「きっと病気を持った子が生まれるよ」。妊娠5カ月のとき、日頃からお世話になっている職場の男性上司に言われた言葉でした。普段から少しおせっかいなくらい面倒見の良い上司。行きすぎた気遣いが招いた衝撃発言には、私に対する上司なりの思いがあったようです。妊娠中に悔しく、悲しい思いをした体験談をご紹介します。 面倒見がいい? 何かと口出しをする上司直属の上司である40代前半の男性Aさんは、既婚者でお子さんが2人いらっしゃいます。「俺は人生の酸いも甘いも経験してきた。人生経験豊富な俺のアドバイスを絶対に聞いておいたほうが良い」というのがAさんの口癖でした。私が夫と付き合っているころからいろいろと聞いてきては、それはダメ、それは良い、結婚する時期はいつのほうが良いなど、おせっかいなくらい助言してくるAさん。 Aさんの言動に少々行きすぎだなと感じたことはあったものの、妊娠の報告をしたときはとても喜んでくれ、私の体調を気遣って仕事を調整してくれるなど、とても思いやりのある方です。そのため、Aさんの多少の言動は目を瞑りました。しかし、ついにAさんのおせっかいに限界を感じてしまう出来事が起こったのです。 衝撃の連続! ひどい言葉のオンパレード急きょ夫が海外へ転勤することになり、私も一緒についていくため退職したい旨をAさんに報告しました。すると、Aさんは開口一番「生まれてくる子どもがかわいそう。〇〇(転勤先の国)は空気が汚いから胎児に影響が出て、きっと病気を持った子が生まれてくるよ」と言ってきたのです。おなかの赤ちゃんは健診のたびに頭が大きいと言われていたため不安になり、ネットで検索魔となっていたときに、Aさんの言葉はひどく私を傷つけました。 Aさんは続けて、「出産するのは日本へ帰国してからにしたほうが良い」と言ってきたのです。日本へ帰国するのは早くても5年後と、Aさんにも伝えていました。 5年後まで赤ちゃんをおなかの中で育てろと言っているのか、中絶して5年後にまた子どもを授かったら良いと言っているのか、真相はわかりませんが、あまりにもショックな言葉に私はそれ以上何も言えませんでした。 Aさんの言葉の真意とは帰宅後、夫にその出来事を伝えたところ怒り心頭。転勤する予定日よりも早く仕事を辞めても良いと言ってくれました。翌日もAさんから再度退職を引き止められましたが、引き継ぎが無事に完了後、すぐに退職しました。 その後、元職場の同僚と会う機会があり、話題はAさんのことに。「Aさんはあなたにチームリーダーを任せたかったみたい。あなたの退職を止めようとしたけれど無理だったって残念そうにしていたよ」と同僚が言ったのです。 Aさん本人から聞いたわけではないため真相はわかりませんが、Aさんのひどい発言は私のキャリアを考えてくれたために出た言葉だったようでした。そうだとしても、Aさんの行きすぎたおせっかいは、到底理解できるものではありません。出産するまでAさんから言われた言葉をふとしたときに思い出しては、悔しさと悲しさで涙が出る日々を送りました。 その後、無事に元気な男の子を出産。元職場の皆へ報告すると、Aさんは自分のことのように喜んでくれました。現在もAさんからたまにおせっかいな連絡がきますが、今はそういう人と割り切り、程よい距離で接するようにしています。これを反面教師にして、相手のためと思ってする言動が自分の一方通行になっていないか、今一度考えてから行動しようと強く感じたのでした。 ※人工妊娠中絶は、母体保護法により定められた適応条件を満たしている場合に限り、施行されます。 著者:米久 熊代1歳男児の母。人材会社や人事の仕事を経験し、夫の転勤を機に退職。現在はフリーランスとして前職関係の仕事とライターをしながら、プレママ・新米ママ向けブログを運営中。イラスト制作者:マンガ家・イラストレーター うちここ
2024年03月23日2月5日、元女優の若林志穂さん(52)がまたも自身に対する心無い声にXで苦言を呈した。若林さんは’84年、弱冠中学1年生という若さで芸能界デビューを果たし、女優やアイドル歌手として活動。さらに’91年からは、大家族ドラマ『天までとどけ』シリーズ(TBS系)で岡江久美子さん(享年63)演じる母親・定子の長女である待子を演じて人気を博した。’09年に突如芸能界を引退した若林さんだったが、それから約15年後となる昨年9月にXアカウントを開設。そして同年11月にXで動画配信を行い、「ミュージシャンのNから性加害を受けた」と告白した。若林さんによるとNは違法薬物と思しきものを使用し、若林さんを監禁して性的暴行を行った上に、「お前なんか芸能界にいられないようにボコボコにして海に沈めてやる。俺の周りにはそういうことができるやつがいるんだ」と脅迫したという。そういった経緯もあり、複雑性PTSDを発症することとなったという若林さん。47分間にわたり、ときに涙ぐみながら告発した姿に胸を痛める人たちが続出したが、一部には心無い声もあったようだ。若林さんは1月25日、Xにこう投稿している。《LIVE配信を観た方で、私がカメラ目線で髪の毛を意識しながら話しておかしいとか、笑いながら話してるのがおかしいと言ってますがもっと想像力を働かせて動画を見ろ!って言いたいです。ハンカチで涙を拭いながら今でも死ぬほど辛いんですって姿を見せた方が良かったんですか?》それでも心無い声はまだ若林さんの元に届いているようで、2月4日に若林さんは《皆さんが心配してくれている様な行動はとっくにしてます》《全て行動してます。アンチは黙っとけ!!と伝えたいです》とポスト。さらに翌日、こう綴った。《私の人生を知りもしないくせに、ガタガタ言わないで下さい。人間には喜怒哀楽というものがあります。欠落している人が多いのではないですか?ちょっとしたことで、情緒不安定だの支離滅裂だのバカの一つ覚えみたいに言ってんじゃないよ。誹謗中傷してくる人達、喜怒哀楽を表現してみなさいよ》そんな若林さんの反論に、コメント欄には《みんな応援してるよ!》《味方です!》《相手にしちゃダメですよ》《無視していいんだよ》と気遣うような声が相次いで寄せられている。
2024年02月06日5歳の息子は発達障害で、かんしゃくを起こすことが多いです。ある日そのことを実家の母に打ち明けると、心無い言葉をかけられました。さらに後日、運動会でまさかの言葉を言ってきたのです……。そんなこと言わないでよ……。わが家には5歳の発達障害の子どもがいます。自閉症スペクトラム障害で、見通しが立たないことがとても苦手。うまく気持ちが伝えられなくて、かんしゃくを起こすことも多いですが、療育を行って少しずつ自分の特性との付き合い方を学んでいるところです。 しかし、私の母からはなかなか発達障害への理解が得られず、発達障害であることを打ち明けた際には「母親がしっかり叱らないからじゃない?」と言われました。叱ることは逆効果になることがとても多く、かんしゃくをおこして子どもも私もしんどくなったことがあります。そのため、今では最低限しか叱りません。 運動会のときは、先生が配慮してフォローしやすい端っこにしてくれたのですが、母は「なんで端っこなのよ!」と私に文句を言ったのです。理解してもらうのは難しいと分かってはいるものの、悲しい気持ちになりました。 発達障害の子のパニックやかんしゃくを人に理解してもらうのは難しいと、日々感じています。しかしやはり身内には理解してもらいたいため、母には私から少しずつ発達障害について説明し、考え方を改めてもらうように頑張っている最中です。 ◇ ◇ ◇ 小児科医の松井先生は以下のようにおっしゃいます。 「自閉症のお子さんは叱るのではなくタイムアウト(小休止)して場所を変え、感情を出さないようにしたり、うまくできたときは褒めてあげましょう。このママさんのように、療育に通うとその子の特性にあった接し方を説明してもらえ、無理なく成長を促すことができ、そうしていくうちに、パパやママも安心できるようになるとのことです。 また、ご両親や周りの方からの理解を得られず悲しい思いをする方も多いですが、その場合は少しずつ発達障害について説明をし、それを繰り返してみてください。お子さんの成長を見て、周りも徐々に分かってくれるようになるでしょう」 周囲も少しずつ理解が深まっていくと良いですね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 作画/森田家著者:杉浦更紗監修者:医師 神奈川県立こども医療センター 産婦人科 松井 潔 先生
2024年01月14日皆さんは、パートナーの言動にモヤっとしたことはありますか? 今回は「非常識な夫」にまつわる物語とその対処法を紹介します。心無い言葉を放つ夫の話ある日、夫から「なんで家にいないんだよ」と主人公に連絡が入りました。夫は自分の食事が用意されていないことに怒っているようです。居場所を問われ「すぐ返事しろ!」と言われますが…。出典:Youtube「Lineドラマ」「父が亡くなったから実家に戻っている」と主人公は説明します。しかし夫は納得せず「はぁ~死んでるやつより生きてる俺を大事にしろ」と言い放ったのです。主人公にとって大事な父のことを「どうでもいい人」扱いした夫。夫のまさかの言葉に絶句してしまう主人公なのでした。こんなとき、あなたならどうしますか?離婚する身内が亡くなったときに支えてくれず、暴言を吐いてくるなんてあんまりです。葬儀が落ち着いたらしっかり話し合い、それでも心を入れ替えてくれないようであれば、離婚してしまうのがよいと考えます。(30代/女性)身内に夫のことを相談する実家の家族や、夫の両親などに相談してみます。夫に変化があれば問題ないですが、あまりにもひどい仕打ちを受けるようであれば、距離を置いたり離婚を考えたりしていいでしょう。(20代/女性)今回は非常識な夫の対処法を、みなさんのアンケートをもとに紹介しました。もし同じような出来事があったときは、ぜひ参考にしてみてください。※こちらの記事はみなさんから寄せられたアンケートをもとに作成しています。※本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。※作者名含む記事内の情報は、記事作成時点でのものになります。※こちらのお話は体験談をもとに作成しています。(lamire編集部)
2023年12月10日皆さんは、パートナーの発言に腹が立った経験はありますか?今回は「妊娠中の妻に放った夫の心無い一言」を紹介します。イラスト:アカネ2人目を妊娠中主人公が2人目を妊娠中のときのことです。正社員として働いていた主人公は、妊娠中もフルタイムで働いていました。仕事が繁忙期だったため、つわりで体調が悪いにもかかわらず、残業ばかりの日々が続きます。仕事を終えた後も、家事と育児で忙しい日々を過ごしていた主人公。へとへとになっていると…。夫の心無い一言出典:CoordiSnap夫が「妊婦はいいねー、ゴロゴロできてさ」と言ってきたのです。さらに休みの日に主人公が布団を片づけないでいると「布団ぐらい片づけろよ」とイヤミを言う夫。妊娠中の大変さを少しも理解していない夫にウンザリする主人公なのでした。無神経な発言つわりで苦しむ主人公に対してイヤミな発言を繰り返す夫。無神経な夫の発言に思わず腹が立った主人公のエピソードでした。※こちらは実際に募集したエピソードをもとに記事化しています。(CoordiSnap編集部)
2023年11月28日普段から何気なく使う“言葉”。しかし、この言葉が人を傷つけることもあり……。今回は、MOREDOORのオリジナル漫画『言われた側は覚えている』より漫画の展開を予想していただくクイズをお届けします。【あらすじ】誰しも何かしらの事情を抱えて生活しているもの。しかし、何気ない一言で傷つくこともあります。主人公のソウタは、持病のせいで朝起きるのに苦労していて……。母親も心配し……学校に遅れて登校し……ここでクイズです!ソウタは朝、遅れて登校します。そして友人に事情を説明しました。友人は、一体どんな返答をしたでしょうか?ヒントは、少しモヤッとする言葉で……。友人に言われた言葉は?正解は、「代わってほしい」と言われた!友人からは羨ましがられてしまいます。ソウタは言い返さないものの、内心モヤモヤし……。こんなときどうする?自分が苦労しているのに、共感してもらえなかったら嫌ですよね。今回のソウタは、持病について説明するも、友人には理解されませんでした。もし、あなたや身近な人が持病を持っていたら……、あなたならどうしますか?※この漫画はフィクションです。■作画:長月よーこ■脚本:華丘侑果(MOREDOOR編集部)
2023年09月18日韓国の女性アーティストDJ SODAへの性暴力事件。被害者であるDJ SODAが心無い批判に対し反論した。音楽フェスに出演した際、一部観客から胸を触られるなどの被害にあったDJ SODA。イベントの主催会社は男女3人を不同意わいせつなどの疑いで大阪府警に刑事告発。男性2人が出頭、女性1人が任意の事情聴取に応じる形となっていた。この事件に対しては、「露出が多い服を着ていたせいだ」「客席に近づいたせいだ」などDJ SODAの自己責任を指摘する的外れな声が。さらに「他国でもセクハラ被害を受けているのに何故日本だけ被害を訴えたのか」と、“反日批判”が殺到していた。このような批判に対し、DJ SODAは8月24日自身の「X」を更新。《私は日本の食べ物が大好きで カルピスがとても好きでカルピスのために日本に住みたいの書いたのですが…》と日本に住みたいほど、日本の食文化が好きであると綴った。さらに続けて、《私が本当に日本を嫌いだったら理由なく日本のアニメキャラクターのコスプレを何回もして韓国で悪口を言われるのか?》と、初音ミクやドラゴンボールの人造人間18号などのコスプレをした姿の写真と合わせて投稿。日本のアニメキャラクターのコスプレをすることで、韓国で悪口を言われた経験があることも匂わせた。また、《そして8年間毎回私の公演に来てくれた日本のファンの顔を一人一人覚えてそのファンの方と今でも連絡して会ったりして、snsにアップロードするする動画にも日本の歌を頻繁に使ったりもしているのに 投稿に日本語も使ったよ》と、これまで日本のファンを大切にしてきた姿勢についても強調した。DJ SODAは8月21日にも、今回の問題が性被害ではなく日韓問題とされてしまうことに対する懸念があったことを記している。《事実私は原文を上げる前にもしかしてこの事件がセクハラ問題ではなく一つの国の問題として重点を置かれてしまうのではないかという思いで最初は削除しようとした。しかし事実関係を正確にするために投稿し、それで私が反日だから全てのことを作り上げたのではないかという誤解を受けているが、私は日本が好きで昔から日本で公演もしてきたし、日本旅行にも行ったし、日本の友達も多く、日本の化粧品も食べ物も好き。私は特定の国を非難するためにこの事件を公論化させたのではない》DJ SODAの勇気ある告発が報われることを願うばかりだ。
2023年08月25日皆さんの旦那さんは日々優しく接してくれますか?世の中には心無い言動をする旦那さんもいるみたいです…。今回はそんな旦那にウンザリしたエピソードを紹介します。出産後初めての子どもが産まれたときのことです。夫は仕事帰りに毎日病院に来てくれたり、休みを取ってくれたり、なるべく一緒に居てくれました。とても嬉しかったのですが、問題はその後でした。病院にいるときよりも、産後の体で慣れない育児を家でするようになってからのほうがずっと大変でした…。産後の恨みは一生!そのときは夫に頼んでも「休めない」「無理なら実家を頼って」と言ってきたのです。産後のメンタル不調もあいまって、すごく悲しい思いをしました。実家は事情があって、なるべく頼らないように里帰り出産をしませんでした。産後のワンオペ育児がきつすぎて、寝不足でモヤモヤする中、色々なことを後悔しました。(50代/女性)何年経ってもモヤモヤしたまま夫とはいえ、大なり小なりストレスを抱えがちな夫婦関係。相手を思いやる気持ちを忘れずに良好な関係を築いていきたいですね。※こちらは実際に募集したエピソードをもとに記事化しています。(Grapps編集部)
2023年08月23日■前回のあらすじクライアントとの親睦会で部長がパワハラしていると陰口を言っていたと、ありもしないことで部長に責められた春奈。担当を外されたくなければ、部長のスパイとなって黒木のことを探るように言われたが断る。夢だった企画から外されることになった春奈は…。 >>1話目を見る ずっとやりたかった仕事の担当を外され、何もかも失った私に残ったものは…絶望と恨みだけでした。そんな私が向かった先は、いつも私を暖かく迎えてくれる食堂「あかり」だったのです。次回に続く(全22話)毎日更新! ※この漫画は実話を元に編集しています原案・ウーマンエキサイト編集部/脚本・ 徳永 /イラスト・ ふゆ
2023年06月15日皆さんは夫との悩みはありますか?今回は、出産した妻に心無い言葉をかける夫を描いた「出産直後に浮気するモラハラ夫の末路」を紹介します。出産直後に浮気するモラハラ夫の末路主人公は危険な状態になりながらも子どもを出産しました。まだ、安静にしたほうがいいとのことで、入院していたのですが…。夫から「早く帰ってきて家事をしろ」「サボるな」と言われる始末。状況を説明しても夫は理解してくれません。また、出産に立ち会いもしなかったことを責めると、夫がまさかの発言をしたのです。夫「出産なんて大したことじゃない」出典:Youtube「Lineドラマ」夫は「出産なんて大したことじゃない」と言い捨てます。あまりの言い草に唖然とする主人公なのでした。出産は命の危機もある出産は命の危険もある大変なことです。夫の発言が信じられません。夫には今後、出産をした妻を労う気持ちが生まれてほしいものです。出産した妻に衝撃の発言をした夫のエピソードでした。※本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。※作者名含む記事内の情報は、記事作成時点でのものになります。
2023年05月07日■前回のあらすじハウスクリーニングをしてから実家へ。父は自分勝手な人で母は父の言いなり。実はナギサは家族とウマが合わなかったのですが、友だちに相談できず、実家に行くことにしたのでした。問題があるのは女の方父のモラハラ発言は続きます…。次回に続く 「不倫旦那と女を部屋に閉じ込めてみたらすごい事になった」(全70話)は21時更新!
2023年04月04日「きっと病気を持った子が生まれるよ」。妊娠5カ月のとき、日頃からお世話になっている職場の男性上司に言われた言葉でした。普段から少しおせっかいなくらい面倒見の良い上司。行きすぎた気遣いが招いた衝撃発言には、私に対する上司なりの思いがあったようです。妊娠中に悔しく、悲しい思いをした体験談をご紹介します。 面倒見がいい? 何かと口出しをする上司直属の上司である40代前半の男性Aさんは、既婚者でお子さんが2人いらっしゃいます。「俺は人生の酸いも甘いも経験してきた。人生経験豊富な俺のアドバイスを絶対に聞いておいたほうが良い」というのがAさんの口癖でした。私が夫と付き合っているころからいろいろと聞いてきては、それはダメ、それは良い、結婚する時期はいつのほうが良いなど、おせっかいなくらい助言してくるAさん。 Aさんの言動に少々行きすぎだなと感じたことはあったものの、妊娠の報告をしたときはとても喜んでくれ、私の体調を気遣って仕事を調整してくれるなど、とても思いやりのある方です。そのため、Aさんの多少の言動は目を瞑りました。しかし、ついにAさんのおせっかいに限界を感じてしまう出来事が起こったのです。 衝撃の連続! ひどい言葉のオンパレード急きょ夫が海外へ転勤することになり、私も一緒についていくため退職したい旨をAさんに報告しました。すると、Aさんは開口一番「生まれてくる子どもがかわいそう。〇〇(転勤先の国)は空気が汚いから胎児に影響が出て、きっと病気を持った子が生まれてくるよ」と言ってきたのです。おなかの赤ちゃんは健診のたびに頭が大きいと言われていたため不安になり、ネットで検索魔となっていたときに、Aさんの言葉はひどく私を傷つけました。 Aさんは続けて、「出産するのは日本へ帰国してからにしたほうが良い」と言ってきたのです。日本へ帰国するのは早くても5年後と、Aさんにも伝えていました。 5年後まで赤ちゃんをおなかの中で育てろと言っているのか、中絶して5年後にまた子どもを授かったら良いと言っているのか、真相はわかりませんが、あまりにもショックな言葉に私はそれ以上何も言えませんでした。 Aさんの言葉の真意とは帰宅後、夫にその出来事を伝えたところ怒り心頭。転勤する予定日よりも早く仕事を辞めても良いと言ってくれました。翌日もAさんから再度退職を引き止められましたが、引き継ぎが無事に完了後、すぐに退職しました。 その後、元職場の同僚と会う機会があり、話題はAさんのことに。「Aさんはあなたにチームリーダーを任せたかったみたい。あなたの退職を止めようとしたけれど無理だったって残念そうにしていたよ」と同僚が言ったのです。 Aさん本人から聞いたわけではないため真相はわかりませんが、Aさんのひどい発言は私のキャリアを考えてくれたために出た言葉だったようでした。そうだとしても、Aさんの行きすぎたおせっかいは、到底理解できるものではありません。出産するまでAさんから言われた言葉をふとしたときに思い出しては、悔しさと悲しさで涙が出る日々を送りました。 その後、無事に元気な男の子を出産。元職場の皆へ報告すると、Aさんは自分のことのように喜んでくれました。現在もAさんからたまにおせっかいな連絡がきますが、今はそういう人と割り切り、程よい距離で接するようにしています。これを反面教師にして、相手のためと思ってする言動が自分の一方通行になっていないか、今一度考えてから行動しようと強く感じたのでした。 ※人工妊娠中絶は、母体保護法により定められた適応条件を満たしている場合に限り、施行されます。 著者:米久 熊代1歳男児の母。人材会社や人事の仕事を経験し、夫の転勤を機に退職。現在はフリーランスとして前職関係の仕事とライターをしながら、プレママ・新米ママ向けブログを運営中。イラスト制作者:マンガ家・イラストレーター うちここ
2022年12月05日「きっと病気を持った子が生まれるよ」。妊娠5カ月のとき、日頃からお世話になっている職場の男性上司に言われた言葉でした。普段から少しおせっかいなくらい面倒見の良い上司。行きすぎた気づかいが招いた衝撃発言には、私に対する上司なりの思いがあったようです。妊娠中に悔しく、悲しい思いをした体験談をご紹介します。 面倒見がいい?何かと口出しをする上司直属の上司である40代前半の男性Aさんは、既婚者でお子さんが2人いらっしゃいます。「俺は人生の酸いも甘いも経験してきた。人生経験豊富な俺のアドバイスを絶対に聞いておいたほうが良い」というのがAさんの口癖でした。私が夫と付き合っているころからいろいろと聞いてきては、それは駄目、それは良い、結婚する時期はいつのほうが良いなど、おせっかいなくらい助言をしてくるAさん。 Aさんの言動に少々行きすぎだなと感じたことはあったものの、妊娠の報告をしたときはとても喜んでくれ、私の体調を気づかって仕事を調整してくれるなど、とても思いやりのある方でもあります。そのため、Aさんの多少の言動は目を瞑ることができました。しかし、ついにAさんのおせっかいに限界を感じてしまう出来事が起こったのです。 衝撃の連続!ひどい言葉のオンパレード急きょ夫が海外へ転勤することになり、私も一緒についていくため退職したい旨をAさんに報告しました。すると、Aさんは開口一番「生まれてくる子どもがかわいそう。〇〇(転勤先の国)は空気が汚いから胎児に影響が出て、きっと病気を持った子が生まれてくるよ」と言ってきたのです。おなかの赤ちゃんは健診のたびに頭が大きいと言われていたため不安になり、ネットで検索魔となっていたときに、Aさんの言葉はひどく私を傷つけました。 Aさんは続けて、「出産するのは日本へ帰国してからにしたほうが良い」と言ってきたのです。日本へ帰国するのは早くても5年後と、Aさんにも伝えていました。 5年後まで赤ちゃんをおなかの中で育てろと言っているのか、中絶して5年後にまた子どもを授かったら良いと言っているのか、真相はわかりませんが、あまりにもショックな言葉に私はそれ以上何も言うことができなかったのでした。 Aさんの言葉の真意とは帰宅後、夫にその出来事を伝えたところ怒り心頭。転勤する予定日よりも早く仕事を辞めても良いと言ってくれました。翌日もAさんから再度退職を引き止められましたが、引き継ぎが無事に完了後、すぐに退職させていただきました。 その後、元職場の同僚と会う機会があり、話題はAさんのことに。「Aさんはあなたにチームリーダーを任せたかったみたい。あなたの退職を止めようとしたけど無理だったって残念そうにしてたよ」と同僚が言ったのです。 Aさん本人から聞いたわけではないため真相はわかりませんが、Aさんのひどい発言は私のキャリアを考えてくれたために出た言葉だったようでした。そうだとしても、Aさんの行きすぎたおせっかいは、到底理解できるものではありません。出産するまでAさんから言われた言葉をふとしたときに思い出しては、悔しさと悲しさで涙が出る日々を送りました。 その後、無事に元気な男の子を出産。元職場の皆へ報告をすると、Aさんは自分のことのように喜んでくれました。現在もAさんからたまにおせっかいな連絡がきますが、今はそういう人と割り切り、程よい距離で接するようにしています。これを反面教師にして、相手のためと思ってする言動が自分の一方通行になっていないか、今一度考えてから行動しようと強く感じたのでした。 ※人工妊娠中絶は、母体保護法により定められた適応条件を満たしている場合に限り、施行されます。著者:米久 熊代0歳男児の母。人材会社や人事の仕事を経験し、夫の転勤を機に退職。現在はフリーランスとして前職関係の仕事とライターをしながら、プレママ・新米ママ向けブログを運営中。 イラスト制作者:マンガ家・イラストレーター うちここ年子男児を育てる2児の母。家族で過ごす日常や思い出をInstagram(@uchikoko20)やブログ「うちここ日記」で描いてます。
2021年12月08日転院するよう告げられて、ショックを受けたミロチさん。しかし担当医師が「ここで産ませてあげたかった……」と転院させるか悩んだと説明し、さらに「一番大事なのは赤ちゃんが元気に生まれてくれることと、ミロチさんも無事に出産を終えること」と、ミロチさんとおなかの赤ちゃんを想っての判断だとわかりました。そうして診察室を出て、看護師さんから紹介状の説明を受けるのですが…… ようやくゴールが見えた気がして… 紹介状についての説明を看護師さんから受けた後、感謝の言葉を述べるミロチさん。「いろいろありがとうございました看護師さんのおかげで心強かったです」 すると……「そんな……もうっ!ここまで頑張ってきたのに……うちで産ませてあげたかったのよ……」と、涙を流す看護師さん。 「頑張って元気な赤ちゃんを産んでね、応援してるから!」力強い励ましを受け、ミロチさんは覚悟を決めました。 病院を後にして、気晴らしも兼ねて買い物へ行くことに。 すると、買い物中すれ違う人が、ミロチさんのおなかを見てきました。 「妊婦なんて珍しくないのに……」と思っていると、 「双子?三つ子?あの腹やばくね?」と、笑いながら話す声が聞こえてきて…… 「私のおなかって大きい?」 他人の声に傷ついてしまいます。 監修/助産師 松田玲子 著者:マンガ家・イラストレーター ミロチ
2021年12月04日今年からサッカーを始めた息子。みんなとは経験年数が違い、初心者なのでまだまだ下手。それでも人数の関係で試合には出してもらっているけど、プレーで足を引っ張るのでチームメイトから心無い言葉をかけられる。コーチも保護者も黙認している。これって普通なの?親が介入すべき?とのご相談をいただきました。わが子がチームメイトからひどい言葉をかけられていると知った時、みなさんならどうしますか。今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、悩めるお母さんに3つのアドバイスを送ります。(文:島沢優子)(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<Jクラブで仲間に見下される息子に自信を取り戻してほしい問題<サッカーママからのご相談>こんにちは。これまでも似たような質問があったかもしれませんがご相談させてください。子どもがチームメイトから心無い言葉を投げかけられています。監督、コーチがそれを黙認してます。これって普通なのでしょうか?息子は今年からサッカーチームに入りました。みんなが一斉に入団した小1の時は興味を示さなかったので、これまで運動系の習い事などはしてきませんでしたが、3年生の終わりごろに自分もサッカーしたいと言い出したのでこの春入団させました。周りの同級生とは経験年数も違うし、当然ですが初心者なのでど下手です。ですが、人数が少ないこともあり、試合には出場しています。練習でも試合でもみんなと同じレベルでプレーできないので、同級生の子たちはど下手な息子にイラつくようで、度々「何やってんだよ」「はあ?そんなこともできないのかよ」「足引っ張んなよ」などと言われたりしています。それを監督もコーチも目の前で見ていますが、特に何も言いません。子どもたちの保護者もです。言われてもしょうがないと思っているのかもしれません。息子は第一子で、親の私がこれまで保護者付き合いをほとんどしてこなかったこともあり、これが普通なのかわからないのと、どうしても下手な子の親は肩身が狭いというか、発言しにくい雰囲気を感じています。こんなとき、親として介入すべきなのでしょうか。<島沢さんのアドバイス>ご相談ありがとうございます。10歳なので小学4年生くらいでしょうか。息子さんがチームメイトから「足を引っ張るな」などと心無い言葉を言われているのは、お母さんにとってもお辛いですね。ただ、ご相談文には言われた息子さんの様子は書かれていないので、息子さんの反応や気持ちが気になるところです。■「こうすれば解決する」という正解はなかなか見つからないとはいえ、息子さんが傷ついているであろうことは想像に難くありません。彼の傷をどう癒し、どう解決していくか。親としてはとにかく何でもしてあげたい。一日も早く楽にしてあげたいと考えるのが当然です。しかし、「こうやれば解決しますよ」という虎の巻はなかなか見つかりません。例えば、お母さんが保護者一人ひとりにお願いする、子ども一人ひとりを叱る、コーチに苦情を言って監視してもらう。はたまた、そんなチームは早くに見限り早々に移籍する。さまざまありますが、私はどれもお勧めできません。理由は、息子さんの成長につながらないからです。■「助けなくては!」と焦らず、親御さんの思考を整えましょうじゃあ、どうすればいいか。あらかじめ言っておきますが、解決法はひとつではありません。ケースバイケースです。以下はあくまで私がお母さんだったらどうするか、という視点でアドバイスを三つお伝えしますね。ひとつめは、自分自身のマインドセット(固定化された考え方)を整えること。息子のピンチだ、助けなくては!と思うと、余計に焦って感情的になりがちです。今回の出来事をピンチだととらえずに、息子さんも、ご自分もともに成長するチャンスととらえましょう。成長するには、上述したような過干渉な方法は選択しないことです。■まずは落ち着ける環境で話を聞く作業を!気持ちを吐き出すとスッキリするそしてふたつめ。息子さんとこのことについてじっくり話しましょう。どんな気持ちなのか?どうしたら解決できるのか?ひとつずつ問いかけ、どんなときにどんなふうにいわれたのか?そのとき、自分はどんな態度をとったのか?コーチたちはどんな様子だったのか?それらをなるべく具体的に話をしてもらいます。息子さんの話を聴くときは、自宅の廊下や台所で立ち話、というものではなく、例えば送迎の際の車の中で二人きりの時や、他の家族がいない時にじっくりリビングでお茶やジュースを飲みながら話を聴いてあげてください。その際は「それは嫌だね」「よく我慢したね。ママならぶん殴っちゃうよ」とお子さんの気持ちに寄り添ってあげてください。そして、「あなたはまったく悪くない」「我慢しなくていいんだよ」「ママは君の味方だからね」ということを繰り返し言い聞かせましょう。この話を聴く作業だけで、お母さんの役目は半分果たせています。子どものほうも、たとえ名案が浮かばなくても、親に自分が傷ついた出来事を話せば、かなりスッキリします。お母さんが、例えば誰かに愚痴などを聞いてもらうのと同じ感覚です。■嫌なことは嫌、やめてと言えるようにしよう三つめは、息子さんは仲間に「そういうことは言わないでほしい」ときちんと言えているのかを尋ねてください。お母さんが「下手な子の親は肩身が狭いというか、発言しにくい」と考えているように、息子さんも「僕はサッカーが下手だから、そういうのは言わないでとは言いづらい」と思っていないでしょうか?親子とは不思議なもので、気持ちや価値観は非常に高い確率でシンクロします。もし、息子さんがまだ抗議していないのなら、嫌なことは嫌、やめてほしいことはやめてと言えるようになることをぜひ目指してください。■「補欠だから......」と上手い子たちがいじめて良いわけはない小学校中学年くらいは、サッカーの上手い下手で子どもの間にヒエラルキーが生まれることは多々あります。ある小学校の先生に取材した際、こんな話を聴きました。そこの小学校はサッカー少年団に入る子がすごく多く、3クラスあるなかで1クラスの男子の半分近くが団員でした。休み時間にサッカーをして活発に遊んでくれるので最初はその先生も「よく外遊びしていいなあ」と好意的に見ていました。ところが、徐々にヒエラルキーに気づき始めます。「一部の子だけがいつもボールの片づけをしていたり、掃除の班のなかで、レギュラーの子が補欠の子に自分がやらなければならない掃除を奴隷のようにやらせていたんです。ほぼいじめですよね」しかも、なかには「奴隷36番」などと、サッカー少年団の背番号で呼ばれている子までいました。先生は掃除や片づけを強制されている子どもたちに「なんで断らないの?嫌だって言いなよ」と話したら、その子たちはこういったのです。「だって、僕たち、補欠だから」試合に勝てるのはレギュラーの上手い子たちのおかげ。たまに補欠である自分たちが試合に出ると足を引っ張ってしまう。「だから、命令には従わなくてはいけないと思ってたって言うんです。おいおい、それは違うだろうと諭しましたが、やらされている子たちは泣きながら聞いてるわけです。何のためにサッカーをしているのかわかりませんよね」と先生は憤っていました。その先生がすぐに少年団の保護者代表に話をしてくれたおかげで、大人たちが解決に動き、なんとかいじめはなくなったそうです。僕たち、補欠だからと、仲間の理不尽な命令に従っていた子どもたちは、きっと自己肯定感が下がっていたことでしょう。自己肯定感とは「自分は存在していい人間だ」「今の自分でいい」と自分自身に満足し、自分の価値や存在意義を肯定できる力です。別名、自尊感情とも言われ、この力が人間的な成長の土台になります。■コーチたちに問題に向き合ってもらえる話し方(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)ほかの保護者が何も言わないのは歯がゆいことではありますが、指導現場において保護者には責任はありません。なので「なんで自分の子どもが暴言を吐いているのに注意しないのか?」といちいち怒るよりは、子どもたちをより良い環境でサッカーをさせる責任と義務があるコーチの方々に「良いことではないのでは?」と話すほうがいいと思います。ただし、その際に「うちの子が傷ついてる。どう責任をとってくれるのだ?」という被害者的な思考からくる抗議では、真摯に向き合ってもらえないかもしれません。例えば、子どもはいじめる子どもと、いじめられる子が頻繁に入れ替わります。したがって、今は息子さんが傷つけられているけれど、そのうち違う状況になるかもしれません。スポーツをしていくうえで、そのような上下関係をつくらず、みんなでサッカーを通して成長できたらいいですよね。そのような主旨のことを、チーム全体を考えたうえでの意見として話すといいでしょう。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)。
2021年08月04日「横隔膜ヘルニア」という先天性疾患を抱えて生まれたお子さんを持つママの体験談をお届けする連載企画です。横隔膜ヘルニアとは、本来胸とおなかの臓器を隔てている横隔膜に生まれつき穴が開いており、その穴からおなかの中の臓器が胸の中に出てきて心臓や肺を圧迫してしまう病気。 おなかの子が横隔膜ヘルニアであると診断された妊娠中から出産までのできごとやママが感じた不安、生まれたお子さんの様子やその後の治療についてご紹介していきます。息子の呼吸の補助が酸素吸入器のみになってからは人工呼吸器をつけていたころと比べると身軽になったので、よく息子を連れて出かけるようになりました。その分息子はいろいろな人の目に触れることが増え、時には心ない声をかけられることも。ここでは、息子と出かけていたときにかけられた、つらかった言葉とうれしかった言葉をご紹介します。 「かわいそうに」は日常茶飯事息子を連れて出かけているときに、何度となく言われたのが「かわいそうに」という言葉。特に年配の女性から、目が合うと社交辞令のように言われることが多かったです。基本的に悪気はなく、どちらかというと心配な気持ちから言われているように感じました。しかし「息子がやっと元気になって酸素吸入器だけになった」と喜んでいた私は、「かわいそうに」と言われるたびに、何となく出鼻をくじかれたような悲しい気持ちになりました。 息子の将来を否定する言葉にぼうぜん言われたのは一度だけだったのに、忘れられないのが「赤ちゃんであんなのつけてたら、もうまともな大人にはなれないだろう」という言葉です。 ショッピングモールのエレベーターで一緒になった、まったく面識のない年配の女性2人組が、こちらをちらちら見ながら息子の将来を否定するような言葉を平気で言い合っていたときには、怒りを通り越して呆れてしまいました。事情も知らないのに、どうして他人にあんなひどいことを言えるのか今でも理解できません。 息子自身を見てくれた喜び医療的ケア児はどうしてもその病状や医療的ケアに目が向いてしまいがちだと思うのですが、なかには「眉毛がきりっとしてるね」や「表情が豊かになってきたね」など、医療的ケア関係なく息子自身を見て話してくれる方々もいて、とても心に残っています。医療的ケア児と言えど、もちろんいつも「かわいそう」なわけではなく、他の子と同じように「かわいいな」「おもしろいな」というポイントもたくさんあったのです。ごくたまにではありましたが、医療的ケア児ということを取っ払って育児トークができたときは非常にうれしかったです。 当時は戸惑ったけど今ならわかる声掛け息子とのおでかけ中、「元」医療的ケア児の母親の方から何度か声をかけられました。大体「医療的ケア児の世話って大変だよね。でもうちの子はちゃんと元気に育ったよ」という内容で、正直当時は受け答えに困っていました。 だけど息子の医療的ケアがすべてなくなった今、当時の息子と同じような医療的ケア児を連れているお母さんを見つけると、つい声をかけたくなります。当時の孤独な頑張りを思い出し、どうしても「ひとりじゃないよ」と伝えたくなってしまうんです。私に声をかけてくれた人たちもこういう気持ちだったのだなと思うと、時を経て胸が熱くなります。 医療的ケア児を連れておでかけしているときにかけられた言葉に傷ついたこともありましたが、それ以上にうれしかったこともたくさんありました。当時の気持ちを忘れないようにして、私も誰かの心を温められるような声掛けができたらいいなと思います。 監修/助産師REIKO著者:岩崎はるか2女1男の母。両実家とも遠方のためワンオペ育児中。先天異常の影響で肺が片方しかない医療的ケア児を含む3人の子を育てた育児体験談のほか、大学院で農学を学んだ経験から食についても執筆。
2020年12月08日