■長年のワンオペ育児に耐えかね夫婦で話し合った結果、早く帰ってきてくれるようになった夫。しかし…!!お風呂と寝かしつけをしてもらえるようになり7年間にわたる平日&土曜ワンオペからようやく解放された私。しかし!! 時を同じくして、夫は次々と災難に見舞われてしまったのです…。■生きがいを失った夫が見つけたもの、それは…!?石を砕くと痛みが増す可能性があったのですが、なんとか快方に向かい、一安心しています。まだまだ痛みが残ってはいるようですが、今ではすっかり、ライブ配信アプリ内でかなり頼りにされるポジションにいるんだとか。尿路結石にはなったものの、配信のおかげで全国にたくさんの知り合いができ、悪いことばかりではなかったようです。
2021年03月03日■前回のあらすじ検査結果を聞きにクリニックへ行くと、僕の分身たちが動く姿を目の当たりにします。妊娠に問題もないようで一安心!■妻の卵管造影検査…果たしてその結果は僕は出しただけだというのに、妻は痛みと闘いながら検査を頑張ってくれました。卵管が詰まっているというのもあくまで「疑惑」であり、これからしばらく妊娠率が高まる期間というのもあって、期待と不安が入り混じります…。■未だ不妊の原因は不明…ついに次のステージへ妊娠不可能ではない!それが分かっただけでも前向きに捉えられるようになりました。しかし、タイミング療法では授かることができず、僕たちは新たに未知のステージへ進むことになります。次回に続きます。コミックライター: トン 【同じテーマの連載はこちら】 こうして赤子を授かった~中村こてつ不妊治療体験記~ この連載の全話を見る >> 4人目と5人目の話 この連載の全話を見る >> モンスターワイフ この連載の全話を見る >>
2020年12月15日私は子宮頸管ポリープの除去を今までに3回繰り返しています。医師によると30〜40歳の出産回数が多い女性によくみられる疾患らしいのですが、どのような経過で除去をしたのか、痛みはあるのかなど、施術の様子をご紹介します。また、ポリープ以外にも疾患が見つかったのでそのことも含めた体験談をお話しします。47歳で子宮頸管ポリープが見つかる私は3回出産をしています。41歳で3人目を産んで、そのときにかなり体調が悪く肉体的にも限界を感じたので、避妊のために42歳でリングを入れました。リングを入れると定期的に検診があり、5年ごとに新しいリングと交換するのですが、リングの交換の際、つまり47歳のときに子宮頸管ポリープが数個見つかりました。発見された子宮頸管ポリープは5カ所ほど。大きさは2〜3mmでした。私の場合は不正出血や痛みなどの症状はなかったため、自分ではまったく気付いていませんでしたが、不正出血によって子宮頸管ポリープを発見する場合も多いようです。多分、子宮頸管ポリープが小さかったので出血などの症状が出なかったのでしょう。子宮頸管ポリープの切除私の場合の治療は、鉗子のようなもので軽く引っ張るように子宮頸管ポリープを切り取るだけでした。子宮頸管ポリープの切除はまったく痛くなかったのですが、2〜3mmと小さかったからで、1cm以上になると痛みを伴うようです。入院の必要もなく、時間にして10分程度でした。医師によると、子宮頸管ポリープというのは30〜40歳の、出産回数が多い女性によくみられる良性の腫瘍で、そのままにしておいても悪性になる可能性はほぼないそうです。医師からも「リングの検診の際に切ることはごく普通のことよ。みんなしょっちゅう切ってるの」と言われました。50歳で見つかった袋私は、エアロバイクと水泳でダイエットをしているのですが、エアロバイクで約1時間最高速度で走るようにしていました。ところが座り心地が悪くなったのです。そこでまた子宮頸管ポリープかと思ったら、3cmくらいの大きな柔らかい丸いものがありました。基本的には子宮頸管ポリープでは座り心地が悪くなることはないようですが、自然とまた再発かなと思ったのです。しかし、今回は内部ではなく腟の外側です。病院に行くと、嚢腫の一種で水がたまっていると言われました。応急処置として注射器で内部を除去。麻酔もなく10分程度で終わりました。ただし、内部を取り出しても、袋が残っているのでまた水がたまってしまうため、若い医師に手術の可能性も示唆されました。しかし、信頼している老医師は、袋から注射器で取り出す処置を続けるほうが良いと判断していたため、注射器で取り出す方法なら1年ごとに通院するだけなので、3年間はそのままにしていました。しかし、担当医が定年退職してしまい、次の世代の若い医師になり、強く手術をすすめられました。結果、年末にゆっくりできる日を選んで手術をしたのですが、局部麻酔で切り取る手術で20分程度で終わる簡単なものでした。1時間ほど様子を見てその日に帰宅しました。手術当日は腰掛けられなかったのですが、2日目からは普段の日常が戻りました。ただし、1カ月は違和感がありました。まとめ普段は友人との会話でも子宮頸管ポリープの話など出ませんから、とても特殊な疾患のように感じました。しかし、かなり多くの人が罹患すると聞いて、また驚きました。私の場合、小さいうちに切除したので、痛みもなく、日常にまったく影響がなかったのはよかったです。これを機に女性特有のがん検診も忘れずに受けています。自分の体をケアをして楽しい還暦を目指したいと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
2020年12月14日長男妊娠7カ月のときです。家にひとりでいると突然、下腹部に激痛が。だんだんひどくなっていく痛みに、おなかの赤ちゃんは大丈夫なのかとても心配で不安でした。かかりつけの産婦人科で診察してもらい、総合病院に緊急搬送されることに……。そのときの体験談をご紹介します。 突然、原因不明の激痛当時、共働きで土曜日も出勤だった私は17時ごろ帰宅。眠くて横になっていました。夫は用事で実家に戻っていて不在でした。しばらくして突然、下腹部に違和感が。はじめは安静にしていれば治まると思いましたが、時間が経つにつれ痛みが強くなっていきます。まだ我慢できない痛みではなかったため、どうしようか迷いましたが、かかりつけの産婦人科に連絡したところ、「念のため来てください」ということでした。 前もって電話で相談していた夫が手配してくれたタクシーに乗って病院に向かい、すぐに診察してもらいましたが、原因は不明。痛みもやや治まり、おなかの赤ちゃんも異常なしということで、ひとまず帰宅して様子をみることになりました。 気が遠くなるほどの痛みで緊急搬送その後、夫も帰宅。時間が経つにつれ、徐々に我慢できない痛みになってきました。当時は「とにかく痛い」しか頭になく、痛みで気が遠くなることも。23時ごろになっても痛みは強くなる一方でした。再度、産婦人科に連絡して病院へ行きました。 そして今度は血液検査をおこなうことに。検査の結果、白血球の数が増えているということで、総合病院に救急車で緊急搬送されることになりました。激痛は本当につらく涙が出そうでしたが、おなかの赤ちゃんは問題ないということだけが救いでした。 原因は「尿管結石」だった! 総合病院に搬送され、いろいろな診療科の先生たちに囲まれたのを覚えています。その日は原因がわからず、そのまま入院することになりました。病室に入ったときはすでに明け方の3時近くでした。痛み止めの点滴を打ってもらいましたが、それでも痛みでほとんど眠れませんでした。自分だけではなく、おなかの子も心配でしたが、当時すでに胎動は感じることができていたので安心感はありました。そして翌日の診察で、痛みの原因が「尿管結石」であることがわかりました。病気が判明後は治療もスムーズで、3日間で無事退院となったのです。 夫も不在で実家も義実家も遠く、ひとりで痛みに耐えるのはとても不安で心細かったです。それまではとても順調な妊婦生活でしたので、まさか自分が妊娠中に入院することになるとは思いもよらず、赤ちゃんに何かあったらととても心配でした。その後は出産まで問題もなく、尿管結石も再発しませんでした。当時、おなかにいた長男も問題なく、すくすくと元気に成長しています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト/sawawa監修/助産師REIKO著者:竹内優実5歳と2歳の男児を育児中。時短と節約が大好きなアラフォー母。簿記2級・MOSマスター・初級シスアド取得。パソコンを活かした育児グッズの作成が得意。夫は激務の為、ほぼ一人育児中。
2020年11月14日40代に入ると、おしっこが「出にくい」、「近い」、「夜中にトイレに行きたくなる」といった悩みを持つ人が少しずつ増えてくる。そのなかでも断トツなのが「夜間頻尿」。夜中に起きて1回以上トイレに行く人は、40代以上では約4,500万人いるといわれている。加齢とともにその人数は増え続け、50代で約6割、60代以上になると約8割の人が夜間頻尿に悩んでいるという。夜間にトイレに起きることは、単に「面倒くさい」だけでは済まされない問題があると、国立長寿医療研究センター副院長で泌尿器科が専門の吉田正貴先生は語る。「夜間頻尿はQOL(生活の質)を損ないます。よくある話のひとつに、夜中にトイレで起きたとき、もうろうとしていて転ぶことがあります。暗い室内や、2階の寝室から1階に下りるときに階段を踏み外して転ぶケースも多いようです。特に高齢者の場合は、大腿骨頸部骨折や脳挫傷など大ケガがきっかけで、その後、要介護状態になるリスクが高まりますので注意が必要です」また、夜中に何度も起きることで睡眠の質が悪くなり、それに比例して、日中の生活の質も下がってしまうという。睡眠の質の低下が自律神経の乱れを呼び、さらにさまざまな障害を招いてしまう“負の連鎖”が起きてしまうのだ。「夜間頻尿」とわかっても、「年のせいだから仕方がない」とあきらめるのはまだ早い。最近、自宅で簡単にできる「行動療法」によって夜間頻尿を克服できることが判明しているのだ。「自分の生活を整えたり、運動したりといった『行動療法』でかなりの効果が得られます。金銭的な負担も少なく無理なく続けられますし、1カ月ぐらい続けると効果が出てきます。しかし、行動を止めるとすぐに元に戻ってしまいますので、無理なくできることから始めて、きちんと継続していくことをおすすめします」そこで、吉田先生が「起床から就寝まで」夜間頻尿を防ぐ10の習慣を教えてくれた。【1】朝日を浴びて規則正しい生活をスタート朝、日光を浴びることで分泌される「セロトニン」は脳を活発に働かせ、ストレスや不眠を解消させる働きがある。「1日20〜30分程度、太陽の光を浴びると、体内時計がリセットされて夜、眠れるようになります。朝10までに朝日を浴びるようにしましょう」(吉田先生・以下同)【2】起きたらまずは、弾性ストッキングを着用「私たちの体は体内の水分量を一定に保つため、食事や飲み物などで摂取した分を、主におしっこに変えて排出します。昼間に立ちっぱなしだったり、長時間座ったままだったりなど、同じ姿勢で過ごしていると、重力によって体の水分が下肢にたまります。さらに、加齢とともに血液を循環させる機能が低下することで、足の水分が血管から漏れ、ふくらはぎにたまってしまうのです」夕方以降になると「足がパンパンにむくむ」というのはこれが原因。こうしてふくらはぎにたまった水分が、横になったときに再び血管に戻り、血液中の水分を減らそうとして、夜間におしっこが作られてしまうと考えられている。夜間頻尿の大敵“ふくらはぎのむくみ”を解消するために、朝から夕方まで弾性ストッキングをはいて過ごしてみよう。「薬局などで市販されているむくみ対策用で、ハイソックスタイプがおすすめ」糖尿病や心臓病に持病がある人などは、医師に相談してからの使用を。【3】バナナを食べるなら朝食後のデザートに夜間頻尿で困っているときは、バナナのようにカリウムがたくさん含まれる食品はあまり食べないほうがいい。「カリウムが多い食材は利尿作用を促進するので、トイレの回数が増えてしまいます。食べるのであればなるべく日中までにして。夕食後の時間帯は控えましょう。【4】足を15〜20センチ上げて30分あおむけ寝足の下にタオルのようなやわらかいものを敷き、足先が15〜20センチ程度上がるようにしてあおむけに。「昼から夕方までの間に30分を目安におこなうと、ふくらはぎに余分な水分がたまるのを防いでくれます」座布団を丸めたり、クッションを重ねたりして高さを調節して。【5】水分の多い野菜はお昼ご飯までに!水分はお水やお茶、ジュースなどの飲み物のほかにも、野菜や果物にもたくさん含まれているので、毎日の食事にも気をつけたい。「まだ夏野菜のおいしい季節ですが、夜ご飯に食べると夜間頻尿の原因になりかねません。食べるのならお昼ご飯までにしておきましょう」【6】スクワットで足腰のトレーニングむくみを解消するためにも、足腰を鍛えよう。テレビを見ながらでもできるスクワットは負荷がかかるうえ、簡単にできる。「40〜50代の方は足腰を鍛えるのにいいでしょうが、ご高齢の方はあまり無理をしないように」外出できないときこそ、自宅でトレーニングを!【7】暑さがやわらいだら30分のウオーキング足にたまった水分を押し出すには、ウオーキングを日課にしよう。「暑い時期は無理に外出すると熱中症になってしまうので、涼しくなってからにしましょう。習慣づけることで、足腰が鍛えられてむくみの解消につながります」気分転換にもなるので一石二鳥!【8】夕方以降は、水分の取りすぎに要注意!水分制限をするのなら夕方以降の水分をセーブすると効果的だという。「夜に排出されるおしっこは、ほとんどが日中以降にとったもの。とりわけ夕方以降の水分は夜間頻尿に直結するので気をつけましょう。カフェインが入ったお茶も控えるようにしてください」【9】鍋料理やシチューはなるべく避けて野菜がたくさん入った鍋やシチューは、スープといっしょに食べることで、水分の過剰摂取に。「塩分が多いのも問題です。喉が渇いて飲み物をとってしまいますから、夜間頻尿を解消させたいのなら、こうしたメニューは控えるようにと患者さんに伝えています」【10】晩酌のアルコールも控えめに毎日の晩酌は欠かせないという人には耳の痛い話だが、アルコールは利尿作用を促進させるので、飲めばその分、夜間のおしっこに。「お酒を飲むとおつまみも食べたくなり、塩分の過剰摂取につながります。つらいかもしれませんができれば晩酌は控えましょう」生活習慣を見直すだけで、深い睡眠を取り戻し、QOLを高めることができる。しかも、お金もあまりかからない、体にもやさしい行動療法を毎日続けて、夜間頻尿を克服しよう!「女性自身」2020年9月22日 掲載
2020年09月22日40代に入ると、おしっこが「出にくい」、「近い」、「夜中にトイレに行きたくなる」といった悩みを持つ人が少しずつ増えてくる。そのなかでも断トツなのが「夜間頻尿」。夜中に起きて1回以上トイレに行く人は、40代以上では約4,500万人いるといわれている。加齢とともにその人数は増え続け、50代で約6割、60代以上になると約8割の人が夜間頻尿に悩んでいるという。「夜間頻尿の定義は、就寝後、排尿のために一晩に1回以上起きること。そして、そのために眠りが浅くなり、昼間に眠気が襲ってきたり、夜間トイレに行くときに転倒したりなど、日常生活に支障をきたす状態をいいます。夜間にトイレに起きてしまう人は意外と多く、8割以上の高齢者は夜間頻尿にあてはまります」そう語るのは、国立長寿医療研究センター副院長で泌尿器科が専門の吉田正貴先生。「夜間頻尿」とわかっても、「年のせいだから仕方がない」とあきらめるのはまだ早い。最近、自宅で簡単にできる「行動療法」によって夜間頻尿を克服できることが判明しているのだ。「自分の生活を整えたり、運動したりといった『行動療法』でかなりの効果が得られます。金銭的な負担も少なく無理なく続けられますし、1カ月ぐらい続けると効果が出てきます。しかし、行動を止めるとすぐに元に戻ってしまいますので、無理なくできることから始めて、きちんと継続していくことをおすすめします」行動療法は“水分制限”“塩分制限”“運動療法”の3つの柱に分けられる。ひらたく言えば、体のなかの水分を「ためない」ことと、たまった水分を「循環させる」こと。まず気になるのは「晩酌」。「『缶ビール1本ぐらい、いいでしょう』と言われる方もいますが、いっしょにおつまみを食べると喉が渇いて余計に水分を取ってしまいます。350mlの缶ビールを1本と、余分の水分も含めて、それが夜間におしっことして出てきます。中年〜高齢者の1回の排尿量は200ml程度なので、2回ぐらい回数が増えることになります。ですから、夜間頻尿で困っている方には晩酌はすすめられません」また、カフェインには、脳や交感神経を興奮させて眠気や疲労感を取り除く働きのほかにも、尿の排出を促す利尿作用があるので、なるべく控えよう。「夜中に出るおしっこのほとんどは、昼以降に飲んだものなので、1日に取る水分の総量を減らすだけでなく午後3〜4時ごろからの水分量をセーブしたほうが効果はあります。水分は野菜や果物にもたくさん入っていますので、夕食や、その後に食べるのは控えて、食べるのなら昼間にしましょう」バナナやほうれん草などに多く含まれるカリウムは利尿作用があるので食べすぎには注意したい。また、暑い時期は熱中症を防ぐためにも水分摂取が推奨されているのでがまんは禁物。その日の気温や熱中症警戒アラートが出ているときは水分摂取を優先するなど、状況判断をしながら水分制限のコントロールをしよう。“塩分制限”では、1日の摂取基準量の設定はないものの、シチューや鍋料理など、塩分が多いメニューは控えたほうがいいという。「患者さんには、なるべく塩辛いものは食べないようにと指導しています。たとえば、コンビニなどで売っている弁当やお総菜は塩分がかなり入っていますが、あれを塩辛いと感じないようでは、日ごろからかなり塩分を取っている可能性があります」最近は商品パッケージに塩分の含有量が書かれているので、食べた分を計算しながら、日本人の1日あたりの塩分摂取量の目標、男性7.5グラム、女性6.5グラムを目安に減塩に取り組んでみよう。“運動療法”などでは、1日30分程度のウオーキングがおすすめ。取りすぎた水分はふくらはぎにたまり、ふくらはぎにたまった水分が、横になったときに再び血管に戻り、血液中の水分を減らそうとして、夜間おしっこが作られてしまうと考えられている。そこで取りすぎた水分がふくらはぎにたまらないよう「循環させる」ことも大切。夕方以降、30分程度のウオーキングやあおむけで30分以内の足上げは、ふくらはぎにたまった水分を押し出す効果がある。「歩くと筋肉が収縮されるので、ふくらはぎにたまった水分がポンプ作用で押し出されて、血管内に戻されます。また、ダンベル運動やスクワットなどの筋トレは、体が疲れることで睡眠が深くなる効果があります。いずれにしても毎日続けることが大切です」「女性自身」2020年9月22日 掲載
2020年09月21日40代に入ると、おしっこが「出にくい」、「近い」、「夜中にトイレに行きたくなる」といった悩みを持つ人が少しずつ増えてくる。そのなかでも断トツなのが「夜間頻尿」。夜中に起きて1回以上トイレに行く人は、40代以上では約4,500万人いるといわれている。加齢とともにその人数は増え続け、50代で約6割、60代以上になると約8割の人が夜間頻尿に悩んでいるという。夜間にトイレに起きることは、単に「面倒くさい」だけでは済まされない問題があると、国立長寿医療研究センター副院長で泌尿器科が専門の吉田正貴先生は語る。「日常生活のなかにどれくらい困っていることがあるのか。が治療の対象になるポイント。夜中に何回起きても困っていることはない、という人は治療の対象にはなりません。しかし、夜中に2回以上トイレに起きると、QOL(生活の質)が低下して困ることが多い、といわれています」夜間頻尿の多くは、同時に「夜間多尿」であることが多く、1日の尿量の3分の1が就寝中に出ていると夜間多尿となる。通常、昼間に比べて夜間の尿量は減るのだが、加齢により夜間の尿量を減らす「抗利尿ホルモン」の分泌量が低下したり、尿を濃縮する腎臓の機能が衰えたりすることで、夜中に作られる尿が増えてしまうのだ。そして、もう1つ。夜間頻尿の大きな原因が意外なところにあることがわかってきた。「私たちの体は体内の水分量を一定に保つため、食事や飲み物などで摂取した分を、主におしっこに変えて排出します。昼間に立ちっぱなしだったり、長時間座ったままだったりなど、同じ姿勢で過ごしていると、重力によって体の水分が下肢にたまります。さらに、加齢とともに血液を循環させる機能が低下することで、足の水分が血管から漏れ、ふくらはぎにたまってしまうのです」夕方以降になると「足がパンパンにむくむ」というのはこれが原因。日中に摂取した水分がふくらはぎにたまってしまうことから、“ふくらはぎは第2の膀胱”と呼ぶ人もいるという。こうしてふくらはぎにたまった水分が、横になったときに再び血管に戻り、血液中の水分を減らそうとして、夜間おしっこが作られてしまうと考えられている。「診療の現場では、自分でできるチェック方法として『排尿日誌』をつけてもらいます。膀胱にたまっていて排尿された量と排尿回数を知ることで、ふくらはぎに水分がたまっているかどうかがわかるのです」用意するものは、500mlまで測定できるような計量カップ。もしくは使い捨ての紙コップに50mlずつ印をつけたもので代用してもよい。記録のつけ方は、朝起きて1回目から翌朝起きて1回目までのおしっこを取り、その量と時間を記録するだけ。起床後2回目から翌朝1回目までのおしっこの量を足して、その合計を3で割った数字よりも、就寝後から翌朝1回目のおしっこの量が多い場合、夜間頻尿の原因の1つである「夜間多尿」と診断され、ふくらはぎに水分をためている可能性が高い。多尿には、糖尿病などの内分泌系疾患、水分の取りすぎといった原因の場合もあり、夜間多尿には、高血圧、うっ血性心不全(心臓の働きが弱った状態)、腎機能障害、睡眠時無呼吸症候群などが潜んでいるケースもある。おしっこの問題があるときは、内科や婦人科ではなく、泌尿器科の医師の診断を受けよう。「約11年ぶりに改訂された『夜間頻尿診療ガイドライン第2版』(日本排尿機能学会/日本泌尿器科学会編集)には、副作用の少ない治療法の第1選択肢として行動療法が推奨されています。水分制限、塩分制限、運動療法など、いずれも自宅で行える簡単な方法ばかりです。きちんと続ければだいたい1カ月程度で改善してきます」「女性自身」2020年9月22日 掲載
2020年09月21日尿漏れというと「高齢者」というイメージがあったので、自分にはまだ遠いことだと思っていましたが、ある日突然くしゃみをしたときにそれは起こったのです。実際にまだ自分がその立場になるとは思ってもいなかったのでショックでいっぱいでした。その後、更年期に尿漏れが起こることもあると知り、これはなんとか治す努力をしなければと考えたのです。そこで漢方薬や体操など尿漏れに良いと言われている情報を探し出し実践しました。幸いなことに思ったより早く努力の成果が出たようで、あれから2年たった現在は尿漏れは起こらなくなりました。そんな必死に頑張った体験談をご紹介したいと思います。47歳、震えが来るほどショックだった最近は生理用パッドだけでなく尿漏れパッドもたくさん売られていたり、テレビのCМでも見るようになったので、年齢とともに尿漏れに悩む女性は多いのだろうとは思っていたのです。しかし、47歳の自分の身に尿漏れが起こるとは夢にも思っていませんでした。それは前ぶれもなく、立った姿勢でくしゃみをしたときに起こりました。そのときはとてもショックでしたが、数十分後にまたもや同じことが連続して起こったのです。どちらもちょっとだけの漏れでしたが、私にとっては嫌悪感を伴うショックなできごとでした。それからはトイレを我慢すると便器に座る直前でほんの少し尿漏れを起こすなど、2~3日に1回はそんなことが起こるようになったので、思わず尿漏れパッドも買ったほどです。それでも更年期だから仕方ないと簡単にあきらめる気にはなれず、必死で原因や改善法を調べました。すぐにできる対策法を調べ、とにかくいろいろ実践し始めました。できることはとにかく実践!私の尿漏れ対策尿漏れの対策として、もちろん泌尿器科での治療も頭にありましたが、やはり自分のなかでどこか認めたくないところがあったのだと思います。泌尿器科での治療は、自力で努力をしても効果が出なかったときの最後の手段と決めていました。そこでまず薬やサプリを飲もうと思い、ドラッグストアの話しやすい女性の薬剤師さんに相談したところ、「八味地黄丸(はちみじおうがん)」という漢方薬をすすめられました。どこかで聞いたことのある漢方薬でしたが、とにかく更年期などの尿漏れに良いと言われたので飲むことにしたのです。「40代の女性の3人に1人はおなかに力が入ったときに尿漏れしてしまう腹圧性尿失禁を経験しているのよ」と薬剤師さんから聞き、ちょっぴり救われた気分でした。次にネットで調べた骨盤底筋を鍛えるストレッチも毎日おこないました。ほかにも例えばトイレのあとに便器に座ったまま肛門を締めたり緩めたり、座ったときにおしりから椅子の座面を吸い込むようにおしりを締めて数分そのままの状態にしているなど、できるだけ日常でも意識的に骨盤底筋を鍛えるようにしました。尿漏れがなくなった今でも努力は継続中!いろいろ努力したなかで何がよかったのかわかりませんが、毎日漢方薬の服用と骨盤底筋を鍛えることを続けていた結果、大体3カ月ぐらいたつと尿漏れのない日が増えてきました。そしてそれから1年後ぐらいには、ほとんど尿漏れはなくなったのです。腹圧性尿失禁は年齢とともにだんだん起こることが多いらしいので、今は改善されたと思ってもまたいずれ起こる可能性はあると思います。でも、少しでもそのときを遅らせたいので、これからもずっど努力は続けたいと思っているのです。本当はもうあんなに情けない思いは一生したくないと思っていますが、やはり老化はどのような形でやってくるか今の私には想像つかないことなので、少しでも予防をするしかないと考えています。しかし、今でも外出するときには、あのときの不安から尿漏れパットを使用していますし、尿意を感じたら昔のようにギリギリまで我慢することなく、できるだけ早めにトイレに行くようになりました。まとめ尿漏れを体験したときはショックで打ちひしがれましたが、いかに尿漏れを起こさないようにするか努力することが大切だと実感しています。そして、それでも尿漏れが起こるようになったときには、きちんと泌尿器科に相談することも考えたいと思っています。とにかく今回は自力の努力で良い結果が出たのでホッとしています。骨盤底筋を鍛えることや漢方薬を飲むなど、どれもすぐに効果が出るものではないと思いますが、意識的に毎日毎日きちんと継続することで大きな結果を生むのではないかと思っています。40代になり、いろいろなことが努力の継続だと気付き始めた日々です。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
2020年09月07日テレビで尿漏れや頻尿に関するCMを度々目にしていましたが、まさか自分にも尿漏れ対策が必要になるとは思っていませんでした。特に30代から40代の初めは、尿漏れなんて遠い先のこと!ぐらいに考えていたのですが、妊娠・出産を経験した私にとって尿漏れは実は身近なものだったのです。ある日、くしゃみをしたら尿漏れ…30代後半で2人の子どもを出産し、40歳過ぎまでは子どもの世話で目が回るような忙しい日々を過ごしていましたが、40代半ばには子どもは2人とも小学生になり少し自分の時間が持てるようになりました。そういうホッとした時期に風邪をひいてしまいました。ある朝、くしゃみが止まらなくなって、そのとき「あれ?」と感じたのが尿漏れ! おりものかな?と感じるほどの少量でしたし、下着にはライナーを付けていたので気にしないでいました。でも、その後くしゃみをするたびに「あれ?」と感じることが増え、下着に付けたライナーが明らかに濡れていると感じるレベルになっていったのです。自分が尿漏れしているだなんて恥ずかしくて誰にも言えず、くしゃみが出そうになると股間を手で押さえてみたり鼻をつまんでくしゃみを抑えたりして、くしゃみと尿漏れとの戦いが始まりました。風邪をひいたときの外出はライナーでは不安なので、生理用のナプキンを使用することもありました。それでも、まだなんとかなるレベルだと軽く考えていたのです。自治会の運動会で尿漏れが決定的に!子どもたちが小学生になると、学校行事や地域の行事に参加することが増えました。そのころ住んでいたのは規模の大きいマンションで、子育て世帯が多く、自治会の活動も盛んでした。子どもたちも友だちがたくさんいるので、自治会の行事にはいつも参加していました。自治会の年間行事のなかでも一番盛り上がったのが市民運動会! 私の地域の市民運動会は自治会対抗でおこなわれ、競技に参加するたびに食料品や家庭用の雑貨などがもらえるので出られるものはなんでもエントリーするといった感じで盛り上がります。そしてママ友に誘われて出ることになった大縄跳び! これが衝撃の事実を私に突き付けることになったのです。市民運動会が近づくと、マンションの敷地内にある公園は自治会対抗競技であるリレーや玉入れなどの練習をする住民でいっぱいになります。自治会対抗で優勝すれば米やじゃがいも、インスタントラーメンなどが大量にもらえるので優勝を目指してみんな必死になるのです。もちろん大縄跳びの練習もおこなわれました。そして、せーのっ!で跳んだ瞬間、ドバッと尿漏れを起こしたのです!尿漏れ対策に骨盤底筋トレーニング実は、大縄跳びの練習中に着替えに帰ったママ友が複数いました。お互いに「だよねー」と苦笑いしながら、私だけではなかったんだというホッとした複雑な感情がわいてきました。市民運動会当日は「夜用の生理ナプキンが必要やね」と笑いながら参加しましたが、私だけではないとわかってもやはりショックでした。このことを70代の母に話すと母にも経験があったらしく、「骨盤底筋のトレーニングをすると改善するよ」と言われました。実際に母は骨盤底筋トレーニングで尿漏れが治まったと言うのです。方法は簡単で、腟と肛門の筋肉に力を入れて数秒間キープし緩める。これを1日に何回かおこなうだけ。そんなことで治るの?と疑問に思いましたが、一番身近な経験者の言うことなので試してみることにしました。効果がなければ病院に行こうと思っていたのです。そして、テレビを見たり料理をしながら思い立ったらキュッと力を入れてみる感じで続けてみました。市民運動会が10月末だったのですが、半年ほど骨盤底筋トレーニングを続けた翌年の春に思い返せば、その年の冬は風邪をひいてくしゃみをしても尿漏れを起こすことがなかったのです。まとめ意識をしていたわけではなく気付くと……という感じでしたが、半年もたたずに効果が表れた骨盤底筋トレーニング。妊娠・出産を経験すると骨盤底筋が緩んで尿漏れを起こしやすくなるとネットを検索して知りました。尿漏れにはいくつかのタイプがあるようで、私の場合は腹圧性尿失禁といわれるタイプのようです。くしゃみや運動、重たい物を持つなどおなかに力を入れたときに尿漏れが起こるタイプで、骨盤底筋を鍛えるのが効果的であるとわかりました。「尿漏れ対策」でネットを検索するとさまざまな骨盤底筋トレーニングが出てきます。時間もお金もかからずいつでもできる骨盤底筋トレーニングを続け、尿漏れの心配なく日々の生活を楽しく送りたいと思っています。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
2020年08月23日人気インスタグラマーの育田花さんが、夫と揉めたときのお話。■ 「VOL.12」 のあらすじ夫がスマホを見てはニヤついていた理由は、「キャンプに行こう!」というもの。インドア派としては気乗りしなかったけど、OKしたところ夫との会話が増えていく。楽しそうな夫の姿に、これまできちんと夫を見ていなかったことに気づく。そんな幸せななか、さらなる問題が…。≫ 「『彼氏好み』に合わせる女性はアリかも…夫との会話倍増のワケ」 痛そうに見えるかもしれないけど、痛くはないです。今はだいぶ尿漏れも改善しています。次回に続きます。→次回は3月24日(火)更新予定!※この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。骨盤での異常を感じたり、症状があった場合など、医療機関にご相談されることをお勧めします。\「ダメ夫のエピソード」が動画に!/ 母ちゃんTVはコチラ チャンネル登録お願いします♪ 【いいから黙って抱いてくれ!】 連載 「Vol.1」から読む ≫ 結婚して不満はない。でも、夫との夜の生活がイマイチ…
2020年03月23日切迫早産なんてどこか他人事のように思っていたのですが、妊娠23週の定期健診でまさかの切迫早産に。突然の長期入院生活に戸惑い、悲しい気持ちになったこともありましたが、周りに救われ出産まで至った体験談をご紹介いたします。 切迫早産と入院基準妊娠23週の妊婦健診で、念のため子宮頸管長を測ることに。2年前に円錐切除術を受けており、妊娠初期に計測した際は問題なかったので油断していたのですが、通常3.5~4cmのところなんと2cmを切っていたのです。 先生は大慌てで、夫もすぐに診察室に呼ばれ、「今日から入院です」といきなり告げられました。もちろん入院準備などしていなかったので、夫に少しずつ必要品を届けてもらいました。 子宮頸管縫縮術を体験!入院して張り止めの24時間点滴プラス絶対安静の生活がスタートしましたが、これが本当につらかったです。食事もトイレもベッド上で寝たきりなので、腰痛はひどくなるし散々でした。安静にしているのに頸管長は短くなる一方でしたので、妊娠23週でマクドナルド術という子宮頸管縫縮術(しきゅうけいかんほうしゅくじゅつ)を受けることに。麻酔は下半身のみで、手術自体は5分程度なのですが、術前・術後の準備や片付けを含め1時間くらいかかりました。術前はすごく怖くて医師や看護師さんを困らせていたのですが、術中もこまめに声をかけてくださり、落ち着いて手術に臨むことができてよかったです。 術後の安静度と退院目途入院して2週間後、手術を受けたことで安静度がぐっと下がり、張り止めの点滴もはずれて内服だけになり、これだけでも手術をしてよかったと思いました。トイレ・食事・洗面・シャワーも自由で、院内を歩いてよいというレベルにまで達し、つらく長い長期入院でこの措置はうれしかったです。通常、術後の経過を見て1週間から10日で退院となるそうですが、私の場合、自宅が遠かったのと頸管長が相変わらず1cm台だったので、妊娠35週を目標に入院継続となりました。 夫の支えいきなり切迫早産と告げられ、入院生活がつらすぎて泣くことも多々ありましたが、遠慮せずに周りを頼り、気持ちを吐き出してよかったと思っています。切迫早産で入院している他の妊婦さんたちも頑張っているんだから、赤ちゃんのために私も頑張らねば、と思って入院生活を耐えてきました。夫の「ストレスの耐性値は人によって異なるから、他人と比べるなんて意味ないよ」という言葉にも救われ、ずいぶん気持ちが軽くなりました。 はじめは我慢することが多かった入院生活ですが、好きなグッズを家から持ち込んだり、夫や院内のカウンセラーの方に話を聞いてもらったりとストレスをじょうずに発散していくことができました。最終的に妊娠30週で破水し、その後妊娠31週2日で出産となりましたが、医師・看護師さん・夫、みんなに支えてもらったことをとても感謝しています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:田口 玲第二子妊娠中のワーキングマザーです。子どものお受験や、離婚、再婚を経て育児に仕事に奮闘中です。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2020年02月23日今回は、妊婦健診の尿検査で尿糖+(陽性)と判定されたときに知っておいてほしいことをお話しします。 尿糖とは尿糖とは、尿の中に現れた糖のことです。 食事をすると、すい臓からインスリンというホルモンが分泌され、糖を調節する作用が体に備わっています。人間の活動するエネルギー源となる糖は、血液によって全身の細胞や組織へ運ばれ、すい臓から分泌されるインスリンの働きで細胞へ取り込まれます。通常、腎臓内で尿が作られるとき、血液中の糖は再吸収されて、尿の中には現れません。 妊娠中は、おなかの中の赤ちゃんの成長のために、たくさんの糖分を必要とするため、胎盤がインスリンの働きを抑えるホルモンを分泌して、血糖を高めに維持します。また、胎盤でインスリンを壊す酵素ができたりと、妊娠前よりもインスリンが効きにくく、結果的に血液中に糖が多くなりやすい状態です。血液中の糖が多くなりすぎて、腎臓での再吸収が追いつかなくなると、そのまま尿の中に糖が混ざり、尿検査では尿糖+(陽性)という判定になります。 妊婦健診では、妊婦さんと赤ちゃんの健康状態を把握するために、基本的な検査の1つとして、尿検査をします。妊婦さんが紙コップに採取して提出した尿に、尿試験紙を浸して、色の濃度によって+(陽性)や-(陰性)を判定します。 妊婦健診で尿糖の有無を判定する理由妊娠中に尿糖の有無を判定することで、腎機能の低下や妊娠糖尿病(GDM)の早期発見と妊娠経過を把握するのに役立てます。 腎臓や糖尿病などの病気以外でも、糖分の多い飲食物の影響やストレスなどによって一時的に尿糖は現れることがあります。尿糖+(陽性)の場合、他の検査項目の結果と照らし合わせて、病的な尿糖なのか、一時的なものかを医師や助産師が判断します。 尿糖+(陽性)と判定されたら妊娠糖尿病?妊娠糖尿病は、尿検査ではなく、血液検査で判定します。尿糖+(陽性)が1回でも出たら妊娠糖尿病というわけではありません。また、尿糖-(陰性)でも血液検査で妊娠糖尿病と診断されることもあります。 妊娠経過が順調でも尿糖が出ることはあります。ほとんどの妊婦さんは、血糖値の上昇に合わせてインスリンの分泌量が増えるため、次回の健診時には尿糖が出なくなることが普通です。 尿糖+(陽性)の判定 その後、どうしたらいい?妊婦健診の際に尿糖+(陽性)の判定が出たら、その日の診察で担当医や助産師へ心配なことや不安なことを相談しましょう。糖分の多い飲食物の影響やストレスによって一時的に尿糖が現れることはあります。 尿検査の結果は、担当医や助産師が確認しますが、妊娠経過や他の検査結果と照らし合わせて一時的なものと判断できる場合は、その日は「次回の健診まで様子を見ましょう」と特に注意を促さないこともあります。 婦健診のときに尿糖+(陽性)が出ると「妊娠糖尿病?」と不安になり、インターネット上などの誤った情報を鵜呑みにして自己判断で糖質制限を試みる妊婦さんもいますが、自己判断かつ自己流で糖質制限をするのは止めましょう。 まずは、普段の食生活を振り返り、糖分の多い菓子類や清涼飲料水をとる機会が多ければ控えたほうが良いですが、思い当たることがなければ担当医や助産師へ相談しましょう。 妊娠中の母親の栄養状態は、赤ちゃんの栄養状態に影響します。医学的な治療として糖質制限する場合を除いて、妊婦さんは糖質を制限する必要はありません。また、妊娠中に特定の栄養素を抜くことで妊婦さんの期待どおりに血糖値をコントロールできるという研究報告はありません。 まとめ妊娠中に尿糖の有無を判定することは、妊婦さんの腎機能の低下や妊娠糖尿病(GDM)の早期発見と妊娠経過を把握するのに役立ちます。妊婦健診で尿糖+(陽性)と判定が1度くらい出ても妊娠娠糖尿病というわけではありません。 <参考>・産婦人科診療ガイドライン産科編2017・日本産婦人科学会・日本糖尿病・妊娠学会・日本糖尿病学会 日本人の糖尿病の食事療法に関する日本糖尿病学会の提言2013・厚生労働省 妊娠中と産後の食事について 監修者:医師 三鷹レディースクリニック院長 天神尚子 先生日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。著者:助産師 古谷真紀一般社団法人産前産後ケア推進協会プロジェクトリーダー大学病院勤務を経て、2015年より現職。妊娠中や産後の女性のココロとカラダの相談、ママパパ&赤ちゃんのちょっと気になるコトに日々応えています。
2020年02月18日妊娠初期(0~15週)に起こりやすい頻尿と残尿感についてお話しします。 妊娠初期(0~15週)に起こりやすい頻尿と残尿感って?妊娠初期(0~15週)は、妊婦さんの循環血液量が増えて腎臓の機能が活発になること、大きくなり始めた子宮が隣り合っている膀胱を圧迫するために頻尿や残尿感が起こることがあります。 頻尿とは尿の回数が多いことです。一般的に朝目覚めてから夜就寝するまでの間に8回以上の場合を頻尿と判断する目安にしますが、トイレへ行く回数は個々の状況によって異なるため、妊娠前よりも尿の回数が増えた、妊娠してから尿意を感じてトイレへ行く回数が増えている場合は、頻尿といえます。 残尿とは排尿後も膀胱に尿が残る状態で、残尿感とは排尿を済ませても尿が残っているような感じがする、すっきりしない感覚のことです。残尿感を自覚するとき、実際に尿が残っていることもあれば、尿が残っていない状態でも残尿感を感じることもあります。 膀胱や尿道に異常がなくても、妊娠をきっかけに作られる尿が増えたり、残尿があることで尿をためる膀胱のスペースが減り、1回の排尿量が少ないために、結果的にトイレへ行く回数が増えるというように、頻尿や残尿感は妊娠初期に生じやすいといえます。 妊娠初期を過ぎて、子宮が恥骨よりも上側へ出てくれば膀胱への圧迫は弱まり、頻尿に悩むことは少なくなります。その後は出産予定日が近づき、おなかの中で赤ちゃんの頭が下がり、膀胱を圧迫するようになると、頻尿や残尿感が再び起こるケースもあります。 妊娠初期(0~15週) 頻尿や残尿感が続くとどうなる?頻尿や残尿感以外に、尿を出し切った後に下腹部に痛みを感じる排尿後痛、尿の色が普段よりも白くにごっているなどの症状があれば、膀胱炎を起こしている可能性があります。 膀胱炎は原因となる細菌が膀胱に入り感染することで、膀胱の粘膜に炎症が起こる病気です。特に女性は尿管が短く、尿道口と膣、肛門が隣接しているため、膣や肛門に存在する大腸菌などの細菌が尿道から侵入しやすい状態のため膀胱炎を起こしやすいです。 また、一度発症すると繰り返しやすいという特徴もあります。妊娠中に頻尿や残尿感、排尿後痛などの症状が続くようであれば、膀胱炎の可能性がありますので、早めにかかりつけの産婦人科を受診して相談しましょう。 妊娠中は膀胱炎や腎盂腎炎などを起こしやすい妊娠によって大きくなり始めた子宮が膀胱を圧迫したり、腎臓と膀胱を結ぶ尿管を通る尿の流れが遅くなることで、細菌が洗い流されにくくなることで、膀胱炎や腎盂腎炎などの尿路感染症を起こしやすくなります。 尿路感染症とは尿を作る腎臓、尿を貯める膀胱、腎臓と膀胱を結ぶ尿管、尿を排泄する尿道口までの間に細菌によって起こる感染症のことです。膀胱炎を放置していると、細菌が尿管から腎臓へ侵入して、腎盂腎炎になる危険性があります。腎盂腎炎は膀胱炎の症状に加えて、発熱、背中や腰の痛みが起こります。 尿の中に細菌が混じっていても、特に自覚症状がない無症候性細菌尿という状態が誰にでも起きる可能性があります。妊娠していない状態では、無症候性細菌尿があっても治療の必要はありませんが、妊婦さんの場合は治療せずにいると、膀胱炎や急性腎盂腎炎を発症して、ときに母体だけでなく赤ちゃんの生命も危険にさらされる危険性があります。 妊娠中に頻尿や残尿感が続く場合、どうしたらいい?頻尿や残尿感があっても、水分摂取を控えたり、トイレへ行くことを我慢しないように注意しましょう。水分摂取を控えることは、膀胱炎や尿道炎を起こす原因となります。 頻尿や残尿感以外に、尿を出し切った後に下腹部に痛みを感じる排尿後痛、尿が混濁しているなどの症状があれば、早めにかかりつけの産婦人科を受診して相談しましょう。 膀胱炎や腎盂腎炎 妊娠中の治療は?無症候性細菌尿や膀胱炎の場合は、内服と通院で治療することができます。急性腎盂腎炎の場合は、安静と点滴による治療のため入院する必要があります。いずれの場合も妊娠経過や赤ちゃんに影響の少ない抗菌薬を選んで治療可能です。 重症な腎盂腎炎の場合、各々の病院や地域の連携体制によって多少異なりますが、かかりつけの産婦人科が小規模のクリニックや産院の場合、母体や赤ちゃんが早急に高度な医療を受けられるように、万が一に備えてNICU(新生児集中治療室)が併設された規模の大きい病院などへ転院もしくは母体搬送されることがあります。 まとめ頻尿や残尿感は妊娠初期に起こりやすい症状ですが、日常生活のなかでどうしてもそれらの症状が気になる、排尿後痛がある、尿が白くにごっている、発熱や腰痛がある場合は、早めに産婦人科を受診しましょう。 <参考>・産婦人科診療ガイドライン産科編2017・産婦人科診療ガイドライン婦人科編2017・最新産科学正常編著:荒木勤文光堂・最新産科学異常編著:荒木勤文光堂・日本泌尿器科学会 監修者:医師 おおたレディースクリニック院長 太田 篤之 先生順天堂大学卒後、派遣病院勤務を経て、平成22年より順天堂静岡病院周産期センター准教授就任。退職後、平成24年8月より祖父の代から続いている「おおたレディースクリニック」院長に就任し現在に至る。著者:助産師 古谷真紀一般社団法人産前産後ケア推進協会プロジェクトリーダー大学病院勤務を経て、2015年より現職。妊娠中や産後の女性のココロとカラダの相談、ママパパ&赤ちゃんのちょっと気になるコトに日々応えています。
2020年01月28日第2子が1歳になる前に第3子を妊娠しました。第2子のときも「子宮頚管が短い」とのことで薬を処方され、安静生活を強いられていたので、「もしかしたらまた今回も……」とビクビクしながら過ごしていました。しかし2人の子どものいるなかでゆっくり過ごすことはできませんでした。そして妊娠8カ月になるころ、やはり産院で「子宮頚管が短くなっています! 薬を出しますから安静にしてください」と言われてしまったのです。 まさかの年子で第3子を妊娠長女が4歳のときに待望の第2子(次女)を出産しました。子どもは2人でいいと考えていたので、「もうこれで妊娠・出産も終わりだな~」と思っていました。 しかし、次女が1歳になる前に妊娠が判明。まさかの年子で第3子を妊娠したのです。近くに気軽に頼れる身内もおらず、夫の休日は日曜のみ。しかもそのころはエレベーターのないマンションの3階に住んでいました。 さらに次女妊娠中には、子宮頚管が短く要安静生活を強いられていた経験があったため、ヒヤヒヤしながらも、いつも通りの生活をするしかありませんでした。 妊娠8カ月でやっぱり……妊娠7カ月ころまではなんとかもちこたえており、「今回は大丈夫かな」と思っていました。しかしやはり、妊娠8カ月になったころの妊婦健診で、「子宮頚管が短くなっています!」と忠告されました。ただ、次女を出産した産院の同じ先生が担当だったので、事情を理解してくれていました。 そのため入院はなんとか免れましたが、「おなかの張り止めの薬を飲みながら安静にしてください」とのこと。このままではマズいと思い、夫に助けを求めつつ、何か頼れるサービスがないかと探し始めました。 周囲のサポートのおかげで乗り切ることができた!長女と同じ保育園のママ友に送迎を頼んだり、部屋の掃除は夫にお願いしたりしながら、なんとか乗り切っていました。買い物はほぼネットスーパーと宅配にし、住んでいる自治体のファミリーサポートにも登録しました。 それでも荷物と1歳児を抱えて3階の自宅まで上ったり、土曜日は子ども2人を自分だけでみていたりと、完全に安静な生活を送ることはできませんでした。しかし幸いなことに、意外と臨月まで何事もなくもちこたえ、妊娠39週で無事出産。かかった時間は2時間半、3,800gの大きくて元気な長男を出産することができました。 「安静に」と言われても、第2子以降の場合はなかなか安静にもしていられません。できるだけ周囲に状況を詳しく説明して、頼れる人にはとことん頼ること。使えるサービスはできる限り調べて使っておくこと。そうしておくことで、産後も何かと役に立ちました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト:sawawa著者:岩崎未来三児(女・女・男)の母。出版社・編集プロダクションの勤務を経たのち、第一子出産を機にフリーランスに。現在は会社役員という肩書きを持ちながらも、ライター・編集者としても活動中。
2020年01月23日女性医療専門クリニックの関口由紀医師監修骨盤底筋を鍛えて尿もれの悩みや、下腹ぽっこりを解消しようという新刊『尿もれ、下腹ぽっこり解消! 骨盤底筋の使い方』が発売された。著者は広島大学大学院医系科学研究科スポーツリハビリテーション学研究室講師で、保健学博士、理学療法士の前田慶明氏である。また、骨盤底筋リハビリテーションを行っている女性医療クリニックLUNAグループの理事長で、日本泌尿器科学会専門医の関口由紀氏が監修を務めている。同書はB6変型で160ページ、1,320円(税込)の価格にて、池田書店より発売中である。女性の約7割が悩む尿トラブルに前田慶明氏は日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーであり、スポーツのパフォーマンス向上と怪我の予防、健康に関する研究を行い、日本初の骨盤底筋育成LINEアプリ「キュットちゃん」の共同研究者でもある。骨盤の底にある筋肉・骨盤底筋。子宮や膀胱などの内臓を支えるとともに、排泄の制御でも重要な役割を担っている。骨盤底筋の衰えは特に出産を経験した女性や50代以降の女性に多く、尿もれや頻尿の原因になり、下腹ぽっこり、ヒップライン、足のむくみなど美容の悩みにも関係している。新刊では、女性の約7割が悩んでいるという尿トラブルや、下腹ぽっこりなどの悩みを解消する骨盤底筋の鍛え方を解説。骨盤底筋エクササイズや、肩こり、腰痛、膝痛を改善するエクササイズ、自宅や外出先でできる「自分でできる尿トレ」などが紹介されている。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※尿もれ、下腹ぽっこり解消! 骨盤底筋の使い方 - 株式会社 池田書店
2020年01月22日長男妊娠7カ月のときです。家にひとりでいると突然、下腹部に激痛が。だんだんひどくなっていく痛みに、おなかの赤ちゃんは大丈夫なのかとても心配で不安でした。かかりつけの産婦人科で診察してもらい、総合病院に緊急搬送されることに……。そのときの体験談をご紹介します。 突然、原因不明の激痛当時、共働きで土曜日も出勤だった私は17時ごろ帰宅。眠くて横になっていました。夫は用事で実家に戻っていて不在でした。しばらくして突然、下腹部に違和感が。はじめは安静にしていれば治まると思いましたが、時間が経つにつれ痛みが強くなっていきます。まだ我慢できない痛みではなかったため、どうしようか迷いましたが、かかりつけの産婦人科に連絡したところ、「念のため来てください」ということでした。 前もって電話で相談していた夫が手配してくれたタクシーに乗って病院に向かい、すぐに診察してもらいましたが、原因は不明。痛みもやや治まり、おなかの赤ちゃんも異常なしということで、ひとまず帰宅して様子をみることになりました。 気が遠くなるほどの痛みで緊急搬送その後、夫も帰宅。時間が経つにつれ、徐々に我慢できない痛みになってきました。当時は「とにかく痛い」しか頭になく、痛みで気が遠くなることも。23時ごろになっても痛みは強くなる一方でした。再度、産婦人科に連絡して病院へ行きました。 そして今度は血液検査をおこなうことに。検査の結果、白血球の数が増えているということで、総合病院に救急車で緊急搬送されることになりました。激痛は本当につらく涙が出そうでしたが、おなかの赤ちゃんは問題ないということだけが救いでした。 原因は「尿管結石」だった!総合病院に搬送され、いろいろな診療科の先生たちに囲まれたのを覚えています。その日は原因がわからず、そのまま入院することになりました。病室に入ったときはすでに明け方の3時近くでした。痛み止めの点滴を打ってもらいましたが、それでも痛みでほとんど眠れませんでした。自分だけではなく、おなかの子も心配でしたが、当時すでに胎動は感じることができていたので安心感はありました。翌日の診察で、痛みの原因が「尿管結石」であることがわかりました。病気が判明後は治療もスムーズで、3日間で無事退院となったのです。 夫も不在で実家も義実家も遠く、ひとりで痛みに耐えるのはとても不安で心細かったです。それまではとても順調な妊婦生活でしたので、まさか自分が妊娠中に入院することになるとは思いもよらず、赤ちゃんに何かあったらと、とても心配でした。その後は出産まで問題もなく、尿管結石も再発しませんでした。当時、おなかにいた長男も問題なく、すくすくと元気に成長しています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:竹内優実5歳と2歳の男児を育児中。時短と節約が大好きなアラフォー母。簿記2級・MOSマスター・初級シスアド取得。パソコンを活かした育児グッズの作成が得意。夫は激務の為、ほぼ一人育児中。
2019年11月17日夜中に何度もトイレに起きる夜間頻尿。睡眠不足になるばかりか、糖尿病などの重篤な病気が隠れていることも。まずは、改善マッサージを試してみて!「夜中に尿意をもよおして目が覚め、トイレに1回以上行く人は40代以上だと、約4,500万人もいます。この状態は『夜間頻尿』といって、夜中にトイレに行く回数が多いほど、死亡リスクも高くなるのです」そう指摘するのは、東京都健康長寿医療センター研究所の堀田晴美研究部長だ。夜中にトイレに行く回数が多い人ほど要注意だという。「東北大学医学部の泌尿器科研究チームが、70歳以上の高齢者を5年間追跡調査しました。すると、夜中に1回トイレに行く人の死亡率を1とした場合、2回の人の死亡率は1.59倍、3回の人は2.34倍、4回以上になると3.6倍と、夜間にトイレに行く頻度が高いほど、死亡率も高くなるということがわかりました」加齢とともに、夜間頻尿に悩む人は増えていく。50代で約6割、60代以上になると約8割の人が夜中にトイレに起きているという(日本泌尿器科学会調査より)。「原因には、内臓の機能低下や、水分の取りすぎなどがありますが、約3分の1が『過活動膀胱』によるものです。これは自律神経が乱れることによって、膀胱の収縮機能が正常に働かなくなってしまう状態を指します」自律神経は交感神経と副交感神経に分かれる。交感神経の働きにより膀胱に尿がたまり、副交感神経の働きが尿意をもよおす。これらが乱れると膀胱の働きをコントロールできなくなってしまう。泌尿器に関するデリケートな問題なので、「人に相談できずに悩みを抱えている女性も多い」と堀田先生。そこで、まずは次のチェックシート(過活動膀胱診療ガイドライン:日本排尿機能学会編集〈2015年〉を基に作成)で、過活動膀胱ではないか確認してみよう。【1】起きている間、トイレに何回行きますか□7回以上(0点)□8〜14回(1点)□15回以上(2点)【2】就寝中トイレのために何回起きますか□0回(0点)□1回(1点)□2回(2点)□3回以上(3点)【3】激しい尿意に襲われ、トイレに駆け込んだことはありますか□なし(0点)□週に1回より少ない(1点)□週に1回以上(2点)□1日1回くらい(3点)□1日2〜4回(4点)□1日5回以上(5点)【4】尿意を我慢できず、漏らしてしまったことはありますか□なし(0点)□週に1回より少ない(1点)□週に1回以上(2点)□1日1回くらい(3点)□1日2〜4回(4点)□1日5回以上(5点)【3】の質問が2点以上かつ合計点数3点以上は夜間頻尿の可能性あり。5点以下=軽度、6〜11点=中等症、12点以上=重症。しかし、該当しても、すぐ悲観する必要はない。「夜間頻尿の原因が過活動膀胱であれば、改善法があるんです。自律神経を整える薬を飲むという方法もありますが、口内炎や便秘などの副作用もあるので、これは最終手段。まずは、自律神経を整えることができるマッサージを試してみましょう」まず、堀田先生が昨年編み出した「骨盤底さすり」。過活動膀胱による高齢者の夜間頻尿の症状緩和効果が認められ、国内外で注目されているマッサージだ。やり方は簡単。「人さし指の腹で、会陰部(肛門と膣の間)約3センチの皮膚を、そう〜っと左右に10往復さするだけです。1秒間に1センチを目安にゆっくりと動かし、指先が皮膚にかすかに触れるかどうか程度の力で、優しくさすってください。この軽いタッチにより、脳やせき髄の中で、脳内モルヒネが出て、膀胱への排尿の指令をせき髄で抑制してくれるんです。眠る前にやってみてください」ただし、「骨盤底さすり」は布などをはさむと効果は半減。何もはいていない状態で行うことが望ましい。こんなデリケートな部分を触ることに抵抗がある人や、家族の目が気になってやるのが難しい人は、「脚の裏側さすり」を試してみよう。「膀胱に関する神経が集中している脚の裏側を手のひらで、1分間ゆっくりゆっくりさすっていきます。お尻から太もも、膝の後ろ、ふくらはぎにかけて、うぶ毛が動くぐらいのわずかな力で、少しくすぐったいぐらい優しくさすってみてください。お風呂上がり、肌が乾いてからやるのがおすすめ。心地よい状態でさすることで、自律神経を整えることができます」堀田先生が考案したこれらのマッサージで、夜間頻尿が改善した患者は多いという。「78歳のAさんは、失禁しかけたこともあるほど急な尿意に悩んでいましたが、『骨盤底さすり』を始めた日から、5回あった夜中の頻尿の回数が3回に減ったのです。また、多いときには一晩で5回もトイレに起きていたという80歳のBさんにも、就寝前と朝の起床後、昼すぎの3回、骨盤底さすりをしてもらいました。すると、2カ月後には夜中のトイレの回数が1〜2回に減り、ときには朝まで一度も起きずに熟睡できるようになったんです」ただし、このケア法が効くのは、過活動膀胱が原因の夜間頻尿だけ。「効果がない場合、血管障害、心臓疾患、内臓の機能低下など、重篤な病気を疑ったほうがいいかもしれません。健康診断や人間ドックを受けて原因を調べてみましょう」朝までぐっすり眠りたいーー。そんな願いをかなえて、健康も手に入れよう。
2019年10月23日P&G株式会社の調査によると、20代以上の2人に1人以上の女性がUI(尿もれ)の経験を持つことが判明した。若い世代にも多いUI(尿もれ)だが、依然として「高齢者の症状」という誤った認識を持っていたり、UI(尿もれ)を経験しても誰にも相談できないという悩みを持つ人多いのではないだろうか。そうした尿もれにまつわる「恥ずかしさ」や「抵抗感」をやわらげたいという想いのもと開発されたのが、新・吸水ケアブランド「ウィスパー」だ。生理用品ブランドから生まれ変わった吸水ケアブランド「ウィスパー」「ウィスパー」はかつて生理用品ブランドとして女性たちに親しまれ、「安心感・信頼感がある」と多くの人からの支持を集めてきた。今回UI(尿もれ)をサポートする専用吸水ケアブランドを立ち上げるにあたり、より身近な存在で、安心できる、頼りになる存在でありたいとの想いから、多くの人が認知している「ウィスパー」をブランド名にしたという。「UI(尿もれ)」は誰にでも起こること。妊娠や出産、加齢(閉経)などのライフイベントのみならず、肥満、食生活、運動習慣、座り過ぎなどの現代の生活習慣にも起因する。また「UI(尿もれ)」の受け止め方や向き合い方も人それぞれで、「年をとった気分になる」「誰にも相談したくない」など精神的ダメージを受けている人もいる。P&Gでは尿もれという言葉の抵抗感をやわらげるため、「尿失禁(尿もれ)」を意味する用語「Urinary Incontinence」の略称である「UI」を積極的に使い、尿もれに対する理解や適切なケア方法がより多くの人に広まるよう「UI(尿もれ)」啓発活動にも努めていく。幅広い年代のUI経験者が語る、他人事ではない現実今まであまりフォーカスされてこなかった「UI(尿もれ)」に関する現状を変えるべく、先日都内で開催された発表イベントには実際にUI(尿もれ)を経験している有名人たちが登場。松本志のぶさん、虻川美穂子さん、上脇結友さんがウィスパーブランドアンバサダーとして、さらにまだ経験がないがUI(尿もれ)を学ぶ立場のゲストとして菊地亜美さんも登場し、トークセッションを行った。UI(尿もれ)に気づいたきっかけについてはアンバサダー3名ともが「妊娠出産」だという。「20代なのにショックだった…」(上脇さん)、「産めばなおると思っていたら産んだ後も続いた」(虻川さん)、「子どもを抱っこしたりあやしたりしていた時にヒヤッとしたものを感じた。最初は認識がなかったが、最近になってUI(尿もれ)だということに気づき、ショックと同時に納得感もあった」(松本さん)と、それぞれが経験を語った。イベントには、女性のための泌尿器科「ウロギネコロジー」の専門家で亀田総合病院 ウロギネセンター長の野村昌良先生も登場。「UI(尿もれ)の原因は骨盤底筋の脆弱化にあり、これは激しいスポーツ、肥満、座り仕事、介護などでもなる可能性がある」と語った。さらにUI(尿もれ)の対策方法としては骨盤底筋を鍛えることが一番簡単であること、1日5分でもテレビを見ながらや電車に乗った時など、継続して鍛え続けることが大切だと語った。また、会場には20代から50代の一般の女性30名が招待されており、手元のボタンでアンケートを実施した。その結果、今までにUI(尿もれ)を経験したことのある人は13人、またUI(尿もれ)について誰かに相談したことがある人は2人ということが明らかになった。「約半分の人がUI(尿もれ)の経験があると知り、普通にみんなあることなんじゃないかと思った」と菊池さん。松本さんも、「友人が旦那にUI(尿もれ)を話したら『やばいんじゃない?』と言われたけど、UI(尿もれ)の知識が男女関わらずに広まれば、こういった偏見もなくなると思う」と語った。吸収してもうすくてさらさら!上質感のあるパッケージデザインで手に取りやすい「ウィスパー」はこうした日本人女性のパートナーになるべく誕生したUI(尿もれ)専用吸水ケアブランドだ。その大きな特長は、尿を吸水しても“うすくてさらさら”な状態を保てること。パンパースで50年以上の実績を持つP&Gは、同じ吸水のメカニズムをウィスパーにも活用。近年開発した1層構造でも高い吸水力を保つことができる「スリムシート」を採用し、うすさと吸水力を両立している。今回のトークセッションではその吸水力を実際に実験。1回で漏れてしまう尿の量と言われている15mlの液体が入った風船を用意。3つ割って3回分の液体をウィスパーが受けとめたが、表面はさらさらで液体がついていないところと同じ感触だとゲストも驚いた様子だった。また、液体を吸ったウィスパーをねじるという実験も行われたが液体が染み出すこともなく、一度吸水したものは逆戻りしないという安心感が実感できた。店頭で買う際に抵抗感がないよう、紫を基調とした花モチーフの上質感あるパッケージデザインを採用。個装にも気持ちが華やぐような工夫を凝らし、フェミニンさを感じる複数の柄があしらわれている。吸水ケアブランド「ウィスパー」は、女性のライフイベントや現代の生活習慣による体の変化に寄り添い、「自分らしく充実した豊かな毎日」を応援してくれるパートナーとなってくれるはずだ。ストレスない日々を過ごすために、こうしたケア製品をうまく活用してほしい。【参考】※ウィスパー公式サイト※P&Gジャパン
2019年10月21日20代、30代にとっては「まだまだ先のこと」というイメージの強いUI(尿もれ)。しかし、年齢を問わず咳やくしゃみをした時や重い荷物を持ち上げた時、「あっ!」という経験をしたことがある女性も少なくないのではないでしょうか?事実、P&Gジャパン株式会社が行った調査(※)によると、20代から60代女性の2人に1人以上が「UI(尿もれ)の経験がある」と答えているのです。つまり、UI(尿もれ)は年齢に関係なく起こり得るということ!もはや他人事ではない問題なのです。((※)2019年7月、全国の20〜60代の女性4万人を対象にインターネットにて実施)そんなUI(尿もれ)は誰にでも起こり得る問題である一方で、デリケートな話ゆえに周りに相談しにくく、いざ悩んでもどう対策していいのか分からないというのが本音ですよね。そこでP&Gが新たに立ち上げたのが、吸水ケアブランド「ウィスパー」です。P&Gの「ウィスパー」が吸水ケアブランドに!「ウィスパー」と聞くと生理用品のイメージが強い人も多いと思いますが、実はこのたびブランドを一新!「ウィスパー」で培ったブランドへの「安心感・信頼感」を引き継ぎ、日本女性のUI(尿もれ)問題に寄り添う新・吸水ケアブランド「ウィスパー」として生まれ変わりました。10月17日には、新・吸水ケアブランドとして生まれ変わった「ウィスパー」のお披露目会が都内で行われ、アンバサダーに選ばれた松本志のぶさん、虻川美穂子さん、上脇結友さんと、ゲストの菊池亜美さんが登壇。また、UI(尿もれ)が起きる原因や予防法を教えてくださる先生として、専門家である亀田総合病院ウロギネセンター長の野村昌良先生も登壇しました。アナウンサー松本さんも虻川さんもUI(尿もれ)経験者!イベントでは、アンバサダー3人が実際に経験した「UI(尿もれ)体験談」を披露。3人とも妊娠・出産を機に尿もれするようになったそうで、鼻炎持ちの虻川さんは「くしゃみなどちょっとしたことで尿もれしてしまう。季節の変わり目はとくにつらいです…」と話し、20代代表アンバサダーの上脇さんは、初めて経験した時に「まだ私20代なのに、もう尿もれするんだ!」と驚いたと言います。その話を聞いていた菊池さんも、「そんなにみんなが経験しているとは知らなかったからビックリ!しかも世代関係なく経験しているということは私も他人事じゃないと思いました。しっかり学んでおかないと!」と危機感を抱いた様子でした。「UI(尿もれ)」はなぜ起きる?原因と簡単UI予防策では、そもそもなぜUI(尿もれ)は起きてしまうのでしょうか?また、起きてしまったらどんな対策を取れば良いのでしょうか?原因と対策について、野村先生はこのように話します。「尿もれの主な要因は、よく知られている出産のほか、慢性的な便秘や年齢による体の変化、肥満や運動不足などが挙げられます。いずれも、尿道を支えている『骨盤底筋』が緩むことが大きな原因。つまり、尿道を支える筋肉が弱まることで尿道がぐらぐらと不安定になり、尿もれが起きやすくなります。対策としては、骨盤底筋を鍛える体操やインナーマッスルを鍛える体幹トレーニングなどが効果的です」キーワードは「骨盤底筋」だという、野村先生。骨盤底筋を鍛えるには「骨盤底筋体操を継続的にやってみるといいですよ。電車に乗っている時などにギュッと力をいれるなど簡単にできます」とのことです。また膀胱トレーニングも効果があるとし、「トイレに行きたい時に5〜10分を目安に尿意を我慢してみましょう」とアドバイス。「トイレを我慢すると膀胱炎になると言われたことがある人が多いかもしれませんが、実は医学的には間違い。むしろ多少我慢することによって膀胱の筋肉が伸びて頻尿を防ぎ、ひいては尿もれ予防に繋がります」と話しました。UI(尿もれ)の緩和や予防には日頃から地道なトレーニングを続けることが大事なんですね!とはいえ、トレーニングですぐにUI(尿もれ)がなくなるわけではありません。「対策として、専用の尿もれパッドを使うのがおすすめです」という野口先生。尿もれ専用パッドはデリケートゾーンを清潔で快適に保つのに有効なほか、いつ来るか分からないUI(尿もれ)への不安解消にも役立つと言います。「ウィスパー」があれば、モレもにおいも心配なし♪イベントでは、「ウィスパー」の特長である「吸水しても“うすくてさらさら”」の実力を披露すべく、こんな実験も。1回のUI(尿もれ)の平均的な量の水が入った風船が3つ用意され、風船を割るごとに「ウィスパー」の吸水パッドがその水を受け止めるというパフォーマンスが行われました。風船を割る役に選ばれた菊池さんは、「割れるの怖い!」と言いながらも順調に風船を割っていき、なんと、3回分ものUI(尿もれ)の水分量を受け止めてもうすくてさらさらの吸水パッドを見て驚きの表情。他の3人も「スゴイ!こんなに薄いのに全部吸水しちゃった!」「たくさん水を吸ったはずなのにベタついてないね」と、その実力に感心しきりでした。UI(尿もれ)は誰にでも起こり得るものですが、こうして予防法や対処法を知っているといざという時に安心ですよね。すでに悩んでいる人はもちろん、これからが心配な人も、この機会にUI(尿もれ)について理解を深めてみていはいかがでしょうか。参考:P&Gジャパン
2019年10月18日産後に困ったことの1つに、尿漏れがあります。私の場合、産後すぐから半年間ほど尿漏れに悩まされました。今回は、私の産後の様子と尿漏れを改善した方法をご紹介します。 産後しばらく尿漏れが続く妊娠、出産を経験し、産後は骨盤がゆるんだり、常に眠かったり、体がだるかったりと体調不良が続くという方もいるかと思います。私自身、産後のそれらの症状の1つに尿漏れがありました。 産後、赤ちゃんのお世話で力が必要な場面も多々ありますよね。そんな力が必要な場面で、ぐっとおなかに力を入れると尿漏れをするようになってしまいました。そのほかにも、笑ったりくしゃみをした際も。だんだん改善していくだろうと思いましたが、出産から数カ月が経過しても尿漏れは続きました。 ナプキンや尿取りパットが手放せない日々はじめのうちは、尿漏れに加えて出血もあるため、ナプキンを使用していました。だんだんと出血もなくなっていったので、そろそろナプキンを使わなくてもいいかな? と思ったのですが、尿漏れの量が多いときもあり、ナプキンや尿取りパットがしばらく手放せない状態に。そんな状態が3カ月も4カ月も続きました。 そこで、何か尿漏れを改善する方法はないかと思い、調べてみることにしたのです。 引き締め体操で尿漏れが改善!まずはゆるんだ骨盤を整えるために、骨盤矯正ベルトを購入。産後すぐは体調も優れず、骨盤矯正ベルトを使うのが億劫でしたが、使用してみるとタポタポになっていたおなかの皮がだんだんと元に戻っていきました。骨盤矯正ベルトは間違いなく使ってよかったと感じています。 また、尿漏れに効果があるという引き締め体操を取り入れました。おしりの穴をギュッと10秒間締めて、そのあと10秒間ゆるめるという運動をタイミングを見つけては実践。1カ月ほど続けたところ、尿漏れはすっかり改善しました。 引き締め体操は立っているときでも座っているときでもできるので、手軽に続けられておすすめです。家事をしながらでもできるので、尿漏れに悩んでいらっしゃる方は、機会を見つけて試してみるといいかもしれません。著者:石原みどり知的障害を持つ子どもと口唇口蓋裂を持つ子どもの母。波乱万丈で大変なこともあるが、子どもたちと幸せいっぱいに生活している。経験を踏まえ、子育てに関する情報を発信中。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年08月27日尿路結石、高尿酸血症……。なんとなく「男性しかかからない」と思っていた病気に悩まされる女性が増えているそう。実は、女性ならではの生活習慣が招くことも多い「気をつけるべき病気」を知り、病気を招く生活習慣を正しましょう。「冷や汗が出るほど激しい痛みが下腹部に走り、頻尿で何度も駅のトイレに駆け込んで用を足すと、便器が血で真っ赤になったので思わず叫んでしまいました——」悪夢の出来事を振り返るのは、都内に住む50代の女性。病院に駆け込むと「尿路結石」と言われた。「尿路結石は汗を大量にかく夏場によく起こる病気です。体内の水分が汗で失われるので、尿中のシュウ酸カルシウムの量が増えて結晶化される。つまり“石”ができます。その石が尿路でつまることで激痛に見舞われるのです。そもそも中高年の男性がかかる病気なのですが、最近は女性でもかかる人がいるようです」そう語るのは、石黒クリニック(岐阜市)の石黒源之院長。女性は女性ホルモンが減少してくる年代になると、体調の異変が起こり、更年期障害のほかにもさまざまな病気にかかりやすくなる。その1つが「尿路結石」。血中のカルシウムの量が不足してくると、背骨や太ももの骨を溶かして補おうとする。その働きにより、一時的に血中のカルシウム量が増えてくるという。「そこに、ほうれん草やたけのこ、紅茶、チョコレートなどシュウ酸を多く含む食べ物を取りすぎると、さらに血中のシュウ酸カルシウム量が増えてきます。また、更年期ではない若い世代でも、カルシウムなどのサプリメントを大量に取ると、石ができやすくなるという報告もあるので気をつけましょう」(石黒院長・以下同)尿路結石のほかにも、高尿酸血症や痛風や、脂肪肝といった“おじさんの病気”にかかる女性が増えているという。「女性ホルモンには尿酸の排出を促す働きがあるため、痛風になる女性は少ないといわれていました。ところが近ごろは、お酒を男性並みに飲む人も増えていますし、お肉など高カロリーなものを取るので、内臓脂肪がたまりやすくなります。一方で炭水化物抜きダイエットなどで高タンパク質の食事を取っている人は、プリン体の摂取が増えて、高尿酸血症や痛風になりやすいのです」さらに「若いころはいくら食べても太らなかったのが、最近急激に体重が増えた」という人も多いが、これは閉経後、女性ホルモンが減っているにもかかわらず、同じ食生活を続けていることで起こる問題だ。以前は皮下脂肪として蓄積されていた余ったエネルギーが、内臓脂肪として蓄積されるように。その内臓脂肪は肝臓にも蓄積して、脂肪肝を引き起こす。「食事で取った脂質は小腸で吸収され、肝臓で脂肪酸に、糖質はブドウ糖に分解されてから肝臓で中性脂肪に変化しますが、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ると、使いきれなかった脂肪酸やブドウ糖が中性脂肪として肝臓に蓄積されてしまうのです。放っておくと、肝硬変や肝臓がんに進行する可能性があるので危険です」そんな「おじさんの病気」にならないための心得8カ条は次のとおり。【1】「BMI(肥満指数)」は25以下をキープする【2】「ほうれん草」を食べすぎない【3】アルコールは「禁酒」、もしくは「節酒」を心がける【4】1日30分以上「早歩き」をする【5】「サプリ」を取りすぎない【6】「カフェイン・糖分抜き」の水分を取る【7】「炭水化物抜きダイエット」は控える【8】ストレスをためないで「十分な睡眠」を取る「おじさんの病気」の恐怖を遠ざけるためにまず必要なのは、ダイエットだ。「BMI(肥満指数)」は25以下をキープすること。「尿路結石は、食事の欧米化や運動不足といった生活習慣の乱れが原因の1つです。食べすぎ飲みすぎを控えるなど、食生活を見直して、シュウ酸を多く含む、ほうれん草は食べすぎないようにしましょう。また、1日30分『早歩き』するなど運動を習慣づけてメタボ気味の人はダイエットするように。夏場は外出先でトイレが近くならないように、水分を控える女性が多いのですが、アイスコーヒーやアイスティーではなく、『カフェイン・糖分抜き』の水分を取ること。熱中症対策にもなります」また、食事の量を減らす代わりにサプリメントを取る人も多いが、それはNG。「サプリメント」も取りすぎないようにしよう。痛風の原因、プリン体を増やさない食事を取るためにも、タンパク質量が増える「炭水化物抜きダイエット」は控えよう。「ストレスがかかると食生活が不規則になり、偏食しがちになります。睡眠時間が1日6時間以下は、脂肪肝を促進する可能性があるといったデータもあります。寝苦しい季節ですが、冷房をうまく使い、ストレスをためないで『十分な睡眠』を取りましょう」毎日少しずつ生活習慣の改善に取り組み、健康な体に戻そう。
2019年08月16日「冷や汗が出るほど激しい痛みが下腹部に走り、頻尿で何度も駅のトイレに駆け込んで用を足すと、便器が血で真っ赤になったので思わず叫んでしまいました——」悪夢の出来事を振り返るのは、都内に住む50代の女性。病院に駆け込むと「尿路結石」と言われた。「尿路結石は汗を大量にかく夏場によく起こる病気です。体内の水分が汗で失われるので、尿中のシュウ酸カルシウムの量が増えて結晶化される。つまり“石”ができます。その石が尿路でつまることで激痛に見舞われるのです。そもそも中高年の男性がかかる病気なのですが、最近は女性でもかかる人がいるようです」そう語るのは、石黒クリニック(岐阜市)の石黒源之院長。女性は女性ホルモンが減少してくる年代になると、体調の異変が起こり、更年期障害のほかにもさまざまな病気にかかりやすくなる。その1つが「尿路結石」。血中のカルシウムの量が不足してくると、背骨や太ももの骨を溶かして補おうとする。その働きにより、一時的に血中のカルシウム量が増えてくるという。「そこに、ほうれん草やたけのこ、紅茶、チョコレートなどシュウ酸を多く含む食べ物を取りすぎると、さらに血中のシュウ酸カルシウム量が増えてきます。また、更年期ではない若い世代でも、カルシウムなどのサプリメントを大量に取ると、石ができやすくなるという報告もあるので気をつけましょう」(石黒院長・以下同)尿路結石のほかにも、高尿酸血症や痛風、脂肪肝といった“おじさんの病気”にかかる女性が増えているという。【尿路結石】女性ホルモンの減少に伴い、血中カルシウム量が不足してくると、背骨や太ももの骨を溶かして補おうとする。その働きにより一時的に血中カルシウム量が増えてくる。汗を大量にかき、尿の量が減少したときに、尿中のシュウ酸やカルシウムなどが結晶化されやすくなる。サプリを取りすぎるとカルシウム量が増えるので注意。【高尿酸血症】血液中の尿酸値が高くなることを高尿酸血症といい、症状は出ないが、痛風、慢性腎臓病、尿路結石、心筋梗塞を起こす危険が高まるというデータがある。腎臓から尿酸を排出する女性ホルモンが減ることにより、女性も尿酸値が高くなることがある。【痛風】尿酸値が高いまま放っておくと、血液中の尿酸が関節に結晶を作り、炎症が起こる。足の親指の付け根などが突然激しく痛む。痛風と似た激痛が膝関節などを襲ったときは、ピロリン酸カルシウムの結晶が関節内にたまることで炎症が起こる「偽痛風」を疑ってみよう。【脂肪肝】女性ホルモンが内臓脂肪をたまりにくくして、余ったエネルギーは皮下脂肪として蓄積してくれるが、女性ホルモンが減少したあとも同じ食生活を続けていると肝臓に内臓脂肪が蓄積されやすくなる。「女性ホルモンには尿酸の排出を促す働きがあるため、痛風になる女性は少ないといわれていました。ところが近ごろは、お酒を男性並みに飲む人も増えていますし、お肉など高カロリーなものを取るので、内臓脂肪がたまりやすくなります。一方で炭水化物抜きダイエットなどで高タンパク質の食事を取っている人は、プリン体の摂取が増えて、高尿酸血症や痛風になりやすいのです」血中の尿酸値が7mg/dLを超えると高尿酸血症と診断される。この時点で痛みなどの症状は出てこないが、尿酸値が上昇すると血液中の尿酸が関節に結晶を作り炎症を起こす。足の親指の付け根などが激しく痛む「痛風」になる。「痛風と似たような激痛が膝関節などを襲う『偽痛風』にかかる人もいます。ピロリン酸カルシウムの結晶が関節内にたまることで炎症が起こるのです。偽痛風は中年以上の女性に多く見られます。膝の変形性関節症だと勘違いして、整形外科を受診しても治らない場合は、内科に行って血液検査を受けることをおすすめします」さらに「若いころはいくら食べても太らなかったのが、最近急激に体重が増えた」という人も多いが、これは閉経後、女性ホルモンが減っているにもかかわらず、同じ食生活を続けていることで起こる問題だ。以前は皮下脂肪として蓄積されていた余ったエネルギーが、内臓脂肪として蓄積されるように。その内臓脂肪は肝臓にも蓄積して、脂肪肝を引き起こす。「食事で取った脂質は小腸で吸収され、肝臓で脂肪酸に、糖質はブドウ糖に分解されてから肝臓で中性脂肪に変化しますが、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ると、使いきれなかった脂肪酸やブドウ糖が中性脂肪として肝臓に蓄積されてしまうのです。放っておくと、肝硬変や肝臓がんに進行する可能性があるので危険です」
2019年08月16日妊娠によってさまざまな体の変化が起こり、症状として現われます。頻尿もそのひとつ。ここでは、妊娠中に頻尿になる理由や対処法についてご紹介します。 頻尿は妊娠の徴候?妊娠するとどうして頻尿になるのでしょうか? その理由には、以下のようなものがあります。 ●腎機能の働きの変化妊娠すると赤ちゃんに血液を供給しなくてはならないという理由から母体を巡る血液が増え、心臓から押し出される血液の量も増加します。それに伴い、腎臓に送られる血液の量も増加し、作られる尿も増えます。 ●ホルモンバランスの変化妊娠するとプロゲステロンというホルモンの分泌が増加します。プロゲステロンには腎臓・尿管・膀胱・尿道の筋肉を緩める働きがあります。 ●大きくなった子宮に膀胱が圧迫される膀胱は子宮の前側に位置しているため、妊娠によって大きくなった子宮に圧迫されることによって頻尿になることがあります。 実際に妊娠すると、妊娠超初期のうちから頻尿が見られる場合もあります。妊娠の徴候として、生理が来ない、おなかの張り感やつわり、便秘などがあります。頻尿に加えてこれらの症状が見られれば妊娠した可能性が高いといえるでしょう。 妊娠中の頻尿はいつまで続く?妊娠初期の頻尿はホルモンの分泌量が安定してくることで落ち着いてくる場合が多くなります。しかし、頻尿となりやすくなるのは比較的妊娠後期にかけてが多くなり、この時期には妊娠初期に頻尿を体験しなかったという方でも、頻尿となることがあります。その理由には以下のようなものがあります。 ●膀胱が圧迫される赤ちゃんが成長すると、赤ちゃんの頭や大きくなった子宮によって膀胱が圧迫されます。そのため膀胱の容量が少なくなり、頻尿になります。 ●出産に向けて赤ちゃんが下がるため妊娠35~36週ころになると出産に向けて赤ちゃんが子宮の下のほうへ降りてきて、膀胱を圧迫します。そのため、この時期になるとさらに頻尿となる場合が多くなります。 ●膀胱炎によるもの妊娠中に分泌が増えるプロゲステロンというホルモンは、尿路の筋肉を緩める働きがあります。そのため、尿が停滞する時間が長くなり、尿路感染症のリスクが高まります。膀胱炎もそのひとつです。膀胱炎の主症状は頻尿です。頻尿に加え、排尿時痛や残尿感などほかの症状も見られれば膀胱炎となっている可能性も考えられます。 頻尿の対処法と膀胱炎の予防法妊娠に伴う頻尿に対する特別な予防法はありません。ですが排尿を我慢すると膀胱炎になりやすいため、対処していく必要があります。頻尿の対処法には以下のようなものがあります。 ●水分を一気に摂らない水分は一気に飲まずにこまめに取るようにすることで頻尿を予防することができます。ただし、頻尿となるのが嫌で水分を摂ることを控えてしまうと、膀胱炎となる可能性を高めてしまいますので、水分はこまめに、積極的に摂るように心がけましょう。 ●体を温める冷えは頻尿の原因になるともいわれています。そのため、靴下や腹巻などを着用して下半身をしっかりと温めるようにしましょう。また、入浴をしたり、足のマッサージをすることも効果的です。また、食事も和食中心のメニューを心掛け、スープや汁物といった温かいメニュー、体を温める食材を積極的に摂るようにしましょう。 ●清潔を保つ妊娠することで新陳代謝がよくなります。また、おりものの量が増えたり、頻尿に加えて尿漏れを起こしたりします。ナプキンや尿取りパッドを使用する場合はこまめに交換し、清潔を保つようにしましょう。 ●早めの受診膀胱炎の主な症状には、頻尿・排尿時痛・残尿感があげられますが、妊娠中、膀胱炎になっていても症状が出現しないケースも少なからずあります。このようなケースでは、腎盂腎炎を引き起こし、症状が悪化する場合があります。気になる症状がある場合には、かかりつけ医に相談しましょう。 まとめ妊娠初期には、ホルモンバランスや腎機能が変化することによって、頻尿になることがあります。そして妊娠後期には、大きくなった子宮や下がってきた赤ちゃんの頭に膀胱が圧迫されることで頻尿になることが多くなります。妊娠中の頻尿は同時に膀胱炎のリスクも高くなるため、予防も大切です。 監修者・著者:助産師 REIKO医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2019年08月15日「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。今回は尿もれか破水か判断に迷われている妊婦さんからのご質問です。 Q.尿もれ? 破水??妊娠35週の初産婦です。今日昼ごろ、くしゃみをしたときに尿もれしたのですが、破水の可能性はありますか? トイレに行きたかったタイミングであること、その1回だけだったことから尿もれかと思いましたが、破水の可能性もあるのかなと思い、お聞きしました。 宮川めぐみ助産師からの回答くしゃみをしたときの1回だけ、流れ出る感じがあったのであれば尿もれかと思いますが、その後もちょろちょろ流れ出るような感じはありますか?何か腹圧がかかったようなときにも出てくるようなことがあるようでしたら、破水の可能性もあると思います。しかし、実際は受診をしていただき調べてもらうのが一番になりますよ。もし、破水をされていて赤ちゃんに感染するようなことがあってもいけないと思いますので、判断に迷われるようなときにはかかりつけに相談をしていただければと思います。※参考:ベビーカレンダー「助産師に相談」コーナー※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください 破水したときはどんな感じ?破水の仕方や感じ方は人それぞれで、お湯が流れた感じがしたという方もいれば、尿漏れかと思う方もいらっしゃいます。 正常な羊水の色は、透明~少し白濁した色なのでわかりにくいかもしれません。尿とはにおいが違うのですが、それも判断しにくいかもしれませんね。破水かなと思ったら、その時間を確認しておきましょう。そして、きれいなナプキンをつけて、産院に連絡して指示を仰いでください。 破水したあとは、外の世界と赤ちゃんが直接通じている状態なので、感染しやすくなっています。雑菌が入る恐れもあるので、入浴・シャワー、ウォシュレットの使用はダメですよ! 破水かなと思ったら…破水しているかどうかは、診察のときに明らかにわかる場合とそうでない場合があります。はっきりしない場合は、腟分泌物で検査をします。破水が確認できたら、入院となります。そのあとの対応は、妊娠週数と感染の状況によって異なります。 このままお産にする場合は、感染防止に努めつつ、血液検査で感染の値や赤ちゃんの状態などに注意しながら、自然に陣痛がくるのを待ちます。破水後24時間以内に陣痛がくることが多いといわれていますが、そうでない場合や、感染の値によってはお薬を使って分娩誘発の方向へ……というのが一般的な流れかと思います。 入院したあとも、あまり神経質になる必要はないと思いますが、お手洗いに行ったときに外陰部を清浄綿で消毒する(この辺りは入院後に説明があるかと思います)、こまめにナプキンを取り換えるなどしてくださいね。 破水かどうか判断に迷ったときは必ず受診しましょう! 破水したとなると、慌ててしまうかもしれませんが、もしそうなったときのことを想定して、陣痛タクシーの登録や荷物の準備しておくと安心ですね。※参考:ニュース(医療)「これって尿漏れ?破水?「破水の特徴や対処法」を助産師が解説します!」【著者:助産師 REIKO】
2019年07月05日出産の際の、入院の目安のひとつに「破水」があります。とはいえ、実際に体験しないとどのようなものなのか、わかりにくいですよね。今回は、破水とは何か、破水の分類、破水の症状や見分け方、破水時の対処方法などについてご紹介します。 破水とは?どのように起こる?おなかの中の赤ちゃんは卵膜という袋の中に羊水と一緒に存在します。子宮口が開いてくると卵膜と子宮の壁にズレが生じ、卵膜がはがれていきます。すると、羊水が下に流れ込んで卵膜が膨らみ、「胎胞」を作り出します。 そして陣痛によって子宮内圧が高くなると、赤ちゃんの頭も下がっていき、胎胞にも圧力がかかっていきます。この圧力に耐えられなくなることで胎胞が破れ、羊水が流れ出ることを「破水」といいます。 これは、「低位破水」「完全破水」といわれますが、別の場所の卵膜が破れた場合を「高位破水」といいます。 破水の分類について破水はどの時期に起こるかによって以下のように分類されています。 前期破水(PROM)「前期破水」とは、陣痛が来る前に破水した状態をいいます。前期破水の原因には、絨毛膜羊膜炎などの子宮内感染や羊水過多などによる子宮壁の過伸展、頸管無力症などがあげられます。 前期破水は、妊娠37週以降に発症する前期破水と妊娠37週未満に発症する前期破水とに分けられ、特に妊娠34週以前の前期破水では赤ちゃんに合併症が起こりやすくなります。 妊娠37週以前に起こる前期破水では以下のような合併症がみられるため、注意が必要です。・絨毛膜羊膜炎などの子宮内感染の恐れがある・臍帯脱出(臍帯が子宮口から出てきてしまう状態)や臍帯圧迫により、おなかの中の赤ちゃんに苦しいサインが出てきてしまう・破水によって子宮内の羊水量がへり、おなかの中の赤ちゃんが圧迫されてしまい、肺の成長が妨げられたり、手足が変形したり、関節がかたくなってしまう・子宮内の羊水量が減り子宮内圧が低下することで、常位胎盤早期剥離を発症する恐れがある 早期破水「早期破水」とは、陣痛が来てから子宮口が全開大(10cm)になるまでの間に破水したものをいいます。 適時破水「適時破水」は、子宮口全開大の頃に破水したものをいいます。 破水かどうかの見分け方は?臭い、色、量について破水の状況は人それぞれで、破水した瞬間にわかることもありますし、尿漏れと区別がつかない場合もあります。ここでは、破水かどうか判断するときの方法を解説しますが、自分で判断できない場合は、産院に連絡して指示を仰ぎましょう。 破水した場合、安静にしていても羊水が流れ出てきます。尿の場合はお腹に力を入れると止めることができます。羊水の臭いは全く臭いがしないか生臭い場合があります。色は透明もしくは淡黄色ですが、出血して血液の色が混ざっている場合もあります。量も状況によりさまざまで、下着がびっしょり濡れて羊水が流れ出てくる場合もあったり、ごく少量の場合もあります。 破水したときの対処方法破水と思ったら、安静にしてかかりつけの産院に連絡し、指示を仰ぎましょう。その際には、自分の名前、診察券番号、出産予定日、現在の状態、妊婦健診で医師から説明があった内容、産院への到着予定時刻などを伝えます。 症状などを伝えると、対処方法を教えてもらえます。体を動かすと羊水がさらに流れ出る恐れがありますので、清潔な大きめのナプキンをつけ、腰にバスタオルを巻くなどしておきましょう。破水後は、子宮内感染のおそれが高まりますので、入浴やシャワーはNGです。 産院からの指示があった場合は別ですが、産院へは家族が運転する自家用車やタクシーなどでの移動しましょう。最近では、「陣痛タクシー」の利用を呼び掛けているタクシー会社も多くあるようですので、事前に登録しておくと安心です。移動の際は、腰を高くした姿勢で横になりましょう。 まとめ産院に到着したら破水かどうかの診察・検査をおこないます。破水と診断された場合、妊娠週数やママやおなかの中の赤ちゃんの状態によって方針が決まります。破水はいつ起きるかわかりにくく、自分では破水かどうかの判断も難しい場合もあるので、気になる症状がある場合は、産院に相談し指示を仰ぐようにしましょう。 監修者・著者:助産師 REIKO医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2019年05月01日「下半身太りに便秘や頻尿、生理不順。全部、お尻のむくみが原因かもしれません。お尻をさわってひんやりしていたら要注意。そのむくみが多くの不調を招きます」こう話すのは、中医学のプロフェッショナル、中医師である今中健二先生。前回、本誌に登場したときは、水の飲みすぎががんの原因になると警鐘を鳴らし、大きな反響を呼んだ。その今中先生が今回注目するのが、お尻のむくみ。「年齢にかかわらず、お尻がむくんでいる女性はとても多いんです。腰の上から始まり、お尻自体が大きくなっているのがその典型。座っている時間が長い人ほどお尻に水がたまりやすく、それがむくみの原因になります。そのうえ飲み物を飲んでばかりいる人は、その水分がたまる一方です」お尻のむくみは、やがて冷えると肉として定着し、経絡の流れを妨げるようになる。「中医学では、12本の経絡を通って体じゅうに栄養が運ばれ、老廃物もその流れに乗って腎臓へ届き、体外に排出されると考えます。その経絡の中でも、頭から背中、足の裏側まで体の後ろ側を通る『足の太陽膀胱経』という経絡は、お尻と密接につながっています」お尻がむくめば、当然そこで経絡の流れが悪くなり、栄養素と老廃物の循環は滞る。「太陽膀胱経では、頭からお尻の上までで栄養を届けきり、お尻の下から足先までは、老廃物だけが循環する流れになっています。お尻で流れが妨げられると、下半身の老廃物がうまく流れず、そこにとどまりがちになる。これが、下半身のむくみの原因です」最初にむくみが始まるのは、いちばん下のふくらはぎ。それが年をとるにつれて太ももまで広がり、お尻を含めた下半身太りを招くのだ。影響を及ぼすのは、見た目だけではない。足の冷え性や下肢静脈瘤も引き起こす。「お尻のむくみが冷えて硬くなると、その内側にある子宮、大腸、膀胱といった臓器の活動にも影響を及ぼします。子宮なら生理不順や子宮筋腫、大腸なら便秘。膀胱はむくみにより圧迫され、頻尿気味になります」
2019年04月26日児発管・サビ管フォーラム開催!これからの教育や福祉について考えませんか?4月2日からの1週間は「発達障害啓発週間」です。今回、この啓発期間に合わせて開催するイベントを紹介します!2019年4月7日(日)、児童発達支援管理責任者・サービス管理責任者をつとめる方や、教育・福祉分野での実務経験のある方が集うイベントが行われます。こうした仕事につく皆さんが全国から集まり、課題や悩みを共有したり、果たすべき役割や今後のキャリアについてヒントを探る場です。イベントでは福祉に関する業界の第一線で活躍するゲストの方々をお招きした講演やワークショップなど、全11のプログラムを用意しています。プログラム終了後には交流会も開催予定ですので、支援者同士のネットワークを作ることも可能です。具体的には、次のような内容の講演やワークショップなどをラインナップしています。・これからの子どもの支援・青年期以降の支援・「発達が気になる子」の支援の重要性・これからの支援機関に求められること・他事業所の支援事例・計画・就労支援・定着支援の望ましい在り方や、企業との連携の仕方・スタッフ育成・チームづくりこれからの業界や支援という大きなテーマの知識から、実務に役立つ具体的なアイデアまで、現在の課題や興味関心から参加するプログラムを選ぶことができます。「これからの教育・福祉のあり方について学びたい」「児発管・サビ管としての学びを深めたい」「これまでの実務経験を活かして、キャリアアップを目指したい」「教育・福祉・介護領域の支援者同士交流したい」こんな思いを抱いている人にとって、出会いや、同じ志の仲間とともに学び、考える機会が得られるはず。ぜひ参加してみてくださいね。全11の講演・パネルディスカッション・ワークショップをご用意!児童発達支援管理責任者の方に向けて、各回60分~70分程度のプログラムをご用意しています。講演・パネルディスカッション・ワークショップなど、プログラムは全部で11ありますが、その中から一部を紹介します。◆これからの児童福祉に求められること~報酬改定と支援現場への期待~ (14:20~15:30)登壇:鈴木 久也氏(厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 障害福祉課 障害児発達障害者支援室 障害児支援専門官 )◆子どもの発達支援の青年期への影響(15:45~16:50)登壇:金子 訓隆氏(特定非営利活動法人輝HIKARI代表理事)障害児通所施設「輝HIKARI」を4施設運営。自身も発達障害のある子どもの父親であり、父親視点からの支援活動として、42都道府県、130団体の施設見学と、2500名の保護者・支援者と交流した「おやじりんく活動」を行っている。◆隣の支援事例のぞき見〜私たちはこう子どもに向き合ってます〜(17:05~18:10)登壇:深町 優氏(放課後等デイサービス アトリエほんちょう 管理者/児童発達支援管理責任者)子どもたちが"なりたい自分"を見つけられることを目標に、学校・地域関係者を集めた「支援会議」や、独自のメソッド「SLP(Social Life Practice)」等を実践している。◆管理者としてのステップアップ・キャリアとは?言語化ワークショップ(15:45~16:50)登壇:眞嶋すみれ(LITALICOキャリア)◆明日から実践!スタッフ育成を目指した関わり方のコツ ワークショップ(17:05~18:10)登壇:恒吉 麻実子(LITALICOワークス HRグループ)社会福祉士。児童相談所で1年勤務後、2007年より障害者の就労支援を専門に、現場での支援を8年、その後は、大学院で臨床心理学を学びながら、スタッフの向け・サービス管理責任者向けの研修の設計や実施、ケースのスーパーバイズの業務に従事して4年目に入る。◆「たまたま残念な支援者にあたりました」を無くすために〜チーム支援のすすめ〜(18:25~19:30)登壇:野口 晃菜(LITALICO研究所所長/筑波大学大学院人間総合科学研究科博士(障害科学))公教育におけるインクルーシブ教育システムの構築を専門に、すべての子どもにとっての学ぶ権利が保障される社会の構築を目指す。小学校講師を経て、株式会社LITALICO入社。LITALICOジュニアにて指導員を経験し、スーパーバイザーとして研修制度の構築等に関わる。現在はLITALICO研究所所長。◆交流会(19:30~21:00)参加者の皆さまと一部登壇者を交え、プログラム終了後に交流会を開催いたします。(※詳細は後日ご予約いただいた皆さま宛のメールおよび本ページにてご案内いたします)※講演内容や時間、登壇者は変更になる場合がございます。児発管・サビ管フォーラム開催詳細■会場大田区産業プラザPio東京都大田区南蒲田1丁目20-20アクセス:京浜急行「京急蒲田」駅より徒歩約3分JR京浜東北線、東急池上・多摩川線「蒲田」駅より徒歩約13分■参加資格・サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者として働いている方・サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者を目指している方・介護福祉士/保育士/社会福祉士/PSW/教員免許等の資格をお持ちで、教育・福祉・介護分野にて5年以上実務経験のある方・その他本イベントに興味をお持ちいただいた方■参加費【一般】3,500円【2名以上でご参加の方】3,000円/1名★LITALICOキャリアのSNSをフォローしている方は500円割引させていただきます。(例)ご友人とご参加かつLITALICOキャリアのSNSをフォローをしている方は、参加費2,500円となります。※当日会場でのお支払いとなります。※ご友人とご参加の方は、お待ち合わせの上一緒に受付をお願いします。※LITALICOキャリアのSNSをフォローしていただいている方は当日画面をお見せください。※途中参加・退出もOKです。■主催・お問い合わせフォーラム実行委員会:info_event@litalico-c.jp※取材をご希望の方につきましても、上記問い合わせ先までご連絡下さい。*4月2日~4月8日は「発達障害啓発週間」と位置付けられています。本イベントを通し、発達障害のある方々の困難さや生きづらさの解消により近づくことができましたら幸いです。
2019年03月20日「胃カメラを飲んだり、マンモグラフィーとか面倒くさい」と思われがちながん検診だが、今回本誌では、唾液や血液、尿といった手軽に採取できるもので、かなりの確度でリスクの判断が可能になる「お手軽がん検診」を取材した。わずか0.2~0.4ミリリットルの唾液でがんのリスクを判定するという「サリバチャッカー」。体への負担もゼロというこの検査は、慶應義塾大学先端生命科学研究所と東京医科大学発の医療ベンチャー「サリバテック社」が開発。同社のCEOであり、東北大学で長く消化器外科手術に従事した、大泉中央クリニック院長の砂村眞琴氏が、’10年から「体に負担の少ない検査法を開発したい」と、ヒトの体から出る「代謝物質」である唾液に着目。治験を経て、’17年に実用化となった。検査の鍵となるのは、がん患者から出る、「ポリアミン類」という特異的な物質でスペルミン、スペルミジンなどだ。それら8種類の物質の濃度から最新AI(人工知能)がリスク解説するのがこの検査の特徴である。「自覚症状の出にくい膵がんも、早期の段階で発見できる可能性があります」(砂村氏)結果は、膵臓・大腸・乳腺・肺・口腔の5つのがんそれぞれについて、0~1までのリスク値を算出。ABCDでリスクを示し、CDと判定されれば専門科で精密検査を受けるよう勧められる。現在全国20カ所の医療機関で検査でき、費用は2万~4万円(税抜き)程度であるが、今後、検査を受けられる医療機関が広がり、多くの人に利用してもらうことで、1万円以下に価格を下げていきたいという。全国1,300カ所で実施されている「AICS(アミノインデックスがんリスクスクリーニング)」は味の素社が開発した、血液によるがん検査。アミノ酸研究で世界をリードする同社ならではの、アミノ酸による解析に基づく。「血液中にある約20種類のアミノ酸バランスにより、各部位別のがんに罹患したときのパターンをそれにどれだけ近いかによってリスクを評価します」(同社・森妹子氏)わずか5ミリリットル(小さじ1杯)の血液で、胃、大腸、肺、膵臓に加え、女性の場合は、乳がんおよび、卵巣・子宮体がんの7つのがんのリスクがA~Cの3段階のランクで示される。従来からあった、がんの生産するタンパク質で発見する「腫瘍マーカー」検査と比較しても、感度が高いというデータもある。「放っておくとがん化する前がん病変を検知する可能性も高いので、医師は、気になる方には、年1度くらいの受診をお勧めしています」費用は2万3,000~2万5,000円程度。ただし、こちらもあくまでリスク検査。森さんはこう話す。「従来の検診も大事にしながら、併用して受けていただくとより安心だと思います。検査とはあくまで『網でふるいにかける』作業。AICSは早期発見に不得手な部位もあり、必ず漏れは生じます。何重にも網をかけると、早期発見の可能性はより高まります」確定診断に限りなく近いという「マイクロアレイ血液検査」は、金沢大学発のベンチャー企業キュービクスが、世界で初めて開発した、血液で消化器がんの有無を判定できる検査法だ。がんに関する遺伝子を載せた「DNAチップ」を使い、4万4,000もの遺伝物質を解析し、「がんに特有の核酸」の有無や構成パターンを解析するというもの。同大の金子周一教授の事業化の要請に、’04年に同社社長に就任したのは丹野博氏。「体の中を巡っている血液ががん細胞を感知し、発見していくので、がんの大小にかかわらず感知率も非常に高い。従来のCTやMRIと異なり、体への負担がないところも、これを広めたいと思った理由です」(丹野氏)受けられる医療機関などは現在1,000カ所。普及へのハードルがあるとすれば、医療機関により異なるものの、7万~10万円程度とやや高価なことか。「各部位2万円程度で受けられる検査キットの開発・商品化を進めています」(丹野氏)今後はインド、ドイツの企業とも契約し、世界進出も視野に入れていくという。「早く検査を受けたいのですが」と、いまからそんな問い合わせが多数寄せられているというのが、HIROTSUバイオサイエンス社の「N-NOSE」。東大大学院在学中より「線虫」(体長は約1ミリの生物)を研究してきた生物学者・廣津崇亮氏が、「がん探知犬」から着想を得、がんが発する匂いをとらえて、がんの有無を判定できないかと考えたという。’20年1月に実用化(予定)のこの検査は犬より多い嗅覚受容体を持つ線虫の特性を利用する。「検査法はいたってシンプル。シャーレの上に尿を1滴垂らし、線虫が寄っていくかどうかで、がんの有無を9割という高い精度で判別します。1次スクリーニング検査なので、ここで陽性反応が出た方は、精密検査に進むことになります」(同社広報)この検査の特徴は、5大がんをはじめとする18種類を感知できること(’18年10月現在)。1回8,000円程度(予定)という安価な設定であることも期待が高まっている。「結果が陰性でも、半年とか1年ごとに受けておけば、陽性に転じたときに早期で見つかる可能性が高い。諸外国に比べると、日本の検診率はまだまだ低いので、この傾向に歯止めをかけたいのです」(同社広報)がんには早期発見がいちばん大切だ。気になる人は、これら「お手軽がん検診」を試してみては--。
2018年10月28日50代以降から悩まされる人が急増している脊柱管狭窄症。体の異変を感じている人もそうでない人も、予防のための心がけを押さえておこう!「脊柱管とは背骨に沿ってのびるトンネルのようなもので、中には神経が通っています。加齢とともに脊柱管が狭くなり、神経が圧迫され、痛みやしびれが出るのです。脊柱管狭窄症は、活動的なシニアが増えたことから、注目されている病気です」こう語るのは、参宮橋脊椎外科病院の大堀靖夫先生。近ごろ、よく耳にする脊柱管狭窄症。平均寿命が延び、超高齢社会を迎えた現代。この症状に悩む人が急増している。脊柱管狭窄症は、腰痛はひどくなく、背筋を伸ばして立ったり、歩いたりすると、脚にしびれや痛みを感じるのが特徴だ。「脊柱管狭窄症は加齢にともなって増加しますが、誰でも発症するわけではありません。予防には、40〜50代からの生活習慣や運動習慣、正しい姿勢などが重要だと考えられています」(大堀先生・以下同)脊柱管は急に狭くなるわけではない。多くは長年の姿勢のクセや日ごろの腰への負担などからジワジワと狭くなっていくもの。脊柱管狭窄症予防にもっとも効果があるのが、運動の習慣を身につけることだという。背骨をあるべき状態でキープするには、筋力が不可欠。そこで、日常生活の中でできるエクササイズを大堀先生が教えてくれた。■筋肉をほぐす1)階段で段差に片脚をかけ、体重を前に移動して重心をゆっくり前に。太ももやふくらはぎの筋肉が伸びているかチェック。2)階段の手すりにつかまりながら、腰を曲げないようにゆっくり脚を横に開き、太もも内側の「内転筋」をストレッチ。■脚の筋肉を鍛える1)脚を肩幅に開き、背筋を伸ばして立つ。手を腰に当てて、上半身はやや前傾しながらも、腰を曲げないで頭とお尻を床と垂直に保つ。2)4秒かけてゆっくり腰を下ろし、4秒かけて腰を上げていく。顔はまっすぐ正面を見ていることがポイント。朝晩5回程度を目安に。※両脚の間隔が肩幅より狭いと腰に負担が。ひざを90度より深く曲げたり、ひざがつま先より前に出たりするとひざを痛めるので注意。■体幹を鍛える1)脊柱管の周囲の脊柱起立筋、腹直筋などの体幹を鍛えることで予防も。腰が反らないように四つんばいの姿勢に。2)片脚をゆっくり上げて、まっすぐ伸ばして5秒キープ。背中が丸まらないようにする。朝晩左右5セットを目安に。3)2で余裕があれば、伸ばした片脚と反対の手を前方につき出す。体をひねらないよう注意して左右交互に5セット。「運動不足は体を支える筋肉や靱帯が衰え、骨への負担が増加します。ウエイトリフティングなど極端に腰への負荷がかかる運動以外なら、どんな運動でも問題ありません。とくに有酸素運動のウオーキングは効果的です。歩幅を大きくして、ふくらはぎをしっかり伸ばして歩くといいでしょう。またストレッチで筋肉をほぐす習慣と併せて、自転車こぎや軽いスクワット、体幹トレーニングなど足腰を強くするエクササイズを実践するなど、ふだんから運動習慣を身につけることで、脊柱管狭窄症だけでなく、生活習慣病や高齢者にとって危険なサルコペニア(筋力が低下すること)を防ぐことにもなるのです」無理のない範囲で体をほぐし、筋力アップを積極的に心がけよう。
2018年09月03日50代以降から悩まされる人が急増している脊柱管狭窄症。体の異変を感じている人もそうでない人も、予防のための心がけを押さえておこう!「脊柱管とは背骨に沿ってのびるトンネルのようなもので、中には神経が通っています。加齢とともに脊柱管が狭くなり、神経が圧迫され、痛みやしびれが出るのです。脊柱管狭窄症は、活動的なシニアが増えたことから、注目されている病気です」こう語るのは、参宮橋脊椎外科病院の大堀靖夫先生。近ごろ、よく耳にする脊柱管狭窄症。平均寿命が延び、超高齢社会を迎えた現代。この症状に悩む人が急増している。脊柱管狭窄症は、腰痛はひどくなく、背筋を伸ばして立ったり、歩いたりすると、脚にしびれや痛みを感じるのが特徴だ。「脊柱管狭窄症は加齢にともなって増加しますが、誰でも発症するわけではありません。予防には、40〜50代からの生活習慣や運動習慣、正しい姿勢などが重要だと考えられています」(大堀先生・以下同)脊柱管は急に狭くなるわけではない。多くは長年の姿勢のクセや日ごろの腰への負担などからジワジワと狭くなっていくもの。脊柱管狭窄症予防にもっとも効果があるのが、運動の習慣を身につけることだという。背骨をあるべき状態でキープするには、筋力が不可欠。そこで、日常生活の中でできるエクササイズを大堀先生が教えてくれた。■筋肉をほぐす1)階段で段差に片脚をかけ、体重を前に移動して重心をゆっくり前に。太ももやふくらはぎの筋肉が伸びているかチェック。2)階段の手すりにつかまりながら、腰を曲げないようにゆっくり脚を横に開き、太もも内側の「内転筋」をストレッチ。■脚の筋肉を鍛える1)脚を肩幅に開き、背筋を伸ばして立つ。手を腰に当てて、上半身はやや前傾しながらも、腰を曲げないで頭とお尻を床と垂直に保つ。2)4秒かけてゆっくり腰を下ろし、4秒かけて腰を上げていく。顔はまっすぐ正面を見ていることがポイント。朝晩5回程度を目安に。※両脚の間隔が肩幅より狭いと腰に負担が。ひざを90度より深く曲げたり、ひざがつま先より前に出たりするとひざを痛めるので注意。■体幹を鍛える1)脊柱管の周囲の脊柱起立筋、腹直筋などの体幹を鍛えることで予防も。腰が反らないように四つんばいの姿勢に。2)片脚をゆっくり上げて、まっすぐ伸ばして5秒キープ。背中が丸まらないようにする。朝晩左右5セットを目安に。3)2で余裕があれば、伸ばした片脚と反対の手を前方につき出す。体をひねらないよう注意して左右交互に5セット。「運動不足は体を支える筋肉や靱帯が衰え、骨への負担が増加します。ウエイトリフティングなど極端に腰への負荷がかかる運動以外なら、どんな運動でも問題ありません。とくに有酸素運動のウオーキングは効果的です。歩幅を大きくして、ふくらはぎをしっかり伸ばして歩くといいでしょう。またストレッチで筋肉をほぐす習慣と併せて、自転車こぎや軽いスクワット、体幹トレーニングなど足腰を強くするエクササイズを実践するなど、ふだんから運動習慣を身につけることで、脊柱管狭窄症だけでなく、生活習慣病や高齢者にとって危険なサルコペニア(筋力が低下すること)を防ぐことにもなるのです」無理のない範囲で体をほぐし、筋力アップを積極的に心がけよう。
2018年09月02日