9月2日(現地時間)昼、第67回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション出品作『ノルウェイの森』の公式記者会見が行われ、松山ケンイチ、菊地凛子、水原季子、監督のトラン・アン・ユンらが出席した。世界中で読まれている村上春樹のベストセラー小説の映画化であり、各国の記者たちから熱心な質問が矢継ぎ早に飛んだ。原作ではリアルに書かれていたワタナベ(松山さん)と、直子(菊地さん)の性描写が、詩的な表現になっているのはどうしてか?という質問に対して監督は「具体的に描くよりも、キャラクターの表情に焦点を当てたかった。特に最初にワタナベと直子が関係を持つシーンは大切なので」と説明。 また、香港の演技派トニー・レオンが20年後のワタナベを演じるといううわさがあったことに関しては、「トニー・レオンの起用を考えていたのは事実。だが、村上さんから許可を得られなかった」と認めた。香港の記者から、セックスシーンの心の準備をどうしたか?と聞かれた松山さんは「監督からは表情を中心に撮ると事前に説明されていたわけではなかったので、原作通りなら過激だろうと覚悟をしていました。けれど、時間をかけて作り上げることが出来た」と答えた。また菊地さんは「松山さんは、役に対して真摯に向き合う方。(セックスシーンについては)楽屋に2人でこもって、いろいろ話し合いました。気持ちだけではなく、どう見えるべきか、といったテクニカルな話もしました」と語った。プレス試写の反応は、賛否両論。アジア系記者からは好意的意見が聞けたが、ヨーロッパの記者からは厳しい声も。あるイタリアの女性記者は「映像は美しいけれど、セックスについて言葉で語りすぎている」と語っていた。さて、夜の公式上映での反応はいかに?(photo/text:Ayako Ishizu)■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン第67回ヴェネチア国際映画祭 [映画祭]■関連記事:『ノルウェイの森』にスタンディング・オベーション松山ケンイチ「確信」得た!ヴェネチア国際映画祭開幕!ナタリー・ポートマン、過激なシーンも「覚悟してたわ」村上春樹原作の“逆輸入”短編映画でナスターシャ・キンスキーの娘がヌード披露ヴェネチア国際映画祭、「ヴェネチア3Dアワード」審査委員長に清水崇が就任ナタリー・ポートマンがダークサイドに?主演作がヴェネチアでオープニング上映決定
2010年09月03日映画『GANTZ』の製作報告会見が8月5日(木)、帝国ホテルで行われ、W主演の嵐・二宮和也、松山ケンイチ、ヒロインの吉高由里子らが出席した。週刊ヤングジャンプ(集英社刊)で連載中の奥浩哉氏による人気同名漫画を、総製作費40億円を投入し、2部作で映画化したもので、死んだはずの人々が謎の黒い球体・GANTZに召喚され、ねぎ星人やオニ星人などの異形の“化け物”との戦いを強いられる姿を描くSFアクション。監督は『修羅雪姫』などで知られる佐藤信介。昨年11月から約6か月間、撮影された。二宮さんと松山さんは初共演。主人公の玄野計(くろの けい)を演じる二宮さんは「加藤(玄野の幼なじみで親友)に松山さんを考えていると佐藤さん(貴博プロデューサー)から聞いて、『松山さんだったらやらせていただきます』と答えました」。松山さんも「そんなお言葉をいただけてとても嬉しいです、ありがとうございます。玄野を二宮さんがやられると聞いて、二宮さんしかいないと思いました」とお互い好印象だったことを告白。撮影中のエピソードについて聞く質問に、二宮さんは「撮影2日目に誰もがビックリする遅刻をしてしまった。前の日に朝方4時くらいまで撮影して、また9時くらいに戻ってきて、と言われ…起きたらスタジオにいなければいけない時間で。大急ぎで現場に行って会ったまっちゃん(=松山さん)に謝ったら『先に言ってくれれば同じ時間に入ったのに』と言ってくれた」と明かし、「でも後から聞いたらまっちゃんも遅刻だったんだよね?」と“暴露”。松山さんは「時間通りに現場に入ったぞ、と思っていましたが、どうもメイクさんとか周りの人から冷たい視線を感じたので、その日の最後に『遅刻していないですよね?』と(周囲の人に)聞いたら、『遅刻だよ!』と言われて…二宮さんに謝りました」と頭を掻いていた。一方、吉高さんは、劇中で化け物と戦う役どころの二宮さんらが着用する黒のスタイリッシュなGANTZスーツについて「かっこいい!」とウットリ。二宮さんから「撮影の待ち時間に、スーツを着ない人が着て遊んでいた。吉高さんとか」と暴露されて「何で言うの?」と口を尖らせて抗議。着てみた感想を取材陣から聞かれると「見ているときはセクシーだなと思ったんですけど、自分が着たら、エロい!と思って恥ずかしくて、ただちに脱ぎました、大至急」と照れていた。『GANTZ』は、2011年1月と春に前後編2部作で全国にて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:GANTZ 2011年冬、全国東宝系にて公開
2010年08月05日9月1日(水)よりイタリア・ヴェネチアで開催される第67回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門への出品が決まった『ノルウェイの森』、『十三人の刺客』の監督およびキャストの喜びのコメントが到着した。『十三人の刺客』は、暴政の限りを尽くす将軍の弟を討つべく送り込まれた13人の男たちが文字通り、命を懸けて戦う姿を描いた本格時代劇。数々のヒット作を世に送り出し、海外でも高い評価を受ける三池崇史監督がメガホンを握り、役所広司をはじめ、山田孝之、伊勢谷友介、松方弘樹、松本幸四郎に稲垣吾郎など錚々たるメンバーがキャストに名を連ねる。三池監督は「やったね。ヴェニスをサムライの血で染めてあげましょう」と短い言葉に喜びと決意を込める。監督と共に現地入りする予定の主演の役所さんは「(出品の知らせを聞いたときは)『やったー!』と。ヴェネチアのお客さんに日本の時代劇を楽しんでもらうことが一番ですね。映画の初号上映後のスタッフ・キャストの異常な盛り上がりが、ヴェネチアの映画祭会場でも見られるのではないかと期待しています。日本映画のお家芸である時代劇が海外で評価されるのは本当に嬉しいことです」と喜びを語る『ノルウェイの森』は、いわずと知れた日本を代表する作家・村上春樹の大ベストセラーの映画化作品で、すでに『シクロ』でヴェネチアの最高賞である金獅子賞を受賞しているトラン・アン・ユンが監督を務めるとあって、公開前から世界的な注目を集めている。映画祭には、監督に加え主演の松山ケンイチに菊地凛子、水原希子らがヴェネチア入りする予定だという。トラン・アン・ユン監督は「私が是枝裕和監督とお会いしたのはヴェネチア映画祭のときでした。後に、ロッテルダムで再会し、そこで橋口亮輔監督と知り合うことになりました。そのとき、3人で語り明かしたことが、いまでも素晴らしい思い出です。私たちは2人の“村上氏”(※村上春樹と村上龍)について語り合い、私は『ノルウェイの森』、2人は『69 sixty nine』と『限りなく透明に近いブルー』の話をしました。まさか、数年後に日本映画を出品するためにヴェネチアの地に戻り、その作品が『ノルウェイの森』になろうとは思ってもみませんでした!」と感慨深げ。松山さんは「光栄なことです。一足早く海外の方に観てもらうのですが、どんな反応を示すのか興味津々です。きっと素晴らしい経験になると思います」と期待に胸を膨らます。すでに発表されているように、今年の審査員長を務めるのは、日本映画、そして三池作品のファンとして知られるクエンティン・タランティーノ。三池監督作品にはイタリアでも多くのファンが存在し、また、小説の「ノルウェイの森」は同国でも出版されて、こちらも高い評価を得ているとあって、おそらく現地での期待も高く、金獅子賞受賞の可能性は十分にあると言える。世界最古の歴史を誇る国際映画祭で、この2作がどのように受け止められるのか?ヴェネチア国際映画祭は9月1日(水)より11日(土)までの日程で開催。『十三人の刺客』は9月25日(土)より、『ノルウェイの森』は12月11日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン十三人の刺客 2010年9月25日より全国東宝系にて公開© 2010「十三人の刺客」製作委員会■関連記事:ヴェネチア国際映画祭ラインナップ発表。『ノルウェイの森』など日本映画3本が登場異例!『ノルウェイの森』主題歌にザ・ビートルズ原盤の「ノルウェーの森」が決定高良健吾初のフォトブックが発売撮影現場&箱根プライベート旅行の様子も!あのシーンも原作の種田そのまま!『ソラニン』高良健吾の落書き顔公開2010年、最も活躍すると思う俳優は?1位は不動のジョニー・デップ!
2010年07月30日『デトロイト・メタル・シティ』では松山ケンイチを“ヨハネ・クラウザー・II世”へと変貌させ、過激な漫画原作を見事に“映画”として表現、先頃公開された『てぃだかんかん〜海とサンゴと小さな奇跡〜』では、ナインティナインの岡村隆史を“コント”ではなく“ドラマ”の中で輝かせるなど、その演出手腕が注目を集める李闘士男監督。最新作『ボックス!』はボクシングを題材にしたバリバリの青春映画で、市原隼人、高良健吾という才能を若き主人公とその親友役に配した。先日公開を迎えた映画、そして撮影について李監督に直接話を聞いた。ボクサーとして天賦の才能を持つカブと、その幼なじみでカブに憧れボクシングを志すユウキ。彼らの挫折や葛藤、成長がリアルなボクシングの試合と共に映し出される。まずは直球。主人公を演じた市原さんの魅力とは?「イッチー(=市原さん)はやんちゃで未完成な勢いとでも言うのかな。あいつはテストと本番で芝居が変わるんですよ。監督からしたら最悪な役者ですよ(笑)。集中すればするほどそうなるんですね。普通は止めるんだけど、おれは『面白いからそのまま行っとけ!』って(笑)。あるシーンで、あいつがポツンとひとりで取り残されるところがあるんですが、本番になったらなぜかあいつ、走り出しやがった!『何やねん、お前』と思いつつ、そこがかわいいし、彼にしかない瞬発力が魅力ですね」。一方、ユウキ役の高良さんに対して、監督はこんな注文を。「原作にも書かれていないけど、なぜカブとユウキの間にここまでの友情があるのか?そこを分かってやってほしいとは伝えましたね。表現が下手くそなカブの本当の優しさをユウキはずっと前から知ってる。ユウキもうまく自分を外に出せないヤツだけど、カブはそれを分かってる。高良には『君は、カブのことを好きで好きでたまらない。そこをどうやって出していくか?という部分しかないんだぞ』と言いました。ユウキとカブが拳を交えるとき、ユウキはカブを倒すんじゃなくて“過去の自分”を倒そうという意識なんじゃないか。その後、自分の一番大切な大好きな人を超えてしまった瞬間に感じる戸惑いを見せてほしかったんです。高良は薄〜い皮を一枚まとってる感じ…牛乳温めたときにできる膜みたいなものを持ってて(笑)。それを『破るのか?破らんのか?いつ破るねん?』ていうじれったさがヤツの魅力かな」。リアリティを追求したボクシングシーンの中でも、クライマックスの県予選決勝、カブと宿敵・稲村の試合の決戦のラウンドは圧巻!「俳優たちが僕の想像を超えたシーン」と語る監督。撮影を前にある決断があった。「1ラウンドを丸々、1カットで撮ったんです。リングに向かって『お前ら、止まるな。やれっ!』って(笑)。アマチュアルールなので、1ラウンド2分ですが相当きついですよ。僕が出した指示は『休まずに必ずどちらかが手を出せ』ということ。『カブが倒れようと、稲村が倒れようとおれが芝居を繋ぐから心配するな、本気でやれ』と。試合が終わった後の2人の行動も、全く脚本にはなくて、あいつらが勝手にそうしたんです。半分ドキュメンタリーですよ」。天才と呼ばれつつ、勝ち続けるのでなく、挫折を繰り返すカブ。これまでにないタイプの“天才”であるが、監督は、自身の内にある、映画制作に対する情熱と絡めてこう説明する。「僕は、“人”が撮りたい。とにかく人に興味があるんです。その中でも、自分で自分のために頑張るヤツには何の共感もわかない。今回で言うと、カブはアホやけど、負けて、負けて、そこから他人のために本気を出す。そこがかわいくて仕方なかった。それをどう描くかと考えたとき、大切にしたのは、“痛み”をしっかりと描くことだった。だから、ボクシングのシーンでも、カブがパンチを打つところよりも、打たれるときの方が大切なんです。映画の中のイッチーを見て、若い女の子はキャーキャー言うと思うけど、男の子や僕みたいなおっさんが見ても『あの坊主頭の役者いいなぁ』って思わせたかった。だからこそ痛みや負けたときの切なさをしっかり描こうと思ったんです」。「ボクシングの魅力はシンプルさとストイックな部分。勝ちか負けか、明暗がはっきりするからこそ“暗”の部分を鮮やかに描き出せる」と監督。「そう言えば、僕自身は映画ってあまり観ないんですが(苦笑)、でも『ロッキー』だけはよく観てました。『ロッキー』で、スタローンが階段を走って上って『ウォー!』ってやるシーンあるでしょ?撮影中も冗談で『イッチー、高良!あれやれ!』って(笑)」。ぜひそのシーンも見てみたかったが…。ともかく『ボックス!』に監督が込めた“人間愛”をぜひ感じてほしい。シネマカフェ撮影現場レポート特集■関連作品:ボックス! 2010年5月22日より全国東宝系にて公開© 2010 BOX! Production Committee■関連記事:メイド喫茶市原「一度行きたい」高良「一回行った」市原隼人“初ライヴ”で初ダイブ「夢、あるだろ!」『ボックス!』市原隼人×高良健吾熱く、鋭く…交錯する2つの才能市原隼人、『ボックス!』試写会で『ROOKIES』“安仁屋”口調で悩み相談!市原隼人、高良健吾が拳に青春をかける!『ボックス!』試写会に50組100名様ご招待
2010年05月25日妻夫木聡と松山ケンイチが、来年公開されるW主演映画『マイ・バック・ページ』で初めて共演することが明らかになった。本作は文芸・映画評論、翻訳にエッセイなど多岐にわたって活躍している川本三郎が、自身が新聞社に入社していた1969年から72年のジャーナリスト時代の経験を綴った同名ノンフィクションの映画化作品。理想に燃え、新聞社が発行する週刊誌編集部で働く記者・沢田(妻夫木さん)。激動する時代の中で、彼は活動家の取材を続けていたが、ある日、梅山(松山さん)と名乗る男から接触を受ける。「銃を奪取し武器を揃えて、われわれは4月に行動を起こす」と語るその男に疑念を感じながらも、沢田は不思議な親近感と同時代感を覚えていく…。監督を務めるのは『天然コケッコー』、『松ヶ根乱射事件』などで注目を浴び、30代前半にしてその卓越した演出力が高い評価を受ける山下敦弘。ジャーナリストとして時代の最前線で“いま”に葛藤する主人公・沢田役の妻夫木さんは「『どこにもない何か』に自分の存在価値を求めようとした時代。ただ通り過ぎていくいまのこの時代に、少しでも足跡が残せたらいいなと思っています。 そして、念願の山下組。現場で松山くんと共に、僕らの『時代』を描ければと考えています」とコメント。“赤邦軍”のリーダー・梅山(本名・片桐)を演じる松山さんも「とても特異、異質な役なので演じるのがとても楽しみです。観客のみなさんを楽しませる演技ができればと思っています。山下監督や妻夫木さん、スタッフ、キャストのみなさんと必ず最高の作品を作ります。楽しみにしていて下さい」と意気込みを語っている。さらに、川本さんからは「外にはベトナム戦争があり、内には反戦運動や全共闘運動があった。物情騒然たる時代だった。そして若者たちが、たった一つの不正にも身を震わせた。自分のことよりも世界のことを考えようとした。ジャーナリストも傍観者ではいられなかった。あの時代に生まれていなかった監督の山下敦弘さんと脚本の向井康介さんが私の挫折の物語に興味を持ってくれた。若い人たちがあの頃の青春をどうとらえるのか。暗い過去とまた向き合うことになる。身が引き締まる思いがする」と映画化に際してコメントが寄せられた。共演陣には忽那汐里、石橋杏奈、中村蒼、長塚圭史、三浦友和といった豪華な顔ぶれが並ぶ。理想に燃えるジャーナリストと彼を挫折へと追い込んでいく左翼学生。現代人が忘れてしまった“熱”を持った男たちの戦い、葛藤、叫びは我々に何を問いかけるのか?『マイ・バック・ページ』は2011年全国にて公開。■関連作品:マイ・バック・ページ 2011年、全国にて公開
2010年05月13日堀北真希に松山ケンイチ、手越祐也、そしてアントン・イェルチンという若き才能が集結した映画『誰かが私にキスをした』が3月27日(土)に公開初日を迎え、堀北さん、松山さん、手越さんと監督のハンス・カノーザによる舞台挨拶が行われた。堀北さん演じる主人公と3人の男たちによる“四角関係”が展開される本作だが、堀北さんが選んだのは…?記憶を失くした少女・ナオミを演じた堀北さんは「桜の季節が近づいてきて、新たなスタートを切る人も多いと思いますが、ぴったりの映画です」とアピール。また、現場の様子について松山さんは「僕は英語は話せないんですが、ハンスはいつも控え室に遊びに来てくれて、コミュニケーションを取ってくれた。通訳さんを介してでしか言葉が通じなくても、不安や心配はなく、楽しめました」とふり返った。手越さんも「衣裳やメガネについて監督と一緒に決めたり、イチから話し合って作っていった作品。言葉が分からなくても目を見れば通じるんです。海外の公演を通じて音楽や表現に国境はないというのはこれまでにも分かってましたし、楽しかったです」と笑顔を見せた。監督は「素晴らしい日本の俳優さんたちと映画を作るのは私にとって夢でした。ハリウッドで試写を行ったら、ほかの監督から『どうやったらこんなに素晴らしい役者を雇えるんだ?』と聞かれました」と誇らしげに語った。クールで謎めいた面を持ち、監督曰く「少しひねくれている」ユウジ(=松山さん)と優しいミライ(=手越さん)、情熱的で真っ直ぐなエース(=アントン)という3人の個性的な男たちが登場するが、もしも、この3人に同時に告白されたら?という質問に堀北さんは「私は…友達に自慢します!」と語り、司会者の「なかなかそういう機会はないですもんね」という相槌に「一生ないと思います!」とピシャリ。さらに松山さんと手越さんには「もし自分が女性だったら3人のうち誰と付き合うか?」というお題が出された。松山さんは、少し顔をしかめつつ「うーん…ミライですかね?役というのはどこか演じている人と繋がってるもので、僕自身、(ユウジのように)ややこしくてめんどくさい男で、そういうところが嫌なんです。ミライは良い男だし、手越くんもさわやかで好感を持てますよね」と語った。では手越さんはというと「僕も細かい人間ではないので、ユウジはちょっと…。でも安定を求めるタイプでもなく、情熱的な方が好きなのでエースですね。男っぽくてストレートで…と、僕は初日に何を言ってるんでしょうね…(苦笑)」と照れながら語り、会場を沸かせた。最後にもう一度、堀北さんに選ぶなら3人のうち誰?と迫ると「私は、めんどくさくてややこしい人が好きなのでユウジです!」と回答。その瞬間、松山さんはガッツポーズを見せ「優しい〜!」と満面の笑みを浮かべた。『誰かが私にキスをした』は全国にて公開中。■関連作品:誰かが私にキスをした 2010年3月27日より全国にて公開© 2009「誰かが私にキスをした」製作委員会■関連記事:堀北真希、15歳の天才歌姫に「久々に会ったら背が伸びて…」としみじみ『誰かが私にキスをした』堀北真希×アントン・イェルチン甘いキスを巡り…大論争?記憶の底に眠るキス!『誰かが私にキスをした』特製Tシャツを4名様にプレゼントイケメンたちと堀北真希の“4角関係”『誰かが私にキスをした』試写会に50組100名様ご招待恋に恋する堀北真希がご祈祷を受けて“恋活”本格スタート!「ひと目ぼれアリです」
2010年03月27日女優の堀北真希、俳優の松山ケンイチ、人気グループ「NEWS」の手越祐也、ロシア出身の俳優アントン・イェルチンらが1月20日(水)、東京・ホテルニューオータニで行われた映画『誰かが私にキスをした』の完成会見で、キス談義を繰り広げた。日本のインターナショナルスクールを舞台に、階段から落ちて4年分の記憶を失ったナオミ(堀北)とナオミを取り巻く男性3人の4角関係を描くラブストーリー。映画『カンバセーションズ』で2005年の東京国際映画祭で審査委員特別賞に輝いたアメリカ出身のハンス・カノーザ監督がメガホンを取った。ナオミが誰かとのキスをフラッシュバックさせる内容などに引っ掛け、恋人と最初のキスをする際、強引にする派かゆっくり責める派か?と男性キャストへ質問が。松山さんは「すっごいどうしよう〜とタイミングを計って考えるんですけど結局、計画通りいかずテンパるタイプだと思います。出来ずじまいで…」と苦笑い。手越さんも「今日しよう!と家を出る前に決めるんですけど、その日一日いつしてやろうか、スキあらばとか考えて彼女の言うことが耳に入らないで、結局別れ際になると思う」と揃って慎重派の様子。アントンは「15歳のときに大好きだった女の子がいて、1週間に3回ぐらい僕の家に遊びにきてベッドに座って音楽を一緒に聴く仲だった。毎回キスしようと思っても出来ずじまいである日、してもいい?と聞いて『イエス』と言われてした。でもふり返ると何てダサイことをしたんだろうと…聞いたってことは自信がないみたいだから」と甘く苦い(?)思い出を告白。「アグレッシブにしたかったらした方がいい。結果、嫌な顔をされるかカオスを蹴られ、心傷つくんだけど」と意見を述べた。ニコニコしながら聞いていた堀北さんは「(キスしていい?と)聞かれたら困るかな。強引に?そうですね、自信を持ってきてほしいと思います」とキッパリ。すかさずアントンが「強気でいくにも優しさを見せるでも、どちらにしろエレガントに行くべきですよね」と追加。さらに監督から「男の子は女の子からされるのも大歓迎だったりするよね」と別意見を述べると、アントンは「Oh!Yes,Yes」と喜び、松山さんらは照れ臭そうな笑顔を浮かべた。退場時、女優の小雪との熱愛が報じられている松山さんは、取材陣から順調?と声掛けされ、「有難うございます」と深々お辞儀。順調ぶりをうかがわせていた。『誰かが私にキスをした』は3月27日(土)より全国にて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:誰かが私にキスをした 2010年3月27日より全国にて公開© 2009「誰かが私にキスをした」製作委員会■関連記事:来年の東映は『ゼブラーマン2』セクシー衣裳から『桜田門外ノ変』まで注目作ズラリ!堀北真希の海外進出に監督も太鼓判!松山ケンイチ、手越祐也と共演の最新作製作会見
2010年01月20日白土三平の伝説的漫画を実写映画化したアクション大作『カムイ外伝』。10月15日(木)、本作の大ヒットを記念して、崔洋一監督と主演の松山ケンイチ、共演の森山開次、坂口征夫による舞台挨拶が行われた。コンテンポラリー・ダンサーとして世界で活躍する森山さんと、総合格闘家として活躍する坂口さん。崔監督が“男祭り”と呼ぶこの顔ぶれでの舞台挨拶はこれが初めてだったが、さっそく灼熱の沖縄での撮影話に花が咲いた。特に、坂口さんのまっすぐで天然な素顔を、監督も松山さんも話したくてしょうがない様子。劇中の“サメ殺し”のシーンでは、「坂口さんが(サメと見立てた)サンドバッグと一生懸命格闘しているのを見て、どうリアクションしていいか分からなかった…」と松山さん。崔監督は、「蹴りを入れられたら死にそうと思ってたが、心の熱いストロングマンだった」と称賛を浴びせた。一方、森山さんが劇中で見せている見事な舞いは、実はほとんど即席によるものだったそうだが、本人は「カムイに因んだ『忍』の文字を表現した。撮影を忘れて楽しんで踊れた」と充実した表情でコメント。松山さんも「ただ呆然とするだけだった」と圧倒されたその舞いを壇上で披露すると、盛大な拍手が沸き起こった。これに触発されてか、松山さんも負けじと坂口さんと一緒に我流の「忍」の舞いを披露すると、ファンは歓声を上げ、監督は「カムイブラザーズの結成!」とご満悦の表情を見せた。さらに、監督はこのたび本作がドバイ国際映画祭とロッテルダム国際映画祭への正式出品が決定したことを発表。先日上映されたトロント国際映画祭では、松山さんは「会場が一つになって映画を楽しんでいて、自分も楽しめた」と明かしたが、今後の各国での反応はいかに?新たな門出を前に、あらためて「薄れることなくずっと残っていく、とても特別な映画」と観客にアピールした。『カムイ外伝』は丸の内ピカデリー2ほか全国にて公開中。■関連作品:カムイ外伝 2009年9月19日より丸の内ピカデリー2ほか全国にて公開© 2009「カムイ外伝」製作委員会■関連記事:松ケン、意味深コメントと公私充実の笑顔『カムイ外伝』初日松ケン&小雪、熱愛コメントはなくも類似メッセージを呼びかけ【どちらを観る?】愛か自由か?松ケン『カムイ外伝』VS小栗旬『TAJOMARU』松山ケンイチ『カムイ外伝』インタビュー 孤高のヒーロー誕生の陰にあった挫折、恐怖ファッション小噺vol.112日本女優の美肌のヒミツはこれだった!
2009年10月16日松山ケンイチ、堀北真希主演で贈る『誰かが私にキスをした』の製作発表記者会見が10月11日(日)に都内で開かれ、堀北さんとハンス・カノーザ監督が出席した。『カンバセーションズ』で2005年の東京国際映画祭で審査員特別賞を受賞したカノーザ監督の手による本作。インターナショナル・スクールに通う女子高生が記憶を失ったことから始まる本格ラブストーリーで、この主人公の女子高生・ナオミを掘北さんが、彼女が想いを寄せるミステリアスな先輩役を松山さんが演じるのに加え、ナオミを優しくサポートする同級生をNEWSの手越祐也が、そして彼女の目下の恋人である男を『ターミネーター4』などハリウッドの話題作に出演し注目を集めるアントン・イェルチンが演じる。堀北さんは「この映画は、いままで自分が経験してきた方向とは全く違う角度からお芝居を眺めたり感じたりしながら撮影した作品でした。セリフに英語があったりと、撮影中の数か月間は私にとって挑戦の毎日でした」と充実した表情でふり返った。監督とのコミュニケーションについて「言葉の壁はありましたが、互いに言葉を教え合ったりしながらコミュニケーションが取れて楽しく撮影できたと思います。監督は照れてなかなか日本語をしゃべってくれませんでしたが『お疲れ様でした』だけは言ってくれました」と言うと、監督は日本語で「ガンバリマス(笑)!」。また、松山さん、手越さん、そしてアントンとの共演に話が及ぶと「松山さんとは何度か共演していたので遠慮なく言い合ったりしながら演技ができたと思います。手越さんとは初めて仕事をさせていただいたのでちょっと緊張したのですが、仲良しという設定だったのでなるべくラフに付き合うようにしていました。アントンは私の一つ年下なのですが、すごくかわいくて、色んな話をしてくれて楽しかったです」と明かしてくれた。監督は「日本の映画やドラマをたくさん見ていく中で、堀北さん、松山さん、手越さんのことを恋に落ちるくらい好きになり、一緒に仕事がしたいと思うようになった」と語り、「堀北さんをキャスティングしたいと思ったのは、何より彼女が国際的なスターになれると思ったから。この作品はまず日本のお客様に、それから世界中の方々に観ていただきたいと思っています」と力強く語った。『誰かが私にキスをした』は2010年3月、全国にて公開。■関連作品:誰かが私にキスをした 2009年3月、全国にて公開© 2009「誰かが私にキスをした」製作委員会
2009年10月13日俳優の松山ケンイチが19日、東京・丸の内ピカデリー1で主演映画『カムイ外伝』の初日舞台挨拶を行い、「僕にとって重要な、必要な作品になりました」と充実の笑顔を見せた。本作を通じて知り合ったヒロイン役の小雪との熱愛が今年4月から報じられ、それに関して直接的なコメントはしていないものの、「重要な作品になった」とこれまでの本作のイベントで繰り返し言い、この日も「僕にとって重要な、必要な作品になりました」と意味深に言葉に力を込めた。さらに司会者から原作者の漫画家、白土三平氏が「生身のカムイを見たよう」と松山さんを評したコメントが紹介されると、「一番のほめ言葉です。僕がケガをして撮影を半年間中断させてしまったので、この日を迎えられて本当に嬉しい」と照れくさそうな笑顔を浮かべ、公私の(?)充実ぶりをうかがわせた。松山さんとの間に、共演の伊藤英明を挟んで立つ形となった小雪さんは、初のアクション挑戦をふり返り「右も左もわからず、ただただスタッフのみなさんのお力を借りてやらせていただいた。年を重ねてできないことにチャレンジして、克服するのは感慨深いものがあります。いい経験になりました」と満足げ。だが、司会者から今後もアクションに挑む?と聞かれると「楽しかったけど、考えながらやらせていただきます」と苦笑いだった。2人とは対照的に、伊藤さんは「僕はぶっちゃけ大変じゃなかった。松山くんは心身ともに大変そうでしたが僕は大変そうな顔をしていました。沖縄のおいしい料理とお酒を毎晩いただいて、撮影は充実していました」と飄々とした調子。壮絶なアクションシーンについての質問にも「沖縄の砂浜で撮ったんですが、いや暑かった。でも撮り終えないと崔さん(洋一監督)に殺されると思い、恐怖と闘いながらやりました」と冗談交じりに崔監督の鬼采配ぶりを吐露。それを裏付けるように、崔監督と初タッグとなった佐藤浩市も、「現場で監督の怒鳴り声が聞こえない日はないという、うわさにたがわない温厚で柔和な方でした」とユーモアたっぷりに“証言”。小林薫も「撮影で使った魚は本物で、スズキを200匹鹿児島から空輸したんですが、そのスズキさんに怒鳴っていました。『演技しろ!さっきはできていたじゃないか!』って。初めて見ましたね」と悪ノリ。崔監督は「言ってません」と釈明しながら、前日にカナダ・トロント映画祭から帰国したばかりとあって、本作が特別上映された様子を「カムイの術のところで場内が割れた。笑いとどよめきで。カナダ人はどういう人たちなんだろうと思った」と観客の反応の良さを面白おかしく報告。松山さんと2度目の共演となった大後寿々花は「今回の松山さんの顔つきが前と全然違いました」と現場の緊張感を伝えていた。松山さんと崔監督はこの日から23日まで全国27か所、31回の舞台あいさつ行脚をスタートさせた。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:カムイ外伝 2009年9月19日より丸の内ピカデリー2ほか全国にて公開© 2009「カムイ外伝」製作委員会■関連記事:松ケン&小雪、熱愛コメントはなくも類似メッセージを呼びかけ【どちらを観る?】愛か自由か?松ケン『カムイ外伝』VS小栗旬『TAJOMARU』松山ケンイチ『カムイ外伝』インタビュー 孤高のヒーロー誕生の陰にあった挫折、恐怖ファッション小噺vol.112日本女優の美肌のヒミツはこれだった!松山ケンイチ、忍術で壁渡りも何のその?崔洋一「カムイは彼しかいない!」
2009年09月19日映画『カムイ外伝』のプレミアイベントが13日(日)、東京・新宿区内で行われ、熱愛が報じられている主演の松山ケンイチとヒロインの小雪が揃って姿を見せ、ファン約5,000人の熱視線を浴びた。今年4月に週刊誌でデートをキャッチされて以降、何度か熱愛を報じられ、5月に行われた同作の製作報告会見に続いて公の場に揃って出席するのは2度目。だが、ツーショットや熱愛に関するコメントはなかった。19日(土)の初日を目前に控えたイベントで、この日開催された今年スタートの映画祭「シネ・フェスタ新宿」の第1回作品に同作が選出されたことから、史上初の試みで同区内のメインストリート、新宿通りに全長70メートルのレッドカーペットが敷かれた。松山さんらキャスト陣と崔洋一監督は、カーペットの両脇に集結した観客が求める握手やサインに応じるなどのファンサービス。松山さんは「1か月間訓練して1か月半で撮るような映画が多いですが、今回は撮影前に1年間、アクションの訓練をして、約1年間かけて撮影しました。すごく稀なことです。説得力のある動き、キャラクターになっていると思います。40数年前の原作の映画ですが、いま必要だから生まれたもの。みなさんにとって必要であったということになれば幸せです」と凛々しさを増した表情。真っ赤なワンピースをスレンダーなボディでしっとり着こなした小雪さんも「アクションもそうですが、初めての挑戦がたくさんあった作品で、自分の中で苦しい思いもしましたが、いま、ふり返ると人生の中でいろいろ勉強になる点がありました。普段生きていく中や生活する上で何か指針になるような感じ方をしてもらえたら嬉しい」。揃って真摯なメッセージを呼びかけた。特設ステージからの退場時、小雪さんに続き松山さんが去ろうとして、2人がこの日もっとも接近する場面が。だが崔監督が松山さんの手首をつかんで足を止めさせて“ツーショット”を阻止。松山さんと2人でバンザイポーズを取り、再度観客に向かって感謝の気持ちを示した。自身、青春時代を過ごし、自作の舞台にするなど新宿と縁の深い崔監督は「私にとって大変意味を持つ場所です」と感慨深い表情を見せながら「カムイとカムイを取り巻く人々のドラマは、何かいまの我々の胸を打つものがあると思う」と思い入れたっぷりに語った。一方、主題歌「Alive」を歌う歌手の倖田來未も胸元露わなセクシードレスで来場し、「新宿には買い物でよく来ますが、今日は全然違う雰囲気。日本でもハリウッド(のプレミアイベント)のようなことができるんだなと思いました」と興奮しきり。香港のスター俳優、イーキン・チェンも松山さんとは別の年齢層の黄色い大歓声を浴び、「日本の作品には初参加しました。手裏剣や剣術の特訓を受けて臨みました、その辺りを観て」と甘いイーキン・スマイルを振り舞いていた。本作は、漫画家、白土三平氏の代表作を原作に、忍者の掟を破り組織を追われた抜忍・カムイが生死を分かつ闘いを繰り広げながらも生き抜こうとする姿を描く時代劇。9月19日(土)より丸の内ピカデリー2ほか全国にて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:カムイ外伝 2009年9月19日より丸の内ピカデリー2ほか全国にて公開© 2009「カムイ外伝」製作委員会■関連記事:【どちらを観る?】愛か自由か?松ケン『カムイ外伝』VS小栗旬『TAJOMARU』松山ケンイチ『カムイ外伝』インタビュー 孤高のヒーロー誕生の陰にあった挫折、恐怖ファッション小噺vol.112日本女優の美肌のヒミツはこれだった!松山ケンイチ、忍術で壁渡りも何のその?崔洋一「カムイは彼しかいない!」松ケン×クドカン登場!『カムイ外伝』完成披露試写会に50組100名様ご招待
2009年09月14日いま、時代劇映画のヒーローに熱い視線が注がれている。日本映画界を牽引する若手実力派、松山ケンイチと小栗旬がそれぞれ主演を張る『カムイ外伝』と『TAJOMARU』だ。伝説のコミックと言われる白土三平の漫画が原作の『カムイ外伝』は、忍者の掟を破り組織から追われる抜け忍の“カムイ”が、追忍に執拗に追われながらもたった独りで生き抜く姿を描いたアクション・エンターテイメント。「カムイ役はこの男しかいない」という崔洋一監督のラブ・コールに、松山ケンイチは「日本人に生まれたからにはできるだけ時代劇に出たい」と応え、初めて激しいアクションに挑んだ。日本の忍者の存在は世界中でも広く知られ、数多くの漫画、アニメ、実写で描かれてきたキャラクターではあるが、この『カムイ外伝』がこれまで描かれてきた忍者と一線を画するのは、リアルな忍者であること。人並み外れた身体能力や必殺技を持っているものの、リアルさからかけ離れていないからこその面白さがある。それを成し得たのは『血と骨』や『クイール』で知られる崔監督の演出と宮藤官九郎による脚本の力も大きい。ただ、ドラマティックなストーリーを期待して間違いないこの2人がタッグを組んでいるだけに、VFX(視覚効果)があと一歩という欠点が浮き彫りに…。が、そこは大目に見て、非の打ち所のない松山ケンイチの忍者を堪能してほしい。生きることとは何かを深く追求した『カムイ外伝』に対して、『TAJOMARU』は愛のためにすべてを懸けた男の物語だ。『クローズ ZERO』で男も惚れる男としてその存在感を焼き付けた小栗旬が、今回は愛する女性のために地位も名誉も名前も捨て命を懸ける男・多襄丸を熱く演じている。多襄丸とは黒澤明監督作『羅生門』の原作として知られる芥川龍之介の短編小説「藪の中」に登場する人物で、本作は多襄丸を主役に据えた完全オリジナル・ストーリーとなっている。何不自由ない家柄に生まれた男が大盗賊・多襄丸として生きることを選ぶのだが、その背景には、血肉を分けた兄、弟のようにかわいがってきた家臣、そして心底愛した女性の裏切りがあった…。その不幸度とどんでん返しは上質なメロドラマといったところ。というわけで、小栗旬は泣いて泣いて泣きまくり!自他共に認める役者馬鹿ゆえに、感情高ぶる泣きのシーンごとに女性は多4.丸に惚れること必至。また、監督が中野裕之という点では、映像美やロック感も見どころだ。男性的にはもう少しアクション・シーンがあった方が…という懸念がなきにしもあらずだが、最終的に小栗旬の名演技にノックアウトされるので安心を。自由を求めた男・カムイと、愛を求めた男・多襄丸。あなたが今求めているヒーローはどっち?(text:Rie Shintani)■関連作品:カムイ外伝 2009年9月19日より丸の内ピカデリー2ほか全国にて公開© 2009「カムイ外伝」製作委員会TAJOMARU 2009年9月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2009「TAJOMARU」製作委員会■関連記事:松山ケンイチ『カムイ外伝』インタビュー 孤高のヒーロー誕生の陰にあった挫折、恐怖『TAJOMARU』小栗旬「女の人の気持ち?一生わかんないと思うな…(笑)」「何があってもおれがお前を幸せにする!」小栗旬『TAJOMARU』本編映像が到着ショーケン、東大で復活の怪気炎!“東大特別講師”小栗旬が考えるリーダー像とは?ファッション小噺vol.112日本女優の美肌のヒミツはこれだった!
2009年09月11日しばしの沈黙。言葉を探しながらゆっくり、ゆっくりと答えが返ってくる。インタビューの最中に何度となく見せたそんな様子からも、彼がいかに強い思いで『カムイ外伝』に臨んだかが伝わってくる。そして決して簡単な役ではなかったことも――。ひとたび見たら忘れられない個性的な役柄を演じ続ける松山ケンイチ。特筆すべきは漫画、小説などを原作とする作品への出演の多さ。原作を持つ作品の宿命として、常に映画化そのものや、配役を疑問視する声にさらされながら、彼は己の演技でそうした声に対して答えを出し続け、映画の公開後には批判を称賛へと変えてきた。本作で演じたのは、白土三平が生んだ漫画史に残るヒーロー。いかにして彼はカムイへと“変身”を遂げたのか?闘う“70年代”に魅力「実は、いまの時代にあまりない題材だと思う」松山さん自身が感じたこの作品の魅力を尋ねると、原作が発表された“70年代”という時代をキーワードとして挙げてくれた。「70年代前半って、僕は生まれてもいないんですが、この頃の作品って“闘うこと”を題材にしたものが多い気がするんです。それは、実はいまの時代にはあまりないものだと思うし、これまで自分の中になかった価値観に触れて、すごく新鮮な気持ちになりました」。では、映画への出演を決める上で大切にしていることは?そんな質問を「仕事を選ぶほどはオファーはないですよ(笑)」とかわしつつ、何者かを“演じる”ことの面白さをこう表現する。「そのキャラクターが、自分にはないものや理解できない部分を持っていると、演じてみたくなりますね。逆に、絶対に自分にしか出来ないようなキャラクターにしたいという思いもあります。そうやって、常に挑戦しながらキャラクターを作り上げていくということを、どこかで意識しているのかもしれません」。このあたりに、原作に負けないキャラクターを作り上げていく秘密がありそうだ。だが、今回のカムイという役に関してはこれまでに演じてきた役とは勝手が違った。「これまでは、自分がそのキャラクターであるということを100%信頼して演じていました。でも、今回に関しては明らかに違う気持ちで生きているキャラクターで、時代も異なる。自分と似ている部分が全くなくて、“向き合う”ということが出来なかった。常にどこか疑心暗鬼になっていて…撮影中に挫折感や『この役を演じ続けることはできないんじゃないか?』という恐怖を感じたのも初めてのことでした」。ケガの功名?カムイと同じく“追い詰められた”精神状態加えて、撮影現場でケガを負ったという事実も、重圧となって松山さんを苦しめた。「肉体的にももちろんですが、もう二度とケガで撮影を中断させるわけにはいかない、という変な精神状態で。カムイと似ている部分が全くないって思っていましたが、“追い詰められる”という意味では同じでしたね。逆に、なろうと思ってもなかなかそんな精神状態になれるわけでもないので……それが良いのか悪いのかわからないですけど(苦笑)」。それでは、クランクアップの瞬間はさぞかしホッとしただろうと思いきや、「そういう気持ちもあんまりなくて。自分がカムイを演じてどうだったんだろう?って思いがいまだに続いてますね」。そこが松山さんらしいと言えばそうなのだが…。最後に、松山さん自身が好きなシーンを聞いてみた。例によってしばらく沈黙を置いて出した答えは、激しいアクションの場面ではなく、意外なシーン。「やはりこの作品は、アクションだけでなく人間ドラマがすごくしっかりしてるんです。すごく悲しい人間ドラマですけど。(小雪さん演じる)スガルとのシーンで『おれは(刺客の)追忍ではなく、抜け忍だ』って正直に打ち明けるんですが、スガルは『いや、お前は追忍だ』と拒否する。そこはカムイの不器用さと忍びの世界の厳しさ、社会の厳しさが感じられる良いシーンだな、と脚本を読んだときから思ってました」。10月公開の『カイジ 〜人生逆転ゲーム〜』、そして来年は『ノルウェイの森』と本作と同じく原作モノの公開が控えるが、本作を観れば「この役を松山ケンイチに!」という監督たちの思いが理解できるはずだ。(photo:HIRAROCK)■関連作品:カムイ外伝 2009年9月19日より丸の内ピカデリー2ほか全国にて公開© 2009「カムイ外伝」製作委員会■関連記事:【どちらを観る?】愛か自由か?松ケン『カムイ外伝』VS小栗旬『TAJOMARU』ファッション小噺vol.112日本女優の美肌のヒミツはこれだった!松山ケンイチ、忍術で壁渡りも何のその?崔洋一「カムイは彼しかいない!」松ケン×クドカン登場!『カムイ外伝』完成披露試写会に50組100名様ご招待倖田來未「新しい自分に挑戦したい」『カムイ外伝』で日本語オペラを歌う!
2009年09月11日忍者の掟を破り、抜忍という過酷な運命を自ら選んだ男、カムイ。白土三平による傑作漫画「カムイ外伝」で描かれたこの伝説のヒーローが、名匠・崔洋一といまをときめくヒットメイカー・宮藤官九郎のタッグにより、遂に実写映画化された。9月の公開に先駆けて、7月22日(水)、本作の完成披露試写会が開催され、上映前に主演の松山ケンイチ、宮藤さん、そして崔監督の3人が登壇、トークを繰り広げた。一昨年の11月にクランクインしてから約1年、紆余曲折の撮影を経て、先月ようやく完成を遂げた本作。崔監督は、長い制作期間を「『カムイ外伝』という映画の宿命から、天は我々に時間というものを与えてくれた」とふり返る。今回、宮藤さんを脚本に起用した理由を尋ねると「宮藤官九郎の持つ異端のエッジが好きで、それを掛け合わせることによる化学反応が力になると確信。それで強烈にお願いしました」と語った。さらに、カムイ役をやれるのは「松山ケンイチしかいない」と断言する監督。「松山ケンイチがこの作品に参加してくれなかったら『カムイ外伝』はやめるつもりだった」と、惚れこみようを明かした。これに対し、松山さんは「崔監督は、僕の周りではすごく怖がられてた存在でビビッてたんですが、最初の衣裳合わせのときに『じゃ、ケンちゃんこれ着てみて』と言われて(笑)。そのときから安心して、一番心を預けられる存在になりました」と巨匠との仕事をふり返った。宮藤さんは脚本化にあたり、「カムイ外伝」だけでなく前作の「カムイ伝」まで、膨大の量の原作を読むところからスタートしたとのこと。これまでの作風とは一線を画す超大作に挑んだことについて、「いままでやってきた作品の流れとは明らかに違うので、最初はなかなか掴めなくて苦労しましたが、それは自分でも望んでた部分でもあって、とにかくいろいろ(脚本を)書き直しました」と苦労も滲ませた。本作りをふり返り、「生きるために殺るという、カムイの生きることに対する執着が新鮮で、その答えを探すための本作りでした」と語った。松山さんも初の本格アクションに向けて、約1年かけてトレーニングを行ったが、その完成度は崔監督曰く「助走つければ、壁を横走りできますよ。全然忍者じゃん、役者辞めてもいけるくらいにかっこいいです」とのこと。宮藤さんからも「“あ、カムイだ”と。子供から大人に変わったときのカムイのゴツゴツした感じに近くて、(出演に)大賛成でした」と絶賛を受け、照れくさそうな表情を浮かべた。さらに、原作者の白土さん本人にも「本物だ」と言わしめたという松山さん。「出来上がったキャラクターと向き合っていくのに、気持ち的に不安定になることもありましたが、最後に白土先生にそう言ってもらえて、やらせてもらって良かったと心から思った」と当時の感動を明かした。そして、崔監督から「ケンイチの完全無欠なスーパーマンでない、これからのヒーローとしてのカムイ像をしっかりと見届けていただきたい。本当に、松山ケンイチはカムイです、カムイが松山ケンイチです」とダメ押しのメッセージが贈られ、最後には、達成感に満ちた笑顔で3人そろって万歳ポーズでイベントを締めくくった。『カムイ外伝』は9月19日(土)より全国にて公開。■関連作品:カムイ外伝 2009年9月19日より丸の内ピカデリー2ほか全国にて公開© 2009「カムイ外伝」製作委員会■関連記事:松ケン×クドカン登場!『カムイ外伝』完成披露試写会に50組100名様ご招待倖田來未「新しい自分に挑戦したい」『カムイ外伝』で日本語オペラを歌う!松ケン、小雪の支えも得て過酷な忍者アクションを克服「自身で最高の演技が出来た」
2009年07月23日青森県出身の横浜聡子監督が同郷の松山ケンイチを主演に迎え、青森を舞台に津軽弁で紡いだ奇想天外な愛の物語『ウルトラミラクルラブストーリー』。6月6日(土)に本作が全国公開を迎え、都内の劇場で行われた舞台挨拶に、横浜監督に松山さん、共演の麻生久美子が登壇した。麻生さん扮する町子に一直線の主人公・陽人を演じた松山さんは「監督が持っている世界観は、ジャンル分けできない新しさがあり、挑戦する気持ちで演じました」とふり返った。地元・青森へ凱旋を果たしたが「東京にいると土をいじることってなかなかないので、ちょうどマネージャーに『土をいじる役とかないかな』と話していたんです。そんなときにちょうどに今回のオファーが来た」とのこと。「ホームという感じで、だからこそ全てを出し切って最高のものを作りたい、という気持ちで臨みました。実際の撮影ではリラックスして、楽しくやれました」と笑顔を見せた。そんな松山さんに、麻生さんの印象を尋ねると「素朴」という答えが返ってきた。「自然体で(互いの)距離が近いんです。誰でも安心させてくれる空気を持っている方で、今回のお話でも陽人のエネルギーを自然に受け入れました。(俳優の)みなさんが、麻生さんと仕事がしたいとおっしゃる理由がよく分かりました」と大絶賛。さらに現場でのエピソードとして松山さんは「ロケ地から、僕の地元まで片道2時間くらいあるんですが、麻生さんに地元にある僕の好きな定食屋の話をしたんです。そしたら、麻生さんは、自分が休みの日にわざわざ往復4時間かけてその定食屋に行って、しかも撮影中の僕のところにその定食を持ってきてくれたんです」と明かした。「おいしかったですよ。サービスしてもらいました」と笑顔で語る麻生さん。逆に松山さんについて聞いてみると「松山さんこそ素朴な方です。いままでに会ったことのないタイプで、ウソがなく、芝居に入ると人が変わるんです」という答えが返ってきた。さらに、松山さんへ別の質問が投げかけられたが、松山さんが話している最中に、隣りの麻生さんがなぜかモゾモゾと…。「(ブレスレットが服に)引っかかった…(苦笑)」(麻生さん)とのことだが、松山さん曰く、麻生さんが話を中断させるのは3回目。「1回目はくしゃみ、2回目はブレスレットを落として…これで3回目ですよね!素朴なんだから全くもう…(笑)」となぜか愛情たっぷりの口調で突っ込み、会場は笑いに包まれた。横浜監督は、作品に込めた思いについて「両想いになれるか、片想いか勝負っていう感じです」と力強く語った。『ウルトラミラクルラブストーリー』はユーロスペース、シネカノン有楽町2丁目、シネマート新宿ほか全国にて公開中。■関連作品:ウルトラミラクルラブストーリー 2009年5月30日より青森松竹アムゼほかにて先行上映、6月6日よりユーロスペース、シネカノン有楽町2丁目、シネマート新宿ほか全国にて順次公開© 2009「ウルトラミラクルラブストーリー」製作委員会■関連記事:五月病?ならばコレを観よ! vol.2『ウルトラミラクルラブストーリー』麻生久美子、松山ケンイチの豹変ぶりに驚愕!監督「津軽弁に耳をすませて」幸運!?の“ジリ貧”『インスタント沼』特製マグカップを2名様にプレゼント「出たとこ勝負(笑)!」麻生久美子が30歳を前に迎えた岐路と出会いとは?松山ケンイチ、津軽弁ラブストーリーで故郷・青森へ凱旋!主題歌も100sに決定
2009年06月09日