中堅・中小企業の情報システム担当者でマイナンバー制度への対応の必要があることを知らない人は2割に上り、実際に対応を進めている企業は6%にとどまっている実態が、スターティアが6月23日に発表した調査結果でわかった。同調査は、20歳から59歳までの経営者・役員・会社員54,058人(有効回答:7,293人)を対象に、6月1日から6月3日にかけて実施したもの。調査において、マイナンバー制度の認知度を尋ねたところ、「言葉を知っており、制度内容を把握している」という回答者は36.8%にとどまり、「言葉を聞いたことがあるが、制度内容はあまり知らない」が54.1%に上った。「言葉を初めて聞いた」という回答も9.2%あった。従業員数300人以下の中堅・中小企業に勤務し情報システムを担当している回答者816人に対して、マイナンバー制度の施行に伴い勤務先の企業も対応の必要があることを知っているか尋ねると、「知っていた」とする回答が77.8%を占めた半面、「知らなかった」とする回答が22.2%あった。マイナンバー制度が自社に影響を及ぼすことについて、企業の情報セキュリティを担当する情報システム担当でも完全には認知していないと、同社は分析する。同じく中堅・中小企業の情報システム担当者に、情報システムでマイナンバー制度への対応準備を進めているか尋ねたところ、「既に対応を進めている」との回答は6%にとどまった。従業員規模が大きくなるほど対応を進めている企業が増え、従業員数が101人から300人以下の企業では13.5%だったという。さらに、中堅・中小企業の情報システム担当者にマイナンバー制度で予定している具体的な施策を尋ねると、「セキュリティの強化」が最も多く、以下「人事給与システムの改修・見直し」「社員教育実施」と続いた。同社によると、同調査の実施時期は年金情報漏洩報道があった直後だったため、セキュリティ意識がいっそう高まった可能性があるとしている。
2015年06月24日コネクトは6月1日、Webシステム構築用スクリプト言語PHPのソースコード保護ソリューション「Zend Guard 7 日本語版」の販売を開始したと発表した。「Zend Guard 7日本語版」では、特殊な機能によってPHPコードを読解不能な状態に変換し、さらに実行期限制限やライセンス認証機能を付加することにより、実行環境(Webサーバー、同時接続数、認証キー)を制限できる。PHPは、80%以上のシェアを持つ世界で最も利用されているWebシステム構築用スクリプト言語で、SNSサイト、ECサイト、スマートフォン向けゲームサイトなどのインターネット上のサービスを実現するために利用されている。それと同時に、従来型のビジネスモデルである受託開発やパッケージビジネス、また、ルーターやIP電話交換機などの組み込み機器の管理機能にも使用されている。このような用途では、計算ロジック、業務ノウハウ、処理手順などが読み取られると、知的財産の流出やセキュリティの低下に直結するので、ソースコードが容易に参照できないようにする必要がある。また、パッケージビジネスでは、コピーによる不正使用の防止が重要な課題だ。「Zend Guard 7日本語版」は、知的財産保護、セキュリティ対策を簡単な変換処理のみで実現。PHPコードを改変することなく、同製品のGUIまたはCUIの操作によって変換するだけで対策が行えるという。対応しているPHPのバージョンは、PHP 5.5~5.6。同製品は年間ライセンスで12万円(税別)での提供となる。価格には1年間の製品の使用量/問合せサポート/アップデート版提供が含まれる。
2015年06月02日ソフトバンク コマース&サービス(ソフトバンク C&S)は5月27日、画像入りQRコード作成システム「LogoQ Code Marketing(ロゴキューコードマーケティング)SoftBank C&S Edition」の提供を開始したと発表した。LogoQ Code Marketingは、フルカラー画像入りのQRコード「ロゴQ」を簡単に作成できるクラウド型のシステム。A・Tコミュニケーションとソフトバンク C&Sが共同で開発した。ブラウザー経由でクラウドシステム上にアクセスし、ウェブサイトのURLとロゴマークやキャラクター、文字などの画像素材をアップロードすることで簡単にロゴQを作成できる。作成したQRコードは、一般的なQRコードリーダーやアプリケーションでの読み込みに対応する。また、さまざまなキャンペーンやマーケティング施策で情報媒体やエリア別、個人別など目的や用途に応じた情報収集が可能とする個別ID機能を搭載する。さらに、2次元コードに関する複数の特許技術を採用してセキュリティを高めたほか、アクセス解析機能を搭載することで、OS・キャリア情報や日別でのアクセス状況の取得が可能とした。料金は初期費用が10万円、月額利用料金が10万円(1ライセンスで30ID)。最低契約期間は3カ月。利用期間内に作成した「ロゴQ」は、契約期間終了後はアクセスすることができない。対応ブラウザーは、Microsoft Internet Explorer 7.0(SP1)以上、Google Chrome 15.0以上、Firefox8.0以上、Safari5.0以上。
2015年05月28日本連載はこれまで、マーケティング担当者による最適なDSPの選定や活用を実現するため、アドテクノロジーの歴史からDMPまで、アドテクノロジーの概要を紹介してきました。各章でお話した通り、ビッグデータの活用を起点とした急速な発展は、Web広告の配信にとどまらず、マーケティング領域全般に拡がっています。最終回では、アドテクノロジーからマーケティングテクノロジーへと進化しつつある業界のトレンドをいくつかピックアップし、今後マーケターに必要となるスキルをデータ活用という観点で考えてみましょう。○2015年 マーケティング業界のトレンドとは1. マーケティング・オートメーションマーケティングオートメーション(MA)は、見込ユーザーの顧客化プロセスを管理するソリューションを指すことが多く、主にBtoBマーケティングを支援する目的で採用される傾向があります。前回の連載でお話したDMPとも一部シンクロする機能があり、この用語を厳密に定義することは難しいと言えるでしょう。その意味では、アドテク(ネット広告)やSFA(Sales Force Automation : 営業支援システム)、CRM(Customer Relationship Management : 顧客管理システム)などが提供する機能も同様で、今後、さらに重複度合いが増すことが予想されることから、競争は激しくなっていくのではないでしょうか。さて、MAはBtoBの場合、イベントやセミナー、Web広告、アウトバウンドコールなどで取得した多数のリードから、有望な見込み顧客として営業部門に情報を渡すまでのプロセスを自動化することを目指します。この仕組みの活用により、マーケティング部門は、獲得したリードの育成を管理し有望な見込み客を増やすことができるほか、営業部門は、有望な見込み客情報をもとに提案活動を行い、商談の確度を高めていくことが可能です。一方、BtoCの場合では、顧客との定期的で適切なコミュニケーションを実現・管理するために採用されることが多く、特に、顧客の利用状態に応じた個別アプローチを行うために必要とされるようです。というのも、顧客によって、ニーズのある商品やサービス、レコメンドのタイミング、インセンティブ内容などが異なり、広告主は、これらを管理するツールがない場合、月一回など一定のタイミングでまとめてアクションするしかなくなってしまうためです。このように、テクノロジーの進化は、広告入札の自動化だけでなく、キャンペーンのシナリオ設計や運用管理、セグメントに応じたクリエイティブ・訴求内容の変更、イベントに応じたパーソナライズ配信など、マーケティング活動全般の自動化に影響を及ぼしつつあるのです。2. オンライン・オフラインの融合前回、DMPはCRMなどオフラインのデータを取り込めることが大きな特徴だと話しました。つまり、DMPでは、オフラインの顧客データを取り込むことにより、オンラインの行動履歴と組み合わせ、顧客をより理解することが可能となっているということです。また、スマートフォンの普及に伴い、実店舗のプロモーションも大きく進化しています。顧客に無料のアプリを配布し、各フロアに「ビーコン(位置情報を示す信号を無線で発信するもの)」を設置することで、商品棚の案内やレコメンドなど、さまざまな施策を顧客・デバイスごとに出し分けできるソリューションも提供されています。加えて、顧客の協力によりセンサーデータを取得すれば、店舗内での移動(動線)などの見える化も可能で、言語では分析しにくい店舗の安全性や商品陳列の改善などにも活用することができます。このように、小売業が積極的にデジタルツールを活用することで、成果を上げている事例も耳にします。なお、メーカ側では最近、自社製品のみを紹介するカタログページではなく、顧客の悩みや興味、不明点などに合わせたコンテンツの配信を行う「コンテンツマーケティング」への取り組みも増えつつあるようです。製品を出荷し納品したら終わりではなく、その後のエンドユーザーの利用状態に合わせたサポートを提供する企業も目立ってきています。3. 人工知能 (AI)の浸透昨今、将棋やクイズ番組での対戦など、AIは注目を集めているだけでなく、その道のプロフェッショナルを一部凌駕するほどになっています。「今後10~30年くらいの間には、かなりの職種が人工知能にとって変わられる」と考える人たちも増えているようです。アドテクノロジーも、AI技術の一部を活用していると言えます。例えばDSPでは、優秀なアルゴリズムが備わっていることで、リアルタイムビッティング(RTB)の運用を実現しています。取引が増えるほど、取得できるデータの量も増加するため、同データを活用したアルゴリズムの精度向上はますます促進されます。しかし、AIの活用には、準備期間として半年から1年ほどを要し、基本知識や業務設計などの学習と検証を行うケースもあり、導入にはそれなりにデータ整備や工数が必要となるようです。なお、最近ではAIによる解析のオープン化も目立っており、AIが「どのデータから、どのような判断で、そのスコアを付けたか」を見える化し、利用者に根拠や判断材料を提示するものも出ているといいます。○では、今後のマーケターに必要なスキルはなんだ?このように、デジタル時代の広告技術やマーケティング手法は日々発展しておりますが、マーケティングの目指すところに変わりはありません。すなわち、マーケティング担当者は、そのアイディア次第で、施策の効果や結果を大きく変えることができる立場にいるということではないでしょうか。そして、その施策を成功へと導く鍵は、「顧客の理解」にあると私たちは考えます。マーケティングにおいて顧客を理解するために、データ活用は必須となり、データを活用するリテラシーは、専門家に任せるものではなく、マーケティングや営業、顧客サービスに関わる全員が一丸となって携わり、施策での成果を出せるような仕組みを作っていくことが重要だと考えます。これまでの連載記事にて紹介したように、ツールやテクノロジーはどんどん進化していますが、それらを使いこなしきっている人はまだまだ少ないです。それはなぜでしょうか。誤解を恐れずに言うと、統計や数理、データ分析が得意な人たちからは、施策につながるアイディアはなかなか出てこない。同時に、現場や施策検討者だからこそ思い付くアイディアというものもあるでしょう。たしかに、分析部門の役割でないと言えばそれまでですが、施策検討者が採用しなければ、せっかく分析した内容は活かされません。このような状況では、事前に活用できるデータが増えても効果的なマーケティングができないのではと思います。ABテストをしても、そこからの知見もそこそこに新たなテストへと移り、次のAかBどちらかを選択していく――オペレーションが効率化(自動化)されても、分類したセグメントやクリエイティブの根拠や狙い、比較対象が曖昧なままだと、効果が分からないままとなってしまいます。これは、非常にもったいないことです。このようになってしまう要因としては、やはり、データ分析や解析を難しいものと考え、「データ分析は、自分たちにはハードルが高いので専門家にやってもらうもの」と捉える傾向がまだまだあるようです。ですが、高度な能力を持つ分析者をたくさん集めるより、数名の分析者と各部門(営業・サービス企画・カスタマーリレーションなど)の現場経験者によってチームを組むほうが、組織として成果を上げているケースも増えてきています。さて、話しをまとめましょう。私たちは、今マーケターに求められているスキルを、"マーケティングの対象となる生活者の意識や行動の断片的なデータから、彼らのインサイトを想像し、同時に複数のストーリー(シナリオ)を仮説として立てること" だと考えています。データから素早くいくつかの可能性を見つけ出し、さまざまなテストを行いながら広告効果を磨き上げていきましょう。そして、これからのマーケティングでは、分断されがちな「データ活用」と「運用の自動化」をつなぎ合わせ、連続的にユーザーとのコミュニケーションを観察し、常に新たなシナリオを試行していくことが不可欠になっていきます。その連鎖のなかで、マーケティングテクノロジーはマーケティング活動を強力にサポートする武器となるのです。さて、8回にわたり掲載してきた本連載ですが、いかがでしたでしょうか。読者の皆さまは、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。皆さんのマーケティング活動の一助になれば幸いです。【連載】「今さら聞けない ! 」マーケティング担当者のためのアドテクノロジー第1話 : アドテクノロジーの歴史 - アドネットワークの誕生まで第2話 : アドテクノロジーの歴史 - アドテクノロジーの更なる進歩第3話 : DSPの基本機能「入札(オークション)」を見てみよう!第4話 : DSPの「入札戦略」とは第5話 : 「セグメンテーション」「ターゲティング」「ポジショニング」をおさらい!第6話 : DSPのターゲティング手法とは第7話 : DMPは魔法の箱ではない○執筆者紹介ソネット・メディア・ネットワークス 商品企画部2000年3月に設立。ソニーグループの一員として、インターネットサービスプロバイダー(ISP)を運営するソネットの連結子会社としてインターネットマーケティング事業を展開する。国内最古のアドネットワーク事業者として10年以上の実績があるほか、RTBの市場拡大に先駆け、DSP「Logicad(ロジカド)」を自社開発。2014年10月には、インターネット広告に関する技術の精度向上を目的とした研究開発を行うラボを新たに設立するなど、独自のポジションを築く。
2015年05月28日ヤマハは、iPhone/iPad /iPod touch内にあるオーディオファイルを自動解析し、コード譜を表示できるアプリ「Chord Tracker」を発表した。価格は無料。同アプリは、iPhone/iPad /iPod touchに保存されたiPodライブラリ内の楽曲を指定し、自動解析させることでコード譜を生成可能。曲を再生し、コード進行を見ながら右手でメロディー、左手でコードを演奏したり、右手でコード、左手でベースを演奏するなどして楽しめる。また、コード情報の編集、テンポやピッチの変更、ボーカルなどのメロディーパートを小さくするメロディーキャンセル機能も装備。加えて、iOSデバイスと対応楽器を接続することで、抽出したコード情報を楽器に送信したり、演奏を録音したりすることもできる。なお、デジタル著作権管理(DRM)で保護されている曲は利用できないということだ。
2015年05月27日ワークポートは20日、採用担当の意識調査の結果を発表した。期間は4月13日~5月15日。対象は64社の採用担当者。○採用担当者の過半数、ソーシャル上でも選考者をチェック選考する人の名前をGoogleで検索、またはSNSをチェックするのかを質問した。採用担当者の50%が「チェックする」、50%が「チェックしない」という結果になった。採用担当者の半数が、選考者の情報を得るため、書類選考や面接以外にも様々な工夫をしていることがわかった。
2015年05月22日この連載は、2015年4月からWebマーケティング業界に足を踏み入れた新入社員や、新たにWeb担当者に着任した新人マーケターを対象に「覚えておきたい基礎知識」をご紹介するものです。前回までは、Webマーケティング業界にて日常的に利用されるマーケティング用語トップ20を解説しました。今回は、Web広告の種類とその概要を取り上げます。電通が毎年調査・発表を行う「日本の広告費」によると、Web広告(インターネット広告)は2014年、市場規模が初めて1兆円を超えました。では、広告主はどのような媒体や掲載面、手段にてWeb広告を出稿しているのでしょうか。どういった広告種があるのか、主要なものを抑えておきましょう。○1. 純広告サービスや企業の認知度向上やブランディング向きメディア(媒体)の保有する枠から広告主が場所を指定し出稿するもの。表示方式は多彩にわたり、GIFやJPEG、Flash形式にて入稿する「バナー広告」や、文字数の制限が設けられる「テキスト広告」などがその代表となる。また、メディアによって異なるが、配信/表示方法では、読者の年齢・性別・エリア等によって配信ターゲットをセグメントできるほか、課金体型では、インプレッション(表示回数)保証型や掲載期間指定型、クリック回数保証型、成果報酬型など目的に応じた選択が可能だ。○2. 記事広告 (タイアップ広告)メディアにて、企業のサービス情報などを紹介する記事を執筆・掲載してもらう手法。導入価格は安くないが、メディアのロイヤリティや配信力を利用し、多くのユーザーにリーチすることができる。また、この手法は、記事と広告を自然に溶け込ませ、ユーザーにストレスを与えず情報を届けることが可能な「ネイティブ広告」の手段の1つでもある。この他にも、Facebookのニュースフィードに掲載となる「フィード型広告」や、キュレーションメディア・アプリのデザインに合わせて配信されるものなどをネイティブ広告と呼ぶこともある。参考記事 : 【レポート】ペイドメディアで行うコンテンツマーケティング○3. DSP広告 (Demand-Side Platform) / アドネットワークDSPとは、デマンドサイドプラットフォームの略語で、デマンドサイドとは広告主を指す。DSPという単語自体は、広告媒体ではなく「広告配信ツール(仕組み)」を意味し、このツールにより広告主は、DSPが連携するSSP(Supply-Side Platform : メディアの広告枠を集約し、広告表示の最適化を行うプラットフォーム)への広告出稿が可能だ。課金方法としては、一般的に表示課金型のサービスが多いとされており、入札金額や配信ターゲットのセグメント等により最適化を目指すほか、ユーザーの年齢や性別、興味関心、検索事項などのデータを分析し活用することで、より効果的な配信を実現する。参考記事 : 【連載】「今さら聞けない ! 」マーケティング担当者のためのアドテクノロジー○4. リスティング広告 (検索連動型)ユーザーが検索したワードに合わせて、検索結果の画面に表示される広告。ヤフーが提供する「スポンサードサーチ」やグーグルが提供する「Google AdWords」の検索連動型広告などがその代表となる。検索をするという能動的な姿勢のユーザーに訴求できるため、サービスの申し込みや商品を購入といったコンバージョン率(CVR)が比較的高い。また、課金方法はクリック課金型・クリック保証型(Pay Per Click)と呼ばれ、入札するキーワードごとに金額の調整が可能。クリック数やコスト、CVRを考慮しつつ売上予測や投資対効果を算出できるほか、エリア・時間・曜日によるセグメントやリターゲティング機能により、広告配信の最適化を実現する。参考記事 : リスティング広告とは 今更聞けないリスティング広告の基礎○5. アフィリエイト一般的には、ユーザーを企業サイト等に誘導し、商品購入や資料請求といったCV地点まで達成した際に費用が発生する「成果報酬型広告」を指す。広告主は、Webサイトやブログの運営者、メールマガジンの配信者といったアフィリエイターに広告掲載の依頼をし、CVした段階で費用を支払う仕組みだ。アフィリエイターの人数は、国内にて延べ400万人を上回るとされており、広告主が管理するのではなく、アフィリエイトサービスプロバイダー(ASP)に依頼をし、企業や商品に適したアフィリエイターに出稿依頼をしてもらう方法が一般的となる。【有名なASP企業の一例】1. A8.net利用企業数が比較的に多いASP。広告主としては、EC事業者が多く、アフィリエイターの教育を行う「A8キャンパス」や「A8フェスティバル」といったイベントを行い、オフラインでの接触等も設ける。2. バリューコマース国内で最初に誕生したASP。少額用のプランやライトプランを用意し、初期費用が無料で中小企業向けのパッケージがある点が特長となる。3. アクセストレードインタースペースが運営するASPで、金融・保険業界に強い。4. ジャネットアドウェイズが運営するASPで、非物販系のECサイトは初期費用・月額費用が無料で利用可能だ。○6. SNS広告 (Facebook)TwitterやLinkedInといったSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の中で、ユーザー規模が最大級となるFaceBook。このサービスが設ける広告枠は、クリック課金型で、PCサイトでは右カラムとタイムライン上、スマートフォン版ではタイムライン上などに設置される。広告の表示形式は、バナーとテキストが同時に表示されるモデルや動画を採用。配信は、個人情報に紐づいた設定が可能で、例えば、卒業した大学ごとや企業の役職別などで配信することが可能だ。また、ユーザーが広告自体に「いいね!」することが可能なため、広告のシェアが期待できるほか、バナーの自動生成機能などにより比較的容易に出稿することが可能となる。参考記事 : Facebookページ管理者必読! 必ず目を通しておきたいFacebook規約関連 & お役立ちページリンク集【2014年URLアップデート版】○7. 動画広告2014年から多くの注目を集める動画広告。YouTubeなどの動画サイトやアドネットワーク、スマホアプリ内など広告メニューが充実した。YouTubeへの出稿方法は、コンテンツ再生前に表示される動画広告(旧 : インストリーム広告)や、再生開始から5秒が経過すると、ユーザーが視聴をスキップできる「TrueView インストリーム広告」のほか、Google AdWordsによる「InVideo オーバーレイ広告」など。課金方法は、ユーザーが完視聴した際やクリックした場合に発生するモデルが用意されている。参考記事 : YouTube 動画広告いかがでしょうか。今回は、主要となるWeb広告種をご紹介しましたが、メディアやツールを提供する事業者によって細かな部分で特長が表れます。Web広告の出稿をお考えの企業様は、その目的やゴール、コストなどを考慮した上で手段を選択して頂けますと幸いです。さて次回は、今回ご紹介した広告種の中から、リスティング広告(ヤフー/グーグル)やFacebook広告、YouTubeの動画広告をピックアップし、出稿方法やノウハウをお伝えしていきます。○執筆者紹介ソウルドアウト 葛谷篤志2009年オプトに入社し、2010年からソウルドアウト設立に参画。入社3年目から新潟営業所の立ち上げを経験したほか、Web事業のスタートアップや通販(美容品・アパレル)企業のWebマーケティング支援に携わり、顧客売上を2年で5倍にさせる等の実績を持つ。現在(2015年3月)は、Webマーケティング本部 パブリックリレーション部にて部長を務める。
2015年05月18日本連載は、RTBをはじめとしたアドテクノロジーについて分かりやすく解説し、マーケティング担当者による最適なDSPの選定や活用を実現することを狙いとします。前回は、DSPにおけるターゲティング手法を紹介しました。そして、このターゲティングにおいて重要な視点の1つとして「自社が保有するデータの積極的な活用」をあげ、これを可能にするためのソリューションとして注目を集めたものが「DMP(データマネジメントプラットフォーム)」だと説明しました。今回は、ユーザーデータの集約・管理を可能とする「DMP」に関して解説したいと思います。○DMPは魔法の箱ではないさて、テクノロジーが発展した現代において、企業のマーケティング担当者のミッションとは何でしょうか。STP戦略(Segmentation-Targeting-Positioning)に従い、見込客・既存客といったユーザーごとの状態を把握し、適切なメッセージを適切なタイミングで発信することや、ROIの高い施策や新たなチャレンジ施策の実施において、PDCAをまわしながら常に効果を上げていくことだ、と私たちは考えます。そして、DSPとDMPの連携は、広告運用の効率性向上だけでなく、ユーザー分析や仮説検証によるマーケティング効果の向上や、他施策との連動による相乗効果などを期待した地道なチャレンジの継続を実現するプラットフォームとなり得るのではないでしょうか。一方で、DMPを設置すれば、準備完了! 万事快調! とはいきません。データの取り扱いをはじめ、各部署への連携と責任範囲の決定、経営プロセスへの組み込みなど、真面目にやればやるほど検討すべき事案が増えるケースもあります。既に導入した企業の担当者からは、「最初はものすごく大変だった」という声をよく伺います。したがって、安易に導入しても大きな効果は期待できないでしょう。それなりの覚悟をもって取り組む必要があります。○DMPとは? - 3つの基本機能DMPとは、さまざまなデータを「集約・統合」し「分析・分類」するほか、それらをWeb広告の配信やその他チャネルでのターゲティング情報として「入力・活用」するための管理ツールです。1. データの集約・統合DMPにて格納できるデータとして、自社Webサイトに設置したタグを基に収集するファーストパーティデータがあります。これは、訪問者のアトリビューションや滞在時間、閲覧ページ、Web上で購入した商品・サービスの特徴といったユーザーの特性を把握するためのオンラインデータとなります。また、第三者が提供するサードパーティデータも、DMPに格納できるデータの1つです。日本でもようやく、このデータを扱う企業や広告媒体社が増えており、広告主企業は、これらをファーストパーティデータと組み合わせて活用することでターゲティングの精度を高めることができると期待しています。アドテクノロジー領域はこれまで、オンラインデータとオフラインデータとの統合(組み合わせ)が難しいとされており、独自体系で発展してきました。しかし、DMPとの連携により、第三者が提供するオンラインデータだけでなく、自社内のCRM情報(例えば、購入金額や回数、メールの効果などのオフラインデータ)を同時に活用することが可能となります。すなわち、DMPの「データ集約・統合」機能により、「自社Webサイトの行動履歴」と「自社CRMデータ」「第三者データ」を組み合わせることで、配信対象の細かいセグメントとターゲティングを実現します。2. 分析・分類マーケティング担当者が効果の高い施策を実行するために、ユーザーインサイト(定性情報)を理解することは必須となるでしょう。昨今、注目されている行動観察やカスタマージャーニーというマーケティング手法も、顧客の行動プロセスやその背景を理解する、という顧客インサイトを発見するための一手法です。DMPは、上記の通り、さまざまなデータを集約・統合できることから、ユーザーインサイトの強化も期待されていますが、そのためには集約・統合したデータを分析・分類する必要がでてきます。例えば、同じプロモーションでサイトに訪れたユーザーであっても、訪問時の行動に大きな違いがある場合はセグメントを分けるなど、細かな分析・分類を行います。これにより、ユーザーインサイトの理解に繋がるほか、ターゲティングの精度向上も実現します。3. 入力・活用DMPにおいて作成したセグメントは、DSPと連携することで広告配信に活用できます。従来のターゲティング手法は、各DSPでターゲティングルールを設定し、個別に運用を最適化する必要がありました。しかし、DMPと連携することにより、企業側でセグメントを作成・管理することができるため、例えば、同一のセグメントがDSPごとにどのように反応するか、というテスト運用が可能となります。また、DSPに限らず、自社サイトでのLPO(Landing Page Optimization) や商品情報のレコメンデーション、メール配信における訴求内容の変更・配信時期の判断情報としても活用できるのです。○DMP導入に向けて最後に、DMPの導入に向けてのポイントを確認しましょう。これまで、DMPを導入しデータを本格的にマーケティングへ活用することは難しいと考えられていました。しかし現在は、クラウドやビックデータの活発化などで、DMPの構築も小規模でスタートすることが可能です。導入初期は、膨大なデータに圧倒され、あれもこれもと手を出してしまいがちです。高度な分析や複雑な解析を行う前に、シンプルな仮説とセグメントからテストを行い、少しずつ精緻なターゲティングを構築していきましょう。担当する商品やサービスの「ユーザー理解」から「複数のシナリオ作成」「具体的なアクションと検証」を継続的に実行することが重要です。また、DMPの導入は、ユーザー理解だけでなく、自社サービスが選ばれる理由やどのようにコミュニケーションをするべきかを改めて考える機会にもなります。「ツールが勝手に解決してくれる」と考え、安易に導入するのではなく、データドリブンなアクションを継続的に実施する意思を持って取り組んでほしいと思います。なお、DSPを採用する際は、できるだけ多くのベンダーの話を聞き、各社の特性を見極めながら、自社に合うかどうかを判断しましょう。DSPの連動を重視したものや、EC向けレコメンド機能を中心としたものなど、ベンダーによって特性が大きく異なります。さて、次回は連載の最終回です。これまで、アドテクノロジーの歴史や最適化、データ活用の急速な発展などを見てきました。テクノロジーの進歩はWeb広告の配信にとどまらず、マーケティング領域全般に拡がっています。最終回では、今後マーケターに必要となるスキルを、データ活用という視点で考えてみたいと思います。○執筆者紹介ソネット・メディア・ネットワークス 商品企画部2000年3月に設立。ソニーグループの一員として、インターネットサービスプロバイダー(ISP)を運営するソネットの連結子会社としてインターネットマーケティング事業を展開する。国内最古のアドネットワーク事業者として10年以上の実績があるほか、RTBの市場拡大に先駆け、DSP「Logicad(ロジカド)」を自社開発。2014年10月には、インターネット広告に関する技術の精度向上を目的とした研究開発を行うラボを新たに設立するなど、独自のポジションを築く。
2015年05月13日企業向けにモバイル対応支援ソリューションを開発・提供するアイスリーデザインは5月12日、国内外のスマホアプリ開発者がアプリのソースコードを売買するためのマーケットプレイス「meetsource.com(ミートソース)」を正式にオープンした。同サービスは、世界中のアプリの開発者がアプリマーケット以外でもマネタイズできるように、開発したアプリのソースコードをサブライセンスする形で売買できるもの。ユーザー登録後に、売買したいアプリのソースコードの詳細、金額を設定し、PayPalで決済を行う。出品されるアプリのソースコードは、同社の独自ノウハウにより、登録されたスマホアプリが指示書通りに利用可能か、悪質なソースコードが含まれていないかなどについてレビュー。サイト上では、レビューを通ったアプリのソースコードのみが掲載される。また、開発者との連絡手段が用意されているため、購入前に仕様を確認したり、公開されているアプリを応用した企画を実現できるか問い合わせることも可能。
2015年05月12日6月より、企業のあるべき行動を記した「コーポレートガバナンス・コード」が導入されることとなり、市場でも注目が集まっています。日本の企業や株価にどのような影響を与えるか、今回はコーポレートガバナンス・コードと資本効率について調べてみました。○コーポレートガバナンス・コードコーポレートガバナンス(企業統治)とは、透明性が高く、迅速な意思決定を行なうための仕組みを意味します。企業が株主から経営を託された者として、また、顧客や従業員などの関係者に対する責任を果たすことをめざし、取るべき行動原則を記した「コーポレートガバナンス・コード」は、そうした仕組みを強化するために、6月1日より導入されることとなりました。同コードでは、OECD(経済協力開発機構)のコーポレートガバナンス原則や、英国のコーポレートガバナンス・コードなどをベースに、東京証券取引所(東証)と金融庁が原案を策定しました。そこには、株主が議決権などの権利を適切に行使できるような環境整備や、経営の透明性を高めるために経営戦略や財務情報などの適切な情報開示を行なうことに加え、企業価値の向上をめざし株主総会以外でも経営陣と株主が対話を行なう体制を整える、といった原則が定められています。東証は、こうした内容を適用した上場規則を同じく6月1日より施行することで、日本の上場企業に同コードの実施を求める予定です。また、実施しない場合はその理由を説明することが求められ、さらに、その説明をしない企業には、東証による社名の公表や、改善報告書の提出などの措置がとられます。同コードは政府の成長戦略の一環として位置付けられており、グローバル競争に打ち勝つための「攻め」の経営判断を後押しする仕組みとして、日本企業の持続的な成長、そして「稼ぐ力」の向上を促すことをねらいとしています。同じく持続的な企業成長を促すという主旨で「スチュワードシップ・コード」が昨年に導入されました。これは、機関投資家が顧客から預かった資金を適切に管理・運用する責任を果たすための「株主」側の行動原則です。「企業」側の行動原則であるコーポレートガバナンス・コードとともに、「企業価値を向上させるための車の両輪」として、日本企業の「稼ぐ力」の向上に寄与することが期待されます。ステップアップ同コードでは、独立した社外取締役を2名以上選任するべきとしています。外部の立場にある社外取締役が株主の視点に立って経営を監視することで、日本企業の収益力や国際競争力の向上につながることが期待されています。○資本効率コーポレートガバナンス・コードで焦点となっているのが、資本効率です。資本効率とは、企業が株式発行などにより調達した資本をどれだけ効率的に活用して利益を上げているかを示すものです。資本効率の指標として代表的なものが、株主が投資したお金(自己資本)を使ってどれだけ効率的に利益を上げているかを示すROE(自己資本利益率)です。近年の日本では、長らく続いた景気低迷を受け、財務の安定を優先して手元資金を積み上げたり、設備投資を控えたことなどから、収益率が低下し、ROEが欧米企業などと比較して低い傾向にありました。同コードでは、外部の声を経営に反映し易くさせることで手元資金の活用が進むと期待されているほか、政府も「グローバル水準のROEの達成」をコーポレートガバナンスの強化の目安の一つとしています。こうした取り組みを受け、ROEを経営目標に設定したり、増配や自社株買いといった株主還元によって資本効率を高める動きがみられるなど、日本企業にも既に変化が現れ始めています。足元では、こうした日本企業の変革の兆しがROEを重視する海外投資家を中心に市場で好感され、日本株式の上昇に寄与しました。6月よりコーポレートガバナンス・コードが適用されることで、日本企業の資本効率改善へ向けた「変革」が更に拡がることが期待されています。ステップアップ最近では、日本の機関投資家の議決権行使の判断基準にROEが用いられるようになり、ROEが一定以下の場合、トップ人事に反対するなど、「物言う株主」としての動きが拡がりつつあります。ROE向上へ向けた動きは企業だけでなく、株主側にも拡がっているようです。(2015年5月7日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、投資信託・投資・経済の専門用語をテーマで学べる「語句よみ」からの転載です。→「語句よみ」※1 当資料は、日興アセットマネジメントが経済一般・関連用語についてお伝えすることなどを目的として作成した資料であり、特定ファンドの勧誘資料ではありません。また、当資料に掲載する内容は、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。※2 投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
2015年05月07日エン・ジャパンが運営する「エン 人事のミカタ」は、サイト利用者の人事担当者221名を対象に「ハラスメント」についての調査を実施した。調査期間は2014年12月17日~2015年1月20日。従業員の各種ハラスメントについて、どの程度把握しているか尋ねたところ、約6割の企業が「把握している」(4%)「だいたい把握している」(52%)と回答した。把握方法で一番多かったものは「本人の周辺(上長・同僚等)からの相談」(71%)、次いで「本人からの相談」(52%)、「社内の噂で聞いた」(42%)となっている。どのようなハラスメントを把握しているか聞くと、「パワー・ハラスメント」(83%)、「セクシャル・ハラスメント」(51%)が多くを占めた。近年話題となっている「マタニティ・ハラスメント」は2%にとどまった。勤務している企業ではハラスメント対策を行なっているか尋ねると、全体では6割の企業が「行なっている」と回答した。対策を行っている企業は、ハラスメントの把握率で差が出ており、「把握している」企業では81%が「行っている」としたのに対し、「把握していない」企業では34%と半分以下になっている。具体的に行なっているハラスメント対策は、全体の1位は「就業規則に規定を設ける」(74%)、2位は「社内に相談窓口を設置」(70%)、3位は「管理職向けの研修・講習会の実施」(43%)だった。ほとんどの項目で「把握している」企業の取り組みが多かったものの、「社内に相談窓口を設置」(把握している:69%、把握していない:79%)、「社外に相談窓口を設置」(同22%、同36%)などは「把握していない」企業のほうが上回っており、相談機関を設置することで対策が止まっている可能性も考えられる。実際に有効だと感じた対策について聞くと、1位は「社内に相談窓口を設置」(41%)、2位は「就業規則に規定を設ける」(36%)、3位は「管理職向けの研修・講習会の実施」(35%)となった。
2015年05月04日モバイルアプリ開発者は、Object-Cで書いたiOSアプリやJava/C++で書いたAndroidアプリのコードを再利用して、簡単にWindows 10のユニバーサルアプリを提供できる。米サンフランシスコで29日に始まったMicrosoftの開発者カンファレンス「Build 2015」でOSグループのエグゼクティブバイスプレジデントであるTerry Myerson氏がデモを披露した。Androidアプリについては、Windows 10のサブシステムとしてAOSP(Android Open Source Project)が動作するレイヤーが設けられる。Androidアプリ開発者はJava/C++で書いたAndroidアプリにわずかな変更を加えるだけで、Windows 10スマートフォン用アプリとしてWindows Storeに申請できる。このAndroidランタイム用のUniversal Windows Platform Bridgeツールキットは「Project Astoria」と呼ばれている。iOSアプリのObject-Cコードは、XcodeプロジェクトをVisual Studioにインポートし、いくつかの変更を加えてObject-CコンパイラでWindows 10モバイルデバイス向けに再コンパイルする。iOS用のUniversal Windows Platform Bridgeツールキットは「Project Islandwood」と呼ばれている。Project AstoriaとProject IslandwoodはWindows 10の提供開始後にリリースする予定で、現在それぞれのページで開発者向けプレビューへの登録を受け付けている。
2015年04月30日マーケティング担当者向けに、アドテクノロジーの基礎知識を学ぶ本連載。前回は、マーケティングの基礎戦略となるセグメンテーション・ターゲティング・ポジショニングをおさらいしました。ターゲティングはアドテクノロジーにおける要の機能の1つです。このターゲティング手法の進化がきめ細かい広告配信を実現し、ディスプレイ広告の成長に大きく寄与してきました。(2015年4月)現在のディスプレイ広告では、そのほとんどが、何らかのターゲティングを用いてキャンペーン設定が行われていると言えます。ところが、DSPにおけるターゲティング手法は、各社によって手法が少し異なります。今回は次の視点で代表的な方法を紹介します。・ 広告主サイト訪問者を中心としたアプローチ・ Web閲覧行動を中心としたアプローチ・ハイブリット型○【1】広告主サイト訪問者を中心としたアプローチこのアプローチを行う上で用いられる代表的な手法は、リターゲティング(※注)です。これは、ひとことで言うと「自社サイトに訪問したユーザーをターゲティングする手法」となります。一度訪問したユーザーがサイトを離脱したのち、企業は、購入を保留した商品の再検討や関連商品の訴求、サイトへの再訪問など、ユーザーの状態を推定しアクションを促します。主に、複数商品やリピートする商品など、既存顧客へのアプローチとして利用されることが多い傾向にあります。同手法はこの数年、最も予算が拡大していると言えるでしょう。その理由は、Webサイト上でユーザーのアクションが完結する「ダイレクトレスポンス型」の領域で積極的に利用されたほか、その成果が測りやすく、DSPのターゲティング手法として定着したためです。また、昨今注目されている手法として、「ダイナミックリターゲティング」があります。これは、サイトに訪問したものの購入に至らなかったユーザーに対し、バナー内に複数の商品クリエイティブを生成し、「動的に変化させながら表示する」手法です。ECサイトであれば、訪問したユーザーごとに、閲覧したページの商品やサービスを解析し、最適な採用素材(この場合は、購入する可能性が高い商品)を選択後、バナーを自動で生成します。もちろん、バナー内の掲載商品やサービスは複数の組み合せも可能です。出稿には、広告主からの自社商品マスタ (商品リストや画像など)が必要となります。広告配信事業者は、どのユーザーにどのような商品を表示すると最適かを分析します。これは、各社によって独自のアルゴリズムが用意されており、単純な閲覧履歴だけでなく、蓄積された商品情報の解析や学習結果から、閲覧していないアイテムを抽出することもできます。同手法は主に、商品点数が多いECサイトや旅行業界、不動産業界などで活用が進んでおり、今後も更に市場は伸びていくでしょう。※注 : 「リターゲティング / Retargeting」は、マイクロアドの登録商標です。○【2】Web閲覧行動を中心としたアプローチ代表的な手法は、行動ターゲティングです。ユーザーを、インターネット上での行動をもとに何らかのカテゴリに分類し、このカテゴリを組み合わせて指定することでターゲティング対象を絞り込む仕組みとなります。従って、行動ターゲティングは、「ユーザーの興味・関心の特性に対するターゲティングする手法」と表すことができます。例えば、サイトの訪問数そのものが少ない場合や、再訪問の頻度・回数が少ない場合、新しい商品のため認知が低い場合などに「見込客(潜在的顧客)へのアプローチ」として利用されることが多く、うまく活用することで、見込客の誘導を促すことが可能です。○【3】ハイブリット型ハイブリット型とは、行動ターゲティングなどの外部データと、自社サイトのコンバージョンデータなどを積極的に融合してターゲティングする手法です。主に、「Look-alike」や「リターゲティング拡張」といった手法が挙げられます。「Look-alike」は、コンバージョンしたユーザーが、どのオーディエンスカテゴリに所属していたかを知ることで配信対象を指定します。弊社のDSP「Logicad」の場合、広告主サイト訪問者やコンバージョンしたユーザーのオーディエンスカテゴリとDSP全体のカテゴリを比較することで、ターゲットユーザーと関連の強いカテゴリを選択することができます。一方「リターゲティング拡張」は、コンバージョンなどを行ったユーザーに似ている対象者を、保有している膨大なインターネットユーザーの行動データなどから類似する行動・嗜好の特性を照らし合わせることで抽出します。従って、「Look-alike」にように明示的にカテゴリを指定しません。これらは各社によって異なりますが、類似度や配信規模などで配信を指定します。以上が、DSPにおける代表的なターゲティング手法の紹介となります。最後に、これらのターゲティングで考慮したい3つの視点を考えてみます。1つ目は、中間ゴールを設定すること。最終ゴールとなるコンバージョン(CV)ユーザーだけでなく、CVに至る複数の過程を考えてみましょう。過程(中間)を分析対象とすることで、CV数が少ない時点でも新たなデータの取得や学習速度を高めことができます。2つ目は、他の施策との関係性を考慮すること。データに対する判断では、「何を前提としているか」を忘れてはいけません。施策の影響を受けたユーザーかそうでないかによって、結果は同じでも判断は異なります。他の施策の影響を見ずにミスリードされないよう注意しましょう。3つ目は、自社サイトのWeb解析で得られたユーザーセグメント情報を積極的に活用すること。各セグメントの分類条件をDSP配信設定や解析・学習に反映し連動することで、予測精度が向上します。これに伴い、注目を集めたソリューションが、ターゲティングユーザーの集約・管理を可能とする「DMP(データマネジメントプラットフォーム)」です。次回は、このDMPについて解説します。○執筆者紹介ソネット・メディア・ネットワークス 商品企画部2000年3月に設立。ソニーグループの一員として、インターネットサービスプロバイダー(ISP)を運営するソネットの連結子会社としてインターネットマーケティング事業を展開する。国内最古のアドネットワーク事業者として10年以上の実績があるほか、RTBの市場拡大に先駆け、DSP「Logicad(ロジカド)」を自社開発。2014年10月には、インターネット広告に関する技術の精度向上を目的とした研究開発を行うラボを新たに設立するなど、独自のポジションを築く。
2015年04月22日ワークポートは、同社取引企業の採用担当者(60社)を対象に実施した、「採用担当者のホンネ調査 採用の常識・非常識」の結果を発表した。調査期間は3月9日~4月10日。面接を受けに来た人が準備不足だと感じることを尋ねたところ、40%が「企業の理解ができていない時」と回答した。具体的には「事業内容を理解していない」、「企業のホームページを見ていない」などのコメントが目立つ。次いで多かった回答は「質問がない・質問の内容が浅い」(10%)で、事前の企業調査の重要性が浮き彫りとなった。また、「忘れ物」(10%)、「自分の経歴を明確に話すことができない」(10%)という回答も多かった。自由回答では、「ホームページを見ればわかるような質問をする」「履歴書を持参しない」「自分のキャリアの棚卸しができておらず、ポイントを端的に順序良く説明できない」などのコメントが寄せられた。
2015年04月17日この連載は、2015年4月からWebマーケティング業界に足を踏み入れる新入社員や、新たにWeb担当者に着任した新人マーケターを対象に「覚えておきたい基礎知識」をご紹介するものです。前回は、Webマーケティング業界にて日常的に利用されるマーケティング用語10個を解説。後半となる今回も、残りの10個を出現頻度の高い順に見ていきましょう。※「【前編】これだけは覚えたい!Webマーケティング基礎用語20選」は、こちらをご覧ください。○11. LPOLanding Page Optimization : ランディングページ最適化出現頻度 : 60%【解説】広告をクリックすると最初に表示されるLP(ランディングページ)のデザインや文言を工夫し、CVR(コンバージョン率)を高めること。○12. ROASReturn On Advertising Spend : 広告の費用対効果出現頻度 : 60%【解説】広告掲載料1円あたりの売上額。この数値が高いほど、費用対効果が高く効率的に広告運用できていると言える。【使用例】10万円の広告費用を投資し、100万円の売り上げがあった場合、ROASは1000%(100万円 ÷ 10万円 × 100)となる。○13. SEMSearch Engine Marketing : 検索エンジンマーケティング出現頻度 : 60%【解説】検索エンジンから自社Webサイトへの訪問者を増やすマーケティング手法。一般的には、SEO(検索エンジン最適化)とリスティング広告(検索結果の画面で一番上に出てくる広告のこと)の2つが主な手法とされている。○14. CPMCost Per Mille : インプレッション単価出現頻度 : 50%【解説】Webサイトへの広告掲載回数1000回(1000インプレッション)あたりの広告費。この料金単位で課金される制度を「CPM制」とよび、売上やサイト訪問者数増加よりも、ブランド認知度向上を目的とする場合に適した課金制度だ。○15. KPIKey Performance Indicator : 重要業績評価指標出現頻度 : 50%【解説】目標達成プロセスの実施状況を計測するために、実行の度合い(パフォーマンス)を定量的に示す指標。「何を持って進捗とするのか」を定義するために設定される尺度となる。【使用例】Webサイトの目的を「資料請求数の確保」とし、目標値を「新規顧客による月間40件の資料請求数を同サイトから得る」とした場合、KPIは「検索エンジン経由のアクセスのセッション数(訪問回数)」と設定できる。○16. PPC広告Pay Per Click : クリック課金型インターネット広告出現頻度 : 50%【解説】掲載には費用がかからず、広告が実際にクリックされた回数分だけ費用が発生するという課金形態の広告。リスティング広告やCPC広告を指す場合もある。広告に興味を示したユーザー分だけ費用が発生するため、よりクリック率の高い広告が選別される仕組みだ。○17. ROIReturn On Investment : 投資対効果 / 投資収益率出現頻度 : 50%【解説】投資した資本(費用)がどれだけの利益を生んでいるかを測る指標。「純利益÷投資額」で算出する。○18. ASPAffiliate Service Provider : アフィリエイト事業者 / Application Service Provider : アプリケーション事業者出現頻度 : 30%【解説】前者は、PC・モバイル問わず、アフィリエイト広告(成果報酬型広告)を仲介するサービスの総称。後者は、さまざまなアプリケーションをネット経由で提供するサービスを指す。○19. AIDMAAttention, Interest, Desire, Memory, Action(アイドマ)出現頻度 : 20%【解説】米学者ローランド・ホール氏が提唱した「消費者の購買決定プロセスを説明するモデル」の1つ。○20. AISASAttention, Interest, Search, Action, Share(アイサス)出現頻度 : 20%【解説】電通が提唱した「インターネット普及後の消費者による購買行動を説明するモデル」で、AIDMAからDesire(欲求)とMemory(記憶)がなくなり、代わりにSearch(検索)とShare(情報共有)が追加された。本稿にて紹介した略語は、Webマーケティングに携わるのであれば最低限知っておいて損はない用語群となります。しかし、大切なことは、略語や用語を覚えることではなく、Webマーケティングを活用して成果を上げていくことです。次回は、Web広告の種類とその概要についてまとめます。○執筆者紹介ソウルドアウト 葛谷篤志2009年オプトに入社し、2010年からソウルドアウト設立に参画。入社3年目から新潟営業所の立ち上げを経験したほか、Web事業のスタートアップや通販(美容品・アパレル)企業のWebマーケティング支援に携わり、顧客売上を2年で5倍にさせる等の実績を持つ。現在(2015年3月)は、Webマーケティング本部 パブリックリレーション部にて部長を務める。
2015年04月02日この連載は、2015年4月からWebマーケティング業界に足を踏み入れる新入社員や、新たにWeb担当者に着任した新人マーケターを対象に「覚えておきたい基礎知識」をご紹介するものです。Webマーケティング業界では、アルファベットの略語が日常的に飛び交っています。加えて、成長スピードが早く、目まぐるしく周辺環境が変化していく業界でもあります。そこで今回は、まず初めに押さえるべき20の略語を整理・解説しました。出現頻度の高い順に解説していますので、上から順にチェックしていけば、最小の労力で理解することができるでしょう。なお、出現頻度はWebマーケティング用語を解説する10のサイトを調査・分析し、客観的なスコアリングによって作成したものです。○1. CPACost Per Action : 何らかの成果(Action) 1件あたりの支払額出現頻度 : 100%【解説】会員登録や資料請求、商品の購入といったユーザーのAction1件につき支払った広告費用のことで、顧客取得単価ともいう。また、「Action(行動)」ではなく「Acquisition(獲得)」を用いる場合、新規顧客の獲得1件あたりの費用を意味する。【使用例】月間50万円の広告費をかけてバナー広告を掲載し、同広告から100件の商品購入を獲得した場合、CPAは5000円(50万円 ÷ 100件)となる。この数値が小さいほど「費用対効果の高い広告」だと考えることができる。○2. CPCCost Per Click : クリック一回あたりの料金、クリック単価出現頻度 : 90%【解説】Webサイトやメールに掲載したテキスト広告やバナー広告などが、1回クリックされるにあたり発生した費用。【使用例】広告費として30万円を支払い、Webサイトにバナー広告を一カ月間出稿し、5万クリックを獲得した場合、CPCは6円(30万円 ÷ 5万クリック)となる。○3. CTRClick Through Rate : クリックされた割合、クリック率出現頻度 : 90%【解説】広告がクリックされた割合(確率)を示す。この値が高いほど、ユーザーは広告に反応しているという意味となり、同広告は「反応率が高い」と判断できる。【使用例】メールにてテキスト広告を30万人に配信し、6000クリックを獲得した場合、CTRは2%(6000クリック ÷ 配信数30万 × 100)となる。○4. CVConversion (変換・転換・交換)出現頻度 : 90%【解説】企業がユーザーに起こしてほしいActionとして掲げる「最終的な成果」を意味する。特にWeb広告の分野においては、会員登録や資料請求、商品購入など「単なる訪問者から、会員や(見込)顧客への転換」という意味合いで使われる。○5. impimpression : 広告露出・掲載・表示回数出現頻度 : 90%【解説】Webサイトに広告が掲載された回数。ユーザーがとあるWebサイトに訪れ、広告が1回表示されることを「1インプレッション」とする。○6. PVPage View : アクセス数出現頻度 : 90%【解説】あるWebサイトが閲覧された回数を示す。同一ユーザーがサイト内のページを複数閲覧すると、PV数はその分だけ増える。○7. UUUnique User : 閲覧者数出現頻度 : 90%【解説】あるWebサイトを訪れたユーザーの数を表す。同じユーザーが同じページを何度も閲覧した場合でも、1UUとしてカウントされる。【注意】UU数の測定方法は、利用するアクセス解析ツールによって異なるが、基本的に「IPアドレス」や「ホスト名」「Cookie」といった情報を基に集計する。正確なUU数を測れない場合として、ユーザーがCookieの受け入れを拒否している状況や、デバイスやブラウザを複数使用するといった環境が考えられる。○8. CVRConversion Rate : コンバージョン(成果)率出現頻度 : 80%【解説】PV数やUU数のうちコンバージョンに至った割合を示す指標。「Webサイトに訪問したユーザーが実際にActionを取る割合」を意味する。【使用例】とあるバナー広告の300クリックうち、10件がコンバージョンに至った場合、CVRは10%(30CV ÷ 300クリック ×100)となる。○9. LPLanding Page : ランディングページ出現頻度 : 70%【解説】広告をクリックすると最初に表示されるページ、すなわち、Web広告の遷移先となるWebサイト(ページ)を示す。○10. SEOSearch Engine Optimization : 検索エンジン最適化出現頻度 : 70%【解説】GoogleやYahoo!が提供する検索エンジンの検索結果ページにて、上位に自らのWebサイトが表示されるように工夫すること、またはそのための技術やサービスを指す。例えば、ターゲットとするキーワードの選択やページ内でのキーワードの使用などを最適化することで上位表示を目指すが、サーチエンジンのランク付けアルゴリズム(計算方法)は年々変化するため、実際は「SEOに王道無し」と言われることもある。残り10用語は、4月2日に公開します。第3回からは、Web広告の種類や出稿方法、効果測定に用いる分析ツールなどを紹介していく予定です。○執筆者紹介ソウルドアウト 葛谷篤志2009年オプトに入社し、2010年からソウルドアウト設立に参画。入社3年目から新潟営業所の立ち上げを経験したほか、Web事業のスタートアップや通販(美容品・アパレル)企業のWebマーケティング支援に携わり、顧客売上を2年で5倍にさせる等の実績を持つ。現在(2015年3月)は、Webマーケティング本部 パブリックリレーション部にて部長を務める。
2015年03月31日デザイナー・山本耀司が手がけるアクセサリーブランド「ディスコード(discord)」が、「ポム・ド・テーレ・グランド(Pomme de Terre Grande)」(24万8,000円)を発売する。今回のリミテッドバッグでは銀箔を貼った和紙を数ミリ単位で裁断。それを京都で1500年に渡って受け継がれてきた、西陣織の技法によって糸として織り込んだ。織物特有のテクスチャーが、立体的なフォルムを生み出している。全世界でも10エディション限定での販売となり、国内での取り扱いはヨウジヤマモト青山本店、伊勢丹新宿店の他、松屋銀座の期間限定ショップ。なお、ディスコードではリミテッドバッグの販売期間中、松屋銀座本店の2階にある特設会場にポップアップショップをオープンする。商品を購入した人の中から、先着30人には限定キャンバスバッグをプレゼント。正面にはディスコード、裏面にはヨウジヤマモトのロゴが配置されており、シックなデザインでオン・オフどちらにも利用できる。
2015年03月27日本連載では、企業のマーケティング担当者向けに、RTBをはじめとしたアドテクノロジーについて、分かりやすく解説していきます。アナリティクスやマーケティング・サイエンス、最適化(オペレーションズリサーチ)視点を意識しつつ、DSPの選定や活用が可能となることを狙いとします。前回は、オークション(入札)の仕組みを整理しました。本稿では、DSPにおいて実際にどのように動いているのかを図で追ってみましょう。○DSPにおける入札取引の流れ1. ユーザーAが広告枠を持つ媒体を訪問2. SSPからのDSPへ問い合わせ(リクエスト)3. それに対し、DSP3社が独自の評価によってそれぞれ入札額を応札(Bid)4. DSP1が最高入札額(100円)なので勝者となる5. 広告が表示される6. DSP1がSSPに支払う金額は2番目に高い入札額となる80円これが、「DSPの封印型セカンドプラス・オークション」の流れです。SSPによるリクエストを起点に、勝利したDSPの広告が表示されるまでの時間は、0.1秒未満となります。加えてDSPでは、数千のサイトから届くリクエストと数千のキャンペーンによる「膨大な組み合わせ」に並行して対応しています。例えば弊社のDSP「Logicad」の場合、2015年3月時点で月間900億リクエスト(日本全ドメインの約30%相当にリーチ)を超えており、膨大なオークションがリアルタイムに進行していることが分かります。なお最近では、DSP/SSPによるRTBも含め、機械的に行う取引を「プログラマティック・バイイング/セリング」と呼ぶ傾向があり、データに基づく自動的な広告枠買い付けの波は今後も大きく成長していくでしょう。○入札戦略の基本DSPは、SSPからのリクエストに対し、キャンペーンごとに適切な入札額を算出します。この「算出のためのロジック」が各社のノウハウであり特徴と言えますが、基本的な考えを整理してみます。さて、セカンドプライスオークションは、「他者の入札は気にせず、自分の評価で参加する」という原則がありましたね。では、キャンペーンにおける自分の評価は、どのように決めるのでしょうか。多くのDSPは、キャンペーンの目標となるCPCやCPAを設定すると、CTRやCVRの期待値(予測値)を基に入札額を算出します。つまり、予測値の立て方によって、入札戦略が左右されるということです。なお、CPMは、最適な入札額を広告表示1000回あたりの単価に換算したものです。実際のコストは1インプレッションごとのセカンドプライスの合計金額ですが、現時点の単価を把握し、どのように推移するかを確認するための商習慣上の指標となります。※本稿で記載のあるマーケティング用語の解説1. キャンペーンDSPの設定において提供する商品やサービスをカテゴリーで分類した広告配信のグループ目標金額や配信量をコントロールする単位として使用する2. CPC (Cost Per Click)1クリックあたりの広告コスト(コスト÷クリック数)3. CPA (Cost Per Action)1コンバージョンを獲得するのにかかった広告コスト(コスト÷コンバージョン数)4. CTR (Click Through Rate)広告が表示された際のクリックされる割合(クリック数÷インプレッション数)5. CVR (Conversion Rate)どのくらいコンバージョンしているかという割合(コンバージョン数÷クリック数)6. CPM (Cost Per Mill)1000回表示あたりの広告コスト例 : 目標CPCによる入札額の算出目標CPC=100円予測CTR=0.1%の場合入札額CPM=100円 ⇒ 1000回表示分の金額入札額CPMの計算式 : 目標CPC(100円)×予測CTR(0.001)×表示(1000回)=入札額(100円)しかし同方法は、インプレッション単位で最適な入札額を決めオークションに参加するため、効率は保証されますが、広告表示の絶対量を必ずしも保障できる仕組みとは言えません。条件を満たした入札は行うことができますが、配信量は入札結果によって変動してしまうということです。○最適化(入札額の調整)DSPの取引は一般的に、1000回表示あたりの広告コスト(CPM)で行われます。そのため、予測精度が悪いと期待値が低い広告を割高で購入したり、期待値を低く予測すると、広告の表示機会を失ってしまいます。一方で、キャンペーンを細分化し、それぞれを予測することで、入札のROI管理を実現しています。この優れた予測機能によって、キャンペーン内の限られた予算で最大の効果を出すための運用が可能となります。少し分かりづらいので、先ほどの例で解説します。キャンペーン全体の目標CPCは100円、予測CTRは0.1%です。仮に、条件Aの予測CTRが0.2%、条件Bの予測CTRが0.05%だったとします。その場合、それぞれの入札額は200円、50円となります。CTRが2倍であれば入札額も2倍、逆に1/2であれば1/2で入札することで、目標CPCは維持できます。予測精度が信頼できれば、条件A・Bどちらで入札しても構わないというのが最適化の基本的な考えです。これまでの運用では、予算が許す限り、期待CTRが高いところに露出する傾向がありました。DSPでは、期待CTRが低くても落札の確率が高く、配信量が十分と判断すればバランスのとれた配信が行えます。キャンペーンごとの入札額調整は自動的に行ってくれるので、運用の手間をあまり考える必要はありません。例 : 入札戦略の最適化目標CPC=100円基準 : 予測CTR=0.10%入札額(CPM)=100円条件A : 予測CTR=0.20% 入札額(CPM)=200円条件B : 予測CTR=0.05% 入札額(CPM)= 50円○自動型やハイブリット型など多くのDSPは、膨大で煩雑な作業をアルゴリズムによって「自動化」することで、入札業務や運用効率を大幅に軽減しています。加えて、より洗練された自動化を目指すソリューションや、運用者(マーケティング担当者)に向けて積極的に情報を提供する「ハイブリット型」など、各DSPの特徴が出始めています。実際の運用では、すべてのキャンペーンが計画通りに進捗するとは限りません。多くの予算を確保し、短期間で統計的判断ができるほどの充分なデータを取得できるケースばかりではないからです。少しでも早く効果を上げるためには、運用担当者のキメ細かい微調整(PDCA)が欠かせません。この担当者の初動の設定や配信設定の絞り込みなどの調整によって、パフォーマンスが大きく変わってきます。「アルゴリズム」か「人」かに関わらず、さまざまなデータを組み合わせることで、予測精度を安定的に向上させ、他社と異なる入札額を算出し、運用計画に合わせて配信の調整をしていくことが結果につながります。広告主が、主体的に「誰に配信するか」を選択できるようになった今、出発点となるセグメントとターゲティングはますます重要となってくるのです。次回は、「枠」から「人」へと象徴的に言われている「ターゲティング」について見ていきましょう。○執筆者紹介ソネット・メディア・ネットワークス 商品企画部2000年3月に設立。ソニーグループの一員として、インターネットサービスプロバイダー(ISP)を運営するソネットの連結子会社としてインターネットマーケティング事業を展開する。国内最古のアドネットワーク事業者として10年以上の実績があるほか、RTBの市場拡大に先駆け、DSP「Logicad(ロジカド)」を自社開発。2014年10月には、インターネット広告に関する技術の精度向上を目的とした研究開発を行うラボを新たに設立するなど、独自のポジションを築く。
2015年03月20日サンワダイレクトは10日、有線マウスのケーブルを固定して、障害物などのひっかかりを防ぐケーブルマネジメント用「マウスバンジー(マウスコードホルダー・ブラック)」を発売した。通販サイト「サンワダイレクト」での価格は税別1,370円。直径約2.6~3.4mmまでのケーブルに対応し、ケーブルの固定部はシリコン製でケーブルが太いゲーミングモデルでも利用できる。マウスの動きに合わせてアームがしなり、ケーブルの動きを抑える。また、重量感のある台座を採用し、使用中のズレを防ぐ。本体サイズはW86×D96×H88mm、重量は約140g。
2015年03月10日ソフトエイジェンシーは3月9日、米Inovicaが開発したRubyのソースコードを暗号化するソフトウエア「RubyEncoder 2.2」を販売開始すると発表した。今回のバージョンでは、最新バージョンのRuby 2.1および2.2に対応すると同時に、組込みLinux(ARM系CPU)でエンコードしたバイナリを動作させることが可能となった。同ソフトウエアは、Rubyのソースコードをバイトコード形式に変換してRubyスクリプトを保護するもの。Rubyのソースコードをリバースエンジニアリングから守ることができ、Rubyソフトウエアの知的財産権を保護し、商用ソフトウエアを安全に配布することが可能となる。RubyEncoderはエンコーダとローダの2つから構成されている。エンコーダはRubyスクリプトをエンコードするソフトウエアで、1ライセンスで1台のみインストール可能。ローダは、RubyEncoderによって暗号化されたRubyスクリプトを復号化するバイナリ。ライセンスによるコピーの制限はない。本体価格は1ライセンス2万8000円(税抜)。アップグレード権のある開発者向けの「サポートパック ベーシック」は1ライセンス当たり年間8000円(税抜)、アップグレード権とローダ動作保証の付いた事業者向けの「サポートパック プラチナ」は1ライセンス当たり年間68万円(税抜)となっている。
2015年03月09日2014年春にローンチした「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」のアクセサリーブランド「ディスコード(discord)」から登場した、15SS新作の「スリッポンスニーカー」(6万5,000円)はスニーカーの概念を逸脱するほどシックでエレガント。セカンドコレクションとなる今シーズンは、直線と曲線、対称と非対称といった相反する要素を掛け合わせた新たなデザインをモノトーンの世界で表現した。アッパーに掛けては牛革キップを、ヒールに掛けては帆布を用いた異素材のコンビネーションにより、前後は異なるフィット感を保ち独特なラインを描く。余分なディテールを削り、ブラック1色にまとめたシンプルなデザインによっても、そのフォルムは一層際立つ。展開サイズは、23.0cmから25.0cm。<問い合わせ先>ヨウジヤマモト プレスルームTEL:03-5463-1500
2015年03月06日デザイナー山本耀司が手がけるラグジュアリーアクセサリーブランド「ディスコード(discord)」が、初の公式オンラインショップをZOZOTOWNでオープンした。ディスコードは、「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」と三越伊勢丹の共同プロジェクトとして立ち上がったブランド。日本の伝統である奥ゆかしい美しさをデザインに取り入れながら、メイドインジャパンにこだわったコレクションを展開している。ショップがオープン初日に発売したアイテムは全部で11点。このうちバッグは3アイテムが展開され、その中にはファーストコレクションのアイコンモデルも含まれる。更に、ウォーターリリーやチューリップをモチーフとした財布が全部で4種類。同じく4種類あるスカーフはそれぞれ、円形にコラージュしたチューリップ、日本の侘び寂びを伝えるアマリリス、消え行く煙の一瞬の美しさ、そしてウィットあふれる擬人化された犬がデザインされている。
2015年03月05日本連載では、企業のマーケティング担当者向けに、RTBをはじめとしたアドテクノロジーについて、分かりやすく解説していきます。アナリティクスやマーケティング・サイエンス、最適化(オペレーションズリサーチ)視点を意識しつつ、DSPの選定や活用が可能となることを狙いとします。前回までは、アドテクノロジーの歴史を振り返り、DSP/SSP(RTB)の概要に触れました。いよいよ今回から、オークション分野をマーケティング視点で見ていきます。○これからのマーケティング担当者に必要とされるスキルとはインターネット広告を取り巻く環境の進化は、これまでのマーケティング・アプローチを変化させつつあります。特にここ1~2年においては、ビッグデータ技術が飛躍的に伸び、データの保管コストが大幅に下がったことで、一部の企業にしかできなかったマーケティング・サイエンスや、最適化(オペレーションズリサーチ)などが容易に行える環境となりました。ビッグデータによってさらなる成長を遂げたアドテクノロジーもまた、使い方次第ではマーケティング活動を大幅に変革させることが可能な技術です。まずは、アドテクノロジーの仕組みを理解し、膨大なデータを基に、マーケティング視点で「分析」や「仮説」「意思決定」「評価」を行っていくための基本を押さえていきましょう。というのも、今後もさまざまなテクノロジーが開発・導入されていくことが予想されますが、基本的な仕組みを理解しておくと、目的に応じて必要なテクノロジーを使い分けていくことができるためです。マーケターは今後、目的達成に必要なテクノロジーを選択し、高速PDCAを回すことで施策の最適化を図っていくスキルが必要となると考えています。本稿では、RTBの根幹を担うオークション分野の仕組みについて整理してみましょう。○オークションの種類 - DSPは封印型セカンドプライス公開型オークション - 競り上げと競り下げ「オークション」は、マーケットデザインという新しい経済学のなかで、研究事例としてよく取り上げられます。マーケットデザインとは、モノを適切に配分するための社会的な仕組みを考案したもので、オークション以外にもマッチング理論やゲーム理論なども扱います。オークションと聞くと多くの人は、有名な絵画などの芸術作品が値上げ形式で入札され、最高額にて落札されるといったイメージを思い浮かべるのではないでしょうか。このように、競争相手の入札額がオープンで最も高い値を付けた人物が落札できる仕組みを、公開型(open bid auction)の「競り上げ方式(イングリッシュ・オークション)」といいます。一方、同じ公開型であっても、ある一定額から入札が開始され、買い手の希望する価格まで下がっていく仕組みを「競り下げ方式(ダッチ・オークション)」とし、代表的なものとしては、花卉(かき)市場で採用されているそうです。封印型オークション - 第一価格と第二価格また、競争相手の入札額がクローズド(非公開)にて行われる「封印型(sealed bid auction)」においても、2つの種類があります。勝者(最高額入札者)の支払う金額が最も高い入札額であることを意味する「第一価格」によるものと、支払う金額が二番目に高い入札額であるという「第二価格」となる方法です。第一価格(ファースト・プライス・オークション)では、参加者の意思決定が複雑になると言われています。一般的に、第一価格の場合、買い手は勝者を目指すとともに、限度額を超えない範囲で、競争相手よりわずかだけ高い入札額を検討しなければなりません。しかしながら、相手の入札額がわからないため不確定要素が高く、オークションが荒れやすくなると考えられてます。一方、第二価格(セカンドプライス・オークション)は、相手を意識せずに自身の評価で決める、すなわち最適な選択が可能というゲーム理論「支配戦略」にも従うため、「競争相手を気にせず、自らの評価を正直に入札すれば、気に病む必要はない」という点で優れた仕組みだと考えられています。そしてこの仕組みが、多くのDSPやリスティング広告(検索連動型広告)などで採用されているのです。なお、SSP(売り手)には、確率的に計算した結果(分布)に基づき、第二価格オークションの最低落札金額を設定したり、特定の買い手と固定で落札額を決めたりし、期待収益を最大化するという機能があります。DSP・SSPともに、新たな仕組みや方式を常に試行しているのです。さて、セカンドプライス・オークションを採用するDSPでは、自身の評価で入札すれば良いとの話でしたが、この評価とはどのような考え方で決めるとよいのでしょうか。次回は、オークションにおける「適切な金額」を決める仕組みについて考えていきましょう。○執筆者紹介ソネット・メディア・ネットワークス 商品企画部2000年3月に設立。ソニーグループの一員として、インターネットサービスプロバイダー(ISP)を運営するソネットの連結子会社としてインターネットマーケティング事業を展開する。国内最古のアドネットワーク事業者として10年以上の実績があるほか、RTBの市場拡大に先駆け、DSP「Logicad(ロジカド)」を自社開発。2014年10月には、インターネット広告に関する技術の精度向上を目的とした研究開発を行うラボを新たに設立するなど、独自のポジションを築く。
2015年03月04日会計、経理は経営者にとって欠かせない存在ではあるが、面倒な存在でもある。特に経理専門の社員がいない場合は、経営者がその役割を兼任するわけで、忙しい業務の合間を縫っての経理は非常に大変だ。そこでここでは、必ず訪れる経理上のイベント(?)を月を追って紹介する。今年度こそは、慌てずに済むよう、しっかりと備えていただきたい。○法令改正が多い1月この月は毎年何かしら新しい法令が施行されたり改正されたりすることが多い。2016年はなんといってもマイナンバー制度の施行が控えている。この制度が施行されると、全従業員のナンバーを給与や賞与、年末調整とあらゆる書類に記入しなければならない。したがって、今後は10月に配布される社員のマイナンバーを厳格に管理してゆく必要がある。今からどのような準備が必要か、どんな法令なのかはきっちり把握しておくようにしてほしい。○確定申告が始まる2月いままさに作業中という方もいると思うが、確定申告の提出が始まるのがこの月の16日から。1年の総決算として、税額を確定するために税務署へ必要書類を届ける法人にとっては一大イベントだ。日々の経理をしっかりやっておけばそれほど苦痛ではないが、何カ月か分をまとめてやるタイプの経営者にとっては大変な作業となる。今からでも経理を任せられる人を雇うか、それが無理な場合は今年こそ会計ソフトを導入して負担を軽減する努力をしておこう。○自動車税にも注目したい3月確定申告の最終日は3月15日。忘れずに提出できるよう準備を万全に! また、その他の税務では自動車税に注目したい月になる。自動車税は4月1日以後に所有する場合に適用されるので、増税が予定されている場合は3月31日までに購入すると前年度までの税額となる。2015年は軽自動車税が増税されるので、軽自動車、原動機付自転車の乗換を検討している人は早めに手続きをしておくと良いだろう。○新入社員対応の4月4月はなんといっても新入社員の入社が大きなイベントとなる。社員が増えるのは会社にとっては喜ばしいことだが、経理としては健康保険、厚生年金、雇用保険等々、加入手続きが山のように発生することになる。もちろん給与支払の準備もしなければならないし、机やパソコンなどの備品の調達も忘れてはならないところ。会社全体がそわそわした雰囲気になるが、気を引き締めて淡々と手続きを進めよう。○ちょっとひと休み。スキルアップに活用したい5月この月は経理のイベントは少ない。ただし、新入社員に教えることは山ほどあるので、経理担当としてはぜひこの機会に社会人としての知恵として「経費」について話しておくとよいだろう。例えば、交通費の精算の仕方、事業として食事をするというのはどんなときか、あるいは仕事上の情報収集で購入した場合は新聞でも雑誌でも書籍でも報告すること等、細かい部分で知らないことは山ほどあるはず。企業人としての金銭感覚を持たせるためにもぜひ教育をしてあげてほしい。○賞与関連の処理がある6月一般的にはボーナスを支給する月が6月になる。個人経営や小規模事業の場合は、かなり業績による影響が大きい部分ではあるが、社員を抱えているなら彼らのモチベーションアップのためにも、ぜひ頑張って支給してあげたいところ。もちろん金額等は経営者としての判断になるが、経理担当者としては賞与にかかる所得税や健康保険、介護保険、厚生年金保険料の算出など、やることが多くなる。○社会保険の標準報酬が決定する7月厚生年金、健康保険、介護保険に加入している被保険者の定時決定があるのがこの月だ。毎月支払っている報酬と、標準報酬の月額費に差が出ないよう、毎年一回標準報酬月額の見直しをするという目的がある。具体的には4~6月の3カ月間に給与を支払った被保険者が対象となり、その額を届け出用紙(算出基礎届)に記入して、7月1日~10日までに提出する。将来もらえる年金に大きな影響があるので、しっかり算出しておこう。○経理も夏休みの8月8月の経理イベントはほとんどない。ただし、大型連休や振替連休、さらには有給の消化など、休日が絡む経理が発生しやすい時期となる。もちろん、企業によって方針や決定事項があると思うので、それに準拠して進めること。ちなみに有給(年次有給休暇)は、労働基準法で定められているもので、日本の場合は最低でも年に一人あたり10日は取らなくてはならないことになっている。さらにいうと、有給を取得しやすい環境を整備することも企業の努めとされているので、社員を雇っている会社はよくキモに命じておくこと。○新しい保険料が適用される9月7月で説明した被保険者の算出基礎届に基づいて、新しい保険料が適用されるのが9月からになる。改正がなければ、保険料率に変わりはないが、実は平成29年までは毎年被保険者と事業主の合計で3.54/1000ずつ上がることが決定している。微妙に上がっているので、すでに支払い続けている人はお分かりかと思うが、将来が明るくなると思って受け入れるしかない。○いよいよマイナンバーの配布が始まる10月今年の10月は冒頭で述べたマイナンバーが全国民に向けて通知される月となる。当初は社会保障、税、災害対策に使われるが、いわゆる年金や雇用保険、医療保険、福祉、確定申告などにこのナンバーがすべて紐づけられることになる。震災などがあった地域では支援金の支給や台帳作成などにも使われるが、将来は銀行口座の開設などにも応用されるという話しもある。企業の保有しているマイナンバーは厳格な管理が必要となり、指定業務以外での使用は罰せられる場合があるので、しっかりと保管、管理しておこう。○11月は消費税を納める準備を11月も比較的経理イベントが少ない月。だが、年末に決算がある会社などはそろそろ消費税を納める準備を始めたい時期でもある。消費税は現在8%まで上げられ、近い将来は10%にまで引き上げられることが決まっている。施行日の正しいアナウンスはないが、いずれにしても2014年4月の5%から8%にアップした際に起きたような混乱が予想される。また、軽減税率が施行された場合、課目によって消費税率が変わるという経理にとっては恐ろしい状況が予想されるので、今から情報収集を続けておきたいところだ。○最大の山場は年末調整がある12月12月といえば最大の山場は年末調整だろう。会社で働いてくれた人を対象に、申告書を提出してもらい、それをもとに調整額を算出、12月の給与時に調整して報告するという恒例の作業だ。また、会社によっては決算も同時に行われることもある。経理にとっては大きな負担となる時期だけに、相応の準備をしておくことが望ましい。○楽ができる部分があれば楽をするのが最良こうして1年を見てみると、ほぼ毎月のように何かしらの税務や給与・労務関係のイベントがあることが分かる。これらすべてを経理担当者が手書きでやるとすれば、相当の苦労があるはず。やはり楽をすべきところは業務ソフトに任せてしまうのが、最良の方法ではないだろうか。マイナンバー制度や消費税、軽減税率といった法令改正がある場合、手書きで対応するよりも、業務ソフトであれば新しい制度に合わせた処理をしてくれる。例えばソリマチの「会計王」「給料王」の場合、法令改正があった際には今後の対応プログラムや対応方法をすぐに案内してくれるので、今後の法令改正があった際にも安心して使用できる。 「会計王」「給料王」は初心者にも優しい、直感的に操作できる画面が特長だ。給料王から会計王へ仕訳データをダイレクトに転送もできるので、同時に導入する価値はこういったところにもある。定価4万円(税別)と、割と高価なソフトだが、2万円台で販売している販売店もある。さらに今なら、1万円のキャッシュバックのキャンペーンを実施しているので、実質1万円台で購入することもできる。4月からの来年度に備えて、今買っておくとお買い得だ。会計・給与業務で使用する業務ソフトを同時に購入する場合、セット商品の「王パック」であれば、「会計王」「給料王」のほかにも販売・仕入・在庫管理ができる販売管理ソフト「販売王」がセットになっていて、単品でそれぞれ買うと140,000円のところ、80,000円と約半額で購入することができる。実際には5万円台で販売している販売店もあり、お得感は高い。
2015年02月27日JALは2月24日、3月28日をもってエールフランス航空の運航する羽田~パリ(シャルル・ド・ゴール)線でのコードシェアを終了することを発表した。対象便はJL5057便(羽田22:55発)とJL5058便(パリ23:20発)。なお、シャルル・ド・ゴールを発着するヨーロッパ域内便のコードシェアは引き続き実施する。該当便の予約している人には、順次JALより連絡を行い、旅行会社を通じて該当便を予約の場合は、旅行会社で対応するという。
2015年02月26日ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)のアクセサリーブランド「ディスコード(discord)」より15SS新作として「ヴァニティーバッグ」が登場。YYを象った引き手で遊び心を表したキューブ形の「ヴァニティーバッグ」。きめ細かく上質なキップ(牛革)と、柔らかいディアスキン(鹿革)を使用し、日本伝統の絞り加工を施した。ストラップを利用することで、ショルダーバッグとしても使用可能。価格は黒6万8,000円、グレーの絞り柄8万5,000円。取り扱いは、ヨウジヤマモト青山本店、伊勢丹新宿店、福岡岩田屋店。14SSコレクションよりスタートした同ブランド。ブランド名の「ディスコード」は“不調和”を意味しており、アシンメトリーや未完成な美を追求した、ヨウジヤマモトらしいデザイン。過去には繊細でたおやか、そして奥ゆかしい日本の美しさをデザインに取り入れたバッグ、シューズ、スカーフなどを展開。今後もラグジュアリーアクセサリーを通して新しい価値観を提案していく。
2015年02月18日本連載では、企業のマーケティング担当者向けに、RTBをはじめとしたアドテクノロジーについて、分かりやすく解説していきます。アナリティクスやマーケティング・サイエンス、最適化(オペレーションズリサーチ)視点を意識しつつ、DSPの選定や活用が可能となることを狙いとします。前回は、インターネット広告の歴史とアドネットワークの登場までを振り返りました。今回は、アドエクスチェンジからDSP/SSP(RTB)までを一気に見ていきましょう。○オープン市場へのきっかけ(アドエクスチェンジ)「アドエクスチェンジ」は、アドネットワークの需給調整を行う取引所として登場したとお話しましたね。アドエクスチェンジの出現により、アドネットワーク事業者は、想定より広告受注数が少なく余った広告枠を、アドエクスチェンジを通じて転売することが可能となりました。逆に、想定より受注数が多い場合には、アドエクスチェンジを通じて補完することができ、在庫リスクの分散も実現しました。しかし、次第にアドエクスチェンジを通じて、広告主が直接広告枠を買い付けたり、媒体社が直接販売したりするケースが出てきます。これにより、これまでの「アドネットワーク事業者がそれぞれ優先的に媒体社(広告枠)を持つ」という強みが薄まっていきます。一方で、広告主は複数のアドネットワークに容易につながることができ、膨大な広告枠に配信できる機会が増えました。その結果、配信先や在庫量に縛られず、膨大な広告枠から費用対効果の高い配信機会をいかに見つけ出すかという「最適化技術」が重要になってきます。すなわち、アドエクスチェンジをきっかけに、広告主と媒体社がオープンに取引可能となった現在のRTB(*1)の登場につながっている、と言えます。○インターネット広告の大変革 =RTB市場の発展RTBは、欧米にて2009年頃から、日本では2011年頃から一気に普及した最新テクノロジーです。これまでのインターネット広告は、1カ月単位で広告枠を売買することが主流でしたが、このテクノロジーにより、広告主と媒体社は「インプレッション(クリック)」ごとに「オークション形式」で、「オープンな取引」を行うことが可能となりました。DSP/SSP(*2/3)とは、RTBの仕組みを利用して広告を配信するためのプラットフォームです。広告主は、DSPを通じて「必要なとき」に「適切な金額」で「希望の配信量」を買い付ける(オークションする)ことができます。また、媒体社はSSPを通じて、オークションで最も高値を付けた広告を配信するため、インプレッション単位で収益性の高い配信が可能となり、広告収益の最大化が期待できます。(*1)RTB(Real Time Bidding)広告枠を1インプレッション毎にリアルタイムなオークション形式で入札できる(*2)DSP(Demand Side Platform)広告主(広告出稿者)が利用する広告配信の最適化プラットフォーム(*3)SSP(Supply Side Platform)媒体社(広告枠)が利用する広告配信の最適化プラットフォーム広告主は、独自の予測に基づいた判断により、広告を表示(購入)することが可能となります。このように、1インプレッション単位で「評価」と「購入」が連動することで、ターゲティング機能が大きく進歩しました。DSP配信の特徴として「枠から人へ」と表現される所以です。こうして、WebサイトのPVから予測される広告在庫の管理や、CPC・期待効果・時間帯・カテゴリなどの配信ルールに従った自動最適化、膨大な配信データの分析、分析結果に基づいたターゲティングなど、アドテクノロジーの基盤が大きく成長しました。次回は、RTBの根幹を担うオークション分野を復習しながら「入札」機能の特徴についてふれていきます。○執筆者紹介ソネット・メディア・ネットワークス 商品企画部2000年3月に設立。ソニーグループの一員として、インターネットサービスプロバイダー(ISP)を運営するソネットの連結子会社としてインターネットマーケティング事業を展開する。国内最古のアドネットワーク事業者として10年以上の実績があるほか、RTBの市場拡大に先駆け、DSP「Logicad(ロジカド)」を自社開発。2014年10月には、インターネット広告に関する技術の精度向上を目的とした研究開発を行うラボを新たに設立するなど、独自のポジションを築く。
2015年02月18日D2Cは、各種デジタルを活用したマーケティングコミュニケーション全般を網羅した、総合的なデジタル広告・マーケティングのアワード「コードアワード2015」を実施すると発表した。結果発表は6月上旬に行われる予定。なお、応募は無料。対象は2014年4月1日から2015年3月31日の期間に実施/開始された、企業・ブランド・自治体などが提供する商品やサービスなどのデジタルを活用したマーケティングコミュニケーション施策。「コードアワード2015」は、広告主や広告会社、制作会社によって構成されるプロジェクト・チームを対象に、3月3日~4月13日にかけて、応募を受け付ける。応募に必要なエントリーシートは、オフィシャルサイトよりダウンロード可能。審査の結果、最も優れた作品にグランプリを、また、異なる審査視点に基づく「ベスト・イフェクティブ」、「ベスト・イノベーション」、「ベスト・キャンペーン」、「ベスト・クラフト」の4つの賞を設けそれぞれ作品を選出する。このうち「ベスト・イノベーション」と「ベスト・クラフト」は、今回新設された賞。「ベスト・イノベーション」は、新たなビジネスモデルやプロダクト/サービスの付加価値を創造した施策を対象とし、「ベスト・クラフト」は、アプリ、コンテンツなどのデジタル上で展開された広告などを対象に、そのデザイン性・企画性・ユーザビリティなどを総合した技術力が伴う施策を対象とする。
2015年02月12日マイナビニュースは2月3日、「マーケティングチャンネル」を新設する。今後は、企業のマーケティング担当者や経営者を対象に、主にデジタル・Web関連のマーケティング施策やツールに関して情報発信を行っていく。マイナビニュースでは、これまで、マーケティング関連の情報を集約した「マーケティングカテゴリ」を「エンタープライズチャンネル」内に設けていたが、このたび、記事の掲載スペースを拡大することで情報発信の強化を図る考えだ。新チャンネルは、企業のマーケティング施策やキャンペーン事例などを扱う「マーケティング戦略カテゴリ」や、アドテクノロジー・動画広告・SEOといった「Web広告カテゴリ」など計7カテゴリを設置。「データカテゴリ」では、2014年も大きな注目を集めたビッグデータの分析から活用までを紹介するほか、ECサイトやオウンドメディアの構築、楽天市場などへのモール出店・運用等の情報を提供する「Webサイト構築カテゴリ」、O2OやBeaconなど実店舗とデジタルの融合やチャネルの多様化に関する情報を扱う「オムニチャネルカテゴリ」、ITベンチャーの最新動向や新サービスなどを紹介する「ネットニュースカテゴリ」、街頭・電車内・店頭などに設置されるデジタルサイネージに関する製品やソリューションの情報を提供する「デジタルサイネージカテゴリ」を設ける。なお、ニュースを中心とした最新情報だけでなく、基礎知識やノウハウも発信する予定で、連載や有識者インタビュー、マーケティング施策事例、イベントレポートなどを随時更新していく。
2015年02月03日本連載では、企業のマーケティング担当者向けに、RTBをはじめとしたアドテクノロジーについて、わかりやすく解説していきます。アナリティクスやマーケティング・サイエンス、最適化(オペレーションズリサーチ)視点を意識しつつ、DSPの選定や活用が可能となることを狙いとします。まずは、今回と次回の2回に分けて、アドテクノロジーの歴史を簡単に振り返ります。○インターネット広告は、どう生まれ、変化していったのか昨今のインターネット広告は、広告費全体に大きなシェアを占めています。電通が発表した「2013年日本の広告費」によると、インターネット広告費は媒体構成比の15.7%となります。なぜ、このようにインターネット広告市場が拡大しているのか、疑問に思う人も多いのではないでしょうか。拡大の背景には、インターネットユーザーの利用変遷と、アドテクノロジーの進化が密接に関係しています。以前のインターネット広告といえば、「純広告」と呼ばれるWebサイト内の特定位置に設けられた広告枠に、一定期間分の広告費を支払い掲載する手法が主流でした。純広告は、まず、1カ月当たりの掲載費はいくらかという期間保証型の課金形態から始まります。その後、ブロードバンドや定額制料金などによりインターネットサービスが爆発的に普及すると、インターネット・メディア(メディア)も相次いで立ち上がり、純広告の課金形態も期間保証型だけでなく、インプレッション課金(CPM)やクリック課金(CPC)などが浸透していきました。そして、インターネット広告市場を大きく伸長させる要因の一つとなった「検索連動型広告」が台頭します。ユーザーの検索結果画面に対し関連性の高い広告を表示するこの手法は、ユーザーの入力した検索内容と、広告の関連性を品質スコア化しマッチングさせる技術や、CPC課金をオークション形式で複数者が同時に入札できる技術、これら要素の総合評価で表示順位を決める技術などを採用。検索結果の品質を維持しつつ効率的な広告手法として確立されていきました。一方、Webサイト内の広告枠に画像を表示する「ディスプレイ広告」は、インターネットの普及によりメディア事業へ進出する企業の増加や、ユーザー自身がコンテンツを生成する、いわばソーシャルメディアの先駆けとなるCGM(Consumer Generated Media)サービスの台頭などに影響を受け、変化していきます。そして、これらのメディアでは、「ユーザーは無料で利用でき広告主は掲載費を払う」という広告モデルを前提としていたため、多くの訪問ユーザーを持つ一部のメディアを除き、多くの小規模メディアでは、営業リソースが少なく充分なマネタイズが難しくなっていました。このような状況の中で、小規模メディアの広告枠をパッケージ化し広告配信を管理・販売するサービスとなる「アドネットワーク」が登場しました。○アドネットワークとアドエクスチェンジ「アドネットワーク」とは、ひとつの事業者が複数のWebサイトやページを広告配信対象としてネットワーク化し、広告の受注を一括して請け負うサービスです。メディアは、提供可能な広告枠にjavaScriptを埋め込んでおくだけで、アドネットワーク事業者から決められた条件にてさまざまな広告主のバナー広告が配信されます。また、「ターゲティング機能」を持ったアドネットワークが登場し、メディア価値だけでない視点での配信も可能となりました。こうして、アドネットワークは小規模メディアのマネタイズをサポートすると同時に、効率的に広告枠を買い付けたい広告主の調整役を担っていきました。しかし、複数のアドネットワーク事業者が存在することで、例えば、「アドネットワークa」では広告枠が余っているが、「アドネットワークb」では広告枠が足りていないという需給のバランスが崩れるといった課題も発生してきます。そこで登場したのが、アドネットワークの需給の調整を行う取引所としての「アドエクスチェンジ」です。第2回は、このアドエクスチェンジのほか、RTB(リアル・タイム・ビッティング)市場の発展についてふれていきます。○執筆者紹介ソネット・メディア・ネットワークス 商品企画部2000年3月に設立。ソニーグループの一員として、インターネットサービスプロバイダー(ISP)を運営するソネットの連結子会社としてインターネットマーケティング事業を展開する。国内最古のアドネットワーク事業者として10年以上の実績があるほか、RTBの市場拡大に先駆け、DSP「Logicad(ロジカド)」を自社開発。2014年10月には、インターネット広告に関する技術の精度向上を目的とした研究開発を行うラボを新たに設立するなど、独自のポジションを築く。
2015年02月03日