昨今、ファッションの世界でも産地や素材など、川上に関心を寄せる人が増えている。食の世界でもその潮流は見受けられ、どこで生まれた食材をどう味わうのか“知を味わうこと”に注目が集まっている。先月、伊勢丹新宿店本館地下1階食品フロアで行われたイベント「『ニッポンの和牛』学んで味わうお肉屋さん体験」で、日本の和牛文化の啓蒙活動に取り組んでいるVIVA JAPANの浜田寿人さんに話を聞いた。この日和牛の魅力を伝えるために、浜田さんが選んだ部位は「トウガラシ」と呼ばれる牛前足の付け根部分。成体で600~700kgある牛から、わずか4kgしか取れない希少部位だ。このトウガラシをスライスした焼肉、挽肉にしたハンバーグ、牛脂を入れた味噌汁など、様々な形状で味わいながら、和牛の文化をレクチャーしていくイベントを通じて、浜田さん和牛の魅力について語っていく。日本では鮪と同じように、牛の部位にも細かく名前が付けられており、その数は50余り。トウガラシはウデ肉の一部分なので、歩行に必要な適度な筋肉があり、赤身と筋繊維のバランスが良い部位だ。「ウデ肉は筋肉が入り組んだ部位なので、ステーキ状には切りにくい部位です。日本にはすき焼きのように和牛をスライスする文化があり、ウデ肉もスライスに適しています。和牛の切り方からも、日本独特の無駄を作らない文化を知ることが出来ます」と浜田さん。スライスした肉の食感を焼肉で味わった後は、粗挽きミンチで作ったハンバーグを作っていく。このハンバーグにはつなぎを一切使わず、和牛100%。ミネラルを含んだ塩と粗挽き胡椒で味付けし、表面にこんがり焦げ目をつけ、中がレアな状態で頂く。赤身で歯ごたえのある部位の和牛なので、内側が適度にレアでも臭みはなく、もちっとした食感が楽しめる仕掛け。また「和牛は日本生まれの日本育ちなので、和食材の醤油、味噌、鰹節などの発酵食品との相性がいい」ということで、締めの逸品として焦げ目がつく位に焼きあげた牛脂を出汁にいれて加熱し、和牛の旨味と香りを取り入れた赤味噌のお味噌汁が登場。まろやかなでコクのある味噌汁で、新しい和牛の味わい方の一つになりそうだ。自宅で簡単にできるメニューなのも嬉しい限り。イベントの中で浜田さんは「日本の和牛はすべて個体識別番号が定められているので、どこで生まれ育ち、命をまっとうしたのかを知ることが出来る。時にはどこから、この和牛がやってきたのかを調べることで、命を味わうことを考えてみる機会を持ってみては。そして、和牛が育った場所に伝わる料理には、その土地の和牛の肉質がぴったりということが多いので、面白いものです」と浜田さん。日本の風土や文化が育んだ和牛の魅力や味わい方を知りながら、食卓に会話の花を咲かせてみるのも一興かもしれない。
2015年04月14日リーガロイヤルホテル東京は5月1日~6月30日、各レストランにて「和牛フェア」を開催する。同フェアでは、牛肉を使用したメニューを中国料理、懐石料理、鉄板焼、洋食など、さまざまな料理スタイルで用意する。和牛の部位は、各レストランのシェフがメニューに合わせて採用するとのこと。「中国料理 皇家龍鳳」では、「和牛リブロースと点心のランチ」(4,752円)と「和牛と海鮮のディナーコース」(9,504円)を用意する。それぞれのメインディッシュには、「和牛のオーブン焼き 黒酢ソース」が登場する。リブロースを丸ごとじっくりオーブンで焼き上げた後、黒酢ベースのソースを合わせた。ディナーには、アワビやズワイ蟹など海鮮食材を使用した料理もそろえる。「日本料理なにわ」では、懐石コーナーにて「黒毛和牛の山椒鍋ランチ」(5,940円)と「黒毛和牛の山椒鍋とサザエを愉しむ会席」(1万1,880円)を提供。黒毛和牛の山椒鍋は、黒毛和牛を醤油とみりんがベースの八方だしで豆腐やねぎ、椎茸、湯葉などとともに土鍋で煮込み、実山椒を添えた。食事の最後のごはんには、黒毛和牛を甘辛く煮込んだしぐれ煮が付く。鉄板焼コーナーでは、「黒毛和牛と活アワビのランチ」(5,940円)と「3種の塩で味わう黒毛和牛と活アワビのディナー」(1万1,880円)を用意。ランチではロース、ディナーではフィレまたはサーロインが楽しめる。ディナーでは、ピンク色のボリビア産の岩塩、イギリス・マルドン産の塩、兵庫県・淡路島産の藻塩といった3種の塩を肉に添える。塩によって肉のうまみが引き立った味わいとのこと。「ダイニング フェリオ」では、黒毛和牛のランプ肉(腰から尻にかけての柔らかい赤身肉)を使用したアラカルトメニュー2品が登場する。「黒毛和牛のシャリアピン風ステーキ」(3,500円)は、肉をたたいて玉ねぎに漬け込むことで、肉の繊維を感じさせない柔らかな食感が味わえるという。「黒毛和牛のカツレツ」(3,500円)は、サクサクとした衣の歯ごたえが楽しめるよう厚みがあるカツレツに仕上げたとのこと。なお同店では、5月9日~6月28日の土日に「アーリーサマービュッフェ」を実施。紫色の玉ねぎ・アーリーレッドと蒸し鶏のサラダや、ニンニクのきいたアイオリソースで味わうカツオのほか、海の幸を取り入れたメニューやローストビーフ、スペシャルメニューを取りそろえる。価格は大人(中学生~)5,000円、シニア(65歳~)4,500円、小学生3,000円。※価格はすべて税込
2015年04月13日ブルースモービルは4月25日から5月10日まで、東京都・新宿中央公園で「大牛肉博」を開催する。○高価なブランド和牛を気軽に同イベントでは、ブランド和牛の生産団体が一堂に会し、そのおいしさをアピールする。店舗単位での出店ではなく、生産団体が軸となって出店するイベントとなる。4月25日から5月2日までは「牛丼」、5月3日から10日までは「焼肉丼」が用意される。開催時間は、11時から22時まで。ラストオーダーは21時となる。入場は無料で、丼一杯を1,000円で提供する。出場するブランドは、いわて南牛振興協会の「いわて南牛」、鹿児島黒牛黒豚銘柄販売促進協議会の「鹿児島黒牛」、神戸肉流通推進協議会の「神戸ビーフ」、仙台牛銘柄推進協議会の「仙台牛」、米沢牛銘柄推進協議会の「米沢牛」となる。同イベントでは、丼を提供するブースの他、和牛メニューで酒類も提供するバルや、各地の特産品を販売するコーナーを設置。また、各和牛の特徴を分かりやすく解説するパネル展示や、和牛クイズも実施する。
2015年03月25日ロッテリアは29日、全国のロッテリアで「佐賀牛ハンバーグステーキバーガー(ドリンクM付き)」を発売する。数量限定で販売する予定。○「ブランド和牛バーガー」シリーズ最後の商品が登場同社では2010年より、年に一度の"ご褒美"として、1年をしめくくる年末シーズン間近の「いい肉(1129)の日」にあたる11月29日より、期間限定商品として"ご褒美"バーガーを販売。また「毎月29日はブランド和牛バーガー」の日とし、日本各地の和牛を使用したバーガーを順次発売している。同商品は、2014年6月29日の発売から好評を得ている「ブランド和牛バーガー」シリーズの締めくくりの商品。主役となるパティは、佐賀県特有の穏やかな気候とおいしい水と空気で育った佐賀牛を使用し、甘くコクのある肉の味わいを楽しめるハンバーグパティに仕上げたという。また、味の決め手となるソースには、炒めたジンジャーペーストに佐賀産の醤油、リンゴ酢、白味噌を加えた生姜の風味をほのかに感じる和風ソースを採用。それらをソテーした厚切り玉ねぎとともに、1等粉を使用して手丸め風工程を採用したバンズにはさんだ、上品でリッチなバーガーとなっている。価格は1,300円(税込)。
2015年03月25日ロッテリアは29日、「とちぎ和牛ハンバーグステーキバーガー(とちおとめソース)」を数量限定で店舗にて発売する。○ブランド和牛"とちぎ和牛"を使用したバーガーが登場同社は、「毎月29日はブランド和牛バーガー」の日とし、日本各地の和牛を使用したバーガーを順次発売している。ブランド和牛バーガー第4弾の同商品は、主役となるパティに、緑と水の豊かな栃木で地元の稲わらなどにより基本に忠実に長期飼育されたとちぎ和牛を使用。キメが細かく、サシの入った霜降り肉の風味豊かなうまみをより味わえるよう、約6mmの粗挽きにしたハンバーグパティに仕上げた。また、味の決め手となるソースには、赤ワイン風調味料、ブイヨン、りんごなどを加え、じっくりと煮込んだ「濃厚デミグラスソース」と、ベシャメルソースに栃木県産のとちおとめジャムでほんのり甘みをつけ、さらに栃木県産のとちおとめリキュールで品の良い香りに仕上げた「とちおとめソース」の2種類のソースを合わせた。同商品はそれらを「1等粉を使用して手丸め風工程を採用したバンズ」でサンドした、とちぎ和牛のうまみを味わえるリッチなバーガーになっているとのこと。さらに「サラダ」「ポテトM」「ドリンクM」のいずれか1つをセットとして選択できる。価格は1,300円(税込)。
2014年09月26日兵庫県の代表和牛が10月25日~29日にかけて長崎で行われた「第10回全国和牛能力共進会」に出品され、おいしさの指標となるオレイン酸などのモノ不飽和脂肪酸の含有率が一番高く、「脂肪の質賞」(おいしさのチャンピオン)を受賞した。全国和牛能力共進会は「和牛のオリンピック」とも言われる。今回は全国から305頭もの和牛が出品されて9項目の出品区に分かれて和牛の体形、品位、肉質などを競った。おいしさのチャンピオンとなった兵庫県の和牛は、第7区(総合評価群)に出品された全国175頭の中から選ばれ、そのおいしさを証明した形となった。そのほか、第2区で長命連産につながる骨格がしっかりしている牛と評価を受け「前躯賞」を受賞したほか、第4区では骨格が繊細で種牛としての美しさがあり、骨味の良さは肉牛に必要な枝肉の肉量の多い系統であることを表しているとの評価を受けて「骨味賞」を受賞した。兵庫県からは但馬牛19頭が出品されたが、但馬牛は体格が小さいため、体積や大きさを求める共進会の審査基準で不利と言われていた。今回の代表牛は他府県の和牛と比較しても遜色(そんしょく)のない出来栄えだった。詳細は兵庫県ホームページを参照のこと。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月27日