ウーマンエキサイト読者のみなさま、こんにちは! まつざきしおりです。今回は、わが家の家庭学習について書きたいと思います。真面目そうなテーマですが、全然そんなことないので、ゆるっと読んでやってください~。では、どうぞ!■お風呂場の壁にひらがな・カタカナシートを貼った幼稚園も年長さんになると、ひらがなの読み書きができる子が増えてきました。絵本をすらすら読める子や、カタカナも書ける子がいてビックリしたりします。うちは母子ともにだいぶマイペースなので、まあ、なんかそんな焦らんでもいけるやろ~。…と思っていたのですが、さすがになんかウチでもしたほうがいいな~とも思い、お風呂場の壁に100均で買ったひらがな・カタカナシートを貼っています。せっかく貼ってるから、これで何かを教えたほうが。でも、どうやって教えたらええんやろ。ということで、最近は、上の漫画に描いている感じで、ひらがなシートを指さしながらしりとりをしています。なんだか探しものゲームみたいでおもしろく、間違えたりわからなかったとしても、しりとりをしているので、本人も「わからない! できない!」といったショックを受けずに、楽しんでくれていい感じです。 ■100均って本当にすばらしいシートはひらがな・カタカナのほかに、英語版もあったりして、100均って本当にすばらしいなと、しみじみ思っております。そろそろシートもボロボロになってきたので、また新調せねば…!少しでも参考にしていただければ幸いです。ではでは!
2019年11月20日宿題(プリントなど)、家庭学習(内容自由…自由とは?)、計算練習、音読、ストレッチ…。すべて親の採点と内容のチェックと捺印必須!入学前はあまり深く考えていませんでしたが、小学生の息子の「持ち帰ってくる課題の多さ」よ…。以前から気まぐれに「テスト屋さん(塾?)ごっこ」などと言って自ら机に向かうことはありましたが、習慣とはならず、どうやって集中力を持続させたらいいものか悩む日々です。(テスト屋さんごっこは入学前にブームが去ってしまった)それまでは毎日「楽しく過ごす」ことだけを追い求めていた息子に、急に「さぁ1年生! 切り替えて勉強、勉強!」と言ってもうまくいくはずもなく。私が口うるさくまくし立てて「勉強」に対して、「やらされてる」「怒られる」「面倒くさい」というネガティブなイメージを持たせるのだけは何としても避けたい…。そんな悩ましい日々を送る中、ほぼ毎回(いずれか)出される息子からの要求はだいたい以下の4つ。私の対処方とともにご紹介。■宿題やりたくない? 子どもの要求▼遊びたい…「下校の勢いのまま外に飛び出したい」「ゲームがしたい」遊ぶのはおおいに結構だが、放っておくといつまでも遊び続けるので腕時計を持たせます。▼眠い…ダラダラ・イライラの原因はだいたいこれ。▼なんか食べたい…帰宅してすぐに小腹を満たしても宿題を始めた途端にまた言う。口寂しいのか、なんなのか…?■家庭学習をやる気になる「雰囲気作り」▼つまんない、飽きた…それを言っちゃあ、おしまいよ。まとめて「ゴチャゴチャ言ってないでさっさと(宿題)やりなさい!」と言いたいころですが、それで状況が悪化するのは目に見えているのでグッと言葉を飲み込みます。上記の要求に対して「ダメ」とは言いません。すべて、ちょっとずつ受け入れて、休み休みしながらだいたい30分~1時間(昼寝含む)くらいかけて終わればいいなぁという感じです。(集中力は据え置き…)もうひとつ、子どもの家庭学習に関して、私が気をつけていることに「勉強しなさいを言わない」というのがあります。「勉強の楽しさ」だとか「誰のために必要なのか」というのを、いくら子どもに言葉で説いても右耳から左耳なので、私が家でしてやれることは「自分のペースで楽しく学ぶ雰囲気作り」くらいかなと思っています。夕方の慌ただしい時間帯で、ついついイライラしがちですが、とにかくそこは必死で抑えて、抑えて…日々、自分との戦いです。<おまけ>息子の反応を見る限り、今のところ私の「雰囲気作り」は、おおむね成功しているのかな? と思っています。
2019年11月19日ひらがなや数字の読み書き、どう教えるか悩みますよね。ひなが読み書きを覚えたのは年中さん頃。ひよりは現在年少さんで、数字の一部と自分の名前が読める(かな~?)程度です。■数字を覚えたきっかけは…そんな二人の学習過程を見てきて、私が特に役立ったと思うことは…これは、ひなもひよりも間違いなく8割くらいはエレベーターのおかげだと思ってます。その証拠に、よく利用する階の数字から覚えていきました。さすが乗る度にどっちがボタンを押すかで姉妹喧嘩しているだけのことはある!それにしても、子供のボタンに対する執着って何なんでしょうね……。■ひらがなの読みは知育アプリが大活躍ひなの時は第一子だったこともあり、私もだいぶ気合いが入っていて色々な方法で教えていました。でもまぁなんだかんだこちらが手を掛けても結局、一人で気ままにやってるアプリが一番効果的だったんですよね。そんなもんです。しかし、ありがたい時代です。■ひらがなの読みにはお手紙交換!小さい子って、お手紙交換大好きですよね。私にもよく可愛いお手紙をくれるんですが、手紙自体が嬉しいのはもちろん、どんどん字が正しく書けるようになっていく成長も嬉しいものです。当たり前ですが、楽しくないとモチベーション上がらないのは大人も子どもも同じですよね。例えば書き取りなら、ドリルを何ページもやるより、たった一言のお手紙を大好きなお友達に書いた方がストンと身に付くんじゃないかなと思います。…とはいえ、読み書きを覚えること自体に興味がない子もいますよね。我が家もひなは割と学習に積極的でしたが、ひよりはほとんど興味がない様子。でも別にそれをマイナスには捉えていないし、焦りもありません。勉強に興味があるのもないのも、単なる個性や趣向であって、良いも悪いもないのではと個人的には思っています。なのでひよりに関しては私も「本人が興味ないものを無理に進める必要もないな」と思い、『学習』としては未だ何もやっていません。名前はなんとなく読めるようになってきたので、そろそろ教え始めてみてもいいかな~?くらいの段階です。つい周りと比べがちになったりしますが、子供と自分の性格に合わせて、楽しく進めていきたいですね!
2019年11月15日子どもの成長と共に、家庭学習も重要になってきます。hanaさんの小学生と中学生の子どもは、6年ほどリビング学習を続けているそう。家事をしながらでも目の届きやすいダイニングテーブルで子ども達が勉強するのは、都合が良かったといいます。そんなhanaさんですが、最近になって新たな学習スペースを設置しました。新たな学習スペースの設置理由、学習スペース追加のメリット、そしてリビング学習の今後についてどう考えているのかを聞きました。■ 新たな学習スペースの設置理由は?リビングダイニングの広さは10畳強。コンパクトなリビングダイニングに更なる学習スペースの設置は避けたいところでした。でも、子どもが2人いてリビングダイニングですごす時間が長いとなると、ダイニングテーブルの上には必然的に子どものモノが増えてきます。新たなスペースはモノの移動の効率性を考えて設置しました。場所はテレビの脇。普段は使うことのないコーナーに座卓を置き、学習スペースとしました。このコーナーにはセット購入した歴史漫画や四字熟語などの学習漫画を並べています。気軽に手に取ってラグで寛ぎながら読んでもらえたら、そして自然に内容が頭に残れば良いなという欲張りな思惑で置いています。また、毎週届く子ども新聞、中高生新聞もこの座卓が定位置です。■ 学習スペース追加のメリットは?マック / PIXTA(ピクスタ)一人がダイニングテーブルいっぱいに教科書や問題集などを広げて勉強し始めると、決まってスペースの取り合いになります。そういうときに、もう一人がこの座卓で勉強できるようになったので、いざこざも解消し平和です。また絵を描くのが大好きな子どもなので、すみっこで誰にも邪魔されずに絵を描けるスペースがあるのは落ち着くようです。黙々と絵を描いている様子を見ると、このスペースを作ってよかったと思っています。また、以前はインテリアに馴染むように、本などは緩やかに隠す方法を模索していましたが、今は常に目に入り、必要なときに取れる場所にあるということを優先にしています。ダイニングテーブルの後ろに本棚もあるのですが、そこも入りきらなくなってきているので、読んで欲しいなと思う本はこの学習スペースに意識的に置いておこうと考えています。■ リビング学習スペースの今後家族の成長と共に、その都度柔軟に変化させていくリビング学習スペース。上の子どもは中学生。そろそろ自室での学習に移行してくる時期に差し掛かっている様子です。どんな形であっても、家族の心地良い空間であり続けるリビングダイニングづくりを心掛けたいと考えています。
2019年11月06日年長のお子さんを持つ親は就学時健診が終わると、来年はいよいよ1年生!と 期待や不安が入り混じる時期ではないでしょうか。この時期に、小学校への準備として習い事をはじめたり、家庭学習をはじめる人も多いそう。わが家でも、昨年の今ごろ、年長のときに学習塾に通わせていました。しかし、小学1年生になってみて思うのは、「入学準備学習は必要なかった」ということ。その理由とは?入学準備学習をしようと思った理由年長の秋頃は、ママ友に会えば入学準備学習の話題で持ちきりです。その当時、わが家では学習系の習い事をしていなかったので、まわりの子がしていると聞くと、「何かさせた方がいいのかも」と焦ってしまいました。特に息子は早生まれということもあって、身体能力でまわりにひけを取っていた分、勉強で「できる!わかる!」と自信をつけさせてあげたいという気持ちが強くありました。母子ともに限界…危うく勉強嫌いになるところに10月頃から近所の学習塾に通いはじめ、最初は楽しんでやっていた息子。それが、徐々にトーンダウン。それもそのはず、簡単な計算のプリントを1日10枚。到底楽しみながらできるものではありませんでした。それでも、あの手この手を使って頑張らせていましたが、3か月を過ぎた頃には、プリントを頑なに拒むように。さすがにこのままでは勉強嫌いになると思い、辞めることにしました。入学前に勉強して失敗⁉︎「授業がつまらない」息子は、勉強が「できるから楽しい!」ではなく、「できるのになんでやらないといけないの?」と思うタイプ。実際入学して、勉強がはじまったら、「簡単すぎてつまらない」と話すようになりました。小学1年生の1学期は、ひらがなは1日一文字覚えるペース。算数も数字の読み方を覚えてから、10までの足し算と簡単なことしかやりません。ひらがなの書き方、計算は入学してからでも十分覚えられると感じました。入学前にもっとやっておいた方がよかったと思うこと以前、小学校校長の経験をもつ幼稚園の園長先生から、「幼少時代にしっかり遊ぶことで、自然と勉強に興味をもつようになる」と教えてもらいました。お買い物ごっこなら足し算、引き算の勉強に。お店屋さんごっこでメニューを書けば、ひらがなの勉強に。絵本を読むと国語、積み木やブロック遊びは、算数の立体図形に強くなります。現にブロック遊びが大好きな息子は、算数の積み木問題が大得意でした。子どもは、遊びを通じて勉強に必要なことを学んでいるんだなと実感しています。小学生になると、慣れない学校生活に疲れてぐったり。帰ってきてからも宿題をしたり、習い事をしたりすると、遊ぶ時間も気力もなくなってしまいます。小学校入学を控えたみなさんには、充実した遊びの時間をもつことをおすすめしたいです。<文・写真:ライター三浦麻耶>
2019年10月17日家庭によってさまざまな事情があると思いますが「子どもは何人欲しいか」という問いには、多くの家族が向き合っていることでしょう。ママ向け情報サイト「ママスタジアム」を運営する株式会社インタースペースでは、現在子育てをしているママ539人を対象としたアンケート調査を実施。ひとりっ子をもつママ191人、複数の子をもつママ348人それぞれのアンケート結果から、日本の子育て事情のリアルが浮き彫りになりました。■ 理想の子どもの人数は平均2.6人!アンケートではまず、理想の子どもの人数を聞きました。すると8割以上が「2人」もしくは「3人」と回答。そして「1人」と回答したのは、わずか5.8%にとどまりました。アンケート対象者の30%以上がひとりっ子ママであることを考えると、理想としてはもう1人子どもが欲しい考えている人が多いことがうかがえます。また、子どもが3人以上のママになると、実数よりも理想の子ども人数の平均値が下回ったことから、3人以上をもつママの多くは「子どもは3人で十分」と考える傾向が見られました。次に、現在ひとりっ子を育てており、かつ今後も子どもは1人を予定している、もしくは希望しているママ67人にその理由を聞くと、半数以上が「2人以上育てる経済的余裕がないから」と回答。子どもはもう1人欲しいけれども、現実的なお金の厳しさから諦めるしかないと考えている人が多いようです。年齢的なことや体力の理由も上位にきた一方で、特筆すべきなのは「1人に愛情を注ぎたいから」(38.8%)という理由も多くあがったこと。子どもが2人以上となると、専業主婦だろうと働くママであろうと物理的にそれぞれの子どもに多くの時間を割くことは難しくなってきます。もしかしたら自身も複数きょうだいで育ち、幼い頃から親が日々忙しそうにしていたり、時間のかけられ方が他のきょうだいとは違うと感じていたのかもしれません。「1人に愛情を注ぎたいから」と回答した人が多かったのは、自分とは違って子どもには寂しい思いをさせたくないと考えているママが多いのではないか、とも予想されます。■ 「ひとりっ子」と「きょうだい」育てる上でのメリットは?次に、ひとりっ子をもつママと複数の子をもつママに、それぞれのメリットを聞いてみました。ひとりっ子ママは「100%子どもに寄り添える」「時間も愛情もお金もかけられる」「微妙な変化に気づける」など、愛情も時間もお金も1人に注げることをメリットにあげています。また「1人の時間がもちやすいし、一緒に出かけるのも楽」「精神的にも経済的にもゆとりがあるので、子どもに優しくなれる」という回答も。自分の時間の確保や育てやすさというゆとりが、何よりのメリットだと考えている人も多いようです。一方、複数子ママは、きょうだいで喧嘩したり遊んだりする中で「優しさや忍耐力がつく」「社会性が身につく」「支え合える」など、子ども同士で成長し合えることをメリットとしてあげました。また「きょうだいで遊んでくれるので息抜きがしやすい」というコメントも。ママの負担という面から見ると、それぞれどちらも自分の状況をポジティブに捉えようとしていることが見受けられました。続いて、ひとりっ子ママに「ひとりっ子を育てる上で心掛けてきたこと」を調査。すると「お友達と遊ぶ機会をたくさんつくる」(51.3%)、「活動や習い事に積極的に参加させる」(38.7%)、「園に早めに通わせる」(35.1%)など、社会性を身につけさせる心掛けをあげている人が多くいました。先ほどの回答で複数子ママからあがったきょうだいがいるメリットを、ひとりっ子のデメリットにならないようにカバーする姿勢が見られます。また「わがままを聞きすぎない」(48.7%)、「甘えさせすぎない」(36.6%)という回答もありました。ひとりっ子のデメリットでも「わがままに育ったり、自己中心的になりそう」「親が子を構い過ぎて過保護になりがち」という回答があったことからも、ひとりっ子ママは子どもと1対1でしっかり向き合いつつも、いかに甘やかさないかという点を気にしていることがうかがえます。■ 不公平さや接し方の差…心掛けていても難しいきょうだい育児複数の子どもをもつママにも同じように、心掛けてきたこととデメリットを聞きました。心掛けてきたことについては「不公平にならないように」(58.6%)、「それぞれの希望や主張を尊重する」(51.7%)、「兄弟姉妹のトラブルには公平な立場で介入する」(45.4%)など、子どもたちに不平不満を感じさせないように気をつけている人が多いことが分かります。デメリットを聞いても「どうしても下の子優先になってしまう」「上の子に我慢させてしまう」「平等に愛情が届いているか心配」といった声が目立ち、やはり心掛けていても平等に対する難しさは感じているようです。また3人以上の子どもをもつママになると、金銭的な不安感はどうしても拭えない様子でした。複数の子どもをもつママの半数以上が不公平にならないように気をつけていると回答した一方で、子どもに対して、兄弟姉妹で可愛さや接し方に差があるかどうかを聞くと、結果はこのようになりました。理由を深掘りすると「一番下の子(末子)だから」(55.9%)、「最初の子(長子)だから」(22.5%)のように、子どもの性格などではなく生まれた順番が可愛さや接し方の差につながってしまうようです。■ 子どもに関する周囲の言葉でママの多くが傷ついている最後に、子どもの出産や人数のことを言われて嫌な思いをした経験について聞きました。ひとりっ子ママでは「2人目以降の催促」や「男の子2人兄弟なので、次は女の子だねと言われる」「上司から妊娠のタイミングを考えろと言われた」などプライベートな事情に首を突っ込まれて嫌な思いをした人がとても多いようです。一方、3人以上ママも「3人目まではおめでとうと言われたが、4人目となるとできちゃったの?と言われた」「三男が生まれたあとに、気の毒ねと笑われた」など、否定的なことを言われた経験がありました。Ushico / PIXTA(ピクスタ)パートナーや親、行政などの協力体制はもちろんのこと、周囲の心ない言葉ひとつとっても多くのママが子育てしにくいと感じがちな昨今。子育ての負担が減ったり家庭の経済状況が改善するなど、少しでも多くの人が自身の考えのもとに安心して子育てができる社会になるといいですね。【参考】※いまどきのママに実態を調査:ママリサ~いまどきママリサーチ~「ひとりっ子ママ・複数子ママ」調査
2019年10月08日芸術・スポーツの秋に合わせて、子どもの新しい習い事を検討されている家庭も多いのではないでしょうか?最近ではプログラミングや体操なども注目を集め、1週間全て習い事で埋まっているという大忙しの子どももいるとかか……。他の家庭では習い事とどう向き合っているのか気になりますよね。そこで今回は、月謝や人気の習い事、辞め時など「子どもの習い事」についてご紹介します。■ 習い事のターニングポイントは4歳国内最大級の子どもとお出かけ情報サイト「いこーよ」の調査(12歳以下の子どもを持つ全国の保護者1,061名を対象。調査期間:2019年2月4日~2019年3月4日)によると、習い事のターニングポイントは4歳。5歳以降になると、習い事をしている子どものほうが多くなるそうです。■ ピアノ、エレクトーンは減少傾向!人気の習い事とはしげぱぱ / PIXTA(ピクスタ)まずは、人気の習い事を見ていきましょう。トップは「水泳」で、その割合は約4割。体幹が鍛えられる、風邪を引きにくくなるなどメリットがあるため、ここ3年では連続トップの根強い人気となっているようです。水泳の次は「学習塾、公文」「英語」などの学習系が続いています。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)そして意外なことに、習い事の花形ともいえる「ピアノ、エレクトーン」は減少傾向に。なんと2017年の約3割から、2019年は10%ダウンの約20%という実態が明らかになりました。その他の習い事の割合が増えているため習い事の選択肢が増えたことや、ピアノ・エレクトーン以外の楽器を習う子どもも増えてきていることが考えられます。スポーツでは「体操」が2番人気、次いで「サッカー」「ジャズ、ストリート、チアなどのダンス」が続きました。■ 1か月の習い事費用は?次に、習い事にかける費用を見ていきましょう。一人あたりの習い事の月額費用は、1万円未満が6割を占めます。けれども、一番割合が多い価格帯は1万~2万円未満で、26%。さらに2万円以上習い事に費やしている割合は合計で13%と、少数であることが分かります。つまりこの結果から、習い事にかける費用の上限は一般的に、2万円くらいといえるでしょう。■ 習い事の辞め時って?年齢によって多様化する子どもの習い事。辞め時など、習い事ならではの悩みもさまざまあるようです。習い事の辞め時は「子どもが辞めたいと言い出した時」が圧倒的に1位。子ども自身がそれを好きでなければ、継続する意味も薄いという判断がうかがえます。その他は「子どもの年齢や学年と習い事が合わなくなった時」「新しい習い事が増えた時」など、子どもの成長によって取捨選択しているようです。そもそも親が習い事をさせたい理由の大半は、・継続することや努力することの大切さを学んでほしい・夢中になれることをみつけてほしいなど、心の成長を期待したり、好きなことに熱中することで子どもの考える力や好奇心、自己肯定感が育まれることを期待しているというものです。DenysProduction / PIXTA(ピクスタ)子どもが小さいうちは送迎はもちろん、習い事に親が付き添う場合が多いため負担も大きく、継続には先生や保護者同士の付き合いも避けられません。月謝の負担や、子どものやる気の維持、上達のサポートなど、習い事の負担を数えればキリがありません。でも、大人になってしまうと「好き」を極めることがいかに難しいか分かっている親たち。今回の調査結果からは「子どもの頃から興味のあることはどんどん経験させて『好き』を伸ばし、将来進むべき道を自分で見つけてほしい」という親の気持ちもうかがえます。「〇〇を習うのが当たり前」の時代から、「好きをとことん極める」時代への変化を感じる昨今。選択肢の多さに戸惑ってしまいそうですが、親たちは子どもの「好き」を伸ばすために、子どもの「興味のあること」を見逃さないアンテナを張っていなければならないようです。【参考】※ 子どもとお出かけ情報サイト「いこーよ」※”ピアノ離れ”が顕著に!習い事の月謝や辞め時、どうしてますか?-PR TIMES
2019年09月25日仕事の世界ではよく耳にする「プレゼンテーション能力」、子どものうちはまだまだ必要ないなんて思ってはいませんか?じつは最近、ビジネスシーンだけでなく子どもたちの生活の中にも、プレゼンテーションの場が増えてきています。グローバル化をはじめとするあらゆる理由から、今を生きる子どもたちにとってプレゼンテーション能力は必須となっているのです。今回は、子どものプレゼンテーション能力を伸ばすために、家庭でできることをご紹介しましょう。子どもたちに「プレゼンテーション能力」が必須なワケ「プレゼンテーション」と聞いてイメージするのは、スクリーンに映したデータや資料を指し示しながら、大勢の聴衆を前によどみなく話す姿ではないでしょうか。スティーブ・ジョブズ氏やビル・ゲイツ氏の並外れたプレゼン力が、彼らのビジネスの発展に大きく寄与したことはよく知られていますよね。しかし、今やプレゼンテーション能力は、彼らのように突出したセンスやビジネスキャリアがある人たちだけのスキルではありません。グローバル化が進む社会を生きる子どもたちにとって欠かせないスキルなのです。『世界最高の子育て――「全米最優秀女子高生」を育てた教育法』(ダイヤモンド社)を出版し話題となったボーク重子さんは、子どもたちに必要なプレゼンテーション能力について次のように述べています。これからのグローバル社会では、一人ひとりの考え方や意見がちがうことがスタンダードになります。もちろんそこには、「正しい」とか「間違いだ」とかいう基準はありません。言ってみれば、どんな意見も正解なのです。自信を持って自分の考えを表現し、他人との意見の交換から学ぶ。こうした姿勢を身につけた子どもが、将来的に優れた人材になるはずです。(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|グローバル社会を生き抜く「プレゼン力」は自信から生まれる――全米最優秀女子高生の母・ボーク重子さんインタビューpart2)親世代の歩んできたものとは全く異なる社会を生きていく子どもたちにとって、わかりやすい自己表現を行ない、相手と意見を交換する能力は必須なのです。また、2020年から新たに導入される学習指導要領では、これまで当たり前だった「先生が話して生徒がノートを取る」といった受け身の授業ではなく、子どもたちが主体的に考え、友だちとの対話を通じて深く理解する「アクティブ・ラーニング」が主流となります。子どもたちの生きる世界において、自分の考えをまとめてわかりやすく伝える能力は、もはやビジネスの現場と同じくらい、もしくはそれ以上重視されていると言っても過言ではないのです。プレゼンテーション能力は筋トレと同じ?!プレゼンテーションがうまい人というと、大勢の人の前でも臆することなく、ときにユーモアを交えながら聴衆の興味を引きつけて話ができる、生まれながらのセンスを持っている人だという印象をもっている方もいるかもしれません。先ほども例に挙げたスティーブ・ジョブズ氏は、聴く人の集中力を途切れさせない話し方や、身振り手振りなどの演出を自在に操る、まさにプレゼンテーションの神様のような存在と言えるでしょう。しかし、このような人の心をつかむプレゼンテーションを行なう能力は、トレーニングすれば誰でも身につけられるのだそう。子どもや若者向けのプレゼン授業やワークショップを行なう一般社団法人アルバ・エデュ代表の竹内明日香さんは、次のように述べています。プレゼンはスポーツや芸術ほどにはセンスを問われない分野ですから、「ノウハウ×練習」で上手になるんですよ!プレゼンは筋トレと一緒なのです。(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|世界で通用する「話すちから」を鍛えよう!『アルバ・エデュ』竹内明日香さんインタビュー【第1回】)控えめで自己主張が苦手だといわれる日本人でも、適切な形で学んで練習すれば、プレゼンテーション能力を鍛えることができるのです。それにはまず、「話すちから」を育てることが大切だと竹内さんは話します。たとえば、面接のときに自分のことをきちんとアピールすることだったり、親に買ってほしいものをしっかり伝えられるかなどもそうですし、とりとめのない考えが浮かんだとき、自分の考えはこうだ、と論理立てて整理することも、全て「話すちから」なのです。(引用元:こどもまなび☆ラボ|世界で通用する「話すちから」を鍛えよう!『アルバ・エデュ』竹内明日香さんインタビュー【第1回】)例えば、「ゲーム買って!」という子どもの一言をもとにしても、プレゼンテーションのトレーニングができるということです。では、具体的に何をすれば「話すちから」を育むことができるのでしょうか。「ゲーム買って!」で「話すちから」を鍛えるには竹内さんによれば、相手に何かを伝えるには、まず以下の3つを考えることが大切なのだそう。●自分が聞き手に伝えたいことは何か?●相手が最も喜ぶ情報は何か?●相手を納得させるにはどうしたらいいか? 子どもがパパやママにゲームを買ってもらう交渉をしていると想定して、これら3つについて考えてみましょう。●自分が聞き手に伝えたいことは何か?ゲーム機とゲームソフトを買ってほしい●相手がもっとも喜ぶ情報は何か?・テストの点数が下がらないようにする・今までやっていたお手伝いを続ける・早寝早起きなど正しい生活習慣はキープする・視力を下げないように気をつける・次から次へとゲームソフトを買い足さない●相手を納得させるにはどうしたらいいか?・勉強やお手伝い、早寝早起きなど今まで頑張っていたことは続ける・視力を下げないためにもゲームの時間を決める・ゲームソフトは、自分で計画を立ててお小遣いやお年玉で買う親御さんからしても、子どもからこのような内容を伝えられれば、「買ってあげてもいいかも」と思えるのではないでしょうか。相手に自分の意思を伝えて説得するには、ただ「ゲームを買ってほしい」とねだるのではなく、パパやママに「それなら買ってもいい」と思ってもらうにはどう伝えるべきかを考え、順序立てて話すことが大切です。すなわち、「話すちから」を育てるには「考えるちから」も必須だということですね。子どもが何かをねだってきた際には、上記3つを伝えて「この3つを考えてパパとママを説得してごらん」と言ってみてはいかがでしょう。プレゼンテーション能力を鍛える良いトレーニングになりますよ。「考えるちから」「話すちから」を家庭でアップする方法先の例で述べたように、プレゼンテーション能力、すなわち「話すちから」を育むには、「話す内容を考えるちから」も必要になります。むしろ、土台として「考えるちから」がなければ「話すちから」はつかないと言えますね。欲しいものをねだるとき以外にも、家庭で「考えるちから」や「話すちから」を育むことのできる習慣をご紹介しましょう。●子どもに選択させる日本では、子どもが幼いうちはその日着る服や履く靴、持っていくカバンなどを全て保護者が決めている場合が多いことでしょう。しかし欧米では、たとえ子どもであっても自分の意思を表明することが求められます。アメリカで4,000人以上の子どもの教育に携わっている船津徹さんによると、欧米の家庭では子どもに “YES or NO!” “It’s up to you!”と選択させ、幼い頃から「好き・嫌い」「イエス・ノー」をはっきり表現できるようトレーニングしているのだそう。こうして選択に迫られることで、自分で考える習慣がついていくのです。子どものためを思うあまり、「このカバンは小さいから今日持っていくのには向いてない」「この組み合わせはおかしいからやめたほうがいい」などと口を出すのは、お子さんから考える機会を奪っていることにつながりかねません。無制限に選択させるのも考えものですが、小さい頃には洋服や靴下、カバンといったちょっとしたものから、子どもに選ばせることを習慣づけてみてはいかがでしょう。●感情を言葉にする習慣をつけるお子さんの前で、ポジティブな感情を口にしている人も多いのではないでしょうか。しかし、子どもの表現力を上げるためには、ネガティブな感情を表現することも大切です。教育コンサルタントの上野緑子さんいわく、親がネガティブな感情を表現することで、子どもは「ネガティブな感情も表現していいんだ」と知り、どんなときでも素直に感情を表現するようになるのだとか。子どもの前で弱音を吐くのは気が引けるかもしれませんが、たまには「今日、お仕事でミスしちゃって悔しかったんだ」といった話もしてみてはいかがでしょうか。また、上野さんいわく、子どもがうまく自分の感情を表現できない際に親がサポートしてあげることも大切なのだそう。「かけっこ、1位になれなくて悔しかったね。先週パパとたくさん練習したから余計に悔しいよね。次は1位をとりたいね」と表現を手伝うことで、子どもの表現力が上がります。●家族の前でプレゼンごっこお子さんが幼稚園や学校から帰宅したあと、「今日はどんなことをしたの?」と話を聞くご家庭は多いことでしょう。それを発展させた形で簡単なプレゼンごっこをしてみてはいかがでしょうか。その日に起きた出来事の話でも、学校で流行っているものの話でも、何でもかまいません。原稿を持たずに3分間程度お話するプレゼンごっこをしてみてください。前出のボーク氏は、子どものプレゼンに対して褒めるだけではなく、あえて別の意見も提案することを推奨しています。子どものプレゼンに対しては、ほめるばかりでなく、あえて「わたしはそうは思わないけどな」「別の考え方もあるんじゃない?」と別の意見も提案してみましょう。目的は、子どもの意見を変えさせることではありません。「そんな考え方もあるんだ」と気づかせ、自分の意見をあらためて見直させることで、深い思考力を養うのです。また、ちがう意見が出てきたときに即座に「批判された!」と喧嘩腰になったりネガティブに捉えなくなったりする習慣を身につける訓練にもなります。(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|グローバル社会を生き抜く「プレゼン力」は自信から生まれる――全米最優秀女子高生の母・ボーク重子さんインタビューpart2)日本で生活する人たちの、国籍やバックグラウンドの多様化が進む今、自分の価値観とは異なる意見を受け入れる練習も必須ですね。***プレゼンテーション能力を高めるには「考えるちから」「話すちから」を育むことがカギのようです。今回、ご紹介した方法はすぐに始められるものばかりですので、さっそく今日から親子でスタートしてみませんか?(参考)こどもまなび☆ラボ|世界で通用する「話すちから」を鍛えよう!『アルバ・エデュ』竹内明日香さんインタビュー【第1回】こどもまなび☆ラボ|子どもたちが国際社会で活躍するために必要な「話すちから」 竹内明日香さんインタビュー【第2回】All About|プレゼンテーション能力をアップする!ITOKI|竹内さん、グローバルに働くうえで日本人に足りないものはなんですか?文部科学省|主体的・対話的で深い学びの実現(「アクティブ・ラーニング」の視点からの授業改善)について(イメージ)ダイヤモンド・オンライン|インド・欧米に学ぶ「考える力」を伸ばす教育とは学びの場.com|意外と知らない”アクティブ・ラーニングのねらい”(vol.1)
2019年08月24日先日まで全8話にわたって長女との中学受験実録シリーズをお届けしてきました、もりりんパパです。いつも読んでいただき本当にありがとうございます。今回はその総括的なお話、我が家の経験から見えてきた家庭学習での親のあり方を書くことにしました。が、その前に…。僕は前回の記事にて”特集:私がコミックライターになるまで”に参加させていただいたんですよね。その中で自身の毒親疑惑の部分、そしてそれをブログに助けられたことについて少し触れてみました。で、僕はブログやウーマンエキサイトさんでの連載を嫁さんや子ども・両親・親族等に伝えています。子どもたちの成長状況を記事で伝えることも含めて。そして、前回の話を見た長女から言われたんです。…うん。ですよね(-"-;その辺も含めて今回のお話を書き進めていきたいと思います。少しダークなお話になるかと思いますが、どうかお付き合いください。教育で毒親にならないために…僕が長女の勉強に携わりだしたのは彼女が小学3年生の頃。元々は嫁さんが宿題を見ることが多かったんです。しかし、その年の夏休みに…。ずっと様子を見ていた嫁さんがギブアップしてしまいまして。で、ここでバトンタッチをして僕が長女の勉強を見ることになったんです。勉強を見るにあたってその時点で気をつけたいと思ったこと、それは…・主役(勉強をする)はあくまで長女本人・教える側(僕)は基本静観して必要な時のみ声かけくらいでした。しかし、実際は…実際はこのような感じでした。後に長女に尋ねると、それはもう恐ろしい親だったそうです。自分でも今振り返ると…ありえない親だったかもしれません。せっかく一緒に勉強に取り組んでも思い通りに動かない子ども。時には僕は声を荒げ、物を投げてしまうことも…。それが日々続き、自分の感情がエスカレートしていくのが分かりました。これではいけない、それは分かっている。でも感情が爆発すると止まらない、止められない。勉強はきちんとして欲しい、だけど思い通りにならない。どうすればよいのか、分からない…!!まさに負のスパイラル。その流れを止めてくれたのは…。他でもない、長女からのSOSとそれを重く受け止めた嫁さんの存在でした。もちろん、嫁さんに言われてすぐに全て納得出来たわけではありません。それでも、少しづつ自分の中に落とし込んで気をつけていくようにしました。子どもは子ども、親は親。長女は僕自身ではありません。こうやって文字にしてみると当たり前のことですが、それが自分の感情がコントロール出来なくなると分からなくなり、無理強いをしていたのだと思います。まずは親である僕の…自分の気持ちに余裕を持つこと。それが出来ない時は一旦勉強をやめ、環境を変えて思い切ってリフレッシュすること。長女には長女の考えがありますし、もしかしたらだらけているように見えても実は考えがあるのかもしれません。そう気づいたのは、彼女が6年生の頃。中学受験への取り組みをしていた時でした。気づくのに時間がかかりすぎて、長女を中心に、家族には辛い思いをさせてしまったと思います。今だって、正しいと思い行っている育児や教育が、実は間違っているかもしれませんが…。最初に書いたように、長女の人生は長女が主人公。まだ全てを彼女が決めて生きていけるわけではないので、親として時に注意し、時に一緒に笑いながら今この時をともに生きているのだとは思います。でも、そんな中で親としての僕の感情が爆発してしまった時。それを一方的に攻撃的にぶつけてしまうのは違います。自分はあくまで支える側。自分の役割をきちんと考えておかないと、家庭学習にはとくに様々なリスクが潜むと感じました。親としての自身のコントロール。難しいですが…それを怠るとエスカレートし、止まらなくなっていつしか”毒親”となってしまう。大げさではなく、そう感じるようになりました。そうならないためにも、前回の記事に書いたようにブログを書くことで自分の視点を変えて行ったり。また、主役である子ども自身の心の声に耳を傾けて考えていく。そう考えながら接していくことがより良い関係性を築けるのでは…そう考えながら日々家族みんなで過ごしています。以上、前回の続きのお話でした。ここまで読んでいただきありがとうございました。
2019年08月14日「愛子さまが通われている学習院女子高等科では、約3割の生徒が学習院以外の大学を受験します。夏休み前に“外部受験”希望者のための説明会があったのですが、愛子さまは出席されていなかったのです」そう語る学習院関係者。すなわち、愛子さまは学習院大学に内部進学されることが確実になったのだ。「愛子さまがこれからの皇室で重要な役割を担われることは、間違いありません。そんな中で雅子さまは、愛子さまに『陛下と同じ経験を』と願われたのではないでしょうか」(宮内庁関係者)天皇陛下は学習院高等科を卒業後、学習院大学文学部史学科に進学された。皇室ジャーナリストの渡邉みどりさんはこう語る。「愛子さまは、初等科のころから歴史について深いご関心がおありです。藤原道長をテーマにした詳細なレポートを書かれたこともありました。尊敬されているお父さまと同じ史学科への進学も検討されているのかもしれませんね」(前出・皇室担当記者)陛下はさらに学習院大学大学院に進学、そしてイギリスのオックスフォード大学に留学されている。初めて学生寮で生活された陛下は、洗濯機に下着を詰め込みすぎて水を溢れさせたことも。イギリス伝統の酒場・パブにも通い、現地の人々と交流された。のちに陛下はこの留学を振り返り《自分でものを考え、決定し、そしてそれを行動に移すことができるようになったのではないか》と語られている。イギリスで自由で自立した生活を送られたことが、陛下にとって貴重な経験となったのだ。「両陛下とも長期海外留学の経験をお持ちです。最近でも国賓をもてなされた際に、語学力だけではなく他国の文化に精通されていることも、海外で好意的に報じられました。愛子さまが天皇陛下をお手本に2年ほどイギリスへ留学されれば、皇族としても、おひとりの女性としても、かけがえのない経験になると思います」(前出・渡邉さん)天皇陛下が卒業された学習院大、そしてイギリス留学へ……。雅子さまが願われた「陛下と同じ進路」をたどり、愛子さまは一段と成長されるはずだ――。
2019年08月02日読み聞かせの絵本を探したり、子どもが調べ学習に利用したりするときに、図書館はとても便利な場所ですね。公共図書館は、地域の住民なら大人から子どもまで無料で利用できます。いつから、どんなふうに利用すれば良いのでしょうか?学校図書館の改革も進めている児童文学評論家の赤木かん子さんに、図書館の上手な使い方についてお聞きしました。編集/木原昌子(ハイキックス)取材・文/田中祥子写真/児玉大輔(インタビューカットのみ)図書館デビューは何歳から?子どもの図書館デビューは「0歳から!」です。生まれたらすぐに、子どもの名前で図書館カードを作ってあげてください。そのためには、妊娠する前でも後でもよいので、動ける間にお母さんがお近くの公共図書館に行って、どういうサービスが受けられるか聞いておくと良いですね。図書館には、0歳からでも楽しめる絵本がたくさんあります。『ぴょーん』(ポプラ社/作・絵まつおかたつひで)は、カエルやネコなどの動物がジャンプを繰り返す動きと擬音を楽しむ絵本です。見開きページを縦に使い、大胆でユニークな動物の動きを表現しています。読み聞かせをしてあげると、かなりの赤ちゃんが夢中になりますし、こういった本が図書館にはたくさんあります。小さいお子さんに本を読むときに大事なことは、大人の思い通りに聞かせようと頑張らないことです。子どもが「これがいい」といったら読んであげればいいし、「イヤだ」といったら本を閉じればいい。また、最初から最後まで必ず読まなければいけないということもありません。そのときの子どもの気持ちに沿ってあげることが大切です。図書館の分類を覚えると本探しが楽になる子どもが図書館で目的の本を探すときは、「分類」を知っておくと便利です。日本の図書館で使われている分類方法は、日本十進分類法(NDC)という方式。内訳は「0.総記、1.哲学、2.歴史、3.社会科学、4.自然科学、5.技術、6.産業、7.芸術、8.言語、9.文学」の10個です。一見、子どもが理解するには難しいような印象を受けますが、実は「分類」というのは3歳から7歳頃までにみられる遊びです。子どもは3歳くらいになると「分類ごっこ」と「定義ごっこ」をはじめます。よく小さな子どもが何度も「これなあに」と聞いてくることがありますが、それもこの遊びのひとつですね。ミニカーの中でも赤い車ばかりを並べてみたり、なにかを集めて自分なりの分類体系を作り、それを眺めて悦に入ったりするのが分類ごっこです。ですから、教えてあげれば理解することができますよ。低学年向けに調べ学習のやり方について書いた『本で調べてほうこくしよう』(ポプラ社)では、分類クイズのページをつくってあります。細かに分類されている書架の絵を見ながら、サメの本はどこに入るのか、かけ算の本はどこに入るのかなどを考えさせるものです。この分類をこと細かく覚える必要はありませんが、スーパーで買い物するときに「野菜はあそこだな、牛乳はあそこね」と考えるように、「こういう本はこの辺にあるな」ということをちょっと意識できるようになると、本を探すのが楽になります。もしも分類が分からない場合でも、今の図書館には検索機があります。それで見つからなければ図書館の人に聞いてください。忙しそうなのに悪いなぁ、と思わずに聞いていいのです。それは司書の仕事のひとつなのですから。“読書”で読む本は物語だけじゃない本は、小説や絵本などの「空想系」と、解説文や生活分野などの「リアル系」に分かれます。たとえば物語は「空想系」で、自然科学の図鑑は「リアル系」ですね。先ほどの日本十進分類法で分類する10項目のうち、「空想系」は“9.文学”の1項目だけで、残りの“0~8”は「リアル系」です。つまり、図書館はどちらかといえば「リアル系」の本がある場所といえるでしょう。図書館に来たら文学や小説を読むように子どもにすすめる親御さんもいますが、実は本来の図書館は、そのときに必要なリアルな情報を探しに行くところなのです。生まれたときからスマートフォンやコンピュータに囲まれて育った最近の子どもたちは、読書の傾向が昔と変わってきています。自然科学の本を好み、子どもっぽい本を嫌います。『世界で一番美しい元素図鑑』(創元社)は大人向けに作られた本ですが、小学校1年生の子たちからも借りられています。文化の違いが、読まれる本の違いに直結しているのです。大人の「読ませたい本」と子どもの「読みたい本」が違っているのは、こういった時代の違いという理由もあるからでしょう。子どもを本好きにするには、子どもの喜ぶ本を読ませることが一番です。もしも子ども用の図鑑に満足しない子がいたら、児童向けコーナーからではなく、大人の自然科学の棚から本を探してきてください。写真が大きくて美しい図鑑がたくさんあります。文字は、まだ読めなくてもいいのです。本物のビジュアルが伝えてくれる情報はとても多いのですから。まずはそこからです。『子どもを本嫌いにしない本』(大修館書店)は、「子どもには読書家ではなく、本を“使える”人になってほしい」という想いから書いた本です。子どもの成長に応じた本の選び方や、ゲームに夢中で本を読まない子どもへの対処法など、赤ちゃんから高校生までの子どもをもつ親御さんにはぜひ読んでいただきたい1冊です。***図書館には、季節ごとやイベントごとのおすすめ本を展示しているところもあります。また、「読み聞かせ会」や「おはなし会」が開催されている図書館もありますので、親子で参加してお気に入りの本を探すのも楽しいですね。静かな図書館で赤ちゃんが泣いたり子どもが騒いだりすると、周囲の迷惑にならないかと気になりますが、「赤ちゃんタイム」の時間や絵本の部屋を設けている図書館もあります。まずは最寄りの図書館に行ってみましょう。次回は、子どもに適した本の選び方についてお聞きします。『改訂版調べ学習の基礎の基礎』赤木かん子 著/ポプラ社(2011)■ 児童文学評論家・赤木かん子さん インタビュー一覧第1回:自由研究のテーマが簡単に見つかる「3つのキーワード」手法~調べ学習のコツ・前編第2回:自由研究の“正しい”調べ方とまとめ方。絶対に守るべき「体裁の基本」~調べ学習のコツ・後編第3回:図書館の本の9割は○○系!子どもに物語をすすめる親が図書館を活用しきれていない理由第4回:「つまらない本」を知ることも大事。図書館での“3千冊の乱読”から子どもが養う大事なもの(※近日公開)【プロフィール】赤木かん子(あかぎ・かんこ)児童文学評論家。長野県松本市生まれ。法政大学英文学科卒業。子どもの頃に読んだけれどタイトルや作者名が分からなくなってしまった本を探し出す「本の探偵」としてデビュー。現在は、児童文学やミステリーの評論、子どもの文化の研究を始め、図書館の改善活動にも積極的に取り組む。主な著書に『改訂版調べ学習の基礎の基礎 (かんたん!たのしい!調べ学習)』『本で調べてほうこくしよう』(ともにポプラ社)、小学校1年生から使える科学のシリーズとして『ヒマワリ』『アサガオ』『タンポポ』『イネ』ほか(新樹社)、『お父さんが教える図書館の使いかた』(自由国民社)など。
2019年07月25日全国の学校をまわり、子どもたちにとって魅力的な学校図書館づくりをされている赤木かん子さん。ある学校図書館の改装を手掛けたときに、壁に貼られていた調べ学習のまとめの模造紙を目にしてショックを受けました。資料の出典が明記されていないなど、内容が曖昧なまま発表されていたのです。以来、正しい調べ学習の仕方や発表のまとめ方を小学校で指導していらっしゃいます。調べ学習のテーマが決まったら、次は実際に調べて結果をまとめます。調べ方や、参考文献の書き方、著作権といった子どもでも知っておかなければいけない調べ学習の基本を赤木さんに教えていただきました。編集/木原昌子(ハイキックス)取材・文/田中祥子写真/児玉大輔(インタビューカットのみ)調べ学習は3つの方法で何かを「調べる」には、「人に聞く」「本やインターネットで調べる」「実際にやってみる」の3つの方法があります。小学校低学年は自分の暮らす地域について調べることが多いので、「本で調べる」のと同じく「人に聞く」のも経験することになります。家族や友だちだけでなく、地域の人を訪ねて話を聞くことも必要になるかもしれません。消防署や市役所など大きな公共施設では、まず受付に行って案内を請うことや、相手の都合を聞くことを教えておくのも大切。電話でアポイントを取らないと会えない人もいます。こういうことは子どもひとりでは判断がつきませんから、親御さんがアドバイスしてあげてください(埼玉福祉会から『ひとにきくってどうやるの?』という紙芝居三冊セットが出ています。図書館に頼んで買ってもらって、まずは大人が読んでみて、そのあとお子さんにも読んであげてください。ひとつひとつは簡単なことですが、子どもが自分で思いつくのは案外難しいものです)。小学校高学年になると、恥ずかしい気持ちが出てきて人前でしゃべれなくなってしまうこともあるので、無邪気な低学年のうちに「人に聞く」という体験を通じて、礼儀正しく大人に尋ねる練習をしておくと良いですよ。あらかじめ挨拶や質問、お礼の言葉などをカードに書かせて用意しておけば、人前で緊張しても間違えずに相手に伝えることができます。次に「本やインターネットで調べる」場合、インターネットでは最新情報が見つかりますが、事実かどうかまだわからないものも混ざっていることがありますね。逆に、本の中の情報の大部分は世界的に承認されていることですが、発行されるまでに時間がかかるので、情報は古いものになりがちです。つまり、インターネットはなにかおもしろいネタがないか探したいときに使い、詳しく調べるときは本を探すというように、使い分けることが大切です。学校では、全体のテーマを決めたらすぐにコンピュータで検索させるところがまだあるのですが、「インターネットの中の、誰が書いたかわからない、誰も責任を取ってくれない情報は、まとめや発表には使えない」ということは、一応お子さんに説明しておいたほうがいいでしょう。住所や名前が明記してある公共性のあるページの情報のみ使用できますので、必ずサイトの発信元を確認するように教え、その判断は小学生ではまだ難しいので、ときどき確認してあげてください。本で調べるためには図書館を利用するのが良いでしょう。公共図書館を利用するために、あらかじめ子どもの名前の利用カードを作ってください。カードを作るときに保護者のサインが必要なところも多いので、1回目は一緒に行き、カードを作ります。次に、図書館の本は分類毎に整理されているので、「だいたいどこになにがある」というのをお子さんと一緒に確認してください。公共図書館の中には、調べることを手伝ってくれる「レファレンス・サービス」を行なっているところもあるので、困ったときは司書に聞いても大丈夫。図書館でコピーをするときは、研究として使うときのみ図書館でのコピーが許され、本の半分を超えない範囲でひとり1部だけという著作権の決まりがあります。ルールを守って情報を集めましょう。自由研究の実験などは「実際にやってみる」に当たります。やってみるといっても、準備が必要ですから、充分な下調べをすることが大切ですね。また、最近ではさまざまな材料が手に入りますが、本格的な実験道具もあるので、親御さんは必ず危険を伴わないかを確認してください。子どもにも著作権を守らせる調べたことをまとめる際、まず子どもに伝えていただきたいのは、著作権についてです。下調べや研究の材料として調べるときは、ほかの人が書いた文章を丸写しにしても構いませんが、発表のときに自分が考えたことのように丸写しで書いてしまうと「著作権の侵害」という犯罪になってしまいます。日本では「教師が授業で使うときのみ!」著作権を免除されているのですが、子どもは一般人ですので著作権を守ることが必要です。ちょっと難しそうに見えますが、小学生には初級編として一番基本的なことをシンプルに伝えてください。たとえば、人が書いた文章は自分で短くまとめて「要約」すれば発表にも使うことができます。「要約」という言葉は難しいので、「文章全部じゃなくて、自分に必要なところだけをかけばいいんだよ」「人の書いたことをそのまままるで自分が書いたみたいに発表しちゃいけないんだよ」というように伝えるとわかりやすいですね。まずは3行程度にまとめさせて、それを自分の言葉に直してみるという2つの手順を踏むと、子どもでも要約をすることができます。そうして下調べするときには必ず、使った本の “題名“ とその情報が出ていた “ページ数” を書いておきます。これを「出典(しゅってん)」といいます。これはあとで、「参考文献リスト」を書くときに使いますので、絶対に忘れないように伝えましょう。引用と参考文献を正しく理解するどうしてもそのままの文章を使いたいときは「引用」をします。引用するときには、「これは私の書いた文章ではありません」ということをはっきりしめすために、引用したい文章に「」をつけ、後ろに(著者名「題名」出版社,出版年,引用ページ数)を記入します。低学年は著者名と出版社はまだ難しいので、題名とページ数だけでもよいでしょう。また、レポートの最後には必ず、使った本の出典を全部書き並べた、「参考文献リスト」をつけます。参考文献は必ず2冊以上書くのが決まりです。なぜかというと、1冊しか書かないということは、その著者のいったことを検証しないで鵜呑みにした、ということになるからです。そのために、ほかの資料を探して、最初の資料と同じことが書いてあるかどうか確認するのです。このとき、同じ人が書いたものだと確認にはならないので(同じことが書かれているでしょうから)、気をつけてあげてください。子どもの発表だから大人の論文と同じような体裁は必要ないと思われる方もいらっしゃいますが、小さい頃から正しい書き方を学ぶのは非常に大切なことです。『本で調べてほうこくしよう』『調べ学習の基礎の基礎』(ポプラ社)などの調べ学習に関する本も参考にして、正しいレポートを書かせてあげてください。***子どもの発表でも、大人のレポートと同じようなルールを守らなければならないことがわかりましたね。調べた内容が濃くなることはもちろん大事ですが、まずはきちんとしたルールで書くことのほうが初心者には大切なのです。次回は親子で利用したい図書館の使い方についてお聞きしています。お楽しみに。■ 児童文学評論家・赤木かん子さん インタビュー一覧第1回:自由研究のテーマが簡単に見つかる「3つのキーワード」手法~調べ学習のコツ・前編第2回:自由研究の“正しい”調べ方とまとめ方。絶対に守るべき「体裁の基本」~調べ学習のコツ・後編第3回:図書館の本の9割は○○系!子どもに物語をすすめる親が図書館を活用しきれていない理由(※近日公開)第4回:「つまらない本」を知ることも大事。図書館での“3千冊の乱読”から子どもが養う大事なもの(※近日公開)【プロフィール】赤木かん子(あかぎ・かんこ)児童文学評論家。長野県松本市生まれ。法政大学英文学科卒業。子どもの頃に読んだけれどタイトルや作者名が分からなくなってしまった本を探し出す「本の探偵」としてデビュー。現在は、児童文学やミステリーの評論、子どもの文化の研究を始め、図書館の改善活動にも積極的に取り組む。主な著書に『改訂版調べ学習の基礎の基礎 (かんたん!たのしい!調べ学習)』『本で調べてほうこくしよう』(ともにポプラ社)、小学校1年生から使える科学のシリーズとして『ヒマワリ』『アサガオ』『タンポポ』『イネ』ほか(新樹社)、『お父さんが教える図書館の使いかた』(自由国民社)など。
2019年07月23日最近の学校では、学習教科や自由研究などさまざまな場面で、アクティブラーニングの一環としての「調べ学習」が取り入れられています。でも、親世代にはあまり馴染みがないので、どうサポートすれば良いのか戸惑う方も多いかもしれません。調べ学習についての基本的な知識とテーマの見つけ方について『調べ学習の基礎の基礎』(ポプラ社)などの本を数多く書いていらっしゃる赤木かん子さんにお聞きしました。編集/木原昌子(ハイキックス)取材・文/田中祥子写真/児玉大輔(インタビューカットのみ)「調べ学習」は、生き抜くためのツールを手に入れる訓練調べ学習の目的は、単に子どもが「何かを調べられるようになる」ことではありません。子どもたちには、将来成長して社会に出て、親にも先生にも頼れなくなったとき、問題だということを認識でき、何が問題なのかを突き止め、必要な情報を収集し、解決できる人になってほしい!調べ学習は、つまり生き抜くためのツールを手に入れる訓練なのです。これからの社会では、“イノベーション” を起こす能力が求められます。“イノベーション” とは、AとBというまったく違う2つのものをドッキングさせて、新たなCというものを作り出すこと。このイノベーションをするには、いますぐ直接には役に立たない知識を豊富に持っていることと、必要な情報を検索できる能力の両方が必要になります。知らないことはドッキングできませんから。情報収集をして、自分の目的を導き出し、さらに新しいものに組み立てていく能力を育成するために、調べ学習をするんです。小学校の3年生くらいまでは、しっかりした知識の土台作りの期間です。本物の論文を書くには世界の誰もが知らなかったこと、つまりオリジナリティが必要ですが、小学生はもうすでに誰かがクリアした謎(ですからこの答えは本に書いてあるわけです)の答えを探しだし、「わかった!」と満足できればいい。大人は本物の論文を知っていますから、最終的に完成したものに目を向けがちですが、それは泳いだことのない子に25メートル泳げ、といっているようなものです。まずは水に浮こう、次は蹴って5メートル進もうね、次はバタ足……、というように順番に練習すれば泳げるようになる。同じように、調べ方も順番に覚えていけばできるようになります。小学生の調べ学習では、途中経過を確かめながら知識の土台作りに目を向けてあげましょう。テーマが見つかる、決められる!「3つのキーワード」手法調べ学習を始めるとき、一番最初に悩むのは、「謎」「テーマ」を何にしようか、ということでしょう。でもこれには簡単なやり方があるのです。まずは3つのキーワードを決めます。先生が「食べものについて調べなさい」と指示したのなら、1つ目のキーワードはもちろん「食べもの」になりますね。次に「食べもの」に関係した言葉で、より範囲の狭い言葉を決めます。たとえば、食べもののなかの「野菜」にしよう。これが2つ目のキーワード。さらに子ども自身が大好きな「トウモロコシ」にしよう、と決めれば3つ目のキーワードができます。そうしてそのあとに、「いつ?」「どこで?」「なにが?」「どうした?」「なぜ?」「いくつ?」の疑問の1つをくっつけます。たとえば、同じ「いつ?」でも“食べ物のなかの野菜のトウモロコシはいつできますか?”“いつ日本に入ってきたのですか?”“いつから人類はトウモロコシをたべているのですか?”と、いくつも考えることができますね。このやり方を知っていれば、テーマを決めるのに苦しむことはなくなります。子どもにも説明してあげましょう。しかし、こうやっていつも自分の知っている知識だけでテーマを決められるとは限りません。もしも先生が「縄文時代について調べなさい」と言ったら、もともと縄文時代の知識がないとお手上げですね。となると、これはいうなれば調べ方の中級編……。中級編は「百科事典を引いて、基本の知識を知ろう」です。最初のキーワードの「縄文時代」を百科事典で引くと、そこには詳しい解説文が書いてあるので、その文中から2つ目のキーワードを選ぶことにすれば簡単ですね。同時に基礎知識も頭に入るので、その後の調べ学習にも役立ちます。3つ目のキーワードは、さっきの “?” がつく言葉を選びます。2番目のキーワードが「土器」だったら、3番目は「どうやって作るの?」「だれが発見したの?」「どんな模様がついてるの?」など、いくらでも考えられますね。百科事典は答えを調べるためだけてはなく、テーマを決めるためにも使うのです。さらに上級編としては、「百科事典で概略がわかったら、その次の段階で専門書やネットで調べて、さらに細かい知識を増やす」ということになります。夏休みの自由研究のように、先生の指示が何もなく自分でテーマを決める場合、子どもにどれだけ雑学が入っているかがポイントになります。それまで聞いたことも見たこともない言葉を、思いつくことはできないからです。さまざまな雑学を入れるには学習まんがを読むと良いでしょう。『名探偵コナンの学習まんがシリーズ』(小学館)は、地理や物理などの難しい知識もわかりやすく学べるので大変おすすめですよ。テーマは途中で変えてもいいでも、実は最初に決めたテーマは “仮の” テーマです。本当にそれを研究できるのかというのは、実際にやってみないとわかりません。調べてみようとしても資料を手に入れるのが難しいものや、実験をやってみようとすると多額の費用がかかるものもあります。もしかしたら、調べているうちにもっとおもしろそうなテーマを思いつくこともあります。難しそうだなと思ったら、テーマを変えるように促してあげると良いかもしれません。次のテーマは最初のテーマに関連したものを選べば、一からやり直す必要がなく、スムーズに移行できるはずですよ。***大きなテーマのままでは調べる範囲が広くて大変ですが、3つの言葉でピンポイントに絞ればその部分を深掘りすることができますね。テーマに迷ったときには、子どもが興味を持って取り組めるように、普段から好きな分野について調べることを提案してあげてはいかがでしょうか。次回は、子どもが実際に調べて、まとめる方法をお聞きします。■ 児童文学評論家・赤木かん子さん インタビュー一覧第1回:自由研究のテーマが簡単に見つかる「3つのキーワード」手法~調べ学習のコツ・前編第2回:自由研究の“正しい”調べ方とまとめ方。絶対に守るべき「体裁の基本」~調べ学習のコツ・後編(※近日公開)第3回:図書館の本の9割は○○系!子どもに物語をすすめる親が図書館を活用しきれていない理由(※近日公開)第4回:「つまらない本」を知ることも大事。図書館での“3千冊の乱読”から子どもが養う大事なもの(※近日公開)【プロフィール】赤木かん子(あかぎ・かんこ)児童文学評論家。長野県松本市生まれ。法政大学英文学科卒業。子どもの頃に読んだけれどタイトルや作者名が分からなくなってしまった本を探し出す「本の探偵」としてデビュー。現在は、児童文学やミステリーの評論、子どもの文化の研究を始め、図書館の改善活動にも積極的に取り組む。主な著書に『改訂版調べ学習の基礎の基礎 (かんたん!たのしい!調べ学習)』『本で調べてほうこくしよう』(ともにポプラ社)、小学校1年生から使える科学のシリーズとして『ヒマワリ』『アサガオ』『タンポポ』『イネ』ほか(新樹社)、『お父さんが教える図書館の使いかた』(自由国民社)など。
2019年07月22日どうしたら子どもの学力を伸ばせるのか? いかに勉強グセをつけさせるか? 日々頭を悩ませている親御さんは多いことでしょう。そのヒントとなるのが、秋田県にある人口約2500人の山間の小さな村、東成瀬村。コンビニは1軒だけ、民間の塾やスーパー、書店もない。そんな山村が文部科学省の全国学力テストにおいて、「学力日本一」に!いったい、この村で、どのような学力向上の取り組みがなされているのか? 普通に考えても、単なる教育プログラムの充実だけではダメで、やはりそこには子どもが率先して学ぶ気になる“何か”がないと学力日本一は難しいと思うのです。■人口約2500人の山村が学力日本一になったワケ「子どもが進んで学ぶ」。これを可能にしている学習法のいくつかが東成瀬村にはあります。そのひとつが、秋田県内の多くの小中学校で採用されている「自学ノート」です。自学ノートとは、自分で勉強をする内容を決めて、家庭で学習するための自主学習ノートのこと。この「自学ノート」を、家庭で取り組むにはどうすればいいのか。書籍 『「学力日本一!」秋田県東成瀬村のすごい学習法』 からひも解いていきたいと思います。「自学ノート」で行うのは、得意教科をより理解する勉強でも、苦手教科を克服する勉強でもどちらでもいいんです。子どもたちが自分で「これを今日はやる」と決めて、自宅で自主学習する時間を持つ。このノートを東成瀬村では徹底的に活用しているそうです。とかく、子どもの学習というのは、親の口癖「勉強しなさい」を代表するように、大人からの押しつけがほとんどではないでしょうか? さらに「あれしなさい、これしなさい」とついついせかし、「なんでこれができないの」と責めてしまう。対して、自学ノートは自主性を重んじます。主導権は子ども。他者からの押し付けではなく、自分で課題を決めて実行する。親や教師はあくまで、実行しようとする子どもを見守り、少しだけ後押しするに過ぎません。<自学ノートのねらい>●子どもたちが自分で計画して、実行→家での学習を習慣化し、自ら学習の計画を立てる。●子どもたちが自ら課題を見つけ、解決→学業のつまずきをいち早く発見し、解消する。●子どもたちが自ら進んで興味のあることにトライ→学ぶことの面白さを子どもたち自身が見い出す。ただ、村ではさらに広い見地をもって取り組んでいるそう。「自学ノート」の最終目標。それは、子どもに自立を促し、自分が何を目指しているのか人生を設計する。こうした最終目的につながっているといえそうです。■学力アップする「自学ノート」のヒミツでは、自学ノートとはどういうものなのでしょうか?写真をみればわかるように、パッと見ると、とくに変わった取り組みにはみえません。すぐにでも取り入れることができそう。これが基本です。ただ、細かく目をとおすと、よくできた工夫がなされています。自学ノートには5つの約束があるのですが、これがじつに理にかなっているんです。①日付(〇月〇日)を書く<立ち返るポイント>・いつの勉強だったかをすぐ思いだせ、復習などに有効・毎回決まった位置に書いて、目的の日をすぐ検索②取り組む内容(計算ドリルの〇ページなど)を書く<立ち返るポイント>・ノートを開けばすぐにやった内容がわかる・ドリルなどはページや番号を入れると、答え合わせがスムーズ・将来的に自分で学習計画を立てる力の基礎となる③取り組んだ時刻・時間(〇時〇分~〇時〇分まで)を書く<立ち返るポイント>・量のノルマがない代わりに、勉強時間の目安を可視化・勉強時間は学年×10分+10分が基本。2年生なら2×10分+10で、40分が目安・勉強時刻から生活が乱れていないかチェック・ちょうどいい勉強量を見つけ、正しい生活のリズムを作る④めあてで弱点を克服する<立ち返るポイント>・ビジョンをもって学習に取り組む・最初はクリアしやすいことをしながら、じょじょにレベルアップ・最後は、苦手なことや弱点に積極的に取り組むよう意識改革!⑤振り返りで次につなげる<立ち返るポイント>・自分がどれぐらいのことができて、次はどう改善すれば目標を達成するのか考えさせる・要点をまとめて書くトレーニング・次に学ぶことへの興味や好奇心、もっと上を目指してやる気を起こさせる■子どもの可能性を広げるための親の役割は…自学ノートはうまく活用すれば、子どもに無理を強いることなく、学習に向かわせるとともに、子どもにいい意味で主体性をもたせることで学ぶ意欲に刺激を与え、子どもの可能性を広げます。そこで大きな役割を果たすのが親です。みなさん、ここからが親の出番です(笑)。このノートにおいての親の役割は、子どものやったことをよく見て丁寧にアドバイスしてあげること。きちんとできていればほめる。抜けていることや間違っているところは、叱らない。まずは必ずいいところをみつけ、「ここはこうしてみたら」と責めるのではなくアドバイスに徹する。たとえば字が汚かったら、まず「もう少しきれいに書いてみたらかっこいいよ」といったように子どもに提案してみる。ものは言いようです(笑)。子どものがんばりを、親がきちんと認めてほめてあげる。じつはこれ、普段の生活では厳しさの方が先に立ってしまい、「ほめる」ことができていないのではないでしょうか? 自学ノートの成功と失敗の分かれ目は、じつは親にかかっているのかもしれません。たしかにわが身を振り返ってみても、あまりわが子も勉強したノートは見せたがらない。東成瀬村の自学ノートの取り組み方を知ると、それは小言を言われることが明白だからという気が…。裏を返せば、子どもを尊重してあげれば自学ノートは親と子を学習をテーマにしたコミュニケーションツールとなれる予感がします。■「学び」の本来の意味を親自身が考えるときただ、注意しておきたいことがあります。おわかりのように、自学ノートは人よりも先に進むことや量を競うものではありません。子どもが目標をきちんと自分で決め、それをしっかりとやって理解する。この繰り返しがいつしか大きな力になる。ついつい学習に対して、親は費用対効果や即効性を求めがちですが、自学ノートは一夜にして学力を伸ばしたりするものではありません。長い時間をかけて学ぶ力を養う。目先ではなく、長い目で東成瀬村は子どもを見ています。このスタンスは、とても大切ではないでしょうか?いろいろな知識を得て、物事の理解を深めるのは楽しいこと。そう、本来、学びは楽しいことであるはず。でも、人間としての成長よりも、テストでいい点数をとることを優先し、子どもに必要以上に無理を強いている気がしてしまう現代。 私たち親世代は、本来の「学び」の意味についてもっと考える必要がある気がします。親の意識が変われば、きっと子どもたちとの接し方も変わってくるはず。環境をきちんと整えてあげれば、子どもは学ぶことを嫌がらない。自学ノートをはじめとする東成瀬村の学習の取り組みはそのことを教えてくれます。■参考書籍 『「学力日本一!」秋田県東成瀬村のすごい学習法』 (主婦の友社/1404円(税込))2007年に再開された「全国学力テスト」で8年連続1位の秋田県。その秋田県の中でもトップクラスの学力を誇るのが人口2600人、村の93%が山林という、小さな村、東成瀬村。村にはスーパーマーケットはなくコンビニはも1つだけ。塾もないこの村の子どもたちはなぜ優秀な学力を誇るのか? その驚きの学習方法に迫ります。
2019年07月21日共働き家庭が増え、親も子どもも忙しいいま、子どもが自然に触れる機会は以前と比べて減りつつあります。そもそも、幼いうちから自然に触れることは、子どもになにをもたらしてくれるのでしょうか。お話を聞いたのは、佐々木洋さん。職業は「プロ・ナチュラリスト」で、ご本人いわく「プロの自然解説者」です。まずは、プロ・ナチュラリストの仕事内容から語っていただきました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)老若男女を相手に自然の面白さを説く「自然解説者」わたしの仕事は「プロ・ナチュラリスト」です。耳にしたことがあるという人はあまり多くないかもしれません。というのも、これはわたしが商標登録をしているもので、一般的に広く知られた職業ではないですからね(笑)。仕事の内容をひとことでいえば、「プロの自然解説者」です。活動にはいくつかの柱があります。まずは幼稚園や保育所、小学校などで授業の一環として自然の大切さや面白さを話すというもの。それから、各地のホールなどでおこなう講演会や講習会。これらにはただ話をするだけではなく、実際に自然のなかで自然観察の指導をおこなうというものもあります。それから、書籍などの執筆活動に、テレビやラジオ番組の企画、出演です。講演会や講習会の対象は子どもたちということもあれば、子持ちかどうかにかかわらず大人の場合もあるし、外国人ということもある。場所、対象によって内容もさまざまですね。そもそもなぜわたしがこの仕事をはじめたかというと、単純に自然が好きだったということに尽きます。でも、学生時代の専門は英語音声学でした。学生の頃は英語を使った仕事をしようと考えていたのですが、自然の世界が懐かしくて戻ってきたという感じですね。わたしの出身は東京ですが、都内とはいえ河川敷がすぐそばにあって自然豊かな場所でした。その原風景がわたしをこの仕事に導いてくれたのです。「ありのままの自分でいい」と思わせてくれる自然の多様性いまの子どもたちは、かつてと比べて自然に触れる機会が圧倒的に減っていると感じています。とはいえ、自然の豊かさそのものは以前とほとんど変わっていません。都内であっても動物も虫もたくさんいて季節の草花も豊かに咲き誇るのに、それに触れる機会が減っているだけなのです。それが本当に残念でならない……。とくに幼児期から自然に触れることは子どもにたくさんのものを与えてくれます。それこそ、その「効能」には枚挙にいとまがありませんが、なかでもわたしが大切だと思っている3つの効能をお伝えします。第一に「多様性を知る」ということ。子どもは自分が好きなことであれば大人以上に熱心に知識を蓄えていきます。新幹線が好きな子どもであれば、どんな新幹線でもひと目見れば名前を答えることができるでしょう。でも、自然だとそうはいきません。どんなに虫が好きな子どもでも、幼稚園の園庭にやって来るすべての虫の名前をいうことはできないでしょう。わたしにも無理です。なぜかというと、それだけ多くの種類の生きものがいて、多様性に富んでいるのが自然というものだからです。しかも、もっといえば、それらのいろいろな生きものにはなにひとついらないというものもありません。人間からは嫌われることが多いカラスだって、自然界では食物連鎖の一部を担ってしっかり役に立っています。この意識は人間教育にもつながるものです。人はそれぞれすべてちがっていて、しかもちがっていていい。ありのままの自分を受け入れて力強く人生を歩むためには、幼い頃に自然を通じて多様性を知るべきなのです。思いどおりにならないなかで最大限の創意工夫と努力をするふたつ目の効能は、「究極の癒やしを与えてくれる」ということ。大人のみなさんだって、仕事や人間関係でストレスがたまれば、海を見たくなったり森のなかを散歩したくなったりすることもあるでしょう。これは子どもにもあてはまることです。子ども自身が大人のように意識しているかどうかは別として、自然のなかで受け取る癒やしが子どもの心をほぐして健やかに育ててくれるのです。3つ目は、「思いどおりにならないことがあると知る」こと。いまの子どもたちはかつてと比べて物質的には恵まれていますし、大人も以前ほど厳しく怒らなくなりました。ともすれば、そういう環境にある子どもは「なんでも思いどおりになる」と感じてしまいそうですが、自然だけはいまもむかしも変わらず思ったとおりにはなりません。どんなに丹精を込めて植物を育てても花を咲かせてくれないということもあります。「昨日、アゲハチョウを見た!」という友だちの話を聞いてその場所に行ってみても、今日は見つからないということもあるでしょう。そこで、子どもは子どもなりに「自然だし、仕方ない」と「あきらめる」ことを知ります。この「『あきらめる』ことを知る」ということが重要なのです。「あきらめる」というと、努力をやめるというイメージを持つかもしれませんが、そうではありません。努力や、それからお金などではどうにもならないということもあるのが世のなかです。自分がなんでも支配できるわけではないということです。仕事をしている大人でもそうですよね?人間関係などさまざまな要素が絡む仕事では、ひとりの人間が思いどおりにできることは限られています。でも、その制約のなかで最大限の創意工夫と努力をする。「どうすれば花を咲かせられるか」と考える。自然と触れるなかで得るその姿勢こそが、子どもを大きく成長させてくれるはずです。『ナンコレ生物図鑑 あなたの隣にきっといる』佐々木洋 著/旬報社(2015)■ プロ・ナチュラリスト 佐々木洋さん インタビュー一覧第1回:「自然だし、仕方ない」現代の恵まれた子どもたちが“自然体験”から学ぶ重要なこと第2回:「虫が怖い」はこうして克服。ダンゴムシすら触れない子に、親は何をすればいい?(※近日公開)第3回:自然観察=現場検証!?生き物の“痕跡”探しから始まる、都会でもできる自然体験(※近日公開)第4回:カブトムシやクワガタが採り放題!夏休みに親子で作る“スーパーバナナトラップ”(※近日公開)【プロフィール】佐々木洋(ささき・ひろし)1961年9月30日生まれ、東京都出身。プロ・ナチュラリスト。公益財団法人日本自然保護協会自然観察指導員、東京都鳥獣保護員などさまざまな立ち場で自然解説活動をしたあと、「プロ・ナチュラリスト 佐々木洋事務所」を設立。「自然の面白さや大切さを多くの人とわかち合い、そのことを通じて自然を守っていきたい」という思いのもとに、25年以上にわたって、自然観察指導、自然に関する執筆・写真撮影、講演、テレビ・ラジオ番組の出演・企画・監修、エコロジーツアーの企画・ガイド等の活動をおこなう。著書に『ぼくはプロ・ナチュラリスト 「自然へのとびら」をひらく仕事』(旬報社)、『モリゾー・キッコロ 森へいこうよ! 会える! 虫図鑑』(宝島社)、『「調べ学習」に役立つ水辺の生きもの』(実業之日本社)、『よるの えんてい』(講談社)などがある。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年07月13日およそ半年間。ふり返って見るとあっという間でしたが、とにかく濃厚な半年間でした。家庭の事情とはいえ、塾にほぼ通わず自宅での学習のみで受験を突破する…。なかなか無謀な選択だったと思います。ここまでの記事にも書いた通り、塾に行かなかった分かなりの苦労をしました。悔しい思いも歯がゆい思いもしました。…僕も長女も、そして嫁さんも次女も家族全員をも巻き込んで負の感情の連鎖が家中を巡った時もありました。でも、様々な試行錯誤をしながらそれらを無事に乗り越え…受験もどうにか突破することができました。困難を乗り越えるたびに長女は成長していっているなぁと、親ながらに思うこともしばしば。そんな中、僕のそばを離れてひとり強く歩んでいく長女の姿を何度も目にしました。それこそ小さな頃は気が弱く、人一倍泣き虫だった長女。何かと目が離せなかったので、どちらかというと我が家は子どもとの距離が近い育児…過剰育児とも言える状況だったかもしれません。しかし…そんなすぐに泣いていた長女の姿はもうありません。12才。もう子どもの時間よりも、大人になっていく時間の方が増えていく年ごろ。ここまでかなり寄り添った育児・教育をしてきましたが、そろそろ距離を置きながら成長を見守る時が来たのかもしれません。寂しくないか?と、聞かれたらそれはもちろん寂しいです。だけど…これからは…。これからは少しづつ、僕の支えがなくても自分で考えて行動出来るようになって行くのだと思います。きっとこうやって子どもは親離れして独り立ちしていくんですよね。その姿をこうやって見送るのは寂しいけれど…寂しいけれど!親としてしっかりと見守ろうと!!娘がこうやって親離れをするように、僕も子離れしていかないと!!!…と。そういった関わり方にシフトしていかないとなあと思いました。まぁ…危ういと思った時はいつでも表に出戻りますけどね( ̄ー ̄)距離感を絶えず気にしながら関わっていこうと思います。(実は中学受験はまだ序盤、本当に大変だったのは入学してからだったのです(笑))それでは、長女さんお疲れさまでした。そして、ここまでこの中学受験シリーズを読んで下さった皆様ありがとうございました!次回は一旦統括を挟み、その後新シリーズのお話を掲載する予定です。そちらのお話もまたどうぞ宜しくお願い致します!!
2019年07月10日小学校入学前の子どもを持つ親であれば、いわゆる「先取り学習」を子どもにさせるべきかといちどは考えたことがあると思います。子どもが小学生になるときには、親の側もいろいろと不安を抱えているものです。それらの不安を取り除いてもらうべく、屈指の名門校、麻布中学・高校の中島克治先生にアドバイスをしてもらいました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)就学前の「先取り学習」は必要ない有名小学校の「お受験」を考える場合は別ですが、基本的には就学前の先取り学習は必要ないとわたしは考えています。わざわざ先取り学習というかたちを取らなくても、ひらがなや数字は絵本のなかにも出てきますよね?親が絵本を読み聞かせをするだけでも、結果的に子どもはひらがなや数字がだいたいわかるようになります。また、単語についても、いろいろな出版社が出版している「ことばと絵じてん」といった本を与えるだけで十分。子どもは自分の好奇心に従って、自然と語彙を増やしていきます。それから、幼児の頃から英語を学ばせている家庭もあるでしょう。でも、ずっと続けられるならともかく、やめてしまうと学んだ英語も綺麗に忘れていくものです。わたしの子どもも幼いときに英語塾に通わせませましたが、やめたらやっぱりすぐに忘れてしまいましたからね……(苦笑)。もちろん、子どもが英語を学んでいるあいだの時間はすごく充実しているのでしょうし、それが悪い時間ということではない。「定着」ということを前提とせず「楽しむ時間」と考えるのなら、英語塾に通わせてもいいかもしれません。「知育」ではなく「体育」の先取り学習が大切そもそも、小学校に入学した時点での学力の差というものにはあまり大きな意味はありません。入学直後には、たしかに先取り学習をした子どものほうが成績は優秀です。でも、その後は成績が逆転してしまうことも珍しくありません。というのも、先取り学習をした子どもは、「これは勉強したことがある」なんて思って先生の話をまともに聞いていないことがあるのに対し、先取り学習をしていない子どもは一生懸命に先生の話を聞くからです。そうして、先取り学習をしなかった子どもが先取り学習をした子どもにただ追いつくだけではなく、加速度がついて追い抜いてしまうのです。そういう意味では、下手に先取り学習をさせることは危険だと見ることもできる。先生の話を上の空で聞くことが学習態度として定着することも考えられますし、最初に成績が良かった子どもが後からどんどん抜かれてしまうと、劣等感を持ってしまうかもしれないからです。先取り学習をさせるにしても、小学校入学後にはこれらの点に注意すべきではないでしょうか。わたしとしては、そういった「知育」の先取り学習ではなく、「体育」の先取り学習をすることをおすすめします。小学校に入学した直後は、まずは友だちと一緒に動けることが大事です。友だちから鬼ごっこやキャッチボールに誘われたらすぐに動けるか、あるいは逆に自分からなにかを提案できるか。それが、友だちと適切な関係を築き、すんなり学校生活になじんでいくことにつながるからです。大切になるのは、運動能力の高さではなくて、人に合わせられる感覚です。ですから、なにかのスポーツ教室に通わせるような必要はありません。子どもと一緒になってキャッチボールやサッカーをして遊んだり、公園で鉄棒などに触れさせたりというふうに、子どもの体の「経験値」を増やしてあげることをおすすめします。いまの親はとにかく「不安」でいっぱいそもそも、先取り学習に注目が集まるのも、いまの親の多くが「不安」だからなのでしょう。核家族化が進んだうえ、隣近所との関係性もかつてより薄まっているので、親は自分たちだけで家庭教育をしなければなりません。しかも、教育に関するたくさんの情報が入ってくるにもかかわらず、その多くは「こうしちゃいけない」「こうしなければならない」という内容のものがほとんど……。そんな時代ですから、親が不安になるのも仕方ありません。不安を抱えている親なら、小学校に上がった子どもの学校生活のことも気になることでしょう。学校から帰ってきた子どもに、学校での出来事をつい根掘り葉掘り聞きたくなるかもしれません。ただ、そういう聞き方だと子どもはなかなか話してくれないということもありますから、「待つ」ことをおすすめします。聞きたい気持ちをぐっと我慢して家事をしたりくつろいでいたりすれば、子どもは「ねえねえ」なんていって自分から話をしてくれるものですよ。そして、そんな不安に駆られている親にこそ「なにがあっても大丈夫」という気持ちを子どもに対して持ってほしいですね。『だいじょうぶ だいじょうぶ』(講談社)という絵本があります。これは、お子さんというより親に読んでほしい内容です。その絵本に登場する子どもは、自分の世界が広がるにつれて新しいことや楽しいことに出会う一方で、困ったことや怖いことにも出会います。そのたびにおじいちゃんがその子の手を握って「だいじょうぶ だいじょうぶ」とつぶやいてくれる。その瞬間は困ったり怖かったりしても、時間が経つにつれて状況が好転していくことを、おじいちゃんは人生経験を通じて知っているからです。親まで不安になっていれば、子どもも不安になります。みなさんにはそのおじいちゃんのように子どもに対して接してあげてほしいと思うのです。『本物の読解力をつけることばパズル 入門編』中島克治 著/小学館(2019)■ 麻布中学・高校国語科教諭・中島克治先生 インタビュー一覧第1回:子どもの「言葉の力」を伸ばすには?名門麻布の国語教師が説く“親の心得3か条”第2回:先取り学習はこんなに危険。「した子」の成績が「しなかった子」に抜かれるのはなぜ?第3回:麻布中高の国語教師が断言。「絵本の読み聞かせ」の教育効果はやっぱり絶大だった!(※近日公開)第4回:我が子に“読書好き”になってほしいなら。ぜひ身につけさせたい「読み癖」とは(※近日公開)【プロフィール】中島克治(なかじま・かつじ)1962年生まれ、東京都出身。麻布中学・高校を経て東京大学文学部卒業。東京大学大学院博士課程修了。現在、私立麻布学園麻布中学・高校国語科教諭。『本物の読解力をつけることばパズル 初級編』(小学館)、『一生役立つ! 子どもの本当の読解力をグッと引き出す方法』(PHP研究所)、『1話5分! 12歳までに読みたい名作100』(新星出版社)、『小学生クロスワードBOOK 1・2・3年生』(星雲社)、『本物の国語力をつけることばパズル 中級編』(小学館)、『本物の国語力をつけることばパズル 入門編』(小学館)、『本物の国語力をつけることばパズル 初級編』(小学館)、『夏目漱石ほか文豪名著 書き写しノート』(朝日新聞出版)、『小学校入学前にことばの力をつける魔法の本棚』(小学館)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年06月25日子ども部屋は、子どもの数だけ用意できれば良いですよね。しかし家の大きさや金銭的な問題もあり、すべての家庭で、子どもの数=子ども部屋の数、とはいきません。そんなときは、動線を整理し、うまくお部屋を整えれば、子ども部屋が1つでも兄弟姉妹で仲良く使える方法があります。今回は、1つの子ども部屋を兄弟姉妹で機能的に使う方法についてのお話です。■ 子供部屋を共同で使うメリットとデメリット子ども部屋を兄弟姉妹で一緒に使うメリットは・1つのお部屋を一緒に使うことで、協調性がはぐくまれる・1つのお部屋を、自分たちで工夫して使う能力が養われる・建物の面積が小さくなるので、購入価格が下がるなどがあります。一方、子ども部屋を兄弟姉妹で一緒に使うデメリットは・プライバシーがない・空間の切り分けが明確でないため、動線が難しくなる・天井の照明やエアコン/スイッチ・コンセントの位置などの配置が難しくなるなどがあります。では、どのようにしたら、このデメリットを少なくできるのか?実際の例を見ながら考えてみましょう。ケース①兄弟姉妹が同性のお部屋下の間取りは、Sさんのお宅です。こちらの10畳のお部屋を、5歳と7歳の兄弟で使いたいというご希望でした。お部屋の作り方としては、収納や窓など間取りに合わせて子どもの動線を考え、共用部分とプライベート部分を作ります。共用部分は、一緒に勉強や作業したり、また一緒に使える辞書や参考書・漫画などを置くスペースです。プライベート部分は、主にベッドを置く就寝スペースのほか、趣味や部活の道具を置きます。また照明に関しては、天井にシーリングライトを2つ設置し、それぞれのスイッチを扉付近に設置します。奥のお部屋にも、オンオフのスイッチをつけておけば、わざわざ扉に行かなくても照明を消すことができます。大学生まで使えるよう机や椅子・ベッドを選びます。インテリアは大人っぽくなりますが、買い替えによるロスをなくし、また良いものを長く使うという考え方が、子どものころから身につきます。ケース②兄弟姉妹が異性のお部屋下の間取りは、Nさんのお宅です。こちらの9畳のお部屋を、3歳のお嬢様と、いずれ生まれてくるお子様と、二人で使いたいというご希望でした。性別がまだ未確定な場合は、お部屋を将来的に間仕切る可能性が出てきます。兄弟姉妹の性別が同じであれば問題ないのですが、異性であった場合、思春期以降はお部屋をAの部分で分けたほうが良いためです。しかし異性であっても中学生になるまでは、一つのお部屋を二人で使うほうが、協調性や空間を工夫する力が育つため、ベターです。お部屋の作り方としては、ケース①の場合と同じく、窓や扉・収納などの間取りに合わせて子どもの動線や共用部分、プライベート部分を作ります。また照明に関しては、シーリングライトをそれぞれ設置し、スイッチを扉付近に設置します。机や椅子は、同じ形・色で品質もよいものを選べば長く使えますし、インテリアの統一性もとれておしゃれな部屋になります。いかがでしたか?子どもの動線を考え、家具を上手において空間を作れば、適度なプライバシーを保ちながらも、機能的でおしゃれな子ども部屋ができます。子どもが増えたから家を買い替えなければ!と思っている方は、一度参考にしてみてくださいね。(しかまのりこ)
2019年06月01日小学生が学ぶ教科には、国語に算数、理科、社会などさまざまなものがあります。そのうち、「国語と算数があらゆる学習のベース」と語るのは、東京の公立小学校教諭・杉渕鐵良(すぎぶち・てつよし)先生。子どものやる気を引き出す独自の授業で注目され、「教育の鉄人」とも呼ばれるカリスマ教師です。今回は、その重要な国語と算数のうち、国語の力を伸ばすために家庭でもできることを教えてもらいました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)子どもを読書好きにするにはまず親が本を読む小学校における教科のうち、とくに重要なものが国語と算数です。それらの力が育っていないと、理科や社会の教科書、そのなかに出てくるグラフなどもきちんと読めないからです。逆にいえば、1、2年生頃にちょっとくらい理科や社会の勉強が遅れてしまったとしても、国語と算数がきちんとできるようになれば、あとからいくらでも遅れを取り返せます。そういう意味で重要な国語と算数のうち、国語の力を伸ばすために家庭でもできることというと、まずはやっぱり読書でしょうね。とくに1、2年生くらいの小さい子どもの場合なら、絵本の読み聞かせをおすすめします。というのも、読書は苦手でも読み聞かせは好きだという子どもが多いからです。また、親が本を読まなければ子どもも本に興味を示さないということも、読み聞かせをすすめる理由です。絵本の読み聞かせをすれば、子どもは文字や言葉、さまざまな概念を知ることになる。それはいまもむかしも変わらない読み聞かせの大きな効果です。そうして絵本の読み聞かせをするうち、「このシリーズものが面白い」というふうに、子どもがハマるものが出てくるでしょう。そういった事象こそ、読書好きになる兆候といえます。子ども自身が自ら本に興味を示さなければ、読書好きになるはずもありません。そう考えると、「○○先生が推薦しているから」なんていって、どこかの誰かがすすめる本を子どもに与えることにもなんの意味もありません。もし、子どもにすすめるのであれば、親御さん自身が本当に面白いと思ったものにしてほしいのです。そういう本であれば、「大好きなお父さんやお母さんがすすめるんだったら」と、子どもが興味を示すということだってあるはずですよ。漢字を覚えさせるにも「楽しさ」が最重要また、小学生なら漢字の学習も重要です。だからといって、漢字をいくつ書くだけというドリルのような学習方法はあまり好ましくありません。1、2年生のような小さい子どもの場合、楽しさが伴っていなければただ機械的にこなすだけになってしまい、なかなか学習効果が上がらないからです。ただの反復には意味がないのです。そういう意味では、いろいろと工夫をすることが必要。たとえば、「木」という漢字を書いて覚えるにも、子どもが「木」と書いたら、「これ、なんの木?」と聞いてみましょう。子どもは「桜の木」なんて答えるかもしれない。そうしたら、「じゃ、桜のピンクに塗ってみようか」と色鉛筆を与えるのです。あるいは、ピンクの色鉛筆で「木」と書かせてもいいですよね。また、漢字の「はらい」や「はね」を覚えさせるためにできる工夫もあります。「木」のはらいの部分を書くときに、親が「滑り台みたいだから、滑り台を想像して『シューッ』と書こう」といって、実際に「シューッ」といいながら書く。子どもも面白がって「シューッ」といいながら書くようになります。どちらも子どもにとっては遊び感覚で漢字の書き取りをすることになりますし、脳をしっかり使ってイメージを膨らませていますから、きちんと覚えられることになります。また、いろいろな漢字が書かれている紙を用意して、「このなかから、食べものの漢字を探そう!」なんて遊びもいいと思います。たとえば「公」という漢字は、「ハム」と読めますよね。そんな工夫がされている教材もたくさん市販されていますから、それらを使ってみてはどうでしょうか。しかも、そういう教材をやって漢字の面白さを知ったあとなら、子どもは一般的な漢字ドリルも楽しんでやるようになるものです。いずれにせよ、まだ小さい子どもには「勉強って面白い!」と思わせてあげることがなにより大切です。小さいうちから成績を気にし過ぎる必要はありませんし、「勉強は面白い」と思っていれば、自然に勉強を続け結果的に成績も伸びてくるものですからね。会話力を上げるには会話を重ねるしかない国語力を伸ばすためには、会話力の向上も外せないものでしょう。人と会話をするには、さまざまな言葉をきちんと使えることが求められますからね。子どもの会話力を向上させたいと思ったら、とにかく親が子どもとたくさんおしゃべりをすることに尽きます。子どものためのスピーチ教室なんてものもありますが、やっていることは、用意された原稿をただうまく読む訓練をしているだけ。実際の会話とは、そういうものではありませんよね?相手のいったことに対して瞬間的に反応し、自分の思いを適切な言葉で表現できてこそ会話になる。そう考えると、やはり実際に会話をすることでしかその力は伸びていかないのです。子どもと会話をするにあたって、親の立場として「いいインタビュアーになろう」と心がけることも重要なポイントです。学校から帰ってきた子どもがどことなくうれしそうにしていたら、「なにかいいことがあったの?」「それでどうしたの?」とどんどん聞き出してあげる。そのとき、親自身がそのインタビューを楽しむことが大切です。親が会話を楽しんでいる気持ちが伝われば、子どもはどんどん冗舌になっていくはずです。『たし算ひき算 10マス計算ドリル 左利き用』杉渕鐵良 著/学研プラス(2019)■ 東京都公立小学校教諭・杉渕鐵良先生 インタビュー一覧第1回:先取り学習はこうやれば効果的。「就学前学習ってどうなの?」に“教育の鉄人”が回答!第2回:「ちゃんと宿題やりなさい!」に効果がない理由。子どもに“響く”声かけの方法とは?第3回:子どもを「読書好き」にするきっかけの作り方。国語力アップの決め手は家庭にある!第4回:算数の力は“楽しく”伸ばす!地味で単純な「四則計算」を笑うほど面白いものにする工夫(※近日公開)【プロフィール】杉渕鐵良(すぎぶち・てつよし)1959年生まれ、東京都出身。東京都公立小学校教諭。小学校教諭となって7年目に子どもたちのやる気を引き出す独自の授業「ユニット授業」を開発。その成果により、「教育の鉄人」と呼ばれ、2011年には「ユニット授業研究会」を設立。若手教員の指導にあたる他、講演のために全国各地を飛び回っている。『小学校教師だからわかる 子どもの学力が驚くほど上がる 本物の家庭学習』(すばる舎)、『全員参加の全力教室2 燃える! 伸びる! 変わる! ユニット授業』(日本標準)、『1日1枚5分でできる 漢字パズル』(すばる舎)、『自分からどんどん勉強する子になる方法』(すばる舎)、『子どもが授業に集中する魔法のワザ!』(学陽書房)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年05月26日小学校にまだ入学していない幼い子どもがいる親であれば、いわゆる就学前学習などの「先取り学習」に強い興味があるはずです。その効果はどれほどのものなのか、そもそも必要なのか――。お話を聞いたのは、東京の公立小学校教諭・杉渕鐵良(すぎぶち・てつよし)先生。子どものやる気を引き出す独自の授業で注目され、「教育の鉄人」とも呼ばれるカリスマ教師です。実際の教育現場から見た先取り学習の価値とはどんなものでしょうか。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)学習内容のつながりを意識した「先取り授業」ひとことで「先取り学習」といっても、さまざまな種類があります。わたしの授業スタイルも先取り学習といえるものです。たとえば、本来のカリキュラムでは順に教える足し算と引き算もわたしは同時に教えます。また、掛け算と割り算も同様です。なぜかというと、足し算だけを先にやってしまうと、「足し算脳」とでも呼ぶべき頭の使い方が子どものなかでできあがってしまうから。そうなると、引き算を学ぼうとするときにその足し算脳が邪魔をして、なかなか引き算ができるようにならないということが起こるのです。掛け算と割り算の場合も同じです。先に掛け算だけを教えてしまうと、九九はしっかりできるのに、なぜか割り算は苦手だという子どもが続出してしまう。それは、本来であればひとつながりのものなのに分断して学ばせているからです。ピアノでいえば、課題曲全体を聴かせてもいないのに、頭から順に教えようとしているようなもの。どんな曲なのか全体像が見えていなければ、学習効果が高まるはずもありませんし、子どもは自分がなにをしているのかが見えずに不安になってしまいます。楽しければ、勉強も大好きな絵本と同じ感覚になるとはいえ、そういう授業スタイルを取っている教員はそうはいないでしょうから、ここでは一般の家庭でもできる先取り学習について、わたしの考えをお伝えします。先取り学習と聞いたときにまずイメージするのが、学校での学習内容を前もってやるというものでしょうね。小学校に入る前の就学前学習はその典型です。それらの先取り学習については、子どもにどんどんやらせてほしいと思います。というのも、「学校での勉強が復習になる」からです。そういった先取り学習については、「子どもが学校の勉強に興味関心を示さなくなるから駄目だ」という意見もあります。でも、映画にだって予告編があるじゃないですか?予告編を観て、その作品を観たくなったという経験はほとんどの人にあるでしょう。それに、好きな映画を3回も4回も観る人もいます。その場合、1回観ただけでは気づかなかったことに気づくということもある。つまりそれは、復習の効果に他なりません。「先取り学習が子どもの興味関心を奪う」なんてことは大人の発想で、子どもにとってはちがうのです。それこそ、大好きな絵本だったら、親が「また?」とうんざりするほど、何回も何回も「読んで」と子どもがせがむこともありますよね。勉強だって、楽しくできるように大人がちゃんと導いてあげれば、子どもにとっては映画や絵本と変わらないのです。とはいえ、先取り学習をさせるにも注意が必要です。やっぱり楽しくなければ子どもは興味を示しません。学校の教科書の内容を勉強するような先取り学習を無理に押しつけてしまうと、小学校に入る前に「勉強は楽しくない、面白くない……」と子どもに思わせて、まったくの逆効果となってしまいかねません。子どもの「学びの感覚」をつくる親子の対話また、とくに幼い子どもの家庭における先取り学習となると、学校の学習内容を先取りするタイプの学習の他にも大切なものがあります。それは、学びのための「感覚」を身につけるということ。たとえば、親子で一緒に出掛けたときには、「夕焼けって綺麗だね」とか「あれは三日月っていうんだよ」というふうに、目に入ったものを子どもに優しく教えてあげてください。家にいるときも、たとえばご飯を食べるときには「ハンバーグ、美味しいね」などと話しかける。内容はなんでもよくて、とにかく話しかけることが大切。そういった親との対話を通じて、子どもは学びのためのさまざまな「感覚」を身につけていきます。また、「感覚」という点では、体の「感覚」を使って学ぶことも大切です。ひらがなやカタカナを書いて覚えるにも、幼い子どもは鉛筆をまだうまく使えません。ですから、鉛筆ではなく大きな紙にクレヨンで書かせるとか、砂場で手を使って書かせる、あるいは尻文字で書かせることをおすすめします。そうすれば、体の感覚を通じて文字を覚えていくのです。それから、日常生活のなかでは、算数の勉強の橋渡しになるような数字に親しませるということもできます。スーパーに子どもと一緒に買物に行ったとします。親は「リンゴが5個ほしいのよね」といいながら、買い物かごに3個のセットをふたつ入れようとする。子どもが「お母さん、それじゃ6個だよ」なんていってくれたらしめたもの。「じゃ、どうすればいい?」と聞く。子どもは自分なりに考えて、3個のセットをひとつとバラ売りのものを2個持ってきてくれるかもしれません。そういうふうに、日常生活のなかにも学校の勉強につながるような要素はいくらでも転がっているものです。親御さんがそういう意識を持って、日常的な就学前学習を子どもにやらせてあげるように心がけてほしいですね。『たし算ひき算 10マス計算ドリル 左利き用』杉渕鐵良 著/学研プラス(2019)■ 東京都公立小学校教諭・杉渕鐵良先生 インタビュー一覧第1回:先取り学習はこうやれば効果的。「就学前学習ってどうなの?」に“教育の鉄人”が回答!第2回:「ちゃんと宿題やりなさい!」に効果がない理由。子どもに“響く”声かけの方法とは?(※近日公開)第3回:子どもを「読書好き」にするきっかけの作り方。国語力アップの決め手は家庭にある!(※近日公開)第4回:算数の力は“楽しく”伸ばす!地味で単純な「四則計算」を笑うほど面白いものにする工夫(※近日公開)【プロフィール】杉渕鐵良(すぎぶち・てつよし)1959年生まれ、東京都出身。東京都公立小学校教諭。小学校教諭となって7年目に子どもたちのやる気を引き出す独自の授業「ユニット授業」を開発。その成果により、「教育の鉄人」と呼ばれ、2011年には「ユニット授業研究会」を設立。若手教員の指導にあたる他、講演のために全国各地を飛び回っている。『小学校教師だからわかる 子どもの学力が驚くほど上がる 本物の家庭学習』(すばる舎)、『全員参加の全力教室2 燃える! 伸びる! 変わる! ユニット授業』(日本標準)、『1日1枚5分でできる 漢字パズル』(すばる舎)、『自分からどんどん勉強する子になる方法』(すばる舎)、『子どもが授業に集中する魔法のワザ!』(学陽書房)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年05月24日”リビング学習”という言葉が定着し、学習机を購入されないご家庭は今や珍しくありません。一度購入すると定位置がほぼ確定してしまう学習机。住宅事情もありますし、そこそこのお値段もすることから、毎年のように”学習机、いる?いらない?について数々の意見を目にします。そんな筆者は、3LDKのマンション住まいであることから、「学習机?いらないでしょ」という不要派でした。しかし、結局のところ筆者は、この春1年生になった娘に学習机を購入しました。まだ入学して間もないですが、購入した理由と、学習机があってよかった!と感じたポイントをお伝えします。■ 学習机を購入する、しないは半々らしいFast&Slow / PIXTA(ピクスタ)リビング学習が定着しているとは言え、秋ごろから学習机の新聞折り込み広告や、コラムをよく目にします。「机はいらないけど、あの大きいランドセルを置くスペース、そして絵本や漫画の本棚とは別の”教科書”を置く棚は絶対いるなぁ…」そう感じていた筆者は、”ランドセル置き場”になる家具を探しに行きました。これが我が家に学習机を迎え入れたきっかけです。TOSHI.K / PIXTA(ピクスタ)売り場にズラ~っと並ぶ学習机たちを見て、娘のテンションが確実に上がっていたのを感じ取りました。販売員の方に話を伺うと「購入される方、されない方は半々くらいです。今の子はリビングと塾で勉強することが多いので、学習机は勉強する場所というより趣味スペースになっているお子さんも珍しくありません」暗に学習机で子どもは勉強しない、と教えてくれる販売員さん…(笑)。しかしこのコメント、深く納得してしまいますよね。■ それでも学習机を購入した理由しげぱぱ / PIXTA(ピクスタ)それでも学習机を購入した理由はまず第一に、「ランドセルを置く家具だけを購入しても、すぐにいっぱいになる」という情報を販売員さんから得たから。”1年生頃の教科書なんてノートを含めてもせいぜい10冊以内でしょ”と構えていたのですが、入学後どんどん学用品が増えていくそうなんです。子どもが学校へ持っていっているうちは安心でも、夏休み期間などの長期の休みの際は鍵盤ハーモニカなど様々な学用品を持ち帰り、置き場に困ってしまうんだとか。それならば、普段は空っぽでもいいからいざという時の場所を確保しておきたいという気持ちになりました。そして、一番の購入の決め手になったのは、”娘が学習机を欲しがった”ということです。女の子は、キラキラでピンク色がついた学習机がいい!と言い出しそうで、何となく学習机を見に行くことを尻込みしていました。しかし、娘の気に入ったデザインは何ともシンプル・コンパクト。娘が巣立っても親が将来使いたい!と思えるものでした。親の要望と娘の気に入ったデザインがうまくマッチしてくれたことが大きいと感じています。■ 購入してよかったと思えるポイントYsPhoto / PIXTA(ピクスタ)それでは、実際に学習机を購入してよかったと感じたポイントをお伝えします。まず学習机を購入したメリットとしてよく挙げられるメリット3つについて、筆者はどう感じたかですが……。・収納場所が確保できた…◎学習机とセットで棚も購入しているのでまだまだ余裕あり。・自分の場所がもてる…△自分の場所はここ、というような自覚はまだ見られない。ランドセルは帰宅後、リビングに置いてしまうことも。・学習習慣がつく…◎元々習い事の宿題の習慣があったので、学習習慣はある方。しかし学習机を購入してからは集中したいときは学習机に向かい、親に見てほしい宿題などはリビングで、と自分で選択できるのはいい傾向かと思います。その他に、筆者が感じた学習机のメリットはずばり、”子どもの行動を客観的にみられるようになったこと”かもしれません。リビングで宿題をしていると、どうしても「大丈夫?わかる?」と不要な声掛けを何度もしていた筆者。「自分で考えたかったのに!」と主張されることがしばしばありました。学習机で宿題をやらせてみると、時間はかかるかもしれませんが自分のペースですることができ、いい意味で子どもを試すことができます。この子はこういう部分が弱いんだ、とかここは得意なんだな、と見えてくるような気がします。子供も、”親からの自立”としてのきっかけになることを期待しています。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)いかがでしたか?学習机を購入してよかったかどうかの判断は、子供次第、親の考え方次第。購入を迷われている方は、一度お子さんと学習机を見に行かれてみるのもいいかもしれませんね!
2019年05月21日「子どもがYouTubeを気に入って、つい見せすぎてしまう」ということはありませんか?学習要素の高い子ども向け動画も多く、見るのは楽しいYouTubeですが、使い方次第では子どもによくない影響が出てしまうこともあるかもしれません。今回の記事では、わが家の子どもたちの恐怖体験と、そこから辿り着いたわが家なりのYouTubeとの上手なつき合い方をご紹介します。わが家の子どもたちのYouTube恐怖体験記わが家では、語学学習も兼ねて、英語のYouTube動画に限り、時間を決めて見せています。ある日の午後、小学生の娘と3歳の息子が、いつも通りYouTubeを見ていました。すると、突然、小学生の娘だけが泣き出しました!「どうしたの?」と聞いても、恐怖で何も言えません。しばらくしてから、「動画の途中におじさんが出てきて、こっちを見て何かを言っていた。今にも画面から出てきそうで、とても怖かった!」と。実は娘が泣き出した瞬間にYouTubeを切ってしまい、その動画自体を私は確認できなかったのですが、調べてみると「エルサゲート」に当たるものだったと判明。子どもにYoutubeを見せるなら、「エルサゲート」の存在を知っておくべき「エルサゲート」とは、YouTube上の子ども向け動画の中に、暴力的・性的・残虐性が高いなど、子どもが見るにはふさわしくない動画が紛れ込んでいる状態をいいます。2017年頃から欧米を中心に問題になっており、最近では日本の動画にも入っていることがあるようです。※エルサゲートとは、ディズニー映画「アナと雪の女王」の“エルサ”と、事件や不祥事などを表す“ゲート”を組み合わせた造語ですそして、さらに怖かったのが、その動画を見ても、3歳の息子は無反応だったこと。画面から目をそらすことはありませんでしたし、「怖かった?」と聞いても、特に返答はありませんでした。ということは、誰かが気づかなければ、その映像をずっと見続けていたかもしれないのです。今までは、子どもたちも私が指定した英語学習動画を見るだけでした。しかし、何度も見るうちに、3歳児ですらタブレット端末の操作方法を覚え、見たい動画を(英語とはいえ)自由に見られるようにしていました。親として監督不足だったと猛反省です。動画サイト閲覧は家族のルールのもとで!上手につき合おう今回の経験を受けて家族で話し合った結果、わが家ではYouTube Kidsを導入することにしました。YouTube Kidsは、子ども向け動画に特化したアプリで、不適切な動画は(100%ではないですが、高い確率で)自動削除される仕様になっていたり、保護者による視聴体験管理の機能も多数用意されています。そして、この恐怖体験の後、改めて以下のルールを設けました。・YouTube Kidsを見るときは、親の横で見る・視聴時間は1人1日30分のみ(タイマー機能あり)・通常のYouTubeを見るときは、必ず親と一緒に見る(親が検索する)YouTubeでは学習要素の多い優れた動画もたくさんあるので、わが家では「子どもにまったく見せない」という方法はとらないことにしました。ただ、子どもが小さいうちは、家族で一緒に見る、YouTube Kidsなど子ども専用のアプリに限る、有料動画コンテンツの活用で安全性を確保するといった対策をとることも大切だと考えました。エルサゲートなどの不適切な動画によりお子さんが傷つくことがないよう、これを機に家族で視聴ルールを再徹底してみてはいかがでしょうか。<文・写真:ライターnanahi>
2019年05月19日10連休も終わり、子どもを持つお母さんにとって、学習環境は気になるところですよね。教育系の雑誌などでは「リビング学習」についてよく特集として取り上げられるので、実際に成績アップに繋がるのか気になることでしょう。実際「リビング学習」は効果があるのでしょうか?我が家の中学受験から入学以降まで、リビング学習から子ども部屋学習へと試して考えさせられたことなどについてご紹介します。■ リビング学習のメリット・デメリットとは?マハロ / PIXTA(ピクスタ)「リビング学習は親の目が行き届きやすい」という話を聞いたことがある方は多いでしょう。朝日新聞出版『AERA with Kids』(2017年春号)の調査では、リビング学習をしている家庭は、調査数全体の8割という結果が出ています。「リビング学習をしている子どもは、東大へ行く子が多い」という特集を組んだ雑誌や書籍なども出ていて、マイホーム購入時に学習コーナーを作るご家庭も多いようです。attimo_hygge39 / PIXTA(ピクスタ)筆者の家でも、小学校入学時からリビング学習を始めていました。ただ、専用の学習コーナーは作らず、ダイニングテーブルでさせていました。「いつもそばにお母さんがいる。誰かがいる」という安心感が生まれます。家でも学校でも、話し声や生活音はいつもつきまといます。実際、生活音がよく出るリビングで勉強させることで集中力が身につくというメリットはあると思います。デメリットとしては、家事で忙しい時に声をかけられるとつい叱りつけて、学習意欲を失わせてしまうこと。pu- / PIXTA(ピクスタ)筆者宅では、小2のときにかけ算がなかなか覚えられず、家事で忙しい時につい叱ったことから、一時期、かなりの勉強嫌いになってしまいました。また片付けについても、いくら親が工夫しても大事な学校からのプリントを紛失することが多々あったので、子どもに合った学習環境を作ることを考えました。■ 小学校中学年〜卒業までは悩みながら環境を変えていたKana Design Image / PIXTA(ピクスタ)筆者の子どもについては、地元の公立中学校の環境の悪さから、中学受験に備えて小4のときに中学受験から高校受験まで扱う塾に入塾しました。専門塾に入ってから、小5の後半から帰宅時間が午後10時半となり、学校と塾の宿題や受験勉強をリビングでしていました。子ども自身が、自室では寝てしまうことと、成績不振について不安になったことがその理由です。帰宅が遅い主人の食事と重なり、テレビをつけてしまうので、家族で学習環境を話し合うことにしました。■ リビング学習についての子どもの意見Ushico / PIXTA(ピクスタ)子どもからの意見としては、1.塾から帰ってからは、疲れているのでリビングで勉強したい2.リビングで勉強すると気持ちが落ち着くけれど、テレビはつけない3.片付けをしない自分が悪いけれど、自分にやりやすい方法がわからないという3点でした。個別指導コースの塾と全く同じ環境にはできないけれど、家でできる環境作りと片付けについては、相談の上で決めました。ORA / PIXTA(ピクスタ)筆者の子どものリビング学習は、1.リビングのテーブルが一番落ち着くので、使わせる2.卓上スタンドを必ず用意する3.外部の様子を見えなくするために、辞書で囲いを作る4.生活音はある程度拾うけれど、集中のためにイヤホンを使うといった点について子ども自身が工夫して、中学受験のための勉強を続けて合格しました。■ 中学受験勉強時の、机の様子は?以下は中学受験勉強時の、机の様子です。キッチンからは、このように子どもの勉強の様子が見え、辞書でテレビは見えません。今も防音と集中力対策で使っているのが、このイヤホンです。塾の教材類やその日勉強に使うものは、前日にリュックに入れ、大切な書類などは100均のクリアボックスを使い、渡し忘れを防ぎました。リュックにしたのは、自室とダイニングに持ち運びしやすくするためです。テレビについては、寝室にもテレビがあったので、そちらで見るよう主人にも協力してもらいました。■ 中学受験終了後の学習は?環境を整えてから、不安定だった成績は落ち着きました。中学受験を乗り越えても、リビング学習は続きましたが、中1後半からは自室での学習に切り替わりました。ICT教育導入校で、学校で購入したiPad proに送られる宿題をこなすこと、特に英語の音声聞き取りのために静かな環境が必要だったからです。塾通いも検討しましたが、帰宅時間や部活を考えて、通信教育で勉強中です。最近の通信教育では、iPadは必須アイテムです。今では基本は自室学習で、苦手な数学だけは、主人の帰宅を待って分からない問題を教えてもらっています。■ 年齢に応じてリビング学習から卒業することも大切ひろこ / PIXTA(ピクスタ)親が子どもの勉強の様子について、気になる気持ちは理解できます。ですが、子どもの年齢とともに勉強スタイルも変化します。いずれは子どもが自分で学習方法を決めることになるので、いつか必要なくなるかもしれない学習コーナーは、お母さんの小さな書斎などにリフォームすることも視野に入れておくと良いかもしれません。【参考】※ 朝日新聞出版『AERA with Kids』(2017年春号)※ 朝日新聞出版『AERA with Kids』 (2018年春号)
2019年05月08日未就学児(6歳まで)の家庭学習、一番人気は「こどもチャレンジ」あんふぁんWeb「ママニュースアンケート」で「未就学児の自宅での家庭学習」について聞いたところ、63%が家庭学習を行っていると回答。その中で一番人気の教材は、全体の45%を占めた「こどもちゃれんじ」。次いで、12%が「くもん」、11%が「学研」という結果に。家庭学習の時間は、週に1時間以内が86%家庭学習に要する時間は、週に30分以内が48%、30分〜1時間以内が38%という結果に。大半が1時間を目安に学習していることが分かります。中には2時間以上という人も。次に、家庭学習に取り組む上での悩みや困っていることを聞いてみると、気分のムラ、集中力が続かないこと、親の関与という声が。それぞれの声をまとめました。もっとも多い悩みは、気分のムラがあること■遊んで疲れてる時など、本人の気が乗らない時にこっちも気長に待つのが難しい。(まんぷく、33歳)■やる時とやらない時の差が激しい。少しずつ毎日取り組んでほしいです。(コーギーラブ、38歳)■うまくできないとき、取り組む前に難しそうと子どもが思ったときなど、すぐに投げ出そうとしてしまう。(はるちゃん、44歳)■できなかったらすぐに怒る。シールにつられているので、シールがないページはやる気がダウンします。(ぴーちゃん、39歳)■自由にやりたがるので、ルールに従ってやらせようとするのが難しい。(くまとも、34歳)■できていると思っていた所が間違っていたりすると、普段はもう一回やるねと言って取り組むが、イライラしてる時などはもうイヤ!と八つ当たりしてくる。(こあざらし、42歳)■飽きやすく、途中で教材がただの遊び道具になってしまいます。遊びながら学んでもらえるのが一番良いのですが。(あげポテト大好き、29歳)■届いてすぐにワークに取り組むのは良いけれど、一度問題を解いてしまうと次のワークが来るまで見直したり解きなおしたりしないこと。(まみむめも、33歳)■一緒にやろうと声をかけても、「今日はやりたくない~」という日があったり、すぐに飽きてしまうことがあったりすること。(みりょママ、33歳)■背中を押さないと、とりかかるまでに時間がかかってしまう。(クラフトくん、34歳)集中力が続かず、遊びとの境界線がなくなることも■集中力が続かず、字をわざと大きく書いたり、薄く書いたりと遊びながらやっている。(ラジオママ、38歳)■兄弟がTVを見始めると、そっちに気がいくので困る。(ゆなゆな、35歳)■子どもの集中力が途切れるのが早く、苦手な取り組みに対してのあきらめが早い。(グラグラ、37歳)■ほかのことに興味が出てきて目移りすることが多い。(みかん2422,40歳)■集中力が続きません。ちょっと分からないことが出てくると、「トイレ」「おやつ」「眠い」「テレビ」とほかのことを言い出して。再度ワークに向き合わせるのに疲れます。(なおりん、36歳)■好きな問題の時は集中して取り組むけれど、興味がないことだとほかのことをやりだしてしまう。決まったページ数を最後までやらせるべきなのか、またの機会でいいのかに悩む。(きっとん、29歳)■ほかの遊びに目移りしてしまう。思い通りにいかないと子どもが不機嫌になる。(まっきり、34歳)■気分によって、集中力がまったく違う。まだ小さいからしょうがないと思ったり、今のうちからきちんと教えないとと思ったり、親の気持が揺れる。(みょん、31歳)親がついていないといけないのが大変!■なかなか一緒に取り組む時間を作るのが難しいことと、集中力がもたないので根気強く習慣化させるのが大変です。(なかむ、30歳)■家事に追われ、なかなかずっと一緒にみてやることができないこと。(ロックウェル、45歳)■親が付き添わなければできない、というのが…。一日のうちの少しの時間とはいえ、その時間を捻出するのが大変。(くう、29歳)■親と一緒に作ったり、体験したりがあり、良い経験にはなるけれど面倒くさい。(misosoupgohan、32歳)■親がついていないと、読まずに適当にやってしまいます。それでも楽しそうですが、時に失敗して、がっかりしているときもあります。兄弟でついてくる付録が違うので、兄弟ゲンカに発展します。(わさび、38歳)■毎日取り組むようにしてますが、私が夕飯などを作りながらさせているといらいらすることが悩みです。(きらきらきらり、37歳)■ひとり遊びの延長で取り組んでいる。でも、ママ!ママ!とすぐに呼ばれて、結果いつも2人でしている。(ゆう、43歳)■家事をやっている最中に子どもが行き詰ってしまった時、すぐに教えてあげられない。また、教えても理解してもらえず、どう教えればできるようになるか試行錯誤している。(ぽこ、34歳)最後に、子どもにやる気を出させる方法、気分を乗せる声かけなど、工夫やアイデアを聞きました。やる気を出させるには、ほめる!ごほうび!怒らない!■ドリルの指示通りにやらせられれば一番だけど、まだまだ幼くて言うこと聞かずに関係ないところに色を塗り始めたら落書きしたりしています。でも、それは気にせず、常にほめる方向で見守っています。(ひつじ、39歳)■一緒にやることを心掛ける。できたらたくさんほめる。 習慣づけるために時間を決める。(ふーちゃん、33歳)■本人がやりたいときにやっている。 できたときは花マルを書いたり、好きなキャラクターのシールをあげている。いっぱいほめている。(チョコレート、31歳)■「何でこんな難しい問題できるの?」「すごいね!」などポジティブなほめ方をしている。(おつまみ、35歳)■私もできる限り隣でついて、ほめたり応援したりアドバイスしたりしている。終わったら大きな花丸をつけたり、オマケのイラストやコメントを書いている。 子どもがひとりで取り組めそうなときは、私は「一緒にお勉強するね!」とボールペン習字の教材を隣でやったり読書したりしている。(とまとん、30歳)■赤鉛筆などで上手にかけたとこを丸してあげたり、シールを貼ってあげたりしています。上手く書けてない文字もありますが、そこはあまり注意せず、楽しく学習できるようにしています。(くーちゃん、46歳)■お勉強のノルマが終わったらごほうびタイムでゲームができる仕組みにしてます。(りんご、39歳)■大好きなYouTubeを見られるのはドリルが終わってからという決まりなので、そのためにがんばっている(笑)。(みゅう、39歳)■環境作り。テレビなど消してお互い集中。てきなくても怒らずに、なんでできなかったかいっしょに考えたり、違うところを説明する。(ひなみあ、37歳)■私が一人で始めることです。 広げ始めると、そばにきてやり始めることが多いです。(みさやん、37歳)■お姉ちゃんがお勉強しているときを狙って誘う。お姉ちゃんをほめると、自分もほめられたいのでやる気が増す。(なーまま、42歳)■とりあえず嫌なことにならないように、これやる?と軽い感じで誘っています。(ぽん、40歳)■ママに言われる前に自分で取り組み終わらせれたら、カレンダーにシールをはり、シールがたまったらごほうびにお菓子などを買ってあげる。文字の大きさや数字のきれいさなど、とにかくほめる。(いとひ、35歳)※2018年9月26日~10月23日、あんふぁんWebでアンケートを実施。回答数:289件<あんふぁんWeb編集部>
2019年04月30日家庭菜園は採れたての野菜や果物を食べられるだけでなく、子どもと一緒に植物を育てる楽しさも魅力。ですが、初心者だと失敗してしまうことも多いものです。わが家では今まで20種類もの植物の家庭菜園に挑戦してきました。ズボラな育て方で失敗が多かったものの、中には水やりだけでスクスク育った植物も。筆者の経験から超ズボラでも育てられる初心者にオススメの植物を紹介します。栽培に失敗した野菜&果物今までに筆者が栽培したことのある植物はトマト・キュウリ・サツマイモ・ナス・オクラ・ゴーヤ・エンドウ豆・スイカ・イチゴ・シソ、ハーブ類など。芽かきや追肥、受粉、害虫対策といった世話はほとんどせず、1日1~2回の水やりのみ。キュウリは初心者にオススメと聞いたので期待していましたが、水やりのタイミングや量に問題があったようで、2年連続で失敗。同じく簡単に栽培できると聞いたサツマイモもヒョロヒョロでうまく育ちませんでした。シソは栽培して以来、毎年自生しますが、虫食いがひどくて、ほとんど収穫できた試しがありません。初心者にオススメなのは…トマト!ズボラな育て方で失敗ばかりの筆者ですが、トマトの栽培だけは失敗したことがありません。育て方は毎年3~4月ごろに肥料を混ぜた土に苗を植えつけ、あとは水やりを毎朝1回するのみ。茎を支えるために支柱立てをしたり、伸びすぎて邪魔な茎葉を切ったりはしましたが、それ以外の世話はしていません。夏にはおいしいトマトをたくさん収穫でき、暖冬の年には12月ごろまで実をつけました。トマトにはさまざまな品種がありますが、特に品種によって失敗したことはありません。ただ、大玉トマトは小ぶりになりやすいといった経験から、初心者が育てるならミニトマトをオススメします。果物は意外にもイチゴ&ブドウが育てやすい果物を栽培するなら、イチゴとブドウがオススメです。イチゴは寒さに強い特徴があるようで、庭に植えて2年以上経った今でも枯れていません。お店で売られているような立派な実を育てるのはなかなか難しいものの、見た目がかわいくて庭がオシャレに見えるので、栽培して損はないと思います。ブドウは収穫するのが楽しい果物。わが家では庭に柵を立てて育てていますが、コンパクトなプランターでも育てられるようです。ブドウは品種によって収穫までの期間が異なり、早いものだと1年で収穫可能。収穫まで待てない人はなるべく早く収穫できる品種を選ぶといいでしょう。ちなみに、ほかの果物ではスイカにも挑戦したことがありますが、実が大きく育たなかったうえに味も淡白で失敗でした。受粉したり、実が腐らないように対策したりと手間がかかったので、初心者には難しい果物だと思います。ハーブはどれもよく育つ!パセリ・オレガノ・ミント・バジル・ローズマリー・マジョラム・コリアンダーなど、ハーブ類はどれもよく育ちました。小さなプランターで育てられて場所を取らないので、毎年4種類くらいのハーブを同時に育てています。左はバジル、右はマジョラムシリアカというオレガノの仲間のハーブハーブには1年しか花を咲かせない一年草と、同じ株から繰り返し花が咲く多年草がありますが、適当に水やりだけする育て方だとどちらも1年経たずに枯れてしまいます。実際、筆者も何種類かの多年草ハーブを育てましたが、2年以上収穫できた経験がありません。たとえワンシーズンでも、スーパーで買うと高価なハーブを自宅で収穫できるのは嬉しいものです。普段作らないようなハーブ料理を試すきっかけにもなり、料理のレパートリーが広がります。苗は安いものであれば100円以下で購入可能です。家庭菜園は子どもにとっても貴重で楽しい体験になるはず。これから5月ごろまでは、苗の種類が豊富な上に、成長もしやすい時期。簡単なものから挑戦してみてください。<文・写真:フリーランス記者奥汐紀>
2019年04月19日「子ども部屋をどうするか?」というのは、年頃の子どもがいる家庭では悩みの種のひとつだと思います。実際、筆者が塾講師をしていたときにも、当時の生徒の親御さんからこの種の相談をたくさん受けました。また兄弟がいるご家庭では部屋数が足りないという事情もあったりして、子ども部屋の有無については非常に頭を抱えるところでもあるようでした。そろそろ新年度が始まるということもあり、元塾講師の立場から“子ども部屋のアレコレについて”考察してみることにします。■ やっぱり、子ども部屋は必要!結論からいうと、元塾講師の見解としては、やはり子ども部屋はあった方が良いと思います。ふじよ / PIXTA(ピクスタ)筆者が受け持っていた生徒の中には、自分の子ども部屋を持たない子もいました。ただ、そうした子たちに共通しがちだったのが教科書やワーク、参考書の忘れ物あるいは無くし物が多く、授業に影響が出ている子が多かったということです。kazuma seki / PIXTA(ピクスタ)聞けば、自分の荷物置き場がないためあちこちに置き忘れてしまい、そのうちに無くなってしまうのだとか。その点、子ども部屋を持っている子は自分のスペース(テリトリー)内にそういうものをすべて置いておくことができるので、うっかりしたとき以外は忘れ物や無くし物をしないようでした。YsPhoto / PIXTA(ピクスタ)■ 一つの部屋をコーナー分けする形でもOK過去に、教科書やノートは忘れないのに、毎回プリントだけ「忘れた」と言ってくる生徒がいました。ハル / PIXTA(ピクスタ)理由を訊ねると、妹さんが捨ててしまうとのことでした。その子は姉妹で同じスペースに教材を置いていました。教科書には名前が書いてありますが、プリントには記名がなかったので、幼い妹さんは「私のでもないし、名前がないからお姉ちゃんのでもない」と判断してしまったのでしょう。それぞれに子ども部屋があるに越したことはありませんが、確保しきれない場合もあるでしょう。それならば、部屋の真ん中に机を向かい合わせに置く、本棚で仕切る、ベッドとデスクが一体型となった家具を置く、などしてそれぞれのスペースを確保してあげると良いと思います。hanapon1002 / PIXTA(ピクスタ)■ それも無理なら、最低限のスペースでも以前、子どもにどうやって整理整頓をさせれば良いのかわからない、と親御さんから相談を受けたことがありました。その時は塾でやっているように棚とプリント整理用のファイルを用意してあげてくださいとアドバイスさせてもらったのですが、その後自宅でもしっかりと整理するクセがついたそうです。happyphoto / PIXTA(ピクスタ)自己管理に自信がついたのか、宿題のやり忘れも減りました。まあ、これはその子に限ったことだったのかもしれませんが……。つまり、どうしても部屋を確保できない場合はカラーボックスや棚でも良いので、とにかくお子さまの持ち物を入れるスペースを確保してあげるのがベターだということです。pu- / PIXTA(ピクスタ)子ども部屋は必ずしも勉強の場である必要はありません。リビング学習のほうが良いという説もあるくらいですしね。ただ、自分のものを安心して置いておけるスペース、という見地からすれば、やはり用意してあげた方が良いのではないかと思います。
2019年03月29日子どもが小さいうちは、勉強を見てあげたり、目の届くところで宿題をさせたい…と、リビングで学習をさせている家庭も多いことでしょう。子どもの立場からしても、身近な人の声や生活音がある場所のほうがリラックスできそうですね。ただリビング学習において注意したいのが“照明”です。今回は照明コンサルタントの筆者が、リビング学習において気をつけたい照明について説明します。リビングでは明るさが足りていない?近年の流行として、リビングには埋め込み式のダウンライトが設けられていることが多く、そうでない場合にも“明るすぎない”明かりを使用する傾向が見られます。照明には昼光色と呼ばれる白っぽい光と、暖色と呼ばれるオレンジみを帯びた光がありますが、一般的にダウンライトや間接照明に用いられるのが後者の色です。暖色系の色みには落ち着きがあり、生活をするのにはいいのですが、学習する環境としてふさわしいものではありません。照明の明るさを表すもののひとつに“照度”があげられますが、勉強や読書の際には500~1000ルクスの照度が必要です。多くの家庭のリビングでは、この照度が足りておらず、照度が足りていないと字が見づらいために顔を近づけて見るようになり、視力低下や姿勢を悪くする原因となりかねません。局部照明を加えることで明るさアップに照度を上げるには、机の上に置くデスクライトで補うことができます。このとき、いくつかの注意点があります。・デスクライトを置く位置によっては、手で影を作ってしまうため、きき手の逆側にデスクライトを配置する・夜勉強するときには、デスクライトのみではなく、全体照明を使ってまわりも明るくする・明るすぎない光源を選ぶいずれも目に負担をかけないために必要なことですが、3つ目の光源選びにいたってはデスクライトを購入する際から考えておかなければなりません。デスクライトにも種類が多くありますので、目安として以下のようなものを選ぶといいでしょう。LEDを使用したもの最近ではほとんどの照明がLEDを使用しています。蛍光灯のように熱くならないため、子どもが触っても安全です。消費電力が少ないため、省エネにも。シェード幅の広いものシェードとは電気スタンドのかさの部分を意味します。デスクライトでは“電球のある部分”です。シェード幅が広いものは場所をとってしまうという難点もあるのですが、明るさのムラが少ないため目に負担をかけません。演色性の高いもの自然光があたったときの色が、どれだけ再現されているかを表すのが演色性です。“Ra”で表され、Ra100が自然色と同色です。自然色に近いほど目が疲れにくいため、勉強をする際にはRa80以上のものを選ぶことをおすすめします。購入の際には説明書きを確認してください。勉強をする環境の明るさは、集中力にも影響を及ぼします。今まで明かりには気をつかっていなかった人も、新学期前のこの時期にぜひ見直してみてくださいね。<文・写真:フリーランス記者沖田かへ>
2019年03月10日2018年4月から、小学校では道徳が「特別な教科」になりました。子どもたちの“心の教育”や“倫理観”は、これからますます重視され、学校だけではなく家庭や社会全体でも考えなければならない重要な問題になっていくでしょう。今回は、なぜ道徳を学ばなければいけないのか、そして家庭でも取り入れたい道徳教育についてお話します。なぜ今『道徳』に注目が集まるのか?まず、道徳が教科化された背景や目的について振り返ります。従来、小中学校では「道徳の時間」が週1回、教科外活動として設けられていました。親御さんの多くも記憶に残っているのではないでしょうか。その後、2015年には学習指導要領が一部改訂され、道徳は「特別の教科」(道徳科)になります。そして小学校は2018年から、中学校では2019年から全面実施されることが決定されたのです。■道徳教育が重要視されるようになった理由社会のグローバル化によって、今後ますます多種多様な文化や価値観を持った人と接する機会が増えます。お互いの違いを認めて受け入れることが求められる時代に、道徳教育は避けては通れない課題となりました。また、急速に発展したインターネット社会において、コミュニケーションの方法や倫理観にも大きな変化や新しい価値観が発生しました。そのため、対人関係の構築の仕方も家庭内の「しつけ」だけにとどまらず、社会全体で考えなければいけない教育の問題へと変化したのです。また、教科としての道徳教育を早急に推進していくにあたり、大きな影響を与えているのは「いじめ問題」です。従来の道徳教育では、「いじめは許されない」と発表させたり書かせたりするだけで、やや表面的な教育に終始していました。しかしこれからは、客観的な意見を出し合うよりも、「自分だったらどうするか」と真正面から問題に向き合うことが重要であり、現実のいじめ問題に対応できる資質や能力の育成が求められるようになったのです。■授業内容と評価基準教科外活動から「特別の教科」になった道徳。その授業内容はどのように変化していったのでしょうか。学習指導要領には、「自分の考えを基に話し合ったり書いたりするなどの言語活動を充実すること」と記載されています。つまり、従来の読んだり聞いたりするインプット重視の教育から、自分の考えをアウトプットすることを重視する方向へとシフトしているのです。道徳の授業を通して、「考える力」「議論する力」が求められるようになっていることも特徴だといえるでしょう。また道徳は「特別な教科」ということで、数値での評価はありません。道徳科における評価は他教科とは異なります。「他人の考えをしっかり受け止めている」など子どもが成長した様子を担任が見定め、「励まし、伸ばす」文章を書いてもらうことが評価となるのです。その際、ほかの子どもと比較することはせず、「規則の尊重」や「家族愛」など、内容項目ひとつひとつを評価しない、という決まりになっています。心の教育を軽視するとどうなる?道徳教育を考えるとき、東京都独自のある取り組みが参考になります。それは平成12年に策定された『こころの東京革命』です。■『こころの東京革命』とは?親と大人が責任を持ち、次代を担う子供の正義感や倫理観、思いやりの心を育み、自らが手本となりながら、人が生きて行く上で当然の心得を伝えていこうという取り組み。その中で、大人が子どもに伝えるべき大切なことをまとめているので、要約してご紹介します。また、その大切なことが身についていないとどうなってしまうのか、あわせてお伝えします。○社会の「きまり」や人との約束を守るみんなで決めた「きまり」や約束を守ることは、人との信頼関係を築き、維持するための基本であり、社会のなかで自分らしく生きていく上で欠くことができません。・きまりを守れないと秩序を乱して周囲から孤立してしまいます。その結果、自分には価値がないと思い込み、自己肯定感の低下につながります。○思いやりをもつ多様な人々と共に生きるためには、自分だけでなく他人にも心を配らなくてはいけません。思いやりとは、自分の欲しないことを他人にもしないという基本的姿勢から生まれてくるものであり、他人を愛する心をもつことが大切です。・他者への思いやりがないと自分を大切にすることもできません。すると、何事にも無気力で投げやりになってしまいまいます。○自らを律する時と場合に応じて我慢をし、かつ目標を見失わずに粘り強く物事をやり遂げることで、自らを律することの大切さと達成の喜びを感じられます。・我慢ができないと自分の要求を力づくで通そうとします。すぐに結果を求めるようになり、諦めが早くなります。○責任感、正義感をもつ自分に与えられた役割を果たし、自分の行為に責任をとるとき、人は大切な存在として尊ばれます。公平公正に対応しようとする態度、善悪の判断がしっかりでき、人として許されないことにはノーと言える強い意志をもつことが大切です。・責任感と正義感の欠如は、すぐに投げ出したり逃げたりすることにつながります。自分の判断基準が曖昧だと人に流され、決断力も身につきません。○人々や社会のために役立つことに喜びを見いだす人々や社会のために役立つことを自ら積極的に行い、また、さまざまな人々との関わりを通して何かをやり遂げることは、社会を豊かにするとともに、自分自身の充実感を高めることにもつながっていくものです。・人のために行動ができないと、自己中心的で他者の気持ちが理解できない人間になります。家庭でできる道徳教育道徳教育は、学校で学ぶだけで身につくものではありません。子どもたちが育つ環境、つまり家庭における役割がとても重要であることは言うまでもなく、親としてどのようにして子どもに道徳心を教えるのかは重要な課題です。そこで、家庭でも取り入れやすい道徳教育をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。■ピグマリオン効果を利用して絵本から道徳心を学ぶ時代を超えて語り継がれてきた物語には、「悪いことをすれば自分にかかえってくる」「正直な人にはよいことがある」といった道徳的な概念を学ぶのに適した内容が多いのが特徴的です。絵本スタイリスト®︎景山聖子さんも、「Study Hacker こどもまなび☆ラボ」の人気連載「絵本読み聞かせコーチング」で、子どもの道徳心を育む方法を紹介しています。たとえば「お友だちと仲良くしてほしい」「困っている人に手を差し伸べるような子になってほしい」と望むのなら、そんな“理想の行動”をしている人物が出てくるお話を読み聞かせるのです。(中略)そして絵本を読み聞かせてから、お母さんは子どもにこうなってほしいという思いを込めて「○○ちゃんみたいだね」と言い、後は子どもを信じ続けてください。このプロセスを何度も繰り返すだけで、期待が現実化し、子どもの行動が変わっていきます。(引用元:Study Hacker こどもまなび☆ラボ|100回叱るより1冊の絵本。「ピグマリオン効果」を引き出す読み聞かせで、幸せを現実のものに)これは「ピグマリオン効果」を利用した方法です。ピグマリオン効果とは、相手に期待することで、相手もこちらからの期待に応えようとするため、最終的に「期待通りの結果」を得られる現象のこと。絵本に限らず、普段から「○○くんはお友だちの気持ちがわかる優しい子だね」と語りかけてあげるだけで、その効果は実感できるはずです。■役割を与えて責任感や自信を植えつける子育てや教育、社会問題などの記事を多数執筆するシアトル在住のアイネズ・モーベーン・ジョーンズ氏は、日本ならではの優れた教育に着目しています。それは、掃除や給食、動物の世話係に至るまで、さまざまな「役割」を子どもたちに課していること。そして、それらの活動を通して子どもたちの道徳心や倫理観は育まれる、と述べています。仲間と協力し合うこと、責任感を持つこと、あとの人のことを考えて行動すること、ズルをしたら必ず誰かに迷惑がかかること。日々の学校生活の中で、子どもたちは自然とそれらを学び、無意識のうちに身につけているのです。もちろん家庭でも取り入れることができます。「これは○○ちゃんに任せようかな」「これからは玄関のお掃除係になってね」と、子どもでもできる簡単なことから任せてみましょう。すると、自分に与えられた役割をきちんとこなそうと努力し、褒められた喜びが自信につながり、さらに家族を喜ばせようとポジティブな行動力が芽生えます。■親子で一緒に「答えのない問題」について考える家庭での道徳教育にぜひ活用してほしいのが、こちらの本です。『答えのない道徳の問題どう解く?』(ポプラ社)この本は、これからの時代を生き抜く力を育むために、対話から子どもの本音を引き出すことを目的としています。・ついていい嘘と、ついちゃいけない嘘ってどう違うの?・どうして正義のヒーローは、悪者を殴ってもいいんだろう?・ネット上の友だちと学校の友だち、どっちが本当の友だち?これらの疑問に対して、教育評論家の尾木直樹さんや詩人の谷川俊太郎さん、卓球の水谷準選手などの著名人が真剣に向き合い、独自の回答を提示してくれます。正解のない問いを親子で一緒に考える良いきっかけにもなりますね。***答えがない道徳教育だからこそ、ぜひ親子で一緒に考えてみませんか?深く話し合ってみると、大人が思っている以上に子どももいろいろなことを考えているとわかり、お子さんの意外な一面を発見できますよ。(参考)Study Hacker こどもまなび☆ラボ|道徳教育の必要性とは?「特別の教科」になった本当の理由Study Hacker こどもまなび☆ラボ|“心の教育”忘れてない?確かな学力・健やかな体の基盤になる『道徳力』を育てるヒント東京都|「こころの東京革命」行動プラン ~大人が変われば、子供も変わる~Study Hacker こどもまなび☆ラボ|100回叱るより1冊の絵本。「ピグマリオン効果」を引き出す読み聞かせで、幸せを現実のものに東洋経済ONLINE|外国人が感じた日本の「道徳教育」のすごみ文 やまざきひろし/絵 きむらよう・にさわだいらはるひと(2018年),『答えのない道徳の問題どう解く?』,ポプラ社.
2019年03月06日まるで学校や塾の先生のように、子どもに勉強を教えている教育熱心な親御さんもいるかもしれません。でも、それは家庭教育で本当に重要なことではないと指摘するのは、ウェブサイト「中学受験情報局『かしこい塾の使い方』」主任相談員の小川大介さん。では、その「家庭環境で本当に重要なこと」とはどんなものでしょうか。小川さんは「子どもの『成長したい』という意欲をつくること」、そして「子どもが心地良く勉強できる環境づくり」だと語ります。構成/岩川悟(slipstream)取材・文/清家茂樹(ESS)写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)学校、地域、家庭——3つの教育が人間を育てる家庭環境の大切さをお伝えする前に、大前提として教育には3つの種類があり、それぞれに役割があることを知っておいてほしいと思います。その3つとは、「学校教育」「地域教育」「家庭教育」です。まずは「学校教育」の意義についてです。学校教育がなかった古い時代の教育というのは、地域と家庭だけでおこなわれていました。でも、それでは当然のことながら得られる知識が限られてしまいます。学校とは、まとまった体系的な知識を学び、課題に取り組める場です。しかも、親や地域の大人とはちがう専門性を持つ教師が、子どもの成長の度合いに合わせて適切な課題を与えてくれる。そういう意味で、いうまでもなく学校教育は重要なものです。「地域教育」は、多様性を知るために重要なものです。地域の祭りや習い事の教室で、年代も価値観も異なる多くの人たちと会う。そうして子どもは自分の世界を広げていきます。学校にも多くの人間が集まりますが、学校は一定の体系のもとに成り立っていて、その教育は基本的に一方通行。本当の意味での多様性は学校教育ではなく、地域教育で知るものなのです。そして、親御さんが大きな役割を果たすのが「家庭教育」。家庭教育のもっとも重要な要素は、「子どもに安心感と自信を与える」こと。家族とのふれあいのなかで子どもは自分の存在を認められ、「自分は生きていていいんだ」と安心し、自信を持つ。それが「成長したい」という意欲、成長の土台をつくるのです。家庭教育のもうひとつの重要な要素として、「誰よりも親が子どもの近くにいる存在」であることが挙げられます。子どもは自ら学び行動する力を持っていますが、その力を発揮するにはあることが必要です。それは、親による「フィードバック」です。学校で先生に褒められた話をしたら、お父さんがよろこんでくれた。一生懸命にスポーツの練習をしていたら、見学に来ていたお母さんが微笑みながら見ていてくれた。自分の言葉や行動に、いちばん近くで見てくれている親がなにかを返してくれるから、子どもはさらに動こうとする。もちろん、「もっと頑張ろう!」と思う。それが子どもの原動力になるのです。家庭「教育」というと、どうしても学校教育のような勉強を家でもさせることのように思ってしまう親御さんもいますよね。でも、家庭教育とはそういうものではない。子どものなかに「勉強が楽しい」「できるようになったらうれしい」というマインドを育ててあげることがなによりも重要なのです。勉強部屋にこだわらずに集中できる空間を選ぶそういうマインドを育てることは大切ですが、一方で、「家庭」という場が勉強に適した環境であることも確かです。「リビング学習」という言葉を知っている人なら、「東大生の多くがリビングで勉強していた」という話も耳にしたことがあるでしょう。ただ、「東大生にはリビング学習経験者が多かったから、リビング学習をすればかしこくなる」と勘違いしている人も多いようです。しかし、残念ながらリビングで勉強をするだけで東大に行けるほど学力が上がるわけではありません。東大に受かるような勉強ができる子どもは、「自分がいつどんなやり方で勉強をすれば効率的か、楽なのか」を感覚としてつかんでいます。たとえば、「数学をやるときには時計の音すら聞こえない静かなところでやりたい」とか、「生物の勉強は眠くなるから喫茶店のほうがいい」といった具合に自己分析ができている場合が多いようです。ノートなど筆記用具の使い方から勉強のメニューのつくり方、タイムテーブル、そして場所の選び方まで、自分なりのスタイルをきっちりつかんでいるのです。上記のように自己分析できる子たちですから、勉強をするからといって勉強部屋だけにこもるような方法を彼らは選びません。たとえば、「リラックスして柔軟にものを考えたいときは、家族の会話や生活音がちょっと聞こえるシチュエーションでやりたい」というふうに考えることもあるのです。勉強部屋だけにこだわらず、さまざまな勉強をするにあたってそれぞれベストの空間をチョイスした結果、気がついたらリビングの滞在時間が長くなっていた――それだけのことなのです。ただ、頭がいい子どもはリビング学習の比率が比較的高くなることは、じつは理にかなっています。なぜなら、どういうときに人間が集中しやすいかというと、「リラックスできる空間にいて、かつ適度な緊張感と安心感がある」ときだからです。それは、まさにリビングです。一方、自分ひとりの空間である勉強部屋は、あくまでも自分だけの世界ですから緊張感はなく、集中力も下がりやすい場所だと考えることができる。もちろん、これは大学受験を控えた受験生に限ったことではありません。むしろ自分で環境をつくったり選んだりすることが難しい小さな子どもがいる親御さんこそ、きちんと知っておくべきことではないでしょうか。勉強だからと勉強部屋に缶詰めにしても、勉強の内容によっては逆に子どもがまったく集中できないこともあるのです。「子どもがいまやろうとしている内容を、もっとも心地良く集中してやれる場所はどこか」と子どもと一緒に考え、ベストな環境を選んであげてください。親は、世界中の誰よりも子どものそばにいて、好き嫌いをいちばんわかってあげられる存在なのですから。『親も子もハッピーになる最強の子育て』小川大介 著/ウェッジ(2018)■ 中学受験のプロ・小川大介さん インタビュー一覧第1回:“国語嫌い”になりやすい子どものタイプと、親がやりがちな間違った教育法第2回:“リビング学習でかしこくなる”は勘違い。東大生がリビングで勉強する本当の理由第3回:子どもは勝手にかしこく育つ。“自ら学ぶ力”を伸ばす辞書・地図・図鑑の活用法(※近日公開)第4回:“後伸び”する子としない子の違い。成長後に学力が急伸する幼少期の過ごし方(※近日公開)【プロフィール】小川大介(おがわ・だいすけ)1973年生まれ、大阪府出身。ウェブサイト「中学受験情報局『かしこい塾の使い方』」主任相談員。プロ家庭教師集団「名門指導会」副代表。京都大学法学部卒業。関西最大手の進学塾の看板講師として活躍後、個別指導教室「SS-1」を創設。教科指導スキルに、声かけメソッド、逆算思考、習慣化指導を組み合わせ、短期間での成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。家庭をひとつのチームと見立てておこなう独自のカウンセリングは実施数5000回を超え、高い精度でクライアントを成功へ導いている。受験学習はもとより、幼年期からの子どもの能力の伸ばし方、親子関係の築き方といった子ども教育分野でも定評がある。著書に『1日3分! 頭がよくなる子どもとの遊びかた』(大和書房)、『頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある』(すばる舎)、『親子で学べる! カピバラさんドリル 小学社会47都道府県』(かんき出版)など多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年03月05日「学習机って、どう選べばいい?」「そもそも学習机って必要なの?」「学用品ってどれくらいある?収納はどうする?」ランドセルを準備したら、次に気になるのは学習机ですよね。学習机はどのようにして選べばいいのでしょうか?子ども家具も人気のインテリアショップACTUS(アクタス)主催の「リアルママと一緒に考える インテリアのプロが教える、学習机の選び方講座」を取材しました。先輩ママの学習机の購入・使用体験談と、プロによる子ども家具の20年の歴史と開発に対する思いをご紹介します。子どもの学習環境整備の参考にしてみてください。■ 小学生ママ2人に聞く!学習机の購入・使用体験談アクタスの学習机を使って数年。小学3年生~未就学児3人の子を持つ先輩ママ2名が、学習机の選び方から日常の体験談まで語ってくださいました。ケース1.子どもの成長に応じて、机の使い方や勉強の仕方は変わる先輩ママの1人は、家族5人で2LDK のマンション住まい。省スペースに設置できて、スタイリッシュなデザインに惹かれ、アクタスのVARIO(ヴァリオ)シリーズの学習机を、きょうだい2名分購入されました。その後、子どもの成長によって、机の使いかたや勉強の仕方が変わってきたことで、学習机の設置場所を3年間で3回変更してきたそう。子ども部屋に置いてもリビングダイニングに置いても、他のインテリアとなじみ、すんなり収まるサイズ感に感心されていました。ケース2.リビング学習の勘違い!? ダイニングテーブルでの学習はNG?「リビング学習」という言葉が定着していますが、ダイニングテーブルでの学習をイメージされる方も多いのではないでしょうか。もう1人のママも、1人目のお子さんの小学校入学直後は、ダイニングテーブルで宿題をされていたそう。ワーキングマザーのため、夕方に子どもたちと帰宅後、ママはキッチンで夕食づくり。上のお子さんはダイニングテーブルで宿題を。下のお子さんはリビングでテレビを見たり遊んだり……。そうなると、小学1年生が集中して学習できるわけもなく、ママが夕食を作り終えるまでに宿題が終わらない。しかたがないので、夕食を食べるためにダイニングテーブルに散らかった教材をいったん除けて……。中断した宿題はやる気をなくしてしまいますし、子どもの学習習慣を身につけなくてはと焦るママは、イライラの毎日……。その経験から、LDKの中で学習するにしても、ダイニングテーブルとは別の場所=学習机を用意してあげる必要を感じたそうです。小学生の持ち物は多い!しかも6年間で最大5倍増える!2人のママが口を揃えて力説していたのは、小学生の持ち物の多さ。ランドセルや教科書だけでなく、毎日持っていくハンカチ、ティッシュ、歯ブラシ、コップ、マスク、ランチョンマットや、毎週持ち帰る上靴、給食袋、体操服。そして学期末に持ち帰る道具箱、算数セット、ピアニカ、習字道具など。これに加えて、子どもの趣味の本やおもちゃ、工作物、通信教育の教材や習い事の道具も……。この記事では書ききれないほどの持ち物があるそうです。しかもこの持ち物、学年が上がるごとに増えて、6年間で最大5倍増えるというデータも!低学年のうちは、学習机に備わった収納だけで足りる場合もありますが、高学年になると収納棚が必要になるかもしれませんね。■ インテリアのプロに聞く!アクタスの子ども家具、20年の思いアクタスが子ども家具を作り始めたきっかけと、20年間つくり続けてきた思いをお聞きしました。1通のお手紙からはじまった、子ども家具づくり20年前、キャラクターを満載したロボットのような形の学習机が主流だったころ。「うちの子が将来使えるシンプルな学習机を、アクタスさんぜひ作ってください」というお便りが届いたそうです。それをきっかけに、「子どもは基地づくりが好き!」というコンセプトで、学習机とベッドなどの子ども家具を開発されました。それ以来、子供の成長や将来の生活の変化を想像しながら「子ども用の机」としてではなく、大人にも長く愛される製品を販売。現在では、6種類のシリーズで、学習机のみならず、チェスト、キャビネット、チェアなど、自由に組み合わせができるように展開されています。テーマは「継承」と「経年美化」子どもの学習机を、子どもが大人になるまで大切に使ってくれたらうれしいですよね。しかも子どもが使わなくなったあと処分するのではなく、親である私たちが使えたら無駄がありません。アクタスでは、「継承」をテーマに、長年使えるシンプルなデザインと耐久性を備えた、ロングライフな製品づくりが行われています。無垢の木材を使用した家具は、傷の修復もできますし、長年使うことで艶も出て「経年劣化」ではなく「経年美化」を楽しめます。子どもが小さいころにうれしい、カラフルで可愛らしいパーツは取り外すことが可能。ライトやチェアを大人仕様に変えれば、長年使うことができますね。アクタスの机はデザイン重視で高額?でも安全性はそれ以上!アクスの子ども家具と言えば、デザインがオシャレだけど、簡単に購入できる金額ではないですよね。シリーズにもよりますが、机と引出しのみの最小スペックでも10万円弱~の価格帯。ましてや、先輩ママたちの助言を取り入れて、たっぷりある学用品を収納できる収納棚や、高さを変えられる無垢材のチェアを購入すると……さらに、きょうだいでお揃いにすると……。大変なお値段になりますね。だけど、高価なものには理由があります。それは、長年の使用に耐えうるデザインや、質の高い素材の使用というだけではなく、安全性の高さです。「F☆☆☆☆」という基準をご存じでしょうか。シックハウス症候群を引き起こす原因とされる有害物質、ホルムアルデヒドの発散量を表す等級で、「F☆☆☆☆」は最上位規格を示すマークです。壁紙などの建材には、建築基準法によってホルムアルデヒドに関する基準の取り決めがありますが、家具にはこのような取り決めがないそう。表示義務はないので確かめることはできませんが、そういえば店頭に展示されている安価な家具から漂う刺激臭、筆者は感じたことがあります。わが家は子どもに喘息とアレルギーがあるので、子どもが毎日触れる家具の安全性は重視したいところ。アクタスの木製子ども家具は、ほぼ100%の製品が「F☆☆☆☆」基準をクリアしているそうです。いかがでしたか?ランドセルは高価な割に最大で6年間しか使用できませんが、学習机はもっと長く使えるもの。アクタスの学習机を使われている先輩ママの体験談と、アクタスの子ども家具の特徴をご紹介しました。学習机選びの参考にしてみてくださいね。「整える」ほど丁寧じゃなく「トノエル」くらいがちょうどいい。整理収納アドバイザーのトノエルでした。※掲載している商品名や価格は2019年2月時点の内容です。※取材協力ACTUS(アクタス)
2019年03月01日