世界中の様々なジャンルやカテゴリーから厳選した、日本初配信を含む映画が登場する新しい映画配信サービス「JAIHO(ジャイホー)」が6月21日(月)よりサービス開始する。「JAIHO」とはヒンディー語で「万歳!」「勝利あれ!」という意味を持つ言葉で、“すべての映画を称える、悦びと感動の合言葉”としてサービス名に冠された。世界中の多様な映画をより多くのユーザーと分かち合うべく、選りすぐりの作品を毎日配信。映画を愛する人々に、映画をもっと身近に、もっと深く楽しんでもらうため、厳選した映画を世界中からセレクト、独自の切り口で紹介する。厳選された映画を365日、毎日1本配信最大の特色は、365日、毎日1本新たな作品を配信し、常に30作品が視聴可能であること。配信作品は多様性を考慮し、世界中の様々なジャンルやカテゴリーから、映画のエキスパートたちが厳選。観たい映画を探す手間や時間を省き、いま見るべき映画を毎日1本(1作品における視聴期間は30日間)提案する。サービス開始時、最初の30日間(6月21日~7月20日)は30作品固定で配信し、7月21日から毎日1作品ずつ作品が入れ替わっていく。JAIHO独占配信・日本初配信映画や、感性と好奇心をくすぐる映画を提案世界各国で大ヒットした娯楽作から、一生に一度は観たい巨匠の名作、各国の映画史に残るクラシックなどを網羅。中でも注目すべきは、「JAIHO」が紹介する日本初公開の独占配信作品で編成された「プレミア作品」。日本初公開、または映画祭のみで上映された作品を紹介する。6~7月に配信されるプレミア作品、初配信作品としては『バーフバリ 伝説誕生<完全版>』をはじめ、イランの世界的名匠アッバス・キアロスタミの遺作や女性監督による韓国インディーズ映画の傑作などが揃った。『アッバス・キアロスタミ/24フレーム』*プレミア2016年7月に亡くなったイランが誇る世界的名匠アッバス・キアロスタミの遺作。写真が撮られた瞬間の前と後では何が起こるのか?というコンセプトをもとに映画と写真の統合を試み、固定カメラを用いた絵画のような映像でなる全24章/各章4分で構成され、映画の概念を打ち砕き、映画とは何か?を問う野心作。(イラン・フランス/118分/2017年)『小公女』*プレミア1日に1杯のウィスキーとタバコ、そして愛する彼氏がいればそれだけで幸せ。家事代行業をしながら自由に生きる現代版“小公女”ミソの日々を、これが長編監督デビュー作となる女性監督チョン・ゴウンが繊細に描いた韓国インディーズの傑作。ソウル独立映画祭観客賞を初め数多く賞に輝いている。ミソ役は『サムジンカンパニー1995』のイ・ソム。(韓国/106分/2017年)『ヴィム・ヴェンダース プロデュース/ブルーノート・ストーリー』*プレミア1933年、ナチスの迫害を逃れドイツからニューヨークに渡った2人のユダヤ人青年が立ち上げたジャズ・レーベル「ブルーノート」。その歴史と功績を有名ミュージシャンたちの証言を交えて描いた音楽ドキュメンタリー。製作総指揮は『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』のヴィム・ヴェンダース。(ドイツ/118分/2018年)『‘96』*プレミア1996年に高校を卒業した級友たちが22年ぶりに集まった同窓会。そこから蘇る切ない初恋の思い出…。タミル語映画界の野生派スター、ヴィジャイ・セードゥパティが繊細な主人公を演じて大ヒットした純愛ラブストーリー。ヒロインは『ペーッタ』でラジニカーントの妻を演じたトリシャー。(インド/158分/2018年)『プティ・カンカン』*プレミアフランスの「ツイン・ピークス」とも呼ばれ、2014年の「カイエ・デュ・シネマ」誌が選ぶベストテンで第1位に選ばれたシュールな展開とブラックなユーモアに満ちたダーク・ミステリー。北フランスの海岸沿いの村に住む悪ガキ、プティ・カンカンとその仲間たちが村で起こる連続猟奇殺人事件の謎に迫る。(フランス/205分/2014年)『バーフバリ 伝説誕生<完全版>』*初配信インド歴代興収No.1をはじめ全世界で大ヒットを記録、インド映画の歴史を変えた史上最大のスペクタクル・アクション全2部作の第1弾。遥か遠い昔、大国マヒシュマティを舞台に伝説の戦士バーフバリの壮絶な愛と復讐を描いた一大叙事詩。劇場公開以来、ディスク化も放映もされたことがない完全版・日本初配信!(インド/159分/2015年)映画のエキスパートが厳選日本映画界屈指の目利きたちによる読み応え抜群のコラムや解説も紹介。「JAIHO」アドバイザリーボード・メンバーには、市山尚三(東京国際映画祭プログラミング・ディレクター、映画プロデューサー)、暉峻創三(大阪アジアン映画祭プログラミング・ディレクター、映画評論家)、松岡環(インド映画字幕翻訳者、アジア映画研究者)、中野充浩(文筆家、ポップカルチャー研究家)、江戸木純(映画評論家、プロデューサー)が名を連ねる。さらに、配信希望作品リクエスト受付フォームがサイト内に設けられており、編成の参考にするとともに、可能な限りリクエストに応えるようにしていくという。「JAIHO」は6月21日(月)正午よりサービス開始。(text:cinemacafe.net)
2021年06月04日アジア最大級の映画祭である「第33回東京国際映画祭」(TIFF)が、予定通り10月31日から11月9日まで開催されることが6日、発表された。新型コロナウイルスの影響で世界中の映画祭の多くが中止や延期、あるいは縮小等を余儀なくされている中、「東京国際映画祭」としては、(1)映画を観る喜びを再認識し、映画の未来への希望の光を灯す、(2)映画を通じて国際的な連帯を強める、(3)コロナ後の映像文化についての考察を深める、という目的を掲げ、映画館でのフィジカルな上映を基本として実施する考え。シンポジウムやゲストのトークなどにオンラインも活用していく。だが、人の国際的移動の困難や感染対策の徹底等多くの制約があり、例年と同じような映画祭を行うことが難しい状況。昨年まで実施していた「インターナショナルコンペティション」、アジアの新鋭監督を集めた「アジアの未来」、日本映画の気鋭作品をそろえた「日本映画スプラッシュ」の3部門を今年は1つの部門に統合、「TOKYOプレミア2020」とし、様々な賞を競う形ではなく、その中の全作品を対象に観客が投票する「観客賞」を設ける。また、上映作品の選定にあたっては、幅広い知見・人脈と多様な価値観を有する外部専門家の協力のもと、委員会制の合議の下に進める。さらに、これまで時期的に近接して開催していた「東京フィルメックス映画祭」との連携を深め、カンヌ映画祭の大きな枠組みの中で独立性をもって開催される「カンヌ監督週間」と似た形で、ほぼ時期を同じくして開催する。映画界の連帯強化という理念の下に、相互乗り入れ効果を期待しているという。なお、今後の新型コロナウィルス状況の進展如何によっては、開催の可否も含めて大きな影響を受ける可能性もあるとしている。■「TOKYOプレミア2020」部門概要ワールド・プレミアやアジアン・プレミアの作品を中心に、内外の個性豊かな監督による新作の披露を観客と共に祝福するショーケース部門。日本、アジア、欧米といった地域のバランスは保ちながら、従来のコンペ3部門の選定視点も残し、30本程度のプログラムを予定。全体のラインナップとしては、全作品が監督のキャリアに関わらずフラットに並び、世界から集まった映画の多様性が持つ面白さを観客に味わってもらうことを目的とする。■第33回東京国際映画祭 作品選定コミッティメンバー(五十音順)安藤紘平(早稲田大学名誉教授)、石坂健治(東京国際映画祭シニア・プログラマー)、市山尚三(映画プロデューサー)、金原由佳(映画ジャーナリスト)、関口裕子(映画ジャーナリスト)、矢田部吉彦(東京国際映画祭シニア・プログラマー)、以上6名
2020年08月06日10月31日(土)から11月9日(月)まで開催を予定している第33回東京国際映画祭の概要が発表され、今年はコンペティション部門、アジアの未来部門、日本映画スプラッシュ部門の特色を統合し、「TOKYOプレミア2020」としてプレミア作品を上映する。世界中の映画祭が新型コロナウイルス感染症の影響を受け、多くが中止や延期、あるいは縮小等を余儀なくされているなか、東京国際映画祭では(1)映画を観る喜びを再認識し、映画の未来への希望の光を灯す、(2)映画を通じて国際的な連帯を強める、(3)コロナ後の映像文化についての考察を深める、という目的を掲げ、オンライン等ではなく映画館でのフィジカルな上映を基本として実施するという考え。シンポジウムやゲストのトークなどにはオンラインも活用する。大きな変更点としては、昨年まで実施していた「インターナショナルコンペティション」、アジアの新鋭監督を集めた「アジアの未来」、日本映画の気鋭作品をそろえた「日本映画スプラッシュ」の3部門を今年は1つの部門に統合。「TOKYOプレミア2020」として様々な賞を競う形ではなく、その中の全作品を対象に観客の投票による「観客賞」のみを設ける。それ以外の部門の詳細については、後日発表。9月29日(火)に今年のラインナップ会見を予定している。また、本年は上映作品の選定にあたっては、幅広い知見・人脈と多様な価値観を有する外部専門家を交え、委員会制の合議の下に進行。さらには、これまで時期的に近接して開催していた東京フィルメックス映画祭との連携を深め、カンヌ映画祭の大きな枠組みの中で独立性をもって開催される「監督週間」と似た形で、ほぼ時期を同じくして開催。映画界の連帯強化という理念の下に、相互乗り入れ効果を期待しているという。今年の取り組み「TOKYOプレミア2020」ワールド・プレミアやアジアン・プレミアの作品を中心に、内外の個性豊かな監督による新作の披露を観客と共に祝福するショーケース部門。日本、アジア、欧米といった地域のバランスは保ちながら、従来のコンペ3部門の選定視点も残し、30本程度のプログラムを予定。全体のラインナップとしては、全作品が監督のキャリアに関わらずフラットに並び、世界から集まった映画の多様性が持つ面白さを観客に味わってもらうことを目的とする。第33回東京国際映画祭 作品選定コミッティメンバー※五十音順安藤紘平(早稲田大学名誉教授)、石坂健治(東京国際映画祭シニア・プログラマー)、市山尚三(映画プロデューサー)、金原由佳(映画ジャーナリスト)、関口裕子(映画ジャーナリスト)、矢田部吉彦(東京国際映画祭シニア・プログラマー)以上6名第33回東京国際映画祭は10月31日(土)~11月9日(月)、六本木ヒルズ、EX シアター六本木ほかにて開催予定。(text:cinemacafe.net)
2020年08月06日中国新世代の俊傑フー・ボー監督の長編デビュー作にして、遺作となった『象は静かに座っている』の公開日が11月2日(土)に決定し、ビジュアルと予告編が解禁。また日本公開を祝し、坂本龍一、タル・ベーラ、市山尚三より応援コメントが到着した。ストーリー炭鉱業が廃れた中国の小さな田舎町。少年ブーは友達をかばい、不良の同級生シュアイをあやまって階段から突き落としてしまう。シュアイの兄は町で幅を利かせているチェンだった。チェン達に追われ町を出ようとするブーは、友達のリン、近所の老人ジンをも巻き込んでいく。それぞれに事情を抱えながら、遠く2,300km先の果て満州里にいる、1日中ただ座り続けているという奇妙な象の存在にわずかな希望を求めて、4人は歩き出す――。第68ベルリン国際映画祭にて国際批評家連盟賞&最優秀新人監督賞スペシャル・メンションをW受賞、金馬奨では作品賞&脚色賞&観客賞をトリプル受賞するなど、世界を席巻した本作。しかし、新人監督のフー・ボーは4時間弱に及ぶ映画を完成させた後に自ら命を絶ち、本作がデビュー作にして遺作となっている。今回解禁されたビジュアルにも、「29歳で命を絶った若き才能、デビュー作にして遺作。世界を熱狂させた魂の234分。」という衝撃的なコピーが記され、交わらない方向へ視線を投げる4人の登場人物たち、それぞれの人生が複雑に絡み合っていくことを暗示させる印象的なものとなっている。併せて解禁された予告編では、フー・ボー監督が師と仰ぐ映画監督タル・ベーラからの「彼の映画は永遠に私たちと共にある。」という強烈なコメントが目に映る。中国の田舎町、孤独な“4人の運命”が交差するある1日の物語。音楽に呼応するように、それぞれにある想いを抱えた表情を浮かべ、ブー、リン、チェン、ジンの顔が順に映る。また、プリミティブなサウンドで、シンプルながら耳に残る本作の楽曲を手掛けたのは、中国の人気バンド「ホァ・ルン」。規格外の長尺に、一切の妥協も見えない挑戦的な長回し、日中の自然光にこだわったライティング、細部に渡るこだわりを垣間見ることができる本映像。クライマックスになるにつれ、徐々に沈みゆく陽の光が、彼らの行く先に待ち受けるものを予感させている。坂本龍一(音楽家)この映画のペースが好きだ。4時間近くと長い映画だが、無駄なショットがあった記憶はない。昨今、目にすることの多い、金満でIT先進国で資本主義的な中国とは全く違った日常が映し出される。その暗いけれど、甘く懐かしいトーンが好きだ。それは音楽からも来ていると思う。歪んだギターを中心に、昔聴いたことのあるチープなシンセのシンプルな絡み。20歳台の若い監督が作ったのに、とてもノスタルジックだ。好きな映画だ。29歳で自殺した監督、胡波(フー・ボー)の映画を、たくさん観たかった。タル・ベーラ(映画監督)私の“生徒”であり、私の友、私の家族である君がいないことを残念に思う。何百人もの中国人監督が私と働きたいと出願してきたが、彼に会い、すぐに心が決まった。一切の迷いもなく!彼は気品に溢れ、共に素晴らしい仕事をすることができた。彼の目には並々ならぬ、強い個性が表れていた。クソ!彼をちゃんと守れなかったことに、私は責任を感じている。残念でならない。彼は、両方の端から彼というろうそくを燃やしていたのだ。今ここにあるすべてを手に入れようとした。私たちは彼を失ったが、彼の映画は永遠に私たちと共にある。フー・ボーの映画を迎えてください。そして私と同じように彼を愛してください。市山尚三(東京フィルメックス・ディレクター)『象は静かに座っている』は次々と新たな才能が登場しつつある近年の中国映画の中でも稀有な傑作である。まずは、この作品が日本で劇場公開されることを喜びたい。これほどの才能ある監督の新作をもはや見ることができないという事実は悲劇でしかないが、一つ一つのショットに刻み込まれた魂の記録とも言うべき本作に心揺さぶられないものはいないだろう。『象は静かに座っている』は11月2日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2019年08月21日第70回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品された、中国の名匠ジャ・ジャンクー監督最新作『アッシュ・イズ・ピュアレスト・ホワイト/Ash is Purest White』が、邦題『帰れない二人』として9月に公開決定。新たな場面写真も到着した。ジャ・ジャンクー監督のカンヌ出品5作目となった本作。コンペティション部門上映時には「皮肉と華麗さに加え、密かにロマンチックなフィルム・ノワール。ジャ・ジャンクーは中国の偉大な映画作家だ」(テレラマ)、「中国の下層社会を背景に複雑に絡み合うロマンチックな悲劇」(ガーディアン)など、熱狂的に海外メディアに迎えられた。主人公の女性チャオを演じるのは、『山河ノスタルジア』『罪の手ざわり』など監督のミューズとして知られる、チャオ・タオ。本作の演技でシカゴ国際映画祭とアジア太平洋スクリーン・アワードで女優賞を獲得した。チャオの恋人ビンには『薄氷の殺人』で第64 回ベルリン国際映画祭男優賞を受賞したリャオ・ファン。チャオとビン、1組の女と男が辿る2001年から2018年の18年間を、変わりゆく中国を背景に丁寧に紡ぎだした。プロデューサーは日本の市山尚三が務めている。■ストーリー山西省大同。チャオは裏社会で生きる男ビンの恋人。ある日、敵対する組織に襲われたビンを助けるために、チャオは銃を発砲する。5年後、刑期を終え釈放されたチャオは、ビンを探し長江を訪れるが、かつてのビンの姿はそこにはなかった――。『帰れない二人』は9月、Bunkamuraル・シネマ、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2019年03月25日作家主義を掲げ、アジアを中心に新たな才能を発掘・特集する東京フィルメックスのラインナップ発表会が10月6日、都内で行われ、映画祭ディレクターの林加奈子氏と同プログラムディレクターの市山尚三氏が出席した。その他の情報第17回を迎える今年のコンペティション部門は10本が選出され、林氏は「本気の映画が集まりました。どうしても作らなければいけないという作り手の心が伝わる10本であり、私たちがどうしてもご紹介しなければいけないと思える10本」と絶対的な自信を示し、「驚きの連続にご期待ください。作家たちの心を覗いていくと、世界がつながります」とメッセージを発した。コンペティション部門の審査はトニー・レインズ(映画評論家、映画祭プログラマー)を審査委員長に、アンジェリ・バヤニ(女優、声優)、パク・ジョンボム(映画監督)、松岡環(アジア映画研究者)、カトリーヌ・ドゥサール(プロデューサー)が務めることが発表された。オープニング作品は、韓国映画界の巨匠であるキム・ギドクの最新作『THE NET に囚われた男』に決定。ジョニー・トーが主宰する鮮浪潮短編映画祭の受賞監督3人が、共同メガホンをとるクライム作品『大樹は風を招く』がクロージング作品として特別上映される。また、遺作となった『ヤンヤン夏の想い出』で第53回カンヌ映画祭監督賞を受賞した、台湾の鬼才エドワード・ヤン監督の長編第2作『タイペイ・ストーリー』(1985)が特別招待作品に選出され、デジタルリマスター版で日本初上映される。第17回東京フィルメックスは11月19日(土)~11月27日(日)まで東京・有楽町朝日ホールほかで開催。第17回東京フィルメックス11月19日(土)から11月27日(日)まで有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ日劇にて開催取材・文・写真:内田 涼
2016年10月06日松山ケンイチが主演するSABU監督の新作『天の茶助』が、2月5日(現地時間)より開催される第65回ベルリン映画祭のコンペティション部門で正式上映されることが決定し、松山、大野いと、SABU監督がコメントを寄せた。その他の写真SABU監督作品は、過去に『弾丸ランナー』『疾走』がベルリン映画祭のパノラマ部門で、『アンラッキー・モンキー』『MONDAY』『幸福の鐘』『蟹工船』がフォーラム部門で上映されているが、コンペティション部門での上映は本作が初めて。今年は、テレンス・マリック、ピーター・グリーナウェイらの新作が上映されることが既に発表されており、『レスラー』『ブラック・スワン』のダレン・アロノフスキー監督が審査委員長を務める。『天の茶助』は現地時間2月13日に公式上映され、授賞式は2月14日に行われる。松山とヒロインを演じた大野は、「さすがSABUさんです。反応がとても楽しみです」(松山)、「撮影を振り返ると、エキストラで参加下さった沖縄の方々が、この映画を一緒になって作って下さり、暑い中一日中ずっと座らずに“あと少し!頑張ろう!”と掛け声をかけ合う姿を思い出します。その姿にとても圧倒され感動しました」(大野)とコメント。市山尚三プロデューサーは「撮影には沖縄県のバックアップもあり、大勢の方々にエキストラとして参加していただきました。沖縄の歴史ある芸能や文化にも触れることが出来た本作を、世界がどう受け取っていただけるのかが楽しみです」と話し、SABU監督は「ベルリン出品8作目にして、ようやく、やっと、遂に、コンペティション部門に選出!しかも自分のコメディスタイルを崩さずに。作家性を優先すると言って下さったオフィス北野、松竹、バンダイビジュアル。そしてスタッフ、キャスト、ご協力して下さった沖縄の皆様に感謝の気持ちで一杯です」と語っている。映画は、SABU監督が映画化を目的に執筆したオリジナル小説が原作。地上で生きる人間たちの“人生のシナリオ”を書く脚本家が生活する天界で、お茶くみを担当している主人公・茶助が、事故死する運命にある女性に好意を持ったことから彼女を助けるべく地上で奮闘する様を描く。『天の茶助』6月27日(土)より全国ロードショー
2015年01月20日世界各地の秀作を集める映画祭「第13回東京フィルメックス」のラインナップ発表記者会見が26日に都内で行われ、林加奈子ディレクター、市山尚三プログラム・ディレクターと、審査員を務める秦早穂子氏、イスラエル大使館のニル・ターク氏、園子温監督、大森立嗣監督が登壇した。その他の写真毎年、世界各国の作品を紹介し、さらに日本映画を海外に紹介する取り組みも続けている本映画祭。今年も本日現在で46作品の上映が決定している。林ディレクターはコンペティション部門の作品について「独創的で、社会に向き合い、どう伝えるか工夫されている作品が揃った」と自信を見せ、オープニングにホン・サンス監督の『3人のアンヌ』が、クロージングにバフマン・ゴバディ監督の『サイの季節』が上映されることも発表した。また特別招待作品にも、アキ・カウリスマキ、ペドロ・コスタ、ビクトル・エリセ、マノエル・ド・オリヴェイラが手がけるオムニバス作品『ギマランイス歴史地区』や、アモス・ギタイの最新作『父へのララバイ』、アピチャッポン・ウィーラセタクン監督の『メコンホテル』、今年のヴェネチア映画祭で最高賞を受賞したキム・ギドク監督の『ピエタ(原題)』など、本映画祭と縁の深い映画作家の作品が揃った。“ジャパン・フォーカス”部門で新作『ぼっちゃん』が上映される大森監督は、秋葉原で起こった連続殺人事件にインスパイアされた本作が上映されることについて「フィルメックスはお客さんの目が肥えているので、自分にとっての良い物差しになる」と述べ、1995年に撮影されるも未完成のままだった幻の作品『BAD FILM』を出品する園監督は「編集していて、今の自分の映画がすべてこの映画に通じていると感じたし、『BAD FILM』がなければ現在の自分はないと思いました。フィルメックスは稀有でストイックな素晴らしい映画祭で、観客がどんな反応をするのか楽しみにしています」と語った。本映画祭ではさらにイスラエル映画傑作選や、木下恵介監督生誕100年祭、人材育成事業“タレント・キャンパス・トーキョー2012”など様々なプログラムを開催する。第13回東京フィルメックス11月23日(金・祝)~12月2日(日)有楽町朝日ホール、東劇、TOHOシネマズ日劇で開催
2012年09月26日世界各地の秀作を集め、多くの映画ファンの支持を集めている映画祭「第12回東京フィルメックス」のラインナップ発表記者会見が15日に都内で行われ、林加奈子ディレクター、市山尚三プログラム・ディレクターと、審査員を務める映画監督の篠崎誠氏、コンペ部門で『無人地帯』が上映される藤原敏史監督が登壇した。毎年、世界各国の作品を紹介し、さらに日本映画を海外に紹介する取り組みも続けている本映画祭。今年のディレクターズ・メッセージは“世界×日本×未来=つなげる国際映画祭”。「“つながる”ではなく、“つなげる”という意志をもった言葉を使った」と林氏が会見で語った通り、本年度もこれまで映画祭が築いてきた関係性と、さらにネットワークを広げようという意志の感じられる作品群が揃った。オープニング作品は過去には審査員も務めたキム・ギドク監督の最新作『アリラン』、クロージングはアジア映画界を代表する巨匠ジョニー・トー監督の新作『奪命金』に決定。さらに、タル・ベーラ監督の新作『ニーチェの馬』や、西島秀俊が本映画祭を機に出会ったアミール・ナデリ監督と製作した『CUT』、瑛太主演『モンスターズクラブ』、蓮佛美沙子主演『RIVER』など全7本の特別招待作品が上映される。また、コンペティション部門には大森南朋主演『東京プレイボーイクラブ』、震災後に福島で撮影が行われたドキュメンタリー『無人地帯』など全10作品が登場。アミール・ナデリ監督を委員長に5名の国際審査員が審査にあたる。また、巨匠ニコラス・レイ監督の生誕百周年記念上映や、川島雄三監督、相米慎二監督の特集上映、ベルリン映画祭との提携しながらアジアの若手作家を育成するプロジェクト“タレント・キャンパス・トーキョー 2011』も実施。林ディレクターより繰り返し「揺るぎなくやりたい」という言葉が出た通り、本年度も“東京フィルメックスならでは”のこだわりが見える作品が揃ったようだ。「第12回東京フィルメックス」11月19日(土)~27日(日)有楽町朝日ホール、東劇、TOHOシネマズ日劇、TOHOシネマズ有楽座
2011年09月15日