昨年4月23日、新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなった女優の岡江久美子さん(享年63)。その突然の訃報から、ちょうど1年を迎えた。当日、岡江さんの夫・大和田獏(70)は娘の大和田美帆(37)とともにオンラインイベント『スマイル!岡江フェスティバル~音楽とともに~』に参加。各メディアによると、そこで彼は「失ったものは大きくて、喪失感からは逃れられない」「彼女(岡江さん)の明るさと前向きな生き方を見習って、前向きに頑張っていきたい」と話したという。「獏さんは岡江さんが亡くなった当初、彼女が生前に愛着を持っていた家具や本を見るたびに胸が詰まるような思いだったそうです。亡くなる前年の12月、岡江さんは乳がんの手術を受けており、獏さんは常に彼女のことを気遣っていました。それでも、コロナの感染に気づいてやれなかった。それが悔やんでも悔やみきれなかったようで、『何が悪かったんだろう……』と自問を繰り返してしまうこともあったそうです」(大和田家の知人)そんな傷心の獏を支えるのが、美帆だという。昨年5月、岡江さんが所属していた『スタッフ・アップ』の代表取締役・戸張立美氏は本誌にこう語っていた。「美帆ちゃんは実家と離れた場所に住んでいるのですが、生活の品とか食材を買って届けてくれているんです。ただ玄関先に置くだけで、直接会ってはいないそうです」「獏ちゃんは遺品もまだ整理できていないし、仕事も『まだ積極的にやろうとは思えない……』と言っていたそうです。岡江が亡くなってからは、ほとんど自宅にこもっていました。それでも美帆ちゃんのおかげで、最近は犬の散歩をするようになったみたいです」さらに戸張氏は、父娘関係に変化も見られるようになったと明かしていた。「これまでの2人は、毎日親しく話すような親子ではありませんでした。これは決して仲が悪かったとかではなくて、芸能人一家の宿命みたいなもの。美帆ちゃんにとって獏ちゃんは、父親であると同時に“仕事上での大先輩”でもあったわけですから」「しかし最近はLINEでやり取りをしたり、テレビ電話で頻繁に話したりするようになったそうです。物理的に住んでいる距離は遠いんですけど、気持ちは今まで以上に近くなっている気がしますね」■娘の勧めで始めたSNSとボランティアそうして二人三脚で、再び歩み始めた大和田父娘。獏は昨年9月にInstagramを始めたが、そのキッカケは美帆だったという。「美帆さんは『SNSでファンとつながれば、父の気が紛れるかも……』と考え、『試しにやってみたら?』と獏さんに勧めたそうです。それから獏さんは『#ばくめし』と題して、料理を作ってはInstagramにアップするように。今では投稿につく“いいね!”が、日々の活力になっているそうです」(前出・知人)また獏は1月期のドラマ『その女、ジルバ』(フジテレビ系)の公式サイトにアップされたインタビューで、「長期入院している子どもたちに向けて歌などを配信しているボランティア団体に娘と参加して朗読をしました」と明かしている。実はこのボランティア活動も、美帆に勧められて始めたことだという。「Instagramでファンとの交流を重ねるにつれ、獏さんは次第に笑顔を取り戻していったそうです。そこで美帆さんは『今の父には“人のぬくもり”が大事だ』と実感し、『もっと外に出ようよ!』とボランティアに連れ出したようです。獏さんはボランティアの朗読が想像以上に楽しかったそうで、『これからも続けていきたいな』と意気込んでいました」(前出・知人)立ち直ろうと奮闘する父、そして父を想う娘。2人の歩みを岡江さんも天国から見守っていることだろう。
2021年04月23日岡江久美子さん(享年63)が亡くなってから、はや半年。しかし、所属していた「スタッフ・アップ」代表取締役である戸張立美氏によれば、コロナ禍のため、いまだお別れの会のめどは立っていないという。「お別れの会は来年の4月、岡江の命日にできればいいなと考えています。とはいえ、状況次第では、それ以降になるかもしれません。岡江は演劇を見るのが好きで、演技の勉強もよくしていました。ですから、新型コロナがいったん落ち着いたころ、本当は彼女の誕生日であり月命日でもある8月23日に『劇場でお別れの会をしよう』と考えていたんです。劇場だと照明や、大きいプロジェクターも使えますから“劇場ならでは”の演出ができますし、『本人も喜ぶんじゃないかな』と思ったのですが……」“劇場お別れの会”開催に向け、戸張氏は新型コロナに詳しい学者や医師に相談したという。「どうしたらリスクを避けて実施できるか、実際に劇場で検証したんです。残念ながら、学者の方やお医者さんから『完全なリスクゼロにはできない』と言われました。現状では新型コロナがいつ収束するかもわかりません。開催できるとなってもホテルのコンベンションルームなど、従来どおりの形になってしまいそうですが……」まだお別れの会もできず、岡江さんとの結婚生活の思い出を胸に秘めたままの大和田獏(70)。そんな彼を支えるのは、娘の美帆(37)だという。「獏さんは9月からインスタを始めました。それはあるとき、美帆さんから『やってみたら?』と勧められたからだといいます。『SNSでファンとつながれば、父の気が紛れるかも……』と美帆さんは考えたみたいです。獏さんは『#ばくめし』と題して、数々の自作料理をアップするように。今や投稿につく“いいね!”が、日々の励みになっているそうです」(大和田家の知人)また大和田にとって、仕事が“日々の糧”となっているようだ。「獏さんと美帆さんは12月に、舞台で共演します。2月に東京で行われた歌劇の再演で、2人の朗読でストーリーが展開していくものです。会場は宮崎県。岡江さんのお母さんの故郷でもあります。生前の岡江さんも公演を楽しみにしていたそうで、2人とも気合が入っていると聞きます。また獏さんは新型コロナの影響で上映が延びた映画『ブルーヘブンを君に』の公開も控えています。名古屋の情報番組のレギュラーに加え、役者業に打ち込むことで、少しでも前向きな気持ちになることを願うばかりです」(前出・大和田家の知人)少しずつ“家族再生”の道を歩み始めた父娘の姿に、天国の岡江さんも目を細めていることだろう。「女性自身」2020年11月3日号 掲載
2020年10月21日10月15日、都内の閑静な住宅街。そこに大和田獏(70)の姿があった。ネイビーのパーカを着て、黒のパンツをはいた大和田。その手には、地域で親しまれている洋菓子店のケーキがあった。「あのお店はこの辺りでいちばんおいしいと評判なんです。大和田さんもここのケーキが好きみたいで、昔からご夫婦でいらしてました」(常連客)その日、大和田は自身のインスタにこうつづっている。《10月13日は70回目の誕生日でした。しかし古希のこの日を病室で迎えてしまいました!》《何と10日に盲腸炎(虫垂炎)になり入院!人生初の入院がこの時期に!何と間の悪い事か!!》古希のタイミングで虫垂炎になったと嘆く大和田。思わぬアクシデントに見舞われてしまったが、こんなとき亡き妻・岡江久美子さん(享年63)なら彼にどんな言葉をかけるだろうか――。今年4月23日、新型コロナウイルスによる肺炎のため亡くなった岡江さん。実は生前、大和田のために“古希のサプライズ”を計画していたという。「岡江さんは昨年『獏ちゃんの70歳の誕生日は盛大にやろう!』と張り切っていました。家族で海外か、国内で温泉か。はたまた獏さんの実家のある名古屋で、お義母さんを交えて祝おうか……。獏さんの喜ぶ顔を思い描くように楽しそうに話していました。獏さんにも『楽しみにしといてね!』と伝えていたのですが……」(大和田家の知人)本来なら岡江さんの“プレゼント”を受け取っていたはずの大和田。彼の入院生活について、大和田夫妻の所属事務所「スタッフ・アップ」代表取締役である戸張立美氏はこう語る。「誕生日当日は、病院食です。本当に間が悪いというか(笑)。3日間くらい入院していたみたいです。手術はしないで、クスリで散らして。点滴打っている間は絶食していたと聞きました」戸張氏は「獏ちゃんは健康に気をつけていたんですけどね……」と苦笑いしながら、こう続ける。「いま彼はウォーキングが日課なんです。これは岡江が『歩くのは健康にいいから!』と助言していたからです。獏ちゃんは岡江の影響でウォーキングしているわけで、いわば“言いつけを守ってる”といえるかもしれませんね。獏ちゃんは37年も連れ添った岡江を亡くして、立ち直るにはまだまだ時間がかかりそうです。彼には、岡江との大切な思い出があります。ですから、『いつかは語らなきゃいけない』と考えている様子。でも『今はまだしゃべれないなぁ』って。お別れの会もしてませんしね……」大和田夫妻の娘・美帆(37)も、15日の件をSNSで、《今夜は実家で父の退院祝いディナー》と明かしていた。前出の大和田家の知人は言う。「古希という人生の大切な節目を盛大にお祝いするはずだったのに、岡江さんが亡くなって。その傷心癒えぬまま、入院もして……。獏さんは岡江さんの写真を今も大事に飾っています。ですからこの日は快気祝いも兼ね、美帆さんやお孫さんと一緒に食事をして、思い出のたくさん詰まったケーキを写真の前に供えたのでしょう」「女性自身」2020年11月3日号 掲載
2020年10月21日「8月23日は岡江の誕生日であり、月命日でもあります。少し前、新型コロナウイルスが一時収まったとき、この日にお別れ会をしようという話になっていました。でも、再び東京で感染が広まったので無理になってしまって……」そう語るのは、岡江久美子さん(享年63)が所属していた事務所「スタッフ・アップ」の代表取締役・戸張立美氏だ。4月23日、新型コロナウイルスによる肺炎のため岡江さんはこの世を去った。あれから4カ月、実は彼女の誕生日にお別れ会が計画されていたという。お別れ会は誰よりも夫・大和田獏(69)のためになるのではないか――。夫婦の知人はこう語る。「獏さんは友人や仕事仲間に『お別れ会ができないのは悔しい』と言っています。彼自身も、お別れ会をすることで気持ちに区切りをつけたいのかもしれません。今でも『なんで亡くなったんだろうね……』とつぶやくときがあり、岡江さんの死を受け入れられないようです。彼女の写真を見ては涙を流すこともあるといいます」娘の大和田美帆(37)の誕生日は、岡江さんと1日違いの8月22日。例年はこの時期、家族で“合同誕生会”をしていたという。「毎年、2人の誕生日をいっしょにお祝いするため、家族で近所のレストランに繰り出し、カラオケに出かけることもありました。そんな家族の楽しみがコロナのせいで突然なくなるなんて……。岡江さんは飲みだすと、好きな映画や、おいしいお店、孫の話など、話しだしたら止まらない方でした。獏さんが彼女の話をうっかり聞きもらすと、『ねぇ、聞いてる?』とよく怒られたとか。今はそれすら懐かしい思い出だそうです」(前出・知人)「来年の一周忌には皆で送り出したい」 そんな大和田は悲しみを紛らすため、仕事に打ち込む日々だという。彼は6月、レギュラー出演中の東海地方の情報番組『くすぐる』(テレビ愛知)で仕事に復帰した。「実は彼の高齢のお母さんが名古屋在住なので、様子を見に行くこともあるそうです。各メディアから、獏さんにコロナについての取材オファーが殺到しているそうです。でも、すべてお断りしている状況だといいます。ただ舞台の仕事は楽しみにしているそうです。別人を演じている間は、悲しみが和らぐのかもしれません」(前出・知人)新型コロナウイルスの影響で断念された岡江さんのお別れ会。しかし冒頭の戸張氏は「まだ諦めていない」と力強く語る。「コロナで今回、ダメになってしまったのは正直残念です。でも、来年の一周忌にはできたらいいなと今は思っています。もちろんこんな状況ですから、見通しはついていません。それでも、皆で岡江を送り出してあげたいんです」いまだに癒えない夫の痛哭――。お別れ会開催で、彼の心の整理がつくことを願うばかりだ。「女性自身」2020年9月8日号 掲載
2020年08月24日4月23日、新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなった岡江久美子さん(享年63)。愛する妻を失って2週間がたつが、大和田獏(69)の悲しみに暮れる日々は続いていた。そんな獏を支えているのが、娘の大和田美帆(36)だった。岡江さんが所属していた「スタッフ・アップ」代表取締役の戸張立美氏(70)はこう語る。「美帆ちゃんは実家と離れた場所に住んでいるのですが、生活の品とか食材を買って届けてくれているんです。ただ玄関先に置くだけで、直接会ってはいないそうです。互いに新型コロナの兆候はないのですが、万が一を考えて慎重になっているようです。獏ちゃんは遺品もまだ整理できていないし、仕事も『まだ積極的にやろうとは思えない……』と言っていたそうです。亡くなってからは、ほとんど自宅にこもっていました。それでも美帆ちゃんのおかげで、最近は犬の散歩をするようになったみたいです」そうして支え合っているうちに、父娘関係に変化が見られるようになったという。「これまでの2人は、毎日親しく話すような親子ではありませんでした。これは決して仲が悪かったとかではなくて、芸能人一家の宿命みたいなもの。美帆ちゃんにとって獏ちゃんは、父親であると同時に“仕事上での大先輩”でもあったわけですから。しかし最近はLINEでやり取りをしたり、テレビ電話で頻繁に話すようになったそうです。物理的に住んでいる距離は遠いですけど、気持ちは今まで以上に近くなっている気がしますね」美帆は5月4日、自身のブログで現在の心境についてこう明かしていた。《やっと、最近になって夜、一人になった時、母を想って泣くことができるようになりました。苦しいけれど母と向き合う大切な時間なのだと思います》少しずつ悲しみを乗り越えようとする娘の姿に、獏もまた励まされているようだ。近所に住む主婦はこう語る。「奥さまがお亡くなりになられてから獏さんはずっと家にこもっていたのか、お見かけすることもなくなっていました。でも2日ほど前に、ワンちゃんを連れてお散歩していたんです。『ああ、やっと少しお元気になられたのね。本当によかった』と思いました」そんな獏の散歩姿を、本誌も目撃していた。5月7日のお昼過ぎ、獏は都内の自宅近くに姿を見せた。傍らには、愛犬の姿もあった。道で行き会えば、笑顔で挨拶をしてくれる気さくな人物と評判だった獏。だが、この日は遠くから会釈するのみだ。妻の遺骨が戻ってきたとき、彼は「どうか皆さんも、くれぐれもお気をつけください。それが、残された家族の願いです」と語っていた。自分のみならず、周囲にも新型コロナの感染者を出さないように努めているのだろう。結局、獏は1時間ほどで散歩を切り上げて帰宅。だが、愛犬と散歩するその姿からは「いつまでも塞ぎ込んでいられない」という決心が感じられた。「女性自身」2020年5月26日号 掲載
2020年05月13日4月23日に新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなった岡江久美子さん(享年63)。3日に発熱し、自宅で静養していたという。だが、6日に容体が急変。都内の病院に緊急入院してPCR検査を受けた結果、陽性と診断された。その後もICUで人工呼吸器をつけての懸命な治療が続けられたが、帰らぬ人となった。岡江さんは’75年、18歳で女優デビュー。TBS系昼ドラ『天までとどけ』シリーズなどで主演を務め、世間に知られることとなった。プライベートでは、’83年に大和田獏(69)と結婚。芸能界きってのおしどり夫婦として知られてきた。また’96年からは『はなまるマーケット』(TBS系)の司会として、薬丸裕英(54)とタッグを組んだ。持ち前の明るさがお茶の間で人気となり、番組は17年半も続いた。いつも明るく、周囲を元気にしてくれたという岡江さん。だがその陰で、彼女は数々の苦難とも闘い続けてきた。「’09年に岡江さんの実母が骨折。それをきっかけに、介護生活が始まりました。当時の彼女は『はなまるマーケット』で超多忙でしたが、毎日、お母さんのもとへ食事を作りに行っていました。’14年3月に『はなまる』は終了。少し負担が減ったのですが、今度はお母さんが認知症を発症。近所の老人ホームに入りました。そこにも岡江さんは毎日のように通い詰め、支え続けていました」(芸能関係者)’17年に実母が94歳で亡くなるまで、介護生活は8年に及んだ。岡江さんは61歳になっていた。悲しみを乗り越えようと、彼女はこれまで以上に“自分の時間”を大事にするようになった。「岡江さんは『60代なんてまだ若い!私もまだまだ頑張らなくちゃ』なんて言っていました」(前出・芸能関係者)人生は、まだこれから――。そんななか、昨年12月に乳がんが見つかったという。岡江さんが所属していた「スタッフ・アップ」の代表取締役・戸張立美氏(70)はこう明かす。「ある日、彼女が『実は、初期の乳がんで。昨年の12月に手術をしてきたんだ』と言うんです。放射線治療もやっているとのことでした。でも『本当に初期の初期だから大丈夫』とあまりにも軽い感じで伝えてくるので、私も心配していませんでした。当初は、獏ちゃんにも伝えていなかったなんて話も聞いたくらいです。世間に発表するかどうかも相談したのですが、『岡江久美子は元気なキャラ。だから、わざわざ公表しないほうがいいよね』ということになりました」つらいときこそ、岡江さんは気丈に振る舞っていたという。「彼女は昔から、弱音を吐いたりしませんでした。介護のときもそうです。当時は『はなまる』が終わると、すぐにお母さんのもとへ行っていました。本当に大変だったと思うのですが、つらさをまったく表に出さないんです。むしろ、これまで以上に元気だったりしてね。彼女は、そういう女性なんですよ」1月末から2月中旬にかけて放射線治療を行った岡江さん。だがめげることなく、人生を楽しもうとしていた。「2月末には、友達と沖縄に行っていたみたいです。彼女は旅行が好きで、時間があればすぐフラッと出かけちゃうんですよ。獏ちゃんや娘の美帆ちゃんとも、ことあるごとに海外旅行へ出かけていました。旅先での思い出は笑い話ばかり。’15年には夫婦でイタリアに行ったのですが、そのときも獏ちゃんが財布を盗まれた話をしてくれました。『お前はズボラだから気をつけろと注意してきたのに、自分が盗まれて』なんて言って、ずっと笑っていました」そんな岡江さんは生前、夫と“ある約束”を交わしていた。『婦人公論』’14年5月7日号で、彼女はこう語っていたのだ。《夫は、一緒にインドに行きたいとか、船旅もいいねなどと言いますが、体力があるうちは、私は船旅はちょっとお預けかな。旅の間あれもこれも見たい性分なので、時間を持て余しそうです。夫に「船旅は還暦過ぎたらね」と申し伝えました。(笑)》しかしそのクルーズ旅行の約束は無念にも、永遠に果たされなくなってしまった――。「女性自身」2020年5月12・19日合併号 掲載
2020年04月28日「4月3日に(大和田)獏さんから『妻が体調を崩した』と連絡があったんです。翌日、すぐに本人と電話で話をしました。『咳は出るの?』と聞いたら『少し』と言っていたので、『コロナだったら嫌だね』と話したのを覚えています。彼女も『わかった、気をつけるね。外出しないようにする』と言っていたんです。彼女とはもう、40年以上の付き合いでね。親友みたいな関係でした。まさか、それが最後の会話になってしまうなんて……」そう語るのは、岡江久美子さん(享年63)が所属していた「スタッフ・アップ」の代表取締役・戸張立美氏(70)だ。4月23日に新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなった岡江さん。3日に発熱し、自宅で静養していたという。だが、6日に容体が急変。都内の病院に緊急入院してPCR検査を受けた結果、陽性と診断された。その後もICUで人工呼吸器をつけての懸命な治療が続けられたが、帰らぬ人となった。「最後に会ったのは、3月27日。仕事の打ち合わせでした。彼女はしっかりマスクをしていて、『お互い、気をつけようね!』なんて元気に言っていました。3月もバラエティ番組の仕事が入っていたのですが、コロナの影響で次々となくなりました。実は、CMの撮影も予定されていたんです。でも今はできないということになって、延期しました。落ち着いたら、また始まるはずだったのに……」その気さくな人柄は、プライベートでも変わることがなかったという。近所の主婦が語る。「3年前に引っ越しのご挨拶にうかがったら、岡江さんのご自宅だったんです。テレビのままの笑顔で『じゃあ、これからはご近所さんですね。仲よくしましょうね!』と言ってくれました。本当に優しい方でした。お会いすればいつも彼女から笑顔で声をかけてくれてね。明るくて気取らない、素敵な女性でした」仕事関係者からも慕われていた。テレビ局関係者がこう明かす。「新人や若手スタッフにも分け隔てなく優しくしてくれました。僕がラーメン好きだという話をしたときも『ちゃんと野菜も取らなきゃダメよ!』と言って、ヘルシーなレシピを教えてくれて。ご自身もお孫さんの写真や動画を見せてくれたりして、プライベートな話も隠さずしてくれたんです。みんなに優しくて、とても親切な方でした」昨年12月には乳がんが見つかり、今年1月末から2月中旬にかけて放射線治療も行っていたという岡江さん。大和田家の知人はこう語る。「乳がんになってから、岡江さんはより健康に気を使っていました。懸命に生きようとしていたんです。入院した当初、岡江さんは獏さんにメールを送っていたそうです。でも人工呼吸器をつけてからは連絡も取れず、そのまま旅立ってしまいました」(大和田家の知人)夫の大和田獏(69)は感染防止策を取ったうえで遺体と対面できたものの、火葬に立ち会うことはできなかったという。そして24日夕方、彼女は遺骨となって家族の待つ自宅に無言の帰宅を果たした。そのとき、大和田はこう語っていた。「こんな形の帰宅は本当に残念で、悔しくて、悲しいです。どうか皆さんも、くれぐれもお気をつけください。それが、残された家族の願いです――」いつも周囲を気遣っていた岡江さん。その言葉は、きっと天国にいる彼女の願いでもあるはずだ。「女性自身」2020年5月12・19日合併号 掲載
2020年04月28日