宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11月16日、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)の観測データに基づく月別二酸化炭素の全大気平均濃度を公表した。「いぶき」は、環境省、国立環境研究所(NIES)、JAXAが共同で開発した温室効果ガス観測専用の衛星で、二酸化炭素とメタンの濃度を宇宙から観測することにより、その吸収・排出量の推定精度を高めることを目的とし、2009年1月の打ち上げ以降、現在も観測を続けている。二酸化炭素は高度によって濃度差があるため、地上観測点だけの濃度データでは地球大気の全体濃度を表すことできないが、「いぶき」は地表面から大気上端までの二酸化炭素の総量を観測することができる。発表によれば、2009年5月から2015年7月までの「いぶき」観測データを用いて全大気の二酸化炭素平均濃度を算出したところ、月別平均濃度は北半球の植物の光合成が活発になる北半球の夏に下がり、光合成が弱くなる北半球の冬に挙がる季節変動を経ながら年々上昇し、2015年5月には約398.8ppmを記録した。また、推定経年平均濃度(季節変動を取り除いた2 年程度の平均濃度値)は2015年7月に約398.2ppmに達した。このまま上昇傾向が続けば、月別平均濃度および推定経年平均濃度ともに、2016年中には400ppmを超える見込みだという。環境省、NIES、JAXAの3者は、今回算出した「いぶき」の観測データから解析・推定した月別「全大気」の二酸化炭素平均濃度を、NIES GOSATプロジェクトのWebページにおいて公開し、同衛星の運用が続く限り定期的に結果を更新するとしている。
2015年11月16日アウディ ジャパンは11月6日、独フォルクスワーゲン(VW)が二酸化炭素排出量に不正があったと発表した約80万台の車両にガソリン車も含まれると報道されたこと対し、日本に正規輸入されているアウディ車は対象外であることが確認されたと発表した。また、複数のアウディ車を含むV6のディーゼルエンジン車に搭載された「補助エンジン制御デバイス(AECD)」について、認証プロセスにおいて適切に説明されていないとする米国の環境保護局の指摘に関しては、独フォルクスワーゲンがグループを代表して発表した「禁じられた手法で排ガス特性を変えるソフトウェアの搭載はしていない」とのコメントを引用し、否定した。なお、当該ディーゼルエンジンを搭載したアウディ車の日本への正規輸入はないとしている。VWグループは9月にディーゼル車の排ガス規制を不正に逃れていたことが発覚して以来、販売台数が低下しており、傘下のアウディも10月の新車販売台数が約30%落ち込むなど大きな影響を受けている。
2015年11月09日島津製作所は8月20日、ポータブルガス濃度測定装置「CGT-7100」の販売を同日より開始すると発表した。同製品は、前機種「CGT-7000」のデザインやユーザインターフェースを一新し、装置や測定データの運用方法の多様化に合わせて開発されており、「燃焼排ガス測定用CO-CO2計」「燃料電池研究用CO-CH4計」および小流量測定タイプ「触媒研究用CO-CO2計」の3タイプが設定されている。前処理装置を本体に内蔵しているため、装置単体の測定が可能となっているほか、Wi-Fiによる無線データ通信やUSBメモリによるデータ読み出しに対応したことで、記録計がなくてもデータを確認することができる。価格は350万円~(税別、タイプやシステム構成などにより異なる)で、3タイプ合計で年間100台以上の販売を目指すとしている。
2015年08月20日つきあい始めのカップルは、親子やシングルよりも「オキシトシン」の濃度が高いという研究結果が発表されました。オキシトシンの濃度が高ければ、相当の幸せを感じていることになるのだそうです。『LiveScience』が発表した、オキシトシンについての事実を見ていきましょう。■オキシトシンは親子の絆をつくる愛情ホルモンオキシトシンとは、脳から分泌されるホルモンの一種。新生児と母親の絆にも関係しているといわれ、子どもが生まれたばかりの両親にも高いオキシトシン濃度が検出されます。しかし、それでもつきあい始めのカップルほど高くはないそう。いまのところ、いちばん高いオキシトシン濃度が検出されるのはカップルだといわれています。この研究では、「新しい恋人と関係を築くプロセスは、新生児が母親と関係を築くプロセスに似ているのではないか」と考えられており、そんなところからもオキシトシンがカップルにも重要な役割を果たしていることがわかります。■カップルのオキシトシンはシングルの2倍イスラエルのバル=イラン大学では、つきあい始めてから3ヶ月以内の20代のカップル60組を対象に調査を実施しています。カップルははじめ別々に、自分の考えや心配なこと、2人のこれからの関係についての希望についてインタビューを受けました。インタビュー後、カップルの血液と別な43人のシングルの人の血液を採取したところ、カップルの血中オキシトシン濃度は、平均してシングルの人のほぼ倍という結果が。さらに、その後6ヶ月関係が続いたカップルは、オキシトシン濃度に変化がなく、高い数値のままでした。また、オキシトシン濃度が高いカップルはインタビュー中もボディタッチやアイコンタクトが多く観察されました。こうした動作はオキシトシン濃度をさらに高める効果があるとされています。研究者は、つきあい始めの時期のオキシトシン濃度はその後の関係を左右するといっています。ちなみに、カップルもシングルの人も、オキシトシン濃度は性別や喫煙歴、身長、体重などには関係がなかったようです。しかし、この調査ではつきあう前のそれぞれのオキシトシン濃度を検査していないため、新しい恋がオキシトシン濃度を高めたのか、もともとオキシトシン濃度が高い人がカップルになりやすいのかは定かではないとされています。また、血中オキシトシン濃度が脳内のオキシトシン濃度と同じかどうかもまだわかっていないということです。■オキシトシンはボディタッチで増やせる!かつての研究では、鼻から吸引するオキシトシンがカップルの関係づくりに有効であるといわれていましたが、今回の研究ではこれについて「危機的な状況にあるカップルの関係を改善する要因になりうる」とだけ述べられています。もし好きな相手にオキシトシンをかがせることができたら、長続きするカップルになれるかも……?でもボディタッチやアイコンタクトでも、オキシトシン濃度は高まります。関係を長続きさせたい人はがんばってみましょう!(文/和州太郎)【参考】※How Long Will Your Love Last? Check Your Oxytocin―LiveScience
2015年07月30日帝人は7月13日、同社グループ会社の東邦テナックスが、航空機や自動車用途において求められる高強度と高弾性率を両立した新たな炭素繊維「XMS32」を開発したと発表した。一般的にPAN(ポリアクリロニトリル)系の炭素繊維は、弾性率を一定以上に高めると強度が低下する傾向があることが知られていた。今回、同社では、炭素繊維の原料であるプリカーサーの構造設計や、炭素繊維の製造プロセスの最適化を図ることで、均一な構造を有する高強度・高弾性率の炭素繊維を開発したという。このXMS32は、従来、航空機用途を中心に使用されてきた炭素繊維「IMS65」に比べ、強度・弾性率ともに10%以上の向上を達成したとするほか、炭素繊維表面の化学的特性と平滑性をナノレベルで制御する表面改質技術を開発したことで、樹脂との接着性が向上したという。なお東邦テナックスでは、すでに航空機用途に向けて同繊維シートに樹脂をしみこませたプリプレグの開発を進めており、将来的には、自動車用途やハイエンドスポーツレジャー用途に向けてもこれを展開していく予定としている。
2015年07月13日東北大学は7月9日、光触媒や太陽電池、半導体などに用いられる二酸化チタン(TiO2)の機能を制御する欠陥を自在に操る方法を開発したと発表した。同成果は、同大 国際高等融合領域研究所(現 学際科学フロンティア研究所)および理化学研究所Kim表面界面科学研究室の湊丈俊 助教(現 京都大学 特定准教授)、理化学研究所Kim表面界面科学研究室の金有洙 主任研究員、東京大学 大学院 新領域創成科学研究科の川合眞紀 特任教授、千葉大学 大学院 理学研究科の梶田晴司 博士(現 豊田中央研究所)、中山隆史教授、University College of London化学専攻のChi-Lun Pang博士、東北大学 原子分子材料科学高等研究機構の山本嘉則 特別研究顧問および名誉教授、浅尾直樹 教授らによるもの。詳細は米国化学会発行の「ACS Nano」に掲載された。TiO2が発揮するさまざまな機能には、その結晶構造を乱す原子欠陥の配列や量などが関わっていることが知られており、これを操作できれば、新たな機能の開拓も可能になると言われてきた。これまでの研究では、加熱や光励起などを用いて、粗く原子欠陥の量を変化させる方法は報告されていたものの、量や種類を精密に制御するといった方法は報告されていなかった。今回、研究グループでは、STM(走査型トンネル顕微鏡)を用いて、TiO2表面に存在する原子欠陥である水素イオンを1つずつ操作することで、その反応機構の解析を行った。その結果、これまでに提案されてきた反応機構では説明ができないこと、ならびに水素イオンの脱離は量子トンネル効果による反応であることを見出したほか、量子トンネル効果は、電場によって反応障壁の幅が狭まり、そこに電子による励起が加わることで誘発されることを発見。これらが「電場誘起トンネル反応」という新たな反応であることを突き止めたという。なお、今回の成果を受けて研究グループでは、同技術の活用により、活性の高い光触媒や、高い発電効率を実現した太陽電池などの開発や、従来ない機能の創生などにつながることが期待されるとコメントしている。
2015年07月10日理化学研究所(理研)は6月16日、原子レベルの超格子薄膜技術を用いてイリジウム酸化物の電子相を制御し、磁性の出現と絶縁体化が密接に関係していることを解明したと発表した。同成果は、理研 石橋極微デバイス工学研究室の松野丈夫 専任研究員、東京大学 理学系研究科の髙木英典 教授、東京大学 物性研究所の和達大樹 准教授(研究時は東京大学工学研究科特任講師)、日本原子力研究開発機構 量子ビーム応用研究センターの石井賢司 研究主幹、トロント大学 物理学科のHae-Young Kee教授らによるもの。詳細は、「Physical Review Letters」に掲載された。イリジウム酸化物は、低消費電力デバイスを実現する材料として期待されるトポロジカル絶縁体の1種で、電子のスピンと軌道運動の磁気的な相互作用である「スピン-軌道相互作用」と、電子同士の相互作用である「電子相関」を併せ持つ物質として知られているが、これまでその結晶構造の種類が少なかったため、イリジウム酸化物全体の性質を体系的に理解できていなかった。今回、研究グループは、原子レベルでイリジウム薄膜とチタン酸化物薄膜を交互に積み重ねた超格子構造を作製し、イリジウム酸化物の電子相を精密に制御することが可能であることを示し、磁性を持った絶縁体相から特殊な金属の一種である半金属相へと電子相が変化していく様子を連続的にとらえることに成功したという。この結果、イリジウム酸化物における磁性の出現と絶縁体化が密接に関係していることが判明したとのことで、これにより、イリジウム酸化物において期待されるさまざまな電子相を超格子構造によって自在に制御する可能性が示されたとする。なお、研究グループでは今回の成果を受けて、理論で予測されながらも発見されていない新たな種類のトポロジカル絶縁体の実現、さらには低消費電力デバイスへの応用が期待できるようになるとしている。
2015年06月18日東京大学(東大)や理化学研究所(理研)などで構成される研究グループは、スピントロニクス材料として期待される巨大磁気抵抗を示すコバルト酸化物「SrCo6O11」に、スピン配列の周期として理論的に考えられるすべての状態が存在し、それらが磁場の変化とともに磁化が階段状に増加していく様子「悪魔の階段」を確認することに成功したと発表した。同成果は、東大 物性研究所の和達大樹 准教授、同大学院工学系研究科の石渡晋太郎 准教授、同大学院工学系研究科の十倉好紀 教授(理化学研究所創発物性科学研究センター センター長)、京都大学化学研究所の齊藤高志 助教、独Leibniz Institute for Solid State and Materials Research Dresde とHelmholtz-Zentrum Berlin らによるもの。詳細は米国科学誌「Physical Review Letters」の6月8日オンライン版に掲載される予定。実際の観測は、ドイツの放射光施設「BESSY II」において共鳴軟X線回折実験として行われ、その結果、ほとんどすべてのスピン配列の周期性に対応する分数値の回折ピークが観測され、各々の温度でさまざまな周期の磁気秩序が共存している様子が確認されたとのことで、これについて研究グループは、磁気的な相互作用の正負が距離によって変化するモデルを理論的に解くことで得られる「悪魔の階段」の状態が、実際の物質で実現している事が示されたとしている。また、さらなる解析により、磁化の測定で見られたステップを生み出す磁気構造の様子の解明にも成功したとのことで、これにより、「悪魔の階段」を生み出す磁気構造の詳細が判明したとしている。なお研究グループでは今後、こうした「悪魔の階段」型の磁気構造をさらなる系統的な研究により他の物質にも見つけることを目指し、単純に磁場により電気抵抗を増減させるだけでなく、電気抵抗や磁化が階段状にとびとびの値をとることを活かした、新しいタイプのスピントロニクス材料の開発などにつなげたいとしている。
2015年06月05日島津製作所は5月13日、高速応答ガスモニタ「EGR-chaser 酸素濃度計測タイプ/二酸化炭素濃度計測タイプ」(型名:TLFM-2000-O2 / TLFM-2000-CO2)2機種を同日より発売すると発表した。高速応答ガスモニタ「EGR-chaser」は自動車のエンジン開発向けにエンジン吸気側の酸素濃度または二酸化炭素濃度をレーザー光を用いて高速にモニタリングしてガス状態を把握する装置で、外部EGRシステムの制御方法の改良や熱効率の最適化に貢献する。「EGR-chaser 酸素濃度計測タイプ」については、レーザ光学技術を測定原理としてエンジン吸気側の酸素濃度をモニタリングできる世界で唯一の製品だという。価格は各タイプ1200万円(ソフトウェア込み、税別)となっている。
2015年05月13日富士フイルムは4月14日、マウスに経口で摂取させた抗酸化成分「アスタキサンチン」が皮膚まで到達していることを確認したと発表した。同成果は、同社ならびに京都大学 大学院農学研究科 海洋生物生産利用学分野の菅原達也 教授らによるもの。詳細は5月14日からパシフィコ横浜で開催される「第12回アジア栄養学会議(ACN2015)」にて発表される予定だという。これまでの研究にて研究グループは、アスタキサンチンをマウスが経口摂取すると、紫外線による肌のシワ形成と表皮からの水分蒸散が抑制されるという研究結果を報告していたが、この仕組みとして、経口摂取したアスタキサンチンが消化吸収され、皮膚まで到達。紫外線(UVA)により皮膚の真皮に発生した活性酸素を除去したことで、シワ形成抑制効果が生じたと推察したほか、経皮水分蒸散量の抑制効果も同様に、皮膚に到達したアスタキサンチンが、表皮のバリア機能を維持するのに必要なセラミドの産生や維持に影響を与えていると考え、今回、研究を行ったという。その結果、経口摂取したアスタキサンチンが皮膚まで届いていること、ならびにナノ乳化した場合はさらにその量が増加することを確認したという。なお同社では、美容ドリンクやサプリメントでアスタキサンチンを摂取することで、肌のシワ形成や経皮水分蒸散量が抑制されることが期待できるとしており、今後もアスタキサンチンの美容・健康における効能効果やメカニズムについての研究を進めていくとしている。
2015年04月15日岐阜大学は4月15日、炭素繊維織物によって強化した樹脂製の歯車を開発したことを発表した。CFRP(炭素繊維強化プラスチック)は、高い強度と軽さを併せ持つ材料だが、加工が難しいため機械部品の大量生産などには向いていなかった。今回開発された技術は、そうした分野への活用を目指して開発されたもの。研究では、樹脂の中に炭素繊維を組み込み、歯車の歯の付け根にかかる引張応力を弱めることで製品寿命を延ばすことを可能にしたとのことで、この樹脂内に炭素繊維を組み込む工法について、すでに特許の出願を実施済みだという。今回の成果について研究グループでは、実用化されることで、自動車などに使用される金属製の歯車を代替できるより、軽量化や生産コストの削減、強度の向上による製品寿命の向上などが期待できるようになると説明する。ただし、サンプルとなる歯車は開発したものの、製造コストや製品強度についての具体的な検証は完了していない、とのことで、今後、検証を重ねていき、2017年3月をめどに実用化を果たしたいとしている。なお同成果は、同大の王志剛 副学長、同大 金型創成技術研究センターならびにセントラルファインツールらによるもので、サンプルとなるCFRP製歯車は4月15日から17日にかけて東京ビッグサイトにて開催中の「INTERMOLD 2015(第26回 金型加工技術展)」に出展されるという。
2015年04月15日東京工業大学(東工大)は4月10日、液晶性を付与した高性能な有機トランジスタ材料の開発に成功し、酸化物半導体(IGZO)並みの高い移動度を実用度の高いボトムゲート・ボトムコンタクト型トランジスタで実現できることを確認したと発表した。同成果は、同大学 像情報工学研究所の半那純一教授、飯野裕明准教授らによるもの。詳細は4月10日発行(日本時間)の英国科学誌「Nature Communications」オンライン版に掲載された。有機トランジスタ用半導体材料の多くは、トランジスタの信頼性や素子間のバラつきの抑制に不可欠な、均一性に優れた結晶薄膜の作製が困難であること、またデバイス作製に不可欠な熱プロセスに対する耐熱性が100℃程度という問題のほか、移動度も3cm2/Vs程度にとどまり、実用的に必要なプロセス適正と高移動度を兼ね備えた材料は実現できていなかった。一般的に有機トランジスタに用いる有機半導体材料は、低分子系材料と高分子系材料に分けられるが、低分子系材料は精製が容易で、高品質の結晶を得やすい半面、均一で表面平坦性に優れた結晶薄膜を得ることが困難かつ耐熱性が低いという問題がある。一方、高分子系材料は成膜性、耐熱性に優れる半面、結晶性が低く、高い移動度を示す薄膜を得るためには200℃を超える高温での熱処理が必要となるほか、材料の精製、分子量分布の制御、合成の信頼性などの問題点がある。今回、研究グループは液晶性をトランジスタ材料に付与することで、低分子系材料の課題であった成膜性、耐熱性の改善を実現したほか、酸化物半導体に匹敵する10cm2/Vsを超す高移動度を実現する高性能な液晶性有機トランジスタ材料「Ph-BTBT-10」を開発したという。具体的には、トランジスタを作製後、配線や素子の保護層の形成などに必要な熱処理プロセスに200℃まで耐えることが可能であることを確認したほか、平坦な結晶膜を容易に得られることも確認したとする。また、作製された結晶薄膜は120℃、5分程度の短時間の熱処理で移動度が約1桁向上することも確認したという。さらに、同材料のトランジスタ材料としての可能性の実証に向け、5枚の基板に多結晶薄膜を形成し、ボトムゲート・ボトムコンタクト型トランジスタを作製、特性を評価したところ、平均移動度は11.2cm2/Vs(標準偏差1.17、最大移動度13.6cm2/Vs)と高い値を示すことを確認したとする。研究グループは、今回の液晶性を発現させるという手法について、ほかの低分子系有機トランジスタ材料にも応用可能であり、材料の1つの基盤技術として材料開発に活かすことが可能だと説明する。また、多結晶膜による高移動度の実現により、素子の応用範囲を広げることにつながるとするほか、新しい材料設計の可能性が示されたとしており、今後、これらの知見を活用した高移動度有機トランジスタ材料の開発が期待されるとコメントしている。
2015年04月13日岡山大学はこのほど、「舌表面の汚れの付着面積が大きい人は、呼気中のアセトアルデヒド濃度が高い」ことを、同大学の森田学教授らの研究グループと北海道大学山崎裕教授が共同研究で突き止めたことを明らかにした。「アセトアルデヒド」は、アルコールを代謝する過程で産生される物質のこと。たばこの煙にも含まれ、口の中の細菌がアルコールやグルコースを代謝して産生することも報告されている。高濃度で摂取した場合の発がん性も指摘されているが、世界保健機構は生理的濃度であっても、長期間の暴露はがんのリスクがあるとしている。今回、森田教授と横井彩(医員)の研究グループは、同大医療支援歯科治療部と北海道大学山崎裕教授と共同で、舌の上に白いこけのように付着している汚れ「舌苔(ぜったい)」の面積と、口の中のアセトアルデヒド濃度を健常者65人で調査した。すると、舌苔(ぜったい)の付着面積が大きい人は、小さい人に比べて口の中のアセトアルデヒド濃度が高いことが明らかになった。これまで、アセトアルデヒドの発生原因は、たばこやアルコールが考えられていたが、今回の研究で舌苔(ぜったい)からも発生していることが判明した。あわせて舌苔(ぜったい)を取り除く舌清掃を行うと、口の中のアセトアルデヒド濃度が減少することも確認できた。口の中のアセトアルデヒドは、口や喉のがんの原因になることが指摘されている。今後、さらなる研究を重ねることにより、舌清掃でがんを予防することも期待できるとのこと。同研究成果は2015年3月6日の「Journal of Applied Oral Science」電子版で公開している。
2015年04月01日岡山大学は3月27日、舌表面の汚れの付着面積が大きい人は、呼気中のアセトアルデヒド濃度が高いと発表した。アセトアルデヒドは口や喉のがんの原因となると言われており、今回の成果は舌の汚れとがんの関連性を示唆するものとなる。同成果は岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(歯)予防歯科学分野の森田学 教授、横井彩 医員の研究グループと、同大学医療支援歯科治療部と北海道大学の山崎裕 教授らによるもので、3月6日付(現地時間)の「Journal of Applied Oral Science」電子版に掲載された。口の中の最近がアルコールやグルコースを代謝して産生されるアセトアルデヒドは、高濃度で摂取する場合、発がん性が指摘されており、生理的な濃度でも、持続的な暴露は有害と考えられている。今回の研究では、舌の上に白い苔のように付着している汚れの面積と、口の中のアセトアルデヒド濃度を健常者65人で調査。汚れの付着面積が大きい人は、小さい人に比べ、アセトアルデヒド濃度が高くなることが判明した。また、舌の清掃を行うとアセトアルデヒド濃度が減少することも確認された。アセトアルデヒドはこれまで、タバコやアルコールが発生原因とされていたが、同研究により舌の汚れからも発生していることが判明。今後研究を重ねることで舌清掃でがんを予防できることが証明される可能性が期待される。
2015年03月30日産業技術総合研究所(産総研)は3月6日、多孔質の酸化タングステン(WO3)などを積層した半導体光電極を用いて、太陽光エネルギーで水を分解し、水素製造と同時にさまざまな高付加価値の化学薬品を効率良く製造する技術を開発したと発表した。今回、タングステン酸イオンを含む溶液を導電性ガラスにスピンコートし焼成する簡便な方法で成膜した多孔質の酸化タングステン膜の半導体光電極を作製。膜厚を厚くし、さらに光散乱を有効利用しながら光吸収効率を大きくすることで、水素と同時にさまざまな高付加価値の酸化剤を効率良く製造できた。光電極と対極との間には逆反応を防ぐためにイオン交換膜を配置。酸化剤としては、硫酸水溶液(HSO4-)から過硫酸(S2O82-)、食塩(NaCl)水溶液から次亜塩素酸塩(ClO-)、炭酸塩水溶液から過酸化水素(H2O2)、ヨウ素酸塩(IO3-)を含む水溶液から過ヨウ素酸塩(IO4-)、三価セリウム塩(Ce3+)を含む水溶液から四価セリウム塩(Ce4+)などを含む水溶液が効率良く製造できた。S2O82-、ClO-、H2O2に関しては、これまでの報告の中で最も高い性能が得られた。またIO4-およびCe4+生成はまったく新規な反応となる。これらの反応はいずれも、酸素発生の酸化還元準位(1.23V(RHE))よりも正に大きく、太陽光エネルギーの有効利用にもつながる。特に、硫酸水溶液中での過硫酸製造の場合、酸素発生は観測されず、酸化生成物の過硫酸への選択性はほぼ100%であった。通常、この電気化学反応を従来の金属電極で進行させるには2.1V以上の電圧が理論上必要だが、光電極を用いれば0.6Vからでも反応を進行することができる。太陽光エネルギーを、補助電圧をかけながら水素と過硫酸の化学エネルギーに変換・蓄積するための、光電極の性能指数である太陽光エネルギー変換効率(ABPE効率)は従来の約1.6倍となる2.2%であった。なお、同技術の詳細は、3月15日~17日に横浜国立大学で開催される電気化学会第82回大会で発表される。
2015年03月09日インフルエンザや流行性胃腸炎などのウイルスが猛威を奮うこの季節。市場にはウイルス対策として二酸化塩素による除菌を謳った製品が目立つ。国民生活センターは2010年にこうした商品に対して、日常生活の中で消費者が適切に使用できるよう商品の安全性と有効性について十分に検証をするようメーカー側に要望を出した経緯があるが、そもそも学術的には二酸化塩素とはどういうものなのか、調べてみた。日本二酸化塩素工業会などによると、まずは化学物質としての二酸化塩素は、常温常圧では反応性の高い黄色い気体状の化合物とのこと。物質の最小の構成素である原子の中心にある原子核だが、通常2個ずつ持っている電子が奇数しかない“フリーラジカル”と呼ばれる原子の一種である。一方、電子というのはもともと対になって安定するため、他から電子を1個奪うか、自分の電子を1個与えて、安定化しようとする性質がある。このためにフリーラジカルというのは、非常に反応性が強く、脂質やたんぱく質を攻撃するとされている。しかし一方で、同じ原理で二酸化塩素は酸化剤として、ウイルスや細菌、真菌のタンパク質や悪臭物質を酸化修飾し、ウイルス除去や除菌、消臭作用を発揮するとも言われている。このメカニズムを構造学的に解明したのが日本の製薬メーカーの大幸薬品で、その成果を米国の生化学専門誌「Biochemistry」に発表している。このように二酸化塩素の除菌やアレル物質分解効果は学術的に認められているものの、気になるのは人体への影響。二酸化塩素は、日本においては水道法により水道水の消毒殺菌や、厚生労働省により小麦粉の漂白処理剤(食品添加物)として認められている。しかし、二酸化塩素の安全性は経口摂取では確認されているものの、空間における長期間低濃度条件においての検証はまだ十分ではないようだ。これに対し日本二酸化塩素工業会は、2014年3月に「二酸化塩素の自主運営基準設定のための評価について―ガス製品―」で、二酸化塩素を用いた空間除菌用一般商品についての安全基性を、室内濃度指針値として0.01ppmに設定。ただし、この指針値は同工業会に加盟する各社が製品を製造販売する際の濃度の目安であり、かつヒトがその濃度の空気を一生涯にわたって摂取しても、健康への有害な影響は受けないであろうと判断される定常状態における濃度水準を示したものであり、最大許容濃度や二酸化塩素ガスの有効濃度を示したものではないと説明している。次回は、この二酸化塩素を用いた製品「クレベリン」を販売している大幸薬品の担当者に色々話しを聞いていきたいと思う。
2015年02月03日冬の肌乾燥を進ませないためのポイントとして“入浴剤の活用”がおすすめです。ではどんな入浴剤が良いの?ということで、今回はアラフォー世代にとってはずせない、乾き知らずの素肌をキープできる入浴剤と、「もう、疲れきって老けこみそう〜」という日に使いたい抗酸化ケアができる入浴剤についてもお話したいと思います。皮脂膜を再現するようなロバミルク水を弾くような潤い肌に導いてくれる入浴剤としておすすめなのは、ロバミルク配合の入浴剤。ロバミルクは母乳の代替品として使われるほど栄養豊か。これまでにも化粧品の美容成分として古来から使われてきました(クレオパトラが美しさを保つために愛用していたという伝説も…)。健やかな肌づくりに欠かせないビタミン、ミネラル、必須脂肪酸(オメガ3やオメガ6)などが調和した状態で含まれているため、ロバミルク配合の入浴剤に浸かるだけで心地よく潤いがなじみしっとり肌に。酸化を招く活性酸素を防ぐなら水素!一方、老化の根源=活性酸素による酸化を防いでくれるのは、水素を発生させる入浴剤。活性酸素が発生するきっかけは、ストレス、食品添加物の摂取、汚染された空気、電磁波、紫外線、激しい運動などは本当にさまざまですが、水素は活性酸素の中でも悪玉活性酸素といわれているヒドロキシラジカルを選択的に抑制してくれます。水素は、水素水を飲んだり、点滴などでも体内に取り込めますが、手軽かつ効果的なのはなんといっても入浴。水素が充満した湯船に浸かると、約7分程で皮膚を通じて水素が全身にゆきわたるそう。また、水面から空気中に抜けていく水素を吸入することで体の内側にも素早くデリバリー。湯温がややぬるめのお風呂でも、水素バスに30分くらいゆっくり浸かると血管が拡張されやすくなるので湯上がりも体はぽかぽか。普段は乾燥を防ぐロバミルクで潤いバス、心身ともに疲弊したり屋外に長く居た日は水素で抗酸化バス。毎日お風呂に入るだけでOKなアンチエイジングケア、ぜひはじめてみてください。参照サイト/・ 家庭の医学 水素の抗酸化力と医療への応用
2015年01月26日JFEスチール、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、新構造材料技術研究組合(ISMA)は1月14日、鉄鋼材料に含まれる炭素の含有量を定量的に分析にできる装置「FE-EPMA」を改良し、世界最高精度となる0.01%レベルまで分析精度を高めることに成功したと発表した。鉄鋼材料の強度は炭素濃度を高めることで増加するが、一方で伸び特性が低下し、プレス成型時の加工性が低下してしまう。このため、強度と加工性を両立するには鉄鋼材料の中で炭素濃度が高い組織と、炭素濃度が低い組織が微細に分散した複合組織にする必要があり、微細組織の炭素濃度と分布状況を従来よりも厳密に制御することが重要になる。鉄鋼材料の炭素濃度を定量分析するには、電子マイクロアナライザ(EPMA)を使用した電子線分析が一般的だが、分析の進行とともに試料表面で炭素が徐々に堆積して炭素濃度が増大し、分析面積が狭くかつ炭素濃度が低い組織であるほど分析精度が大幅に低下するという課題がある。これに対しJFEスチール、NEDO、ISMAの三者は、「FE-EPMA」に炭素専用の検出器を3台組み込み、炭素の堆積を抑制する機能を複数具備させるなどの改良により、従来は炭素含有量0.1%レベルまでだった定量分析精度を、10倍の0.01%まで高めることに成功した。同装置を活用することで、自動車用高強度鋼板をより高精度で分析できるようになり、熱処理条件の確立や、サンプル材料製造時の複合組織の造り込みの精度向上に高い効果を発揮することで、開発の迅速化につながることが期待される。
2015年01月14日岡山大学はこのほど、豚糞尿由来のバイオガスを燃料とする固体酸化物燃料電池(SOFC)において、バイオガスからの炭素析出を抑制できる触媒の組成を決定し、作動温度600℃でLED電球の点灯に成功したと発表した。同成果は同大学大学院環境生命科学研究科の三宅通博 教授、岡山県農林水産総合センター畜産研究所の白石誠 専門研究員らの共同研究グループによるもので、日本セラミックス協会2015年年会で内容が発表される予定。バイオガスを燃料とするSOFCの開発においては、バイオガスからの炭素析出が作動温度の低温化に対し障害となる。同研究グループは、炭素析出を抑制できる触媒の組成を決定し、バイオガスを効率よく利用するための改質装置およびSOFC発電性能評価装置で評価をした。改質バイオガスを燃料として単セルの発電試験を行った結果、バイオガスを直接燃料とする場合より、約200℃低い600℃でLED電球を点灯することができた。また、4時間程度の発電のあいだ、炭素析出はほとんど見られなかったという。今後、長時間運転による触媒性能や発電性能の経時変化に基づき、触媒や燃料極を改良することで、バイオガスを燃料とする中温作動型SOFCの実現にさらに近づくものと期待される。
2014年12月22日東京工業大学はこのほど、細胞内に送り込んだ一酸化炭素(CO)をゆっくりと放出させ、がんの原因となる転写因子たんぱく質の活性を制御することに成功したと発表した。同成果は同大学大学院生命理工学研究科の上野隆史 教授と藤田健太氏らによるもので、11月19日付け(現地時間)の米学会誌「Journal of the American Chemical Society」のオンライン版に掲載された。COは体内の多くのたんぱく質と強く結合し、身体に悪い影響を及ぼすことが古くから知られている。一方で、近年ではCOとたんぱく質の結合は炎症やがん化を抑制する働きを持つことが明らかになり、次世代の医薬品として注目されている。上野教授らは、生体中で鉄を貯蔵するカゴ状たんぱく質であるフェリチンに着目し、12nmのカゴの内部に、金属と結合したCOを閉じ込め、細胞内に送り込んだ後に、ゆっくりとCOを放出するシステムを開発した。その結果、従来の化合物に比べ、効率よくCOを細胞内で作用させることができ、がんの原因となる転写因子たんぱく質の制御に成功したという。今後、不明な点が多いCO分子の生体内での機能解明ばかりでなく、複雑で難しい医薬品製造を必要としない簡便な治療薬の開発につながることが期待される。
2014年11月21日会社勤めをしている人で、日中の眠気に悩まされている場合、ちょうどお昼休みの後に会議が入っていたりすると、かなり厳しいものがあるのではないでしょうか。眠気を我慢しようにもできない瞬間も訪れてしまい、思わずウトウト……。自身の睡眠不足や疲労感を改善しようとしている人も多いと思われますが、実際は違うところにも原因がありそうです。会議中は、なぜ眠気がきやすい?仕事をしている最中に眠くなった経験をされたことのある方は多いかもしれませんが、仕事といっても色々なシーンがあります。中でも、会議中に襲ってくる眠気は特に困りものですよね。実は、会議中というのは狭い閉め切った室内に複数の人が集まっていることから、二酸化炭素濃度が上昇している可能性が高いといわれています。そもそも、仕事のパフォーマンスは、二酸化炭素濃度が2500ppmにまで達すると、著しく低下することがアメリカの研究チームによる実験の結果から分かっています。つまり、会議室での会議中は仕事のパフォーマンスが落ちやすく、眠くなりやすい環境というわけです。そのオフィス内の二酸化炭素の量、大丈夫?普通、屋外における二酸化炭素の量は、380ppm程度だといわれています。一方、オフィス内の二酸化炭素濃度は、1000ppm程度だそうです。この時点でも大きな開きがあることが分かりますが、会議中にはなんと3000ppmにまで上昇するといわれています。これを知れば、すぐにでも換気したくなってきますよね。あなたのオフィスの換気状況、ちょっと思い出してみてください。会議室に十分な換気設備は整っていますか?原因は二酸化炭素かも?会議室換気のコツ会議中の眠気は、ひょっとしたら二酸化炭素の濃度上昇によるものかもしれません。体調というより環境が原因かもしれないのです。そこで対策として考えられるのが会議室の換気。実験によれば、15名が1時間会議室で過ごしたとき、二酸化炭素の濃度は1000ppm程度上昇したそうです。これにより、1人あたり平均66.7ppm程度増加させたということになります。これだけ上昇すれば、さすがに眠気も襲ってきそうですね。換気扇を使用すればある程度、二酸化炭素濃度に変化は見られるようです。ただし、ドアを開放しても、50分ほど経たないと濃度は通常の1,000ppm以下までは下がらないといわれています。会議中にドアを開けっ放しにするのがむずかしい場合、せめて換気扇だけでもつけておきたいところです。会議室の換気、ぜひ注意してみてください。photo by MDGovpics
2014年11月18日産業技術総合研究所(産総研)は11月11日、貴金属と酸化物が接合したナノ粒子の生成技術を開発したと発表した。同成果は、同所 ナノシステム研究部門 フィジカルナノプロセスグループの古賀健司主任研究員、先進製造プロセス研究部門 加工基礎研究グループの平澤誠一主任研究員らによるもの。詳細は、英国物理学出版局(IOP Publishing)の学術誌「Materials Research Express」のオンライン版に掲載された。貴金属と卑金属で構成される合金のナノ粒子を酸化させると、卑金属成分のみが酸化されることによって、貴金属と酸化物の分離が起こる。この際、一方向に酸化物の成長を促すことによって、酸化物ナノ粒子の一部に貴金属が接合した粒子が生成されることを、貴金属と酸化ニッケル(NiO)をモデルとして今回実証した。同技術によって、ナノスケールの貴金属と酸化物の接合が、複雑な化学プロセスを使用することなく可能になるという。今後、研究グループでは、より多くの種類の酸化物と貴金属が接合したナノ粒子の生成を行い、酸化現象のより深い理解を目指す。また、半導体酸化物と貴金属が接合したナノ粒子については、ガスセンサや触媒特性などの評価も行う予定であるとコメントしている。
2014年11月12日アイドルグループ「でんぱ組.inc」(最上もが、夢眠ねむ、古川未鈴、成瀬瑛美、藤咲彩音、相沢梨紗)が10月4日(土)、東映本社にて一酸化炭素中毒事故で撮影が中断していた映画『白魔女学園2』の撮影再開報告お祓い付き記者会見を行った。事故が発生したのは、今年6月15日に行われた栃木県宇都宮市内にある洞窟でのロケ中。照明用発電機を作動させたことが原因の一酸化炭素中毒で、最上を除くメンバー5人とスタッフ5人が救急車で宇都宮市内の病院に緊急搬送された。最上は「待機場所が違かったので私だけ無事でしたが、その時はビックリしました」と間一髪で難を逃れていたことを明かし、搬送された5人のメンバーについては「事故後にも退院のお知らせを聞いていたし、逐一病院からの報告も受けていたので、安心してメンバーの事を見守っていました」と全員無事の復帰を喜んでいた。運ばれた側の相沢は「みなさんにご心配をかけてしまったけれど、その分元気な姿と笑顔を届けさせてもらえれば」と決意しながら、「(事故当時は)撮影が忙しくてメンバーもTwitterを更新できなかった時期で、ニュースを見て心配してくれたファンの方もいたように思う。ご連絡が遅れてしまったけれど、今はツアーをやったりして元気な姿を見てもらえている」と根強いファンたちの姿に感謝。10月16日のクランクアップに向けて「事故の後でも『でんぱ組.inc』は走り続けなければいけないので、今日まで頑張ってきました。この映画を通して大きくなれたらと思っています」と、グループを代表して意気込みを語っていた。映画『白魔女学園2』は2015年6月13日より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年10月05日日本原子力研究開発機構(JAEA)とJ-PARCセンター、東北大学は9月26日、高温高圧力下において鉄中に高濃度に溶けた水素の位置や量を観測することに成功したと発表した。同成果は、JAEA 量子ビーム応用研究センター、J-PARCセンター、東北大 金属材料研究所の研究グループによるもの。東北大 原子分子材料科学高等研究機構、中央大学 理工学部、愛媛大学 地球深部ダイナミクス研究センターと共同で行われた。詳細は、英国科学雑誌「Nature Communications」のオンライン版に掲載された。水素は鉄などの金属中へある温度、圧力条件で溶け込む。溶けた水素は、例えば材料強度を弱めるといった機械的な特性変化(水素脆性)を引き起こすが、その現象を理解するには、水素がどこにどのくらい存在するのか、という情報が重要になる。鉄中に水素は、数万気圧という高圧力下でしか高濃度に溶け込むことができない。材料中の水素を観測する方法は限られ、また高温高圧力下での測定は技術的に困難なため、これまで実験的に観測できなかった。今回、水素を観測することができるJ-PARCの大強度中性子線を利用して、高温高圧力下の鉄中に高濃度に溶けた水素の位置や量を、実験的に決定することに成功した。そして、これまで面心立方構造の鉄中においては、鉄原子が作る八面体サイト(隙間)の内部のみに水素が存在すると考えられていたが、高温高圧力下における中性子回折実験により、八面体サイトに加えて鉄原子の作る四面体サイトの内部にも水素が存在することを明らかにした。今回の成果によって、鉄中に溶けた水素に関係する特性の変化に対する理解がより一層進むと期待される。また、各種鉄鋼材料の高品質化・高強度化に向けた研究開発や、地球内部のコア(核)に存在する鉄の研究などの進展にも役立つことが期待されるとコメントしている。
2014年09月30日炭酸水が美容にいいことは、みなさんご存知の通り!「二酸化炭素を含んだ水」というと、健康に良くないイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれません。しかし本当は逆なのです。二酸化炭素は、酸素と比べて浸透圧が25倍程違うため、様々な効能が期待できます。■1.炭酸水の種類炭酸水には2種類あります。・天然炭酸水天然の地下水に、火山活動などで発生した二酸化炭素が混ざり合って生まれた炭酸水です。ミネラル分を多く含む場合が多く、炭酸が抜けにくいのが特徴です。日本では炭酸ガスを含んだ地層が少ないので、天然炭酸水を採取できる場所はごくわずかです。ペリエ、ゲロルシュタイナー、ザ・プレミアムソーダなど、流通しているのは輸入品がほとんどです。・人工炭酸水人工的に炭酸ガスを加えた炭酸水です。最近はご家庭で作れるキットも売られています。ミネラルの成分は天然よりも劣っていますが、値段は天然炭酸水よりも断然安いです。「セブンプレミアム」「サントリー ソーダ」「カナダドライ クラブソーダ」など各種ブランドから販売されています。次に、炭酸水の効果を見ていきましょう。■(1)便秘解消炭酸が体内に入ることで腸の動きが活発化し、便秘や消化不良を解消する作用があります。またミネラルウォーターに含まれるマグネシウムは便通を促し、サルフェートは利尿作用を高めます。特に朝の1杯の炭酸水は眠っていた体を目覚めさせます。■(2)美肌効果ミネラルウォーター(炭酸水)、特に中硬水や硬水はミネラルが多く含まれているため、産後のカルシウム補給や、スポーツ後やダイエット中のミネラルの補給に適しています。ミネラルが多く含まれる硬水には、酸味が強いなどクセのあるものもありますが、炭酸が入っていることでこのクセを感じづらくなり飲みやすくなります。また、最近では炭酸で洗顔をされている方も多いと思います。炭酸ガスは、気泡化するときに、そこにあるアカやゴミを包んで一緒に持って行ってくれるのです。さらに炭酸水は弱酸性なので、アルカリ性に傾いた肌のpHを中和させてくれます。そしてマッサージ効果もあります。■(3)疲労回復疲れを感じている時、人の体には疲労物質である尿酸がたまっています。炭酸水に含まれている重炭酸はこの尿酸と結びつき、体外に排出してくれるため、疲労回復に繋がるそうです。■(4)ダイエット効果炭酸水を飲むことで、ガスにより胃が膨らんで満腹感が出ますので、食事の量を抑えることが出来、ダイエットに役立ちます。■(5)肩こり解消肩こりの原因は、その多くが血行不良と言われています。炭酸水に含まれる二酸化炭素が体内に入ると酸素の供給が活発になり、血流が促進されるそうです。■おわりに炭酸水は、冷やせば冷やすほど炭酸の刺激が強くなります。美容目的に飲む場合には、身体の代謝を低下させないよう、少しぬるい10~12度で飲むことをオススメします。(下山一/ハウコレ)
2014年09月22日理化学研究所(理研)は8月28日、多金属のチタンヒドリド化合物を用いて、安定なベンゼンの炭素-炭素結合を室温で切断することに成功したと発表した。これにより、従来困難とされていた、芳香族化合物の炭素-炭素結合の切断を使った新しい物質変換反応の開発への寄与が期待できるという。同成果は、同所 環境資源科学研究センター 先進機能触媒研究グループの侯召民グループディレクター、島隆則上級研究員、胡少偉特別研究員らによるもの。詳細は、科学雑誌「Nature」に掲載された。ベンゼン環を含んだ芳香族化合物は、石油やバイオマスなどの天然資源に豊富に含まれている。これら芳香族化合物の炭素-炭素結合の切断は、石油などの天然資源からガソリンや基礎化学品などを作る際に極めて重要な反応である。しかし、ベンゼン環は非常に安定で、その炭素-炭素結合を切断するには固体酸触媒を使って500℃程度の高温で行う必要があり、多くのエネルギーを消費する。さらに、反応プロセスは複雑で、目的外の化合物も複数生成する。また、生態系の中には温和な条件でベンゼン環の炭素-炭素結合を切断する微生物も知られているが、そのメカニズムについて不明なことが多いのが現状である。この他にも、これまで構造が明確なさまざまな分子性の金属化合物が開発され、これを用いて比較的温和な条件での炭素-炭素結合の切断反応が試みられてきたが、温和な条件でのベンゼン環の炭素-炭素結合の切断反応は成功していなかった。一方で、研究グループは2013年に、3つのチタン原子(Ti)からなる新しい多金属ヒドリド化合物(チタンヒドリド化合物)を開発し、これを用いて非常に安定な窒素分子の窒素-窒素結合の切断、および窒素-水素結合の形成に成功している。今回、このチタンヒドリド化合物とベンゼンの反応を試みたところ、室温という温和な条件で炭素-炭素結合が切断できることを発見した。この反応を検証した結果、まずベンゼン環が3つのチタン金属上に結合し、その後これら3つのチタン金属が互いに協力し合って炭素-炭素結合の切断に働いていることが明らかになった。分子レベルでベンゼン環が切断される様子を明らかにしたのは今回の研究が初めてであるという。また、ベンゼンだけでなく炭素が1つ増えたトルエンでも同様の炭素-炭素結合の切断反応が観察されたとしている。研究グループでは、今回の成果により、工業的な芳香族化合物の分解反応のメカニズム解明、温和な条件で反応が進行する新しい触媒の開発などに有用な知見を与えることが期待できるとコメントしている。
2014年09月01日産業技術総合研究所(産総研)は8月28日、逆水性ガスシフト反応の触媒活性を有するニッケル錯体触媒を開発したと発表した。同成果は、同所 触媒化学融合研究センター 官能基変換チームの富永健一研究チーム長らによるもの。詳細は、9月24~26日に広島大学 東広島キャンパスで開催される「第114回触媒討論会」にて発表される。逆水性ガスシフト反応とは、二酸化炭素を水素化し、化学原料として有用な一酸化炭素に変換する反応である。従来、逆水性ガスシフト反応の触媒には、ルテニウムなどの貴金属が必須だったが、今回、分子内に3つの結合箇所を持つピンサー型配位子を用いて、非貴金属であるニッケルでも反応を進行させることに成功した。一酸化炭素は二酸化炭素に比べて反応性が高く、多種多様な化学品の原料として用いられているが、高い毒性を持っている。これまで、産総研ではルテニウム錯体を用いて二酸化炭素を一酸化炭素に変換し、その場で次の反応に用いることで、従来一酸化炭素を用いて合成していたプロセスを二酸化炭素で代替する技術を開発してきた。しかし、触媒コストの高さが普及を阻んでいた。今回開発した触媒により、コストを1/100にできるため、機能性アルコールなどの各種機能性化学品の合成プロセスへの応用と普及が期待されるとコメントしている。
2014年08月29日東洋紡は7月24日、活性炭素繊維吸着材「Kフィルター」を用いた窒素循環脱着方式の揮発性有機化合物(VOC)回収装置を開発したと発表した。同装置は、VOCを高品質な有機溶媒として回収できるのに加え、大風量の排気ガスにも対応可能という特徴を持っている。導入することにより、有機溶媒の回収・再利用によるコスト削減や、環境の保全に貢献することができる。具体的には、回収した有機溶媒に対する水分の割合が8.5重量%と少なく、分解物(酢酸)の濃度も240mg/Lに抑えられるため、VOCを含む排気ガスから、高品質な有機溶媒が回収できる。また、装置の大型化が容易であるため、大風量の排気ガスの処理にも対応できる他、窒素ガスを循環させて利用しており、使用量が少なく済むため、窒素を作るために必要なエネルギーを節約でき、ランニングコストを抑えられる。また、「Kフィルター」の採用により、排気ガスからVOCを標準で95%以上除去することが可能。さらに、吸着材が摩耗しにくく、安定的な吸着が行えるため、メンテナンス性に優れている。なお、同装置は4月より販売を開始している。今後、水溶性有機溶媒の使用量の多いフィルムコンバータへの導入を進めていき、2017年で4億円程度の売上を目指していくとコメントしている。
2014年07月25日名古屋大学のトランスフォーマティブ生命分子研究所(WPI-ITbM)は12月24日、植物の光合成および生産量を増加させる技術を開発したと発表した。成果は同大の木下俊則 教授とワンイン研究員らによるもので、米科学誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に掲載される予定。それに先立ち2013年12月23日(米国時間)に同雑誌のオンライン速報版で公開された。気孔は植物における二酸化炭素(CO2)の取り込み口。気孔の仕組みは、光による気孔開口には青色光受容体フォトトロピン、気孔開口の駆動力を形成する細胞膜プロトンポンプや内向き整流性カリウムチャネルの関与がこれまでの研究によって明らかになっている。また、植物が太陽光の下で光合成を行うときにCO2を必要とするが、気孔の孔(あな)を通る際に生じる抵抗(気孔抵抗)がCO2の取り込みを制限する原因となり、これによって植物の光合成の効率を下げることも明らかとなっている。植物の光合成活性を向上させるためには、気孔の開き具合を大きくし、気孔抵抗を低下させることが1つの解決法として考えられているが、これまで人為的に気孔の開口を大きくする技術は開発されていなかったという。同研究は、光による気孔開口反応に関わる主要因子(青色光受容体フォトトロピン、細胞膜プロトンポンプや内向き整流性カリウムチャネル)を、気孔を構成する孔辺細胞のみで発現を誘導するGC1プロモーターを使い、孔辺細胞だけに発現量を上昇させ気孔開口を促進できるかどうかを調査したもの。その結果、気孔開口の駆動力を形成する細胞膜プロトンポンプの孔辺細胞での発現量を増加させることで、光による気孔開口が通常よりも25%大きくなることがわかったという。また、プロトンポンプ過剰発現株のCO2吸収量(光合成活性)は約15%増加し、これにより植物の生産量が1.4~1.6倍増加することが明らかになったという。さらに、過剰発現株では、野生株と同様の乾燥応答や乾燥耐性が見られたという。このことは、過剰発現株が野生株と同様の水分環境で生育可能であることを示すが、一方でその因子は植物の生産量増加に直接結び付かないことが判明したという。同研究により、気孔を構成する孔辺細胞における細胞膜プロトンポンプの発現量を増加させることで、気孔の開口を大きくし、植物のCO2吸収量と生産量を増加させることが可能となった。また、乾燥に対する応答性は野生株と変わらないことから、今後この技術を利用することで、農作物やバイオ燃料用植物の生産量増加が期待できるという。さらに、植物を利用したCO2削減への応用も考えられ、同時にCO2増加の問題の解決に貢献することも期待できるという。
2013年12月25日スッポンの高濃度コラーゲンを手軽に!スッポンを食べた翌日は肌がプルプルに・・・など、スッポンにコラーゲンが豊富に含まれていることは有名だと思いますが、今回、純度の高いスッポンコラーゲンを抽出する方法を使い、製造された美容液が販売になります。各分野のプロが集まって作られた美容液近畿大学薬学部のグループが技術協力し、静岡県立焼津水産高等学校の生徒が育てたスッポンのコラーゲンを使った美容液、「クロモンジェル美容液」が10月21日(月)から発売されます。発売元の株式会社クロモンコスメティックは大阪・黒門市場で営業する有名鮮魚店・新魚栄の子会社で、黒門市場生まれの初のコスメブランドです。それぞれの分野のプロ達が原材料にとことん拘った、贅沢なコラーゲンジェルを一度試してみてはいかがでしょうか。「高純度スッポンコラーゲン使用美容液」発売概要■発売日:平成25年(2013年)10月21日(月)■商品名:SU-01 クロモンジェル美容液(53g)■価格:5,250円(税込)■販売方法:インターネットショップにて販売参考リンク参照)■発売元・商品問合せ先:株式会社クロモンコスメティック0800-200-3177(フリーダイヤル)【参考リンク】▼クロモンジェル美容液
2013年10月21日