共演に梅若万三郎・観世銕之丞・梅若紀彰・野村万作・野村萬斎ほか青木一郎/青木健一/一樹会主催、『青木響平初舞台 青木健一独立十周年記念 一樹会』が2022年6月12日(日)に国立能楽堂(東京都渋谷区)にて開催されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて発売中です。カンフェティにてチケット発売中 ★カンフェティ限定割引チケットあり公式ホームページ 一樹会Twitter(@ichijyukai_noh) 能楽青木家として新たなる門出を記念する公演!《響平3歳の挑戦》青木健一の長男響平が3歳で初舞台を踏む。父の初舞台は4歳で仕舞「老松」…、はたして響平は無事に勤めきれるか?こうご期待!《健一、道成寺へ再挑戦》満を持して健一が道成寺に再挑戦!今回は特殊演出にて演じられるスペシャルバージョン。美しくも儚い情念をどのように演じるか必見です。主な出演者…梅若万三郎・観世銕之丞・梅若紀彰・野村万作・野村萬斎一樹会一樹会はシテ方観世流能楽師 青木一郎・健一が主催する演能団体です。前身となる青木一郎能の会を令和元年に改編し、都内を中心に能楽の演能および普及活動を行っています。開催概要『青木響平初舞台 青木健一独立十周年記念 一樹会』開催日時:2022年6月12日 (日)午後1時開演(終了予定4時)会場:国立能楽堂(東京都渋谷区千駄ヶ谷4-18-1)【番組】仕舞「老松」:青木響平地謡:青木一郎、青木健一仕舞「菊慈童」:青木一郎地謡:梅若紀長、中村裕、長谷川晴彦、梅若久紀、梅若紀佳仕舞「難波」:梅若万三郎「花筐 狂」:観世銕之丞地謡:梅若紀彰、伊藤嘉章、八田達弥、古室知也、梅若志長狂言「二人大名」シテ(大名):野村萬斎シテ(通りの者):野村万作アド(大名):野村裕基後見:月崎晴夫独吟「笠之段」:梅若紀彰解説 武蔵野大学教授武蔵野大学能楽資料センター長:三浦裕子能「道成寺 赤頭 中之段数躙 無躙之崩 五段之舞」前シテ(白拍子)後シテ(蛇體):青木健一ワキ(道成寺住僧):野口能弘ワキツレ(従僧):野口琢弘、則久英志オモアイ(能力):野村太一郎アドアイ(能力):石田淡朗笛:一噌幸弘小鼓:久田舜一郎大鼓:大倉正之助太鼓:小寺真佐人後見:梅若万佐晴、加藤眞悟、梅若泰志地謡:青木一郎、西村高夫、伊藤嘉章、八田達弥、遠田修、長谷川晴彦、古室知也、梅若志長鐘後見:観世銕之丞、清水寛二、観世淳夫、安藤貴康、梅若久紀狂言鐘後見:野村裕基、中村修一、内藤連、飯田豪■公演スケジュール【番組】1時仕舞「老松」仕舞「菊慈童」仕舞「難波」仕舞「花筐 狂」1時15分頃狂言「二人大名」(30分)1時45分頃独吟「笠之段」(5分)―休憩15分―2時頃解説(20分)2時20分頃能「道成寺 赤頭 中之段数躙 無躙之崩 五段之舞」(100分)終了予定4時■チケット料金(前売)S席:11,000円A席:9,000円B席:7,000円D席:3,000円(全席指定・税込)【カンフェティ限定】B席:7,000円→ カンフェティB席:6,000円!C席:5,000円→ カンフェティC席:4,000円! 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年05月14日NHKで放送中の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(毎週日曜後8:00NHK総合ほか)。前回(第16回)でこの世を去った木曽義仲(青木崇高)の幼なじみ・巴御前を演じた秋元才加が、巴の“眉”について作者の三谷幸喜氏から提案があったことを明かした。今月24日、義仲ゆかりの地、富山県小矢部市で行われた同ドラマのトークショーに、義仲役の青木と巴役の秋元が登壇。そこで秋元は、本作の巴御前について、「とりあえず眉毛(笑)。衣装合わせももちろんそうだったんですけど、その前に巴のこの一本眉をどうするかというのを、本当に20~30人ぐらい、演出陣やスタッフさんが真剣に私の顔を見ながら「いやこれはちょっとカモメ眉すぎる」とか「これはちょっと濃すぎて視聴者の皆さんが物語に集中できないんじゃないか」とか、真剣に協議したんですよ」と、舞台裏を明かした。実は作者の三谷氏からは「今回の巴御前は、ちょっと眉毛つなげてもいいですか?」と、相談があったという。秋元は「何か意図があったりするのであればもちろん、意図を汲んで演じたいと思うんですけど、視聴者の方々が合戦や真剣なシーンを期待している中で、何かふざけた感じになるのであればそれは困ります…」と、自身の考えも伝え、「この(劇中の)状態に落ち着いた」という。「結局、この眉は、武士という男社会の中で一人戦う女性っていうところで、化粧っ気だったり、女っ気をすべて消して義仲様に仕えるという意思の表れなんだと思います」と、秋元は理解。それは、巴なりの“愛の形”でもあった。第13回で巴が北条義時(小栗旬)たちに義仲との関係を聞かれた時、「色恋はとうに捨てた。私はあのお方に終生尽くすことに決めている」というせりふもあったが、秋元は「幼い頃からずっと育ってきた中で、きっと巴も義仲様に恋心を抱いていた時期はあったと思うんです。でも、どこかで折り合いをつけて、“添い遂げる”という、こういう愛の形もあるよな。女性っぽさを感じるものを自分の中で排除して義仲様に仕えるという決意や思いは、巴を演じなかったら、なかなか発見できなかった感情です」とも話していた。5月1日放送の第17回では、前回(第16回)でこの世を去った木曽義仲(青木崇高)。彼が幼なじみの巴御前(秋元才加)と別れたシーンで託した嫡男・義高(市川染五郎)への手紙は、巴の手により無事に義高のもとに届くが、そのことが彼の運命を大きく変えることになる。■第17回のあらすじ源義経(菅田将暉)の軍略がさえわたり連勝に沸く鎌倉方。しかし、木曽義仲(青木崇高)の討伐により鎌倉に再び暗雲が立ち込める。義仲の嫡男・義高(市川染五郎)を危険視する源頼朝(大泉洋)は、戦勝報告のため範頼(迫田孝也)とともに鎌倉へ戻っていた義時(小栗旬)に義高の処断を命令。大姫(落井実結子)を思う政子(小池栄子)は憤り、義高を救うため奔走する。一方、頼朝に試された義時は八重(新垣結衣)ら家族を思い…。
2022年04月30日遺体から臓器が抜かれ、そばには心臓と羽根を載せた天秤、さらにはヒエログリフの刻まれた石板が……。「殺人分析班」シリーズの人気キャラクター、鷹野秀昭(青木崇高)を主人公にしたクライムサスペンス『連続ドラマW 邪神の天秤 公安分析班』では、鷹野が新たな部署で猟奇殺人事件の捜査に奔走。残り3エピソードとなり、物語はいよいよ佳境を迎えている。これまでのシリーズでは警視庁捜査一課の一員として、鋭い洞察力と冷静な判断力を発揮してきた鷹野。しかし、シリーズ前作にあたる『連続ドラマW 蝶の力学 殺人分析班』のラストで、彼は公安部へ異動。現在は新天地で新たな事件と格闘している。先週放送&配信された第7話では、ついに捜査が大詰めの段階に。公安が長年にわたってマークしてきた裏組織“葬儀屋”と事件の明確なつながりが判明し、鷹野らが追う猟奇殺人事件の第1の被害者、第2の被害者との関係も見え始めた。そんな矢先、鷹野と相棒の氷室(松雪泰子)はある場所で謎の白骨死体を発見し……。白骨化した遺体は誰なのか?これは第3の被害者なのか?第8話では、“葬儀屋”の正体と内情がひとつひとつ明らかに。猟奇殺人事件の被害者たちと大学時代を共にした男ふたり、個人投資家の堤(山路和弘)と現在消息不明の里村に捜査対象が絞られていく。それを受け、公安メンバーたちは里村の足取りをつかもうと、不審な堤を泳がせることに。だが、事件の核心に迫るのも時間の問題かに思えた途端、ある意外な人物が捜査線上に浮上する。捜査も終盤に差し掛かり、公安チームの連携にもこれまで以上の切れ味が。第8話の後半では、本来の公安らしさが光る捜査プレーも再び登場する。それに前後し、鷹野と公安メンバーの関係もネクストステージに。これまでも鷹野と気さくに接してきたベテラン巡査部長の国枝周造(小市慢太郎)は、公安では異質とされる“鷹野らしさ”を認めている様子。長いキャリアを持つ国枝の過去に何があったか、鷹野にふと漏らす第6話でも彼の人となりが見えた。また、チーム最年少の溝口晴人(福山翔大)は鷹野と適度な距離を保ってきたものの、第7話ではいつの間にか彼をサポート。鷹野の人柄に影響されつつあるようだ。一方、チーム内で鷹野に最も厳しく当たってきた警部補の能見義則(徳重聡)は、その態度をいまだ崩していないが……。個性溢れる彼らと鷹野の関係も、ラストに向けての注目ポイント。事件の行方共々、“公安部内ドラマ”も見守っていきたい。文:渡邉ひかる<番組情報>WOWOW『連続ドラマW 邪神の天秤 公安分析班』毎週日曜夜10時 放送・配信中(全10話)WOWOWプライム / WOWOW 4K / WOWOWオンデマンドWOWOWオンデマンドでアーカイブ配信中(今からでも第1話から視聴可能)WOWOWオンデマンドでは無料トライアルを実施中
2022年04月03日タレントの小川菜摘が27日に自身のアメブロを更新。タレント・青木さやかとの2ショットを公開した。この日、小川は「舞台『チコちゃんに叱られる』大阪公演、千秋楽の公演が無事に終わりました」と自身が出演する舞台について述べ「お稽古からずーっと楽しかった今回の作品」とコメント。「お客様の笑顔に助けられ励まされ楽しく楽しく終える事ができました」と公演を振り返り「本当にありがとうございました」と感謝をつづった。続けて、スタッフや共演者の名前を列挙し「みーんな素敵な方々でこの出会いに感謝です」としみじみコメント。「そして今回の相方清少納言役の青木さやかちゃん」と述べ、衣装を身につけた青木との2ショットを複数枚公開した。さらに、青木について「もう長い付き合いですがリーディング以外で一緒に芝居をするのは初めてでした!」と説明。「お任せのネタ合わせや芝居の相談」「毎日2人で作る作業が楽しかった」と青木との思い出を振り返り「仲間であり女友達、笑」「これからもお互い元気にがんばろーねありがとう」と青木へ呼びかけた。
2022年03月29日ちょっと変わり者だが曲がったことが嫌いで、熱いハートを秘めながら冷静沈着に捜査を進める敏腕刑事・鷹野秀昭(青木崇高)。本格クライムサスペンスとして人気を集めてきた「殺人分析班」シリーズの主要登場人物であり、原作小説ファンにも高い人気を誇る彼が、現在放送&配信中のシリーズ最新章『連続ドラマW 邪神の天秤 公安分析班』でも活躍を見せている。『連続ドラマW 邪神の天秤 公安分析班』では、猟奇的な連続殺人事件が発生。それぞれの遺体からは臓器が抜かれ、そばには心臓と羽根を載せた天秤、さらにはヒエログリフの刻まれた石板が残されていた。この事態を受け、真相究明に乗り出す鷹野。ただし、現在の彼は、警視庁でも異質の存在として知られる“公安部”に所属。古巣の“刑事部”こと捜査一課とは捜査方法も理念も異なる新天地で、鷹野はこれまでにない苦闘を強いられていくが……。『邪神の天秤 公安分析班』先週放送&配信された第6話では、捜査線上に浮かんできた過激派組織“民族共闘戦線”と公安部のスリリングな攻防が展開。組織内に獲得した“S(協力者)”の青年・赤崎(奥野瑛太)に組織の魔の手が迫るも、間一髪のところで鷹野は赤崎の救出に成功。しかし、そのせいで捜査が台無しになり、鷹野はチームを外されてしまった。『邪神の天秤 公安分析班』続く第7話では、捜査から外された鷹野の単独行動が中心に。遺体現場のヒエログリフに刻まれたメッセージの真意に気づいた彼は捜査の原点に立ち戻り、第1の事件、第2の事件の被害者の接点を洗い直す。そして鷹野ならではの根気ある聞き込みが功を奏し、被害者ふたりに共通する意外な過去が判明。無関係に思えた彼らの接点とはなんなのか?彼らはなぜふたり揃って殺されたのか?また、鷹野は単独捜査の中で奇妙な事実にも気づき、得体の知れない違和感を抱き始める……。『邪神の天秤 公安分析班』第7話の展開を語る上で欠かせないのは、筒井道隆演じる公安部のチームリーダー、佐久間一弘の存在。警視庁公安五課で捜査を指揮する佐久間は有能かつ抜け目ない性格で、その徹底した冷徹さを武器に部下たちを導いてきた。Sの身の危険を案じ、捜査を危険にさらしてまで救出に乗り出した鷹野をチームから外したことも、佐久間の冷徹さを物語っている。そんな佐久間の氷の仮面を、鷹野の情熱が溶かす局面はいずれ訪れるのか?「公安なら覚悟を持て」と鷹野を叱咤し、クールな眼差しを向けてきた佐久間の心の内にあるものは?さすがの存在感を放つ筒井の名演とともに、佐久間と鷹野の関係の行方にも注目していきたい。文:渡邉ひかるWOWOW『連続ドラマW 邪神の天秤 公安分析班』(全10話)毎週日曜夜10時 放送・配信中WOWOWプライム /WOWOW 4K/WOWOWオンデマンドWOWOWオンデマンドでアーカイブ配信中(今からでも第1話から視聴可能)WOWOWオンデマンドでは無料トライアルを実施中
2022年03月27日家具通販専門店 カヴァースを展開するカヴァースジャパン株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:青木 康裕)は、高価格帯のこたつテーブルの販売台数が前年比の4.5倍を記録したことをお知らせいたします。コロナ禍により続くステイホームにより、家具の見直しや買い替えを検討している方が急増しています。中でも、デザイン性の高いものや、高さが変えられるなどの付加価値のある高価格帯商品が人気を集めています。高さ調整こたつテーブル【コロナ禍で重視される家具のデザイン性と利便性】コロナ禍によるステイホームが定着したことで、家具の見直し・買い替えを検討している人が増えています。特に、テレワークの場所・食事をする場所と日常の様々なシーンで活躍するテーブルやデスクは、見直しや買い替えの対象になりやすい傾向にあります。買い替える際に重視するポイントとして「おうち時間をより充実させたい」「もっと快適にテレワークを行いたい」という点が重視されています。このような背景から、家具には「本当に気に入ったものを部屋に置きたい」という思いを叶えるデザイン性、「テレワークにも日常使いにも便利なものを使いたい」という利便性が強く求められている状況です。【高価格帯のこたつテーブルの販売数が急増・好評】カヴァースジャパン株式会社では、コロナ禍による家具の見直し・買い替えが増えたことを踏まえ、2020年より20,000円以上の高価格帯のこたつテーブルの取り扱いを本格的に開始いたしました。2020年10月~2021年2月における20,000円以上の高価格帯のこたつテーブルの販売台数は109台。対して、2021年10月~2022年2月における販売台数は485台と約4.5倍となっています。椅子と一緒に使えるハイタイプのこたつテーブルに人気が集まっている点が特徴で、ステイホーム・テレワークが定着したことで、より快適な住居環境、仕事環境づくりに関心が集まっていることが販売台数に反映されています。【人気のこたつテーブルに共通する点 デザイン・機能性】カヴァースでは、置く場所を選ばない小型タイプのこたつテーブルを主に展開しています。使いやすいサイズ感に加え、デザインがひと味違ったおしゃれなもの・高さが変えられる・ダイニングテーブルとしても使えるなどの、付加価値のある高価格帯のこたつテーブルの注文が急増しています。中でも、天板が鏡面仕上げになったものやヴィンテージデザインのものなど、お部屋のアクセントとなるデザインが人気を集めています。また、椅子に座って使用できるハイタイプや、伸縮式で使用人数によってサイズを変えられる機能性の高い商品も人気で、ステイホームやテレワークが前提の暮らしをアップデートさせる商品に注文が集中しています。<商品例>どんなソファにも対応 アーバンモダンデザイン高さ調整こたつテーブル 商品価格 56,312~62,519円(税込・送料込)寄り添う こたつもソファも高さ調節できるソファダイニング こたつテーブル 商品価格 51,912~68,385円(税込・送料込)【今後の展開】テレワーク普及の中、今後も家具に対して求められる付加価値は高まっていくと予測されます。当社ではより多くのお客様が「生涯使い続けたい」と思える家具との出会いを繋ぐべく、商品ラインナップの拡充・家具の魅力を伝えるコンテンツの展開を進めて参ります。【会社概要】名称 : カヴァースジャパン株式会社所在地: 〒104-0061 東京都中央区銀座1-15-7 MAC銀座ビル3階URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年03月24日『石の繭』、『水晶の鼓動』、『蝶の力学』と3度にわたって映像化され、人気を博している大ヒットクライムサスペンス『殺人分析班』シリーズ。多くのファンが続編を待ち望むなか、新シリーズとなる『公安分析班』がついに始動します。そこで、こちらの方にお話をうかがってきました。青木崇高さん【映画、ときどき私】 vol. 454まもなく放送が開始となる『連続ドラマW 邪神の天秤 公安分析班』で、主演を務めている青木さん。本シリーズでは、日本警察の中でもエリートとされている公安部に異動した元捜査一課のエース・鷹野秀昭が、新たな猟奇殺人事件と陰謀に立ち向かう姿が描かれています。演じるうえでの苦労や共演者とのエピソード、そして今後について語っていただきました。―4作目にしてシリーズ初主演となりますが、決まったときのお気持ちはいかがでしたか?青木さん主演というのはありがたいと思いましたが、やるべきことは変わらないので、まずは自分自身が脚本を楽しむところから始めました。セリフの分量が多くて大変だったものの、脚本はすごくおもしろかったので、集中していいものが撮れたと思っています。―鷹野を演じるのは約2年ぶりですが、役の感覚はすぐに取り戻せましたか?青木さん今回は、少し時間がかかりました。というのも、続編のときはだいたい衣装に袖を通すと感覚を思い出せるんですが、これまでとスーツの感じがかなり違ったので。「これは本当に鷹野の衣装ですか?」と聞いてしまったほどでしたが、そういう変化も楽しむことができました。―衣装にはどういった違いがあったのでしょうか。青木さんこれまでの鷹野は黒いスーツとグレーのシャツでピシッと決めていましたが、公安に求められているのは、より人のなかに紛れられるような格好。そのためには、いわゆる一般的な服装にしなければいけなかったので、少しゆるめな灰色のスーツと白のシャツにしています。ただ、公安のことはあまり公には明かされていないですからね。正解がないなかで作っていく難しさはありましたが、クリエイティブな面においては、それがおもしろいのりしろのような部分になっていたのかなと。YouTubeで家宅捜索の映像を見たり、資料を見たり、いろいろな話を聞いたりしましたが、公安の方々というのは、本当に“普通の人”に見えるらしいです。公安ならではの大義名分があることを知った―では、役作りで苦労されたこともあったのではないでしょうか。青木さん今回はとにかくセリフ回しが大変でした。特に、公安の分室でのシーンはまとめて撮っているんですが、それが何日も続いたときは、キャスト全員が疲労困憊の状態になってしまったほど。刑事モノではよくあることですが、そのなかでも公安というのは特殊だと思いました。ただ、単眼鏡や懐中電灯など、道具の扱い方はほかと違っていておもしろかったです。―なかなか実態を知ることができない公安という職業に触れてみて、何か発見などもあったのでは?青木さんこれまで公安といえば、“謎の組織”のように描かれがちでしたが、彼らはテロや国家転覆に関わる事件を未然に防ぐための動きをしているので、彼らには彼らの大義名分があると思うんです。とはいえ、そのために無断で人の家に侵入したりしているので、キャスト内でも「公安に目をつけられたら終わりだな」という話はしていましたが(笑)。あと気になったのは、彼らは何をモチベーションにしているのかということ。表に出ることがないので、犯人を捕まえて感謝されたり、表彰されたりみたいなことはないですし、場合によっては家族に危害がおよぶ可能性もありますから。そういった危険を冒してまで働く彼らは、どういう思いなのかというのは、みんなでも話し合ったところです。―そういった難しさがあるなか、鷹野として演じるうえで意識していたことがあれば、お聞かせください。青木さん表面上はだいぶ抑えていますが、冷静にアンテナを張り巡らせながらつねに感情がうごめいているので、気をつけたのは目の動かし方。聴覚に集中しているときは目線を外したり、何かを想像しているときは目が動いたり、といった感じで考えながら演じています。あとは、ひとつひとつの動作や呼吸で、いかに視聴者のみなさんに緊張と緩和を共有できるかを意識しました。共演者のみなさんが素晴らしくて、感謝しかない―新シリーズの鷹野に関しては、どのように捉えていますか?青木さん鷹野は変わり者でマイペースのように見られていますが、どこに行っても変わらないというか、彼の軸はブレていないんですよ。ただ、かたくなに自分のスタイルを崩さないわけではなく、いろいろな感情や意見を柔軟に取り入れ、それを分析して捜査につなげていっていると思います。チームとも信頼を築いていき、どんどん頭角を現していきますが、人と群れない感じとかもカッコイイですよね。捜査の手法がまったく違う公安で戸惑ったり、組織のあり方に疑問を感じたりもしていますが、おそらく視聴者のみなさんも社会で環境が変わったときに、同じような経験をされているのではないかなと。鷹野の場合、公安のいいところは認めつつ、いままで培ってきたものも取り入れながらハイブリッドなやり方を提案していくので、彼自身とともにチームの変化というのも見どころになっています。―今回も幅広いキャストの方が顔を揃えていますが、現場の様子はいかがでしたか?青木さん共演者のみなさんが素晴らしくて、本当に感謝しかないですが、まずは「松雪泰子さん、ありがとうございました!」という感じです。普段から素敵な方ですが、役者として長年積み重ねてきた経験がある方なので、精神的にかなり頼らせていただきました。公安には、松雪さん以外にも、筒井道隆さんはじめ、徳重聡さんや小市慢太郎さんといった年上の方が多かったので、落ち着いた雰囲気ではありましたが、みなさん曲者ぞろいと言いますか(笑)。それぞれキャラクターが立っている方ばかりで、本当におもしろかったです。年下の福山翔大くんは、ムードメーカーになってくれていたと思います。「いつかみんなでキャンプしたいね」とか、大谷翔平くんのホームラン話で盛り上がったりとか、いろいろな話ができる楽しい現場でした。人間はそんなに単純じゃないと感じる―鷹野といえばいくつか癖があり、写真を撮りまくる記録魔的なところもそのひとつ。青木さんも現場で必ずしてしまうことはありますか?青木さん僕はロケでさまざまな場所に行った際、現地の食べ物屋さんのチェックは欠かしません(笑)。それが楽しみのひとつですから。でも、最近はコロナ禍で行けないことが多いので、ぜひ落ち着いたら、いろいろなお店に行きたいです。―ほかにも、鷹野は好物のトマトジュースでエネルギーチャージをしていますが、青木さんにもそういったものがあれば、教えてください。青木さんやっぱりお酒じゃないですかね(笑)。でも、お酒自体というよりも、みんなでワイワイ飲むことからエネルギーをもらっている部分もありますが。今回の現場では、そういうことができずに残念でした。あとは、マッサージとか整体とか、お風呂とかでも疲れは取れているのかなと。ただ、今回の現場では、お風呂のなかでもずっとセリフの練習をしていました。―ということは、オンオフの切り替えはどうされているのでしょうか。青木さんそれが、僕はできないんですよ。走ったり、犬の散歩をしたりとかで汗をかくと多少できますが、仕事が終わって家に帰っても残ってしまうことが多いので、人間はそんなに単純じゃないんだなと。スイッチのように切り替えられたらいいなとは思いますが、そのいっぽうであんまり器用になりたくないなというのもあります。後悔しないためにも、向き合うならいましかない―今年で俳優デビューから20周年を迎えますが、いまの活躍を支えている青木さんの“ルール”があれば教えてください。青木さん今年で20年ってほんとですか?自分では全然意識していなかったので(笑)。ルールというと難しいですけど、「おもしろい人生を生きたい」というそれだけです。そのためにも、ひとつひとつの作品にしっかりと時間をかけて向き合い、観てくださった方々の声がちゃんと聞けるところまで立ち会いたいと思っています。観客に作品が届いて、おもしろかったと言っていただけたら、また次もがんばろうとなれますから。すぐ次の作品に入るというサイクルが僕に合っていないのもありますが、仕事がひとつ終わったら、余韻というか、自分にとってその作品がどうだったのかと考える時間を持つようにしています。―それでは最後に、今後やりたいことやいまご自身が目指していることについてお聞かせください。青木さんすでに自分で映像を作ったり、絵を描いたりしていますが、個人でもチームでも0から1にしたものをこれからも発信して続けていきたいと考えています。やっぱり人生の時間には限りがありますから、「本当はやりたかったんだけど……」みたいな後悔はしたくないなと。「向き合うならいましかない」くらいの気持ちにはなっています。世界的なレベルで足止めを食らってしまいましたが、これを絶対に無駄にはしたくない。立ち止まって考えることができる時間にもなったので、転んでもただでは起き上がらない、何かしら拾って立ち上がりたいと思っています。インタビューを終えてみて……。言葉の端々から、作品や仕事に対する熱い思いがヒシヒシと伝わってくる青木さん。細部にまでこだわって役作りをした青木さんだからこその新たな鷹野と、普段見ることのできない公安の裏側をぜひお見逃しなく。予想できないラストが待ち受ける!『殺人分析班』同様に、二転三転するストーリーと息もつかせぬ緊迫感で観る者を引き込む最新シリーズ。秘密に包まれた公安を舞台に繰り広げられるスリリングな攻防戦と、これまでの刑事モノとは一線を画す展開は必見です。取材、文・志村昌美スタイリスト・小泉美智子ヘアメイク・NANAストーリー公安部に異動したばかりの鷹野が担当するのは、爆破事件の現場近くで起きた与党大物議員の殺害事件。遺体からは臓器が抜かれ、その付近には心臓と羽根を載せた天秤が残されていた。猟奇事件現場に臨場した鷹野は、古代エジプト神話を模した殺害方法に違和感を持ち、筋読みを始める。しかし、同僚の氷室から公安には公安のやり方があると一蹴されてしまう。情報収集活動は警察にとって捜査の基本ともいえるが、公安警察ではより緻密で複雑なものを要求されることとなる。鷹野も公安独自の捜査手法で事件を追っていくのだが……。衝撃が走る予告編はこちら!作品情報『連続ドラマW 邪神の天秤 公安分析班』2 月 13 日(日)スタート毎週日曜午後 10 時放送・配信(全 10 話)[第 1 話無料放送]【WOWOWプライム】[無料トライアル実施中]【WOWOWオンデマンド】
2022年02月11日WOWOWの大人気クライムサスペンス「殺人分析班」シリーズに、待望の新章が誕生。「殺人分析班」シリーズの主人公・如月塔子(木村文乃)の頼れる先輩バディとして、これまでシリーズを支えてきた敏腕刑事・鷹野秀昭。『連続ドラマW 邪神の天秤 公安分析班』では、塔子らがいる警視庁捜査一課十一係を去り、公安部へ異動した鷹野が物語の主人公に。新しい環境で新しい仲間とともに、新たな事件に挑む彼を待ち受ける運命とは……?過去3作に続き、鷹野を演じる青木崇高に話を聞いた。──鷹野秀昭を主人公にした新シリーズの制作が決まったときの感想を教えてください。青木めちゃくちゃ嬉しかったですね。今までのシリーズでも鷹野というキャラクターをしっかり作ってきた自覚はあるので、それを評価していただけての今回だと感じています。僕が演じてきた役の中では珍しくかっこいいとも言われていますし(笑)、作品自体も大好きなので、同じスタッフの皆さんと新章を描けるのが嬉しかったです。──青木さんの目から見た鷹野の“かっこよさ”とは?青木一風変わっていて、刑事部の捜査方法とは別のアプローチを取ったりもしますが、それには理由があり、きちんと本質を突いているのが鷹野です。突飛な行動を取っているように見えて、実は相手の話を漏らさず聞き、頭に入れ、思ったことを捜査に反映し、違和感を覚えたときは口にする。自分の中の正義、価値観をしっかり持ち、納得していく人なんですよね。ただ、それをゴリゴリと押しつけるのではなく、周りの意見にも耳を貸す。ハイブリッドに次の一手を提案していくのがかっこいいなと思います。──役者としての演じがいも、そういった部分に見出していますか?青木やっぱり役のことを好きになれた方が、パワーは出しやすいです。自分にないものをたくさん持っている人なので、同世代の男としてこうありたいとも思いますし。「この台詞には自分自身の日常を投影できるな」「この台詞は鷹野じゃないと言えないな」と臨機応変に役と向き合っていくんですが、鷹野に関してはそういったことをひとつひとつ考えていくのが楽しいです。──そんな中、新しく見えてきた鷹野の顔はありますか?青木今回のシリーズで、鷹野は公安という特殊な部署へ異動します。そこで戸惑うこともありますし、揺らぐ気持ちが出てくるんですよね。信頼関係のないところに身を置くことも今まではなかったですし。物語にも、「鷹野はどうするんだろう?」という面白さが出てくると思います。──新しい同僚から「お前は公安に合わない」と指摘された鷹野が、「なので学びます」と言います。鷹野らしさが見えると同時に、今まではあり得ないシーンでした。青木彼を象徴するような台詞ですよね。感情的になっているわけでもなく、自分がやるべきことを自覚する。その考え方が鷹野らしいですし、言い方もそう。なんて言うか、理屈っぽいんです。女性にはあまり好かれないタイプかもしれませんね(笑)。内片(輝)監督ともよくそんな話をしていました。例えばペットボトルのお茶をもらったら、「そもそもお茶とは急須から淹れ、香りを楽しむのが理想的であり……」なんて言いそう。「つべこべ言わずに飲めや」とも思いますけど(笑)。公安のオフィスは暗いけど、演じる皆さんは明るい方ばかり──今回、監督からはどんな演出がありましたか?青木エピソードが進むにつれ、鷹野は自身の過去と対峙していくことになります。それにより、感情的になることもあって。でも、そのシーンの撮影で、監督が「ここには空気が読めない鷹野のトーンを入れよう」とおっしゃっていたのが印象的でした。展開としては疑問も伴う描写ですが、そこから生まれる鷹野らしさが必要だったんです。これまでのシリーズを知る視聴者の方々も安心するでしょうし。僕自身すらも正解が分からない鷹野の顔を見せることで、彼を主人公にしたドラマであることの意味も出てきます。言ってしまえば、終始きっちり鷹野である必要もないのかなと。──確かに、鷹野のつかめなさが少し増しているような?青木全10話の中でいろいろなことが起きますからね。あまり早目につかまれるのも面白くないですし。舞台となる公安自体、ドラマにしにくいほどシークレットなことだらけですから。──公安部と言えば、部署内シーンの映像が非常に暗いですね。青木映像上の調整もなされていますが、撮影現場自体もまあまあ暗いです(笑)。公安の捜査における大きな特徴のひとつが、内部で情報を共有し、外には決して漏らさないこと。明るい照明の中でそんなやり取りが行われても、緊張感が薄れますから。でも、キッチンには少しだけ光が差していたりもして、光が設定や展開の中で意味を持ってくることもあります。美術にせよ、照明にせよ、画作りに深さとこだわりがあるので、見れば見るほど面白いと思います。──慣れ親しんだ捜査一課での撮影ではない寂しさはありましたか?青木ありましたよ!その孤独感も、現在の鷹野に欠かせないものですし。前シリーズのキャラクターたちもたまに登場しますが、(元上司役の)渡辺いっけいさんが撮影現場にいらっしゃるだけで懐かしさがこみ上げました。でも、松雪(泰子)さんをはじめ、公安メンバー役の皆さんもすごく心強くて。オフィスは暗いですが(笑)、演じる皆さんは陽気な方ばかりで楽しく撮影していました。──公安部の皆さんの魅力も、エピソードを重ねるごとに見えてくるのでしょうか?青木捜査メンバーそれぞれの個性も、このシリーズの魅力ですから。それに、鷹野って他の登場人物たちから愛されているキャラクターだと思うんです。たしか監督だったと思うんですが……、「鷹野って結局は愛されているよね」とおっしゃっていて。彼は自分のペースを貫いているのに、周りがいろいろ力を貸してくれるようになる。それは、彼の行動原理に高い純度があるからでしょうね。そういった意味でも、公安メンバーと彼の関係に注目してほしいです。まあ、仮に新しい仲間が力を貸してくれたとしても、本人は「ありがとうございます」とあっさり言うくらいでしょうけど(笑)。──鷹野と青木さんも相思相愛ですしね。青木どうでしょう?向こうの愛は分からないですけど(笑)。一番の理解者として、寄り添っていきたいなとは思っています。取材・文:渡邉ひかる撮影:川野結李歌スタイリスト:小泉美智子ヘアメイク:NANA『連続ドラマW 邪神の天秤 公安分析班』2月13日(日)放送・配信スタート毎週日曜夜10時(全10話)第1話無料放送【WOWOWプライム】無料トライアル実施中【WOWOWオンデマンド】ぴあアプリ限定!アプリで応募プレゼント青木崇高のサイン入りチェキを1名様にプレゼント!【応募方法】1. 「ぴあアプリ」をダウンロードする。こちら() からもダウンロードできます2. 「ぴあアプリ」をインストールしたら早速応募!
2022年02月09日いよいよ来月に放送開始を迎える大人気クライムサスペンス〈分析班〉シリーズのユニバース作品「邪神の天秤 公安分析班」より、5話までの劇中カットが解禁。さらに、人気Youtuber守鍬刈雄(すぐわ・かるお)とのコラボ企画の実施も決定した。2015年に放送された「石の繭」を始め、2016年「水晶の鼓動」、2019年「蝶の力学」と過去に3回WOWOW連続ドラマWとして映像化された警視庁捜査一課の犯罪捜査を描く本格クライムサスペンス<殺人分析班>の新シリーズである本作。青木崇高演じる鷹野秀昭が、公安警察を舞台に新たな猟奇殺人事件と陰謀に挑む。この度解禁となった5話までの劇中カットでは、謎に満ちた本作から気になるシーンが切り取られている。第1話、鷹野秀昭(青木崇高)が捜査一課から公安部に異動して初めて挑む、エジプト神話に関する事件からは氷室(松雪泰子)と大学の准教授である塚本(村井良大)の元を訪ねるシーンが写し出される。「邪神の天秤 公安分析班」第2話さらに、第2話のガサ入れからは団体の本拠地に踏み込む氷室や鷹野の姿も。第3話ではリーダーである佐久間(筒井道隆)が冷静沈着に司令塔として常に的確な判断をする様子、第4話からは異常心理犯罪とおぼしき今回の事件のヒントを得るため鷹野と氷室が法医学に精通している町子(菊地凛子)を訪ねる場面、第5話では11年前に父親を殺され警察が冤罪の容疑者の逮捕に踏み切ったことで警察に対して不信感を抱いている赤崎(奥野瑛太)の姿などそれぞれのシーンが切り取られ、謎に包まれたストーリーの内容が垣間見える。「邪神の天秤 公安分析班」第5話そして『羊たちの沈黙』や『セブン』を始め、数多くの映画を手書きのあらすじ紙芝居や考察動画をアップする人気映画解説Youtuberである守鍬刈雄とのコラボ企画の実施も決定。守鍬刈雄の「守鍬 刈雄のお暇なら映画でも」は、1月13日時点でチャンネル登録者数が14万人を超え、書籍「守鍬刈雄のお暇なら本で映画の話しでも」(アプリスタイル刊)も発売されている。この度解禁となったあらすじ手書き紙芝居動画では、「石の繭」「水晶の鼓動」「蝶の力学」など、<殺人分析班>シリーズ3作の鷹野の警察官としてのこれまでの軌跡をふり返るほか、最新作「邪神の天秤」でも登場する警視庁捜査一課の面々の活躍も見られる。さらに、2月以降は考察動画の配信も予定されており、ますます盛り上がりを見せている。▼「連続ドラマW 石の繭 殺人分析班」▼「連続ドラマW 水晶の鼓動 殺人分析班」▼「連続ドラマW 蝶の力学 殺人分析班」連続ドラマW「邪神の天秤 公安分析班」(全10話)は2月13日(日)より毎週日曜午後10時放送・配信(第1話無料放送)。(text:cinemacafe.net)
2022年01月14日コニカミノルタプラネタリウム株式会社(本社:東京都豊島区、社長:古瀬弘康、以下 コニカミノルタ) は、ロックバンド「androp」のボーカル/ギターを担当する内澤崇仁を迎え、福岡(福岡市科学館ドームシアター)、東京(プラネタリウム天空)、2つのプラネタリウムを巡る『LIVE in the DARK tour w/内澤崇仁(androp)』を開催します。本公演では内澤崇仁がサポートメンバーと共に、andropとしてリリースした楽曲を中心にプラネタリウムに合わせた特別なセットリストを披露する予定です。★『LIVE in the DARK』とは★プラネタリウムでしか体験できない、音楽と星空、そして暗闇が共鳴する全く新しい音楽エンターテインメント。星々がひしめく暗闇の中、耳を澄ませてみると、日常生活では感じることができなかった、微かな音の“表情”をしっかりと感じることができるはずです。全天周映像演出は数多くのライブ演出を手掛ける、ビジュアルデザインスタジオ“HERE.”が担当し、星空、音楽、そして映像がシンクロする、ここでしか体感できないプラネタリウムライブを実現します。良質な音楽、そしてプラネタリウムという非日常空間で、特別なひと時を、ぜひ。★1,200人を動員する、福岡/東京を巡るプラネタリウムツアー★andropのフロントマンとして、また数多くのアーティストへの楽曲提供/プロデュースも行い、業界内外を問わず高い支持を集める内澤崇仁がついにプラネタリウムのステージに登場します。本ツアーでは福岡(1DAY)と東京(2DAYS)の3日間(計6公演)開催し、プラネタリウムライブとしては異例の計1,200人の動員を予定しています。androp名義の楽曲を中心にプラネタリウムに合わせたセットリストを披露するほか、過去に内澤が他アーティストへ提供した楽曲を、各公演それぞれ選曲を変えセルフカバーとして披露する予定です。【チケット販売に関して】■andropオフィシャルファンクラブ先行受付(抽選)2021年12月24日(金)午前10時~2022年1月3日(月)23時59分の期間、andropオフィシャルファンクライブサイト『androp member page』を通じ、電子チケットシステム「ticket board」にて先行受付(抽選)を行います。※先行販売では福岡公演の『一般シートB』の受付はありません。■一般販売(先着)2022年1月15日(土)午前10時~下記『LIVE in the DARK』特設サイトを通じ、電子チケットシステム「ticket board」にて一般販売を行います。 ※予定枚数に達し次第販売を終了します。【チケット申込に関して】※ファンクラブ先行、一般販売いずれの場合も『LIVE in the DARK』特設サイトに記載されている注意事項を必ずご確認の上お申込みください。※ticket boardをご利用いただくために会員登録(無料)が必要です。※ticket boardに記載の応募規定(枚数/席種等)及び、申込に際しての注意事項をご確認の上ご応募下さい。●『LIVE in the DARK tour w/内澤崇仁(androp)』福岡公演 概要●★出演:内澤崇仁★日程:2022年2月19日(土)★時間:1st Stage 17:00開演(16:30開場) / 2nd Stage 19:00開演(18:30開場)★料金:一般シート:7,000円(税込) / 一般シートB:5,500円(税込)※福岡会場に『三日月シート』はありません。※『一般シートB』はプラネタリウム機器の真後ろのエリアのためステージ(アーティスト)が見えづらい場合があります。★場所:福岡市科学館6階 ドームシアター(プラネタリウム)★主催:福岡市科学館●『LIVE in the DARK tour/内澤崇仁(androp)』東京公演 概要●★出演:内澤崇仁★日程:2022年2月24日(木)、2月25日(金)★時間:1st Stage 18:00開演(17:30開場) / 2nd Stage 20:00開演(19:30開場)★料金:一般シート:7,000円(税込) / 三日月シート:16,000円(税込) ※2名掛け・各公演3席限定※『三日月シート』は一枚のチケット料金に大人2名様分の鑑賞料金を含んでいます。★場所:コニカミノルタプラネタリウム天空 in 東京スカイツリータウン(R)★主催:コニカミノルタプラネタリウム天空※約1時間の公演予定です。※イベントの性質上、小学生以下のお客様はご入場いただけません。※イベント終了後は速やかなご帰宅をお願いいたします。【感染症対策及び、イベントに関する注意事項】※本公演は新型コロナウイルスを含む感染症防止対策を徹底し【全席販売】にて実施しいたします。※ご来場及び公演中のマスク着用は必須とさせていただきます(フェイスシールドのみ着用のお客様はご入場いただけません)※会場内での会話は控えていただき、公演中の歓声や掛け声、指笛などは固くお断りいたします(拍手や手拍子などでの応援をお願いします)※本イベントはプラネタリウム施設で星空、映像、音楽をお楽しみいただくイベントです。演出の都合上又は、ドームの座席配置の関係でステージ(アーティスト)が見えにくい場合がございます。※中央後方のお席はプラネタリウム機器の関係でステージが見えにくくなっておりますが、星空・ドーム演出は一番見やすいエリアとなっております。本イベントは感染症対策の観点、及びプラネタリウムという会場の特性上、様々な制限を設けさせていただいております。下記「特設サイト」に記載されている注意事項を必ずご確認の上、チケット購入/来場をして下さい。▼特設サイト ●内澤崇仁(androp) プロフィール●4人組バンド「androp」のVocal&Guitar。2009年12月に1stアルバム『anew』でデビュー。数々の映画やドラマ主題歌、CMソングを手掛けるなど楽曲の注目度は高く、ミュージック・ビデオもカンヌ国際広告祭(フランス)、One Show(アメリカ)、Webby Awards(アメリカ)ほか国内外11のアワードで受賞するなど、その映像世界やアートワークでも世界的な評価を得ている。2021年12 月 22 日に約3年9ヶ月 ぶりとなる 6th フルアルバム「effector」をリリース。バンド活動以外にも新田真剣佑と北村匠海のW主演映画『サヨナラまでの30分』で音楽プロデューサーを担当。柴咲コウ、南波志帆、坂本真綾、Aimer、miwa、上白石萌音、Da-iCE、宮川愛李ら様々なアーティストへの楽曲提供やプロデュースも行っている。HP : Twitter:@androp_officialInstagram : @androp_official●株式会社HERE.(ヒア)●代表土井昌徳。プロジェクションマッピングやVR360°ドームパノラマ映像の制作に特化した少数精鋭のビジュアルデザインスタジオ。プロジェクションマッピングでは、百貨店の常設やホテル、アーティストのライブ等、大規模案件の実績も多数。時代を捉えた演出と高い技術に裏付けられた良質なコンテンツ提供に定評がある。また、次世代のVR ドームシアター向け素材販売サイト「Shout!360」も運営、動画制作に役立つTipsも連載中。【Shout!360詳細】 www.shout360.xyz 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年12月23日大ヒットクライムサスペンス〈分析班〉シリーズのユニバース作品 連続ドラマW「邪神の天秤 公安分析班」より、オールキャストと特報が解禁となった。本作は、2015年「石の繭」、2016年「水晶の鼓動」、2019年「蝶の力学」と過去に3回WOWOW連続ドラマWとして映像化された警視庁捜査一課の犯罪捜査を描く本格クライムサスペンス<殺人分析班>の新シリーズ。原作の人気キャラクター投票で1位を獲得したこともある鷹野秀昭が主人公となり、新たな猟奇殺人事件と公安チームの活躍を描いていく。鷹野を青木崇高、鷹野と共に捜査をする「作業班」の氷室沙也香役を松雪泰子が演じる。新たに解禁となったキャスト陣は、捜査を指揮するリーダー佐久間一弘役に筒井道隆。全ての公安分析班の行動を把握している佐久間は、インテリジェンス捜査のブレインとして采配を振るう。徳重聡演じる警部補・能見義則は「視察班」で、追尾のスペシャリスト。車両、自転車、徒歩で無線機を使用して追尾する。小市慢太郎演じる巡査部長・国枝周造は「指導班」で、公安での長いキャリアを生かし、安全かつ効果的に作業が行われるよう指導する。巡査部長・溝口晴人役は福山翔大が演じる。班で最年少の溝口は「IT担当」で、SNS、WEB などから犯行に関わる情報を集める。 今回、事件現場に遺留品として残された石板のヒエログリフや天秤から、犯人はエジプト神話を引用していることが分かり、鷹野をはじめ佐久間班は捜査を進めていく。ほかにも捜査一課時代の関係者で、今回の事件で鷹野が情報協力者エスとして運営する男・赤崎亮治役を奥野瑛太、その赤崎の婚約者で、危険な捜査に関わっていることを不審に思い鷹野を問い詰める宮内仁美役を瀧内公美が演じる。また、「殺人分析班」シリーズの警視庁捜査一課のお馴染みのキャラクターも登場。捜査一課十一係の係長・早瀬泰之役を渡辺いっけいが、課長・神谷太一役を段田安則など、事件の解決を巡って公安部と刑事部が対立する局面も描かれる。更に、前作「蝶の力学 殺人分析班」で鷹野の元・相棒の姉であり監察医だった相羽町子も登場。強烈な印象を残した町子を菊地凛子が再び演じる。また併せて特報も解禁となった。2015年「石の繭」、2016年「水晶の鼓動」、2019年「蝶の力学」と、殺人分析班シリーズの過去作の映像が断片的にたたみかけるように切り替わり、新たな舞台、新たな事件が展開される本作「邪神の天秤」の映像に行き着く。「真実はいずれ明らかにされます」と捜査一課で培った経験で真実の追及に突き進む鷹野と「公安には公安のやり方がある」と公安独自の手法で捜査する氷室。鷹野が感じた「違和感」とは?秘密主義が蔓延る公安で、鷹野は氷室と共に難事件の解決の糸口をつかめるのか?スリリングな展開に期待が高まる。連続ドラマW「邪神の天秤 公安分析班」(全10話)は2022年2月13日(日)より、毎週日曜午後10時放送・配信。(text:cinemacafe.net)
2021年11月10日お笑いトリオ・東京03の飯塚悟志、俳優の青木崇高、女優の古川琴音が出演する、三井住友カード「stera terminal(以下、ステラ)」の新CM「その時の気持ち」店員編/店長編/お客さん編が、9日より放送される。新CM は、ステラを導入した小さなベーカリーの店長(飯塚)と、笑顔で働く女性店員(古川)、そして、「いつか自分の店を持つため」と“偵察”に来ている常連客(青木)の日常を描いたストーリー。3編はいずれも同じ場面を切り取っているが、登場人物3人をそれぞれ主人公とすることにより、図らずも「すてきなお店に、したいから」という共通の思いがあることを異なる視点で表現している。また、“飯塚店長”がステラ導入の体験談を語るインタビュータッチのスピンオフWEBムービー「ステラパックでステラを導入した店長 飯塚さんのお話」(全4編)も、同日から三井住友カード公式サイトにて公開。飯塚らしいコミカルな一人芝居に注目だ。○■飯塚悟志・青木崇高・古川琴音インタビュー――店員、店長、お客さんという役を演じながら「ステラ」に触れ、どのような魅力を感じましたか?青木:現場でステラを使ってみて感じたのは、「現金を持ち歩く時代」はどんどん離れていっているということでした。飯塚:ステラを導入して明らかに誇らしげで浮かれている様子の店長の気持ちがわかるぐらい、ステラは 魅力的だったと思います。古川:一台で色んな決済方法に対応しているので、お客さんがどの方法を使うか分からなくても、焦ること なく心の余裕が出来ると思います。レジに機械をいくつも置く必要がないので、レジがスッキリ片付いて見た目もスマートで、段取りの多い会計の仕事がしやすくなるなと思いました。――ステラを店舗に導入すると、店員、店長、お客さんにとってどのようなメリットがあると思いますか?青木:支払いがスマートになったその分、お客さんはお店の雰囲気に深く浸れるのではないかと思います。 見落としていた内装、配置のこだわりや、店員さんの細かい心遣いに気付くことができて、そのお店のことがもっと好きになるのではないかなと思いました。飯塚:本当にコンパクトに全部まとまってレジ前がスッキリとオシャレに見えるので、今後もし自分が小洒 落たお店を出すとしたら、ぜひ置かせてもらいたいと思いました。古川:お芝居を通してですが、ただパンを詰める作業でも慣れていないと手際が悪く、覚える段取りも多く て少し混乱したくらいだったので、一台の操作を覚えるだけでほとんどの支払い方法を網羅できるステラがあるとありがたいなと思いました。アルバイト初心者の店員さんにとっても、覚えることが少なくなって助かるのではないかなと思います。――店員、店長、お客さんのキャラクターは、それぞれ古川さん、飯塚さん、青木さんという俳優のイメージと重なる部分があるように感じましたが、演じていてご自身に「似ている」と思った点はありましたか?青木:キャラクターが似ているかどうかは分かりませんが、現場に用意されていたパンが僕自身よく行くお 店のパンだったので、とてもリラックスできました。古川さん、飯塚さんとも楽しく撮影できました。飯塚:すごく楽しそうにパン作りをしてる店長さん役で、僕も出来ればいつまでも楽しくネタ作りが出来たらいいなと思わされました。古川:店長役の飯塚さんは以前ドラマで店長と店員の役を演じていたので、そこで出来た関係性が活かされている部分は多かったのかなと思います。お客さん役の青木さんも気さくな方で、3人で他愛のない話をしていくうちに、お客さんと自然にコミュニケーションをとるお店の空気感が出来ていったので、 リラックスしながら新鮮な気持ちで楽しむことができました。そういった気持ちが自然と映っているといいなと思います。
2021年10月08日憂いある存在感で異彩を放つ俳優・青木柚さんと、新世代写真家として脚光を浴びる石田真澄さん。夏の海辺の公園で、レンズが捉える心地いい距離感。出演する度に印象をガラリと変えてみせる俳優、青木柚。ステージで輝くアイドルに憧れていた9歳の頃、自らの意思で演技のレッスンを受け始めた。演技は好きでもまだ遊んでいたかった16歳の頃、俳優としての転機となる映画『14の夜』(’16)と出合う。「当時は自分に自信がなくて。華も背丈もないし、良くも悪くも尖った部分がなく、無個性だと思っていた時に、当時のマネージャーさんが『柚は映画がいい』とアドバイスをくれて、それを信じて挑戦したのが『14の夜』です。あの作品をきっかけに、感想をもらったり、オーディションにも呼んでもらえるようになった。自分という人物像が、他者の中では違って映るんだということを知って、力をもらいました」以降、『アイスと雨音』(’18)や『暁闇』(’19)、などで確固たる存在感を見せてきた彼は、役に対してどんなアプローチをするのだろう。「役をいきなり自分に憑依させるような効率的なことができなくて。どこか自分の中にも見覚えのあるものを手繰り寄せて、それを培養させながらちょっとずつ近づいていく感覚です。自分の外にあるものをそのまま取り付けるというのが僕にはできないというか、映像として映った時に嘘にならないかなとも思うんですよね」俳優を仕事としてやりたいと自覚した18歳の頃から、現場に対する姿勢も変わってきた。「もちろん完成を意識してはいるんですが、みんながひとつの作品の完成の向こう側を向いているということが、目や空気から感じる瞬間がすごく美しいなと。その瞬間がやりがいだし、どんな成功にも代えられないものです」2021年春、彼の名を知らしめた作品が、NHKよるドラ『きれいのくに』だろう。「最近は時代に合いつつもわかりやすさを意識したドラマが多い中、曖昧な会話のつながりだけで作品を成立させることができるんだ!と新鮮に感じましたし、あの現場での経験は大きかったです。テレビは関わっている人の数が多くスピードも速いので、ベストなものを生み出す瞬発力という足腰の強さにつながりました」この夏公開を控える、浅野いにお原作の映画化『うみべの女の子』では、残酷な“恋”と“性”に悩みもがく少年、磯辺を漫画から飛び出てきたかのように演じ、ジョニー・デップ主演の映画『MINAMATA‐ミナマタ‐』でも、キーとなる少年として作品に爪痕を残す彼。尊敬しているのは、加瀬亮、柄本佑、若葉竜也、仲野太賀、そして所属事務所ユマニテの俳優陣だ。「作品の規模や役の大小を問わず、その人が演じるだけで“生きている”ことが感じられる。どれだけ存在が大きくなっても、考えることをやめない誠実な姿勢があって、人間の複雑な面を持ち合わせている俳優さんに憧れます」今年2月に20歳を迎えたが、成人としての実感はあまりないそう。プライベートの性格は、一度心を開けばお喋りで少々面倒くさがり。Z世代であっても、SNSは得意ではないとか。「喋ることはストレス発散になるけど、家を出るまでの足取りが重くて(笑)。一人旅がしたいので、最近はYouTubeで自然の動画を見ながら意識を遠くに飛ばしてます。SNSは正直苦手で、傷つきたくないし、弱いなって思うけど、適度な距離感で付き合っていければ」と強がることにこだわらないところも魅力だ。「昔はもっと細かったので、『いっぱい食べろよ、男だろ!』と言われたりすると、自分らしくできないんだと窮屈に感じる時期はありました。でも僕は別に強くなくていいかなって。きっと、みんなそんなものじゃないですかね」YUZU AOKI2001年2月4日生まれ、神奈川県出身。俳優。主演映画『うみべの女の子』が8月20日より公開。9月23日公開のジョニー・デップ製作・主演『MINAMATA‐ミナマタ‐』にも出演。パンツ¥26,400(トゥモローランド TEL:0120・983・522)その他はスタイリスト私物MASUMI ISHIDA1998年生まれ、埼玉県出身。写真家。2017年に初の個展「GINGER ALE」開催。’18年に作品集『light years‐光年‐』刊行。カロリーメイトの広告写真で注目を集め、雑誌や広告など幅広く活躍。※『anan』2021年8月4日号より。写真・石田真澄スタイリスト・稲垣友斗(TRON)ヘア&メイク・ 橋本裕介(TRAPEZISTE)取材、文・小川知子(by anan編集部)
2021年08月02日2003年に「どこ見てんのよ!」の決めゼリフで全国区の人気を博し、以後、バラエティー番組やドラマ、映画、舞台などで活躍中の青木さやかさん。今年5月に、実母との軋轢やがん、ギャンブル依存症、ブレイク当時の秘話、結婚、出産、離婚といった経験を赤裸々に綴った著書『母』を刊行し、話題を呼んでいます。 なかでも注目されたのが、本書で告白された肺腺がんの体験記です。肺腺がんの手術を経て、生活やお気持ちにはどのような変化が生まれたのでしょうか。インタビュー2回目の今回は、肺腺がんをきっかけに変わった事柄をうかがいました。1回目の手術から2年弱で2回目の手術を受けたー術後2週間でドラマの撮影、2カ月後には舞台に立っていたそうですが、体力に不安はなかったのでしょうか? 青木さん:あまりなかったですが、ドラマの撮影などは大変な面はありました。私は舞台の仕事もしているので、体力作りをしている方なのかもしれません。といっても、ストレッチや軽い筋トレ程度のことなのですが……。でも、病気になって知ったのは、体力があって、健康で、手術ができるくらいの肉のつき方じゃないと手術を受けられないということ。私の場合、手術に向けて体を鍛えたわけではないのですが、日ごろの生活の中で体力が養われていたのかもしれないです。 ー1回目の手術から2年弱で2回目の手術を受けたそうですが、肺腺がんの再発ということでしょうか? 青木さん:主治医の先生いわく、私が患ったがんは女性に多くてできやすく、でも、できるたびに取っていけば命に関わることはないとのことでした。それに、結局のところは手術で取ってみないと、がんかどうかはわからないんです。2回目の手術はがんだと思って受けたのですが、病理検査の結果、がんではないことがわかりました。 ー2回目の術後もやはりつらかったのでしょうか? 青木さん:最初のときに比べると、熱や吐き気が多少はラクに感じられました。一度手術を経験しているので、まったくわからないことへの恐怖はなかったですし、慣れたということなのかもしれないです。 安心して購入できる食材で和食中心の食事を心がける日々ーがんを患ってから、生活の中で心がけるようになったことを教えてください。 青木さん:家での食事は比較的、気を付けるようにしています。近所のお友だちのすすめで酵素玄米炊飯器を買ったので、ご飯は酵素玄米です。それに味噌汁、ぬか漬け、梅干し、納豆といった程度のものが多いです。 ー厳選された食材を使っているのでしょうか? 青木さん:外で食べるときには気にしませんが、家で使うものは食材や調味料に気を配るようになったと思います。 ー以前は食生活にそれほどこだわっていなかったのでしょうか? 青木さん:こだわっていなかったと思います。例えば、調味料でも野菜でもお肉でも、それぞれに金額の差がありますよね。以前はその金額を安くしようと思っていましたけれど、今はそこにお金をかけようと思っています。決して高いものがいいというわけではないのですが、食材費を抑える生活はやめました。今は食材や調味料などに一番、お金を使っているかもしれません。 ーご自身で納得のいく食材を買う、ということでしょうか? 青木さん:それもあるのですが、大切に育てられた野菜やお肉を、機嫌の良い方たちから買い、気分の良い状態で料理をして、楽しく会話しながら食べることを心がけています。食材を買うスーパーは決まっていて、そこのスタッフの方と仲がいいですし、生産者さんとお話ができることもあるんです。作っている人や売っている人の顔が見えるので、安心して買うことができるという感じですね。 ストレスをためないように自分を変えることを意識しているーほかにはどんな変化があったのでしょうか? 青木さん:意識的に規則正しい生活をするようにして、夜は11時には寝て、朝は6時には起きるようにしています。それから、ストレスをためないこと。私の場合、ストレスのほとんどは人間関係でたまっていくんです。それを改善しようとするとき、相手に変わってもらうことは無理ですから、自分が変わるしかないと思っているんです。 ー自分を変えるのは簡単そうで難しいことだと思いますが、例えばどんなことを意識しているのでしょうか? 青木さん:誰かの発言に対して「でも」という言葉は言わず、「はい」、「わかりました」と同意するようにしています。相手の言うことに同意していたら、それ以上はもめることはありませんから。自分自身、すごく素直になったところもあります。 ウーマンカレンダー編集室ではアンチエイジングやダイエットなどオトナ女子の心と体の不調を解決する記事を配信中。ぜひチェックしてハッピーな毎日になりますように! PROFILE:青木さやかさん1973年愛知県生まれ。大学卒業後、フリーアナウンサーを経てタレントの道へ。「どこ見てんのよ!」のネタでバラエティー番組で大ブレイク。そのほかドラマ、映画、舞台、エッセイの執筆など幅広く活躍中。著書に9割実話のエッセイ小説『母』(中央公論新社)など。
2021年07月25日今年5月に出版された9割実話のエッセイ小説『母』が話題の青木さやかさんにインタビューをさせていただきました。2回目の本日は、二度目の手術を受けたことや肺腺がんをきっかけに訪れた生活の変化、ご自身が日々意識していることについてお聞きしました。2003年に「どこ見てんのよ!」の決めゼリフで全国区の人気を博し、以後、バラエティー番組やドラマ、映画、舞台などで活躍中の青木さやかさん。今年5月に、実母との軋轢やがん、ギャンブル依存症、ブレイク当時の秘話、結婚、出産、離婚といった経験を赤裸々に綴った著書『母』を刊行し、話題を呼んでいます。なかでも注目されたのが、本書で告白された肺腺がんの体験記です。肺腺がんの手術を経て、生活やお気持ちにはどのような変化が生まれたのでしょうか。インタビュー2回目の今回は、肺腺がんをきっかけに変わった事柄をうかがいました。★前回:肺腺がんを告白。青木さやかさんインタビュー#1「私自身は元気ですし、がんと言われることが不思議でした」1回目の手術から2年弱で2回目の手術を受けた――術後2週間でドラマの撮影、2カ月後には舞台に立っていたそうですが、体力に不安はなかったのでしょうか?青木さんあまりなかったですが、ドラマの撮影などは大変な面はありました。私は舞台の仕事もしているので、体力作りをしている方なのかもしれません。といっても、ストレッチや軽い筋トレ程度のことなのですが……。でも、病気になって知ったのは、体力があって、健康で、手術ができるくらいの肉のつき方じゃないと手術を受けられないということ。私の場合、手術に向けて体を鍛えたわけではないのですが、日ごろの生活の中で体力が養われていたのかもしれないです。――1回目の手術から2年弱で2回目の手術を受けたそうですが、肺腺がんの再発ということでしょうか?青木さん主治医の先生いわく、私が患ったがんは女性に多くてできやすく、でも、できるたびに取っていけば命に関わることはないとのことでした。それに、結局のところは手術で取ってみないと、がんかどうかはわからないんです。2回目の手術はがんだと思って受けたのですが、病理検査の結果、がんではないことがわかりました。――2回目の術後もやはりつらかったのでしょうか?青木さん最初のときに比べると、熱や吐き気が多少はラクに感じられました。一度手術を経験しているので、まったくわからないことへの恐怖はなかったですし、慣れたということなのかもしれないです。安心して購入できる食材で和食中心の食事を心がける日々――がんを患ってから、生活の中で心がけるようになったことを教えてください。青木さん家での食事は比較的、気を付けるようにしています。近所のお友だちのすすめで酵素玄米炊飯器を買ったので、ご飯は酵素玄米です。それに味噌汁、ぬか漬け、梅干し、納豆といった程度のものが多いです。――厳選された食材を使っているのでしょうか?青木さん外で食べるときには気にしませんが、家で使うものは食材や調味料に気を配るようになったと思います。――以前は食生活にそれほどこだわっていなかったのでしょうか?青木さんこだわっていなかったと思います。例えば、調味料でも野菜でもお肉でも、それぞれに金額の差がありますよね。以前はその金額を安くしようと思っていましたけれど、今はそこにお金をかけようと思っています。決して高いものがいいというわけではないのですが、食材費を抑える生活はやめました。今は食材や調味料などに一番、お金を使っているかもしれません。――ご自身で納得のいく食材を買う、ということでしょうか?青木さんそれもあるのですが、大切に育てられた野菜やお肉を、機嫌の良い方たちから買い、気分の良い状態で料理をして、楽しく会話しながら食べることを心がけています。食材を買うスーパーは決まっていて、そこのスタッフの方と仲がいいですし、生産者さんとお話ができることもあるんです。作っている人や売っている人の顔が見えるので、安心して買うことができるという感じですね。ストレスをためないように自分を変えることを意識している――ほかにはどんな変化があったのでしょうか?青木さん意識的に規則正しい生活をするようにして、夜は11時には寝て、朝は6時には起きるようにしています。それから、ストレスをためないこと。私の場合、ストレスのほとんどは人間関係でたまっていくんです。それを改善しようとするとき、相手に変わってもらうことは無理ですから、自分が変わるしかないと思っているんです。――自分を変えるのは簡単そうで難しいことだと思いますが、例えばどんなことを意識しているのでしょうか?青木さん誰かの発言に対して「でも」という言葉は言わず、「はい」、「わかりました」と同意するようにしています。相手の言うことに同意していたら、それ以上はもめることはありませんから。自分自身、すごく素直になったところもあります。<青木さやかさんプロフィール>1973年愛知県生まれ。大学卒業後、フリーアナウンサーを経てタレントの道へ。「どこ見てんのよ!」のネタでバラエティー番組で大ブレイク。そのほかドラマ、映画、舞台、エッセイの執筆など幅広く活躍中。著書に9割実話のエッセイ小説『母』(中央公論新社)など。著者/熊谷 あづさライター。1971年宮城県生まれ。埼玉大学教育学部卒業後、会社員を経てライターに転身。週刊誌や月刊誌、健康誌を中心に医療・健康、食、本、人物インタビューなどの取材・執筆を手がける。著書に『ニャン生訓』(集英社インターナショナル)。
2021年07月23日ローソンは、パティスリー・サダハル・アオキ・パリ(pâtisserie Sadaharu AOKI paris)を手掛けるパティシエ青木定治監修の新作スイーツ「Uchi Café×サダハルアオキ シュー マッチャ キャラメル 2個入」と「サダハルアオキ監修 抹茶オーレ 200g」を全国のローソン店舗にて2021年8月3日(火)より発売する。フランス・パリに本店を構える人気のパティスリー、パティスリー・サダハル・アオキ・パリを手掛ける青木定治が、コンビニエンスストア店頭で販売するスイーツとチルド飲料の監修を行うのは今回が初めて。「Uchi Café×サダハルアオキ シュー マッチャ キャラメル 2個入」は、香ばしいシュー生地の中に、程よい苦みと香りが特徴の「西尾抹茶」を使用した抹茶クリームをたっぷりと入れ、まろやかでほんのり甘みを感じられるフランス産ゲランドの塩とバニラビーンズをあわせた塩キャラメルソースとあわせた。自宅で本格パティスリーを楽しめる一品となっている。また、まろやかな味わいの抹茶オーレは、軽やかな香りと旨みが特徴の国産抹茶を100%使用。ブレイクタイムにもぴったりの1杯だ。【詳細】「Uchi Café×サダハルアオキ シュー マッチャ キャラメル 2個入」640円「サダハルアオキ監修 抹茶オーレ 200g」238円発売日:2021年8月3日(火)取り扱い店舗:全国のローソン店舗※「ローソンストア100」を除く。
2021年07月10日三井住友カードは、CMキャラクターに中条あやみさん、青木崇高さん、江口のりこさんを起用し、新TVCM「同じだった、けど色が違った」篇 第1話/第2話(各15秒)を7月1日(木)から全国で放映します。今回のCMでは、2021年2月に放映開始した「みんな違って、みんな同じ」篇で“心配性の人”役を務めている青木さん、“合理的な人”役の江口さんがそれぞれのキャラクターを引き継いで出演し、中条さん演じる新しいキャラクター“買い物好きな人”との出会いを描いています。青木さん演じる“心配性の人”は大型スーパーで、江口さん演じる“合理的な人”はコンビニを訪れ、お会計をしようとしているところに、中条さん扮する“買い物好きな人”に出会います。同じタイミングでレジへ進み、緑色の三井住友カードを提示する青木さん、江口さん。しかし、中条さんが出したカードの色はゴールド。この色の違いが一体何を示すのか……?ゴールドカードの真相が気になるところで、CMは終了します。順調に進んだ撮影の中で、中条さんは手元を映すタッチ決済のシーンだけは中々うまくいかず、大苦戦。監督のOKが出ると、「今日イチ緊張したよ~」と満面の笑みを見せたそうです。また、「心配性感が出るよう頑張ります!心配で~す(笑)!」と挨拶して撮影現場を盛り上げたという青木さんや、監督のオーダーに応えながら微妙にニュアンスを変えて演じ分けた江口さんの圧倒的な演技にも注目です。ぜひチェックしてみてください!■TVCM情報「同じだった、けど色が違った」篇第1話/第2話(各15秒)放送開始日:2021年7月1日(木)動画公開URL:第1話、第2話(マイナビウーマン編集部)
2021年07月01日女優の中条あやみ、江口のりこ、俳優の青木崇高が、7月1日より放送される三井住友カードの新CM「同じだった、けど色が違った」編に出演する。新CMでは、2月に放送を開始した「みんな違って、みんな同じ」編で“心配性の人”役を務めている青木、“合理的な人”役の江口がそれぞれの設定を引き継いで出演し、中条演じる新しいキャラクター“買い物好きな人”との衝撃的な出会いが描かれている。同じ店を訪れ、同じタイミングでレジに並び、同じ三井住友カードで会計をするが、江口と青木のものとは違う中条のカードの色。何かの運命を示唆するかのような2つの遭遇劇に注目だ。今回のCM撮影について、中条は「CMがストーリー仕立てなので、お芝居をしている感覚で撮影に臨みましたが、そうした演技よりもカードをタッチする(手元の)シーンでめちゃめちゃ苦戦して……。このタッチの動作が意外と難しいんだっていうことに初めて気づきました。練習で何回も“素振り”をしました(笑)。 あの瞬間が一番緊張したかもしれません(笑)」と回顧。また、三井住友カードの機能にちなみ、「お金の管理をしっかりできるほうか」を問われると、「(子どもの頃)家族にはケチって言われてました(笑)。130円とか小さいお会計の時に千円札をくずすのが嫌で、その場でお母さんに130円借りて、後で返してました(笑)。中学生の時、お家の掃除を1週間手伝うとお小遣いを500円もらえていたので、サボるともらえなくなってしまうから毎日コツコツやっていました」と明かした。
2021年06月30日青木さやか撮影/佐藤靖彦完璧主義の母の束縛、認められない苦しさ、愛を受けられなかった憎しみ。何十年も確執のあった実母とひとり娘が、ホスピスで過ごす時間の中で関係を修復して――。2003年に「どこ見てんのよ!」の決めゼリフで全国区の人気を博し、以後、バラエティー番組やドラマ、映画、舞台などで活躍中の青木さやかさん。今、実母との軋轢やギャンブル依存症、結婚、出産、離婚など、自身の経験を赤裸々に綴った著書『母』が話題となっている。「10年以上前に『婦人公論』で母との確執を取材してもらいました。その後も何度かお世話になり、1年ほど前に“ウェブサイトで連載を”とお誘いいただいたんです」(青木さん、以下同)ウェブ連載のタイトルは『47歳、おんな、今日のところは〇〇として』。「あえて何でも書けるようなタイトルをつけていただいて、締め切りもテーマも文字数も非常にゆるっとしていた。おかげさまで今回、書籍の話になりました」連載と共通する部分もあるが、ほぼ書き下ろしに近い。「連載はエッセイでしたが、書籍は“小説にしたいな”と思い、自分としては小説を書いたつもりでした」だが、林真理子さんが書いてくれた帯の文言を見て“完全にエッセイとして読まれている”という事実に気づく。「やっぱり主人公の名前を“さやか”としてしまったせいですかね~」そこで“9割実話のエッセイ小説”と説明することに。「“9割実話”とうたったのは出てくる人たちに迷惑をかけたくなかったからです。と、言ってしまうと、元も子もないのですが(笑)」パチンコに明け暮れ、スナックや雀荘で働いていた過去や、自身が患った肺がん手術の経験、愛娘との日常──。各章で語られるそれらは、自然な流れで、母への思いや記憶につなげられる。■この本では母との仲直りを書こうと決める印象的なフレーズがある。《もし、母が選べるのだとしたら、わたしはこの母を決して選ばなかった。わたしはアンラッキーだ。どうしてわたしには、この母が割り当てられたのだろう》「母との確執について、テレビ番組や雑誌で話してきました。それが母が亡くなる直前になって、ようやく関係を変えることができたんです。だから、この本は母との仲直りを書こうと決めました」本を執筆している中で、青木さんは自身の新たな側面を認識する。「私は職業柄、自分を客観的に見ることができる。本を書き進めるうちに気づいちゃったんです。“あー青木さやかって厄介な人だなぁ”って」最近、HSP(HighlySensitivePerson)という言葉がよく聞かれるようになった。“非常に感受性が強く繊細な気質の人”のことで、おそらく過去の青木さんはこのHSPに近い特性を持っていたのだろう。「世の中、自分的になにか引っかかる点があっても、それに気づかないふりでスルーできる人が多い。私の場合は、それが苦手です。すべての引っかかりに真正面からぶつかりたがる。こんな人間が身近にいたら周りの人は疲れちゃいますよね。だから友達にすごく感謝したんです。ありがたいな~って!」母との確執には、自身の“厄介な部分”が関係していると青木さんは分析する。「私はずっと母が嫌いでした。でもそれは母が特別に悪かったわけでもなく“私でさえなければ”うまくスルーできていたことの積み重ねの結果かもしれない。そんなふうに思うようになりました」■“たわいもない話をする難しさ”を知る青木さんと母が距離を縮めたのは、死の直前。母が悪性リンパ腫によって入所したホスピスでのことだ。「親元を離れて上京したときも、娘を出産したときも、自分の中で母への気持ちが変わるかもしれないという期待があった。でも、無理でした。 自然に母への好意を持つことはどうしてもできず“仲直りをしよう”と強く意識して行動することでしか、関係を変えられなかったんです」青木さんは仕事の合間を縫い、週に1度は愛知県内のホスピスへ面会に出向いた。「今日は“いい娘じゃなくてごめんね”って謝ろう。今日は手をマッサージしてあげよう。毎回“ミッション”を決めて、クリアできるように努力しました。そのなかでいちばん難しかったのは、“たわいもない話をする”ということ。それって“いい空気感”が必要なんです。和やかでなければ叶わない。でも、母とは何十年もの間、ギクシャクとしていたので、どうしても空気がどんよりとしてしまって」そのよどんだ空気を変えるため、青木さんは役者としての経験を生かした。「舞台のお仕事では“登場と同時に場の空気を変えてください”なんて言っていただくことがありまして。母の病室でも最初は演技でしたが、和やかな雰囲気をつくって、世間話をすることができた。最終的に、母とはいいお別れができたと思います」真正面から母と向き合ったことで、自分に変化が生まれたのだ。母との軋轢の改善は、青木さんに課せられた使命だったのかもしれない。「例えば友達に愚痴を言ったら、その場はスッキリする。でも、根本的な解決ではないな、と思っていて」ならばつらくても自分のイヤな部分にちゃんと目を向け、一瞬でもいいから反省するほうが前に進めるのではないかと考えるようになった。「実際、私はそうすることで母との問題を解決できましたし、ラクになったんです」それは“あくまでも私の場合ですが”と語る青木さん。100人いれば100通りの母娘関係がある。「嫌いな親に対して“こうしたらいい”とかでなく、ただ“こんなケースもあるよ”と思っています」という青木さんも現在、小学6年生の娘の“母”だ。■渾身の書籍を小6愛娘に“やばい”と笑われ「母から“勉強しなさい”と言われて育ったので、娘には“勉強なんてしなくていい”と言ってきたんです。でも、あるとき娘に“勉強しなくていいっていうことを押しつけないでほしい”と言われました。結局、私は母と同じことをしていたんですよね」本書には、愛する長女への思い、2人の日常や、執筆中に励ましの言葉を受けたことなど、母・さやかとしてのいい話も満載だ。しかし本が刷り上がったのちの後日談があった。完成した書籍を見た娘は“憎んでたんじゃない、愛されたかった”という帯の一文を見て爆笑したのだ。「“やばい”“え、なにママ、ソレどんな顔で言ったの?”って思いっきり笑われましたね。娘は私のことをダサいと思ってるんだろうか……はは。小学生の子たちが読んだら、どう思ってくれるんでしょうか(笑)」小学6年生になった娘からの評価には大いにへこんだものの、周囲からの評判は上々だ。「おかげさまで私は街で声をかけていただく機会も増えました。その一方で、有名になることの怖さも感じています。かつて、自分を取り巻く状況があまりにも変わりすぎてしまい、私自身と“青木さやか”という商品のバランスを取ることが難しくなってしまった。仕事は好きなのに、“私のことは忘れてほしい”という思いも、どこかにありました」だが、ちょうど連載を始めた1年ほど前から気持ちが変わりつつあるそうだ。「心身ともに元気になるにつれて“またがんばりたいな”と思うようになった。だから、連載や本の執筆にも前向きになれました。有名になるのは今でも怖い。でも、一匹狼のような、かつての私じゃない。今は信頼できる仲間、友達、そして娘がいる。がんばれます」500万部売りたい、と豪語する“作家”としての青木さんは、本当にきっと瞬く間に有名になってしまうだろうと予感した。■ライターは見た!パソコンはほとんど使えないという青木さん。本書も連載も、なんとLINEで執筆していると聞き、仰天した取材班。「手書きだと時間がかかってしまうので、スマホでLINEのメモ機能を使って書きました。最後のころは熟練してきて、スクロールの指の感覚でざっくりとした文字数がつかめるように(笑)」もはや職人の域!? しかも本書の原稿は、ひと月ほどで書き上げてしまったという。「右手の親指1本で文字を打ち込むので、指が痛くなって書けなくなってしまうことがありました。近所のお友達にそのことを話したら“手塚治虫先生と一緒じゃん!”って言われて高まりました」自分でも驚くほど筆が進んだという青木さんだが「この本は、国語教師だった母が一緒に書いてくれたような気がします。学生のころには、母が書いた小論文でアナウンサー試験の面接まで進んだことがありますし(笑)」スムーズな執筆には、幼少期からの豊富な読書量も関係しているようだ。「小さいころは毎週のように母が図書館から5冊の本を借りてくれて、例えば平岩弓枝さんの作品など子どもにしては難しい小説を読んでいました。それに、両親ともに本が好きで家には書庫があり、何千冊という蔵書がありましたから。暇があれば書庫にある大人向けの小説なども読んでいましたね。林真理子さんや吉本ばななさんの作品など、自分で買って読んだ本もたくさんあります」インタビュー中には、同じ小6の娘を持つ弊誌編集Yと娘談義で盛り上がる場面も。「シャンプーや洗顔料は娘専用のものがあり、『使わないで!』と言われています。そのお金は私が出しているので『どういうことなの?』って思いますけど……。あと、テレビはほとんど見なくてもっぱらYouTubeですし、TikTokにも夢中です。どのあたりが面白いのかサッパリわからないのですが、娘も私のことを見て、同じようにわからないと思っているんでしょうね(苦笑)」(取材・文/熊谷あづさ)自分のことが嫌いだった主人公・青木さやかが実母との確執と和解、ギャンブル依存症、売れっ子芸人の苦悩などを綴った9割実話のエッセイ小説。「婦人公論.jp」で話題沸騰中の連載「47歳、おんな、今日のところは〇〇として」にオリジナル原稿を大幅に加筆。青木さやか●1973年愛知県生まれ。大学卒業後、フリーアナウンサーを経てタレントの道へ。「どこ見てんのよ! 」のネタでバラエティー番組で大ブレイク。そのほかドラマ、映画、舞台、エッセイの執筆など幅広く活躍中。
2021年06月24日(左から)青木さやか、吉川ひなの、杉本彩、中島知子吉川ひなの(40)は《あるとき心が壊れ、芸能活動を続けることができなくなり、以前から両親に頼んでいた貯金を分けるようお願いをした》と5月に上梓したエッセイ本『わたしが幸せになるまで』の冒頭で生い立ちを書き、反響を呼んでいる。■金をせびる毒親に悩まされ……両親から渡された通帳には、吉川の稼ぎで住んでいた豪邸1か月分の家賃に満たない額しかなく、その後も吉川のところへ何度も来ては、なけなしの貯金さえも奪っていったという。さらに吉川は本書の対談で「小さいときから母親に『こんな時代に子どもを産んじゃダメ』と言われて育ったから、子どもが欲しいとか考える前に、産まないものだと思っていたの」と発言しているところから見ても、明らかに毒親からコントロールされていたと言っていいだろう。毒親との確執が描かれた漫画『毒親サバイバル』(菊池真理子著)に登場し、毒親の被害を告白したライターの成田全さんは「アメリカ人のスーザン・フォワードが、著書『Toxic Parents』で、子どもの人生を支配し、子どもに害悪を及ぼす親を、“Toxic Parents”(有毒な親)と呼び、この本が’99年に日本で『毒になる親』として出版され、以後“毒親”という名称が定着しました」と語る。「毒親にはさまざまなタイプがあります。体罰などの暴力や性的虐待があるもの、常に監視・支配・管理・抑圧して過干渉したり、自分ができなかったことや夢を押しつけ、できないことを責めて暴言を吐くもの、その逆で一切面倒を見ないネグレクトなど。それらが複合的に絡み合っていることが多いのですが、共通するのは子どもに『あなたのため』と言いながら、実は自分のことしか考えていないことです。世間体を保つためだったり、子どもを自己実現のための“自分の分身”としか思っていないんですね」(成田さん)家に借金取りが来ると母が隠れてしまい、学校へ行けなかったという吉川。「芸能界には金銭でもめる家庭が多いんです。両親が浪曲師だった藤圭子さんは、貧しさから高校へ行くのを断念、両親と一緒に流しをしていましたが、歌手として売れ始めると金銭トラブルで両親が離婚。父と疎遠になり、その後同居した母とも金銭トラブルで絶縁しました。松坂慶子さんも幼少時から芸事を習わされ、費用捻出のため食事を減らすなどされたそうです。その後結婚を反対され、親が暴露本を出すなどして絶縁状態となりましたが、父の死後に母と和解、同居して先日100歳で母親は大往生されています。棋士の林葉直子さんは通帳や印鑑を親が管理、14歳からの稼ぎをすべて使われ、借金を抱えて自己破産しています」(スポーツ紙記者)■否定・支配する親また元オセロの中島知子はインタビューで毒親について言及している。「親に金を毎月無心され、無職の妹の結婚・出産費用に加え生活費まで払っていたが、それを断ると妹が中島さんの人間関係の悪口を言いふらし、それが影響してか独立騒動で大変なことになったと。生放送の後に母親が『ダセえ服着やがって』と電話でダメ出ししてきて、最後に金を振り込めと言われたそうです。毒親は『誰のおかげで飯が食えると思ってるんだ』などと、生活できることやこの世に生まれたことを自分の手柄のように言いますが、これは典型的なモラハラ。この発言があったら要注意です」(成田さん)教師だった母との軋轢を、著書『母』で吐露したのが青木さやかだ。テストで85点を取っても「どこを間違えたの?次は100点取らなきゃね」と評価を下して価値観を押しつけてくる母に応えたい、でも私の頑張りが足りないから褒められない、と自己否定し続ける。「自分がやりたくなくても言われたことは指示どおりにやれるのは母の教育の賜物と言いながら、どれほど評価されても自信のなさは埋まらず。子どもができると世界が変わると言われたが、何も変わらなかったとありました。しかし子育てを通じて個性や自己肯定、共生を学んだそうで、母の呪縛の連鎖を断ち切ろうともがき続け、看取ったことでひとつ区切りをつけたのでしょうね」(成田さん)同じように、小島慶子も出演する番組をすべてチェックされ、ファクスが束になるほどの感想を送られるなど大人になっても母から過干渉を受けていた。それでも期待に応えようとしていたが、7年間距離を起き、自分を取り戻したという。また杉本彩は父が借金の保証人になって貧困となり、母は愛想を尽かしてほかの男と出ていくなど家庭が崩壊、16歳で自立して芸能活動を開始。後に仕送りをしていた母を、妹夫婦のもとから呼び寄せようと仕送りを止めた途端、暴言を浴びせられるなどしたそうだ。杉本は母についてブログで「人の悪口と恨みつらみしか口にしない」「若いころから数々のひどい仕打ちを母から受けている」と書き、絶縁した。このように小島と杉本は実家とは違う世界を自分の力で得て、連鎖を断ち切っている。■酒と暴力を浴びせる親「毒親育ちの人には、自分の子にも同じことをしてしまうのでは、という連鎖の恐怖があるんです。芸人の若井おさむさんは母と兄から虐待されたことで、結婚後に妻から子どもがほしいと言われ、父親になるのが怖くて離婚を選んだ、とインタビューで語っていました」(成田さん)芸能界には、かなり壮絶な家庭で育っている人もいる。「遠野なぎこさんは、酒・借金・暴力の父から虐待を受け、母は男性をとっかえひっかえして1週間放置されたり、付き合っている男の下半身の写真を見せられたといいます。両親が離婚後についていった大東駿介さんは、母が男と出奔してネグレクト状態となり、中学生から極貧ひとり暮らしするなどかなり壮絶ですね」(前出・スポーツ紙記者)中でも成田さんが驚いたと言うのが、女優の小川真由美から受けた壮絶な虐待を、娘でミュージシャンの小川雅代が赤裸々に綴った『ポイズン・ママ』だという。「昔、小川母子が『ジャングルTV~タモリの法則~』に出演した際、娘が無愛想で、セットを蹴ったりしていて、あのタモリさんでさえ扱いに困るほどだったのですが、この本を読んで数々の虐待を受けていたのを知り、嫌々共演したことがわかりました。占いを信じて緑と紫のものを排除させ、このままだと悪いことが起こると勝手に改名、放っておかれて食事を与えられずに飢餓状態になったり、中学生の娘(雅代)がいるのに気にせず自宅で性交したり、付き人が金を盗んだのに犯人扱いされたり、悪魔が取り憑いているとおまじないやお札を増やしたり……もうとにかく凄まじい毒親っぷりで、唖然としました」(成田さん)毒親育ちは大人になってからも自分を傷つけ、苦しむもの。芸能人の告白が、少しでも力になりますように。
2021年06月17日映画『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』の公開を記念して行なってきたリレーインタビューもいよいよ最終回です。連載第1回に登場してくれた佐藤健に『るろうに剣心 最終章 The Beginning』の公開初日に再びインタビューを敢行! 「佐藤健にいまだから聞きたいこと、言いたいこと」として武井咲、青木崇高、新田真剣佑、江口洋介、有村架純からの質問に全て答えてもらった。佐藤健の弱点、そして真夜中のストレス解消法とは…?ハードな仕事「なくなると追いかけたくなる」――ついに本日(6月4日)、『るろうに剣心 最終章 The Beginning』が公開を迎えました。今朝のお目覚めはいかがでしたか?穏やかでしたね。「また雨か…」と思いつつ、穏やかに目覚めました。若干、まだ眠いです(笑)。――早速、ここまでのリレーインタビューで共演陣から寄せられた質問にお答えいただきます。武井咲さんからは佐藤健の“弱み”について「何かできないことはないの?」という質問が寄せられています。荷造りですね。あれが本当に苦手です…。整理整頓ができないんですよね。(旅行や出張に)何を持って行ったらいいのか? 苦手なくせに、完璧じゃないといけない! みたいな気持ちがあって、終わらないんですよ、テキトーにできないので。それで、なかなか手を付けられないし、終わらないという…(苦笑)。――ということは、部屋は散らかっているんですか?部屋は散らからないように、最初からとにかく物を置かないようにする戦法でやっています。逆に散らかったら、しばらくはキレイにならないですね(苦笑)。――武井さんからもうひとつ「10年経って、これだけビジュアルが変わらないのもすごいことだと思うんですよね。太ったりも痩せたりもないですし。なので、何か続けてやっている事とかあるのか?そのへんのコツも知りたいです(笑)」と。基本的に(継続的にやっていることは)なくて、次の作品の役作りに向けての身体づくりしかしたことないです。何かを維持したり、若い頃のままの肉体を保つために何かしているというのはないです。結果的に食事制限をしたり、ジムに通ったりというのはありますけど、あくまでも次の役に向けてですね。――昨年、コロナ禍でエンタメ業界全体がしばらくストップするという、普段は起こりえない事態もありましたが、もしも、次のスケジュールがない状態がずっと続いたら…。(昨年の緊急事態宣言の期間中)全く何もしてなかったんですよ。だから、それが続いていたらどうなっていたんだろう? って思いますね。まあ、そんなに太りやすい体質でもないんですけど、あのまま続いたらどうなったのか? 興味深くはありますね。――有村架純さんからは、肉体面ではなく精神体な面での質問です。今回『The Final』の撮影があり、続いて『The Beginning』を撮り、また『The Final』に戻るというスケジュールだったそうですが「気持ちをキープする方法、メンタルとか集中力、持続力はどこからわき出てくるものなのか知りたい、聞いてみたいです」とのことです。まず第一に「気合い」なんですけど(笑)、つらいときは楽しみに待ってくれている人たちの顔を思い浮かべることがモチベーションになりますね。――「もうダメだ」という気持ちになったり、メンタルが堕ちてしまう瞬間はないんですか?たぶん、これまでもあったんでしょうけど、そんなに深く記憶に残ってないんですよね。結局、終わったら忘れちゃうんです(笑)。だから、またやっちゃって「やんなきゃよかった…」ってなるんですけど…。――以前、佐藤さんは「ほとんどの問題は自分の考え方ひとつで解決できる」という意味のことをおっしゃっていました。実際、そう思います。変な例ですけど、どんなに「つらい」といっても、コンビニのご飯だっておいしいですし、食べるものがあって、好きなこと――僕だったら謎解きとかができていれば、人生幸せだなぁって思えるんですよね。――そこで十分に満足できるのに、なんでこんなにハードな仕事を…?本当ですよね(笑)。ただ、それ(=仕事)がなくなっても、僕は絶対に幸せに生きていける自信はありますね。僕の場合、「千鳥」を見て、謎解きができて、NETFLIXでも見ながら静かに暮らせたら幸せなんです。でもだからといって、この仕事をやらなくなったら、どこかで後悔する未来も見えるんですよ。「あぁ、やっぱりきつくても続けていればよかったな」って。人間ってそうやって突然やりたくなるものだから。なくなると追いかけたくなるものなんでね。その未来が見えているから続けている感じですね。『るろうに剣心』以上の作品に出会いたいという想い――青木崇高さんからも同様にメンタリティについての質問です。「いろんな現場を主演として背負ってると思うんですけど、ずっとクールに佇んでいるんですよ。それはとても大変なことだし、ストレスやプレッシャーも感じると思います。『ちゃんとバカやってる?』って聞きたいです」という質問です。…(笑)。そういう意味では最近は減りましたね、バカやる機会が。20代前半から半ばくらいまでは、しょっちゅう友達と遊びに行ったりしてましたけどね。とくにコロナ禍もあってこの1年ちょっと、みなさんも同じだと思いますけど、ずっと家にいますね。――ストレス発散という意味では、家で枕に顔を押し付けて叫んだり、甘いものを一気に食べたりとか、何か決まってやる行動はありますか?あるとすれば深夜のペヤング&ビールですね。――意外とコストがかからない方法で…(笑)安いですけど最強ですからね(笑)。甘いものよりは炭水化物ですね。いまでもたまにやりますよ。深夜のペヤング&ビールが一番ですね。あぁ、言ってると食べたくなってきたな…(笑)。本当に最高ですね。――新田真剣佑さんからはひと言「続編やりませんか?」と。やりません(笑)。いや、百歩ゆずって続編があっても、マッケン(雪代縁) は出ませんからね。――真剣佑さんは『The Final』だけの出演でしたが、メチャクチャ楽しかったんでしょうね?そうでしょうね(笑)。彼はこういうジャンルの作品が一番興味のある、好きな作品でしょうからね。――原作の漫画は現在「北海道編」の連載が続いています。左之助や斎藤はもちろん、過去のエピソードに出てきたキャラクター、さらには新選組の元隊士なども新たに登場するなどしていますが、佐藤さん自身はさらなる続編に興味は…?あのへんは熱いですよね。僕も漫画は楽しんで読んでます。でも、実写化は全く考えてないですね。もう、やることはないんじゃないかな…。もしやるなら、マッケンを主演にしたスピンオフで(笑)。――江口洋介さんからは「(役者として)ここからどっち側に振っていくのか? どっち側の役をやっていくのか? 同じことをずっとやり続けるのか、真逆なこと、例えばコメディなんかをやりたいって思うのか…今度はこれ(『るろうに剣心』のヒットのイメージ)を壊していく作業になっていくと思うので、そこで出てくる彼の表現は、とてつもないエネルギーを持っていると思うから、とても楽しみに、影響されながら見ていきたいなと思いますね」という質問、熱いエールが届いています。「いままでと同じで」とか「変えていこう」とかは考えたことはないんですよね。ただ『るろうに剣心』という作品が、ひとつ誇れるものであると同時に自分にとって“枷”にもなるであろうことは間違いなくて、今後、剣心以上の役、『るろうに剣心』以上の作品に出会いたいという想いはありますね。やっぱりみなさんにとって、(剣心という役の)印象は大きいでしょうし、「佐藤健の代表作と言えば…?」と聞かれて『るろうに剣心』と言う人が多いと思います。それは非常にありがたいことなんですが、同時にそれをぶち壊してやりたいなと思っています。剣心は「ずっと好きだし、切り離せない存在」――ここから改めて『The Beginning』について、お話をお伺いします。いまの質問をいただいた江口さんとは第1作からずっと共演されていますが、本作では時代をさかのぼって、幕末の人斬りと新選組隊士という、過去の作品とは異なる立場でした。実際に対峙されて、どんなことを感じましたか?やっぱりそこはシリーズ作品の醍醐味を感じましたね。同じ人物なんだけど、全然違う。そういう状況で対峙することができて、普通のひとつの作品では絶対に味わえない感覚があり、これが長く何作もシリーズを重ねてきた特別なものなんだなという思いを抱きながら芝居をしていました。――剣心と巴が一緒に暮らすことを決めるシーンは、原作でも印象的なシーンですが、映画の中で、殺伐とした幕末の空気を一瞬忘れ、温かさと愛情にあふれた現代のラブストーリーのようにも感じられました。あのシーンはどのように臨まれたんでしょうか?そういう感じになったのは、監督の演出の仕方がそういう方向だったのだと思います。僕もアニメを見たときから、あのシーンの剣心の申し出がすごく印象に残ってたんですよね。プロポーズというか、女性にそういうことを言うのって、照れくさいし勇気が要るし、できることなら逃げたいし、相手に言わせたいけど、それはズルいなと自分から言う――それは剣心らしい魅力的な部分だなと。だからこの『The Beginning』をやると決まったときから、あのセリフは絶対に言いたいセリフとして自分の中で決まっていましたね。すごくいいセリフですよね。――このリレーインタビューの1回目、『The Final』の公開前に佐藤さんにお話を伺った際、前回の『京都大火編』『伝説の最期編』から最終章までの数年の間の、剣心との距離感について「仲は良いけど会わない親友という感じですかね。そのくらいの距離感」とおっしゃっていました。今後、佐藤さんの中で剣心はどのような形で存在していくと思いますか?どうなんでしょうねぇ…?わかんないけど、変わんないと思いますよ。どこかにずっといて、ずっと好きだし、切り離せない存在ですよね。大人になるにつれて仲のいい友人と会う回数って減るじゃないですか? 若い時はいつも一緒だったのに。でも親友であることはずっと変わらない。そういう存在だと思いますね。(text:Naoki Kurozu)■関連作品:るろうに剣心最終章 The Final 2021年4月23日より全国にて公開© 和月伸宏/ 集英社 ©2020 映画「るろうに剣心 最終章 The Final」製作委員会るろうに剣心最終章 The Beginning 2021年6月4日より全国にて公開© 和月伸宏/ 集英社 ©2020 映画「るろうに剣心 最終章 The Beginning」製作委員会
2021年06月12日「怒りがストレスにつながっていた」と過去を省みる青木さやかバラエティー番組やドラマ、舞台などで幅広く活躍している、タレントの青木さやかさん。実は長年、パニック症(パニック障害)に悩まされてきました。病気と向き合うなかで、これまで自分を苦しめてきたのは、自然と形成されてきた偏見や固定観念だったことに気づいたそうです。いったいどういうことなのか、YouTube『たかまつななチャンネル』で聞きました。■「死んじゃうかもしれない、怖い」――私も知らなくてびっくりしたんですけど、青木さん、実はパニック症だったんですよね?どういう病気なんですか?青木:私の場合は突然、こうやって話していても、意識が遠のいて息ができなくなって、倒れそうになる。――どうしてそうなるんでしょうか?青木:いちばん最初にこうなったのは10年くらい前かな。家にいたら「息ができない、死んじゃうかもしれない、怖い、倒れそうだ」みたいな感覚に襲われて、家族が救急車を呼んだんです。そのときは「原因はわからない」と言われて、元気になって帰ってきました。――それはまた怖いですね。青木:身体は全部調べましたし、脳神経外科にも行きました。でも、特に問題はなかった。それで、会社に紹介してもらった心療内科に行って、自分の状況を説明しました。「いつも倒れるわけじゃなくて、“倒れたらどうしよう”と思う場面で倒れそうになる」と。仕事中と仕事前、あとは観劇中や、舞台に出ているときとか。それと、地下がだめだったんですよね。窓がないところだと、息ができないんじゃないかって。ロケバスも「調子が悪くなっても車からすぐに降りられないから、人に迷惑をかけるかもしれない」って思うと、怖くなって乗れませんでした。だから全部、自分の車で行くようになって。――失礼ながら、考えすぎじゃないかとも思ってしまいますが。青木:そうかもしれません。でも、不安に思っていることって、人から「大丈夫だよ」って言われても、「いやいや、それがどうしても無理なの」とか、あるでしょ。その緊張感から倒れそうになる。仕事以外で倒れそうになったことがないので、「身体ではなく心の問題なのではないか」と思い始めました。――当時も、テレビとか舞台にけっこう出てらっしゃいましたもんね。青木:病院の先生からは「いったん仕事を休んでみたらどうです?ストレスになるものを排除したらどうですか」と提案されたんです。「自分がとても緊張してしまう相手と会わないとか、調子が悪くなる場所に行かないとか、そういったことをしてください」って。「それは難しいから、仕事は続けたい」と言ったら、薬を飲んで様子を見ましょうということになりました。それからは、難しそうなお仕事は数回ですけどお断りしました。収録日までずっと不安が募るから、結果的に、やめておいてよかったと思います。■「受け入れるの、嫌でしたね」――パニック症と言われて、すぐに受け入れられましたか?青木:私は当時、先生から病名を聞いていなかったような気がします。今回、コラムを書く機会があったので、初めて先生に「私の病気って何ですか?」と聞いたら「一般的にはパニック症というと思いますよ」とおっしゃって。たぶん、それまでは私の負担にならないように、病名をはっきりとは言わなかったんじゃないかと思います。パニック症と言われて、受け入れるの、嫌でしたね。病名がわかる前も、薬を飲んでいることはマネージャーさん以外には隠したほうがいいと思いましたし、共演者に伝えたことはないです。言われた相手も困るんじゃないかと。それに、お笑いの世界にいるので「青木って狂ってるな」とか「頭おかしいんじゃないの」って言葉は日常的に言われていて。相手はもちろん私を傷つけるつもりはないんですよ。でも、実はけっこう傷ついているので、また何か言われるんじゃないかなと。自分が余裕さえ持てば全然、平気なんだけれども。――結局、パニック症になってしまった原因はわかっているんですか?青木:「これが原因です」みたいなことは言われていない。ストレスじゃないのかな。ただ、あんなにずっと怒っていなければ、病気にならなかったかもしれないです。私は怒りがエネルギーだった人間なので、当時はいつもイライラしていたから。――薬を飲んで楽になりましたか?青木:緊張感はやわらぐようになりました。倒れそうになったときは、薬を飲めばだいぶ楽になったから。でも代わりに、すごく薬に依存するようになってしまった。薬がないと怖くて。薬を持ってくるのを忘れると、ワーって(心臓が)バクバクしたり。やっと手放せたのは、1年くらい前です。ある日、飲むのを忘れて、次の日も飲むのを忘れて、次の日も……みたいなことの積み重ねで1年経っているって感じです。それまで、8〜9年間くらいは飲んでいたと思います。――パニック症を隠すタレントさんも多いですが、公表したのはなぜですか?青木:エッセイで書こうと思ったのがきっかけです。もう薬を飲んでいなくて、病気が過去のものになったので、すごく冷静に、客観的に書けるようになったからだと思います。決して「パニック症の人を励まそう」とかいう気はなくて。私は私のことしかわからないので、ただ自分のことを書いたっていうだけです。自分にとっては、隠すことではないかなと思えました。■偏見や固定観念に苦しめられていた――パニック症になってよかったと思えることはありますか?青木:私は、自分の人生に起きることはすべて、何かしらの原因があったうえでの結果だと思っているんですよ。だから「原因はなんだろう、考え方を改めよう」という、ひとつの大きな変化につながっているので、よかったといえばよかったことです。――病気を経験する前と後で、どう考え方が変わったんですか?青木:パニック症に対する偏見や固定観念がなくなりましたね。最初は心療内科に通っていることを人に知られたくなくて、マスクをして行っていましたし、パニック症だと知られれば、仕事で使いづらいとか、しゃべりづらいとか、笑いにつながりづらいとか、思われるんじゃないかと思っていました。でも実際には、心療内科に通う人も至って普通の人たちだし、自分の偏見に自分自身が苦しめられていたことに気づいたんです。今では「(パニック症で)薬を飲んでいるんですか」って聞かれたら、血液型を聞かれたときに「O型です」って答えるのと同じくらい(の感覚で)、「飲んでいます」って答えられます。――自分のなかにある偏見や固定観念に苦しめられていたんですね。青木:私は、過去に植えつけられた記憶のなかで、偏見や固定観念を持って生きてきました。親や友達、先輩などから言われた言葉が頭の中に残っていて、これを言ってはいけないとか、こう生きていかなきゃいけないとか、こういうときはこうだ、みたいな。そういったものがなければ、きっとストレスはなかったと思います。とは言っても、社会に物申すより、自分が変わったほうが早いのだと、恩師に教えてもらいました。まずは自分の偏見をなくして、自分が変わらないといけないと感じています。――具体的には、どんなことに気をつけていますか?青木:仕事では、ネガティブなことを思うと倒れそうになっていたけれど、楽しければきっと倒れない。だから、常に楽しい状況を作るために、人を嫌わない、嫌われないことを意識しています。人を嫌わないっていうのは、自分と考え方が違う人がいても否定しないこと。誰も何も否定しなければ、自分も否定されないんじゃないかと思って実践しています。できるだけ自分が仕事をしやすい、生きやすい環境を作るには、人との関わり方や生き方を変えるのが大事だと思います。――自分に対しても厳しくなくなったという面もあるんですか?青木:私は自分をぜんぜん大事にしていなかったんだと思いますね。自分を大事にすることは、人を大事にすることだと思うようになったので、今は前よりも自分のことを大事にできていると思います。――最後に、パニック症で悩む人に向けてメッセージをいただけると幸いです。青木:私は肺がんもやっていますけれども、パニック症のほうが日常的にはつらかった。世間の目が気になるとか、職場には言いたくないとか、そういう思いがあって、それをストレスに感じる人がいるとしたら、「多くの悩みは植えつけられた固定観念に過ぎない」って思ったほうが、楽に生きられると思います。(取材・文/お笑いジャーナリスト・たかまつなな)
2021年06月10日映画『るろうに剣心 最終章 The Final』(公開中)大ヒット舞台挨拶が4日に都内で行われ、佐藤健、武井咲、青木崇高、土屋太鳳、江口洋介、大友啓史監督が登場した。和月伸宏の同名コミックを実写化した同シリーズは、『るろうに剣心』(12年)、『るろうに剣心京都大火編』『るろうに剣心 伝説の最期編』(14年)と3作合わせて累計興行収入125億円以上、観客動員数は980万人を突破した大ヒット作。幕末に人斬り抜刀斎として恐れられた剣心(佐藤)が、不殺(ころさず)を貫きながら仲間と平和のために戦う姿を描く。「最終章」は、原作では最後のエピソードとなる「人誅篇」をベースに縁(新田真剣佑)との究極のクライマックスが描かれる「The Final」と、原作では剣心が過去を語るかたちで物語が進む「追憶篇」をベースに、"十字傷の謎"に迫る「The Beginning」の2部作となる。巻町操役の土屋は、出演する前から同作のファンだったということもあり「とても緊張しております。ここに立てることを本当に嬉しく思いますし、本当に光栄です」と喜びをあらわに。「激動の時代の中、新しい未来を守る人たちの物語が『るろうに剣心』シリーズだと思いますが、まさに今、世界中で医療従事者の皆さんをはじめ、多くの方々が新しい未来を守ろうとしていて、そんな時にこの映画が完成したということは、とても大きな意味を持つのではないかなと感じております」と語る。「この作品に込められた熱い祈りは新しい未来を温かくし続けるエネルギーになるのではないかと思っています」と希望を込めた。周囲の反応については、「前作から一気見される方が本当に多いみたいで、今までは初めて会う方から『朝ドラ見てました』と言われることが多かったんですが、最近は『るろうに剣心見てます』と。海外の方からもけっこう言われます」と明かす。一方で、「『The Final』の初号の時に、巴さんのエピソードで号泣しすぎて、(有村)架純ちゃんに心配をかけてしまったという経緯があるので、あえてまだ観ていないんです」と、4日から公開になった「The Beginning」を未見だということも告白していた。
2021年06月05日映画『るろうに剣心 最終章 The Final / The Beginning』(公開中)のグランドフィナーレイベントが4日に都内で行われ、佐藤健、武井咲、青木崇高、土屋太鳳、有村架純、村上虹郎、北村一輝、江口洋介、大友啓史監督が登場した。和月伸宏の同名コミックを実写化した同シリーズは、『るろうに剣心』(12年)、『るろうに剣心京都大火編』『るろうに剣心 伝説の最期編』(14年)と3作合わせて累計興行収入125億円以上、観客動員数は980万人を突破した大ヒット作。幕末に人斬り抜刀斎として恐れられた剣心(佐藤)が、不殺(ころさず)を貫きながら仲間と平和のために戦う姿を描く。「最終章」は、原作では最後のエピソードとなる「人誅篇」をベースに縁(新田真剣佑)との究極のクライマックスが描かれる「The Final」と、原作では剣心が過去を語るかたちで物語が進む「追憶篇」をベースに、"十字傷の謎"に迫る「The Beginning」の2部作となる。この日は同じ場所でまず「The Final」大ヒット舞台挨拶が行われ、佐藤、武井、青木、土屋、江口、大友監督が登場。その後「The Beginning」公開初日舞台挨拶に佐藤、有村、村上、北村、江口、大友監督が登場した。続けて舞台挨拶が行われることから、「The Final」メンバーから「The Beginning」メンバーへの質問を求められ、武井は「有村さんに、薫が『The Final』で(有村演じる)巴さん寄りの髪型になっていたことについて、『巴に似せた薫はどうだったか』聞きたい」と語る。撮影中の様子について、佐藤は「大友監督がシーバーで『もっと巴みたいにして!』という指示を出していたのを武井さんが漏れ聞いてた」と明かし、武井も「すごい気になってて、ヘアメイクさんが何度も来るんですよ。剣心(佐藤)にも『前の薫と髪型違くない?』とか言われて」と明かす。「縁(新田真剣佑)にとって(巴の姿が)フラッシュバックするような存在であったり、色んな思いがあるとは存じていたので……」という武井だが、自身の質問について「重たいよねえ」と苦笑も。佐藤が「メンタルがすごいよ。本人によう聞けるな! 絞り出して1番聞きづらいことを聞いてる。『私、合格ですか?』って」とつっこむと、武井は「そういうのじゃない! 『私、合格でしょうか……?』って」と言い方を訂正する。大友監督は「いいんじゃないですか、バチバチやって下さいよ」と面白がり、武井は「先に謝っておきます、すいません!」と頭を下げた。武井からの質問を「The Beginning」公開初日舞台挨拶で受けた有村は、「あの、とても美しかったです」と答え、なぜか佐藤は「ありがとうございます」と感謝する。有村は「『美しい』にも理由があるんですけど、巴と薫さんの性格にはきっと違ったものがあると思うんです。巴からみた薫さんはすごく無邪気だったり素直だったり、巴にないものをたくさんもっていらっしゃるので、とてもまぶしい人なのではないかなと思いました」と推測。佐藤は「うちの薫がすいませんでした」と質問のことを謝罪していた。
2021年06月04日インタビューに答える青木さやか。がんになったことは、自分の親にも娘にも伝えなかったというタレントの青木さやかさんが今年5月、母親との長年にわたる確執などについて綴った『母』(中央公論新社)を出版しました。そこで明かされたのは、青木さんが肺がんを患い、手術を受けていたこと。仕事と育児をしながら、どのようにがんを乗り越えたのか。YouTube『たかまつななチャンネル』で聞きました。■「がんの告知」は驚くほど軽かった――今回、本を出されて、その内容がめちゃくちゃ素敵でした。青木さん、実は肺がんだったと。青木:肺がんのひとつである『肺腺がん』でした。きっかけは、先輩に誘われて受けた人間ドック。「肺に小さな影があります。大きくなっていくようなら、がんの可能性が高いので、様子を見ましょう」と。結局、5年くらい前に影が大きくなったんです。再検査のあと、診察室に呼ばれて入ったら、先生がこっちも見ないで「ああ、これ、がんですね。どうします?」っていう感じ。軽いでしょ?――そんな軽い感じで告知されるんですか。青木:家族が呼ばれて(緊張感の中で伝えられる)というイメージだったけれども、全然違いました。思わず「軽いですね」って言いましたよ。「私、死ぬんでしょうか?」って聞いたら「死ねない、死ねない。頑張っても死ねないよ」と先生はおっしゃって。がんの告知をされるのは、私たちからすると非日常じゃないですか。でも、先生からすると日常的なことなんですね。でも、軽く言われたことで、そのときはあまり深刻にならずに済んだのかもしれないです。――(頑張っても死ねない、とまで言われるということは)早期に発見できたってことなんですね。青木:「これがどんどん大きくなってしまうと命を脅かすものになるから、今のうちに取っておいたらどうですか」と言われて、手術をすることにしました。――自分ががんと聞いて、どう思いましたか?青木:がんだとわかってから、怖くて1回だけ車の中ですごく泣きました。それきり泣いていないけれど、とにかく怖かった。病室にいるときもすごく怖かった。怖くて怖くて、押しつぶされそうになりました。――周囲の人には伝えたんですか?青木:病院から出てすぐに、会社に連絡をしました。ちょうど舞台が入っていたので「舞台が終わったら手術をしたいから、その時期は休ませてほしいです」と伝えました。うちは私と娘の2人暮らしなので、娘の学校にも連絡して、しばらくは娘の父親の家から学校に通うことと、父親が無理なときは、ママ友の家から通わせると担任の先生に伝えました。それから、数人のママ友と保険会社にも連絡した。娘はまだ小学2年生だったので、がんのことは言いませんでしたが、いずれは伝えようと思っていました。私の親には伝えるつもりがありませんでした。当時は仲がいいというわけではなかったけれども、なぜだか心配は絶対にかけたくなかったので。――がんのことを周りの人に伝えたときの反応はどうでしたか?青木:「そうなんだね」って、あえて流してくれる人もいたし、すごく心配してくれる人もいたし、「私もがんだったんだよ、実は」っていう人もいました。そのなかで「私もがんだったのよ。でも大丈夫、絶対に治るから。だから安心しなさい」と言う人がいたんですけど、すごく違和感を覚えたんですよね。私は「自分ががんだったから、がんの人の気持ちがわかる」ということはないと思っていて。性格も状況も環境も、何もかも違うなかで、同じ病気になったからといって、同じようなことを思い、望むかというと違うと思うので。大丈夫という言葉は、受け入れられなかったですね。――励まそうとしてくれたのかもしれないですけどね。青木:結局、誰に何を言われても安心につながらなかったのは、こちらに余裕がないからですよ。自分がいっぱいいっぱいだと、ちょっと嫌なことを言われただけでも、すぐにへこんだり対立したりするけれども、余裕さえあれば全部、受け入れられるでしょ。病気になって余裕がないから相手を受け入れられない状況になってしまった、という感じです。――手術は大変でしたか?青木:人によると思うんですけど、私の場合、手術自体は4、5時間だったかな。前日に入院して、肺にカメラを入れて、どこを切り取るかをお医者さんがチェックする。当日は手術室に入って、麻酔をして寝ている状態なので、全然覚えていないです。起きたらICU(集中治療室)にいるっていう感じ。麻酔薬のせいか、吐き気と熱でつらかったです。2、3日は起きることができなかったんですけど、しばらくすると歩けるようになりました。1週間くらい入院していましたね。■「でも」という言葉がストレスの原因に――がんになって何がつらかったですか?青木:生活面で特につらいのは、仕事ができない時期があることですね。娘がいるし、家賃やいろいろな維持費もあるし、金銭的なことをすごく考えました。しかも、どれくらいで仕事に戻ってこられるかわからない。同じパフォーマンスができるのかもすごく心配。舞台とかドラマとか、今後の仕事を入れるかどうかを自分で判断しなければならないストレスがありました。――がんの恐怖をどうやって乗り越えたんですか?青木:乗り越えるというか、つらいな、つらいな、怖いな、つらいな、苦しいな……と思いながら、ずっと暮らしていた感じでしたよ。遊んでいても何も楽しくなかったし、気を紛らわせるということも、私にとってはすごく難しかったですね。ネットで検索して出てくる、同じ病気の方の闘病記なども、私を励ましてくれるものではなかった。けれど「がんは怖い」とか「がんになったらこうだ」みたいな固定観念を、できるだけなくそうと努力しました。友人の武司さんに言われて印象的だったのが「いろんな人の話を“はい、わかりました”って素直に聞いていたら楽になるよ」というひと言で。ちょっとやってみようかなと思って、そこからすごく変わりました。たとえ私の意見のほうが正しいと思っても、「でも」という言葉を使わなくなりました。――「でも」って、めちゃくちゃ使ってしまいます。青木:「でも」って言うと、続けて自分の意見を言わなければならないし、(時には)人と対立することになって、それが大変なストレスだったと今は思います。逆に「はい、わかりました」と言うようになってからは、人間関係のストレスはほとんどなくなりました。相手の思い通りに動くことになるので、すべてうまくいくような気がしています。――「わかりました」と発したことによって、(例えば、仕事で作りあげるものなどが)自分が思っていたよりクオリティが低かったとしても、それは受け入れられるんですか?青木:私のこだわりなんて、すごくちっぽけだと思うようになりました。結果的に、自分のこだわりを捨てて完成した作品のクオリティが下がったかというと、下がっていない気がする。こだわりを持って誰かと対立していたことがストレスになって、病気の原因のひとつになっていたかもしれないと思います。■どう生きていくかを考えさせられた――闘病を経て、心境の変化はありましたか?青木:病院では4人部屋にいたんですけど、そこで私よりも状態が悪くて大変なはずの人が、どう人と接しているかとか、毎日の生き方を見て、とても勉強になったんですよ。ある女性は、大変な状況にも関わらず、すごく丁寧に暮らしていました。いつも髪をとかしていた。薄く化粧もしていた。先生や看護師さんたちに、いちばんに感謝を伝えていた。私のことも心配してくれた。苦しい顔を見せなかった。そういう人を見ていると、この先の人生をどう生きていくかを考えさせられました。――周りのサポートでうれしかったことはありますか?青木:退院後の数日は、もうナースコールもないし、ひとりで動かなければいけないので身体がつらくて大変でした。そのときに、友達が自宅の玄関前まで来て、(ドアノブに)かけておいてくれたおかずやスーパーのお惣菜はありがたかったです。――私も含めてですけれど、若い人の中には、がんに対して危機意識がない人もいると思います。何か伝えたいことはありますか?青木:私はがんで苦しんだっていうよりも、病気によっていろいろなものを見せてもらったし、病気に教えてもらうことが多かったと思います。同室の女性や看護師さんたちから、惜しみない優しさをもらって「この看護師さんが来ると不思議と痛みが減るんだよな」ということも経験しました。だから、結局は人と人なんじゃないかと思っていて。がんにならないように生きるというよりは、毎日ベストを尽くして楽しむことが大事なのかなと思います。――最後に、がんで悩んでいる人にメッセージをいただきたいです。青木:私は、自分ががんだからといって、がんの人の気持ちがわかるとは思っていなくて。今、がんになっている人の気持ちは本人じゃないとわからないと思うから、実は何も言うことはなくて。私の場合は、「毎日忙しく、楽しく生きていれば、それが明日をつくる」と思ってやっている、という感じです。――ありがとうございます。青木さんの『母』という新著、病気になって、お母様に対してどう感じたかということなども書かれていますが、家族関係で悩まれている方も多いと思うので、読むとヒントになると思います。ありがとうございました。(取材・文/お笑いジャーナリスト・たかまつなな)
2021年06月04日映画『るろうに剣心 最終章 The Final』(公開中)大ヒット舞台挨拶が4日に都内で行われ、佐藤健、武井咲、青木崇高、土屋太鳳、江口洋介、大友啓史監督が登場した。和月伸宏の同名コミックを実写化した同シリーズは、『るろうに剣心』(12年)、『るろうに剣心京都大火編』『るろうに剣心 伝説の最期編』(14年)と3作合わせて累計興行収入125億円以上、観客動員数は980万人を突破した大ヒット作。幕末に人斬り抜刀斎として恐れられた剣心(佐藤)が、不殺(ころさず)を貫きながら仲間と平和のために戦う姿を描く。「最終章」は、原作では最後のエピソードとなる「人誅篇」をベースに縁(新田真剣佑)との究極のクライマックスが描かれる「The Final」と、原作では剣心が過去を語るかたちで物語が進む「追憶篇」をベースに、"十字傷の謎"に迫る「The Beginning」の2部作となる。この日は「The Beginning」の公開日であり、 「The Final」も興行収入33億円を突破と大ヒット、さらに1日に全国の映画館が再スタートしてからの新たな公開となり、大友監督は「地方の方達が、東京・大阪の皆さんに届けるまで自分たちが『るろうに剣心』を支えるんだと、何十回も観るといった方が多くて、感動する日々を過ごしておりました。ぜひ『The Beginning』と同時に『The Final』も。どっちの順番で観ても大丈夫だと思います」と感無量といった様子だった。シリーズを通して出演する「The Final」のおなじみメンバーがそろった舞台挨拶に、佐藤は「嬉しい限りです。さすがに今日がこのメンバーでこうやって一堂に会して何かするのは最後ですか? 最後ですか!?」と語りかけ、青木も「どうなんですか!?」とのっかる。佐藤は「最後です!」と断言し、「となると、寂しくもなりますけど、最後のこの時間を噛みしめながら、幸せを感じながらやってきたいと思います」と心境を明かした。一方、この日は全国的に大雨。『京都大火編』イベントも大雨だったことから、雨男疑惑をかけられた佐藤は「なんで!? 監督なんじゃないですか?」と監督へ振るも、全員が「晴れ女」「晴れ男」を主張する。佐藤は「晴れ男とか晴れ女議論ってなんなんだよ、と思ってるけど、さすがに自分の主演作の完成披露とか、ほぼほぼ雨なんですよ。思いが天に伝わったのかなあと思って、『よかった、雨だ』と思いました」と苦笑していた。
2021年06月04日ヨコヤマノブオさん作の人気漫画『武士スタント逢坂くん!』が、アイドルグループ『ジャニーズWEST』の濵田崇裕さん主演でドラマ化されることが決定しました。濵田崇裕主演ドラマ『武士スタント逢坂くん!』あらすじ江戸時代から令和にタイムスリップしてきた人気春画師・逢坂総司郎を主人公に、彼が巻き起こすドタバタ青春コメディを描いた『武士スタント逢坂くん!』。性の交わりを描く春画は、当時の江戸時代では風紀を乱すとして禁止の対象になっていたものの、隠れて春画を描き続けた逢坂は、ついに処刑されてしまいます。無念の思いからか、突如令和にタイムスリップした逢坂は、漫画家・宮上裕樹と出会い、弟子になることを決意したのでした。主人公の逢坂を演じる濵田崇裕さんは、同作が初の単独ドラマ主演。「とても嬉しい反面、緊張しています」と初めての主演ドラマに率直な心境を明かす一方、「初めての単独主演という気持ちを大切にして挑んでいきます」と意気込みも語っています。濵田崇裕さんが出演するテレビドラマ『武士スタント逢坂くん!』は、2021年7月26日の深夜24時59分から日本テレビにて放送スタート。劇中で逢坂が思いを寄せるヒロイン・丹内あたりや、逢坂が主君として忠義を持つようになる漫画家の宮上など、追加キャストに関する続報にも期待がかかります![文・構成/grape編集部]
2021年06月02日クリエイティブディレクターの三浦崇宏(みうら・たかひろ)さんが10代から70代までの年齢も性別も職業もバラバラの9人と対談した『「何者」かになりたい 自分のストーリーを生きる』(集英社)が4月に発売されました。「何者」かってなに?「何者」かになったほうがいいの?今の時代特有の“しんどさ”って?仕事やコミュニケーションの悩みあるあるなど、3回にわたって三浦さんにお話を伺いました。【前回は…】隣の芝生がめちゃくちゃ青い…今の時代特有の“しんどさ”って?別れ際は「ご機嫌よう」って帰ればいい——ホテルプロデューサーの龍崎翔子さんとの対談が一番しっくりきました。というのは、「相手の時間を奪うことについてすごく繊細」「人にお願いごとをするのが苦手」とかウートピの読者にとっても“あるある”なのではと思ったんです。「ご飯行こうね」と社交辞令で言ってしまって後悔するとか……。三浦崇宏さん(以下、三浦):「今度ご飯行こうね」っていうサヨナラがあるじゃないですか。やりたいことと、言いたいことしか言わないって決めたらいいんじゃないですかね。本気で「今度ご飯行こうね!」って思ってたら言えばいいし。——逆に、言ってしまったら社交辞令で終わらせないでちゃんと行ったほうがいいのでしょうか?三浦:うん、でも言わなくていいと思うんですよね。「ご機嫌よう」って帰ればいい。ビジネスパーソンの男性がよく言うのが、「何か面白いことしましょうよ」。でも、そう言っている人たちが一緒に面白いことしてるの見たことあります?ないですよね。だったら言わなくていいですよね、そんなウソ。「ご機嫌よう」でいいじゃないですか。だから、本当にしたいこと以外、口にしないって決めたらいいんですよ。頼られるってそれだけでうれしい——人にお願いするのが苦手というのもすごく共感しました。三浦:龍崎さんにもまったく同じことを言ったんですけど、「頼る」コミュニケーションもあると思うんですよね。頼られるってうれしいんですよ。「今度こういうことあるから、手伝ってくれない?」とか「教えてほしいことがあるんだけど」って言われると自然にうれしいじゃないですか。もっと言うと、この人に必要とされていることだからうれしいんですよ。自分が頼みごとをされたり相談されたらうれしいのに、自分が頼む側になると忘れちゃうんですよね。——そうなんです。自尊心が低いんでしょうか?こんな私がお願いをするなんて申し訳ないと思ってしまう。三浦:うーん、自尊心もそうですし、臆病というか、自分が傷つくくらいだったら自分でやったほうがマシって思っているのかもしれないですね。僕、一応「The Breakthrough Company GO」って会社の社長なんですけれど、みんなが仕事をしているときに「昼飯行こうぜ」って言っても本当に誰からも返事がないときがあるんです。これって恥ずかしいですよね?インターンの学生の前で社員6人くらいに「飯行こうぜ」って誘ってみんなから無視されることもあって、インターン生から言われるんですよ。「三浦さんって、意外にあまり尊敬されてないんですね」みたいな。割とド直球で言われるんですよ。「え?まあそうね」みたいな。まあそうやって傷つくのが嫌だから、最初から誰も誘わないで一人でご飯行く人が多いんじゃないかな。でも、タイミングが合わなかっただけで、誘われるのがウザいとまでは思ってないと思うんですよ。断ればいいだけなので。だから、頼まれたり誘われたりすることは、そもそも気分が良いことなんだってことを知っておいてもいいのかもしれない。——言われてみればそうかもしれないです。三浦:インスタで知り合いがみんなで旅行に行ってるのを見て、たとえ自分は都合が悪くて行けなかったとしても声かけてほしいと思いますもん。行けないけど誘ってくれてうれしいってあるじゃないですか。だから、頼んだことに対して相手が受けてくれなかったとしても、頼むこと自体が相手を一つ喜ばせてるって思ったほうがいい。あなたは私にとって必要だよってことだから。——さっきのランチに誘って誰もこないとき三浦さんは傷つきますか?三浦:もう慣れてきちゃいましたけど、みんなに断られると悲しい気持ちにはなりますよね。——それって慣れですか?三浦:慣れもあるし。でも1回1回ちゃんと傷ついていったらいいんじゃないですか?傷つくってすごい体験——結局傷つきたくないって思っちゃうんです。三浦:失恋もそうだけど、いや、格闘技のほうがいいかな。僕はすごく格闘技が好きなんです。応援してる青木真也さんや昔だったら桜庭和志さんとか有名な選手がいるんです。そういう応援している人が負けるとまるで親が死んだくらい落ち込むんですよ。悲しいなって思うんですけど、ある日ふとした瞬間に気付いたのが、なんで俺はこんなに金を払って悲しい思いをしなきゃいけないんだろうって……。でも、冷静に考えたら、親も誰も死んでないし、金も損してないし、なのにこんな悲しい思いができるってすごく幸福なことだなって思ったんです。それと同じように、たとえ失恋したとしても傷ついた経験自体は、すごく大切なことだと思うんですよね。悲しかったりつらかったりしても、それを体験した事実自体はプラスだと思う。お金をだまし取られたとか暴力をふるわれたとか、そういうことじゃない限りは。僕はよく「ライフ・イズ・コンテンツ」って言うんですけど、自分の人生を物語だと捉えたときに、傷ついたことってすごく大事なシーンだなって思える。たとえ悲しいことがあったとしても。——ちゃんと傷つくことが大事なんですね。第1回でもおっしゃっていた「自分に問いかけてみる」とつながる気がします。三浦:そうだと思います。なんで私こんなに悲しいんだろう?あの人のことが本当に好きだったんだなって思えたら、すごくすてきなことだと思います。※次回は5月18日(火)公開です。(聞き手:ウートピ編集部・堀池沙知子)
2021年05月13日クリエイティブディレクターの三浦崇宏(みうら・たかひろ)さんが10代から70代までの年齢も性別も職業もバラバラの9人と対談した『「何者」かになりたい 自分のストーリーを生きる』(集英社)が4月に発売されました。「何者」かってなに?「何者」かになったほうがいいの?今の時代特有の“しんどさ”って?仕事やコミュニケーションの悩みあるあるなど、3回にわたって三浦さんにお話を伺いました。「頑張りたくない私はダメなの?」女性に届いてほしいと思ったワケ——『「何者」かになりたい』は三浦さん初の対談集ですが、改めて女性読者も意識されたと伺いました。女性に読んでほしいのはなぜですか?三浦崇宏さん(以下、三浦):これまで3冊本を出してきたんですが、読者は男性が中心だったんです。それはありがたいことだし、今の世の中で男性と女性とで分けるのはナンセンスかもしれないですが、これまで僕の本を手に取ったことがない人にも届けたいと思って「女性にも読んでほしい」と考えました。——どんな女性たちに読んでほしいですか?三浦:現状、女性のほうが選択肢が少ないと思うんです。女性の場合は結婚や出産というライフイベントが働き方にどうしても影響してくる。だから女性がチャレンジすること自体がハードル高く感じられるというか、頑張ること自体がリスクだと思っている人が多いのかなと感じています。これは僕の友人の女性が言っていたんですが、「私はそこまで頑張りたくない。世間では頑張ることを良しとする風潮があるけれど、じゃあ頑張りたくない私はダメなの?」って。これはどちらが正しいとか正しくないとかではないと思うんです。頑張りたい人は絶対頑張ったほうがいいし、頑張りたくない人は頑張らなくてもいいと許されてもいいし。でも今って、正しいこととそうではないことがキッパリとあるような空気があって、頑張りたい人も頑張りたくない人もどちらも自分が否定されているような気がして悩んでいるんじゃないかな?と思ったんです。——確かにそんな空気を感じます。三浦:そうですね、だから、この本もいろいろしんどいことがあるけれど、その“しんどさ”に対して答えを出すよりは「俺も分かんないんだよね」みたいな寄り添う本にしたいと思いました。世の中や社会の中で居心地が良くなる本になるといいなって。一人一人と向き合って初めて見えてくる真実——ライターのくつざわさんやホテルプロデューサーの龍崎翔子さん、「ほぼ日」の糸井重里さんら9人のリーダーと対談していますが、対談形式にしたのは?三浦:対談形式にした理由は3つあります。一つは、どんな人でも悩んでいることを伝えたくて。一番のきっかけになったのはくつざわさんで、彼女は僕の友人でもあるのですが、すごく苦しそうに見えたんです。今はわりと肩の力が抜けたのかなと思っているんですけれど、当時はすごく苦しそうだった。——苦しそうというのは?三浦:例えば「お茶とオーツミルクどっちが飲みたい?」って聞いたら「私、いくつかの視点から検討していろいろ考えたんですけど、市場のトレンドから考えるとオーツミルクが飲みたいと思うんです」って答えちゃうみたいな……。もちろん例えなんですが、そういう感じの回答をしてくる子だったんです。僕もたまにあるから分かるんですけれど、ごまかしているときとか自分をよく見せたいときの話し方って何となく分かるんです。僕自身も基本的に同じようなことで悩んでいたりするから、ちょっと長く生きた分だけ何か伝えられることあるんじゃないかなと。二つ目が、亡くなってしまったのですが、博報堂時代に小沢正光さんというクリエイティブディレクターの大先輩がいたんです。その人が言っていたことで僕が今でも大事にしているのが「イノベーションは現場からしか生まれない」。ポン・ジュノ監督が『パラサイト 半地下の家族』でアカデミー賞監督賞を受賞したときにマーティン・スコセッシの言葉を引用して「最も個人的なことは最もクリエイティブなこと」とスピーチした内容とも重なるのですが、普遍的真理って個別に真剣に向き合ったときに初めて見えてくるものだと思うんです。「人間の真実って何だろう?」と言ってても全然思いつかないけれど、(対談相手の)カツセマサヒコさんや佐渡島庸平さんとか一人一人と話していくうちに人間の真実が見えてくるというか……。いろんな人と個別に向き合っていくことでしか見えてこない今の時代共通の真実があるんじゃないかなと思ったんです。三つ目は、同じ人とずっと話していても飽きちゃうから。今回対談した人は年齢も職業もみんなバラバラなんですが、話していて本当に面白かったです。9人との対談を通しで全部読んでいくうちになんとなく見えてくるものがあればいいなと思いました。隣の芝生がめちゃくちゃ青い時代を生きている——対談で見えてきた今の時代特有のしんどさがあるとしたらどんなものでしょうか?三浦:今の時代特有のしんどさって二つあると思うんです。一つは比べてしまうことですね。選択肢が可視化されているでしょう。例えば、結婚したあの子と仕事を頑張ってる私みたいな。TwitterとインスタとFacebookを開けば、その人が何してるか分かっちゃうから。——全部分かっちゃいますね。三浦:それが全部じゃないんですよ。みんないいことだけアップしてる。旅行とか誕生日会とか良いことばかりあげているんですよ。でも自分の人生って当然トイレにも行くし、絶望もするし、風呂も入り忘れるし……。——ああ、メイクしたまま寝ちゃうし……。三浦:そういうことのほうが多いじゃないですか。だから今って他人の芝生がめちゃくちゃ青い時代を生きている。すぐ他人と比べちゃうし、相手の良いところしか見えてないからすごく負けたような、自分が間違っているような気がしちゃう。互いに良いところしか見せ合わないし、必要以上に他人と比較しちゃう。必要以上に自分の人生よりも他人の人生が良いって思いがちな時代。それが一つのしんどさです。もう一つのしんどさは、自分と向き合う時間がなくなってること。朝起きてから会社に行って、LINEのやりとりやTwitterやインスタを更新して、仕事のタスクに追われて、終わったらヨガとか習い事をして、帰ってきて洗い物して、寝る前にストレッチしてお風呂入るじゃないですか。本当に今私この仕事楽しいと思ってるかな?とか、今引っ越ししたいって思ってるのかな?とか自分のことを考える暇はないですよね。自分のことを一番置き去りにするじゃないですか。——してますね。それでみんな自分が何したいか分からないって言いますよね。三浦:そうそう。でも、自分が何したいか分からないじゃないんですよ。自分が何したいかを聞く時間をみんな持ってないんですよ。——自分に聞いてないってことですか?三浦:そうです。一人になって、「あれ?この本、本当に読みたかったっけ?」とか、「本当にこの仕事したかったっけ?」とか自分に聞いていない。面倒くさいから今の仕事してるだけ。辞めるのが面倒くさいんですよ。辞めたり、転職先を探したり、人に相談することのほうがはるかに面倒くさい。だったら今目の前にある仕事を頑張ったほうが楽なんですよ。だけど本当にそれをやりたいかは、また別の話ですよね。——確かに転職するのって面倒です。エージェントに登録して職務経歴書を更新してとかいろいろ考えるとこのままでいいかって思っちゃう。三浦:そう、忙しすぎて、他の人からの要望や他の人との連絡が多すぎて、自分という他者の存在のことをないがしろにしてしまっている。自分のことが一番自分で分からない時代。その二つだと思います。他人と比較してしまうことと、自分のことをちゃんと思いやったり、自分のことをちゃんと考える時間がなくなってる。この二つが今一番しんどいんじゃないですかね。「そうだね、シャワー浴びたいね」っていう本——三浦さん自身は自分に問いかけますか?今自分が何をしたいのかとか。三浦:僕は自分で自分に取材するようにしてます。自分と向き合わざるを得ない時間をどうやってつくるか。多分、サウナがはやってるのもそれだと思います。そういう時間を持ちたいってみんな思ってるんじゃないですかね。だからこの本もそんなことを考える助けになればいいなと思いました。『「何者」かになりたい』というタイトルですけど、何者かになったほうがいいよっていう意味じゃなくて、何者かになるってどういうことなんだろう?そして、なったからって本当に幸せなんだろうか、いや意外とそんなことないよっていう本なんですよ。何者かになりたい、本当はなりたくないかもしれない。でもちょっとなってみたい、みたいな案配というか。今まで何冊か本を出してきましたが、こういうふうに学んだほうがいいよ、こういうふうにしたほうがいいよっていう“上から系”の本が多かったのですが、今回は寄り添う形を意識しました。これって俺も分かんないけど、あなたも分からないんだねって。分からないことを確認し合う本です。——「しんどいよね」って言い合う感じですね。三浦:そうそう。恋愛相談と一緒です。「彼氏のこういうところが気に入らなくて」って相談されたときに「じゃあ別れなよ」って言う必要は全然なくて。むしろ本人はそんなこと言ってほしくなくて。「そうなんだ」「そこが気に入らないんだね」ってことですよね。僕もお付き合いしてる人に、「忙しくてシャワー浴びる時間もない!」って言われたときに「じゃあ15分早く起きればいいじゃん」って言ったらすごく怒られたんです。「じゃあなんて言えばよかったの?」って聞いたら「そうだよね、シャワー浴びたいよね」でいいって……。それ以来、彼女に何を言われても、「そうなんだ、シャワー浴びたいね」って言うようにしてますね。そんな感じのシャワー浴びたいねっていう本です。※次回は5月13日(木)公開です。(聞き手:ウートピ編集部・堀池沙知子)
2021年05月11日実写版『るろうに剣心』シリーズが『るろうに剣心 最終章 The Final』『るろうに剣心 最終章 The Beginning』をもってついに完結する。これを記念してシネマカフェではキャスト陣のリレーインタビューを敢行! シリーズ完結への思い、いまだから言える“あの”話、主演の佐藤健に言いたいor聞きたいこと、さらにアンケートで寄せられた読者からの質問にも回答してもらう。第3回は、剣心の頼れる相棒・相楽左之助役の青木崇高!役作りのスタートは肉体からのアプローチ――足掛け10年にわたって左之助という役と向き合ってきました。ここまで長く役と付き合うことはなかなかない経験だと思いますが、映画『るろうに剣心』シリーズ、そして左之助という役柄は青木さんにとってどういう経験であり存在だったのでしょう?本当に特別だと思いますね。こんな凄いものが詰まったとんでもないプロジェクトに出会えるっていうのは、どんな仕事のジャンルにおいても、幸せだと思うんですよね。自分のキャリアにおいて、とんでもなく大きな意味を成すと思いますし、喜びですよね。幸せだと思っています。もちろん、結果として“10年”になっている訳であって、パート1の時はここまで見据えている訳ではなかったです。ここまでの作品が続いたのは、現場はもちろんですが、関係者のおかげであったり、公開された後も、多くの人に支えられたからだと思います。本当にそう感じますね。――左之助役は基本的にテンションが高めで、フィジカルで勝負するキャラクターですが、毎回、役に入る際のスイッチとなるルーティンであったり、続けてきたことなどはありましたか?パート1の撮影前は、パンチの出し方からアクションの練習を始めました。そこから少しずつキャラクターをつかんでいったんです。僕のそれまでの作品では、資料を集めたり、分析したりと、“心”から作ることが多かったんですけど、左之助に関しては、自分で動いて、動いて、動いて…その中でキャラクターを作っていく、肉体からのアプローチでキャラクターを作っていきました。だから、何年経ってもその動きを繰り返せば、キャラクターや精神が蘇ってくるというのを感じました。もちろん衣装や髪型もそうですし、スタッフの顔や神谷道場のセットを見てもそうです。だからキャラクターに戻れるかどうかという不安はなかったですね。――パート1のアクションの対戦相手は、元格闘家の須藤元気さんでしたが、パンチを習うところから始めたんですね?そうです。大丈夫かなって不安もありましたけど、いろんなアクションシーンで助けてもらって、なんとかキャラクターを成り立たせることができたかなと思います。大友(啓史)監督とパート1を携えてロスに行った時の現地のお客さんの反応がすごく面白くて。各キャラクターが出るたびに拍手したり口笛を吹いたりしてくれて、左之助のキャラクターもすごくウケていたので、もし続編やるなら、海外の人ももっと楽しめるようにと意識もしていました。“陽”のキャラクターで明るく照らす――過去作で左之助が「お前の傷を治すのは俺の役目じゃない」というセリフを言った際、海外の観客が「よく言った!」という感じでメチャクチャ盛り上がったという話を大友監督がおっしゃっていました。原作も含め、国内・海外を問わず人気の高いキャラクターですね。(登場人物たちは)暗い過去を背負っているじゃないですか。“陰”のキャラクターが多い中で、左之助は数少ない“陽”のキャラクターなので、そこは明るく照らさないといけないなと思っていました。もちろん彼は単純なヤツじゃない。思いやりのある明るさを持っているっていうのは物語の中でも必要なんじゃないかなと思います。保育園の先生から手紙をもらったことがあるんですが、不登校だった子どもが大好きな左之助を見たことによって、学校に来るようになったというのを知りました。自分自身、こういう声をもらえるっていうことに感動しましたし、左之助やこの映画にはそんなパワーがあるんだなってとても嬉しくなりました。老若男女、国内外を問わず通じるような、憎めない気持ちのいいキャラクターがあるとするなら、それを探っていたと思いますね。――読者からの質問ですが、佐之助以外に演じてみたかったキャラクターはいますか? オーディションの時点に立ち戻って「好きな役を選んでいいですよ」と言われたら…?自分的にはやっぱり左之助しか考えられないですけど…僕、切れ味のいい刀は振ってないんですよ(※左之助が拳以外で使う刀は巨大な“斬馬刀”)。だから真剣の殺陣ができるなら誰でもいいからやりたいなっていうのはありますね。吉川晃司さんが演じた刃衛は、しびれるほどかっこよかったなと思います。「俺がやっても…」っていうのはありますけど(笑)、剣心を相手に一度ちゃんと切れる刀抜いてみたいですね。――シリーズを通して一番大変だったシーンは、どの作品のどのシーンでしたか?結構どれも大変でしたので一番を挙げるのはなかなか難しいんですけど「(撮影を)朝までやった」とか「昼までやった」とかありましたね。本当にどの戦いも大変だったんですけど、毎回アドレナリンがドバドバ出てるって感じですね。脳内のアドレナリンがなかったら、撮影が成り立たなかったんじゃないかというくらいアドレナリンに助けられてました。アクション撮影後は、自分の体をさすりながら「お前、よう頑張った」「ようもった!」と労っていました。アクションにおいて、心にブレーキをかけてる映像って本人が一番わかっちゃうんでやりたくないんですよ。だから多少のケガなら仕方ないと覚悟を決めてやっていました。しかしどれもハードでしたね…。全てのアクションが終わって、メイクさんたちに体中の血のりを落としてもらっている時は涙が止まらなかったですね。全部終わったんだっていうのを体と心で感じましたね。左之助にひと言「お前も相当強いぞ!」――そんな左之助の、今回の最終章における魅力、見どころについて、ネタばれがない範囲でお願いします!喧嘩屋という彼のキャラクターだと思うんですけど、拳にこだわっている以上、(刀での戦いに)ついていけないところがあるのかもしれない。けど、だからこそ見える彼の精神性というか…。剣心が「ただいま」と戻ってくる場所はやっぱり神谷道場だし、剣心だけでなく、薫、弥彦、恵にとってそういう場所が大切だと思いました。そこを守ろうとするキャラクターの強さが見どころじゃないかなと思いますね。「つれねぇこと言うんじゃねーよ」とか「水臭いじゃねーか」といった言葉は、左之助のキャラクターをよく表しているんじゃないかなと思いますね。――作品としては今回で最終章となりますが、左之助に対して青木さんから何かひと言いただけますか?本当に素敵な人だと思います。やっぱり剣心と出会ったことで、攻める強さだけでなく、守る強さも知ることができたんじゃないかなと思いますね。その強さに関しては、お前も相当強いぞ!っていう思いはありますね。けど少しは防御も学べと(笑)。いつまでも恵(蒼井優)に治してもらってるだけじゃなくて。――シリーズが終了してしまうこと、左之助にさよならすることに対しての寂しさみたいなのはありますか?他の作品で感じるような寂しさはないですね。それより続いたことが奇跡に近いと思うので、その感謝や喜びとかが勝ってますね。10年も経ったわけで、個人的な感覚では当時のアルバムみたいなのものになってる部分もあるんですよ。ロケやキャストやスタッフさんとの思い出とかもありますし。作品を観たら、何度でも反芻できて個人的に楽しめるところはあると思います。「また続編を…」と話が来ても、同じことを思うんじゃないですかね。「こんな作品に出会えるなんてお前、幸せだぞ」「やるしかねーだろ!」って。そう言い聞かせると思います。それだけ自分にとって特別な作品だっていうことです。――改めて『るろうに剣心』チームというのはどういう存在でしょうか?クレイジーでファンキーで、本当に楽しい最高な仲間たちの集団だと思います。いろんなものが逸脱した…(笑)。ぶつかり合える喜びがある、本気な人たちっていう感じですね。――座長・佐藤健に今だから言いたいこと、聞きたいことがあればお願いします。いろんな現場を主演として背負ってると思うんですけど、ずっとクールに佇んでいるんですよ。それはとても大変なことだし、ストレスやプレッシャーも感じると思います。「ちゃんとバカやってる?」って聞きたいです。(text:Naoki Kurozu)■関連作品:るろうに剣心最終章 The Final 2021年4月23日より全国にて公開© 和月伸宏/ 集英社 ©2020 映画「るろうに剣心 最終章 The Final」製作委員会るろうに剣心最終章 The Beginning 2021年6月4日より全国にて公開© 和月伸宏/ 集英社 ©2020 映画「るろうに剣心 最終章 The Beginning」製作委員会
2021年05月07日