人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。3月のお客様は、ブライダルデザイナーの桂由美さんです。’60年代に仕事を始めた桂さん。以来日本も大きく変わりました。第4回は、そんな桂さんが令和の日本、そして若い世代に思うことについて語ってくれました。個人であること、社会の一員であること。令和4年を生きるみなさんにお伝えしたいのは、今の日本は昔に比べると、本当に男女平等になったということ。あの頃は「女のくせに」という言葉が普通にはびこっていましたし、私はファッション業界でしたから少なかったほうですが、それでも随分いろんな経験をさせられました。だからみなさんはご自身たちのことを、本当にハッピーな世代だと思ってほしい。とはいえ、日本は昨年のジェンダーギャップ指数のランキングでは156か国中120位…。正直ここはもうちょっとなんとかしなくてはいけないと思います。自分自身のことは大事です。でもそれだけではなく、例えば自分の仕事や活動が、住んでいる地域、社会、日本という国、もっと言えば世界に対してどんな意味があるのかを、考えてみてください。小さなことでも、絶対に関係があります。自分の存在が社会と繋がり、なにかの役に立っていると知ることは、生きるうえでとても大事だと思います。婚姻数が低下する今、私が思うことは…。私がブライダルの仕事を始めて57年、いろんなことが変わりました。当時は97%の人が和装だったのが、ドレスを着る人が圧倒的に増加。最初の1年、たった30着しかオーダーがなく、私が毎日経済的に行き詰まっていたことを考えると、隔世の感があります。また日本の男性のフォーマルも、かつてはタキシードとモーニングだけだったのが種類も増えました。私がヨーロッパで学んできたフォーマルの文化が浸透したこと、嬉しく思います。でも同時に、婚姻数は大きく減少しています。もちろん日本は人口自体が減っており、価値観が多様化しているのは重々承知ですが、’70年代には年間110万組あった結婚が、今は53万組くらい、約半分になってしまったのは、ちょっと悲しいですね。結婚に少しでも興味がある人は、前向きに考えてみてほしいです。とはいえ、結婚は一人ではできないもの。女性側だけでなく、お相手になるみなさんにもぜひよろしくお願いしたいです(笑)。かつら・ゆみブライダルデザイナー。1965年の創業以来、パリコレを含む世界30以上の都市でショーを開催。4月には日本のウェディングドレスの変遷がわかるミュージアム「YUMI KATSURA MUSEUM WAKASA」を福井県にオープン。※『anan』2022年3月30日号より。写真・中島慶子(by anan編集部)
2022年03月26日人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。3月のお客様は、ブライダルデザイナーの桂由美さんです。1965年に、桂さんは自身の店を赤坂に開店します。しかしそこに至るまでも、また踏み出した後も苦難が。決してへこたれなかった、その理由とは?第3回目をお届けします。自分の足で立とうと決めた、雨の銀座の帰り道。ウェディングドレスのデザイナーになることは決めましたが、いきなり自分で起業するのはリスクが高い。まずはどこかの会社と一緒にできないだろうかと思案し、当時まだデパートにブライダル部門がなかったので、とあるデパートにお話しに行ったんです。「日本で初めてのブライダル専門店を開いたら話題になりますよ」と。しかし返ってきたのは、「うちは婚礼呉服がドル箱だから、ドレスはできない」という答え。しかも、そうおっしゃったのは婦人服部長さんでした。「申し訳ないけれど、私も社員だから」と…。帰り道、雨がそぼ降る街を泣きながら歩きました。デパートでドレスが買えたらみんな喜ぶだろうし、靴や小物など、関連するものもきっとたくさん売れると思ったのに…。そのときに、自分でやるしかないと心に決めました。そこで“私が始めたこと”という責任感を持てたから、どんなにつらいことも乗り越えられたのかな、と思います。切り開くのは大変だけれど、同時にとても楽しいです。1965年、私は自分のお店を『桂由美ブライダルハウス』とし、自分を「ブライダルコーディネーター」と呼ぶことに。そしてオープン後すぐに「第1回ブライダルコレクション」を開きますと、マスコミに手紙を出しました。反響は上々、でも皆口々に「ブライダルって何?」「え、ウェディングドレス?ならそう書けばいいのに!」…。“ブライダル”という言葉の知名度のなさに落ち込み、ファッション評論家の林邦雄さんに「ウェディングに言い換えるべきか」と相談をしたんです。でも林さんは、「バカなこと言いなさんな!みんなが“これは何?”と興味を持つこと自体が大きなPRになっている。変える必要ない!」と言ってくださった。嬉しかったし勇気が出ました。ゼロから始めたブライダルの仕事、何度も既成概念に阻まれ、そのたびに戦ってきました。でも物事を新しく変える戦いには大きなやりがいが。今も昔も、落ち込んでいる暇はありません!かつら・ゆみブライダルデザイナー。1965年の創業以来、パリコレを含む世界30以上の都市でショーを開催。今年4月には日本のウェディングドレスの変遷がわかるミュージアム「YUMI KATSURA MUSEUM WAKASA 」を福井県にオープン。※『anan』2022年3月23日号より。写真・中島慶子(by anan編集部)
2022年03月19日人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。3月のお客様は、ブライダルデザイナーの桂由美さん。おとぎ話好きだった少女は演劇に心をときめかせます。プロデューサーを夢見たものの、なぜブライダルに?!第2回目は、そんな桂さんの紆余曲折のお話です。実は過去に、演劇の道を志そうとしたことが。小学校を出た私は今の共立女子中学校に入学します。しかしここでも裁縫の先生に、「親の仕事を継ぐの?それにしては不器用ね!」と言われ、全然裁縫に気が向きません。そんなときに友人たちと樋口一葉の「たけくらべ」の演劇をやることになり、お話好きだった私が脚本と演出を担当。それが大好評で演劇の虜になりました。高校卒業時にはこっそり文学座研究生に応募し、合格!が、すぐに母親に見つかり、話し合いの結果「1年だけなら」となり、大学と劇団研究生の二足のわらじを履くことに。しかし同じ劇団の芥川龍之介氏のご子息・芥川比呂志さんに「今の演劇界で大事なのは知性。卒業後に戻ってきて」と言われ、1年後に大学に復学。その後私は授業を通じファッションに興味を持つのですが、あれは、“才能がないから諦めなさい”という意味だったのか、本当に知性が大事と言ってくださったのか…。どっちだったのか、今となってはわかりません(笑)。学校の先生を経て、いざブライダルの世界へ。大学で学ぶ中で、洋服づくりも学校の先生も、裁縫が上手い必要はないのかもしれない、と気が付きました。つまり私が考えた服を、私より上手に縫える人はいる。人には向き不向きがあり、自分に向いている道で頑張るべき、ということに気が付きました。それで、結果的には母の学校で先生になりました。当時2000人ほどいた生徒のうち300人から「あと1年学びたい」という希望があり、新たに特別専攻科を作り、卒業制作にウェディングドレスの課題を出したんです。しかし、生徒たちと材料を買いに町に出たものの、生地もなければ靴や手袋や下着などの小物もない。でもそりゃそうで、’60年代、結婚式を挙げた人のうちドレスを着た人は、たった3%程度、まったく根付いてなかった。その状況を見た生徒たちの、「先生がお店を開き、ドレスを着たい人を助けてあげればいいのに」という言葉から、私はブライダルの道に踏み出す勇気をもらったのかもしれません。かつら・ゆみブライダルデザイナー。1965年の創業以来、パリコレを含む世界30以上の都市でショーを開催。今年4月には日本のウェディングドレスの変遷を展示するミュージアム『YUMI KATSURA MUSEUM WAKASA』を福井県にオープン。※『anan』2022年3月16日号より。写真・中島慶子(by anan編集部)
2022年03月13日アイドルグループ・吉本坂46が5日、東京・Zepp Hanedaで「吉本坂46 2nd&3rd Anniversary Live~冬眠~」を開催し、ライブ終了をもって“冬眠”という名の活動休止に入った。秋元康氏のプロデュースによる、乃木坂46、欅坂46(現・櫻坂46)に続く坂道シリーズとして2018年8月に結成された吉本坂46は、吉本興業グループに所属するタレント約6,000人の中から選ばれたメンバーで編成。年齢と性別もバラバラな異色の男女混合アイドルグループとして活動してきた。1500人の観客が駆け付けたこの日のライブでは、吉本坂46がこれまで発表してきた全楽曲をパフォーマンス。2月2日に発売した1stアルバム『That’s Life~それも人生じゃん~』に収録されている新曲「笑ってサヨナラ」、「永遠のゴールドラッシュ」、「誰を殴ればいい?」も初パフォーマンスした。また、坂道グループの楽曲、乃木坂46の「夏のFree&Easy」と櫻坂46の「サイレントマジョリティー」にも挑戦。ダンスを得意とするメンバーによるSuper Dance Showでは、圧巻のパフォーマンスで会場を沸かせた。アンコールでは、間奏中も「ありがとう!」を繰り返し、最後の楽曲「笑ってサヨナラ」を歌い終えると、改めて「ありがとうございました」と感謝。そして、ステージに「吉本坂46 冬眠」と書かれたセットが登場した。トレンディエンジェルの斎藤司は「こういったご時世になってコロナの被害を受けたのは我々とNiziUぐらいじゃないかと」と笑いを交えつつ、「こうやって皆さんがまた集まってくれたことに感動しました。ありがとうございました」と感謝。「今日冬眠という形で迎えますが、もっと個々が大きくなって、またいつか目覚める日を夢見ながら。またいつか集まれたらいいなと思います」と個々の成長を誓った。新型コロナウイルス感染のため欠席した次長課長・河本準一もメッセージを寄せ、「吉本坂46としては冬眠しましたが、個々の活動は止まるわけにはいきません。それぞれがレベルを上げていつでも春を迎えられるようにこれからも邁進していきます。これからもメンバー一同、前に進んでいきますので、メンバーの応援よろしくお願いします」などと思いと伝えた。○「吉本坂46 2nd&3rd Anniversary Live~冬眠~」セットリストM1 今夜はええやんM2 泣かせてくれよM3 君の唇を離さないM4 抱いてみるかい?M5 夏のFree&Easy(乃木坂46)M6 やっとここまでM7 永遠のゴールドラッシュM8 好きになってごめんなさいM9 バーボンソーダM10 誰を殴ればいい?M11 イケメン騎士団M12 サイレントマジョリティー(櫻坂46)M13 Super Dance ShowM14 どつくより笑わせろM15 現在地M16 不能ではいられないM17 やる気のない愛をThank you!M18 STRQY SHEEPEC-1 めっけもんEC-2笑ってサヨナラ
2022年02月05日自身の筋肉を使ったネタでブレイクした、お笑いタレントの、なかやまきんに君。身体作りに磨きをかけ、ボディビルダーなど活躍の場を広げています。そんな、なかやまきんに君は2021年12月31日をもって、約21年間所属していた吉本興業から円満退所したことを発表しました。2022年1月25日には、YouTubeチャンネル『ザ・きんにくTV 【The Muscle TV】』で退所の経緯などを語っています。なかやまきんに君は、引退をせずに「海外に挑戦する」「日本中の体脂肪を燃やす」という2つの夢を目指すといいます。10代の頃から夢だった海外進出を目指しつつ、YouTubeチャンネルへの反響を受けてオンラインフィットネスのプロジェクトも進めていくようです。動画内で『第2の筋肉人生』と語ったなかやまきんに君は、自身のステップアップについて次のように述べました。筋肉においても、ステップアップっていうのは大切です。毎回毎回同じ刺激を与えていましたら、筋肉というのは、そこで成長は止まってしまいます。ステップアップすること。それを私は『筋肉の扉』といっています。筋肉の扉は自分の筋肉で開くというふうにいっております。人からああだこうだいわれても、やりたくないものはなかなかできないものなんですけども、自ら開いた扉というのは、なかなか閉まることはないと思っています。ザ・きんにくTV 【The Muscle TV】ーより引用なかやまきんに君は、吉本興業からの退所をTwitterでも報告。同月26日時点で、34万件以上の『いいね』が寄せられています。皆様へご報告です。私、なかやまきんに君は約21年間お世話になりました吉本興業を退所させて頂く事になりました。吉本興業の皆様、芸人の皆様大変お世話になりました。改めまして、ありがとうございました。文字数の関係で写真を添付させて頂きましたのでご覧下さいませ。パワーなかやまきんに君 pic.twitter.com/4vwKvStfer — なかやまきんに君 (@kinnikun0917) January 25, 2022 次のステップに進んだ、なかやまきんに君には、ファンからたくさんの応援メッセージが届きました。・さらなるご活躍を陰ながら応援しています!・なかやまきんに君の筋肉ネタが大好きです。頑張ってください。・子供の頃からずっとファンです。期待しています!・今後も一緒に筋肉を磨いていきたいです。オンラインフィットネス、ぜひよろしくお願いします。また、報告の文章を読んだ人からは「『敬具』とか『草々』とかの感覚で、文末に『パワー』って添えている点に笑う」という声も。なかやまきんに君らしい報告は、人々に踏み出す勇気と笑いを届けたようです。今後の活躍も楽しみですね![文・構成/grape編集部]
2022年01月26日●「大阪でお笑いを続けたい」――"点"で戦うインディーズ芸人たちをユニットにお笑いの聖地といえば、大阪。そう思い浮かべる人は多いだろう。実際「なんばグランド花月」など吉本興業の劇場では毎日たくさんのライブが開催されており、足しげく通うお笑いファンも多い。一方、インディーズ(非吉本)芸人が出演できるライブハウスは東京に比べてかなり少なく、活動の場は限られている。そもそも吉本所属以外の芸人がいることを知らない人も多いため、さらなる活動の場を求めて上京する芸人は後を絶たない。東京のほうがライブハウスや主催者、事務所の数も多いため、単純にチャンスが多いからだ。インディーズ芸人が、"大阪を拠点に食っていく"ことは、だいぶハードルの高いことだと言える。この現状に危機感をいだき、「大阪でお笑いを続ける」ために動く人がいる。「BAR舞台袖」というバー兼ライブハウスを営む、加藤進之介さんだ。「BAR舞台袖」がオープンしたのは2019年6月(日本橋で開業、2020年2月に西心斎橋に移転)。店内には舞台があり、ほぼ毎日お笑いライブを開催している。また、芸人にはライブ出演費を支払うだけでなく、"芸人の飲食代は投げ銭"というユニークな制度を設けサポートしている。そんな加藤さんが、「BAR舞台袖」の"次の一手"として仕掛けたのは、インディーズシーンで活動する芸人のユニット化だ。毎日たくさんの芸人と接する加藤さんが、特に「本当に面白い」と思う人に声をかけて結成したのが「WEST ANTS(ウエストアンツ)」。全9組(絶対的7%・トルクレンチガールズ・ボニーボニー・にぼしいわし・風穴あけるズ・ブルーウェーブ・ハノーバー・クボ・シンバルモンキー)の芸人がユニットに入り、2021年4月から本格始動している。松竹芸能・フリー・学生・社会人と、参加芸人の所属や芸歴はバラバラ。それまでは点で戦っていた芸人を繋げ、線でムーブメントを起こそうという作戦だ。○大阪で売れるための東京遠征WEST ANTSは、「大阪のお笑いを盛り上げる」ために結成されたユニットだ。しかし、定期的に東京遠征することを公言している。東京進出を目論んでいるのではなく、これはあくまでも「大阪で売れるため」の遠征だ。東京は事務所やライブが多く、その分芸人やお笑いファンの層も厚い。東京で「おもしろい」と話題になれば、その熱がいずれ大阪に逆輸入されるはず。遠回りに見えるかもしれないが、大阪の現状を打破するためにはこれが近道なのだ。彼らの東京遠征を支える存在が、「K-PRO(ケープロ)」。東京・西新宿にあるお笑い専用劇場「西新宿ナルゲキ」を運営し、連日数多くのライブを打つお笑いイベント制作会社だ。東京で活動する芸人の多くは、K-PROで舞台を経験してメジャーに羽ばたいていく。例えば『M-1グランプリ2020』ファイナリストの錦鯉やウエストランド、東京ホテイソンなども、K-PRO主催ライブで腕を磨いた芸人だ。K-PRO社員である濱田綾佳さんが「東京でなにかやりたい」という加藤さんの想いに賛同し、タッグを組むことになった。最初の東京遠征が行われたのは、7月上旬。「西新宿ナルゲキ」にて、東京ライブシーンで活躍する芸人対WEST ANTSのバトルライブが行われた。WEST ANTSは、この時点で東京ではほぼ無名。かなりの劣勢でありながら、観客投票の結果は拮抗。最終的に東京芸人が勝利したが、その盛り上がりはSNSでかなり話題になった。濱田さんによると、お客さんの「また呼んでほしい」という声だけでなく、出演していない芸人からの「出たかった」という声も多かったという。●東京で話題になり、WEST ANTSが「おもろいことは証明された」初遠征の盛り上がりを受け、9月11日に「西新宿ナルゲキ」でWEST ANTSの東京初単独が開催された。その名も『WEST ANTS東京初単独~キャベ尽~』。東京ライブシーンで人気のキュウ・怪奇! YesどんぐりRPG・さすらいラビーをゲストに迎え、ネタ・トーク・企画すべてを楽しめる盛りだくさんの内容だ。WEST ANTS全組とゲストがネタをした後、後半に行われた企画は"食べたキャベツの量を競う"というユニークなもの。お客さんが笑っている間だけキャベツを食べることができるため、芸人たちはあの手この手で笑いを取りに行く。東京ではなかなか見られない独特な企画に、会場は大盛り上がり。ライブ終了後は、7月の東京遠征と同様SNSでたくさんの感想が飛び交った。加藤さんによると、大阪で同じようなライブをやっても集客は東京の1/3ほどだそう。「おもろいってSNSに書いてくれる人がたくさんいて、(大阪でのライブの)配信を買ってくれる(東京の)人が増えた」そうだが、数日後に予定されていたWEST ANTSメンバーの主催ライブはこの時点で数枚しか売れていなかった。東京の盛り上がりはまだ大阪での集客に繋がっていないが、2度の遠征を経て「(「WEST ANTS」メンバーが)おもろいこと自体は証明」された。今後も遠征を続けることで、東京の熱が少しずつ大阪に伝わっていくことを期待したい。○ABCホールを満席に! 11月8日、大阪で主催ライブWEST ANTSの中心メンバーである、にぼしいわし・いわしさんは、個々の芸人のファンが「ひとつになっていってる」ことを感じているそう。これまでは各芸人のファンだった人がユニット活動を通してほかの芸人を知り、まるごと応援するようになってきているのだと言う。「(各メンバーが)お互い助力し合うみたいな空気がもっともっと強まったらいいですね」と、ユニットでの活動に希望を見出す。また、K-PRO濱田さんは「若手からベテランまで、熱量がとにかくすごい」と大阪お笑いのイメージを話す。WEST ANTSメンバーを通じてその熱を生で感じ「すごいなと思いました。もっとたくさんの方に見ていただきたい」と言う。大阪の芸人は、東京に比べると「お客さんへのアピールもすごくて、観てる側がうれしくなるようなパフォーマンスをたくさんしてくれる」。さらに「大阪の芸人さんがどんどん前に出てくるので、東京の芸人も影響を受けて、もっと楽しいライブになっていくのでは」とWEST ANTSの影響力に期待する。加藤さんに今後の展望を尋ねると、新たに「100人くらい入るハコ(劇場)」を作るため物件を探していると言う。確定ではないが、と前置きしたうえで「バトル制のライブを行うハコを作りたい」と語る。それが実現した場合、劇場のトップに立つのは「バトルを勝ち上がった、ほんまにおもろい」芸人。社会人・学生芸人も入り混じり、「客観的に見ておもろい人」が分かる場所を作りたいのだそう。現在は固定メンバーで活動しているWEST ANTSだが、バトルの結果次第では芸人が入れ替わる可能性もある。東京初単独のエンディング、サプライズで「11月8日、ABCホールでWEST ANTS×東京芸人のライブを開催する」ことが発表された。ABCホールは、大阪にあるキャパ約300席の劇場。東京からは、ライブシーンの最前線を走る7組(Aマッソ・ヤーレンズ・カナメストーン・真空ジェシカ・ストレッチーズ・ママタルト・サツマカワRPG)が参加し、WEST ANTSとネタバトルを行う予定。10月9日に一般販売がはじまると、チケットは即完。加藤さんはこのライブを「お客さんが増えるチャンス」と話す。東京ゲストを目当てに訪れたお客さんだったとしても、「この日(WEST ANTSが)おもろければ、まんま流れてきてくれるかもしれない」と期待する。WEST ANTSにとって大きな第一歩となる11月8日のライブ、現地チケットは完売しているが、配信で観ることができる。
2021年11月08日吉本坂46が、2022年2月5日に東京・Zepp Hanedaで開催されるアニバーサリーライブをもって“冬眠”することを発表した。吉本坂46は秋元康プロデュースにより乃木坂46・欅坂46に続く坂道シリーズとして2018年8月に結成。吉本興業グループに所属するタレント約6,000人の中から選ばれたメンバーで編成されており、年齢と性別もバラバラな異色の男女混合アイドルグループとして活動してきた。昨年10月からよしもと有楽町シアターで行ってきた「定期公演」は、1周年となる本日10月29日で幕を閉じ、そこでキャプテンである河本準一(次長課長)より冬眠がアナウンスされた。この1年、新型コロナの感染状況を見極めながら活動をしてきたものの、やはりグループの魅力は楽曲はもちろんのこと、ファンと直接触れ合う時間を大切にすること。しかしながら感染者は減少しているとはいえ、コロナ禍終息までの道筋がいまだにはっきりとは見えない状況下の中、通常の活動に戻れるようになるまでにはまだまだ先が見えないとのことで、活動を休止することとなった。また吉本坂46は新曲のリリースも予定しており、アニバーサリーライブでも披露する予定となっている。<ライブ情報>吉本坂46 アニバーサリーライブ2022年2月5日(土) Zepp Haneda※公演時間、チケット販売などの詳細は追って吉本坂46公式ホームページでご案内させていただきます。<リリース情報>吉本坂46 3rdシングル『不能ではいられない』2019年12月25日(水) リリース●映像盤(CD+DVD):税込1,900円※初回仕様限定盤【CD収録内容】1. 不能ではいられない2. STRAY SHEEP3. どつくより笑わせろ4. めっけもん5. 不能ではいられない –off vocal ver.-6. STRAY SHEEP –off vocal ver.-7. どつくより笑わせろ –off vocal ver.-8. めっけもん –off vocal ver.-【DVD収録内容】1. 「不能ではいられない」Music Video2. 「STRAY SHEEP」Music Video●通常盤A(CD):税込1,300円※初回仕様限定盤【CD収録内容】1. 不能ではいられない2. STRAY SHEEP3. どつくより笑わせろ4. 好きになってごめんなさい5. 不能ではいられない –off vocal ver.-6. STRAY SHEEP –off vocal ver.-7. どつくより笑わせろ –off vocal ver.-8. 好きになってごめんなさい –off vocal ver.-●通常盤B(CD):税込600円※RED1位記念【CD収録内容】1. 不能ではいられない2. 不能ではいられない –off vocal ver.-吉本坂46「不能ではいられない」MV『不能ではいられない』配信リンク:関連リンク吉本坂46 公式サイト:吉本坂46 YouTube:吉本坂46 公式Twitter:吉本坂46 公式Instagram:
2021年10月29日小松菜奈&宮沢氷魚の共演で、吉本ばなな著「キッチン」(新潮文庫)に収録されている同名短編小説を映画化した『ムーンライト・シャドウ』。「キッチン」は社会現象ともいえる大ヒットを博し、これまでに世界30か国以上で翻訳され、発売から33年経ったいまでも世界中の人々に愛されている。生と死や愛をモチーフに生きることの寂しさ、美しさをナチュラルに描き出す作風が特徴で、長きに渡り人々の胸を打つ作品を世に送り出してきた人気小説家・吉本ばなな。繊細かつ力強さも兼ね備えた巧みな表現力で紡ぐ登場人物の心理描写は世界中のファンを魅了し、これまで役所広司・鈴木京香・堀北真希主演の『アルゼンチンババア』(07)、安藤サクラ&井浦新共演の『白河夜船』(15)、近年では日韓合作による『デッドエンドの思い出』(19)など映像化されてきた作品も数知れず。その中でも1988年に刊行された「キッチン」は30か国以上で翻訳され、新潮社が毎年夏に行うキャンペーン「新潮文庫の100冊 2021」でプレミアムカバー版として販売されるなど、“世界の吉本ばなな”の原点として広く知られる。表題作も故・森田芳光監督『キッチン』(89)、日本・香港合作『kitchen キッチン』(97)として映画化されている。「地に足がつかない気持ちが映像によってどう表現されるのか楽しみ」そして短編小説として収録されている「ムーンライト・シャドウ」は、1987年に日本大学芸術学部長賞、1988年に泉鏡花文学賞を受賞するなど、吉本ばなな初期の名作との呼び声も高く、いまなお愛され続けている作品だ。先日、主人公・さつき役を長編映画単独初主演となる小松さん、さつきの恋人・等役を宮沢さんが務め映画化されることが発表されると、不朽の名作が時を超えて、いま最も旬な2人の共演に原作ファンの間でも大きな話題をさらった。吉本さん自身も映画化について「全編を通じて、夢なのか妄想なのかそれとも現実なのか。年齢を重ねると『人って死ぬんだな』とか、『理不尽なことも起きるんだな』とだんだんわかってくると思うのですが、そういうことを考えてもみなかった若い時期にそういうこと(大切な人との別れ)が起こってしまって、地に足がつかない気持ちが映像によってどう表現されるのか一番楽しみにしています」と期待を寄せている。マレーシアの気鋭映画監督が映像化その期待をさらに膨らませてくれるのが、本作でメガホンをとるエドモンド・ヨウ監督。『アケラットーロヒンギャの祈り』で、2017年の東京国際映画祭で最優秀監督賞を受賞という快挙を成し遂げた気鋭の映像クリエイターが、美しい世界観にグローバルな風を吹き込み、新しいカタチの日本映画を誕生させた。短編小説「ムーンライト・シャドウ」で描かれるのは恋人たちの日常に溢れる幸せな時間と、新たな一歩を踏み出そうとする前向きな気持ち。奇しくも日常を普通に過ごすことが困難であり、人との関係も希薄になりつつある現代において、さつきと等の間に確かに存在するひたむきな愛は、心の奥底に眠る大切な誰かを想う気持ちを再び温めてくれるような不思議な感覚を呼び起こさせる。刊行から33年という月日を経ても色褪せない感動を読者の心に刻む本作は、さつきの心情とリンクするかのように、少しずつ希望をもたらしそっと寄り添ってくれるだろう。『ムーンライト・シャドウ』は9月、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ムーンライト・シャドウ 2021年9月、全国にて公開予定©2021映画『ムーンライト・シャドウ』製作委員会
2021年07月19日吉本新喜劇の未知やすえが、9月から上演される舞台『はい!丸尾不動産です。~本日、家で再会します~』で、初の外部舞台に出演することが決まった。兵動大樹と桂吉弥のW主演舞台第3弾となる今作。40年近い芸歴をほこる未知だが、これまで「吉本主催の舞台」にしか出演歴がなく、意外にも“初の外部舞台出演”となる。ストーリーの鍵を握る重要な役を任されることになった未知は「不安な気持ちでいっぱいです(笑)。吉本新喜劇体質が身に染みているので、 外部舞台の稽古量・セリフ量に体力・気力がついて行けるのか…(笑)。それでも穏やかで職人のような兵動くん、優しく気配りのできる吉弥さんとの共演を楽しみにしています」と期待と笑顔をのぞかせた。そんな未知に対して、吉本の後輩である兵動は「吉本新喜劇を代表するコメディエンヌのやすえさんとお芝居できるなんて、最高です! やすえさんが入ってもらうことで、みんな安心して、お芝居の中で暴れまわると思いますので、今回もとてつもないぐらい面白いお芝居に仕上がると思います!」と信頼を寄せた。未知は昨年4月より間質性肺炎の治療のため、一時休養。現在はテレビ・ラジオなどのレギュラー番組に復帰しており、今回、初の外部舞台出演で“コメディエンヌ”として完全復活した姿を見せてくれそうだ。今作は、過去2作品より公演回数を拡大し、9月4日~7日の期間、大阪・ABCホールで全7公演を上演。さらに初めて大阪を飛び出し、今年9月に開館する姫路市文化コンペンションセンター(通称:アクリエひめじ)のオープニング・シリーズとしても、10月3日に上演される。出演は、兵動大樹、桂吉弥、佐藤太一郎、施鐘泰(JONTE)、近藤頌利(劇団Patch)、未知やすえ ほか。
2021年05月25日吉本ばななの短編小説『ムーンライト・シャドウ』の実写化映画が2021年9月10日(金)に全国で公開。主演は、小松菜奈が務める。吉本ばなな『キッチン』収録の短編小説を映画化1989年に刊行された『キッチン』と『TUGUMI』(1989年山本周五郎賞受賞)で人気を博し、1989年の年間ベストセラーにおいて1位と2位を独占した平成最初のベストセラー作家・吉本ばなな。特に『キッチン』は世界30か国以上で翻訳され、国内外問わず多く人々から愛されている。そんな『キッチン』に収録されている短編小説『ムーンライト・シャドウ』が実写映画化。同作品は、1987年に吉本ばななが大学の卒業制作として発表し、日本大学芸術学部長賞や泉鏡花文学賞に輝いた吉本ばなな初期の名作だ。吉本自身が、「初めて他人に見せることを前提に書いた思い出深い小説」と語る作品でもあり、ファンの中では“初期の名作”と呼び声も高い。『ムーンライト・シャドウ』は、「恋人の死」という突然訪れた悲劇を中々受け入れることができない主人公・さつきの一人称の視点で描かれる。愛する人を亡くした主人公のさつきが、死者ともう一度会えるかもしれない、という不思議な現象〈月影現象〉を通して、哀しみをどう乗り越えるのかを描いた「さよなら」と「はじまり」のラブストーリーだ。主演は小松菜奈そんなさつき役を演じるのは、本作が初の長編映画単独主演となる小松菜奈だ。2014年に公開された映画『渇き。』で鮮烈な女優デビューを果たし、第44回日本アカデミー賞では、『糸』で優秀主演女優賞を受賞した小松。『ムーンライト・シャドウ』で、主人公・さつきの心の機微をどのように演じるのか期待が高まる。登場人物(キャスト)さつき:小松菜奈突然訪れる恋人の死をなかなか受け入れることができない主人公。等:宮沢氷魚さつきの恋人。全てを包み込むような優しさを持つ一方、ふといつのまにか、その場からいなくなってしまうような儚さが漂う。さつきと幸せな時間を過ごすが、突然帰らぬ人に。演じるのは「MEN’S NON-NO」専属モデルとして活躍するかたわら、初主演映画『his』や舞台「ピサロ」で俳優としても注目を集める宮沢氷魚。柊(ひいらぎ):佐藤緋美等の弟。兄の等と自身の恋人・ゆみこを同時に亡くし、兄の恋人=さつきとともに、ともに深い哀しみに打ちひしがれながらも、少しずつ“生きていく”という日常を取りもどしていく。亡くなった恋人・ゆみこのセーラー服を着て日々を過ごし何かを感じようとする、原作でも非常にインパクトのあるキャラクター。麗(うらら):臼田あさ美〈月影現象〉へさつきと柊を次第に導いていく、不思議な女性。原作ファンが注目するキャラクターの一人。ゆみこ:中原ナナ柊の亡くなった恋人。蛍:吉倉あおいさつきの親友。充:中野誠也さつきや柊と麗を巡り合わせる人物。原作にはないオリジナルのキャラクター。監督にエドモンド・ヨウ監督を務めるのは、マレーシア人映画監督 エドモンド・ヨウ。2017年の東京国際映画祭では、『アケラットーロヒンギャの祈り』で東南アジア初となる最優秀監督賞を受賞した気鋭の映画監督だ。『ムーンライト・シャドウ』では、原作への尊敬と愛情を抱きながら、幻想的で詩情豊かな物語に新しい生命を吹き込む。エドモンド監督のこだわりが垣間見える、鮮やかなセットデザインにも注目。さつきの部屋のセットについては巨匠ペドロ・アルモドバルからインスピレーションを得たと明かしており、作品全体の映像のカラーはクシシュトフ・キェシロフスキやルカ・グァダニーノの作品から影響を受けているという。小袋成彬がコラボレーションソングに映画『ムーンライト・シャドウ』のコラボレーションソングに、小袋成彬の「Parallax」が決定。小袋成彬は、宇多田ヒカルをプロデューサーに迎え、アルバム『分離派の夏』 でメジャーデビューしたアーティストで、「Parallax」は2nd アルバム「Piercing」以来1年9か月振りとなる新曲だ。作品詳細映画『ムーンライト・シャドウ』公開時期:2021年9月10日(金)原作:「ムーンライト・シャドウ」吉本ばなな(新潮社刊「キッチン」収録作品)出演:小松菜奈、宮沢氷魚、佐藤緋美、中原ナナ、吉倉あおい、中野誠也、臼田あさ美監督:エドモンド・ヨウ脚本:高橋知由配給宣伝:SDP、エレファントハウス<『ムーンライト・シャドウ』あらすじ>さつき(小松菜奈)と等(宮沢氷魚)は、鈴の音に導かれるように、長い橋の下に広がる河原で出会った。恋に落ち、付き合うまでに時間はかからなかった。等には3つ下の弟・柊(佐藤緋美)がいて、柊にはゆみこという恋人(中原ナナ)がいた。初めて4 人で会ったときから意気投合し、自然と一緒に過ごす時間が増えていく。食事をしたり、ゲームをしたり、ゆみこが気になっているという〈月影現象〉について「もしも現実に月影現象が起きたら、誰に一番会いたいか?」を語りあったり。何気ないけれど穏やかで幸せな日々が過ぎていくなかで、別れは前触れもなくやってきた。等とゆみこが死んだ──。深い哀しみに打ちひしがれるさつきと柊。愛する人を亡くした現実を受け止めきれず、ショックで食べることも忘れ、ひたすら走るさつき。そんなさつきを心配しながら、ゆみこの制服を着て何かを感じようとする柊。それぞれの方法で哀しみと向きあおうとしていた。ある日、2人は不思議な女性・麗(臼田あさ美)と出会い、少しずつ“生きていく”という日常を取りもどしていく。そして、以前みんなで語り合った〈月影現象〉に導かれていく。もう一度、会いたい、会いに来てほしい──。その現象とは、満月の夜の終わりに死者ともう一度会えるかもしれない、という不思議な現象だった……。
2021年05月15日吉本ばななの初期の名作『ムーンライト・シャドウ』が小松菜奈主演、エドモンド・ヨウ監督で映画化、今秋に公開されることが分かった。吉本ばななは、1989年の著書『TUGUMI』(1989年・山本周五郎賞受賞)と『キッチン』で年間ベストセラーの1位と2位を独占、平成最初のベストセラー作家となった。それ以後も多くの人気作品を発表、美しく詩的な文章とその独特な世界観で、日本のみならず海外のファンも多い。その中でも特に『キッチン』は世界30か国以上で翻訳され、発売から30年以上経った今でも世界中の人々に愛されている。この中に収録されている短編小説が『ムーンライト・シャドウ』だ。この作品は1987年に吉本ばななが大学の卒業制作として発表し、日本大学芸術学部長賞を受賞、そして翌1988年に泉鏡花文学賞も受賞したもの。吉本自身も「初めて他人に見せることを前提に書いた思い出深い小説」と語り、手に取った者を物語の圧倒的パワーで強烈に引き寄せて心を揺さぶり、胸を熱くし、ファンの中では初期の名作との呼び声も高い。物語は突然訪れる恋人の死をなかなか受け入れることができない、さつきの一人称の視点で描かれる。今回の映画化に当たり、その主人公を演じたのは長編映画単独主演となる女優・小松菜奈だ。2014年に公開された映画『渇き。』で鮮烈な女優デビューを果たし、それ以降も話題作に多数出演。第44回日本アカデミー賞では、映画『糸』で優秀主演女優賞を受賞するなど人気実力ともにトップを誇る。原作で描かれた主人公の心の機微をどう演じるのだろうか。メガホンを取ったのがエドモンド・ヨウ監督だ。彼が撮影した映画作品は、世界中の重要な国際映画祭で上映されており、国際的に高く評価されているマレーシア人映画監督のひとりである。2017年の東京国際映画祭では、『アケラットーロヒンギャの祈り』で東南アジア初となる最優秀監督賞受賞の栄誉に輝く。原作への尊敬と愛情を抱きながら、幻想的で詩情豊かな物語を描くその手腕で新境地へと挑戦してくれるはずだ。このコラボレーションがどの様な作品を生み出すのか、続報に期待したい。<吉本ばなな:コメント>『ムーンライト・シャドウ』は、私がちょうど小松さんと同じ年齢の頃の24歳くらいに、初めて他人に見せることを前提に書いた思い出深い小説です。主人公のさつきを小松さんが演じると聞いて、そのときの気持ちに作品を生まれ変わらせてくれるんじゃないかと、そんな気がしました。小松さんは、ものすごく旬でパワフルな方という印象でしたが、このお話の中にある“暗さ”のようなものも彼女の中に感じられるので、すごくぴったりだと思いました。今回手掛けるエドモンド監督の作品にある、ちょっとだけ日常からふわっと浮いている感覚が、人を亡くした時の人の気持ちとすごく似ていると思います。全編を通じて、夢なのか妄想なのかそれとも現実なのか。この小説の大切なところは、「人が死んでしまう」ということ。若くて美しくて順風満帆で、何も陰りのなかった人が、突然「別れ」というものに晒された時にどうにもしようがない期間があり、地に足がつかない気持ちを時間が立ち直らせてくれる。生身の人間が演じることで映像によってどう表現されるのか、自分が描いていなかった部分がふと出てくることがいっぱいありそうな気がしていて、私も楽しみにしています。もしかしたらこの小説は全部妄想なのかもしれない。小説だとちょっと浮いている感じを行間で表すしかありませんが、映像になると目に見えて現れる。でも現実ではない。そういう表現を、エドモンド監督は得意なんじゃないかなと思います。今、特にこの時代だからこそ、急にびっくりするようなことが起こるというのは、誰にでも起こり得ることだと思います。美しい映像を味わう気分で観ていたとしても、心の中に何かがだんだん食い込んでくるような映画になる予感がしています。できれば大きい画面で観て欲しいなと思います。<小松菜奈:コメント>吉本ばななさんの『キッチン』はもちろん知っていたのですが、今回『ムーンライト・シャドウ』のお話をいただいて、改めて原作を読むきっかけとなりました。「さっきまで目の前にいた人が急にいなくなってしまう」でも周りの日常は何も変わらない。どれだけ自分や誰かを責めても二度と戻る事ができない…その時から時は止まってしまうのだろう。走り出したり、止まったり、ぽつぽつと歩く。その繰り返しの日々の中で登場人物が何かを抱き締めながらも、哀しみ・喪失感・絶望・孤独それだけじゃない、乗り越えようとする人間のエネルギーみたいなものを吉本ばななさんの生み出す1つ1つの魅力的な言葉から感じました。いつか人生で経験する「死」、このようなカタチで再び本を開くきっかけとなってよかったと思います。主人公のさつきは普通の子だからこそ難しい部分もありましたが模索していく中で、さつきと同じ感情になった瞬間は嘘がないような気がしました。撮影中はエドモンド監督の描きたいシーンについて、みんなが監督を信頼しているからこそ、私たち役者の感情を大事にしていただき、スタッフさんのアイデアや意見も取り入れて、最終的に一つになるという現場でした。今回、監督とご一緒できて、また一つ私の新しい扉を開けていただいたと思います。自分でもどんな風に完成しているのか未知の世界で、こんなに想像がつかない作品は初めてかもしれません。だからこそ作品の完成がとても楽しみです。是非、皆さんも楽しみにしていただけたら嬉しいなと思います。<エドモンド・ヨウ監督:コメント>いちばん最初に原作を読んだのは2006年のことです。シンプルな構成と短い物語であるにも関わらず、『ムーンライト・シャドウ』を読んだ記憶は10年以上経った今でも色褪せず、鮮明に残っています。当時、私は20代初めで、登場人物達や、作者である吉本さんが執筆された年齢と同世代だったのです。その時揺さぶられた感情はとても力強いものでした。言わば、ちょうど良い年齢の時にこの本を読んだのです。その2年後、大好きな日本映画や日本文学の影響で、早稲田大学で修士号を専攻する事になり、その頃撮った短編は、ほとんど日本の偉大な小説作品から影響を受けて作ったものです。映画化のお話を頂いた時、私の旅が原点に戻ったような気持ちでした。吉本さんの文章の普遍性やエモーションをスクリーンに投影する素晴らしい機会を嬉しく思いました。『ムーンライト・シャドウ』のさつきは、その後吉本さんが生み出した、多くの登場人物の原型だったのではないかと思っています。そのほとんどのキャラクターにさつきの姿を見出すことが出来ます。このさつきを演じるのは、小松菜奈さんしか考えられませんでした。彼女なしでは映画化は不可能でした。演技をするのではなく、小松さんはさつきになったのです。監督の私にとっては、このようなコラボレーションは本当に幸福で豊かな体験でした。シーンの1つ、ショットの1つを撮るたびに、期待に胸を膨らませて小松さんのお芝居を見守っていました。それは非常に有機的なプロセスでした。彼女はキャラクターについての新たな秘密を打ち明け、あたかもその魂が垣間見えるように、一瞬にして喜びと悲しみの閃光を放つのです。現在のような世界的規模のパンデミックのさなかに、この作品を皆さんに送り届けることが出来て本当に光栄です。コロナ禍における撮影は非常に困難でしたが、スタッフやキャスト、私のムーンライトファミリー全員が、この映画に魂とハートを注いでくれました。このような困難な時期にあっても、愛する映画のためにやり遂げたことは驚くべき事だと思います。息もつく間もありませんでしたが、私にはそのすべてが幸福な時でした。『ムーンライト・シャドウ』今秋より公開
2021年05月12日社会現象ともいえる大ヒットを記録した吉本ばななの名作「キッチン」に収録されている「ムーンライト・シャドウ」が映画化、この秋公開されることが決定した。主演は小松菜奈が務める。1988年の泉鏡花文学賞、1989年の山本周五郎賞など、多数の受賞歴をもつ吉本さん。「TUGUMI」と「キッチン」は1989年の年間ベストセラーの1位と2位を独占し、両作共に映画化されている。また「キッチン」は日本だけでなく、世界30か国以上で翻訳され、発売から30年以上経ったいまでも世界中の人々に愛されている。そして今回映画化される「ムーンライト・シャドウ」は、「キッチン」に収録されている短編小説で、1987年に吉本さんが大学の卒業制作として発表し、日本大学芸術学部長賞を受賞、そして翌1988年に泉鏡花文学賞も受賞した作品。吉本さん自身も「初めて他人に見せることを前提に書いた思い出深い小説」と語り、深く心に刻まれるその存在は、ファンの中では初期の名作との呼び声も高い。それを今回、初の長編映画単独主演となる小松さんを迎え、映像化。本作は、突然訪れる恋人の死をなかなか受け入れることができない、主人公・さつきの一人称の視点で描かれるが、そのさつき役を小松さんが演じる。映画化にあたり、吉本さんは「小松さんは、ものすごく旬でパワフルな方という印象でしたが、このお話の中にある“暗さ”のようなものも彼女の中に感じられるので、すごくぴったりだと思いました」と話し、「この小説の大切なところは、『人が死んでしまう』ということ。若くて美しくて順風満帆で、何も陰りのなかった人が、突然『別れ』というものに晒された時にどうにもしようがない期間があり、地に足がつかない気持ちを時間が立ち直らせてくれる。生身の人間が演じることで映像によってどう表現されるのか、自分が描いていなかった部分がふと出てくることがいっぱいありそうな気がしていて、私も楽しみにしています」と期待。さらに「今、特にこの時代だからこそ、急にびっくりするようなことが起こるというのは、誰にでも起こり得ることだと思います。美しい映像を味わう気分で観ていたとしても、心の中に何かがだんだん食い込んでくるような映画になる予感がしています。できれば大きい画面で観て欲しいなと思います」とコメントしている。2014年に公開された『渇き。』で女優デビューし、『近キョリ恋愛』『溺れるナイフ』『恋は雨上がりのように』などに出演、『糸』では第44回日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞した小松さん。今回改めて原作を読んだそうで「『さっきまで目の前にいた人が急にいなくなってしまう』でも周りの日常は何も変わらない。どれだけ自分や誰かを責めても二度と戻る事ができない…その時から時は止まってしまうのだろう。走り出したり、止まったり、ぽつぽつと歩く。その繰り返しの日々の中で登場人物が何かを抱き締めながらも、哀しみ・喪失感・絶望・孤独それだけじゃない、乗り越えようとする人間のエネルギーみたいなものを吉本ばななさんの生み出す一つ一つの魅力的な言葉から感じました。いつか人生で経験する『死』、このようなカタチで再び本を開くきっかけとなってよかったと思います」と感想を述べ、「自分でもどんな風に完成しているのか未知の世界で、こんなに想像がつかない作品は初めてかもしれません。だからこそ作品の完成がとても楽しみです」と撮影をふり返って語った。本作の監督を務めるのは、国際的に高く評価されているマレーシア人映画監督のひとり、『アケラットーロヒンギャの祈り』を手掛けたエドモンド・ヨウ。さつき役は小松さんしか考えられなかったという監督は「彼女なしでは『ムーンライト・シャドウ』の映画化は不可能でした。演技をするのではなく、小松さんはさつきになったのです。監督の私にとっては、このようなコラボレーションは本当に幸福で豊かな体験でした。シーンの一つ、ショットの一つを撮るたびに、期待に胸を膨らませて小松さんのお芝居を見守っていました。それは非常に有機的なプロセスでした」と思いを明かしている。『ムーンライト・シャドウ』は秋、公開予定。(cinemacafe.net)■関連作品:ムーンライト・シャドウ 2021年秋、全国にて公開予定©2021映画『ムーンライト・シャドウ』製作委員会
2021年05月12日女優の吉本実憂が1日、SNSを通じ、4月30日に芸能事務所・オスカープロモーションを退社したと発表した。吉本は、振り袖の後ろ姿を捉えた写真と共に、「2021年4月30日を持ちまして、約9年お世話になった事務所オスカープロモーションを退社致しました」と報告。「色んなノウハウを教えて下さった事務所の方々に、とても感謝しております」と同事務所への思いを記した。そして、「自分の中で1つの節目をつくると同時に、改めていつも応援して下さってる方々のありがたみも感じています! ありがとうございます」と周囲の支えを噛み締め、「素敵な作品をつくり続けられるように今後とも精進して参りますのでよろしくお願い致します!」と決意を新たにしている。2012年、第13回全日本国民的美少女コンテストにてグランプリを受賞し、芸能界入り。2014年に読売テレビ・日本テレビ系の『獣医さん、事件ですよ』で女優デビューを飾り、同年の大河ドラマ『軍師官兵衛』にも抜てきされた。昨年末の晴れ着撮影会では、2020年を「充実していたようなしてなかったような色でいうと“グレー”な1年だった。だけど黒と白の2色だけでつくられたグレーではなく、たっっっくさんの色が混ざり合ってのグレー」と振り返り、2021年に向けて「土台は、芝居、アクション。共にリアルを追求する。あと、洋服、メイク、ネイルが好きなのでファッションに関わることもやっていきたい。広く深く重く、色んなものを表現し、届けられるような人になる」と意気込んでいた。
2021年05月01日吉本興業ホールディングスは13日、中国での事業を推進するため、中国・上海に新会社を設立したことを発表した。新会社では、両国の人材発掘育成を図るためのオーディション番組制作と、中国市場における日本の農水産品・物産品の販路拡大と地方経済活性化のためのライブコマース事業を皮切りに、現地パートナーとともに各種共同事業を立ち上げていく。なお、新会社は2021年3月に設立、吉本興業ホールディングスが100%株式を保有する全額出資子会社となる。各事業については詳細が決まり次第、発表する。
2021年04月13日吉本興業は9日、お笑いコンビ・極楽とんぼの加藤浩次とのエージェント契約を3月末で終了すると発表した。公式サイトには、「タレント加藤浩次は当社とエージェント契約を締結したうえで芸能活動を行っておりましたが、双方の協議の結果、同契約の期間満了により2021年3月31日(水)をもってエージェント契約を終了することになりましたのでご報告します」。また、「当社としましては、加藤浩次の新しい環境での活躍を応援してまいる所存です」とし、「ファンの皆様、関係各位におかれましては、引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます」と呼びかけている。
2021年03月09日お笑いコンビ・オリエンタルラジオの藤森慎吾が5日、アンジャッシュ・児嶋一哉の公式YouTubeチャンネル「児嶋だよ!」にゲスト出演し、吉本興業退社について語った。「児嶋と藤森で語ってみたよ!」と題して公開された動画で、児嶋がオリエンタルラジオの退社について「びっくりしたよ、ネットニュースで。『なんかやらかしたな』と思ったよ」と言うと、藤森は「みんなやっぱりよぎりますよね(笑)。まったくそんなこともないですし、会社と何か揉めて、こじれて辞めるってわけでもないですし」と説明した。児嶋が「ざっくり簡単に言うとなんで辞めるの?」と聞くと、藤森は「めちゃくちゃざっくり言ったら、あっちゃん(中田敦彦)が辞めるということだったので、『じゃあ、俺も辞める』っていうこれだけの話です」と答えた。さらに藤森は「吉本にいながらでも相方とは活動できるんですけど、1番の理由は、あっちゃんが『2025年に武道館でライブをやりたい』というのを聞いて、めちゃくちゃワクワクして」と述べた。そして、「もちろん、僕は会社にいてあっちゃんは独立してということでも活動自体に何ら影響はないんですけど。オリラジで武道館でやるとなったときに、僕が会社でお世話になりながらやるというのも、色々と面倒なこともあるかもしれない。だったらきれいに2人で気持ちよくやるために、と思ったのが1番大きい理由です」と話し、「正直、それ以外で僕としてはメリットがないです(笑)。めちゃくちゃ会社のサポートが大事でしたから(笑)」と笑っていた。
2021年02月11日《お騒がせしてすみません。吉本興業を卒業しました》1月30日、自身のTwitterで吉本興業からの“電撃退社”を発表したキングコングの西野亮廣(40)。西野といえば、手がけた絵本を映画化した『えんとつ町のプペル』が昨年末の公開から1カ月で早くも100万人を動員。いっぽう、1月27日のTwitterでは《吉本興業の対応がナメ腐っていたので、会社ごとガン詰めしました》と投稿。映画宣伝を巡る吉本の対応に、不満を爆発させていた。西野はけんか別れではなく、あくまで話し合いの末の円満退社だと強調。今後も、吉本との関係性は継続すると発表していた。だが、吉本側の反応は冷ややかだ。一部では、吉本に近い関係者が「今着手しているプロジェクト以外は、西野とのすべての仕事を終了すると聞いています」と語っていたとの報道も浮上。本誌が取材をした関係者も、こう語った。「西野は『俺が辞めると言ったら吉本は引きとめるはず』とタカをくくっていたのでしょう。でも、吉本の答えは『どうぞどうぞ』だったのです。これまでも彼のせいで、マネージャーが潰されてきましたからね。当然の結果ですよ。今回の映画も、吉本は全面的にバックアップしてきました。しかし今後、彼にはその後ろ盾がなくなるわけです。これまでのように大きな仕事を続けていくのは、難しいのではないでしょうか」実際、西野が進める「えんとつ町のプペル美術館」計画にも暗雲が立ち込めているという。■建設予定地には吉本が3億円の根抵当権を設定西野は’18年9月、美術館建設予定地として地元・兵庫県川西市に約350坪の土地を購入。さらには吉本興業がプロデュースするクラウドファンディング「SILKHAT」で支援を募り、約6千万円を集めていた。だが本誌が現地を訪れたところ、今も更地のまま。そしてこの土地には吉本が3億円の根抵当権を設定していた。金融関係者が語る。「根抵当権とは簡単に言うと、吉本が西野さんに『土地を担保に最大で3億円まで貸す』という取り決め。一度返済し終わっても再び借りる可能性があるので、双方の合意なしには消滅しません。このプロジェクトは、夢の要素がかなり強い印象です。普通なら、こうした事業計画に巨額の融資をする銀行はまずありません。2年前の西野さんはまだ今ほどの実績もなかったでしょうから、なおさらです。きっと所属事務所だからこそ、温情をかけてあげていたのだと思います」オンラインサロンの会員数が国内最大の7万人を突破し、その年会費だけで8億円の収入があるという西野。とはいえ3億円もの支援をしてくれる存在がなくなるとすれば、大きな痛手だろう。そこで本誌は金銭を巡る吉本との関係について聞くべく、西野の会社に取材を申し込んだ。まず担当者は「SILKHAT」からの約6千万円は、西野の会社へすでに「支払われています」と回答。また根抵当権については「全額返済済みで、債務は残っておりません」と答えた。そして美術館建設で今後も吉本興業と連携する予定はあるのかと聞いたところ、こう返ってきた。「美術館建設について吉本興業と連携する予定はなく、今後の計画の見直しの予定もございません」吉本抜きでもプロジェクトは継続していくつもりだという西野。果たして、その“夢”は実現できるのだろうか――。「女性自身」2021年2月23日号 掲載
2021年02月10日1月30日をもって吉本興業とのマネジメント契約が終了となった西野亮廣(40)。自身は円満退社を強調しているが、西野のSNSでの挙動が話題になったこともあり、“円満”をいぶかしむ声も上がっている。西野はマネジメント契約終了が発表される3日前の先月27日、マネージャーとのLINEのやりとりを自身のTwitterにあげ、《連日走り回ってくださっている吉本興業外部のスタッフさんに対しての吉本興業の対応がナメ腐っていたので、会社ごとガン詰めしました》と、不満を爆発させていた。LINE画面のマネージャーの実名を隠すなどの対応をしなかったことへの批判が相次ぎ、なかには「パワハラではないか」という声もあった。これについては、その後、西野自身がオンライン「voicy」の「西野亮廣エンタメ研究所」で「今回、よくなかったなと反省しているのは、このタイミングでマネジャーとのLINEをSNSに出しちゃったこと」と反省の弁も述べている。ある吉本興業関係者に話を聞くと……。「正直、辞めてくれてホッとしてます。西野さんはマネージャーには常に上から目線でした。自分が指導してやっている、という意識が強いのか高圧的な態度や物言いも多かった。いつか自分も担当することになるかも、と思うと気が気でなかったです。これまで担当した人も疲弊してましたね」当の西野は、2月1日に『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)に出演した際、マネージャーとの関係性についてこう語っていた。「僕の映画の仕事は4年スパン。他にも学校をつくったりとかは数年スパンになっていくけど、吉本興業のマネジメントの体制として、マネージャーは半年とか1年で代わってしまう。そうすると、企画立ち上げの時とそれを出す時のスタッフが違ってしまうとか、意思疎通ができていないとか、熱量が違うとかがずっと頻繁に起こっていて、これを何とかしないといけないよねって話し合いは、ずっと前からあったんです。(中略) (早いサイクルで)マネージャーが代わる、と言うことが難しかった。そこの引き継ぎがすごくストレスで、そこで詰めることもあった」西野は担当マネージャーが頻繁に代わることで自身の仕事に支障が出ている、と伝えたかったようだ。前出の吉本興業関係者は、この西野の主張に反論する。「吉本のマネジメントの体制を引き合いにだして説明していますが、吉本のほかのタレントは何年も同じマネージャーが担当することはよくありますよ。要は西野さんが例外だっただけ。西野さんのマネージャーが半年や1年で代わってしまうのは、精神的負担が大きいからなんです。“西野さんの担当を外れたい”と上司やまわりに相談するのは毎度のことで、人事部に掛け合う人もいました」(前出・吉本興業関係者)吉本興業には、エージェント契約も含め6,000人以上のタレントが在籍しているが……。「そのなかでも“マネージャーとしてつきたくないタレントランキング”では1、2を争う、と吉本の社員の間で言われていましたよ(苦笑)」(前出・吉本興業関係者)西野は先月30日、自身のTwitterで《吉本興業を卒業しました》という言葉とともに、《オラオラ喧嘩して辞めるわけではなく、お互いプラスになるような形を探った結果です》とつづっていた。自身が退社したほうが吉本にとっても好都合になると自覚している、ということか。
2021年02月03日お笑いコンビ・キングコングの西野亮廣が30日、ツイッターを通じて「吉本興業を卒業しました」と報告した。この日、吉本興業は公式サイトを通じて、「当社所属キングコング西野亮廣(にしの・あきひろ)について、双方合意の上、2021年1月30日付をもってマネジメント契約を終了しました」と発表。一方の西野は、「お騒がせしてすみません。吉本興業を卒業しました。いろんな記事が出ると思いますが、オラオラ喧嘩して辞めるわけではなく、お互いプラスになるような形を探った結果です」とツイッターで経緯を記し、「なので、普通に仲良しですし、継続する仕事もあります」と補足した。今月27日、ツイッターで「連日走り回ってくださっている吉本興業外部のスタッフさんに対しての吉本興業の対応がナメ腐っていたので、会社ごとガン詰めしました」と明かし、「しっかりしろ!」とつづっていた西野。心配するファンに向けて、「退社する可能性も含めて、吉本興業と慎重に話し合いを進めています。くれぐれも『トラブルが原因』とかじゃないっす!」「とりあえず吉本興業には『今の形を改めないと辞めます』という話をさせていただきました。安心してください。オラオラした感じでは言ってなくて、『この状態だとお互い得をしないよね』という、ものすごく落ち着いた話し合いです」などと経過を伝えていた。
2021年01月30日2012年、第13回全日本国民的美少女コンテストでグランプリを受賞し、芸能界入りを果たした女優・吉本実憂。近年では、映画『HiGH & LOW THE RED RAIN』で出会ったアクション監督・坂口拓に師事し、アクションや殺陣の腕を磨き続けている。女優として着実にステップアップする吉本が2020年を振り返り、2021年の展望への意気込みを語った。映画『罪の余白』(15)、『レディ in ホワイト』(18)、『瞽女 GOZE』(20)で単独主演を務め、2019年公開の『透子のセカイ』では2020年のフランス・ニース国際映画祭最優秀外国映画主演女優賞を受賞。8日公開の映画『大コメ騒動』に出演するなど、女優として着実に経験を積んでいる。2020年は模索しながらも、「充実していたようなしてなかったような、色でいうと“グレー”な1年だった。だけど黒と白の2色だけでつくられたグレーではなく、たくさんの色が混ざり合ってのグレー」と得るものはあった様子。ステイホーム期間は海外ドラマ『The 100』をはじめさまざまな作品を見たり、ブームとなった『あつまれ どうぶつの森』などのゲームをしたり、アニメや漫画を読んだりとたくさんのインプットをしたそう。そして改めて「“今”と“未来”について、たっぷり考えることができました」とのことで「この状況になる前と後で、自分の軸となる部分の気持ちにブレがなかったので安心しました。好きな芝居をとことん追求していきたいと」と芝居への思いを再認識した。そんな吉本のモットーは「リアル」。「芝居は決してウソをつくことではない。“自分”という人物たちが集まって、自分の人生の一部を真実の心で表現していく」と芝居について持論を展開する。2021年もあくまで「土台は、芝居、アクション。共にリアルを追求する」と軸はぶれない。そのうえで「洋服、メイク、ネイルが好きなのでファッションに関わることもやっていきたい。広く深く重く、色んなものを表現し、届けられるような人に」とさらなる成長を誓った。
2021年01月01日所属する吉本興業から12月31日をもって独立することが発表されたお笑いコンビ・オリエンタルラジオの中田敦彦(38)と藤森慎吾(37)。マネジメント契約終了の理由として、吉本興業は公式サイトで「自ら確立した方針にて活動していきたいという2人の意向を最大限尊重し、この度、合意によりマネジメント契約を終了することとなりました」と説明。いっぽう中田は、独立を発表した28日に自身のYouTubeチャンネル「中田敦彦のYouTube大学」で「吉本興業卒業会見」を放送。そのなかで「テレビやラジオ、劇場の仕事がだんだんなくなって、事務所との接点が少なくなっていった」とし、昨年から吉本と話し合いを続けてきたことを告白。そして、今年11月に退社を決断したことを明かした。来年以降は子供の教育も考えて家族とともにシンガポールへ移住する計画があると発表。また吉本とは「円満退社」であったことも強調していた。ここ数年は、YouTuberやアパレルブランド経営など芸人以外の“副業”での活躍も目立つ中田。円満退社を強調していたが、“布石”は静かに打たれていた。昨年の雨上がり決死隊・宮迫博之(50)らの“闇営業問題”によって、所属タレントとの新たな契約形態である「専属エージェント契約」を新設した吉本。昨年10月、インタビューでそのことに触れ《お笑いの会社、主力の商品もみんな知っている。こんなに有名な会社ないし、すごいところだなと》とした上で、こう語っていた。《むちゃくちゃ体制が古いんですよ。それが今から見るとブラックに見える。歴史をひもといてみても、内側からではなくて、外圧がないと変わらないので、今回がいいタイミングじゃないでしょうか。変わる時期が吉本興業にも来ているのかもしれない。今回の件で、バラける方向に行くフェーズなのかもしれなし、そこまで行き届かないかもしれない。僕は静観していますけど、一応自分なりの立ち位置で会社とはしたたかに付き合っていこうと思っています》(19年10月16日『ORICON NEWS』)戦略的に退社を決断した中田。あっちゃんの“武勇伝”はフリーになっても続くのか――。
2020年12月30日2020年12月28日、芸能プロダクションの『吉本興業ホールディングス株式会社(以下、吉本興業)』が、お笑いコンビ『オリエンタルラジオ』の中田敦彦さんと、藤森慎吾さんとのマネジメント契約を同月31日に終了すると公表しました。『吉本興業』は、ウェブサイトでこのように発表しています。当社と中田、藤森は、マネジメントの方針について話合いを続けてまいりましたが、自ら確立した方針にて活動していきたいという2人の意向を最大限尊重し、この度、合意によりマネジメント契約を終了することとなりました。2人は当社の所属から離れますが、当社としましては、2人の新しい環境での活躍を応援してまいる所存です。ファンの皆様、関係各位におかれましては、引き続きオリエンタルラジオへのご支援を賜りますようお願い申し上げます。吉本興業ホールディングスーより引用この知らせに、ファンからはさまざまな声が上がりました。・これから2人とも、自由にやっていくんだね!どんな活動をするのか楽しみ。・びっくりした。それぞれのよさがあるから、これから存分に発揮してほしい!応援しています!・いつかは吉本興業と契約終了するかもと思っていたけど。これからも『オリエンタルラジオ』として活動してくれるのかな。テレビ番組だけでなく、YouTubeでもそれぞれ活動していた中田さんと藤森さん。これから、どんな活躍を見せてくれるでしょうか。これからの2人からも目が離せませんね![文・構成/grape編集部]
2020年12月28日芸能事務所の吉本興業は28日、お笑いコンビ・オリエンタルラジオの中田敦彦、藤森慎吾とのマネジメント契約を、今月末で終了すると発表した。同社は公式サイトを通じ、「当社所属オリエンタルラジオ 中田敦彦(なかた・あつひこ)と藤森慎吾(ふじもり・しんご)について、2020年12月31日付をもってマネジメント契約を終了することで合意しましたのでご報告します」と発表。「当社と中田、藤森は、マネジメントの方針について話合いを続けてまいりましたが、自ら確立した方針にて活動していきたいという2人の意向を最大限尊重し、この度、合意によりマネジメント契約を終了することとなりました」と経緯を説明した。「2人は当社の所属から離れますが、当社としましては、2人の新しい環境での活躍を応援してまいる所存です」とし、「ファンの皆様、関係各位におかれましては、引き続きオリエンタルラジオへのご支援を賜りますようお願い申し上げます」と結んでいる。
2020年12月28日お笑いコンビ『かまいたち』の2人が、YouTubeチャンネル『かまいたちチャンネル』で、吉本興業の社員食堂を公開しました。前もって食券を買っておいたという2人。山内さんは『インディアンカレー』、そして、毎回のように社員食堂を利用しているというヘビーユーザーの濱家さんは『鶏のひつまぶし』を注文し、手慣れた様子でサラダを選びます。ひつまぶしには、サラダだけでなく、出汁、味噌汁、ミニカレーまで付いてくるという充実っぷり。ここで、ほかのメニューにカレーが付いてくることを知らずに『インディアンカレ―』をチョイスしてしまった山内さんは、「俺それ知らんかったんやけど…」とちょっと悔し気な表情を浮かべます。しかし、どちらもボリュームがあって、栄養バランスも良さそうなメニューです。気になるお値段は…。これだけの食事が、ワンコイン以下で食べられるなんて、驚きです!ちなみに、この食堂の米は、『次長課長』の河本準一さんがプロデュースした『準米』を使用しているそうで、とっても美味しいのだとか。五穀米が選べるのも嬉しいですね。ランチを食べながら、話題は、山内さんこだわりのリフォームの話に。追加リフォームの金額と、ジムに、マッサージスペースに、クリーニング…初めて聞く山内さんの高級マンション事情に、「別になんかしてんの?仕事」と濱家さんは驚きを隠せない様子でした。ただ、食事をしながら話しているだけなんですが、2人のゆるくも絶妙なかけ合いは「ごはん食べてるだけとかで全然いい」「毎日 社食食べて」という声も寄せられるほど好評です。外でのランチは少し寒そうでしたが、『かまいたち』の2人にとっても、楽しいランチタイムになったんじゃないでしょうか。[文/AnyMama(エニママ)・構成/grape編集部]
2020年12月24日女優の吉本実憂が2日、東京・明治記念館で行われた「オスカープロモーション2021年新春晴れ着お披露目」に出席した。芸能事務所・オスカープロモーションが毎年12月に開催しているマスコミ向けイベント「晴れ着撮影会」。今年は新型コロナウイルス感染予防対策を重視し、撮影会形式ではなく、同事務所による撮影素材がマスコミ各社に配布された。映画『透子のセカイ』で2020年のフランス・ニース国際映画祭最優秀外国映画主演女優賞を受賞するなど、さらなる飛躍を遂げた吉本。今年嬉しかったことについて、アクション俳優で監督・坂口拓のもとで学び始めたことを挙げた。この出会いについて「『HiGH & LOW THE RED RAIN』の時、アクション監督で入られてた拓さんの姿を見てアクションを勉強したいと思い、その思いが坂口さんに出会わせてくれたと思います。それは決して偶然ではなく必然だと思っています」と熱弁。現在、坂口のYouTube公式チャンネル「狂武蔵たくちゃんねる」でも見事なアクションや殺陣を披露している。今年の漢字にも、アクションで実際に強くなろうとしていることから「闘」を挙げたが、「精神面では不安になってしまう時間が多かった」とも。だがここでも坂口の存在が大きかったようで「坂口拓さんと出会い練習していくうちに“気持ちでもちゃんと闘う”ということが深く身についた気がしています。物理的な強さだけでなく内面も進化していくということに気づかされた」と語った。この日は吉本のほか、小芝風花、高橋ひかる、本田望結、尾碕真花、井頭愛海、井本彩花、宮本茉由、本田紗来が参加した。
2020年12月03日吉本興業とUUUMは28日、資本業務提携を締結するとともに、吉本興業に所属するタレントのYouTubeチャンネルをUUUMと共同で運営していくことを発表した。両社協力のもとに関係値を強化し、お互いの持つアセットを最大限活用することにより、両社所属のタレント・クリエイターの価値向上につながるという考えで合意し、資本業務提携契約に至ったいう。今回の提携を通じて、吉本興業に所属するタレントのYouTubeチャンネル(約800チャンネル)は、チャンネル規模の成長や、企業タイアップの獲得などに向け、豊富なノウハウを持つUUUMによる様々なサポートを受けることになる。また、YouTubeチャンネルでのコラボレーションや、合同イベント開催、吉本興業のサポートによるUUUMクリエイターのマスメディアでのキャスティング推進など、両社所属の芸人、タレント、クリエイターのバリュー最大化に向け、様々な取り組みを実施していく。両社の取り組みによる第1弾として、「HIKAKIN×カジサック」コラボ動画を、YouTubeチャンネル「カジサックKAJISAC」にて、きょう28日18時頃に公開予定とのこと。
2020年04月28日吉本興業は21日、自宅からスマートフォンやパソコンなどでコンテンツが楽しめるプロジェクト「#吉本自宅劇場」をスタートさせると発表した。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、外出自粛が求められている中、芸人たちが自宅から「笑顔」を届ける同プロジェクト。合言葉は「手洗い、うがい、笑い」。YouTubeやTwitter、InstagramなどのSNSや配信プラットフォームを通じて配信し、全てのコンテンツには「#吉本自宅劇場」をつける。同プロジェクトに関する利益の一部は寄付するとのこと。寄付先については、改めて公表する。このたび、自宅から最も笑いをとれる芸人No.1を決める「家-1グランプリ2020~お笑い自宅芸No.1決定戦~」、芸人とファンが一緒に語り合えるオンラインスナック「スナック吉本」、平成ノブシコブシ吉村崇がリーダーを務めるリモート芸人派遣企画「吉村派遣会社」の開催が発表された。詳細は以下の通り。○「家-1グランプリ2020~お笑い自宅芸No.1決定戦~」自宅から最も笑いをとれる芸人は誰なのか!? 「家-1グランプリ2020~お笑い自宅芸No.1決定戦~」をABEMAの特別番組として生配信。優勝賞品は「家賃一年分」と「ABEMA冠特番」。参加資格は自宅から配信できる人! プロ・アマチュア問わない視聴者参加型の賞レースを開催する。番組MC 今田耕司コメント「こんな時代にぴったりの企画。優勝賞品の家賃一年分はみんなが本気になること間違いなしです。お楽しみに!」配信日程:2020年5月3日22:00~配信チャンネル:ABEMA SPECIALチャンネル○「スナック吉本」芸人とファンの方々が一緒に語り合えるオンラインスナック「スナック吉本」をオープン! 笑いあり、人情あり、涙あり、、、オンライン上で芸人がスナックのママとなり、少人数でより濃密な交流の場を提供する。「スナック吉本」ママ代表 西野亮廣(キングコング)コメント「劇場という活動の場、そして収入源を奪われてしまった芸人は、今、アルバイトをすることもできません。そんな中、家にいながら、ファンの方と交流をして、武器である『お喋り』で収入を得られるのは良いなぁと思いました。芸人と事務所が一丸となり、各方面に配慮しながら、可能な限り『笑い声』が起こる形で、今回の苦難を乗り越えていきたいと思います」○「吉村派遣会社」平成ノブシコブシ吉村崇がリーダーとなって、リモート芸人派遣企画を設立。何をやっているかはわからない! 何の為になるかはわからない! だけどなんだかおもしろい! 吉村らしい、バカで破天荒な企画を届ける。「吉村派遣会社」リーダー 吉村崇(平成ノブシコブシ)コメント「急遽立ち上げとなりましていろいろ不備はあるとは思いますが、日本全国にバカと刺激と御下品をお届けできたらと思ってます。黙って待ってるのも飽きましたので、こじ開けてやろうと思ってます。是非皆さま会話をしましょう!」なお、吉本興業は、3月2日から直営劇場公演および主催興行・イベントを中止、または延期。3月6日からは、「自粛のなかでも人々に少しでも笑顔を届けたい」という思いから、全国の劇場から無料のネット生配信を実施してきた。それも4月7日に発表された緊急事態宣言を受けて中止となっていた。
2020年04月21日吉本興業は、6日10時より毎日、全国の劇場から1日約12時間にわたって、無料でネット生配信する。配信されるコンテンツは、漫才やコント、新喜劇、トーク、遊びながら学べるコンテンツなど。同社は「お子様もご家族も楽しい仲間みなさん一緒に“笑顔”になれる内容です」と説明し、「本配信を通じて、多くのお客様に笑顔をお届けできればと思います。ぜひ、お楽しみください」とコメントしている。配信期間は、現在中止となっている同社主催の公演、イベントが再開されるまでを予定。詳しい配信内容や生配信後のアーカイヴ配信に関しては、吉本興業無料生配信ライブ特設サイトにて随時アナウンスされる。
2020年03月06日“芸能界屈指のゴシップ好き”と言われる芸人・東野幸治。芸歴30年を超える東野が、自身が所属する吉本興業の芸人たちの中から選りすぐりの“奇人変人名人凡人”を紹介した書籍『この素晴らしき世界』(発売中)を上梓した。南海キャンディーズの山里亮太、ピースの綾部祐二ら後輩芸人にはじまり、西川きよし、宮川大助・花子といった先輩芸人まで、東野独特の視点で容赦なく、かつ愛情たっぷりにイジり倒し、読者を大いに笑わせてくれる。東野は「吉本の芸人たちはアクが強い。日常がもう、面白いんですよ」とニヤリ。本書を書いて改めて実感した吉本芸人たちの面白さ、そして吉本興業という会社の魅力について語ってもらった。○■欲望のままの人選「新潮社さんも頭を抱えたと思います(笑)」――自分に自信がない西川きよし師匠や、悪口をエネルギーに突き進む山里亮太さん、貧しい境遇で育ったトミーズ健さん、ダイノジ・大谷ノブ彦さんの嫌われエピソードなど、バラエティに富んだ面々の逸話がつづられています。人選はどのように決めていったのでしょうか。僕が「書きたい」と思った人がこのメンツだったということで。新潮社さんとしては、(明石家)さんまさんやダウンタウンさん、ナインティナインさんなどもっとビッグネームを書いてほしかったと思うんですよ。それなのに僕から毎週送られてくる原稿には、トミーズ健さんだとか、中山功太のことが書いてある(笑)。頭を抱えていたでしょうね。文句を言わずに付き合ってくださった新潮社さんは、すごいなと思います。もし僕が担当やったら、絶対にイヤですもん!――書かれた人で、怒っている人はいませんか?僕はそんなにひどいことを書いたつもりはなかったんですが、こうして見てみると、意外と書いていたんですね(笑)。たぶん、怒っている人もいると思いますよ。もちろん、一応みなさんに確認はしてもらっていますし、なんとなく許可はもらっていると、勝手に思っています。発売するにあたって、僕のマネージャーからそれぞれの方に本を送っているはずですが、「ありがとうございます」と連絡をくれたのはただ1人です。誰やと思います? 藤井隆くん。納得でしょう? あとはまったく来ていないので、僕の本に興味がないのか、怒っているのか、吉本ならではのルーズさで、本が届いていないのか(笑)。この3つだと思います。○■いろいろな人を通して「ダウンタウンさんのことを書いた」――宮川大助・花子さんについては、お二人の笑いにかける執念について書かれています。夫婦の物語に胸が熱くなるようなエピソードでした。もともと大助・花子さんのことはなにかしら、壮大な物語を書きたいなとも思っていたんですが、ちょっと僕の思いが強すぎて、原稿を送ったら「これまでとテイストが違う」とダメ出しをもらいまして。ダウンタウンさんの章を書かない代わりに、大助・花子さんを通して、ダウンタウンさんのことも書こうという気持ちもあって。だからこそ一層熱を帯びてしまったんですが、そこでまさかのダメ出し(笑)。常軌を逸して書いていたのかもしれません。ダウンタウンさんは距離が近いので書きづらいし、あまりにも頻繁に仕事をする人は書かないと決めていたこともあります。僕としては、他にもいろいろな人を通じてダウンタウンさんのことも書いたつもりです。新潮社さんにも、申し訳ないですからね。そうやって誠意を見せたつもりですが、きっともっとダイレクトな誠意がほしかったでしょうね(笑)。――本書を読んでも、吉本興業の芸人さんたちが個性的であることが伝わってきます。東野さんにとって、吉本興業という会社の面白さとはどんなところにありますか。やっぱり、70歳代の師匠から、18、19歳の年齢の子たちが同じ会社に所属して芸人やタレントをやっているわけですから、様々な人がいるというところが面白みだと思います。ジェネレーションギャップもあるし、ジェネレーションギャップという言葉もわからない人もいる(笑)。文化も育ってきた環境も違う人が集まっているから、面白いですよね。本書も、吉本興業の芸人を見つめたからこその幅の広さが出たのかなと思っています。――東野さんご自身も、吉本に入って驚いたことも多いでしょうか。そうです、そうです! 僕も吉本に入ってから、「こんな人がおるんや」という驚きばかりです。20代前半に新喜劇に入ったときには、チャーリー浜さんが奇声を上げているのを見て、「大人になっても奇声を上げるんや…」と驚いたり。みんなでネタを相談していると、「なにやっとんねん!」と熱がこもってきて、「さすが師匠」と思っていたんですが、舞台に上がったらチャーリー浜さんだけ手が震えていたり(笑)。質屋に金のネックレスを入れている人、うどんを食べている横でスプレーを延々と頭に吹き付けている人など、もう日常が面白いんです。僕は若い頃、ダウンタウンさんとその時代を象徴するようなバラエティ番組を経験させていただいて、さらには“花月文化”のような、“半・未来永劫”続いていくような劇場での仕事も経験させていただきました。どちらも経験できたことは、僕にとって大きな収穫だったと思っています。○■吉本興業の懐の深さ「会社批判も許容してくれる」――東野さんが吉本興業に入って、30年以上が経ちました。林正之助会長という“伝説の会長”のような人の姿も見ているし、それは長いことやっていてうれしいことの一つですね。ペーペーの頃に一緒にエレベーターに乗ったこととか、新喜劇では客席の横に会長が立っていたり。その後はみんなが東京に進出したり、東京の事務所も赤坂の小さな1室から転々としている時代もあったし、ポピンズというアイドルグループがいた時代もありますね。吉本興業が大きくなっていくのを間近で見させていただいたのは、いい経験をさせてもらったなと思っています。会社、大きくなったなあと思います。いい思い出も、イヤな思い出もあって、本書にはそういうことは書いていませんけれど、行間からそんなことも感じ取っていただければ、すごくうれしいです。――昔と今で、芸人さんにどんな違いを感じますか?大阪の朝の情報番組で、「お前、女は元気か?」「これこれ!」なんていうやり取りが普通にありましたよね(笑)。みんなもそれを温かく見守っていたりして。あの時代はそれでOKですが、今の時代はそれはダメで。ちゃんと吉本興業も変わらなければいけないし、所属している我々も、変わらなきゃいけないと思うし。でも「吉本は変わらなきゃいけない」と言いつつ、実際はちょっと変わりきれていないところが、僕にとってはまた愛おしかったりもするんですよね。会社が変わろうとしているのに、芸人がいらんことを言って足を引っ張ることもあるし。――本書を読んでいても、「愛おしい」という気持ちが伝わってきます。吉本興業って大きい会社やし、ビッグビジネスもやって、なおかついろいろな芸人のことを考えて、テレビだけじゃなく、ラジオ、劇場、ネットやYouTubeもやって、劇場に出られへんやつは「住みます芸人」をやったり。成功するかしないかは別にして、いろいろな仕事を提供してくれる。会社としては反社チェックや働き方改革など、現代社会が求めることもクリアしながら、なおかつ、芸人たちに仕事を作ろうとしているように見受けられるので、芸人のためにも、吉本興業というブランドが落ちていかないように変わり続けようとしているのかなとは思うんです。我々が生きていける場所を作ってくれているという意味では、文句言いながらも感謝ですよね。でもね、ちょっとスカタンなところがあって。ミスをしちゃうんですよね(笑)。それを許容してくれるような社会であってほしいとも思うし、吉本興業自体、芸人が生放送で会社の批判をしても、それを許容してくれたりする。そこが吉本の一番のいいところかなと思います。今の世の中、一度ミスをするとなかなかもう一度戻ってくることが難しいですけれど、ミスしてもいいのかなと思える。ま、悪口を言われたり、ボロカス言われたりもしますが、居場所は作ってくれるんです。吉本も吉本で、一生懸命、社会に貢献しようとしているので、それが貢献できているのか、できていないのかはわかりませんが、一応頑張っているので、許してもらえませんかね(笑)。■東野幸治1967年8月8日生まれ、兵庫県出身。1985年に吉本興業に入社。若手時代は心斎橋筋2丁目劇場を中心に活動。1991年にフジテレビ系『ダウンタウンのごっつええ感じ』に出演し、人気を博す。トーク力に定評があり、フジテレビ系『ワイドナショー』や、日本テレビ系『行列のできる法律相談所』など多数のレギュラー番組を持つ。
2020年03月05日マンガ『レッド・ベルベット』の著者・多田由美さんに、作品に込めた思いを聞きました。絵を読み、物語の世界に浸る映画のようなマンガ体験。‘86年にデビューし、現在活躍しているマンガ家にも一目置かれている多田由美さん。現在は大学でマンガを教える側にも回っているのだが、待望の連載である『レッド・ベルベット』は、以前からのファンはもちろん、多田さんのマンガを初めて手に取る人にも、独特の体験を与えてくれるような作品となっている。「古いファンが読んで、作風が全然違うとびっくりするかなと思い、昔と差が出ないようにしたら、暗い話になってしまいました(笑)」登場するのは、アールとランディというふたりの少年。物語は映画の回想シーンのように、ケーキ店を営む幼いアールの母親が急死する場面から始まる。時が過ぎ、高校生になったアールは、母が残したケーキのレシピを集めることに執着し、幼なじみのランディは母の入院費を稼ぐべく、窃盗団と関わりを持つようになり、どんどん深みにハマっていく。「問題を抱えている人を描くのが好きなんです。一生懸命生きようとしているけど困難に立ち向かえず、言い訳をして逃げちゃうような弱い人が、なぜか放っておけないんですよね。アールとランディは、ふたりでようやくひとりの真人間になれるような関係性。どちらも自分のほうが強くて、しっかりしていると思っているのかもしれないですね」お互いのことを思いやるあまり、自分の弱さを見せられないふたりの成長が描かれていくのだが、ぜひとも注目してほしいのが、独特のマンガ体験を可能にしている、その表現力。ナレーションや擬音のような状況説明を極力排し、絵で見せることに重きを置いているのだが、ロサンゼルスという舞台設定も相まって、ノスタルジックなアメリカ映画を観ているような気分に浸ることが。「まず頭に映像が浮かぶので、カメラをコントロールする感覚でカットを考えながら、見たままを描いていくんです。構図はかなり気にしていますね。言葉に関しても語りすぎるとぼやけてしまう気がして、大事なところを目立たせるために、前後をあえて省いたりしています。伝わるかどうかギリギリだなと思いつつ、画力頼みというか、絵で頑張ったらいけるかなと必死に描いてます」物事が思うようにいかないふたりの姿は、見ていて苦しくなってしまうが、やはりそれも物語の醍醐味。「暗い始まりで、暗い途中で、暗い終わりだったら描く意味がないですよ!ただ暗いだけなのは、作品ではないような気がするんですよね」その言葉を信じて、彼らの選択を見守っていこう。多田由美『レッド・ベルベット』2犯行計画に巻き込まれるランディと、母のケーキ店を再開すべく動きだすアールの行く末は……。約15年ぶり、かつ多田さん史上最長の連載作としても話題。講談社1150円©多田由美/講談社ただ・ゆみ1986年『月刊ASUKA』でデビュー。以後短編集を多く手がけ、イラストレーターとしても活躍。現在は神戸芸術工科大学で教鞭をとる。※『anan』2020年3月4日号より。写真・中島慶子インタビュー、文・兵藤育子(by anan編集部)
2020年02月27日