引っ越し時に気になるのは、賃貸物件を退去する時の修繕費や清掃費ではないでしょうか。「敷金は返ってくるの?」「退去時の出費を最小限に抑えるワザはあるの?」そんな疑問に対して、不動産の『CHINTAI』公式サイトが回答しています。敷金について敷金とは、入居者が物件や設備を破損させたり汚したりした時の修繕費用や、家賃の支払いが滞った時の費用に充てるお金のことです。では、特にトラブルもない場合、敷金はどの程度戻ってくるのでしょうか。退去時に返還される敷金は、以下のような計算で決められます。敷金の返還額=支払った敷金−退去費用退去費用とは、次の入居者を迎えるのに必要な部屋の修繕や清掃にかかる費用のこと。退去費用がかからなければ敷金は全額返還してもらえることになる。しかし実際のところ、支払った敷金が全額戻ってくるケースは少ない。CHINTAIーより引用少なくとも、2万円程度はハウスクリーニング代として敷金から引かれると考えておいていいでしょう。原状回復の義務入居者は賃貸物件に対して原状回復する義務があり、入居した時とできるだけ同じ状態に戻して退去しなければいけません。国土交通省の『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』では、原状回復の費用負担のあり方についての基準を示しています。それによると、入居者が掃除を怠けたり、わざと壁に穴を空けたり、汚してしまったりした場合は、修理費用は入居者が負担しなければなりません。しかし、物件を入居者が丁寧に使っていても、使い続けていれば多少の汚れや劣化は発生してしまうもの。通常使用による経年劣化や日焼けなどの自然現象が原因であれば、修理費用は貸主の負担になります。敷金を多く返還してもらうためのポイント重要なのは、なるべく入居開始時から劣化させないことです。そのため入居中は、家具の配置や使用方法に注意しながら過ごしましょう。たとえば、下記のような対策がおすすめです。・床にラグを敷くことで家具の移動や使用による床面の傷を防ぐ・椅子の脚にクッションツールを取り付け、床面の傷を防ぐ・家具や装飾品の取り付けによる傷や跡を防ぐために、壁にソフトクッションを貼る・退去前に部屋の壁や床に付いた汚れやシミ、洗面台やトイレ、キッチンの水垢汚れなどを掃除するこれにより、返還される敷金の額が大きくなる可能性が高まるほか、退去後のトラブルも回避できます。なるべく多くの敷金を返還してもらえるよう、入居中はなるべく丁寧にお部屋を利用することを心がけましょう。[文・構成/grape編集部]
2024年03月21日日本司法支援センター東京地方事務所は、「法の日」記念司法書士による無料電話法律相談会を開催いたします。敷金返還、借金問題から暮らしの法律相談まで【相談会の概要】日程:令和5年10月26日(木)時間:法テラス東京(新宿):午後1時30分から午後7時30分まで法テラス多摩:午後1時30分から午後5時30分まで※事前予約制相談料:無料相談方式:電話相談予約事務所:法テラス東京(新宿)、法テラス多摩予約方法:予約事務所へ事前に電話でお申し込みください。予約受付時間:平日午前9時から午後5時まで※予約が定員に達した場合、受付を終了しますので、御了承ください。電話番号:法テラス東京(新宿):050-3383-5307法テラス多摩:050-3383-5327〔相談の一例〕*敷金返還、借金問題*登記、相続・遺言、成年後見*その他暮らしの法律相談等【本相談会に関するお客様からのお問い合わせ先】法テラス東京(新宿)Tel:050-3383-5307法テラス多摩Tel:050-3383-5327(出典元の情報/画像より一部抜粋)(最新情報や詳細は公式サイトをご確認ください)※出典:プレスリリース
2023年10月16日進学、就職、異動で賃貸物件を探しているというかたも多いのではないでしょうか?毎日過ごす家だからこそ、絶対に間違った選択は避けたいし、損はしたくないですよね。不動産営業の経験があり、現在はマンションの管理人を務めるカミナカさんに、物件探し時に気を付けるべきことを教えてもらいました。マンション管理人直伝!気を付けたほうがいい物件の特徴【マンション管理人が教える賃貸物件のあれこれ】vol.1――物件を探していると、契約時に「敷金」「礼金」が必要なところがありますが、あのお金って一体何に使われるんですか?カミナカさんまず、敷金から説明しますね。通常、敷金は退去時のお部屋のクリーニングやリフォーム代として充てられます。これらの代金は、通常は敷金内で収まり、差額は返金されます。また、敷金は預り金なんです。なので、入居したものの、何らかの理由で家賃を滞納してしまった場合、まずは敷金から家賃をお支払いいただくことがあります。その場合、退去時のルームクリーニング費用等に不足が生じれば、別途請求されます。礼金は、その物件の家主に対するお礼金です。このお金は、退去時に返金されません。以前は、賃貸物件に入居する際、借主が家主に対して「お世話になります」というように、立場的に家主が上に立つ場合が多かったように感じます。しかし、ここ最近、賃貸物件の契約はお互い様という風潮が強まり、礼金が必要な物件は減少しつつあります。とはいえ、人気の高い新築物件は貸し手市場なので、強気で礼金を設定している場合もあります。――たまに、「敷金・礼金ゼロ」という物件もありますが、あれは一体どういうカラクリなんでしょうか?カミナカさん一概には言えませんが、家賃を高めに設定している場合が多いのではないでしょうか。物件を借りる際、まとまったお金が必要なので、その金額が少しでも安いほうがいいと考える人が多いと思います。しかし、敷金礼金ゼロの物件は条件的に割高になってしまう場合があるので、要注意です。本来であれば敷金から支払われるはずの退去時のクリーニング代がどうなっているかなど、必ず事前に確認しておいたほうがいいですね。――家賃交渉をするコツってありますか?カミナカさん物件も人の動きも少ない6~8月の物件探しは、他の時期に比べると比較的家賃交渉をしやすい時期と言えます。逆に、1~3月と9~11月は家賃交渉が難しい時期。1~3月は、進学、就職、異動で1年でいちばん物件も人も動き、9~11月は意外と異動があって人が動くんです。このような時期は、わざわざ賃料を下げなくても賃貸契約に結び付く物件が多いので、家賃を下げない場合が多いと思います。とはいえ、賃料を下げる下げないは全て家主の意向次第。家賃交渉をされることを見越して少しだけ高めに設定している人もいれば、その時の空室率によって対応が変わる人もいれば、絶対に交渉に応じない人もいます。個人的にはダメ元で交渉するのをオススメします。――物件を探す時に、絶対にチェックすべき見逃しがちなポイントってありますか?カミナカさん2つあって、ひとつめは可能な限り、夜にその物件の周辺の状況を確認することです。街灯の数や明るさなど、夜にならないと分からない状況を知っておくことがオススメです。そして、もうひとつは、物件見学の際に必ず共用部をチェックしておくこと。物件を見に行く時って、気持ちがお部屋だけに向いていることが多いと思います。だけど、マンションのエントランスやエレベーターホール、廊下、ゴミ置き場等の共用部がキレイな物件は、家主さんがきちんと管理している場合が多く、逆に汚れが目立つ場合は、管理が甘い物件が多いと思います。管理がしっかりしているほうが、困りごとが生じた際に家主に相談しやすく、安心して暮らせるのではないでしょうか。――これから物件探しをするかたにアドバイスはありますか?カミナカさん1~3月は引っ越しの予定があるけど、まだ確定ではない、具体的な場所が決まっていない、というかたが多いと思います。このような時期にできることは、例えば、進学の予定があれば、その学校の学生は何線沿いに住んでいる人が多いのか、何駅に住んでいる人が多いのか、というリサーチをすることがオススメです。インターネットでこの物件いいな!と思って、いざ仲介会社に行ってみると、既に他のかたに決まってしまったということが多々あると思います。しかし、残念に思うことはありません。この時期は本当に賃貸物件が動く時期なので、必ず見つかりますよ。教えてくれた人カミナカさん宅地建物取引士所持。不動産業界に携わって20数年。現在は、約50戸のマンションの管理人を務める。心を揺さぶる音楽が好き。©GLIDEi7/Getty Images文・小田原みみ
2023年01月27日最近、入居希望者を集めるために募集条件を「礼金・敷金ゼロ」に設定している賃貸物件がかなり増えています。初期費用が抑えられる「礼金・敷金ゼロ」の物件はとても魅力的です。しかし、賃貸住宅に入居するためには礼金・敷金以外にもさまざまな諸費用がかかるため、入居の初期費用は「ゼロ」になりません。さらに、敷金がゼロになるために「新たな諸費用」が発生するケースも増えています。そこで今回は、敷金がゼロになることで発生する「新たな諸費用」についてや、賃貸住宅の初期費用としてどうしても「ゼロにできない諸費用」について解説します。■ 敷金の意味と原状回復についてmakaron* / PIXTA(ピクスタ)敷金とは、賃貸借契約に対して掛かる債務(退室時の原状回復費用、滞納家賃など)のために大家さんに預けるお金です。基本的に「預けているお金」なので、賃貸借契約の解約・退去時に原状回復費用や滞納家賃などがあればそれを差し引いた金額が返還されます。国土交通省から出されている「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると、原状回復とは「賃借人の故意・ 過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」となっています。Graphs / PIXTA(ピクスタ)つまり、貸室を通常どおり使用していれば時間の経過による汚れや劣化の回復工事(室内クリーニング含)などの費用は、賃借人が負担しなくても良いことになります。しかし、現在の一般的な賃貸借契約では、退去時に「専門業者による室内クリーニング」などの義務を借主に負担してもらう、通常の原状回復義務を超えた負担を借主に課す特約が付いている場合が多く見受けられます。これが「敷金をゼロにする代わりの新たな諸費用」を生みだすもとになっています。■ 敷金代わりの「新たな諸費用」とは?freeangle / PIXTA(ピクスタ)国土交通省のガイドラインでは、契約書に特約を設けることまでは禁止しておらず、その特約の必要性・合理的理由などが存在することや、借主がその内容をきちんと認識し義務の負担に同意していれば「通常の原状回復義務を超えた負担を借主に課す特約」も有効になるとしています。このような特約が有効である場合、「専門業者による室内クリーニング」などの費用は一般的に解約・退去時に「敷金から充当」されます。しかし敷金を預からない場合、その費用は解約・退去時に借主から「新たに徴収」しなければなりません。もとくん / PIXTA(ピクスタ)解約・退去の時点で、借主が経済的な理由等でその費用を払えないような場合も当然想定されますので、貸主はこの費用を契約時に「退去時クリーニング費用」などの名目で初期費用として徴収するケースが増えているのです。これこそが敷金に代わる新たな諸費用の「正体」です。■ ゼロにできないその他の諸費用ABC / PIXTA(ピクスタ)※写真はイメージです各大家さん、各地域、各管理会社、各物件によってかかる諸費用はさまざまです。ここでは一般的な諸費用のうち、どうしてもゼロにできないものと「その理由」をご紹介します。火災保険(家財)参考額:15,000円~20,000円前後貸室内の「家財に対する火災保険」への加入は、ほとんどの賃貸借契約で必須条件にされています。Mills / PIXTA(ピクスタ)必須条件にする目的は大きく分けて2つで、ひとつは火災等が起きた場合に貸室の「原状回復費用」に充てるために家財保険特約のひとつである「借家人賠償責任特約」に加入してもらうことです。もうひとつは水漏れなどで隣戸(主に下階)に損害を与えた場合、その補償をするための「個人賠償責任保険」に加入してもらうためであり、この個人賠償責任保険も家財保険の特約となっています。借主がこの保険に加入せずに火災や水漏れ事故を起こしてしまった場合、借主にそれを補償する資力がなければ大家さんや隣戸の入居者は「泣き寝入り」するしかありません。保証料(家賃保証会社)Graphs / PIXTA(ピクスタ)参考額:家賃の30~100%前後賃貸借契約で発生する借主の債務を保証するシステムとして、現在は「個人の連帯保証人」をたてる方法と「家賃保証会社」を利用する方法があります。しかし、2020年の民法改正により、賃貸借契約でも「連帯保証債務の限度額」が定められることになるため、今後は「保証内容が明確」な家賃保証会社の利用が増えるのではないかと考えられます。前家賃参考額:賃料の1か月分~1か月分+日割賃料家賃は基本的に前払いとなりますので、契約時に当月の日割賃料と、契約日が月末に近い場合は翌月分の賃料を支払う必要があります。YNS / PIXTA(ピクスタ)※写真はイメージですこれ以外にも、初期費用には仲介手数料(0.5か月分~1か月分+税)や鍵交換費用(15,000円~20,000円前後)などがありますが、物件や契約条件によってはかからない場合もあります。今回ご紹介したように賃貸借契約の初期費用にはどうしても「ゼロにできない、してはいけない」ものがあることも知っておきましょう。【参考】※国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について※法務省「民法の一部を改正する法律(債権法改正)」について
2019年03月23日今回は退去時の清掃と敷金精算についてお話します。サッカーW杯において日本のサポーターが試合後にゴミ拾いをする姿は世界中から称賛されましたが、「来た時よりも美しく」というのは日本人が持つ美徳だと思います。しかし部屋を退去する際の清掃に関しては、ついつい聞き流してしまいがちな約束事があることを知っておいてください。■ 借りたものは綺麗にして返したいAudtakorn / PIXTA(ピクスタ)賃貸住宅を退去する際は、家具の搬出が完了して部屋が完全に空になった状態で「解約立ち合い」を実施し、管理会社と借主の双方で部屋のキズや汚れの状態を確認します。筆者も賃貸管理の仕事に従事していた時に何度も立ち合いましたが、指定の日時に部屋を訪問すると、借主が一生懸命にお部屋を清掃している真最中という場面によく出くわしたものです。借りたものは綺麗にして返したいというのは大変に素晴らしいことですが、「敷金をより多く取り戻すため」ということですと話は変わってきます。■ 契約時に必ず説明がある費用負担の原則と例外ひとり君 / PIXTA(ピクスタ)借主が解約して退去すると部屋はどうしても傷んでいるものです。そのため退去が完了すると貸主は次の貸し出しに備えて部屋の原状回復を実施しますが、その際の費用負担に関しては「東京ルール」と呼ばれるガイドラインによって原則と例外が定められています。費用負担の原則akkarapol / PIXTA(ピクスタ)東京ルールの基本的な考え方としては経年劣化・自然損耗・通常の使用による住宅の損耗等の復旧は貸主の費用負担で行い、故意・過失・善管注意義務違反・その他通常の使用を超えるような使用による損耗等は借主の費用負担で復旧するということになっています。故意・過失としてはタバコによるヤニ汚れや結露を放置したことによるカビやシミ、飲み物をこぼしたことによるシミや汚れといったものが該当します。費用負担の例外もとくん / PIXTA(ピクスタ)それでは退去前に部屋を清掃してシミや汚れを綺麗にしておけば敷金がより多く戻ってくるかというと、そういうものではありません。東京ルールでは例外事項として「貸主と借主は両者の合意により上記の原則と異なる特約を定めることができる」とされており、これに基づいてほとんどの賃貸借契約では室内クリーニングや和室にある畳、襖、戸襖の張替費用を借主負担としています。金額を明示している場合とそうでない場合がありますが、退去時に借主が清掃をしていようがいまいが貸主は業者による室内クリーニングを実施します。これらは契約前の重要事項の説明で必ず触れる内容で、筆者も在職中はこの点に関しては特に念入りに説明しました。■ 業者によるクリーニングは必ず入るABC / PIXTA(ピクスタ)貸主にとって退去が完了した部屋は次の入居者を迎えるための商品ということになりますが、再び貸し出すには部屋を完璧な状態にまで整備しなければなりません。商品と呼べる状態に仕上げるためには退去者が行う清掃などあてにならずプロの手を借りる必要がありますが、その際の費用は単純に単価×広さで決められるもので、借主が事前に清掃したから安くなるというものではありません。最近では「敷金礼金ゼロ」をうたい文句にした物件も増えてきましたが、そういう場合であっても「退去時清掃費用」という名目でなにがしかのお金を契約時に諸経費として徴収するものです。また「室内クリーニングの費用を負担するのはやむを得ないとして、実施する業者は自分で探す」と食い下がってくる方が何人もいましたが、貸主としては見ず知らずの業者に大切な商品を任せることはできないのだということを常に説明していました。■ 敷金精算にはほとんど影響しないfreeangle / PIXTA(ピクスタ)退去時の清掃によって返還される敷金の金額が変わってくることはほとんどないというのが筆者の実体験に基づく結論です。特にタバコのヤニによるクロスの汚れは素人の清掃で落ちるようなものではなく、クロス貼替えが必要となって相当な金額が発生する覚悟をしておいた方がいいでしょう。そうはいっても借りたものはやはり綺麗にして返すべきであり、部屋の清掃はマナーとして実施すべきだと思います。
2018年09月22日都内で彼氏と同棲していたSさん(40)は、今回別れることに。共同で借りた部屋についてはSさんが引き続き住むことになったそうです。そこで問題となっているのが、敷金と礼金の取り扱い。名義はSさんであるものの、元彼氏が支払ったそうで、別れるにあたり費用の返還を求められているのだとか。Sさんは生活に余裕がなく、今後契約の更新も控えているため支払いは難しいと悩んでいます。このような要求に応じる必要はあるのでしょうか?虎ノ門法律経済事務所池袋支店の齋藤健博弁護士にお聞きしました。Q.元彼が支払った自分名義の部屋の敷金と礼金を返還するよう求められている…応じる義務はある? A.法的な支払い義務はないものと思われます。齋藤弁護士:「民法上、敷金の性質は、不動産の明け渡し時点において、必要な原状回復などの費用を控除した上で、余分が発生した場合には、返還される性質のものになります。もちろん、この余分の範囲をめぐって争いになるわけですが、敷金・礼金の返還請求権は、名義人である賃借人から、賃貸人に対しての権利です。実質的なお金の出しどころが、元彼であったとしても、それは法律上は実は関係がありません。厳密には、第三者による弁済による代位の問題は生じえるものではありますが、少なくとも、元彼に対してお金を返還する法律的な義務はないでしょう。トラブル防止の観点から、敷金にあまりが出た場合には、ある程度元彼にも返す、というのがバランスよい解決かもしれませんが、厳密な法律論ではありません。」 法的にはSさんが返金する義務はないようです。ただし退去の際に戻ってきた場合については、全て返金するのが道義的責任かもしれませんね。 *取材協力弁護士: 虎ノ門法律経済事務所池袋支店齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に多く乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)*画像はイメージです(pixta)元同棲相手の彼から敷金と礼金を返すよう迫られた!応じる義務はある?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。元同棲相手の彼から敷金と礼金を返すよう迫られた!応じる義務はある?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年07月10日はじめての一人暮らし、引越し、と、ワクワクする気分と忙しさで、言われるままに払ってきたお金。でも、何の費用だったのだろう?と後から思い返して腑に落ちない、そんな事にならないように、現実部分をちょっとおさらいしてみましょう。Good roomさんに教えてもらいました。 必要なお金の総額はずばり「家賃の5ヵ月分」グッドルームでは、「敷金」+「礼金」+「仲介手数料」+「初月家賃」+「翌月家賃」で、「家賃の5か月分」(+α)を心積もりしていただくよう、お伝えしています。 基本的な情報ではありますが、それぞれ、何のためにはらうお金なのか、あらためて率直に書いてみました。 敷金とは?敷金とは、退去時の原状回復や、万一の家賃滞納に備えて、「大家さんに預けておくお金」です。通常は1ヶ月~2ヶ月の物件が多いですが、これは退去時に返ってくるお金なので「敷金1ヶ月のほうが得」ということはありません。 敷金を多く返してもらうには?原状回復については、現在国のガイドライン(こちら)で、通常使用の範囲内での劣化や汚れについての修理費は大家さん負担とされています。敷金をなるべく多く返してもらう裏技も、ネットで調べるとイロイロ出てきますが、ガイドラインや裏技を調べる前に重要なのは、まず、こまめに掃除をすることです!掃除を怠っていたための汚れ(結露の放置や台所の油汚れの放置)は入居者負担と、ガイドラインにもばっちり明記されています。裏技を駆使しても積もり積もった汚れは隠せませんし、何より、自分自身も気持ちよく暮らせませんからね! 基本的な掃除はしっかり。これ、本当に重要です。 「敷金0ヶ月」のお部屋で注意したいこと「敷金0ヶ月」と書かれているお部屋では、原状回復費が必要ないかというとそんなことはありません。「保証金」や「クリーニング費」が別途、記載されていることが多いのでよくチェックしましょう。たとえば「退去時クリーニング費1ヶ月償却」と書かれている場合、1か月分は必ず払うということです。退去のときに思わぬ費用が発生することになりますので、よく注意して見てみましょう。 礼金とは?礼金とは、その名のとおり、オーナーさんにお礼として支払うお金です。地域にもよりますが、東京都では、礼金1ヶ月、新築などの場合で礼金2ヶ月ということが多いです。 「礼金0ヶ月」のお部屋で注意したいことなるべく初期費用を安くしたい場合、「礼金0ヶ月」で探す方も多いかもしれませんが、礼金は家賃との兼ね合いで決まっていることが多くあります。たとえば2年住んでもらう前提なら、13万円のお部屋を12万円にするより、礼金0ヶ月にしたほうが大家さんはお得ですよね。「家賃の一部を先払いする」イメージでとらえたほうが良いでしょう。礼金1ヶ月でも家賃自体がお得なお部屋もあります。礼金0ヶ月と1ヶ月の部屋で悩んだときは、何年住むか考えたうえで、「実質家賃」を計算してみるのもありですよ。 仲介手数料とは?仲介手数料は、物件を紹介した不動産会社が頂く紹介料です。通常、家賃の1か月分(+税)ということが多いです。 「仲介手数料0円」の不動産屋さんって?自社で不動産を管理している会社さんや、UR賃貸住宅などでは、自社の物件に関して「仲介手数料0円」という場合があります。もしどうしても初期費用を抑えたいなら、その中から選ぶという方法もあります。仲介専門の業者さんで、仲介手数料0円をうたっている会社さんの場合は、仲介するとキックバックがもらえる物件のみを紹介する仕組みになっていることが多いので、なるべく良い物件を探したい場合にはご注意ください。 鍵交換費用鍵を交換する場合、鍵交換費用は入居者さんに負担いただくことが多いです。大体の相場を知っておくと、安心です。通常の鍵の場合:15,000円~20,000円(+税)ダブルキーや複雑な鍵の場合:30,000円~40,000円(+税) 火災保険費用火災保険に入っていただくことは、ほぼ全てのお部屋で必須となりますが、これは敷金と同じでケチっても仕方が無い費用です。万一の火災だけでなく、水漏れトラブルで下の階に迷惑をかけてしまった……などの場合にも、適用されます。もし、ご自宅に高価なアート作品などをお持ちの場合は保険対象外と書かれていることが多いので、火災保険の説明もしっかり読んでおくとよいでしょう。 火災保険費用:およそ20,000円前後(税なし、2年間) 初月の日割り家賃&翌月家賃意外に忘れがちなのが「初月家賃」です。うっかり計算に入れ忘れて、お金が……足りない……?なんてことに……月半ばでご入居の場合、「当月の日割り家賃」と「翌月分」をまとめて、入居前にご入金いただくことが多いです。翌月分は当月末で良い場合もありますが、いずれにせよご入居月末には「翌月分」が必要になってきます。最大2か月分をみておくようにしましょう。 当月の日割り家賃(÷30日×入居日数)翌月の家賃1か月分 家賃発生日について「まだ引っ越しできるのは先だけど、良い部屋を探しておきたい。」「家賃発生日は、お部屋を決めてから相談したい。」というご質問、よく頂きます。ごもっともなのですが、良い条件のお部屋ほど、家賃発生日は待ってもらえない、これはもう宿命です。お申込みを入れてから、早いお部屋で1週間、遅くとも2~3週間で家賃はどうしても発生してしまいます。ベストのご来店タイミングは、お引っ越しの3週間前。良いお部屋を押さえるためには家賃が多少重なってしまうこともあるのは仕方のないことなのですね。 保証会社費用連帯保証人様とはべつに「保証会社」への加入が必須となる物件が増えてきています。入居者が加盟料を払うことで、万一の家賃滞納に対応してくれるのが保証会社です。連帯保証人様を立てることが可能であっても、入居条件として加盟が必須のお部屋がありますのでご注意ください。 保証会社費用:家賃の30%~50%(初回) これからお引越しを考えている方は、お金と時間を上手に使って、お気に入りのお部屋が見つかることをお祈りしています! 出典: goodroom journal 記事提供元:リノベーション・デザイナーズ賃貸 goodroom(グッドルーム)デザイナーズ、リノベーションなど、おしゃれな賃貸サイト・アプリ「goodroom」を運営しています。インテリアや、ひとり暮らし、ふたり暮らしのアイディアなど、賃貸でも自分らしい暮らしを楽しむためのヒントをお届けします。おしゃれ賃貸サイト・アプリ goodroom journal journal 暮らしの実例
2018年07月04日*画像はイメージです:賃貸物件などで初期費用を抑えるため、敷金・礼金が一切かからない物件を「ゼロゼロ物件」と呼びます。敷金は退去の際にかかる費用や、不測の事態で家賃の支払い能力がなくなった際に使われる、いわば保証金のようなものですが、それを排除することで安さをアピールし、入居を促すという物件です。少々怖い気もするのですが、大抵の場合は家賃支払いの滞りもありません。退去時も常識的な金額の請求が一般的で、初期費用がかからないほうが「魅力的」に映る人もいるようです。 ■ゼロゼロ物件の問題点とは?お得に見えるゼロゼロ物件ですが、その陰で問題も発生する場合もあります。敷金がないだけに、退去時にそのしわ寄せがくるようで、経年劣化であるにもかかわらず難癖にも思えるような指摘で高額な修繕費を要求されることがあるそうです。また、家賃の支払いが1日でも遅れると、鍵を交換されるなどして、即日退去を促されるケースがあるそうです。このような行為は非常に悪質で、許されざるべき行為のように思えます。しかし、不動産会社側は「カギを貸しただけで部屋は貸していない」「契約書に家賃が遅れた場合鍵を交換する」などと明記していることから、違法ではないと主張しています。このようなゼロゼロ物件での家賃支払い遅れによる鍵交換や強制退去は、違法ではないのでしょうか? ■違法である可能性が高い借地借家法では仮に家賃の滞納があったとしても一方的に貸主が直ちに借主を追い出すことは認められていません。したがって、ゼロゼロ物件での強引な退去強要は、ほぼすべてのケースにおいて、違法と判断されると思われます。また、鍵を交換してしまうという行為も、ほぼすべてのケースにおいて(契約書に記載がある場合を含む)、借り主の権利を侵害する違法行為として、見られる可能性が高いと思われます。ただし家賃の滞納をしても追い出されないというわけではありません。大抵の場合2ヶ月から3ヶ月以上滞納している場合は、裁判所の判断を仰いだうえで退去手続きが取られ、文書などで退去期限を予告したうえ、それを過ぎた場合は強制退去の措置が取られます。これは、ゼロゼロ物件以外でも同様です。最近はゼロゼロ物件のトラブルも減っているようですが、初期費用が低い分、様々なリスクもひそんでいるのが現状。借りる際は、そのあたりを考慮する必要がありそうですね。 *記事監修弁護士:弁護士 河原﨑友太(浦和法律事務所。2017年2月にマンション管理士に登録。ご相談に際しては、ご相談に見える方が、弁護士に何を期待しているのかを見定め、丁寧な事情聴取、解決方法の提案を心がけています)*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)【画像】イメージです*kotoru / PIXTA(ピクスタ)
2017年08月04日賃貸マンションや賃貸アパートを契約する際、だいたい敷金や礼金が必要になりますよね。「預かり敷金」という言葉があることからもわかるように、敷金は入居時に管理会社や大家さんに預けるお金。ほとんどの場合、退去するときの原状回復費用に充てられます。一方、礼金とは、大家さんに支払う「謝礼金」のことです。これを仕方なく支払っている人は多いはず。しかし、実は賃貸マンション契約金を賃料1ヶ月分安くする秘策が、この「礼金」に隠されているのです!■礼金は「なしにして」と言えば削れる礼金が謝礼金である以上、大家さんにとっては臨時収入、いわゆるボーナスのようなもの。私たちは、当たり前のように「支払わなければならない」と思っていますよね。でも、「なしにしてくれませんか?」とひとこと相談すれば、意外にすんなりと「なし」になってしまうことも多いのです。大家さんにとって礼金は、大切な「収入」。そのため、交渉も難しいのではないかと思われがちですが、なぜすんなり削れてしまうのでしょうか?■礼金なしでも大家さんは損をしない!礼金が削れるとしたら、そのぶん大家さんの収入が減るように思えますが、実は収入は減っていないのです。損もしていません。そのカギは、「募集報酬」というものにあります。初めて聞く方も多いと思いますが、募集報酬とは大家さんが仲介業者さんに向けたもの。「入居者を決めてくれたら、賃料の2ヶ月分を御礼としてあげるよ」という内容の、いわゆる謝礼金のことです。たとえば、1部屋の空室の入居者募集をする際、大家さんは仲介業者(お客さんにマンションやアパートを紹介する業者)へ、この募集報酬を支払っています。つまり募集報酬は、仲介業者にとっては利益というわけですね。■大切な礼金が意外と簡単に削れる理由では、お客さんから「礼金をまけてほしい」といわれた場合、仲介業者はどのような行動に出るのか。その際には、「募集報酬を1ヶ月分削るかわりに、礼金を1ヶ月分削ってほしい」という交渉を大家さんにしています。募集報酬を1ヶ月分削って、礼金を1ヶ月削るということを、大家さん目線で見てみましょう。もともとの条件は、大家さんの支出が募集報酬2ヶ月分、収入が礼金1ヶ月分です。そこに礼金1ヶ月分カットの交渉が入ることにより、支出が募集報酬1ヶ月分、収入は礼金が0ヶ月分(つまりゼロ)となります。もうおわかりだと思いますが、大家さんにとっての支出はどちらの条件も家賃1ヶ月分になるのです。つまり、礼金1ヶ月分を削っても、大家さんにとっての家賃1ヶ月分の支出はもともとの条件と変わらないため、礼金はすんなり削れる場合が多いというわけですね。■仲介業者はどうやって儲けているのかただ、ここでひとつの疑問が沸いてきます。募集報酬を削る交渉を大家さんにするということは、同時に仲介業者の利益も削れるということですよね。いったい仲介業者は、どこで儲けているのでしょうか。これ、実は契約時に入居者が支払う、鍵交換費用・火災保険加入費用・保証会社加入費用などで儲けているのです。街中を歩いていると、仲介業者が店頭に出している「仲介手数料無料」もしくは「仲介手数料半額」という看板でよく目にします。「仲介手数料」とは、マンションなどを紹介して成約したら、賃料の1ヶ月分~半月分を、入居者からもらえるというもの。この「仲介手数料」が仲介業者にとっての目に見える利益であり、「鍵交換費用・火災保険加入費用・保証会社加入費用」が目に見えない利益となります。仲介業者は、目に見える利益をカットしたほうが、お客さん対してのメリットを大きくアピールできます。そのるため、最近は「仲介手数料無料」が一般的になりつつありますが、それでは仲介業者も商売として成り立ちません。ですから、目に見えないところでちゃんと利益をとっているわけです。*このように、礼金は思っている以上に簡単にカットできてしまう場合があるのです。礼金カット交渉により、大家さんへの影響はほぼなく、仲介業者への影響も少ないといわれています。入居者にとってはメリットしかありませんから、「礼金をまけてほしい」と仲介業者にダメもとでいってみるといいでしょう。ただし、すべての紹介ケースに該当するものではありませんので、あらかじめご了承ください。(文/根本愛)
2016年08月26日春の引っ越しシーズンがやってきました。お部屋を探すときに一番気になるのは、契約時に支払う初期費用のような気がします。家賃に礼金、敷金、仲介手数料と、家賃の数カ月分の支払いが一気に押し寄せてくると、さすがに厳しいものがありますね。そこでぜひ利用したいのが、大東建託のゼロゼロゼロキャンペーンです。これはなんと、敷金ゼロ、礼金ゼロ、仲介手数料がゼロ、というとってもお得なキャンペーンなのです。例えば家賃60,000円の物件を借りる場合、契約時に必要な費用は、通常だと以下のようになります。・家賃60,000円・共益費3,000円・駐車場5,400円・契約時保証委託料10,000円・月額保証委託料1,368円・クリーニング費用32,400円(※間取りによって異なる)・敷金0円・礼金60,000円・仲介手数料64,800円・駐車場契約手数料5,400円(合計242,368円)このように、いろいろとお金がかかってしまうのです。それがこのキャンペーンを利用すると、敷金も礼金も仲介手数料も駐車場契約手数料もすべて0円だから、合計112,168円となり、130,200円もお得。初期費用が半額以下に抑えられるなんて、とってもうれしいですよね。敷金・礼金ゼロ物件はいろいろな会社で取り扱われていますが、退去するときに高額の原状回復費を請求されたりすることなどがあり注意したいところです。その点も、大東建託のお部屋ならクリーニング費も定額で入居できるので、高額請求などの心配をしなくていいから安心です。 このキャンペーン は2月28日まで(3月1日契約開始分まで)だから、引っ越しを考えている人は、今すぐ大東建託へ! さらに3月31日までに大東建託でお部屋を決めると(4月1日契約開始分まで)、もれなく全員に3,000円の QUOカードがプレゼントされるキャンペーン も実施中なので、不動産屋選びに迷っているなら、まずは大東建託に足を運びたいものです。(どちらのキャンペーンも、利用条件は大東建託いい部屋ネットの ホームページ または大東建託のお店にお問い合わせください)少しでもお得に新居がみつかれば、新しい家具を買うなどインテリアに凝ったり、家電を新調したりと、それだけ新生活を楽しくスタートできるのもうれしいところです。・大東建託 公式サイト
2015年02月20日新しい住まいに入居するとき、借り主は貸し主に対し、家賃のほかに「敷金(しききん)・礼金(れいきん)」を支払います。なぜ、それを支払う必要があるのでしょうか。これは法律で決まっている義務なのでしょうか。「快適で安全な一人暮らし」をテーマに活躍する不動産アドバイザーで宅地建物取引主任者である穂積啓子氏にお話をうかがいました。■敷金返還ではトラブルが多発――「敷金」とは何か、について教えてください。穂積さん:敷金とは、賃貸住宅の契約時に、借り主が貸し主(家主)に対して次の2つの事態に備えて支払う金銭のことです。1.借り主による家賃の支払が滞ったとき2.借り主が退去するとき、修繕費用が高額になって支払えなくなったとき貸し主は、借り主が家賃を滞納したとき、この敷金を持って不払い分をまかないます。2の修繕についても同様です。関西など、地域によっては「保証金」とも呼ばれますが、同じことです。金額は、地方、地域などによって違いますが、家賃の1~3カ月分が一般的です。――敷金は、退去時に戻って来るのですか。穂積さん:借り主が家賃をきちんと支払っている、故意や過失による修繕が発生しない場合は、敷金は原則的に全額返金されます。ただし、関西など一部の地域では、「敷引き」と呼んで保証金から一部を差し引いて借り主に返金する習慣があります。この場合は、地域によっては契約更新時に発生する「更新料」はありません。――その敷金返還についてはトラブルが多いと聞きます。穂積さん:「本来は貸し主が負担すべき修繕費を、貸し主が敷金から差し引いて返金する」というトラブルが頻発しています。契約時、「借り主は退去時に原状回復の義務がある」と説明され、契約書に印鑑を押すことになります。ただし、「原状回復」とは、「借りたとき、そのままの状態に戻す」ということではありません。次の2点に該当する場合は、修繕費は貸し主が支払うことになっています。1.経年劣化・自然損耗(そんもう)……時間の経過とともに自然に発生した汚れや傷み、古びれること2.通常損耗……通常、普通に使用することで発生する汚れ、傷み多発するトラブルを懸念して、国土交通省は平成16年に「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を策定し、ウェブサイトにアップしています。トラブルになる可能性があるときは、参考にしてください。――「礼金」とはどういう種類の金銭でしょうか。穂積さん:賃貸住宅の契約をするときに、借り主が貸し主に対して「お礼」として家賃の1、2カ月分を支払う金銭のことで、主に、関東方面での慣例です。お礼ですから、敷金のように退去時に返金があるものではありません。その昔、地方から東京へ進学や就職で移転して来た若い人の身内が、家主に「お世話になります」という意味合いで渡した習慣が続いているという説があります。――敷金・礼金・保証金は法律で定められたシステムですか。穂積さん:いいえ、慣習です。ですから、地域によって呼称や内容が違ってきます。特に礼金については、お礼という性質上、あらかじめ金額が指定されているのはおかしいという見解があり、最近は礼金なしの物件も多くあります。UR賃貸住宅、公営住宅では、もともと礼金はありません。――敷金と礼金について気を付けるべきことはありますか。穂積さん:特に、敷金の返戻金はトラブル、訴訟が多いため、契約をする前の「重要事項説明」のときに、疑問や腑(ふ)に落ちないことがあれば重々、確認してください。家賃の何倍が必要か、退去時の返戻金はいくらか、原状回復についての貸し主の考え方など、意識的にチェックをしておきましましょう。――ありがとうございました。敷金と礼金の意味を理解し、借り物である部屋を大切に使用しながら、退去時に契約事項が適切に守られているかどうかに注意したいものです。みなさんは、振り返ってみていかがですか?監修:穂積啓子氏「安全で快適な一人暮らし」、「女性の安全な暮らし」をテーマとして活動する不動産アドバイザー。宅地建物取引主任者。その活躍ぶりは、コミックエッセイ『不動産屋は見た!~部屋探しのマル秘テク、教えます』(原作・文:朝日奈ゆか、漫画:東條さち子東京書籍1,155円)に描かれました。同書の主人公「善良なる大阪の不動産屋さん」は、穂積氏がモデルです。(藤井空/ユンブル)【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月29日新しい住まいに入居するとき、借り主は貸し主に対し、家賃のほかに「敷金(しききん)・礼金(れいきん)」を支払います。なぜ、それを支払う必要があるのでしょうか。これは法律で決まっている義務なのでしょうか。「快適で安全な一人暮らし」をテーマに活躍する不動産アドバイザーで宅地建物取引主任者である穂積啓子氏にお話をうかがいました。■敷金返還ではトラブルが多発――「敷金」とは何か、について教えてください。穂積さん:敷金とは、賃貸住宅の契約時に、借り主が貸し主(家主)に対して次の2つの事態に備えて支払う金銭のことです。1.借り主による家賃の支払が滞ったとき2.借り主が退去するとき、修繕費用が高額になって支払えなくなったとき貸し主は、借り主が家賃を滞納したとき、この敷金を持って不払い分をまかないます。2の修繕についても同様です。関西など、地域によっては「保証金」とも呼ばれますが、同じことです。金額は、地方、地域などによって違いますが、家賃の1~3カ月分が一般的です。――敷金は、退去時に戻って来るのですか。穂積さん:借り主が家賃をきちんと支払っている、故意や過失による修繕が発生しない場合は、敷金は原則的に全額返金されます。ただし、関西など一部の地域では、「敷引き」と呼んで保証金から一部を差し引いて借り主に返金する習慣があります。この場合は、地域によっては契約更新時に発生する「更新料」はありません。――その敷金返還についてはトラブルが多いと聞きます。穂積さん:「本来は貸し主が負担すべき修繕費を、貸し主が敷金から差し引いて返金する」というトラブルが頻発しています。契約時、「借り主は退去時に原状回復の義務がある」と説明され、契約書に印鑑を押すことになります。ただし、「原状回復」とは、「借りたとき、そのままの状態に戻す」ということではありません。次の2点に該当する場合は、修繕費は貸し主が支払うことになっています。1.経年劣化・自然損耗(そんもう)……時間の経過とともに自然に発生した汚れや傷み、古びれること2.通常損耗……通常、普通に使用することで発生する汚れ、傷み多発するトラブルを懸念して、国土交通省は平成16年に「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を策定し、ウェブサイトにアップしています。トラブルになる可能性があるときは、参考にしてください。――「礼金」とはどういう種類の金銭でしょうか。穂積さん:賃貸住宅の契約をするときに、借り主が貸し主に対して「お礼」として家賃の1、2カ月分を支払う金銭のことで、主に、関東方面での慣例です。お礼ですから、敷金のように退去時に返金があるものではありません。その昔、地方から東京へ進学や就職で移転して来た若い人の身内が、家主に「お世話になります」という意味合いで渡した習慣が続いているという説があります。――敷金・礼金・保証金は法律で定められたシステムですか。穂積さん:いいえ、慣習です。ですから、地域によって呼称や内容が違ってきます。特に礼金については、お礼という性質上、あらかじめ金額が指定されているのはおかしいという見解があり、最近は礼金なしの物件も多くあります。UR賃貸住宅、公営住宅では、もともと礼金はありません。――敷金と礼金について気を付けるべきことはありますか。穂積さん:特に、敷金の返戻金はトラブル、訴訟が多いため、契約をする前の「重要事項説明」のときに、疑問や腑(ふ)に落ちないことがあれば重々、確認してください。家賃の何倍が必要か、退去時の返戻金はいくらか、原状回復についての貸し主の考え方など、意識的にチェックをしておきましましょう。――ありがとうございました。敷金と礼金の意味を理解し、借り物である部屋を大切に使用しながら、退去時に契約事項が適切に守られているかどうかに注意したいものです。監修:穂積啓子氏「安全で快適な一人暮らし」、「女性の安全な暮らし」をテーマとして活動する不動産アドバイザー。宅地建物取引主任者。その活躍ぶりは、コミックエッセイ『不動産屋は見た!~部屋探しのマル秘テク、教えます』(原作・文:朝日奈ゆか、漫画:東條さち子東京書籍1,155円)に描かれました。同書の主人公「善良なる大阪の不動産屋さん」は、穂積氏がモデルです。(藤井空/ユンブル)
2012年09月28日賃貸物件を探していると、敷金0、礼金0という、いわゆる「ゼロゼロ物件」というお得なものがあります。借り手にとっては助かる話なのですが、これらゼロゼロ物件は貸主にとってはお得なのでしょうか? 不動産屋さんに聞いてみました。――敷金0、礼金0の賃貸物件がありますが、あれはどういう仕組みになっているのでしょうか。簡単に言いますと、早く借りる人を見つけたいという、スピード重視の設定になっているんですね。――それでもうかるんでしょうか。敷金0、礼金0に設定している大家さんは、複数の物件を持っている人が多いです。例えば、1LDKで85,000円の物件があったとしましょう。大抵2年で契約更新ですから、そこで得られる売り上げは85,000円×24(カ月)=204万円。原状回復費用がざっくり35万円として169万円です。1年では845,5000円。こういった物件を10軒持っていれば年間845万円になります。――不動産収入はスゴイものですね。うらやましい。借り主が見つからないと、これがただの皮算用になってしまうわけです。礼金、敷金などがネックになって借り手が見つからないのは時間のムダですよね。ですから礼金、敷金をなしにして借りやすくした方が得、という考え方なんですよ。――借り手を探すのは難しいものですか?はっきり言って最近は供給過多の傾向があります。やや賃貸物件がだぶついているというのが本当のところです。ですから、借り手を早く捕まえないといけないんですよ。――なるほど。不動産屋さん的にはどうなんでしょうか。敷金0、礼金0の賃貸物件でも仲介手数料が1カ月分というのは変わりませんから、大家さんがいいのであれば、不動産屋的にも特に申し上げることはないですよ(笑)。――仲介手数料が0.5カ月分という不動産屋さんもあるみたいですが?それはもう会社の方針ですね(笑)。借りる人は安い方がいいわけなので、それは0.5カ月の方がいいでしょう。早く借り手が見つかると大家さんにも喜ばれますから、その会社の実績となって、任せたいという大家さんが増える効果があるかもしれません。――なるほど。数で売り上げを上げていくわけですね。最近は空室が増えているので、優先的に案内してもらうため、大家さんが不動産屋さんに広告料というカタチでお金を支払うケースもあります。その分で売り上げを上げることもありますね。(高橋モータース@dcp)
2012年08月11日