結婚7年目で離婚を決断した、29歳のまるたおかめさん。ひとまず、小学校1年生の息子・おまめくんと1歳半の娘・こまめちゃんとともに家を出ることを考えます。引っ越しに際し、潤沢とはいえない予算で物件を探していたおかめさん。やっとの思いで条件に合う物件を見つけ、不動産屋に問い合わせます。すると、早く契約を取りたいのか、峰田と名乗る担当者から前のめりなメッセージが何通も届きました。しかし、「子どもが2人いてシングルマザーになる予定」とメッセージを送ると、パタリと連絡が途絶えたのです。「シンママだから嫌がられたってこと……?」とショックを受けますが、離婚をして子どもと3人で生活すると決心していたおかめさんは、諦めずに峰田さんにメッセージを送っていました。 その後、なんとか内見の約束を取り付けるも、峰田さんからのメッセージは、簡素で丁寧とは言い難いもの。そこで、不動産屋の口コミを確認してみると、峰田さんに対する不満の声や「シングルマザーだと伝えると、内見すらさせてもらえなかった」などの書き込みがあったのです。 口コミを見て諦めがついたおかめさん。仲介料の安さに魅力に感じていた不動産屋だっため、峰田さんとの内見をキャンセルし、同じ会社の違う店舗に問い合わせをすることにしましたが……。 崖っぷち家探しに希望の光…!? 峰田さんの不誠実な対応を経験し、不動産屋への問い合わせをちゅうちょしてしまうおかめさん。 「またシンママお断りだったらどうするよ~」「いや、でも隠して探すことはできないし、シンママであることに悩んでいても仕方ないのよっ!」 もし、ダメでもまた探せばいいと前向きに考え、違う店舗に内見希望のメッセージを送りました。 次の日、家事の合間にスマホを確認すると、問い合わせ先の不動産屋からメッセージが届きていることに気づきます。 「どうしよ……悪い方向にばかり考えちゃうな……。峰田のせいだわっ……絶対許さねぇ……」 恐る恐るメッセージを確認するおかめさん。するとそこには、峰田さんの対応とはまるで違う丁寧なメッセージが書かれていました。 追加で物件を提案してくれること、来店時に子どもも歓迎であること。思いもよらなかったメッセージの内容に、思わず「……まじか……」と言葉がもれます。 おかめさんの不安を打ち消し、家探しが動き出したのでした。 シンママであることを理由に冷遇されてしまったおかめさんですが、安心できる不動産屋に巡り合うことができて、本当によかったですね。 嫌な思いをしながらも、「子どもと3人で新生活を始めるため!」と、前向きに家探しを進めたおかめさん。無事、家を決めることができたのでしょうか……? おかめさんがお子さんとともに、楽しく生活していることを願うばかりです。 著者:マンガ家・イラストレーター まるたおかめ
2023年12月13日結婚7年目で離婚を決意した、29歳のまるたおかめさん。ひとまず、小学校1年生の息子・おまめくんと1歳半の娘・こまめちゃんとともに家を出ることを考えます。家を出るにあたり、実家に移り住むか、家の近くに引っ越すかで悩んでいたおかめさん。しかし実家は、“田舎文化”が色濃く残る地域でした。そのような環境に苦手意識があったおかめさんですが、加えて、過干渉なおかめさんの母親の元でわが子を育てることに、不安な気持ちがありました。おかめさんは悩んだ末、おまめくんの意見を聞いてみることに。 するとおまめくんは、友だちと離れたくない気持ちから「転校は嫌だな……」とひと言。わが子の言葉で、「私だって本当は、家族3人で暮らしたい」とおかめさん自身の気持ちに気付いたのです。 子どもたちと3人での生活を決意したおかめさん。しかし、すぐに「まずはお金だよなぁ……」と顔を曇らせ……。 離婚に向けた家探しは… ※訂正:(誤)受給停止→(正)支給停止 わが子と3人での引っ越しを決意したおかめさんは、出版予定の書籍の執筆作業中でした。しかし、原稿料が入るのは書籍が完成してから。仕事をしていても、収入がない状態だったのです。 「私なんかに借りられる家があるのか……?」と不安がよぎります。 ひとまず、周辺の家賃相場を調べることに。賃貸サイトで希望の条件に合う部屋を検索してみると……。 「これは……いけるかも……!?」 目を輝かせるおかめさんですが、実は数カ月前、離婚した場合の生活費について調べていました。 ひとり親が行政から受けられる支援や、養育費などについて調べ、おおよその家賃を想定。離婚、引っ越しを決意後、希望の条件で物件を検索すると、予算内で家が見つかりそうだったのです。 「こっこれは……ついに……めちゃくちゃいいじゃんっ……!」 条件にぴったりの物件を見つけたおかめさんは、興奮するのでした。 実家に住む選択肢もあったおかめさんですが、子どもや自身の心の安定を優先し、子どもと3人での生活を決意しました。数カ月前から生活費について調べていたように、子どもを養っていくためにも、離婚にはお金の問題がついてまわるのではないでしょうか。ひとり親が行政から受けられる支援は、地域によって異なるものもあります。必要になった場合は、しっかりと調べ、適切な支援を受けましょう。 >>次の話 著者:マンガ家・イラストレーター まるたおかめ
2023年12月07日3月になり、家探しがいよいよ大詰め!というかたも多いのではないでしょうか?不動産会社を経営する尾崎将之さんに、絶対に後悔をしない部屋探しのポイントを教えてもらいました。不動産経営者が教える! 絶対に後悔をしない部屋探しのポイント――部屋探しをする時に、絶対にしてはいけないことは何ですか?尾崎さん家賃以外の条件を絞りきらないことです。部屋探しをする時、予算を決めたら、絶対に譲れない条件を3つまで、例えば最寄り駅やバストイレ別など、を決めてください。職場や学校までドアtoドアで何分以内で、最寄り駅や使用路線はどこで、駅徒歩何分以内で、何平米以上で、方角は…等、さまざまな希望条件がでてくると思います。家賃にいくらでもかけられるのであれば、全ての条件を満たす部屋は見つかります。しかし、そんなかたはほとんどいません。予算内で、譲れない条件を絞りながら自分に合った良い部屋を探していくのです。――オススメの間取りや方角ってありますか?尾崎さん私は、オススメの間取りや方角というのは無いと考えています。確かに、南向きの部屋は日当たりが良く、人気があります。しかし、窓側にすごく大きな建物があったり、ライフスタイル的に家は寝るだけの場所ということであれば、方角はあまり関係ないと言えます。個人的には、同じ平米数のお部屋の場合、細長い形より、より正方形に近い部屋の形のほうが広く感じられるので、そのような部屋が好きです。ただ、これも、人それぞれの感じかた次第なので、なんとも言えませんが…。コスパがいい部屋は?と聞かれたら、エレベーターがついていない、木造の部屋をオススメします。エレベーターの保守費用は高額なので、賃料もその分高くなっているんです。――自分に合う部屋を探すために必要なことってなんですか?尾崎さんまず、不動産仲介業の人にいつまでに引っ越しをしなければいけないとタイムリミットを伝えることです。このひと言があるかないかで、担当者のやる気が変わるといっても過言ではありません。逆にNGなのは、「いい部屋があれば引っ越ししたい」というワード。経験上、そのようなお客さまは切羽詰まっていないので、希望条件が細かく、契約に至らないことがほとんどなので、担当者の士気が下がってしまうことが多いのです。あとは、あなたのライフスタイルをお伝えするのも良いと思います。そして、一番大切なのは、実際に部屋を見に行くこと。ここ数年、コロナのため、オンライン内覧会等ありましたが、良い部屋を見つけるためには自分の目で確かめることが必要です。最初に、譲れない条件を3つほど、と言いましたが、内覧すると条件が絞られてきたり、本当に譲れない条件に気づいたり、譲れないと思っていたことが実はどうでもいいことだったりということがよくあります。以前、駅近が最重要条件といっていたかたが、いざ最寄り駅周辺の部屋を見ると、商店街が賑やかで歩くのが楽しそうということで、駅から少し離れた商店街の入り口にある家賃が予算より1万円安い部屋に決めたということがありました。このように、部屋とその周辺の環境は実際に見てみないとわかりません。いくつか部屋を見ながら、自分のライフスタイルと照らし合わせていくと、本当に譲れない条件というものが浮かび上がり、その人に合った部屋に巡り合えるんです。賃貸情報サイトを見ると、平米数や方角などのスペックはわかります。紙面上は同じようなスペックのお部屋でも、実際に訪問すると廊下の幅の広さや天井の高さ、光の入りかた、キッチンの高さ等が異なり、自分が心地よいと感じるポイントがわかると思います。――良いなと感じた部屋が複数ある場合、どこを比較するといいですか?尾崎さん個人的な意見ではありますが、ぜひ、その部屋の施工会社を比較してください。オススメは、大手メーカーが施工している部屋です。一概には言えませんが、大手メーカーのほうが家自体の作りがしっかりとしていて、感覚的に住み心地のよい家が多い傾向があると感じています。また、建材も良いものを使っている場合が多いようです。安い建材は音が響きやすく、住民トラブルの原因第一位の騒音に繋がる可能性があります。複数の部屋を見ることは、とても大変だと思いますが、サイトや紙でみるスペックに惑わされず、自分にあった部屋を探しをしてくださいね。部屋探しをするときのNGポイントはこちら。NG1:予算以外の希望条件が多すぎるNG2:価値観やライフスタイルを考慮せず、一般的に人気の物件に飛びつくNG3:不動産仲介担当者にタイムリミットやライフスタイルを伝えないNG4:内見せずに部屋を決めるNG5:物件の施工会社をチェックしないどうぞご参考にしてくださいね。尾崎将之さん不動産業界歴15年以上。現在は、不動産売買やマンションのオーナーを務める。不動産業の傍ら、ビリヤードのプロ選手としても活躍中。文・小田原みみ
2023年03月12日マンションの取り壊しに伴い、1年以内に退去しなければならないと告げられた一家。妻は長女を出産し、育児に奮闘中。増税前に、小さな子を抱えながらの家探し・引っ越し……妻は不安が募ります。これまで新築のマンション、販売型モデルルームと、2社見学してきたみほさん夫妻。どちらも魅力的な物件ではあったものの、購入には至りませんでした。 しかし「9カ月あれば注文住宅が建てられる」ということを知り、土地の購入も視野に入れて再度探し始めます。 そしてこれまで見学した物件を改めて調べてみたみほさん夫婦は、思いもよらない事実を知ることになります。 後から分かった事実。この経験をもとに再出発! ※言わないあかん→言わなあかん ※二人目の考えてるし→二人目も考えてるし これまで見学した物件を改めて調べてみると、モデルハウスの近くにはラブホテルがあったり、マンションの南側に違うマンションが建つ計画があったりと、担当スタッフからは聞かされていなかった事実が色々と分かってきました。 そこで、「これからはいいなって思う物件があっても、一旦話を持ち帰って自分達で調べよう」と夫。 そして、「私は当分働く予定もないので、ローンも今の旦那の収入で無理なく返せる範囲で!」と妻。 さらに「いいなって思ってもその場でデレデレしない」「アンケートの貯金額を書くところには少なめの金額を書いて“これ以上は出せません”って強気でいく」と提案。 みほさん夫婦はこれまでの経験を最大限に活かし、違う物件を見に行こうとしているのでした。 これまでみほさん夫婦が見た物件はどれも好印象なものばかりでしたが、よく調べてみると知らなかった事実が色々と出てきたようです。事前に教えてほしいものですが、必ずしも担当者が教えてくれるとは限りません。 良い条件の物件があってもその場で飛びつかず、一度持ち帰って冷静に調べて考えようと決めた、みほさん夫婦。次に見に行く物件が、みほさん夫婦の条件に合う物件だと良いですね!著者:マンガ家・イラストレーター みほ女の子と男の子のママ。
2023年02月09日進学、就職、異動で賃貸物件を探しているというかたも多いのではないでしょうか?毎日過ごす家だからこそ、絶対に間違った選択は避けたいし、損はしたくないですよね。不動産営業の経験があり、現在はマンションの管理人を務めるカミナカさんに、物件探し時に気を付けるべきことを教えてもらいました。マンション管理人直伝!気を付けたほうがいい物件の特徴【マンション管理人が教える賃貸物件のあれこれ】vol.1――物件を探していると、契約時に「敷金」「礼金」が必要なところがありますが、あのお金って一体何に使われるんですか?カミナカさんまず、敷金から説明しますね。通常、敷金は退去時のお部屋のクリーニングやリフォーム代として充てられます。これらの代金は、通常は敷金内で収まり、差額は返金されます。また、敷金は預り金なんです。なので、入居したものの、何らかの理由で家賃を滞納してしまった場合、まずは敷金から家賃をお支払いいただくことがあります。その場合、退去時のルームクリーニング費用等に不足が生じれば、別途請求されます。礼金は、その物件の家主に対するお礼金です。このお金は、退去時に返金されません。以前は、賃貸物件に入居する際、借主が家主に対して「お世話になります」というように、立場的に家主が上に立つ場合が多かったように感じます。しかし、ここ最近、賃貸物件の契約はお互い様という風潮が強まり、礼金が必要な物件は減少しつつあります。とはいえ、人気の高い新築物件は貸し手市場なので、強気で礼金を設定している場合もあります。――たまに、「敷金・礼金ゼロ」という物件もありますが、あれは一体どういうカラクリなんでしょうか?カミナカさん一概には言えませんが、家賃を高めに設定している場合が多いのではないでしょうか。物件を借りる際、まとまったお金が必要なので、その金額が少しでも安いほうがいいと考える人が多いと思います。しかし、敷金礼金ゼロの物件は条件的に割高になってしまう場合があるので、要注意です。本来であれば敷金から支払われるはずの退去時のクリーニング代がどうなっているかなど、必ず事前に確認しておいたほうがいいですね。――家賃交渉をするコツってありますか?カミナカさん物件も人の動きも少ない6~8月の物件探しは、他の時期に比べると比較的家賃交渉をしやすい時期と言えます。逆に、1~3月と9~11月は家賃交渉が難しい時期。1~3月は、進学、就職、異動で1年でいちばん物件も人も動き、9~11月は意外と異動があって人が動くんです。このような時期は、わざわざ賃料を下げなくても賃貸契約に結び付く物件が多いので、家賃を下げない場合が多いと思います。とはいえ、賃料を下げる下げないは全て家主の意向次第。家賃交渉をされることを見越して少しだけ高めに設定している人もいれば、その時の空室率によって対応が変わる人もいれば、絶対に交渉に応じない人もいます。個人的にはダメ元で交渉するのをオススメします。――物件を探す時に、絶対にチェックすべき見逃しがちなポイントってありますか?カミナカさん2つあって、ひとつめは可能な限り、夜にその物件の周辺の状況を確認することです。街灯の数や明るさなど、夜にならないと分からない状況を知っておくことがオススメです。そして、もうひとつは、物件見学の際に必ず共用部をチェックしておくこと。物件を見に行く時って、気持ちがお部屋だけに向いていることが多いと思います。だけど、マンションのエントランスやエレベーターホール、廊下、ゴミ置き場等の共用部がキレイな物件は、家主さんがきちんと管理している場合が多く、逆に汚れが目立つ場合は、管理が甘い物件が多いと思います。管理がしっかりしているほうが、困りごとが生じた際に家主に相談しやすく、安心して暮らせるのではないでしょうか。――これから物件探しをするかたにアドバイスはありますか?カミナカさん1~3月は引っ越しの予定があるけど、まだ確定ではない、具体的な場所が決まっていない、というかたが多いと思います。このような時期にできることは、例えば、進学の予定があれば、その学校の学生は何線沿いに住んでいる人が多いのか、何駅に住んでいる人が多いのか、というリサーチをすることがオススメです。インターネットでこの物件いいな!と思って、いざ仲介会社に行ってみると、既に他のかたに決まってしまったということが多々あると思います。しかし、残念に思うことはありません。この時期は本当に賃貸物件が動く時期なので、必ず見つかりますよ。教えてくれた人カミナカさん宅地建物取引士所持。不動産業界に携わって20数年。現在は、約50戸のマンションの管理人を務める。心を揺さぶる音楽が好き。©GLIDEi7/Getty Images文・小田原みみ
2023年01月27日