羊文学がメジャーデビューを果たすアルバム『POWERS』を12月9日(水)に発売する。羊文学は今年8月にメジャーデビューを発表しており、作品の全貌について発表が待たれていた。所属が決定しているレーベルは「F.C.L.S.(ソニー・ミュージックレーベルズ」で、在籍アーティストとしてはSuchmosに次いで2組目となる。アルバムに収録されるのは、先行シングルとして配信限定リリースした『砂漠のきみへ』、『Girls』(YouTubeドラマ『DISTORTIONGIRL』主題歌)のほか、昨年末に数量限定販売し即日完売した『1999』を含む全12曲。同封されるDVDには、オンラインツアー「優しさについて」から抜粋されたライブ映像が入るという。同ツアーは公演毎に縁のある都内にある3箇所のライブハウスから配信され、メンバーはもちろん監督・スタッフと作りあげた映像とCDになっている。すでに各ストアでの予約も始まっているので、ぜひ今からチェックしてほしい。■リリース情報羊文学『POWERS』12月9(水)日発売内容:CD+DVDCD:2020/8/19配信限定リリースの「砂漠のきみへ」、「Girls」(YouTubeドラマ「DISTORTIONGIRL」主題歌)昨年末数量限定CDリリース「1999」を含む12曲を収録DVD:2020年8月に実施したonline tour”優しさについて”から抜粋したライブ映像を収録価格:3,500(tax out)初回仕様:三方背ケース購入・予約特典Amazonオリジナル特典:メガジャケTOWERオリジナル特典:内容後日発表予約はこちらから:
2020年10月01日「韓国文学は昨今、良質な作品の邦訳が増えて、注目度が高まっています」と、ライターの瀧井朝世さん。ロングセラーから近作まで、さまざまなジャンルが発売され、多くの支持を集めている。自分の生き方を考えるきっかけに。「お隣の国だけに、文化的、社会的価値観において日本社会に通じる部分も多く、日本人が共感できる部分も多いのではないでしょうか。日本でもベストセラーとなった『82年生まれ、キム・ジヨン』は、その典型例です。物語の背景に歴史的、経済的な要素が盛り込まれていたりと、その時代、その社会の中での個人が描かれることも多い。そのため、価値観や人生観、社会観を見つめ直し、“今の時代に自分はどう生きるのか”ということを、さまざまな角度から考えさせてくれるところも、韓国文学の魅力となっています」『フィフティ・ピープル』チョン・セラン斎藤真理子 訳/亜紀書房「(中略)でも、傲慢にならずにいましょうよ。どんなに若い人にも、次の世代がいるのですから。しょせん私たちは飛び石なんです。だからやれるところまでだけ、やればいいんです。後悔しないように」とある大学病院に、何らかの形で関わるごく普通の人々50人の、それぞれのドラマが交錯する連作短編集。年配から子どもまで、さまざまな人が主役を務める。「引用したのは、老教授の言葉です。誰かが遠くに石を投げたら、次の世代がその落ちた石を拾ってまた遠くに投げてくれる、というたとえ話に続けて語られている。自分一人ですべてを成し遂げようと気負うのではなく、未来を信じて、今できることを頑張ろうと思わせてくれます」『四隣人の食卓』ク・ビョンモ小山内園子 訳/書肆侃侃房大きくなったり、積もったりしてから「たかが」で済ませられるものなど、この世には一つもない。“入居10年以内に子どもを3人もうける”ことを入居条件とする、国家の少子化対策の一環として作られた集合住宅に越してきた4組の夫婦。「育児などを協力し合おうとする彼らだが、家族同士、あるいは夫婦間で、価値観の違いにより、少しずつ軋みが生じていく。“たかがこれくらいは見過ごしておこう…”という違和感や不快感が、やがて耐えられないものになっていく状況は、きっと、誰しもにおぼえがあるのではないでしょうか」『わたしに無害なひと』チェ・ウニョン古川綾子 訳/亜紀書房愛ほど不公平な感情はないだろうと私はたまに思う。第51回韓国日報文学賞を受賞した、7つの作品を収録している短編集。その中の「砂の家」からピックアップした一文。「同じ高校に通っていた男女3人は、大学生になってから交流を深めていく。青春のきらめきと同時に、親しいからこそ傷つけ、傷つけられてしまう苦しさが、濃密に描かれています。恋愛感情だけに限らず、友情も含めて“愛”というものはアンバランスだという、切なさの詰まった一編になっています」『ワンダーボーイ』キム・ヨンスきむふな 訳/クオン理解とは、誰かの代わりに彼らについて語ること、そしてその話を通じて、ふたたび彼らを愛すること。父親の運転するトラックに乗っている時に遭遇した交通事故から、奇跡的に一命をとりとめた一人の少年。病室で目覚めると、人の心の声が聞こえるという不思議な能力を獲得していた。そのせいで、彼は軍部に利用されそうになるのだが…。「そんな少年に、ある人物が言った言葉です。誰かのことを理解することの難しさ、理解したと思ってしまうことの傲慢さと同時に、誰かを理解しようと寄り添うことの尊さをも教えてくれる言葉です」『こびとが打ち上げた小さなボール』チョ・セヒ斎藤真理子 訳/河出書房新社「暴力とは何か?銃弾や警察の棍棒や拳だけが暴力ではない。都市の片隅で乳飲み子が飢えているのを放っておくことも、暴力だ」急激な都市開発が進むソウルを舞台に、そこで虐げられた人々の怒りを映し出す。「軍事政権下での不平等に苦しむ、さまざまな立場の人間が描かれています。引用は、〈こびと〉と呼ばれ、家族のために懸命に働くものの報われない男の長男が、ノートに書き写していた言葉から。こうした類の暴力に無関心であるというのは、暴力に加担していることになるのではないか、と考えさせられます。1978年に発表されたロングセラーです」たきい・あさよライター。著書に『偏愛読書トライアングル』(新潮社)、『あの人とあの本の話』(小学館)、『ほんのよもやま話』(文藝春秋)。『恋の絵本』シリーズの監修を手がけている。『王様のブランチ』ブックコーナーのブレーン。※『anan』2020年9月23日号より。取材、文・重信 綾(by anan編集部)
2020年09月18日日本一周旅行は旅人の憧れ大阪を拠点にバスツアーを主催している株式会社たびぱるは、「夢の日本一周28日間の旅」の発売を始めました。GOTOトラベルキャンペーンの対象となるツアーです。同ツアーは、東京と沖縄を除く45都道府県の観光地をバスで巡ります。このチャンスを逃すなGOTOトラベルキャンペーンを活用すれば、1泊あたり(上限2万円)の旅行代金の35%が割引となります。割引の他にも現地で使えるクーポン(旅行代金の15%)も発行され、さらにキャンペーン期間中であれば、宿泊数の制限がなく連泊も対象となります。また、利用回数の制限もありません。日本を1周するなら今がお得株式会社たびぱるが販売する日本1周の旅は、東日本編;15日間(14泊)、西日本編:13日間(12泊)の合計28日間のツアーです。どちらも出発は、三ノ宮・大阪・京都出・名古屋で、東日本編か西日本編の一方みの参加もできます。ツアーでは、新型コロナウィルス感染拡大防止のためバスの座席は1人2席の利用、対人距離も確保がされているので安心して旅行が楽しめます。日本一周の旅、いつ行くの?今でしょう一番知りたいのは、やはり旅行代金ではないでしょうか。日本一周の旅(東日本編・西日本編)28日間の通常価格は、98万円です。GOTOトラベルキャンペーンを活用した場合は、旅行代金98万円×65%=63.7万円(35%割引)となり、34.3万円お得になります。さらに、観光地で使えるクーポン券14.7万円がついてくるので、最大49万円の支援を受けることができます。日本一周の旅へ行くなら今が一番、お得です。(画像はプレスリリースより)【参考】※株式会社たびぱるのプレスリリース※株式会社たびぱるの公式サイト
2020年08月29日文学座アトリエの70周年記念公演として、岸田國士作『歳月』『動員挿話』を文学座アトリエの会が2本立てで上演。問題作『ジョー・エッグ』(2018年)を手がけた西本由香と、『いずれおとらぬトトントトン』(2019年)で怪作を世に送り出した所泰がそれぞれ演出し、文学座の創設者のひとりである岸田の作品を現代に甦らせる。『歳月』の舞台となるのは、大正8年、東京・山の手にある浜野家。隠居生活をおくる元知事・浜野計蔵のひとり娘・八州子は、信じる男の子どもを身ごもるが、相手が結婚を拒んでいることから自殺未遂にまで追い込まれる。妹のために兄・計一と弟・紳二は結束し、厳格な父の耳に入る前に最善策を探る。それから7年、さらに10年と歳月は過ぎ……。演出の西本は「岸田國士が、これが私の“戯曲を書くために何かしら云う”最後の作品となった、と記しているのが本作『歳月』です。活動の初期から創作の上で意識的に様々な実験を行ってきた彼にとってひとつの到達点ともいうべきこの作品に、同じだけの実験精神をもって臨みたい」と意気込む。もう1本『動員挿話』の舞台は、明治37年の夏、日露戦争真っ只中の東京。陸軍少佐・宇治の師団に動員令が下り、宇治は馬丁の友吉を連れて行こうと声を掛ける。だが、友吉の妻・数代は断固拒否。宇治夫人・鈴子の説得にも応じず、主従関係の断絶を言い渡されてしまう。まもなく宇治は戦地へ。その時、友吉と数代が選んだ道は……。こちらを演出する所いわく「戦争という狂気に巻き込まれた人たちのおはなし。短編らしいあっと驚く結末。そのボルテージの高さは岸田戯曲の中でも別格だと思います。ただ後味が良くありません。その後味の悪さを、2020年の観客はどう捉えるのでしょうか」。3月17日(火)から29日(日)まで東京・信濃町の文学座アトリエにて上演。なお今公演は、鵜山仁の監修のもと、昨年12月から今年12月まで1年にわたり、さまざまな演出家が岸田戯曲を連続上演する「岸田國士フェスティバル」の一環として行われる。文:伊藤由紀子
2020年03月16日日本を代表するオーケストラ「新日本フィル」の第29回定期演奏会のテーマが興味深い。「ウィーン古典派からロマン派へ約30年の音楽旅」と題された公演には、モーツァルトの「交響曲第40番」を筆頭に、ベートーヴェンの「ロマンス」とシューベルトの「交響曲第5番」がプログラミングされ、まさに、1788年からの30年の間にウィーンを駆け抜けた3人の天才音楽家たちの美しい軌跡が楽しめる。クラシックの歴史を紐解いてみれば、この時代のこの瞬間こそが、古典派から初期ロマン派へと移行する極めて重要な時期に当たることが認識できる。3つの作品はもちろんウィーンで作曲または発表されたこともキーポイントだ。オペラ指揮者として評価の高いマエストロ、エヴェリーノ・ピドの指揮に、ソリストは周防亮介(ヴァイオリン)という魅力的な顔合わせにも注目したい。周防亮介 (c)TAKUMI JUN●公演概要2月28日(金)、29日(土)すみだトリフォニーホール 大ホール「新日本フィルハーモニー交響楽団#29ルビー」
2020年02月20日「12月末に愛子さまが『文学部日本語日本文学科』に内定されたと聞き、とても意外に思いました。文学部の史学科は候補の一つとして報じられることがありましたが、これまで一度たりとも日本語日本文学科の名前が挙がることはなかったからです」そう語る学習院関係者は、驚きを隠さない。今年3月に学習院女子高等科を卒業される愛子さまは、今年4月には大学へ進学される予定だ。「学習院女子高等科では約3割の生徒が、学習院大学以外に進学します。眞子さまや佳子さまの国際基督教大学など、近年では皇族であっても、学習院以外を選択されるケースも増えています。これまで愛子さまの進学先候補については、東京大学、一橋大学、上智大学などが報じられてきました。しかし、昨年の夏休み前の“外部受験”希望者のための説明会にも愛子さまのお姿はなく、“内部進学説”が濃厚となったのです」(本誌皇室担当・近重幸哉記者)学習院大学には5つの学部があるが、これまで関係者のあいだで最有力候補とされていたのが国際社会科学部。学習院女子高等科の保護者は次のように語る。「国際社会科学部は’16年に開設されたばかりの新しい学部で、女子高等科からの内部進学生にもいちばん人気があります。3年生の秋に志望先を第1から第3まで提出するのですが、国際社会科学部は第1志望にした生徒でも、成績が優秀でないと進学できないほどです。愛子さまが高等科2年生の夏休みにイギリスの名門・イートン校に短期留学されたことから、“国際社会科学部に進学される準備ではないか”と評判になり、“愛子さまと同じ学部に入りたい”と、同学部への志望者がさらに増えていました」しかし、最終的に愛子さまが選ばれたのは、文学部日本語日本文学科だった。学習院大学はホームページで、この学科について次のように紹介している。《本学科では、古代から現代に至る日本語・日本文学を中心とする日本の文化(日本語日本文学系)、及び日本語教育(日本語教育系)に関心のある学生を受け入れ、研究と教育を行っています》女子高等科の生徒たちは、秋に志望届を提出した後、保護者も交えての先生たちとの面談を経て、12月20日ごろにそれぞれ内定した学部を通達されたという。この過程で判明したのが、愛子さまの“進路変更”だったのだ。雅子さまは、昨年12月9日の誕生日に際して発表されたご感想で、愛子さまの今後についても綴られていた。《これから高校を卒業しますと、今まで以上に、様々な経験を積み重ねながら視野を広げていく時期になると思いますが、これからも感謝と思いやりの気持ちを大切にしながら、いろいろな方からたくさんのことを学び、心豊かに過ごしていってほしいと願っています》愛子さまは雅子さまの言葉どおり、新しいステージでも輝かれるはず――。「女性自身」2020年1月21日号 掲載
2020年01月10日今年の岸田國士戯曲賞を『山山』で受賞した松原俊太郎の最新作『メモリアル』が、文学座アトリエの会により上演。12月3日(火)に東京・信濃町の文学座アトリエで開幕する。松原は元々、小説家を志していたが、京都を拠点とする劇団・地点が上演したブレヒト作『ファッツァー』(2013年初演、三浦基演出)に衝撃を受け、戯曲も書き始めたという。2015年に初めて書き下ろした『みちゆき』で第15回AAF戯曲賞大賞を受賞し、その4年後に岸田戯曲賞受賞という、まさに今、熱い視線を浴びている若き俊英だ。劇団を持たず演出もせず、作家業のみに専念することから“純粋劇作家”とも呼ばれている。一方、地点で上演された松原作『忘れる日本人』(2017年初演)に衝撃を受けたというのは、俳優として多方面で活躍し、外部ではいくつか演出を手がけるも、これがホームグラウンドである文学座アトリエの会での演出デビューとなる今井朋彦だ。新たな価値観との出会いを果たした今井は、初めて松原戯曲に触れた時、「現代日本への痛烈な物言い」だと感じたという。さらに、物語からもキャラクターからも距離を置き、自由で自立したセリフの数々を見て「どうしたらこのセリフを発語できるのか。その発語に必要な身体はどのようなものか」という問いが頭をもたげたとも。今作『メモリアル』の登場人物は、花嫁、独身者、娘、入国者、取次者、相続人の6人と、ほかたくさん。それぞれの行く末を抱えた6人が、交叉点の真ん中で衝突する。川のように流れていた時間が中断し、人々の足は止まり、そもそも不穏だった空気はさらに不穏になり……。「地点の三浦基さんのように、戯曲を自身の確固たる世界観の中に引き込んで、咀嚼し再構築することは私にはできません」と今井。だが、「6人の俳優たちとの、松原戯曲をありのまま語る“動機”と“身体”を探る作業を通して、観客の皆さんと戯曲との橋渡し役を担えれば」。今井が松原戯曲に立ち向かい、紡ぐ舞台に、“これからの演劇”の誕生を期待したい。文:伊藤由紀子
2019年12月03日芸能界きっての大親友でもある小泉孝太郎とムロツヨシの2人が気ままに日本の世界遺産を巡る旅に出る「小泉孝太郎&ムロツヨシ 自由気ままに2人旅」が、11月12日(火)今夜放送される。『踊る大捜査線』「警視庁ゼロ係」などのシリーズものをはじめ「下町ロケット」「グッドワイフ」などの数々の作品で知られる小泉さん。「勇者ヨシヒコ」シリーズ「スーパーサラリーマン左江内氏」などのコメディから『50回目のファーストキス』や「大恋愛~僕を忘れる君と」まで多彩な作品に出演してするムロさん。過去の共演を機に、いまでは家族ぐるみでの交流もあるという2人が、今回休みを合わせて自由気ままな旅に出ることに。旅のテーマは「日本の世界遺産」。北海道編では3日間のオフで、世界自然遺産の知床に生息する野生のヒグマを探すことに。女満別空港に降り立った小泉さんとムロさんの2人は、行き先も移動手段も全て2人でリサーチし行動開始。道中で語られる「売れない時代、孝太郎の家に転がりこんでいたムロの驚きエピソード」などの初公開トークも必見だ。また能取湖ではムロさんがどうしてもやりたかったというドローンに挑戦。大空をさまようムロさんのドローン=通称“ムローン”にも注目。その後漁船でヒグマの生息域を海沿いに大捜索するのだが果たして2人はヒグマに出会うことができるのか?最終日は知床から稚内、利尻島までレンタカーと船で300km超えの大移動。その先には2人がどうしても再会したい相手がいるという。それは一体誰なのか?感動の再会はなるか!?京都編ではさらにプライベート感溢れる自由な旅が展開。ムロさんが行きたかったという世界遺産の下鴨神社を参拝したあとは地元・出町枡形商店街で買い出しをして一軒家宿に泊まることに。ムロさん得意の手料理で乾杯すると、話題はいつしか恋愛トークに。「タイプの女性像は、芸能人で言うと〇〇」など2人のレアなプライベートトークも。2日目は小泉さんと親交がある武豊に誘われ武さん行きつけのお店に。初対面だった武さんとムロさんもすぐに意気投合、武さんは2人に“結婚生活の魅力”を語る。その後京都でよく当たると評判の手相占いへ。未婚40代の2人の結婚はあるのか!?さらにはムロさんが「当たりすぎてて怖い…」と驚愕した過去の恋愛話まで飛び出す。最終日には新しいご縁を祈念すべく、悪縁切り&良縁結びのご利益のある安井金比羅宮へ向かう。小泉さんとムロさん、芸能界きっての大親友ならではの空気感で進む2人の気ままな旅に見ているこちらも癒されそうな「小泉孝太郎&ムロツヨシ 自由気ままに2人旅」は11月12日(火)19時~フジテレビ系で放送。(笠緒)
2019年11月12日■めちゃくちゃラクして文学女子を気どってみない?突然ですけど、文学を語れる女性ってカッコいいと思いません?夏目漱石とか、太宰治とか、芥川龍之介とか──そういう系です。いや、わかります。逃げないでください。めんどくさいのはわかります。時間がないのもわかります。国語の授業みたいで逃げだしたくなるのはわかります。うへええええってなるのもわかります。でもですよ?とはいえ「いつか読めたらいいなあ……」と思ってたりしませんか?文豪がどんなものを書いたのか、ちょっとでも味わえたら人生も広がると思うんです。デートで気の利いたセリフもいえるようになると思うんです。「でも時間がない……」「本を読んでるだけで眠たくなる」「想像するだけでめんどくさい」その気持ち、めちゃくちゃわかります。読書ってしんどいですよね。しかし、今回は、なにも辞書のように分厚い本を読もうという企画ではありません。むしろ「ラクして文学女子を気どってみよう」というズルイ企画なのです。どうせなら美味しいとこだけ、つまみ食いしちゃいましょうよ。・さくっと短く・なんと無料で・スマホで読めるという作品ばかりご紹介します──悪くなさそうでしょう?ブンガクとかいって肩肘はらないでくださいな。ちょっと百年くらい前の、なにかと考えすぎな友人のエモいトークに耳を傾けるくらいの感じでOKです。気楽にいきましょうぜ。■10分で読める有名作品たち今回ご紹介する作品は、青空文庫というサイトのものです。ここでは「著作権の切れた小説」を無料で読めるのです。最高じゃないすか。そこから抱きしめたいくらい好きな3作品を紹介します。どれもURLをつけてあります。クリックすると、その場で読めます。通勤電車のなかや、眠る前に、さくっとスマホで。一応、3つを紹介する順番も気にしてはいます。でもピンときたやつから読んじゃってください。それが貴女の正解ですから。どれかピンときますように。1.『葉桜と魔笛』太宰治「ばかだ。あたしは、ほんとうに男のかたと、大胆に遊べば、よかった。あたしのからだを、しっかり抱いてもらいたかった。姉さん、あたしは今までいちども、恋人どころか、よその男のかたと話してみたこともなかった。姉さんだって、そうなのね。姉さん、あたしたち間違っていた。お悧巧(りこう)すぎた。ああ、死ぬなんて、いやだ。」さっそく太宰にいっちゃいましょう。あのダザイですよ。ダザイ。かの「人間失格」「走れメロス」とかのダザイです。太宰は「女性が告白するみたいに一人で語る文章のときに謎の才能を発揮する」といわれています。かしこで「なんでこんな女心わかるの……?」とまでいわれた文豪なのです。まあ、そのモテすぎた感じで、色々あって、女性と心中自殺することになるわけですけれども……。今回は『葉桜と魔笛』もそうした女性語りの短編です。テーマは恋愛。病弱で、死のせまった少女のもとに青年から恋文が届きます。けれどその手紙には秘密があって──これ以上はいえません。10分くらいなんで読んでください。胸の奥がきゅうううううっとなることでしょう。ひとりの女性の思い出話(主人公は彼女の妹なのです)に耳を傾けるように読んでくださいませ。現代風にいえば「いいね!」押したくなりますよ。2.『文鳥』夏目漱石「十月早稲田に移る。伽藍のような書斎にただ一人、片づけた顔を頬杖で支えていると、三重吉が来て、鳥を御飼いなさいと云う。飼ってもいいと答えた。しかし念のためだから、何を飼うのかねと聞いたら、文鳥ですと云う返事であった。」お次は夏目漱石です。ちょっと前に千円札だった文豪。話としては「文鳥を飼ってみていろいろ感じたことがあったよ」という現代ではブログでやりなさいといわれそうな内容です。もちろん深みがあるんですけれども。とにかく日本語の上手さを味わってもらえたら嬉しいなと思います。文鳥を表現するのにここまで細かく書けるのか、というのが個人的にアツい推しポイントです。だって原稿用紙をわたされて「文鳥を飼った感想を書け」といわれても一枚も書ききれないですよ、普通。これぞ文章力ですよね。これは日本独特の「私小説」というジャンルになります。スターウォーズや三国志や歴史小説みたいに戦争だ反乱だ革命だと壮大なドラマが──というのでなく「私生活を文章にしてみた」という軽い感じです。小さな個人的生活を書きながら、それを通して、誰もが感じている人生の真実を探ってみよう、という日本独特の文学スタイルなのですね。とはいえ、そんな小難しいことはおいときましょう。たんにキュートな小説だと思っていただければ嬉しいです。そして、最後、ちょっともの悲しいのも文学っぽいんですよ。3.『舞踏会』芥川龍之介「私は花火の事を考へてゐたのです。我々の生(ヴイ)のやうな花火の事を。」僕はこの世にある文章のなかで、これが一番好きかもしれません。ドン引き覚悟で告白しますと、いまコラムを書いている部屋の壁に、この一部を印刷したものを張ってます。狂おしいほどに好きなのです。本コラムを書く理由のひとつは、これを激プッシュするためです。どうか地球に生まれたなら読んでください。読め。読むのだ。舞台は明治。日本は西洋文明を取りいれて、文明開化を進めている途中。さる貴族の令嬢が鹿鳴館の舞踏会に呼ばれたときの物語です。そこで悲しげな顔をしたフランス人の将校と出会います。少女はまだ人生のことがわからないなりに、彼の目の奥になにかを感じることになるのです。派手な事件がおきるわけではありません。ふたりの人物が出会うだけです。それでも、ふと記憶の底に焼きつくような不思議な出会いってありますよね。そうした瞬間をコレクションすることが、人生ってやつなのかもしれません。かの三島由紀夫(この人も有名な文豪ですよね)も本作品をめちゃくちゃ誉めていた記録がのこっています。なかでも「本来、芥川はこっちの作風に進むべきだった(これとは違って神経質な作品を書き続けたから自殺することになったのでは?)」とコメントすらしています。芥川はとにかく文章がカッコいい。漢字の使いどころや、言葉のいいまわしが。都会的でキザなのですね。本物の読書には「味読(舌で味わうように読む)」という表現が使われます。ぜひ、味読に絶えうる、美しい日本語を味わってください。■感想なんて思い浮かべる必要なし!いかがでしたでしょう?この作品のどれかが貴女のハートのド真ん中に、夜空の花火のように、よくわかんない一撃を喰らわしてくれたことを願うばかりです。そして気に入った作者のものをどんどん読んでもらえたらしめたものです。といっても、これは国語の授業じゃありません。なにも「ここがおもしろかった」「この主人公の心の動きが……」という感想をひねりだす必要はありません。世の作品は、やっぱり売れてナンボです。だからこそ、わかりやすい作品が喜ばれます。簡単に感想をいえるものも多かったりします。わかりやすいが正義、みたいな。けれど貴女もご存じのように、人生って、もうちょっとだけ複雑だったりするじゃないですか。正しくて悪いとか。悲しいけど嬉しいとか。好きだけど殺したいとか。生きたいけど死にたいとか。簡単には言葉にできないことばかりですよね。そうした「人生の真実(人生ってなんだろう?)」を考えて、文章にしたり、悩んだり、読んだりするのが文学なのかなと思っています。むしろ「どう言葉にしていいかわからない……」という「不穏な人生に対するなにか」を感じていただけたら嬉しいです。さて、さて。こんなコラムを書いちゃったからには、私も新しい一冊を手にとって、まだ見ぬページをめくりたくなってきました。どうか貴女も、その優れた文学に触れたときの戸惑うような感覚を胸のうちに秘めて、ちょっと天気のいい日曜の午後なんかに、また別の文学を読んでみようかな、と思ってくれますように。
2019年11月10日モデルで女優の水原希子が、世界一周旅行に出かけるHuluオリジナルドラマ「ブラを捨て旅に出よう~水原希子の世界一周ひとり旅~」の配信が決定した。本作は、旅作家・歩りえこの著書「ブラを捨て旅に出よう」を原案に据えた“半分ドラマ、半分ドキュメンタリー”という新ジャンルの作品。原案エッセイの実話エピソードをベースとしたストーリー展開は予定されているものの、いざ現地へ赴けば、あとは水原さんにおまかせ。想定している旅から180度変わる可能性を大いに秘めた“水原希子の瑞々しい感性&力強い生命力が炸裂するドキュメンタリー”の一部始終を、カメラがとらえ配信していくのだという。「今年も仕事とプライベート合わせて32都市に行ったほど、私は旅が好き!」と話す水原さんは、「この作品は本当に特殊!セリフを丸暗記して臨むのは違う気がするし、自分でもどう消化して表現していけばいいか、まるで想像がつかないというのが正直な気持ちです。でも、カジュアルに旅をしている感覚で、自分が見たいものや行きたい場所はフレキシブルに取り入れていきたい。どう転んでも“私自身の旅”になるのは間違いないので、楽しみです!」と今回の企画について語る。さらに、自身は「海外へ旅に出ると、強くなるタイプ」「不測の事態にも強くて、特に言葉が通じず“会話ができない”みたいなシチュエーションが好きなんですよ」と、知らない土地での旅への強みを明かした水原さん。「中国で仕事をし始めた時も、全然言葉は通じないけど、中国人の友達をいっぱい作って、みんなで遊びに行ったりしてたんです。言葉が通じないからこそ、人としての度量が試される…じゃないけど(笑)、その時に起こる化学反応やムード自体がすごく好きで…。何でも面白いと思うと、乗り切れちゃうんですよね。今回も本当に“答えのない実験的なプロジェクト”なので、とにかく果敢に挑んでいきたいです」と意気込んだ。また行ってみたい場所は「中国の成都」だと言い、「以前、中国でカモの血をゼリー状に固めた『鴨血』にチャレンジしたら、見た目に反して本当に美味しくてハマったことがあるんですけど、今回はぜひ大好きな四川料理を本場で堪能したいです。成都は若者の活気に満ちているらしいので、その雰囲気も絶対に味わいたいですね」とコメント。そして「世界はすべて繋がっていて、境界もないということを感じていただきたいですし、言葉が通じなくても同じ人間同士であって、パッションや想いなど、色んな側面で伝わり合うことができるということ、そしてお互いのカルチャーをシェアしたり、学んだり、受け入れ合うという事の喜びや、美しさを知っていただきたいです。私自身もこの作品ですべてを解放して、オープンな気持ちでいろんなものを吸収したいと思いますので、少しでも皆さんにポジティブなメッセージを受け取ってもらえたら嬉しいです」とメッセージを寄せている。Huluオリジナルドラマ「ブラを捨て旅に出よう~水原希子の世界一周ひとり旅~」は2020年1月より毎週1話ずつHuluにて独占配信(全6話予定)。(cinemacafe.net)
2019年10月28日作・佃典彦、演出・松本祐子のタッグによる、文学座10月公演『一銭陶貨』が10月18日(金)から東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAで上演される。日本中が金属不足にあえいでいた第2次世界大戦末期、窮余の策として「せともの」で作られた「一銭陶貨」。あらゆる職人技を結集させて生まれた「陶貨」だったが、お上にさんざん振り回されるうちに終戦を迎え、結局、世に出ることはなかった。そこに透けて見えるのは、日本が誇る技術の高みと、それにまつわる人々の揺れる思い。それは時に気高く、時に滑稽で愛おしい。生活の中のユーモアを細やかにすくい上げることに定評のある佃典彦が、この題材をひとつのストーリーへと織りあげた。時は昭和18年。瀬戸の町に長く暮らす陶芸家の家系にある加藤家の物語。長男の和雄は陶芸の才能豊かで超エリート。母の愛を一身に受けてきたが、ある日、赤紙が届く。次男の昭二は足が不自由で徴兵不合格の身。陶芸の才能にも乏しく、母に疎ましがられて育った。そんな加藤家に、京都・有田・瀬戸で、金属貨幣に替えて陶器貨幣を製造するという話がもたらされた。昭二は、今までの鬱積のすべてを陶貨作りにぶつけようと心に決める……。演出を手がけるのは劇団内外で高い評価を受ける松本祐子。佃とのコンビは2007年の『ぬけがら』以来で、同作で佃は岸田國士戯曲賞を、松本は千田是也賞を受賞している。技術や才能、嫉妬や欲望。「ものづくり」の周辺で人間を葛藤させるあれこれを、ふたりの「芝居づくり」師がどう描くか。文:小川志津子
2019年10月15日北海道最大級の滞在型リゾート〔星野リゾートトマム〕から、鮭尽くしの宿泊プラン「鮭旅(しゃけたび)」が登場!お部屋からお料理、アクティビティなど「鮭旅」でしか味わえない特別なプランは必見です。2019年9月1日(日)〜10月31日(木)までの期間限定ですよ!鮭の魅力を存分に堪能できる「鮭旅」〔星野リゾートトマム〕から期間限定で登場する、宿泊プラン「鮭旅」。北海道は、国内有数の漁獲量を誇る鮭の産地。そんな北海道で、鮭の魅力を感じて欲しいという思いから実現した特別なプランです。鮭になった気分を味わえる(⁉︎)特別な体験が用意されていますよ。さっそく、「鮭旅」ならではの注目ポイントを詳しく見ていきましょう!鮭がたっぷり「鮭ルーム」宿泊するお部屋は、鮭の姿や切り身をモチーフとしたインテリアがたくさん設えられている「鮭ルーム」!ベッドルームは、さながら鮭の川流れ。ブルーのカーペットで川を泳ぐ鮭が表現されています。そして、ベッドボードには、鮭を狙うクマの姿も!鮭になった気分を味わえるこだわりがいっぱいの空間です。お部屋の中にはマグカップやバスタオルなど、かわいらしい鮭グッズがたくさん!オレンジ色のパジャマを着て、鮭になった気分でゆったり過ごせます。そしてご覧ください、このお風呂場!鮭ルームに設置されたバスルームでは、いくら丼をイメージしたお風呂を楽しめるのです。用意された入浴剤を入れると泡が立ち、ご飯のような見た目になるのだそう。プチプチのいくらを模したボールがところ狭しと浮かんでいる様子は、「鮭旅」ならでは。至る所に鮭、そして鮭。極上の「鮭体験」があなたを待っています……!ごはんもやっぱり鮭・鮭・鮭!鮭の豪華ディナーメニューメインの「鮭フィレの塩釜焼」朝食「究極の鮭茶漬け」気になるご飯もやっぱり鮭尽くし!鮭のさまざまな部位を使ったコース料理や、こだわりの食材を堪能できる朝食など、旬の鮭をたっぷり満喫できるぜいたくなお料理ばかりです。これぞ「鮭旅」!特別なアクティビティ体験も♪「鮭旅」でしか体験できないアクティビティもご紹介。リゾート内のプール「ミナミナビーチ」では、鮭がデザインされたボードで水上スポーツを楽しめます。鮭が川を遡上するような気分を味わえるかも……⁉︎また、オプションですが、鮭の燻製作りができる体験など、トマムの大自然を感じられるアクティビティも魅力的です。「鮭旅」で鮭を満喫しよう♪今回は、〔星野リゾートトマム〕の期間限定プラン「鮭旅」をご紹介しました。鮭を存分に感じ、滞在を満喫できる特別な体験は「鮭旅」ならではですね!詳細は、公式サイトをぜひチェックしてみてくださいね♪施設名:星野リゾートトマム住所:北海道勇払郡占冠村中トマム期間:2019年9月1日(日)〜10月31日(木)チェックインまで料金:1泊39,100円(税別)〜※2名1室利用時、1名あたり。夕朝食付。定員:1日1組限定(1組は2名まで)※掲載している情報は2019年8月時点のものです。〔星野リゾート トマム〕の詳細はこちらから♪
2019年09月06日現代美術家6名によるグループ展『話しているのは誰? 現代美術に潜む文学』が国立新美術館で11月11日(月)まで開催されている。同展に参加するのは、北島敬三、小林エリカ、ミヤギフトシ、田村友一郎、豊嶋康子、山城知佳子の6名のアーティストたち。1950年代から1980年代生まれまでと年齢は幅広く、表現方法も映像や写真を用いたインスタレーションをはじめとして多岐にわたる。そんな彼らの共通点は、作品のうちに「文学」の要素が色濃く反映されていることだ。2014年より日本各地を撮影した風景写真シリーズ「UNTITLED RECORDS」の制作を行う北島敬三。目に見えないもの、時間や歴史、家族や記憶をモチーフとして作品を手がける小林エリカ。映像や写真などを用いて、社会政治的事象、とりわけセクシュアリティとマイノリティの問題を取り上げた作品を手がけるミヤギフトシ。既存のイメージやオブジェクトを起点にしたインスタレーションやパフォーマンスを手がける田村友一郎。そろばん、サイコロ、安全ピン、油絵具などの既製品や美術に馴染みのある物質を素材に手を加え、これら事物の中に複数の見え方が表出する作品を制作する豊嶋康子。写真、映像、パフォーマンス、インスタレーションによって沖縄における米軍基地や戦争の問題を掘り下げてきた山城知佳子。さまざまな形式で表現活動を行う彼らの作品の中に「文学」がどのように潜んでいるのか?その多様な現れ方を感じ取ってみたい。【関連リンク】 国立新美術館(https:// www.nact.jp )北島敬三 《ツィルカール村 アルメニア共和国》(「USSR 1991」シリーズより)1991/2019 年 顔料印刷 66.0×93.0cm 作家蔵 ©KITAJIMA KEIZO小林エリカ 《ドル》 2017年 ウランガラス、鏡、紫外線ランプ 61.0×41.0×7.5 φ70cm 個人蔵 協力:妖精の森ガラス美術館 © Erika Kobayashi Courtesy of Yutaka Kikutake Galleryミヤギフトシ 《A Lamp》(「物語るには明るい部屋が必要で」より) 2019 年 デジタルCプリント 作家蔵 ©Futoshi Miyagi田村友一郎 《Sky Eyes》 2019 年 ミクストメディア 作家蔵 ©Yuichiro Tamura豊嶋康子 《ズレ》 2018 年 紙、割りピン、アクリル絵具、ボールペン φ11.5cm 作家蔵 撮影:木奥惠三山城知佳子 《チンビン・ウェスタン『家族の表象』》 2019 年 4KHD ヴィデオ、カラー、サウンド 作家蔵
2019年09月05日文学座が上演する『スリーウインターズ』は、クロアチア・ザグレブ出身の女性作家、テーナ・シュティヴィチッチが描く、ある家族の4世代にわたる物語。第二次世界大戦直後から、グローバリズムの波に飲み込まれてゆく現代まで、クロアチアの3つの時代を背景に、生き方を模索する女性たちの姿が綴られる。上演会場は、約70年にわたって数々の意欲的な舞台を生み出してきた文学座アトリエ。本日9月3日、ベテランから若手までそろう座組みによって、いよいよ初日の幕を開ける。第二次世界大戦後の1945年、ザグレブ。ローズは、かつてナチスの協力者だったブルジョワジーの家を手に入れる。この家は、ローズの母親がメイドとして働き、ある事情から追い出された家でもあった。時は移り、ユーゴスラビア分断が決定した1990年、さらにクロアチアがEUに加盟をした2011年と、ローズを取り巻く状況は大きく変化してゆく。人々は、そして女たちは、この3つの冬をどう受け止め、生きたのか。2014年にロンドン・ナショナルシアターで初演、2016年にはクロアチア国立劇場でも上演された本作。日本初演となる今回の演出を手がけるのは、文学座の演出家・松本祐子だ。文学座アトリエの会では、『ペンテコスト』『ホームバディ/カブール』など異文化間の対立を描いた問題作を発表してきた松本。外部公演でも、新たな視点による『ピーターパン』の演出で、第47回毎日芸術賞千田是也賞を受賞するなど、戯曲の魅力を引き出す手腕に定評がある。アトリエ公演という密な空間で、どんな物語を紡ぎだしてくれるのか期待はふくらむ。そしてこのたび、シュティヴィチッチの来日が急きょ決定。9月4日13:30の回の終演後に、シュティヴィチッチと松本のアフタートークが開催される(別日のチケットでも参加可能)。女性にとっての“自分らしさ”や幸せのありようが大きく変化するなか、著作が10カ国語で翻訳され、ますます注目が高まるシュティヴィチッチの戯曲。日本の観客にとっても、多くの示唆を与えられる舞台となるに違いない。文:佐藤さくら
2019年09月03日展覧会「話しているのは誰? 現代美術に潜む文学」が、2019年8月28日(水)から11月11日(月)まで国立新美術館にて開催される。「話しているのは誰? 現代美術に潜む文学」は、文学をテーマにしたグループ展。映像や写真を用いたインスタレーションなど、文学の要素を色濃く反映している日本の現代美術家たちの手掛ける作品を展示する。出品作家は、目に見えない物や時間、記憶をモチーフとして作品を手掛ける小林エリカや、既存のイメージやオブジェクトを起点にインスタレーションやパフォーマンスを発表する田村友一郎ら6名。それぞれの作品から、日本の現代美術における文学のさまざまな表れ方を感じることができる。さらに会期中、国立新美術館館内にて作家たちによるアーティストトークやギャラリートークも開催されるので、気になる人はぜひチェックしてみてほしい。【詳細】「話しているのは誰? 現代美術に潜む文学」会期:2019年8月28日(水)~11月11日(月)会場:国立新美術館 企画展示室1E住所:東京都港区六本木7-22-2開館時間:10:00~18:00(毎週金・土曜日について、8・9月は21:00まで、10・11月は20:00まで)休館日:毎週火曜日 ※10月22日(火・祝)は開館、10月23日(水)は休館。※入場は閉館時間の30分前まで観覧料:(当日)一般1,000円、大学生500円/(前売・団体)一般800円、大学生300円※2019年11月3日(日・祝)は文化の日につき入場無料。※高校生、18歳未満の人(学生証または年齢のわかるものが必要)、障害者手帳を持参の人(付添1名を含む)は入場無料。■アーティストトーク場所:国立新美術館 3階講堂定員:260名 ※先着順、申込不要日時、アーティスト:・9月14日(土) 18:00~20:00(17:30開場) ミヤギフトシ・9月22日(日) 14:00~16:00(13:30開場) 北島敬三・10月20日(日) 14:00~16:00(13:30開場) 豊嶋康子・10月22日(火・祝) 時間未定 田村友一郎・10月26日(土) 17:00~19:00(16:30開場) 小林エリカ■ギャラリートーク場所:国立新美術館 企画展示室1E ※申込不要出演者、日時:・9月15日(日)14:00~15:00 豊嶋康子・9月21日(土)14:00~15:00 小林エリカ・10月5日(土)16:00~17:00 小原真史、北島敬三※アーティストトーク・ギャラリートークの聴講は無料。本展の観覧券(半券可)の提示が必要。【問い合わせ先】TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2019年08月26日全世界47か国で翻訳され、60年間世界中で愛され続けている児童文学の傑作「小さい魔女」の実写映画化『小さい魔女とワルプルギスの夜』が、日本でも公開。この度、本作のメインキャラクターの吹き替えを、坂本真綾と山寺宏一が務めることが決定。予告編とポスタービジュアルも到着した。至極のファンタジーが日本に上陸森の奥でカラスと暮らす“小さい魔女”の夢は、魔女のお祭り“ワルプルギスの夜”に招待されること。しかし、参加できるのは大きい魔女だけ。127歳の“小さい魔女”はまだまだ半人前で、今年も招待状は届かない。あきらめられない“小さい魔女”は、こっそりと祭りに忍び込むが、ルンプンペルおばさんに見つかってしまった。大目玉を食らいながらも、何とか一番えらい“大きい魔女”から、来年の<ワルプルギスの夜>で<良い魔女>のテストに合格したら、踊ってもいいと約束してもらう。ただし、もし出来なければ、恐ろしい罰が。こうして“小さい魔女”は、さっそく“大きい魔女”から渡された魔法辞典を開き、1年で7,892個の呪文を全て覚えるという宿題に取りかかる…。『千と千尋の神隠し』にも影響を与えた世界的児童文学作家、オトフリート・プロイスラーの一番有名な作品「小さい魔女」。今回実写化を手掛けたのは、『パディントン』『ハイジ アルプスの物語』などを送り出してきたスタジオカナル。監督は『ハイジ アルプスの物語』で編集を手掛けたミヒャエル・シェーラー。半人前の“小さい魔女”と相棒のカラス、アブラクサスの成長を描いた至極のファンタジーが日本にやってくる。坂本真綾×山寺宏一、豪華吹き替えキャスト127歳でありながら、未だに半人前の“小さい魔女”を演じるのは、『パフュームある人殺しの物語』のカロリーネ・ヘルフルト。今回この吹き替えを、「黒執事」シエル・ファントムハイヴ役やナタリー・ポートマンの吹き替えでお馴染み、声優・歌手として活躍する坂本真綾が担当。そして、100年以上飛んでいないおしゃべりカラスを、先日「それいけ!アンパンマン」のジャムおじさんを引き継ぐことになった、山寺宏一が声をあてる。これまで、人間から動物まで様々な役を演じ分けてきた山寺さんが、“小さい魔女”を時に親友のように、時に父親のように見守るアブラクサスに命を吹き込む。坂本真綾「心に染みる物語」「見た目はたしかに大人なのですが、魔女の世界ではまだまだ駆け出しで、未熟者。少し幼さを残して、いたずらっ子のように屈託なく笑うところが、とてもチャーミングです」。127歳なのに、半人前の“小さい魔女”の魅力をこう説明した坂本さんは、「演じていても楽しい役柄でした。吹き替えで小さな子供たちが見ても楽しんでもらえるように、わかりやすい言葉で翻訳されています」とコメント。また「お子さんたちはもちろん、大人が見ても楽しく、心に染みる物語です。毎日を楽しく過ごしたい、誰かの役に立ちたいという、小さな魔女のシンプルな願いは、私たちみんなに共通するものではないでしょうか。彼女の活き活きとした姿に、きっと誰もがさわやかなエネルギーをもらえるはずです。劇場でぜひ、ご覧ください!」とメッセージを寄せている。ベテランも苦戦!? 山寺宏一「難しかった」山寺さんは「リアルなカラスなので表情はほとんどありません。よって台詞のニュアンスで感情を伝えなければならず、そこが難しかったです」と演じた苦労を明かし、「初めカラスを意識するあまり、喋りと声のクセが強過ぎたようで、スタッフに『もっと自然に』と注意されてしまいました」とアフレコ中のエピソードも。映画については「とにかく森が美しい!そして小さい魔女の家が可愛い!昔ながらの『魔女』のイメージを壊さないチョット不気味な大魔女達が面白いです」と見どころを語っている。<予告編>坂本真綾のキュートな魔女! カラス・山寺宏一との掛け合い注目今回到着したのは、坂本さんと山寺さんが吹き替える予告映像。“大きい魔女”のみが招待されるお祭り“ワルプルギスの夜”にこっそり忍び込んだ“小さい魔女”が、<よい魔女>になる約束をさせられる場面から始まる。しかし、相棒アブラクサスに励まされながら奮闘するものの、失敗ばかり。ガラクタが降ってきたり、頭から耳が生えたり…呪文を間違えては大変な目に遭わされる、思わずクスッとさせられる映像となっている。『小さい魔女とワルプルギスの夜』は11月15日(金)よりYEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2019年08月08日今年の再々演でラストステージを迎えた、村上春樹原作、蜷川幸雄演出の舞台『海辺のカフカ』。それに続く村上文学の舞台化第2弾、『神の子どもたちはみな踊るafter the quake』が今夏、上演される。【チケット情報はこちら】原作は阪神淡路大震災をモチーフに、地震のニュースに触れた人々の心の動きが綴られた作品を集めた短編集で、その中から『かえるくん、東京を救う』『蜂蜜パイ』の2編を取り上げて構成。脚本は『海辺のカフカ』を手がけたフランク・ギャラティ。演出は、蜷川演出の舞台『私を離さないで』(2014年、カズオ・イシグロ原作)で脚本を担当した倉持裕が担うこととなった。今回、『海辺のカフカ』のナカタ老人役で海外からも多くの賞賛を得た木場勝己が、“かえるくん”役で出演。再び村上ワールドに挑む思いを聞いた。「『海辺のカフカ』パリ公演の時に村上春樹さんのトークショーがあって、10代の若い女性ファンが作品のテーマなどを質問するんですね。村上さんはテーマのことはおっしゃらずに“僕は物語を作るんです”と主張されていました。僕ら俳優の場合は物語を作るというより、その瞬間、瞬間の場で起こったドラマをつなげることで、最終的に物語になると考えていて。そこが作家とは違うなと思っていたら、さらに“僕は、プロットは作らない。登場人物を置いた後、彼らがどう動くかは書いてみないとわからない”とおっしゃった。その感覚はちょっと近いかな、なんて思いましたね。豊かな物語に負けないよう、その瞬間、瞬間のつなぎをちゃんとやらなきゃと思っています」蜷川との思い出を「ああしろ、こうしろと言われたことは皆無。だから自分の好きなようにやって、それを蜷川さんがニヤニヤして見ていた」と笑いながら振り返る。倉持との舞台作りは今回が初。その期待とともに気になるのは、自身が担うキャラクターである。「何しろ人間じゃなくて、蛙だからね。蛙の気持ちは知らないけれど(笑)、未知な分だけ面白いと思います。村上さんは“総体としての蛙”という言い方をしていたかな。かえるくんは、信用金庫に勤める片桐さんに「みみずくんが東京に大地震を起こそうとしている。一緒に闘ってくれ。あなたでなければいけない」と頼むんです。その片桐さんというキャラクターがとても興味深いんですよ。風采があがらず、腕に覚えもないのに、ヤクザの前でも動じずにこちらの要求を通したりする。そういう嫌な仕事を押し付けられるんだけど、きちんとやり遂げていて。そんな片桐さんを、かえるくんはなぜシンパシーを感じて選んだのか。そこが1番、僕のモチベーションの核になるだろうと思います。僕自身、そういう人がちょっと好きですから」地震をモチーフに人々の繊細な心の揺らぎを描く本作について、「ラストは再生に向かっている、と感じられます」と穏やかな表情で見据える。共演する古川雄輝、松井玲奈、川口覚ら瑞々しい才能たちの頼れる支柱となることは間違いない。“ナカタさん”から“かえるくん”へ、魅惑の村上ワールドを飄々と泳ぐ、熟達の味わいに期待せずにはいられない。取材・文上野紀子
2019年07月05日文学座の公演『ガラスの動物園』が6月28日(金)、東京芸術劇場 シアターウエストにて開幕する。アメリカ演劇を代表する劇作家テネシー・ウィリアムズによるこの名作を、文学座が上演するのは5回目で、1990年の前回から実に29年ぶりとなる。「『ガラスの動物園』は、文学座の人間にとっては馴染みの深い作品です」と語るのは、その大切な演目を自ら選び、演出に名乗りを上げた高橋正徳だ。「名作なのでプレッシャーはあるけれど……、よくプレッシャーに対して“肩肘張らずにやろう”とか言いますが、座組の皆とは、むしろ“肩肘張って、やっていこう”と話しています。ちゃんとプレッシャーを受け止めて、そういう作品をやるチャンスを得たことを、肝に銘じてやっていこうと」文学座の俳優養成機関である附属演劇研究所において、森本薫『女の一生』、ソーントン・ワイルダー『わが町』に次いで、長きに渡り教本として扱われてきた戯曲が『ガラスの動物園』だ。高橋も、研究所時代にこの戯曲と初めて出会ったという。「僕が研究所に入ったのは20年近く前です。それ以前の学生時代は主に小劇場演劇を観ていたので、いわゆる演劇の名作戯曲を読んだのは研究所からでした。とても読みやすいし、当時の僕自身にも身につまされる内容ではあったんですが、やってみたいとまでは思わなかった。その頃はやっぱり、新しいものをどう取り入れるかということばかり考えていたんですね。20年経って、当然ながら歳を取るごとに戯曲の見え方も変わってきます。新しい作品、作家との出会いで刺激を受けることも大事だけど、過去の文学座の作品を先輩方から受け継いで、あらためて検証し、リニューアルというか、更新することも大事だと考えるようになりました」父親不在の家庭で、現実に心を閉ざして生きる母アマンダと娘ローラ。トムはそんな母と姉にいら立ちながら、見捨てることもできずにいる。そこに青年ジムが現れ、一家の生活に変化が訪れる——。アマンダ役の塩田朋子、ローラ役の永宝千晶、トム役の亀田佳明、ジム役の池田倫太朗と、高橋の望む最強の布陣が整った。とくに29年前の劇団公演でローラを演じた塩田には、「ぜひアマンダを演じていただきたかった」と強調する。「29年前の塩田さんのローラは残念ながら観ていないけれど、芝居に対する熱量や力強さが素敵だなと感じる女優さんです。アマンダは、家庭の中で母としての役割を全うしようといろんな表情を見せる役なので、今回は塩田さんの多彩な表情が見られると思います。亀田君は同い年で、演劇的な言葉のやりとりができる俳優です。すごく信頼しているので、二人三脚で作品作りをしているような感覚でいますね。永宝さんも実力のある女優さんで、舞台より先に声の仕事で……、『スター・ウォーズ』のレイ役とかで忙しくなったんですが、本来は舞台がやりたい、文学座の作品に出たいと。ローラは相当内面が屈折した、闇を抱えた女性なので、深く掘り下げる力のある女優を考えた時に、永宝さんが思い浮かびました。池田君は元サッカー少年で、怪我でサッカーから離れる時に、ふと思い立って文学座を受けたら受かっちゃった人(笑)。だから当初は演劇のエの字も知らなかったけど、やっぱり身体性が優れている。役者はどこかナルシスティックなところがあるから、自分の役ばかりに集中しがちなところを、彼は無意識に周りを見られるタイプなんですね。また、演劇って初舞台から数年は楽しいけど、徐々に成長曲線が落ちてきて、未来に対するぼんやりとした不安を抱える人は多いと思うんです。でも長年スポーツに取り組んできた彼みたいな人は、2、3年で結果は出ないということを知っているから頭でっかちにならない。つねに前向きに、じゃあ今何が必要かということを具体的に考えられる人間なので、すごく面白いです」後列左からジム役の池田倫太朗、トム役の亀田佳明、前列左からローラ役の永宝千晶、アマンダ役の塩田朋子過去の公演はすべて鳴海四郎訳での上演だが、今回は小田島恒志に新訳を依頼。その狙いを「とても現代劇な問題を孕んだ家族劇なので、よりアクチュアルな関係を観客に提示したい」と語る。「描かれているのは1930年代のアメリカです。金融恐慌から立ち直ろうとする社会状況の中、トムは仕事の単純作業に日々明け暮れ、生きている実感を得られずにいる。若者たちが未来を想像できない状況という点は、とても今の日本に通じるものがあります。また、父親不在による問題、母と娘の関係など、観る人によって、“他人事じゃない”といった共感ポイントはたくさんあると思うんですよね。“あんな母親がいたら、逃げ出すよ”って人もいれば、“いや、母親とはそういうものだ”と、トムを責める人もいるかもしれない。客席からどんなリアクションが聞こえてくるのか、楽しみです」文学座での初演は1969年。劇団力で引き継いできた至宝の舞台が、清々しく頼もしい精鋭たちの力で、さらに太い幹となって立ち上がろうとしている。「それぞれのキャラクターが持つ寂しさ、悲しみがちゃんと浮き出てくるよう、丁寧に作り上げたいと思います」7月7日(日)まで。取材・文:上野紀子
2019年06月21日シルクロードを舞台に黒沢清監督が描く、日本×ウズベキスタン初の合作映画『旅のおわり世界のはじまり』。現在公開中の本作では、主演・前田敦子の衣装にぜひ注目してほしい。本作で前田さんが演じているのは、舞台で歌うという夢への情熱を胸に秘めながらも、TVリポーターの仕事を続ける主人公・葉子。劇中では、理想と現実のズレに違和感を感じる葉子が、番組クルーと共に取材でウズベキスタンを訪れる。ウズベキスタンに約1か月滞在しロケを敢行した本作では、日本では見られない雄大なシルクロードの風景からバザールの雑踏など現地の空気を感じられ、まるでウズベキスタンを旅しているような体験ができる。そんな旅好きも必見の本作。今回はTVリポーターという職業柄、海外を飛び回る葉子の服装に注目!旅する国に合わせて服をチョイス! 「エスニックな服とストール」劇中では、タシケントにあるウズベキスタン最大のバザールなど、現地の人が実際に生活している場所へ足を運んで取材をするシーンも登場しており、葉子も街の雰囲気に馴染むようなエスニック調の花柄チュニックやワンピースを着ている。また、旅する国の雰囲気に合わせるのもいいが、その土地の気候も要チェック。ウズベキスタンは昼夜の気温差が激しく日差しも強いため、葉子は大判のストールを日除けに使ったり、羽織ったり。万能さを発揮してくれるストールは、旅のお供の必須アイテムかも。おしゃれしたいけど荷物は軽くしたい…着まわしのきく「デニムジャケット」荷物がかさばるのは嫌だけど、せっかくの旅先だからシーンに合わせたおしゃれも楽しみたい…と悩む人も多いはず。劇中で葉子は、どんな服とでも合わせやすく着まわしのきくデニムジャケットを持参。ワンピースの上に羽織ったり、夕食を求めて街を散策する際には、ラフなTシャツとショートパンツに合わせてみたり。変わりやすいウズベキスタンの気温対策もバッチリだ。動きやすさが一番! 「スニーカー」そしてたくさん歩く旅の足元は、歩きやすいスニーカーがマスト!ワンピースやショートパンツを履いている葉子は、靴下もおしゃれ。赤色のワンピースに黄色の花柄に合わせた黄色い靴下がワンポイントで映えている。おしゃれだけど動きやすい、まさに旅にはピッタリのファッション!魅力が満載の葉子の旅ルックにも注目しながら、彼女と一緒に「心の冒険」に出てみてはいかが。『旅のおわり世界のはじまり』は全国にて公開中。(cinemacafe.net)■関連作品:旅のおわり世界のはじまり 2019年6月14日よりテアトル新宿、渋谷ユーロスペースほか全国にて公開Ⓒ2019「旅のおわり、世界のはじまり」製作委員会/UZBEKKINO
2019年06月16日今年7月、21年ぶりの来日公演が行われるエイフマン・バレエ。その公演を控えた6月2日、上演作品の『アンナ・カレーニナ』『ロダン~魂を捧げた幻想』について、文学、美術の専門家を講師に招いた「エイフマン・バレエ来日記念講演会」が開催された。【チケット情報はこちら】『アンナ・カレーニナ』についての講師は、東京外国語大学教授でロシア文学研究者の沼野恭子。まず小説に登場する3組の家庭の関係性の解説から始まり、冒頭の有名な一文「幸福な家庭はどれもみな似たものだが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである」を引用。小説では「幸福と不幸」「都会と田舎」「生と死」など対比のコントラストが効いていることを紹介した。また機械文明の象徴として「鉄道」が物語の伏線となっている点など、小説を読み解くヒントを提示し「当時のロシア社会がリアリスティックに、端整な文体で描かれている。読書の快楽を味わうことができる名著」とその魅力を語る。さらに小説とバレエでは描かれ方が違うことに触れ「小説がどのように“アダプテーション”(原作を映画や舞台に脚色、翻案すること)されているかを観るのがもっとも楽しい。バレエという身体言語で文学をどのように表現しているのかも見どころ」と締めくくった。続いて、彫刻家オーギュスト・ロダンの創作魂に迫る『ロダン~魂を捧げた幻想』にちなみ、ロダン・コレクションで知られる静岡県立美術館の上席学芸員、南美幸が登壇。ロダンが一躍有名になった作品「青銅時代」について、そのリアルさが物議を醸したことや、代表作「地獄の門」「カレーの市民」の制作過程について、写真を交えながら解説した。またバレエでも描かれている、妻ローズと助手で恋人のカミーユとの三角関係に言及し、カミーユがロダンとローズを揶揄して描いたデッサンや、3人の関係を表現した彫刻「分別盛り」など、愛憎うごめく作品も紹介。晩年のロダンがニジンスキーの『牧神の午後』を賞賛し、彼をモデルにした彫刻を作っているという話もバレエファンにとって興味深い内容だった。最後にサンクトペテルブルクで『ロダン』を鑑賞し、バレエ団の稽古も見学した舞踊評論家の桜井多佳子が登壇。長身の美しいダンサーたち(ダンサーの採用基準は男性が184cm、女性は173cm以上)がアクロバティックな動きを繰り広げる興奮と、音楽の効果的な使われ方の面白さについて臨場感たっぷりに語った。文学、美術講座としても知識欲を刺激する贅沢な内容の2時間で、バレエファンはもちろん、文学、アート好きにとっても楽しめる公演になることを確信する講演会だった。公演は7月13日(土)に滋賀・滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール、7月15日(月)に静岡・グランシップ(静岡)中ホール・大地、7月18日(木)~21日(日)まで東京・東京文化会館にて行われる。取材・文:郡司真紀
2019年06月12日「マイル旅」新CMでは、日本を飛び出し海外へ株式会社JALカードは、JALカードでたまった「マイル」を使ってお得に楽しく旅をする「マイル旅」のPRの一環として、リアリティ番組への出演などで話題のモデル・谷川りさこさんを起用した新WEB CM(全3本)を、2019年5月13日(月)に公開した。CMは「TRY!マイル旅 台北スイーツ天国篇」「TRY!マイル旅 十分ランタン飛ばし篇」「TRY!マイル旅 九份サンセット台湾茶篇」の3本。いずれも谷川りさこさんが、日本から20,000マイルで往復できる観光名所を巡る。台北と言えばさまざまなグルメが有名だが、谷川さんはスイーツ屋に向かい、マカロンやティラミスなど、さまざまなスイーツを堪能する。そのほか、台北から車で1時間ほどの十分で願い事を書いたランタンを飛ばす「ランタン飛ばし」を体験したり、映画のモデルやロケ地としても有名な九份に向かい、夕暮れを眺めながらカフェでお茶を楽しんだりする姿が描かれている。たまったマイルで海外へ!お得に楽しく旅をする「マイル旅」JALカードでは、日々のJALカード利用でたまったマイルをつかってお得に楽しく旅をする「マイル旅」を提唱している。「マイル旅」とは、マイルで交通費を得した分、いつもより贅沢な宿や食事を楽しんだり、初めてのアクティビティに挑戦したり、いつもとちょっと違う旅の楽しみ方だ。5月13日から公開されている「マイル旅」新WEB CM(全3本)は、「TRY!マイル旅」をコンセプトとしたWEB CMの第2弾。第1弾では国内での「マイル旅」を楽しんだ谷川さんだが、今回は日本を飛び出し、身近な海外の人気観光スポットを巡る。フォトジェニックな街並みやスイーツが近年話題となっている台北や九份・十分の街を、「マイル」で得をした分、アクティブに楽しむ谷川さんの姿は必見だ。SNSへの投稿でマイルが当たる「TRY!あなたのマイル旅キャンペーン2」JALカードは、CM公開と同日の5月13日から7月31日まで、SNSへの投稿でマイルが当たる「TRY!あなたのマイル旅キャンペーン2」を実施している。今回が第2弾となる本キャンペーン。今回は「20,000マイル」を、計15名にプレゼント。国内を飛び出して、台北や十分、九份などといった、海外への「マイル旅」も楽しめる。JALカードのTwitter公式アカウントをフォローのうえ、「マイルで行ってみたい場所」ならびに「そこでやってみたいことや実現したいこと」についての想いを、ハッシュタグ「#JALカード」「#TRYマイル旅」付きで投稿するだけで応募は完了だ。あなたが行ってみたい場所はどこだろうか。キャンペーン第2弾に参加し、プレゼントの「20,000マイル」に夢を膨らませよう。【参考】※キャンペーンサイト※JALカード公式サイト
2019年05月16日この連載のタイトルは「ものがたりが開く世界への扉」ですが、ちょっと目を上に向けていただけるとサブタイトルが見えるかと思います。「子どものための英文学」となっていますね。一番最初の記事ではこんな風に書きました。実は「英文学」というくくりには数多くの問題があるのですが、とりあえず、今の段階では「英語で書かれた」「主にイギリスの」文学、としておきましょう。堅苦しく考えることはなく、ピーター・ラビットも、不思議の国のアリスも、ハリー・ポッターも英文学の世界の住人です。(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|英語をただ学ぶだけでは身につかない?英文学から得られる文化的な読解力「文化リテラシー」)ここで言っている「数多くの問題」について、今日は「英」の部分を取り上げて、少しだけ考えてみましょう。お父さんとお母さんが気付いているかどうかで、物語を読んだ後の子供への声がけが変わってくるでしょうし、そもそもどんな本を子供と読むべきかという判断も変わってくるだろうと思うからです。「国」と「言葉」と「物語」は一直線ではつながらない?「英文学」の「英」とは、「英語」なのでしょうか、「英国」なのでしょうか?さらにいえば、「英国」はいつの時代のことをさしているのでしょう?かつて大きな帝国を持っていたイギリスの国境は、時代によって大きく動きます。そのうちの、どの国境が「英文学」について話をする時に適用されるのでしょう?今年2月に公開されたディズニー映画『メリー・ポピンズリターンズ』を親子で観に行ったという方もいるかもしれません。その原作となった、古典的な児童文学の名作『メアリー・ポピンズ』を例にあげてみましょう。ロンドンを舞台にした、とてもチャーミングで人気のある物語です。けれども、原作の作者のP.L. トラヴァースは、オーストラリア生まれです。子供時代をオーストラリアで過ごし、大人になってからイギリスに移住しました。イギリス生まれの父親を持ち、オーストラリアとイギリスの二重国籍者です。さて、『メアリーポピンズ』は英文学でしょうか、それとも、オーストラリア文学でしょうか?英語話者=50数ヶ国語話者!?○ヶ国語という表現の落とし穴「英文学」という言葉の中には、「国」や「言葉」や「文学」に関わる概念が複雑に入り混じっています。この国と言葉と物語の関係性について、子供達にできるだけ柔らかい態度を持っていてもらいたいのです。多くの日本の人は、なんとなく漠然と「言葉」と「国籍」と「住んでいる国」がきれいな形で繋がっていると思っています。けれども実際は、言語と国籍と居住国は、必ずしも一致するとは限りません。日本語が使える外国人は数多くいますし、日本語しか使えない外国籍の人も数多くいます。私も含め、日本の外に住んでいる日本人も少なくありません。生まれた時の国籍と、大人になった時の国籍が異なる場合だってあるでしょう。英語という言語は一つですが、英語を公用語とする国は現在50を超えるはずです。つまり、英語と日本語を話す私は基本的には2言語話者ですが、屁理屈を言えば50数ヶ国語話者でもあるのです。「○ヶ国語」のように、「国」と「言葉」を一本の線で結びつけて言語や社会を理解しようとすることに、そもそも無理があるのかもしれません。「単なる日本語の表現の問題じゃないの?」と思われるかもしれませんね。確かに、「2言語」というのか「2ヶ国語」というのかは、とてもささいなことです。けれど、国や言葉、文化について考えていく、とても身近なきっかけでもあります。それを潰して欲しくはないなあ、とも思うのです。言葉と文化と国の関係に柔軟な姿勢を、幼少期から育むためにこれから先、子供達が暮らしていくであろう世界は、必ずしも国と言葉と文化や文学が一本の線で単純につながっていくような世界ではないだろうと予想がつきます。「イギリスに住むイギリス人が、母語である英語を使ってイギリス人の心を描いたのが英文学」と単純にくくることができないように、「日本に住む日本人が、母語である日本語を使って日本人の心を描いたのが日本文学」と言うことが適切でない世界に、子供達は育っていくでしょう。細かいことを言えば、これからの子供達がそういう世界に育っていくのではなく、もともと世界はそういうもので、今まで私たちの多くが気づかなかっただけなのかもしれませんね。「英文学」「英語の物語」という言葉を聞いた時に、「イギリスの」あるいは「アメリカの」物語だけを思い浮かべるのではなく、もう少し、広い世界を想定できること。そして、「国、言葉、文学(文化)」が一直線で繋がらない、という、シンプルだけれどとても重要なことを理解していること。言葉と文化と国の関係に柔軟であることは、やがて子供達が、自分の暮らす社会や、もっと広い世界を理解しようとする時に、手助けになるだろうと思うのです。英語の物語の世界の広がりを味わえる絵本様々な歴史のせいで、世界のあちらこちらで使われている英語は、国と言葉と文化は多元的・流動的だという実感を育むために、良い下地を作ってくれるのではないかと思います。英語で書かれた物語の世界の広がりを感じさせる作品を、いくつかご紹介しましょう。まずはオーストラリアの子供だったら、誰でも必ず読んだ事のある絵本、Possum Magic(『ポッサムの魔法』本邦未訳)。オーストラリアの記念硬貨にモチーフが使われたことがあるくらい、よく知られた作品です。ポッサムはオーストラリアの動物です。日本の方にはあまり馴染みがないかもしれませんね。おばあちゃんポッサムが魔法を使って孫娘を透明にするのですが、元に戻すことができなくなってしまいます。孫娘をもう一度見えるようにするために「人間の食べ物」を食べるのです。オーストラリアの動物たちとオーストラリアの名物料理がたくさん並ぶ、楽しいお話です。数多くの読み聞かせ動画もあります。台湾系アメリカ人作家によるA Big Mooncake for Little Star(『小さなお星さまの大きな月餅』本邦未訳)も可愛らしい物語です。舞台は空。お母さんが作った大きな月餅を、本当は食べちゃいけないのに、食べてしまいたい小さなお星さま。月餅は、台湾では重要な民俗行事、中秋節(旧暦8月15日)に、お月見をしながら食べるもの。なんとも微笑ましいお話です。中国やアフリカの赤ずきんちゃん!?日本語訳もある絵本中国生まれの作家、エド・ヤングによる『ロンポポ——オオカミと三人のむすめ』は、中国に伝わる民話を元に、英語で書かれたお話です。1990年、アメリカで出版されたもっとも優れた児童文学に授与されるコールデコット賞を受賞しました。英語版では「中国の赤ずきん」という副題で愛されています。南アフリカの作家ニキ・ダリーによる『かわいいサルマ』。こちらの副題は「アフリカのあかずきんちゃん」。原色の挿絵が美しいだけでなく、街角の様子も楽しいのです。英語の読み聞かせもネット上で見つけることができます。文化や言葉は国境を超えていきます。最初から難しいことを子供に説明する必要はありません。世界のあちらこちらで描かれている物語を楽しみながら、いずれ、大きくなってきたときに、ほんの少し、言葉と文化と物語の関係を考えてもらえるといいな、と思うのです。英語で書かれた物語の中には、世界の様々な地域へと扉を開いていくものが確実にあるからです。(参考)映画.com|メリー・ポピンズリターンズMem Fox, Possum Magic, (LindfieldL Scholastic Australia, 2018., 初版1983)Grace Lin, A Big Mooncake for Little Star (New York: Little, Brown and co., 2018)エド・ヤング『ロンポポ——オオカミと三人のむすめ』(古今社、1999年)ニキ・ダリー『かわいいサルマ——アフリカのあかずきんちゃん』(光村教育図書、2007年)
2019年04月18日いま注目度を増している「旅育」とは、「旅を通じておこなう子ども教育」のことです。でも、ただ子どもと旅に出ればいいのでしょうか?旅育初心者のため、その第一人者である旅行ジャーナリスト・村田和子さんが具体的なアドバイスをしてくれました。旅育をするにあたってまず重要となるのは「子どもを子ども扱いしない」ことだそう。そして、「体感をもって学ぶ」ことの重要性に子ども自身に気づかせることだとも。構成/岩川悟(slipstream)取材・文/清家茂樹(ESS)写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)「子どもを子ども扱いしない」という姿勢旅育とは「旅を通じておこなう子ども教育」。つまり、旅によって「子どもが大人に向かって成長する」ことが目的です。であれば、まず重要となるのは「子どもを子ども扱いしない」ことではないでしょうか。大人の友人同士で旅行するというときに、行き先を告げないとか相手の希望を聞かないということはあり得ませんよね。でも、家族旅行となると、親はどうしてもそうしてしまいがちです。そこで、子どもを子ども扱いしないために、「旅の計画から子どもと一緒にする」のです。ただ、小学校に上がる前くらいの幼い子どもだと、現実的な旅行プランを出すことは難しいでしょう。それに、せっかく子どもが「あれをしたい」「これをしたい」と言ったのに、現実的に難しいからと却下してしまうと、教育という点から見れば逆効果。自己肯定力を下げることになってしまいます。そこで、夏休みに海に行くのか山に行くのかといった複数の案から選択させるのです。ただ選択するだけですが、それでも子どもにとっては自分が決めた旅になるので、旅に臨むモチベーションがまったくちがってきます。意欲的に旅に出るわけですから、旅がもたらしてくれるさまざまな効果(インタビュー第1回・第2回参照)も格段にアップするというわけです。旅の計画を立てることは頭を使うことだらけもう少し子どもが大きくなったら、計画を立てるときに家族会議をしてください。家族それぞれが行きたい場所を挙げてプレゼンをするのです。どうしてその場所に行きたいのかといった理由を各自が訴え、他の家族はそれをしっかり聞く。すると、子どもは、「パパの案もいいな」と思ったりもします。そして、自分の案とどう折り合いをつければいいのかと考えて答えを導こうとする。こうして、社会に出たときにも重要となるコミュニケーション力や他者理解の力が自然と養われるのです。小学校中学年になれば、旅の計画の一部を思い切って子どもにまかせてみてください。目的地への行き方もひとつではありません。車がいいのか、電車がいいのか、電車でも新幹線を使うほうがいいのかと考えさせてみるのです。旅の計画というのは、本当に頭を使うことが多いものです。宿はどうするのか、観光はどうするのか、さらに予算も絡んでくる。考える要素がたくさんあるうえに、正解もない。それこそ、「正解がない」といわれる時代に必要な「考える力」を育むことになるのです。これにはインターネットの普及が好影響を与えてくれています。インターネットがない時代に、時刻表とにらめっこして予定を組むのは子どもには難しかったことでしょう。しかも、目的地周辺の観光や宿の情報を得る手段も限られていました。でもいまなら検索をすれば複数の経路に宿や観光の情報がすぐに示されます。いまの時代だからこそできるようになった教育だともいえます。身をもって「百聞は一見にしかず」を知るただ、インターネットにはデメリットもある。幼いときからあたりまえのようにインターネットに触れてきたいまの若い世代は、頻繁に旅行をする人とまったくしない人というふうに二極化しています。以前ならなかなか得られなかった情報に触れたからこそ「実際に体験してみたい」と思う人と、「家にいて得られるものになぜ時間やお金をかけるのかわからない」と思う人にわかれているのです。後者には「情報=リアル」という価値観が根底にあるのだと思います。でも、実際に旅先で本物を見ると、思っていたものとちがうということはよくあることですよね。それは、「思っていたよりも良かった」でも「思っていたほど良くなかった」でもいいのです。重要なのは、「情報とリアルはちがう」と体感すること。つまり、身をもって「百聞は一見にしかず」を知ることなのです。わたしの息子が小さいときにはじめて海に行ったときのことです。息子もテレビなどを通じて海も波も知っていて、海が見えてきたときには「わー!海だ!」とはしゃいでいました。ところが、実際にビーチに立ったら、「波が怖い」と言って海に近寄ろうともしなかった。息子はまさに五感で海を体感し、息子なりに海というものを知ったわけです。幼いときから体感をもって学ぶことの大切さを知る。そういう経験があれば、どんな情報化社会になろうとも、本物の重要性を見失うことはないと思うのです。『家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ 旅育BOOK』村田和子 著/日本実業出版社(2018)■ 旅行ジャーナリスト・村田和子さん インタビュー一覧第1回:子どもの人生は“旅”で幸せになる。いまの時代こそ親子で旅に出るべき理由第2回:旅先での行動は“親子別々”に。“親の不在”が深める子どもの「自信」第3回:旅の計画には“正解がない”。子どもの「考える力」を育む旅行プランの立て方第4回:忘れてはいけない“旅の記録”。旅先での成功体験を思い出すたび「自己肯定力」が高まる(※近日公開)【プロフィール】村田和子(むらた・かずこ)1969年8月29日生まれ、神奈川県出身。旅行ジャーナリスト。2001年、生活情報サイト「All About」運営スタート時に旅行情報のガイドに就任したことを機に執筆活動を開始。モットーは「旅を通じて人・地域・社会が元気になる」。現在は家族旅行を応援する旅行情報サイト「家族deたびいく」を運営しながら、消費者視点での旅の魅力や楽しみ方を年間100以上の媒体で紹介する他、旅行に関する講演、旅行サイトや宿泊施設のコンサルティングもおこなう。得意なテーマは旅育、家族旅行、ひとり旅、記念日旅行、ヘルスツーリズムなど。特に旅によって子どもの生きる力を育む旅育を村田式教育メソッドとして著書等を通じて啓蒙を進めている。一児の母。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年02月10日空想と現実を行き交う自由な発想とタッチで描いた作品。猫や少女、きのこ、不思議な生き物たちが繰り広げるまるでサーカスに迷い込んだような世界が繰り広げられる。画家・絵本作家ヒグチユウコの約20年にわたる活動を網羅する展覧会「ヒグチユウコ展 CIRCUS」が、世田谷文学館で開催される。《Circus》 2018 年 ©Yuko Higuchi画家としての作品制作のみならず絵本の刊行など幅広い活躍をみせる画家ヒグチユウコ。そんなヒグチの自身初となる大規模な個展となる本展では、絵本原画をはじめ、企業とのコラボレーション作品、書籍の装画、自身のブランドグッズのイラストなど、500点を超える作品が公開される。展覧会のテーマは“サーカス”。会場には、実際にサーカステントが出現し、ヒグチユウコのお馴染みキャラクターである「ねこのピエロ」などが映像や、ぬいぐるみ作家・今井昌代による立体造形を交えて空間はサーカスの会場に。《ギュスターヴ若冲雄鶏図》 2016 年 ©Yuko Higuchiさらに本展に合わせてヒグチユウコのとって6年ぶりの画集『CIRCUS』(3,200円)も発売される。224ページからなる本書には、歌人・穂村弘によるヒグチの作品についての書き下ろし原稿なども掲載。展示会場では、カバーデザインの異なる限定版も登場し、夢野久作原作の短編をヒグチが新たに描き下ろしたビジュアルストーリー「きのこ会議」 も収録されている。そのほか会場では、ヒグチユウコが愛用するホルベインのペンセットをはじめ、ポストカード、ピアスやブローチなどのアクセサリー、マグカップやグラスなどの食器、カプセルトイなどグッズも豊富に展開される。関連イベントとして、2月第1、第3土曜日には閉館後の展示室でライブとダンスパフォーマンス「ナイトミュージアム」が行われたり、3月にはコンサートと展覧会を両方楽しめる特別な一夜「黒色すみれとヒグチユウコのサーカス・ナイト」、オリジナルバルーン作りが体験できる「バルーンアート・ワークショップ」などが開催予定。【開催情報】ヒグチユウコ展 CIRCUS会期:2019年1月19日~3月31日会場:世田谷文学館 2階展示室住所:東京都世田谷区南烏山1-10-10時間:10:00~18:00休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)料金:一般 800円 / 65歳以上・大学・高校生 600円 / 中学生以下無料問い合わせ:ナイトミュージアム日時:2月2日、16日 18:00~19:30会場:2階展示室出演:黒色すみれ(歌手)、史椛穂(ダンサー)参加費:2000円定員:各日80名、完全前売制バルーンアート・ワークショップ日時:3月3日 13:00~16:00会場:1階文学サロン出演:コンフェッティバルーン Hara harari対象:中学生以下参加費:無料定員:30分毎に各回当日先着10~20名黒色すみれとヒグチユウコのサーカス・ナイト日時:3月16日 18:00~19:30会場:1階文学サロン、2階展示室出演:黒色すみれ、佐藤梟参加費:2000円定員:200名、完全前売制
2019年01月03日文学史に触れる、ノスタルジックで特別な空間アンティークな調度品を眺めながら店の奥へと進むと目に飛びこんでくるのは、天井まで届く壁一面の本棚。日本文学史の名作の数々や稀少なものまで、約2万冊がそろっています。ゆったりとしてノスタルジックな空間は、歴史を感じさせる独特の雰囲気。好きな本との時間を存分に過ごすことができます。蔵書の種類が多岐にわたるため、これまで目にすることのなかった新しい本との出会いも期待できるブックカフェです。こころに響くものを大切にする、魅力あるお店新しいものだけを追い求めるのではなく、文学を通して知ることのできる本質、感動するこころを大切にしたいという思いから始まったBUNDAN。こころに響く書籍を置き、「新しい文学の道しるべとなる場所」を目指しています。多くの文豪たちが通ったお店の味を再現したコーヒーや、名作に登場する懐かしく素朴な牛乳コーヒーなど、文学史とともに楽しめる特別感が魅力的です。文豪たちが愛した「アップルパイ・アラモード」文豪たちが通ったお店で出されていた「アップルパイ・アラモード」。サクサクした食感の温かいアップルパイに、バニラアイスクリームとたっぷりのシナモンを添えていただくおすすめの一品です。文豪や映画俳優など多くの著名人が通った「銀座キャンドル」の味そのままに味わうことができます。川端康成や三島由紀夫などが愛したというその味は、文学好きなら一度は味わってみたい、魅惑のメニューです。由来を知れば、よりおいしいカフェメニューお店のホームページでは、それぞれのカフェメニューが作られた由来や、メニューにまつわる本の紹介がされています。読んでいるだけで食指の動くような内容は、これまであまり知られていないエピソードなど新しい発見もでき、お店を訪れる前に読んでみるのもおすすめ。文学史に触れる特別な時間が、より一層楽しめます。文豪たちが愛した味を、本とともに楽しめます名作に登場するワインやシャンパン、朝食や昼食、デザートなどがさまざまに楽しめます。文豪たちの作品を片手に、物語や情景、その時代に思いを馳せる時間は至福です。アンティークテーブルやソファに囲まれるレトロな店内に加え、緑あふれる自然が感じられるテラス席もあり、お気に入りの場所を見つけてくつろげるブックカフェです。コーヒー豆は購入できるため、好きな時に味わうこともできます。京王井の頭線・駒場東大前駅から歩いて8分のところにあるBUNDANは、駒場公園を目指して日本近代文学館内にあります。文学史に触れる特別な空間と、名作の空気感を再現するカフェメニューを楽しみに足を運んでみてください。スポット情報スポット名:BUNDAN COFFEE & BEER住所:東京都目黒区駒場4-3-55(日本近代文学館内)電話番号:03-6407-0554
2018年11月05日太平洋戦争のさなかだった1945年に初演されて以来、劇団の節目節目に再演されてきたことなどから、文学座が“財産演目”と位置付ける『女の一生』。かつては主人公・布引けい役を足かけ46年にわたり、じつに計947回も務めた杉村春子の代名詞のような作品だったが、その後同役は平淑恵、荘田由紀を経て、2年前に山本郁子に引き継がれた。2016年の公演は各地鑑賞団体(会員制)の主催だったため、一般向けの本公演としては初となる山本主演版が本日10月23日(火)、紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAで幕を開ける。日本がようやく近代的な資本主義国家となり始めた明治38年、天涯孤独の身の上だった布引けいは、清国との貿易で一家を成した堤家に拾われる。闊達な気性を見込まれて長男伸太郎の妻となり、名実ともに堤家の一員となったけいだが、やがて時は流れ……。森本薫が描いているのは、明治の終わりから第二次世界大戦終了までの激動の時代を生き抜いたけいの、文字通り“女の一生”。もとより普遍的なテーマを、2014年の公演から演出を手がける鵜山仁が、より現代に通じる作品に仕上げている点も見どころだ。公演は10月28日(日)まで。文: 町田麻子
2018年10月23日今、最も月のパワーを得られる開運アクションが“旅”。月のゴキゲンに従って、欲しい運を手に入れて!旅という“自分を動かす” 行動が、運も動かす!「恋愛、仕事、人間関係…。そのすべてにおいて運を開くには、月を味方にするのが近道」と、ルナロジー創始者のKeikoさん。「そもそも月は、水星や金星など惑星のエネルギーを集約して地球に届ける中継役のような存在。そんな月のリズムに合わせて生活をしていれば、月が持つ絶大なパワーを自然と自分にも取り込めるようになります。そのパワーとは、ずばり引力。月には引力がありますが、それを味方につければ“運の引き寄せ”も思いのままです」なかでも意識したいのが、最も月の力が高まる新月と満月。「しかもそれが、12星座の何座の位置で起こるのかが重要です。たとえば天秤座なら“出会い”など、得意とするテーマがあって、天秤座で新月が起こると、新たな出会いを引き寄せるパワーが強くなります。そして、そのテーマに沿った行動をするほど、運は手中に」運を引き寄せる行動の中でも、今季のベースとなるのが“旅”。そのワケは、11月8日に幸運の星である木星が、射手座に入ること。射手座は旅と縁が深い星座であるため、この1年間は、旅が最高の開運アクションに。「木星の影響は、星が動く半年ほど前から現れ始める、というのが最近の傾向。つまり、木星はすでに射手座モードになっています。開運を目指すなら、“出会い”や“収入安定”など、自分が叶えたいテーマの新月や満月のタイミングで旅に出ること。とはいえ、『行ける時に行く』という積極的なスタンスも大事。キャリアアップが出会いにつながるなど、どの扉が願いに通じるかは、すべて月の采配。その恩恵を受けるには、行動あるのみ。すぐにでも『新月・満月旅』に出かけましょう」旅の心得 1旅のスケジュールは新月・満月を挟んで前後3日がベスト。月のパワーが最も高まるのは、ジャスト新月・満月の時間。このタイミングを含んだ前後3日で、泊まりがけの旅行ができれば最高。難しい場合は新月・満月の前後1週間のどこかで旅行をするのでもOK。どうしても旅に出られない場合は、その新月・満月のパワーを取り込める手軽なアクション、「旅に行けない人の日常トリップ」を紹介しているので、実践してみて。旅の心得 2滞在先で「パワーウィッシュ」を書けば最強!「パワーウィッシュ」とは、Keiko式開運法。月に届きやすい言葉で願いを書くという方法で、新月の時は“意図する”形で、満月の時は“感謝する”形で願いをノートに記入。たとえば恋人が欲しいなら、新月は「恋人ができることを意図します」、満月は、現実はどうあれ「恋人ができて嬉しい!ありがとうございます」と。これを「新月・満月旅」で行うと願いが叶う効果絶大。旅の心得 3その地の恵みを、五感からまるごといただいて。月のリズムに合わせて行った旅先には、開運のエネルギーがあふれています。それを五感から取り入れると、さらに運気がアップ。その土地の風景を見る(視覚)、地元の食材をいただく(味覚)、現地の人と話をする(聴覚)、陶器や織物など名産品に触れる(触覚)、深呼吸をして「町の香り」を感じる(嗅覚)など、旅の最中は五感をフルに働かせることを意識しましょう。Keikoさん月の力を味方につけた開運法、ルナロジー創始者。近著は『月星座ダイアリー 2019 』(小社刊)。来年5月、JTBパブリッシングから「新月・満月旅」の本が発売予定。アメブロ「Keiko的、占星術な日々。」も人気。※『anan』2018年10月17日号より。イラスト・黒猫まな子文・山田奈緒子(説話社)構成・保手濱奈美(by anan編集部)
2018年10月14日プロが企画した周遊ツアー海外ツアーからオリジナルの旅行まで旅をサポートする株式会社旅工房は、一般財団法人日本気象協会と一緒に「ナイアガラ」&「イエローナイフ」周遊ツアー企画しました。同ツアーは、旅のプロ・旅工房と天気のプロである日本気象協会の気象予報士が考えたオーロラも観光も楽しめるオリジナルツアーです。「イエローナイフ」でみるオーロラがおすすめ「ナイアガラ」&「イエローナイフ」周遊ツアーは、オーロラをみられる確率の高い12月~2月限定、5泊7日間のツアーになります。オーロラを鑑賞するのはカナダのイエローナイフです。ここは年間の降水量が少なく天気がいい場所で、加えて冬場は夜間が長いことからオーロラを鑑賞するポイントとして最適なのです。ツアーは、オーロラ鑑賞以外にも、カナダの観光地である世界三大瀑布のナイアガラの滝にも行きます。カナダの冬といえば気になるのが寒さ、防寒だと思います。同ツアーでは、イエローナイフ滞在中、極寒地仕様の防寒具5点セットを無料レンタルできるので寒さの心配は要りません。(画像はプレスリリースより)【参考】※株式会社旅工房のプレスリリース
2018年08月31日いつもの旅に少しの工夫を加えることで子どもの成長をうながす「旅育」。 『家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ 旅育BOOK』 (日本実業出版社)の著者で旅行ジャーナリストの村田和子さんに、前回は、旅のプラン作りや準備のコツについてお聞きしました。今回のテーマは、旅先での旅育。持て余しがちな移動時間はどう過ごしたらいいのか、親はどう関わったら良いのか、旅の思い出を定着させるテクニックなどをうかがいました。お話をうかがったのは…村田和子さん旅行ジャーナリスト。1969年生まれ、1児の母。子どもが生後4カ月の時に家族旅行を開始し、9歳までに47都道府県を制覇。『All About』では2001年からガイドを務めているほか、『週刊文春』では子連れ旅行の連載、JALサイトの『初めての子連れ海外』ページを監修・執筆するなど、家族で旅をする魅力やヒントを多方面で伝え、2013年には子どもの生きる力を育む「家族で旅育メソッド」を発表。子どもが旅育を実践し中学入試で志望校に合格したことを機に『プレジテンドファミリー』『AERA with Kids』『日経DUAL』をはじめ雑誌・新聞・ウェブで注目を集める。 「家族deたびいく」 運営。旅行業務取扱管理者・クルーズコンサルタント。 ・公式ホームページ(トラベルナレッジ) ■話す・遊ぶで“退屈”を吹き飛ばす「移動時間」――子連れにとって、移動時間は大きな課題です。私自身、6歳息子と出かける時は、一緒に遊んであげなきゃと思いつつゲームやタブレットに頼ってしまうことがあります。村田和子さん(以下、村田さん):ゲームをやること自体は悪くないんですよ。大人がスマホをさわっているのに、子どもにだけ「ゲームをしちゃダメ」というのは説得力がないですしね(笑)。事前に「最初の30分は自由時間にしよう。ゲームをしてもいいし、ママもスマホを見るね。でもその後の30分はお話しようね」というように、時間を区切り、ちゃんとできたらほめれば、それも成功体験になります。最初、一緒にルールを決めると、子どもは案外守れるものですよ。一番避けたいのは、子どもが騒いだらゲームを渡す、というやり方。騒げばゲームができるんだとなり、負のスパイラルにはまってしまいます。そもそも、移動中は家族が一緒に過ごせる貴重なチャンスなんです。ふだんは聞けない学校や園での様子も、旅の楽しい雰囲気に押されて話してくれるかもしれません。会話だけではなく、小さなお子さんは簡単なクイズやしりとり、計算ができるお子さんなら車のナンバーで足し算クイズなどをすると、遊びながら自然と学びにつなげられます。■子どもの新しい一面を発見できる「旅の目標」――移動は大変というマイナスイメージを持つよりも、旅育に活用するといいんですね。旅先ではどう過ごすと、より効果的なのでしょうか村田さん:なにか目標を持たせるといいと思います。未就学児なら、「元気にあいさつをする」「自分の荷物は自分で持つ」といった約束をして、ちゃんとできたら具体的にほめてあげる。すると「できた」という成功体験が心に刻まれ、自己肯定力が養われていきます。旅先では親以外にも、仲居さんや施設のスタッフ、通りすがりの人など、いろいろな人がほめてくれる機会も多くあります。それまで気づかなかった子どもの長所をほめてもらえることもあり、親にとっても発見があります。小学校中学年以上なら、会計係を任せる、時刻表を調べてもらうなどの役割をお願いするのも良いでしょう。考える力がついて学習に役立つほか、頼られることで自主性と責任感が身につきます。――親として、何かやるべきことはあるのでしょうか。村田さん:子どもの「なぜ?」「なに?」にはとことん付き合うこと。今はスマホで一緒に調べればすぐにわかりますし、「どうしてだろうね?」と子どもが自ら考える時間を持つ方法もいいでしょう。旅行中は時間に余裕がある分、子どもの小さな疑問や好奇心を見逃さないようにしたいですね。帰宅後にも図鑑で調べたり、博物館に足を運んだりして、学びを深めるのも良いと思います親自身が興味を持って旅を楽しむことも大切です。例えば、めずらしい料理が出てきたら、スタッフの方に「これはなんですか? この土地のものですか?」と聞くのもいいでしょう。子どもは親をよく見ていて、親のマネをします。親のそういった姿に、子どももやる気になるものです。 ■旅の記憶を定着させる旅先からの「絵ハガキ」――旅行中はとても楽しそうだった子どもが、数日後にはすっかり忘れて日常に戻ってしまう。仕方がないのかもしれませんが、もったいなく感じてしまいます。村田さん:子どもの毎日は刺激の連続ですから、放っておくと忘れてしまい、がっかりということもありますよね。私が実践しているのは、旅先から1枚の絵ハガキを送ること。後日届いた絵ハガキを見ながら「これ見たね」「こんなことしたね」と会話をすることで、旅の記憶が定着していきます。絵ハガキは場所を取らないので、保存しやすいのもメリットです。最初はハガキからはみ出しそうな字でひらがなしか書けなかった息子が、だんだんと漢字を交えた長文を書けるようになり、思春期になると面倒がってひとことコメントだけになる(笑)。子どもの成長がダイレクトに残るので、後で見返すと面白いですよ。■中学受験直前まで続けた「週末旅行」――小さな頃から旅育を続けると、家族の思い出も増えていくわけですね。わが家は子どもが小学生になり、旅が難しくなったと感じてします。未就学児のうちに、もっと行っておけばよかったと後悔しています。村田さん:小学生になると、どうしても週末限定になってしまいますよね。わが家の場合、金曜の夕方に出発して日曜に戻ってくる、というパターンが定番でした。学校のスケジュールを見ながら、テストや行事に影響が出ない日程を選ぶので、旅行を決めるのはいつも直前でしたね。それでも、中学入試の直前まで毎月1回のペースで行き続けていました。――入試の直前まで! 試験前は勉強に集中させる家庭が多いなか、変わらずに旅を続けられたんですね。村田さん:私は「旅育からの中学受験」と呼んでいるのですが、息子は小学5年生までは塾に通わず、旅で得た経験をベースに学びを深めていました。小さい頃から地図を見ながら旅をしていたので、日本地図は学校で習う前から頭に入っていましたし、その土地の産業や気候といった知識も体験とひもづけて役立ったようです。小学校中学年からは、教科書に載っている史跡や絵画などを見に行く旅も、子どもの興味に応じてしていました。こうした体験は、単なる暗記ではなく、本質的な学びにつながります。――旅育で育った息子さんは現在17歳。息子さんご自身は、これまでの旅についてどう言っていますか?村田さん:人と出会い、いろいろな体験ができたことがためになったと言っています。特に、素晴らしく美しい料理を作るシェフ、知識豊富で話上手なバスガイドさん、カツオをさばいてタタキにする方法を教えてくれた漁師さんなど、その道のプロフェッショナルとの出会いが印象的だったようです。旅で身につけた力は、子どもにとって一生の財産となります。息子は17歳になり、旅育の経験を生かして、自ら人生を切り開く次のステージになりました。今までの経験から得た旅育の魅力やノウハウを、次世代の親御さんをはじめ多くの方に伝えたいと思い、 『家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ 旅育BOOK』 を執筆しました。多くの方が旅育を実践するきっかけになればうれしいです。また、私も旅育の環境整備など、今後もライフワークとして「旅育」に関わっていきたいと思います。親子で旅をできる時間は案外少ないもの。筆者も荷物運びを手伝ってくれたり、6時間のトレッキングを達成したりと、成長していく息子の姿に旅の力を実感しています。家族それぞれの形で、旅育に挑戦してみてはいかがでしょうか。参考図書: 『家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ 旅育BOOK』 (日本実業出版社)村田和子著 1,512円(税込) 旅を通じて子どもの脳を刺激し、自立心や感受性、行動力、考える力などを育む「旅育」。旅行ジャーナリストの村田和子氏が十数年の親子旅の経験をもとにした旅育の5つの基本メソッドと、実践するための25のヒントを紹介する。47都道府県の親子旅を経験した著者が選ぶおすすめスポットやモデルコースに加え、星野リゾート代表・星野佳路氏に聞いた「子どもにとっての旅の効果・効能」、茂木健一郎先生の旅×脳コラムなども掲載。取材・文/まちとこ出版社 渡辺裕希子
2018年08月02日旅行って計画や旅支度から楽しいもの。旅はこれまで何度も行っているのに荷物のパッキングの時に、何をどれだけ持っていくか、忘れ物はないか、などなど意外と手間取ってしまいませんか?ちょっとこだわりのトラベルグッズを揃えて、準備からスマートな夏旅をしませんか? 『HIGHTIDE』の衣類圧縮袋衣類圧縮袋って正直どこでも買えます。がしかし、HIGHTIDEの圧縮袋はとにかくオシャレ。注意書き等が英文で書いてあって、なんだかステキ。その上使い方もとっても簡単。折り曲げるだけであっという間に真空状態に。スーツケースを開けた時に衣類がこのオシャレな圧縮袋に入っているだけで、気持ちが高ぶること間違いなし。HIGHTIDEの衣類圧縮袋の記事はこちら 『BEST PACK』のポーチ コスメはこれ、下着はこれ、着替えはこれ・・・etc。旅行の度にいろいろなポーチや風呂敷、ジップ付き保存袋にあーでもない、こーでもないと詰め込んだ経験ありませんか?『BEST PACK』のポーチは旅行者視点で考えられた使いやすい工夫が詰まっています。例えば、スクエアタイプは、メインの収納スペースと、細かく仕分けできるポケットスペースがついた2部屋構造。ファスナーがぐるりとついているので、大きく開閉できて出し入れに便利。このようなちょっとした点が実は非常に使い勝手をよくしているのです。そのほかにも、指を引っ掛けやすいファスナーの引き手や、長く使える軽くて丈夫なナイロン素材など、気の利いた仕掛けがたくさんあります。『BEST PACK』のポーチの記事はこちら 『メルヴィータ』『インフィオレ』のプチサイズコスメ 旅行中だって、いや旅行中だからこそきれいでいたいですよね。だけど、毎日使っているコスメをそのまま持っていくと荷物がかさばってしまう。そんな時に役立つのがプチサイズコスメ。今回リコメンドするこちらのアイテムは保湿効果抜群!乾燥が気になる機内やホテルでの強い味方です。『メルヴィータ』『インフィオレ』のプチサイズコスメの記事はこちら 『プライベート・スプーンズ・クラブ』のトラベルソックス 旅の準備は万端!さあ出発!となったものの、行き先によっては乗り換えがあったり、時差ぼけ何てことも・・・。旅を早く楽しみたいのに、移動だけで疲れてしまった。そんな経験はありませんか?その疲れをすこしでもやわらげるのがこちらのソックス。むくみがちな足にほどよく圧力がかかるようにリブ編みで作られている。膝上まであるので、冷え対策もばっちりです。『プライベート・スプーンズ・クラブ』のトラベルソックスの記事はこちら いかがでしたか?これから夏旅にいく人はもちろん、すぐすぐの旅の予定がなくてもぜひともゲットしてくださいね!
2018年08月02日