードもとても速いですよね。私は『アドバンスト~』の写真集を知った頃に、ちょうどL’idéalというブログを見つけたんです。まさに『アドバンスト~』の日本版のような感じで、本当に素敵で。皆さん、奇抜すぎず上品で、本人にとても似合った服装をしてらっしゃるし、パーフェクトだからどこにいても違和感がないんです。かといって周りには埋没していなくて。打ち破る人の価値雨宮:私の祖母もこの『L’idéal』を写真集(『Over60 Street Snapいくつになっても憧れの女性』)で見ていて、とても喜んでましたね。祖母は福岡に住んでいて、おしゃれで、マリメッコとかも好きなんです。でも、「こんな派手な花柄のバッグ持ってたら、ついにボケたと思われるから」と言って買わなかったり、コムデギャルソンの金色の財布を持ってるんですけど『カラスに襲われる』とか言って、滅多に使わなかったり。私が銀色のクラッチを持ってたら『そんな目立つバッグ持ってたらひったくられるから、エコバッグに入れなさい』とか言うんですよね(笑)。やっぱり上の世代の方は打ち破るのが大変なんだなと思います。だからこそ打ち破ってる人の姿には価値があるなって、L’idéalをみて感じました。福岡といってもうちは田舎のほうですし、もっと都会のほうだったり、関西のように違う文化圏だとまた違ったりするんでしょうけどね。青野:そうですね。ちょっと失礼ですけど、「大阪のおばちゃんの代名詞はヒョウ柄」みたいな言い方されますよね。ビームスで89年頃に大きな店が大阪にできたんです。その時の商品の配分を思い出すと、同じブランドの中でも、やっぱり大阪用はめっちゃ派手な服ばっかりで(笑)。もちろんちゃんとそういうのが売れるお店とお客さんの関係性っていうのがあるんですが。雨宮:大阪に行くと、派手なものに対して躊躇しない姿勢が気持ちよく感じるんです。むしろ、地味で目立たないものなんか買っても意味ないじゃん、ぐらいの感覚がありますよね。でも、東京では目立つものに手を出すのに躊躇しちゃう。自分も人も、他人の視線に怯えてるな、って感じることはあります。青野:特にリアルな場面とか、対面する場だと過剰にそういうのがありますね。ただ一方で、インスタグラムとかであれば逆に個性を全面に出していく。そのアンビバレントなところの面白さは現代にあるなと感じます。埋没しないファッションって?『東京を生きる』著者:雨宮まみ(大和書房)雨宮:青野さんはお仕事柄、ファッションには気を遣われていると思いますが、埋没しないようにとか、逆に浮かないようにとか、そういうことは考えます?青野:僕はそんなに考えてないかも。一番重要なのは今日誰と、どんな場所で、ってことかなあ。人は特に大切ですね。 短パンはないだろうとか。今日だったら、この作品に出てくる人と派手さで同じ土俵には立てないし。だから落ち着いたカラーかな、でもネクタイはちょっと下北沢の場所的に違うかな、じゃあドットのスカーフでも垂らそうかな、とかそういうのが楽しめるタイプなので、それは考えます。埋没、溶け込むかとかは考えないかな。雨宮さんはどうですか?雨宮:例えばですけど、オープニングパーティ、レセプションパーティー、とか言われるともう身構えますね(笑)。「パーティー」って、みんなどれくらいのテンションでキメキメで来るのか教えて欲しいんです。行き慣れてないと、わからない。青野:ああいうのは一番難しいですね。大体、和装でくる方は何人かいますよね。鉄板だし別の世界にいってる感じもあるし。でも、あれはあれでずるいなと僕は思っちゃうんですけど(笑)。雨宮:和装は逃げ…!(笑)私の研究によると、文化系の女性には和装逃げに走る人と、チャイナ逃げに走る人がいるんですよね。私はチャイナ逃げ派なんですが…。知性もありつつ個性も見せつつ、なおかつ格式もあるというのが可能かなあ、と自分では思っているんですが…(笑)。アイコニックなものは落ち着けない青野:ファッション系の催しだと、特に女性はハイブランドの人も多いですよね。あえてそっちに突っ込んでいったりすることもありますか?雨宮:正真正銘のハイブランドは、正直買えないです。でも確かに、試写会なんかでもファッション誌の方はすぐわかりますね。最新のアイコン的なものを必ず一つは身につけていらっしゃるので、これがファッション誌の世界なんだなぁとはよく感じます。青野:でも、そういうところでいうと、ぼくはアイコニックなものは敬遠してしまうタイプかもしれません。悟られたくない気持ちが、少しあって。そういう感じで服を着るのって自分に関していえば全然落ち着けないんですよね。ロゴが入っているものも興味ないですし…。ロゴものを、本気で着てるとちょっときついじゃないですか。雨宮:(笑)。 本気で着てるかどうかの区別は、仲良しじゃないとわからないですもんね。この人は洒落で着てるんだなぁとか、友達はわかってくれても、知らない人が見ればただのロゴ好きな人に見えちゃう。青野:ロゴものは難しいところですよね。わかりやすいんですけど、逆にそれが足かせとなってしまったりして、どっちもどっちみたいなところがあるかなと思います。【次回に続きます。お楽しみに!】
2015年08月19日佐賀県・佐賀市の佐賀県立美術館は、デザイナー・吉岡徳仁の代表的な作品群を展示する「吉岡徳仁展トルネード」を開催している。会期は8月2日まで(月曜休館、ただし月曜が祝休日の場合はその翌平日休館)。開館時間は9:30~18:00。観覧無料。同展は、吉岡氏の九州初の個展で、代表作のひとつであるインスタレーション「TORNADO」などを展示するもの。「TORNADO」は200万本を超えるストローによって作り出される巨大な竜巻で、空間と響き合いながら生み出すハーモニーを楽しむことができる。また、2002年に発表し世界の注目を浴びた紙の椅子「Honey-pop」、パリのオルセー美術館に常設展示されているガラスのベンチ「Water Block」、自然構造によって生み出された結晶の椅子「VENUS」など、代表的な作品群も併せて展示される。そのほか、関連企画として、吉岡氏によるギャラリートークが開催される。開催日時は7月2日13:30~。なお、吉岡氏(佐賀県生まれ)は、アート、デザイン、建築など幅広い領域において自由な着想と実験的な創作から生まれる作品により、世界に最も影響を与える創り手の一人として、国内外で高く評価されている。これまでISSEY MIYAKEをはじめ、SWAROVSKI、Cartier、LEXUS、など、ワールドブランドのデザインプロジェクトを手がけ、イタリア・ミラノで開催されるミラノサローネでは、カルテル、モローゾ、ドリアデ、カッシーナ、グラスイタリアなど、ファニチャーブランドとのコラボレーションでデザインを発表してきた。数々の作品は、ニューヨーク近代美術館(MoMA)、ポンピドゥー・センター、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館、クーパー・ヒューイット国立デザイン博物館、ヴィトラ・デザインミュージアムなどの世界の主要美術館で永久所蔵品に選ばれているということだ。
2015年07月09日セイコーネクステージは6月下旬に、同社の「ISSEY MIYAKEWATCH プロジェクト」から、吉岡徳仁氏デザインの新シリーズ腕時計「V(ヴィ)」を発売する。3モデルを用意し、税別価格は40,000円または43,000円。ISSEY MIYAKEWATCH プロジェクトは、ISSEY MIYAKEプロデュースのもと、デザイン界を代表するデザイナー達が参画しているウオッチ・プロジェクト。今回の新作「V(ヴィ)」は14作目の新シリーズで、吉岡徳仁氏とのコラボレーションとなる。「V(ヴィ)」は、時計のバンドからデザインを発想したブレスレット・ウオッチ。ランダムな模様を形作る金属の筒から断ち切られた、美しいリングのイメージから生まれた。女性でも男性でもアクセサリーとして使えるモデルに仕上がっている。ランナップと税別価格は、グレーカラーの「NYAC001」とシルバーカラーの「NYAC002」が40,000円、ブラックカラーの「NYAC003」が43,000円。いずれも、ケースとバンド素材はステンレススチール、ガラス素材は無機ガラス、ケース外径は16.2mm、厚さは6.3mm、重さは73g、防水性能は3気圧となっている。
2015年04月02日『るろうに剣心』で相楽左之助役として人気を博す青木崇高が、吹石一恵と共演を果たすドラマ「ママとパパが生きる理由。」(TBS)。この度、吹石さんと青木さん夫婦の子どもたちの役に、『八日目の蝉』「明日、ママがいない」の渡邉このみ、「とんび」で注目を浴びた五十嵐陽向の出演が決定した。芽生著の「私、乳がん。夫、肺がん。39歳、夫婦で余命宣告。」(大和出版)を基に日々の生活に追われる大人にも、これから成長する子どもたちにも、かけがえのない“命と家族”の大切さを伝えていく。原案は、著者ががんになった2012年から、闘病や家族のことについて書き綴ったブログが話題となり、そのブログの内容をまとめたものだ。幼い子ども2人を持ちながら乳がんになってしまう主人公・吉岡柊子を吹石さん、柊子の乳がん発覚後に自身も肺がんの告知を受ける柊子の夫・吉岡賢一役に青木さんが好演する。そしてママとパパが大好きで、弟がかわいくてたまらないしっかりもののお姉ちゃん役にはこのみちゃん、吉岡家の長男でかわいい盛りゆえ、溺愛の的なる弟役に陽向くんが演じることになった。このみちゃんは共演者について「吹石さんと共演するのが2回目で、『お母さんが良かったね』って言ってくれて、このドラマ以外にもまた一緒にお仕事をしたいなと思っています」とコメント。陽向くんは今回の抜擢に「ゆうくんは、ママとパパが大好きなので、役になりきってがんばります!お姉ちゃんがこのみちゃんだって分かって、一回会ったことあるから嬉しいです!」と意気込みを語ってくれた。母親役の吹石さんは「子どもの役がこのみちゃんとひなたくんに決まったと聞き、4人で揃う前からすごい家族になりそうだなというすごい自信がありました。今日1日ですけど、こうやってそろって改めて、この4人ならいろんなことを乗り越えられる家族になると思いました」と語った。青木さんは「今日、4人初めてそろって会ってすごく幸せな気持ちなんですよ。台本を読んだときは、まだ会う前だったので…。ここまで幸せな気分になる前に読んだので、今日この状態を知ってしまってもう一回読んだら読み方がかわってしまいとてもつらくなると思います。でも、そこから生まれるエネルギーがあると思うんですよ。絶対がんに負けない、この子達にちゃんと生きている姿を見せるという強いエネルギーが出ると思います」と“家族”が揃った喜びを実感したようだ。9月末日、SPOT&ポスター撮影のため初めて家族4人で顔を合わせた際、9月28日に32歳になる吹石さんのバースデーを祝い、初日で家族の絆を深めたそう。吹石さんと青木さん、このみちゃんと陽向くんが、夫婦で余命を宣告されてもなお夢を持ち、ユーモアを忘れず、強い愛に満ちた“家族”をどう演じるか注目したい。ドラマ「ママとパパが生きる理由。」は11月20日(木)よりTBSにて21時から放送。(text:cinemacafe.net)
2014年09月30日作家・演出家・翻訳家の谷賢一が立ち上げたユニット「テアトル・ド・アナール」は、これまで、第1回公演で“脳科学”を、第2回公演で“哲学”を素材にしてきた。第3回公演の『トーキョー・スラム・エンジェルス』で、谷が俎上にするのは、“資本主義経済”。南果歩を主演に迎え、そのテーマはどんな演劇に立ち上がっていくのだろうか。テアトル・ド・アナール チケット情報第3回公演で“資本主義経済”を選び、南果歩を迎えることになった経緯を、谷賢一はまずこう語る。「世界のほとんどの国が資本主義をベストな形態だと思って動いてきたけれども、ここ5年ぐらい、そのひずみが見えてきた。日本でもたとえば格差が広がってますよね。じゃあ、自分は何のために働き、その経済活動はどういう意味を持っているんだろうと、経済に興味が湧いてきて。そのときに、“女の金儲け”という言葉が浮かんできたんですが(笑)、女性から見たお金という価値観が入ると、お話が膨らむなと思ったんです」。それに対し、証券会社で成功を手に入れた女性を演じることになる南もこう応える。「女性には男性よりも、家庭のこととか、仕事以外に自分を引っ張るものがある。だから、証券会社で“女の金儲け”をしてたとしても(笑)、男性とは違うお金との関係が描かれるんじゃないかなと、楽しみにしているんです」。物語の舞台となるのは、2020年の東京オリンピック景気も過ぎ去った、少し未来の日本。スラム化が始まりつつある東京の一角に住む低所得者層と、南演じる高所得者層の異なる世界が描かれる。「オリンピックが決まってから、みんな2020年を目標に生きているところがあるなか、その先を見ようとしている谷さんはやっぱりおかしい(笑)」と笑う南だが、その谷の視点と、「演者に1対1で対峙して情熱を注ぐ濃い稽古」に信頼を置いているそうだ。谷にとっても南は、「自分から何でもやろうとし、役作りも自分で研究して、きちんと演劇をやろうとしている頼りになる人」である。この取材でも、谷の話をしきりにメモしていた南の姿があった。その誠実さは、経済というテーマを実像に落とし込む困難な作業にあたっても、力となるだろう。「経済というと堅苦しく思えますが、青山円形劇場という客席とステージが近い場所で演じることで、それが人間の営みであり、人の喜怒哀楽や愛情や失望に結びついているということが、息遣いで伝わるんじゃないかなと思ってるんです」と谷。その目論みの成就が早くも浮かぶ。公演は11月14日(金)から24日(月・祝)まで東京・青山円形劇場にて。チケットの一般発売は10月4日(土)午前10時より。なおチケットぴあではインターネット先行抽選を実施中、10月2日(木)午前11時まで受付。取材・文:大内弓子
2014年09月29日JR北海道はこのほど、今年3月15日で廃止となった吉岡海底駅と竜飛海底駅を振り返る記念サイト「青函トンネル 吉岡海底駅・竜飛海底駅よ、永遠に」を公開した。両駅では一般公募した記念ボードが廃止後も保存されるため、その様子を動画で公開するという。動画の公開は4月中旬の予定。JR北海道が募集し、吉岡海底駅に設置されている「アートメモリアルボード」「メモリアルフォトボード」と、「美しい日本語を伝える会」が募集し、竜飛海底駅に設置されている「メモリアル俳句ボード」の様子が収められる。また、記念ボードの写真データ送付サービスも行う。両駅に保存されている記念ボードを応募した本人、または応募した人の名前や当時の住所・電話番号がわかっている場合に限り、同サイトを通してデータの取寄せを依頼することが可能だ。同サイトではその他、青函トンネルのあらましや構造、これまでの歴史、および両駅の歴史や概要なども紹介されている。
2014年04月02日一夜の乱交パーティの模様を描いた映画として注目を浴びる『愛の渦』の完成披露試写会が2月18日(火)に開催。主演の池松荘亮、門脇麦に滝藤賢一、柄本時生、三浦大輔監督らが作品の魅力を語った。三浦監督が舞台で上演した自らの戯曲を映画化。ただセックスだけを目的に集まった男女のむき出しの人間模様を描き出していく。123分の本編中、着衣時間はわずか18分という過激さが話題となっているが、池松さんは見どころを問われると「卑猥なことしか思い浮かばない!」と苦笑いしつつ、「女性陣の体じゃないでしょうか(笑)?」とストレートに語る。昨年のドラマ「半沢直樹」で人気が急上昇した滝藤さんは、開口一番「4月クールのドラマの主役が決まりました!だからなんだって…(笑)?」と映画と全く関係ないアピールで笑いを誘い、作品について「金メダルの羽生(結弦)くんのような美しさがあり、銅メダルのラージヒル日本チームのようにチームワークの良かった作品です。僕たちにとっては間違いなく金メダル」とソチ五輪にちなんだノリノリのコメント。これから映画を鑑賞する観客に「ムラムラすると思うけど、ここでヘンなコトするとヘンなコトになるので(笑)、家に帰ってから自分で処理してください!」と映画開始前から卑猥な言葉で会場を沸かせていた。柄本さんはまだ完成した映画を観ていないと前置きしつつ、「女の人たち(三津谷葉子&中村映里子)が裸で罵り合ってるのを予告編で見ました。バカみたいで笑えそう」と楽しそうに語っていた。ぽっちゃり体型の信江勇は見どころとして「男性キャストとスタッフを魅了した私のヌード!」と自信満々に語り喝采を浴びる。三浦監督は映画について「『テラスハウス』みたいな映画ですって言えと言われてるんですが…(苦笑)」と明かし、「過激な言われ方をしてますが、人が本質的に持ってる“スケベ心”を描いただけ。デートムービーと思ってます。ちょっとでもこの作品が爪跡を残すことができれば、面白いことになるなと思ってます」と観客の反応を心待ちにしていた。最後に、マイクを握った門脇さんは「撮影が終わった後、私も乱交パーティに参加していたかのような変な感じがありました。ドキュメンタリーのようにみんな、むき出しになっていき、乱交パーティを覗いたり、参加したりしているような気持ちで見られる面白さがあると思います」としっかりと作品の魅力を訴えた。『愛の渦』は3月1日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:愛の渦 2014年3月1日よりテアトル新宿ほか全国にて公開(C) 2014映画「愛の渦」製作委員会
2014年02月18日映画『バイロケーション』の完成披露試写会が14日、都内で行われ、キャストの水川あさみ、滝藤賢一、酒井若菜、浅利陽介と安里麻里監督が出席した。法条遥の同名小説が原作の同作は、"もう1人の自分"であるバイロケーションに命を狙われるサスペンス・ホラー作品。覚えのない偽札使用の容疑をかけられた桐村忍(水川)は、刑事の加納(滝藤)からバイロケーションの存在について聞かされる。突如現れ凶暴化していくバイロケーションに、忍たちは追い詰められていく――というストーリーで、映画はエンディングが異なる2作品("表"は18日~、"裏"は2月1日~)が全国公開される。オリジナルとバイロケーションの2役を演じた主演の水川は、「1人の役を演じ分けるので、私が私と対峙する時も、1人でやらなきゃいけない。複雑だったけど、貴重な体験でした」と初体験に刺激を受けた様子。また、狂気じみた役を熱演している滝藤は、「普段は3人の親なのでとても穏やかなんです」と釈明しつつ、「(狂気を)見るのも演じるのも好きなので、とても楽しくやらせてもらいました」と満足げに語った。イベントでは、「痩せすぎ!」と水川に突っ込まれた滝藤が、「病気じゃない。役づくりだから心配しないで!」と返して笑いを誘い、巨大なマイクに「ツボにはまっちゃった」と笑いが止まらない酒井につられて水川も爆笑するなど、和気あいあい。最後は、集まった観客の多数決で"表"と"裏"のどちらかを上映するという企画も行われ、「観終わった後の気分が全然違う。個人的には"表"が大好き」(安里監督)、「終わってもモヤッとする"表"が好き」(水川)というアピールによって、試写会では"表"が上映された。
2014年01月15日前作から5年ぶりとなるシリーズ最新作『ALWAYS 三丁目の夕日’64』の完成披露舞台あいさつが8日にTOHOシネマズ六本木で行なわれ、主演の吉岡秀隆、堤真一、小雪、堀北真希、もたいまさこ、薬師丸ひろ子、須賀健太、小清水一揮ら出演者と、脚本&VFXも手がけた山崎貴監督が登壇した。その他の写真『ALWAYS 三丁目の夕日…』は、昭和39年(1964年)、オリンピック開催を目前に控えた東京を舞台に、下町で暮らす人々の人間模様を描いたシリーズ第3弾。前2作では、昭和30年代の風景をVFX技術を用いて再現したが、今作ではさらに3D化を試みている。吉岡は「大変長らくお待たせしました。“ALWAYS”史上最高の作品がようやく出来上がりました。多くは語りません。三丁目に行って元気を出しましょう」とあいさつ。小学生だった前作から高校生として登場する須賀が「作品と一緒に成長してきたような気持ちです」と話すと、吉岡と堤は「本当に大きくなって、しっかりとあいさつできるようになって、頼もしい」と成長を喜んでいた。「最初から最後まで臨月というなかなかない役だった」という小雪は、実際に現在妊娠9ヶ月を迎える。「作品を通して、腰痛など疑似体験ができた。想像でしかわからなかた部分を今、ヒシヒシとリアルに感じています」とニッコリ。「出産予定日も公開日のあたりなんだよね」と山崎監督が明かすと、場内からは拍手が起こった。劇中でウエディング姿を披露しているという堀北は「実際に着たときは、みんなの目が『もう行っちゃうの?』という雰囲気で、たくさんのお父さんに“ありがとう”を言うような感じでした」とコメント。堤は「8年前から六ちゃん(掘北)を見てきたわけですから、彼女の横にいる男を見ているだけでムカムカした」と語り、笑わせていた。「撮影の終わりかけに震災があって、続けていいのかと悩みました」と山崎監督は明かし、「おこがましいかもしれませんが、この時期を選んで生まれてきたような作品。“本当の幸せって何だろう?”と、もう一度考え直すきっかけにしてほしい」と語った。『ALWAYS 三丁目の夕日’64』2012年1月21日(土)全国東宝系ロードショー
2011年12月08日