日立製作所とイタリアのフィンメカニカは2月24日、フィンメカニカ傘下のアンサルドブレダの修理・修繕事業と既受注案件の一部を除く事業、アンサルドSTSのフィンメカニカが保有する全株式について、日立が買収する契約を締結したと発表した。日立は、鉄道事業として、車両、駆動システムから運行管理システムの開発まで手がけている。海外展開も積極的に進めており、英国やドバイなどに車両を出荷している。今回の買収は、日立にとって、信号/運行管理システム事業やターンキー(一括請負)ソリューション事業の強化、ワールドクラスの製品群が加わることによるポートフォリオの拡大など、鉄道システム事業におけるトータルソリューションのリーディングカンパニーになるための重要な第一歩となるという。アンサルドSTSはジェノバに本社を構え、30以上の国と地域に約4000名(内イタリアに1530名)の従業員を擁する。貨物・旅客・地上鉄道や地下鉄向けの信号装置や制御システムの設計・実装・管理において高い技術を有しているほか、グローバルに鉄道システムをターンキーで提供している。2014年12月期の連結売上高は13億400万ユーロ、営業利益は1億2500万ユーロ。アンサルドブレダ社は鉄道業界で150年の歴史があり、都市交通と高速鉄道の分野で伝統的に強い力を持っている。アンサルドSTS株式の買い取り価格は、アンサルドSTS 1株当たり9.65ユーロ(約1303円)で、合計価格は7.73億ユーロ(約1044億円)となる予定。買収価格は、アンサルドSTSが中間/期末配当やその他の資金拠出を決定した場合、買収実行前に下方修正される可能性があるという。
2015年02月25日日立製作所は2月23日、約1兆の500乗通りのパターン(組み合わせ)から適した解を導く「組み合わせ最適化問題」を量子コンピュータなみの性能で実現可能な新型コンピュータを試作したと発表した。同成果の一部は、2015年2月22日~26日の期間で、米国サンフランシスコにて開催されている半導体集積回路に関する国際会議「2015 International Solid-State Circuit Conference(ISSCC 2015)」で発表される。同コンピュータは、従来のコンピュータと同様に半導体素子を用いて動作するため、現在、量子コンピュータとして用いられている計算手法である量子アニーリングで必要となる冷却装置などを用いずに、室温で動作させることが可能だという。また、スケーリングも可能だという。具体的には、半導体CMOS回路上で量子アニーリングで解を求めていたイジングモデルの振る舞いを擬似的に再現するCMOSアニーリング技術を開発し、外部から特殊な回路を経て入力されるノイズを利用し、特定の局所解への固定を防ぐことで、より良い解を求めるアニーリング動作を実現。また、解くべき最適化問題を、+1と-1の2つの状態を取る強磁性体スピンが隣接するスピン間で相互作用する振る舞いを示すイジングモデルで表現し、半導体メモリ技術を用いて実装することで実現したという。これらの技術は65nmプロセスを用いて開発され、研究では、2万480パラメータを入力可能なコンピュータの試作機を開発し、実証実験を実施。その結果、システムが室温で動作することが確認されたほか、現在の量子アニーリングを用いた量子コンピュータのパラメータ数512の40倍となる2万480パラメータの大規模な組み合わせ最適化問題を数ミリ秒で解けること、ならびに従来のコンピュータを用いて解く場合と比較して電力効率約1800倍を実現できることを実証したという。なお同社では、現在実用化されている最先端半導体プロセスとなる14nmプロセスを用いた場合であれば1600万パラメータに対応するチップに大規模化することも可能だと説明している。
2015年02月23日日立製作所は2月18日、最先端研究開発支援プログラム「原子分解能・ホログラフィー電子顕微鏡の開発とその応用」において、1.2MVの加速電圧を備えた「原子分解能・ホログラフィー電子顕微鏡」を開発し、世界最高の分解能(点分解能)となる43pm(ピコメートル)を達成したと発表した。詳細は、米国科学誌「Applied Physics Letters」のオンライン版に掲載された。同社は、2010年3月から国家プロジェクト「最先端研究開発支援プログラム」の助成を受け、原子レベルでの電磁場観察を可能とする「原子分解能・ホログラフィー電子顕微鏡」の開発を行ってきた。同装置では分解能を最大限に向上させるために、加速電圧を1.2MVとすることで、電子線の波長を短くし、さらに球面収差補正器の搭載をはじめとする数々の技術開発を行ったという。具体的には、光学顕微鏡では凸レンズと凹レンズを組み合わせて球面収差を補正し、焦点ぼけをなくした上で、試料構造の拡大像を観察するが、電子レンズを用いる電子顕微鏡では、これまで凹レンズの機能を出すことができなかったため、長い間、球面収差により分解能の向上が阻まれてきた。近年、この球面収差を補正する装置の開発が進められてきたが、球面収差補正器の性能を引き出すには、搭載される電子顕微鏡本体に高い安定性が求められるため、大型の超高圧電子顕微鏡には搭載できなかった。今回、1.2MVのエネルギーのばらつきを抑えた電子ビームや高安定電界放出電子銃などの実現により、電子顕微鏡装置全般において安定性を大幅に高め、超高圧電子顕微鏡に球面収差補正器の搭載を可能にした。このうち、電子ビームはエネルギーがバラつくと焦点ぼけを生じてしまうため、高い分解能を得るには、安定した電圧で加速することが不可欠である。そこで今回、電子ビームを加速する電圧の安定度を高めるため、ノイズが少なくかつ温度変化に対して電気抵抗の変化が起こりにくい抵抗器、ノイズフィルタ機能を有する高電圧伝達用のケーブル、安定度の高い高電圧制御回路などを開発し、従来装置の安定度を約70%上回る、安定度3×10-7の1.2MV超高圧電源システムを開発した。これにより、1.2MeVの高いエネルギーを持ちながら、そのばらつきを0.54eVに抑えた電子ビームを得ることができた。さらに、従来の電子顕微鏡に使われていた電界放出電子銃は、電子を引き出すための電圧(引き出し電圧)をかけて電子放出を開始後、時間とともに放出電子電流が減少していくため、1日に1~2回は電子の引き出し電圧を調整しながら使用する必要があった。しかし、引き出し電圧を調整するたびに電子ビームの軌道がわずかに変化するため、最適条件で球面収差補正器の効果を得ることが難しくなる。今回、電子銃内部の電子が放出される部分の真空度を、従来比約100倍となる3×10-10パスカルという極高真空にする技術を開発し、10時間以上にわたり、無調整で電子ビームを安定して放出できるようにした。これによって、1日の観察の間、球面収差補正器の条件を再調整することなく最良の性能を維持できるようになった。この他、原子レベルの観察を行うためには、電子ビームや観察する試料に対する振動、音響、磁場などの外部からの乱れ要因を、極限まで抑える必要がある。これらの乱れ要因を抑制するために、電子顕微鏡専用の頑強な建屋を建設し、音響に対しては建屋室内に吸音材の貼り付け、および精密な室温制御を行い、さらに、磁場に対しては、磁気シールドの機能を有するパーマロイという特殊な合金で電子顕微鏡装置の周囲を覆ったという。なお、同装置の性能を評価するため、どのくらい微細な構造をカメラに伝達できるかを示す情報伝達性能を、タングステンの単結晶を試料に用いて検証した。その結果、球面収差を補正した状態で世界最高の分解能となる43pmの結晶構造情報を伝達できることを確認した。また、同装置によって撮影したGaN結晶の顕微鏡像において44pm間隔のGa原子を分離して観察できることも確認した。同社では、これらの性能は、開発した電子顕微鏡が、試料の構造や電磁場を原子レベルで観察・計測できることを示すものであるとコメントしている。
2015年02月19日日立製作所の米国子会社であるHitachi Data Systemsは2月10日(現地時間)、ビッグデータの分析ソフトウェアを開発・提供するPentahoを買収することで合意したと発表した。両社は今後、2015年6月末までの買収完了に向けた手続きを進める。日立は今回の買収により、ペンタホのビッグデータ分析ソフトウェアと技術・ノウハウを獲得し、日立のITプラットフォームやデータ管理技術などと連携させることで、新たなビッグデータ利活用基盤を構築する。この基盤を活用し、日立グループが展開するエネルギーや交通、ヘルスケアなどのインフラシステムと組み合わせた新たなサービスを開発するとともに、グローバルなコンサルティングネットワークなども活用し、社会イノベーション事業のグローバル展開を加速していくという。
2015年02月12日日立製作所(日立)は1月26日、国立極地研究所(極地研)における、人工衛星や南極域・北極域の観測地から送信される観測データの解析を行うための研究用システム「極域科学コンピューターシステム」の構築を完了し、2月1日より稼動を開始すると発表した。同システムは、従来システム比で約5.6倍となる合計40.4TFLOPSの総合理論演算性能、約6.5倍のデータ転送速度を実現し、解析時間を約4分の1に短縮する。また、総メモリ容量を約9.3倍にの18.5TBに増強したことで、解析に利用するデータ量を大幅に拡大し、解析精度を約8倍に向上した。日立は、同システムは地球環境に大きな影響を及ぼす南極域・北極域の気候・海洋変動のメカニズムを解明する研究に活用され、地球における将来的な気候変動の予測に寄与することが期待できるとしているほか、オーロラ現象と太陽風による磁気圏変動の因果関係など、宇宙空間の環境変化を解明する地球磁気圏物理分野の研究にも活用されるという。なお、この「極域科学コンピューターシステム」は極地研と共同研究を行う大学や関連研究機関の研究者も利用する予定だ。
2015年01月26日日立システムズパワーサービス、日立システムズ、日立製作所、東京電力の4社は、電気事業者などのエネルギー業界向けクラウドサービス「ePower Cloud(イーパワークラウド)」の事業化に向け、業務提携に関する基本合意書を締結したと発表した。日立システムズ、日立、東京電力は、2014年3月、日立システムズパワーサービスを設立した。出資比率がは日立システムズが51.0%、東京電力が33.4%、日立製作所が15.6%となっている。4社は今回、ePower Cloudの事業化に向けた業務提携において基本合意し、日立システムズパワーサービスがePower Cloud事業の主体となって発電実績管理、ばい煙排出量管理、メーターデータ管理、料金計算等の業務システムの他、人事労務、経理等の経営管理システムをクラウドサービスとして提供する。この事業においては、東京電力が電気事業者としてこれまで培ってきた知見・ノウハウ等や、日立および日立システムズが有するクラウドサービス基盤技術や監視技術、情報セキュリティ技術等を活用し、日立システムズパワーサービスがサービス提供する。今後、2015年3月のePower Cloud事業のサービス開始に向け、4社間で事業の詳細部分を詰めていくという。当初は国内中心に展開を図っていくが、今後は電力需要の増加が見込まれる海外のエネルギー市場にも展開を図る計画だという。
2015年01月19日日立製作所は1月15日、同社のクラウドサービス提供拠点「Hitachi Cloudセンタ」とマイクロソフトのパブリッククラウドサービス「Microsoft Azure」を高速かつ安定的に接続するネットワークサービス「クラウド間接続サービス for Microsoft Azure」を提供開始した。同サービスは、同日にマイクロソフトが国内提供を開始するAzureの閉域網接続サービス「ExpressRoute」に対応して、「Hitachi Cloudセンタ」とAzureの専用線接続を実現するもの。これにより、日立が運用管理するマネージドクラウドとAzureをシームレスかつセキュアに相互利用することが可能となる。日立は、Azureと連携したクラウド環境について、コンサルティングから設計、構築、運用までワンストップで提供し、顧客の幅広いニーズに対応したフェデレーテッドクラウドを実現する。価格(税別)は、月額50万円から、一時金15万円からとなっている。
2015年01月16日新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は12月24日、2011年度より実施されている同機構の助成プロジェクトにおいて、日立製作所(日立)と新神戸電機が1.5MWハイブリッド大規模蓄電システムを開発し、2015年度から伊豆大島の電量系統で実証実験を開始すると発表した。同プロジェクトにおいて日立と新神戸電機は、「高入出力・長寿命鉛蓄電池」と「1.5MWハイブリッド大規模蓄電システム」を開発。前者については現行品と比べて1.7倍の高入出力を達成し、1.2倍の長寿命化を実現する見通しを得ている。また、この鉛蓄電池とリチウムイオンキャパシタを組み合わせることで、短時間で大電力の充放電が可能な「1.5MWハイブリッド大規模蓄電システム」を開発した。実証実験では、ピークシフトや短周期変動抑制の機能およびその寿命など、ハイブリッド大規模蓄電システムの有効性について検証・評価を行う予定。NEDOらは、同実証実験を通じて、より実用に近い制御技術を確立し、幅広いニーズに柔軟に対応できる蓄電システムの実現を図るとしている。
2014年12月24日東京ガスと日立製作所は12月19日、神奈川県横浜市水道局の協力の下、同一の無線システムを共用して水道・ガスメーターの自動検針を行う実証実験を実施することに合意したと発表した。実証実験は、2015年4月から2016年3月までの1年間、横浜市水道局が所有する集合住宅において、水道・ガスメーター無線自動検針システムを導入・運用するもので、スマートメーター用無線通信規格「Uバスエア」を採用した無線システムを共用して水道・ガスメーターの自動検針を行う。検針員の目視による実際の検針データと同システムで自動収集した検針データを比較することで、無線通信の信頼性など、実運用面からの有効性を総合的に評価・検証する。役割分担としては、東京ガスが検針データの収集までを担当し、日立が収集データの加工・蓄積を担当する。
2014年12月19日日立製作所は12月8日、歩きながら指をかざすだけで正確な本人確認ができるウォークスルー型指静脈認証技術を開発したと発表した。現在、空港の入国管理などでは指紋認証や顔認証を用いた本人確認の認証方式が導入されているが、立ち止まって認証を行う必要があるため、人が集中すると混雑するという課題があった。一方、立ち止まらずに本人確認をする認証方式では、高い認証精度を得にくいという課題があった。そこで今回、独自に開発した生体認証方式である指静脈認証技術をさらに進化させ、さまざまな位置や向きでかざした指の静脈を瞬時に検知する技術を開発した。これにより、多くの人が集まる大型施設でも、歩きながら指をかざすだけのスムーズで正確な本人確認を実現するとしている。具体的には、指の検出範囲を手全体が収まるほどの大きな空間に拡張し、その空間内であれば、かざした指の数や位置、向きが変化しても瞬時に指静脈パターンを検知できるようにした。これにより、ユーザーは指のかざし方に気を使うことなく、素早くゲートの通過ができるようになるという。また、かざした指の位置と向きに合わせて、静脈観察用の光を自動制御により最適な位置から照射することで、鮮明な静脈パターンを撮影する技術を開発した。さらに、各指の静脈パターンを組み合わせて用いることで、1本の指だけの照合に比べて認証精度をさらに高めたとしている。
2014年12月09日アシストは11月25日、Hadoopディストリビューション「ClouderaEnterprise」を基盤とした日立製作所の「かんたんHadoopソリューション」上で実現する「御まとめHadoopパック-データウェアハウス最適化ソリューション-」の提供を開始した。価格は1650万円から(税別)。同製品は、日立のエントリーブレードサーバ「HA8000-bdシリーズ」と商用のHadoopディストリビューション「Cloudera Enterprise」を組み合わせ、「かんたんHadoopソリューション for ログ解析」をカスタマイズしたプラットフォームを基盤とし、同社の高速分散ETL処理を実現する「Syncsort DMExpress」「DMX-h」をセットアップして提供するもの。オプションとして、クリックテックのインメモリBIツール「QlikView」、日立製作所の統合システム運用管理製品「JP1」を選択することが可能。ETLツールとHadoopを組み合わせた同製品により、データウェアハウスにデータを格納する前の処理時間を大幅に短縮できるうえ、データウェアハウスを経由せずに、加工後のデータを直接BIツールに読み込んで分析することを実現する。
2014年11月26日日立製作所は11月25日、情報・通信システム事業の国内製造拠点を再編し、生産体制を強化することを決定したと発表した。具体的には、ITプラットフォーム関連製品の国内製造3拠点(神奈川県小田原市、神奈川県秦野市、福島県郡山市)のうち、ストレージ装置などの製造を行う小田原拠点の製造機能のすべてを、2016年9月末までにサーバや通信ネットワーク装置の製造を行う秦野拠点に統合する。以降、秦野拠点と郡山拠点の国内2拠点をマザー工場として、米国1拠点、欧州1拠点の生産体制によるグローバルサプライチェーンや事業継続性の強化を図り、ITプラットフォーム事業のグローバル展開をさらに推進するとしている。また、ATM・端末事業の子会社である日立オムロンターミナルソリューションズが、旭本社(愛知県尾張旭市)および豊川事業所(愛知県豊川市)に有する国内の製造機能を、2016年3月末までに旭本社に統合する。あわせて、日立オムロンターミナルソリューションズで行っていたATM・端末事業関連製品向けのプリント基板への電子部品実装(PCBA)工程を、日立情報通信マニュファクチャリングに移管し、PCBAのノウハウ共有や部品共通化などによるコスト競争力強化を図る。同社はこうした情報・通信システム関連製品の国内製造拠点を統合することにより、技術・設備の標準化やコア技術・ノウハウの融合をさらに推進して、生産性および投資効率の向上を図るとともに、グローバルでのコスト競争力を強化する。国内製造拠点を、海外拠点の生産立ち上げや品質管理、人財育成などの支援を担うマザー工場として、高品質・高信頼の生産体制の構築とグローバルでの事業拡大を推進していく。
2014年11月26日日立製作所はこのほど、アジア地域で業務を展開する子会社の日立アジアを通じ、シンガポール・セントーサ島のモノレール「セントーサエクスプレス」用の都市交通向け無線信号システム(CBTC)と車両2両(1編成)を受注した。受注額は約3,000万シンガポールドル(約27億円)。日立が納入するCBTCは、モノレールや近郊列車、地下鉄をはじめとする都市交通向けの信号システム。列車の位置情報と制御情報を無線で伝達するため、地上の列車検知設備が不要で、ケーブルなどの沿線設備やメンテナンスにかかるコストを削減できる特徴を持つ。また、列車の位置情報をリアルタイムに把握することで、安全上必要な列車同士の間隔を保てるため、高密度な運行が可能となり、結果として輸送力も向上。全自動運転化も可能になるという。すでに2009年、中国に納入しており、昨年はベトナムからも発注を受けた。新たに納入する「セントーサエクスプレス」用の車両は、スピーディーなアクセスをイメージさせる流線型。「世界中から集まる多くのゲストを乗せてリゾート施設へアクセスするにふさわしいデザイン」(日立製作所)をめざしたといい、外観は編成ごとに異なる明るい色彩になるという。2007年1月に開業した「セントーサエクスプレス」は、島内を訪れる観光客の増加で輸送力の増強が急務となっていたため、日立の提案するCBTCによる高密度運行が採用されることに。日立は、「セントーサエクスプレス」開業時にモノレール車両12両(6編成)、信号システム、運行システムなどの主要設備とシステムを納入しており、開業以来の安定運行の実績が評価された。
2014年11月21日日立製作所は11月14日、電気自動車の走行可能距離を従来の2倍にする電池技術を開発したと発表した。電気自動車はCO2を排出しない環境対応自動車として期待される一方、走行距離の伸長が求められている。その実現のためには燃料となるリチウムイオン電池の高エネルギー密度化と高出力化、および長寿命化の両立が課題となっていた。同社は、これらの課題を解決し、電気自動車に実際に使われる電池容量である30Ah級セルで、エネルギー密度335Wh/kg(従来比で約2.6倍)、出力密度1600W/kgの初期性能を達成し、電気自動車の走行可能距離を約2倍にする技術を開発に成功したという。具体的には、電極の厚さを従来の2倍にし、充放電できるリチウムイオン量を増加させることでエネルギーを高密度化するとともに、新たに開発した3次元電極構造可視化の技術を用いて、リチウムイオンの移動の特性を明らかにし、リチウムイオンの移動を促進する電極内の活物質の分布を最適化することで高出力化した。また、負極材として従来より用いられている炭素系材料に比べ、リチウムイオンを多く充放電できるものの、短寿命が課題だったシリコン系材料を強固に電極に密着させ、剥離を抑制することで、炭素系材料と同等の寿命を実現。さらに、正極材料においては、従来は高電圧を加えると電解液が分解し、寿命が低下していたが、酸化物を正極表面に被覆することで、長寿命化を達成したという。日立は「今後、開発した要素技術を用いたリチウムイオン電池を2020年頃に実用化することをめざし、研究開発に取り組んでいく」とコメントしている。
2014年11月17日日立製作所はこのほど、2012年7月に受注した英国運輸省の都市間高速鉄道計画(IEP)向けに製造している「Class800」車両を公開した。今年中に完成予定で、2015年前半には走行試験のために英国に向けて発送する予定だという。今回公開したのは、同社が受注した全122編成のうち、先行生産車両として製造している3編成のうちの1編成。これを含む12編成を笠戸事業所(山口県下松市)で製造し、残りの110編成は英国ダーラム州ニュートン・エイクリフで建設を進めている鉄道車両工場で製造する。「Class800」シリーズは、車両の床下にディーゼルエンジン付き発電機を装備した、電化区間と非電化区間の両方を走行できる車両。電化区間が拡大された際には、発電機を取り外すことができるという。車両幅約2.7m、車両長26m、最高運転速度は時速201km。エアコン、車椅子対応トイレ、乗客用Wi-Fi、自転車収納スペース、フルキッチンなどを装備する。グレート・ウェスタン本線では2017年から、イースト・コースト本線では2018年から営業運転を開始する予定。
2014年11月13日日立製作所は、独立行政法人防災科学技術研究所の「防災情報システム」を構築し、稼働を開始したと発表した。同研究所はこのシステムを利用して、自然災害に関するさまざまなデータをもとに大規模シミュレーション解析を行い、地震、津波、火山噴火、地すべり、風水害、雪氷災害などの自然災害に関する研究を行うとともに、これらの研究結果などをWebサービスとして随時公開していくという。このシステムは、大規模シミュレーションシステムと公開系クラウドシステムによって構成され、日立のテクニカルサーバ「HA8000-tc/HT210」を中核としており、複数のサーバ間でファイルを共有し、高速なデータ転送による並列処理を可能とする、日立独自開発の分散共有ファイルシステム「Hitachi Striping File System」により、データ処理の高速化を実現しているという。さらに、日立のユニファイドストレージ「Hitachi Unified Storage 100 シリーズ」を採用し、合計約3.3PBの大容量ストレージ環境を実現している。システムのうち、大規模シミュレーションシステムは、従来システムの約21倍となる298.9 TFLOPSの総合理論演算性能を実現。 また、公開系クラウドシステムは、「日立クラウド基盤導入ソリューションPowered by Apache CloudStack」を適用し、研究者が研究結果などを公開する際は、ポータル画面から簡単な操作によってWebサーバやストレージなどの必要なITリソースを準備することができ、オンデマンドで利用できるという。また、災害時などWebサービスにアクセスが集中する際には、Webサーバにリソースを優先的に割り当てることが可能で、さらに、従来設置していた多数の物理サーバを集約し、一元管理できるため、セキュリティレベルが統一され、効率的なシステム運用が可能となる。
2014年11月05日日立製作所は、11月25日に、日立グループが推進する社会イノベーション事業を支えるITを利活用した先進的なソリューションとその利活用モデルを、体験型のデモンストレーションや具体的な取り組み事例の紹介を交えたプレゼンテーションを通じて紹介するプレゼンテーション施設「イノベーションスクエア」を開設すると発表した。本施設は、日立のプラットフォーム検証施設「ハーモニアス・コンピテンス・センター」(東京都港区)内に設置。プレゼンテーションエリアおよび技術体験コーナーにおいて、社会イノベーションを支えるITを利活用したソリューションを紹介する。今後、新たに開発するソリューションを追加するなど、順次コンテンツを拡充・変更していくという。プレゼンテーションエリアでは、「ヘルスケア」、「製造」、「流通・小売」、「一般企業・オフィス」、「まち・インフラサービス」の5カテゴリーに分けて、各種ソリューションについて紹介する。専任のスタッフが体験型のデモンストレーションや具体的な事例の紹介を交えながら、プレゼンテーションを行うことにより、詳細なソリューションの活用方法や導入イメージを体験・確認することができる。所在地は、東京都港区港南二丁目16番1号 品川イーストワンタワー13階で、開館時間は平日の10:00~17:00となっている。なお、利用には日立の営業を通じて、事前予約が必要となる。
2014年11月04日日立製作所は、活動量計で計測した歩行などの身体活動のデータをクラウド上に蓄積して解析し、可視化することで、健康増進を支援する「健康増進サービス」を10月31日から販売開始する。同サービスは、支援スタッフ(サポーター)が自治体や企業が運営する地域住民向けの健康サロン(集会所など)で活用して、利用者の活動量計のデータを蓄積・解析・可視化し、その結果を地域住民に提供するとともに、結果に基づいた健康増進に役立つアドバイスを行うといった運用が想定されている。支援スタッフによる的確なフィードバックを実現するため、東京都健康長寿医療センター研究所運動科学研究室室長の青栁幸利氏による身体活動と健康状態の相関に関する研究(中之条研究)の成果を活用し、活動量のデータと疾病との相関をグラフで表示し、具体的な数値指標を用いた活動量の目標管理を可能にする。また、利用者が単独で取り組むのではなく、支援スタッフと直接会話を行う形態にすることで、健康増進効果を高めるとともに、体調変化や認知症の兆候などの早期発見も期待できるという。同社は、スマート情報分野における製品・サービス群をIntelligent Operations(インテリジェント オペレーションズ)として体系化しており、そのラインアップの1つとして同サービスを提供する。価格は、100ユーザーライセンスで月額28万円から(税別)で、初期費用として、環境設定およびコンサルティング費用、活動量計およびデータ収集用PCの購入費用などが別途必要。
2014年10月29日日立製作所は10月24日、ブレードサーバ「BladeSymphony」から最上位モデル「BS2500」を新たに製品化し、10月27日から販売を開始すると発表した。同製品は、「高性能サーバブレード」と「標準サーバブレード」の2つのタイプが用意されている。「高性能サーバブレード」では、CPUにインテルのXeon E7-8800 v2ファミリーなどを採用し、サーバブレード当たりの処理性能を従来製品比約2.3倍に向上している。また、ブレード間SMP接続ボードを介して2台または4台のサーバブレードを接続することで、高性能なSMPサーバとして利用でき、大規模なインメモリデータベース処理に求められる高い性能要求にこたえる。メモリは最大1.5TB、内蔵ストレージは最大2.4TBまで搭載可能。「標準サーバブレード」では、インテルの Xeon E5-2600 v3ファミリーを採用し、従来のプロセッサ比約1.4倍の高い処理性能を実現する。メモリは最大768GB、内蔵ストレージは最大2.4TBまで搭載可能。同製品は、独自のサーバ論理分割機構「Virtage」を標準で搭載している点も特徴の1つで、独立性の高いサーバ論理区画(LPAR)を最大60LPARまで構築できる。新たに、Virtageの内部プログラミング処理をインメモリデータベース処理に最適化する機能強化が行われた。日立は、Xeon E5-2600 v3製品ファミリーに実装されている、仮想化に伴う処理負荷を低減するVMCS(Virtual Machine Control Structure)シャドーイング機能をVirtageで2015年度中に提供することを目指している。価格は、「サーバシャーシ A1」が159万4000円から、「高性能サーバブレード」が286万円から、「標準サーバブレード」が77万3000円からとなっている(いずれも税別)。
2014年10月24日日立製作所は10月23日、2010年に国家プロジェクト「最先端研究開発支援プログラム」の採択を受けて、北海道大学(北大)と共同開発を進めていた動体追跡照射技術を適用した「陽子線治療システム PROBEAT-RT」について、薬事法に基づく医療機器の製造販売承認を取得したと発表した。陽子線がん治療は、放射線によるがん治療法の1つであり、水素の原子核である陽子を加速器で高速に加速し、腫瘍に集中して照射することでがんを治療するものである。治療に伴う痛みがほとんどなく、身体の機能と形態を損なわないため、治療と社会生活の両立が可能であり、QOL(クオリティオブライフ)を維持しつつ、がんを治療できる先端の治療法として期待されている。一方で、脳の腫瘍のように動かない部位では、集中して照射するピンポイントの治療が可能だが、肺や肝臓のような体幹部の腫瘍は呼吸などで位置が変動するため、腫瘍位置をリアルタイムで捉えて正確に陽子線を照射する技術が切望されている。今回、薬事法に基づく医療機器の製造販売承認を取得した「陽子線治療システム PROBEAT-RT」は、北大の持つ動体追跡照射技術と日立の持つスポットスキャニング照射技術を組み合わせた陽子線治療システムである。3月に承認を取得した、スポットスキャニング照射技術を搭載した陽子線治療システムに、動体追跡技術を組み合わせることにより、呼吸などで位置が変動する腫瘍に対しても高精度な陽子線の照射を実現し、正常部位への照射を大幅に減らすことが可能になる。なお、北大と日立は、ガントリー・照射ノズル・加速器を小型化し、装置の機器配置を見直すことで全体をコンパクト化した、スポットスキャニング照射方式の治療システムによる治療を3月から開始しており、新しいシステムによる治療が、実際の医療現場で本格的に開始されることになるとしている。
2014年10月23日日立製作所は10月23日、従来よりも立ち座り動作の負担を軽減することができる通勤電車向けシートをプロダクトデザイナーの川上元美氏と共同で開発したと発表した。従来の通勤電車シートは、低く、深く腰掛ける形状であるため、高齢者などは立ち座り動作に負担を感じていた。この課題を解決するために、従来のシートより座面の高さを約100mm高くするとともに、座面の奥行きを従来よりも約100mm浅くし、座席間に仕切りとなるひじかけを設けるなど、動作に関わる身体的負担の軽減を考慮した新しいコンセプトの車両用シートを開発した。同シートを車両の一部に導入することで、利用者はそれぞれのニーズに合わせてシートを選択できるようになる。また、座面を浅くすることにより、足を投げ出して座ることが抑制されるため、車内の空間が広がり、快適性が向上するとしている。今回開発したシートのデザインは、世界各国で数多くの椅子をデザインしてきた川上デザインルーム代表の川上元美氏と共同で開発され、美しく座り心地のよい基本形状を追求したものになっているという。すでに、試作シートでのモニター調査を実施して改良を重ねており、車両への搭載試験などを経て今後製品化していく予定。
2014年10月23日日立製作所は10月22日、UNIXサーバであるエンタープライズサーバ「EP8000 シリーズ」のハイエンドならびにミッドレンジサーバに、最新のPOWER8プロセッサを搭載した新モデルを追加し、10月24日から販売すると発表した。「EP8000シリーズ」は、オペレーティングシステムに最新のAIX V7.1をサポートしたUNIXサーバで、金融機関や製造業をはじめとする企業の基幹業務システムや、電力、交通などの社会インフラ向けシステムにおいて、多くの稼働実績があるという。今回販売を開始するのは、最新のPOWER8(4.35GHz)を最大64wayまで搭載可能なハイエンドサーバ「EP8000 E880」と、POWER8(4.02GHz)を最大64wayまで搭載可能なミッドレンジサーバ「EP8000 E870」。POWER7+プロセッサを搭載した従来モデルと比較では、トランザクション処理性能をそれぞれ最大約1.8倍に向上。また、メモリは従来モデル比で2倍となる最大8,192GBまで搭載可能。さらに、I/O帯域幅を従来モデル比で約3.2倍にまで高めている。「EP8000シリーズ」の特長であるCUoD(Capacity Upgrade on Demand)機能を利用して、訂正可能なメモリエラーが閾値(しきいち)を超えた場合、予備メモリの領域に動的にメモリ交替を行う機能を今回新たにサポートし、メモリ障害によるサーバダウンを未然に回避することが可能だという。また、サーバリソースを監視するサービスプロセッサと、サーバ内の処理時間の同期確保に重要なクロックモジュールについて、従来、複数筐体構成で冗長化していたものから、最小構成を含む全てのシステム構成で冗長化を図り、信頼性を高めている。さらに、電源モジュールは4台を標準搭載して2台+2台の冗長構成を可能としている。価格(税別)は、「EP8000 E880」が7,488万7,100円~、「EP8000 E870」が4,087万7,900円~で、いずれも2015年1月30日の出荷開始を予定している。
2014年10月22日日立製作所は10月21日、冷却性能に優れた両面冷却パワーモジュールを用い、さまざまな電力変換器に適用可能なモジュラー型電力変換ユニットを開発したと発表した。従来の片面冷却パワーモジュールでは、下面のベースプレートのみから放熱するのに対し、両面冷却パワーモジュールでは両側面から放熱するため、従来とは異なる冷却システムを新たに開発する必要があった。開発したモジュラー型電力変換ユニットでは、両面冷却パワーモジュールの両放熱面に、熱伝達性に優れたヒートパイプを配置する独自の空冷システムを採用した。ヒートパイプの実装位置や空冷フィンの形状、厚さを熱解析により最適化することで、冷却効率を従来比で20%高め、さらに空冷フィンの体積を従来に比べ50%削減したという。また、電力変換ユニットの小型化と保守を簡易にするため、ユニット自体の幅を縮小するとともに、ユニット自体をスライドさせて、電力変換器の前面から抜き差しすることが可能な薄型ユニットが必要だった。そのため、複数の両面冷却パワーモジュールとコンデンサを直線上に配置したが、その配置により、熱に弱いコンデンサがパワーモジュールからの熱の影響を受けること、またコンデンサから距離の近いパワーモジュールに電流が偏って流れやすくなることが課題だった。これに対し、今回開発したモジュラー型電力変換ユニットでは下面からの風で冷却されるが、コンデンサをユニットの底部に配置することで冷却効率を高めるとともに、電磁界解析により、配線の幅と形状を最適化することで、複数のパワーモジュールへの電流を均等にする配線実装技術を開発した。これらの技術により、幅が5cm、体積が従来よりも55%削減した小型モジュラー型電力変換ユニットが実現したという。開発したモジュラー型電力変換ユニットは、従来器よりも小型で保守性に優れた次世代無停電電源装置(UPS)に導入される。UPSは、インバータとコンバータに加え、蓄電池からの電力を変換するチョッパ回路で構成されている。それぞれが持つ機能は、同一のモジュラー型電力変換ユニットを複数接続することで実現できる。さらに、容量アップが必要な場合は、必要な数のモジュラー型電力変換ユニットを並列接続することで対応が可能である。日立は、今後、ビル内に設置されるデータセンタや、銀行、病院などの公共性の高いシステム向けに、容量100kVA~300kVAの次世代UPSをシリーズ展開していく予定。
2014年10月22日茨城大学および日立製作所は10月20日、全学生・教職員約9,000名が利用する教育研究・校務用システム「電子計算機及びネットワークシステム」のサーバをはじめとする機器群を、日立製作所が提供する屋外設置式のコンテナ型データセンター「フレキシブルデザインコンテナ」を移設し、10月からプライベートクラウド基盤として本格的に利用を開始したと発表した。従来、茨城大学は、「電子計算機及びネットワークシステム」を校舎内のサーバ室に設置し、運用、管理していたが、東日本大震災では、校舎の停電によって全システムが停止し、約5日間にわたり、受験生・学生への情報発信や教職員間の一斉連絡の手段が途絶えるなど、業務の継続が困難となった。被災した校舎の安全性を確保し、破損した空調システムを復旧するまでには1カ月を要し、その間、システムの本格稼働を行うことができなかったという。そこで同大学では、BCPの強化に向け、文部科学省の東日本大震災復興関連事業として、コンテナ型データセンターを導入した。今回、茨城大学では、サイズやレイアウトを柔軟に設計できる「フレキシブルデザインコンテナ」を採用し、床面積約46平方メートル(幅約8.3m×奥行約5.5m)、高さ約3.9mのサイズに設計したコンテナ型データセンターを導入。国土交通省の「官庁施設の総合耐震計画基準」において大震災後にも継続的に機能が確保できる耐震性を表す、施設重要度係数1.5で設計しており、東日本大震災と同程度の地震が発生した場合にも、内部の機器およびシステムに影響が出ない運用環境を実現した。さらに、校舎などとは独立させてコンテナ型データセンター用の自家発電設備を設置。また、日立の空調環境コンサルティングサービス「AirAssist」を活用し、サーバや空調機のレイアウトを最適化したことなどにより、PUE値は約1.29となっている。茨城大学は、今後、各部署で管理しているシステム群をコンテナ型データセンターに移行するなど、さらなるBCPの強化に取り組んでいくという。
2014年10月20日日立製作所は10月15日、Hadoopシステム向けエントリーブレードサーバ「HA8000-bd/BD10 X3モデル」を発表した。HA8000-bd/BD10 X3モデルは、ベースユニット(シャーシ)当たり従来比2倍の160コアを搭載可能とするなど、処理性能を強化。Hadoopシステムにおけるデータ処理や分析を高速に実行できる。加えて、Hadoopの商用ディストリビューションである「Cloudera Enterprise/CDH(Cloudera’s Distribution including Apache Hadoop)」(以下、「Cloudera Enterprise」)の最新版へ対応したことにより、複数のデータ処理を同一のHadoopシステム上で並行して実行可能になるなど、効率的かつ柔軟にシステムを利用できるという。サポート面では、ハードウェアとソフトウェアを含めたITプラットフォーム製品の問い合わせにワンストップで対応するサポートサービス「日立サポート360」にて「Cloudera Enterprise」に対応。企業のHadoopシステムの構築、利用を全面的に支援するとしている。
2014年10月15日日立製作所は10月14日、強い外光下においても、高い視認性を実現する小型ヘッドマウントディスプレイ(HMD)用光学エンジンを開発したと発表した。これまでは、光学エンジン内にある光源のLEDから発した赤・青・緑の光を拡散板で拡散させ、混ぜ合わせることで、画面の色合いや明るさを均一にしていたが、目以外の方向にも光が逃げてしまうため、画面が暗くなるという課題があった。そこで今回、LEDが発した光を閉じ込めながら混ぜ合わせる、視認性の高い光学エンジン技術を開発した。これにより、従来の拡散板を使用した技術に対して、約8倍の光利用効率となる輝度8000cd/m2を低消費電力で実現し、外光下でも高い視認性を確保したとしている。具体的には、光の通り道となる導光路自体をトンネル形状にすることで、全反射による光の閉じ込めを行うとともに、多数の粒子状のレンズを入れ、光を屈折・拡散させて混ぜ合わせた。これにより、光の損失を抑えつつ、色合いや明るさを均一にした。また、画面を明るくするためには、より多くの光を目に届ける必要があるため、導光路から出射した光を平行なビーム状にする、特殊な形状をした非球面型の専用レンズを開発し、光の損失を抑えたという。今後は、同技術による光学エンジンを搭載したヘッドマウントディスプレイの開発を行っている日立エルジーデータストレージ(HLDS)と協力し、ユーザーと実証実験を重ね、製品化に向けた技術開発を行っていくとしている。
2014年10月15日三井住友銀行、パナソニック、日本電気(以下NEC)、日立製作所(以下日立)はこのたび、三井住友銀行の営業店窓口における一層の顧客サービスの向上と事務処理の簡素化を図るため、窓口で顧客が直接操作することができるタブレット型の新しい端末『SMBCステーション』(以下新端末)を開発した。新端末については、年内に試行を開始した上で、順次、三井住友銀行の国内本支店約460店に約3700台を導入していくとしている。このたびの新端末の開発にあたっては、三井住友銀行及び金融機関向け大規模主要システムの構築に数多くの実績を持つNEC、軽量かつ高機能で耐久性の高いタブレット型パーソナルコンピュータの製造技術を持つパナソニック、高速性と安全性を兼ね備えた指静脈認証の独自技術を持つ日立の計4社がコラボレーションし、共同開発した。2009年6月に三井住友銀行の全店への導入を完了した行員専用営業店端末CUTEと連動する新端末の導入により、窓口では、以下のような、より利便性が高くわかりやすいサービスの提供が可能になるという。平置きも可能な視野角の広い(176度)20型4K高精細液晶を搭載したタブレットにより、預金や投資信託などの商品内容や、為替チャートなどのマーケット情報、公的年金などのマネーシミュレーションといったコンテンツを顧客によりわかりやすく説明可能少ないタッチ操作と指静脈認証により、これまでの窓口端末の機能に加え、より簡単に「記入レス・印鑑レス」で外貨預金等の購入や住所変更等の各種諸届の手続きや受付・完結可能4社は、今後も共同で新端末を活用したサービスの開発を行い、より一層、顧客の利便性を向上させるよう、業界に先駆けて取り組んでいくとしている。
2014年10月09日日立ソリューションズは、日立製作所の統合システム運用管理「JP1」の活用を支援する「JP1ソリューション」の新たなラインアップとして、「JP1スマートデバイス運用管理ソリューション」を追加し、12月26日から提供開始する。同ソリューションは、PCやサーバ、スマートデバイスに関するソフトウェアやハードウェアなどのIT資産情報やセキュリティ対策状況を把握・一元管理する「JP1/IT Desktop Management 2」の導入を支援するもの。同ソリューションは「JP1導入支援サービス」と「JP1スマートデバイス運用管理カスタマイズサービス」から構成される。「JP1導入支援サービス」は、JP1/IT Desktop Management 2によるIT資産管理システムに対し、導入・運用に必要な設計・構築やコンサルティングを提供する。「JP1スマートデバイス運用管理カスタマイズサービス」では、JP1/IT Desktop Management 2によるスマートデバイス管理システムに対し、スマートデバイス管理機能範囲の拡張、使用形態に合わせたスマートデバイスに関するレポーティングなど、顧客の要望に応じてカスタマイズを実施する。
2014年10月07日三井住友銀行、パナソニック、NEC、日立製作所の4社は、三井住友銀行の営業店窓口において、窓口で顧客が直接操作することができるタブレット型の新しい端末「SMBCステーション」を開発したと発表した。新端末は、平成21年6月に三井住友銀行の全店への導入を完了した行員専用営業店端末CUTEと連動する。平置きも可能な視野角の広い(176度)20型4k高精細液晶を搭載したタブレットにより、預金や投資信託などの商品内容や、為替チャートなどのマーケット情報、公的年金などのマネーシミュレーションといったコンテンツを提供する。少ないタッチ操作と指静脈認証により、これまでの窓口端末の機能に加え、より簡単に「記入レス・印鑑レス」で外貨預金等の購入や住所変更等の各種諸届の手続きを受付・完結可能。三井住友銀行では年内に試行を開始した上で、順次、三井住友銀行の国内本支店約460店に約3,700台を導入していくという。
2014年10月06日日立製作所(日立)はこのたび、内閣官房のデータカタログサイト「DATA.GO.JP(データジーオージェーピー)」を構築し、10月1日より本格的に稼働開始した。「DATA.GO.JP」は、行政機関が保有するデータを公開するWebポータルサイトで、日立のデータセンター内にあるクラウド基盤上で構築・運用する。従来、行政機関が公開するデータは、各行政機関のWebサイトに掲載されている情報を個別に検索する必要があったが、DATA.GO.JPにより、予算や決算、調達情報、各種統計情報、防災・減災情報など、各行政機関が保有する1万件以上のデータを、一つのWebサイトから一括して検索することが可能となる。本格稼働の開始により、試行版から機能が強化された。具体的には、データ検索ページの検索メニューや検索結果の英語表示機能の追加、各種データ詳細の英語表示数の拡大、トップページへの検索窓配置、複数の検索キーワードの設定が可能な集合検索機能の追加などによって、利便性の向上が図られている。同社は、2013年1月に経済産業省が公開したオープンデータカタログサイト「Open DATA METI(β版)」の構築・運用も実施。2014年7月に受注した「DATA.GO.JP」の構築・運用業務では、公共機関におけるオープンデータの推進において、計画策定から運用まで全面的に支援する「オープンデータソリューション」を活用したという。
2014年10月01日