こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数字と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。研修やセミナーなどでお会いする方の悩みのひとつに、「仕事で必要な数字が頭に入らない」というものがあります。なるほど。たしかにビジネスにおいて、数字は切っても切り離せないもの。知識として持っておかないといけない数字もあるでしょう。しかし、そうはいっても人間です。必要な数字がすべて完璧に頭に入っているなんてことはあり得ません。そこで、私からの解決策のご提案です。数字は「覚える」のではなく、「つくる」のです。誰しも、興味のないものやイメージしにくいものを覚えるのは難しいものです。つまり、「覚えなきゃいけない」という発想自体を変えるということです。■売上はサッと出てこないとダメな数字たとえば靴でおなじみ「ABCマート」をテーマにしてみましょう。唐突ですが、ABCマートの年間売上高をご存知でしょうか?靴業界に興味がある方ならすぐに答えられるかもしれませんが、おそらくご存知ないでしょう。ところが、もしもあなたがなんらかの形で靴という商品に携わるビジネスパーソンだったとしたら、これはサッと口から出てこないといけない数字だということになります。もし認識していないのであれば、その数字をウェブで調べてつかむこともひとつの方法です。でも、そこで数字を知ることは、単なる暗記と同じです。時間が経つと忘れてしまう可能性があるのです。そうではなく、自分の頭でざっくりつくれるようにしておきませんか? たとえばこのように。■ABCマートの年間売上高はいくら?まず、国内の靴の市場規模はどのくらいだろうかと考えましょう。人口1.3億人のほとんどが靴を使っていますから、ざっくり平均で単価1万円として考えれば、1.3(億人)×1(万円)=1.3(兆円)となります。そのうち、ABCマートのシェアはどのくらいでしょう?国内には老舗の靴屋もありますし、大小すべて含めて考えれば、だいたい10%程度のシェアでしょうか?1.3(兆円)×0.1=1,300(億円)でも、たしかABCマートは海外展開もしていたはず。それも考慮すると、ざっくり2,000(億円)程度でしょうか。結論として、およそ2,000(億円)程度と推測できるわけです。■必要な数字は覚えないで「つくろう」実際、ABCマートの公開情報によれば、2016年2月期の数字は2,381億円を超える規模とのこと。中学生でも理解できそうな短時間の概算での割には、筋のいい推論だったようです。このように、ビジネスで必要な数字は「覚える」のではなく、「つくる」ようにしましょう。一方で、「考えるのが面倒くさいから覚えた方がラク」というご意見もあるでしょう(苦笑)。では、あなたの会社が属する市場の規模、顧客人口、平均単価、売上高、営業利益率、経常利益率、人件費、在庫回転率、これらの数字をすべて「覚える」ことができるでしょうか?いいえ、おそらく無理でしょう。しかも、これらの数字のなかにはおそらくGoogleで検索してもわからないものもあるはず。Googleに頼るのは、やはり間違っているのです。だからこそ、「覚える」のではなく、自分で「つくる」ことでその数字をつかめるようになっておくことが大切なのです。使うべきはGoogleではなく、自分のアタマであることをお忘れなく。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年08月03日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数字と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。さて、突然ですが「数字が読める人」とは、いったいどんな人のことを指すのでしょうか?決算書が読める人?データ分析が得意な人?それとも、日経新聞を読んでいる人でしょうか?数字に強いビジネスパーソンを育成する立場から、この問いに答えてみたいと思います。ズバリ、数字が読める人とは、数字から行動を導ける人です。これについて、簡単な例で考えてみましょう。■平均身長170cmはどう読むか仮にあなたが、アパレルブランドをプロデュースする立場にあるとしましょう。そして、日本人の平均身長が170cmだとします。数字が読める人とは、この170という数字を文字どおり読むだけでは終わりません。この数字から、日本人の身長データは正規分布に従っていると仮説を立て、170cmあたりのサイズを多めに生産するべきだと考える人でしょう。ちなみに正規分布とは、確率論や統計学で用いられる代表的なデータ分布のことを指します。平均値の付近に集積するようなデータの分布を表した連続的な変数に関する確率分布です。■数字を読むときに考えるべきこと—————————————–平均身長170cm↓(つまり)日本人は170cm前後の身長が多いと思われる↓(なぜなら)日本人の身長データは正規分布に従っていると思われるから↓(したがって)170cm前後のサイズを多めに生産するべき—————————————–このように、数字を読むときのコツは、その数字を見たときに「つまり」「なぜなら」「したがって」を自問自答しながら考えること。そして、「◯◯◯しましょう」「◯◯◯するべき」といった“すべき行動”を導くことなのです。■3つの接続詞を自分に問いかける「先月の予算達成率は95%」という数字を見れば、予算未達だったことは誰にでもわかります。でも、それだけでは数字を読んだことにはならないのです。ビジネスにおいては、「で、どうすればいいの?」の答えがないといけませんよね。—————————————–「先月の予算達成率は95%」↓(つまり)5%ショート。これは、期待していた新製品の動きが鈍かったことが大きい要因である↓(なぜなら)他の製品は過去のデータを調べてみても、好調を維持しているから↓(したがって)早急に新製品の販売強化をするべきだ—————————————–この3つの接続詞を自分に問いかけることで、自然に数値分析をする思考回路になり、結論となる“すべき行動”も最短距離で導けます。しかも、それを上司やお客様など第三者に説明するときにこのまま使うことが可能。論理的でわかりやすい説明になっているはずです。数字が読める人とは、数字から行動を導ける人なのです。*どうかこの1行を頭の片隅に置いて、明日から会議資料やパソコンのなかにあるデータを眺めてみてください。「数字が苦手」と「論理思考が苦手」を一度に克服できる、一石二鳥の仕事術ですよ。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年07月29日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数字と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。私は多くの企業やビジネススクールなどで研修を行いますが、「数字が苦手なんです……」とおっしゃるビジネスパーソンが本当に多い。たしかに、「私は数字が大好きです」なんて人が少数派であることは事実でしょう。でも、それ以外の方は本当に「数字が苦手」なのでしょうか?この問いに対する私の答えは、「NO」です。いったいなぜなのか、ご説明しましょう。たとえば次の図をご覧ください。■2つのゲームが示すものここに描かれている数字を使って、2つのゲームを考えてみました。<ゲームA>「描かれている数字をすべて掛け算しなさい」<ゲームB>「描かれている数字をすべて掛け算しなさい。もっとも早く正解を出せた人には賞金100万円が進呈されます」もし、<ゲームA>をやれといわれたら、みなさんはどんな感情になるでしょうか。「なんでそんなことしなきゃならないの?」「あ~、計算って面倒くさい」恐らく、そんなところでしょう。ここに並んでいる数字の存在は、ストレス以外のなにものでもないかもしれません。では、<ゲームB>ではどうでしょう?現実離れした内容のゲームですが、もしも当事者なら夢中になって正解を追いかけるはずです。そして、そのときは決して「数字が苦手だからストレスを感じる」などとは思わないはずです。■数字が苦手な人はいないつまり、人間は「数字」そのものが不快なのではないのです。単に、意味づけされていない状態で数字を使うことを強要されるのが不快なだけ。おそらく多くの方にとってそれが、かつての算数や数学の授業だったのでしょう。「数字が苦手」な人など、本当はひとりもいません。数字という言語にきちんと意味づけさえできれば、数字を読んだり、口に出したり、サクッと計算することも不快ではなくなります。たとえば「営業利益率」という数字は、儲け方が上手か否かを測る数字ですね。そう意味づけをしてこの数字を読めば、自分のビジネスと世界中の企業とを比較することができます。またビジネスがうまく“まわっているか”を測る数字という意味づけをすれば、「在庫の回転率」という数字についても、前月や前年との比較がおもしろくなるかもしれません。*「数字の並んだ表を見ただけでクラクラする……」なんて人は、ちょっと考え方を変えてみてはいかがでしょうか。「意味づけをしっかりしてから、数字を使ってみよう」と。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年07月18日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数字と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。カッコいいけど冷たい人と、ダサいけど思いやりのある人。さて、最後に幸せになるのはどちらでしょう?今回は、そんなお話をしようと思います。■オシャレじゃないけど優秀なPOPの使い方先日、某アウトレットモールにあるアパレルショップに入ったときのことです。店内に、数字がビッシリ書かれたPOPが置かれていました。このPOP、よく見てみるとそのブランドの商品すべての定価に対して、「10%OFF」「20%OFF」などと割引率に対応させた実際の売価が細かく記載されているのです。パッと見は、たしかにやりすぎ感があります。アパレルショップなのに、オシャレ感はゼロ(笑)でも、私はこのPOPはとても「いい数字の使い方をしている」と評価します。研修やセミナーで、お手本としてご紹介したいくらいです。ここまで評価するのは、いったいなぜだと思われますか?もし、通常のビジネスシーン(たとえば会議資料、たとえばプレゼンテーション)でこのように数字の羅列を見せるようなことをしたら、さすがにそれはNG行為だと思います。とてもじゃありませんが、そんな数字をじっくり読みたいとは誰も思わないからです。なにがいいたいのか、ノイズカットしたうえで簡潔に資料にまとめるべきでしょう。では、このアパレルショップの場合はどうか?■お客様は割引後の価格を知りたがっている!アウトレットモールに来場されるお客様は、プライスにきわめて敏感です。そんなお客様がいちばん知りたいことは、いったいなんでしょう?そうです、「割引された後の価格がいくらか」です。少なくともこのお店は、お客様は「何%OFF」かどうかより「何円」になるかのほうが知りたい情報であることを理解しています。自分たちがカッコつけるのではなく、たとえダサくてもお客様のことを考えている証です。また、ビジネス数学の専門家の立場からつけ加えると、「○○%OFF」の計算がその場でサッとできる方はとても少ない。たとえば定価5,900円の30%OFFを計算するとき、ちょっとストレスですよね。特に、桁の繰り上がりとかあるとアタマの中で計算するのはちょっとシンドイかも……?————————————————————一般的な人の計算・・・5,900×0.7=4,130円深沢の計算(ご参考)・・・(6,000−100)×0.7=4,200−70=4,130円————————————————————そろそろまとめます。カッコいいけど冷たい人と、ダサいけど思いやりのある人。このお店は、どうやら後者だったようです。伝える相手や状況が違えば、数字を使った伝え方もまったく違う。会議室では不正解だけど、現場では正解な数字の魅せ方もあるのです。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年07月12日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数字と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。この『Suzie(スージー)』は文字どおり、数字に関する情報を提供するサイトです。しかし実際のところ、「数字の大切さ」を正しく伝えることは困難でもあります。そこで、ビジネス数学の専門家として、今回はこのテーマを真正面から論じることにします。「不倫」「ダイエット」「お金」といったネタを楽しみにしている方にとっては、おもしろいものではないかもしれません。しかし、もしなんらかのお仕事をしている方であるならば、ぜひご一読くださいませ。■なぜ数字が大切なのか言える?私は初対面の方と名刺交換をすると、よくこんなことを相手から言われます。「深沢さん、数字に強くさせる専門家ですか?いや~、数字!大事ですよね~!」そこで、私はこのような質問をしてみるのです。「そうですね。ところで、なぜ数字って大事だと思うのですか?」すると、ほとんどの方が絶句します。その表情には「なぜ……?なぜと言われても……。ビジネスで数字は大切だよな。なぜといわれても……」という心の声が表現されています。「ビジネスにおいて、数字は極めて大事だ」「デキるビジネスパーソンは数字に強い」「やっぱり数字だよね」多くのビジネスパーソンが、このような台詞を考えもせずに“雰囲気”で語っています。しかし、不思議と「なぜ?」に明確に答えられる人がとても少ない。「なぜ?」に答えられないということは、厳しいいい方をすれば本当はそう思っていないか、本質を理解できていないのです。■スリッパはなんのためにある?では、私からその答えを申し上げます。「数字は、人の行動を決めるから」これが私の答えです。もちろん、説明が必要でしょう。少し唐突ではありますが、その説明に「スリッパ」を使います。屋内で履く、あのスリッパです。もし私がスリッパを渡されたとします。もしそのスリッパがちゃんと左右ともに重ねてあれば、私は無条件で「履くもの」と認識し、なんの疑いもなく履こうとするでしょう。しかし、もしそのスリッパが片方しかなかったとしたら、私は「履くもの」とは認識せず、誰かのアタマをパコーンと叩きたくなるかもしれません(笑)。そのような衝動にかられるのは、果たして私だけでしょうか……。■人は数量で行動を決める生き物私はこの話を通じて、こういうことが申し上げたいのです。「何事も最適な数量というものがあり、その数量を間違えると人の行動は変わる」「人は感情だけではなく、数量で行動を決めることも多々ある」私たちは間違った行動をしたくないし、してはいけません。これがビジネスならなおさらです。だから私たちは数量というものに敏感にならなければなりません。だから私たちにとって、数字は大事なのです。ランチの予算を1,000円と決めれば、オシャレなイタリア料理店の前では立ち止まるかもしれません。しかし、その予算が500円だったら、その店は間違いなく素通りするでしょう。人は、数量で行動を決めるのです。*文系とか理系とか、数字が好きとか嫌いとか、そんなことをいっている場合ではありません。そんな次元で考えてはいけないほど、私たちにとって数字というものは大事なものなのです。どうかその重要性を正しく理解したうえで、これからも数字とつきあっていってほしいと思います。そして、これまでは私の記事に興味が湧かなかった方も、この『Suzie(スージー)』を通じてこれから私の発信する情報にぜひ注目していただけたらうれしく思います。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年07月05日「数字ってなんだか難しい……」そんなふうに、数字が出てくると身構えてしまうことはありませんか?でも、身の回りにはたくさんの数字があふれているもの。「お金」にかかわることはその筆頭です。そして、お金と深い関係にあるのが政治。私たちの生活に大きな影響を与える政治は、非常に多くの場面でお金を基準に物事を判断しています。「政治センス」は「数字センス」ともいえるのです。そんなとき、「私は数字に弱いから、政治のことは政治家に任せて……」なんて考えていると、あとで大変なことになるかもしれません。そこで、ある町の町長さんになったつもりで、自分の政治センスがわかる簡単な数字クイズを。「マル」か「バツ」かの二択なので、気軽に挑戦してみてください。■政治センスがわかるクイズ・問題編ある小さな町の2012年の高所得者(年収500万円以上)の年収の平均は1,600万円でした。2016年にもう一度調査すると、1,700万円に増えていました。さらに、2012年の低所得者(年収500万円未満)の年収の平均は250万円でした。2016年にもう一度調査すると、300万円に増えていました。「高所得者も低所得者も収入の平均が上がっているのは喜ばしいことだ!」と、町長は喜びつつも違和感を隠し切れませんでした。「いや、景気悪いよね?どんどん悪くなっているよね?この町」調査をすると、全体の収入の平均は100万円下がっていたのです。こんなことが起こるのでしょうか?■政治センスがわかるクイズ・回答編“政治センスを問う”なんて言われると、身構えてしまうかもしれませんね。答えはマル、つまり「起こり得る」です。ここには、どんな数字のカラクリが隠されているのでしょうか?まずは数字を整理してみましょう。高所得者の年収は、2012年が1,600万円 → 2016年では1,700万円。100万円増えています。一方、低所得者は2012年が250万円 → 2016年では300万円。50万円増えています。しかし、全体では2012年とくらべて、2016年は100万円平均が低下しているということでした。この問題のポイントは、「全体を2つのグループに分けている」という点です。不景気により、多くの人の年収がダウンしています。そのため、「年収500万円以上」の高所得者グループのうち、下層である年収500万円ちょっとの人々が、年収の低下で大量に「年収500万円未満」の低所得者グループに流れ込んできたのです。彼らは、年収が減ったとはいえ500万円に近い層で、低所得者グループのなかでは高い年収を持っています。そのため、この層の流入で低所得者グループ全体の平均年収は押し上げられることになります。高所得者グループにとっても、グループ下層であった彼らが低所得者グループに移動することによって「重し」がなくなったため、平均年収が上がります。「高所得者グループ」「低所得者グループ」という名前のせいでややこしくなっているものの、2012年と2016年ではそのグループを構成するメンバーは違うということ。このため、全体の平均年収は落ちているのに、それぞれのグループの平均年収が上がるという奇妙な現象が起こり得るのです。■数字のカラクリにだまされない方法数字が苦手な人ほど「数字はウソをつかない」と思いがち。でも数字にはカラクリがあって、その区切り方や見せ方で、実際とは違う結果を示すことが可能です。そう、数字はウソをつくことがあるのです。今回出てきたような「平均値」はとくに、区切りなどの操作で本来とは違ったイメージを導き出すことができてしまいます。こんな「数字のウソ」が、もし実際の政治のなかで応用されていたとしたら……。数字のカラクリにだまされないためにはどうすればいいでしょう?それは「疑問を持つこと」です。とはいえ、町民の年収の平均なんて気の遠くなるような計算です。小さな電卓ではなかなかできることではないし、「政治家の判断に任せて…」と考えてしまいがちですよね。そこで一般市民の私たちにできることは、自分の感覚を信じてこの町長さんのように「本当にそうかな?」と疑問を持つこと。疑問を持ったらできるだけいろいろな人の意見を聞いて、本当に納得できると思える意見を自分自身で判断する。それだけでも、数字のカラクリにだまされる危険を減らすことはできます。*折しも、7月10日は参議院議員選挙。そして参議院に解散はありません。この日のひとりひとりの判断が今後6年間の私たちの生活になんらかの影響を及ぼすわけですから、できるだけ多くの候補者の主張を知り、数字のカラクリに惑わされず、自分にとって正しい判断をしたいものです。(文/よりみちこ) 【参考】※快活脳!思考の罠と脳の基礎知識※老年若脳※IQ脳.net【クイズ】※北村良子・・・パズル・クイズ作家。書籍の他、企業、新聞、TV番組、雑誌等向けに作成。著書は『大人のIQパズル』(彩図社)『60歳からのボケないための思い出しパズル』(永岡書店)他。お問い合わせはフォームからお願いします。【画像】※BAR SEA-TURTLE』からどうぞ!
2016年07月02日こんにちは、深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数字と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。私の周囲に「かつて算数や数学で苦労したし、いまも数字が苦手。だから、子どもにはそういう苦労はさせたくないんですよね……」とおっしゃるパパやママが、たくさんいます。そんな悩みを持つご両親に、ぜひ実践していただきたいことがあります。それは、塾や学校に頼るのではなく、ご家庭のなかで数字を使って会話をすること。私はこれを、「親子で『数会話』」という言葉で表現し、推奨しています。■親子で「数会話」をしよう!数字を使って会話をしなさいといわれても、おそらくピンとこないでしょう。でも、たとえばこういう会話を子どもと日常的にしてみればいいのです。少し長くなりますが、おつきあいください。ママ「今日の算数はどんなお勉強をしたの?」子ども「たしざん」ママ「じゃあママからも問題を出すよ。□+△=10になるような、□と△をぜんぶいってみて」子ども「えっと~……(□、△)=(1、9)(2、8)(3、7)(4、6)(5、5)(6、4)(7、3)(8、2)(9、1)、これでぜんぶ」ママ「あら、なにか大事な数を忘れていないかしら?」子ども「……あ!(□、△)=(0、10)(10、0)」ママ「ピンポ〜ン!すごいじゃない!ぜんぶで11個もペアがあるのね。じゃあ、□をパパ、△をママとしたら、このなかでどのペアがパパとママになる?」子ども「え?わかんないよ」ママ「いいから考えてごらん。理由はなんでもいいから」子ども「……(□、△)=(1、9)かな」ママ「へえ、なんで?」子ども「パパとはほとんど話さないけど、ママとはよく話すから」ママ「なるほど(笑)。きっとパパはもう少しあなたとお話したいと思っているわよ」子ども「……じゃあもっとお話してみる」ママ「じゃあ、□と△がいくつくらいになるようにしようか?」子ども「(□、△)=(5、5)」ママ「いいじゃない。きっとパパもうれしいと思うよ」■「数会話」の2つのポイントこれは、あくまでも一例。要するになんでもアリです。ただ、2つほどポイントがあります。(1)とにかく数字で表現させる(2)どのくらいかをたずねる上記の数会話では、(1)は「じゃあ、□をパパ、△をママとしたら、このなかでどのペアがパパとママになる?」ですが、「パパとママはどの数字?」でもOK。パパママ以外でも、身近なものを数字で表現させてみましょう。また、(2)は上記で「じゃあ、□と△がいくつくらいになるようにしようか?」となっていますが、「じゃあ、□と△はいくつくらいが目標?」と聞くのもいいです。他には、「アンパンマンはどれくらい好き?」なんて質問もアリでしょう。■数字を身近な言葉と思うべしご存知のように、優秀なビジネスパーソンは例外なく、定量化して数字で議論することが得意です。今回ご紹介した親子の数会話は、まさにそんな大人に育てるための入り口になるのです。子どもに「数字」で苦労させないためには、まず幼い時期に苦手意識を持たせないことが重要になります。もしそこで「数字=キライ」になってしまうと、後から克服するのはかなり大変なことです。実際、私も大学で若者に数字の教育をしていいますが、強烈な苦手意識を持つ学生がいます。そんな学生への指導は、プロの私でも骨が折れます。そうさせないためにも、幼いころから「数字=普段の会話の中によく登場する身近な言葉」であると認識させ、親子の会話に「数」を持ち込むようにしてみてください。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年06月19日『ビジネスマンのための最新「数字力」養成講座』(小宮一慶著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、2008年3月に初版が発行されるや15万部以上のヒットとなった『ビジネスマンのための「数字力」養成講座』に次ぐ、8年ぶりの第二弾。著者は企業規模や業種を超えた「経営の原理原則」に基づき、幅広く経営コンサルティング活動を行っている経営コンサルタント。また、日経新聞の景気指標を用いた講演にも定評があります。本書の趣旨のひとつは、ビジネスパーソンの「数字力」の養成。しかし、もうひとつの趣旨にこそ、注目すべきポイントがあるといえるかもしれません。それは、数字をとおして日本の現状を理解してもらおうというもの。いま政治的、経済的に世の中で起こっていること、日本のディープな部分の多くは、公開されているさまざまな数字から誰もが知ることができるというのです。きょうはそのなかから、「日本の人口」に関する部分をチェックしてみましょう。■人口は毎年30万人ずつ減少中国勢調査は5年に1回、大規模な調査だと10年に1回しかないため、あくまで推計値だといいますが、現在の日本の人口はおよそ1億2,000万人だろうといわれています。昨年1年間で、30万人減っているのだそうです。昨年生まれた子どもの数は、約100万5,600人。亡くなった人の数が130万人強。一昨年は、生まれた子どもの数が100万1,000人で、亡くなった人の数が127万人。ときどき新聞に掲載されるこうした推定値から計算すると、だいたいのところ人口は30万人ずつ減っているわけです。ただし団塊の世代が亡くなりはじめるころには、毎年100万人単位で減るだろうと著者は推測しています。団塊世代は一学年200万人単位、多い学年だと現在でも約240万人ですが、このところ、生まれる子どもの数は100万人程度。今年成人式を迎えた人が120万人ですが、多少出生率が上がって、そこまで戻ったとしても、やはり人口は毎年100万人単位で減少していくだろうということです。放っておくと数十年後には8,000万人台になってしまうため、政府は1億人を目標にしているわけですが、あまり現実的ではないわけです。■構造をどう変えていくかが課題団塊世代は退職後も元気で、退職金がある程度入ってきて、経済的にも余裕があるため、GDPには消費面で貢献していることになるといいます。しかし著者が懸念しているのは、後10年も経つと、「もう旅行するのもしんどいな」という人たちが数多く出てくるであろうということだとか。つまり今後、人口が格段に減っていくことは確実で、消費も減っていくため、GDPの伸びも期待できないことになるのです。その一方、この先数十年にわたり、若い人たちの社会保険料負担と税負担が増えていきます。これも可処分所得が減るので、GDPの減少要因となります。だからこそ、この構造をどう変えていくかが、現在の最大の課題だということです。■アベノミクスは「机上の空論」この課題の難しさは、「経済が安定しないと子どもが増えない」という点にあると著者は指摘します。ただでさえ子どもを産まない理由としては経済的理由が大きいのに、経済が安定しない現在、将来不安のなかで進んで子どもを産む人が増えるとは考えにくいわけです。そうした状況下、「アベノミクスでGDPを600兆円に」などということは机上の空論だといわざるを得ない。著者はそう主張しています。90年代初頭、すでに(合計特殊出生率)「1.55ショック」というものがあり、こうした事態になることはわかっていたそうです。そして、現在の合計特殊出生率は1.46。なのになぜ、抜本的な少子化対策がとられてこなかったのでしょうか?この問いに対する答えは簡単。「票にならない」からだというのです。背に腹は変えられなくなったせいか、いまになって待機児童や保育所の問題が国会でも討議されるようになりました。しかし合計特殊出生率が回復しつつあるヨーロッパでも筆頭の位置にいるフランスでは、保育、学費など、多くの育児、教育費が無償。いまや50%を超える非嫡出子が、それらにおいて不利になることもないといいます。■名目GDPを上げることが重要ただしベースのところで、経済が豊かでないと支えきれないわけです。フランスも経済状態は決してよくはありませんが、ひとりあたりのGDPは日本よりはずっといい状態。それは、出生率が大きく回復したデンマークやスウェーデンなどの北欧諸国も同じだそうです。少子化対策もとったものの、基本は経済がよくなったからだといいます。一方、日本はどうでしょう?介護の問題もそうですが、経済の足腰をいかに強くするか。重要なその点が、ずっとなおざりになっているというのです。だからこそ重要なのは、とにかく名目GDPを上げることだと著者はいいます。それ以外に、根本的な方法はないとも。*著者の解説はとてもわかりやすいので、読み進めれば無理なく、数字を通じて世の中の構造を把握できるはず。ぜひ、手にとってみてください。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※小宮一慶(2016)『ビジネスマンのための最新「数字力」養成講座』ディスカヴァー・トゥエンティワン
2016年06月14日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数字と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。以前、ある企業の研修に講師として登壇したときの話です。休憩時間に、参加者のひとりからこのような質問をされました。「深沢先生のような“数字アタマ”になるには、いったいどうしたらいいですか?」おもしろい表現をするなと思いました。“漢字アタマ”とか“ローマ字アタマ”なんて表現、まずしませんからね。にもかかわらず、私にもすぐにニュアンスが理解できました。それだけ私たちは、数字で考えることを特別な能力だと思っているのかもしれません。しかし、私は決してそんなことはないと思っています。どんなに数字が苦手な人でも、“数字アタマ”になることは可能だからです。今回は、そのためのアプローチ方法と実際の思考トレーニングをひとつご紹介しましょう。安心してください。誰でも1分間でできる、とても簡単なものです。■クイズの作成が数字アタマになる近道さっそくですが、次の質問に1分間で答えてみてください。Q.あなたは昨日、階段をぜんぶで何段上り下りしましたか?概算でお答えください。……もちろん、1段ずつ数えているなんてことはないでしょう。仮に万歩計を持っていたとしても、上った(下った)階段の段数だけを測ることはでいないはずです。ということは、この質問に答えるためにはアタマを使う必要があるということです。要するに、数字とアタマを使わないと答えられないようなクイズを考え、スキマ時間に遊ぶことが“数字アタマ”になるための最短距離だということです。さて、上記の質問ですが、私ならこう答えます。A.最寄り駅の階段が仮に50段だとしたら、行きと帰りで2回。(50×2=100)さらに打ち合わせに出向いた企業の最寄り駅の階段も利用。(50×2=100)そのあと移動する際に歩道橋をいちど渡ったので、その歩道橋の階段も50段だと仮定。(50×2=100)ここまでで合計すれば、100+100+100=300(段)「思っていたより少ない」というのが私の所感です。いずれにしても、このような数字があると、健康と体力向上のためにエレベーターやエスカレーターのある場所でも、あえて階段を使ってみようかなと思えます。つまり、気づきと改善策を得ることができたわけです。・数字で測るから具体的な情報になる・具体的な情報になるから、気づくことがある・気づけるから、改善もできるビジネスにおいても、まったく同じことがいえますよね。■1日1分の習慣で数字アタマになれる普段からほんの少しのスキマ時間(1日1分間で十分)を使い、アタマのなかで数字を使って測る習慣をつけてみましょう。すると、ビジネスの商談やミーティングなど、サクッとアタマのなかで概算する必要があるときにも、簡単に数字をつくれるようになります。少なくとも、日本でただ1人の「ビジネス数学の専門家」は、いまもそのようにして“数字アタマ”を鍛えています。日々の1分間の使い方を変えれば、“数字アタマ”は簡単につくれるのです。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年06月07日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数字と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。■女性はギャップに弱い私は男性ですが、かつて女性の友人が複数いる食事会に参加したとき、彼女たちがこんな話題で盛り上がっていたことを記憶しています。「ギャップに弱い」みなさんも心当たりがあるのではないでしょうか。恋バナ(恋の話)においては、定番なのかもしれませんね。「遊び人に見えるのに、意外とマジメだった」「仕事ができなさそうなのに、実はエリートだった」「おとなしそうなタイプに見えたけど、意外と積極的だった」「実はいい年齢なのに、とても若々しく見える」などなど……。私は心理学の専門家ではないので学術的な説明はできませんが、少なくとも恋愛においては「ギャップに弱い」というのは事実かもしれません。■数字を使ったギャップそこで、ビジネス数学の専門家である私は、このようなテーマでお話をすることにします。ビジネスパーソンならば、意図的に「数字を使ったギャップ」を演出せよ。どういうことか、説明しましょう。実は「ギャップに弱い」は、ビジネスコミュニケーションにも当てはまります。たとえばこんな表現で伝えられると、思わず「すごい!」と思ってしまいませんか。・入社わずか1年で、営業成績は第1位を獲得した。・コストは20%カットしたのに、売上は30%もアップさせた。・たった1人で、従業員1,000名分の勤怠管理をしている。実際、これらがもし本当ならすごいことです。そしてこれらに共通するのは「ギャップ」があること。「差」と表現してもいいでしょう。ならば、ビジネスにおける「差」は数字で表現できるものがほとんどのはずです。すごいこと=ギャップ=差=数字で表現できることしかし、もしこれらの「すごいこと」がこのような表現で伝えられたらどうでしょう。・入社してからすぐに、すごい営業成績を残した。・コストは減らし、売上は増やした。・すごい人数の勤怠管理を任されている。そのすごさは伝わってきませんよね。つまり、せっかくのすごさ(=ギャップ)も、数字を使わなければまったく伝わらないのです。なんともったいないことでしょう。人はギャップに弱い。それはビジネスコミュニケーションにおいても同じです。だからこそ、そのギャップをきちんと数字で表現しましょう。最後に、今回のエッセンスが見事に体現されていたビジネス書のタイトルをご紹介します。当たり前ですが、本は買ってもらわないといけないものです。だから、そのスゴさをうまく伝えないといけません。このふたつは、ギャップを上手に数字で表現していますね。・言葉ひとつで儲けは10倍・99%の人がしてないたった1%の仕事のコツちなみに後者はある年もっとも売れたビジネス書といわれ、大ベストセラーとなったそうです。たとえばプレゼンで使うメッセージを考える際の参考になるのではないでしょうか。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年05月18日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数字と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。■「数字で報告してくれ」の真意上司に、こんなことをいわれた経験はありませんか?「ちゃんと数字で報告してくれ」「資料にはちゃんと数字を入れてくれ」いわれた瞬間に「数字?めんどくさいな~」と憂鬱な気分になって、どんな資料を見せてどんな報告をすればいいのか途方に暮れる……。そんなビジネスパーソンも決して少なくないでしょう。しかし、ここで間違えてはいけないことがひとつだけあります。この上司のリクエストは「数字を伝えてほしい」ということではなく、「ポイントとなるメッセージを数字で伝えてほしい」ということだとういう点です。■「文章1と文章2」の違いとはたとえば、次の2つの文章を読んでみてください。<文章1>先週の数字ですが、売上高は500万円であり、営業利益は145万円。営業利益率は29%でした。ちなみに先々週は売上高が400万円であり、営業利益は100万円。営業利益率は25%です。つまり、営業利益は45万円増加し、営業利益率は25%から29%へと4ポイント増加しました。参考までに、先週の客数は250人、先々週は200人です。つまり、客単価は先週も先々週も2万円と変わりませんでした。<文章2>先週のトピックスは営業利益45万円増と営業利益率4ポイント増の2つです。その要因はプロモーション強化による客数増(50名)と、利益率の高い新製品がよく動いたことと考えられます。■ストレスを感じるのはどちら?さて、読んでいてストレスを感じる文章はどちらだったでしょうか。あるいは想像してみてください。ご自分がこの文章を耳で聞く立場だとしたら、どちらの伝え方のほうが状況を理解でき、最後まで聞けるでしょうか?答えはおそらく、<文章2>でしょう。上司もおそらく同じだと思います。いくら数字に強い人であっても、たくさんのデータを眺めたり、たくさんの数字が登場する会話を聞くのはストレスなのです。でも立場上、状況は正確に把握し、正しい指示をしなければなりません。あるいはその上司は、その状況をさらにその上司に説明しなければらないかもしれません。ですから、当然こういう思考回路になるのです。「ポイントだけでいいから、極めてわかりやすい言葉で伝えて」■上司への報告は数字で伝えよう上司が求めている「数字」は、メッセージが込められていない無機質な数字ではありません。もしそれを求めているのなら、ITで自動化でもしてパソコンの画面で数字の羅列をいつまでも眺めていればいいのです。きちんとメッセージが込められた、人の血が通った数字が求められているのです。どの職場でもソツなく仕事をこなしながら上司ともうまくやっていける人は、みんなこのことがわかっています。決して上司に媚びなさいといいたいわけではありませんが、ストレスなく仕事をしていくためには、上司とのコミュニケーションは避けて通れません。ならば、上司にできるだけストレスをかけずにコミュニケーションできたほうがトクですよね。「数字を伝える」ではなく、「数字で伝える」。つくった報告資料、きちんと血が通っていますか?(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年05月17日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数字と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。先日、スポーツジムでトレーニングしたあと、体重計に乗ったときのことです。デジタルの体重計に表示された数字は以下のとおりでした。55.55kg「おぉ、ゾロ目だ!」と、思わず喜んでしまいました(笑)。「だからなんだ?」といわれてしまうと、それまでのお話です。55.55kgも48.32kgも単なる体重という数字であり、なんら変わらないのですから。しかし、この「ゾロ目」という数字は、なぜか人の心をちょっとだけ動かすチカラを持っているようです。■なぜゾロ目の数字は魅力的なのかたとえば、ふと見た瞬間のデジタル時計の表示が「11:11」だったら、なにか特別な瞬間を目の当たりにしたような感覚になりませんか?たとえば、ナンバープレートが「33-33」の車を見かけたら、ちょっと「おっ!」と思ってしまうのは、おそらく私だけではないはずです。不思議ですよね。数字が揃っているだけで、ちょっと特別なことが起こったような気がするのです。私は心理学者ではありませんから学術的なアプローチはできませんが、とにかく私たちはゾロ目の数字には特別感を感じてしまうようです。これを私なりにいいかえて表現すると、こうなります。「人は、『数字が揃っている』という現象に特別感を持ち、意味づけをしやすい」■数字が揃うと謎の説得力がある!この人間の習性を、普段のコミュニケーションでも役立てられないでしょうか?私の答えは「YES」です。具体的には、誰かに「なるほど~」「へぇ~」といってもらえるような説得力ある話をしたいときに、このエッセンスが活用できるのです。たとえば、ビジネス。過去3年間の売上高はバラバラだけど、営業利益率はずっと5%で推移してきたとします。これはいわば、「555」というゾロ目の状態であり、おそらくあなたもデータの中で「555」を特別な数字と認識し、いまのままでは来期も営業利益率5%程度の着地になるという意味づけをするでしょう。2013年:売上4,200万円/利益210万円/利益率5%2014年:売上3,500万円/利益175万円/利益率5%2015年:売上6,400万円/利益320万円/利益率5%2016年:売上???/利益???/利益率???そして、そこには説得力が生まれます。なぜなら、人は「数字が揃っている」という現象に、特別感を持ち、勝手に意味づけをするからです。■マジカルナンバーもゾロ目と同じあるいは、こんな身近なテーマでも同じことがいえます。あるダイエット商材を試したAさんが、「1ヶ月で3kg、Bさんも1ヶ月で3kg、Cさんも1ヶ月で3kg痩せました」といわれたとしたら、「私もきっと1ヶ月で3kg痩せられる!」と思ってしまうかもしれません。それは、「333」というゾロ目に対して勝手に特別感を持ち、意味づけをするからです。心理学には、「マジカルナンバー7」などという言葉もあります。一度聞いただけで直後に再生できる記憶容量は、数にしてだいたい7つだという説です。その真偽はさておき、1週間が7日であることや、郵便番号が7桁であること、七福神、七不思議といった言葉の存在は、この話に信憑性を持たせますよね。ストレートにいえば、人間はこういう話が好きなのです。*裏を返せば、なにかを伝えたいとき、特に強力な説得力が欲しいときには、「数字が揃っている現象」をネタにすると威力を発揮することになります。誰かに「なるほど~」「へぇ~」といってもらえるような説得力ある話は、ゾロ目と同じ構造になっているのです。(文/深沢真太郎) 【参考】※ビジネス数学の専門家深沢真太郎〜数字が苦手な人の救世主〜-YouTube※ビジネス数学ブログ※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年05月06日7つの大罪、7人の小人、7つの海……。「7」はいつも特別な数字です。スロットでも、「7」が3つそろうと大当たりです。では、私たちはどうして「7」を特別な数字だと感じるのでしょうか?■「7」が好きな人は12.6%もいるイギリスのニューキャッスル大学では、442人に好きな数字とその理由を聞く調査を行っています。「7」は男女ともに、好きな数字の1位でした。「7」を選んだのは全体の12.6%で、6.8%だった2位の「4」に大差をつけました。「7」を選んだ人は、どうしてこの数字を選んだのでしょうか。「ラッキーだから」という理由ももちろんありましたが、「なぜかわからないけど好き」という人も少なくありませんでした。でも、「7」がこんなに特別だというのは不思議です。■バビロニア歴で1週間が「7」日間にそもそも、1週間は7日です。あまりにも当たり前のことなので普段は意識しませんが、ここにも特別な「7」が登場しています。どうして1週間は7日でなければならないのでしょう。どうして曜日は5つや8つではなく「7つ」なのでしょうか。これは古代バビロニア歴に由来しています。バビロニア歴では、新月から次の新月までを1か月としました。それを、新月、三日月、満月、三日月の4つの期間に分割すると、7日のまとまりができたのです。これがのちにユダヤ歴に受け継がれ、現在の1週間のもとになったと考えられています。誰かが「7」に決めたのではなく、自然にそうなってしまったようです。■人が短時間で覚えられるのも「7つ」自然にそうなっている「7」として、人間が記憶できる数があります。人は一度に覚えられるものの数は、7つまでだと言われているのです。それ以上は、短時間でおぼえるのが難しいと考えられています。また、脳は「7」に関係していることのほうが、より記憶しやすいという研究もあります。*「ラッキーナンバー」といった文化的な理由で特別な数として知られている「7」ですが、自然界のルールの中でも「7」は特別な数字として存在しているようです。(文/スケルトンワークス) 【参考】※Why ‘7’ is the luckiest number-the Conversation
2016年03月27日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。「数字に対する苦手意識がない人」今回はこれをテーマにしてみようと思います。■数字が苦手な人とそうでない人の違い数字が苦手でない人は、かつての算数や数学の問題が鮮やかに解ける人ではありません。もちろん、円周率の数字をスラスラ言える人のことでもありません。では、どんな人のことを指すのか。「“遊び”を楽しんだ人」これが私の答えです。いったいどういうことか、説明しましょう。数字が苦手な人とそうでない人は、いったい何が違うのか。多くのビジネスパーソンに尋ねてみた結果、ある共通点があることがわかりました。「人生のどこかで、“数字遊び”を楽しんだ経験がある」「数字遊び」とは何か特定のものを指しているわけではなく、アタマの中で数字を使って考える遊び全般のことを指します。■数字の苦手意識が消える簡単なゲームたとえば、電車に乗るとき。近年は電子マネーの時代になりましたから、切符を購入する人は減ったと思いますが、私はかつて切符を購入したときは、その切符に書かれている4つの数字を1回ずつ使い、四則演算で「10」をつくるゲームをしていました。(例)切符に書かれている4つの数字「4」「7」「1」「3」「7」−「4」=33×「3」=99+「1」=104つの数字を1回ずつ使い、四則演算で「10」がつくれました。「懐かしい。たしかに私もやった」なんて人も多いのでは?このような遊びは、ドライブの最中にも必ずしていました。前を走る車のナンバープレートは、恰好の素材ですから。実は私は今でもPASMOのチャージ時には必ず領収書を発行するようにしています。領収書には伝票番号があり、(たいていは)5桁の数字が記載されています。この数字を使って、同じように「10」をつくってみる。1パターンできたら、他のパターンもできないかチャレンジしてみる。電車に乗っているときの数分間の暇つぶしにちょうど良いのです。「文系だけど数字に強い人」は、皆さん何かしらこのような遊びをどこかで経験し、数字を使った楽しい時間を経験しているようです。楽しかった。面白かった。だから、数字に対する苦手意識があまりないのでしょう。「数字が苦手」はアレルギーのようなもの。できるだけたくさん数字を目にし、アタマの中に存在させる習慣を持つことが克服の第一歩です。いまからでも遅くありません。いつまでもSNSでゲームなんてしていないで、スキマ時間に数字で遊ぶ習慣を身につけませんか?数字に強くなるコツなんて、この程度のことなんです。(文/深沢真太郎)【参考】※深沢真太郎(2015)『そもそも「論理的に考える」って何から始めればいいの?』日本実業出版社
2016年01月29日ジャパンネット銀行は4日、数字選択式宝くじ「ロト7」「ロト6」「ミニロト」のインターネット販売を開始した。また、これを記念して、同日より「ロト」ネット販売開始記念キャンペーンを開始した。○ジャパンネット銀行の「ロト」の特徴買い逃し、当せん金の受け取り忘れの心配がない忙しい人でも、インターネットでいつでも宝くじを購入できる。定期購入予約もできるので、買い逃す心配がない。また、当せん金はジャパンネット銀行の口座へ自動入金されるので受け取り忘れがない。店頭購入時の申込カードをデザインした購入画面購入画面には、従来くじ売り場で使用している申込カードのマークシートデザインを採用し、店頭と同じ感覚で購入できるようにした。ジャパンネット銀行によると「マークシートのデザインは『ナンバーズ』のときもお客様から好評を得ており、このたびの『ロト』でも店頭で購入されるように違和感なく申込みができる」としている。当せん番号分析ページを用意直近3ヵ月と直近1年の当せん数字の出現回数を紹介している。○「ロト」ネット販売開始記念キャンペーンの概要期間:1月4日(月)~1月29日(金)内容:対象くじはロト7、ロト6、ミニロトA賞は、期間中に対象くじをいずれか合計500円以上購入した顧客の中から抽選で100名に、三井住友カードVJAギフトカード10,000円分をプレゼントする。B賞は、期間中に、対象くじをいずれか1口以上購入した顧客の中から抽選で4,000名に、Tポイント500ポイントがプレゼントされる。エントリー不要で、条件を満たすと自動的に抽選の対象となる。合計500円以上購入した顧客は、A賞・B賞とも抽選対象となるが、A賞・B賞の重複当選はない。今後もジャパンネット銀行は、顧客の幅広いニーズに応えることができるよう努めていくとしている。
2016年01月06日師走を締めくくる日本のテレビ番組といえば、「NHK紅白歌合戦」ですね。そこで、第66回を迎えることしの「紅白」について、数字にまつわるトリビアを集めました。大みそかにテレビを鑑賞しながら、ちょっと人に話したくなるネタを一挙ご紹介!■1:対戦成績は「紅29VS白36」で白組の圧勝!野鳥研究会が客席の色を数えたり、審査員と視聴者投票で決まったりする紅白の勝敗ですが、トータルでは白組が優勢。昨年も白組が勝利でした。ことしはどちらに軍配が?しかし、この勝敗を気にする人っているのでしょうか(笑)。■2:開始時の1951(昭和26)年はラジオのみだった1945(昭和20)年、終戦からわずか4か月後の大みそかに「紅白音楽試合」という名ではじまった音楽番組が、1951(昭和26)年1月3日に正月のラジオ番組として放送されたのが「紅白」のはじまり。大みそかのテレビ放送になったのは第4回(1953年)から。■3:ことしの出場歌手51組中、初出場は10組も!初出場の紅組は大原櫻子、Superfly、乃木坂46、μ’s(ミューズ)、レベッカ。白組はゲスの極み乙女。、BUMP OF CHICHEN、星野源、山内惠介、三山ひろしの計10組。特別企画には小林幸子が帰ってきます。■4:出場歌手の20組がメモリアルイヤー出場者の選考基準は「ことしの活躍」、「世論の支持」、「番組の企画・演出」の3要素。それに加え、ことしは「デビュー○年」や「グループ結成○年」などメモリアルイヤーの集大成として紅白に出る出場者が20組も!そのうち10周年以上を迎える名実ともに人気の歌手は16組にもおよび、本人やファンにとって感慨深い紅白となりそう。例)今井美樹(2回目)デビュー30周年AKB4(8回目)結成10周年Perfume(8回目)結成15周年松田聖子(19回目)デビュー35周年五木ひろし(45回目)デビュー50周年近藤真彦(10回目)デビュー35周年V6(2回目)デビュー20周年福山雅治(8回目)デビュー25周年森進一(48回目)歌手活動50周年など■5:出場者の過去最多人数は431人!前回2014年の431人が過去最多。中でもAKB48、SKE48、HKT48、NMB48の「AKB」グループとSMAP、TOKIO、嵐、関ジャニ∞、V6、Sexy Zoneといった「ジャニーズ」勢、そしてEXILE、E-girls、三代目JSoulBrothersの「EXILE」系も加わり、史上稀に見る大人数でした。■6:観覧争奪戦を勝ち抜いた2,702名だけが生で観られる会場のNHKホールは収容人数3,500人。関係者以外に生で観覧できるのは当選券を手に入れた人のみ!ことしは102万枚を超える応募枚数のうち1,351枚が当選(1枚で2人入場可)。当然、NHKの受信料をきちんと払っている人だけです。計算上、1人で755枚応募してやっと1枚が当選するという、もはや宝くじのようなプラチナチケットです。■7:出演者勢ぞろいで丸3日間の入念なリハーサル例年、12月29日から本番までの3日間は紅白関係者全員がNHK仕切りのもと、行動を共にするようです。司会者と全員の出場者が面接を行い、段取り確認や出場記念トロフィーの手渡しなどをします。本番通りに行われるカメラリハーサルでは、衣装も美術も、出場者同士のコント的かけあいも基本は本人が参加。アドリブはあり得ないというわけですね。■8:台本は500ページもあって「電話帳」と呼ばれる本番で使用する台本は「電話帳」と呼ばれるほどの厚みがあり、司会者と歌手のセリフが事細かに記されているそうです。台本にない言動をしようものなら、疲れもピークに達している全スタッフからの冷たい視線が突き刺さるそう。万が一セリフを噛んだら、タイムキーパーとカンペ出しのスタッフらが血まなこになって修正するとか。■9:打ち上げはNHKの食堂で約2時間、差し入れは各事務所からたっぷりと!お祭り騒ぎの本番を終えた出演者とスタッフを待つのは打ち上げ。例年NHKの食堂で年が明けた0時から約2時間行われ、出場者は他番組の中継やライブなどに各々散っていくそうです。「各事務所からの差し入れが大量にあって、嵐なんてオリジナルの嵐マークが入ったお菓子まであった」と、昨年に引き続きウラトーク(生放送中に副音声で盛り上げる)担当のバナナマンが明かしています。■10:「紅白」だけ2秒間のフェードアウトがない!CMのないNHKでは番組の最後2秒間の音量を絞りフェードアウトさせて、次の番組へとつないでいます。しかし「紅白」だけはそのフェードアウトがなく、急に次番組の「ゆく年くる年」へ。「紅白」の華々しいフィナーレから、静かで厳かな風景への切り替えが胸に刺さる演出だったのですね。あの瞬間も「紅白」の見どころのひとつではないでしょうか。*いつの時代も、誰でも、テレビの前で年内最後の夜を満喫できる「紅白歌合戦」。ことしはどんな演出で楽しませてくれるのでしょうか。2015年の大みそかまであとわずかです!(文/中田蜜柑)
2015年12月31日マイナンバー制度がはじまりましたね。私は正直なんのことかさっぱりわかりません(笑)。ナンバーといえば、とくにカップルには、注意しなくちゃいけない数字がたくさんあるそうです。この数字が、2人が長続きできるかどうかの鍵を握るなんてことも。そこで今回は、元No.1キャバ嬢のナナミ・ブルボンヌさんに「カレとの関係で注意すべき5つの数字」についてお話いただきました。■1.「1ヶ月ごぶさた」はレスの入り口「まずは『1』という数字。2人がセックスレスになってしまわないかどうか、見極めるのが一ヶ月です。2人が『そういえば1ヶ月してないな』と意識し始めるのがだいたい一ヶ月頃なんです」たしかに「一ヶ月」というのは、ひとつの節目かも。「もう一ヶ月かー」なんて思ったことがみなさんもあるはず。ここで「まあいいや、そのうちするでしょ」と楽観視してしまうと、ズルズル数ヶ月ごぶさたになってしまうそうです。■2.2回目のエッチ以降「一般的に、『男性は同じ女性とのセックスは2回で飽きる』と言われています。その後は、性欲だけじゃなく、彼女に対する愛情がないと交際が続かないということですね」2回っ!? 早くない(笑)? でももし本当にそうだとしたら、2回するときまでに、カレが十分あなたのことが好きって状態にしておかなきゃいけないってことです。だからこそ、付き合ってすぐにたくさんエッチをしちゃうのがよくないって言われるのかもしれませんね。■3.大きいケンカは3回したらダメ「『三度目の正直』という言葉がありますよね。3回も失敗したら、もう2人はダメです。心身ともに疲れ果ててしまうような大げんかは、2回まで。3回するってことは、もうこの先無限にありますよ(笑)」「三度目の正直」というのは、「一度目や二度目はあてにならないけど、三度目は信頼できる結果がでる」というものです。調べました(笑)。たしかに、大げんかって、一度や二度ならまだしも~ってところがありますよね。■4.4年で恋愛感情消えます「脳の仕組みとして、4年経つと恋人への恋愛感情は完全に消えてしまうんです。なので、これまでに『この人以外は考えられない』という信頼関係を築いておかないと、飽きられておしまいですね」4年以降は「好き」以外の安心感とか、友情とか、そういったもので関係を補っていく必要があるということ。でも、4年も付き合ってたら、自然とこういうものは備わってくる気がしますね。■5.5年で結婚しないとズルズルいく「これは完全に私の経験論なのですけど、やはり結婚するなら付き合って5年以内ですね。それを逃して、5年以上付き合った彼氏に振られて青春を台無しにした女性を多く見てきました」長く付き合って別れると、次の彼氏もできにくいし、年もとっちゃってるし、いろいろとキツいですよね・・・・・・(笑)。真剣に結婚を考えているなら、5年以内に勝負を決めなくちゃいけないかも。■おわりにどうでしたか? すぐに来る数字、まだまだ先の数字。いろいろありましたが、頭の片隅にでも置いておくといいかもしれませんね。こういういろんな人の恋愛の経験談から出てくる恋愛理論みたいなのって、けっこう怖いくらいに当たりますから。(遣水あかり/ライター)(ハウコレ編集部)
2015年12月01日普通に生活していれば、「0」を目にしないことはありません。ではみなさんは、「0」という数字がない世界を想像できますか?私たちにとっては信じられないことですが、「0」という概念は、古代数学者たちが悩みに悩み、他の数字のあとに発見した概念だったのです。「0」という数字の歴史に迫ってみましょう。■「0」の始まりは空位を表す記号「なにもない」ということを表す「0」ですが、最初に使われたのは数字の桁を埋めるためでした。大きい数字を表すとき、その位に数字がなければ「0」を書きますよね。たとえば「103」という数を表したい場合、「13」と書いてしまっては違う数になってしまいます。この空いた位を埋めるために使われたのが「0」の始まりだと言われています。「0」が使われる前は、空いた位を空欄にするなどで表記していたようですが、やはり間違いが多く不便だったようです。そこで空いた位に書く記号として「0」が使われ始めたのです。古代中国やバビロニア、インドなど、さまざまな国で使われていました。■計算における「0」の発見とは?では「1-1=0」といった計算で使われる「0」が発見されたのはいつごろなのでしょうか?計算における「0」という概念が発見されたのは、1300~1400年ほど前のインドだと考えられています。誰がどのように発見したのかは明らかになっていませんが、7世紀初頭の書物に「0」を使った計算式が登場します。ここでは「a+0=a」「a-0=a」など、ある数に0を足したり引いたりしても答えは変わらないことや、ある数に0をかけると必ず0になることなどが書かれています。いまでは当たりまえの数式ですが、「0」という概念がなかった時代に、わざわざ答えが変わらない計算式を考案したというのは、よほど頭の柔らかい人たちだったんでしょうね。現在もインド人は数字に強いことで知られていますが、十分に納得できます。✳︎考えてみれば、「なにもない」ことを字に書いて表すというのは不思議なことです。「0」のない生活など考えられませんが、「0」を使うようになるまでにはさまざまな人の試行錯誤があったのですね。「0」を書くとき、そのドラマに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。(文/スケルトンワークス)【参考】※ゼロの起源とその発見-寺下寛子
2015年11月27日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。今回はちょっとしたゲームを。■数字を使わないかけ算・質問編「紙とペンをご用意ください。次のかけ算を、数字を使わずに筆算する方法を考えてください。12×34=?」筆算ということは文字通りペンで書いて計算する方法ですから、電卓や暗算で処理しましょうという話ではありません。あくまで紙とペンで解決しなければなりません。私たちはかつて学校で、このようなかけ算はこう筆算すると学んだはずです。12×34————4836————408しかし、この方法は数字を使ってしまっています。いったいどうすれば、数字を使わずに筆算なんてできるのでしょうか。■数字を使わないかけ算・回答編このテーマに限りませんが、何事も考え方を変えれば道も開けるもの。よく喩えに使われますが、グラスに水が半分入っている状態を見て、「もう半分しか残っていない」と思うか、裏を返せば「まだ半分も残っている」と思うかの違いです。数字は使えない。でもそれは、裏を返せば「数字以外なら何を使ってもいい」ということでもあります。ならば、点と線だけで計算したって、構わないですよね。つまり答えは、線を交差させることで出来る交点の数を数え上げればおしまいです。一の位は「8」、十の位は上に位置する4と下に位置する6の合計である「10」、百の位は「3」ですから、結論は408となります。なんだか遊び心もあって、面白いですね。この筆算は12×34に限らず使えます。あらためて、計算というものを楽しんでみませんか。考え方を変えれば、道は開けます。遊び心を持てば、退屈だったものも面白くなります。(文/深沢真太郎)【参考】※深沢真太郎(2015)『数学女子 智香が教える仕事で数字を使うって、こういうことです』日本実業出版社
2015年11月25日こんにちは。深沢真太郎です。ビジネスパーソンを数と論理に強くする「ビジネス数学」を提唱する、教育コンサルタントです。「数字に強くなるために、日経新聞を読みましょう」そんな主張を聞いたことはありませんか?たしかに日経新聞は計指指標や様々な企業の業績が数字で記載されています。読むことで、数字に対する感覚が養われるという主張は一理あります。しかし、ほとんどの方が「読み方」を間違えています。私が提案する読み方はこうです。記事から読んではいけません。いったいどういうことか、説明します。■数字に強くなる「新聞の読み方」実はほとんどの方は、新聞をこういう順序で読んでいます。まずタイトルを読み、概要をつかむ→記事を読む→念のため表やグラフなど、補足資料も読むしかし、残念ながらこれではいくら毎日頑張って日経新聞を読んだところで、数字に強くはなれません。数字に強くなるための読み方はこうです。まずタイトルを読み、概要をつかむ→表やグラフなどを読み、その数字から何が言えるかを推測する→最後に記事を読み、答え合わせする単に数字を眺めているだけでは、残念ながら数字に強くはなれません。その数字から何がいえるのかを自分なりに考え、仮説を立て、確認する行為をして、はじめて数字に対する感覚は鍛えられるのです。前者の読み方だと、それをすることなくいきなり事実関係や考察を読んでしまいますので、事実の把握はできても、数字に強くなるトレーニングにはまったくならないのです。■記事は最後に読んだ方がいい理由1つ例を挙げましょう。今年の7月、「アルバイト、時給1,000円時代」というタイトルの記事が日経新聞に掲載されました。その記事内には、この数年アルバイトの時給が急激に上昇していることを表現する折れ線グラフもありました。あなたなら、この1,000円という数字と、上昇を伝える折れ線グラフだけから、今の日本では何が起こっていると想像しますか?なぜ時給が上昇しているのか。おそらく、若者の減少により採用側が人材を確保できないため、時給を上げて募集せざるを得ないのでしょう。このままだと、2020年には時給1,100~1,200円が相場という世の中になると推測できます。そして、2020年といえば東京オリンピックが開催される年。国内の飲食店、サービス業はちゃんとまわっていくのでしょうか……。つまり、この1,000円に上昇というニュースは、「若者にとって喜ばしいこと」ではなく、「日本、だいじょうぶ?」というニュースなのです。あなたもこのくらいの推測をしてから、実際に記事を読んでみましょう。実際、この日の記事内容も、私の考察と非常に近い論調でした。これが本当の意味での「数字を読み、数字の感覚を鍛える」ということ。あなたの新聞の読み方、間違っていませんか?(文/深沢真太郎)【参考】※深沢真太郎(2015)『数学女子 智香が教える仕事で数字を使うって、こういうことです』日本実業出版社
2015年11月23日漢数字の「八」は「末広がり」といって、縁起のいい数字とされていますよね。でも、アラビア数字の「8」も無限大の記号によく似ていて、縁起がよさそうです。ということで、数字の「8」について掘り下げてみました。■1:茅の輪くぐり「茅(ち)の輪くぐり」をご存知ですか?神社に6月や12月、草でできた巨大な輪が置かれているのを見たことがある人もいるかもしれません。イネ科の草などでつくった輪を8の字に3回くぐると、半年間にたまった汚れが払われるそうです。とある神社のウェブサイトによると、8の字にくぐる理由は漢数字の8が末広がりで縁起がいいから、という説があるのだとか。■2:マジック8ボールアメリカのおもちゃに、手のひら大の黒いボールに「8」と書いてある「マジック8ボール」というものがあります。これを手に持ち、「はい」か「いいえ」で答えられる質問を投げかけたあとにマジック8ボールを回転させると、答えがボールの小窓に出てくるという「占い」をして遊ぶおもちゃです。もともと、このおもちゃを考案した人の母親が占い師で、そこからアイデアを得たらしいのですが、当初の名前には「8」はついていませんでした。のちにビリヤードの「8」のボールに似せたデザインになり、現在の形と名前になったそうです。■3:数秘術の8数秘術(ニューメロロジー)では、数字の8は「事業」や「お金」に関係しています。財産、繁栄を意味する数字で、物質面と非物質面のバランスをとる数字でもあるのだといいます。■4:エンジェルナンバー「数字には天使からのメッセージが込められている」というエンジェルナンバーで有名なドリーン・バーチューによると、8は「無限」や「宇宙に無限に存在するあらゆるいいこと」を意味するそうです。たとえば「無限の愛」とか「無限のエネルギー」、「無限の時間」など。8は無限大のあの記号に形が似ているというのも、なにか関係しているのかもしれませんね。■5:聖書の8聖書における「8」は、復活や始まり、救いを意味しているといいます。それは、旧約聖書の創世記に出てくるノアの方舟の話で、方舟に乗って洪水を免れた人の数が8人だから。さらに、ゲマトリアと呼ばれる、言葉を数字に置き換えるカバラ数秘術で「イエス」を数字に置き換えると、「888」になるそうです。■6:八生道仏教には、「八正道」と呼ばれる、悟りに至るまでの8つの道があります。お釈迦様が最初に行った説法とも言われており、正見・正思・正語・正行・正命・正精進・正念・正定の8つです。■7:中国の8日本の漢字「八」の故郷とも言える中国でも、八は縁起がいい数字とされています。ただし日本人が「末広がり」という理由で好むのと違い、中国語の「八」の発音が、「発」と似ているからだそう。「発」には、拡大するとか発展するとか、財産を生み出すイメージが伴うのだそうです。そのため、8がつく不動産や車のナンバープレートなどは高く取引されるとか。*日本のみならず、さまざまな文化で「8」はミステリアスなパワーがあったり、縁起のよい数字と受け止められたりしているようですね。生活に取り入れてみたら、パワーがもらえるかもしれませんよ。(文/松丸さとみ)
2015年11月11日私たちの生活において、数字には重要な役割があります。特にビジネスシーンでは、数字は指標や判断材料として欠かせません。しかし、その正確さや公平性ゆえに、私たちは数字に縛られすぎるもの。たとえばレストランに行ったとき、値段を気にして食べたいものを我慢したり、「●●万部突破!」という文句につられて本を買ったりするなど、気持ちや感情は数字に左右されてしまうわけです。そんななか、オーストラリアの『The Age』では、数値化することへの疑問が述べられていました。■自分の身体に耳を傾けられなくなる?「多くの人が、数字で計れないものは管理できないという認識を持つ」そう語るのは、メルボルンにあるスポーツセンターの心理学者、ジャッキー・ラウダー氏です。スマートフォンの普及に伴い、さまざまなアプリケーションが使われる現代。自己管理もアプリケーションによる数値化に基づいて行われつつあります。こうした数値化テクノロジーの背景には、米国カリフォルニア州から始まったQS(Quantified Self)というムーブメントがあります。QSとは、コンピューターを用いて人間の行動や状態をトラッキングし、定量的に観測するという、1種の分析方法。プロのトレーナーや医者にとっては、定量化はとても有益なものになります。しかし、一般の人が単に定量化だけを行うと、自分の身体に耳を傾けることを止め、生活が数字に支配されてしまう危険性があるのです。■すべて数字で判断できるわけではないメルボルン大学の数学者であるジャン教授は、「数字はどんなときでも冷静で公平。議論の余地はない」と指摘します。事実と幅広い知識に基づいた判断は、思想や直感に基づく判断よりも遥かに優れていますが、すべてが定量化できるわけではありません。たとえば、文化と創造性について考えてみましょう。仮にある文学の質を測ろうとしたとき、作者がどれくらい本を書いてきたのか、その本がどれくらい売れているのか、読者をどれくらい楽しませたのかなど、どれを基準に判断すべきなのでしょうか?■人々は数字で余計な不安をなくしたいたとえば感情を測り、視覚化することはできるのでしょうか?自己管理アプリケーションReallifexのクリエイター、アレックス・プレイト氏によると、なにが起きているかをより理解し、不安をなくすためのクリアで事実に基づいた観点を持つため、人々は感情を測りたいのだそうです。自分になにが起きているのか、視覚化されたグラフで見ることができるとも述べています。しかしこれは、自分の感情に対して感情のない判断を下すことに繋がるのではないでしょうか。ちなみにこちらのアプリケーションはおよそ30,000回ダウンロードされており、ユーザーの大半が35歳以下の若い男性だそうです。■数字は人に誤った判断をさせない?オーストラリアで最大の投資ファンドの1つである、プラチナアセットマネジメント社の取締役社長であるカー・ニルソン氏は、毎日莫大な数字を最大限に活用して判断を行っています。ニルソン氏は、数字は意思決定に明快な判断理由をもたらし、感情よりも大事な判断材料になると述べています。しかし、タスマニア州のモナギャラリーの創設者であり、熱狂的なギャンブラーとしても知られているデビッド・ウォルシュ氏は自身のブログで、「シリアからの難民問題について人々の心を動かしたのは、難民70人がトラックで窒息したというニュースよりもクルド人の小さな男の子が波打ち際でうつ伏せに亡くなっている1枚の写真だった」と語っています。*技術の進歩により、現代社会ではさまざまなものを測れるようになっています。たしかに数字は重要な判断材料ですが、捉え方もまた人それぞれ。無理に数値化するのではなく、測れないものは自分の心や身体に問いかけていきたいですね。(文/スケルトンワークス)【参考】※Don’t let numbers rule you-life counts more-The Age
2015年11月04日数を計算するとき、他の人に数字を伝えるとき、私たちは無意識に手の形で数を表しています。数を表すジェスチャーは多くの国に存在するものの、表現の仕方は国によってさまざま。国別に、数字を表すジェスチャーをくらべてみましょう。■1:アメリカ・・・人差し指から順に立てていく人によって異なる場合もあるようですが、アメリカでは多くの場合、手を握った状態から、人差し指、中指、薬指、小指、親指の順に立てて数えます。日本で人に数字を見せる場合と同じですね。■2:中国、台湾・・・人差し指から順に立てて6以降は特殊な形中国や台湾では10までは片手での表し方が決まっています。1~5まではアメリカ式と同じですが、6~10までは中国と台湾それぞれ別の、その数字専用の特殊な手の形が決まっています。中国だったら6は親指と小指を立てる、7は中指、人差し指を立てて3本の指で丸をつくる、8は親指と人差し指を立てる、9は人差し指だけ立てた状態から丸めて親指にくっつける、10は人差し指と中指を立ててクロスさせて表します。台湾の6は中国と同じですが、7は2種類の表し方があり、なんと中国の8か9と同じ。これはとても紛らわしそうです。9は手を開いた状態から小指だけ折り曲げます。10は両手の人差し指でバツを作って表します。日本人が見たら何か断られていると勘違いしてしまいそうですね。■3:フランス、ドイツ他北欧諸国・・・親指から順に立てていくフランスやドイツその他の多くの北欧諸国では、手を握った状態から1で親指、2で人差し指、3で中指、4で薬指、5で小指を順に立てていきます。4のジェスチャーは日本式に慣れている人にとってはきついかもしれませんが、小さいころからこのジェスチャーをしている人たちにとっては簡単なようです。■4:フィリピン・・・小指から順に立てていくフィリピンでの数え方は、手を握った状態から、小指、薬指、中指、人差し指、親指の順に立てていく方法です。日本人が手を開いた状態から数を数えはじめたときの、6~10の数え方と同じですね。■5:インド、バングラディッシュ・・・指関節を親指で指し示す数学が強いイメージの強いインドの数え方は、日本から見るととても不思議。親指で他の指の関節のシワを指し示して数字を表すのです。小指の一番下の節からスタート。1のときに小指の一番下の関節、2のときは小指の下から2番目の関節、3のときは小指の一番の上の関節を同じ手の親指で触ります。小指が終わったら薬指の下の関節から、薬指が終わったら中指、中指が終わったら人差し指と続き、片手のシワで12まで数えられます。*外国で数字を使う機会は少なくありませんが、ジェスチャーで乗り切ろうとすると、思いもよらない数字にとられてしまうことがあるかもしれませんね。(文/スケルトンワークス)【参考】※Embodied numerosity: Implicit hand-based representations influence symbolic number processing across cultures-ScienceDirect
2015年10月30日飛行機は、いまや私たちにとって大切な移動手段。ところで、飛行機がどれくらいの高さを飛んでいるのかご存知ですか?意外に知らない、飛行機についての8の数字をご紹介します。■1:旅客機が飛んでいるのは高度1万m旅客機は離陸してからどんどん高度を上げたのち、しばらくは同じ高度を維持したまま飛行し、着陸前に徐々に高度を下げていきます。離陸時と着陸時を除いた、通常飛行時の高さを「巡行高度」といいますが、一般的に、みなさんが乗る旅客機の巡行高度は1万m。雲の上を飛んでいることは窓の景色からわかっても、実際に数字を知るとものすごく高くて驚きですね。■2:日本の空港の数は125いま現在使われている空港は、日本になんと125箇所もあります。ただし国土交通省の定義では、飛行場やヘリポートも空港に含まれるので、純粋な「空港」はこのうち100箇所程度。それでも多く感じますが、アメリカに5,000箇所以上あることを考えれば、日本における飛行機での移動はそれほど一般的とはいえないようです。■3:飛行機の重さは150t以上有名な「ジャンボジェット」はボーイング社の747という機種。その重さは150tを超え、およそアフリカゾウ18頭分です。しかし、これは飛行機本体の重さ。燃料や貨物、乗り込む人の重さを加えると、総重量は350t近くに達します。それだけのものが軽々と飛び上がるなんて、なんだか信じられませんね。■4:旅客機の巡航速度は時速1,000km最近JALやANAが導入した最新鋭の旅客機、ボーイング787「ドリームライナー」は、普段マッハ0.85の速度で運行しています。マッハ1が音速と同じなので、これは大まかにいえば時速1,000kmに相当します。飛行機のシートでのんびりしている間、高速道路を走る車の100倍近いスピードで移動しているわけです。■5:ちなみに世界最速の飛行機はマッハ2.83歴史上もっとも速かった飛行機は、ソビエト連邦が開発した70年代の戦闘機Mig-25です。マッハ2.83で安定して飛行できるように設計され、時速は約3,400km!こんなに昔の飛行機が最速記録を持っているとは意外ですが、当時アメリカと緊張状態にあったソ連にとって、すぐに現場にかけつけることのできる戦闘機の開発は、国家の総力を挙げた一大プロジェクトだったのです。■6:世界中で飛行機は登録されているだけでも10,000機以上未登録の自家用機などもたくさん存在するため、正確な数字は把握されていませんが、登録されている商業用旅客機だけでも10,000機以上あるといわれます。ちなみに日本では、二大航空会社であるJALとANAを合わせると、おおよそ450機強程度が運用されています。■7:飛行機事故に遭う確率は0.0009%飛行機が嫌いな人のなかには、「なんだか落ちそうで怖い」という人もいるのでは?でもアメリカ国家運輸安全委員会の調査によれば、飛行機事故に遭う確率はたったの0.00009%。自動車による交通事故に遭う確率は0.03%だということを考えれば、飛行機はイメージに反して驚くほど安全な乗り物なのです。■8:羽田空港の利用者数は年間6,600万人交際空港評議会の調査によると、2012年度の羽田空港の利用者数は年間6,600万人。ちなみにこれは世界第4位です。日本の総人口の半分程度が1年間で羽田空港で飛行機に乗っていると考えれば、その規模の大きさが想像できます。*いかがですか?次に飛行機に乗るときは、きっと見え方が変わっているかもしれません。快適な空の旅をお楽しみください。(文/スケルトンワークス)【参考】※空港一覧-国土交通省※Boeing 787-Boeing※Aviation Accident Database & Synopses-National Transportation Safety Board※事業規模-ANA※航空機数-JAL※Airports Council International-Annual Traffic Data
2015年10月23日仕事をするのは、なかなか大変なもの。初めての状況で戸惑ったり、壁にぶち当たったりすることも珍しくはありません。そこで今回は、社会人として知っておきたい「数字の2がつく言葉」をご紹介します。昔の人が考えたとは思えないほど、現代を生きる私たちにも当てはまることばかりですよ。■1:朝の一時は晩の二時に当たる(あさのひとときはばんのふたときにあたる)朝の時間は夜の時間にくらべて2倍も能率が上がる、だから仕事は朝に行うのがよい、という意味。昨今流行りの“朝活”をずばりいい表した言葉です。習い事や資格の勉強を出勤前に集中して行うと、気力も充実していてよい成果が挙げられるもの。こんな風に、現代のライフスタイルにもしっかり当てはまる、そんな奥深さがことわざ・故事の魅力です。■2:習慣は第二の天性なり(しゅうかんはだいにのてんせいなり)天性とは生まれつきの性質のこと。習慣はやがて体に深く染み込み、生まれつきの性質のようになる、という意味。物事の成功の秘訣は習慣づけすることだと教えています。たとえば、周囲に時間の使い方の上手な人、仕事を効率よくこなしている人、取引相手との交渉ごとや折衝が見事な人など、見習いたい人はいませんか?働き方にはその人のものの考え方、価値観が現われます。でも「だから変えられない」と思ってしまうのはあまりにももったいないこと。見習いたい人の行動パターンから、最初は「始業の5分前には業務を始められるようにする」「一呼吸長めのていねいなお辞儀をする」といった小さなことを取り入れてみましょう。続けていることで、いつのまにか物事への取り組み方全体、自分自身が変わってくることを実感できるはずです。■3:二度教えて一度叱れ(にどおしえていちどしかれ)部下や後輩が何か失敗をしたときには、叱るよりも繰り返し「なにがいけなかったのか」を教え、それでもわからなければ一度だけ叱るのがよいという、教育についての格言です。部下への接し方に悩む人は意外と多いもの。自分の業務に加えて部下の進捗状況も確認し、導いていくのは簡単なことではありません。「まだやってないの?」「こんなことなら自分でやった方が早い!」なんて思ってしまうことも。そんなときこそ、この言葉を思い出してください。声を荒げて感情を爆発させても、かえって相手が委縮してしまっては、肝腎の「なぜできなかったのか」「なぜ進捗が遅れているのか」の分析からは遠ざかってしまいます。■4:旨い事は二度考えよ(うまいことはにどかんがえよ)あまりにもいい話には裏があったり危険があったりするので、うますぎる話にはすぐに飛びつかずによく考えてから行動しなさい、という言葉。もっとハッキリと「旨い物食わす人に油断すな」なんていういい方もあります。たとえば投資。超低金利時代のいま、投資で積極的にお金を殖やすことを考える人が増えています。もちろん投資で手持ちの資金を殖やすことは非常に有効な方法です。リスクも含めてよく勉強をしてうまい話に安易に飛びつくことのないよう、注意したいものです。■5:始めに二度なし(はじめににどなし)何事も始めが肝腎。そしてその機会は一度しかないもの。やりなおしはきかないので、大切にしなければならない、という意味です。仕事をしていると、初めてのプロジェクト、初めてのお客様、初めての取引相手など、日々初めてに遭遇するものです。ともすればマンネリになりがちなこうした日常的な初めてひとつひとつが、実は一度しかない貴重な機会。その後の仕事、そして人生に活かすために「始めに二度なし」の緊張感を持って臨みたいですね。■6:若い時は二度ない(わかいときはにどない)意味はそのものずばり、若い時期というものは二度と巡ってこないから、これと思うものは若いうちに思い切ってやってみるべき、というもの。10代、20代は文句なく若いですから、新しいことに飛びこめる勢いを持っています。しかしもう少し年を重ねてくると、チャンスを目の前にしても「もう若くないから……」と及び腰になりがちに。でも、それはとてももったいないこと。こう考えるのはどうでしょう。若い時もそうでない時も、二度と巡ってこないのは同じこと。そして、「今より若い瞬間」はもうないのです。新たなチャンスを前に迷った時は、心の中でこの言葉に今よりとつけ足してみましょう。それだけであら不思議!勇気がわいてきませんか?*どれも働く現代人にスッとなじむ言葉の数々に、改めて驚かされます。調べてみると、いまの自分にぴったりと寄り添うことわざ・故事もあるはず。迷ったときに、道を見つけるヒントにしてみてはいかがでしょうか?(文/よりみちこ)
2015年10月20日ことわざや四字熟語には、先人の知恵が詰まっているとよくいわれます。数字がつくことわざにもいろいろありますが、「1」を含んだことわざや四字熟語には、小さい子をもつママに役立つものがたくさんあるんです。今回は「1」がつくことわざ・四字熟語を、子育てに応用して考えてみましょう。■1:一病息災(いちびょう・そくさい)「まったく病気をせず元気という意味の「無病息災」ということばもありますが、こちらは「病気がひとつくらいあった方が体を大切にするので、かえって元気に過ごせる」という意味。小さい子どもはよく熱を出すもの。たまに風邪をひくくらいの方が、親も病気のときの心構えや家での手当ての方法を身につけられますし、普段の生活でも体調を崩さないよう気を配ることができます。子どもが熱を出してもあわてず、このことばを思い出し落ち着いて対処しましょう。■2:一寸延びれば尋延びる(いっすんのびればひろのびる)「寸」も「尋」も長さの単位。「寸」は約3センチメートル、「尋」はもともとは両手を左右に広げたときの長さで、6尺(約1.81メートル)程度です。一寸一寸を積み重ねていけばいつかは一尋まで延びることができるということから、「いま、目の前にある苦労を切り抜ければ、その先は楽になる」という意味です。イヤイヤ期を皮切りに、子どもの成長に従って子育てのむずかしさを感じる時期がたびたび訪れます。でもそれは、子どもが成長しているあかし。むずかしい時期はいつか終わると信じて乗り切りましょう。■3:一笑一若一怒一老(いっしょういちじゃく・いちどいちろう)中国に伝わることばで、字のとおり「笑えばそのたびに若返り、怒ればそのたびに老け込む」という意味です。子育てのなかではどうしても、「こら!」と声を荒げたくなる場面が出てきてしまいますよね。でも、感情に任せて怒っても、子どもにはなかなか伝わらないもの。怒ってばかりで老け込むのもイヤですよね。そんなときはひとつ深呼吸を。子どもと目線を合わせ、落ち着いた声で、「なぜいけないのか」をていねいに説明してあげてみてください。このことばが、そんな余裕をもたらしてくれます。■4:一張一弛(いっちょう・いっし)弓の弦の張り方からきたことばで、転じて「引き締めたりゆるめたりを効果的に用いること」、あるいは「心をリラックスさせたり緊張させたりすること」を意味します。日本の伝統技術である木桶は、木の板を「タガ」と呼ばれる綱で束ねてつくります。ですが、木は環境によって乾燥したり湿気を含んで膨張したりと変化するため、タガをきつく締めすぎてもゆるくしすぎてもよくないのだそうです。これは子育てにも通じます。あるときはゆったりとした気持ちで、でも注意するときなど締めるときはビシッと締めて、子どもと向き合いたいものです。■5:心は二つ身は一つ(こころはひとつ・みはふたつ)「あれこれとやりたいことは思い浮かんでも、体はひとつなのですべてができるわけではない」という無念さを表すことばです。子どもが小さいうちは特に、なにをするというわけでなくとも、ただ一緒にいるだけで時間がどんどん過ぎていくもの。一日が終わってみると、やろうと思っていた家事や用事ができていなくてがっかりすることもあるでしょう。そんなときは、考え方を変えてみるのもひとつ。その時々でいちばん大切に思っていることに時間を使ったのだ、と思えばいいのです。■6:一炊の夢(いっすいのゆめ)中国の故事から生まれたことばで、もともとは「黄粱(こうりょう)一炊の夢」といいます。唐の青年が旅先の宿屋で仙人に枕を借りてひと眠り。栄華を極める人生を送る夢を見ますが、目がさめると、まだ宿では黄粱(粟の一種)が炊きあがってもいなかった、それほど短い時間の眠りだった。そんな故事から、「人生は短く、はかないものである」ということをたとえていうことばです。子どもの一生のうち、一緒に過ごせるのはほんの一時期。そんな時間を過ごせる幸せを大切に、慌ただしくなりがちな毎日を過ごしたいものです。*ことわざや四字熟語は形のないお守りのようなもの。生き方に迷ったときや息苦しさを感じるときにふと取り出してみると、気持ちが軽くなったり新しい一歩を踏み出す力をくれたりすることもあります。先人はたくさんのことばのお守りを遺してくれています。調べてみれば、気持ちにピッタリなものや、思ってもいなかった新しい視点をくれることばも見つかるかもしれません。(文/よりみちこ)
2015年10月08日好きな数字はなんですか?「ラッキー7」、語呂合わせの「1122(いい夫婦)」など、人は数字に意味を求めようとするものです。9月9日は過ぎてしまいましたが、今回は『EXPRESS』の記事を参考に、数字の「9」に関する10の真実をまとめてみました。「苦」を連想させるだけではない「9」の側面が見えてくるはずです。■1:ことわざ「猫に九生あり」の由来「猫は9回生まれ変わる」という言い伝えがあります。猫は容易には死なない、という意味。「魔女が猫の姿で人間界に来られるのは9回」ということが由来であると一部では伝わっています。■2:「バカ」に相当する単語が9つある言語があるスマトラのドゥスン族の言語には、罵ることばにバリエーションがあるそうです。「バカ」を意味することばも、なんと9つ。■3:イギリス人の9%がタブレットを2台以上持っているイギリスの全成人の9%が、自宅で2台以上のタブレット型コンピューターを所有しています。携帯電話と同じように「2台持ち」が当たり前の時代が来るのでしょうか。■4:ボーリングは9ピンだったナインピン・ボーリングは賭け事として流行したため、19世紀に一部の米州で禁止されました。その後、いまのボーリングと同じ10のピンのプレイスタイルに変化したのです。■5:ダンテの神曲の「9つの層」ダンテの神曲で、“ninth circle of hell”は地獄の最下層を意味します。神曲のなかで、ダンテは最上層から最下層の9層の地獄を旅します。最下層にもっとも罪の重い罪人達がいる設定です。“ninth circle of hell”は、最悪の状態、転じて「これ以上悪くなりようがない」という意味として使われます。■6:映画「Nine From Little Rock(リトルロック高校事件)」『リトルロック高校事件』、原題『Nine From Little Rock』は、タイトルに「9」が含まれる映画のうちで唯一オスカーを獲得した作品です。■7:日の出から9時間後が正午だった「正午」のもともとの意味は、日の出から9時間後でした。現在の時刻に置き換えるならば、午後3時に相当します。■8:食品に9ミリグラムまでならネズミの糞が入っていても許される米国食品医薬品局の検査では、1キログラムの小麦あたり9ミリグラムのネズミの糞が混入されていても許される計算です。■9:ボブ・マーリーはジャマイカから9マイルの村で生まれて死んだボブ・マーリーは、ジャマイカから9マイルの位置にある村で生まれ、そして命が絶えた後はそこに埋葬されました。偶然といわれればそれまでですが、9という数字に運命づけられていたともいえます。■10:映画「The Man With Nine Lives(冷凍人間蘇る)」1940年に、B・カーロフは映画『冷凍人間蘇る』で、狂気の医者を演じました。1941年に、ロナルド・レーガンは『Nine Lives Are Not Enough』で主演しました。タイトルに9がつく映画は、妖しい雰囲気のものが多いのでしょうか。*9に関する、10種の驚きの真実をご紹介しました。これだけ9に関わる事実があるというのは、なんだか不思議ですね。(文/スケルトンワークス)【参考】※Top 10 facts about the number nine-Daily Express
2015年09月28日鉄分は釘7.5センチ分、画素数576メガピクセル、1日2千億個を生成……。これらはみんな、私たちの体に関する数字です。『Starts at 60 Living』を参考に、あなたの知らない意外な体の数字をまとめました。人体は意外な発見に満ちているのです!■1:1日14回おならする人間は平均で1日14回おならをするといわれています。多いように感じるかもしれませんが、人間の腸は活発に活動しているのでこれくらいは普通です。少ない人でも、1日に数回は必ずおならしています。■2:1時間に600,000の皮膚細胞が剥がれ落ちている私たちの皮膚は常に再生されています。その代謝は予想以上に活発で、1時間になんと600,000もの皮膚細胞が剥がれ落ちているのだそうです。もちろん新しい皮膚も次々つくられていますが、この計算だと70歳になるときには48キロ分の皮膚が剥がれ落ちていることになります。■3:1分間に12~15回呼吸している人間が寝ているときの呼吸は通常1分間に12~15回。女性や子どもはもう少し速くなります。年齢が上がるとともに、呼吸はゆっくりになるのだといいます。■4:脳の80%は水分でできている人体の60%は水分です。脳単体だと、なんと80%もの割合が水分でできています。脳細胞は多くの酸素や栄養を必要とするため、血液などの液体がたくさん循環しています。そのため、予想以上に水分が多いのです。■5:3日に1回胃の粘膜が再生される胃の粘膜が頻繁に再生されていることをご存知ですか? 実は胃は、3日に1回新しい粘膜をつくるのです。なぜなら、そうしなければ胃が自分自身を消化してしまうから。胃酸は思った以上に強力なのです。■6:目の画素数は576メガピクセルもあるもし私たちの目がカメラだったら、その画素数はなんと576メガピクセルにもなるのだとか。ちなみに現在最高画質のカメラでも50メガピクセルほど。人間の目は超高性能なのです。自分の目で見た景色がいちばんきれいなのかもしれません。■7:脳は酸素の4分の1を使用する脳は体のなかでも大食いの器官として有名ですが、体中の酸素の4分の1を消費しているそうです。息ができなくなったとき、いちばんにダメージを受けるのが脳だという話にもうなずけます。■8:大人の血液は生まれたときの16倍も増える大人になるにつれ血液の量も増えます。生まれたばかりの赤ん坊の血液が250ミリリットルなのに対し、平均的な大人の血液は4リットルもあります。血液の量は16倍にも増えているのです。■9:1日に約2千億の赤血球がつくられる健康な大人の体は、1日に2千億もの赤血球をつくっています。普通の大人の血液1立方ミリのなかには、400万~500万ほどの赤血球が含まれています。血液の赤い色をつくっているくらいですから、赤血球は体のなかに大量にあるようです。■10:体中の鉄分を合わせると釘7.5センチ分になる鉄分が体のなかにあることは知られていますが、それを全部集めるとどれくらいになるか、考えたことがありますか?なんと7.5センチの釘がつくれるくらいの量なのだといいます。そう考えると、なんだか磁石に引きつけられてしまいそうです。*知っている数字はいくつありましたか?自分の体のことなのに、知らないことばかりだったかもしれません。体は新しい発見の宝庫。もしも気になる数字があったら、さらに深く調べてみてもおもしろいですよ。(文/スケルトンワークス)【参考】※20 little known facts about the human body-Starts at 60 Living
2015年09月26日世の中、トホーもない数字がたくさんでてまいります。で、そんなん、どうやって出したのかわからないわけでございますなー。今回は、そんなお話でございます。あ、理系の人にはたぶんジョーシキなので、そうでない方々にお話する時の「思い出しネタ」にでもしてくださいませー。20世紀最初の年に、イタリアでエンリコ・フェルミって男の子が生まれました。この人、25歳くらいで、量子物理の世界でとてつもない研究成果を次々とあげ、37歳でノーベル賞を受賞した天才でございます。で、奧さんがユダヤ人だったために、ナチスドイツの同盟国だったイタリアでの迫害をおそれ、ノーベル賞の受賞式典で出国して、そのまま亡命。アメリカの大学に迎えられるのでございますな。原子炉を発明し、その後は原爆の開発をすることになるんですけど(水爆には反対していたらしいですがね)。さて、このフェルミさん、数字のケントーをつける。概算の達人として知られております。いっけん、無理だろうという問題を、だいたい解いてしまう。それを「フェルミ問題」といっているのでございますな。原爆の開発のときも、ティッシュペーパーの飛び方で、爆風の威力を概算したそうでございます。いうならば、「ざっくりいうと」の元祖でございます。有名な問題としては「シカゴ市のピアノ調律師の数は何人か?」ってのがあります。これは、関係する要素のかけ算と割り算で解けるのです。やってみましょう。A:シカゴ市の人口~200万人としましょうB:家族の人数~1家族で4人くらいが平均でしょうかC:ピアノを持っている家族~1/10くらいかなD:調律する回数~1回年としましょうここまでで、シカゴ市でピアノが調律される総回数は、1年あたりA÷B×C×D = 200万÷4×1/10×1で5万回ということになります。E:1人の調律師が1年で調律できるピアノは、まあ500台としましょう。1日2台弱ですな。ということは、5万回÷500=100ということになります。まあ、ざっくり、100人くらい調律師がいる。ということになります。ちょっと調べてみたら、就職活動の際の問題で、出されるようですね。アドバイスをすると、面倒くさい数字は、計算がカンタンになるように、数字をそろえるとよいです。どうせ精密な数字が必要なわけじゃないのですから、楽にやりましょう。電卓使えるなら、もっと面倒な数字でもいいけど…ただ、フェルミさんに限らず、科学者は、もっとざっくりやるんですな。桁、というかゼロの数、つまり指数でやるんです。真ん中へんは四捨五入して、4人は1人、500台は1000台としてみましょう。A:100万、B:1、C:1/10、D:1、E:1/1000台桁の数をいうと、6、0、-1、0、-3、これを足しあわせると、6-4で2、ゼロが2つということは100ということで、見事にあいました。これをやると、1桁くらいずれることはよくありますが、まあ、そこは気にしないのが概算の大事なところです。逆に、大きな数を数えるときはどうでしょうか? たとえば、大きな道路がぎゅうぎゅう詰めになっていて、そこの人数は? なんていう問題です。A:道路のはば × B:道路の長さ × C:1人あたりが占める面積で出せますな。で、AとかBとかは、地図をみて測ればわかるんですが、わからんことってありますよね。浅草寺の前の通りとか、国会議事堂の前の通りとかいわれて、写真くらいしかないとか、それすらないとかですな。こういうときも、常識を駆使すればいいんですな。たとえば、浅草寺の前なら、両側にお店があって、そのお店があまりに遠いと不便だよなー。とか、何キロも参道をあることはないよなあ。とか、そういうことです。常識から、うちの近所の商店街は、車の行き違いやっとで6m道路くらいだから、浅草寺なら10mはばくらいなんじゃね? となりますな。長さも、まあ200mくらいかな。ってなもんです。さらに、人の肩幅はまあ50cm、厚みも30cmくらいかな、として、ちょっと余裕もたせて1m×0.5mに一人ひとがいるとしましょう。するってえと、10×200×1/0.5=4000人ということになります。もうちょい混んでいそうなので、5000人とかかな? で、いま浅草寺のグーグルマップを見たら、はばはそんなもんですが、長さ50mくらいですね。じゅあ、1000人とか1500人程度ですな。ちなみに、面積を測る方法はほかにもいろいろあって、地図を切って調べる方法もあるんですな。しらべたい面積の部分を切り取り、同じ縮尺で、キリのいい、たとえば10m×10mのパーツを切り取って、はかりではかり、重さを比べるという手もあるのでございます。これだと、複雑な面積でもかなり精度よく出せます。もし、軽すぎてということならば、拡大コピーをするとか、同じものを沢山コピーして重ねるとか、重いゴムシートと重ねてあわせて切ればいいいんですな。星の数であろうが、砂の数であろうが、なにしろ、意外となんとかケントーがつけられるものなのでございます。で、その時に、できるだけカンタンになるように、0の数だけにするとか、2×5とか、4÷8×2みたいな組み合わせにして、暗算しやすくするのも吉なんでございます。あ、そうそう、世の中には、スゴイ数字が結構でてくるんですが、ホンマかいなと思って、計算すると、納得できたり、全然違ったり、いろいろおもしろいですよー。著者プロフィール東明六郎(しののめろくろう)科学系キュレーター。あっちの話題と、こっちの情報をくっつけて、おもしろくする業界の人。天文、宇宙系を主なフィールドとする。天文ニュースがあると、突然忙しくなり、生き生きする。年齢不詳で、アイドルのコンサートにも行くミーハーだが、まさかのあんな科学者とも知り合い。安く買える新書を愛し、一度本や資料を読むと、どこに何が書いてあったか覚えるのが特技。だが、細かい内容はその場で忘れる。
2015年09月02日『それちょっと、数字で説明してくれる?と言われて困らないできる人のデータ・統計術』(柏木吉基著、SBクリエイティブ)で解説されているのは、「実務に必要なデータの見方や分析の仕方、あるいは最初のプロセスで必要な考え方や視点。つまり、あくまで数字をビジネスパーソンの視点から考えているわけです。しかしそうなると、ビジネスとデータとの連動性を改めて確認しておきたいところではありますね。そこで、「なぜ、ビジネスにはデータが必要なの?」という項目から答えを探し出してみたいと思います。■なぜ会社では数字が必要とされるのか?どんな仕事も、最終的にどこかでお金につながっています。でも、「なぜ会社では『数字』は数字が必要なのかと問われたとしたら、はたしてどう答えればいいのでしょうか?組織が大きくなるほど、経営層は会社全体の状況を把握しづらくなるもの。だからこそ、そんなときにデータ(数字)が大きな役割を果たすわけです。なぜなら数字を使えば、大量の情報(データ)も集約して把握できるから。また表面上の結果だけでなく、比較や分析によって新たな情報も掘り起こせるというわけです。また、他にも次のようなメリットがあるとか。■人を動かすいちばんの説得材料になる当然ですが、裏づけもなしに「僕はこう思います」というだけでは、組織は動かなくて当然。根拠のないことばには説得力がないからです。逆にいえば、「この施策をしたら、こういう数字が出たので、積極的に進めるといいと思います」など、数字・データの裏づけがあれば周囲は納得し、結果として人を動かせるのです。■リーダー・管理職になるなら数字は必須経営者でなくとも、組織のなかでは役職が上がるほど、自分ひとりで把握できるキャパシティーを超えた担当領域を持つことになります。そこで、数字に頼る要素が深まっていくということ。なぜなら組織のトップはそのすぐ下に数字を求め、その人はさらに自分の下に数字を求め……と、どんどん連鎖して下につながっていくから。途中で「数字はもういらない」となることは考えにくいわけです。つまり数字を使って仕事ができることは、自分の仕事の幅を広げるためにも、組織の内部でより質の高い職務を高いポジションで行うためにも重要だということです。■数字はコミュニケーションを円滑にする特に国籍や文化が入り混じったビジネスの現場においては、「ことば」によるコミュニケーションは便利である反面で、「曖昧さ」というリスクを伴います。そしてもちろんそれは、日本人同士でも同じ。たとえば「この商品、最近すごく売れているんですよね」という表現に対する感じ方は、人によって大きく違ってきます。しかしそれを「この商品、ここ1ヶ月は計画比の140%で売れているんです」といえば、間違った事実が伝わるリスクはなくなるというわけです。*たったこれだけのことでも、数字の重要性がおわかりいただけるのではないでしょうか?ビジネスの現場で「数字を」といわれると、ドキッとしてしまう人は少なくないはず。でも、数字についてわかりやすく解説してくれている本書を読めば、数字への恐怖感を和らげることができるかもしれません。(文/印南敦史)【参考】※柏木吉基(2015)『それちょっと、数字で説明してくれる?と言われて困らないできる人のデータ・統計術』SBクリエイティブ
2015年08月22日